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COVID-19、糞便でのウイルス検出期間中央値が22日/BMJ

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、呼吸器や血清検体と比較して糞便検体で持続期間が有意に長く、流行の予防と管理という点で糞便検体の管理を強化する必要性があることが明らかとなった。さらに、このウイルスは、重症患者の呼吸器組織ではウイルス量が高い状態が長期的に持続しピークが遅いことも確認された。中国・浙江大学のShufa Zheng氏らが、中国・浙江省の病院に入院した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の後ろ向きコホート研究の結果を報告した。2020年4月9日現在、世界中で150万人以上のCOVID-19患者がおり、その数は急増を続けている。これまで、SARS-CoV-2は呼吸器、糞便、血清および尿から検出されることは少数例の検討で報告されてきたが、重症度が異なる疾患進行中のウイルス量の変化はわかっていなかった。BMJ誌2020年4月21日号掲載の報告。COVID-19患者96例の糞便など約3,400検体について解析 研究グループは、中国・浙江省におけるCOVID-19流行の最初の4ヵ月での、疾患進行の段階が異なるCOVID-19患者におけるウイルス量を評価する目的で、指定病院に入院しSARS-CoV-2感染が確認された連続症例96例(軽症22例、重症74例)について、2020年1月19日~2020年3月20日のデータを解析した。 患者が入院後、可能な限り呼吸器(喀痰や唾液)、糞便、血清および尿の検体を毎日採取し、MagNA Pure 96を用いてウイルスを抽出し定量的RT-PCRを行った。Cycle threshold(Ct)値が38以下をSARS-CoV-2陽性とし、SARS-CoV-2 RNAウイルス量は、ウイルス量既知のスタンダードを用いて検量線を作成しCt値から算出した。電子カルテから疫学、臨床所見、臨床検査値、治療および転帰に関するデータを収集し、疾患重症度は中国新型コロナウイルス診療ガイドライン第6版に基づいて評価した。 96例から合計で3,497検体が採取され、SARS-CoV-2 RNAウイルス量が評価された。全例、喀痰および唾液の検体にて感染が確認された。約6割のCOVID-19患者で糞便からSARS-CoV-2検出 SARS-CoV-2 RNAは、COVID-19患者55例(59%)で糞便から、39例(41%)で血清から検出され、尿から検出されたのは1例であった。 COVID-19患者からSARS-CoV-2が検出された期間(ウイルス持続期間)の中央値は、糞便が22日[四分位範囲:17~31]で、呼吸器の18日[13~29]および血清の16日[11~21]と比較して有意に延長した(それぞれp=0.02およびp<0.001)。また、重症度別では、重症患者が21日[14~30]で、軽症患者の14日[10~21]と比較して有意に延長した(p=0.04)。 呼吸器検体の場合、軽症患者では発症後2週目にウイルス量がピークとなったが、重症患者では3週目もウイルス量高値が持続した。また、重症患者では、女性より男性で、60歳未満より60歳以上でウイルス持続期間が有意に長かった(いずれもp=0.01)。 なお著者は研究の限界として、単一施設でのコホート研究であること、ウイルス検出には多くの因子の影響を受けること、COVID-19流行の初期段階で適切な診断ができず糞便や尿検体が2月初旬まで収集されていないことなどを挙げている。

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新型コロナウイルスあれこれ(8)【Dr. 中島の 新・徒然草】(322)

三百二十二の段 新型コロナウイルスあれこれ(8)読者の皆様、今回もコロナの話です。パンデミックにより、医療機関の仕事もすっかり変わってしまいました。私自身も、心理的にずいぶん影響されているように思います。「いつもよりイライラしていますよ」「ため息が多いです」などと周囲から指摘されます。防護服を着て診療する立場ではありませんが、コロナ関連の事が色々あります。これまでに経験のない判断を迫られることがストレスなのでしょうか。「応需すべきか否か」「PCR検査を行うべきか否か」「隔離するのか否か。隔離するならどのレベルか」などなど。さらに疑心が暗鬼を呼びます。「ただの誤嚥性肺炎のはずだけど、ひょっとしたら……」「本人は1歩も家から出ていないというけど、出入りする人はいるしな」「無症候でも感染することはあるし」「2回連続でPCRが陰性だったからといって、可能性がゼロではないし」色々疑い始めるとキリがありません。さて、こういうネガティブな気分をどう扱うべきか?1つ考えたのは、映画を観て感動し、喜怒哀楽の感情を洗い流すというもの。うまく自分がリセットされるのではないかと期待します。ということで、アマゾンでDVDのリストを眺めてみました。買った人の評価が星1つから星5つまでで表示されているので参考になります。映画のジャンルも歴史、戦争、SF、スポーツ、西部劇、政治、邦画など色々あり。今回選んだのは「ビリーブ 未来への大逆転」というタイトル。DVDの評価は平均で星4.8個、なんと200人以上の90%が星5つをつけています。2018年の米国映画で、1950年代の女性弁護士の活躍を描いたもの。ルース・ベイダー・ギンズバーグ、通称RBGの実話に基づいたお話です。これだ、これしかない!そう思い、例によってオンライン・レンタル400円で借りました。内容は……ようやく女性にも入学が認められるようになったハーバード・ロー・スクール。でも、1学年500人の学生のうち女性はたったの9人。当時は女性用トイレすらありませんでした。優秀な成績で卒業したのに、どの法律事務所にも採用されず。そこで大学教授をしながら、性差別撤廃の活動を行います。最初の訴訟は、介護費用の控除が性別で左右されるという法律が憲法に違反している、と裁判で争うものでした……。で、私の評価は星3.5かな。良かったところ。巡回区控訴裁判所での3人の裁判官とルースとのやりとり。その前段として、自宅で模擬裁判を行って練習するところ。法律家がプロとして、お互いにロジックを戦わせるところは新鮮です。イマイチのところ。登場人物のステレオタイプさ。頑固なオヤジ連中と、若くて激しい女性活動家。皆が言いそうなことを言うのであれば、ストーリーが読めてしまいます。ニコニコしながら隙のないロジックを展開する、そういうギャップのほうが視聴者をひきつけるのでは?知らんけど。でもほとんどのアマゾン視聴者が絶賛しているので、観る価値はあると思います。自分の気分をリセットしたいときにどうぞ。ちなみに私自身は映画を観た夜はよく眠れ、次の日は元気になっていました。イチャモンをつけつつ感動していたのかも。復活したところで最後に1句映画見て バーチャルトリップ 効果あり

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NYのCOVID-19入院患者、高血圧57%、糖尿病34%/JAMA

