サイト内検索|page:84

検索結果 合計:2040件 表示位置:1661 - 1680

1661.

クリゾチニブ、ROS1陽性非小細胞肺がんに適応取得

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:梅田一郎)は、2017年5月18日(木)、メルクセローノ株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:レオ・リー)とコ・プロモーションを行っている抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)が、新たな適応症として「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の追加承認を取得したと発表。 承認事項一部変更申請は、2016年8月31日に行っていた。本疾患に対してクリゾチニブは、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されている。ファイザー株式会社のプレスリリース

1663.

ペムブロリズマブ、臓器横断的ながんの適応取得:FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年5月23日、腫瘍の発生部位ではなく、特定の遺伝子的特徴(バイオマーカー)を有するがん患者に対する迅速承認を初めて与えた。 対象となった薬剤はペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)。同薬剤には、高度マイクロサテライト不安定(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)が認められた切除不能/転移のある固形腫瘍に対する適応が与えられた。前治療で進行しながら代替治療のない固形腫瘍患者、特定の化学療法後に進行した大腸がん患者が対象となっている。 この適応症に対するペムブロリズマブの安全性と有効性は、5つのシングルアーム試験に登録されたMSI-HまたはdMMR固形腫瘍の患者で検討された。これらの臨床試験に登録された149例の患者からは15がん種が同定され、多く認められたものは大腸がん、子宮内膜がん、胃・消化管がんであった。当適応でのペムブロリズマブの評価は、全般的奏効率(ORR)および奏効持続期間で、149例のペムブロリズマブ患者のうち、39.6%がCRまたはPRを示し、78%の患者では、6ヵ月以上奏効が持続した。 MSI-HおよびdMMR腫瘍は、大腸がん、子宮内膜がんおよび胃・消化管がんにおいて多くみられるが、乳がん、前立腺がん、膀胱がん、甲状腺がんおよび他部位のがんでも少なからずみられる。転移性大腸がんでは約5%の患者がMSI-HまたはdMMRを有する。FDAプレスアナウンスはこちら

1664.

ALK阻害薬による1次治療の直接比較J-ALEX試験の結果/Lancet

 ALK陽性肺がんにおけるALK阻害薬アレクチニブとクリゾチニブの1次治療での直接比較で、日本人を対象としたJ-ALEX試験の結果がLancet誌2017年5月10日号(オンライン版)に発表された。 J-ALEX試験は、ALK阻害薬未治療(化学療法歴は0~1回)のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした無作為化多施設オープンラベルの第III相試験。本邦41の試験参加施設で登録されたステージ3B~4の207例の患者は、アレクチニブ300mg×2/日(n=103)とクリゾチニブ250mg×2/日(n=104)に、1対1に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、独立評価機関(IRF)による無増悪生存期間(PFS)であった。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時の両群の患者背景はほぼ同様であったが、脳転移例の割合はアレクチニブ群(14%)に比べクリゾチニ群(28%)で多かった。・全体のPFSは、アレクチニブ群では未達(95%CI:20.3~推定不能)、クリゾチニブ群では10.2ヵ月(8.2~12.0)と、アレクチニブ群で有意に改善した(HR:0.34、99.7%CI:0.17~0.71、層別化log-rank p<0.0001)。・探索的分析では、頭蓋内病変ありなし共に、クリゾチニブ群に比べアレクチニブ群で、進行リスクが少なかった。・Grad3/4の有害事象発現率は、アレクチニブ群で26%、クリゾチニブ群では52%。致死的な有害事象はいずれの治療群においても生じていない。 この第2次中間分析においてアレクチニブのALK陽性NSCLCの全身的有効性と脳転移患者における頭蓋内病勢制御力が示された。また、IRFは主要評価項を満たしたと判断し、データの即時公開を推奨した。(ケアネット 細田 雅之)参考J-ALEX試験(Japic CTI)アレクチニブ、ALK肺がん1次治療に海外でも良好な結果:ALEX試験

1665.

