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英語で「薬剤誘発性」は?【1分★医療英語】第68回

第68回 英語で「薬剤誘発性」は?I feel dizziness lately.(最近、めまいがするんです)It might be drug-induced hypoglycemia.(薬剤誘発性の低血糖かもしれません)《例文1》The patient has a history of drug-induced liver injury due to overdose of acetaminophen.(アセトアミノフェン過剰摂取による薬物誘発性肝障害の病歴があります)《例文2》These are common stress-induced symptoms.(それらは、一般的なストレス起因性の症状です)《解説》“○○-induced”で、「○○誘発性(○○によって引き起こされる、○○由来の)」という意味になります。“heparin-induced thrombocytopenia(HIT)”(ヘパリン起因性血小板減少症)など、病名にも使われます。薬物治療による副作用に対して、新たな処方をすることを、“prescribing cascade”(処方カスケード)と呼びますが、どんどん薬が足されてしまうことを避けるためにも、患者さんが抱えている症状が“drug-induced”の症状でないかを丁寧に確認することが大切です。講師紹介

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糖尿病対策で外来指導強化など中間とりまとめ公表/厚労省

 「厚生労働省の腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会」は、2月13日に「糖尿病対策に係る中間とりまとめ」を発表した。 中間とりまとめによると、診療提供について「外来療養指導や外来栄養食事指導の強化」が謳われ、高齢者の糖尿病患者の低血糖予防や在宅看護など地域ケアの取り組みが追記された。また、糖尿病対策に係る指標の見直しでは、「糖尿病の予防」「糖尿病の治療・重症化予防」「糖尿病合併症の発症予防・治療・重症化予防」の3項目を軸とすることが記述された。 主な中間とりまとめの概要は下記の通り。【1 糖尿病対策に係る他計画との連携等を含めた診療提供体制について】1)見直しの方向性(1)健康日本21や医療費適正化計画の見直しにかかる検討状況、重症化予防や治療と仕事の両立支援に係る取組状況などを踏まえる。(2)厚生労働科学研究の内容などを踏まえる。2)具体的な内容(1)引き続いての推進事項として・地域の保健師・管理栄養士などと連携した糖尿病発症予防の取組や、保健師・管理栄養士などと医療機関の連携、健診後の受診勧奨・医療機関受診状況などに係るフォローアップなど予防と医療の連携。・研究班や関係学会で整理された、かかりつけ医から糖尿病専門医への紹介基準、その他関係する専門領域への紹介基準なども踏まえ、合併症の発症予防・重症化予防に係る医療機関間連携や関連機関などとの連携。・糖尿病対策推進会議や糖尿病性腎症重症化予防プログラムなど、保険者と医療機関などの連携。・「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」に基づく治療と仕事の両立支援を含め、産業医などと連携した職域における糖尿病対策。・周術期や感染症入院中の血糖コントロールなど、糖尿病を併存している他疾患を主たる病名として治療中の患者の血糖管理体制。・患者およびその家族などに対する教育や、国民に対する正しい知識の普及啓発。・糖尿病の動向や治療実態を把握するための取組や、取組評価の適切な指標の検討。(2)追記事項として・治療などに係る記載について、更新された糖尿病に係るガイドラインにおける記載内容や調査・研究の結果などを踏まえ、内容を更新する。また、外来療養指導、外来栄養食事指導の強化、運動指導の重要性について。・高齢者糖尿病に関しては、高齢者糖尿病におけるコントロール目標などが設定されたことにも留意し、低血糖予防、フレイル対策、併存症としての心不全に関する実態把握、在宅医療・在宅訪問看護や介護・地域包括ケアとの連携などの要素も含め、糖尿病の治療や合併症の発症予防・重症化予防につながる取組について。【2 新型コロナウイルス感染症拡大時の経験を踏まえた今後の糖尿病医療体制について】1)見直しの方向性(1)今回の新型コロナウイルス感染症拡大時の経験も踏まえ、地域の実情に応じ、多施設・多職種による重症化予防を含む予防的介入、治療中断対策などを含む、より継続的な疾病管理に向けた診療提供体制の整備などを進める観点から必要な見直しを行う。2)具体的な内容(1)感染症流行下などの非常時においても、切れ目なく糖尿病患者が適切な医療を受けられるような体制整備を進める。(2)ICTの活用やPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の利活用、在宅医療との連携を含めた継続的・効果的な疾病管理に係る検討を進めるとともに、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」にそって、オンライン診療による対応が可能な糖尿病患者の病態像についても整理を進める。【3 糖尿病対策に係る指標の見直しについて】1)見直しの方向性(1)第8次医療計画における糖尿病対策に係る指標については見直しを行う。(2)具体的な方向性は、以下の通りとする。・「糖尿病の予防」「糖尿病の治療・重症化予防」「糖尿病合併症の発症予防・治療・重症化予防」の3項目を軸として整理。・「専門家数」または「専門医療機関数」のいずれも用いうる指標については、医療提供体制の整備という観点から「専門医療機関数」を採用。【4 今後検討が必要な事項について】(1)高齢者の糖尿病の実態把握や、ICTなどを活用した糖尿病対策のあり方。(2)糖尿病対策の取組の評価に係る適切な指標。

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GLP-1受容体作動薬・TAZ/PIPC、重大な副作用追加で添文改訂/厚労省

