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プラチナ+ペメトレキセドへのアテゾリズマブ併用、進行肺がん1次治療でPFS延長(IMpower132)/WCLC2018

 Stage IV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるペメトレキセドとプラチナ製剤の併用療法、およびペメトレキセドによる維持療法へのPD-L1阻害薬アテゾリズマブの上乗せ効果を検討した第III相IMpower132試験の結果が、カナダ・トロントで開催された第19回世界肺癌会議(WCLC2018)で、MDアンダーソンがんセンターのVassiliki A. Papadimitrakopoulou氏により発表された。 IMpower132試験は、化学療法未治療の進行非扁平上皮NSCLC患者(EGFR/ALK陰性)を対象とし、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用→ペメトレキセド維持療法群(PP群)と、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用+アテゾリズマブ→ペメトレキセド+アテゾリズマブ維持療法群(APP群)を比較したオープンラベル多施設共同無作為化第III相試験である。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)。探索的評価項目はPD-L1発現状態による有効性であった。今回は、RECIST v1.1評価に基づくPFSとOS(中間解析)ならびに安全性データが発表された。 主な結果は以下のとおり。・APP群に292例、PP群に286例の患者が組み入れられた。・全身状態は、APP群の43%、PP群の40%で良好(ECOG PS 0)であった。・データカットオフ(2018年5月22日)の追跡期間中央値は14.8ヵ月であった。・PFS中央値は、PP群5.2ヵ月に対し、APP群7.6ヵ月とAPP群で統計学的に有意に延長した(ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.49~0.72、p

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小細胞肺がんに対するアテゾリズマブの上乗せ効果(IMpower133)/WCLC2018

 進展型の小細胞肺がん(ES-SCLC)患者の1次治療でカルボプラチン+エトポシドにアテゾリズマブを追加することで、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)が延長されることが明らかになった。米国・ジョージタウン大学のStephen V. Liu氏が、第19回世界肺癌学会(WCLC2018)で発表した。 IMpower133は、未治療のES-SCLC患者403例を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検第I/III相試験。アテゾリズマブ群とプラセボ群に1:1に無作為に割り付け、アテゾリズマブ追加の有効性と安全性を評価した。 この試験では、複合主要評価項目であるOSと治験参加医師評価によるPFSを達成した。新たな安全性のシグナルは確認されず、免疫関連の有害事象の種類および発症率は、アテゾリズマブ単独療法で見られたものと類似していた。■「アテゾリズマブ」関連記事アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

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ロシュ、世界肺癌会議(WCLC2018)で新データを発表

 Roche社は、2018年9月6日、カナダのトロントで9月23~26日に開催される2018年第世界肺癌会議(WCLC/IASLC 2018)において、さまざまな肺がんを対象とした臨床開発プログラムの新データが発表される旨を公表した。同会議では、3つのLate Breakerと5つの口頭発表を含む10個のアブストラクトが受理されたとしている。 主要な発表は以下のとおり。・進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)初回治療の第III相IMpower133試験から、アテゾリズマブと化学療法(カルボプラチン+エトポシド)の併用の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS))がPredsidentialシンポジウムで発表される。・進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の初回治療における第III相IMpower132試験から、アテゾリズマブと化学療法(ペメトレキセド+プラチナ)の併用のPFSおよびOSの結果が発表される。・TKIナイーブのEGFR変異陽性NSCLCの患者における第Ib相試験から、エルロチニブ・アテゾリズマブ併用の長期の安全性と有効性の結果が発表される。・進行ROS1融合陽性NSCLCにおける新たな国際第II相STARTRK-2バスケット研究を含むプール解析から、entrectinibの安全性と有効性の結果が提示される。■参考Roche社メディアリリース

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3年生存率と施設別・病期別5年生存率を初公表~国立がん研究センター