MEK1/2阻害薬、KRAS変異陽性NSCLCの予後改善示せず/JAMA

 既治療の進行KRAS変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、ドセタキセル(DOC)にselumetinibを追加しても、DOC単剤に比べ無増悪生存(PFS)は改善されないことが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のPasi A.Janne氏らが実施したSELECT-1試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年5月9日号に掲載された。KRAS変異は、肺腺がん患者の約25%に発現し、NSCLCで最も高頻度にみられる遺伝子変異であるが、これを標的とする分子標的薬で承認を得たものはない。KRAS変異は、MAPKキナーゼ(MEK)に関与するMAPK経路を含むシグナル伝達経路の下流の活性化によって腫瘍の増殖を促進する。selumetinibは、MEK1とMEK2を選択的に阻害する経口薬で、アロステリックにKRAS変異を抑制する。2次治療の上乗せ効果を評価するプラセボ対照無作為化試験 本研究は、KRAS変異陽性NSCLCの2次治療におけるselumetinib+DOC療法の有用性を評価するプラセボ対照無作為化第III相試験で、25ヵ国202施設の参加のもと、2013年10月~2016年1月に行われた(AstraZeneca社の助成による)。 前治療歴が1レジメンで、中央判定でKRAS変異陽性であったStage IIIB/IV NSCLC患者510例のうち、selumetinib+DOC群に254例、プラセボ+DOC群に256例がランダムに割り付けられた。selumetinib群は、selumetinib75mgを1日2回経口投与され、DOC 75mg/m2を21日ごとに静脈内投与された。プラセボ群も同様のスケジュールで治療が行われた。 主要評価項目は担当医評価によるPFSとし、副次評価項目には全生存(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間などが含まれた。第II相試験とは異なる結果 全体の平均年齢は61.4(SD 8.3)歳、41%が女性であった。505例(99%、selumetinib群:251例、プラセボ群:254例)が治療を受け、試験を完遂した。データカットオフ日(2016年6月7日)の時点で、447例(88%)に病勢進行のイベントがみられ、346例(68%)は死亡した。 PFS期間中央値は、selumetinib群が3.9ヵ月(IQR:1.5~5.9)、プラセボ群は2.8ヵ月(同:1.4~5.5)であり、両群に有意な差を認めなかった(群間差:1.1ヵ月、ハザード比[HR]:0.93、95%信頼区間[CI]:0.77~1.12、p=0.44)。 OS期間中央値は、selumetinib群が8.7ヵ月(IQR:3.6~16.8)、プラセボ群は7.9ヵ月(IQR:3.8~20.1)と、やはり有意差はみられなかった(群間差:0.9ヵ月、HR:1.05、95%CI:0.85~1.30、p=0.64)。 ORRは、selumetinib群が20.1%(完全奏効:2例、部分奏効:49例)、プラセボ群は13.7%(0例、35例)であった(群間差:6.4%、オッズ比[OR]:1.61、95%CI:1.00~2.62、p=0.05)。また、奏効期間中央値は、それぞれ2.9ヵ月(IQR:1.7~4.8、95%CI:2.7~4.1)、4.5ヵ月(2.3~7.3、2.8~5.6)だった。 頻度の高い有害事象は、selumetinib群が下痢(61%)、悪心(38%)、皮疹(34%)、末梢浮腫(30%)であり、プラセボ群は下痢(35%)、疲労(31%)、脱毛(25%)、悪心(24%)であった。Grade 3以上の有害事象は、selumetinib群が67%(脱力:9%、呼吸困難:8%、下痢:7%、好中球減少:7%など)と、プラセボ群の45%に比べ高頻度であった。 これらの知見は、以前に同じデザインで行われた第II相試験の結果とは異なっており、有効性は、プラセボ群は第II相よりも今回の第III相試験が優れ、selumetinib群は第II相よりも第III相試験のほうが不良であった。著者は、「この差は試験デザインによるとは考えられず、両試験とも多くの国で行われた国際研究であるため地域差の影響もないと思われる」としている。

1666.

次世代ALK/ROS1阻害剤lorlatinib、ALK肺がんでFDAのブレークスルー・セラピー指定

 ファイザー社は2017年4月27日、次世代ALK/ROS1チロシンキナーゼ阻害剤lorlatinibが、ALK阻害剤の治療歴を有するALK陽性転移性非小細胞肺がん(NSCLC)に対する治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルー・セラピー指定を受けたと発表した。 今回のブレークスルー・セラピー指定は、進行中のlorlatinibの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験で示された有効性と安全性のデータに基づくもの。 また、lorlatinibの第Ⅲ相CROWN試験への被験者登録を開始した。本試験は、全身治療歴がないALK陽性転移性NSCLC患者を対象に、lorlatinibをクリゾチニブと比較する、非盲検無作為化群間比較試験。 lorlatinibは、開発中の次世代ALK/ROS1チロシンキナーゼ阻害剤で、ALK遺伝子とROS1遺伝子の染色体再構成を有する非臨床肺がんモデルにおいて高い活性を示した。とくに、他のALK阻害剤に抵抗性を示す変異腫瘍に対しても効果を発揮できるように、また、血液脳関門を通過できるように設計されているという。ファイザー株式会社のプレスリリース

1667.

