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アルツハイマー病患者へのベンゾジアゼピン使用と肺炎リスク

 ベンゾジアゼピンや同様の作用を有する非ベンゾジアゼピン(Z薬)が、高齢者の肺炎リスク増加と関連しているかはよくわかっていない。フィンランド・Kuopio Research Centre of Geriatric CareのHeidi Taipale氏らは、催眠鎮静薬の使用と肺炎を有するアルツハイマー病患者を対象に、この関連性を調査した。CMAJ(Canadian Medical Association Journal)誌2017年4月10日号の報告。 対象は、Medication use and Alzheimer disease(MEDALZ)コホートより、2005~11年にフィンランドでアルツハイマー病の診断を受けた地域住民。処方箋、償還、退院、死因に関する全国登録データを用いた。ベンゾジアゼピンおよびZ薬での治療患者は、1年間のウォッシュアウト期間を用いて同定され、傾向スコアによって非使用者とマッチさせた。肺炎による入院または死亡との関連は、Cox比例ハザードモデルで分析し、時間依存的に他の向精神薬の使用により調整した。 主な結果は以下のとおり。・アルツハイマー病患者4万9,484例のうち、ベンゾジアゼピン使用患者5,232例、Z薬使用患者3,269例および、1対1でマッチしたこれらの薬の非使用患者を用い、分析を行った。・全体的には、ベンゾジアゼピンおよびZ薬の使用は、肺炎リスク増加と関連していた(調整HR:1.22、95%CI:1.05~1.42)。・個別に分析したところ、ベンゾジアゼピンの使用は、肺炎リスク増加と有意に関連していたが(調整HR:1.28、95%CI:1.07~1.54)、Z薬の使用では認められなかった(調整HR:1.10、95%CI:0.84~1.44)。・肺炎リスクは、ベンゾジアゼピン使用の最初の30日間で最大であった(調整HR:2.09、95%CI:1.26~3.48)。 著者らは「ベンゾジアゼピン使用は、アルツハイマー病患者における肺炎リスク増加と関連していた。アルツハイマー病患者に対しベンゾジアゼピンを使用する際には、ベネフィットと肺炎リスクを考慮する必要がある」としている。関連医療ニュース ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析 認知症予防にベンゾジアゼピン使用制限は必要か ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は

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授乳婦はビタミンD欠乏リスクが4倍

 授乳中の女性はそうでない女性と比較して、ビタミンD欠乏症になるリスクが有意に高いことがドイツの横断的研究から明らかになった。 ビタミンD欠乏症による健康への有害性は認知されてきているものの、授乳婦におけるビタミンDの状態に関する研究はこれまであまり実施されてこなかった。 2017年4月19日にInternational Breastfeeding Journalに掲載されたSandra Gellert氏(ドイツ・ハノーファー大学)らによる研究では、German“Vitamin and mineral status among German women”studyから、124例の授乳婦と同数の年齢およびサンプル採取時期をマッチさせた妊娠・授乳をしていない女性について横断的研究を実施した。参加者は2013年4月~2015年3月にかけて登録され、ビタミンDのサプリメントは摂取していなかった。 その結果、授乳婦におけるビタミンD欠乏症(血清25(OH)D濃度25.0nmol/L未満)は26.6%を占め、ビタミンD不足(50.0nmol/L未満)でみると75.8%であり、これらは対照群より有意に高かった(対照群はそれぞれ12.9%、p=0.007、58.9%、p=0.004)。多重ロジスティック回帰分析によると、授乳婦のビタミンD欠乏リスクは対照群の4倍であった(オッズ比[OR]:4.0、95%信頼区間[CI]:1.8~8.7)。 一方で、血清25(OH)D濃度が適正範囲内(75.0~124.9nmol/L)であった授乳婦はわずか5.6%しかいなかった。また、ビタミンD過剰症はいずれの群でも認められなかった。 ビタミンD不足および欠乏の発生にはいずれの群においても季節性が認められた。授乳婦では、夏が最も適正範囲内の値である割合が高く、冬と春は欠乏リスクが高かった(OR:2.6、p=0.029)。また、住んでいる地域によってもリスクに差がみられた。 著者らは、授乳婦のビタミンD欠乏は乳児に影響を与える可能性があるため、十分な摂取もしくは日照時間が得られない場合にはサプリメントで補うことも選択肢になりうることを指摘した。しかしながら、適切なビタミンD濃度を得るためにどのくらいの用量のビタミンDサプリメントが必要なのかについては、さらなる検討が必要である、と記している。