 米国ニューヨーク州の12病院に入院した、新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019、COVID-19)患者5,700例について症例研究(case series)を行ったところ、年齢中央値は63歳、約57%が高血圧症を、また約34%が糖尿病を有していたことなどが明らかにされた。米国・Northwell HealthのSafiya Richardson氏らが報告した。試験期間中(2020年3月1日~4月4日)に退院・死亡した患者は、約半数近くの2,634例で、うち死亡は21%だった。また、侵襲的機械的人工換気を要した患者は320例で、その死亡率は88.1%だったという。米国におけるCOVID-19入院患者の特徴とアウトカムの情報は限定的であったが、著者は、「今回の症例研究により、ニューヨーク市周辺におけるCOVID-19入院患者の特徴と早期アウトカムが明らかになった」と述べている。JAMA誌オンライン版2020年4月22日号掲載の報告。3月1日~4月4日の入院患者の臨床アウトカムや併存疾患を調査 研究グループは、ニューヨーク市、ロングアイランド、ウェストチェスター郡のNorthwell Healthが運営する12病院で、2020年3月1日~4月4日に入院したCOVID-19の連続症例5,700例について症例研究を行った。被験者は、鼻咽頭検体によるPCR検査でSARS-CoV-2の感染が確認されていた。 入院中の臨床アウトカム(侵襲的機械的人工換気、腎代替療法、死亡など)、患者の人口統計学的情報、ベースラインでの併存疾患、バイタルサイン、検査結果なども収集して評価した。女性患者は39.7%、トリアージ時の発熱患者は30.7% 被験者5,700例の年齢中央値は63歳(四分位範囲[IQR]:52~75、範囲:0~107)で、女性は39.7%だった。最も多くみられた併存疾患は、高血圧症(56.6%、3,026例)、肥満(41.7%、1,737例)、糖尿病(33.8%、1,808例)だった。トリアージ時点で発熱が認められた患者は30.7%、呼吸数24回/分超だった患者は17.3%、酸素補充療法を要した患者は27.8%だった。呼吸器ウイルス重複感染率は2.1%だった。 試験期間中に退院または死亡した患者2,634例のうち、ICUでの治療を受けた患者は373例(14.2%)で、年齢中央値は68歳、女性は33.5%だった。侵襲的機械的人工換気を受けたのは320例(12.2%)、腎代替療法を受けたのは81例(3.2%)で、死亡は553例(21%)だった。機械的換気を必要とした患者の死亡率は88.1%だった。 退院後のフォローアップ中央値は4.4日(IQR:2.2~9.3)で、試験期間中の再入院率は2.2%(45例)。再入院までの日数中央値は3日(IQR:1.0~4.5)だった。 フォローアップ最終日時点での入院者は3,066例(年齢中央値65歳[IQR:54~75])で、観察打ち切りまでのフォローアップ期間中央値は4.5日(IQR:2.4~8.1)だった。

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COVID-19、軽症患者の64%が嗅覚・味覚に異常/JAMA

 新型コロナウイルス感染時の症状としては発熱、倦怠感、筋肉痛、呼吸困難などに加え、嗅覚・味覚の異常についても報告されている。これまで、COVID-19感染者の嗅覚と味覚障害の有病率を評価した研究は1件のみ1)で全体の有病率は34%であったが、ほかの症状との関連における発症タイミングに関するデータはなかった。イタリアTreviso Regional Hospital を2020年3月19~22日に受診し、鼻咽頭および咽頭スワブの RT-PCR 検査でSARS-CoV-2陽性と診断され、自宅待機可能な18歳以上の軽症患者202例を対象に嗅覚・味覚障害の発現状況を評価した。JAMA誌オンライン版2020年4月22日号のリサーチレターに報告された。 主な結果は以下のとおり。・202例の年齢中央値(四分位範囲)は56(20~89)歳、女性が52.0%だった。・嗅覚あるいは味覚異常を訴えたのは130例(64.4%:95%CI:57.3~71.0)だった。・Sino-nasal Outcome Test 22(SNOT-22)の中央値は4(四分位範囲:3~5)、最も重症のスコア5も48例(23.8%)いた。・嗅覚あるいは味覚異常を訴えた130例中、鼻閉も訴えたのは45例(34.6%)だった。・嗅覚あるいは味覚異常の発現時期は、初発症状のものが24例(11.9%)、その他症状と同時に発現したものが46例(22.8%)、その他の症状の後に発現したものが54例(26.7%)だった。・嗅覚あるいは味覚異常が唯一の症状だったものは6例(3.0%)だった。・嗅覚あるいは味覚異常があったのは、女性の72.4%(95%CI:62.8~80.7)、男性の55.7%(45.2~65.8)で、女性の頻度が高かった(p=0.02)。

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COVID-19転帰予測、入院時のDダイマー測定が有用

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の管理を改善するために、臨床転帰の早期かつ効果的な予測因子が求められている。中国・武漢亜洲心臓病医院のLitao Zhang氏らは、COVID-19患者の入院時のDダイマーが2.0μg/mL超(fourfold increase)という指標が院内死亡率の予測に効果的であり、患者管理の改善における早期かつ有用なマーカーとなる可能性を示した。Journal of Thrombosis and Haemostasis誌オンライン版4月19日号掲載の報告。 研究者らはCOVID-19患者の死亡率をDダイマーの上昇で予測できるかどうかを評価するため、2020年1月12日~ 3月15日に武漢亜洲心臓病医院へ入院していた患者の情報を用いて解析を行った。最適なカットオフ値をROC曲線で設定するため入院時のDダイマーと死亡イベントを収集し、カットオフ値から被験者を2グループに分類した。次に、Dダイマーの予測値を評価するため2グループ間の院内死亡率を比較した。 主な結果は以下のとおり。・研究には334例が登録された。・院内死亡率を予測するDダイマーの最適カットオフ値は2.0μg/mL、感度は92.3%、特異度は83.3%だった。・入院時、Dダイマーが2.0μg/mL以上の患者は67例、2.0μg/mL未満の患者は267例だった。・入院中に13例が死亡し、Dダイマーが2.0μg/mL以上の患者は、2μg/mL未満の患者より死亡率が高かった(12例/67例vs.1例/267例、p