ステージ3切除不能肺がん、durvalumab維持療法が良好な結果:PACIFIC試験

 AstraZenecaとその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年5月12日、放射線とプラチナベース化学療法の併用で進行が止まったステージ3の切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、第III相試験PACIFICにおいて、durvalumab(海外商品名:Imfinzi)が良好な結果を得たと発表した。 PACIFIC試験は、上記対象に対するdurvalumabの維持療法を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照試験。米国、カナダ、ヨーロッパ、南米、中米、日本、韓国、台湾、南アフリカ、オーストラリアなど26ヵ国235施設で行われた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)、副次的評価項目はランドマークPFSとOS、客観的奏効率と奏効時間。独立データモニタリング委員会(IDMC)による中間解析によれば、durvalumabは主要評価項目を達成し、プラセボと比べ統計学的に有意で臨床的に有意なPFSと示した、としている。 AstraZenecaは、今後の学会での発表のために同試験の初期結果を提出の予定。また、専門家との議論を踏まえ、規制当局への提出を計画しているという。 durvalumab(MEDI4736)は抗PD-L1モノクローナル抗体で、すでに進行膀胱がんについてFDAの迅速承認を受けている。また、NSCLC、小細胞肺がん、尿路上皮がん、頭頸部がんの第III相試験による評価も行われている。参考AstraZeneca(グローバル)プレスリリースPACIFIC試験(Clinical Trials.gov)

1668.

ペムブロリズマブ、化学療法併用でPD-L1発現問わず肺がん1次治療に承認:FDA

 Merck社は2017年5月10日、米国食品医薬品局(FDA)が、ペメトレキセド+カルボプラチン(pem/carbo)レジメンとの併用で、PD-L1発現とは無関係に、ペムブロリズマブを転移性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に承認したと発表した。 この承認は、オープンラベル、多施設、複数コホートのKEYNOTE-021試験(コホートG1)の結果に基づくもの。KEYNOTE-021試験は、EGFRまたはALK変異がなく、かつPD-L1発現不問の局所進行・転移性の非扁平上皮NSCLCの未治療患者123例において行われた。患者は、ペメトレキセド+pem/carbo(n=60)またはpem/carbo単独(n=63)に無作為に割り付けられた。主要有効性評価項目は、独立第3者評価機関(BIRC)判定による全奏効率(ORR)。追加の有効性評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効期間、全生存期間であった。 試験の結果、ORRはペムブロリズマブ+pem/carboで55%(95%CI:42〜68)、pem/carbo単独では29%(95%CI:18 〜41)と、ペムブロリズマブ+pem/carboのORRは約2倍であった(p=0.0032)。PFS中央値はペムブロリズマブ+pem/carboで13.0ヵ月(95%CI:8.3〜推定不可)、pem/carbo単独では8.9ヵ月(95%CI:4.4〜10.3)と、ペムブロリズマブ+pem/carboで有意に改善した(HR:0.53、95%CI:0.31〜0.91、p=0.0205)。 探索的研究では、PD-L1発現の有無にかかわらず同様の結果を示しており、PD-L1非発現患者(TPS1%未満)のORRは、ペムブロリズマブ+pem/carboで57%、pem/carbo単独では13.0%。PD-L1発現患者(TPS1%以上)のORRは、ペムブロリズマブ+pem/carboで54%、pem/carbo単独では38%であった。 ペムブロリズマブの単独療法は、EGFRまたはALK変異のないPD-L1高発現(TPS50%以上)の転移性NSCLC患者の1次治療として、また、PD-L1発現1%以上の転移性NSCLC患者の2次治療以降としてすでに承認されている。今回承認された適応症の継続は、確認試験における臨床的有益性の検証結果により決定される。(ケアネット 細田 雅之)参考Merck社ニュースリリースペムブロリズマブの追加が非小細胞肺がん1次治療の結果を改善:ESMOペムブロリズマブ 肺がん1次治療の適応さらなる拡大へ:化学療法との併用でKEYNOTE-021試験(ClinicalTrials.gov)

1669.