 国立がん研究センターは、全国のがん診療連携拠点病院などから収集した院内がん情報を用いて、2011年診断症例の3年生存率と、2008~09年診断症例の5年生存率について報告書をまとめ、9月12日にウェブサイトで公開した。国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス がん登録・統計」統計ページ:2011年3年、2008-09年5年生存率集計3年生存率を初集計 多くのがんでは、これまで5年生存率が1つの治癒の目安として用いられてきたため、国立がん研究センターでは5年生存率を報告してきた。今年3月に閣議決定された第3期がん対策推進基本計画で、「国は、国民が必要な時に、自分に合った正しい情報を入手し、適切に治療や生活等に関する選択ができるよう、科学的根拠に基づく情報を迅速に提供するための体制を整備する」としていることから、今回初めて、2011年院内がん登録データ(268施設)を用いて、5年生存率より早い段階の3年生存率を集計した。 今回の集計においては、胃、大腸、乳房、肝臓、肺の主要5部位に加え、食道、膵臓、前立腺、子宮頸部、子宮体部、膀胱の6部位を加えた11部位について、部位・病期別などの生存率を集計している。施設別の部位・病期別5年生存率を初公表 がん診療連携拠点病院における5年生存率は、2007年診断症例より集計を開始し、主要5部位と食道、膵臓、子宮頸部、子宮体部、前立腺、膀胱について、拠点病院全体および都道府県別集計を公表している。今回3度目の報告となる2008~09年診断症例(2年分のデータを用いて、ある程度の対象数を担保)では、都道府県別・施設別集計においても、主要5部位・病期別に集計を行った。 なお、施設別生存率は患者の年齢、手術の有無、併存疾患の有無やその程度など、さまざまな背景に影響され大きく変動するため、都道府県および各施設のコメントと性別、年齢、病期、手術の有無、組織型(肺がんの場合)についても提示している。■参考国立がん研究センター プレスリリース

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EGFR-TKI耐性肺がん患者の遺伝子変異検査、治療の実態:前向き観察研究REMEDY 第18回【肺がんインタビュー】

第18回 EGFR-TKI耐性肺がん患者の遺伝子変異検査、治療の実態:前向き観察研究REMEDY出演:四国がんセンター 呼吸器内科 野上 尚之氏Seto T, et al. Real-World EGFR T790M Testing in Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer: A Prospective Observational Study in JapanOncol Ther.2018 Aug 28.[Epub ahead of print]

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侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第59回

第59回:ASCO/NCCN合同 irAEガイドライン発刊キーワード肺がんメラノーマ免疫関連有害事象irAE動画書き起こしはこちら2月14日にASCOとNCCN共同で、免疫チェックポイント阻害剤による副作用マネジメントについてのガイドラインが出ました。JCOのほうは60ページ位あるガイドラインで、NCCNのほうは、いつもよくあるPDFのアルゴリズムに沿ったようなガイドライン、2つが同時に発表されています。基本的にフォーマットは違いますけど、言っていることは同じです。目新しいものはなかったのですけれども、読まれてみると良いと思います。あとは『Clinical Care Options』というアメリカのwebサイトですね。そういうものがあるんですけど、そこではかなりタイムリーに、たとえば発表があるとその1週間2週間後には、新しいスライドセットが、その領域のエキスパートと呼ばれる人たちの監修で報告されるんですが、そこではiPhoneとかアンドロイドで「副作用」と入れると、そのマネジメントが出てくる、というようなアプリも紹介されています。Clinical Care Optionsのwebサイトに行っていただけると、そういうアプリも見つかると思います。もうここはものすごいスピードでアップデートしているので、定期的にチェックされると、非常によくまとまって、見やすいスライドが提供されています。もちろん、ここもたくさんの製薬会社からのお金が入って維持されているのだと思いますが。Brahmer JR, et al. Management of Immune-Related Adverse Events in Patients Treated With Immune Checkpoint Inhibitor Therapy: American Society of Clinical Oncology Clinical Practice Guideline.J Clin Oncol. 2018 Feb 14. [Epub ahead of print]CLINICAL CARE OPTIONSClinical Care Optionsアプリ inPracticeOncology( APPストア )Clinical Care Optionsアプリ inPracticeOncology( Google Play )