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第40回 コロナ禍を吹っ飛ばせ!腕試し心電図クイズvol.1【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第40回:コロナ禍を吹っ飛ばせ!腕試し心電図クイズvol.1皆さん、いかがお過ごしでしょうか。せっかくのゴールデンウイークだけでなく、医療情勢まで逼迫させる新型コロナウイルスを本当に憎らしく思います。診療の場ではいつも以上に緊張を強いられる毎日かと思いますが、そんな時こそ息抜きで心電図クイズにチャレンジしてみませんか? 2019年も好評を博したこの企画。連載も気づけば40回目に突入し、レクチャーも進み扱える内容も増えました。おもしろくもためになる―そんな問題をDr.ヒロが厳選いたしました。さぁ、チャレンジしてみましょう!症例提示60歳、男性。就寝時の息苦しさ、咳嗽、両下腿の圧痕性浮腫を主訴に来院。うっ血性心不全の診断で入院となった。体温36.6℃、血圧143/104mmHg、脈拍84/分・不整、酸素飽和度95%(室内気)。来院時の心電図を以下に示す(図1)。(図1)来院時の心電図画像を拡大する【問題1】QRS電気軸に関して正しいものを選べ。また、電気軸の推定値はいくらか。1)不定軸2)正常軸3)右軸偏位4)左軸偏位5)高度の軸偏位(北西軸)解答はこちら2)QRS電気軸:+30°(トントン法で算出)解説はこちら電気軸の定性的な判定はQRS波の「向き」に注目します。IとII、そしてaVFのいずれの誘導でも上向きですから、立派な「正常軸」と判定できます。“ドキ心”読者なら、定量的な評価もしたくなるはず(笑)。そういう時には“トントン法”の出番ですね。肢誘導を上から見渡し、IIIでR波(高さ)≒S波(深さ)、つまりここが“トントン・ポイント”だとわかったらあと一息。肢誘導界の円座標を思い浮かべ、III(+120°)に直交し、Iが上向きとなる方角を選べば「+30°」が正解です(ちなみに自動診断では「+27°」となっていました)。参考レクチャー:第8回、第9回【問題2】心電図所見に関して正しいものをすべて選べ。1)心房期外収縮2)心室期外収縮3)高電位(差)4)低電位(差)5)右房拡大6)左房拡大7)完全右脚ブロック8)完全左脚ブロック9)盆状ST低下10)ストレイン型ST-T変化解答はこちら 1)、3)、6)、10)※6)は選択しなくても正解とする。解説はこちらこれはDr.ヒロ推しの系統的判読そのものです。R-R間隔はおおむね整ですが、肢誘導も胸部誘導も5拍目で崩れています。これはタイミング的に「期外収縮」でいいですね。先行P波があり(図2)、QRS波形もそれ以外の洞収縮とほぼ同じですから、シンプルに「心房期外収縮」(PAC)と考えましょう。(図2)II誘導を抜粋画像を拡大する「低電位(差)」は該当しません。「高電位(差)」については、レクチャーで紹介した語呂合わせ“そこのライオン”(Sokolow-Lyon)などを参考にしてもいいですし(S-L index:76mm)、ボク流の“(ブイ)シゴロ密集法”でもバッチリ陽性となるはずです。「心房拡大」に関しては、右房はありません。左房に関しては、V1誘導のP波を見て、後半の陰性成分が幅、深さともに1mm以上あるので、疑っても結構です。ただ、個人的にはII誘導で幅広く“2コブ”のP波でない場合には「左房拡大」とは診断しないことにしています。ST変化に関しては、これぞ“ザ・ストレイン”です。“寝そべった2の字”でイメージするDr.ヒロ's Tips、全国の皆さんに普及するといいなぁ。参考レクチャー:第1回、第38回【問題3】V6誘導のみの拡大波形の一部を示す(図3)。VAT(ventricular activation time)、R(-wave)peak timeとして正しいものを1つ選べ。1)40ms2)70ms3)100ms4)180ms5)1040ms(図3)V6誘導の拡大波形画像を拡大する解答はこちら2)解説はこちら今回の例は「(左室)高電位(差)」と典型的な「ST-T変化」(ストレイン型)があるので、「左室肥大」(LVH)の診断でほぼ間違いないでしょう。肥大した左室興奮の“もたつき”を表現したものが“(delayed) intrinsicoid deflection”でしたが、これよりも“VAT”ないし“R(-wave)peak time”のほうがわかりやすい表現だと思います。これはQRS波の「はじまり」からピーク(頂点)までの時間を測れば良く、「VAT(R[-wave]peak time)≧50ms(0.05秒)」はLVH診断の参考になるのでした。(図3)では、ソフトの都合で“頂上”(ピーク)がうまく確認できませんが、QRS波の「はじまり」が太線上に載っている3拍目に着目し、1mm(40ms)以上は確実でQRS幅が100msですから、選択肢2の「70ms」を選べば正解です(ボクの計測では68msとなりました)。ちなみに、4)はPR時間、5)はR-R間隔の数値です。参考レクチャー:第38回、第39回症例提示284歳、女性。アルツハイマー型認知症。転倒により受傷、右寛骨臼骨折の診断で入院となった。入院時心電図を以下に示す(図4)。(図4)入院時の心電図画像を拡大する【問題4】次の(ア)~(カ)の適切なものを選べ。ただし、(イ)と(ウ)は適切な数字を答えよ。R-R間隔は( ア:整・不整 )で、肢誘導の( イ )拍目と胸部誘導の( ウ )拍目は期外収縮である。期外収縮のQRS波は洞収縮と( エ:同じ、異なる )形状で、先行P波を( オ:認める、認めない )。休止期[回復周期]は( カ:代償性、非代償性 )である。解答はこちら(ア)不整、(イ)4、(ウ)5、(エ)同じ、(オ)認める、(カ)代償性解説はこちら本問は「期外収縮」の理解度を確認するための問題です。見慣れてくると、R-R間隔が整な部分“以外”がむしろpop-outして見えてくるのではないでしょうか? その気で眺めると、肢誘導なら4拍目、胸部誘導は5拍目が「期外収縮」です。「期外収縮」と言えば、“線香とカタチと法被(はっぴ)が大事よね”でしたね。“カタチ”はほかの洞収縮とのQRS波形との比較(相同性)ですし、“法被”部分は幅と(先行)P波です。今回、QRS波は洞収縮に似て幅も正常(narrow)、先行P波はQRS波からかなり近い部分にあるようです。最後に回復周期(休止期)が代償性か否かに関してですが、簡易には期外収縮を挟むR-R間隔、より正確にはP-P間隔を調べ、洞調律のP-P間隔(洞周期)のピッタリ2倍なら代償性で(ニバイニバーイの法則)、それより短ければ非代償性と考えましょう。以下の図5はII誘導だけを抽出し、期外収縮前後のP-P間隔を洞周期(P-P)と比べてみました。(図5)入院時の心電図画像を拡大する期外収縮のP波を「P'(P4)」としますと、次拍までの「P'-P5」(X:休止期)は洞周期(S)よりも長く、連結期「P3-P'」(Y)との和である期外収縮前後のP-P間隔(P3-P5)は洞周期のほぼ2倍となっていることがわかります。(図5)に示したようにキャリパーを登場させましょう。この休止期は「代償性」のようです。参考レクチャー:第21回【問題5】心電図診断として正しいものはどれか。1)心房細動2)心房期外収縮3)(房室)接合部期外収縮4)心室期外収縮5)心室副収縮解答はこちら 3)解説はこちら前問の検討事項を参考にします。1)は論外ですし、QRS波形と洞収縮の類似性から「上室性」と呼ばれる2)か3)の二択になります。P波が先行しているので、あまり深いことを考えなければ「心房期外収縮」(PAC)の2)を選ぶでしょう。ただ、ここは慎重に考えてください。前問の最後に注目すると、“上品な”心室期外収縮(PVC)とは違って、PACは洞結節をリセットするため、休止期は「非代償性」になることが多いのでした。ただ、今回は「代償性」の休止期、レクチャーでは正式には扱いませんでしたが、こういう期外収縮は「(房室)接合部」を起源とする“ premature (AV-)junctional contraction”、略して「PJC/JPC」と呼ばれます。今回はP波が先行していましたが、JPCの場合、P波が「ある」場合もQRS波との位置関係はさまざまで、「手前」「内部(埋もれて見えない)」「後方」の3パターンがあります。常に休止期の代償性に注意を払っておくことも重要ですが、P波が先行していても、(とくにPR(Q)間隔が短めの場合)JPCの可能性を考慮するようにしましょう。5)は特殊な心室期外収縮ですが、ひとまず忘れて良いでしょう。参考レクチャー:第21回、第23回【問題6】心電図(図3)の肢誘導のラダーグラムを描け。解答はこちら図6を参照。解説はこちらついに出ました、ラダーグラムの問題。これも期外収縮をサカナに熱く語りました。前問で「接合部期外収縮」(PJC)であることがわかったので、それを描くだけです。洞収縮での描き方は正式版、簡易版ともにレクチャーしました。JPCは中段の「A-V」エリアから出現し(図6)の★マーク、これはP'(P4)波、そして4拍目のQRS波より先行するはずであり、左方に描きましょう。そこから心房側には逆行してP'波を形成し(ピンク線+赤線)、心室側には順行性に進んでQRS波を作ります(緑線+青線)。これで見事にPJCラダーグラムの完成です!(図6)肢誘導のラダーグラム画像を拡大する参考レクチャー:第22回、第23回、第26回症例提示389歳、男性。COPD以外に複数の心疾患の既往あり。数日前から微熱あり、食事摂取量と会話量が減少していた。呼吸苦に加えて幻覚症状も出現し始めたため家族に連れられ受診。肺炎の診断で入院となった。体温37.3℃、血圧94/42mmHg、脈拍75/分・不整、酸素飽和度は酸素3L/分(鼻カニューレ)吸入により74%から93%に上昇した。入院時心電図を示す(図7)。(図7)入院時の心電図画像を拡大する【問題7】調律診断として正しいものを選べ。また、心拍数はいくらか。1)洞不整脈2)洞頻脈3)心房粗動4)心房細動5)発作性上室性頻拍解答はこちら4)105/分(新・検脈法)解説はこちら調律と言ったら、まず“レーサー・チェック”ですね。R-R間隔の絶対不整、明らかな洞性P波は確認できず、速迫傾向もありますから、「心房細動」(AF)と診断できるでしょう。本例では、“テッパン”のV1誘導も含めて「f(細動)波」が確認しづらい心電図だと思います。心拍数に関しては、Dr.ヒロの独壇場でございます(笑)。連載の初期に登場させた“検脈法”でもいいですが(QRS波19個なので19×6=114/分となる)、両端の“ちぎれた”QRS波を「0.5個」とカウントする“新・検脈法”を用いると自動診断の数値に近づくことが多いです。肢誘導の右端、胸部誘導には両端に“ちぎれQRS波”があるので、8+0.5(肢誘導)+8+0.5✕2(胸部誘導)と数えれば「105/分」と求まるでしょう。ちなみに、隠した自動診断値は「101/分」でした。いずれにしても「頻脈性」あるいは「速い心室応答を伴う」AFと言えますね。参考レクチャー:第3回、第4回、第7回、第29回【問題8】心電図診断として正しいものをすべて選べ。1)不完全右脚ブロック2)完全右脚ブロック3)左脚前枝ブロック4)左脚後枝ブロック5)完全左脚ブロック解答はこちら2)、3)解説はこちらQRS幅はワイド(120ms以上)ですから「心室内伝導障害」として、普通は左右の「脚ブロック」を思い浮かべてください。V1波形はやや非典型ですが、V6の幅広く目立つS波(スラー)に注目すれば「完全右脚ブロック」と診断することができます。さらにもう一つ。右脚ブロックと診断したら、続いてQRS電気軸も必ず見るクセをつけることが大切です。肢誘導でQRS波はI:上向き、aVF(かつII):下向きですから、バリバリの「左軸偏位」です。具体的な数値で言うと“トントン・ポイント”が、「I」と「-aVR」の中間ないし後者寄りになりますから、「-75°」前後と「高度の左軸偏位」です。II・III・aVFで「rS型」、aVLで「qR型」とくれば、そう「左脚前枝ブロック」(LAFB)です。このように右脚に加えて、左脚分枝の一方(大半が前枝)がブロックされたものを「2枝ブロック」(bifascicular block)と呼びます。【参考レクチャー】:第8回、第9回、第32回、第37回【問題9】心電図からは心筋梗塞の既往が疑われるが、傷害部位として正しいものをすべて選べ。1)右室2)心室中隔3)左室下壁4)左室後壁5)左室前壁解答はこちら2)、5)解説はこちら「陳旧性心筋梗塞」は「異常Q波」を“名残り”として部位推定するのが心電図の世界の基本です。「異常Q波」の存在を気づきにくくする「(完全)右脚ブロック」の“魔力”についてはレクチャーで述べましたが、これもそんな一例です。V1~V3では“any Q”で常に異常でしたね。一つお隣に目をやればV4も陰性波からはじまっています。V1~V4を「前壁誘導」と言いますが、V1には前側の「心室中隔」(前壁中隔)の意味を持つので、2)と5)を正解とします。勘の鋭い人は『aVLにもQ波があるじゃん』と思うかもしれませんね。たしかにその通り。前壁中隔梗塞の責任結果はほぼ左前下行枝(LAD)ですが、その分枝である対角枝の灌流域である「高位側壁」をaVLが担当誘導と考えるとそうかもしれません。ただ、「左脚前枝ブロック」の場合には必ずしもそうとは言えず、あえて選択肢から「左室側壁」を除きました。参考レクチャー:第17回、第32回【古都のこと~清水寺の舞台】京都を代表する寺院と言ったら、やっぱりキヨミズさんだなぁ…そう思います。清水寺(東山区)、山号は音羽山。「古都のこと」40回目でようやく“真打ち”を取り上げるのは、そう、今年(2020年)の2月末に約3年にもおよぶ本堂の檜皮屋根葺き替え工事*1が完了したからです。ほぼ1年半ぶり、本堂への入口*2がオープンする早朝6時に“一番乗り”を目指しました。高校の修学旅行で来たはずだったのですが、京都に住み始めた頃、本堂を通り過ぎ、阿弥陀堂*3に隣接する奥の院が「舞台」なのだと誤解していたかつての自分を恥ずかしく思います(笑)。長らく紫がかったこげ茶色のシートに覆われていましたが、今は何も隠すところのない本堂、そして前面に張り出す新緑に浮かぶ「舞台」*4からは京都の街を一望できます。早朝に清水にお参りすることのメリットは、非常に多くの人が溢れる日中とは異なり、静かでそして深い新鮮な空気をたくさん吸うことができる点だと思います。突然に現れ、人々の何気ない日常を奪った新型コロナウイルスという“目に見えぬ敵”は医療現場でも猛威を振るっています。これに打ち勝つためには、“清水の舞台から飛び降りる”くらいの強い決意で日々の診療に臨むことが必要なのだと思います。*1:『平成の大修理』*2:轟門(中門)。重要文化財。*3:「日本最初常行念仏道場」とされる。*4:1633年(寛永10年)に再建された“檜舞台”は崖下の礎石から13mの高さである。音羽山の急峻な崖の上に木材を格子状に組むことでお互いが支え合う「懸造り(かけづくり)」と呼ばれる日本古来の伝統工法で耐震構造を実現している。実は“下からの眺め”もまた絶景な寺である。この「舞台」は、御本尊(千手観音菩薩)に芸能を奉納する場所としての意義がある。

