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再発・難治性多発性骨髄腫、KdD療法でPFS改善/Lancet

 再発・難治性多発性骨髄腫患者の治療において、プロテアソーム阻害薬カルフィルゾミブ+デキサメタゾン+抗CD38モノクローナル抗体製剤ダラツムマブ(KdD)による3剤併用療法は、カルフィルゾミブ+デキサメタゾン(Kd)に比べ、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、ベネフィット・リスクのプロファイルも良好であることが、ギリシャ・アテネ大学のMeletios Dimopoulos氏らが実施した「CANDOR試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年7月18日号に掲載された。新規に診断された多発性骨髄腫の治療では、レナリドミド+ボルテゾミブにより生存期間が改善されているが、多くの患者は病勢の進行または毒性により治療中止に至るため、再発・難治性多発性骨髄腫における新たな治療法の必要性が高まっている。カルフィルゾミブ+ダラツムマブは、第I相試験(MMY1001試験)において再発・難治性多発性骨髄腫に対する実質的な有効性と忍容可能な安全性が報告されている。ダラツムマブ併用の有用性を評価する無作為化第III相試験 研究グループは、再発・難治性多発性骨髄腫の治療におけるKdDとKdの有効性と安全性を比較する目的で、非盲検無作為化第III相試験を行った(Amgenの助成による)。 対象は、北米、欧州、オーストラリア、アジアの102施設から登録された1~3レジメンの前治療を受けた再発・難治性多発性骨髄腫患者であった。被験者は、KdDまたはKdによる治療を受ける群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、intention to treat集団におけるPFSであった。1年後のCRかつMRD陰性の割合:13% vs.1% 2017年6月13日~2018年6月25日の期間に466例が登録され、KdD群に312例(年齢中央値64.0歳、女性43%)、Kd群には154例(64.5歳、41%)が割り付けられた。前治療ライン数中央値は両群とも2.0で、2ライン以上の患者の割合は両群とも54%であった。KdD群で、造血幹細胞移植歴(63% vs.49%)のある患者が多く、75歳以上(9% vs.14%)の患者が少なかった。 全体の42%がレナリドミドを含むレジメン、90%はボルテゾミブを含むレジメンの投与歴があり、33%がレナリドミド抵抗性、29%はボルテゾミブ抵抗性だった。 フォローアップ期間中央値が約17ヵ月の時点でのPFS期間中央値は、KdD群が未到達、Kd群は15.8ヵ月であり、KdD群で有意に延長していた(ハザード比[HR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.46~0.85、p=0.0027)。18ヵ月PFS率は、KdD群が62%、Kd群は43%だった。事前に規定されたすべてのサブグループで一貫して、KdD群においてPFSのベネフィットが認められた。 全奏効割合は、KdD群が84%と、Kd群の75%に比べ有意に高く(オッズ比[OR]:1.925、95%CI:1.2~3.1、p=0.0080)、非常によい部分奏効(VGPR)以上の達成割合はそれぞれ69%および49%であり、完全奏効(CR)の達成割合は29%および10%であった。また、12ヵ月時の微小残存病変(MRD)陰性割合は、KdD群が18%、Kd群は4%であり(5.8、2.4~14.0、p<0.0001)、12ヵ月時のCR+MRD陰性の割合は、それぞれ13%および1%(11.3、2.7~47.5、p<0.0001)だった。 全生存(OS)期間中央値は、両群とも未到達であり、18ヵ月OS率は、KdD群が80%、Kd群は74%だった。治療期間中央値は、KdD群が70.1週と、Kd群の40.3週に比べ長かった。 Grade3以上の有害事象は、KdD群が82%、Kd群は74%で発現し、重篤な有害事象はそれぞれ56%および46%にみられた。全Gradeの有害事象で、KdD群で頻度の高いものとして、血小板減少症(37% vs.29%)、下痢(31% vs.14%)、上気道感染症(29% vs.23%)、疲労感(24% vs.18%)が認められた。 Grade3以上の注目すべき有害事象として、気道感染症(KdD群29% vs.Kd群16%)、心不全(4% vs.8%)、急性腎不全(3% vs.7%)、虚血性心疾患(3% vs.3%)、ウイルス感染症(6% vs.2%)などが認められた。治療中止の原因となった有害事象は、KdD群が22%、Kd群は25%にみられた。 著者は、「カルフィルゾミブ+デキサメタゾン+ダラツムマブによる3剤併用療法は、レナリドミド曝露歴のある患者やレナリドミド抵抗性の患者を含め、再発・難治性多発性骨髄腫の治療における有効かつ忍容可能な新たな治療選択肢として検討を進める必要がある」としている。

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免疫チェックポイント阻害薬の未来―がん免疫療法の耐性とその克服【そこからですか!?のがん免疫講座】最終回

はじめに「がん免疫の基礎を…」ということで始まったこのシリーズは、当初5回くらいで終わる予定でしたが、いろいろ盛り込んで増えてしまい、計7回になりました。まだまだトピックスはありますが、込み入った話はあまりせず、がん免疫療法の将来像を「個人的」な想像(妄想?)も交えてお話しすることで、終わりにしたいと思います(あくまで「個人的」な見解であり、承認されていない薬剤や使用方法についても記載がありますが、ご容赦ください)。ICIはどんどん早い段階で使われるように現在、臨床応用されている免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、抗PD-1/PD-L1抗体と抗CTLA-4抗体です。ご存じのように、これらは当初の適応がん種であった悪性黒色腫や肺がんだけでなく、さまざまながんで効果が証明され、使用が広がっています。免疫応答ががん細胞に対してしっかり起きていれば(とくにT細胞がしっかり攻撃できれば)、がん種に関係なく効く、というわけなのです。「ネオ抗原を反映する体細胞変異数が重要」という話をバイオマーカーの話題の回で紹介しましたが、体細胞変異数が多いMSI highというくくりや、最近では体細胞変異数が多いがんというくくりにおいても、ICIの効果が証明されつつあります。今まで臓器別で承認されてきた抗がん剤ですが、ここに来てがん種横断的な承認・使用ができるようになってきています。似たようなことはゲノム医療が進む分子標的薬の世界でも広がっていますね。そして、遅いラインでの使用よりもファーストラインでの使用、さらには早期がんでの周術期、というように、ICIはどんどん早い段階で使用する方向に向かっています。患者さんの検体を解析していて感じますが、やはり早期の小さいがんほど「(俗っぽい表現ですが)免疫状態がよく」、がん免疫療法もそういった小さな、早期のものほど効く可能性が高いと感じます。マウスの実験でも、小さい腫瘍のほうが明らかによく効きます(図1)1)。とくに最近の術前補助化学療法としてICIを使う効果は特筆すべきものがあり2)、今後「術前ICI」という治療が、いろいろながん種で臨床に入ってくるかもしれません。画像を拡大する今後を占うのは、ICIの「3つの耐性機序」今までの分子標的薬治療の開発史においても、耐性機序を解明することによって次の治療が登場してきました。たとえば、第1世代EGFR-TKIに耐性を示すEGFR T790M変異が見つかったことで第3世代EGFR-TKIが開発されたわけです。ICIについても今後の治療開発には耐性機序が非常に重要ですので、ここでも少し触れたいと思います。今までのデータを見ると、ICIの耐性機序はEGFRのT790M変異のような特定の機序というよりは、さまざまな耐性機序が複雑に絡み合っていると考えられます。このシリーズでは耳にタコができるくらい繰り返しご紹介してきましたが、ICIはT細胞を活性化させる治療ですので、代表的な耐性機序をT細胞活性化の7つのステップに準じてA~Cの3つにまとめました(図2)3)。画像を拡大する A がん抗原の認識に関わる耐性:T細胞活性化は抗原の認識から始まります。たとえば、ネオ抗原がない(≒体細胞変異が少ない)とT細胞も強く活性化できず、ICIは耐性となります。ほかにも、がん抗原を乗せるお皿であるMHCに異常があって抗原を提示することができない場合は、T細胞ががん細胞を認識しようがありませんので、耐性化してしまいます4)。 B T細胞の遊走・浸潤に関わる耐性:活性化したT細胞ががん細胞を攻撃するためには、がん細胞のいる攻撃の場へ遊走・浸潤していく必要があります。しかし、遊走・浸潤に関わるケモカインという物質などが妨害されてしまうと耐性化する、とされます。これはさまざまな機序で起きているとされており、たとえば、がん化に寄与する重要ながん側の因子がケモカイン産生を低下させていることが報告されています5)。 C 細胞傷害に関わる耐性:活性化したT細胞ががん細胞を攻撃する最終段階において、がん細胞を傷害できずに耐性化してしまうこともあります。たとえば、PD-1やCTLA-4以外の免疫チェックポイント分子がT細胞を強く抑制している場合や、免疫を抑制してしまう細胞が関与することなどが報告されています6)。耐性克服のカギはPrecision Medicineこれらの耐性を克服するために抗がん剤や放射線治療との併用や、ほかの免疫チェックポイントに作用する薬剤との併用などが試みられています。とくに、抗がん剤併用は肺がんでは効果が証明され、すでに臨床応用されています7)。また、承認済みのPD-1/PD-L1やCTLA-4を組み合わせるだけでなく、ほかの免疫チェックポイント分子を標的にした抗LAG-3抗体や抗TIGIT抗体などとの併用療法が現在開発されており、その結果が待たれます。しかしながら、開発中のものにはあまり生物学的な根拠がないものもあります。個人的には、もう少し耐性機序を考慮したうえで個々の組み合わせを考えることが必要だと考えています。がん免疫療法もゲノム医療のようにPrecision Medicineに進むべきです。がん細胞に対してT細胞がまったく攻撃している気配がない患者さん(「砂漠」と表現されます)には、どんなに併用をしようともICIの効果は出ないのではないか?ともいわれています。たとえば、MHCの異常で抗原が提示できない場合には、病理学的にもT細胞がまったく見られず(まさに「砂漠」)4)、どんなにT細胞を活性化させようとも、攻撃するT細胞がそこに存在せず、かつ、がん細胞を認識すらできませんので治療効果は期待できません。「砂漠」にも可能性を感じる細胞療法前回は、CAR-T細胞療法の話題を取り上げました8)。まだ血液腫瘍だけではありますが、このような治療が有効というのは非常に興味深く、示唆に富んだ結果だと思っています。「砂漠」に近い患者さんに対しても、外から攻撃するT細胞を入れることで効果が期待できるかもしれません。実際に、前回紹介したTIL療法はICIが効かないような例でも効果が報告されています9)。似たような発想で、がん細胞の表面に出ている分子を認識する抗体と、T細胞を活性化させる刺激抗体をくっつけたBispecific抗体というものがあります。抗体の片方はがん細胞にくっついて、もう片方がT細胞を活性化させます。つまり表現が少し悪いかもしれませんが、「無理やりにでもT細胞をがん細胞に対して攻撃するように仕向ける」ことができるわけです。おわりに2012年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)でのICIの報告から8年が経ち、がん免疫療法はここまで臨床に広がりました。ICI登場まで、(私も含めて)がん免疫を「うさんくさい」と思っていた方が多いかもしれません。ご存じのようにPD-1は日本で見つかり研究が進んだもので10)、こういった基礎研究の成果がここまで臨床応用されていることに非常に感銘を受け、「うさんくさい」と思っていた自分を恥じました。しかしながら、その有効性は不十分で、まだまだ不明な点が多いのも事実です。マウスで進んできた研究ですが、ヒトでの証明が不十分なものも多いのです。今後の新しい治療開発のためにも、実際の患者さんの検体での解析がますます重要になってくるでしょう。こうした成果を積み重ねれば、将来的には進行がんでも「完治」に近い状態を実現できるのではないかと思います。ややこしい内容も多い中、最終回までお付き合いいただき、ありがとうございました。ケアネット編集部の方には理解しにくい部分をいろいろご指摘いただいて、何とか読める内容になったと思います。そして、私にがん免疫の「いろは」をご教授くださった国立がん研究センター/名古屋大学の西川先生にも、併せて深謝申し上げて本シリーズを終わりにしたいと思います。1)Umemoto K,et al.Int Immunol.2020;32:273-281.2)Forde PM, et al. N Engl J Med. 2018;378:1976-1986.3)冨樫庸介.実験医学増刊.2020;38.4)Inozume T, et al. J Invest Dermatol. 2019;139:1490-1496.5)Sugiyama E, et al. Sci Immunol. 2020;5:eaav3937.6)Togashi Y, et al. Nat Rev Clin Oncol. 2019;16:356-371.7)Gandhi L, et al. N Engl J Med. 2018;378:2078-2092.8)Singh AK, et al. Lancet Oncol. 2020;21:e168-e178.9)Zacharakis N, et al. Nat Med. 2018;24:724-730.10)Ishida Y, et al. EMBO J. 1992;11:3887-3895.

