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米国でダパグリフロジンがCKDの適応承認/アストラゼネカ

 SGLT2阻害薬の活躍の場が拡大している。AstraZeneca(本社:英国ケンブリッジ)のSGLT2阻害剤ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)が、進行リスクのある成人の慢性腎臓病(CKD)における適応承認を米国で取得した。適応症は、慢性腎臓病におけるeGFRの持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、および心不全入院のリスク低減。 ダパグリフロジンは、経口で1日1回投与の、ファーストインクラスの選択的SGLT2 阻害剤であり、心臓、腎臓、膵臓における基本的な関連性の解明に伴い、心臓・腎臓に及ぼす影響から、予防、そして臓器保護へと研究は進化している。 CKDは、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患で、世界で約8.4憶人の患者がいると推定されている。そして、その多くはまだ診断されていない状態である。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、糸球体腎炎で、CKDは高い有病率や、心不全や若年死をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与している。最終的に末期腎不全(ESKD)に進行すると血液透析や腎移植を必要とする状態となる。 アメリカ食品医薬品局(FDA)による今回の承認は、DAPA-CKD試験(第III相)の良好な結果に基づいており、また、本年の初めにFDAより付与された優先審査指定に続くもの。 DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例を対象に、ダパグリフロジン10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験。 第III相DAPA-CKD試験においてダパグリフロジンは、CKDステージ2~4、かつ、尿中アルブミン排泄の増加を認める患者を対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)もしくはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)による標準治療への併用で、腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合評価項目を、プラセボと比較し39%低下させた(p

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オシメルチニブのEGFR陽性肺がん術後アジュバント、欧州で承認勧告/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、欧州連合(EU)において、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、腫瘍完全切除後の早期(IB期、II期およびIIIA期)EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法の治療薬として、製造販売承認が勧告されたと発表。 今回の欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解は、第III相ADAURA試験の結果に基づくものである。同試験において、オシメルチニブは主要評価項目であるII期およびIIIA期のEGFR変異陽性NSCLC患者における無病生存期間(DFS)、ならびに全対象症例におけるDFSにおいても、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した。 NSCLC患者のおよそ30%は、治癒切除可能な早期ステージに診断されるが、早期ステージと診断された患者においても術後再発率は依然として高いままである。これまでに、IB期と診断された患者の半数近く、IIIA期では4分の3以上もの患者が5年以内に再発を経験している。

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高齢日本人EGFR陽性肺がんを対象としたアファチニブ1次治療(NEJ027)/BMC Cancer

 肺がんは高齢者の頻度が高い。しかし、高齢者肺がんに対する研究結果は十分ではない。未治療の高齢日本人EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、アファチニブの1次治療の抗腫瘍活性と安全性を調査した多施設単群第II相NEJ027試験の結果が発表された。・対象:75歳以上の未治療の進行EGFR変異陽性(Del19またはL858R)のNSCLC・介入:アファチニブ40mg/日 疾患進行または許容できない毒性が発現するまで投与・主要評価項目:中央委員会評価による客観的奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・38例の患者がアファチニブの投与を受け、37人が有効性評価可能であった。・年齢の中央値は77.5歳、ECOG PS0〜1、60.5%がDel19陽性であった。・追跡期間中央値は838日であった。 ・ORRは75.7%(CR2例、PR26例)であった。・無増悪生存期間中央値は14.2ヵ月。全生存期間(OS)中央値は35.2ヵ月で、 2年OS率は78.3%であった。・一般的なGrade3/4の治療関連有害事象(TRAE)は、下痢(28.9%)、爪囲炎(23.7%)、発疹/ざ瘡(15.8%)であった。 ・TRAEによる減量は78.9%、TRAEによる中止は21.1%(8例)で、治療関連死は認められなかった。 この研究ではアファチニブの用量調整が比較的一般的に認められた。しかし、75歳以上のいおいても中止頻度は少なく、ほとんどの患者は1年以上治療を続けることができた、としている。

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オシメルチニブ以降の第3世代EGFR-TKI【肺がんインタビュー】 第62回

第62回 オシメルチニブ以降の第3世代EGFR-TKI出演:Karmanos Cancer Institute Department of Oncology 長阪 美沙子氏EGFR変異陽性非小細胞肺がんにおいて、第3世代EGFR-TKIのオシメルチニブは、すでに1次治療のスタンダードであるが、実はそれ以外にも多くの第3世代EGFR-TKIが開発中である。昨年(2020年)末のJournal of Thoracic Oncology誌に同薬のレビューを発表した米国Karmanos Cancer Instituteの長阪 美沙子氏に解説いただいた。参考Nagasaka M, et al. Beyond osimertinib: The development of 3 rd-generation EGFR Tyrosine Kinase Inhibitors. J Thorac Oncol. 2020 Dec 15

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血液検体による固形がんCGP「FoundationOne Liquid CDx」国内承認/中外

 中外製薬は、2021年03月23日、固形がんに対する包括的ゲノムプロファイリング(CGP: comprehensive genomic profiling)を提供するリキッドバイオプシー(LB: liquid biopsy)検査として、「FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル」の承認を、3月22日に厚生労働省より取得したと発表。血液検体を用いた固形がんに対するCGPと、国内で承認された複数のコンパニオン診断機能を併せ持ったがん遺伝子パネル検査として国内初の承認となる。 FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルは、進行固形がん患者を対象とし、血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA: circulating tumor DNA)を用いることで、324のがん関連遺伝子を解析する。がんゲノムプロファイリング機能と併せ、厚生労働省より承認されている複数の分子標的治療のコンパニオン診断機能も有しており、これらの結果を一つのレポートとして提供する。 販売名はFoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル。下の医薬品の適応判定の補助を目的とし、対応する遺伝子変異等を検出する。・EGFR遺伝子変異(非小細胞肺がん):アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩・EGFRT790M変異(非小細胞肺がん):オシメルチニブメシル酸塩・ALK融合遺伝子(非小細胞肺がん):アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ・ROS1融合遺伝子(非小細胞肺がん):エヌトレクチニブ・NTRK1/2/3融合遺伝子(固形がん):エヌトレクチニブ

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汎HER阻害薬poziotinib、EGFRおよびHER2 exon20変異NSCLCに有望な評価/ESMO-TAT2021