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「8週間以上の自粛は耐えられる」約4割/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症の拡大について、一般市民の意識の実態を知る目的に、株式会社アイスタット(代表取締役社長 志賀保夫)は、4月20日に2回目の「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」を行った(1回目は3月20日に実施)。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の会員で20~79歳の300人を対象に調査を実施したもの。 同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。●調査概要 形式:WEBアンケート方式 期日:2020年4月20日 対象:セルフ型アンケートツール“freeasy”の登録者300人(20歳以上)■アンケート結果の概要・新型コロナウイルス拡大について、約9割の人が「怖い」と思っている(前回より約22%増加)・新型コロナウイルス予防対策の実施は84.7%で、前回より約26%増加・新型コロナウィルスに感染しない自信はあるかは、「ない」38.0%が「ある」14.3%を上回った・新型コロナウィルスの正しい情報を取得できているは56.3%で、約4割は取得できていない・新型コロナウィルス情報の入手経路は、「TVなどのニュース」が89.7%で最も多い結果・新型コロナウィルスの拡大は、収入面に不安を与えているが57%(前回より約14%増加)・予防対策の1位は「手洗い」、2位は「マスク着用」、3位は「不要な外出を控える」(前回より20%以上増加した予防対策は3密に関する内容)・この状態にどの程度耐えられるかは、「あと8週間以上」が33.7%で最多■アンケート結果の詳細  質問1の「新型コロナウイルス拡大について、どう思いますか」では、「怖い」(92.0%)、「それ以外」(8.0%)の回答結果であり、前回よりも約22%も「怖い」が増加した。 質問2の「新型コロナウイルス予防対策を実施してますか」では、「実施している」(84.7%)、「どちらでもない」(8.3%)、「実施していない」(7.0%)の回答結果だった。前回よりも「実施している」が約26%増加したが、20・30代の約25%が「どちらでもない/実施していない」と回答するなど予防への意識の低さがうかがわれた。 質問3の「新型コロナウイルス感染症予防策として行っていることはなんですか(複数回答)」では、「手洗い」(91.3%)、「マスク着用」(76.7%)、「不要な外出を控える」(69.7%)、「人混みを避ける・時差通勤」、「集会・イベントなどに参加しない」、「うがい」などの順で多かった。とくに「不要な外出を控える」に関しては、70・80代の7割以上が控えている一方で、60代以下では約6割台と自粛浸透の低さが目立った。 質問4の「新型コロナウイルス感染症に感染しない自信はありますか」では、「自信がある」(14.3%)、「どちらでもない」(47.0%)、「自信がない」(38.0%)の回答だった。また、わずかながら「すでに陽性と診断」が0.7%存在していた。 質問5の「新型コロナウイルス感染症の正しい情報を取得できているか」では、「取得できている」(56.3%)、「どちらともいえない」(36.0%)、「取得できていない」(7.7%)だった。とくに40・50代で情報の取得がうまくできていない結果だった。 質問6の「新型コロナウイルス感染症の情報をどのような経路で入手していますか(複数回答)」では、「TVなどのニュース」(89.7%)、「ネットのニュース」(57.3%)、「TVなどのワイドショー」(48.7%)の順で多く、かかりつけのクリニックなどの医療者からは3.0%、保健所からは2.0%と医療機関からの情報取得は前回同様に少なかった。 質問7の「新型コロナウイルス感染症の拡大は、あなた自身の収入面に不安を与えていますか」では、「不安である」(57.0%)、「どちらとも言えない」(26.0%)、「不安でない」(17.0%)の回答で、半数近くは不安を抱えているという回答だった。前回と比較して「不安である」の回答が約14%増加した。 質問8の「あなたは、あとどの程度、この状態に耐えられることができますか」では、「もう限界」(8.7%)、「あと1週間」(6.7%)、「あと2~3週間」(27.3%)、「あと4~5週間」(18.7%)、「あと6~7週間」(5.0%)、「あと8週間以上」(33.7%)という回答だった。「あと8週間以上」という回答が1番多く、長期的な自粛への対応ができていることをうかがわせた。

