サイト内検索|page:12

検索結果 合計:582件 表示位置:221 - 240

221.

小児アトピー性皮膚炎、精神障害との関連は?

 小児アトピー性皮膚炎(AD)と精神障害との関連について、デンマークで行われた大規模な調査結果が発表された。デンマーク・コペンハーゲン大学のI. Vittrup氏らによる検討で、病院でADと診断された児において、病院で精神障害を診断されるリスクは高くなかったが、治療リスクは高く、AD児における精神的問題は一過性で可逆的であり、軽度~中等度である可能性が示唆されたという。これまで、成人ADは不安症やうつ病との関連が示されているが、小児ADは注意欠陥多動性障害(ADHD)との関係が示唆されているものの、他の精神障害との関連性はほとんどわかっていなかった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2021年1月16日号掲載の報告。 研究グループは、1995年1月1日~2012年12月31日にデンマークで誕生したすべての児を対象に、小児におけるADと小児精神障害の診断および治療との関連を調べた。病院でADと診断された児(1万4,283例)と、ADと診断されなかった児を1対10の割合で適合抽出して分析した。 評価項目は、向精神薬の使用、病院で診断されたうつ病、不安症、ADHD、または自傷行為、不慮の死/自殺、および精神科医または心理学者への受診(コンサルテーション)であった。 主な結果は以下のとおり。・病院でのAD診断と有意な関連が観察されたのは、抗うつ薬(補正後ハザード比[aHR]:1.19、95%信頼区間[CI]:1.04~1.36)、抗不安薬(1.72、1.57~1.90)、中枢神経系の交感神経作用薬(1.29、1.18~1.42)であった。・精神科医(aHR:1.33、95%CI:1.16~1.52)または心理学者の(1.25、1.11~1.41)受診も、ADとの関連性がみられた。・一方で、うつ病(aHR:0.58、95%CI:0.21~1.56)、不安症(1.47、0.98~2.22)、自傷行為(0.88、0.27~2.88)は関連性が認められなかった。・しかし、ADHDはADとの顕著な関連が認められた(aHR:1.91、95%CI:1.56~2.32)。・絶対リスクは概して低かった。

222.

春は他人の「くしゃみ」が気になる季節/ノバルティスファーマ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が収束をみせない中で迎える花粉症の季節。花粉症の患者さんは、くしゃみや目のかゆみ、鼻水などの諸症状で、マスクを外したり、顔を不用意に触れる機会が増えそうだ。 万が一、COVID-19の感染者であった場合、周囲に感染させる恐れとなる「くしゃみ」について、ノバルティスファーマ株式会社は、「新型コロナウイルス感染症流行下における、くしゃみに対する意識・実態調査」と題し、アンケート調査を行い、その結果を発表した。 今回の調査では、人のくしゃみに対する意識や、自分自身のくしゃみに対する意識と対策について探った。アンケート調査の概要 期間:2020年12月11日~12月13日 対象:首都圏在住の20~40代の男女 調査人数:600人アンケートの概要〔回答者の花粉症状況〕・花粉症と自覚する人が56.5%・花粉症と自覚する人のうち、1~4月の期間に症状が出るという人は85.5%・「くしゃみ」が重症花粉症にあたる「1日に11回以上」の人は約半数の49.8%・花粉症と自覚する人のうち、病院で治療を受けるという人は24.2%〔くしゃみに対する意識〕・COVID-19流行後、人の「くしゃみ」が気になる度合が増した人が80.3%・場面別にみると、「電車の同じ車両内で」人が「くしゃみ」をしていると気になる人が89.5%、「飲食店内で」が87.7%、「職場のデスクで」が80.0%。一方、「家庭内で」は61.2%・「くしゃみ」をする人がマスクをしていても「変わらず気になる」という人が8.7%、「少し安心するけどやはり気になる」という人が62.3%・新型コロナウイルス感染症の流行後、自身が「くしゃみ」をした際に周囲の目が気になる度合が増した人は88.4%。家庭内では「特に気にならない」が40.3%〔新型コロナウイルス感染症流行下における花粉症への意識〕・花粉症による「くしゃみ」が人に感染させるリスクになると思う人が83.8%・花粉症の治療に前年より力を入れたいと思っている人は23.9%(特に変わらない72.6%) 以上のアンケート結果を受け、大久保 公裕氏(日本医科大学大学院医学系研究科頭頸部感覚器科学分野 教授)は、「新型コロナウイルス感染症の流行下では『くしゃみ』や『目のかゆみ』など花粉症の症状はリスクになるので、今シーズンはとにかく症状が出ないようにしなければならない。この点、7割もの人が治療に関して昨年と変わらないとしていることは心配」と不安をのぞかせるとともに、「重症花粉症の場合には、症状のひどさだけではなく、花粉量が少なくても症状が出やすく、症状を抑えるのは簡単ではないということがあるので、しっかりした対処が必要。重症度が高い患者さんの症状を抑えるための治療というのもあるので、重症度に応じた治療法を選択し、今年はしっかりと症状の発現を抑えるように努めていただきたい」と花粉症治療でのCOVID-19リスクへの対応を提案している。

223.

