消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

胃・胃食道接合部腺がん1次治療、CAPOXへのcamrelizumabおよびapatinibの上乗せは?/BMJ

 胃・胃食道接合部腺がん(HER2陰性で切除不能な局所進行または転移あり)の1次治療として、camrelizumab+カペシタビン+オキサリプラチン(CAPOX)投与後のcamrelizumabベースの維持療法は、CAPOX単独と比べて、全生存期間(OS)の延長と関連したことが示された。探索的検討では、維持療法のcamrelizumabへapatinibを追加しても、生存ベネフィットの改善は認められず、Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)および治療中止が高頻度であった。中国・北京大学がん病院・研究所のZhi Peng氏らが第III相無作為化非盲検試験の結果を報告した。BMJ誌2026年3月12日号掲載の報告。

ロミプロスチムがCITによる化学療法の減量・延期を回避/NEJM

 化学療法を受けた患者で多くみられる化学療法誘発性血小板減少症(CIT)を有する患者に、ロミプロスチムが有効であることが示された。米国・マサチューセッツ総合病院のHanny Al-Samkari氏らが、14ヵ国で実施した多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「RECITE試験」の結果を報告した。CITは出血や相対用量強度の低下と関連し、予後の悪化につながる可能性があるが、広く利用可能な承認薬は存在していなかった。NEJM誌2026年3月12・19日合併号掲載の報告。

がん関連VTE発症予測に包括的ゲノムプロファイリングは有用か/日本循環器学会

がん患者における重要な心血管合併症の1つに静脈血栓塞栓症(VTE)があり、2023年に公開されたASCO Guidelineにおいても、このようなVTEの高リスク患者への1次予防が推奨されている。しかし、がん関連VTEの発症を正確に予測できるモデルは現段階では確立されていない。そこで今回、中村 栞奈氏(京都大学医学部附属病院 循環器内科)がVTE発症の予測として包括的ゲノムプロファイリングを用いた最新知見について、3月20~22日に開催された第90回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Cohort Studies 1において報告した。なお、本結果はJournal of thrombosis and haemostasis誌オンライン版2026年3月20日号に同時掲載された。

新たな予測モデルでアルコール関連の肝障害をスクリーニング

 脂肪性肝疾患(steatotic liver disease;SLD)に過度の飲酒が関与しているのかどうかを、既存の検査項目を基に特定できる可能性のあることが明らかになった。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のRohit Loomba氏らが新たに開発したこの予測モデルは、性別や平均赤血球容積(MCV)などの既存の情報を基に、患者の肝疾患がアルコールの影響を受けている可能性を推定できるという。この研究の詳細は、「Gastroenterology」に2月25日掲載された。

がん患者の心血管疾患リスクに糖尿病が影響か

 がん治療の進歩により、生存期間が延びる患者が増える一方で、治療後に心血管疾患(CVD)を発症するリスクが新たな課題として注目されている。しかし、どのような患者がCVDを発症しやすいのかは、十分に明らかになっていない。今回、大阪府の大規模がん登録データを用いた解析で、がんの初回診断時に糖尿病を併存する患者では、CVDの新規発症および全死亡リスクが有意に高いことが示された。研究は、大阪国際がんセンターがん対策センターの桒原佳宏氏、宮代勲氏らによるもので、詳細は1月22日付で「PLOS One」に掲載された。

地方在住のがん患者は手術のために都市部へ行くべきか

 地方のがん患者は、主要な医療機関で治療を受けるために長距離移動することが多いが、そうした長旅は、必ずしも必要ではないかもしれない。肺がんまたは大腸がん患者を対象にした新たな研究で、地元の病院で治療を受けた場合と都市部の医療機関へ移動して治療を受けた場合で、死亡率や手術の転帰に大きな差は認められなかったことが明らかになった。米ルイビル大学外科学分野のMichael Egger氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American College of Surgeons」に2月11日掲載された。

日本人の腸内細菌叢、世界と異なる特徴は?

 ヒトの腸内細菌叢(マイクロバイオーム)は、宿主の免疫や代謝、健康状態と密接に関わっている。東京大学の西嶋 傑氏らの研究グループは、日本人5,000人以上の腸内メタゲノムデータを解析し、世界37ヵ国と比較した。その結果、日本人の腸内細菌叢にはビフィズス菌が豊富であり、9割が海藻の分解酵素を持つという独自の特徴や、腸内細菌叢の構成には特定の薬剤が大きく影響することなどが判明した。Proceedings of the Japan Academy, Series B誌2026年2月号に掲載。

胃がん術後の早期経口摂取、ガイドライン記載も実施は2割/日本胃癌学会

 胃がん術後の早期経口摂取は、ガイドラインで提唱されているにもかかわらず、実際に導入している施設は約2割に留まることがわかった。水戸済生会総合病院の丸山 常彦氏らはDPCデータを用いて全国472施設・2万6,097例を解析し、早期経口摂取の実施状況と臨床的意義を検討した。本研究「本邦における胃癌手術後の早期経口摂取の現状と臨床的意義―全国DPCデータ26,097例の解析」は、2026年3月4~6日に行われた第98回日本胃癌学会総会で発表され最優秀演題に選ばれるとともに、Surgical Oncology誌2026年2月号に掲載された。

切除可能な高リスク肝内胆管がん、術前補助療法GOLPが有効/NEJM

 切除可能だが再発リスクの高い肝内胆管がん患者において、術前補助療法としてのGOLPレジメン(ゲムシタビン+オキサリプラチン+レンバチニブ+抗PD-1抗体[toripalimab])は、対照群(術前補助療法なし)と比較して無イベント生存期間(EFS)を有意に延長し、有害事象は主として低Gradeであった。中国・復旦大学のGuo-Ming Shi氏らZSAB Study Groupが同国11病院で実施した第II/III相の研究者主導の非盲検無作為化試験の結果を報告した。切除可能だが再発リスクの高い肝内胆管がん患者に対して、標準療法として確立した術前補助療法はない。GOLPレジメンは、進行肝内胆管がんおよび胆道がんに対する有望な有効性と管理可能な安全性プロファイルが示されていた。NEJM誌2026年3月5日号掲載の報告。