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複合性局所疼痛症候群患者では広範痛についても評価が必要

 複合性局所疼痛症候群(CRPS)患者では、10%を超える患者が広範痛(widespread pain)を有していることが明らかとなった。英国・エンツリー大学病院のThomas Birley氏らによる後ろ向き研究からの報告で、結果を踏まえて著者は、「CRPS患者の臨床評価においては日常的に、さらなる痛みについて問診をすることが支持される」とまとめている。Pain Practice誌オンライン版2013年6月24日号の掲載報告。 CRPS患者における広範痛の有病率を調べる目的で、2007年7月~2012年9月の間に第3次疼痛医療センターに紹介されブダペスト基準に従いCRPSと診断された連続症例について、紹介状や医療記録を後ろ向きに評価した。 対象は、CRPS患者190例(うち149例は女性)および特定不能のCRPS患者26例であった(平均年齢44歳、罹病期間中央値18ヵ月)。 主な結果は以下のとおり。・3分の1の患者は、CRPSに先行する事象が起こる前にすでに、現在CRPSに罹患した肢に日常的な痛みとは違う痛みを経験していた。・21例(11.1%)が広範痛の経験を有していたが、医療機関からの紹介状にはほとんど記載されていなかった。・CRPSの誘因となった外傷のタイプや、ブダペスト基準の他覚所見および自覚症状の頻度は、広範痛の有無による差がみられなかった。・すべての患者は広範痛を日常生活の質に影響を与える重要な要素と考えており、ほとんどの患者にとって広範痛の重症度はCRPSの痛みと同程度であった。・CRPSに併発する局所的な痛み(多くは頭痛/片頭痛、腰痛、過敏性腸症候群)を有する患者もいた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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変形性脊椎関節症による慢性腰痛に対するグルコサミンの効果は確立されていない

 変形性脊椎関節症による慢性腰痛患者の症状や機能に対する、グルコサミン経口投与の効果を確認するシステマティックレビューを、英国・イーストアングリア大学のReena Sodha氏らが行った。既存の報告は、データが不十分かつ研究の質が低いため、慢性腰痛患者に対し経口グルコサミンは臨床的に有用であるともないとも証明できなかった。BMJ Open誌オンライン版6月14日号の掲載報告。 Medline、AMED、CINHAL、Cochrane LibraryおよびEMBASEにて、2011年3月までに発表された無作為化比較試験の論文ならびに参考論文を検索した。灰色文献(the grey literature)についてもOpenSIGLEで検索した。 コクラン腰痛レビューグループの評価項目を1つ以上用いて評価した試験で、12週以上の腰痛を有する18歳以上の患者を対象とし、変形性脊椎関節症の画像所見の変化についても記載がある試験を適格とした。 検索にて同定された148件のうち、3件の無作為化比較試験(309例)がレビューに組み込まれた。 主な結果は以下のとおり。・3件すべての試験において、ローランド-・モリス障害質問票スコア(RMDQ)に変化はなく、機能に対するグルコサミンの効果は認められなかった。・バイアスリスクが高いと判定された1件の試験では、グルコサミン投与により疼痛スコアが有意に改善したが、2件の試験はグルコサミン投与群と対照群とで差はみられなかった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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自然災害後は精神的ストレスで腰痛を発症

 急性腰痛から慢性腰痛への移行は、身体的および心理的要因に影響される。大規模災害後において、これらの要因を同定することは、命に関わる腰痛を識別し、治療するうえで重要となる。イタリア・ラクイラ大学のChiara Angeletti氏らの調査によれば、自然災害によって誘発された精神的ストレスが交感神経活性を高め、末梢神経や中枢神経系を介してさらに痛覚が増幅され、非特異的腰痛を引き起こしたり、疼痛が慢性化する可能性があることが示唆された。Pain Practice誌オンライン版2013年6月14日号の掲載報告。 本研究は、地震発生後5週間以内の4ヵ所の高度医療施設(AMP)において、腰痛有病率ならびに鎮痛薬の使用頻度、薬の種類、その短期的効果を調査した。 疼痛の強さは口答法にて数値評価スケール(NRS)を用いて評価し、腰痛が原発性か二次性かの診断は臨床的特徴に基づいて行われた。 主な結果は以下のとおり。・AMP初回受診者958例において、急性腰痛の有病率は4.9%(95%信頼区間:3.7~6.4)であり、治療を受けた全疼痛患者の14.1%(95%信頼区間:10.8~18.3)を占めた。・慢性腰痛既往者の腰痛再発例が40%(19例)、初回腰痛発症例が60%(28例)であった。・疼痛治療は、短期的評価においては口答法によるNRSを有意に改善し、有効といえた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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腰部硬膜外ステロイド注射によって椎体骨折のリスクが増加