 2021年3月1〜2日に開催されたESMO Targeted Anticancer Therapies(TAT)Virtual Congress 2021の発表によると、EGFR exon20変異を有する転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、汎HER阻害薬poziotinibは臨床的利益と許容できる安全性を示した。さらにこの研究では、EGFRまたはHER2のexon20変異を有する患者において、poziotinibの1日2回の投与が1回投与に比べ安全性プロファイルが改善される可能性があることを示した。このpoziotinibの研究はマルチコホート第II相ZENITH20試験である。・対象:[コホート3]転移のある未治療のEGFR exon20変異NSCLC患者79例[コホート5」EGFRまたはHER2 exoin20変異NSCLC患者40例・介入:[コホート3]poziotinib16 mg/日[コホート5」poziotinib1日1回(10、12、16mg/回)と1日2回(6mg、8mg/回)に無作為に割り付け。・評価項目:客観的奏効率(ORR)奏効期間、無増悪生存期間(PFS)および安全性 主な結果は以下のとおり。[コホート3]・追跡期間中央値9.2ヵ月時点で、79例中12例が治療を継続していた。 ・ORRは27.8%、疾患制御率は86.1%であった。・DoR中央値は6.5ヵ月であった。・ITT解析患者の91%が腫瘍縮小を示した。 ・PFS中央値は7.2ヵ月であった。・有害事象(AE)プロファイルは、第2世代EGFR-TKIと同様であった。Gade3以上のAEは皮疹が33%、下痢が23%で発現した。[コホート5]・AE発現率は16mg1日1回の31%に対し、8mg1日2回では21%、12mg1日1回の27%に対し、6mg1日2回では16%と、1日2回投与群で低かった。 これらのデータは、poziotinibの16mg/日投与が転移のある未治療のEGFR exoin20変異NSCLC患者において臨床的に意味のある活性を有することを示し、さらに、1日2回投与とすることで、忍容性と安全性が改善されたことを示唆したと、著者らは述べている。

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EGFR変異肺がん2次治療、オシメルチニブ+ベバシズマブの評価は?【肺がんインタビュー】 第60回

第60回 EGFR変異肺がん2次治療、オシメルチニブ+ベバシズマブの評価は?出演:和歌山県立医科大学 内科学第3講座 赤松 弘朗氏EGFR変異非小細胞肺がんにおけるEGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用による有効性の向上が報告されている。そこで2次治療のT790 M変異陽性例に対するオシメルチニブ+ベバシズマブを評価するWJOG8715L試験が行われ、その結果がJAMA Oncology誌で発表された。筆頭著者である和歌山県立医科大学の赤松 弘朗氏に同研究の内容と結果について聞いた。参考Akamatsu H, et al. Efficacy of Osimertinib Plus Bevacizumab vs Osimertinib in Patients With EGFR T790M-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer Previously Treated With Epidermal Growth Factor Receptor-Tyrosine Kinase Inhibitor: West Japan Oncology Group 8715L Phase 2 Randomized Clinical Trial.JAMA Oncol. 2021 Jan.[Epub ahead of print]

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T790M陽性肺がん、オシメルチニブ+ベバシズマブ有効性示せず(WJOG8715L)/JAMA Oncol

 EGFR変異非小細胞肺がんにおける第1世代EGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用による有効性の向上が報告されている。そこで2次治療のT790 M変異陽性例に対するオシメルチニブ+ベバシズマブの有効性と安全性を評価する第I/II相WJOG8715L試験が行われた。この試験は6例の導入部分とそれに続く第II相部分で構成される。・対象:EGFR-TKI(第3世代TKI除く)耐性かつEGFRT790M変異陽性の進行肺腺がん患者・試験群:オシメルチニブ80mg/日+ベバシズマブ15mg/kg 3週間ごと PDとなるまで・対照群:オシメルチニブ80mg/日PDとなるまで・評価項目:[主要評価項目]治験担当医評価の無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全体奏効率(ORR)、治療成功時間(TTF)、全生存期間(OS)、安全性 主な結果は以下の通り・2017年8月〜2018年9月に、第II相には87例の患者が登録された。・登録患者年齢中央値は68歳、男性41%、ECOG PS 0が46%、脳転移例は26%であった。・PFS中央値はオシメルチニブ+ベバシズマブ群9.4ヵ月、オシメルチニブ群13.5ヵ月であった(HR:1.44、80%CI:1.00〜2.08、p=0.20)。・ORRはオシメルチニブ+ベバシズマブ群68%、オシメルチニブ群54%であった。・TTF中央値は、オシメルチニブ+ベバシズマブ群8.4ヵ月、オシメルチニブ群11.2ヵ月であった(p=0.12)。・OS中央値は、オシメルチニブ+ベバシズマブ群未達、オシメルチニブ群22.1ヵ月であった( p=0.96)。・併用療法群で、Grade3以上の一般的な有害事象はタンパク尿(23%)、高血圧(20%)であった。 EGFRT790M変異を有する進行肺腺がん患者においてオシメルチニブとベバシズマブの併用はオシメルチニブ単独と比較して主要・副次評価項目を達成できなかった。

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EGFR変異肺がん、エルロチニブ+ベバシズマブ1次治療の全生存期間とリキッド検査の結果(NEJ026)/日本臨床腫瘍学会

 NEJ026試験はEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)を対象にベバシ ズマブとエルロチニブの併用療法をエルロチニブ単剤療法と比較した第III相試験である。2018年に無増悪生存期間(PFS)において、ベバシ ズマブとエルロチニブの併用の統計学的有意が報告された。18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、全生存期間(OS)、および血漿EGFR変異検査に関する結果が宮城県立がんセンターの福原 達郎氏により発表された。・対象:化学療法治療歴のない非扁平上皮EGFR変異陽性NSCLC。Stage IIIB/IVまたは術後再発例(無症候性の脳転移症例も登録)・試験群:ベバシズマブ+エルロチニブ(BE群)・対照群:エルロチニブ単剤(E群)・主要評価項目:独立評価委員会によるPFS・副次評価項目:OS、奏効率、奏効期間、安全性など・探索的評価項目:2次治療後までを含めたPFS(PFS2)、バイオマーカー検索、血漿EGFR変異解析(治療前[P0]、試験治療開始 から6週間後[P1]、初回増悪[P2]の時点で解析)。 主な結果は以下のとおり。・2015年6月~2016年8月に226例が登録され、評価対象はBE群(112 例)とE群(112例)となった。 ・PFS中央値はBE群16.9ヵ月、E群の13.3ヵ月と、有意にBE群で良好であった(HR:0.605、95%CI:0.417~0.877、p=0.01573)。・OSの中央値はBE群50.7ヵ月、E群46.2ヵ月であった(HR:1.0007、95%CI:0.681~1.1490、p=0.973)。・血漿EGFR変異検査の結果(P0 、P1)から各治療群のPFS [BE群]P0陰性(-)P1陰性(-)集団18.1ヵ月、P0 (+)P1(+)6.0ヵ月、P0(+)P1(-)15.5ヵ月。 [E群]P0(-)P1(-)16.7ヵ月、P0 (+)P1(+)4.3ヵ月、P0(+)P1(-)11.1ヵ月。・BE群においては、P0(+)P1(-)集団のPFSが、もっとも良好なPFSを示すP0(-)P1(+)に近いことから、 、P0(+)P1(-)集団 でのベバシズマブの追加効果が示唆された。

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メトホルミンはCOVID-19の発症・死亡に影響するのか?

