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カルピス酸乳の摂取で記憶障害予防・記憶力向上効果を確認

カルピス株式会社 健康・機能性食品開発研究所は、Lactobacillius helveticus発酵乳の摂取が、「記憶障害の予防」と「記憶力の向上」に有用であることを、静岡県立大学 食品栄養科学部 横越英彦教授との共同研究で確認したと報告した。この研究結果を2010年5月22日の第64回日本栄養・食糧学会大会で発表したという。 同社は1970年代より、「カルピス」を製造する過程で生み出される発酵乳(「カルピス酸乳」)の機能性研究を続けている。特に、「カルピス酸乳」中に含まれる乳酸菌Lactobacillius helveticusで発酵させたLH発酵乳の機能性に着目して、これまでに寿命延長、抗腫瘍、免疫賦活、血圧降下、疲労回復、ストレス低減や、学習記憶能力の向上に効果があることを明らかにしてきた。今回マウスを用いた試験で、「カルピス酸乳」を与えた結果、短期記憶障害の予防効果を示し、また「カルピス酸乳」ホエーを与えた結果、2日後の記憶保持を向上させる効果を示したという。詳細はプレスリリースへhttp://www.calpis.co.jp/corporate/press/nrl_00021.html

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脳卒中に対するrt-PA静注、発症後3時間が過ぎても開始すべきか?

脳卒中発症後4.5時間までに遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベーター(rt-PA)であるアルテプラーゼ(商品名:アクチバシン、グルトパ)静注投与を開始すれば臨床予後の改善が得られるが、それ以上治療開始が遅れるとリスクがベネフィットを上回ることが、イギリスGlasgow大学のKennedy R Lees氏らによるプール解析で示された。虚血性脳卒中発症後早期にrt-PAの静注投与を開始すれば予後の改善が得られるが、ベネフィットは時間の経過とともに低下することが報告されている。以前の個々の患者データの統合解析では、現在承認されている「発症後3時間以内」を超えても予後の改善効果が得られる可能性が示唆されているという。Lancet誌2010年5月15日号掲載の報告。以前の6試験のデータに新たに2試験のデータを追加して解析研究グループは、虚血性脳卒中を対象に発症からrt-PAであるアルテプラーゼ静注投与開始までの経過時間が治療効果や臨床的なリスクに及ぼす影響について、8試験のデータのプール解析を実施した。急性脳卒中を対象とした以前の6試験(NINDS I/II、ECASS I/II、ATLANTIS I/II)のデータ(2,775例)に、今回、ECASS III(821例)およびEPITHET(100例)のデータを追加して新たに検討を行った。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、脳卒中の発症からrt-PA治療開始までの時間(OTT)と3ヵ月後の良好な臨床予後(改訂Rankinスコア:0~1)、死亡率、臨床的に関連のある実質性出血の発症とその転帰との関連について評価した。脳血管の画像診断は必須要件とはせず、OTTが360分以内であることが確認された症例を解析の対象とした。発症後3時間以上が過ぎても、4.5時間までなら臨床ベネフィットあり脳卒中発症から360分以内に治療が開始された3,670例が、アルテプラーゼ群(1,850例)あるいはプラセボ群(1,820例)に無作為に割り付けられた。OTTが短いほど、3ヵ月後の良好な臨床予後のオッズが上昇し(p=0.0269)、OTTが約270分以上になるとアルテプラーゼ治療のベネフィットは消失した。3ヵ月後の良好な臨床予後の補正オッズ比は、プラセボ群よりもアルテプラーゼ群で優れており、OTTが0~90分の場合は2.55(95%信頼区間:1.44~4.52、p=0.0013)、91~180分で1.64(同:1.12~2.40、p=0.0116)、181~270分で1.34(同:1.06~1.68、p=0.0135)、271~360分では1.22(同:0.92~1.61、p=0.1628)であった。広範な実質性出血がアルテプラーゼ群の5.2%(96/1,850例)に認められ、プラセボ群では1.0%(18/1,820例)にみられたが、OTTとの関連は明確ではなかった(p=0.4140)。死亡率の補正オッズ比はOTTの延長とともに上昇し(p=0.0444)、0~90分で0.78(95%信頼区間:0.41~1.48、p=0.4400)、91~180分で1.13(同:0.70~1.82、p=0.6080)、181~270分で1.22(同:0.87~1.71、p=0.2517)、271~360分では1.49(同:1.00~2.21、p=0.0501)であった。著者は、「虚血性脳卒中の患者では、発症後3時間が過ぎても4.5時間までであればアルテプラーゼ静注投与による臨床症状の改善やCT画像上のベネフィットが得られる。有効性を最大限にまで向上させるには治療開始の遅延を短縮する努力を払うべきである」と結論し、「4.5時間を過ぎるとリスクがベネフィットを上回る可能性があるため注意を要する」としている。(菅野守:医学ライター)

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脳卒中後後遺症に対するリハビリは、人的リハビリが最も優れる

脳卒中後後遺症を有する患者には効果的なリハビリテーション療法が必要とされるが、近年開発が進む、ロボット工学を活用したリハビリ・アシスト装置の効果は? 本論は、上肢後遺症患者のために開発された「MIT-Manus robotic system」(Interactive Motion Technologies社製)の運動機能改善効果を、通常ケアや強化訓練療法との比較で検討したもので、米国プロヴィデンス退役軍人医療センターのAlbert C. Lo氏らが行った。NEJM誌2010年5月13日号(オンライン版2010年4月16日号)掲載より。脳卒中後6ヵ月以上、中等度~重度の上肢後遺症患者を対象に無作為化試験試験は多施設共同無作為化試験で、脳卒中後6ヵ月以上、上肢に中等度から重度の後遺症が残っている患者127例を対象に行われた。被験者は無作為に、(1)ロボットアシスト療法を受ける群(49例)、(2)強化リハビリ療法を受ける群(ストレッチ、肩関節の安定化のための運動、腕の運動、機能回復のための作業療法など、50例)、(3)通常ケアを受ける群(医学管理、必要に応じた外来受診、数例でリハビリサービスの利用、28例)に割り付けられた。(1)と(2)は、同様のスケジュール、運動メニュー・強度となるよう調整され、12週間にわたって、1セッション1時間以上の療法を、36回受けた。主要評価項目は、12週時点での、Fugl-Meyer評価法(Fugl-Meyer Assessment of Sensorimotor Recovery after Stroke)による運動機能スコアの変化とした。副次評価項目は、Wolf Motor Function Test、およびStroke Impact Scaleで評価した。また36週時点で治療効果の2次解析が行われた。通常ケアよりは効果がありそうだが…結果、Fugl-Meyer評価法による、12週時点でのロボットアシスト療法群の患者の運動機能は、通常ケア群よりも改善していた(スコア差:2.17ポイント、95%信頼区間:-0.23~4.58)。しかし有意差は認められなかった。一方、強化リハビリ療法群と比べるとロボットアシスト療法群の改善は劣っていた(同:-0.14ポイント、-2.94~2.65)。しかしこちらも有意差は認められなかった。なおStroke Impact Scaleでの検討では、ロボットアシスト療法群は通常ケア群よりも有意な改善が認められた(同:7.64ポイント、2.03~13.24)。36週時点の2次解析では、ロボットアシスト療法群の改善は、通常ケア群よりも有意な改善が認められた。両群のFugl-Meyer評価法によるスコア差は2.88ポイント、Wolf Motor評価法による時間差は-8.10秒だった。強化リハビリ療法群とは有意差は認められなかった。重度有害事象は報告されていない。(医療ライター:武藤まき)

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心血管イベント抑制のための費用対効果に優れた戦略は?