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小細胞肺がんの脳転移、定位放射線治療 vs.全脳照射

 小細胞肺がんの脳転移に対する標準治療は全脳照射(WBRT)なのか。ほとんどの限局性脳転移について、定位放射線治療(SRS)が推奨されているが、SRSに関するデータは不足している。米国・コロラド大学のChad G. Rusthoven氏らは、初回治療としてのSRS(WBRT既往なし/予防的全脳照射なし)とWBRTを比較する国際多施設コホート研究「FIRE-SCLC試験」を行い、SRSはWBRTと比較して中枢神経系進行までの時間(TTCP)が短いが、全生存(OS)期間は有意に延長したことなどを明らかにした。著者は、「今回の研究結果は、TTCPが短いがOSは短縮しないなど、初回SRS単独治療の主な一長一短が、SRSに関してすでに観察されていることと同様であることを示すものであった」と述べている。JAMA Oncology誌2020年6月4日号掲載の報告。 FIRE-SCLC(First-line Radiosurgery for Small-Cell Lung Cancer)試験は、欧米および日本の28施設で実施された。研究グループは、小細胞肺がんの脳転移に対する初回治療でのSRSの治療成績をWBRTと比較する目的で、2017年10月26日~2019年8月15日にデータを収集し、2019年8月16日~11月6日に解析した。 主要評価項目は、SRS後のOS、TTCP、および中枢神経系の無増悪生存(CNS-PFS)期間で、これらを評価した後、傾向スコアマッチング法およびPS、脳転移数、同時性、年齢、性別および治療年で補正した多変量解析によりWBRTと比較した。  主な結果は以下のとおり。・解析対象は、1994~2018年にSRSを受けた合計710例(年齢中央値68.5歳、男性531例[74.8%])であった。・OS中央値は8.5ヵ月、TTCP中央値は8.1ヵ月、CNS-PFS中央値は5.0ヵ月であった。・治療が行われた脳転移数別のOS中央値は、1個の場合11.0ヵ月、2~4個8.7ヵ月、5~10個8.0ヵ月、11個以上5.5ヵ月であった。・傾向スコアマッチング法でSRSとWBRTを比較した結果、WBRTはTTCPの改善(ハザード比[HR]:0.38、95%CI:0.26~0.55、p<0.001)が認められた一方、OS(中央値:SRS群6.5ヵ月[95%CI:5.5~8.0]vs.WBRT群5.2ヵ月[95%CI:4.4~6.7]、p=0.003)およびCNS-PFS(中央値:SRS群4.0ヵ月vs.WBRT群3.8ヵ月、p=0.79)の改善は認められなかった。・SRSとWBRTを比較する多変量解析(頭蓋外転移および頭蓋外病勢コントロール状況に関するサブグループ解析を含む)も、同様の結果であった。

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中国の新型コロナワクチン、第II相試験で抗体陽転率96%以上/Lancet

 中国で開発されている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の、遺伝子組み換えアデノウイルス5型(Ad5)ベクター化ワクチンは、ウイルス粒子5×1010/mLの単回筋肉内投与により有意な免疫反応を誘導し、安全性は良好であることが示された。中国・江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏らが行った第II相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。著者は、「結果は健康成人対象の第III相試験で、ウイルス粒子5×1010/mLのAd5ベクター化COVID-19ワクチンの有効性を検証することを支持するものであった」と述べている。Lancet誌オンライン版2020年7月20日号掲載の報告。中国のコロナワクチンの2つの用量とプラセボを比較 研究グループは、中国・武漢市の単一施設において、HIV陰性で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染歴がない18歳以上の健康成人を、ウイルス粒子が1×1011/mL群、5×1010/mL群、またはプラセボ群のいずれかに、2対1対1の割合で無作為に割り付け(ブロックサイズ4)、単回筋肉内注射した。被験者、治験責任医師および検査室のスタッフは、割り付けに関して盲検化された。 免疫原性の主要評価項目は、投与後28日時点の受容体結合ドメイン(RBD)特異的ELISA抗体価ならびに中和抗体価の幾何平均値(GMT)とした。安全性の主要評価項目は、投与後14日以内の有害事象であった。いずれも少なくとも1回の投与を受けたすべての被験者を解析対象とした。1×1011/mLと5×1010/mLで、抗体陽転率96%と97%、重度有害事象9%と1% 2020年4月11日~16日の期間に603例がスクリーニングされ、適格基準を満たした508例(男性50%、平均[±SD]年齢39.7±12.5歳)が、無作為に割り付けられた(1×1011/mL群253例、5×1010/mL群129例、プラセボ群126例)。 中国で開発されているコロナワクチンの1×1011/mL群および5×1010/mL群では、28日時点のRBD特異的ELISA抗体のピークはそれぞれ656.5(95%信頼区間[CI]:575.2~749.2)および571.0(467.6~697.3)、抗体陽転率は96%(93~98)および97%(92~99)であった。いずれも、生SARS-CoV-2に対する有意な中和抗体反応が誘導され、GMTは1×1011/mL群で19.5(16.8~22.7)、5×1010/mL群で18.3(14.4~23.3)であった。 コロナワクチン投与後の特異的インターフェロンγ酵素結合免疫スポットアッセイ反応は、1×1011/mL群で253例中227例(90%、95%CI:85~93)、5×1010/mL群で129例中113例(88%、81~92)に確認された。 非自発報告による有害事象は1×1011/mL群で253例中183例(72%)、5×1010/mL群で129例中96例(74%)、重度の有害事象はそれぞれ24例(9%)および1例(1%)報告された。重篤な有害事象は確認されなかった。

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デクスメデトミジン、心臓手術後の心房細動やせん妄を抑制せず/Lancet