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2040年の世界の推計医療費は?/Lancet

 世界各国の医療費(health spending)は経済発展と関連しているが、過去20年間の傾向や関連性を検証した結果、一概に関連があるとは言い切れず、財源が乏しい国では医療費は低いことが示唆されたという。米国・ワシントン大学のJoseph L. Dieleman氏らが、世界184ヵ国の過去の国内総生産(GDP)、全部門の財政支出、財源ごとの医療費などを分析し、2015~40年の推定医療費を推算して報告した。著者は、「政策の変更によって医療費の増大につながる可能性はあるが、最貧国にとって他国からの支援は欠かせないままと思われる」とまとめている。財源の規模、とくに財源の確保は、医療へのアクセスや医療のアウトカムに影響するといわれており、医療費は経済発展とともに増大することと、一方で、医療費財源の制度(health financing systems)の違いによって非常に大きなばらつきがみられることが指摘されている。研究グループは、世界の医療費の将来推計は、政策責任者および立案者にとって有益であり、資金調達の不足(financing gaps)を明らかにすることができるとして本検討を行った。Lancet誌オンライン版2017年4月19日号掲載の報告。世界の医療費をGDP、財政支出、保健医療費等のデータから推計 IMF Maddison ProjectおよびPenn World Tablesのデータベースから世界184ヵ国の1980~2015年のGDP、全部門の財政支出を抽出、また、Institute for Health Metrics and Evaluation’s Financing Global Health 2016から1995~2014年の世界の保健医療費データを抽出し、アンサンブルモデルを用いて、2040年までのGDP、全部門の財政支出、他国からの医療開発支援、および政府財源の医療費、患者の自己負担の医療費、民間保険会社の医療費を推算した。 また、確率フロンティア分析を用いて医療に投じる財源が最も多い国のパターンを明らかにし、さらにこれを用いて、低所得国や中所得国の潜在的医療費を推算した。すべての推計は、物価上昇率と購買力で調整した。世界の医療費、2040年には24.24兆ドルに 全世界の医療費は、2014年の9.21兆ドルから、2040年には24.24兆ドルに達すると推計された(不確実性区間[UI]:20.47~29.72)。国民1人当たりの医療費の伸びは、高中所得国で最も急速に進み、年5.3%(UI:4.1~6.8)と推算された。この上昇は、GDP、財政支出、政府財源の医療費の増加が継続することにより引き起こされると予測されたものである。 一方、低中所得国では4.2%(UI:3.8~4.9)、高所得国では2.1%(UI:1.8~2.4)、低所得国では1.8%(UI:1.0~2.8)の上昇率であると推算された。しかし、こうした上昇にもかかわらず、低所得国での国民1人当たりの医療費予測は、2030年で154ドル(UI:133~181)、2040年で195ドル(UI:157~258)と低いままであった。 医療費財源に投じる資金が最も多い国の医療費レベルに達するには、低所得国では経済発展のレベルに応じて、国の医療費を2040年で国民1人当たり平均321ドルに増大することが必要と推算された。

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163)海外旅行のお土産に気を付けろ!【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、最近話題の「トランス脂肪酸」って、どんなものですか?医師今話題の脂肪酸だね。悪玉コレステロール(LDL-C)を増加させ、善玉コレステロール(HDL-C)を減少させるといわれています。患者そうなんですか。医師その結果、狭心症や心筋梗塞などのリスクが高まるともいわれています。患者どんなものに含まれているんですか?医師ケーキやビスケットなどで使われているショートニング、マーガリン、パイなどに含まれていますが、国内では食品メーカーの企業努力で、トランス脂肪酸の含有量はかなり減っています。食品の栄養成分表示に「トランス脂肪酸」と書いてあることがありますので確認してみてください。患者はい。ほかに気を付けたほうがいいのは何ですか?医師海外旅行のお土産のチョコやクッキーですね。トランス脂肪酸が多いものもあります。“Trans Fat”と書いてあるので、チェックをお願いします。患者はい、わかりました。●ポイント海外旅行のお土産を話題に、トランス脂肪酸について説明を行います1)Uneyama C, et al. Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2016;57:179-186.2)Wada Y, et al. J Mass Spectrom. 2017;52:139-143.

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血清尿酸値が糖尿病性網膜症リスクと相関~日本人男性

 奈良県立医科大学の石井 均氏らの研究グループによる大規模レジストリ研究で、男性の2型糖尿病患者では、血清尿酸値が高いほど糖尿病性網膜症の発症リスクが増加することがわかった。この研究で、血清尿酸値が男性2型糖尿病患者の糖尿病性網膜症の発症リスクを予測する有用なバイオマーカーである可能性が示唆された。Diabetes/metabolism research and reviews誌オンライン版2017年4月26日号に掲載。 本研究は、天理よろづ相談所病院(奈良県)の内分泌内科に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリ(Diabetes Distress and Care Registry at Tenri:DDCRT 13)から、2型糖尿病患者で糖尿病性網膜症ではない1,839例のデータを用いた。ベースラインの血清尿酸値と糖尿病性網膜症の発症における独立した関連性を評価するためにCox比例ハザードモデルを使用し、潜在的な交絡因子を調整した。 主な結果は以下のとおり。・2年間の観察期間中に188例(10.2%)が糖尿病性網膜症を発症した。・男性患者の糖尿病性網膜症発症における多変量調節ハザード比は、血清尿酸値の第1四分位に対して、第2四分位で1.97(95%CI:1.14~3.41、p=0.015)、第3四分位で1.92(同:1.18~3.13、p=0.008)、第4四分位で2.17(同:1.40~3.37、p=0.001)であった。・女性患者では発症リスクの増加はみられなかった。