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TRK阻害薬larotrectinib、NTRK遺伝子融合がん治療薬としてEUに申請/バイエル

 ドイツ・バイエル社は、2018年8月27日、欧州医薬品庁(EMA)にlarotrectinib(LOXO-101)の販売承認申請(MAA)を提出したと発表。 larotrectinibは、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)遺伝子融合を有する、局所進行性または転移性の固形がん患者(成人および小児)の治療薬として開発されたトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬。NTRK遺伝子融合は、TRK融合タンパク質の産生が制御できなくなるゲノム変化であり、腫瘍増殖をもたらす。臨床試験では、larotrectinibの全奏効率(ORR)は、治験責任医師による評価では80%、中央判定では75%であった。larotrectinibは米国食品医薬品局(FDA)より優先審査品目に指定 TRK融合を有するがんは、NTRK遺伝子が、別の無関係の遺伝子と融合し、TRKタンパク質に変異が生じて起こる。最近の研究結果から、体内のさまざまな場所で固形がんを生じさせることが示唆されており、虫垂がん、乳がん、胆管がん、大腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)、乳児型線維肉腫、肺がん、唾液腺の乳腺相似分泌がん、悪性黒色腫、膵臓がん、甲状腺がん、肉腫など成人や小児のさまざまながんに見られる。 larotrectinibは、バイエルと米国のロクソ・オンコロジー社(本社:米国コネティカット州スタンフォード)が共同開発し、2018年5月、米国食品医薬品局(FDA)よりNTRK遺伝子融合を有する、局所進行性または転移性の固形がん患者(成人および小児)の治療薬として優先審査品目に指定された。

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オシメルチニブ1次治療、CNS病変の病勢進行を52%抑制(FLAURA)/JCO

 未治療の進行EGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)におけるオシメルチニブの第III相FLAURA試験の事前に予定された探索的研究において、オシメルチニブのCNS病変に対する有効性が報告された。この結果は昨年(2017年)のESMO-ASIAで発表されたのち、Journal of Clinical Oncology誌2018年8月28日号に掲載された。・対象:独立盲検中央判定によるベースラインスキャンでCNS病変(1つ以上の測定可能または/および測定不能)が認められたEGFR変異NSCLC患者・試験薬:オシメルチニブ 80mg/日・対照薬:標準的なEGFR-TKI(ゲフィチニブ250mg/日またはエルロチニブ150mg/日)・主要評価項目:ベースラインスキャンでCNS病変が認められた患者におけるCNS無増悪生存期間(CNS PFS) 主な結果は以下のとおり。・FLAURA試験(556例)のなかで、ベースラインの脳スキャンデータを有する200例のうち、128例の患者がCNS病変を有していた。・上記の128例の内訳は、オシメルチニブ群61例、標準的EGFR-TKI群67例であった。・測定可能なCNS病変患者は41例(オシメルチニブ22例、標準的EGFR-TKI群19例)、測定不能なCNS病変患者は87例(オシメルチニブ39例、標準的EGFR-TKI群48例)であった。・CNS病変患者全体のCNS PFS中央値は、オシメルチニブ群は未到達(95%CI:16.5ヵ月~NC)、標準的EGFR-TKI群では13.9ヵ月(95%CI:8.3~NC)と、オシメルチニブ群で有意に良好であった(HR:0.48、95%CI:0.26~0.86、p=0.014)。・CNS病変患者全体のCNS客観的奏効率(CNS ORR)は、オシメルチニブ群66%、標準的EGFR-TKI群43%であった(OR:2.5、95%CI:1.2~5.2、p=0.011)、測定可能なCNS病変患者のCNS ORRは、オシメルチニブ群91%、標準的EGFR-TKI群68%であった(OR:4.6、95%CI:0.9〜34.9、p=0.066)。・CNS病勢進行イベントは、標準的EGFR-TKI群に比べ、オシメルチニブ群で一貫して低かった。 未治療のEGFR変異NSCLCにおいて、オシメルチニブは標準的なEGFR-TKIに対してCNSへの有効性、CNS病変の進行リスクの低下を示した。※医師限定肺がん最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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EGFR変異肺がん、アファチニブ→オシメルチニブの治療シークエンスを評価/ベーリンガーインゲルハイム