 麻酔導入時から24時間継続するデクスメデトミジンの持続注入は、心臓手術の回復過程にある患者の術後の心房細動やせん妄を減少しないことが明らかになった。米国・クリーブランドクリニックのAlparslan Turan氏らが、多施設共同無作為化プラセボ対照試験「DECADE試験」の結果を報告した。心房細動とせん妄は心臓手術後の一般的な合併症であり、デクスメデトミジンは鎮静剤としてユニークな特性を有しており、これら合併症のリスクを減少させる可能性があった。著者は、「デクスメデトミジンは、心臓手術を受ける患者の心房細動やせん妄の減少のために投与すべきではない」とまとめている。Lancet誌2020年7月18日号掲載の報告。術後の心房細動とせん妄の発生率を、デクスメデトミジンとプラセボで比較 研究グループは、米国の大学病院6施設において、心拍数が50回/分以上で人工心肺を用いた心臓手術を予定している18~85歳の患者を登録し、デクスメデトミジン群またはプラセボ(生理食塩水)群のいずれかに、1対1の割合に施設で層別化し無作為に割り付けた。 患者、看護に携わる者、評価者は治療に関してすべて盲検化され、治験薬は薬局または本試験に参加していない他の研究協力者が準備し、治験責任医師および担当医師は割付について完全に盲検化された。 投与は、0.1μg/kg/時で外科切開前に開始し、人工心肺終了時に0.2μg/kg/時へ増量した後、術後は0.4μg/kg/時で術後24時間まで維持投与とした。 主要評価項目は、集中治療室入室から術後5日または退院のどちらか早いほうまでの期間における心房細動およびせん妄の発生で、intention-to-treat解析を実施した。有意差はないが、心房細動をわずかに減らすもせん妄はわずかに増加 2013年4月17日~2018年12月6日の期間に患者が登録された。予定患者の83%が登録された時点で実施した5回目の中間解析で無益性(futility)が認められたため、本試験は早期中止となった。798例が無作為化を受けたが(デクスメデトミジン群400例、プラセボ群398例)、各群2例が同意を撤回したため解析対象は794例となった。 心房細動の発生率は、デクスメデトミジン群30%(121/397例)、プラセボ群34%(134/395例)であり、有意差はなかった(相対リスク[RR]:0.90、97.8%信頼区間[CI]:0.72~1.15、p=0.34)。また、せん妄の発生率は、プラセボ群12%に対し、デクスメデトミジン群で17%と増加したが、有意差は認められなかった(1.48、0.99~2.23)。 安全性の評価項目は、治療を要する臨床的に重要な徐脈と低血圧症、心筋梗塞、脳卒中、創部感染、肺塞栓症、深部静脈血栓症、および死亡であった。デクスメデトミジン群で394例中21例(5%)、プラセボ群で396例中8例(2%)に重篤な有害事象が報告され、死亡はデクスメデトミジン群1例(<1%)、プラセボ群1例(<1%)であった。

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皮膚科医デルぽんのデルマな日常

連載でおなじみのデルぽん先生が放つ、笑いありタメになる話ありのコミックエッセイ!!皮膚科といえば、医療界いちのジミ(?)な存在。いまだテレビドラマの主役になったことはなく、命のやり取りをすることもほぼなし。そんな脇役に甘んじていた皮膚科ですが、ここに笑撃の一冊が誕生しました。著者のデルぽん先生は CareNet.comの連載でもおなじみの現役の女医さん。大の漫画好きが高じて、「医療あるある」をテーマにブログを始めたところ、大人気になりました。そんな4年にわたるブログ漫画を「皮膚科医vs.患者さん」「皮膚科のお仕事」「華麗なる(!?)医者の世界」「皮膚科医からのアドバイス」の章に分けて再構成し、新たにエッセイや漫画を書き下ろしたのが本書。皮膚科のみならず、他科のお医者さんや看護師さんにもぜひ読んでいただきたい一冊!著者・デルぽんより発刊のご挨拶皮膚科外来のオモシロ事件簿や、医療業界あるある話、皮膚科女医の日常と妄想など、患者さんに馴染みの深い皮膚科の世界を赤裸々に綴る、業界初(?)4コマコミックエッセイ本。日常診療に役立つ皮膚科豆知識や、患者さんによく訊かれる話題もとりあげています! エッセイあり、実用あり、笑いながらためになる(?) 外来の片隅に一冊、いかがでしょうか?画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。 皮膚科医デルぽんのデルマな日常定価1,300円 + 税判型A5判頁数128頁 発行2020年7月著者デルぽんAmazonでご購入の場合はこちら

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FDA、マントル細胞リンパ腫に新CAR-T療法を迅速承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年7月24日、成人の再発・難治性マントル細胞リンパ腫患者治療に、CD19を標的とするCAR-T細胞免疫療法brexucabtagene autoleucelを迅速承認した。 この承認は、アントラサイクリンまたはベンダムスチンを含む化学療法、抗CD20抗体、BTK阻害薬の治療歴のある再発・難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)患者74例を対象とした非盲検多施設単群試験ZUMA-2に基づいたもの。主要有効性評価項目は、独立レビュー委員会による客観的奏効率(ORR)であった。 最小6ヵ月の追跡期間に基づいた60例の患者の有効性評価によれば、ORRは87%、完全寛解(CR)率は62%。推定奏効期間中央値は未達であった。 頻度の高い(10%以上)Grade3以上の毒性は、貧血、好中球減少症、血小板減少症、低血圧、低リン血症、脳症、白血球減少症、低酸素症、発熱、低ナトリウム血症、高血圧、病原菌不明感染症、肺炎、低カルシウム血症、およびリンパ球減少症でした。

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COVID-19流行、 ACSの入院数減に影響か/Lancet

 イングランドでは、急性冠症候群(ACS)による入院患者数が、2019年と比較して2020年3月末には大幅に減少(40%)し、5月末には部分的に増加に転じたものの、この期間の入院数の低下は、心筋梗塞による院外死亡や長期合併症の増加をもたらし、冠動脈性心疾患患者に2次予防治療を提供する機会を逸した可能性があることが、英国・オックスフォード大学のMarion M. Mafham氏らの調査で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年7月14日号に掲載された。COVID-19の世界的流行期に、オーストリアやイタリア、スペイン、米国などでは、ACSによる入院数の低下や、急性心筋梗塞への直接的経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の施行数の減少が報告されているが、入院率の変化の時間的な経過やACSのタイプ別の影響、入院患者への治療などの情報はほとんど得られていないという。ACSのタイプ別に、入院と手技の数、減少率を評価 研究グループは、イングランドにおける種々のタイプのACS入院患者数の変化の規模、性質、期間を把握し、COVID-19の世界的流行の結果としての、患者の院内管理への影響を評価する目的で検討を行った(英国医学研究評議会[MRC]などの助成による)。 解析には、Secondary Uses Service Admitted Patient Careデータベースに記録されたイングランドにおける2019年1月1日~2020年5月24日の、ACSのタイプ別の入院データを用いた。 入院患者は、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)、非STEMI(NSTEMI)、タイプ不明の心筋梗塞、その他のACS(不安定狭心症を含む)に分類された。また、入院期間中に受けた血行再建術(PCIを行わない冠動脈造影、PCI、冠動脈バイパス術[CABG])が同定された。 入院と手技の数を週単位で算出し、入院とACSタイプ別の減少率および95%信頼区間(IC)が算定された。5月最終週の減少率は16%、入院日数も短縮 ACSによる入院は、2020年2月中旬から減少しはじめ、2019年のベースラインの3,017件/週から、2020年3月末には1,813件/週へと40%(95%CI:37~43)低下した。この減少傾向は、2020年4月~5月には部分的に増加に転じて、5月最終週には2,522件/週へと上昇し、ベースラインからの減少率は16%(13~20)となった。 入院数の減少期間中は、ACSのすべてのタイプで入院数が低下したが、STEMIとNSTEMIでは、NSTEMIで減少率が高く、2019年の1,267件/週から2020年3月末の733件/週へと42%(95%CI:38~46)低下した。 並行して、PCI施行数も減少し、STEMIでは2019年の438件/週から2020年3月末には346件へと21%(95%CI:12~29)低下し、NSTEMIでは383件/週から240件/週へと37%(29~45)減少した。 また、ACS患者の入院期間中央値は、2019年は4日(IQR:2~9)であったが、2020年3月末には3日(1~5)へと短くなった。STEMIは3日から2日へ、NSTEMIは5日から3日へ短縮した。 著者は、「ACSの患者管理へのCOVID-19の影響の全容は、これらの解析を更新することで、引き続き評価されるだろう」とし、「COVID-19の次なる流行時に、不必要な死亡や障害を回避するためにも、ACSなどの緊急性の高い疾患の患者が救急診療部を受診しない理由を解明し、速やかに対処すべきである」と指摘している。

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第18回 待望のプラセボ対照無作為化試験でCOVID-19にインターフェロンが有効