 糖尿病は、COVID-19による死亡の重要なリスク因子として考えられており、これまでのさまざまな研究で、糖尿病治療薬メトホルミンが複数のメカニズムを介してCOVID-19に影響を与えることが示唆されている。今回、英・バーミンガム大学のJingya Wang氏らが、2型糖尿病患者におけるCOVID-19へのメトホルミンの影響を調査した。その結果、メトホルミンの処方は、COVID-19発症または死亡のリスクとは関連していなかった。Journalof Clinical Endocrinology and Metabolism誌オンライン版2021年2月9日号での報告。 研究グループは、英国の大規模なプライマリケアデータThe Health Improvement Network(THIN)を使用し、成人の2型糖尿病患者を対象とした人口ベースの後ろ向きコホート研究を実施。解析データにはインデックスの1年前までに2型糖尿病の一般診療を受けている患者が含まれ、2020年1月30日~10月13日まで追跡された。12歳以前に糖尿病と診断された人、1型糖尿病、血糖降下薬に対する副作用の既往歴、膵炎、推定糸球体濾過率(eGFR)測定値が30mL/min/1.73m2未満、前年に妊娠した人は除外された。 メトホルミンおよびその他の血糖降下薬8種のうち、少なくとも1種類の処方がある患者(MF+)と、メトホルミンを含まない血糖降下薬の処方がある患者(MF-)を比較。アウトカムとして、疑い例を含むCOVID-19、RT-PCR検査で確定診断されたCOVID-19、およびそれに関連する死亡率を調査した(COVID-19に関連する死亡は、診断後28日以内の死亡として定義)。ネガティブコントロールとして、腰痛の結果分析も実施した。 主な結果は以下のとおり。・解析データには、2万9,558例のメトホルミン群(MF+)および1万271例の対照群(MF-)が含まれ、そこから社会人口統計学的要因(年齢と性別、肥満度指数およびその他の代謝プロファイル測定値、血圧、心血管およびその他の併存疾患)を含む交絡因子の傾向マッチングにより、各群から1万183例を抽出した。・マッチング後、疑い例を含むCOVID-19と確認されたのは、メトホルミン群で172例(うち確定は47例)、対照群で186例(同54例)だった。対照群と比較したメトホルミン群におけるCOVID-19発症の調整ハザード比(HR)は、疑い例を含むCOVID-19で0.85(95%CI:0.67~1.08)、確定診断されたCOVID-19で0.80(95%CI:0.49〜1.30)であり、いずれも統計的有意性は得られなかった。・メトホルミン群で死亡した214例のうち17例、および対照群で死亡した266例のうち20例が、COVID-19に関連していた。すべての原因による死亡の調整HRは0.89(95%CI:0.74〜1.07)で、COVID-19関連死亡の調整HRは0.87(95%CI:0.34〜2.20)であり、グループ間に有意差は見られなかった。・ネガティブコントロール分析は、見落とされた交絡を示唆しなかった。 著者らは、「メトホルミンの処方は、COVID-19の発症率または死亡率のリスク上昇とは関連しなかった。COVID-19への懸念にかかわらず、糖尿病患者の血糖コントロールを改善するためにメトホルミンを処方し続けることは安全だ」とコメントしている。

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オシメルチニブの肺がんアジュバント、化学療法歴の有無にかかわらずDFS延長/アストラゼネカ

 アストラゼネカ社は、2021年2月8日、第III相ADAURA試験の探索的解析の良好な結果から、オシメルチニブ、(商品名:タグリッソ)が、EGFR遺伝子変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、術後補助化学療法歴の有無、また疾患のステージにかかわらず、無病生存期間(DFS)を延長することが示されたと発表した。これは、昨年発表された術後補助療法におけるオシメルチニブの主要評価項目であるDFSの顕著な延長という結果をさらに支持するものとしている。同試験の結果は、国際肺癌学会(IASLC)が主催する2020年世界肺癌学会(WCLC)(2021年1月開催)で発表された。 全症例を対象としたこの探索的解析において、オシメルチニブによる術後補助療法は、術後補助化学療法歴のある患者では再発または死亡リスクを84%減少させ(HR:0.16、95%CI:0.10〜0.26)、術後補助化学療法歴のない患者では77%減少させた(HR:0.23、95%CI:0.13〜0.40)。なおDFSの延長の有用性は各ステージで同程度であった。 さらに、ADAURA試験で実施された患者報告アウトカムに関する探索的事後解析では、オシメルチニブの投与を受けた患者の生活の質は維持されており、オシメルチニブ投与群とプラセボ投与群とでは身体的または精神的健康度に関して臨床的に意義のある差はなかったことが示された。 オシメルチニブの安全性と忍容性はこれまでの試験と一致しており、治験担当医師評価によるGrade3以上の有害事象発生率は、オシメルチニブ投与群で20%、プラセボ投与群で13%であった。