染色体不安定性、NSCLC再発・死亡リスクを増大/NEJM

 染色体不安定性(chromosome instability)を介して誘導される腫瘍内不均一性(intratumor heterogeneity)は、非小細胞肺がん(NSCLC)の再発や死亡のリスクを高めることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのMariam Jamal-Hanjani氏らTRACERxコンソーシアムの検討で示された。この知見は、肺がんの予後予測因子としての染色体不安定性の可能性を支持するものだという。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年4月26日号に掲載された。NSCLCの腫瘍内不均一性やゲノム進化(genome evolution)の詳細な探索については、小規模な後ろ向きコホート研究しか行われておらず、治療戦略の指針となる腫瘍内不均一性の臨床的重要性や、ドライバー・イベントのクローン性は不明とされている。100例の327の腫瘍領域をシーケンシング 本研究は、早期NSCLCにおける腫瘍内不均一性と臨床転帰の関連を調査し、ドライバー・イベントのクローン性およびゲノム進化の過程の解明を目的とする前向きコホート試験である(Cancer Research UKなどの助成による)。患者登録は2014年4月に開始され、最終的に842例の登録を目標としており、今回は100例の解析結果が報告された。 全身療法を受けていない早期NSCLC患者100例(Stage IA~IIIA)から切除された検体を用いて、多領域全エクソームシーケンシングを行った。腫瘍の進化の過程を明らかにし、クローン(すべてのがん細胞に発現)およびサブクローン(一部のがん細胞に発現)のイベントを調査し、腫瘍内不均一性と無再発生存の関連を評価するために、327の腫瘍領域のシーケンシングを行い解析した。 腫瘍内不均一性については、変異(mutation、一塩基置換/ジヌクレオチド塩基置換、小挿入・欠失)または体細胞性コピー数変化(somatic copy-number alteration、染色体セグメントの獲得または喪失を反映)の評価を行った。コピー数不均一性の増加で再発・死亡リスクが上昇 対象の内訳は、男性が62例、女性が38例で、喫煙者が40例、元喫煙者が48例、非喫煙者が12例であり、組織型は腺がんが61例、扁平上皮がんが32例、その他が7例であった。 変異、体細胞性コピー数変化の双方で、広範な腫瘍内不均一性が観察され、サブクローンとして同定された体細胞変異の中央値は30%(範囲:0.5~93)、サブクローンとして同定された体細胞性コピー数変化の中央値は48%(範囲:0.3~88)であった。これは、腫瘍の発育過程で、変異および染色体レベルでのゲノム不安定性が進行していることを示唆する。 EGFR、MET、BRAF、TP53遺伝子のドライバー変異は、ゲノム重複(genome duplication)の発現前も、ほぼ常にクローン性であり、発がんへの関与が示唆された。一方、進化の後期に発現する不均一性ドライバー変化が腫瘍の75%以上に認められ、この変化はPIK3CA遺伝子やNF1遺伝子のほか、クロマチン修飾やDNA損傷応答・修復に関与する遺伝子に一般的にみられた。 ゲノム倍化(genome doubling)および進行する動的染色体不安定性は、腫瘍内不均一性と関連し、結果としてCDK4、FOXA1、BCL11A遺伝子の増幅を含む体細胞性コピー数のドライバー変化の平行進化(parallel evolution)が認められた。 また、変異の割合の増加は再発および死亡のリスク上昇と関連しなかったが、コピー数不均一性が増加すると再発および死亡のリスクが有意に上昇し(ハザード比[HR]:4.9、p=4.4×10-4)、多変量解析を行っても有意な差が保持されていた(HR:3.70、p=0.01)。 著者は、「現在進められている単一の遺伝子変異を標的とする取り組みに加え、同時に多数の遺伝子のコピー数を変化させる可能性のある染色体不安定性をよりよく理解する必要があり、このプロセスを抑制する治療は、無再発生存の低下を促進する不均一性や、腫瘍の進化を防止する可能性がある」としている。

1670.

新ALK阻害薬brigatinib、ALK陽性肺がんに承認:FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年4月28日、クリゾチニブ無効あるいは不耐のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、brigatinibを迅速承認した。 承認はオープンラベル多施設共同比較試験ALTAの結果に基づいており、クリゾチニブで進行した局所進行または転移性ALK陽性NSCLC患者において、臨床的意義のある持続性の奏効率(ORR)を示した。 222例の患者が、brigatinib 90mg/日の7日間の導入後、90mg/日(n=112)または180mg/日(n=110)に無作為に割り付けられた。 独立審査委員会によるORRは、90mg群では48%(95%CI:39%~58%)、180mg群では53%(95%CI:43%~62%)であった。奏効期間中央値(DOR)は両群ともに13.8ヵ月であった。ベースラインで測定可能な脳転移を有する患者の頭蓋内ORRは、90mg群(n=26)では42%(95%CI:23%~63%)、180mg群(n=18)では67%(95%CI:41%~87%)であった。頭蓋内DOR中央値は、90mg群では推定できず、180mg群では5.6ヵ月であった。頭蓋内奏効患者においては、90mg群の78%、180mg群の68%の患者が、少なくとも4ヵ月間頭蓋内奏効を持続した。 安全性は219例の患者で評価され、brigatinib服用患者の一般的有害事象は、吐き気、下痢、疲労、咳、頭痛。頻度の高い重篤な有害事象は、肺炎および間質性肺炎であった。致死的な有害事象は3.7%で発生し、肺炎(2例)、突然死、呼吸困難、呼吸不全、肺塞栓症、細菌性髄膜炎および尿路性敗血症(各1例)であった。brigatinibの投与中止につながる有害事象は90mgの2.8%、180mgの8.2%で発現した。(ケアネット 細田 雅之)参考FDAリリースALTA試験(Clinical Trials.gov)

1671.