中国武漢での非無作為化試験1)や香港での無作為化試験2)等で示唆されていたインターフェロン1型(1型IFN)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療効果が小規模ながら待望のプラセボ対照無作為化試験で裏付けられました3,4)。先週月曜日(20日)の速報によると、英国のバイオテクノロジー企業Synairgen社の1型IFN(インターフェロンβ)吸入薬SNG001を使用したCOVID-19入院患者が重体になる割合はプラセボに比べて79%低く、回復した患者の割合はプラセボを2倍以上上回りました。わずか100人ほどの試験は小規模過ぎて決定的な結果とはいい難いと用心する向きもありますが、SNG001は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)食い止めに大いに貢献する吸入薬となりうると試験を率いた英国・サウサンプトン大学の呼吸器科医Tom Wilkinson教授は言っています5)。Synairgen社を率いるCEO・Richard Marsden氏にとっても試験結果は朗報であり、COVID-19入院患者が酸素投与から人工呼吸へと悪化するのをSNG001が大幅に減らしたことを喜びました。投資家も試験結果を歓迎し、Synairgen社の株価は試験発表前には36ポンドだったのが一時は236ポンドへと実に6倍以上上昇しました。この記事を書いている時点でも200ポンド近くを保っています。Synairgen社は入院以外でのSNG001使用も視野に入れており、COVID-19発症から3日までの患者に自宅でSNG001を吸入してもらう初期治療の試験をサウサンプトン大学と協力してすでに英国で始めています6)。米国では1型IFNではなく3型IFN(Peginterferon Lambda-1a)を感染初期の患者に皮下注射する試験がスタンフォード大学によって実施されています7)。インターフェロンは感染の初期治療のみならず予防効果もあるかもしれません。中国・湖北省の病院での試験の結果、インターフェロンを毎日4回点鼻投与した医療従事者2,415人全員がその投与の間(28日間)COVID-19を発症せずに済みました8)。インターフェロンはウイルスの細胞侵入に対してすぐさま強烈な攻撃を仕掛ける引き金の役割を担います。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はどうやらインターフェロンを抑制して複製し、組織を傷める炎症をはびこらせます4,9)。ただしSARS-CoV-2がインターフェロン活性を促すという報告10)や1型IFN反応が重度COVID-19の炎症悪化の首謀因子らしいとする報告11)もあり、インターフェロンは場合によっては逆にCOVID-19に加担する恐れがあります。米国立衛生研究所(NIH)のガイドライン12)では、重度や瀕死のCOVID-19患者へのインターフェロンは臨床試験以外では使うべきでないとされています。2003年に流行したSARS-CoV-2近縁種SARS-CoVや中東で依然として蔓延するMERS-CoVに感染したマウスへのインターフェロン早期投与の効果も確認されており13,14)、どの抗ウイルス薬も感染初期か場合によっては感染前に投与すべきと考えるのが普通だとNIHの研究者Ludmila Prokunina-Olsson氏は言っています15)。参考1)Zhou Q, et al. Front Immunol. 2020 May 15;11:1061.2)Hung IF, et al. Lancet. 2020 May 30;395:1695-1704.3)Synairgen announces positive results from trial of SNG001 in hospitalised COVID-19 patients / GlobeNewswire 4)Can boosting interferons, the body’s frontline virus fighters, beat COVID-19? / Science 5)Inhaled drug prevents COVID-19 patients getting worse in Southampton trial 6)People with early COVID-19 symptoms sought for at home treatment trial 7)OVID-Lambda試験(Clinical Trials.gov)8)An experimental trial of recombinant human interferon alpha nasal drops to prevent coronavirus disease 2019 in medical staff in an epidemic area. medRxiv. May 07, 2020 9)Hadjadj J, et al. Science. 2020 Jul 13:eabc6027.10)Zhuo Zhou, et al. Version 2. Cell Host Microbe. 2020 Jun 10;27(6):883-890.11)Lee JS, et al. Sci Immunol. 2020 Jul 10;5:eabd1554.12)Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Treatment Guidelines,NIH 13)Channappanavar R, et al. Version 2. Cell Host Microbe. 2016 Feb 10;19:181-93. 14)Channappanavar R, et al. J Clin Invest. 2019 Jul 29;129:3625-3639.15)Seeking an Early COVID-19 Drug, Researchers Look to Interferons / TheScientist

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マスク着用で医療者のCOVID-19抑制効果が明らかに/JAMA

 マサチューセッツ州最大の医療システムで12の病院と75,000人超の従業員を抱えるMass General Brigham(MGB)は、2020年3月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、医療従事者(HCW:health care workers )のCOVID-19の前兆に対する体系的な検査やサージカルマスクを着用した全HCWと患者に対してユニバーサルマスキングを含む多面的な感染対策の研究を実施した。その結果、MGBでのHCWのマスク着用習慣がHCW間の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性率の有意な低下に関連していたと示唆された。また、患者-HCWおよびHCW同士の感染率低下に寄与する可能性も明らかになった。JAMA誌2020年7月14日号リサーチレターでの報告。 研究者らはマスク着用の病院方針とHCW間の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染率との関連性を評価するため、2020年3月1日~4月30日の期間にPCR検査を受けた患者に対して直接的または間接的ケアを行ったHCWを特定した。 1)HCWのユニバーサルマスキング実施前期間(2020年3月1〜24日)2)患者のユニバーサルマスキング実施移行期間(2020年3月25日〜4月5日)と症状発現が認められた際の追加期間(2020年4月6〜10日)3)ユニバーサルマスキング介入期間(2020年4月11〜30日) 陽性率は全HCWの最初の検査結果での陽性を分子とし、検査2回目以降での陽性は除外した。分母には検査を一度も行っていないHCWとその日に検査を行ったHCWが含まれた。解析には重み付き非線形回帰分析を使用した。 主な結果は以下のとおり。・HCW:9,850人のうち、1,271人(12.9%)がSARS-CoV-2陽性だった。・陽性者の年齢中央値は39歳、73%は女性だった。また、陽性者の職種内訳は、医師・研修医(7.4%)、看護師・医師助手(26.5%)、医療技術者・看護助手(17.8%)、その他(48.3%)だった。・介入前のSARS-CoV-2陽性率は、0%から21.32%と指数関数的に増加し、加重平均は1日あたり1.16%増加、倍加時間( Doubling Time) は3.6日だった(95%信頼区間[CI]:3.0~4.5)。 ・介入期間中の陽性率は14.65%から11.46%に直線的に減少し、加重平均は1日あたり0.49%減少した。また、 slope の傾きは1.65%変化し(95%CI:1.13~2.15%、p<0.001 )、介入前と比較して、1日あたり大きく減少した。

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CABGの10年転帰、橈骨動脈vs.伏在静脈グラフト/JAMA

 冠動脈バイパス術(CABG)を行う際、橈骨動脈グラフトの使用は伏在静脈グラフトに比べ、複合心血管アウトカムの発生リスクは低いことを、米国・Weill Cornell MedicineのMario Gaudino氏らが、5件の無作為化比較試験(被験者総数1,036例、追跡期間中央値10年)についてメタ解析を行い明らかにした。これまで、観察試験では、橈骨動脈グラフト使用のほうが伏在静脈グラフト使用よりも、臨床的アウトカムを改善する可能性が示唆されていたが、無作為化試験では確認されていなかった。JAMA誌2020年7月14日号掲載の報告。5ヵ国、5試験を対象にメタ解析 研究グループは、CABGを受けた患者における長期追跡後の橈骨動脈グラフトvs.伏在静脈グラフトの臨床的アウトカムを比較するため、MEDLINE、Embaseを基にシステマティック・レビューを行い、被験者レベルのプール解析を行った。 検索により774試験を抽出し、38試験の試験結果全文をレビュー。適格基準を満たした、オーストラリア、イタリア、セルビア、韓国、英国の5ヵ国で行われた5試験についてメタ解析を行った。被験者の試験への参加は1997~2009年で、追跡完了は2019年だった。 主要アウトカムは、複合アウトカム(死亡、心筋梗塞、再血行再建術)で、副次アウトカムは死亡または心筋梗塞とした。1,036例を中央値10年間追跡 被験者総数は1,036例で、無作為化により橈骨動脈グラフトによるCABGを行ったのは534例、伏在静脈グラフトは502例だった。平均年齢は、橈骨動脈グラフト群66.6歳、伏在静脈グラフト群67.1歳で、男性の割合はそれぞれ70.4%と69.9%だった。無作為化を受けた被験者のうち、10年間の追跡を完了したのは90.9%(942例)だった。 追跡期間中央値10年(四分位範囲:10~11)で、主要アウトカム発生が認められたのは、橈骨動脈グラフト群220例(41/1,000人年)、伏在静脈グラフト群237例(47/1,000人年)で、橈骨動脈グラフト群が有意に低率だった(ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.61~0.88、p<0.001)。 副次アウトカムの死亡または心筋梗塞の発生も、188例(35/1,000人年)vs.193例(38/1,000人年)と橈骨動脈グラフト群で有意に低率だった(HR:0.77、95%CI:0.63~0.94、p=0.01)。

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自分で自分の帝王切開をやってしまった女性【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第167回

自分で自分の帝王切開をやってしまった女性pixabayより使用私の指導医のFacebookページで知った論文なのですが、衝撃的だったので紹介したいと思います。Molina-Sosa A, et al.Self-inflicted cesarean section with maternal and fetal survival. International Journal of Gynecology & Obstetrics. 2004; 84 (3): 287-290. doi:10.1016/j.ijgo.2003.08.0182000年3月のことでした、40歳のメキシコ人女性が、出産間近の状態でしたが、病院に行くことができませんでした。夜から陣痛が始まり、かなり強くなってきました。そこで何を思ったのか、彼女は、刃渡り15cmはあろうかという包丁を取り出し、自分の腹部へザクッ!!キャーーーーー!!!まず、ほかにやれることはなかったのか……。右季肋部から恥骨部にかけて、17cmほど、包丁で皮膚を切り裂きました。もちろんこれ、麻酔なしでやったんでしょうね……。案の定、ハサミで臍帯を切断した後、いったん意識を失ってしまいました。その後、意識が回復し、4kmほど離れた病院に搬送されたそうです。そして、外科的修復が必要な状態にあったため、さらに高次病院へ搬送されました。その後、手術は無事に終了し、彼女は退院したそうです。現在は、親子ともに幸せに暮らしているとか。めでたしめでたし。それにしても、包丁で切った場所が消化器系ではなくて、子宮だったのが幸いでしたね。腕に自信がある皆さんも、ブラックジャックじゃないんですから、自分で自分の手術をしないように気を付けてくださいね。ちなみに、過去の自己帝王切開22例をまとめた珍しいレビューがあります1)。22例のうち7例は、自分の子供を殺そうとして(もはや帝王切開とは違いますね…汗)、4例には精神障害があり、8例は痛みがひどすぎて我慢できずに……ということのようです。1) Szabó A, et al. Auto-Caesarean section: a review of 22 cases. Arch Womens Ment Health. 2014 Feb;17(1):79-83.