花粉症シーズンで新型コロナの思わぬ流行が!?これを解決するには

 いよいよ花粉症シーズンに突入する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下で類似症状を示す花粉症の見極めは非常に難しいが、医療者が留意しておくべきことは何だろうかー。この状況に先駆け、花粉症治療の第一人者である大久保 公裕氏(日本医科大学大学院医学系研究科頭頸部感覚器科学分野 教授)と、日本感染症学会理事長で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーでもある舘田 一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授)による意見交換会が2020年10月に実施された(主催:ノバルティス)。*本稿はノバルティス社の取材情報について許可を得て加筆・編集したものです。無症状感染者が花粉症による“くしゃみ”でウイルスを拡散させる!? 昨年12月9日に発表された『2021年春の花粉飛散予測(第2報)』によると、スギ花粉の飛び始めは全国的に例年並み、早い所では2月上旬から飛散すると言われている。また、飛散量は広範囲で例年より少ないものの、前シーズン比では所々で非常に多くなることが予想されている。 このようななか、COVID-19流行下での花粉症対策はこれまで以上に困難を極めると考えられる。というのは、新型コロナウイルス対策として“換気”が必要なのに対し、花粉症対策は“密閉”がそれぞれの基本姿勢であるからだ。これについて、大久保氏は「換気のために風通しを良くしている店舗では花粉が舞いやすく症状が出やすくなってしまう」と話した。これに対し、舘田氏は「主症状としてとくに注意が必要なのがくしゃみ」とし、「COVID-19患者の中には症状がなくても、咽頭にウイルスを持っている人がたくさんいる。そのような無症状感染者はくしゃみや咳などの症状がないため、本来であれば症状がある人に比べウイルスを拡散するリスクが低い。しかし、花粉症の症状が現れることでウイルスを拡散するリスクが高まる」と懸念した。  また、花粉症で顔を触る頻度が増えることもリスクの増加につながる。舘田氏は「人の手が触れるところはすべてウイルスで汚染されている可能性がある。それを触っただけでは感染は起きないが、その手を目や鼻、口に持っていくことで感染するため、花粉症で痒くなった目や鼻を触ればリスクは高まる」とも説明した。重症例は少量の花粉でも症状出現、インフルエンザ予防と同じ意識で対策を ウィズコロナ時代のなかでもこの季節の花粉症治療はとくに重要になる。大久保氏は「花粉症は治療すれば症状もかなりゼロに近づけることが可能だろう。薬物療法以外に今はアレルギー免疫療法などもあり、この治療法は 3 年間続けると、後の 5 年間は実に軽くなるということがわかっている」と述べた。 症状が出やすく、くしゃみなどの頻度も多くなりやすい重症花粉症については、大久保氏は「2020年シーズンのように飛散量が例年の5分の1であれば、軽い人は症状が出ない。しかし、重症花粉症の場合は飛散量が少なくてもすぐに症状が出てしまう。症状としては鼻を1 日に11回以上かむ、くしゃみの発作が11回以上、鼻が1日中つまるなど、どれか一つでも当てはまれば重症だと思っていい」と解説1)。 治療においては、「重症の場合にはその時だけでも症状をゼロにできるような抗体療法もある。この抗体療法は日本でしか適用はないが、それだけ日本の花粉症は重症だということ。抗体療法を含めた治療選択肢をうまく組み合わせて治療を続けていくことが、ウィズコロナの時代においては大切」とも話した。 また、大久保氏によると花粉症の有病率は人口の 40%を超えることがわかっており、日本人1億2千万人のうち3~4千万人は花粉症になっている1)。その患者たちが症状を抑えることは、大きなCOVID-19対策にもなるという。 大久保先生によると「花粉症は致死的な病気ではないため、治療しないままの患者が多い。外から見ているとくしゃみをたくさんしているような人でも、本人は毎年のことだから慣れてしまっている」という現状がある。これに対し「症状があるのに何も治療しないで、くしゃみや鼻水、涙目、目のかゆみなどを放置していると、新型コロナウイルスをほかの人にうつす可能性も高くなるため、医療機関を受診してほしい」と訴えた。舘田氏も「病院内には専門家がおり、一方通行にしたり、経路を遮断したり、換気を行ったりとリスクを抑えるために対策を行っているので、受診控えなどは避けてほしい」と話し、両氏は過剰な受診控えがかえってリスクになることを強調した。<情報交換会に関する資料提供> ノバルティスファーマ

224.

中等~重症アトピー性皮膚炎、バリシチニブ+TCSの有効性・安全性を確認

 経口JAK1/2阻害薬バリシチニブについては、外用コルチコステロイド薬(TCS)で効果不十分な中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)への単独療法の有効性および安全性が、これまでに2件の第III相試験の結果で報告されている。今回、ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのKristian Reich氏らは、バリシチニブとTCSの併用療法について検討し、中等症~重症ADに対してバリシチニブ1日1回4mg+TCSが症状を有意に改善することを明らかにした。安全性プロファイルは、バリシチニブのこれまでの試験で既報されているものと変わらなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年9月30日号掲載の報告。 研究グループは、TCS治療では効果不十分であった中等症~重症AD成人患者について、TCSを基礎療法としながらバリシチニブ4mgまたは2mg用量の有効性と安全性を評価する、二重盲検プラセボ対照第III相無作為化試験「BREEZE-AD7試験」を実施した。 試験は2018年11月16日~2019年8月22日まで、アジア、オーストラリア、欧州、南米の10ヵ国、68の医療センターで行われた。被験者は、18歳以上のTCSで効果不十分の中等症~重症AD患者であった。 被験者は無作為に3群(1対1対1)に割り付けられ、バリシチニブ1日1回2mg(109例)、同4mg(111例)、プラセボ(109例)のいずれかを16週間投与された。基礎療法として、低度~中等度効能のTCSの使用が認められた。 主要評価項目は、Validated Investigator Global Assessment for AD(vIGA-AD)スコアが16週時点の評価でベースラインから2ポイント以上改善し、0(改善)または1(ほとんど改善)を達成した患者の割合であった。 主な結果は以下のとおり。・被験者329例は、平均[SD]年齢33.8[12.4]歳、男性216例(66%)であった。・16週時点でvIGA-ADスコア0または1を達成した患者は、プラセボ群16例(15%)に対し、バリシチニブ4mg群34例(31%)、同2mg群26例(24%)であった。・対プラセボのオッズ比(OR)は、バリシチニブ4mg群2.8(95%信頼区間[CT]:1.4~5.6、p=0.004)、同2mg群1.9(0.9~3.9、p=0.08)であった。・治療関連有害事象の報告は、バリシチニブ4mg群で64/111例(58%)、同2mg群で61/109例(56%)、プラセボ群で41/108例(38%)であった。・重篤な有害事象の報告は、バリシチニブ4mg群4例(4%)、同2mg群2例(2%)、プラセボ群4例(4%)であった。・最も頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎、上気道感染症、毛包炎であった。・なお試験完了後、被験者は4週間のフォローアップもしくは拡大延長(長期)試験に登録された。

225.

新型コロナ流行時に喘息入院が減少、生活様式の変化が奏功か

 COVID-19を巡っては、呼吸器系疾患を有する人で重症化しやすいことがこれまでの研究で明らかになっており、COVID-19流行当初、喘息の入院患者数が増加する可能性が危惧されていた。ところが実際は、国内におけるCOVID-19流行期間の喘息入院患者数が例年よりも大きく減少していたことがわかった。東京大学の宮脇 敦士氏らの研究チームが、メディカル・データ・ビジョンの保有する大規模診療データベースを用い、同社の中村 正樹氏、慶應義塾大学のニ宮 英樹氏との共同研究から明らかにした。研究をまとめた論文は、2020年10月13日付(日本時間)でThe Journal of Allergy and Clinical Immunology:In Practice誌オンライン版に掲載された。 本研究では、2017年1月〜2020年5月、喘息による入院患者数の週ごとの推移が継続的に観察できた全国272のDPC病院を対象に調査を実施した。その結果、例年春先(第9週=3月上旬以降)から初夏にかけて、喘息の入院患者数は増加する傾向にあるにもかかわらず、今年は逆に減少する傾向だったことが認められた。年および週によるトレンドを統計学的に調整した分析では、2020年第9週以降の喘息による平均入院患者数は、2017年から2019年の同時期と比べ0.45倍(95%信頼区間:0.37~0.55、p<0.001)だった。この傾向は18歳未満の子ども、成人共に認められた。 本結果の分析として、COVID-19感染を防ぐための個人レベルの衛生対策(外出時のマスク装着など)が、呼吸器のウイルス感染や花粉などのアレルゲンおよび大気汚染物質など喘息増悪の強力な要因への曝露を減らした可能性を挙げている。また、COVID-19の蔓延が喘息発作を増加させる可能性があるという当初の懸念は、禁煙やアドヒアランスの向上、アレルゲンを除去するための掃除頻度の向上など、予防行動を促進したのではないかと指摘している。さらに、地域レベルの予防策(学校閉鎖、大規模な集会の中止、在宅勤務の促進)や、経済的閉鎖に関連した大気汚染の減少も奏功した可能性があるという。 著者らは、本研究について、個人や社会が生活様式を変えることにより喘息入院の大部分を予防できる可能性を示唆しており、喘息の良好なコントロールのために予防行動や生活環境への配慮が重要であることが再認識されたと述べている。

226.