 厚生労働省は2023年2月14日、GLP-1受容体作動薬含有製剤およびGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドの添付文書について、改訂を指示した。改訂内容は、『重要な基本的注意』の項への「胆石症、胆嚢炎、胆管炎または胆汁うっ滞性黄疸に関する注意」の追記(チルゼパチドは「急性胆道系疾患に関する注意」からの変更)、『重大な副作用』の項への「胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」の追加である。本改訂は、GLP-1受容体作動薬含有製剤投与後に発生した「胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」の国内症例の評価、GLP-1受容体作動薬と急性胆道系疾患との関連性を論じた公表文献の評価に基づくもの。なお、チルゼパチドについては関連する症例集積はないものの、GLP-1受容体に対するアゴニスト作用を有しており、GLP-1受容体作動薬と同様の副作用が生じる可能性が否定できないことから、使用上の注意の改訂が適切と判断された。『重要な基本的注意』が新設・変更<新設>リラグルチド(遺伝子組換え)、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド(遺伝子組換え)、セマグルチド(遺伝子組換え)、インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)、インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド<変更>チルゼパチド 改訂後の添付文書において追加された記載、変更後の記載は以下のとおり。8. 重要な基本的注意 胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応すること。『重大な副作用』が新設 該当医薬品は、リラグルチド(遺伝子組換え)、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド(遺伝子組換え)、セマグルチド(遺伝子組換え)、インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)、インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド、チルゼパチド。 改訂後の添付文書において追加された記載は以下のとおり。11. 副作用11.1 重大な副作用胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸「急性胆道系疾患関連症例」*の国内症例の集積状況(1)13例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例8例](2)、(5)3例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例1例](3)4例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例1例](4)23例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例6例](6)、(7)1例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例0例](8)0例いずれも死亡例はなかった。(1)リラグルチド(遺伝子組換え)[販売名:ビクトーザ皮下注18mg](2)エキセナチド[販売名:バイエッタ皮下注5/10μgペン300、ビデュリオン皮下注用 2mgペン](3)リキシセナチド[販売名:リキスミア皮下注300μg](4)デュラグルチド(遺伝子組換え)[販売名:トルリシティ皮下注0.75mgアテオス](5)セマグルチド(遺伝子組換え)[販売名:オゼンピック皮下注0.25/0.5/1.0mgSD、同皮下注2mg、リベルサス錠3/7/14mg](6)インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)[販売名:ゾルトファイ配合注フレックスタッチ](7)インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド[販売名:ソリクア配合注ソロスター](8)チルゼパチド[販売名:マンジャロ皮下注2.5/5/7.5/10/12.5/15mgアテオス]*:医薬品医療機器総合機構における副作用等報告データベースに登録された症例タゾバクタム・ピペラシリン水和物にも『重大な副作用』が新設 同日、タゾバクタム・ピペラシリン水和物の添付文書についても改訂が指示され、『重大な副作用』の項へ「血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)」が追加された。改訂後の添付文書に追加された記載は以下のとおり。<旧記載要領>4. 副作用(1)重大な副作用(頻度不明)11)血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)血球貪食性リンパ組織球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、発疹、神経症状、脾腫、リンパ節腫脹、血球減少、LDH上昇、高フェリチン血症、高トリグリセリド血症、肝機能障害、血液凝固障害等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。<新記載要領>11. 副作用11.1 重大な副作用11.1.11 血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)(頻度不明)発熱、発疹、神経症状、脾腫、リンパ節腫脹、血球減少、LDH上昇、高フェリチン血症、高トリグリセリド血症、肝機能障害、血液凝固障害等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

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英語で「お招きいただきありがとう」は?【1分★医療英語】第67回

第67回 英語で「お招きいただきありがとう」は?It was a pleasure meeting you.(お会いできてよかったです)Thanks for having me.(お招きいただきありがとうございます)《例文1》Thank you for the invitation.(ご招待いただきありがとうございます)《例文2》Thanks for your time.(お時間いただき、ありがとうございます)《解説》面接や会議、またはパーティーの席などにおいて、招待してもらったことや会って話ができたことのお礼を伝えるときに使う表現です。そのほかにも招待してもらったケースでは、“Thanks for inviting me/the invitation.”などと表現することもできます。会えたことにお礼を言う場合には、“I’m pleased/glad to meet you.”または“It was nice/lovely to meet you.”(お会いできてよかったです)などの表現が一般的です。これに対する簡単な返答は、“Likewise.”(私も[お会いできて嬉しい]です)。日本語では「“私も”嬉しいと思っている」となりますが、“I’m pleased to meet you.”に対しては“Me too.”、“It was nice to meet you.”に対しては“You too.”という短縮形を使うことに注意してください。こちらは“It was nice to meet you, too.”の略です。ややこしいと感じたら、“I’m glad to meet to you, too.”“It was nice to see you, too!”と短縮形を避けて返答しましょう。講師紹介