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精神科入院患者のリハビリテーション、マインドフルネスグループの導入効果

 精神科リハビリテーションサービスを受けている患者は、複雑な長期にわたる問題を抱えており、しばしば治療抵抗性といわれる。このような患者では、統合失調症などのメンタルヘルス診断と合わせて、複雑なトラウマ歴、アルコール依存や薬物乱用、認知障害が頻繁にみられる。治療抵抗性統合失調症の治療では、クロザピン療法以外の効果的な治療法は知られていないが、マインドフルネスがストレス体験に対処する能力を向上させることが予備的エビデンスで示されている。英国・エディンバラ大学のAudrey Millar氏らは、マインドフルネスプラクティスグループが、入院患者のリハビリ環境下で許容できる治療介入であるかについて検討を行った。また、ウェルビーイングのモニタリングも実施した。BMC Psychiatry誌2020年6月20日号の報告。 マインドフルネスプラクティスグループは、精神科病院の15床のリハビリテーション病棟で実施した。A区では3回/週、5ヵ月間実施し、B区では1回/週、18ヵ月間実施した。介入は、臨床心理士より行った。A区では、Warwick-Edinburgh well-being scaleを用いたウェルビーイングの測定も行った。介入の許容可能性に関する補足情報として、患者、グループファシリテーター、スタッフより定性的インタビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・A、B区ともに1回以上参加した患者は約3分の2(65%および67%)、定期的に参加した患者は約3分の1であった。・ウェルビーイングへの影響は認められなかった。・質的インタビューでは、参加した患者には多くのベネフィットがあり、グループが病棟内の治療文化を強化する可能性が示唆された。 著者らは「臨床ガイドラインでは、精神疾患と診断されたすべての患者に心理療法が利用されるべきであることが示唆されているが、入院患者のリハビリテーションでの心理療法の利用は困難な場合がある。マインドフルネスプラクティスグループは、許容可能な介入であり、治療抵抗性精神疾患に対するマインドフルネスの有効性を検討するためのさらなる研究は価値がある」としている。

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子供の教育費と親のうつ病との関係

 韓国では、社会文化的背景の影響により高等教育(higher education)が急速に成長しており、子供の教育には、世帯収入の大部分が費やされている。学習塾や予備校などの私教育(private education)は、子供の心理や行動に影響を与えると考えられてきた。しかし、これらの費用を支払う両親を対象とした研究は、これまで行われていなかった。世帯収入や教育レベルは、社会経済的地位(SES)を決定する重要な因子であり、教育費の捻出は、抑うつ症状の発症に影響を及ぼす可能性がある。韓国・延世大学校のByeong Cheol Oh氏らは、韓国における私教育費と両親のうつ病との関係について調査を行った。BMC Public Health誌2020年6月20日号の報告。 2015年と2018年のKoWePS福祉パネルよりデータを収集した。分析対象は、父親397人(2015年)と337人(2018年)、母親403人(2015年)と370人(2018年)であった。本研究の独立変数は、私教育費の割合とした。この比率は、各世帯の等価可処分所得に占める私教育費の割合として算出した。主な目的変数は、両親のうつ病自己評価尺度(CESD-11)に対する反応とした。私教育費の割合が両親のうつ病に及ぼす影響を調査するため、一般線形モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・私教育費の割合が高い父親は、低い父親と比較し、CESD-11スコアが高く(moderate:β=0.419、S.E=0.164、p=0.0105、high:β=0.476、S.E=0.178、p=0.0076)、私教育費の比率が高いほど、父親のうつ病に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆された。・母親では、識別可能な相関関係は認められなかった(moderate:β=-0.078、S.E=0.250、p=0.7555、high:β=0.003、S.E=0.215、p=0.9882)。 著者らは「父親と母親で差がみられたことは、韓国社会では父親は母親よりも経済的負担が大きい傾向にあることが要因かもしれない」としている。

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COVID-19、31ヵ国716例にみる皮膚科症状の特徴は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、特徴的な皮膚科症状が認められると伝えられている。米国・ハーバード大学医学大学院/マサチューセッツ総合病院皮膚科部門のEsther E. Freeman氏らは、それらの皮膚科症状を特徴付け、根底にある病態生理の解明を促進する目的で、国際レジストリの症例集積研究を行った。その結果、多くの症状は非特異的であったが、COVID-19の病態生理における潜在的な免疫や炎症性反応の解明に役立つ可能性がある知見が得られたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年7月2日号掲載の報告。 研究グループは、米国皮膚科学会および国際皮膚科学会連盟の国際レジストリを用いて症例集積研究を行い、COVID-19が確認または疑われ、新規発症の皮膚科症状が認められた患者のデータを分析した。 主な結果は以下のとおり。・レジストリから、COVID-19確認/疑い症例716例が収集された。・検査でCOVID-19が確認された患者は171例であった。・そのうち最も一般的に認められた皮膚科症状の形態的特徴は、麻疹様(22%)で、次いでペルニオ様(18%)、蕁麻疹(16%)、黄斑紅斑(13%)、小胞(11%)、扁平上皮丘疹(9.9%)、網状紫斑(6.4%)であった。・ペルニオ様病変は、疾患が軽症の患者で一般的に認められた。・網状紫斑は、入院を要した患者にのみ認められた。・なお、著者らは、「本検討では発生率や有病率を推定できず、またバイアスの確認が必要という点で結果は限定的である」としている。

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緩和ケアは非がん患者の救急受診と入院を減らす?/BMJ

 緩和ケア(palliative care)は、非がん患者においても潜在的ベネフィットがあることが、カナダ・トロント大学のKieran L. Quinn氏らによる住民ベースの適合コホート試験で示された。人生の終末期(end of life:EOL)が近い患者の多くは、救急部門の受診および入院の頻度が高く、それが人生の質を低下するといわれていれる。緩和ケアは、がん患者についてはEOLの質を改善することが示されているが、非がん患者に関するエビデンスは不足していた。今回の結果を踏まえて著者は、「EOLは、医師のトレーニングへの持続的な投資とチーム医療で行う緩和ケアの現行モデルの利用を増やすことで改善可能であり、医療政策に重大な影響を与える可能性があるだろう」と述べている。BMJ誌2020年7月6日号掲載の報告。救急部門受診率、入院率、ICU入室率などを緩和ケア非受療患者と比較 試験はカナダ・オンタリオ州の住民を対象に行われた。2010~15年に、医療機能を問わず入院し、最後の6ヵ月間に医師による緩和ケアを開始した、がんおよび非がん疾患で死亡した成人11万3,540例を特定。入院医療リンクデータを用いて、死因、病院のフレイルリスクスコア、転移がんの有無、居住地(オンタリオ州のすべての医療サービスを編成する14の地域医療統合ネットワーク区分で分類)、および緩和ケアを受ける蓋然性(年齢・性別で導出した傾向スコア)で患者を特徴付け、直接的に照合して1対2の割合となるよう緩和ケアを受けなかった対照群を特定した。 主要評価項目は、救急部門受診率、入院率、ICU入室率と、初回緩和ケア後の在宅死vs.院内死のオッズ比(OR)であった。患者の特性(年齢、性別、並存疾患など)で補正を行った。緩和ケア群のほうが救急部門受診などは低率、在宅/ホーム死は高率 慢性臓器障害(心不全、肝不全、脳卒中)に関連していた非がん死患者において、緩和ケア受療群は非受療群と比較して、救急部門受診率(粗発生率1.9[SD 6.2]vs.2.9[8.7]人年、補正後率比[RR]:0.88、95%信頼区間[CI]:0.85~0.91)、入院率(6.1[10.2]vs.8.7[12.6]人年、0.88、0.86~0.91)、ICU入室率(1.4[5.9]vs.2.9[8.7]人年、0.59、0.56~0.62)は低かった。さらに、これらの患者では、院内と比較して在宅またはナーシングホームでの死亡ORが高いことが確認された(6,936例[49.5%]vs.9,526例[39.6%]、補正後OR:1.67、95%CI:1.60~1.74)。 全体的に、認知症による死亡患者においては、緩和ケアはICU入室率の低下とは関連せず(0.2[2.1]vs.0.2[2.1]人年、1.03、0.96~1.11)、救急部門受診率(1.2[SD 4.9]vs.1.3[5.5]人年、補正後RR:1.06、95%CI:1.01~1.12)、入院率(3.6[8.2]vs.2.8[7.8]人年、1.33、1.27~1.39)の増加と関連したが、在宅/ナーシングホームでの死亡ORは低かった(6,667例[72.1%]vs.1万3,384例[83.5%]、補正後OR:0.68、95%CI:0.64~0.73)。 一方で、これらの割合は、認知症で死亡した患者が居宅で暮らしていたかナーシングホームに入所していたかによっても異なった。同居宅患者では、医療サービスの利用と緩和ケアとに関連性はみられず、在宅での死亡ORが高かった。