頭頸部がん領域で求められる体制整備

 2017年4月27日、都内にて“頭頸部がん治療とがん免疫療法薬「オプジーボ」”と題するセミナーが開かれた(主催:小野薬品工業株式会社/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)。演者である田原 信氏 (国立がん研究センター東病院 頭頸部内科長)は、「今後、免疫療法は頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう」と期待を述べた。 以下、セミナーの内容を記載する。頭頸部がんにおける治療課題 頭頸部がんは、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺など、頭頸部領域に発生するがんの総称である。本邦の年間推計患者数(甲状腺がんを除く)は4万7,000人。Stage III、IV期の進行がんが約6割で、その半数は再発に至る。再発後は化学放射線療法などが施行されるが、頭頸部が対象のため、「ご飯が飲み込めない」「皮膚がただれる」といった急性毒性で苦しむ患者も多い。 さらに、晩期毒性による死亡リスクの増大も問題であった。頭頸部がんへの新たな標準治療オプション 新たな治療手段が求められるなか、2017年3月24日、抗PD-1抗体「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が、「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」に対する適応を取得した。 オプジーボは、プラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部がん患者361例を対象としたCheckMate-141試験で、全生存期間7.49ヵ月(95%CI:5.49~9.10)と、対照群の5.06ヵ月(95%CI:4.04~6.05)に対して有意な延長を示した(HR:0.70、97.73%CI:0.51~0.96、p=0.01011 [層別 log-rank検定])。安全性プロファイルは、これまでの臨床試験の結果と一貫しており、プラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部がんへの新たな標準治療オプションになると予想される。頭頸部がんは免疫抑制腫瘍 とくに、頭頸部がんの微小環境内では、さまざまな段階で免疫調節が生じているとの報告もある。オプジーボのような免疫チェックポイント阻害薬は、免疫抑制腫瘍である頭頸部がんに高い抗腫瘍効果をもたらすと期待される。実際、頭頸部がんを対象に複数の免疫チェックポイント阻害薬が開発段階にある。今後も免疫療法は、頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう。他科連携、診療連携プログラムの構築で緊密な連携を目指す その一方で、副作用管理、バイオマーカー探索などの課題も存在する。とくに、頭頸部がんはがん全体からみればマイナーながん種ということもあり、頭頸部がんに精通した医師自体が少なく、これまで集学的治療が実践されてこなかった。頭頸部がんの専門医は主に、耳鼻咽喉科・頭頸部外科を中心とする「頭頸部外科専門医」、口腔外科が中心の「口腔外科専門医」、腫瘍内科医が中心の「がん薬物療法専門医」と、複数の診療科にまたがっている。今後は医科歯科連携、頭頸部がん薬物療法診療連携プログラムの構築といった、緊密な連携による対策が求められるだろう。 また、肺がんでの「SCRUM-Japan」のような無償での検索体制構築はなく、Precision Medicineに向けた課題は存在する。今後、頭頸部がん領域でも体制整備が進み、さらなる治療成績向上が実現することを期待したい。

1672.

ニボルマブの恩恵を受けるのは腫瘍変異が高い症例?:CheckMate-026探索的研究

 残念ながらポジティブな結果とはならなかった、転移・再発非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療のニボルマブ(商品名:オプジーボ)の無作為化試験CheckMate-026だが、探索的研究では、ニボルマブの恩恵は、腫瘍変異負荷(tumor mutation burden:TMB)の高い患者において引き出されるという結果を明らかにした。 この探索的研究は、エクソーム配列決定に十分なサンプルを有する患者を対象に行われ、TMBの三分位分布に基づいて患者を低TMB(0~99)、中TMB(100~242)、高TMB(243以上)に等しく分割して解析した。高TMB患者ではニボルマブがORR、PFSを改善 主な結果は以下のとおり。・無作為化された患者541例中312例(57.7%)が評価可能なTMBデータを有していた(患者のベースライン特性、PFS、OSは、全患者と同等)。・高TMB患者の割合はニボルルマブ群で低かった(化学療法群39.0% vs.ニボルマブ群29.7%)。・高TMB患者におけるPFSは、ニボルマブ群9.7ヵ月に対し、化学療法群5.8ヵ月と、ニボルマブ群でより改善されていた(HR:0.62、95%CI:0.38~1.00)。・高TMB患者における奏効率(ORR)は、ニボルマブ群46.8%に対し、化学療法群28.3%と、ニボルマブ群で高かった。・OSは両治療群で同等であった。・化学療法群からニボルマブへのクロスオーバー率は65%であった。(ケアネット 細田 雅之)参考AACR 2017 abstract非小細胞肺がん1次治療、ニボルマブ単剤と化学療法の比較:CheckMate026

1674.