 腰部硬膜外ステロイド注射(LESI)は神経根障害や脊髄神経の圧迫から生じる神経性跛行の治療に用いられるが、副腎皮質ステロイドは骨形成を低下し骨吸収を促進することで骨強度に悪影響を及ぼすことが示唆されている。米国・ヘンリーフォード ウェストブルームフィールド病院のShlomo Mandel氏らは、後ろ向きコホート研究において、LESIが椎体骨折の増加と関連していることを明らかにした。LESIの使用はこれまで考えられていたより大きなリスクを伴う可能性があり、骨粗鬆症性骨折のリスクを有する患者には慎重に行わなければならないとまとめている。The Journal of Bone & Joint Surgery誌2013年6月5日の掲載報告。 本研究の目的は、LESIが、椎体骨折のリスクを増加するのかについて評価をすることであった。 ヘンリーフォード ウェストブルームフィールド病院のデータベースから、ICD-9診断コードを用いて、椎間板障害など脊椎に関連した疾患を有する患者計5万345例(うち1回以上のLESIを受けていた患者は3,415例)を特定した。 LESI施行例3,000例を無作為に抽出するとともに、傾向スコアマッチングによりLESI非施行例3,000例を選び出し、両群における椎体骨折の発生率を生存時間分析にて評価した。 主な結果は以下のとおり。・LESI施行群と非施行群で、年齢、傾向スコア、性別、人種、甲状腺機能亢進症、ステロイド使用に差はなかった。・生存時間分析の結果、注射回数の増加は骨折リスクの増加と関連していた。・注射が1回増えるごとに、骨折リスク(共変量調整後)は1.21倍(95%信頼区間:1.08~1.30)増加した(p=0.003)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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慢性疼痛に対し認知行動療法をベースにした疼痛自己管理プログラムが有効

 慢性疼痛に対してしばしば認知行動療法が行われているが、オーストラリア・シドニー大学のMichael K. Nicholas氏らは、認知行動療法をベースとした疼痛自己管理(pain self-management:PSM)プログラムが高齢の慢性疼痛患者において、少なくとも短期的には有効であることを無作為化試験により明らかにした。Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年2月26日号)の掲載報告。 慢性疼痛を有する65歳超の高齢者141例を対象に、認知行動療法および運動を用いた外来患者用PSMプログラムの効果を、運動-注意制御(Exercise-Attention Control:EAC)群および通常ケア群と比較した。 評価には、ローランド-モリス障害質問票(RMDQ)、うつ病・不安ストレススケール(DASS)、運動恐怖に関する評価スケール(TSK)、痛み自己効力質問票(PSEQ)などを用いた。 主な結果は以下のとおり。・治療直後、PSM群ではEAC群と比較して苦痛、障害、気分、無用な痛み思考およびファンクショナルリーチが有意に改善した(効果量:平均値0.52、範囲0.44~0.68)。 ・1ヵ月後においても、PSM群ではEAC群に比べほとんどの評価項目が良好であった。・1ヵ月後、通常ケア群と比較し、PSM群では苦痛、障害および無用な痛み思考の有意な改善(効果量:平均値0.69、範囲0.56~0.83)を認めたが、EAC群ではすべての評価項目において有意差はみられなかった。・PSM群において、1ヵ月後に全評価項目が確実に改善した患者の割合が41%で、他の2群の約2倍にのぼり、統計学的に有意差が認められた。・同様に、疼痛障害に関して臨床的に重要な改善が得られた患者の割合は、PSM群44%、EAC群22%、通常ケア群20%で、PSM群が有意に高かった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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混合診療で人工膝関節全置換術の予後は変わるのか?