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ISCHEMIA-CKD試験における血行再建術の有用性検討について(解説:上田恭敬氏)-1259

 中等度から高度の心筋虚血所見を認める重症CKD合併安定狭心症患者に対して、薬物療法に加えて血行再建術(PCIまたはCABG)を施行する(invasive strategy)か否か(conservative strategy)で2群に無作為に割り付けたRCTであるISCHEMIA-CKD試験からの報告で、invasive strategyの症状軽減効果について解析した結果である。 3ヵ月の時点ではinvasive strategyで症状軽減効果が示されたが、3年後にはその差は消失した。また、試験登録時の症状出現頻度が低いほど、その有効性は小さかった。著者らはconservative strategyに比してinvasive strategyに有用性はないと結論している。 本当に意味のない試験あるいは解析と言ったら言い過ぎだろうか。まず、試験登録時点で症状を認めない患者が約半数含まれており、これらの対象患者への症状軽減効果を検討すること自体無意味であろう。また、invasive strategy群に割り付けられた患者が実際に血行再建術を受けた割合が約50%というのもお粗末な結果である。血行再建術を行わなかった「common」な理由として狭窄病変がなかったことと記載されていることや、そもそも虚血評価をコアラボで行っていないことから考えると、適切な対象患者が選択されたのか疑問である。さらに、conservative strategy群でも約20%の患者で血行再建術が施行されていることも、invasive strategyの効果を正しく検証することを妨げる要因となっているだろう。 明らかに労作性狭心症の原因となる狭窄病変があり、血行再建術が成功すれば、症状は消失あるいは軽減するはずである。その有効性が失われるとすれば、血行再建術の不成功、再狭窄や新規病変の出現が原因となることが想定されるが、この影響がCKDを合併している患者群においては大きいかもしれず、血行再建術の効果が十分発揮されないかもしれないという考えが、本試験を企画するモチベーションとなっていたのだろう。しかし、その点を検証するには、あまりにも不適切な試験デザインとなってしまったのではないだろうか。「CKD合併狭心症患者では、症状改善効果も期待できないため、PCIをしても意味がない」といった間違ったメッセージだけがエビデンスと称して独り歩きしないか心配である。

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第17回 COVID-19の疲労症候群~筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群研究のまたとない機会

ウイルス感染が去ってすぐの疲労感は珍しいことではなく、たいていすぐに消失しますが、長引く疲労を特徴とする筋痛性脳脊髄炎(ME)/慢性疲労症候群(CFS)に時に陥る恐れがあります。かつて単に慢性疲労症候群(CFS)と呼ばれていたME/CFSは運動や頭を使った後に疲労が悪化することを特徴とし、軽く歩いただけ、または質問に答えただけで何日も、悪くすると何週間も起き上がれなくなることがあります1)。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染(COVID-19)を経た患者の長患いも最近明らかになっており、COVID-19を経た640人へのアンケートでは多くが胸痛や胃腸不調、認知障害や酷い疲労が収まらないと回答しました2)。米国国立アレルギー感染病研究所(NIAID)を率いるAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)氏もCOVID-19一段落後のそういった症状を認識しており、長きにわたる疲労症候群がCOVID-19に伴う場合があり、その症状はME/CFSに似ているとの見解を今月初めのAIDS学会での記者会見で表明しています3)。ME/CFSは謎に包まれており、それ故に偏見を通り越して無きものとする医師や研究者も少なくありません。ウイルス感染や神経疾患などの何らかの診断を試みた上でどこも悪くないとし、挙げ句にはもっと運動することを勧める医師もいるほどです。運動はME/CFSを悪化させる恐れがあります1)。無きものとして長くみなされていたため患者の多くは病因と思しき脳や脊髄の炎症の関与を見て取れる病名・筋痛性脳脊髄炎(ME)と呼ばれることを好みます。しかしながら脳脊髄炎の裏付けといえば脳の炎症マーカー上昇や脊髄液のサイトカイン変化を報告している日本での被験者20人ほどの試験4)ぐらいであり、米国疾病管理センター(CDC)を含む研究団体のほとんどはME/CFSと呼ぶようになっています。ME/CFSの原因は謎ですが、感染症との関連が示唆されており、米国・英国・ノルウェーでの調査によるとME/CFS患者の75%近くがその発症前にウイルス感染症を患っていました5)。また、西ナイルウイルス(WNV)、エボラウイルス(EBV)、エプスタインバーウイルス(EBV)等の特定の病原体とME/CFS様症状発現の関連が相当数の患者で認められています。2003年に蔓延したSARS-CoV-2近縁種SARS-CoVの感染患者の退院から1年後を調べた試験6)では、実に6割が疲労を訴え、4割以上(44%)が睡眠困難に陥っており、6人に1人(17%)は長引く不調で仕事に復帰できていませんでした。そういった試験結果を鑑みるに、SARS-CoV-2感染患者の体の不具合が収まらずに続く場合があることはほとんど疑いの余地がないとME/CFS研究連携を率いるモントリオール大学のAlain Moreau氏は言っており、同氏や他の研究者の関心は今やSARS-CoV-2がME/CFSを引き起こすかどうかではなく、どう誘発しうるのかに移っています。いくつか想定されている誘発の仕組みの中で自己免疫反応の寄与を米国NIHの神経ウイルス学者Avindra Nath氏はとくに有力視しています。最近イタリアの医師は重度のSARS-CoV-2感染症(COVID-19)患者に自己免疫様症状・ギランバレー症候群(GBS)が認められたことを報告しており7)、ME/CFS患者を調べた2015年報告の試験8)では自律神経系受容体への自己抗体上昇が認められています。もしCOVID-19が自己免疫疾患を招きうるなら何らかのタンパク質へのT細胞やその他の免疫の担い手の反応が血液中に現れるはずです。そこでエール大学の免疫学者岩崎 明子氏等はCOVID-19入院患者数百人の血液検体を採取し、すぐに元気になった場合とそうでない場合の免疫特徴を比較する試験を開始しています。Moreau氏とNath氏等もCOVID-19患者を長く追跡してME/CFSの原因を探る試験9)を始めており、それらの試験結果はCOVID-19を経た人のみならず世界中のME/CFS患者のためにもなるはずです。研究所や政府はCOVID-19患者がME/CFSに陥りうることに目を向け、資源や人を配して事に当たるべきであり、さもないとME/CFSの謎の解明のまたとない機会がふいになってしまうとNath氏は言っています1)。参考1)Could COVID-19 Trigger Chronic Disease in Some People? 2)What Does COVID-19 Recovery Actually Look Like? An Analysis of the Prolonged COVID-19 Symptoms Survey by Patient-Led Research Team3)Coronavirus may cause fatigue syndrome, Fauci says4)Nakatomi Y, et al. J Nucl Med. 2014 Jun;55:945-50.5)Pendergrast TR, et al. Chronic Illn. 2016 Dec;12:292-307.6)Tansey CM, et al. Arch Intern Med. 2007 Jun 25;167:1312-20. 7)Toscano G, et al. N Engl J Med. 2020 Jun 25;382:2574-2576.8)Loebel M, et al. Brain Behav Immun. 2016 Feb;52:32-39.9)OMF Funded Study: COVID-19 and ME / CFS

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認知症発症に対する修正可能なリスク因子~メタ解析

 高齢者の認知症発症に対する修正可能なリスク因子について、中国・蘇州大学のJing-Hong Liang氏らが、システマティックレビューおよびベイジアン・ネットワークメタ解析を実施した。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2020年6月17日号の報告。 複数の電子データベースより、2019年5月1日までのプロスペクティブコホート研究を網羅的かつ包括的に検索した。認知症でない参加者は、50歳以上とした。ベイジアン・ネットワークメタ解析を行うため、必要なデータを適格研究より抽出した。 主な結果は以下のとおり。・43件のコホート研究より27万7,294例が抽出された。・抗酸化物質を除く、以下の定義されたリスク因子は、すべての原因による認知症発症リスクの低下と関連していた。 ●睡眠障害なし(オッズ比[OR]:0.43、95%確信区間[CrI]:0.24~0.62) ●教育水準の高さ(OR:0.50、95%CrI:0.34~0.66) ●糖尿病の既往歴なし(OR:0.57、95%CrI:0.36~0.78) ●非肥満(OR:0.61、95%CrI:0.39~0.83) ●喫煙歴なし(OR:0.62、95%CrI:0.45~0.79) ●家族との同居(OR:0.67、95%CrI:0.45~0.89) ●運動の実施(OR:0.73、95%CrI:0.46~0.94) ●禁酒(OR:0.78、95%CrI:0.56~0.99) ●高血圧症の既往歴なし(OR:0.80、95%CrI:0.65~0.96) 著者らは「修正可能な身体的およびライフスタイル因子が、すべての原因による認知症の強力な予測因子であることが示唆された」としている。