ニボルマブによるNSCLCの5年全生存率が明らかに

 ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の非小細胞肺がん(NSCLC)の5年全生存率(5年OS)が、ジョンズ・ホプキンスBloomberg–Kimmel Institute for Cancer ImmunotherapyのJulie Brahmer氏らにより、米国がん学会年次総会(AACR2017)で明らかになった。この研究はニボルマブの第Ib相臨床試験CA209-003のコホートデータを解析したものであり、免疫チェックポイント阻害薬による転移性NSCLCの長期生存率に関する初めての報告である。5年OSは16%。3年目以降はプラトーに CA209-003試験では、高度な前治療歴のある進行NSCLC患者が、PD-L1状態に関係なく登録された。ニボルマブが有望な有効性を示し、その後の米国食品医薬品局(FDA)による進行NSCLCの2次治療の承認につながっている。 5年(最低期間58.25ヵ月)のフォローアップの結果、全体の5年OSは16%であった。組織別にみると、扁平上皮がんでは16%、非扁平上皮がんでは15%であった。経時的にみると、1年42%、2年24%、3年18%、5年16%と、3年目以降は横ばい傾向であった。 5年以上生存した16例の患者における、PRは12例、SD、PDは各2例であった。この16例中12例では、さらなる治療を必要としなかった(8例は副作用なしに2年間治療、4例は副作用のため早期に中止)。 PD-L1発現状況と5年OSの関連をみると、PD-L1発現1%未満では20%、1%以上50%未満23%、50%以上43%と、発現が高くなると共に生存率が上昇する傾向にあった。しかし、対象患者の47%にあたる61例はPD-L1測定不能であった。従来の数倍の5年OSだが、予測にはさらなる研究が必要 米国国立がん研究所(NCI)のSEERデータによると、転移性NSCLC患者の5年OSは4.9%。この研究での5年OSは標準治療を受けている患者集団の数倍となる。しかし、5年以上の生存を予測する一貫したパターンは明らかにならなかった。効果の持続性は証明されたものの、免疫システムが、がんを完全に排除して治療が不要になったのか?治療が持続的に免疫記憶を呼び覚ましているのか?さらなる研究が必要である、とBrahmer氏は述べている。(ケアネット 細田 雅之)参考AACRニュースリリースブリストル・マイヤーズ スクイブ(グローバル)プレスリリース

1675.

ニボルマブ、胆道がんの先駆け審査対象品目に

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2017年4月24日、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、4月21日付で「胆道がん」を対象に、厚生労働省が定める「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定を受けたと発表した。 本邦においてオプジーボは、根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として2014年9月に発売され、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、同年12月に再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、2017年3月には再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんに対する承認を取得している。承認申請中は胃がん、臨床試験実施中には食道がん、胃食道接合部がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、悪性胸膜中皮腫、卵巣がん、胆道がんなどがある。(ケアネット 細田 雅之)参考ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社プレスリリース

1676.