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頭頸部がん領域で求められる体制整備

 2017年4月27日、都内にて“頭頸部がん治療とがん免疫療法薬「オプジーボ」”と題するセミナーが開かれた(主催:小野薬品工業株式会社/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)。演者である田原 信氏 (国立がん研究センター東病院 頭頸部内科長)は、「今後、免疫療法は頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう」と期待を述べた。 以下、セミナーの内容を記載する。頭頸部がんにおける治療課題 頭頸部がんは、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺など、頭頸部領域に発生するがんの総称である。本邦の年間推計患者数(甲状腺がんを除く)は4万7,000人。Stage III、IV期の進行がんが約6割で、その半数は再発に至る。再発後は化学放射線療法などが施行されるが、頭頸部が対象のため、「ご飯が飲み込めない」「皮膚がただれる」といった急性毒性で苦しむ患者も多い。 さらに、晩期毒性による死亡リスクの増大も問題であった。頭頸部がんへの新たな標準治療オプション 新たな治療手段が求められるなか、2017年3月24日、抗PD-1抗体「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が、「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」に対する適応を取得した。 オプジーボは、プラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部がん患者361例を対象としたCheckMate-141試験で、全生存期間7.49ヵ月(95%CI:5.49~9.10)と、対照群の5.06ヵ月(95%CI:4.04~6.05)に対して有意な延長を示した(HR:0.70、97.73%CI:0.51~0.96、p=0.01011 [層別 log-rank検定])。安全性プロファイルは、これまでの臨床試験の結果と一貫しており、プラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部がんへの新たな標準治療オプションになると予想される。頭頸部がんは免疫抑制腫瘍 とくに、頭頸部がんの微小環境内では、さまざまな段階で免疫調節が生じているとの報告もある。オプジーボのような免疫チェックポイント阻害薬は、免疫抑制腫瘍である頭頸部がんに高い抗腫瘍効果をもたらすと期待される。実際、頭頸部がんを対象に複数の免疫チェックポイント阻害薬が開発段階にある。今後も免疫療法は、頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう。他科連携、診療連携プログラムの構築で緊密な連携を目指す その一方で、副作用管理、バイオマーカー探索などの課題も存在する。とくに、頭頸部がんはがん全体からみればマイナーながん種ということもあり、頭頸部がんに精通した医師自体が少なく、これまで集学的治療が実践されてこなかった。頭頸部がんの専門医は主に、耳鼻咽喉科・頭頸部外科を中心とする「頭頸部外科専門医」、口腔外科が中心の「口腔外科専門医」、腫瘍内科医が中心の「がん薬物療法専門医」と、複数の診療科にまたがっている。今後は医科歯科連携、頭頸部がん薬物療法診療連携プログラムの構築といった、緊密な連携による対策が求められるだろう。 また、肺がんでの「SCRUM-Japan」のような無償での検索体制構築はなく、Precision Medicineに向けた課題は存在する。今後、頭頸部がん領域でも体制整備が進み、さらなる治療成績向上が実現することを期待したい。

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心臓外科手術の急性左室機能不全に対する強心薬レボシメンダンの予防投与は、やはり死亡率を低下しなかった(CHEETAH試験)(解説:原田 和昌 氏)-674

強心薬について知られていること これまで強心薬による生命予後の改善効果は示されていない。ジギタリスとピモベンダンを除き、むしろ心不全の予後を悪化させる。強心薬は短期的には血行動態や臨床所見の改善に有効であるが、心筋酸素需要を増加させ、重篤な不整脈や心筋虚血を生じやすいことから、急性期の低心拍出量、末梢循環不全、ショックにおいて、一時的かつ低用量で使用することが推奨されている。さらに、ドブタミンはβ遮断薬を内服している患者において効果が十分に発揮されない可能性がある。 levosimendan(レボシメンダン)はCa増感作用とATP感受性Kチャネル開口作用を持つことから、拡張障害を起こしにくい血管拡張性強心薬として(最後の?)期待が持たれていた。他のカテコラミンやPDE3阻害薬と比較して心筋酸素需要を増加させずに心拍出量を増加し、抗酸化作用や抗炎症作用、心筋保護作用を持つためである。強心薬levosimendanの心不全に対する効果 LIDO試験やRUSSLAN試験でlevosimendanの有効性が示されたが、REVIVE-II試験では治療早期のBNP値は低下するが90日予後は不良であった。SURVIVE試験は、強心薬の静注投与が必要な急性非代償性心不全患者の長期予後に対する効果を検証した。levosimendan群は、ドブタミン群と比較して治療早期にはBNPの減少も大きく死亡率の抑制傾向がみられたが、30~180日の死亡率は両群間で差がなかった。しかし、levosimendanは、現在60以上の国で使用されている。levosimendanの心臓外科手術後の急性左室機能不全に対する効果 最近のネットワークメタ解析により、levosimendanは心臓外科手術に際して、他の強心薬と比べて最も生存率を改善すると報告された。CHEETAH試験は、術前の左室駆出率が25%未満または機械的な循環動態の補助を必要とする心臓外科周術期の心血管機能不全患者を対象に、低用量levosimendan追加により死亡率が低下するかどうかを検証した試験であるが、30日死亡率に差はみられなかった。60%以上の患者でβ遮断薬が使用されていた。 強心薬は心臓外科手術後の急性左室機能不全の予後を改善しないと考えるべきである。興味深いことに、本試験の平均年齢は66歳であったが、高齢者心不全と同様に、年齢、ヘマトクリット、血圧、脳卒中の既往が予後を規定した(補遺)。しかし、盲検下で急性期に用量調節を行うプロトコールで、低血圧や不整脈の割合、心拍出量にすら両群で差が出なかったことから判断すると、試験デザインにおいて設定用量が低すぎたという可能性は否定できない。

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製薬メーカーから弁当をもらうと処方が増える【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第90回