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RA系阻害薬、COVID-19の重症度に関連みられず/JAMA Cardiol

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院中、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を服用している高血圧患者が、COVID-19の重症度や死亡リスクを上昇したかどうかを中国・武漢市の華中科技大学のJuyi Li氏らが検討した。その結果、これらのRA系阻害薬の服用はCOVID-19の重症度や死亡率と関連しないことが示唆された。JAMA Cardiology誌オンライン版2020年4月23日号に掲載。 本研究では、2020年1月15日~3月15日に武漢中央病院に入院したCOVID-19患者1,178例を後ろ向きに調査した。COVID-19はRT-PCR検査で確認し、すべての患者の疫学、臨床、放射線、検査、薬物療法のデータを分析した。ACEI/ARBを服用している高血圧患者の割合を、COVID-19重症者と非重症者、および生存者と死亡者の間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・1,178例の平均年齢は55.5歳(四分位範囲:38~67歳)で、男性が545例(46.3%)だった。・入院中の全死亡率は11.0%だった。・高血圧患者は362例(30.7%)、平均年歳は66.0歳(四分位範囲:59~73歳)、男性が189例(52.2%)で、115例(31.8%)がACEI/ARBを服用していた。・高血圧患者の入院中の死亡率は 21.3%だった。・ACEI/ARBを服用していた高血圧患者の割合は、COVID-19重症者と非重症者の間で差はなく(32.9% vs.30.7%、p=0.65)、死亡者と生存者の間でも差はなかった(27.3% vs.33.0%、p=0.34)。・ACEI服用患者とARB服用患者のデータの分析でも同様の結果が観察された。

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医師500人の本音、新型コロナのリスク対価はいくらが妥当?

 先日、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の重症化や、ほかの患者及び医療従事者への感染拡大を防ぐための管理評価を診療報酬に盛り込み、医療者の処遇改善に切り込んだ。しかし、直接的な処遇改善ではないため、現時点で医療者の士気向上や離職食い止め策には至っていない。 そんな中、大阪府や埼玉県などでは新型コロナ業務に従事した医療従事者には1日あたり4,000円の手当支給を検討している。また、勤務医の労働組合である全国医師ユニオンは、2020年4月16日、医師及び医療従事者の命と健康を守る支援を徹底すること求め、厚生労働省に対しCOVID-19への対応に関する要望書を提出。これにはCOVID-19患者に対応する医師への危険手当の支払いに関する内容が盛り込まれている。 しかし、現金給付である手当については医療者の中でも賛否両論があり、手当支給よりも防護服などの医療材料の調達に国や自治体予算を活用して欲しいという声もある。そこで、ケアネットでは医師の本音を探るべく、新型コロナ対応における現金給付の必要性とその理由について、会員医師約500名にアンケートを実施した。その結果、約9割の医師が現金給付を希望していることが明らかになった。また、1ヵ月あたりの支給希望額についても回答を得た。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。 新型コロナの「危険手当」、医師の本音は?/緊急アンケート

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高特異度のCOVID-19抗体検査キット、FDAが緊急使用許可/オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス

 米国の臨床検査用機器・診断薬メーカーであるオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックスは4月25日、SARS-CoV-2の抗体検査試薬「ビトロスAnti-SARS-CoV-2 IgG 抗体検査試薬キット(COVID-19 IgG 抗体検査試薬)」がFDAによる緊急使用許可(Emergency Use Authorization:EUA)を取得したと発表した。 同社では、別の抗体検査試薬が4月14日にすでにEUAを取得している。1種類目の「ビトロス Anti-SARS-CoV-2 Total抗体検査試薬キット(COVID-19 Total抗体検査試薬)」は、感染初期の急性期に出現するIgM抗体を含むすべての抗体を検出し、免疫の獲得開始の判断への活用が期待される。今回EUA を取得した2種類目の COVID-19 IgG抗体検査試薬は、感染の後期に出現し、回復後も患者の血液中に存在するIgG抗体のみを検出する。 なお、これら2種類の抗体検査試薬の特異度は、同社がSARS-CoV-2非感染者400人を対象に行った試験で、400人が「陰性」となったことに基づき、ともに100%と発表されている。 これらの検査試薬は、同社の生化学免疫分析装置のビトロスXT 7600統合システムをはじめ、ビトロス3600免疫診断システム、ビトロス5600統合システム、ビトロスECi/ECiQ免疫診断システムで検査が可能。これらのシステムは米国全体では1,000を超える医療機関および医療関連機関で使用されている。 日本国内においては、同社の全自動検査機器を使用している医療機関および医療関連施設に、研究用試薬として5月下旬より順次提供予定で準備を進めている。

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新型コロナの「危険手当」、医師の本音は?/緊急アンケート

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療は崩壊寸前である。そんな折、日本唯一の全国的な勤務医の労働組合である全国医師ユニオンは、2020年4月16日、厚生労働省に対し新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対応する医師への危険手当の支払いを要望。今後、国や勤務施設から手当が支給される可能性を踏まえ、ケアネットでは新型コロナ対応における現金給付の必要性とその理由について、会員医師約500名にアンケートを行った。全体の約90%が危険手当「必要」と回答Q1では危険手当として現金給付の要否を聞いた。その結果、全体で88%の医師が危険手当を「必要」と回答。年齢別では、20代:100%、30代:93.2%、40代:89.8%、50代:82.3%、60代:89.0 %、70代:100% となった。また、診療科別の結果は以下(図2)のとおりであった。(図1)画像を拡大する(図2)