心血管疾患予防のため、イギリス政府は40~74歳の全成人を対象としたスクリーニング戦略の実施を推奨している。その戦略と、ルーチンデータを用いて心血管リスクを層別化する(Framinghamリスクスコア、Cambridge diabetesリスクスコア、Finnish diabetesリスクスコアを用いる)戦略とでは、潜在するハイリスク患者を特定・治療することに、どれほどの違いがあるのかが検証された。ケンブリッジ・Addenbrooke's病院メタボリックサイエンス研究部MRC疫学部門のParinya Chamnan氏らによるモデルスタディによる。BMJ誌2010年5月8日号(オンライン版2010年4月23日号)掲載より。政府推奨の全成人対象の戦略と、リスクスコアに基づく戦略の予防効果を比較Chamnan氏らは、イギリス、ノーフォークの40~79歳の住民を対象とする前向き試験EPIC-Norfolk(European Prospective Investigation of Cancer-Norfolk)のデータから、モデルスタディを構築した。被験者は、1993~2007年のデータがあり基線で心血管疾患、糖尿病に罹患していなかった40~74歳の男女16,970例。主要転帰は、新規の心血管疾患1例を予防するのに要したスクリーニングの実施件数、また、予防するための治療介入に要した件数、あるいは予防できた可能性があった新規の心血管疾患に対する件数についても検討された。治療効果による相対リスクの低下は、臨床試験のメタ解析の結果およびNational Institute for Health and Clinical Excellenceのガイドラインから推定した。効果は同一、リスクスコア戦略の方がコストを抑えられる追跡期間中の心血管イベント発生は、18万3,586患者・年超のうち、1,362例だった。新規の心血管イベント抑制に関して、政府が推奨する戦略と簡易リスクスコアを段階的に用いたうえで実施する戦略とに違いはなかった。予防できた件数は、政府戦略で26,789例、リスクスコアを用いた戦略で25,134例だった。リスクスコアを用いた場合、スクリーニングの実施必要者数は、母集団の60%で事足りた。50~74歳でみた場合も、両戦略に相違はなかった。Finnish diabetesリスクスコア調査票、身体測定値による層別化は、効果的ではなかった。Chamnan氏は、「全成人を対象とするスクリーニング戦略も、リスクスコアを用いて行う戦略も、予防効果に相違はなかった。またリスクスコアを用いた方がコスト抑制も期待できる」と結論している。

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併用脂質低下療法の心血管イベント抑制効果:ACCORD

心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者に対するスタチン療法で、併用療法を行っても単独療法と比べて、イベント抑制効果は認められないことが、ACCORD試験から報告された。本論は、3月に行われた米国心臓病学会ACCで発表、NEJM誌2010年4月29日号(オンライン版2010年3月14日号)に掲載された。5,500例を、併用群・単独群に無作為化し4.7年追跡ACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験は、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者10,251例が参加する、厳格な降圧管理あるいは脂質管理が及ぼす影響を検討するために行われている試験。本論は、厳格な脂質管理の検討(ACCORD lipid trial:ACCORD Lipid)について報告したもので、5,518例が参加した。試験登録は、2001年1月~2005年10月に行われた。被験者は、オープンラベル2×2で無作為に、シンバスタチン(商品名:リポバスなど)+fenofibrateの併用療法群(2,765例)か、シンバスタチン+プラセボの単独療法群(2,753例)に割り付けられ追跡された。主要転帰は、非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・心血管系死亡の複合。平均追跡期間は、4.7年だった。両群にイベント発生の有意差認められず被験者平均年齢は62歳、女性が31%、37%が心血管イベントの既往があり、約60%が試験登録以前からスタチンを服用していた。結果、主要転帰の年間発生率は、併用群2.2%、単独群2.4%で、有意差は認められなかった(ハザード比:0.92、95%信頼区間:0.79~1.08、P=0.32)。また、副次転帰(主要転帰+うっ血性心不全による入院等、主要な心血管イベント、脳卒中など)も両群で有意差は認められなかった。年間死亡率も、併用群1.5%、単独群1.6%(ハザード比:0.91、95%信頼区間:0.75~1.10、P=0.33)だった。交互作用の可能性はある事前規定のサブグループ解析の結果、脂質低下の強化療法は、男性には有益だが、女性にはかえって有害となるかもしれない結果が示された。主要評価項目について、男性は併用群11.2% vs. 単独群13.3%だったが、女性では同9.1% vs.6.6%と逆転していた(交互作用P=0.01)。また脂質による交互作用の可能性も示され、基線でトリグリセリド値が高く(≧204mg/dL)・HDLコレステロール値が低かった(≦34mg/dL)患者は他のいずれの脂質群とも比べて併用療法が有益であることが示された。研究グループは、「シンバスタチン単独療法と比較して、シンバスタチン+fenofibrateの組合せによる併用療法が、致死的心血管イベント、非致死的心筋梗塞・脳卒中のイベントを抑制することは認められなかった。この結果は、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者に対し、ルーチンで併用療法を用いることを支持しないものである」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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教授 中村正人先生の答え