製薬メーカーから弁当をもらうと処方が増える ぱくたそより使用 医師であれば、誰しも一度は製薬会社から弁当をもらったことがあるでしょう。「弁当配るんでウチの薬よろしくデース」という、ただそれだけのものです。え? 私はそんな経験、一度もない? それは、確固たるポリシーをお持ちの方なのでしょうね、エラい! 製薬会社からの弁当についてはいろいろな意見があると思いますが、このコーナーではそんな堅苦しい話を論じるつもりはありません。2016年、JAMA Internal Medicine誌で話題になった論文がありました。どのウェブサイトでもあまり取り上げられていないのでここで紹介しましょう。 DeJong C, et al.Pharmaceutical Industry-Sponsored Meals and Physician Prescribing Patterns for Medicare Beneficiaries.JAMA Intern Med. 2016;176:1114-10.この論文は、製薬会社から弁当をもらったら処方が増えるかどうか調べた横断研究です。いろいろな意味でオソロシイ研究だ…。調査の対象となった薬剤はロスバスタチン(商品名クレストール)、ネビボロール(商品名ネビスター、日本未承認)、オルメサルタン(商品名オルメテック)、デスベンラファキシン(商品名プリスティーク、日本未承認)です。これら4剤を宣伝した製薬会社の弁当を食べた医師を明らかにし、その処方動向を調べました。アウトカムは、宣伝された薬剤と同クラスの代替薬との処方率の差です。28万人近い医師が4剤合計で6万件の食事提供を受けていました。平均的な値段は20ドル以下だそうで、そこまで高価な弁当というわけではなさそうです。私も弁当の相場なんてほとんど知りませんが…。さて、弁当提供回数が1回の場合、ほかの同クラスの薬剤と比較して4剤の処方頻度が高くなったそうです(ロスバスタチン=オッズ比[OR]:1.18、95%信頼区間[CI]:1.17~1.18、ネビボロール=OR:1.70、95%Cl :1.69~1.72、オルメサルタン=OR:1.52、95%Cl :1.51~1.53、デスベンラファキシン=OR:2.18、95%Cl :2.13~2.23)。弁当提供回数が増えたり、弁当の値段が20ドルを超えたりすると、さらに処方率が高くなったそうです。弁当回数依存性・金額依存性アリということです。「なんともケシカラン結果だ!」という声が聞こえてきそうですが、ごにょごにょと口ごもってしまう医師も多そうですね。結論としては、「製薬会社からの弁当によって処方が増加するという関連性はあるが、因果関係があるかどうかはわからない」と書かれています。うーむ、横断研究だから確かにそうだけど…。ちなみに、弁当を食べた医師の半数以上が医師免許を取ってから20年以上経ったベテランドクターです。インデックスページへ戻る

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てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化

 新規抗てんかん薬(AED)の処方は増加しているが、てんかん重積状態(SE)に対する新規AEDの使用およびアウトカムへの影響についてのデータは限られている。スイス・Centre Hospitalier Universitaire VaudoisのIsabelle Beuchat氏らは、実臨床における新規AEDと従来型AEDの処方パターンの変化や予後との関連について検討を行った。CNS drugs誌2017年4月号の報告。 2007~16年の10年にわたるプロスペクティブSEレジストリを分析し、新規AEDと従来型AEDの年次使用量と死亡率との関連、退院時のベースライン状態への回復、ベンゾジアゼピンを含む2種類のAEDに対する治療抵抗性として定義される難治性SEを評価した。 主な結果は以下のとおり。・SEエピソード884件(該当患者719例)のうち、新規AED処方は、2007年のSEエピソード当たり0.38から、2016年の1.24へ増加した。主な薬剤は、レベチラセタムおよびラコサミドであった。・ベンゾジアゼピンを除く従来型AEDは、2007年の0.74から、2016年の0.41へ減少しており、フェニトインの処方が減少していた。・新規AED処方は、退院時のベースライン状態への回復の可能性が低く(OR:0.58、95%CI:0.40~0.84)、SE耐性率が高かったが(OR:19.84、95%CI:12.76~30.84)、死亡率に変化は認められなかった(OR:1.08、95%CI:0.58~2.00)。 著者らは「過去10年間で、SEに対する新規AED処方は増加傾向を示したが、退院時のSE難治化や新たな障害の危険性増加と関連することが示唆された。今後のプロスペクティブ比較研究により、SEに対する新規AEDの日常的な使用におけるいくつかの注意点を、正当化する可能性がある」としている。関連医療ニュース 難治性てんかん重積状態への有用な対処法 てんかん重積状態に対するアプローチは 世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は

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アダリムマブ、非感染性ぶどう膜炎患者の視覚関連QOLを改善

 最近、非感染性の中間部、後部または汎ぶどう膜炎(以下、非感染性ぶどう膜炎)の治療薬としてアダリムマブが承認された。米国・イースタンバージニアメディカルスクールのJohn Sheppard氏らは、第III相試験であるVISUAL-1試験およびVISUAL-2試験の事後解析を行い、ステロイド依存性の非感染性ぶどう膜炎患者において、アダリムマブは患者報告による視機能を統計学的に有意に改善し、視覚関連QOLの改善が得られたことを示した。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年4月20日号掲載の報告。 研究グループは、2010年8月10日~2015年5月14日に米国、カナダ、欧州、イスラエル、オーストラリア、南米および日本で行われた、アダリムマブの活動性非感染性ぶどう膜炎患者を対象としたVISUAL-1試験、ならびに非活動性の同患者を対象としたVISUAL-2試験の事後解析を行った。 両試験とも、アダリムマブ群(初回80mg、1週後に40mg、以降隔週40mg)、またはプラセボ群に被験者を無作為に割り付け、最長80週間試験薬を皮下投与した。VISUAL-1試験では、全例にprednisoneが投与された(高用量から開始し漸減)。 評価項目は、患者の視点から視覚障害の影響を評価するNEI VFQ-25合計スコア(スコアの範囲0~100、高値ほど視覚に関連した健康関連QOLが良好)で、試験終了/中止時におけるスコアの6週以内最高値ならびにベースライン値からの変化量について、分散分析を用いて両群を比較するとともに、アダリムマブおよびプラセボのNEI VFQ-25に対する時間的影響について縦断的モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、VISUAL-1試験217例(アダリムマブ群110例/プラセボ群107例、女性124例[57.1%]、平均[SD]年齢42.7[14.9]歳)、VISUAL-2試験226例(アダリムマブ群115例/プラセボ群111例、女性138例[61.1%]、平均[SD]年齢42.5[13.4]歳)で、intent-to-treat解析を行った。・VISUAL-1試験において、NEI VFQ-25合計スコアの最高値から試験終了/中止時までの変化量は、アダリムマブ群-1.30、プラセボ群-5.50、群間差は4.20(95%信頼区間[CI]:1.04~7.36、p=0.01)であった。・VISUAL-2試験において、NEI VFQ-25合計スコアのベースラインから試験終了/中止時までの変化量は、アダリムマブ群3.36、プラセボ群1.24、群間差は2.12(95%CI:-0.81~5.04、p=0.16)であった。・縦断モデルを用いた解析の結果、NEI VFQ-25合計スコアのアダリムマブ群とプラセボ群との差は、VISUAL-1試験(74.15 vs.71.08)が3.07(95%CI:2.09~4.06、p<0.001)、VISUAL-2試験(82.39 vs.77.73)が4.66(95%CI:0.05~9.26、p=0.048)であり、両試験とも有意差が認められた。