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COVID-19の実効再生産数は公衆衛生介入で抑制か/JAMA

 中国・湖北省武漢市のCOVID-19集団発生(outbreak)では、都市封鎖(city lockdown)や社会的距離(social distancing)、自宅隔離、集約化された検疫・治療、医療資源の拡充など一連の多面的な公衆衛生的介入により、初発の確定症例や実効再生産数(2次感染の指標)が経時的に抑制されたことが、中国・華中科技大学のAn Pan氏らの調査で示された。COVID-19の世界的な大流行(pandemic)では、さまざまな公衆衛生的介入が行われているが、これによって集団発生状況が改善されたか明確ではないという。JAMA誌オンライン版2020年4月10日号掲載の報告。3万例以上で、公衆衛生的介入が及ぼした影響を評価 研究グループは、武漢市のCOVID-19集団発生において、公衆衛生的介入と疫学的特徴の関連を評価する目的で、5つの時期に分けたコホート研究を実施した(中国・主要大学基礎研究基金などの助成による)。 市の法定伝染病報告システムを使用し、2019年12月8日~2020年3月8日に、検査によりCOVID-19と確定された3万2,583例のデータを抽出した。データには、患者の年齢、性別、居住地区、職業、発病日(患者の自己申告による発熱、咳、その他の呼吸器症状が発現した日)、確定日(生体試料からSARS-CoV-2を検出した日)、重症度(軽度、中等度、重度、重篤)などが含まれた。 COVID-19の確定は、鼻腔および咽頭のスワブ検体を用い、リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)または次世代シークエンシング法でSARS-CoV-2ウイルス陽性の場合と定義した。 公衆衛生的介入(防疫線、交通規制、社会的距離、自宅隔離、集約化検疫、全例症状調査など)が、新型コロナウイルスの感染に及ぼした影響を評価した。イベントや介入で5つの時期に分類、2次感染の指標も評価 春運期間の開始(2020年1月10日)、武漢市防疫線の開始(1月23日)、4つのカテゴリー(確定症例、推定症例、発熱・呼吸器症状患者、濃厚接触者)に分けて集約化された治療・検疫戦略の開始(2月2日)、全例症状調査の開始(2月17日)を起点として、以下の5つの時期に分類し、年齢別、性別、市内地区別の新型コロナウイルスの感染率を算出した。 I期(初期の非強力介入期、2019年12月8日~2020年1月9日、33日間、確定症例数550例)、II期(春節による大移動期、1月10日~22日、13日間、5,091例)、III期(都市封鎖/交通規制/自宅検疫期、1月23日~2月1日、10日間、1万3,880例)、IV期(集約化検疫・治療/医療資源拡充期、2月2日~16日、15日間、9,972例)、V期(集約化検疫/全例症状調査期、2月17日~3月8日、21日間、3,090例)。 また、各時期のSARS-CoV-2の実効再生産数(2次感染の指標。集団のある時刻における、典型的な初発患者が生み出した2次感染者数の平均値)も推算した。発症から確定までの期間は徐々に短縮 3万2,583例の年齢中央値は56.7歳(範囲:0~103、四分位範囲:43.4~66.8)、女性が1万6,817例(51.6%)で、40~79歳が2万4,203例(74.3%)であった。 多くの患者は1月20日~2月6日の期間に発症し、2月1日にこの日だけの感染者数の急上昇が認められた。発症から確定までの期間は、初期には実質的な遅延が認められたが、この遅延は経時的に短縮した(I~V期の発症から確定までの期間中央値の推移:26、15、10、6、3日)。 集団発生は、武漢市の都市部で始まり、5つの時期を通じて郊外および農村部へと徐々に拡大した。確定症例の割合は、地区によって大きく異なり、感染率は都市部が最も高かった。III期にピーク、医療従事者感染率はPPE普及後に低下 1日の確定症例数の割合は、I期の100万人当たり2.0件(95%信頼区間[CI]:1.8~2.1)から、II期には45.9件(44.6~47.1)へと上昇し、III期には162.6件(159.9~165.3)とピークに達したが、その後、IV期には77.9件(76.3~79.4)、V期には17.2件(16.6~17.8)へと低下した。また、全期を通じて、女性の感染率がわずかに高かった(100万人当たり43.7件/日vs.39.4件/日)。 一方、医療従事者の確定症例(1,496例)の割合は4.6%であった(I期3.8%、II期8.7%、III期5.5%、IV期3.0%、V期1.8%)。全期を通じて、100万人当たりの1日の確定症例の割合は、医療従事者が130.5件(95%CI:123.9~137.2)と、一般人口の41.5件(41.0~41.9)に比べて高かった。医療従事者の感染率はIII期にピーク(617.4件[576.3~658.4]/日/100万人)に達したが、包括的な個人用保護具(PPE)が広く使用可能となったIV期(159.5件[141.4~177.6])およびV期(21.8件[16.1~27.4])には低下した。 20歳以上では、1日の確定症例の割合はIII期にピークに達し、それ以降は低下したのに対し、小児や青少年(20歳未満)はその後も増加し続け、とくに1歳未満の増加が顕著であった。1歳未満の1日の確定症例の割合は100万人当たり7.9件(5.8~10.0)で、20歳未満の他の年齢層は2.0~5.4件だった。高齢者ほど重症化リスク高い、実効再生産数は介入後低下 重症度別の解析では、重度/重篤症例の割合は、I期の53.1%から、II期35.1%、III期23.5%、IV期15.9%、V期10.3%へと低下した(I期との比較でいずれも有意差あり)。 また、重症化のリスクは年齢が高くなるに従って増加した。20~39歳の重度/重篤症例の割合12.1%と比較して、80歳以上は41.3%(リスク比[RR]:3.61、95%CI:3.31~3.95)、60~79歳は29.6%(2.33、2.16~2.52)、40~59歳は17.4%(1.41、1.30~1.53)であったのに対し、20歳未満は4.1%(0.47、0.31~0.70)であった(いずれもp<0.001)。 一方、実効再生産数は、1月26日以前は3.0以上で著しく上下動し、1月24日にピーク値の3.82に達し、以降は下降に転じた。2月6日には1.0未満に低下し、3月1日以降は0.3未満に抑制された。 著者は、「これらの知見は、COVID-19の世界的な大流行との闘いにおいて、他の国や地域の公衆衛生上の施策に有益な情報をもたらす可能性がある」としている。