循環器内科での後期研修について初期研修1年目の者です。循環器内科に興味を持ち始めたのですが、循環器内科といっても幅が広く、心臓血管カテーテル以外にも多くの専門領域があると思います。大橋病院ではどのような体制で診療や研究を行うのでしょうか?入局してくるレジデントは、ある程度専門領域を決めて来るのでしょうか?少し場違いな質問ですが御教授願います。ご指摘のごとく、循環器の診療はカテーテル検査のみでなく、心臓超音波、心臓CT、核医学など画像評価、不整脈、心不全、リハビリテーションなど幅広い知識、経験が必要です。このため我々の診療科では初年度1年間は、画像診断、不整脈、心臓血管カテーテルをローテーションで勉強するシステムを構築しています。その間は、当該領域専門の医師の指導下で関係する検査、関係する疾患の診療を行います。その後に、自分の専門領域を決定します。従って、最初から自分の専門を決めてこられる人は多くありません。ローテーションで回っている間に興味を覚えさらに勉強したいと思った領域を選択する人が多いと言えます。大学では、主として自分の専門領域の診療、研究を行いますが、大学からの出張先ではオールラウンドな診療を行うこととなります。なお、近年自分の専門領域と他科との関わりの中での研究の必要性も高まっています。なお、我々の診療科は循環器として勉強を始める前に消火器科、腎臓内科、呼吸器科を研修するシステムを採用しています。他診療科との連携について先生のコメントの中に「他診療科との連携も重要となります。」とありますが、最近ではどのような科との連携が増えてきたのでしょうか?また、先生が他診療科との連携において最も重視されていること、ご苦労などございましたら教えて下さい。今日、診療はどんどん専門に特化していく方向ですが、複雑化、重症化すればするほど、また長期成績を見据えた治療を考えれば考えるほど他科の先生との連携は避けられなくなってきます。緊急で冠動脈バイパス術をお願いすることはほとんど皆無となりましたが、大動脈弁疾患、大動脈疾患の合併が増加、心臓血管外科の先生との連携は必須です。冠動脈インターベンションの40%以上は糖尿病症例です。糖尿病における冠動脈インターベンションの成績改善には糖尿病の管理は不可欠です。また、数%は透析症例であり、造影剤を用いる検査であるため、造影剤腎症の問題は避けて通ることはできません。今日、アテローム血栓症の概念が提唱されるようになりました。冠動脈と同様な病変は脳血管、頸動脈、腎動脈、下肢動脈と全身に及び、冠動脈の管理のみでは不十分であると考えられています。冠動脈インターベンションの経験はこれら動脈病変の治療において非常に有益です。しかし、頸動脈の治療においては脳外科の先生との連携が重要ですし、下肢閉塞性動脈硬化症の治療において、とくに重症虚血肢の症例では創傷治癒の診療をお願いする形成外科の先生、foot careチームとの連携が必須となります。たとえ、下肢の血流を再開のみでは本病態の改善が得られないからです。TASCにおいても多診療科の連携の重要性が述べられています。しかし、大学病院など大きな病院ではこれら診療科が縦割であり、横の連携が機能しにくい傾向があると指摘されています。専門化の弊害といえます。幸い、当院ではその垣根が低く、多くの先生に協力を得ながら診療を行っています。研修について記事拝見しました。研修で全国を回っていらっしゃることを初めて知りました。研修の内容をもう少し詳しくお聞きしたいです。(研修日程や内容、参加者数、参加者層、講師の先生のことなど。)また、先生の研修に参加することは可能でしょうか?このような機会はあまりないかと思いますので是非教えて頂きたいと思っております。年2回春と秋に土、日曜日の2日間行っています。場所は、郡山、神奈川、神戸、宮崎の4か所を持ち回りで行っています。井上直人先生、村松俊哉先生、横井宏佳先生、私の4名で実施しています。当初4名で実施しましたが、2回目以降は各地域の近隣の経験豊かな先生方に講師として協力していただき実施しています。これまでに7回行われ、次回は神戸で10月に実施予定です。対象は初心者の先生方。これから冠動脈形成術を始める、始めたばかりの先生方であり、基本的、標準的な実技をトレーニングしようとするものです。開催地区近隣の先生の参加が多いのが実情ですが、全国から参加可能です。参加者は20‐30名程度で4つのグループに分かれていただき、ローテーションで動物を用いたカテーテルのトレーニング(ガイドワイヤーの曲げ方、挿入、ステントの留置、バルーンの挿入、抜去、IVUSの操作)。コンピューターによるシィミレーション、モデルを用いたロータブレーターの手技などのトレーニングが行われます。実技を中心とした研修ですが、講義による座学も行われます。また、夜には困った、悩んだ症例をもちよりみなで議論、親交を深めております。アドバンスコースは年2回、土曜日の一日コースで及川先生、矢島先生、小川先生、濱崎先生と東京の先生に協力していただき、動物モデルで実施しています。10名前後の少数の研修で、人数の関係もあり東京限定で実施しています。これら研修は非常に体力を要し疲労しますが、若い先生の情熱を感じ、昔の自分達を思い出し、終了するたびにやめられないと企画者一同実感しております。薬剤溶出ステントの副作用について以前、薬剤溶出ステントの副作用について話題になったかと思いますが、現在はどのようになっているのでしょうか?欧米に比べると日本の副作用発生率は少ないとの発表もあったようですが、最前線にいらっしゃる先生のお考えをお聞きしたいです。宜しくお願いします。本邦でも、この種のステントが登場して5年を経過しました。この間、多くの成績が報告され、薬剤溶出ステントは揺るぎないものとなっています。しかし、現在のステントの問題点も指摘され、さらなる改善が望まれています。このデバイスの最大の利点は再狭窄を著しく軽減させたことにあります。ステントにても克服できなかった再狭窄の問題が解決に向け大きく前進しました。糖尿病、小血管など従来のステントで成績に限界があった病変、病態におけるインパクトが最大です。一方、従来のステントでは経験しないような留置後1年以降に生じるステント血栓症が新たな問題として浮かび上がりました。このため、チエノピリジン系の抗血小板薬、アスピリンの2剤の抗血小板薬を長期に服薬することが推奨されています。一方、これら薬剤による出血性リスクの懸念もあり、長期服薬の是非が問われています。この合併症の原因は依然として不詳ですが、解決すべく新たなデバイス開発がなされています。薬剤溶出ステントはステント、コーティング、薬剤の3者で構成されていますが、コーティング、最終的にはステントが溶けてなくなるようなデバイスもすでに臨床で試みられています。先生が指摘されたように、上記の合併症は幸いなことに諸外国に比し本邦では極めて低率であることが報告されています。この理由も定かではありません。幾つかの要因が指摘されています。人種差による血小板機能の差異、薬剤コンプライアンスの差異、血管内超音波を用いた治療手技の差異などです。実臨床では個々の症例で原因は異なっているものと考えられ、本邦の成績が良いのは複合的な作用の結果であろうと推測されます。いずれにしても、デバイスは有効性、安全性の両面が重要であり、このテーマは永遠に追求されていくものと思われます。カテーテルを極めるには?医大に通っています。心臓を悪くして亡くなった者がいるので、心臓血管カテーテルに大変興味があります。先生のように、カテーテルを極めるには、どのような進路や経験を積めば良いのでしょうか?心臓血管カテーテルは急速な進歩であり、これは我々の予想を大きく上回るものでした。まさに、成熟期を迎えたと言えます。幸いなことにこれら進歩を眼のあたりにしながら今日まで診療をすることができました。これらかの先生は今日の診療が当たりまえの位置からスタートするわけですから大変であろうと思います。まず、実技に入る前に清書を読むことをお勧めします。歴史を知ることは、今日の問題点が何故あるのか、どのような模索がされてきたかを理解することにつながります。広い視野が重要で、今後非常に参考になるでしょう。絶対的なルールはありませんが、次に大切なポイントはカテーテル検査を好きになることです。この領域は経験がものをいうことは否めませんから一歩、一歩、着実に前進するしかありません。手技は感覚的な要素も含まれるため、見て盗むといった古典的な手法が依然として必要になります。助手、または聴講者としてみているときも、つねに何故?その理論的背景は、自分ならどうするといった心構えが重要と思います。漠然と時間が過ぎていくのではなく、一例一例が重要です。その意味で色々なオプション、引きだしをもつことができるか、それを実践できるかが重要です。良い上司、環境は重要でしょうが、入ってみないと現状はわからないものです。