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Supraflex stent(Sahajanand Medical Technologies, Surat, India)とXience stent(Abbott Vascular, Santa Clara, CA, USA)を比較した単盲検国際多施設無作為化比較非劣性試験の結果である。Supraflex stentはultrathin struts(60μm)、biodegradable polymer等を特徴とする新世代ステントの1つである。 720症例がSupraflex群に715症例がXience群に割り付けられた。主要評価項目は1年でのcardiac death, target-vessel myocardial infarction, or clinically indicated target lesion revascularisationの複合エンドポイントである。ほとんど除外基準のないall-comerデザインで検討された。 1年での主要評価項目の発生頻度は4.9% vs.5.3%(Supraflex群vs.Xience群)で非劣性が証明された。また、ステント血栓症(definite or probable)にも群間に差を認めなかった。よって、1年までの臨床成績はSupraflex stentとXience stentで同等ということになる。 このような非劣性試験が次々に報告されるが、1年の成績によってその後の長期成績は予測できず、1年の成績には単なる経過報告の価値しかない。容認できないほどの重篤なイベントが有意に多いのでなければ、5〜10年の長期成績が出て初めて、どちらのステントを使うべきかを考える判断材料となりえる。それよりも、画像診断や病理所見から、将来問題となる可能性のある所見が認められないか、といった詳細な検討を行うことが重要であろう。 また、ultrathin strutsを持つステントにおいては、冠動脈内イメージングによって、新生内膜被覆が良好であるというメリットが指摘されているが、IVUSガイドによる至適拡張が大きく結果を向上させることを考慮すると、100%IVUSガイド下にPCIが行われた場合にもそのメリットが有意に予後改善の影響を持つか否かは、今後の検討が必要であろう。