Dr.水谷の妊娠・授乳中の処方コンサルト

第1回 【妊娠中】解熱鎮痛薬・抗菌薬・抗インフルエンザ薬第2回 【妊娠中】抗てんかん薬・抗うつ薬・麻酔薬第3回 【妊娠中】β刺激薬・チアマゾール・レボチロキシン第4回 【妊娠中】経口血糖降下薬・ワルファリン・制酸薬第5回 【妊娠中】抗リウマチ薬・抗アレルギー薬・タクロリムス外用薬第6回 【妊娠中】漢方薬・CT,MRI検査・悪性疾患の治療方針第7回 【授乳中】解熱鎮痛薬・抗菌薬・抗ウイルス薬第8回 【授乳中】抗てんかん薬・向精神薬・全身麻酔第9回 【授乳中】胃腸薬・降圧薬・抗アレルギー薬第10回 【授乳中】ステロイド・乳腺炎への対処・造影検査後の授乳再開 臨床では妊娠中・授乳中であっても薬が必要な場面は多いもの。ですが、薬剤の添付文書を見ると妊婦や授乳婦への処方は禁忌や注意ばかり。必要な治療を行うために、何なら使ってもいいのでしょうか?臨床医アンケートで集めた実際の症例をベースとした30のQ&Aで、妊娠中・授乳中の処方の疑問を解決します。産科医・総合診療医の水谷先生が、実臨床で使える、薬剤選択の基準の考え方、そして実際の処方案を提示します。第1回 【妊娠中】解熱鎮痛薬・抗菌薬・抗インフルエンザ薬臨床医アンケートで集めた妊婦・授乳婦への処方の疑問を症例ベースで解説・解決していきます。初回は、妊娠中の解熱鎮痛薬、抗菌薬、抗インフルエンザ薬の選択についてです。明日から使える内容をぜひチェックしてください。第2回 【妊娠中】抗てんかん薬・抗うつ薬・麻酔薬妊娠を機に服薬を自己中断してしまう患者は少なくありません。そして症状の悪化とともに受診することはよくあります。今回は抗てんかん薬、抗うつ薬の自己中断症例から妊娠中の薬剤選択について解説します。緊急手術時に必須の麻酔薬の処方についても必見です。第3回 【妊娠中】β刺激薬・チアマゾール・レボチロキシン喘息は妊娠によって症状の軽快・不変・増悪いずれの経過もとりえます。悪化した場合にβ刺激薬やステロイド吸入など一般的な処方が可能のか?甲状腺関連の疾患では妊娠の希望に応じて、バセドウ病患者はチアマゾールを継続していいのか?橋本病ではレボチロキシンを変更すべきなのか?といった実臨床で遭遇する疑問を解決します。第4回 【妊娠中】経口血糖降下薬・ワルファリン・制酸薬今回のクエスチョンは弁置換術既往の妊婦の抗凝固薬選択。ワルファリンからヘパリンへの変更は適切なのでしょうか?降圧薬の選択では妊娠週数に応じて使用可能な薬剤が変わる点を必ず押さえましょう!そのほか、妊娠中の内視鏡検査の可否とその判断、2型糖尿病の薬剤選択についても取り上げます。2型糖尿病管理は、薬剤選択とともに血糖管理目標についてもチェックしてください。第5回 【妊娠中】抗リウマチ薬・抗アレルギー薬・タクロリムス外用薬膠原病があっても妊娠を継続するにはどのような薬剤選択が必要なのでしょうか?メトトレキサートや抗リウマチ薬の処方変更について解説します。花粉症症状に対する抗アレルギー薬処方、アトピー性皮膚炎へのタクロリムス外用薬の継続可否など、臨床で頻用される薬剤についての解説もお見逃しなく。第6回 【妊娠中】漢方薬・CT,MRI検査・悪性疾患の治療方針妊娠中に漢方薬を希望する患者は多いですが、どういうときに漢方薬を使用すべきなのでしょうか?上気道炎事例を入り口に、妊婦のよくある症状に対する漢方薬の処方について解説します。CTやMRIの適応判断に必要な放射線量や妊娠週数に応じたリスクを押さえ、がん治療については永久不妊リスクのある治療をチェックしておきましょう。第7回 【授乳中】解熱鎮痛薬・抗菌薬・抗ウイルス薬今回から授乳中の処方に関する質問を取り上げます。授乳中処方のポイントはRID(相対的乳児投与量)とM/P比(母乳/母体濃度比)。この2つの概念を理解して乳児への影響を適切に検討できるようになりましょう。今回取り上げるのは、解熱鎮痛薬、抗菌薬、抗インフルエンザ薬といった日常診療に必要不可欠な薬剤。インフルエンザについては、推奨される薬剤はもちろん、家庭内での感染予防に対する考え方なども必見です。第8回 【授乳中】抗てんかん薬・向精神薬・全身麻酔ほとんどの母親は服薬中も授乳継続を希望します。多くの薬剤は添付文書上で授乳中止が推奨されていますが、実は授乳を中断しなくてはならないケースはあまり多くありません。育児疲労が増悪因子になりやすい、てんかんや精神疾患について取り上げ、こうした場合の対応を解説します。治療と母乳育児を継続するための、薬剤以外のサポートについても押さえておきましょう。第9回 【授乳中】胃腸薬・降圧薬・抗アレルギー薬授乳中の処方で気を付けるべきは、薬剤の児への移行だけではありません。見落としがちなのが、乳汁分泌の促進・抑制をする薬剤があるということ。症例ベースのQ&Aで、胃腸薬、降圧薬、抗アレルギー薬など日ごろよく処方する薬の注意点を解説していきます。OTC薬で気を付けるべき薬剤やピロリ菌除菌の可否なども押さえておきましょう。第10回 【授乳中】ステロイド・乳腺炎への対処・造影検査後の授乳再開ステロイド全身投与で議論になるのは児の副腎抑制と授乳間隔。どちらも闇雲に恐れる必要はありません。乳腺炎については、投与可能な薬剤だけでなく再発を予防するための知識を押さえておきましょう。造影剤使用後の授乳再開については日米での見解の違いを臨床に活かすための知識を伝授します。

227.