多くの施設を訪問し、多くの先生の意見を聞いてみるのがよいと思います。その中で何か感じるものがあれば、あとは自分の努力で前進は可能です。昔より、勉強する機会、環境は非常に増えたと思います。狭心症患者に「カテーテル治療」と「バイパス手術」の選択について説明する時の注意点私はクリニックに勤めている医師ですが、近隣に住む、狭心症で大学病院にかかっている方から「カテーテル治療」と「バイパス手術」の選択について相談を受けました。患者の状態によって違うとは思いますが、せめて一般的なメリット、デメリット、再発率などを説明してあげたいと思っております。教科書通りの説明は本を読めばできるのですが、先生の御経験に基づいた注意点やポイントなどありましたら教えて頂ければと思います。両治療の差異は侵襲性と再血行再建の必要性にあります。両者に生命予後の点では差がないことが示されています。冠動脈形成術は、侵襲性が低く1-2時間で手技が終了、2-3日で退院可能です。死亡リスクは1%未満で、社会復帰も早期に可能です。最大のアキレス腱は再狭窄がある一定の頻度で生じることです。しかし、この問題も薬剤溶出ステントが登場して著しく軽減、数%となっています。このため、薬剤溶出ステントが汎用されていますが、この種のステントで治療した場合ステント血栓症を防止するためアスピリン、チエノピリジン系抗血小板薬2剤長期服薬が必須です。服薬アドヒアランスが低い患者さんには不向きと言えます。また、冠動脈形成術は局所の治療であるため、治療部位以外のイベントは回避困難であり、厳格なリスク管理が重要です。一方、冠動脈バイパス術は全身麻酔を要し、初期の侵襲性は高く、死亡リスクは1-3%、脳卒中、開胸に伴う合併症、麻酔に伴いトラブルなどのリスクが若干あります。一回で治療を完結できる可能性が高く、グラフトされた末梢での心血管事故防止効果も期待できます。初期に開存が得られ長期的な開存が期待できます(グラフトの種類により差異がある)。他に両治療戦略を選択する重要なポイントに病変形態、合併疾患の有無があります。病変形態が冠動脈インターベンション治療に向いているか否かの判断が極めて重要です。この事実は最近の臨床試験でも示されています。また、腎機能障害があれば複数回のカテーテル治療は腎機能を悪化させるリスクとなります。高齢者では合併症のリスクが高く、最も重要な病変のみ治療を行い薬物で補完することも戦略となります。穿刺部合併症心臓カテーテル検査を始めて3年目なのですが、穿刺部合併症を最近数例件しました。具体的には浅腸骨回旋動脈の穿孔や、血腫、仮性動脈、動静脈瘻を経験しました。 こういった合併症を防ぐために、普段どういったところに注意されていますか? Femoral Punctureでは穿刺部位は透視で大腿骨頭の位置を確認して刺していますが、シースを挿入する前のワイヤー操作はやはりほとんど透視しながらやった方が良いのでしょうか?仮性動脈瘤はlower punctureで合併しやすく、逆にhigher punctureは腹腔穿刺になるため大腿動脈穿刺において穿刺部位は極めて重要です。これは比較的狭い範囲です。先生が実施しているように透視で大腿骨頭の位置を確認することは重要です。当院では全例実施しています。今後も必ず実施してください。大腿骨頭の下縁以下、上縁以上は避けることになります。穿刺はsingle wall punctureが良いとされています。すなわち、血管の後壁を突き抜けないように動脈の前壁のみを穿刺する手法です。当院では外筒のないアルゴンニードルを使用しています。なお、この穿刺針とラジフォーカスは相性が悪く、スプリングワイヤーを用います。その後穿刺針にガイドワイヤーを挿入します。透視を見ながらの挿入は行っておりませんが、ゆっくり挿入し、抵抗を感じた場合必ず透視で確認を行います。この際にラジフィーカスを用いないのは、迷入しても気づきにくいからです。透視で迷入が確認された場合、検査後造影にて確認を行えば確実です。上記の理由でラジフォーカスを用いる場合は透視下で挿入する方が安全でしょう。静脈は動脈の内側に伴走していますが、血管の蛇行などで上下に重なっていることもあります。止血手技も重要です。Learning curveがあり、ある程度の経験が必要です。とくに高度肥満の人、高齢者、大動脈弁閉鎖不全症など脈圧が高い人は要注意です。皮膚の穿刺点と血管の穿刺点は高さが異なること、拍動を感じながら圧迫することなどが重要であり、single wall punctureが望ましく, lower punctureは止血困難な要因となります。どこに問題があったか、自問してみましょう。しかし、実際には動脈穿刺に伴う合併症はある一定の頻度で合併し得るものです。合併症は早期に見つけること、そのためには疑うことが肝要です。PCIにおけるステントの選択に関してPCIにおけるステントの選択ですが、私は、3mm以上の血管に対してはエンデバースプリント、2mm代の小血管に対してはCypher select、AMIに関してはDriver stentという選択をしております。ザイエンスが登場し、遠隔期の成績の良さはよくわかるのですが、メリットである通過性に関してもエンデバースプリントでことたりますし、ザイエンスのデリバリーバルーンのドッグボーン、コンプライアンスが良すぎるバルーン、ウイギング現象を考えるといまいちザイエンスの使い勝手が悪い気がします。中村先生は、ステント選択に関して何かいいポイントはありませんか?ぜひ教えてください。ステントの成績に関する報告は多数ありますが。これらの報告を実臨床にどのように生かすかが個々の医師に託された仕事であろうと思います。比較試験は限られた対象における検討であり、レジストリーデータは実臨床に近い対象になりますが、バイアスのかかった対象であり、近年はやりのマッチングを行っても比較試験と同等の意味をもたせるには限界があります。最近の臨床試験における各デバイスの差異は数%以内のものであり、基本的に大きな差異はないと言えるでしょう。薬剤の臨床試験と極めて類似して来ました。従って、どのステントを選ぶかは、そのステントの何を生かそうとして選択したかという点に尽きます。抗血小板薬長期服薬困難であるか、ステントのプラットフームが重要な病変であるか、通過性が重要な病変であるかなど個々に適したものを選択すればよいと思います。大切な点は、適切な拡張術で良好なステント拡張を得ることです。この点で、使いなれたステントを用いると予想された結果が得られやすいということは言えるでしょう。さてザイエンスです。ご指摘のごとくコンプライアンスが高く、留意が必要です。特に2.5mmはコンプライアンスが高く、サイズを間違えないことが重要です。また、taper vesselでは近位に合わせたサイズを選択すると危険です。この点先生の意見に賛成です。私は高圧をかけず、低圧で長時間拡張後にステント内を高圧拡張行うようにしています。ステントの特徴はむしろマウントされているバルーンの性能とステントの相性によって決定されるといって過言でありません。従って各ステントにあった拡張を行うことが重要です。それは個々の先生の流儀と相性があるかもしれません。以上のごとく、病変、病態にあったステントを選択し、そのステントにあった拡張術(edge損傷なくステント面積を得る)を行うのが良いと考えています。予後50歳男性心筋梗塞発症15時間後に心カテ施行。1枝は凝固が強く、完全閉塞だが微小な側副血行あり。ヘパリン治療にて24時間経過、バイタルは安定、軽度左室肥大あり。今後の予後予測は?外科適応の指標などあればご教示下さい。ポイントは50歳と若年、1枝病変完全閉塞の2点にあります。本例の梗塞部位は不明ですが、初回梗塞の1枝病変で血行動態が安定しており、高齢でない点から予後は良好、機械的合併症発生のリスクは低いものと予想されます。本例は15時間経過した梗塞例で、側副路の発達が不良な完全閉塞であったとのことから、壊死はすでに完成しているものと推測され、このためこの時点で再灌流による心筋救済のメリットは小さいものと推測されます。結果としての梗塞サイズ、残存心機能が予後を規定します。再灌流が得られていないので梗塞後のリモデリング防止が重要となります。さて、慢性期に1枝完全閉塞であった場合の血行再建の適応は残存虚血の有無、病変部位によって決定されます。虚血がない、または小さい場合は薬物で管理。虚血が残存する場合、バイパス術、PCIなどの血行再建が必要になります。両者の別は病変形態、部位によって決定されます。冠動脈バイパス術は本例が主幹部、LADの近位部にあり、病変形態がPCIに不向きな場合に考慮されます。なお、急性期に完全閉塞であっても自然に再疎通し開存していることが少なくありません。従って、退院前に再造影することをおすすめします。教授 中村正人先生「カテーテルの歴史とともに30年、最先端治療の場で」