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ASCO- GI 2021 会員レポート

レポーター紹介2021年1月15日~17日にかけてASCO-GI2021が行われた。例年、サンフランシスコで行われているシンポジウムであったが、今年は新型コロナウイルスの影響でvirtual開催となった。総論的にはPractice changingな発表はなかったものの、ASCO2020やESMO2020で発表された重要データのfollow upがなされ、evidenceがさらに補強されたように感じた。食道がん2020年は食道がんにとってpractice changingなデータが発表された年であった。1つはStage II/IIIに対する術前治療としてのCisplatin+5-FU (CF)+radiation、その後のadjuvantとしてのnivolumabの有効性を証明したCheckMate-577試験である。ASCO-GI 2021 においては、nivolumabによるadjuvantがQoLの低下を招かないことが示された(abstract#167)。Stage II/III食道がんに対する術前治療として欧米ではCF+radiationによる術前化学放射線治療が標準的であるのに対し、本邦においてはCFが標準治療である。しかし奏効率は40%と術前補助化学療法としては物足りない数字であり、すでに先鋭的な施設ではdocetaxelを加えた3剤療法であるDCFを、いわばcommunity standardとして用いている現状がある。Stage II/III食道がんに対する術前治療として果たしてDCFはCFよりも優れた治療なのか、またCF+radiationはどうなのか?という食道がんを診ている医療関係者が持つclinical questionに結論を出すべく行われてきたのが「JCOG 1109(NExT)試験」である。主要評価項目の解析は2023年に予定されているが、今回のASCO-GIでは安全性部分だけが先んじて報告された(abstract#162)。2012年12月~2018年7月に、601例が無作為化された(CF/DCF/CF-RT;199/202/200)。対象患者589例のうち、546例が手術を受けた(185/183/178)。CF-RTを受けた患者のリンパ節摘出数の中央値は、CFを受けた患者よりも有意に低く(49 vs.58、 p<0.0001)、DCFを受けた患者におけるgrade2の周術期合併症の発生率は、CFを受けた患者よりも低いという結果であった(44.8% vs.56.2%、p=0.036)。DCFおよびCF-RTを受けた患者の再手術および院内死亡の発生率はCFを受けた患者と差がなかったものの、CF-RTを受けた患者におけるグレード2の乳糜胸の発生率は、CFを受けた患者よりも高いという結果であった(5.1% vs.1.1%、p=0.032)。上述のようにstage II/III食道がんに対する術前治療として、本邦でstandardと言い切れないCF-RTを行ってnivolumabを投与するCheckMate-577をただちに日常診療に外挿すべきか、はたまたDCFを使用して良いものか、大変に混沌とした状況であり、JCOG1109試験で決着がつくことを期待したい。昨年発表されたもう一つの最重要な試験として、切除不能進行再発食道がんの1次治療としてFPに対するpembrolizumabの上乗せ効果を証明したKEYNOTE-590試験がある。今回のASCO-GIでCF+pembrolizumab群がCF群と比較して差がなかったというQoLデータが報告された(abstract#168)が、前述のabstract#167同様にpembrolizumabによる治療効果や毒性はQoLの違いには反映されなかったという結果であった。本邦における1日も早い1st lineでの承認が待たれる。現在2次治療として使用可能なnivolumabについてはATTRACTION-03試験(abstract#204)や前相試験であるATTRACTION-01試験(abstract#207)のそれぞれ3年、5年のfollow up dataが報告され、過去に報告された胃がん同様に奏効例で長期生存が得られることが示された。またATTRACTION-01試験における5年の無増悪生存割合が6.8%という驚くべき数字が報告され、いわゆるtail plateauが実証された形となった。このラインに対する注目される新たな治療開発としては2次治療におけるcamrelizumab(抗PD-1抗体)/apatinib(VEGFR-2を含むmulti kinase inhibitor)phase II試験を取り上げたい(abstract#215)。1次治療に不応となった食道扁平上皮がん46例に対して主要評価項目をORRとして治験治療が行われた。評価対象となった30例のORRは43.3%、median PFSは 4.07ヵ月(95%CI、3.75-NA)、3、6、9ヵ月時点での生存割合は82.2%、67.6%、61.5%であった。ICI+αが現在のトレンドであるが、1st lineからICIが使用可能な状況となる今後の開発の行方に注目が集まる。胃がん今年のASCO-GIの目玉の一つが、FGFR2bに対する抗体であるbemarituzumabの有効性を探索したphaseII試験(FIGHT)である(abstract#160)。学会前にすでにpositive resultとのプレスリリースがなされておりその結果に注目が集まっていた。FIGHT試験では、FGFR2b陽性の切除不能な局所進行性転移性胃もしくは胃食道接合部がん155例を、bemarituzumab+mFOLFOX6とplacebo+mFOLFOX6に無作為に割り付けた。主要評価項目はPFSであった。結果、bemarituzumab群はplacebo群と比較して、PFSを有意に延長することが示された(9.5ヵ月[ 95%CI:7.3~12.9] vs.7.4ヵ月[95% CI:5.8~8.4]、HR:0.68[95% CI:0.44~1.04、p=0.0727])。副次的評価項目であるORRは47% vs.37%であった。またOSについてはNR (95% CI:13.8~NR)vs. 12.9ヵ月(95% CI:9.1~15.0)であり、 p=0.0268、HR0.58 (95%CI:0.35-0.95)とbemarituzumab群で統計学的に有意に良好であったことは、過去の胃がんのphaseII試験を振り返ってみても特筆すべきである。またFGFR2bの免疫染色での強さ(IHC intensity)とbemarituzumabの治療効果が相関することも示された。注意すべき有害事象としては角膜障害と胃炎が報告された。以上のように期待の持てる結果であるが、ICIが1st lineの標準治療となる今後の開発をどうするか。さらには胃がんにおいてphaseIIで有望であった薬剤の多くがphaseIIIで成功できなかった過去がある。FGFR2bによる患者選択のassayとしてIHCが良さそうに見える結果ではあるが個人的には同じくligandを有する受容体型チロシンキナーゼであるMETに対する開発を思い出してしまう。今後の動向に注目したい。胃がんにとっても2020年は重要なデータ報告が相次いだ1年であった。特に1st lineからのICI使用を決定づけるCheckMate-648試験の結果は重要であり、胃がんに対するICI治療開発は多剤との併用にて加熱していくであろう。こういう状況下、nivolumab単剤での大規模なバイオマーカー探索を行ったJACCRO GC-08(DELIVER)試験の価値は日に日に大きくなっている。今回、本試験の目玉であるmicrobiomeに関するデータの一部が公表された(abstract#161)。training cohortおよびvalidation cohortにでは、それぞれ200例中188例、301例中257例で大規模なメタゲノム解析および臨床データが利用可能であった。nivolumab治療を行いnon-PDであった症例ではPDであった症例と比較して、より多様なmicrobiomeが観察された。