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第5回 新型コロナで経営危機に直面する医療機関が急増

<先週の動き>1.新型コロナで経営危機に直面する医療機関が急増2.「サージカル」「N95」高性能医療用マスク、国から緊急配布へ3.オンライン診療の医療機関リスト公表4.在宅医療の臨時的対応、4月のみ電話等診療でも管理料算定可に5.歯科医によるPCR検体採取が認められる見込み1.新型コロナで経営危機に直面する医療機関が急増全日本病院協会の猪口 雄二会長が、東京新聞のインタビューに応じた。新型コロナ感染症以外の患者数減少に伴い、病院経営が厳しくなっており、多くの民間病院から「3月末以降、外来、入院、救急患者のいずれも減っているとの報告が寄せられている」と説明。6月には資金不足に直面する医療機関が増えることが懸念される。愛知県保険医協会の調査では、3月の前年同時期に比べて、外来患者数が「減った」と答えた医師が80.1%、保険診療報酬が「減った」との回答も76.4%に上り、地域への影響が明らかになりつつある。4月には緊急事態宣言の対象地域における健診実施機関の一時中止がされており、全国的に見ても、影響は広範に渡ると考えられる。厚生労働省は、新型コロナ感染者に応じた医療機関に対して診療報酬を上乗せする決定をしたが、通常診療に当たっている医療機関は恩恵を受けない。日本病院会の相澤 孝夫会長より、「新型コロナウイルス感染症への対応により経営的支援が必要な病院に対する措置に関する緊急要望書」が、4月23日、加藤 勝信厚生労働大臣に提出された。同様に、歯科医院も経営危機に直面していることが報道されており、厚労省にはいち早い対応が求められている。(参考)<新型コロナ>民間病院6月危機「資金底つく」コロナ以外の患者減「助成必要」/全日病会長(東京新聞)歯科医院も「医療崩壊」 感染拡大で相次ぐキャンセル(神奈川新聞)新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を踏まえた特定健康診査・特定保健指導等における対応について(厚労省)新型コロナウイルス感染症への対応により経営的支援が必要な病院に対する措置に関する緊急要望書(第2報)(一般社団法人 日本病院会)2.「サージカル」「N95」高性能医療用マスク、国から緊急配布へ現在、深刻な問題となっているのが、医療従事者の新型コロナ感染である。院内感染の発生に伴い、3次救急医療機関で外来の受け入れ停止や、救急患者の受け入れ制限が複数報告されている状況だ。多くの新型コロナ感染者は感染症指定医療機関に入院しているが、受け入れ先でない医療機関においても、感染者の入院などが発生していると考えられる。一般病院でもクラスターが発生するなど、医療従事者が新型コロナに感染するケースが各地で発生しており、早期発見や感染拡大防止へのさらなる取り組みが求められる。医療機関における防護具の深刻な不足に早急に対策するべく、厚労省は、「サージカルマスク」や「N95」などの高性能の医療用マスクについて、在庫が足りなくなりそうな医療機関を対象に国から緊急配布する仕組みを今月中に導入することになった。(参考)10施設が受け入れ制限・停止 3次救急にコロナ影響―9道県「厳しい」・医療調査(時事通信)東京都内の感染者 約14%が医療機関の関係者 新型コロナ(NHK)医療用マスクを緊急配布へ 払底迫る医療機関が対象 新型コロナ(同)3.オンライン診療の医療機関リスト公表外来受診による感染リスク軽減のため、初診患者についても電話を含むオンライン診療が可能となり、現在導入を行っている医療機関のリストが厚労省のWebサイトに掲載された。4月24日の時点で、「オンライン診療」に対応している医療機関は全国でおよそ1万1,000件に上る。(参考)新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について(厚労省)オンライン診療検索(JX通信社)4.在宅医療の臨時的対応、4月のみ電話等診療でも管理料算定可に4月24日に開催された中央社会保険医療協議会の総会において、「在宅医療における新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の対応について」討議された。在宅時医学総合管理料(在医総管)や施設入居時等医学総合管理料(施設総管)について、「月2回以上訪問診療を行っている場合」を算定している例では、4月のみの特例的取り扱いとして、1回の訪問診療の後、もう1回を電話等で診療を行った場合または2回とも電話等で診療を行った場合も、月2回訪問の在医総管等を算定可能になるなど、臨時的対応が認められる。なお、2ヵ月以上連続で、訪問診療1回+電話等再診1回となった場合、2ヵ月目以降は診療計画を変更し、月1回訪問の管理料を算定する。また、新型コロナ感染症患者(疑い例を含む)に対して往診などを実施する際、必要な感染予防策を講じた上で当該患者の診療を行った場合には、「B001-2-5 院内トリアージ実施料(300点/回)」を上乗せして算定できる。訪問看護ステーションや訪問薬剤管理指導においても併せて討論され、それぞれの臨時的な取り扱いが示されている。(参考)新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の対応について(中央社会保険医療協議会 総会 第456回 資料)5.歯科医によるPCR検体採取が認められる見込み厚労省は医師会などに働きかけ、PCR検査体制の拡充を急いでおり、4月26日に開催された有識者懇談会にて、歯科医にも検体の採取を認める方針が了承された。PCR実施可能数を1日2万件まで増やすと打ち出したにもかかわらず、現在も毎日9,000件程度であることに対応したもの。今回は、感染収束までの時限的措置であり、「歯科医の採取がないと提供が困難」、「歯科医が教育、研修を受けている」、「検査を受ける人が同意している」の3条件を満たす必要がある。(参考)PCR検体採取、歯科医にも認可へ…研修受講など条件近く提示(読売新聞)

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新型タバコにも含まれるニコチンによる免疫機能の低下【新型タバコの基礎知識】第18回