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急性期病院の8割が初診時特定療養費を徴収

株式会社ケアレビューは10日、急性期病院の「初診時特定療養費」(紹介状を持たない初診患者が、通常の医療費以外に自己負担を求められる料金)に関する調査結果を報告した。調査によると、初診時特定療養費が無料の病院は約20%で、約8割の急性期病院では初診時特定療養費を徴収していることがわかった。この調査は、同社が運営する急性期病院の診療実績比較サイト『病院情報局』(http://hospia.jp/)で情報提供している全国1,500あまりの急性期病院のうち、病床数が200床以上の1,125病院を対象として、インターネット上で公表されている情報をもとに料金水準の実態を調査したもの。初診時特定療養費を無料とする病院は20.2%だった。金額階層別では、1,000円台が最も多く34.4%で、次いで2,000円台が23.6%、3,000円台が11.7%と続いた。4,000円以上の料金を徴収している病院は全体の4.1%にとどまり、全国最高は北野病院(大阪府)の8,400円だった。また、初診時特定療養費を有料とする病院の割合は、比較的規模の小さい200~299床の病院では有料の病院の割合が54.0%にとどまるが、300~399床では80.7%、400~499床では 89.6%、500床以上では9割以上の病院が有料となっていた。詳細はこちらhttp://www.carereview.co.jp/2010/05/post-43.html

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mixiアプリに『全国薬剤師力検定』登場

株式会社メディカルリソースは26日、国内最大規模のSNSサイトである「mixi」が提供するソーシャルアプリケーション「mixiアプリ」に、○×方式で薬剤や服薬指導について学習できる『全国薬剤師検定』のアプリ提供を、22日より開始したと発表した。mixiアプリ「全国薬剤師検定」は、薬の知識や服薬指導に関する厳選された質問が出題され、制限時間内に○×方式で回答していくもの。調剤薬局や病院などで働く薬剤師が現場でよく聞く内容のため、クイズを楽しみながらスキルアップが期待できるという。また、自己ベストを更新してマイミク同士でスコアを競い合うことも可能だ。詳細はこちらhttp://www.medical-res.co.jp/topics/2010/20100426a.html

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降圧薬+スタチンの降圧効果:PHYLLIS試験の2次解析

スタチンは、血清コレステロールの低減、また特異的(多面的)と思われる保護作用で心血管予防に寄与する。一方でいくつかの試験で、降圧効果も発揮するとの報告があるが、付加的防御機構として公表するには、試験に方法論的な限界があるともされている。そこでイタリア・Milano-Bicocca大学臨床・予防医学部門のGiuseppe Mancia氏ら研究グループは、以前に報告したスタチン併用による頸動脈の内膜-中膜厚の進行抑制を検討した試験PHYLLISから、24時間自由行動下血圧を基にした2次解析を行い、スタチンに付加的な降圧効果が認められるかを検討した。BMJ誌2010年4月17日号(オンライン版2010年3月25日号)掲載より。高血圧と脂質異常症を有する508例を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検試験PHYLLIS(Plaque Hypertension Lipid-Lowering Italian Study)は、無作為化プラセボ対照二重盲検試験で、イタリアの13病院から軽度高血圧と脂質異常症を有する、45~70歳の患者508例が参加し行われた。被験者は、降圧治療にスタチンを追加し併用投与する群(スタチン併用群)、また追加投与しない群(降圧薬単独群)に無作為化された。降圧療法は、ヒドロクロロチアジド(商品名:ニュートライド)25mgを1日1回、もしくはfosinopril 20mgを1日1回にて、スタチン追加併用投与はプラバスタチン(同:メバロチン)40mgを1日1回で行われた。被験者の平均治療期間は2.6年。本解析では、その間の年1回の診察室血圧、自由行動下血圧を主要評価項目とした。スタチン併用にさらなる降圧効果認められず結果、降圧薬単独群(254例、総コレステロールの低下はわずかだった)、スタチン併用群(253例、総コレステロールとLDLコレステロールは顕著に持続的に減少)の両群とも、診察血圧はクリアカットに持続的に収縮期および拡張期とも降圧が図られていた。24時間血圧、日中・夜間血圧についても同様だった。降圧はスタチン併用群の方が、やや劣った。しかし期間中の両群間の差は、1.9mmHg(95%信頼区間:-0.6~4.3、P=0.13)を上回ることはなかった。Mancia氏は「24時間自由行動下血圧を基に解析した結果、スタチン追加併用に、さらなる降圧効果は認められなかった」と結論している。

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心房細動患者の心拍数コントロールは緩やかでも有効

持続性心房細動患者の心拍数コントロールは緩やかでも、厳格に行った場合と効果は同程度であることが確認された。コントロール達成も容易だった。オランダ・フローニンゲン大学循環器科のIsabelle C. Van Gelder氏らRACE II試験グループが、600名超を対象に行った多施設共同前向き無作為化試験で明らかにしたもので、NEJM誌2010年4月15日号(オンライン版2010年3月15日号)で発表している。心拍数コントロールは、心房細動治療の選択肢で、ガイドラインでは厳格に行うことを推奨しているが、臨床エビデンスはなかった。心拍数コントロール目標、110拍/分未満群と80拍/分未満群に無作為化し転帰追跡Gelder氏らは、持続性心房細動患者の心血管系疾患の罹患・死亡予防について、心拍数コントロールを緩やかに行った場合でも、厳格に行った場合と比べて劣らないと仮定し試験に臨んだ。RACE II(Rate Control Efficacy in Permanent Atrial Fibrillation: a Comparison between Lenient versus Strict Rate Control II)は、2005年1月~2007年6月にオランダ国内33施設から被験者登録を行い、被験者(80歳以下の持続性心房細動患者614例)を、心拍数コントロールを緩やかに行う群(安静時心拍数110拍/分未満)と、厳格に行う群(同80拍/分未満、中等度運動時は同110拍/分未満)に無作為化し追跡した。主要転帰は、心血管系が原因の死亡と、心不全・脳卒中・全身性塞栓症・出血・致命的な不整脈イベントによる入院の複合。追跡期間は2年以上3年以内とされた。コントロール達成割合、97.7%対67.0%3年時点の主要転帰の推定累積発生率は、緩やかコントロール群12.9%、厳格コントロール群14.9%、絶対差は2.0ポイント(90%信頼区間:-7.6~3.5、事前特定の非劣性限界に対するP