今回の解析ではKEGG pathwayにて上皮細胞の細菌浸潤がnivolumabの臨床転帰(初回評価でのPD)と関連していることが示され(training cohort[p=0.057]、validation cohort[p=0.014])、探索的解析により、両コホートにおいて、OdoribacterおよびVeillonellaがNivoに対する腫瘍反応と関連していることが示された。本試験では血液検体の採取も行われており、胃がんに対するnivolumabのバイオマーカーが今後の解析でより詳細に解明されることが期待される。ICIの開発は化学療法との併用から、分子標的薬や他のICI製剤などへの併用へと興味が移っている。LEAP005試験はpembrolizumabとmulti-tyrosine kinase inhibitorであるlenvatinibとの併用を複数のがん種コホートで検討したphase II試験である。胃がんコホートでは少なくとも2種類の前治療歴を有する症例が適格であった。ORRを主要評価項目としてlenvatinib 20mg 1日1回投与とpembrolizumab 200mg Q3W投与を、最大35サイクル(約2年間)投与するスケジュールで行われた。31例が登録され1例のCRを含む奏効例は3例でありORRは10%(95%CI:2~26)でDCRは48%(95%CI:30~67)であった。PFS中央値は2.5ヵ月(95%CI:1.8~4.2)。OS中央値は5.9ヵ月(95%CI:2.6~8.7)であった。28例(90%)に治療関連AEが発生し、そのうち13例(42%)にグレード3~5のAEが発生した。このpembrolizumab-lenvatinibの併用はLEAP試験として胃がんを含めさまざまながん種で展開されていく予定である。今年のASCO-GI2021で最も個人的に物議を醸しているのがstage III胃がんに対する術後補助化学療法としてのdocetaxel+S-1(DS) vs.S-1を検証したJACCRO-GC07試験のupdate報告である(abstract#159)。本試験は中間解析にてdocetaxel+S-1がS-1に対する優越性が証明できたため有効中止となっていた(Yoshida K et al. J Clin Oncol. 2019;37:1296-1304.)。その結果、DSはstage III胃がんに対する標準治療と位置付けられている。今回は試験計画通り最終登録後3年経過した時点でのRFS(relapse free survival)の解析を行ったものである。Stage III全体での解析では3年RFSにおいてDS群の67.7%がS-1群の57.4%を有意に上回った(HR:0.715、95%CI:0.587~0.871、p=0.0008)。3y年OSにおいてもDS群が77.7%、S-1群が71.2%(HR:0.742、95%CI:0.596~0.925、p=0.0076)であった。興味深いのはここからである。Stage IIIA, IIIB, IIICの3年RFSでサブグループ解析を行ったところ、Stage IIIAおよびIIICは全体集団を反映し有意にDSが勝る結果であり無再発生存曲線も一貫して開いていたが、Stage IIIBではDS群とS-1群では3年時点のRFSでこそわずかにDSが高く見えるが(66.14% vs. 61.61%)、見た目の生存曲線がほぼ重なるという現象がみられ(HR:0.881、95%CI:0.629~1.234、p=0.46)、さらにOSでは逆転したかのように見える (3年RFS:73.09% vs.77.23%、HR:0.988、95%CI:0.68~1.434、p=0.95)。サブグループ解析であり、これがDSの優越性を否定するものではないが、現時点でこの現象に対する合理的な説明はなされておらず、さらなる研究が必要である。大腸がん抗VEGF抗体や抗EGFR抗体の登場により、飛躍的に生存期間が延長した大腸がんであるが、これら薬剤の登場から10年が経過し、大きく治療体系が変わるほどの治療法の登場はないものの後方ラインの充実によって少しずつ生存期間を伸ばしてきた。こうした中、2020年大腸がんで発表されたpractice changingなデータといえばKEYNOTE-177であろう(Andre T, et al. N Engl J Med. 2020;383:2207-2218.)。未治療のMSI-H大腸がんに対するpembrolizumabが標準的な化学療法よりも有意にPFSを延長しQoLを維持することが報告され、本邦でも承認を待っている状況である。今年のASCOでは追加解析としてPFS2(無作為化から次の治療ラインでの進行または死因のいずれかに該当するまでの時間)のデータが報告された(abstract#6)。32.4ヵ月(24.0~48.3ヵ月)の追跡期間にてPFS2はpembrolizumabのほうが長い傾向にあることが示された(中央値未到達 vs.23.5ヵ月[HR 0.63;95%CI:0.45~0.88])。本試験は化学療法群のIIT症例のうち59%が後治療としてICIを受けている(crossover)が、ICIを1st lineで使用することの意義が改めて示された。MSI-Hに対するICI治療として注目されるのが、nivolumabと抗CTLA-4抗体ipilimumabの併用療法である。非ランダム化マルチコホートphaseII試験であるCheckMate142の1st line cohortにおいて、nivolumab(3mg/kg)Q2W+low dose ipilimumab(1mg/kg)Q6Wというスケジュールでの高い治療効果(ORR 69%、24ヵ月PFS 74%、24ヵ月OS 79%)が報告されてきた。今回そのupdateとしてさまざまなサブグループでの治療成績が報告された(abstract#58)。KEYNOTE-177試験のサブグループ解析においてpembrolizumabはKRAS mutation、PS-1を苦手とする結果であったが、nivolumab+low dose ipilimumabではそのような傾向は見られなかった。どういった対象で最もこの併用療法のbenefitがあるのかが明らかになれば、今後のICI単剤もしくは併用の使い分けにおいて重要である。胃がんの項でも触れたLEAP005試験の大腸がんコホートのデータも報告された(abstract#94)。2次治療に不応となったMSS大腸がん32例がpembrolizumab-lenvatinibによる治療を受けた(年齢中央値56歳[範囲36~77歳]、男性81%、3L 91%)。初回投与からデータカットオフ(2020年4月10日)までの追跡中央値は10.6ヵ月(範囲5.9~13.1)。主要評価項目であるORRは22%(95%CI:9~40)、DCRは47%(95%CI:29~65)であった。中央値で見るとPFS、OSは2.3ヵ月(95%CI:2.0~5.2)、7.5ヵ月(95%CI:3.9~NR)であったがDuration of responseは中央値未到達であり、いったん奏効すればその効果は長期持続する傾向がうかがえた。これまであまり有望なICI治療がなかったMSS大腸がんであるが、すでにICIが承認されているLEAP005胃がんコホートと比較しても期待の持てるデータに思えた。以上、数ある今年の発表の中から、小生の独断と偏見で選んだ注目演題をレポートした。2020年ASCOやESMOでも感じたが、virtual meetingは日本にいながらにしてon timeで情報が得られるメリットがある一方で、日常診療と並行して参加しなければならないというデメリットがある。こうしたvirtual meetingがnew normalなのかもしれないが、旧人類的な小生は従来のように海外に長期出張して参加するという、日常とは空間的、時間的に隔離された条件で新しい情報に没頭するという環境を懐かしく思うし、そもそも学会とはそういうものであるべきだと考えている。ワクチン摂取によって集団免疫が獲得され、コロナが収束し、皆さんとrealにお会いして自由にdiscussionできるようになる日が1日でも早く来ることを願ってやまない。それまで元気でいましょうね!

