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エンブレルとメトトレキサートの併用療法が医療面と経済面で効果

ワイス株式会社は、韓国ソウルで開催された「薬剤経済学及びアウトカム研究国際学会(ISPOR)第3回アジア太平洋会議」において、関節リウマチ患者に対するエンブレル(一般名: エタネルセプト)とメトトレキサートの併用療法が、関節リウマチの進行を食い止めるだけでなく、患者本人および政府にかかる経済的負担を軽減することが報告されたと発表した。報告はCOMET試験(COmbination of Methotrexate and ETanercept in Active Early Rheumatoid Arthritis: 早期活動性関節リウマチ患者を対象としたエンブレルとメトトレキサートの併用に関する臨床試験)の結果で、エンブレルとメトトレキサートの併用群のうち、50%の患者が「寛解」(疾患活動性スコアDAS28が2.6未満)に到達したという。 また、身体機能改善(HAQが0.5未満)に到達した割合は、メトトレキサート単独投与群では28%と39%だったのに対し、エンブレルとメトトレキサート併用群では55%近くを占めた。 さらに、1年目の段階で「画像的寛解」(TSSが0.5以下。X線検査で関節破壊の進行が認められなかった状態)に到達した割合は、メトトレキサート単独投与群では59%に留まったが、エンブレルとメトトレキサート併用群では初めて80%に達した。そして、併用群の労働損失日数は、メトトレキサート単独投与群のおよそ半分で、英国国立臨床研究所(NICE)のモデルによると、質調整生存年(QALY)当たりの費用も低減したという。詳細はプレスリリースへhttp://www.wyeth.jp/news/2008/0926.asp

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7価小児用肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)の定期接種が高い費用対効果を示す

ワイス株式会社は、韓国ソウルで開催された「第3回国際薬剤経済学・アウトカム研究学会(International Society for Pharmacoeconomics and Outcomes Research、略称:ISPOR)」において、7価小児用肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)の定期予防接種が、医学的にも経済的にも大きな利益をもたらすことを改めて示したと発表した。特に香港、シンガポール、台湾のデータは、これらの国々で乳幼児に対しPCV7の定期予防接種を実施した場合、小児および成人の双方において侵襲性・非侵襲性の肺炎球菌感染症の頻度が大幅に減少する可能性があることを示したという。さらに、PCV7を乳幼児に定期接種することで、間接的な予防効果が成人にも及び、その結果数百万ドルのコスト削減が達成できると考えられるとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.wyeth.jp/news/2008/0929.asp

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β-ラクタマーゼ阻害剤配合注射用抗生物質ゾシンが国内新発売

大正富山医薬品株式会社は、β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ゾシン静注用2.25、4.5」(一般名:注射用タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム)を10月1日、国内にて新発売したと発表した。 ゾシンは、大鵬薬品工業株式会社と富山化学工業株式会社の両社で開発し、大鵬薬品が製造販売承認を取得した薬剤。β-ラクタマーゼ阻害剤タゾバクタムとペニシリン系抗生物質ピペラシリンを、1:8の力価比で配合した製品で、肺炎をはじめ敗血症、腎盂腎炎、複雑性膀胱炎に対して優れた臨床効果が期待できる。同剤は海外では米国ワイス社により、米国をはじめ世界94ヶ国で発売され、世界的な標準的治療薬として高く評価されている注射用抗生物質製剤である。国内では、大鵬薬品が製造販売元となり、大正富山医薬品が発売する。詳細はプレスリリースへhttp://www.taiho.co.jp/corporation/news/20080930_2.html