増加するPM2.5とオゾンの疾病負荷への影響/Lancet

 世界の疾病負荷は、過去25年間で、とくに低~中所得国における人口の高齢化、非感染性疾患割合の変化、大気汚染の進行により、増加し続けている。今回、米国・健康影響研究所のAaron J Cohen氏らが行った最新の調査(Global Burden of Diseases,Injuries,and Risk Factors Study 2015[GBD 2015])では、PM2.5とオゾンによる環境大気汚染が世界的に進行しており、それに伴う疾病負荷の増大の実態が明らかとなった。Lancet誌オンライン版2017年4月10日号掲載の報告。PM2.5、オゾンと5つの死因の死亡リスクとの関連を解析 研究グループは、1990~2015年の世界、地域別・国別の環境大気汚染による死亡および疾病負荷の空間的、時間的な動向を調査した(Bill & Melinda Gates Foundationなどの助成による)。 衛星で測定した推定値と化学輸送モデル、地表レベルでの測定値、地理的データを統合し、世界の空気動力学的粒径<2.5μmの微小粒子状物質(PM2.5)と対流圏オゾンの人口加重平均濃度を推算した。 統合曝露反応関数(integrated exposure-response function:IER)を用いて、PM2.5濃度と5つの死因(虚血性心疾患、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患[COPD]、肺がん、下気道感染症)による死亡の相対リスクの関連を推計した。PM2.5が11.2%、オゾンは7.2%増加、COPD死の8%がオゾンに起因 IERによる解析では、5つの死因の相対リスクはいずれも、PM2.5濃度が高くなるに従って増加したが、低濃度のほうが高濃度に比べ変化が大きかった。虚血性心疾患と脳血管疾患は、年齢(25、50、80歳)が高いほど、高PM2.5濃度での相対リスクが低くなった。 世界全体のPM2.5の人口加重平均濃度は、1990年の39.7μg/m3から2015年には44.2μg/m3へと11.2%増加したが、2010~15年に急速に増加していた。人口の多い10ヵ国の解析では、日本はバングラデシュ、インド、パキスタン、中国に比べると、全般に低い値で安定的に推移していた。2015年に最もPM2.5濃度が高かったのはカタールで、次いでサウジアラビア、エジプトの順だった。 世界全体のオゾンの人口加重平均濃度は、1990年の56.8ppbから2015年には60.9ppbへと7.2%増加した。人口の多い10ヵ国では、中国、インド、パキスタン、バングラデシュ、ブラジルが14~25%増加し、これに比べると日本の増加は小さく、米国とインドネシアは低下した。 環境中のPM2.5は、2015年の死亡リスク因子の第5位(1~4位は、収縮期血圧、喫煙、空腹時血糖、総コレステロール)であり、障害調整生存年数(DALY)のリスク因子の第6位(1~5位は、収縮期血圧、喫煙、空腹時血糖、BMI、幼年期の栄養不良)であった。PM2.5への曝露は、2015年に420万人(95%不確実性区間[UI]:370万~480万)の死亡および1億310万年(9,080万~1億1,510万)のDALYの原因であった。環境中のPM2.5による死亡は、1990年の350万人(95%UI:300万~400万)から2015年の420万人(370万~480万)へと増加していた。 環境中のオゾンは、GBD 2015で評価の対象となった79のリスク因子のうち、死亡リスク因子の第34位、DALYの第42位であった。オゾンへの曝露は、25万4,000人(95%UI:9万7,000~42万2,000)の死亡およびCOPDに起因する410万年(160万~680万)のDALYをもたらした。また、2015年の世界のCOPDによる死亡の8.0%(95%UI:3.0~13.3)に、オゾンへの曝露が寄与しており、中国、インド、米国の死亡率が高かった。1990~2015年に、オゾンによるCOPD死亡率は多くの国で増加した。オゾン濃度とオゾンによるCOPD死の増加の結果として、オゾンによる死亡およびDALYも増加した。 著者は、「PM2.5濃度が大幅に減少しない限り、多くの汚染国の疾病負荷はわずかしか軽減しないが、曝露量を抑制することで大きな健康ベネフィットが得られる可能性がある」と指摘している。

1677.

医師主導で進むプレシジョン・メディシン―第15回 肺がん医療向上委員会

 4月13日(木)、都内で日本肺癌学会主催の第15回 肺がん医療向上委員会が開催され、「肺がん領域におけるプレシジョン・メディシン:その影響と将来」をテーマに後藤 功一氏(国立がん研究センター東病院 呼吸器内科)が講演を行った。自身が研究代表者を務める希少肺がん領域の遺伝子スクリーニングネットワーク「LC-SCRUM-Japan」の取り組みを中心に、日本におけるプレシジョン・メディシン(精密医療)の進展と今後の展望について論じた。希少肺がんの治療薬開発を医師主導で 患者数の多いEGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子に対しては分子標的薬の開発が進んでいるが、希少な遺伝子変化に対する製薬会社主導の積極的な治療薬開発、臨床試験の実施は難しい。しかし、非小細胞肺がんの1~2%で希少といわれる遺伝子変化であっても、年間約7万人が亡くなる肺がん患者数を考えれば決して小さな数字ではない、と後藤氏。 そこで2013年2月、全国の医療機関で対象患者を集めるための遺伝子スクリーニングを行い、医師主導の臨床試験を実施して治療薬開発を目指すプロジェクト「LC-SCRUM-Japan」が発足。非扁平上皮非小細胞がん患者を対象にスタートし、2015年には扁平上皮がん、小細胞がん患者にも対象が拡大され、2017年3月時点で4千例超の肺がん患者が登録されている。 2015年2月からは、消化器がん領域の遺伝子スクリーニングネットワーク「GI-SCRUM-Japan」と統合し、アカデミアと臨床現場、企業が一体となって進める大規模プロジェクト「SCRUM-Japan」として始動。全国約240の医療機関と製薬企業15社が参加している(2017年3月時点)。 これまでに実施された臨床試験によって、RET 融合遺伝子陽性肺がんに対するバンデタニブの有効性が確認され、現在適応拡大申請の準備が進んでいる。また、マルチプレックス遺伝子診断薬の臨床応用にも取り組んでおり、複数の遺伝子を一度に解析できる診断薬の承認申請に向けて準備中だ。地域差なく臨床試験にアクセス可能 後藤氏は、希少肺がん患者がこのネットワークを活用して病院・地域を超えて自分に合った臨床試験に参加するチャンスが生まれることが非常に重要、と話す。「LC-SCRUM-Japan」に全国の参加医療機関を通じて登録した患者は、まず検体(新鮮凍結組織+プレパラートあるいは胸水のどちらか)を提供する。提供された検体は検査会社で一元的に遺伝子解析され、結果が各医療機関に報告される。併せて、診断された遺伝子変化をターゲットとした企業治験を含む臨床試験の情報が提供されるという流れで、遺伝子検査費用は企業が負担するため、遺伝子検査費用について患者の自己負担は発生しない。日本ならではの「プレシジョン・メディシン」確立に向けて 2017年4月からは、「SCRUM-Japan」の第2期として2年計画のプロジェクトを開始。遺伝子解析結果と臨床データを紐づけた臨床ゲノムデータベースの構築や、血液を用いた解析が可能なマルチプレックス遺伝子診断薬の導入、肺がん免疫療法におけるバイオマーカー探索のための観察研究などに取り組む予定だという。 最後に後藤氏は、日本ならではの良質なサンプルに基づいた効率のよい遺伝子スクリーニング、臨床試験情報・患者情報の共有による試験登録や海外との統合解析等を引き続き推進しながら、より多くの患者に有効な治療薬を届けるための仕組みを構築し、世界に先駆けてプレシジョン・メディシンを確立していきたい、と結んだ。