 シンガポールには、日本と似たような国民に公的医療の提供を保障する、強制加入と補助金で運営する国民皆保険制度がある。一方で、公立病院であっても、外科医の選択や個室など保険対象外のオプションを選択することも可能となっている。シンガポール総合病院のHamid Rahmatullah Bin Abd Razak氏らは、これまで同制度に関連した検討がなかった、人工膝関節全置換術(TKA)の予後に対する医療費補助の影響についてレトロスペクティブに検討した。Orthopedics誌2013年6月1日号の掲載報告。 本研究の目的は、従来法のTKAの予後について、医療費補助の利用者と非利用者とを比較することであった。 対象は2006~2010年にTKAを受けた369例で、医療費補助利用者群(274例)と非利用者群(95例)に分けて、術後6ヵ月および2年後の関節可動域、膝関節学会スコア(knee society score:KSS)より膝関節スコアおよび機能スコア、オックスフォード膝スコアおよびSF-36スコアについて比較した。 主な結果は以下のとおり。・6ヵ月後および2年後の関節可動域およびその他の評価項目は、KSS機能スコアを除き医療費補助利用者群と非利用者群で有意差は認められなかった。・KSS機能スコアは6ヵ月後および2年後共、利用者群より非利用者群が有意に高かった(p=0.019)。・以上から、KSS機能スコアを除けば従来法TKAを医療費補助の下で受けた患者の予後は良好であり、非利用者よりも状態が悪いということはなかった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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高齢者の腰痛、予後を予測する因子は?

 高齢者の腰痛の回復について、罹病期間、重症度、腰痛の既往歴、膝下への放散痛の有無、合併症の数、患者自身の回復予想、Timed Up and Go(TUG)テストの結果が予後因子となることが明らかになった。報告したオランダ・エラスムスMC大学医療センターのJantine Scheele氏らは、この情報は一般開業医が3ヵ月で回復する見込みのない高齢の腰痛患者を識別するのに役立つとまとめている。Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年3月14日号)の掲載報告。 研究グループは高齢者の腰痛の経過を調べ、3ヵ月では回復しない予後因子を同定する目的で前向きコホート研究(BACE研究)を実施した。 対象は、新たに腰痛を発症し一般開業医を受診した55歳超の腰痛患者675例(平均年齢66.4±7.6歳)であった。 6週後および3ヵ月後に、腰痛回復の自己評価、痛みの重症度、機能障害、鎮痛薬の使用について調査し、回復の予後因子について多変量ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・6週後、64%の患者は腰痛が回復しないと報告した。・3ヵ月後、依然として61%の患者は腰痛が回復しないと報告したが、これらの患者のうち再受診したのは26%であった。・長期間の腰痛、腰痛の重症度、腰痛の既往歴あり、膝下への放散痛なし、合併症の数、回復しないという患者自身による予想、TUGテストにかかる時間が長いことが、3ヵ月後における非回復と有意に関連していた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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整形外科医はオピオイドの有効性に疑問を持っている可能性がある

 非がん性慢性疼痛へのオピオイド使用に対する考えは徐々に変化してきており、オピオイド処方の増加に伴い長期有効性および安全性が大きな問題となっている。米国・United BioSource CorporationのHilary D. Wilson氏らによるアンケート調査の結果、慢性疼痛患者に対するオピオイド使用に関する考え方は、医師の専門分野によって違いがあることが明らかとなった。本研究は、慢性疼痛に対するオピオイド使用に関して臨床医の考えの心理測定法的特性を示しており、20年前に実施された類似の調査における知見を更新するものだという。The Journal of Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年3月26日号)の掲載報告。 Wilson氏らは、オピオイドに対する考えや、慢性疼痛患者に対するオピオイド使用に関する信頼性および妥当性のある評価方法(Clinicians' Attitudes about Opioids Scale[CAOS])を開発し、調査した。 質問票は、まずフォーカスグループとコンテンツを開発して予備調査を行った後、修正した。その後、全米から抽出した医師を対象に正式調査(1,535例)と安定性評価(251例)を行った。 主な結果は以下のとおり。・結果に関して、地域間での有意な差はみられなかった。・一方で、医師の専門分野によっていくつかの違いがみられた。・整形外科医は、長期オピオイド使用に対する障壁や懸念が高く、オピオイドの有効性に対する確信が最も低かった。・疼痛専門医および理学療法/リハビリテーション専門医は、オピオイドの有効性に対する確信が最も高かった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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手の手術後の複合性局所疼痛症候群(CRPS)が明らかに