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気管支喘息治療薬シングレアが長期処方可能に

万有製薬株式会社は、同社が販売中の乳幼児の気管支喘息治療薬「シングレア 細粒4mg」(一般名:モンテルカストナトリウム)が、2008年10月1日から長期処方が可能になると発表した。「シングレア 細粒4mg」は、用量調節が不要で苦味がなく、口の中ですぐに溶けるため、乳幼児にのませやすい新剤形。水なしで直接のませることができるだけでなく、スプーン1杯(約5mL)程度のヨーグルトやアイスクリームなどに混ぜてのませることもできる。また、1日1回1包の経口投与で気道炎症を抑制し、喘息症状を改善する。国内臨床試験では、小発作回数が治療前値7.98回から、治療2週目では4.56回に減少、さらに8週目では2.60回に減少したという。また、同社が医師(小児科・内科中心)を対象に「のませやすさ」に関する保護者の印象についてのアンケートを実施したところ(回答数:4,410)、91.4%の医師から、保護者はのませやすいとの印象を持っているとの回答が得られたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2008/product_news_0930.html

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RAD001の最新の試験結果発表、進行性腎細胞がん患者の無増悪生存期間をさらに延長  

ノバルティス ファーマ株式会社は、スウェーデンのストックホルムで開催された「第33回欧州臨床腫瘍学会(ESMO: European Society for Medical Oncology)」において、標準的な治療法が無効となった進行性腎細胞がんの患者に対するRAD001(一般名:エベロリムス)の潜在的ベネフィットが、新しいデータによって改めて示されたと発表した。RECORD-1(REnal Cell cancer treatment with Oral RAD001 given Daily)試験の最新の知見によると、RAD001の投与を受けた患者の無増悪生存期間の中央値が、プラセボ群の1.9カ月に対し、約5カ月であったことがわかった。さらに、RAD001による治療を10カ月以上継続した患者の25%において、腫瘍の増大は認められなかったという。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080929_02.html

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RAD001単独投与あるいはサンドスタチンLARとの併用で膵内分泌腫瘍の増殖を抑制

ノバルティス ファーマ株式会社は、スウェーデンのストックホルムで開催された「第33回欧州臨床腫瘍学会(ESMO: European Society for Medical Oncology)」において、RAD001(一般名:エベロリムス)とサンドスタチンLAR(一般名:酢酸オクトレオチド)の併用、あるいはRAD001の単独投与によって、稀少疾患で難治性のがんである膵臓の神経内分泌腫瘍(膵内分泌腫瘍: Pancreatic Neuroendocrine Tumors)の患者の腫瘍の増殖が抑制されるという新しいデータが示されたと発表した。化学療法が奏効しなくなった膵内分泌腫瘍の患者を対象にRAD001の1日1回投与とサンドスタチンLARの月1回投与の併用、またはRAD001の1日1回の単独投与を行った結果、併用療法群の患者の82%、単独療法群の患者の77%において、腫瘍の縮小または安定が認められたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080929_03.html

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大鵬薬品、ユーゼル錠の国内製造を開始

大鵬薬品工業株式会社は10月1日、従来輸入販売していた還元型葉酸製剤ユーゼル(ホリナートカルシウム)錠の自社国内製造を開始したと発表した。今回の自社国内製造で、錠剤の重量を従来の約半分に小型化することが可能になり、患者さんがより服薬しやすくなることが期待されるという。ユーゼル錠は、抗がん剤テガフール・ウラシル配合剤と併用することにより、結腸・直腸癌に対するテガフール・ウラシルの抗腫瘍効果を増強する働きがある。本療法は「大腸癌治療ガイドライン」に、大腸癌に対する標準化学療法の中でも経口投与可能な治療法として掲載されている。また、EU諸国でもホリナート・テガフール・ウラシル療法(ユーエフティ/ユーゼル療法)として大腸癌に対する効能が得られている。詳細はプレスリリースへhttp://www.taiho.co.jp/corporation/news/20081001.html