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急性腎障害、造影剤は腎予後に影響せず

 急性腎障害(AKI)の既往を有する患者における、造影剤使用と腎予後の関係に関するエビデンスは不足しているのが現状である。そこで、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のMichael R. Ehmann氏らは、AKI患者に対する造影剤静注とAKI持続の関係を検討し、造影剤は腎予後に影響を及ぼさなかったことを報告した。Intensive Care Medicine誌オンライン版2023年1月30日号掲載の報告。 2017年7月1日~2021年6月30日の間に救急受診し、入院した18歳以上の患者のうち、KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)基準のクレアチニン値に基づいてAKI(血清クレアチニン値が0.3mg/dL以上上昇もしくは1.5倍以上に上昇)と診断された1万4,449例を対象として、後ろ向きに追跡した。評価項目は、退院時のAKI持続、180日以内の透析開始などであった。傾向スコア重み付け法やエントロピーバランス法を用いて、造影剤静注あり群となし群の背景因子を調整して解析した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者1万4,449例中、12.8%が集中治療室に入室した。造影剤静注を受けた患者の割合は18.4%、退院前にAKIから回復した患者の割合は69.1%であった。・多変量ロジスティック回帰モデル(オッズ比[OR]:1.00、95%信頼区間[CI]:0.89~1.11)、傾向スコア重み付け法(OR:0.93、95%CI:0.83~1.05)、エントロピーバランス法(OR:0.94、95%CI:0.83~1.05)のいずれの方法を用いても、造影剤静注と退院時のAKI持続に関連は認められなかった。・集中治療室に入室した患者サブグループにおいても、AKI持続に関する結果は同様であった。・180日以内の透析開始は対象患者の5.4%にみられたが、造影剤静注と180日以内の透析開始リスクとの関連は認められなかった。

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CKDを抑制、植物油よりも魚油/BMJ

 魚介由来の3種のオメガ3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の総量の値が高いほど、慢性腎臓病(CKD)発症のリスクが低いのに対し、植物由来のn-3 PUFAにはこのような作用はなく、魚介由来n-3 PUFA値が最も高い集団は最も低い集団に比べ、推算糸球体濾過量(eGFR)の≧40%の低下のリスクが低いことが、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のKwok Leung Ong氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2023年1月18日号に掲載された。ALA、EPA、DPA、DHAとCKDの関連を評価 研究グループは、循環血中のn-3 PUFA値とCKD発症との関連を評価する目的で、2020年5月までに特定された12ヵ国の19のコホート研究(日本の久山町研究[2,713例、2002~03年]を含む)の統合解析を行った。 解析には、n-3 PUFA(植物由来のαリノレン酸[ALA]、魚介由来のエイコサペンタエン酸[EPA]・ドコサペンタエン酸[DPA]・ドコサヘキサエン酸[DHA])と、eGFRに基づくCKDの発症との関連を前向きに評価した研究が含まれた。 主要アウトカムは初発CKDであり、eGFR<60mL/分/1.73m2の新規発症と定義された。逆分散加重メタ解析で19研究の結果が統合された。 2万5,570例が主解析に含まれた。19のコホートの平均年齢は49~77歳、平均BMIは23.2~28.3、ベースラインの平均eGFRは76.1~99.8mL/分/1.73m2の範囲であった。追跡期間の加重中央値は11.3年で、この間に4,944例(19.3%)がCKDを発症した。ガイドラインの推奨と一致する知見 多変量モデルを用いた解析では、魚介由来の総n-3 PUFA値(EPA+DPA+DHA)が高いほど、CKDのリスクが低かった(四分位範囲ごとの相対リスク[RR]:0.92、95%信頼区間[CI]:0.86~0.98、p=0.009、I2=9.9%)。 カテゴリー解析では、魚介由来の総n-3 PUFA値が最も高い五分位集団は、最も低い五分位集団と比較して、初発CKDのリスクが13%低かった(RR:0.87、95%CI:0.80~0.96、p=0.005、I2=0.0%)。 植物由来のALA値は、CKDの発症と関連しなかった(RR:1.00、95%CI:0.94~1.06、p=0.94、I2=5.8%)。これらの結果は、感度分析でも同様であった。 また、これらの関連は、すべてのサブグループ(ベースラインの年齢[≧60 vs.<60歳]、eGFR[60~89 vs.≧90mL/分/1.73m2]、高血圧・糖尿病・冠動脈疾患の有無)で一致して認められた。 一方、魚介由来の総n-3 PUFA値は、eGFRの≧40%の低下との関連はなかったが、最上位の五分位集団は最下位の五分位集団に比べ、このリスクが低かった(RR:0.85、95%CI:0.74~0.98、p=0.03、I2=44.1%)。 著者は、「これらの知見は、健康的な食事パターンの一環として魚介類や脂肪の多い魚の摂取を推奨するガイドラインと一致しており、CKD予防における魚介由来のn-3 PUFAについて検討する研究を新たに行う際に、その強力な根拠となる」としている。

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英語で「さっと見てくる」は?【1分★医療英語】第66回

第66回 英語で「さっと見てくる」は?Out new patient just came up to the floor.(入院患者さんが病棟に上がってきたみたいです)Can you please eyeball the patient?(患者さんの様子をさっと見てきてもらっていいですか?)《例文1》The vital monitor is beeping, I will eyeball the patient.(バイタルモニターが鳴っていますね、ちょっと患者さんを見てきます)《例文2》A patient at the ED is waiting for a while, have you eyeballed her?(救急外来の患者さんがしばらく待っているみたいですけど、患者さんの様子は確認しました?)《解説》“eyeball”といえば真っ先に「眼球」という訳語が思い浮かぶかと思いますが、実は動詞としても使用できるのを知っていましたか? 辞書によると、“eyeball”を動詞として使う場合は、“look at someone or something directly and carefully”(人やモノを直接、注意深く見る)という意味になります。実際、私も米国の医療現場で耳にする機会が多いために知った単語ですが、具体的には患者さんの様子を確認する際に使われます。患者さんの全身しっかり診察する際の「診る」というよりは、まさしく目(eyeball)で「患者さんの全体の状態に変化がないかを確認する・見る」ような際に使用される表現です。informalな表現なので、口語表現で使うことが多いです。入院患者さん、救急外来の患者さん、術後の患者さん など、しっかり診察するまではしなくても、直接医師や看護師の目で患者さんの様子を確認する機会は多くあります。「患者さんを見てきたけど変わりなさそう」と言いたい際に、“I just eyeballed him. He looks fine.”のように、さらりと言えるようになるとスマートですね。講師紹介

