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多発性骨髄腫へのlenalidomide+デキサメタゾン併用療法は有効性が高い

 サリドマイドの構造的類似体であるlenalidomideは、より強力な生物学的活性をもち、抗癌剤として開発され欧米では用いられている。アテネ大学医学部のMeletios Dimopoulos氏らの研究グループによる本報告は、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療における、lenalidomideとデキサメタゾンの併用療法のプラセボ対照第3相試験の結果。NEJM誌2007年11月22日号に掲載された。2剤併用群とデキサメタゾン単独群を盲検比較 過去に少なくとも1回、多発性骨髄腫治療を受けたことのある351例の患者を、経口lenalidomide 25mg投与群(176例)とプラセボ投与群(175例)にランダムに割り付け、1サイクル28日間の1~21日目に投与した。さらに全例に対して、最初の4サイクルは経口デキサメタゾン40mgを1~4日目、9~12日目、17~20日目に投与し、その後のサイクルでは1~4日目のみ投与した。 本試験は患者に疾患の増悪または容認できない毒性作用が発生するまで続けられた。主要エンドポイントは疾患増悪までの期間。2剤併用群で寛解率、生存期間とも有意に向上 症状進行までの期間は、lenalidomide+デキサメタゾン投与群(lenalidomide群)がプラセボ+デキサメタゾン投与群(プラセボ群)より有意に長かった(中央値11.3ヵ月 vs 4.7ヵ月、P

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標準治療+サリドマイドは高齢の多発性骨髄腫の治療に進歩の時代を開く

1960年代から多発性骨髄腫の治療に用いられてきたメルファラン+プレドニゾン(MP)療法は、大量化学療法が施行できない高齢患者の標準治療として現在も広範に使用されている。一方、サリドマイドは再発あるいは治療抵抗性の多発性骨髄腫に対して実質的な抗腫瘍効果を示すことが報告されているが、新規例における有効性は明らかにされていない。 フランス骨髄腫研究グループ(IFM)のThierry Facon氏らは、未治療の高齢患者を対象に、MP療法、MP+サリドマイド(MPT)療法、中等量メルファラン(100mg/m2)+自家造血幹細胞移植(MEL100)(ミニ移植)の有用性を比較検討するために無作為化試験(IFM 99-06)を実施した。10月6日付Lancet誌掲載の報告から。65~75歳の症例を3つの治療群に無作為割り付け対象は、未治療のstage II~III(Durie-Salmon判定基準)の多発性骨髄腫で、年齢65~75歳の症例とした。65歳未満でも大量化学療法適応外の症例およびstage Iのうち高リスクstage Iの基準を満たす症例は試験に含めた。2000年5月~2005年8月までに447例が登録され、MP群に196例、MPT群に125例、MEL100群に126例が無作為に割り付けられた。主要評価項目は全生存率、副次評価項目は奏効率、無増悪生存期間(PFS)、病勢進行後の生存期間、有害事象とした。MPにサリドマイドを併用すると、生存期間がMPよりも約1.5年延長フォローアップ期間(中央値)51.5ヵ月の時点における生存期間中央値は、MP群が33.2ヵ月、MPT群が51.6ヵ月、MEL100群が38.3ヵ月であった。PFSは、MP群が17.8ヵ月、MPT群が27.5ヵ月、MEL100群が19.4ヵ月であり、病勢進行後の生存期間はそれぞれ11.4ヵ月、13.4ヵ月、14.1ヵ月であった。生存期間は、MPTレジメンがMP(ハザード比:0.59、p=0.0006)およびMEL100(同:0.69、p=0.027)よりも有意に優れていた。MEL100とMPの間には有意な差は認めなかった(同:0.86、p=0.32)。Facon氏は、「MP+サリドマイド療法を未治療の高齢多発性骨髄腫患者の治療の基準とすべき強力なエビデンスがもたらされた」と結論し、「標準的MP療法よりも優れた治療法を発見する試みは40年間も失敗してきたが、MPT療法は高齢患者に対し進歩の時代を開くものだ」と記している。(菅野 守:医学ライター)

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くすぶり型多発性骨髄腫について3つのリスク層化モデルが報告

これまで、進行や転帰の因子が明らかにされていなかった「くすぶり型多発性骨髄腫」について、新たな知見が報告された。同疾患は形質細胞の増殖異常疾患で自覚症状に乏しく、症候性多発性骨髄腫やアミロイドーシスへの進行リスクが高いとされてきたが、その進行リスクの度合いと診断基準の指標である骨髄形質細胞の割合および血清Mタンパク量との関連が見出され、予後の異なる3つのリスク層化モデルが作成できたことを、Robert A. Kyle氏らメイヨークリニックの研究グループが報告した。詳細はNEJM誌6月21日号に掲載された。276例の全経過を追跡調査この研究は、骨髄腫の国際的な研究グループIMWG(International Myeloma Working Group)が策定した、くすぶり型多発性骨髄腫の診断基準を満たした患者の診療記録を検討したもの。対象は、メイヨークリニックで1970~1995年の26年間に多発性骨髄腫と診断された3,549例のうち、くすぶり型の診断指標である骨髄形質細胞≧10%あるいは血清Mタンパク量≧3g/dLを満たす276例(8%)。診断時の年齢中央値64歳(範囲:26~90歳)、40歳以下8例、男女比62%対38%。診断指標に基づき3つのグループ(下記参照)を作り、骨髄穿刺液と生検検体の調査、および死亡に至る疾患の全過程の経過が調べられた。・グループ1(骨髄形質細胞≧10%、血清Mタンパク量≧3g/dL)・グループ2(≧10%、<3g/dL)・グループ3(<10%、≧3g/dL)骨髄形質細胞割合と血清Mタンパク量が予後に関係追跡調査は累積2131人-年行われ(範囲:0~29、中央値6.1)、そのうち163例(59%)が、症候性多発性骨髄腫(57%)またはアミロイドーシス(2%)を発症していた。疾患の全体的な進行の危険度は、最初の5年が10%/年、次の5年が3%/年、最後の10年が1%/年。進行の累積確率は、5年時51%、10年時66%、15年時73%だった。進行に関与する重大なリスク因子は、血清Mタンパクの量とタイプ、尿中L鎖の存在、骨髄形質細胞の割合、免疫グロブリンの減少にあることが明らかとなった。そして、くすぶり型から症候性への疾患進行リスクの度合いは、グループ1(106例)の進行の累計確率が15年時87%、進行までの時間は2年(中央値)、グループ2(142例)は70%、8年、グループ3(27例)は39%、19年だった。(武藤まき:医療ライター)

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