第26回 悪玉細菌を減らす常在細菌ロゼオモナスの塗布でアトピー性皮膚炎が改善

プラセボ群なしの非盲検第I/II相試験の結果、健康なヒトの皮膚に備わっていることが多いグラム陰性細菌・Roseomonas mucosa(以下、ロゼオモナス)を塗布した軽度~重度のアトピー性皮膚炎小児20人中18人が病状指標EASIの半減(EASI-50)を達成しました1~3)。中等~重度の小児に限ると9人全員(100%)がEASI-50に至りました。Science Translational Medicine誌に掲載された今回の総ざらい報告に先立ち、2年前の2018年には途中結果が報告されています4,5)。2年前の報告では、健康なヒトの皮膚から集めたロゼオモナスを塗布した9~14歳の小児5人と成人10人のアトピー性皮膚炎改善効果が認められました。また、ロゼオモナスはアトピー性皮膚炎の進展に寄与するらしい黄色ブドウ球菌を減らしました。その後小児15人がさらに加わり、3~16歳の小児全部で20人にロゼオモナスが投与された最終結果が今回報告され、2018年の発表と同様に病状は改善し、効果は投与を終えてから長ければ8ヵ月後の観察時点まで持続しました。皮膚の黄色ブドウ球菌の減少も確認されました。また、ロゼオモナスが作る脂質がどうやらアトピー性皮膚炎治療効果に寄与していることが新たに判明しています。ロゼオモナス治療の権利は米国カリフォルニア州拠点のForte Biosciences社に付与され、同社はFB-401という名称でその治療の開発を進めています。間もなく今月中には軽~中等度のアトピー性皮膚炎を患う2歳以上の小児や成人が参加するプラセボ対照第II相試験がいよいよ始まります1)。ロゼオモナスの効果はアトピー性皮膚炎のみに限定されるわけではなさそうで、他の皮膚疾患へのFB-401の試験もやがて実施されるかもしれません。たとえば、顔の皮膚の炎症を特徴とする酒さの患者の皮膚のロゼオモナスもアトピー性皮膚炎患者と同様に乏しいことが最近の試験6)で確認されており、FB-401を試してみる価値がありそうです。アトピー性皮膚炎の治療効果を担いうる細菌は他にもあり、スタフィロコッカス ホミニス(S. homini)はロゼオモナスと同様にアトピー性皮膚炎患者皮膚の黄色ブドウ球菌を強力に抑制しうることが確認されています7)。それらの有益と思しき細菌を減らす恐れがある環境要因の検討によると、スキンケア製品におなじみの防腐剤パラベンは健康な皮膚のロゼオモナスを増えにくくします4)。また、保湿剤はアトピー性皮膚炎に使うことが一般的に推奨されていますが、それらの幾つかも健康な皮膚のロゼオモナスの増殖をより阻害しました。それらの製品はアトピー性皮膚炎の悪化を招いたりロゼオモナスなどの微生物塗布治療の効果を妨げてしまうかもしれません5)。実際、パラベンとアトピー性皮膚炎の関連が東京の国立成育医療研究センターの小児患者138人を調べた研究で示されています8)。ほとんどの小児(85%;117/138人)はパラベン含有製品を使っており、それら製品の使用とアトピー性皮膚炎が関連し、アトピー性皮膚炎小児の尿中にはパラベンがより多く含まれていました。これまでの前臨床実験や臨床試験成績を総括するに黄色ブドウ球菌を減らすロゼオモナスやS. hominiなどの常在細菌によるアトピー性皮膚炎治療の検討の価値は大いにあり9)、Forte社が今月中に始めるプラセボ対照試験はアトピー性皮膚炎の細菌治療の力量を示すひとまずの試金石となるでしょう。参考1)Forte Biosciences, Inc. Announces Full Publication of Phase 1/2 Data in Science Translational Medicine / BUSINESS WIRE2)Probiotic skin therapy improves eczema in children, NIH study suggests / Eurekalert3)Myles IA,et al. Sci Transl Med. 2020 Sep 9;12 [Epub ahead of print]4)Myles IA,et al.JCI Insight. 2018 May 3;3. [Epub ahead of print]5)Bacteria Therapy for Eczema Shows Promise in NIH Study6)Rainer BM, et al. Am J Clin Dermatol. 2020 Feb;21:139-147. 7)Nakatsuji T, et al. Sci Transl Med. 2017 Feb 22;9: [Epub ahead of print]8)Mitsui-Iwama M, et al. Asia Pac Allergy. 2019 Jan 21;9:e5. [Epub ahead of print]9)Paller AS, et al. J Allergy Clin Immunol. 2019 Jan;143:26-35.

228.

バリシチニブ、中等~重症アトピー性皮膚炎への単剤有効性・安全性を確認

 経口JAK1/2阻害薬は、COVID-19重症患者のサイトカインストーム治療に有用と報告されている。その1つ、経口JAK1/2阻害薬バリシチニブは、わが国を含め70ヵ国で関節リウマチの治療薬として承認されているが、外用コルチコステロイド薬で効果不十分な中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)への同薬剤の有効性と安全性を検討した、米国・オレゴン健康科学大学のE. L. Simpson氏らによる、2件の第III相試験の結果が報告された。投与16週以内で臨床徴候と症状の改善が認められ、かゆみが速やかに軽減、安全性プロファイルは既知の所見と一致しており、新たな懸念は認められなかったという。これまで第II相試験において、バリシチニブと外用コルチコステロイド薬の併用が、ADの重症度を軽減することが示されていた。British Journal of Dermatology誌2020年8月号掲載の報告。 外用コルチコステロイド薬で効果不十分な中等症~重症AD患者に対する、バリシチニブの有効性と安全性の評価は、2件の多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較プラセボ対照試験「BREEZE-AD1試験(2017年11月~2019年1月)」「BREEZE-AD2試験(2017年11月~2018年12月)」で検討された。 試験は欧州、アジア、中南米、オーストラリアの173施設で実施。中等症~重症AD成人患者を4群(1日1回のプラセボ、バリシチニブ1mg/2mg/4mg)に、2対1対1対1の割合で無作為に割り付けた(地域、ベースラインの疾患重症度による層別化も施行)。 有効性の主要エンドポイントは、バリシチニブ4mgまたは2mgのプラセボに対する優越性で、ベースラインから16週目にValidated Investigator's Global Assessment(vIGA)-ADスコアが2ポイント以上改善し、0(改善)または1(ほとんど改善)を達成した患者の割合で評価した。vIGA-ADは5段階評価(0[改善]~4[重症])で、医師の全体的な疾患重症度の印象で評価する。 主な結果は以下のとおり。・BREEZE-AD1試験(AD1)には624例、BREEZE-AD2試験(AD2)には615例が登録された。ベースラインの被験者特性は、割付治療群間で類似していた(平均年齢:AD1:35~37歳、AD2:33~36歳、女性の割合:33.3~40.6%、33.3~47.2%など)。ベースラインのvIGA-ADスコア4の被験者割合は、AD1が40%、AD2が50%だったが、EASIおよびSCORADスコアは同等であった。4mg群とプラセボ群は試験中断率が低く、試験完遂率はAD1が86.9%、AD2が88.0%だった(これらの被験者は、長期追跡の延長試験BREEZE-AD3試験に組み込まれている)。・16週時点で2試験ともに、4mg群と2mg群がプラセボ群と比べて、主要エンドポイントを達成した患者割合が有意に高率であった。・AD1では、プラセボ群4.8%に対し、バリシチニブ4mg群16.8%(プラセボ比較とのp<0.001)、2mg群11.4%(p<0.05)、1mg群11.8%(p<0.05)。AD2では、プラセボ群4.5%に対し、バリシチニブ4mg群13.8%(p=0.001)、2mg群10.6%(p<0.05)、1mg群8.8%(p=0.085)であった。・かゆみの改善は、4mg群は1週目から、2mg群は2週目からと、早期に達成された。・夜間覚醒、皮膚の疼痛、QOLの改善は、4mgと2mgの両方で1週目に観察された(すべての比較のp≦0.05)。・バリシチニブ投与群で最も頻度の高かった有害事象は、鼻咽頭炎、頭痛であった。・すべての用量のバリシチニブ投与群で、心血管イベント、静脈血栓塞栓症、消化管穿孔、重大な血液学的変化、死亡は観察されなかった。

229.