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シスタチンCに基づくeGFRcys式の精度、eGFRcr式と同等/NEJM

 糸球体濾過量(GFR)の推算方法として、欧州腎機能コンソーシアム(European Kidney Function Consortium:EKFC)が開発した、血清クレアチニンを用いる「EKFC eGFRcr式」がある。これは、年齢、性別、人種の差異に関連したばらつきをコントロールするため、健康な人の血清クレアチニン値の中央値で割った「調整血清クレアチニン値」を用いるものだが、血清クレアチニン値の正確な調整には課題があることから、ベルギー・KU Leuven Campus Kulak KortrijkのHans Pottel氏らは、調整血清クレアチニン値を、性別や人種による変動が少ないシスタチンC値に置き換えることができるかどうかを検証した。結果、調整シスタチンC値に置き換えた「EKFC eGFRcys式」は、欧州、米国、アフリカのコホートにおいて一般的に用いられている推算式より、GFRの評価精度を向上させたことが示されたという。NEJM誌2023年1月26日号掲載の報告。調整血清クレアチニン値を調整シスタチンC値に置き換えて検証 研究グループは、スウェーデンの患者のデータを用いて成人のシスタチンC値の調整係数を推定した後、EKFC eGFRcr式の調整血清クレアチニン値を調整シスタチンC値に置き換えて得られたEKFC eGFRcys式の性能を検証した。欧州、米国、アフリカの白人患者および黒人患者のコホートにおいて、実測したGFR、血清クレアチニン値、血清シスタチンC値、年齢、性別に基づく式と比較検証した。EKFC eGFRcys式の精度はEKFCeGFRcr式と同等、CKD-EPI eGFRcys式より高い シスタチンC値の調整係数は、スウェーデン・ウプサラ大学病院の白人患者22万7,643例のデータに基づき、50歳未満の男女で0.83、50歳以上の男女で0.83+0.005×(年齢-50)と推定された。 この数値を基にしたEKFC eGFRcys式は偏りがなく、白人患者および黒人患者のいずれにおいても(欧州1万1,231例、米国1,093例、アフリカ508例)、EKFC eGFRcr式と精度は同等で、国際腎臓病ガイドライン機構(KDIGO)が推奨するCKD-EPI eGFRcys式より精度が高かった。EKFC eGFRcrとEKFC eGFRcysの算術平均値は、いずれかのバイオマーカーに基づく推算値よりも、推算GFRの精度をさらに向上させた。 なお、著者は、今回の結果はアジアや米国の白人患者と黒人患者で構成されたコホートや小児コホートでの検証をしておらず、限定的であるとしている。

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英語で「一言いいですか?」は?【1分★医療英語】第65回

第65回 英語で「一言いいですか?」は?May I chime in?([お話し中ですが]一言いいですか?)Sure thing!(もちろんです!)《例文1》May I chime in the discussion?(議論に加わってもいいですか?)《例文2》She chimed in with her opinion.(彼女は自分の意見を付け加えた)《解説》“chime in”の“chime”は音の通り「チャイム(鐘)」を意味する言葉です。しかし、ここでは“chime”に“in”が付いているので、「チャイムを鳴らして入り込む」という意味合いを持つことになります。ただし、ここでは入り込むのは家ではなく、会話や議論。そこから転じて、「会話に入り込む」、「口を挟む」などの意味合いで用いることができるフレーズになります。“interrupt”を用いて“interrupt a conversation”、あるいは“break”という動詞を用いて“break into a conversation”などと表現しても同じ意味になると思いますが、よりオシャレな表現と言えるかもしれません。たとえば、同僚の2人が熱心に話し込んでいるところに一言添えたいとき、この“May I chime in?”の一言を用いてコメントを挟むことができるでしょう。あるいは、すでに始まっているオンライン会議に遅れて入る際、“I’m chiming in.”と言って「これから(会議に)入るよ」ということを伝えることができます。ぜひ英語圏の人とのオンライン会議の際に使用してみてください。使えるシーンが意外と多いことに気付くはずです。講師紹介