 CRPSの研究は、利用可能な試験コホートにおける不均一性により難しいとされている。米国・スタンフォード大学のAlison Pepper氏らは、手の手術を受けた患者における、早期にみられる複合性局所疼痛症候群(CRPS)様症状の特色を特徴づけることを試みた。その結果、共通してみられることとして、点刺激や圧刺激、寒冷刺激に対する感度が高いことなどを明らかにした。The Journal of Pain誌2013年5月号(オンライン版2013年2月28日号)の掲載報告。 研究グループは、手の外科クリニックにおいて選択的手術とキャスト固定法を受けた43例の患者を集めた。 キャスト除去日に、患者は定量的感覚テスト(quantitative sensory testing:QST)によって、血管運動、発汗促進、栄養変化および水腫、疼痛感度について評価を受けた。疼痛強度は、キャスト除去時とさらに1ヵ月後に評価を行った。Leeds Assessment of Neuropathic Symptoms and Signs(LANSS)スケールを用いて痛みの特徴を評価した。また、皮膚生検を行い、炎症性メディエーターの発現を分析した。 主な結果は以下のとおり。・大半の患者の手術を受けた手における、血管性および栄養的変化を同定した。・概して同様に、点状、圧、寒冷の刺激に対する感度の増大が観察された。・さらに、手術を受けた側の手の皮膚において、IL-6値、TNF-α、肥満細胞マーカーのトリプターゼの上昇が認められた。・中等度から重度の疼痛は、手術を受けた側の手についてはキャスト除去後1ヵ月時点においても持続していた。・探索的解析の結果、身体、QSTと遺伝子発現の変化および疼痛関連アウトカムの間における相互関係が示唆された。・本研究は、手術とその後に固定術を受けた患者の四肢におけるCRPS様症状の特色を同定した。今回の被験者を対象としたさらなる研究は、CRPSメカニズムの理解を深め、同状態における治療に役立つ可能性がある。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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外傷後の神経痛に対する新規ケモカイン受容体2拮抗薬AZD2423

 新しいケモカイン受容体(CCR2)拮抗薬 AZD2423の、外傷後神経痛に対する有効性および安全性をプラセボと比較検討した多施設共同無作為化二重盲検試験の結果が、スウェーデン・アストラゼネカ社のJarkko Kalliomaki氏らにより発表された。 AZD2423は、安全性および忍容性に問題は無く、神経障害性疼痛評価質問票(NPSI)による評価で特定の疼痛に対する効果が示唆されたことなどが報告された。PAIN誌2013年5月号(オンライン版2013年2月13日号)の掲載報告。 対象は外傷後の神経痛患者133例で、AZD2423 20mg群、150mg群またはプラセボ群に無作為化された。いずれも治験薬を28日間経口投与した。 主要評価項目は、試験終了時におけるベースライン時からの平均疼痛スコア(それぞれ投与の最終5日間ならびに投与開始前5日間の平均値)の変化量であった。疼痛スコアは、0~10までの数値的評価スケールを用いた。 副次的有効性評価項目は、NPSI、疼痛スコア最悪値、患者による全般的印象(PGI)の変化)、睡眠や日常活動に及ぼす影響とした。 主な結果は以下のとおり。・平均疼痛スコアの変化について、投与群間の有意差は認められなかった(AZD2423 20mg群:-1.54、AZD2423 150mg群:-1.53、プラセボ群:-1.44)。・しかしプラセボ群と比較してAZD2423 150mg投与群は、NPSI総スコア、ならびに発作痛および感覚異常に関するNPSIサブスコアが大きく減少する傾向がみられた。・その他の副次的有効性評価項目について投与群間で差はみられなかった。・AZD2423両群の有害事象の頻度と種類はプラセボ群と類似していた。・ケモカインリガンド2血漿中濃度の増加および単球の減少(AZD2423 150mg投与群で-30%)がみられ、AZD2423投与量とCCR2との相互作用が示唆された。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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性格特性の主要5因子と痛覚感受性の関連について

 痛みに対する反応には個人差があり、その要因として年齢、性別、人種などの人口統計学的特性や性格を含む心理的要因に加え、痛覚感受性における遺伝的影響が考えられるが、まだ十分に解明されていない。ノルウェー・オスロ大学のOlav Vassend氏らは、双生児を対象とした研究で、熱痛覚強度より寒冷昇圧疼痛強度のほうが表現型的にも遺伝的にも性格素因との関連が示唆されることを明らかにした。Pain誌2013年5月号(オンライン版2013年1月29日号)の掲載報告。 本研究の目的は、性格特性と実験的な痛覚感受性との関係を調べ、これらの表現型がどの程度、一般的な遺伝的要因および環境要因と関連しているかを検討することであった。  23~35歳の双生児188例を対象に、熱痛覚強度(HPI)と寒冷昇圧試験による疼痛強度(CPI)を測定するとともにNEO-PI-R人格検査を用いて性格特性を評価した。  性格特性と痛覚感受性指標との関連は相関係数および一般化推定方程式を用いて検討し、バイオメトリック分析にはコレスキーモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・CPIは、衝動性(神経症傾向の下位次元)ならびに刺激希求性(外向性の下位次元)と有意に関連していることが認められ、遺伝相関の推定値はそれぞれ0.37(p<0.05)と0.43(p<0.05)であった。 ・HPIは、性格特性との相関はあまりみられなかったが、一般化推定方程式では敵意(神経症傾向の下位次元)に対する影響が有意であることが示された。・表現型に遺伝的相関性は認められなかったが、個人特異的環境と有意な弱い相関(re= 0.21、p<0.05)が認められた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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高齢の慢性疼痛患者の多くはモバイル機器での疼痛管理に興味あり