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第43回 心電図中級への道:右心系を“チラ見”するテクニック(後編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第43回:心電図中級への道:右心系を“チラ見”するテクニック(後編)前回は「心室肥大」、なかでも右室に関して肥大の病態について考えました。心電図は肥大の診断精度の面では心エコーに及びませんが、実臨床で右室肥大(RVH)を思わせる所見に出くわした時、どう考え対処すれば良いのかを考えていきましょう。実際の心電図を用いてDr.ヒロなりの実用的な診断手順を丁寧にレクチャーします!【問題1】歩行時の息切れを主訴に紹介受診した80歳、女性。膠原病の加療中。来院時心電図(図1)に関して、以下の文章を埋めよ。基本調律は、心拍数約80/分の(A:異所性心房調律、洞調律、心房細動)である。QRS電気軸は(B:  )°と(C:正常軸、左軸偏位、右軸偏位)を示し、V1誘導に「高いR波」を(D:認めない、認める)。また、同誘導には“ストレイン型”を思わせるST-T変化を(E:認めない、認める)。また、V5、V6誘導で(F:R≒S、R>S、R<S)の所見も認められる。右房拡大の所見は(G:認めない、認める)。以上から総合するに、本心電図は「右室肥大」と診断(H:できない、できる)。(図1)来院時の心電図画像を拡大する解答はこちらA:洞調律、B:120(130)、C:右軸偏位、D:認める、E:認める、F:R<S、G:認めない、H: できる解説はこちら今回は実際の心電図を用いて前回から引き続き「右室肥大」(RVH)について考えてみたいと思います。Dr.ヒロ流の心電図の系統的判読(第1回)に触れつつ解説していきましょう。Aこれは“イチニエフの法則”そのものですね(第2回)。B出た!電気軸の数値を求める問題。これは“トントン法”でしょう。aVRが“トントン・ポイント”(TP)で良ければ「+120°」、もう少し欲張ってaVL、Iに続いて「-aVR」はまだ下向き、TPは続くIIよりも「-aVR」サイドと読んで「+130°」と答えてくれたら熱心な“ドキ心”受講生ですかね(トントン法Neo、第9回、第11回)。CQRS波がIは下向き、II(aVF)は上向きです(第8回)。D「右軸偏位」とともに「RVH」診断の根幹をなす所見です。絶対値では「7mm」ですが、本来「rS型」(第17回)が標準的なV1誘導にあって、陽性(上向き)成分がこれだけ目立つのは異常です(波形はやや非典型の「qRS型」です)。E「ストレイン型」という言い方はあまり推奨されませんが、説明や理解には好都合です。“寝そべった2の字”を思い出してください(第39回)。FV5やV6では本来左室収縮をモロに反映した“ご立派”なR波がテッパンですが、これが逆転(R<S)してしまうのが「RVH」の特徴の1つです。G左室肥大(LVH)でも「左房拡大」は参考所見でした(第39回)。心臓そのものを直接画像化して診断する心エコーとは異なる、心電図なりの“苦肉の策”は、周囲(心房)の状況から推察するというものです。う~ん、なんか“探偵”チックですね(笑)H以上から心電図(図1)は「RVH」に該当します。精査の結果、膠原病に起因する肺高血圧症を認める症例でした。“とにかくニガテなんです”問題1はどうでしたか? 日々の臨床現場で皆さんが遭遇する心電図には、“(ごく)たまに”このようなモノが混じります。ここでは問題を“穴埋め”としましたが、実際ノーヒントでこうした考察が自然にできますか? そうです。実臨床にはヒント付きの問題文も“選択肢”もないのです。う~ん…それが冒頭で『RVH心電図の克服は“中級”へのパスポート』と述べた理由です。意外に難しいんですよ、実際。かつてのボクもそうでしたが、“時たま”しか出会わない異常な所見にアンテナを作動させ、拾い集めた所見を総合して「RVH」と診断するのは難しい、というかニガテだという方は少なくないと推察します。しかし、人間だけではなく、心電図自体も「RVH」の診断が得意ではないんです。一部に特異度はまずまずとする報告がありますが1)、とにかく感度が低いんです。心エコーに比べて心電図による「左室肥大」の診断力は見劣りしますが、「RVH」となるとそれに輪をかけて差が開くわけです。この理由はいくつかありますが、一番大きいのは左室と右室の重量の差からくる“筋力”(より正確には筋量)の違いです。医学部生の時、心臓のサイズはたしか“握りこぶし”(手拳大)くらい、重さは約300gと習いました(ボクは今でも患者さんにそう説明しています)。では、心室つまり右室や左室の重さってどうなんでしょう? もちろん、性別や体格(骨格筋量)にもよるでしょうね。海外データでは心室中隔を除いた「自由壁」(free wall)と呼ばれる部分の場合、右室は約45g、左室はその2.5倍くらいと報告されています2)。現実的には心室中隔も左室の“所有物”ですから、左室の重量は右室の3倍超であることがわかります。心電図の世界では、波高が心筋重量を反映するので、この比を信じるのなら私たちが普段目にするQRS波形は、“8割方”ほぼ左室成分で構成されていると考えられるわけです。「肥大」の心電図は極論したら “目立つ”(QRS)波形になるということなので、RVHが成立するには、ちょっとやそっとの筋量アップではダメで、正常な左室でも3倍超、左室に肥大があればさらに高いハードルを乗り越える必要があるわけです。もともとの頻度の差に加えて、左室の影響で“薄まって”しまい、程度が弱いものは心電図に表出しにくいというRVHの背景を知っておきましょう。■「RVH」心電図が難しいワケ■1)もともと疾患(病態)頻度が低く見慣れない2)左室の影響で所見が薄まりがち3)「右脚ブロック」とややこしい最後の「右脚ブロック」とややこしいという点は、同じことを意識されている方も多いかもしれません。かつてのボクも似ている所見にかなり困惑した記憶があります。この点について次回に詳しく述べたいと思います。“2大所見から押さえよう”悲観的な話ばかりするのはボクの本意ではありません。稀にでも出くわした時、ビシッと見逃さずに「RVH」と指摘するための基本からお話します。拙著から抜粋した図をご覧ください(図2)。(図2)代表的なRVHの心電図基準画像を拡大する左室の場合もそうでしたが、単一の心電図所見で「RVH」の診断を下すことはできず、複数の所見の“合わせ技”が基本となります。左室肥大では、あの“浪費エステ”として有名なRomhilt-Estesポイントでも注目点が5つくらいありましたよね(笑)。基本はそれの“左⇔右チェンジ”を行えばいいのです。まずは必須の2所見から。■1:右軸偏位-これはほぼマスト(MUST)1つ目は「右軸偏位」です。定性的には、QRS波の「向き」がI誘導で下向きとなります。基本的には“右軸偏位なくしてRVHなし”と考えてもらってOKなくらい重要な所見です。「左室肥大」では「左軸偏位」は補助基準の一つであったのと対照的です。これは、しばしば右室と左室の“綱引き”で例えられますが、普通なら「1人 vs. 3人」で試合している圧倒的不利な状況なはずが、自分のゾーン(右方)に引っ張り込んでいるという状況は、「RVH」があるなら相当のもんだということ。実は「+110°以上」という条件もついているのですが、“トントン法Neo”を知らない場合は、自動計測結果に頼らざるを得ないでしょう(第11回)。「左軸偏位」で「-30~0°」なら“軽度の”と呼んだように、正常者(とくに若年者)でも時に認める「+90°+α」くらいの軽い変化ではなく、ガッツリ右軸に向いていることが重要だというわけです。「右軸偏位」では、普通はII(とaVF)のQRS波は上向きですが、「RVH」がキツイ例ではここも下向きになることがあります。“ドキ心”では「高度の軸偏位」ゾーンに該当しますが、その場合は右側から“振り切れて”この領域に達したという「強い右軸偏位」ととらえるようです。代表的には「S1S2S3パターン」というI、II、IIIすべてで陰性成分が優勢となる所見も右心系負荷を示唆する所見の一つですが、軸偏位と関連付けて覚えておけば良いと思います。■2:V1はキーとなる誘導2つ目は波高に関してです。これも「肥大」では大切な所見です。ボクは人間の選り好みは基本しませんが、こと誘導に関しては「V1誘導」がかなり好きです。不整脈から波形診断まで随所で活躍してくれるブイワン君は「RVH」でもキーとなる誘導です。もちろんそれは、位置的に右室のド真ん前に電極を貼るからです。左室肥大では「(左室)高電位」が特徴でしたが、“左方面”の代表であるV5(またはV6)の反対側に視点を移しましょう。それが“右方面の雄”V1で見られます。V1誘導では、正常ですと「rS型」(右室パターン)が見られるのですが(第17回)、「RVH」では普段小さい「r波」が高い「R波」に“変身”します。絶対値では「7mm以上」ですが、定性的な「RV1>SV1」*1も相対的なR波増高ととらえてください3)。*1:「R>S in (lead) V1」や「R:S ratio in V1>1」などの表現もすべて同義。この所見は、Dr.ヒロ流の判読語呂合わせでは、“クルッと”の“ル”でスパイク・チェックをする時に行うと良いでしょう。側胸部誘導(V4~V6)の波高や全体的な振幅に加えて胸部誘導は「R波の増高過程」(R-wave progression)を確認しますよね? V1から下方に行くに連れ徐々にR波は大きくなり、逆にS波はすぼんでいくというヤツです。