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その3【「実践的」臨床研究入門】第28回

前回、前々回で、下記のわれわれのResearch Question(RQ)の関連研究レビューのための検索式(例)を、P(対象)、E(曝露)それぞれの構成要素のブロックごとにPubMed Advanced Search Builderで実際に作ってみました。P:非ネフローゼ症候群の「透析前」慢性腎臓病(CKD)患者E:食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の遵守C:食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の非遵守O:1)末期腎不全(透析導入)、2)eGFR低下速度の変化今回からは、さしあたり作成した検索式の検索能力を検証してみたいと思います。検索式の検索能力の検証検索能力の高い検索式とはどのようなものでしょうか。筆者は、RQに関連する「Key論文」(連載第16回参照)が漏れなくヒットし、かつ関係ない論文(ノイズ)は拾ってこない検索式だと考えます。しかし、「漏れがない」ことと「ノイズを拾う」ことは相反する事象であり、なかなか両立しえません。まずは、「Key論文」が漏れなく検索できるように、とりあえず作成した検索式の検索能力を検証し、適宜修正を加えていく方針で検索式をブラッシュアップしていきましょう。PubMed Advanced Search Builderで検索式の検索能力を検証するのに先立って、連載第16回で引用文献としてお示しした、われわれのRQの「Key論文」のPubMed Unique Identifier(PMID)を調べます(連載第23回参照)。PMIDは個々の論文の「PubMedへのリンク」を開くと、論文題名の直下に示されています。以下は連載第16回の当該「Key論文」10編(引用文献11はPubMed非収載なので除外)それぞれのPMIDを[pmid]タグ(連載第23回参照)で指定してORでつないだ検索式です。「Key論文」のブロック17943769[pmid] OR 19652945[pmid] OR 18779281[pmid] OR 19588328[pmid] OR 23793703[pmid] OR 26710078[pmid] OR 29914534[pmid] OR 30935396[pmid] OR 31882231[pmid] OR 33150563[pmid]前回、前々回で作成した、P、Eそれぞれの構成要素のブロックの検索式も下記にまとめて示します。PのブロックRenal Insufficiency, Chronic[mh:noexp] OR ”chronic kidney disease*”[tiab] OR ”chronic renal disease*”[tiab] OR CKD[tiab] OR predialysis[tiab] OR pre-dialysis[tiab]EのブロックDiet, Protein-restricted[mh] OR ”low-protein diet*”[tiab] OR ”protein-restricted diet*”[tiab]前回解説したようにPとEのブロックをANDでつないでまとめます。この暫定的な検索式の検索能力を検証するために、さらに「Key論文」のブロックとNOTでつなぐと、本稿執筆時点(2023年1月)では、下の表のような結果になりました。画像を拡大する残念ながら、暫定検索式では「Key論文」10本のうち7本がヒットしないという結果でした。次回からは、暫定検索式にかからなかった「Key論文」のMeSH terms(連載第21回参照)などをチェックし、検索式を手直しする方法を解説します。

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腎移植後のコロナワクチン3回目接種、抗体陽性率は71%/名大

 大きな手術後の患者に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンを接種した場合、抗体価にどのような変化があるのだろうか。この疑問に藤枝 久美子氏(名古屋大学大学院医学系研究科腎臓内科学)らの研究グループは、腎移植後の患者における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するワクチン2回接種後から3回接種後の抗体価の変化を調査した。その結果、3回目のワクチン接種により抗体獲得率が上昇し、腎移植後の患者におけるワクチン追加接種の重要性が示された。ワクチンに差異なく、3回接種での抗体陽性は71% 腎臓移植後、免疫抑制剤を内服している患者などは、SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種後の抗体獲得率が低くなることが海外から報告されている一方で、わが国ではドナー不足からの生体腎移植、ABO血液型不適合腎移植などが行われ諸外国と環境が異なっている。 研究グループの前回の報告では、わが国の腎移植後の患者のSARS-CoV-2 mRNAワクチン2回接種後3週間〜3ヵ月の抗体獲得率は、健康成人や海外の腎移植後の患者と比較して低い値だった。このような背景から、わが国と諸外国との抗体獲得率の違いや、抗体価の推移、ワクチンの追加接種の必要性について明らかにすることが目的。 主な結果は以下のとおり。1)患者背景と抗体獲得率の推移 SARS-CoV-2 mRNAワクチンを3回接種した62例の移植レシピエント(男性40例、女性22例)について調査。ワクチン3回目接種時の年齢中央値は54歳(四分位範囲[IQR]、49~67歳)、移植時の年齢中央値は50歳(IQR:38~58歳)。移植からワクチン接種までの期間の中央値は84ヵ月(IQR:34~154ヵ月)。BMIの中央値は22.9(IQR:21.4~26.2)、eGFRの中央値は42.8mL/分/1.73m2(IQR:34.1~51.4mL/分/1.73m2)。ワクチン2回接種後3週間〜3ヵ月で抗体陽性と判定されたのは45%で、ワクチン2回接種後5〜6ヵ月で抗体陽性と判定されたのは50%だった。ワクチン2回接種5~6ヵ月後に抗体が陰転化したものはは1例、陽転化したものは4例だった。また、ワクチン3回目接種後3週間〜3ヵ月で抗体陽性と判定されたのは71%と大幅に増加した。2)ワクチンの種類による抗体獲得率の比較 ファイザー製のワクチンのみを接種した患者、モデルナ製のワクチンのみを接種した患者、ファイザー製とモデルナ製の両方を接種した患者の比較を行った。その結果、接種した抗体の種類や組み合わせによる抗体獲得率の違いは認められなかった。3)抗体獲得に関連する要因の検討 統計学的な手法を用いて抗体獲得に関連する因子を検討した結果、さまざまな要因を統計学的に調整しても、BMIとeGFRが抗体獲得率と有意な相関があることが示唆された。 同研究グループは、今回の研究を受けて「わが国の腎移植後の患者において、SARS-CoV-2ワクチン3回接種により抗体獲得率が上昇することが示された。4回目以降の接種も進んでいるため、今後はワクチンの追加接種による抗体価の変化や時間が経つにつれて抗体の力価がどう変化していくのかを調べる必要がある」と展望を示している。

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英語で「順調にいっていますよ」は?【1分★医療英語】第64回

第64回 英語で「順調にいっていますよ」は?You are moving in the right direction.(順調にいっていますよ)That’s good to know.(それは良かったです)《例文1》Your father is doing well. He is moving in the right direction.(お父さんは元気ですよ。順調にいっています)《例文2》His course was complicated by aspiration pneumonia, but overall, he is moving in the right direction.(経過中に誤嚥性肺炎が起こりましたが、全体としては、彼は快方に向かっています)《解説》“move in the right direction”は直訳すると「正しい方向に動く」ですが、医療現場で病状を表す時に使うと「順調にいっている」「快方に向かっている」という意味を表します。患者さんや家族に対するポジティブな声掛けにもなるため、臨床現場でよく使われる言い回しです。なお、“direction”の発音は米国英語では「ディレクション」、英国英語では「ダイレクション」となります。また、“right”にも“direction”にも「R」が含まれるため、「L」の発音と混同しないように注意が必要です。講師紹介

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コロナに感染した医師はどれくらい?ワクチン接種回数別では?