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コ・トリモキサゾール予防投与、ARTを開始したHIV感染者の死亡率を低減

3剤併用抗レトロウイルス療法(ART)を開始したHIV感染者に対し、コ・トリモキサゾール[トリメトプリム・スルファメトキサゾール(ST)合剤、商品名:バクタ、バクトラミンなど]を予防的に投与すると、死亡率が有意に低下することが、イギリス医学研究評議会(MRC)臨床試験ユニットのA S Walker氏らの検討で明らかとなった。コ・トリモキサゾールは、医療資源が不足する環境で市中肺炎の予防および治療に使用される安価な抗生物質である。本薬剤を予防投与すると、未治療のアフリカ人HIV感染者の死亡率が低減することが示されているが、このベネフィットは併用ARTと同時に投与しても維持されるかについては不明であったという。Lancet誌2010年4月10日号(オンライン版2010年3月29日号)掲載の報告。コ・トリモキサゾール投与と非投与を比較する観察研究研究グループは、アフリカ人の重症HIV感染者に対するART開始後のコ・トリモキサゾールの予防投与の有用性を評価する観察研究を実施した。対象は、2003年1月~2004年10月までにDART(Development of Anti-Retroviral Therapy in Africa)試験に登録されたCD4細胞数<200個/μLで、3剤併用ARTを開始した未治療の症候性HIV感染者(18歳以上)であった。コ・トリモキサゾール(トリメトプリム160mg+スルファメトキサゾール800mg)の予防投与(1日1回)はルーチンには行わず、無作為割り付けも実施せずに、担当医が個々に処方した。時間依存性の交絡を補正するために周辺構造モデルを用い、コ・トリモキサゾールの投与が臨床予後、CD4細胞数、BMIに及ぼす影響について検討した。死亡率が12週までは大幅に低下、効果は72週まで持続3,179例(コ・トリモキサゾール投与群1,959例、非投与群:1,220例)が登録された。全体の観察期間の総計は14,214年であり、そのうちコ・トリモキサゾール投与群は8,128人年(57%)であった。コ・トリモキサゾール使用の時間依存性の予測因子は、直近のCD4細胞数、ヘモグロビン値、BMI、ART開始後の当初の症状(WHO stage 3/4)であった。死亡率は、コ・トリモキサゾール投与群が非投与群に比べ有意に低下した(オッズ比:0.65、95%信頼区間:0.50~0.85、p=0.001)。コ・トリモキサゾール投与によって死亡リスクは12週までは大幅に低下し(同:0.41、同:0.27~0.65)、12~72週まではこれが維持された(同:0.56、同:0.37~0.86)が、72週以降は有意な差はなくなった(同:0.96、同:0.63~1.45、不均一性:p=0.02)。このような死亡率低下の変動は、コ・トリモキサゾールの投与期間や直近のCD4細胞数とは関連しなかった。コ・トリモキサゾールの予防投与によりマラリア感染の頻度が有意に低下し(オッズ比:0.74、95%信頼区間:0.63~0.88、p=0.0005)、その効果は投与期間と相関した。しかし、WHO stage 4の症状(同:0.86同:0.69~1.07、p=0.17)、CD4細胞数(非投与群との差:-3個/μL、p=0.50)、BMI(非投与群との差:-0.04kg/m2、p=0.68)には有意な効果を及ぼさなかった。著者は、「これらの結果はWHOガイドラインを補強するものである。3剤併用ARTを開始したアフリカ人HIV感染者には、少なくとも72週のコ・トリモキサゾールの予防投与を併用するという治療戦略の強い動機づけとなるだろう」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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急性期病院の差額ベッド料は不要?

株式会社ケアレビューは13日、急性期病院の「差額ベッド料」に関する調査結果を公表した。この調査は、病院や病室を選択する際の参考となる情報提供を目的として「病院情報局」(http://hospia.jp/)で情報提供している全国1,556の急性期病院のうち、各都道府県の医療機能情報提供サイト上で差額ベッド料の対象病床数を確認できた1,399病院のデータを集計したもの。その結果、今回の調査対象病院(全国約50万床)のうち、差額ベッド料が必要な病床は総病床数の18.2%(約9.1万床)にとどまり、全体の8割以上(約40.9万床)の病床では差額ベッド料が不要であることがわかった。病院毎の差額ベッド数の割合で見ると、「10%以上~20%未満」の病院が36.8%と最も多く、次いで「20%以上~30%未満」の病院が24.0%、「10%未満」の病院が19.7%と続いていた。差額ベッドが必要な病床数が「30%以上」を占める病院の割合は、全体の16.0%にとどまっていた。また、差額ベッド料が必要な病床の割合を都道府県別にみると、都市部と地方との間にそれほど明確な傾向の違いはみられず、最も割合が高いのは愛媛県の26.8%で、千葉県(25.9%)、東京都(24.9%)と続いた。最も割合が低いのは沖縄県の4.1%であった。1日あたりの差額ベッド料の料金水準は、各病院が設定している最低料金の全病院平均は4,015円、最高料金の全病院平均は14,980円だった。都道府県別の平均値でみると、都市部と地方との間には大きな差がみられ、最低料金が最も高いのは東京都の6,097円で、最も低い福島県の2,032円に比べて、3.0倍の開きがあった。今回の結果について同社は、「『8割以上の病床では差額ベッド料は必要ない』という事実は、一般消費者にはあまり知られていません。民間の医療保険などでは入院した際の医療費の不安を強調する広告が多く見られますが、差額ベッド料はあくまでも快適な療養環境を希望する場合のオプション料金であり、『患者が希望しない場合には差額ベッド料を支払う必要がない』という正しい知識も合わせて広めていくことが必要です。」と述べている。詳細はプレスリリースへhttp://www.carereview.co.jp/2010/04/post-44.html

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ACE阻害薬+Ca拮抗薬、高リスク高血圧におけるCKD抑制効果が明らかに:ACCOMPLISH試験2次解析