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サルコイドーシス〔sarcoidosis〕

1 疾患概要■ 概念・定義サルコイドーシスは、1877年にイギリスの内科医Jonathan Hutchinsonが皮膚病変として初めて報告した疾患である。全身の臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する原因不明の多臓器疾患であり、両側肺門リンパ節、肺、 眼、皮膚の罹患頻度が高く、神経、筋、心臓、腎、骨、消化器などの臓器も罹患する。免疫学的には、CD4陽性T細胞/CD8陽性T細胞比の増加(Th-1型反応)がみられ、皮膚の遅延型過敏反応が抑制されている。無症状の肺門リンパ節腫脹例などは自然治癒することが多いが、肺外多臓器病変を伴うときは、肺や他臓器に進行性の線維化を認めることがある。■ 疫学サルコイドーシスは世界中でみられ、両性、全人種、全年齢層で起こりうるが、地域差があり、これは遺伝的な要因や環境因子の違いによるものと考えられている。海外と比較すると、わが国においては、サルコイドーシスの有病率、罹患率ともに低く、西欧諸国と比較し重症になりにくい。わが国でのピークは男性で20~34歳であり、女性では25~39歳と50~60代と2峰性を示す。20歳以下または80歳以上のサルコイドーシス患者はまれであり、それぞれ割合は0.9%、0.4%と報告されている。全国調査では、北部、とくに北海道に多く、南部の四国、九州には少ない傾向がある。■ 病因サルコイドーシスの原因は不明だが、遺伝的に感受性のある宿主が特定の環境因子に曝露されて起こると考えられている。環境因子としては、これまでも抗酸菌をはじめとする、いくつかの感染性微生物がサルコイドーシスを起こす可能性のある原因として考えられてきた。とくに最近では、Propionibacterium acnes(P. acnes)が、サルコイドーシス患者の肉芽腫形成を惹起する可能性の1つとして考えられている。■ 症状・分類霧視・羞明・飛蚊・視力低下などの眼症状で発見される場合がもっとも多く、次いで皮疹、咳、全身倦怠感が多い。発熱、疲労感、倦怠感、体重減少などの非特異的な身体症状はサルコイドーシス患者の3分の1でみられ、各種臓器病変に関連しさまざまな症状を呈する。サルコイドーシスの肉芽腫は、すべての臓器に形成される可能性があるが、90%以上の患者で呼吸器病変、眼病変、皮膚病変のいずれかを認める。とくに呼吸器病変は、日本人では胸郭内病変が86%の患者で認められ、もっとも頻度が高く、胸部単純X線における両側肺門リンパ節腫脹は、もっとも診断的価値が高い。また、日本人では眼病変(54.8%)、心病変(23%)が海外の報告よりも多いのに対し、結節性紅斑の合併は6.2%と低い。■ 予後サルコイドーシスの臨床所見、自然経過、および予後はきわめて多様であり、自然経過・治療に対する反応のいずれにおいても、増悪したり改善したりする傾向がある。自然寛解は3分の2に近い症例でみられるが、10~30%の症例で慢性ないし進行性の経過をとる。胸部X線所見は臨床経過と関連しており、StageI、II(両側肺門リンパ節腫脹±肺野陰影)では80~90%で自然寛解するのに対し、StageIII、IV(肺野陰影のみ、または肺線維化)は予後不良と報告されている。西欧諸国では進行性の肺病変が死因としてもっとも多いが、日本人のサルコイドーシス患者の死因としてもっとも多いのは、心病変であり、主に心不全や不整脈である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)サルコイドーシスは、臨床・画像所見がサルコイドーシスに合致し、組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が証明され、他の類似疾患が除外されることで診断される。2015年に日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会と厚生労働省のびまん性肺疾患に関する調査研究班とが合同でこれまでの診断基準を刷新した。「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2015」として、広く臨床で使用されている。【組織診断群】全身のいずれかの臓器で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が陽性であり、かつ、既知の原因の肉芽腫および局所サルコイド反応を除外できているもの。ただし、特徴的な検査所見および全身の臓器病変を十分検討することが必要である。【臨床診断群】類上皮細胞肉芽腫病変は証明されていないが、 呼吸器、眼、心臓の3臓器中の2臓器以上において本症を強く示唆する臨床所見を認め、かつ、特徴的検査所見の5項目中2項目以上が陽性のもの。●特徴的な検査所見1)両側肺門リンパ節腫脹2)血清アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性高値または血清リゾチーム値高値3)血清可溶性インターロイキン-2容体(sIL-2R)高値4)Gallium-67 citrateシンチグラムまたはfluorine-18 fluorodeoxygluose PETにおける著明な集積所見5)気管支肺胞洗浄検査でリンパ球比率上昇、CD4/CD8比が3.5を超える上昇※特徴的な検査所見5項目中2項目以上陽性の場合に陽性とする。サルコイドーシスに関連した臓器病変の特徴と除外疾患についても診断の手引きとして示されているが、呼吸器病変では両側肺門リンパ節腫脹、眼病変では前部ぶどう膜炎(豚脂様角膜後面沈着物、虹彩結節)、硝子体病変、心病変では高度房室ブロック、心室中隔基部の菲薄化、左室収縮不全などが各臓器病変を強く示唆する所見である。皮膚病変や表在リンパ節腫脹のない例においては、経気管支肺生検での組織診断が推奨されているが、最近は縦隔リンパ節に対する超音波気管支鏡ガイド下針生検により診断率が上昇することが報告されている。FDG-PET/CTでは、サルコイドーシス病変の広がりを評価することが可能であり、空腹時PET/CTは心病変の診断に有用であると報告されている。また、病理組織診断において、前述したP. acnesに対する特異的なモノクローナル抗体を用いた免疫組織染色が診断に有用であるとも報告されている。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)胸部単純X線分類によるStageI~IIの軽症例では、自然治癒する可能性が高いため全身ステロイドによる治療の必要はない。一般的に、全身ステロイドの治療適応は、胸部単純X線所見分類によるStageIII~IVの重症例や、心病変、局所治療抵抗性の眼病変、神経病変、高Ca血症などであるが、投与後の長期予後の検討はあまり行われていない。ステロイド抵抗性の症例には、メトトレキサート、アザチオプリン、シクロホスファミドなども使用される。また、サルコイドーシスはP. acnesをはじめとするさまざまな感染性微生物との関連が示唆されており、テトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クラリスロマイシンなどが有効であった例も報告されている。4 今後の展望サルコイドーシスの発症機序は、いまだ解明されておらず根治治療は開発されていない。原因解明、予後不良因子のリスク評価、進行予防や重症例への有効な治療法の開発、国際的な診断基準の統一などが、今後のサルコイドーシス診療の課題である。5 主たる診療科呼吸器内科、循環器内科、眼科、皮膚科、神経内科 など※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター サルコイドーシス(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報サルコイドーシス友の会(患者とその家族向けのまとまった情報)公開履歴初回2015年06月09日更新2017年05月02日