 2020年初頭から新型コロナウイルス感染症の国内での流行が始まり、3年が経過した。CareNet.comでは、これまでにどれくらいの医師が新型コロナに感染したのかを把握するため、会員医師1,000人を対象に『医師の新型コロナ感染状況に関するアンケート』を実施した。その結果、コロナ診療の有無や、年齢、診療科、病床数別、ワクチン接種回数別の感染状況が明らかとなった。また、回答者自身や周囲が感染した際に感じたさまざまな課題も寄せられた(2022年12月10~17日実施)。若い医師ほどコロナ診療・感染の割合が高い Q1では、コロナの診療に携わっているかについて聞いた。「診療している」が63%、「以前は診療していたが、今はしていない」が7%、「診療していない」が30%となり、全体の70%の医師がコロナの診療に携わっていた。年代別では、「診療している」もしくは「以前は診療していたが、今はしていない」と答えた回答者の割合は、年齢が若い医師ほど高く、20代は87%、30代は78%、40代は70%だった。診療科別では、割合が高い順に、救急科(100%)、呼吸器内科(90%)、腎臓内科、臨床研修医(87%)であった。 Q2では、これまでの新型コロナの感染歴を医師に聞いた。感染したことがない医師は全体の74%で、1回感染が24%となり、2回が1.7%、3回以上が0.4%で、再感染の割合はごくわずかであり、全体の26%の医師が1回以上感染していた。 コロナ診療経験の有無と感染歴との相関では、「以前は診療していたが、今はしていない」と回答した医師において、1回以上の感染の割合が最も高く36%だった。「診療している」と回答した医師では29%、「診療していない」人では18%が、コロナに1回以上感染していた。 年代別では、Q1の結果と同様に、年齢が若い医師ほど感染の割合が高かった。1回以上の感染の割合は、20代と30代で同率の36%、40代では30%、50代で22%だった。病床数別では、200床以上の医師の感染の割合が最も高く30%で、次いで0床(診療所)が23%だった。診療科別では、感染の割合が最も高いのはQ1と同様に救急科(39%)、次いで糖尿病・代謝・内分泌内科(38%)、臨床研修医(37%)、循環器内科(35%)であった。 ちなみに、厚生労働省が1月16日に発表した「(2023年1月版)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識」によると、これまでにコロナと診断されたのは、日本の全人口の約23.2%であった(2023年1月1日0時時点のデータ)1)。 Q3では、第1~8波の流行期別に感染した時期を医師に聞いた。本アンケート実施時点(2022年12月10~17日)で最も多かったのは、2022年7~10月の第7波(125人)、次いで2022年1~6月の第6波(55人)、2022年11以降の第8波(50人)だった。ワクチン接種回数が多い医師ほど感染率が低い Q4では、新型コロナのワクチンの接種回数を医師に聞いた。接種回数の割合が最も高かったのは4回(42%)、次いで5回(33%)、3回(19%)、1・2回(3%)だった。ワクチンの接種回数と感染の相関を調べたところ、感染していない割合は接種回数が多い医師ほど高く、5回接種者は85%、4回では71%、3回では66%が「感染していない」と答えた。ワクチン接種1・2回で感染していない医師の比率は44%で半数を下回っており、2回感染した人が18%と最も多かった。 Q5では、自らが感染したと思う場所について聞いた。多かったのは職場と家庭で、ともに約100人であった。医療者の人手不足がコロナ診療での最大の課題 Q6の自由回答のコメントでは、回答者自身や周囲が感染した際に感じた課題を聞いた。挙げられた課題は、主に以下の内容に分類された。・医療者の感染が相次ぎ、病院が人手不足になった(160件)・病院でクラスターが発生した(80件)・コロナに感染し、判断に迷った(61件)・家族内で感染者が出た(55件)・コロナ以外の診療について(21件)・感染対策について(14件)・収入に影響した(7件)・コロナの診療について(6件)アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。どれくらいの医師がコロナに感染した?/医師1,000人アンケート

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英語で「医療に絶対はありません」は?【1分★医療英語】第63回

第63回 英語で「医療に絶対はありません」は?Do you think this treatment will be safe for sure?(この治療法は確実に安全ですか?)I never say "never", but it is most likely safe for you.(医療に絶対はありません[絶対にないとは言えません]。ただし、あなたにとっては、ほぼ間違いなく安全だと思います)《例文1》I never say "never" and never say "always".(絶対にないとも、絶対にあるとも言えません)《例文2》I never say "never". Any medical treatment has potential side effects.(絶対にないとは言い切れません。どんな治療法でも副作用の可能性はあります)《解説》新たな治療法を開始する場合には、医師に、確実な効果・安全性を保証してほしいと言うことは、一般的な患者心理だと思います。日本でも同様ですが、米国でもこの種の質問はとても多く、適切な返答方法を知っておくことが重要です。医療への過度の期待はトラブルの元であり、健全な医師患者関係の構築にも悪影響を及ぼす可能性があるので、「医療に絶対はない」という事実を明確に伝えることも重要になります。相手に冷たい印象を与えない工夫としては、“I wish I could tell you this is 100% effective”(100%有効だと、お伝えできればよいのですが…)と言ったり、“I wish I had a crystal ball”([占い師が使う未来がわかる]水晶玉があればよいのですが…)という表現を付け加えたりします。また、単純に“unfortunately, I can never say never”という表現でも、与える印象は柔らかくなると思います。講師紹介