第18回 新型タバコにも含まれるニコチンによる免疫機能の低下Key Pointsニコチンは免疫機能の低下をもたらす加熱式タバコに替えても、ニコチンによる免疫機能の低下は防げない新型コロナウイルス対策の1つとして禁煙を推進してほしい今回の記事は予定を変更して、新型コロナ問題にも関連する「ニコチンによる免疫機能の低下」について解説します。アイコスなどの加熱式タバコにも、紙巻タバコと同様に多くのニコチンが含まれています(第3回記事参照)。ここでは、タバコ研究データの決定版、US Surgeon General Report 2014年号(図)から、喫煙と免疫システムの関連についてお伝えしたいと思います1)。画像を拡大する(出典)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK179276/pdf/Bookshelf_NBK179276.pdf喫煙と免疫システムの関係は?まず簡単に、喫煙と免疫の関係について述べます。免疫システムは、感染や病気から体を守るためのもの、風邪やインフルエンザなどのウイルスからがんなどの疾患に至るまで、あらゆる異物と戦っています。喫煙は免疫機能を低下させ、病気との戦いをうまくいかなくさせていきます。喫煙者は非喫煙者よりも呼吸器感染症に罹りやすくなるのです。これは、タバコに含まれる化学物質が、呼吸器感染症の原因となるウイルスや細菌を正常に攻撃するための、免疫システムの機能を低下させていることが理由の1つです。実際に、喫煙者は非喫煙者に比べて肺炎になりやすく、より重症化しやすくなります。ここまでの話だけなら、ある意味単純で簡単な話(ニコチンだけでなく、タバコが免疫機能を低下させ、感染症への罹患を増やし、肺炎などの重症化リスクを上げること)として理解されるものと思います。しかし、免疫に対するタバコの煙の悪影響があまり理解されていない理由は、免疫系の研究が複雑でややこしく、次のような研究の状況にあるからなのかもしれません。ニコチンは免疫系を抑制し、一方で刺激する?ニコチンは、免疫系を刺激する機序と抑制する機序の両方に作用すると考えられています。尿中マーカーから推測されるニコチンのレベル(すなわち通常の喫煙者と同等のニコチン量)で十分に、リウマチなどの自己免疫系疾患や感染症、がんといった免疫学的に誘導される疾患と関連していると考えられています2)。ニコチンは、ニコチンレセプターを介してその効果を発揮します3)。ニコチンは細胞に直接作用することができる一方、生体内ではそれ自体が強力な免疫調整機能を持つ交感神経系へも直接的に作用します。ニコチンを含んではいるが燃焼・不完全燃焼しきった紙巻タバコの煙由来成分は、まだ燃焼しきっていない紙巻タバコの煙由来成分(酸化作用を多く持つ)と比較して、免疫系への作用がかなり小さいとされています4,5)。禁煙補助薬として使用されるニコチンパッチまたはニコチン部分拮抗薬(たとえば、バレニクリン)は、ヒトでは免疫系への作用が少なく6)、またスヌース(スウェーデンでのみ広く使用されているニコチンを含む低ニトロサミンの無煙タバコ製品)ではニコチンを含むにもかかわらず、紙巻タバコと同等の免疫系への影響はみられません。このような結果の解釈として、紙巻タバコによる免疫への影響は、ニコチンによる影響だけでなく酸化作用等と関連しているものと考えられます7)。こうしたある意味で矛盾した、免疫抑制と免疫促進の両方向への影響がタバコにはあるようです。ニコチンが樹状細胞を抑制するのではなく、樹状細胞を刺激することで免疫系応答によりアテローム性動脈硬化へとつながるとされています8)。一方では、ニコチンは神経細胞のニコチンレセプターを介して作用し、in vivoおよびin vitroの両方で細胞性免疫を抑制するとされています。ニコチンはB細胞における抗体産生を抑制し、T細胞を減らし、T細胞受容体を介したシグナル伝達が減衰したアレルギー様状態を誘導します9,10)。動物実験で、ニコチンによる免疫系への作用により、動物は細菌およびウイルスに感染しやすくなると分かっているのです。前述したとおり、ニコチンは、免疫系を刺激する機序と抑制する機序の両方に作用するため話が理解されにくいようです。免疫促進と抑制のどちらの方向であっても行き過ぎると免疫機能は異常を来すと言えるでしょう。喫煙により、関節リウマチのような自己免疫疾患も、免疫機能の低下により誘導されやすくなるがんも増えると分かっているのです。そのため、「喫煙により免疫異常が引き起こされる」とまとめて書かれるわけです。ただし、今回の新型コロナ問題のように感染症に関して喫煙やニコチンの害を考える場合には、単純に「ニコチンにより免疫機能が低下する」と受け止めると分かりやすいでしょう。新型コロナ時代の禁煙のすゝめ新型コロナウイルスの感染および感染後の重症化を防ぐためにできることの一つとして禁煙があります。タバコ会社は「自宅では加熱式タバコを吸ってください」などとマーケティング活動に熱心だが、それにダマされてはなりません。加熱式タバコに替えてもニコチンは含まれますから、免疫機能の低下は防げないのです。しかし、すべてのタバコを止めれば、ニコチンによる免疫機能の低下から回復できます。その禁煙の効果は数日で得られ、何歳でも禁煙の効用が得られるものと考えられます。日本における新型コロナウイルスの蔓延はまだ始まったばかりであり、これから先に多くの人が新型コロナウイルスに感染する可能性があります。数ヵ月先かもしれないし、1年先かもしれません。日本に2千万人程度存在するすべての喫煙者が禁煙することにより、新型コロナウイルスの流行を収束させる一助としていただきたいと思います。第19回は、「禁煙をし続けるために本当に必要なこと(2)」です。1)US Surgeon General Report 2014.2)Cloez-Tayarani I1, Changeux JP. J Leukoc Biol. 2007 Mar;81:599-606.3)US Surgeon General Report 2010.4)Laan M,et al. J Immunol. 2004 Sep 15;173:4164-70.5)Bauer CM,et al. J Interferon Cytokine Res. 2008 Mar;28:167-79.6)Cahill K,et al. Cochrane Database Syst Rev. 2008 Jul 16:CD006103.7)McMaster SK,et al. Br J Pharmacol. 2008 Feb;153:536-43.8)Aicher A,et al. Circulation. 2003 Feb 4;107:604-11.9)Geng Y,et al. Toxicol Appl Pharmacol. 1995 Dec;135:268-78.10)Geng Y,et al. J Immunol. 1996 Apr 1;156:2384-90.

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COVID-19、各国腫瘍関連学会ががん治療のガイドラインを発表

 新型コロナウイルスの感染流行を受け、がん患者を感染から守り、治療をどう継続していくかについて、世界各国の腫瘍関連学会が提言やガイドラインを発表している。4月22日時点で発表されたもののなかから、主だったものをまとめた。国内でも、がん診療全般におけるガイドライン制定が見込まれている。米国臨床腫瘍学会(ASCO) がんとCOVID-19に関連する基本情報・これまでに発表された論文へのリンクのほか、専門家によるPPEやマスク装着をテーマとした動画セミナーを無料で公開している。https://www.asco.org/asco-coronavirus-information欧州臨床腫瘍学会(ESMO)  サイト上でがん種別、患者管理、緩和ケアなどの各種ガイドラインを発表するほか、がん種別に患者に対する治療の優先度分けを提示している。https://www.esmo.org/covid-19-and-cancer腫瘍外科学会(SSO) 乳がん、大腸がん、泌尿器がん、メラノーマなど、がん種ごとの患者の分類と治療の優先順位を提示。専門家によるポッドキャストを使ったヘルプガイドも公開している。https://www.surgonc.org/resources/covid-19-resources/欧州腫瘍外科学会(ESSO)  緊急の場合以外のクリニック受診を避けること、オンライン診療を取り入れること、など5つの項目の提言を行っている。https://www.essoweb.org/news/esso-statement-covid-19/米国外科学会(ACS) がんを中心に各領域別に手術の優先順位についての考え方をまとめたトリアージガイドラインを公開している。https://www.facs.org/covid-19/clinical-guidance/elective-case米国腫瘍放射線学会(ASTRO)  COVID-19推奨事項をはじめ、臨床的意思決定に直接関連する20項目のQ&A、有用な医学論文やウエブサイトへのリンクを掲載する。https://www.astro.org/Daily-Practice/COVID-19-Recommendations-and-Information欧州腫瘍放射線学会(ESTRO) 会長による声明のほか、関連する論文、資料などがまとめられている。https://www.estro.org/About/Newsroom/COVID-19-and-Radiotherapy

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COVID-19疑い例のPCR検査実施状況は?-会員医師アンケート

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い、PCR検査の実施数を増やすべきとの声も高まっている。診療現場におけるCOVID-19疑い例数、PCR検査の照会数、PCR検査実施数、PCR陽性数はどのように推移しているのか。 ケアネットでは、2020年4月9日より週次で、病床を有していない診療所で働く会員医師を対象に「直近1週間のCOVID-19疑い例の診療状況」についてアンケートを行っている(現在2回目を終了)。 調査対象とした地域は関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、名古屋(愛知県)、関西(京都府、大阪府、兵庫県)、福岡(福岡県)の4エリア。 1回目(4月9~15日に調査)は892名、2回目(4月16~22日に調査)は876名から回答を得た。 主な結果は以下のとおり(第2回時点)。・「COVID-19を疑った患者」がいなかった診療所が全体の4割近くを占めた一方で、1~3人との回答も約4割。少数ながら20人超という回答もみられた。・前週をと比較すると、関東エリア以外では「疑い」患者数が増加の傾向(名古屋:平均2.5→3.2人、関西:平均2.2→2.6人、福岡:平均2.1→2.9人)。関東エリアでは平均2.8人と横ばいであった。・疑い患者のうち「PCR検査の照会をした患者」の割合は、全体平均で28.5%だったが、名古屋エリアが38.6%と高く、関西エリアが22.9%と低かった。・PCR検査照会患者のうち実際に「PCR検査を実施した患者」の割合は、全体平均で46.9%とほぼ半数となったが、ここでも名古屋エリアの52.7%から関西エリアの36.3%までバラツキが見られた。 自由記述欄には、「マスク、フェイスシールド、個人防護服が圧倒的に足りておらず、受け入れを躊躇する」「診療所での対応は、感染リスクや風評被害を考えると現実的には不可能に近い」「保健所に照会しても検査をしてもらえない。ドライブスルー検査など、間口を広げて欲しい」「院内トリアージのため定期受診患者へ待ち時間などの迷惑をかけている。病院外で検査できる場所をつくって欲しい」などの声が寄せられた。 アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。COVID-19疑い例の診療状況とPCR検査の実施率の推移-会員医師アンケート

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