アトピー性皮膚炎の聖書【Dr.倉原の“俺の本棚”】第34回

【第34回】アトピー性皮膚炎の聖書満を持しての登場。著者の堀向 健太先生は、通称ほむほむ先生として有名です。個人的にもよくメッセージをやりとりしているので、ずうずうしくも「ぼくの知り合い」だと勝手に思っています。彼の尊敬できるところは、「優しさとデータのバランス」です。私みたいに頭でっかちのエビデンスマンだと、いささか人格に支障がありますが(笑)、彼は恐ろしい数の論文を読みながら、たくさんの子供から「ほむほむ先生大好き」という手紙をもらっているのです。優しさが滲み出過ぎていて、嫉妬すら覚えるレベルです。ちきしょう、羨ましいぞ!くらくら先生にも、誰かファンレターください!『マンガでわかる!子どものアトピー性皮膚炎のケア』堀向 健太(文)・青鹿 ユウ(画)/著. 内外出版社. 2020年青鹿 ユウ先生のスーパープリティなマンガとともに、アトピー性皮膚炎のベーシックな話が進んでいくわけですが、おそるべきは、ほむほむ先生の情熱・魂です。上述したように、彼はとことんエビデンスを突き詰める小児科医で、参考文献の数がものすごい数になっています。「参考文献の数が最も多い漫画」としてギネスに認定してもらってください、ぜひとも。アトピー性皮膚炎に対するステロイドのエビデンスから、入浴、布団の管理にいたるまで、至れり尽くせりココに極まれり。とくに、ステロイド軟膏に関する項目は必見。ステロイド軟膏って、まだまだ一般の人の恐怖心が大きいですし、アトピー性皮膚炎の子供を持っている親で、「ステロイドは使わない」と決めている家庭もあるでしょう。そういう人に対して有効性を説明をしても、心を開いてもらうのはなかなか難しい。そんなとき、この本ですよ。何なら、この本を渡しちゃえばいいんじゃないかって。そのくらいのクオリティです。この書籍の読者層は、アトピー性皮膚炎で悩む親ですが、小児科医や皮膚科医以外の医師が読んでも勉強になります。とくに、プライマリ・ケア医や小さなお子さんがいるドクターは必携じゃないでしょうか。「ほむほむ、なるほど」と唸る1冊。おあとがよろしいようで。『マンガでわかる!子どものアトピー性皮膚炎のケア』堀向 健太(文)・青鹿 ユウ(画) /著出版社名内外出版社定価本体1,500円+税サイズ四六判刊行年2020年

230.

入院中の成人アトピー性皮膚炎患者、全身性感染症リスク増大

 成人アトピー性皮膚炎(AD)と全身性感染症との関連について、デンマーク・コペンハーゲン大学のCatherine Droitcourt氏らが全国規模のコホート研究を行った結果、入院治療中のAD患者において全身性感染症のリスクが増大していることが明らかになった。ADと全身性感染症との関連は指摘されていたが、これまでに行われた大規模研究はわずかで、関連性は明確にはなっていなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年8月1日号掲載の報告。 研究グループは成人AD患者について、入院治療と関連した全身性感染症リスクの上昇が認められるかどうかを調べるため、全国レジストリベースのコホート研究を行った。 被験者は1995~2017年にレジストリに登録されたデンマーク成人。Coxモデルを用いて、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出し、評価した。 主な結果は以下のとおり。・成人AD患者1万602例(年齢中央値29.8歳、IQR:22.6~44.8)と、参照対照群10万6,020例を対象に評価を行った。・全身性感染症の全罹患率は、1万人年当たり、成人AD群180.6(95%CI:172.6~189.0)、参照対照群120.4(118.3~122.5)であった。・ADと全身性感染症の関連は、筋骨格系(補正後HR:1.81、95%CI:1.42~2.31)、心臓(1.75、1.21~2.53)、上気道感染症(1.42、1.15~1.73)および下気道感染症(1.21、1.10~1.33)で観察された。・敗血症(補正後HR:1.19、95%CI:1.01~1.44)、皮膚感染症(2.30、2.01~2.62)のリスク上昇も認められた。 なお著者は、「本所見は、病院外で認められる成人の軽症AD患者に一般化することはできない限定的なものである」としている。

231.

マスク・手袋などのPPEによる皮膚疾患をどう防ぐか

 COVID-19感染流行の長期化に伴い、フェイスマスク・手袋をはじめとした個人用防護服(PPE)の長期着用を要因とした医療者の皮膚疾患が報告されている。こうした皮膚疾患への対応と予防策について、Seemal R. Desai氏らがJournal of the American Academy of Dermatology誌のリサーチレターで提言している。 サージカルマスク・N95マスク・ゴーグル・フェイスシールドなどのPPEは、マスク表面やストラップの摩擦によって耳の後ろや鼻梁、あるいは顔全体に接触皮膚炎を引き起こす、という報告がある。 さらに、マスクに使用されている接着剤、ストラップのゴム、不織布のポリプロピレン、クリップの金属などが接触皮膚炎や蕁麻疹を引き起こす、密着性の高いN95マスクが皮膚を痛める、さらにマスク装着時にこもる湿気が皮膚炎や感染症を引き起こす、といった可能性もある。 提唱されている予防策は、・サージカルマスクは、ストラップの触れる耳の後ろにアルコールフリーのドレッシング材を貼る。・N95マスクは、アルコールフリーのバリアフィルム(スプレータイプではないもの)をマスクが直接接触する部分に貼り、着用前に90秒間乾燥させる。顔のサイズに合ったマスクを使い、顔に過度の圧力をかけないようにする。 いずれの場合でも、朝と就業後に無香料で毛穴が詰まりにくい洗顔料で顔を洗う、2時間に1回、15分間はマスクを外す時間を設ける、装着1時間前には保湿剤で顔を保湿する、といったことが推奨されている。ワセリンベースの製品はマスクの密着性を妨げる可能性があるため推奨されていない。 米国疾病予防管理センター(CDC)によると、全医療者における職業病の10~15%を接触皮膚炎が占めており、中でも手袋に関連するアレルギー性皮膚炎が多い。保湿を行い、PPE使用前に手を清潔にしてよく乾かすことが、皮膚疾患に対しての共通した予防策になるという。

232.