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日本人の健康に対する危機感は高いが、対策は低調

バイエル ヘルスケア社は、日本など世界10カ国の40歳以上3000人を対象に行った「健康的な生活ですか?―リスクに関する意識調査」の結果を発表した。それによると、「自分は健康上のリスクを抱えている」と思っている人は全体の62%にのぼり、これは調査を行った10カ国の中で最も多い割合だった。しかし、健康のために実施している行動については、「運動をしている」と答えた人は58%と、10カ国中9番目の低い割合にとどまり、また、「血圧・コレステロール値を測っている」と答えた人も63%(10カ国中6番目)と低かった。他国に比べ、自分の健康状態への危機感は強いものの、実際の行動には反映されていない現状を示している。また、「健康に最もリスクを与える行動」について(複数項目から選択)は、「喫煙」と答えた人が全体の57%と最も多く、次いで「血圧・コレステロール値を測らない」(47%)だった。「喫煙」は10カ国中、日本を含む6カ国で「健康に最もリスクを与える行動」に選ばれたが、実際に「たばこを吸っている」と答えた人は、22~38%(日本は25%)に及んだ。さらに、「心臓発作・脳卒中の危険因子について知っているか」との問いに対し、「よく知っている」と答えた人は、心臓発作・脳卒中いずれについても全体の3%にとどまり、これは10カ国中最低の割合だった。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-09-29_2.html

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世界10ヶ国の調査から40歳以上の健康上リスクの自覚が低い

バイエル薬品は、世界10ヶ国の40歳以上を対象にした調査により、多くの人が自分は健康上のリスクを冒した生活をしていないと考えているのに対し、実際の生活習慣ではリスクが高い行動が含まれており、認識との間に大きな差があることが明らかになったと発表した。調査はアルゼンチン、カナダ、中国、ドイツ、イタリア、日本、メキシコ、韓国、スペイン、および米国で実施。全体的に見ると、回答者の約半分以上が、自分は世界一の死因である心血管系疾患(CVD)などのリスクは冒していないと回答。しかし、回答者の約半分から4分の1の人はCVDリスクが高い状態にあった。また、ほとんどの国でCVDのリスクが高いと考えられる人のうち4分の1以上が、低用量アスピリンの予防効果について医師と相談したことがないと回答。さらに、各国の回答者の多くが、血圧値やコレステロール値のチェックには気を遣うにもかかわらず、50歳以降の定期的な乳房X線写真(マンモグラフィ)、前立腺癌検診、大腸内視鏡検査やその他の検査を怠ったり、高血圧症や脂質異常症で処方された薬の服用をしていなかった。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-09-29_1.html

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抗血小板剤プラスグレルの新薬承認申請審査を米国食品医薬品庁(FDA)が継続

第一三共株式会社(以下、第一三共)とイーライリリー・アンド・カンパニー(以下、イーライリリー、本社:米国、インディアナ州 NYSE:LLY)は、米国食品医薬品庁(FDA)が処方薬ユーザーフィー法(PDUFA:Prescription Drug User Fee Act)に基づく審査終了日である9月26日(米国東部時間)までにプラスグレルの新薬承認申請審査を完了せず、継続することになったと発表した。プラスグレルは、冠動脈ステント術を含む経皮的冠動脈形成術(PCI:percutaneous coronary intervention)を受けている急性冠症候群(ACS:acute coronary syndrome)患者の治療を適応症として申請された。プラスグレルは、第一三共と宇部興産株式会社が発見し、第一三共とイーライリリーが共同開発している経口抗血小板剤。まずはPCIを受けている急性冠症候群(ACS)患者への治療法として開発されている。プラスグレルは、血小板表面でP2Y12 アデノシン二リン酸(ADP:adenosine diphosphate)受容体を遮断し、血小板の活性化および凝集を抑制する。抗血小板剤は、動脈硬化および心臓発作、脳卒中を引き起こす可能性のある血小板の凝集を防ぐ。詳細はプレスリリースへhttp://www.daiichisankyo.co.jp/4less/cgi-bin/cs4view_obj.php/b_newsrelease_n1/700/080927v1-j.pdf

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小児喘息の新たなリスク因子を同定か:ISAACプログラム第III相試験