 ACE阻害薬ベナゼプリル(商品名:チバセンなど)とCa拮抗薬アムロジピン(同:ノルバスク、アムロジンなど)の併用は、心血管疾患のリスクが高い高血圧患者において慢性腎臓病(CKD)の進行の抑制効果が高いことが、アメリカChicago 大学Pritzker医学校のGeorge L Bakris氏らが実施したACCOMPLISH試験の2次解析で明らかとなった。本試験は、主解析でベナゼプリルとアムロジピンの併用が、ベナゼプリルと利尿薬ヒドロクロロチアジド(同:ニュートライドなど)の併用よりも心血管疾患罹患率および死亡率の改善効果が優れることが示されたため、平均フォローアップ期間2.9年の時点で早期中止となっている。進行期腎症ではRA系抑制薬と利尿薬の併用で降圧効果が得られることが多くの試験で示されているが、CKDの進行に対する固定用量による降圧薬併用の効果を検討した試験はないという。Lancet誌2010年4月3日号(オンライン版2010年2月18日号)掲載の報告。CKDの進行を評価する事前に規定された2次解析 ACCOMPLISH試験は高リスク高血圧患者を対象としたプロスペクティブな二重盲検無作為化試験。今回、研究グループは、本試験の事前に規定された2次解析として固定用量のベナゼプリル+アムロジピンとベナゼプリル+ヒドロクロロチアジドのCKD抑制効果について評価した。 2003年10月~2005年5月までに、5ヵ国(アメリカ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド)から心血管イベントのリスクが高い55歳以上の高血圧患者11,506例が登録された。これらの患者が、ベナゼプリル(20mg/日)+アムロジピン群(5mg/日)群(5,744例)あるいはベナゼプリル(20mg/日)+ヒドロクロロチアジド(12.5mg/日)群(5,762例)に無作為に割り付けられた。 用量は、推奨目標血圧を達成するように、無作為割り付け後1ヵ月が経過して以降は個々の患者の病態に応じて漸増した。事前に規定されたエンドポイントであるCKDの進行は、血清クレアチニン値の2倍化あるいは末期腎不全の発症(推定糸球体濾過率<15mL/分/1.73m2あるいは要透析の診断)と定義した。ACE阻害薬+Ca拮抗薬でCKDの進行が48%抑制 試験終了時点で、143例(1%)のフォローアップが完遂できなかった(ベナゼプリル+アムロジピン群70例、ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド群73例)。無作為割り付けされたすべての症例がintention-to-treat解析の対象となった。 CKDの進行がみられたのは、ベナゼプリル+アムロジピン群が113例(2.0%)と、ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド群の215例(3.7%)に比べ有意に低下した(ハザード比:0.52、p<0.0001)。 CKD患者で最も高頻度にみられた有害事象は、末梢浮腫[ベナゼプリル+アムロジピン群33.7%(189/561例)、ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド群16.0%(85/532例)、p<0.0001]であった。CKD患者における血管浮腫の頻度は、ベナゼプリル+アムロジピン群の方が高かった(1.6% vs. 0.4%、p=0.04)。 非CKD患者では、ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド群でめまい(20.3% vs. 25.5%、p<0.0001)、低カリウム血症(0.1% vs. 0.3%、p=0.003)、低血圧(2.3% vs. 3.4%、p=0.0005)の頻度が高かった。 著者は、「ベナゼプリル+アムロジピン併用療法は、腎症の進行をより遅らせるため、ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド併用療法よりも優先的に考慮すべきである」と結論し、「これらの併用降圧治療のCKD抑制効果の優劣を確立するには、さらに進行した腎症を対象としたプロスペクティブ試験を行う必要がある」としている。

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「希望のちから」で考えるがんの臨床試験のこと 映画鑑賞会ほか キャンサーネットがん啓発イベント開催

NPO法人キャンサーネットジャパンは、乳がん臨床試験を題材にした映画「希望のちから」の鑑賞会他がん啓発イベントを下記の通り開催予定。一般向けのイベントではあるが、医師、看護師、薬剤師など医療者の参加も歓迎。詳細は下記URLにて。 2010/4/17(土)映画「希望のちから」で考えるがんの臨床試験のこと in 東京 http://www.cancernet.jp/cinema100417.html 2010/5/1(土)がんと一緒に働こう~治療を続けながら働くコツ~ http://www.cancernet.jp/eve100501.html 2010/5/9(日)4団体共催公開フォーラム (第4回がん先端医療を速やかに患者さんに届けるには) ・がん医療費の実際と改革の可能性 ・知ってほしいがん高額医療と患者の生活実感 http://www.cancernet.jp/eve100509.html 2010/5/22(土)もっと知ってほしい大腸がんのこと http://www.cancernet.jp/eve100522.html 2010/5/29(土)第22回日本肝胆膵学会・学術集会 市民公開講座 http://www.cancernet.jp/eve100529prc.htmlパープルリボンキャラバンin仙台~すい臓がんに光をあてる

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世界の都市力と比較した東京の医療状況とは?

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は6日、米国 Partnership for New York Cityと共同で、年次レポート「Cities of Opportunity - 世界の都市力比較」を発表した。同レポートでは、世界の産業・金融・文化の中心となる主要21都市について、都市を活性化する主要素(都市力)を、2009年に収集したデータをもとに10の領域・58の指数を用いて分析し、それぞれランキングを公表している。分析の結果、東京は、10の分析領域のうちTransportation and infrastructure (交通・インフラ)が21都市中トップとなり、またHealth, safety and security (健康・安全・治安)、Intellectual capital(知的資本)およびTechnology IQ and innovation (テクノロジー知能指数・技術革新)の3領域において、いずれもトップ3に入る高位置を占めている。Health, safety and security(健康・安全・治安)においては、東京はストックホルムに次いで2位。構成指数のうち、新生児の生存率は21都市中トップ、病院の数や犯罪発生率、政治的・社会的環境面においても上位3位以内に入っている。詳細はプレスリリースへhttp://www.pwcjp.com/news/20100406.html

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XELOX療法が早期結腸がんの術後補助化学療法として欧州で承認

スイス・ロシュ社は3月30日、Xeloda(capecitabine/国内販売名:ゼローダ)とoxaliplatin(国内販売名:エルプラット)の併用(XELOX)療法が早期結腸がん患者の術後補助化学療法として、欧州医薬品庁より承認されたことを発表した。グループ会社である中外製薬が5日に報告した。承認は、手術直後からXELOX療法を受けた患者の無病生存期間が5-fluorouracil/leucovorin(5-FU/LV)療法による治療を受けた患者よりも長いことを示した、ステージIII(早期)の結腸がん患者を対象とした主要な臨床試験の一つであるNO16968(XELOXA)試験の結果に基づいている。XELOX療法を受けた患者の3年無病生存率(DFS)は、5-FU/LV投与群よりも優れていたとのこと(XELOX群の71.0%に対し5-FU/LV群は67.0%、ハザード比0.80、p=0.0045)。欧州での承認に続き、XELOXは世界の他の地域での適応拡大が期待されている。Xelodaの単独療法は既に欧州、米国、日本ならびに世界各国で、結腸がん患者に対する術後補助化学療法として承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/news/detail/20100405110000.html

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全国の病院の品質管理体制の実態は?