 ベーリンガーインゲルハイムは、2018年8月9日、電子カルテなどの診療情報に基づき、EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者のシークエンシャル治療の影響を評価する、リアルワールド、レトロスペクティブ研究GioTagの登録を完了したと発表。1次治療アファチニブ2次治療オシメルチニブと、シークエンシャルにEGFR-TKIを投与された患者を登録する。当研究のデータは日本を含む10ヵ国204例で構成されている。 リアルワールドの設定において、EGFR変異陽性NSCLCの1次治療としてのアファチニブの治療に続いて、抵抗性のT790M変異陽性患者を対象にオシメルチニブを投与した治療期間を主要アウトカムとするこの研究は2017年12月に開始された。 同研究の目的は、これらのEGFR-TKIのシークエンシャル治療の方針と、それによる化学療法の使用開始時期を遅らせることへの影響に関する見識を示し、EGFR変異陽性NSCLCの治療方法に役立つ情報を提供すること。結果は今年後半に発表される予定。

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デュルバルマブ国内発売、StageIII非小細胞肺がんで初の抗PD-L1抗体

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年8月29日、「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果とした抗PD-L1ヒトモノクローナル抗体デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)の販売を開始した。 デュルバルマブは、切除不能な局所進行(StageIII)非小細胞肺がん(NSCLC)に対する治療薬として承認された、本邦初の抗PD-L1抗体。PD-L1 に結合し、PD-L1 とその受容体である PD-1 および CD80 の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し、抗腫瘍免疫反応を誘発する。●販売名:イミフィンジ点滴静注120mg、イミフィンジ点滴静注500mg●一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)●効能・効果:切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の       維持療法●用法・用量:通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、       1回10mg/kg(体重)を2週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。       ただし投与期間は12ヵ月間までとする。●承認日:2018年7月2日●薬価基準収載日:2018年8月29日●販売開始日:2018年8月29日●薬価:イミフィンジ点滴静注120mg 112,938円/1バイアル    イミフィンジ点滴静注500mg 458,750円/1バイアル■参考アストラゼネカ社プレスリリース■関連記事デュルバルマブ、切除不能StageIII非小細胞肺がんに国内承認/アストラゼネカdurvalumab、切除不能StageIII NSCLCのOSを有意に改善(PACIFIC)durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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FDA、小細胞肺がんにニボルマブ承認。20年ぶり新薬/BMS

 Bristol-Myers Squibb社は、2018年8月17日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、プラチナベース化学療法と1つ以上の他の治療ライン後に進行した、転移を有する小細胞肺がん(SCLC)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から承認を受けたと発表した。この承認は、ニボルマブの第I/II相CheckMate-032試験の結果に基づくもの。 CheckMate-032試験は、プラチナベースの化学療法後に疾患進行したSCLC患者245例をニボルマブで治療した、進行中の多施設共同複数コホート非盲検試験。これらの患者は、PD-L1発現状態にかかわらず、ニボルマブ3mg/kgを2週間ごと、疾患進行または忍容できない毒性が発現するまで投与された。主要有効性評価項目は盲検化された独立中央評価委員会(BICR)評価による包括的奏効率(ORR)であった。ニボルマブ治療患者の治療期間中央値は1ヵ月(範囲:0〜44.2+ ヵ月)で、17%の患者が6ヵ月以上、9%の患者が1年以上ニボルマブの投与を受けた。 有効性は、プラチナベース化学療法と1つ以上の他の治療ラインの後に疾患進行した109例で評価された。この109例のBICR評価によるORRは12%(109例中13例)、部分奏効12例(11%)、完全奏効1例(0.9%)であった。奏効期間中央値は17.9ヵ月であった。安全性は245例全例で評価され、頻度の高い(20%以上)一般的な有害事象は、疲労(45%)、食欲減退(27%)、筋骨格痛(25%)、呼吸困難(22%)、悪心(22%)、下痢(21%)、便秘(20%)、咳嗽(20%)であった。頻度の高い(2%以上)重篤な有害事象は、肺炎、呼吸困難、胸水貯留および脱水であった。■参考Bristol-Myers Squibb社ニュースリリース■関連記事ニボルマブ、小細胞肺がんに単独およびイピリムマブ併用で有望な効果:CheckMate-032