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常染色体優性多発性嚢胞腎の遺伝的基盤は予想以上に多彩/JAMA

 常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の遺伝に関する研究の多くは、PKD1とPKD2に焦点を当てたコホートで行われるため、ADPKD関連遺伝子変異の有病率やその表現型の発現状況を推定する際にバイアスが生じる可能性があるという。米国・GeisingerのAlexander R. Chang氏らは、同国の大規模な非選択的コホートで他の遺伝子を含むADPKDの遺伝的基盤と表現型について検討し、ADPKDはこれまで考えられていた以上に高度な多様性を有し、遺伝的なばらつきが認められることを示した。研究の成果は、JAMA誌2022年12月27日号に掲載された。ペンシルベニア州の後ろ向き観察研究 研究グループは、米国ペンシルベニア州中部地域と北東地域の医療システムベースの非選択的コホートにおいて、エクソームシークエンス(2004~20年に登録)と電子健康記録(EHR)データ(2021年10月まで)を用いて、後ろ向き観察研究を行った(筆頭著者は、米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所[NIDDK]の助成を受けた)。 PKD1、PKD2、嚢胞腎関連の他の遺伝子(ALG8、ALG9、DNAJB11、GANAB、HNF1B、IFT140、SEC61B、PKHD1、PRKCSH、SEC63)における機能喪失型(LOF)変異、およびPKD1とPKD2の病原性と考えられるミスセンス変異について調査が実施された。 コホート内の患者数は17万4,172例(年齢中央値60歳[IQR:44~72]、女性60.6%、欧州系93%)であった。このうち178家族の303例がADPKDの診断コード(ICD-9またはICD-10)を有しており、診療録調査の結果、303例中235例がADPKDと確定された。遺伝子型を優先した早期診断の可能性も PKD1、PKD2に加え、IFT140、GANAB、HNF1BのLOF変異が、ADPKDの診断と関連していた。PKD1のLOF変異を有する患者68例のうち66例(97%)、PKD2のLOF変異を有する43例のうち43例(100%)がADPKDであった。 これに対し、以前に「病原性の可能性が高い」に分類されていたPKD1ミスセンス変異の77例では、ADPKDは24例(31.2%)のみであり、誤分類または浸透度のばらつきが示唆された。 診療録調査で確定されたADPKD患者235例では、180例(76.6%)が遺伝的な原因の可能性があり、多くはPKD1(127例)またはPKD2(34例)のまれな変異で、残りの19例(8.1%)は嚢胞腎関連の他の遺伝子変異を有していた。また、確定ADPKD患者235例中150例(63.8%)にはADPKDの家族歴があった。 ADPKDの遺伝的決定因子の割合は、ADPKDの家族歴を有する集団が91.3%(137/150例)と、家族歴のない集団の50.6%(43/85例)に比べて高かった(群間差:40.7%、95%信頼区間[CI]:29.2~52.3、p<0.001)。 さらに、これまで報告されていないPKD1、PKD2、GANABの変異が、病原性を示唆する家系データと共に特定され、これまで病原性の可能性が高いと報告されていたPKD1のミスセンス変異のいくつかは良性と考えられた。 著者は、「ADPKDの遺伝的原因に関する知識が深まれば、遺伝子型を優先した早期診断が可能となり、トルバプタンなどの薬剤の予防的または疾患修飾作用を期待した使用や早期治療への導入のほか、進行中の臨床試験で評価が進められている新たな治療選択肢の使用が可能になると考えられる」としている。

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“適切な水分補給”、その意義は?

 適切な水分補給をしている人は、慢性疾患発症リスクが低く、長生きであったことを米国国立衛生研究所(NIH)心肺血液研究所のNatalia I. Dmitrieva氏らが明らかにした。eBioMedicine誌2023年1月2日掲載の報告。 マウスでは、水分補給を制限することで、生存期間の短縮や退行性変化の促進がみられることが報告されている1)。そこで、著者らの研究グループは、適切な水分補給が老化を遅らせるという仮説を立て、45~66歳の成人を対象にその仮説を検証した。 本研究は、血清ナトリウム値135~146mmol/Lで、血清ナトリウム値に影響を及ぼす高血糖(血漿グルコース値140mg/dL超)や高脂血症、肥満(BMI 35kg/m2超)がない米国在住の45~66歳の成人1万1,255人を対象とし、25年間追跡した。水分不足は、血清ナトリウム値を上昇させる要因となることが知られていることから、水分補給の指標として血清ナトリウム値を用いた。また、加齢の相対的な速度の推定には、年齢と相関のあるバイオマーカーから算出した生物学的年齢を用いた。評価項目は、血清ナトリウム値と慢性疾患発症、早期死亡、生物学的年齢の関連などとした。 主な結果は以下のとおり。・血清ナトリウム値142mmol/L超は、慢性疾患の発症リスクが39%上昇した(ハザード比[HR]:1.39、95%信頼区間[CI]:1.18~1.63)。・血清ナトリウム値144mmol/L超は、早期死亡のリスクが21%上昇した(HR:1.21、95%CI:1.02~1.45)。・血清ナトリウム値142mmol/L超は、生物学的年齢が実年齢を上回るオッズが50%高く(オッズ比:1.50、95%CI:1.14~1.96)、生物学的年齢が実年齢を上回る人は、慢性疾患発症(HR:1.70、95%CI:1.50~1.93)および早期死亡(HR:1.59、95%CI:1.39~1.83)のリスクが上昇した。 著者らは、「中年では血清ナトリウム値が142mmol/Lを超えると老化(生物学的年齢高値)、慢性疾患発症、早期死亡のリスクが上昇することが明らかになった」とした一方、「水分補給の不足と老化の関係を証明するためには、介入試験が必要である」とも述べている。