 モバイル機器を用いた医療(Mobile health:mHealth)が急速に進展している。慢性疼痛の管理においてmHealthは、医療提供者とのコミュニケーションや治療関連副作用および疼痛のモニタリングを強化し、疼痛ケア資源へのアクセスを増加させることで高齢者を支援できる可能性がある。しかし、高齢者のmHealthに対する態度や認識、あるいは疼痛管理を改善するためのmHealthツール使用への障壁や助けとなるものについては、現在のところほとんどわかっていない。そこで、米国・ワイルコーネル大学医学部のSamantha J. Parker氏らは、フォーカスグループ法を用いた研究を行った。その結果、慢性疼痛を有する高齢者は、mHealthに興味があり使用する意欲は高いが、使用にあたっては重大な障壁もあること、医療従事者や研究者およびmHealthの開発者は、慢性疼痛を有する高齢者の年齢や機能に応じたデータ収集装置の開発に取り組む必要があることを明らかにした。BMC Geriatrics誌オンライン版2013年5月6日号の掲載報告。 対象は、慢性疼痛を有する60歳以上の高齢者で、ニューヨーク市にある一般診療所1施設および日帰り複合サービスセンター2施設から本研究への参加者を募集した。 参加者は41人で、6つのフォーカスグループに分けフォーカスグループディスカッション(FDG)を行ってもらった。FDGは記録しテキストに起こした後、内容分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・FDGにより、疼痛ならびに鎮痛薬の管理を支援するmHealthの使用に関して38のテーマが同定された。・参加者のうちmHealthの使用経験者は5%と少なかったが、85%の参加者は試してみたいという高い意欲があった。・mHealthは、より早く医療提供者と連絡をとるのに役立つ可能性があると述べた参加者が27%、自宅における転倒や他の有害事象を監視するのに役立つ可能性があると述べた参加者が15%であった。・データ収集装置を使用することに対する障壁としては、コスト(42%)と、機器の操作に精通していないこと(32%)が挙げられた。・データ収集装置の使用にあたっての援助としては、使用に先立つ研修(61%)と、高齢者の機能に応じた装置の調整(34%)が挙げられた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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低用量デキサメタゾンの予防的投与はTKAの術後悪心・嘔吐および疼痛軽減に有効

 デキサメタゾン(商品名:デカドロンほか)は強力な鎮痛薬であり、かつ制吐薬である。人工膝関節置換術(TKA)後のデキサメタゾン投与の利点は不明であったが、韓国・カトリック大学校議政府聖母病院のIn Jun Koh氏らは無作為化試験にて、ラモセトロン(同:ナゼアほか)単独投与に比べ、ラモセトロン+デキサメタゾンの予防的投与のほうが、創傷合併症のリスクが増加することなく術後嘔吐および疼痛が減少することを明らかにした。Clinical Orthopaedics and Related Research誌オンライン版2013年5月4日号の掲載報告。 本研究の目的は、ラモセトロン+デキサメタゾンの予防的投与がラモセトロン単独投与と比較して、術後悪心・嘔吐(PONV)ならびに術後疼痛を減少させ、TKA後の創傷合併症のリスクを増加させるかどうかを評価することであった。 TKA施行予定患者269例を、手術1時間前にデキサメタゾン10mgを投与し手術直後にラモセトロンを投与する群(Dexa-Ra群、135例)と、ラモセトロン単独投与群(Ra群、134例)に無作為化し、術後0~6時間、6~24時間、24~48時間および48~72時間におけるPONV発生率、悪心の重症度、制吐薬の要求頻度、完全抑制率、疼痛の程度およびオピオイド使用量を調べた。  また、術後少なくとも1年以内に、創傷合併症および人工関節術後感染について評価した。 主な結果は以下のとおり。・Dexa-Ra群では、術後72時間までのPONV発生率が低かった。また、術後0~6時間における悪心の重症度が低かったが、6~72時間においてはそうではなかった。・概して制吐薬のレスキュー使用は少なく、完全抑制率はDexa-Ra群で高かった。・Dexa-Ra群は疼痛の程度が低く、術後6~24時間および全期間を通してオピオイド使用量が少なかった。・両群間で創傷合併症の頻度に差はなかった。人工関節周囲感染症は各群1例ずつにみられた。■「デキサメタゾン」関連記事術前デキサメタゾン追加で術後24時間の嘔吐が低減/BMJ