1678.

アテゾリズマブ、白金化学療法不適格の尿路上皮がん1次治療に承認:FDA

 ロシュ社は2017年4月18日、米国食品医薬品局(FDA)がプラチナベース化学療法不適格の局所進行または転移性尿路上皮がん患者に対するアテゾリズマブの投与について、迅速承認したことを発表した。 アテゾリズマブは、プラチナベース化学療法歴のある局所進行または転移性尿路上皮がん患者への投与について、既に承認を取得していたが、今回はプラチナベース化学療法不適格に対する1次治療での承認。 この適応症は、第II相臨床試験であるIMvigor 210試験の成績(奏効率および奏効期間)に基づき迅速承認された。承認の継続には、検証試験での臨床的有用性の証明が必要となる。■参考中外製薬ニュースリリースロシュ社ニュースリリースIMvigor210試験 コホート1(ClinicalTrials.gov)■関連記事テゾリズマブ 尿路上皮がんの1次治療に申請:シスプラチン不適患者にアテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

1679.

BRAF変異肺がんダブラフェニブ・トラメチニブ併用がEUで承認

 ノバルティスは2017年4月13日、欧州委員会がBRAF V600陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に、トラメチニブ(商品名:メキニスト)とダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)の併用を承認したと発表した。 今回のEUの承認は、ステージ4のBRAF V600E変異NSCLC患者(36例は未治療、57例は化学療法既治療)に対する、第II相3コホート多施設オープンラベル試験の結果に基づき、ダラブフェニブとトラメチニブの併用に対して、ヒト用医薬品委員会(CHMP)が2月にくだした肯定的意見に従う形となった。 当第II相試験では、前治療なしの36例のORRは61.1%(95%CI:43.5~76.9)であった。このコホートでは、68%の患者が9ヵ月後も無増悪であった。奏効期間(DoR)および無増悪生存期間(PFS)の中央値は未達。前治療ありの57例のORRは66.7%であった(95%CI:52.9~78.6)。このコホートでのDoR中央値は9.8ヵ月(95%CI:6.9~16.0)で、効果は持続的であった。前治療なしコホートの詳細な分析は、今後の医学会議で発表される予定。 一般的な有害事象(発生率>20%)は、発熱、悪心、嘔吐、末梢浮腫、下痢、皮膚乾燥、食欲減退、無力症、悪寒、咳、疲労、皮疹、呼吸困難であった。 BRAF V600陽性NSCLCは、世界中で毎年約3万6,000人(肺がん患者の約1〜3%)が診断されていると推定されている。従来は治療法がほとんどなかった患者集団である。

1680.

2016年世界肺癌学会の動画レポートを公開:肺がん医療向上委員会

 特定非営利活動法人 日本肺癌学会「肺がん医療向上委員会」は、昨年(2016年)12月にオーストリアのウィーンで開催された第17回世界肺癌会議(WCLC/IASLC 2016)を取材し、全16本の動画レポートを制作し、公開した。 IASLC の「ペイシェント・アドボカシーアワード(Patient Advocacy Awards)」を受賞し、WCLC/IASLC 2016 に招待された「日本肺がん患者連絡会」代表の長谷川 一男氏の協力を得て、アドボカシーの視点から世界肺癌学会を取材し、最先端の学術的発表、世界各国のアドボカシー活動の現状などをまとめたもの。 第3世代TKI、免疫チェックポイント阻害薬、新ステージ分類など最新の発表の模様と、日本肺癌学会理事長の光冨徹哉氏の解説も収録されている。(ケアネット 細田 雅之)参考日本肺癌学会ニュースリリース(PDF)世界肺癌学会レポート:アドボカシーの視点から(動画サイト)

検索結果 合計:2040件 表示位置:1661 - 1680