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ニボルマブの恩恵を受けるのは腫瘍変異が高い症例?:CheckMate-026探索的研究

 残念ながらポジティブな結果とはならなかった、転移・再発非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療のニボルマブ(商品名:オプジーボ)の無作為化試験CheckMate-026だが、探索的研究では、ニボルマブの恩恵は、腫瘍変異負荷(tumor mutation burden:TMB)の高い患者において引き出されるという結果を明らかにした。 この探索的研究は、エクソーム配列決定に十分なサンプルを有する患者を対象に行われ、TMBの三分位分布に基づいて患者を低TMB(0~99)、中TMB(100~242)、高TMB(243以上)に等しく分割して解析した。高TMB患者ではニボルマブがORR、PFSを改善 主な結果は以下のとおり。・無作為化された患者541例中312例(57.7%)が評価可能なTMBデータを有していた(患者のベースライン特性、PFS、OSは、全患者と同等)。・高TMB患者の割合はニボルルマブ群で低かった(化学療法群39.0% vs.ニボルマブ群29.7%)。・高TMB患者におけるPFSは、ニボルマブ群9.7ヵ月に対し、化学療法群5.8ヵ月と、ニボルマブ群でより改善されていた(HR:0.62、95%CI:0.38~1.00)。・高TMB患者における奏効率(ORR)は、ニボルマブ群46.8%に対し、化学療法群28.3%と、ニボルマブ群で高かった。・OSは両治療群で同等であった。・化学療法群からニボルマブへのクロスオーバー率は65%であった。(ケアネット 細田 雅之)参考AACR 2017 abstract非小細胞肺がん1次治療、ニボルマブ単剤と化学療法の比較:CheckMate026

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うつ病患者のモニタリングツール、実現性の検証

 プライマリケアでのうつ病患者のモニタリングのために患者報告アウトカム測定(PROM)の実施が可能かを判断するため、英国・サウサンプトン大学のTony Kendrick氏らは、部分的にランダム化された部分的クラスターランダム化比較試験を行った。BMJ open誌2017年3月30日号の報告。 対象は、南イングランドの9つの診療所における新規エピソードうつ病患者47例。介入群22例、対照群25例に無作為に割り付けた。診断の10~35日後、うつ病モニタリングのために患者健康アンケート(PHQ)、Distress Thermometer Analogue Scale、PSYCHLOPS problem profileによる介入を行った。患者スコアのフィードバックは、診療医により実施した。主要アウトカムは、ベックうつ病調査表(BDI-II)で評価した。副次的アウトカムは、仕事と社会性の調整尺度(Work and Social Adjustment Scale:WSAS)、QOL評価のためのEuroQol 5項目、5レベル(EQ-5D-5L)スケール、コスト評価のためのmodified Client Service Receipt Inventory、医療情報適合満足度(Medical Informant Satisfaction Scale:MISS)で評価し、実施の可能性と受容性について、患者14例およびスタッフ13例より定性的インタビューを行った。主な結果は以下のとおり。・3つの診療所で、12ヵ月間で6例の目標患者を達成できなかった。・介入群におけるフォローアップ率は、12週で18例(82%)、26週で15例(68%)であった。対照群では、12週で18例(72%)、26週で15例(60%)であった。・介入群における12週目の平均BDI-IIスコアは、対照群と比較し5.8ポイント(95%CI:-11.1~-0.5)低かった(ベースライン差とクラスタリングで調整)。・WSASスコアに有意な差が認められなかった。・26週での症状、社会機能、QOL、コストに有意な差は認められなかったが、平均満足度スコアは、22.0ポイント(95%CI:-40.7~-3.29)高かった。・介入群の患者は、PROMを完遂することを好んだが、その結果を診療医が管理者に伝えるために使用しなかったことに失望した。 著者らは「PROMは、その結果を診療医が管理者に知らせなかったとしても、短期間でうつ病アウトカムを改善する可能性がある。患者を募集し、フォローアップする際の課題は、管理者に知らせることのできる比較的簡単な対策に取り組む必要がある」としている。関連医療ニュース うつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割

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ヒーローと悪役の皮膚描写、その違いが偏見を助長?