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神経障害性疼痛は過少治療もしくは未治療である可能性が高い

 神経障害性疼痛の有病率は、痛みの特徴から神経障害性疼痛の可能性を判断するスクリーニングツールを用いた研究によって推定されているが、激しいあるいは長期にわたる神経障害性疼痛を経験している患者の割合や標準治療に抵抗性の難治性疼痛患者の割合は知られていない。英国・ダンディー大学のNicola Torrance氏らは、地域の家庭医に登録している患者を対象にアンケート調査を行い、慢性疼痛を有する患者は非常に多く、難治性の神経障害性疼痛はまれであるものの、神経障害性疼痛は過少治療もしくは未治療である可能性が高いことを明らかにした。Pain誌2013年5月号(オンライン版2013年1月23日)の掲載報告。 本研究は、難治性疼痛患者における神経障害性疼痛の割合を推定し、臨床および人口統計学的特徴との関連を定量化することが目的であった。 英国5地域の一般診療所計10施設から、無作為に選択した成人患者1万例を対象に自己記入式質問票を送付した。質問内容は、慢性疼痛の同定や重症度に関する質問、痛みの原因、SF-12、EQ-5D、S-LANSS(Self-administered Leeds Assessment of Neuropathic Signs and Symptoms)、PSEQ(Pain Self-Efficacy Questionnaire)、薬物治療および医療の利用についてなどであった。 さらに、国際的な専門家のデルファイ調査によって確認されている特徴にしたがって“難治性”神経障害性疼痛の存在と特徴を調べ、これらのデータを組み合わせた。また、難治性の基準を組み入れ、神経障害性の特徴の有無による慢性疼痛のカテゴリ分類を行った。 主な結果は以下のとおり。・4,451例から回答があった(回答率47%)。・「神経障害性疼痛の特徴を有する慢性疼痛(S-LANSS陽性)」に該当した患者は399例(回答者の8.9%)で、そのうち215人(S-LANSS陽性者の53.9%)は「S-LANSS陽性+関連した既往歴あり(神経障害性疼痛の可能性が高い)」であった。・98例(慢性疼痛があると回答した患者の4.5%)は、1剤以上の神経障害性疼痛治療薬を服薬していた(神経障害性疼痛の治療を受けていると考えられる)。 ・難治性患者の大部分は、身体的健康および精神的健康が著しく不良で、痛みに対する自己効力感が低く、痛みの程度が強く、痛みに関連した障害が強く、さらに医療の利用が多かった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる

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統合失調症・双極性障害患者は「痛み」を抱えている

 統合失調症および双極性障害患者では非がん性疼痛の発生頻度が高いことが、米国・退役軍人ヘルスケアシステムのDenis G. Birgenheir氏らによる断面調査の結果、明らかになった。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究により、重度の精神疾患患者において十分な疼痛治療の障壁となりうる要因を調べる必要がある。同時に、慢性疼痛が精神疾患からの回復に与える影響についても調べる必要がある」と提言している。General Hospital Psychiatry誌オンライン版2013年4月29日号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症および双極性障害の患者における非がん性慢性疼痛の発生状況を評価することを目的に、退役軍人健康管理局(VHA)システム登録者を対象とした断面調査を行った。VHA治療記録から2008年にVHAサービスを受けた個人診療データを抽出し、重度の精神疾患(統合失調症、双極性障害)と慢性疼痛(関節炎、腰痛、慢性疼痛、片頭痛、頭痛、精神・神経性障害)との関連について、ロジスティック回帰分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症および双極性障害を有する退役軍人は、有さない退役軍人と比べて、全体的に慢性疼痛を有する傾向が有意に高かった。オッズ比は、統合失調症を有する退役軍人が1.21、双極性障害を有する退役軍人が2.17であった。・上記の関連は、同一サンプルにおける、うつ病と疼痛の関連(オッズ比:2.61)よりもわずかであるが低かった。・特異的精神疾患との関連が最も強かった疼痛症状は、慢性疼痛、頭痛、心因性疼痛であった。関連医療ニュース ・検証!「痛み」と「うつ」関係は?:山口大学 ・「片頭痛の慢性化」と「うつ」の関係 ・慢性腰痛患者におけるオピオイド療法の効果はうつや不安に影響される