1歳になる前にアセトアミノフェン(別名パラセタモール)を使用すると、6~7歳時の喘息、鼻結膜炎、湿疹のリスクが増大することが、20万人以上の小児の横断的研究で明らかとなった。喘息発症のリスク因子の検討は数多く行われてきたがいまだ明確なエビデンスはなく、胎生期にアセトアミノフェンに曝露すると小児期および成人期の喘息発症リスクが高まる可能性が指摘されていた。ニュージーランド医学研究所のRichard Beasley氏が、Lancet誌2008年9月20日号で報告した。31ヵ国73施設が参加した国際的な大規模試験研究グループは、International Study of Asthma and Allergies in Childhood (ISAAC)プログラムの第III相試験に登録された6~7歳の小児を対象に、アセトアミノフェンと喘息の関連について検討を行った。31カ国73施設に登録された20万5,487人の小児が解析の対象となった。両親あるいは保護者に、喘息、鼻結膜炎、湿疹の症状、および0歳時の発熱に対するアセトアミノフェンの使用、最近1年間におけるアセトアミノフェンの使用頻度などのリスク因子に関する質問票に記入してもらった。主要評価項目は、0歳時の発熱に対するアセトアミノフェンの使用に関連した喘息症状のオッズ比とし、ロジスティック回帰分析を用いて算出した。0歳時、現行の使用で喘息リスクが有意に増大、さらなる検証が必要多変量解析では、0歳時の発熱に対するアセトアミノフェンの使用は6~7歳時の喘息症状の発現リスクを有意に増大させた(オッズ比1.46、95%信頼区間1.36~1.56)。現行のアセトアミノフェン使用によっても、用量依存性に喘息症状の発現リスクが上昇した(非使用に対する中用量使用小児のオッズ比1.61、95%信頼区間1.46~1.77、高用量使用小児のオッズ比3.23、95%信頼区間2.91~3.60)。アセトアミノフェンの使用は重症喘息のリスクとも相関を示し、人口寄与リスク(一般集団の疾患リスクのうち当該リスク因子が原因である割合)は0歳時の使用が22%、現行の使用が38%であった。また、0歳時および6~7歳時のアセトアミノフェン使用はいずれも、鼻結膜炎および湿疹症状の発現リスクをも有意に上昇させた。著者は、「0歳時および現行のアセトアミノフェン使用は6~7歳時の喘息、鼻結膜炎、湿疹のリスクと相関した。本試験のデザインでは因果関係を確立することはできないが、アセトアミノフェンへの曝露は小児喘息のリスク因子の可能性がある」と結論したうえで、「両親や医療従事者に、アセトアミノフェンのリスク対ベネフィットや、他の治療アプローチとの比較における効果、安全性について勧告するには、エビデンスとして十分ではない。早急に無作為化対照比較試験などで検証する必要がある」としている。(菅野守:医学ライター)