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オシメルチニブ、EGFR陽性肺がん1次治療に承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社は、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、2018年8月21日、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を適応症とする製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表。オシメルチニブは、本適応の審査過程において、本年2月に厚生労働省より優先審査品目に指定されていた。オシメルチニブはEGFR-TKI対照群と比較して有意な改善 今回のオシメルチニブの適応拡大は、第III相FLAURA試験の結果に基づくもの。同試験において、オシメルチニブは18.9ヵ月の無増悪生存期間(PFS)中央値を達成し、EGFR-TKI対照群と比較し、統計学的かつ臨床的に有意な改善を示した。また、これらの改善は脳転移の有無に関するサブグループを含むすべてのサブグループにおいて一貫して認められた。さらに、安全性についても忍容性が確認された。 オシメルチニブは、2016年3月に「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」の適応で、本邦において承認された。転移を有するEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの1次治療としては、本邦以外では、米国、欧州で承認されており、他国の承認審査および承認申請も進行中である。

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広範囲ゲノムシーケンスは進行NSCLCに生存ベネフィットをもたらすか/JAMA

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、広範ゲノムシークエンシングは一部の患者の選択すべき治療情報とダイレクトに関連していたが、良好な生存との独立した関連は認められなかった。米国・オハイオ州立大学のCarolyn J. Presley氏らによる後ろ向きコホート研究の結果で、JAMA誌2018年8月7日号で発表された。進行NSCLC患者には、広範ゲノムシークエンシングが頻繁に用いられている。しかし、コミュニティ設定における同患者の、広範ゲノムシークエンシングと治療選択あるいは生存との関連性については、ほとんど知られていなかった。EGFR変異/ALK再構成の定期検査群と比較 研究グループは、全米を対象とするFlatiron Health Databaseを用いて、2011年1月1日~2016年7月31日に医療記録で確認された進行NSCLCで、191のがん治療のうち1つの治療を受けたことがある患者を特定し、広範ゲノムシークエンシングを受けている群と、EGFR変異とALK再構成またはALK再構成のみの定期検査を受けている(対照)群の臨床的アウトカムを比較した。 対象患者は、StageIIIB/IVまたは切除不能な非扁平上皮NSCLCで、少なくとも1ラインの抗腫瘍治療を受けていた。 広範ゲノムシークエンシングには、第3選択治療までに30以上の遺伝子を調べるあらゆるマルチ遺伝子シークエンシングアッセイを含んだ。 主要評価項目は、第1選択治療開始から12ヵ月間の死亡率および全生存率とした。治療選択との関連はみられるが、生存との関連は認められず 特定された進行NSCLC患者は5,688例(年齢中央値67歳[四分位範囲:41~85]、白人63.6%、喫煙歴あり80%)で、広範囲ゲノムシークエンシング群は875例(15.4%)、対照群は4,813例(84.6%)であった。 広範囲ゲノムシークエンシング群の患者において、4.5%が検査結果に基づいたターゲット治療を、9.8%が定期的なEGFR/ALKターゲット治療を受けていた。85.1%は非ターゲット治療を受けていた。 12ヵ月時点の補正前死亡率は、広範囲ゲノムシークエンシング群49.2%、対照群35.9%であった。操作変数解析の結果、予測死亡率は広範囲ゲノムシークエンシング群41.1%、対照群44.4%であり、広範囲ゲノムシークエンシングと12ヵ月死亡には有意な関連性は認められなかった(群間差:-3.6、95%信頼区間[CI]:-18.4~11.1、p=0.63)。同様の結果が、傾向スコア適合生存解析でも示された(42.0% vs.45.1%、ハザード比[HR]:0.92、95%CI:0.73~1.11、p=0.40)。非適合コホートでも同様であった(HR:0.69、95%CI:0.62~0.77、log-rank検定のp<0.001)。