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人工股関節全置換術後の脚長差を防ぐ新しい方法

 人工股関節全置換術において、脚長差などの合併症は機能障害と患者の不満の重大な原因となる。術中の下肢長測定にはいくつかの方法があるが、多くは侵襲的であり、そうでないものはあまり正確ではない。米国・ミシガン大学のJoseph D. Maratt氏らは、非侵襲的で術中に迅速かつ正確に下肢長を測定し術後の脚長差を防ぐことができる、新しいツールを開発した。「この方法は関節形成術を行う整形外科医にとって、正確な脚長補正を確実にするための付加的ツールとなる」とまとめている。Orthopedics誌2013年4月1日号の掲載報告。 本論文は、新しい術中の脚長測定法を紹介したものである。 この方法は、術中および術前計画において大転子近位部に近い大腿骨軸に垂直な線を正確に再現することに基づいており、使用器具の軽微な改良を必要としている。 主な方法は以下のとおり。・ヘッドにガイドプレート設置用の細い溝を機械加工した。その溝は、ハイオフセットであるネックアングル127°のセキュアフィットプラスステム(Stryker Orthopaedics社)を用いる場合はネックの軸から37°となるように、標準オフセットであるネックアングル132°のセキュアフィットステム(Stryker Orthopaedics社)を用いる場合はネックの軸から42°となるようにした。・ブローチをしっかりと固定したら、ネック、溝加工したヘッド、およびガイドプレートを取り付け、ガイドプレートと大転子近位端までの距離を術前計画測定値と比較しステム位置を決定する。・この方法を使用した初回人工股関節置換術施行例の連続31例について、後ろ向きにX線像を分析したところ、術後の脚長差は平均2.18±6.08mmであった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる

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高齢者では喫煙が慢性疼痛を増悪させている可能性がある

 スウェーデン・ルンド大学のUlf Jakobsson氏らによる横断研究の結果、65歳以上の高齢者では喫煙が慢性疼痛の強さと関連していることが明らかになった。著者は、喫煙をやめさせるための介入が、高齢者の疼痛を緩和する一つの方法となるかもしれないとまとめている。Pain Practice誌オンライン版2013年4月12日号の掲載報告。 2011年に、スウェーデン在住の65歳以上の高齢者2,000人を無作為に抽出し、人口統計学的データ、生活状況、タバコ(喫煙用タバコまたは湿性嗅ぎタバコ)の使用、主観的健康、慢性疼痛(疼痛の強さ、持続期間、疼痛の場所)について郵送によるアンケート調査を行った。 慢性疼痛は、3ヵ月以上持続する痛みと定義した。  主な結果は以下のとおり。・1,141人から回答を得た(回答率57%、65~103歳、女性53.6%)。このうち38.5%が慢性疼痛を有しており、喫煙者は9%であった。 ・喫煙者のうち47.6%が慢性疼痛を有していた。 ・喫煙者は非喫煙者と比較して、慢性疼痛の強度は有意に高かったが、有病率はそうではなかった。 ・サブグループ解析において、女性は喫煙者と非喫煙者との間に疼痛強度と有病率のいずれも有意差を認めたが、男性は疼痛強度のみであった。 ・湿性嗅ぎタバコと疼痛には関連はなかった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる

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中高年の初回肩関節脱臼、救急外来で徒手整復後の上腕骨大結節骨折の発生頻度

 先行研究において、肩関節脱臼の整復操作に伴う医原性上腕骨頸部骨折の症例報告がなされている。英国・王立バークシャー病院のAtoun Ehud氏らはその有病率を調べることを目的とした後ろ向きコホート研究を行った。その結果、40歳以上の初回肩関節前方脱臼患者において、上腕骨大結節骨折の合併率は21%で、これらの患者における徒手整復時の医原性上腕骨頸部骨折の発生頻度は26%と高率であることを明らかにした。Journal of Orthopaedic Trauma誌2013年4月号の掲載報告。 本研究の目的は、40歳以上の初回肩関節前方脱臼患者における徒手整復後の医原性上腕骨頚部骨折の有病率を調査することであった。 対象は40歳以上の初回肩関節前方脱臼患者92例(平均66.6歳)で、救急外来で救急医療医により、意識下鎮静のもと徒手整復が行われた。  骨折の有無はX線写真にて確認し、医原性骨折は整復後のX線写真にて評価した。 主な結果は以下のとおり。・92例中19例(20.7%)は、最初のX線写真において上腕骨大結節骨折を合併していると診断された。・整復後のX線写真において、5例(5.4%)が整復後上腕骨頸部骨折と診断された。この5例は全例、最初のX線写真において上腕骨大結節骨折を認めた。 ・最初のX線写真における上腕骨大結節骨折所見と医原性上腕骨頸部骨折の発生には、有意な関連性が認められた(p<0.0001)。・医原性上腕骨頸部骨折患者の予後は不良であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる