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鼻炎の成人は喘息発症リスクが高い

鼻炎は、アトピー素因の有無にかかわらず成人期発症の喘息の強力な予測因子であることが、地域住民ベースのプロスペクティブな縦断的研究で明らかとなった。喘息とアレルギー性鼻炎の密接な相関がいくつかの疫学および臨床研究で示されているが、その関連の本質はいまだ解明されていないという。フランス・国立保健医療研究所(INSERM)疫学部のRafea Shaaban氏が、Lancet誌2008年9月20日号で報告した。4群に分けて8.8年間の喘息発症状況を解析研究グループは、ヨーロッパの14ヵ国29施設が参加したEuropean Community Respiratory Health Survey(ECRHS)の8.8年にわたるフォローアップデータを用い、アレルギー性および非アレルギー性の鼻炎患者における喘息の発症状況について解析した。ベースライン時に喘息のない20~44歳の6,461人を対象に、喘息の発症頻度を評価した。2度の調査を行い、その間に医師によって喘息と確定診断されたと報告した場合に「喘息発症」とした。「アトピー」は、皮膚プリック検査でダニ、ネコ、カビ(アルテルナリア、クラドスポリウム)、イネ科植物、カバノキ、ヒカゲミズ属、オリーブ、ブタクサが陽性の場合とした。参加者はベースライン時に、対照群(非アトピー/鼻炎なし、3,163人)、アトピー単独群(アトピー/鼻炎なし、704人)、非アレルギー性鼻炎群(非アトピー/鼻炎あり、1,377人)、アレルギー性鼻炎群(アトピー/鼻炎あり、1,217人)の4群に分けられた。4群の喘息発症についてCox比例ハザードモデルによる解析を行った。鼻炎は成人喘息を強く予測、鼻炎治療の喘息予防効果を示すには介入試験が必要8.8年間の喘息の累積発症率は2.2%(140イベント)であった。その内訳は、対照群1.1%、アトピー単独群1.9%、非アレルギー性鼻炎群3.1%、アレルギー性鼻炎群4.0%であり、有意差が認められた(p<0.0001)。国別、性別、ベースライン時の年齢、BMI、1秒量(FEV1)、総IgE値対数、喘息の家族歴、喫煙で補正後の対照群との比較におけるアトピー単独群の喘息発症の相対リスクは1.63(95%信頼区間:0.82~3.24)と有意差を認めなかったが、非アレルギー性鼻炎群は2.71(1.64~4.46)、アレルギー性鼻炎群では3.53(2.11~5.91)といずれも有意な差が見られた。アレルギー性鼻炎群のうちダニに対する感受性を有する患者のみが、他のアレルゲンとは独立に喘息リスクの増大と有意な相関を示した(相対リスク:2.79、95%信頼区間:1.57~4.96)。著者は、「アトピー素因がない場合でも、鼻炎は成人期発症の喘息の強い予測因子である」と結論し、「この結果は、鼻炎と喘息の因果関係を強く示唆するものだが、アレルギー性鼻炎の治療が喘息の発症を抑制すると結論するには介入試験で確証する必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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スピリーバの安全性プロファイルを再確認

ベーリンガーインゲルハイムとファイザーは、30件の厳格に管理された対照試験について新たな解析を行い、スピリーバ(チオトロピウム)の長期間に亘る安全性プロファイルが確認されたと発表した。この新たな広範な安全性に関するデータは、9月24日発行のJAMA(the Journal of the American Medical Association)に掲載されたSinghらによる論文でのチオトロピウムに対する見解とは相反する。一般的にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者は健常人に比べ高い心血管系リスクを持つことから、COPD治療薬においては心血管系領域の安全性が非常に重要な問題となる。そこで、これまでの30件、合計19,545名(チオトロピウム群10,846名; プラセボ群8,699名)のCOPD患者を対象としたプラセボ対照2重盲検無作為割付試験のデータをベーリンガーインゲルハイムが新たに解析した結果、死亡(あらゆる原因による)および心血管イベントに起因した死亡のいずれにおいても、チオトロピウム群で特にリスクの増加がみられないことが示されたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/news/p-release/08_0925.html

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新規公開“乳がん?と思ったら”

大鵬薬品工業株式会社は、乳がんの早期発見を促す患者向けサイト「All About 乳がんinfo」にて新規コンテンツ『乳がん?と思ったら』を公開したと発表した。検診を受ける女性の不安を少しでも減らすために、乳がんの確定診断までに必要な検査について、画像を示しながら詳細に解説しているとのこと。詳細はプレスリリースhttp://www.taiho.co.jp/corporation/news/20080922.html