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バーチャル開催のJSMO2021、注目演題を発表/日本臨床腫瘍学会

 2021年2月18日(木)~21日(日)、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2021)が完全バーチャル形式で開催される。これに先立ち、プレスセミナーが開催され、今回のJSMO2021の取り組みや注目演題等が発表された。JSMO2021のテーマは「Evolving Treatment Paradigms for Precision Oncology」 この中で、会長を務める西尾 和人氏(近畿大学医学部ゲノム生物学教室 教授)が学会の概要を説明。昨年夏にいち早く完全バーチャル形式での開催を決めたJSMO2021は、例年より長めの日程となり、海外演者も数多く登壇予定だ。「朝は7時から夜は23時まで多くの演題を用意し、勤務のある方でも参加しやすくした」(西尾氏)。 JSMO2021のテーマは「Evolving Treatment Paradigms for Precision Oncology」で、2019年にがん遺伝子パネル検査が保険収載となってから1年半あまりで、がんの臨床現場を大きく変えたゲノム医療についてリアルワールドデータやアジア各国のとの協働研究の結果が報告される。また、15の学術部会による教育シンポジウムや患者支援企画、国際学会としてASCO(米国腫瘍学会)やESMO(欧州腫瘍学会)とのジョイントセミナーや少人数で各国の腫瘍内科医とディスカッションする「Meet the Experts」も多数設けられた。その他の注力テーマとしては「COVID-19流行下におけるがん診療」と、リキッドバイオプシーや人工知能(AI)の臨床応用といった「新しいテクノロジーにおけるがん医療の変革」が設定され、いずれも複数のセッションが予定されている。 続けて、中川 和彦氏(近畿大学医学部内科学教室 教授)が、JSMO2021における900題にのぼる一般演題の中で、とくに注目される3つのPresidential Sessionについて、詳細を解説した。Presidential Session 12月19日(金) 14:00~15:55 「免疫チェックポイント阻害剤の治療開発」1)進行食道がんに対するペムブロリズマブ+化学療法 KEYNOTE-590:原 浩樹氏(埼玉県立がんセンター)2)MSI-high/dMMR の転移のある大腸がんに対するペムブロリズマブvs.化学療法KEYNOTE-177:吉野 孝之氏(国立がん研究センター東病院)3)進行非扁平上皮非小細胞肺がんに対するニボルマブ+プラチナ化学療法+ベバシズマブ 日本人サブ解析:樋田 豊明氏(愛知県がんセンター)4)肺肉腫に対する2つの抗PD-1抗体(ニボルマブとペムブロリズマブ):板橋 耕太氏(国立がん研究センター中央病院)5)R/R AML患者におけるAMG330:Farhad Ravandi氏(米MDアンダーソンがんセンター)Presidential Session 22月20日(土) 15:30~15:35 「分子標的治療と殺細胞性抗がん剤治療」1)術後ハイリスク頭頸部がんに対する化学療法 :田原 信氏(国立がん研究センター東病院)2)EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対するベバシズマブ+エルロチニブ OSとctDNA解析:福原 達朗氏(宮城県立がんセンター)3)HER2陽性進行乳がんへのペルツズマブ再投与:遠山 竜也氏(名古屋市立大学)4)再発または転移のある子宮頸がんに対するtisotumab:Robert L. Coleman氏(米国立がん研究所)5)進行大腸がんにおけるAMG510:久保木 恭利氏(国立がん研究センター東病院)Presidential Session 32月21日(日) 14:50~16:50 「ゲノム医療と希少がん」1)進行胃がんにおけるctDNAによる遺伝子異常 SCRUM-Japan MONSTAR SCREEN:舛石 俊樹氏(愛知県がんセンター)2)泌尿生殖器がんにおけるctDNAによるゲノム解析:野々村 祝夫氏(大阪大学)3)日本におけるがんゲノム医療における初期エキスパートパネルのパフォーマンス:角南 久仁子氏(国立がん研究センター中央病院)4)原発不明がんに対するNGSを用いた遺伝子発現解析と遺伝子変異による原発巣推定に基づくSite-Specific Treatment:新井 誠人氏(千葉大学)5)小児がん患者における抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐予防としてのパロノセトロン:古賀 友紀氏(九州大学) 19~21日には、その日に発表された演題の中から、とくに注目すべきものを識者が解説する「Highlight of the Day」(1時間)も予定されている。◆第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2021)ライブ配信:2021年2月18日(木)~21日(日)オンデマンド配信:2021年3月1日(月)~31日(水)

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COVID-19、半年後も6割強に倦怠感・筋力低下/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で急性症状を呈した入院患者は、退院後6ヵ月時点で、主に倦怠感・筋力低下、睡眠困難、不安・うつに悩まされていることが明らかにされた。中国・Jin Yin-tan病院(武漢市)のChaolin Huang氏らが、1,733例の入院患者についてフォローアップ試験を行い明らかにした。COVID-19の長期的な健康への影響はほとんど明らかになっていないが、今回の検討では、入院中の症状が重症だった患者について、肺の拡散障害および画像所見の異常がより深刻であることも示され、著者は「これらの集団が、長期的な回復介入を必要とする主なターゲット集団である」と述べている。Lancet誌2021年1月8日号掲載の報告。退院後の症状の聞き取り、6分間歩行テスト、血液検査などを実施 研究グループは、COVID-19退院患者の長期的な健康への影響を明らかにし、関連するリスク因子、とくに疾患重症度を調べるため、2020年1月7日~5月29日に武漢市のJin Yin-tan病院から退院したCOVID-19患者を対象に、前後両方向コホート試験を行った。調査から除外されたのは、フォローアップ前に死亡、精神病性障害、認知症、または再入院のためフォローアップが困難、骨関節症で移動が困難、退院前後に脳卒中や肺塞栓症などの疾患により寝たきりの状態、試験参加を拒否、連絡が不可能、武漢市外に居住または介護・福祉施設に入居の患者すべてであった。 全対象患者に対し、退院後の症状、健康関連の生活の質(QOL)などに関する質問と、身体検査、6分間歩行テスト、血液検査を実施。層別任意不均等抽出法を用いて、被験者を入院中の重症度スケール(7段階評価)に応じて規定した3群(スケール3[酸素補給不要]、4[酸素補給を要する]、5~6[5:高流量鼻カニューレ、非侵襲的人工換気を要する、6:体外式膜型人工肺、侵襲的人工換気を要する])に分類し、肺機能検査、胸部高分解能CT、超音波検査を行った。Lopinavir Trial for Suppression of SARS-CoV-2 in China(LOTUS)試験に登録していた患者は、試験期間中にSARS-CoV-2抗体検査を受けていた。 多変量補整線形またはロジスティック回帰モデルを用いて、重症度と長期健康アウトカムの関連を検証した。入院中に重症だと、倦怠感/筋力低下リスクは約2.7倍に 試験期間中に退院した2,469例のうち、1,733例が同試験に参加した。被験者の年齢中央値は57.0歳(IQR:47.0~65.0)、男性は897例(52%)だった。フォローアップ検査は2020年6月16日~9月3日に行われ、症状発症後の追跡期間中央値は186.0日(IQR:175.0~199.0)だった。 最も多くの患者に認められた症状は、倦怠感または筋力低下(63%、1,038/1,655例)、睡眠困難(26%、437/1,655例)だった。不安やうつ症状も23%(367/1,617例)報告された。 6分間歩行テストの結果が正常値の下限を下回った割合は、入院中の症状重症度スケール3群で24%、同4群で22%、5~6群で29%だった。拡散障害はそれぞれ22%、29%、56%で、CTスコア中央値はそれぞれ3.0(IQR:2.0~5.0)、4.0(3.0~5.0)、5.0(4.0~6.0)だった。 多変量補整後、拡散障害発症に関するオッズ比(OR)は、重症度スケール3群に比べて、4群1.61(95%信頼区間[CI]:0.80~3.25)、5~6群4.60(1.85~11.48)だった。不安またはうつ症状のORは、それぞれ0.88(0.66~1.17)、1.77(1.05~2.97)であり、倦怠感または筋力低下のORはそれぞれ0.74(0.58~0.96)、2.69(1.46~4.96)だった。 フォローアップ時に抗体検査を受けていた94例において、血清陽性率(96.2% vs.58.5%)、中和抗体力価の中央値(19.0 vs.10.0)はいずれも急性期と比較して有意に低かった。 また、急性期に腎障害はなかったがeGFR値が90mL/分/1.73m2以上だった患者822例のうち、フォローアップ時のeGFR値が90mL/分/1.73m2以下だった患者は107例だった。