株式会社ケアレビューは6日、急性期病院の品質(医療の質)管理状況に関する調査を実施し、調査結果を報告した。この調査は、同社が運営する急性期病院の診療実績比較サイト『病院情報局』(http://hospia.jp/)で情報提供している全国1,500あまりの急性期病院(DPC参加病院)を対象として、「治療結果の分析」「患者満足度調査」「職員満足度調査」の実施状況を尋ねることにより、病院の品質管理体制の実態を調査したもの。調査方法は郵送によるアンケート調査で、調査期間は2010年2月1日~3月10日。有効回答は472病院から得られた(回答率30.3%)。「患者満足度調査」は9割以上の病院で実施されているが、「治療結果の分析」や「職員満足度調査」は半数以上の病院では実施されていないことが明らかになった。実施サイクルでみると、毎月継続的な管理が行われている病院は、「治療結果の分析」では17%、「患者満足度調査」では6%にとどまっていた。また、「職員満足度調査」を毎年実施している病院は20%にとどまっている。調査や分析の結果について、病院のホームページで情報提供している病院は、「治療結果」は9%、「患者満足度」は10%、「職員満足度」は1%にとどまっていた。病院内での情報提供を合わせると、「患者満足度」は8割弱の病院で情報提供されているが、「治療結果」については7割近くの病院で情報提供が行われていないことがわかったという。今回の調査結果を受けて同社は、「今回の調査は、日本の病院の中でも先進的なマネジメントが行われていることが期待されるDPC参加病院を対象としましたが、残念ながら多くの病院で管理体制面の遅れが懸念される調査結果となりました。とくに、治療結果の分析さえも行われていない病院では、品質(医療の質)改善への組織的な取組みも不十分であることが想定されます。」と述べている。詳細はこちらhttp://www.carereview.co.jp/2010/04/post-41.html

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関節リウマチにおける抗TNF製剤3剤の直接比較サーベイ

関節リウマチにおける抗TNF製剤、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ3剤の治療反応性、寛解率、およびアドヒアランスのhead to head比較サーベイが報告された。「Arthritis & Rheumatism」誌(2010年1月号)掲載より。本研究は、デンマーク全域における生物学的製剤使用患者のレジストリー、DANBIO(患者登録期間:2000年10月~2007年12月)から、生物学的製剤新規使用患者2,326名を対象とした。投与された生物学的製剤の割合は、アダリムマブ29%、エタネルセプト22%、インフリキシマブ49%であった。患者背景において、性別、年齢、IgM-RF Positive、罹病期間に差はみられなかった。一方、MTXの併用率と用量、プレドニゾロンの併用率と用量は特に差が認められた。MTXの併用率は、アダリムマブ70%、エタネルセプト61%、インフリキシマブ87%であった。MTXの併用量は、アダリムマブ20(12.5-25)mg/週、エタネルセプト15 (12.5-20)mg/週、インフリキシマブ15 (10-20) mg/週であった。プレドニゾロンの併用率は、アダリムマブ40%、エタネルセプト43%、インフリキシマブ50%であった。プレドニゾロンの併用量は、アダリムマブ7.5(5-10)mg/日、エタネルセプト7.5(5-10)mg/日、インフリキシマブ7.5(5-10)mg/日であった。主な結果は以下の通り。 26週後の治療効果達成確率 Odds ratios(95%信頼区間)・アダリムマブvs.インフリキシマブ:ACR70%反応率2.05(1.52-2.76)、ACR50%反応率1.92(1.51-2.44)、Good EULAR反応率2.10(1.66-2.66)、Good/moderate EULAR反応率2.76(2.04-3.74)、DAS寛解1.78(1.37-2.31)、CDAI(Clinical Disease Activity Index)寛解1.83(1.32-2.55)・エタネルセプトvs.インフリキシマブ:ACR70%反応率1.78(1.28-2.50)、ACR50%反応率1.50(1.14-1.96)、Good EULAR反応率1.41(1.09-1.84)、Good/moderate EULAR反応率1.99(1.45-2.72)、DAS寛解1.31(0.97-1.77)、CDAI寛解1.16(0.78-1.72)・アダリムマブvs. エタネルセプト:ACR70%反応率1.15(0.82-1.60)、ACR50%反応率1.28(0.97-1.69)、Good EULAR反応率1.49(1.13-1.96)、Good/moderate EULAR反応率1.39(0.97-2.00)、DAS寛解1.36(1.00-1.84)、CDAI寛解1.58(1.07-2.34) 全投与中止例 Hazard ratios(95%信頼区間)インフリキシマブvs. アダリムマブ: 1.35(1.15-1.58)、インフリキシマブvs. エタネルセプト: 1.98(1.63-2.40)、アダリムマブvs.エタネルセプト:1.47(1.20-1.80)結論としてHetland氏は、「インフリキシマブは最も低い治療反応率、寛解率、アドヒアランスを示し、アダリムマブは最も高い治療反応率と寛解率を示した。また、エタネルセプトは最も長い投与継続率を示した」とまとめている。(ケアネット 呉 晨)

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アストラゼネカがウェブサイト「がんになっても」リニューアル、新機能も追加

アストラゼネカ株式会社は3月26日、がん患者やその家族に、上手ながんとの向きあい方をテーマにしたウェブサイト「がんになっても」(http://www.az-oncology.jp/)をリニューアルし、新機能を追加したと発表した。「がんになっても」は2005年12月の開設以来、がんと向きあう方々の様々な声、体験談、医療従事者とよりよいコミュニケーションを行なうヒント、がん医療用語、高額療養費など様々なコンテンツを紹介してきた。今回のリニューアルでは、体験談を、年齢や治療の状況、投稿テーマごとに体験談を絞り込んで検索できるように、検索機能が追加された。また、RSS機能も新たに追加され、更新されたコンテンツの情報を自動で受け取れるようになった。詳細はプレスリリースへhttp://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2010/10_03_29.html

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肥満と飲酒は相乗的に肝疾患リスクを増大する

アルコール消費量とBMIは、相乗的に肝疾患リスクを増大するようだ。英国グラスゴー大学地域医療部門公衆衛生・ヘルス政策のCarole L Hart氏らが1万人近いスコットランド人男性が参加した2つの前向きコホート試験データを解析し、報告した。BMJ誌2010年3月20日号(オンライン版2010年3月11日号)掲載より。平均47歳スコットランド人男性1万弱を29年追跡解析が行われたのは、男性9,559例(平均年齢47.3±9.55歳)が参加した「Midspan」と呼ばれる2つの前向きコホート試験。1つ目の「Main」試験は、1965~1968年にスコットランド中心地帯の職場、タイリー島および本島の住民が参加し行われた(参加者年齢:14~92歳)。2つ目は「Collaborative」試験で、1970~1973年にグラスゴー、クライドバンク、グランジマウスにある27の職場から参加者が集められ行われた(同:21~75歳)。両試験参加者は2007年12月31日まで、平均29年(範囲:0.13~42年)追跡された。参加者は、BMI値(25未満:やせ/標準体重、25~<30:過体重、≧30:肥満)と、アルコール消費量(非飲酒、1~14、≧15単位/週;1単位はビール1/2本)で、9グループに振り分けられ、肝疾患罹患率、死亡率について検討された。BMIとアルコール消費量とも数値が高い人ほどリスク増主因が肝疾患だった死亡は80例(0.8%)、原因を問わない肝疾患死亡は146例(1.5%)だった。「Collaborative」試験では、196例(3.3%)が、肝疾患による死亡、入院またはがんだった。BMI(P=0.001)とアルコール消費量(P

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