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アジア系医学生に落ちこぼれが多い理由

イギリスの医学生のうち約30%の出自は民族・人種的に白人以外の少数派で、彼ら少数派の医学生および医師に対する評価は、白人出自の者と比較して平均以下である。類似の報告はアメリカ、オーストラリアでも報告され、アメリカでは民族・人種的な「ステレオタイプの脅威」によるものと説明されている。この理論を当てはめることでイギリスにおいても、民族的に少数派の落ちこぼれ医学生の背景にある民族的なステレオタイプを調査する質的研究が、ロンドンの医学教育アカデミックセンターのKatherine Woolf氏らによって行われた。BMJ誌2008年8月18日号より。医学生とクリニカルティーチャーの意識を分析本研究は個人面談とフォーカスグループ(白人、インド人、パキスタン/バングラデシュ人)をデザインし分析した質的研究。分析対象は、ロンドンのメディカルスクールに籍を置く医学生(3年課程のmedical students、1年時に臨床講義)27人と、クリニカルティーチャー25人で、民族性と性別を考慮し選定された。収集されたデータは、ステレオタイプ脅威の理論(教育でネガティブな固定観念を抱かせることになっている心理現象)と不変な比較研究法を用いて分析された。「典型的なアジア系医学生」は本と向き合ってばかりいておとなしい参加者はいずれも、医学生とクリニカルティーチャーとの関係性が、臨床学習では重要であることを認識していた。その上で、クリニカルティーチャーは、「インタラクティブ」「熱心」「礼儀正しい」学生を「よい学生」と強く認識していた。何人かは、「おとなしい」「動機に乏しい」「無気力」な学生に対して攻撃的になると回答した。医学生は、「心強い」「面白い」「インタラクティブ」「攻撃的ではない」教師を「よい教師」であると強く認識していた。医学生とクリニカルティーチャーとは「典型的なアジア系医学生」の認識について一致しており、その医学生像ははっきりしていた。すなわち「本に過度に依存」「患者とのコミュニケーションが不得手」「臨床講義ではとてもおとなしい」「親のエゴが優先して医学の道に進んでいるため動機に乏しい」という見方である。「典型的な白人医学生」像は、「自律的」「自信に満ちている」「外向的なチームプレーヤー」であったが、完全にはステレオタイプ化されてはいなかった。Woolf氏は、「アジア系臨床学生は白人学生よりも、ステレオタイプ的に、かつ否定的に捉えられているようである。それがクリニカルティーチャーとの関係性を危うくし学習機会を減らすことになっているようだ」とし、「なかでもわずかなネガティブなステレオタイプの存在が、『ステレオタイプの脅威』となって少数派の学生の能力が劣っていると助長している可能性がある」と述べ、「クリニカルティーチャーは、個々人をよく知る機会と、ポジティブな教育的関係を促進する訓練を受けることが推奨される」とまとめている。

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周産期うつ病に認知行動療法に基づく介入は有効か:パキスタンの場合

地域のプライマリヘルスワーカーによる認知行動療法に基づく心理学的介入は、周産期うつ病の治療として有効なことが、パキスタンで実施された無作為化試験で明らかとなった。周産期うつ病の発症率は高く、障害を引き起こしたり幼児の発達障害の原因となりうるため、その治療は公衆衛生学上の優先課題だという。イギリスLiverpool大学地域コミュニティ行動科学科のAtif Rahman氏が、Lancet誌2008年9月13日号で報告した。うつ病妊婦に対する認知行動療法に基づく介入のクラスター無作為化試験研究グループは、パキスタン非都市部において地域住民ベースのプライマリヘルスワーカーのルーチン業務に認知行動療法に基づく介入を統合し、この介入法が妊婦うつ病および新生児の予後に及ぼす効果を評価するためのクラスター無作為化対照比較試験を実施した。ラワルピンディ市非都市部の40のUnion Council(パキスタンの最小行政単位で約1万5,000~2万人の住民から構成される)をクラスターとして、介入群あるいは対照群に1対1の割合で無作為に割り付けた。対象は、妊娠第3期に周産期うつ病と診断された既婚女性(16~45歳)とした。介入群のプライマリヘルスワーカーはうつ病の母親に心理学的介入を行うための訓練を受けた。対照群のヘルスワーカーは訓練を受けずにうつ病の母親に対して介入群と同じ回数の訪問指導を行った。主要評価項目は出産後6ヵ月および12ヵ月の時点での新生児の体重および身長とし、副次評価項目は母親のうつ病とした。インタビュアーには母親がいずれの群に属するかは知らされなかった。介入群の母親はうつ病の発症率が有意に少ない各群に20ずつのクラスターが割り付けられ、介入群の母親は463例、対照群は440例であった。出産後6ヵ月の時点で大うつ病の判定規準を満たした母親の割合は、対照群の53%(211/400例)に対し介入群は23%(97/418例)と有意な改善効果が認められた(補正オッズ比:0.22、95%信頼区間:0.14~0.36、p<0.0001)。この効果は12ヵ月後も維持されていた[27%(111/412例) vs. 59%(226/386例)、補正オッズ比:0.23、95%信頼区間:0.15~0.36、p<0.0001]。両群の幼児の体重および身長のzスコアは、6ヵ月(それぞれ、p=0.7、p=0.3)および12ヵ月(p=0.3、p=0.07)の時点でいずれも有意な差は認めなかった。その一方で、介入群の幼児は下痢が少なく、予防接種率が高かった。また、介入群では母親の避妊薬の使用率が高く(乳幼児死亡率の低減には出産の間隔を十分に開けることが重要)、両親が子どもと遊ぶ時間が長いなどのベネフィットが確認された。著者は、「地域のプライマリヘルスワーカーによる認知行動療法に基づく心理学的介入は、周産期うつ病の治療として医療資源に乏しい地域の医療システムに統合しうる」と結論したうえで、この結果は「メンタルヘルスが公衆衛生プログラムの重要なコンポーネントとなりうることを示唆する」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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小児ケアの質はヘルスワーカーの訓練期間の長さで異なるか?