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日本人EGFR変異肺がん1次治療、エルロチニブ+ベバシズマブのOS(JO25567)/Lung Cancer

 日本人を対象とした無作為化第II相JO25567試験において、化学療法未治療EGFR遺伝子変異陽性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、エルロチニブ+ベバシズマブ併用療法はエルロチニブ単剤に比べ全生存(OS)期間の有意差は認められなかった。同試験では無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが示されており、今回のアップデート解析でもPFSについては有意な延長が認められた。Lung Cancer誌2020年11月20日号掲載の報告。 研究グループは、StageIIIB/IVの未治療NSCLC患者を、エルロチニブ(150mg/日)+ベバシズマブ(15mg/kg 3週ごと)併用群(75例)もしくはエルロチニブ単剤群(77例)に無作為に割りつけた。 主な結果は以下のとおり。・主要解析と同様、併用群は単剤群に比べPFSを有意に改善した(PFS中央値:16.4ヵ月 vs.9.8ヵ月、HR:0.52、95%CI:0.35~0.76、log-rank検討両側p=0.0005)。・一方、OSの有意な改善は認められなかった(OS中央値:47.0ヵ月 vs.47.4ヵ月、HR:0.81、95%CI:0.53~1.23、p=0.3267)。・後治療は治療群間で類似しており、EGFR変異タイプはOSの結果に影響しなかった。・5年OS率は、併用群が単剤群より数値的には高かった(41% vs.35%)。・安全性については、以前に報告された管理可能な忍容性プロファイルが確認され、新たな問題はみられなかった。

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オシメルチニブのEGFR変異肺がん術後補助療法が承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年12月18日、EGFR変異(exon19 delまたはexon21 L858R)を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者の腫瘍切除後補助療法として、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)を承認した。  今回の承認は、術前補助化学療法の有無にかかわらず、完全な腫瘍切除が行われたEGFR変異陽性(exon19 delまたはexon21 L858R)NSCLC患者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験ADAURAに基づくもの。ADAURA試験では682例の患者が、オシメルチニブ80mg/日またはプラセボに1対1に無作為化され、比較された。 試験の結果、主要有効性評価項目である治験験担当医評価によるStage2〜3A EGFR変異陽性(exon19 delまたはexon21 L858R) 患者の無病生存期間(DFS)中央値は、プラセボ群19.6ヵ月、オシメルチニブ群では未達であった(HR:0.17、95%CI:0.12〜0.23、p<0.0001)。また、副次的有効性評価項目である対象集団全体のDFS中央値は、オシメルチニブ群未達に対し、プラセボ群27.5ヵ月であった(HR:0.20、95%CI:0.15〜0.27、p<0.0001)。オシメルチニブ群で多くみられた有害事象は、リンパ球減少、白血球減少、血小板減少、下痢、貧血、発疹、筋骨格痛、爪毒性、好中球減少症、乾燥肌、口内炎、倦怠感、咳であった。

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肺癌診療ガイドライン2020薬物療法の改訂ポイント/日本肺癌学会

 肺癌診療ガイドラインが改訂され、2020年版が発刊された。第61回日本肺癌学会学術集会の教育講演では、薬物療法領域の変更点について岡山大学の堀田勝幸氏が発表した。肺癌診療ガイドライン2020の主な変更点EGFR変異陽性 一次治療におけるゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセドの追加(CQ52 2A)、エルロチニブと血管新生阻害薬の併用がアップデート(CQ52 2A)されるなど改訂された。ALK融合遺伝子陽性 二次治療において、アレクチニブの使用のアップデート(CQ59 1C)、新たなALK-TKIブリガチニブが追加(CQ59 2C)されるなど改訂された。MET遺伝子変異陽性 MET遺伝子変異陽性が新設され、MET-TKI(テポチニブ、カプマチニブ)の推奨が追加された(CQ62 1C)。ROS1融合遺伝子陽性 エヌトレクチニブ使用の推奨が追加された(CQ60 1C)ドライバー遺伝子変異/転座陰性もしくは不明 一次治療におけるニボルマブ+イピリムマブ併用がPD-L1 TPS50%以上(CQ64 2C)、1~49%(CQ70 2C)に追加された。小細胞肺癌  進展型小細胞肺癌においてのプラチナ製剤併用療法へのPD-L1阻害薬の上乗せについて、プラチナ製剤併用療法+PD-L1阻害薬の使用が推奨された(CQ11 1A)。

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finerenone、2型糖尿病合併CKD患者で心血管リスクを抑制/NEJM