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英語で「最悪の場合」は?【1分★医療英語】第62回

第62回 英語で「最悪の場合」は?In the worst case scenario, he would not survive this.(最悪の場合、お亡くなりになることもあり得ます)I understand.(わかりました)《例文1》医師In the worst case scenario, you have to wait three more hours to be tested.(最悪の場合、あと3時間待たなくてはいけません)患者That is unacceptable.(それは困ります)《例文2》医師We have to prepare for the worst case scenario.(最悪の事態に備えておかなくてはいけません)患者Yes we do.(そのとおりです)《解説》“In the worst case scenario”(最悪の場合は)、この表現は医療現場に限らず使えるものですが、医療現場においてはとくにリスクや予後の説明をするときに有用です。治療がいつも上手くいけばよいのですが、残念ながら見通しが良くないこともあります。そのような時に、「最悪の場合」を想定した話をしておくことが非常に大切です。医師にとっても、患者さんや家族にとっても大変なコミュニケーションとなりますが、これも医師と患者間の信頼関係を築くために必要な過程でしょう。伝えにくい内容の前に“In the worst case scenario”を挟むことで、聞き手に心の準備をさせることができますので、そのような場面で使ってみてください。講師紹介

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終わらない結核、結核菌の新たな生き残り戦略

 結核は、世界で最も死亡率の高い感染症の1つである。毎年、約1,060万人が結核に罹患し、160万人が死亡する。その背景の1つとして、抗菌薬の普及により薬剤耐性を有する結核菌が増加し、治療が困難になっていることがあるといわれる。そこで、米国・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのQingyun Liu氏らの研究グループは、結核患者から単離された結核菌のゲノム解析を行った。その結果、転写因子resR遺伝子に変異があると、抗菌薬への曝露終了後に急速に再増殖を開始することが明らかになった。本研究結果は、Science誌2022年12月9日号に掲載された。 結核患者から単離された結核菌51,229株のゲノム解析から、必須転写制御因子のRv1830(resRと呼ぶ)遺伝子の変異が発見された。resR遺伝子変異を有する結核菌は、抗菌薬に対する応答性には変化がなく、耐性は示さなかったものの、抗菌薬への曝露終了後に急速な増殖が可能となっていた(この表現型を著者らは“antibiotic resilience”と呼んでいる)。また、resRは、細胞の増殖や分裂を制御する他の転写因子とともに機能することから、これらの転写因子にも変異がみられた。なお、今回発見された遺伝子変異は、抗菌薬による治療の失敗や一般的な薬剤耐性の獲得とも関連していた。

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慢性腎臓病に対するSGLT2阻害薬エンパグリフロジンの有用性(解説:小川大輔氏)

 SGLT2阻害薬による糖尿病患者の腎保護効果については数多くの報告があるが、糖尿病以外の慢性腎臓病に対する効果はまだ報告が少ない。2021年にSGLT2阻害薬ダパグリフロジンが慢性腎臓病の進行を抑制するという試験結果が発表され1)、ダパグリフロジンは日本において慢性腎臓病の保険適用を取得した。今回、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンの慢性腎臓病に対する試験の結果が報告された2)。 この試験では、推算糸球体濾過量(eGFR)が20~45mL/分/1.73m2未満、またはeGFR 45~90mL/分/1.73m2未満で尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)が200(mg/g・CRE)以上の慢性腎臓病患者、合計6,609例をエンパグリフロジン(10mg・1日1回)投与群、またはプラセボ投与群に無作為に割り付けた。主要評価項目は、腎臓病の進行(末期腎不全、eGFRが持続的に10mL/分/1.73m2未満、eGFRがベースラインから40%以上持続的に低下、腎臓病による死亡)または心血管系による死亡の複合アウトカムであった。結果は追跡期間中央値2.0年の間に、主要アウトカムの発生がエンパグリフロジン群3,304例中432例(13.1%)、プラセボ群3,305例中558例(16.9%)であった(p<0.001)。また糖尿病の有無にかかわらず、またeGFR値によるサブグループ別でも結果は一貫していた。重篤な有害事象の発生率は両群間で有意差はみられなかった。 今回の報告で、腎不全の進行するリスクが高い慢性腎臓病の患者において、エンパグリフロジンはプラセボと比較し、腎不全の増悪や心血管疾患による死亡のリスクを抑制することが示された。ただ、慢性腎臓病患者を対象としたSGLT2阻害薬の有効性を検証した試験としては、2021年に腎アウトカムや心血管アウトカムに対するダパグリフロジンの有効性がすでに報告されている。今回の試験は、慢性腎臓病に対するSGLT2阻害薬のクラスエフェクトとしての有効性を示した内容であるとも言えよう。 SGLT2阻害薬は糖尿病や慢性心不全だけでなく、慢性腎臓病に対しても有効であることが示され、今後臨床において使用される機会がますます増えるだろう。ただ安易な処方は有害となることもあり、厳に慎まなければならない。2022年11月29日に日本腎臓学会から、「CKD治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するrecommendation」が発表された3)。SGLT2阻害薬投与開始前や投与開始後の注意点について詳しく解説されている。慢性腎臓病に対してSGLT2阻害薬の処方を検討される先生はぜひ全文を一読してほしい。

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