Integrated Management of Childhood Illness(IMCI)の訓練は、ヘルスワーカーの訓練の期間の長さやレベルにかかわらず、小児のケアにおいてほぼ同等の質をもたらすことが、中~低所得の4ヵ国における1次医療施設のデータ解析で判明した。小児死亡率の高い国は、質の高いヘルスワーカーが不足している傾向がある。一方、ヘルスワーカーのケアの質を評価した高度なエビデンスはほとんどないという。ペルー・サンマルコス国立大学のLuis Huicho氏が、Lancet誌2008年9月13日号で報告した。訓練期間の異なるヘルスワーカーによるケアの質をIMCIガイドラインで評価研究グループは、100ヵ国以上が導入しているIMCIの訓練を受けたヘルスワーカーの能力を個々のカテゴリー別(医師、看護師、看護助手、医療補助員など)に評価した。バングラデシュ(2003年)、ブラジル(2000年)、ウガンダ(2002年)、タンザニア(2000年)の1次医療施設から得られたデータについて解析を行った。ヘルスワーカーの臨床能力を、訓練期間が長い群[中等教育終了後4年以上の訓練(ブラジル)あるいは3年以上の訓練(他の3ヵ国)]および短い群(それ以外の全ヘルスワーカー)で比較した。IMCIガイドラインに従い、ヘルスワーカーのケアの質を疾病に罹患した小児の評価、分類、管理の指標によって数値化した。全患児が、IMCIに基づく訓練を受けたヘルスワーカーとgold standardを体得したスーパーバイザーによる診査を受けた。短期訓練ヘルスワーカーも十分な役割を果たしうる対象となった小児はバングラデシュが272例、ブラジルが147例、タンザニアが231例、ウガンダが612例であった。ブラジルでは、長期訓練ヘルスワーカーによる管理を受けた患児が57.8%(43例)であったのに対し、短期訓練ヘルスワーカーによる管理を受けた患児は83.7%(61例)であり(p=0.008)、ウガンダではそれぞれ23.1%(47例)、32.6%(134例)であった(p=0.03)。ブラジルでは、患児の評価と管理の能力は医師よりも看護師のほうが優れており、分類の正確さについても両者でほぼ同等であった。ウガンダでは、短期訓練群のほうが長期訓練群よりも管理能力が優れていたが、いずれの群も他国に比べ劣っていた。バングラデシュでは、いずれの臨床業務の能力も両群でほぼ同等であった。タンザニアでは、長期訓練群は短期訓練群に比べ患児の総合評価の能力が有意に優れていた(p=0.004)。それ以外の臨床業務については、4ヵ国のヘルスワーカーの能力に有意な差は認めなかった。著者は、「IMCIの訓練は、個々のカテゴリーのヘルスワーカーの訓練期間の長さやレベルにかかわらず、ほぼ同等の小児ケアの質をもたらした」と結論し、「医療サービスの不足している地域で短期の訓練しか受けていないヘルスワーカーも、IMCIの拡大戦略や他の小児死亡率の抑制策において十分な役割を果たす可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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最近のMD/PhD選択者の特性と職業意識