事例008 特異的IgE半定量・定量の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説今回事例は、「D015 13 特異的IgEの査定」です。39種類の実施は、“View39”とも称され、気管支喘息、鼻アレルギー、蕁麻疹アトピー性皮膚炎などのI型アレルギー疾患を誘発するアレルギー抗原を特定するために使用されます。これは査定が多い検査の1つです。今回のようにアレルギー性皮膚炎が確定していない状態では、検査の適応がないとして、病名不足もしくは病名不備を理由にA事由(医学的に適応と認められないもの)として査定されたものです。I型アレルギー以外の検査適応病名がレセプトに記載されていたとしても、同月実施などの検査間隔が短い場合や、項目の重複は査定対象となります。医学的な妥当性がレセプト内容から読み取れるように、あらかじめ病名の追加や症状詳記の記載が査定対策として必要です。また、医学的理由を記載した後に2回目の実施の場合、血液採取料が算定されていないと同一検体からの実施と判断され、検査項目の重複部分は査定対象となります。これらの点は常にご留意ください。

233.

中等~重症アトピー性皮膚炎へのabrocitinib、第III相試験結果/Lancet

 中等症~重症アトピー性皮膚炎の青年および成人患者の治療において、経口選択的JAK1阻害薬abrocitinibの1日1回投与は、プラセボに比べ有効性が優れ、忍容性も良好であることが、米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが行った「JADE MONO-1試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年7月25日号に掲載された。中等症~重症アトピー性皮膚炎の全身療法では、高い有効性と良好なベネフィット・リスクプロファイルを有する経口薬が求められているという。abrocitinibは、第IIb相試験で、中等症~重症アトピー性皮膚炎の成人患者における有効性と良好な忍容性が報告されている。JADE MONO-1試験ではabrocitinibの2用量をプラセボと比較 JADE MONO-1試験は、オーストラリア、カナダ、欧州、米国の69施設が参加した二重盲検無作為化第III相試験であり、2017年12月~2019年3月の期間に患者登録が行われた(Pfizerの助成による)。 JADE MONO-1試験の対象は、年齢12歳以上、体重40kg以上の中等症~重症のアトピー性皮膚炎の患者であった。アトピー性皮膚炎は、医師による皮膚症状重症度の全般評価[IGA]スコア≧3点、湿疹面積・重症度指数[EASI]≧16点、アトピー性皮膚炎に罹患した体表面積(BSA)≧10%、最高そう痒数値評価尺度(PP-NRS)スコア≧4点と定義された。 被験者は、abrocitinib 100mg、同200mgまたはプラセボを1日1回投与する群に2対2対1の割合で無作為に割り付けられ、12週の治療を受けた。患者、担当医、研究資金提供者には、治療割り付け情報は知らされなかった。 複合主要エンドポイントは、12週の時点におけるIGAスコアが1点(0点:病変消失、1点:ほぼ消失)以下かつベースラインから2点以上低下した患者の割合(IGA≦1達成割合)と、EASIスコアがベースラインから75%以上改善した患者の割合(EASI-75達成割合)とした。有効性は最大の解析対象集団(FAS、試験薬の投与を1回以上受けた患者)で、安全性は無作為化の対象となったすべての患者で評価された。JADE MONO-1試験でabrocitinibが有意に優れた結果 JADE MONO-1試験には387例が登録され、100mg群に156例(平均年齢32.6、18歳未満22%、男性58%)、200mg群に154例(33.0歳、21%、53%)、プラセボ群には77例(31.5歳、22%、64%)が割り付けられた。全体の59%が中等症、41%が重症であった。全例が試験薬の投与を少なくとも1回受けた。 12週時のIGA≦1達成割合は、100mg群が24%(37/156例)と、プラセボ群の8%(6/76例)に比べて有意に高く(p=0.0037)、200mg群は44%(67/153例)であり、プラセボ群との間に有意差が認められた(p<0.0001)。 また、12週時のEASI-75達成割合も、100mg群(40%[62/156例]vs.プラセボ群12%[9/76例]、p<0.0001)および200mg群(63%[96/153例]vs.12%[9/76例]、p<0.0001)のいずれもが、プラセボ群に比べ有意に良好であった。 JADE MONO-1試験の主な副次エンドポイント(2、4、12週時のPP-NRS、12週時のアトピー性皮膚炎のそう痒・症状評価[PSAAD]総スコアのベースラインからの変化)についても、100mg群および200mg群のいずれもが、プラセボ群と比較して有意に優れた。 有害事象は、100mg群が69%(108/156例)、200mg群が78%(120/154例)、プラセボ群は57%(44/77例)で報告された。頻度の高い治療関連有害事象として、悪心(100mg群9%、200mg群20%、プラセボ群3%)、鼻咽頭炎(15%、12%、10%)、頭痛(8%、10%、3%)などが認められた。治療関連の単純ヘルペスウイルス感染症は、100mg群1例、200mg群3例で、帯状疱疹はそれぞれ1例および2例で、口腔ヘルペスは3例および1例で発現した。また、重篤な有害事象の発生率は、それぞれ3%(5/156例)、3%(5/154例)、4%(3/77例)であった。治療関連死の報告はなかった。 著者は、「abrocitinibは、外用薬による局所療法でコントロールされない、12歳以上の中等症~重症アトピー性皮膚炎患者の治療において、有望な新規の経口全身療法薬となる可能性がある」としている。

234.

Dr.安部の皮膚科クイズ 中級編

第1回 その皮疹はいつからあるか?第2回 痒みがあるとは限らない第3回 患者にやめさせるべき習慣第4回 片側か両側か、それが問題だ第5回 コモンな所見ほど、入念な診察が必要第6回 触ってみるとわかる疾患 内科で見かける皮膚症状の特徴をクイズ形式で紹介するDr.安部の皮膚科クイズ。中級編では、遭遇頻度が高いけれど正しい判断が難しいトリッキーな症例12問を出題。1問5分で皮膚疾患がもっとわかるようになるクイズに挑戦してください!第1回 その皮疹はいつからあるか?Dr.安部の皮膚科クイズ中級編は、内科での遭遇頻度が高く、かつ鑑別の難しい症例を取り上げていきます。第1問の所見は手指にできた黒い黒子のようなもの。患者はがんを心配していますが、皮膚科医は「いつからあるか」を聞いて、鑑別疾患を3つ考えます。第2問は大量のフケを主訴に来院した若年男性。1問5分で、診断・治療・紹介のタイミングまで、内科で必要十分な皮膚疾患の理解を深めていきます!第2回 痒みがあるとは限らない第3問の所見は腹部の皮疹と、日常生活に支障を来すほどの落屑。第4問は痒みや痛みのないぷっくり膨れた皮疹。皮疹の性状と主訴を組み合わせて正解を導いてください!第3回 患者にやめさせるべき習慣第5問は、アトピー性皮膚炎の女性。頸部に生じたアトピーが悪化した原因を3つの選択肢から選んでください。第6問は過去に化粧品が原因で社会現象になったこともある疾患。治癒過程で生じる変化を知っておきましょう。第4回 片側か両側か、それが問題だ第7問の所見は、手掌にできた大量の皮疹。考えられる疾患3つの違いを挙げ、診断の決め手になる質問を解説します。第8問は口唇の水疱。口唇ヘルペスと即断しがちですが、皮疹がある部位を確認して、考慮すべき鑑別疾患が2つあります。これらの違いを知り、吟味するトレーニングを番組でしていきましょう。第5回 コモンな所見ほど、入念な診察が必要第9問の所見は腹部に集簇する小水疱。第10問は腹部の色素沈着。第9問では誰もが疑うあの疾患を確実に診断するコツを、第10問では鑑別に挙がる2つの疾患の違いを、それぞれ短時間で解説します。第6回 触ってみるとわかる疾患第11問の所見は、耳の後ろにできた白い膨らみ。第12問は顔面にできた堤防状の腫瘍。第11問は番組をご覧の先生も持っていてもおかしくないくらい頻度の高い疾患です。診断のポイントになる触診について、短時間で解説していきます。

235.