 2型糖尿病を併発する慢性腎臓病(CKD)患者において、finerenoneの投与はプラセボに比べ、CKDの進行と心血管イベントのリスクを低減させることが、米国・シカゴ大学病院のGeorge L. Bakris氏らが行った「FIDELIO-DKD試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年12月3日号に掲載された。2型糖尿病はCKDの主要な原因であり、2型糖尿病患者のCKD管理ガイドラインでは、高血圧や高血糖の管理とともにさまざまな薬物療法が推奨されているが、CKDの進行のリスクは解消されておらず、新たな治療が求められている。finerenoneは、非ステロイド性選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬で、CKDと2型糖尿病を併発する患者を対象とする短期試験でアルブミン尿を減少させると報告されている。finerenoneがCKDの進行を抑制するとの仮説を検証 研究グループは、2型糖尿病を合併するCKD進行例において、finerenoneはCKDの進行を抑制し、心血管系の併存疾患や死亡を低下させるとの仮説を検証する目的で、二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を行った(Bayerの助成による)。2015年9月~2018年6月の期間に、48ヵ国でスクリーニングと無作為化が行われた。 対象は、年齢18歳以上のCKDと2型糖尿病を有する患者であった。尿中アルブミン/クレアチニン比(アルブミンはmg、クレアチニンはg単位で測定)が≧30~<300、推算糸球体濾過量(eGFR)が≧25~<60mL/分/1.73m2体表面積で糖尿病性網膜症を有する患者、または尿中アルブミン/クレアチニン比が300~5,000でeGFRが≧25~<75mL/分/1.73m2の患者が適格例とされた。全例がレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬(ACE阻害薬、ARB)による治療を受け、無作為化の前に、投与量を製薬会社の添付文書に記載された忍容できない副作用を起こさない最大用量に調節された。 被験者は、finerenoneを経口投与する群またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要複合アウトカムは、腎不全、eGFRのベースラインから40%以上の持続的な低下、腎臓死とし、time-to-event解析で評価された。主要な副次複合アウトカムは、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による入院であり、time-to-event解析で評価が行われた。finerenone群で主要複合アウトカムのイベントが有意に低下 5,674例が解析に含まれ、2,833例がfinerenone群(平均年齢[SD]65.4±8.9歳、男性68.9%)、2,841例がプラセボ群(65.7±9.2歳、71.5%)に割り付けられた。98.1%がACE阻害薬、98.8%がARBの忍容できない副作用を起こさない最大用量による治療を受けていた。フォローアップ期間中央値は2.6年だった。 主要アウトカムのイベントは、finerenone群が2,833例中504例(17.8%)、プラセボ群は2,841例中600例(21.1%)で発生し、finerenone群で有意に低下した(ハザード比[HR]:0.82、95%信頼区間[CI]:0.73~0.93、p=0.001)。各構成要素の発生は、eGFRのベースラインから40%以上の持続的な低下(0.81、0.72~0.92)と腎不全(0.87、0.72~1.05)はfinerenone群で低い傾向があり、腎臓死は両群とも2例ずつで認められた。 主要な副次アウトカムのイベントは、finerenone群が367例(13.0%)、プラセボ群は420例(14.8%)で発生し、finerenone群で有意に良好だった(HR:0.86、95%CI:0.75~0.99、p=0.03)。各構成要素の発生は、非致死的脳卒中(1.03、0.76~1.38)を除き、心血管死(0.86、0.68~1.08)、非致死的心筋梗塞(0.80、0.58~1.09)、心不全による入院(0.86、0.68~1.08)はいずれもfinerenone群で低い傾向がみられた。 試験期間中に発現した有害事象の頻度は両群で同程度であり(finerenone群87.3% vs.プラセボ群87.5%)、重篤な有害事象はそれぞれ31.9%および34.3%で発生した。高カリウム血症関連の有害事象の頻度は、finerenone群がプラセボ群の約2倍(18.3% vs.9.0%)で、試験レジメン中止の原因となった高カリウム血症の頻度もfinerenone群で高かった(2.3% vs.0.9%)。 著者は、「finerenoneの有益性は、部分的にナトリウム利尿作用の機序を介していることが示唆される」とし、「本試験の参加者は多くがCKD進行例で、アルブミン尿がみられない患者や2型糖尿病に起因しないCKDは除外しており、黒人の参加者は4.7%にすぎないことから、今回の知見の一般化可能性は限定的と考えられる」と指摘している。

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「肺癌診療ガイドライン」改訂、会員アンケートから見えた改善点は?/日本肺癌学会

 2020年11月、「肺癌診療ガイドライン」改訂版が公開された。肺癌診療は新規薬剤が次々と承認され、ガイドラインが毎年改訂されるという特異な状況にある。11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では「肺癌診療ガイドライン(薬物):過去10年の軌跡とこれからの未来」と題し、ガイドライン作成・改訂のこれまでを振り返り、今後について議論するシンポジウムが行われた。 この中で国立がん研究センター東病院呼吸器内科の野崎 要氏は「ガイドラインは誰のものか?:アンケート結果報告」と題し、日本肺癌学会正会員(医師)の薬物療法従事者を対象に行ったアンケート結果を発表した。このアンケートは肺癌診療ガイドラインの使用実態を調査し、以後の改訂に活かすことを目的に、2020年6~10月にWeb上で行われたもの。有効回答数は540だった。 「現在の肺癌診療ガイドラインに満足していますか?」(単一回答)との設問では、「満足している」(28%)、「どちらかといえば満足している」(65%)との回答が計93%となり、概ね満足している現状が確認された。さらに、「肺癌診療ガイドラインを日々の診療において参考にしていますか?」との設問にも「参考にしている」(76%)、「どちらかといえば参考にしている」(21%)で計97%と、多くが参考にしていると答えた。 演題のテーマにも掲げられた「肺癌診療ガイドラインの最も適切な読者対象は?」(単一回答)との設問には「肺癌診療専門医」が58.5%だった一方で、「肺癌診療非専門医」との回答も29.4%あり、「その他」として「肺癌診療に携わるすべての医師・医療者」といった回答も寄せられた。野崎氏は「専門医のニーズを満たしつつ、非専門医も使えるガイドラインを提供する、というこれまでの方針の妥当性を確認できた」とした。 続けて、「現在の肺癌診療ガイドラインの長所」(複数回答可)として挙げられた点としては、「樹形図により選択肢が明確である」(64.1%)、「各項の内容が詳しく記述されている」(55.4%)、「推奨の記載が明確である」(54.5%)等、各改訂時に委員が工夫、改善してきた点が評価された。一方で「短所」としては、「同じCQで推奨される治療法が複数ある」(24.1%)が最多となり、その最たる例として「EGFR遺伝子陽性NSCLC患者の1次治療」として7種ものレジメンが挙げられている状況を紹介した。「委員会内でもこの点は常に議論になっている。現場であまり使われなくなった薬剤は削るべきとの議論もあったが、現在のエビデンスでは時期尚早と判断した」(野崎氏)と説明した。 自由記載欄には「保険適応のない薬剤が推奨されており、しかも解説がない」「発刊時には既に新しい治療が期待されていることが多いので、その注意書きが欲しい」といった治療の進歩が速い肺癌診療ならではの意見も寄せられた。 「推奨度の決定に置いて、重要な要素は下記のどれだと考えますか?」という設問において優先順位順に回答を募ったところ、1番は「全生存期間(OS)」75.4%、2番は「無増悪生存期間(PFS)」が51.1%と過半以上を占めたが、3番以降は「費用対効果」「QOL」「毒性(有害事象)」と回答が分かれたという点も紹介した。 遺伝子パネル検査や新規薬剤の登場で高額化が著しいがん診療において、現在ガイドラインでは触れられていない「費用対効果(コスト)」の視点を盛り込むべきなのか、盛り込むとしたら誰の視点から評価すべきなのか、という点は、シンポジウム全体を通じた大きな論点となっていた。 第61回日本肺癌学会学術集会は21日(月)までオンデマンド配信が行われている(http://conference.haigan.gr.jp/61/ondemand/ 要参加登録)。

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最良のEGFR-TKIシーケンシャルは何か:臨床エビデンスからのシミュレーション【肺がんインタビュー】 第57回

第57回 最良のEGFR-TKIシーケンシャルは何か:臨床エビデンスからのシミュレーション出演:九州大学 呼吸器外科 原武 直紀氏EGFR-TKIのシーケンシャル治療パターンによる生存結果を臨床エビデンスからシミュレーションした研究が発表される。同研究の筆頭著者である九州大学 原武直紀氏に研究内容とその結果について聞いた。

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