消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

IDH1変異陽性胆道がんに対するイボシデニブ、国内初のIDH1阻害薬として承認/日本セルヴィエ

 日本セルヴィエは2026年6月19日、IDH1遺伝子変異陽性の切除不能な胆道がんを対象として、イボシデニブ(商品名:ティブソボ)の適応追加承認を取得したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道癌」であり、国内初のIDH1遺伝子変異を標的とした胆道がん治療薬となる。  胆道がんは胆管がん、胆のうがん、十二指腸乳頭部がんからなり、多くが進行期に診断されるため予後不良である。なかでも肝内胆管がんは近年国内で増加傾向にあり、10~20%の症例にIDH1遺伝子変異が認められると報告されている。これまで国内では、胆道がんに対するIDH1変異標的薬は承認されておらず、2次治療以降の選択肢は限られていた。

セマグルチドがMASH適応を取得、国内初の治療薬に/ノボ

 2026年6月19日、ノボ ノルディスク ファーマは同社のGLP-1受容体作動薬セマグルチド(ウゴービ)が、肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(metabolic dysfunction-associated steatohepatitis:MASH)のうち、中等度または高度の肝線維化を有する患者を対象とした効能・効果の追加承認を取得したことを発表した。これにより同薬は日本で初めて承認されたMASH治療薬となる。  MASHは、従来「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」として知られていた疾患概念を発展させたもので、代謝異常を背景として肝細胞障害や炎症、線維化が進行する慢性肝疾患である。

デュルバルマブ、切除可能胃がんの周術期治療で承認/AZ

 アストラゼネカは2026年6月19日、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)が、「胃がんにおける術前・術後補助療法」の適応で厚生労働省の承認を取得したと発表した。これにより同薬は、日本で初めてかつ唯一の切除可能胃がんに対する周術期免疫療法として使用可能となった。  胃がんは世界で年間約100万人が新たに診断される主要ながんの1つであり、日本でも罹患数第3位、死亡数第4位を占める。切除可能症例では手術と周術期治療が治癒を目指す標準的アプローチであるものの、依然として再発率は高く、さらなる予後改善が課題となっている。

慢性B型肝炎、bepirovirsen追加で機能的治癒の達成割合改善/NEJM

 慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染患者の治療において、標準治療であるヌクレオシド/ヌクレオチドアナログ(NA)療法へのbepirovirsenの追加はプラセボの追加と比較して、機能的治癒の達成割合が有意に高く、その一方でGrade3のALT値上昇の頻度が高いことが、中国・南方医科大学のJinlin Hou氏らによるB-Well 1・2試験の結果で示された。bepirovirsenは、すべてのHBVの転写産物を標的とする非結合型アンチセンス オリゴヌクレオチドであり、HBV RNAおよびB型肝炎表面抗原(HBsAg)の量を減少させるとともに、免疫細胞の活性化をもたらすとされる。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年5月28日号に掲載された。

腹膜播種を伴う胃がん、腹腔内パクリタキセル追加でOS延長(DRAGON-01)

 腹膜播種を伴う胃がんは予後不良であり、1次治療として全身化学療法が行われるものの全生存期間(OS)中央値は1年未満にとどまる。中国で実施された第III相ランダム化比較試験DRAGON-01において、腹腔内パクリタキセルを静脈内パクリタキセル+S-1療法に追加することで、OSが有意に延長することが報告された。JAMA Oncology誌オンライン版2026年5月21日号掲載の報告。  パクリタキセルは腹膜腔内で高濃度を長時間維持できることから、腹腔内投与による局所制御向上が期待されてきた。

脂肪肝は心血管イベントリスクの上昇と関連

 脂肪性肝疾患(脂肪肝)は、肝臓だけでなく心臓にも悪影響を及ぼす可能性があるようだ。新たな研究で、脂肪肝を有する人では有していない人に比べて、非石灰化冠動脈プラークの量が多く、全死因死亡や心筋梗塞などを含む主要イベントの発生率が約2倍に上昇していることが明らかになった。非石灰化プラークは、石灰化していないため破裂しやすく、血栓形成を通じて心血管イベントを引き起こすリスクが高いとされている。米マス・ジェネラル・ブリガム心臓血管研究所のJan Brendel氏らによるこの研究の詳細は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に5月20日掲載された。

便潜血検査にH. pylori抗原検査追加が有益/JAMA

 2年ごとに行う免疫学的便潜血検査(FIT)スクリーニングに1回限定で便中ヘリコバクターピロリ(H. pylori)抗原検査を追加した場合、FITスクリーニング単独の場合と比べて、生涯にわたる健康上のベネフィットをもたらし、費用対効果も優れることが、国立台湾大学のYi-Chia Lee氏らCollaborators of the Taiwan Community-Based Integrated Screening Groupによって示された。検討は順守状況が不確実なリアルワールド設定下で行われた。H. pylori感染は胃がんの主な原因であることが示されているが、集団検診および除菌治療による経済的効果は不明確なままであった。JAMA誌オンライン版2026年6月1日号掲載の報告。

心血管代謝リスク因子は女性でより強く肝線維化のオッズ上昇と関連

 特定の心血管代謝リスク因子を有する女性では、同じリスク因子を持つ男性と比較して、肝線維化のオッズ上昇の程度が大きいとする研究結果が、「JAMA Network Open」に3月9日掲載された。  米南カリフォルニア大学(USC)のSomaya Albhaisi氏らは、心血管代謝リスク因子と有意な肝線維化との関連に性差があるかを検討した。解析には、2017~2020年の米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した米国成人5,981人のデータが含まれた。  その結果、有意な肝線維化の有病率は女性で6.9%、男性で10.7%であった。有意な肝線維化との関連について、ウエスト周囲径高値(調整オッズ比は女性で13.45、男性で4.44)、耐糖能異常(同2.94、1.51)、2つ以上の心血管代謝リスク因子の存在(同10.22、2.87)において、女性の方が男性より点推定値が有意に高かった。

がん診療初心者でも学べる!楽しめる!第16回亀田総合病院腫瘍内科セミナー【ご案内】

 2026年7月19日(日)に、第16回亀田総合病院腫瘍内科セミナーが御茶ノ水での現地開催とWeb上のLIVE配信のハイブリッド形式で開催される。白井 敬祐氏(ダートマス大学腫瘍内科)、池田 貞勝氏(東京科学大学病院がんゲノム診療科)、小山 隆文氏(国立がん研究センター中央病院先端医療科)を講師として迎え、がん診療総論、がん患者の救急対応、チーム医療のTipsやコミュニケーション方法、そしてゲノム診療など幅広い領域を扱う。また、亀田総合病院腫瘍内科スタッフによる「実臨床における思考過程」を解説する講座も用意されているほか、同科の日常診療を体験できるワークショップも企画されている。

歯周病とMASLDの関連、女性で顕著――閉経前後で差

 歯周病は口腔内の慢性炎症として知られ、全身の代謝異常との関連も指摘されている。今回、健診受診者を対象に歯周病と代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の関連を検討した結果、女性では両者に有意な関連が認められ、特に閉経前後の年代でその傾向が顕著であることが示された。研究は愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座の齋藤瑞季氏、嶋崎義浩氏らによるもので、詳細は4月8日付で「Clinical and Experimental Dental Research」に掲載された。