 映画では、ヒーローと悪役に二分した皮膚描写が、無声映画時代から用いられている。米国・テキサス大学医学部ガルベストン校のJulie A Croley氏らは、米国映画歴代トップ10のヒーローと悪役について調査し、両者の皮膚所見には有意な差があることを示した。著者は、「映画では、善悪の二分を強調するため悪役には皮膚描写が用いられているが、それは、社会において皮膚疾患患者に向けられる偏見を助長する可能性がある」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年4月5日号掲載の報告。 研究グループは、主要な映画におけるヒーローと悪役の皮膚所見を評価する目的で、以下の横断的研究を行った。(1)米国映画歴代トップ10の悪役の皮膚所見を特定する、(2)その皮膚所見を歴代トップ10のヒーローと量的および質的に比較する、(3)悪役の皮膚描写を深く分析する。 皮膚所見の量的ならびに質的な比較は、χ2検定(有意水準α<0.05)を用いた。歴代トップ10のヒーローと悪役は、米国映画協会(AFI)の「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100(AFI's 100 Years…100 Heroes & Villains)」リストから得た。評価項目は、皮膚所見とその頻度とした。 主な結果は以下のとおり。・歴代トップ10の悪役では、6人(60%)に皮膚所見が認められた。・主なものは、美容的に著しい脱毛(30%)、眼窩周囲の色素沈着(30%)、顔面の深いしわ(20%)、顔面の多発性瘢痕(20%)、顔面の尋常性疣贅(20%)および鼻瘤(10%)であった。・歴代トップ10の悪役は、トップ10のヒーローに比べ、皮膚所見の頻度が有意に高かった(60% vs.0%、p=0.03)。

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糖尿病患者の大腸がんリスク、55歳未満でより高い

 2型糖尿病(DM)患者の大腸がんリスクについて、オランダ・マーストリヒト大学のSander de Kort氏らが、DMの診断年齢に注目して検討したところ、大腸がんリスクの増加は、DMの診断年齢により変化し、55歳未満で診断された男性でリスクがより高いことが示された。Scientific reports誌2017年4月24日号に掲載。 本研究は、Eindhoven Cancer RegistryとリンクしたPHARMO Database Networkの薬局データ(1998~2010年)を用いた。多変量時間依存性Cox回帰分析を用いて、2型DMでない人と比べた2型DM患者の大腸がん発症のハザード比(HR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・259万9,925人年の追跡期間中、大腸がんは、DM患者4万1,716例(平均64.0歳、男性48%)のうち394例、また非DM患者32万5,054例(平均51.2歳、男性46%)のうち1,939例に確認された。・男女共にDMが大腸がんリスクの増加に関連し(HR:1.3、95%CI:1.2~1.5)、とくに2型DMの診断後6ヵ月間、また近位結腸において増加が著しかった。このリスクは55歳未満の男性でより高かった(HR:2.0、95%CI:1.0~3.8)。

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コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の併用の現状

 抗認知症薬と抗コリン薬の併用は、頻繁に行われている。コリンエステラーゼ阻害薬と抗コリン薬の併用は、相互に作用を打ち消し、患者へのベネフィット低下、副作用の増加、ケアコストの増大につながる。米国・ハワイ大学のBrian R Schultz氏らは、アジア太平洋諸国の都市部の病院における、コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬との併用処方の割合を確認した。Psychogeriatrics誌オンライン版2017年4月7日号の報告。コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の同時処方、減少傾向に 本研究は、2006年1月~2010年12月に、FDA承認の抗認知症薬(ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、メマンチン)と抗コリン薬を同時に投与された、一般病院の入院患者対象のレトロスペクティブレビューとして行った。コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬との併用処方の割合を確認した主な結果は以下のとおり。・コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬を同時に投与されていた患者は、全体で304例であった。・高力価抗コリン薬は64.1%、中力価抗コリン薬は35.9%であった。・抗コリン薬の適応は、泌尿器系(17.8%)、胃腸を除く消化器系(32.6%)、悪心(10.2%)、精神科系(7.9%)、その他(31.6%)であった。・アジア人(8.4%)は、ハワイ先住民(12.2%)または白人(13.3%)よりもコリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬を併用する割合が少なかった(χ2=16.04、自由度=2、p<0.0003)。 著者らは「コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の同時処方は、民族間で違いはあるものの、以前の研究と比較し有意に少なかった。アジア人の同時処方の減少は、集団間の抗コリン薬に対する適応症の割合または忍容性の変化が原因であろう」としている。関連医療ニュース 米国の認知症有病率が低下、その要因は 白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大 認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用

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1次予防のスタチン対象、ガイドラインによる差を比較/JAMA