成人アトピーは糖尿病を引き起こす?

 アトピー性皮膚炎(AD)は糖代謝に影響を及ぼすのか。デンマーク・コペンハーゲン大学のLise Gether氏らは、ADの成人において、インスリン感受性の低下やその他の糖代謝異常が認められるかを調べるため、経口糖負荷検査(OGTT)と高インスリン正常血糖クランプ法を用いて検討した。結果として、健康成人との間に違いはなかったことが報告され、著者は、「炎症性皮膚疾患であるADは、糖代謝にほとんどあるいはまったく影響しないことが示唆される」と述べている。疫学研究では、一般集団と比較して、ADの成人における2型糖尿病の発生の増加が示されている。Diabetes Obesity and Metabolism誌オンライン版2020年7月20日号掲載の報告。 検討では、非肥満、非糖尿病でADが軽症~中等症の成人16例(AD群)と、性別・年齢・BMI適合の健康成人16例(対照群)を対象とし、消化管・膵ホルモンについて頻回な採血による高インスリン正常血糖クランプ法(インスリン注入速度40mU/m2/分)とOGTTを行った。 主な結果は以下のとおり。・両群は、年齢(平均±平均の標準誤差:33±3 vs.33±3歳)、性別(女性:56%)、BMI(24.5±0.7 vs.24.4±0.7)、身体活動度、空腹時血糖値およびHbA1cが類似していた。・AD群は、EASI(Eczema Area and Severity Index)の平均スコア8.5±1.0(中等度)、ADの平均罹患期間28±3年であった。・OGTT中のcirculatingグルコース、インスリン、C-ペプチド、グルカゴン、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドはそれぞれ両群間で同等であり、グルカゴン様ペプチド-1はAD群で上昇した。・クランプ法の結果は、インスリン感受性(M値:9.2±0.6 vs.9.8±0.8、p=0.541、95%信頼区間:-1.51~2.60)、circulatingインスリン、C-ペプチド、グルカゴンについて、両群間で差がないことを示した。

236.

COVID-19、31ヵ国716例にみる皮膚科症状の特徴は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、特徴的な皮膚科症状が認められると伝えられている。米国・ハーバード大学医学大学院/マサチューセッツ総合病院皮膚科部門のEsther E. Freeman氏らは、それらの皮膚科症状を特徴付け、根底にある病態生理の解明を促進する目的で、国際レジストリの症例集積研究を行った。その結果、多くの症状は非特異的であったが、COVID-19の病態生理における潜在的な免疫や炎症性反応の解明に役立つ可能性がある知見が得られたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年7月2日号掲載の報告。 研究グループは、米国皮膚科学会および国際皮膚科学会連盟の国際レジストリを用いて症例集積研究を行い、COVID-19が確認または疑われ、新規発症の皮膚科症状が認められた患者のデータを分析した。 主な結果は以下のとおり。・レジストリから、COVID-19確認/疑い症例716例が収集された。・検査でCOVID-19が確認された患者は171例であった。・そのうち最も一般的に認められた皮膚科症状の形態的特徴は、麻疹様(22%)で、次いでペルニオ様(18%)、蕁麻疹(16%)、黄斑紅斑(13%)、小胞(11%)、扁平上皮丘疹(9.9%)、網状紫斑(6.4%)であった。・ペルニオ様病変は、疾患が軽症の患者で一般的に認められた。・網状紫斑は、入院を要した患者にのみ認められた。・なお、著者らは、「本検討では発生率や有病率を推定できず、またバイアスの確認が必要という点で結果は限定的である」としている。

237.

「キンダベート」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第9回

第9回 「キンダベート」の名称の由来は?販売名キンダベート軟膏0.05%一般名(和名[命名法])クロベタゾン酪酸エステル(JAN)効能又は効果アトピー性皮膚炎(乳幼児湿疹を含む)顔面、頸部、腋窩、陰部における湿疹・皮膚炎用法及び用量通常1日1~数回適量を患部に塗布する。なお、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌】(次の場合には使用しないこと)(1)本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者(2)鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒が遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある](3)潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある]【原則禁忌】(次の場合には使用しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に使用すること) 細菌、真菌、ウイルス皮膚感染症(病期あるいは症状に応じて使用すること)[感染を悪化させるおそれがある]※本内容は2020年7月22日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年4月改訂(第6版)医薬品インタビューフォーム「キンダベート軟膏0.05%」2)GSK:製品情報

238.