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腰椎椎間板ヘルニア患者、オピオイド使用は手術回避には結びつかない

 The Spine Patient Outcomes Research Trial(SPORT)は、腰椎椎間板ヘルニアに対する手術的治療と保存的治療を比較する多施設前向き無作為化研究である。同研究参加者について、米国・トーマスジェファーソン大学のKris Radcliff氏らが行ったサブグループ解析の結果、オピオイド使用患者は試験開始時からの疼痛とQOLの悪化が著しかったこと、またオピオイド使用の有無で4年後の臨床転帰に差はなく、オピオイド使用により手術を回避できるわけではないことが明らかになった。また、オピオイド使用患者の大半は4年後に使用を中止していたという。Spine誌オンライン版2013年4月15日の掲載報告。 Kris氏らは、SPORT研究において、試験開始時にオピオイド薬を投与された患者542例(オピオイド群)と投与されなかった患者520例(非オピオイド群)を比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・オピオイド群は、主要評価項目および副次的評価項目のベースラインのスコアが有意に低かった(p<0.001)。・オピオイド群は、症状や神経障害が悪化した患者の割合が増加し(p<0.001)、手術を受ける患者の割合も高かった(p<0.001)。・追跡4年時点において、主要評価項目、副次的評価項目あるいは手術の効果について、オピオイド群と非オピオイド群とで有意差は認められなかった。 ・オピオイド投与は手術的治療への変更を増加し(p=0.005)、手術回避の減少(p=0.01)と関連していた。・4年後におけるオピオイド使用率は、オピオイド群で16%、非オピオイド群で5%であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる

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腰部脊柱管狭窄症患者のQOLと機能に及ぼす疼痛の影響が明らかに

 変性腰部脊柱管狭窄症は「症候群」として定義されており、狭窄の形態学的タイプによりどのような臨床的特徴があるかなどは十分に明らかにはなっていない。スウェーデン・ルンド大学スコーネ大学病院のSigmundsson Freyr Gauti氏らは、全国脊椎レジスター(Spine Register)のデータを解析し特徴付けを試みた。その結果、腰痛と下肢痛のどちらが主であるかにかかわりなく、腰部脊柱管狭窄症の手術前の健康関連QOL(HRQoL)および機能は低いこと、また臨床的に重要な差ではないものの腰痛と下肢痛が同程度の患者ではHRQoLと機能が有意に低いことなどを明らかにした。Spine誌オンライン版2013年4月15日の掲載報告。 本研究では、腰部脊柱管狭窄症患者における術前の下肢痛および腰痛の程度と、形態学的タイプ別にみて疼痛がQOLならびに機能にどのように関連するかについて調査することが目的であった。 対象は、スウェーデン全国脊椎レジスター(Swedish Spine Register)に登録された腰部脊柱管狭窄症患者1万4,821例であった。 疼痛の違いにより、腰痛より下肢痛が強い(腰痛<下肢痛)群、腰痛が下肢痛より強い(腰痛>下肢痛)群、腰痛と下肢痛が同程度(腰痛=下肢痛)群に分け、「中心管狭窄症」「外側陥凹狭窄症」「脊椎すべり症を伴う脊柱管狭窄症」における疼痛の特性と、下肢痛または腰痛とHRQoLおよび機能との関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・疼痛部位分類で最も多かったのは「腰痛<下肢痛」群(49%)で、次いで「腰痛>下肢痛」群(39%)、「腰痛=下肢痛」群(12%)の順であった。 ・腰痛が最も強かったのは脊柱管狭窄症群(比:0.93、95%CI:0.92~0.95)、次いで中心管狭窄症群(同:0.88、0.88~0.89)で、外側陥凹狭窄症群は最も低かった(同:0.85、0.83~0.87)。・HRQoLおよび機能が最も低かったのは、「脊柱管狭窄症」の「腰痛=下肢痛」群で、55%(95%CI:50~59)の患者は100m以上歩くことができなかった。・外側陥凹狭窄症群は、自己評価による歩行距離が良好であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる

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