 スタチンによる動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の1次予防が推奨される患者は、米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)ガイドライン2013年版よりも、米国予防医療サービス対策委員会(USPSTF)の2016年版勧告を順守するほうが少なくなることが、米国・デューク大学のNeha J. Pagidipati氏らの検討で示された。ACC/AHAガイドラインで対象だが、USPSTF勧告では対象外となる集団の約半数は、比較的若年で高度の心血管疾患(CVD)リスクが長期に及ぶ者であることもわかった。研究の成果は、JAMA誌2017年4月18日号に掲載された。1次予防におけるスタチンの使用は、ガイドラインによって大きな差があることが知られている。USPSTFによる2016年の新勧告は、1つ以上のCVDリスク因子を有し、10年間CVDリスク≧10%の患者へのスタチンの使用を重視している。年齢40~75歳の3,416例で2つの適格基準を比較 研究グループは、米国の成人におけるASCVDの1次予防でのスタチン治療の適格基準に関して、USPSTFの2016年勧告とACC/AHAの2013年ガイドラインの比較を行った(デューク臨床研究所の助成による)。 2009~14年の米国国民健康栄養調査(NHANES)から、年齢40~75歳、総コレステロール(TC)値、LDL-C値、HDL-C値、収縮期血圧値のデータが入手可能で、トリグリセライド値≦400mg/dL、CVD(症候性の冠動脈疾患または虚血性脳卒中)の既往歴のない3,416例のデータを収集し、解析を行った。USPSTF勧告で15.8%、ACC/AHAガイドラインで24.3%増加 対象の年齢中央値は53歳(IQR:46~61)、53%が女性であった。21.5%(747例)が脂質低下薬の投与を受けていた。 USPSTF勧告を完全に当てはめると、スタチン治療を受ける集団が15.8%(95%信頼区間[CI]:14.0~17.5)増加した。これに対し、ACC/AHAガイドラインを完全に適用すると、スタチン治療の対象者は24.3%(22.3~26.3)増加した。 8.9%(95%CI:7.7~10.2)が、ACC/AHAガイドラインではスタチン治療が推奨されるが、USPSTF勧告では推奨されなかった。このうち55%が年齢40~59歳であった。この集団は、CVDの10年リスクの平均値は7.0%(6.5~7.5)と相対的に低かったが、30年リスクの平均値は34.6%(32.7~36.5)と高く、28%が糖尿病であった。

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ダイエット飲料で脳卒中・認知症リスクが増加?

 ボストン大学のMatthew P Pase氏らが、Framingham Heart Study Offspringコホートにおいて、甘味飲料の摂取と脳卒中や認知症の発症リスクを調査したところ、ダイエットコーラなどの人工甘味料入り清涼飲料の摂取と脳卒中・認知症リスクとの関連が認められた。なお、砂糖入り飲料の摂取とは関連がみられなかった。Stroke誌オンライン版2017年4月20日号に掲載。 脳卒中の発症については45歳を超える2,888人(平均62歳[SD:9歳]、男性45%)と、認知症の発症については60歳を超える1,484人(平均69歳[SD:6歳]、男性46%)を調査した。コホート調査5(1991~95年)、6(1995~98年)、7(1998~2001年)において食事摂取頻度調査票を用いて飲料摂取量を数値化した。また、調査全体の平均化により、調査7での最近の摂取量と累積摂取量を数値化した。イベント発症のサーベイランスを調査7から10年間継続し、脳卒中97例(82例は虚血性脳卒中)、認知症81例(63例はアルツハイマー病)を認めた。 主な結果は以下のとおり。・年齢、性別、教育、摂取カロリー、食事の質、身体活動、喫煙について調整後、人工甘味料入り清涼飲料の最近の摂取量や累積摂取量がより多いほど、虚血性脳卒中、アルツハイマー病および認知症全体のリスクが高かった。・人口甘味料入り飲料の累積摂取量について、0単位/週を対照とした場合、1単位/日以上におけるハザード比は、虚血性脳卒中で2.96(95%信頼区間:1.26~6.97)、アルツハイマー病で2.89(同:1.18~7.07)であった。 ※1単位は、1グラスまたは1瓶または1缶・砂糖入り飲料(加糖清涼飲料、フルーツジュース、コーラなど)は脳卒中、認知症と関連していなかった。

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抗精神病薬多剤併用大量療法と関連するペントシジン:順天堂大

 統合失調症患者におけるカルボニルストレスは、末梢ペントシジンレベルの増加により反映されることが報告されている。順天堂大学の三戸 高大氏らは、ペントシジンの蓄積が疾患の重症度または治療(抗精神病薬高用量投与)と関連しているかをコホート研究により検討した。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌オンライン版2017年3月7日号の報告。 独自調査より得た急性期統合失調症患者137例と健常対照者45例および2つのコホート研究よりプールした合計274例について分析を行った。血清ペントシジンレベル、ピリドキサールレベルと教育期間、推定投与期間、症状重症度および抗精神病薬、抗パーキンソン病薬、抗不安薬の1日投与量との関連を、重回帰分析を用い評価した。 主な結果は以下のとおり。・ペントシジンは、異常に高い血清レベルが示され、診断の統計学的有意性なく抗精神病薬の1日投与量の高さと推定投与期間の長さと関連していた。・これは、抗精神病薬の多剤併用療法患者においても観察されたが、第1または第2世代抗精神病薬の単剤療法で治療された患者の血清ペントシジンレベルでは、関連が認められなかった。 著者らは「高血清ペントシジンレベルは、抗精神病薬の多剤併用療法患者において、抗精神病薬の高用量投与、薬物療法期間の長さと関連していた」としている。関連医療ニュース 統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学 カルボニルストレス、統合失調症との関連を解析:都医学研 日本のDPCデータより統合失調症診断患者を分析

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