アトピーのそう痒、nemolizumab+外用薬で改善/NEJM

 アトピー性皮膚炎の治療において、nemolizumabと外用薬の併用は、プラセボと外用薬の併用に比べそう痒が大幅に減少し、湿疹面積・重症度指数(EASI)スコアや皮膚科学的生活の質指数(DLQI)も良好であるが、注射部位反応の発現率はnemolizumabで高いことが、京都大学の椛島 健治氏らが実施した「Nemolizumab-JP01試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年7月9日号に掲載された。nemolizumabは、アトピー性皮膚炎のそう痒と炎症に関与するインターロイキン(IL)-31受容体Aのヒト化モノクローナル抗体であり、投与は皮下注射で行われる。本薬は、第II相試験でアトピー性皮膚炎の重症度を軽減すると報告されている。そう痒の低減効果を評価する日本の無作為化第III相試験 本研究は、アトピー性皮膚炎と中等度~重度のそう痒がみられ、外用薬に対する反応が不十分な日本人患者を対象とする16週間の二重盲検無作為化第III相試験で、2017年10月に開始され、2019年2月にデータ解析が行われた(マルホの助成による)。 被験者は、外用薬併用下に、nemolizumab(60mg)を4週ごとに16週まで皮下投与する群、またはプラセボを投与する群に2対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは,そう痒の視覚アナログ尺度(VAS)のスコア(0~100点、点数が高いほどそう痒が重度)のベースラインから16週目までの平均変化率とした。 副次エンドポイントは、4週目までのそう痒VASスコアの変化率の推移、EASIスコア(0~72点、点数が高いほど重症)の変化率、DLQIスコア(0~30点、点数が高いほど日常生活への影響が大きい)が4点以下の患者の割合、不眠重症度指数(ISI)スコア(0~28点、点数が高いほど重症)が7点以下の患者の割合、および安全性などであった。有害事象の頻度は同じ、多くが軽度~中等度 215例が登録され、nemolizumab群に143例(年齢中央値39.0歳[範囲:13~73]、男性65%)、プラセボ群には72例(40.5歳[13~80]、67%)が割り付けられた。ベースラインのそう痒VASスコアの中央値は75.4点、EASIスコア中央値は23.2点であった。全例が事前に外用薬の投与を受けており、88%は経口抗ヒスタミン薬を投与されていた。 16週の時点で、そう痒VASスコアのベースラインからの最小二乗平均の変化率は、nemolizumab群が-42.8%と、プラセボ群の-21.4%に比べ有意に改善された(群間差:-21.5ポイント、95%信頼区間[CI]:-30.2~-12.7、p<0.001)。また、4週までのそう痒VASスコアの平均変化率は、nemolizumab群が−34.4%であり、プラセボ群の−15.3%に比し良好であった(-19.3ポイント、-26.6~-11.9)。 16週までのEASIスコアの平均変化率(nemolizumab群:-45.9% vs.プラセボ群:-33.2%、群間差:-12.6%、95%CI:-24.0~-1.3)、16週時にDLQIスコア≦4点の患者の割合(40% vs.22%、17%、2~31)、16週までにDLQIスコアが4点以上低下した患者の割合(67% vs.50%、17%、3~31)、16週時にISIスコア≦7点の患者の割合(55% vs.21%、33%、17~48)も、nemolizumab群で優れた。 有害事象は、両群とも71%で発生した。ほとんどが軽度~中等度で、重度の有害事象はnemolizumab群で3例(メニエール病、急性膵炎、アトピー性皮膚炎)に認められた。薬剤の投与中止の原因となった治療関連有害事象は、nemolizumab群の3例で4件(アトピー性皮膚炎、メニエール病/円形脱毛症、末梢性浮腫)発現した。 最も頻度の高いとくに注目すべき有害事象はアトピー性皮膚炎の増悪で、nemolizumab群で24%、プラセボ群では21%に発現した。注射関連反応の発現率は、nemolizumab群が8%で、プラセボ群の3%よりも高かった。 著者は、「本試験では、16週以降のnemolizumabの効果の持続性と安全性は検討しておらず、これら課題を明らかにするためには、より長期で大規模な試験を行う必要がある」としている。

239.

アトピーの「痒み」に対するnemolizumabの有効性、第III相試験で確認/マルホ

 マルホ株式会社(大阪市、代表取締役社長:高木 幸一)は7月9日、中等度~重度のアトピー性皮膚炎に伴うそう痒を対象に、国内で実施したnemolizumabの第III相臨床試験の結果、主要評価項目である投与開始16週後のそう痒VAS変化率が、プラセボ群と比べ有意に低下させたことを発表した。本結果はThe New England Journal of Medicine誌オンライン版2020年7月9日号に掲載された。 nemolizumabは、中外製薬が創薬した抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体。IL-31は、そう痒誘発性サイトカインで、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹および透析患者におけるそう痒発生に関与していることが報告されているほか、アトピー性皮膚炎の炎症惹起および皮膚バリア機能の破綻についても関与が示唆されている。同薬は、IL-31とそのレセプターの結合を競合的に阻害することで、IL-31の生物学的作用を抑制する。2016年9月、マルホ株式会社が皮膚科疾患領域における国内ライセンス契約を締結している。 本試験について、論文の筆頭著者である椛島 健治氏(京都大学大学院医学研究科 皮膚科学教室教授)は、「アトピー性皮膚炎の患者さんは、かゆみによる仕事や学業における集中力の低下や睡眠障害などのQOL低下に苦しんでいる。本試験は、アトピー性皮膚炎の患者さんとその家族の苦しみ、そしてアトピー性皮膚炎がもたらす社会的損失の軽減につながる可能性がある」と述べている。

240.

経口JAK1阻害薬、中等症~重症ADに有用

 中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)に対する、1日1回服用の経口JAK1阻害薬abrocitinibの、第III相プラセボ対照無作為化試験の結果が発表された。米国・ジョージ・ワシントン大学のJonathan I. Silverberg氏らによる報告で、12歳以上の同患者における有効性および忍容性が確認された。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年6月3日号掲載の報告。 試験は青年および成人について、同一試験デザインを用いて、二重盲検・並行群間比較にて行われた。被験者は12歳以上で、少なくとも1年以上の中等症~重症ADと臨床診断され、直近6ヵ月以内に4週間以上の外用薬治療を受けたが十分な奏効が得られなかった患者とした。オーストラリア、ブルガリア、カナダ、中国、チェコ、ドイツ、ハンガリー、日本、韓国、ラトビア、ポーランド、英国、米国の計115施設で2018年6月29日~2019年8月13日に被験者の登録が、2019年9月13日~10月25日にデータ解析が行われた。 適格患者は、2対2対1の割合で(1)経口abrocitinib(1日1回)200mg群、(2)同100mg群、(3)プラセボ群に無作為に割り付けられ、12週間投与を受けた。 主要評価項目は2つで、12週時点でInvestigator Global Assessment(IGA)反応(0:クリア、1:ほぼクリアのうち2グレード以上の改善を伴う)を達成した患者の割合、同じくEczema Area and Severity Indexスコア75%以上改善(EASI-75)を達成した患者の割合であった。 主な副次評価項目は、12週時点のPeak Pruritus Numerical Rating Scale(PP-NRS)反応(4ポイント以上の改善)を達成した患者の割合。その他の副次評価項目は、EASIスコア90%以上改善(EASI-90)を達成した患者の割合であった。安全性は、有害事象および検査室モニタリングにより評価した。 主な結果は以下のとおり。・計391例(男性229例[58.6%]、平均年齢35.1[SD 15.1]歳)が、解析に含まれた(abrocitinib 200mg群155例、同100mg群158例、プラセボ群78例)。・12週時点でデータが入手できた被験者において、200mgおよび100mg群は、プラセボ群と比べて、2つの主要評価項目がいずれも有意に高かった。 IGA達成の割合:59/155例(38.1%)・44/155例(28.4%)vs.7/77例(9.1%)、p<0.001 EASI-75達成の割合:94/154例(61.0%)・69/155例(44.5%)vs.8/77例(10.4%)、p<0.001・PP-NRS達成の推定割合も有意に高かった(55.3%[95%CI:47.2~63.5]・45.2%[37.1~53.3]vs.11.5%[4.1~19.0]、p<0.001)。・EASI-90達成の割合も高かった(58/154例[37.7%]・37/155例[23.9%]vs.3/77例[3.9%])。・有害事象は200mg群102例(65.8%)、100mg群99例(62.7%)、プラセボ群42例(53.8%)で報告され、重篤な有害事象は2例(1.3%)、5例(3.2%)、1例(1.3%)で報告された。・200mg群で、血小板数の減少(2例[1.3%])、検査室で確認された血小板減少症(5例[3.2%])が報告された。

検索結果 合計:582件 表示位置:221 - 240