MD/PhDプログラムの選択者は米国医学生全体からみればごく一部に過ぎないが、彼らは将来、医師の間で主要な役割を演じることが期待されている。米国・ワシントン大学医学部のDorothy A. Andriole氏らは、このMD/PhDプログラム選択者の特性と職業意識について、MDプログラム卒業生との比較調査を行った。JAMA誌2008年9月10日号より。米国医科大学卒業生8万8千人余りの調査データを分析最近の医科大学卒業生にとってMD/PhDプログラム選択に働く要因は何なのかを特定するため、Andriole氏らは2000年~2006年の米国医科大学卒業生8万8,575人分のサンプルデータを分析した。データは各大学共通で用いた調査用紙Association of American Medical Colleges Graduation Questionnaireからサンプリングした。学位取得プログラムの違いと結びついた卒業生の特徴やキャリアプランに関係する項目への回答を検証するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いて変数ごとに補正オッズ比を示した。主要評価項目はMD/PhDプログラムによる学位取得。MD/PhDプログラム選択の動機は研究への関与、少ない就学負担など完全なデータが揃った7万9,104人(2000~2006年の卒業生の71.7%)の回答者のうち、1,833人(2.3%)がMD/PhDプログラムの卒業生だった。MD/PhDプログラム選択に、より強く関連する変数には次のようなものが含まれた。研究業務への深い関与(オッズ比:10.30)、就学負担(15万ドル以上と比較して10万~14万9,999ドル:1.85、5万~9万9,999ドル:5.50、1~4万9,999ドル:17.50、負債なし:17.41)、医学部奨学金または研究費の受領(3.22)などとなっている。内科学の修練と比較して、MD/PhD卒業生は皮膚科学、神経学、眼科学、病理学、小児科学または放射線学の修練と正の関連が見られた。MD/PhD選択とあまり関連しない変数としては、女性であること(オッズ比:0.68)、少数民族であること(0.64)、救急医学(0.58)、外科学(0.70)の修練(内科学と比べて)だった。これらの結果からAndriole氏は、MD/PhD卒業生はMDプログラムの卒業生と比較して、人種・民族的多様性がなく、就学負担を抑えること、専門分野への独特の嗜好があり、研究業務への関与に強い関心をもつ傾向があること、などを指摘している。(朝田哲明:医療ライター)

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更年期障害治療薬「ジュリナ錠」新発売

バイエル薬品株式会社は、9月16日、低用量経口エストラジオール製剤「ジュリナ錠0.5mg(一般名:エストラジオール)」を新発売した、と発表した。「ジュリナ錠0.5mg」は国際閉経学会、北米閉経学会等が推奨する低用量の経口エストロゲン製剤で、更年期障害および卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(ホットフラッシュおよび発汗)、腟萎縮症状への適応で本年4月に厚生労働省から製造販売承認を得た。本製剤は1日1錠服用する製剤で、1日2錠まで増量することもでき、用量調節が可能。エストロゲン製剤には、エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)の3種類が有効成分として使われているが、E2の経口剤としては、「ジュリナ錠0.5mg」が本邦初の製品となる。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-09-16.html

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GALIANT試験でビルダグリプチンがチアゾリジン誘導体(TZD)と同等の有効性を証明

 ノバルティス ファーマ株式会社は、9月17日、2型糖尿病治療薬 ビルダグリプチンが、体重増加を引き起こさず、心血管系への安全性において良好な成績を示し、広く使用されているチアゾリジン誘導体と比較して優れた忍容性と同等の有効性を確認したと発表した。 この結果は、2,400名以上の患者さんが参加し、プライマリ・ケアの医師によって行われたGALIANT試験から得られたもので、イタリア・ローマで開催された欧州糖尿病学会(EASD: European Association for the Study of Diabetes)で発表された。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080917.html

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