はじめは小さい「r波」であるはずが、スタート(V1)からいきなりドンッと7mmもあると、目にギョッときます。これで気づいてください。そのほか、何かと足し算が好きで“そこのライオン”でも登場したSokolow & Lyonペアの「RV1+SV5(V6)>10.5mV」という基準4)まで知っている人は少々マニアックかな。現実的には11mm以上ですが…。昔に比べて格段に記憶力の衰えたDr.ヒロはこうした細かな数字を逐一覚えられません。先ほどの心筋重量が右室は左室の3~4分の1だと知っておいて、「左室肥大」の基準Sokolow-Lyon index「SV1+RV5(V6)≧35mV」や単体の「RV5(V6)≧25~30mm」(諸家で多少の差あり)の数値を同じくらいの“縮尺”にして考えるというイメージ作戦で「10.5」も「7」も何とかなっております(笑)。これらの所見を1つでも満たす場合、個人的には“右室高電位(差)”とでも呼びたいところなんですが、正式には「高いR波(V1)」という所見になります。■3:「高いR波」インスピレーションこれはおまけです。V1誘導で「高いR波」を見た時に考える病態を5つ言えますか? ボクがレジデントか大学院生になりたての頃、ある先生に質問されました。解答は以下通り。■高いR波(V1誘導)を見たら何を考える?■右室肥大(RVH)(陳旧性)後壁梗塞WPW症候群(A型)完全右脚ブロック反時計回転(小児・若年成人≒正常亜型)実はコレ、見逃しやすい疾患の“備忘録”的にも使えるんです。当時とても感動したように思います。後年、BMJ誌でほぼ同様のリストが列挙されていた5)ことに“身震い”し、それ以来、決して忘れることはありません。それぐらいインパクトのある内容だと思います。“補助所見も知っておくと強い”「RVH」に関しては上の2つはほぼ“must”と言える所見です。そのほか以下の所見も参考にしてください。■「RVH」の参考所見■(a)2次性ST-T変化(V1ほか:右前胸部誘導)(b)V5、V6で“目立つ”S波(c)右房拡大(d)R peak time(V1)≧0.04秒(40ms)(a)いわゆる“ストレイン型”ですね。右室への圧負荷で求心性肥大を呈する場合が典型的で、「高いR波」が出るV1誘導でこれも確認すれば良いでしょう。心電図所見としては、“お隣”(V2)以下、V3くらいまで(右前胸部誘導)見られることもあります。(b)上記1の「高いR波」所見を反対側から見るイメージですか。V1・V2の「R波」は反対側(V5・V6)で言う「S波」で、そこが出張ってきます。まぁ結局同じことととらえても悪くないですが、「RVH」では胸部誘導が上から下までS波が目立ち、V5(またはV6)でも「R<S」(反時計回転)というケースをまとめ(図2)の3つ目の条件として挙げています。心電図(図1)の胸部誘導も全部「rS型」になっていますでしょ。これがポイントなんです。「deep S(-wave)」と呼べる絶対値基準の「10mm」(V5)、3mm(V6)はメチャクチャ余裕がある方だけでOKです。ボクはV5で勝負することにしているので、前者は“1cm”として頭に記憶させています。(c)これも「左室肥大」の時の「左房拡大」を“左⇔右チェンジ”するだけです。負荷が心室から心房へ波及することを想定しています。II、III、aVF(下壁誘導)やV1(V2)誘導でP波高が高くなるのでした。(d)「左室肥大」でQRS幅がややワイドになる、という話をしましたが、その時に“(delayed onset of) intrinsicoid defletion”や“R peak time”と呼んだQRS波の「はじまり」~「頂点」までの時間です。これが1mm(0.04秒[40ms])以上*2でやや右室興奮が“もたつく”様子を反映していると考えて下さい。ただしQRS幅全体としては幅広(wide)の基準(0.12秒[120ms]:横幅3mm)には至らないことも大事です(右脚ブロックとの大きな違いがココ)。*2:正確には>0.035秒[35ms]。“本日のまとめ”今回の原稿を書くにあたり、愛用している教科書や論文・ガイドライン4)、6)、7)を見直してみました。ただ、「RVH」の心電図については、明快に統一された診断基準を見つけることはできませんでした。「右軸偏位」と「高いR波(V1誘導)」の2つを中核に、「+α的な補助所見が何個あったら」みたいなのもありません。国内の心電計メーカーの自動診断法も参照しましたが、人間にはおよそわかりにくい数値基準であることを除いては類似の要素を組み合わせたスコアリングシステムが採用されているようでした。という訳で、Dr.ヒロは普段どのように「RVH」の心電図と向き合っているのかを図式化してみました。LVHの解説に際して作成したような実践的なフローチャート(図3)を提示してレクチャーを終わろうと思います。もちろん論文レベルのエビデンスはないですし、そういう意味で「信じるか否かはアナタ次第」(笑)という面がぬぐえませんが…。一人の若き“心電図職人”のアタマの中がどんなものか興味本位で見てもらったら幸いです。(図3)Dr.ヒロオリジナル右室肥大[RVH]の診断フローチャート画像を拡大するはじめに「wide QRS」、とくに「右脚ブロック」はひとまず除いて議論する点と、やはり「RVH」と診断するには中核2所見を中心に全体的に3つ以上は基準を満たして欲しいと思っています。ここでも得意の「あり」(definite)と「疑い」(probable)で自分なりの“重みづけ”もしています。「右軸偏位」と「高いR波(V1)」のどちらを先に見るかですが、Dr.ヒロ流ではQRS波のスパイク・チェックを「向き」「高さ」「幅」の順で捉えていきます。まず「右軸偏位」に気づいて右心系負荷を疑い、次に「高さ」で胸部誘導のR波増高過程を確認してください。その段階で「高いR波(V1)」もあったら、いよいよ「右室肥大(RVH)」が怪しいという風に考えましょう。補助所見の中では、(図2)で取り上げたV1(またはV2)“ストレイン所見”(2次性ST-T変化)とV5・V6での「深いS波」が特に重要ですが、もともと感度が低いわけですから、病歴・背景疾患や心エコー・MRI・CTなど、ほかの画像所見などもしながら考える姿勢を身に付けることで臨床的に深い洞察が可能になると信じています。では、また次回。次回は「右脚ブロック」での状況などを話したいと思います!Take-home Message心電図による「右室肥大」(RVH)の診断感度は低く、過剰な期待は禁物!「右脚ブロック」と混同せず、「右軸偏位」と「高いR波(V1)」に補助所見、自動診断結果や他の画像検査も合わせて総合的に判断するのが大事。1:Lehtonen J, et al. Chest. 1988;93:839-842. 2:Doherty NE 3rd, et al. Am J Cardiol. 1992;69:1223-1228. 3:Myers GB, et al. Am Heart J. 1948;35:1-40. 4:Sokolow M, et al. Am Heart J 1949;38:273-294.5:Harrigan RA, et al. BMJ. 2002:324:1201-1204. 6:Hancock EW, et al. Circulation 2009;119:e251-61.7:Buxton AE, et al. J Am Coll Cardiol 2006;48:2360-2396.【古都のこと~今宮神社】新型コロナウイルスが猛威を振るう中、アマビエという疫病退散の妖怪が話題になりましたね。長い歴史において多くの疫病に悩まされるたびに人々は祈りを捧げてきましたが、今宮神社(北区)も鎮疫の神として有名です。ボクが京都に移住してまだ間もない頃、市内(紫野付近)を運転中、道路沿いに一際目立つ楼門の存在感に圧倒された記憶があります。今まさに行きたい―そう思ったある日に早起きして訪れました。この地には平安遷都よりも前から摂社・疫神社*1があったとされます。994年(正暦5年)、一条天皇は二基の神輿(みこし)とともにその疫神を船岡山に奉安し、神慮を慰め悪疫退散を祈る御霊会(ごりょうえ)*2を斎行しました。その後、再び疫病の流行った1001年(長保3年)、現社地に新たに三柱*3を祀る神殿(本社)を建造し、「今宮社」と名付け御霊会を営まれました。これが今宮神社の創祀なのですが、1000年以上経っても“新しい宮”の名称が残っていることに感動しつつも、今なお疫病に苦しめられる我々の現状に複雑な気持ちも介在します。本社と摂社それぞれにお参りし、平成29年10月の台風被害により解体となった今宮の大鳥居の再建もお祈りし、休日の職務に向かいました。*1:祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)。*2:古くは疫病などの災いは、不慮の死を遂げた人の御霊(怨霊)に由来すると考えられており、これを鎮め災厄を祓うための儀礼。この紫野御霊会が今宮祭の起源とされる。*3:御祭神である大己貴命(おおなむちのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)。

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