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オシメルチニブ1次治療認可に備え、コバスが国内適用拡大

 ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は2018年8月17日、ゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異を検出する体外診断用医薬品コバス EGFR変異検出キット v2.0が、オシメルチニブメシル酸塩のEGFR変異陽性非小細胞肺がん1次治療対象者の層別を目的としたコンパニオン診断薬として7月31日に一部変更承認(適応追加)され、保険適用されたと発表した。 同製品は一次治療におけるEGFR-TKI治療対象患者の適応判定補助として、ゲフィチニブ、エルロチニブおよびアファチニブのコンパニオン診断薬として承認されている。また、2次治療におけるT790M変異陽性患者の層別のため、すでにオシメルチニブメシルのコンパニオン診断として承認されていたが、今回、オシメルチニブが1次治療にも適応申請され(8月17日時点未承認)、コバス EGFR変異検出キット v2.0の適応が拡大された。

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オシメルチニブ、NSCLCのCNS病変への効果(AURA3)/JCO

 EGFR-TKI治療で疾患進行を来したEGFR T790M変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)における第III相試験(AURA3)から、事前に設定されたCNS病変に対するオシメルチニブの有効性を化学療法(プラチナ+ペメトレキセド)と比較したサブ解析の結果を中国・Guangdong General HospitalのYi-Long Wu氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2018年7月30日号で発表した。・対象:EGFR-TKIの1次治療で疾患進行したCNS転移のあるEGFR T790M変異NSCLC患者・試験群:オシメルチニブ80mg/日・対照群:化学療法(プラチナ+ペメトレキセド)3週ごと6サイクル・評価項目:[主要評価項目]盲検下中央独立判定によるCNS客観的奏効率(CNS ORR)[副次評価項目]CNS病勢コントロール率(CNS DCR)、CNS奏効期間(CNS DOR)、CNS無増悪期間(CNS PFS)、CNS腫瘍縮小 解析は、ベースライン時に測定可能および/または測定不可能なCNS病変のある患者を「全分析セット(CNS full analysis set)」、1つ以上の測定可能なCNS病変のある患者のみの「評価可能セット(CNS evaluable for response set)」の2グループで行われた。 主な結果は以下のとおり。・AURA3試験の全対象患者のうち、CNS病変を有する「全分析セット」は116例(オシメルチニブ群75例、プラチナ+ペメトレキセド群41例)、「評価可能セット」は46例(オシメルチニブ群30例、プラチナ+ペメトレキセド群16例)であった。・「評価可能セット」のCNS ORRはオシメルチニブ群70%、プラチナ+ペメトレキセド群31%であった(OR:5.13、95%CI:1.44~20.64、p=0.015)。・「全分析セット」のCNS ORRはオシメルチニブ群40%、プラチナ+ペメトレキセド群17%であった(OR:3.24、95%CI:1.33~8.81、p=0.014)。・「全分析セット」のCNS DORはオシメルチニブ群8.9ヵ月、プラチナ+ペメトレキセド群5.7ヵ月であった。・「全分析セットの」CNS PFSはオシメルチニブ群11.7 ヵ月、プラチナ+ペメトレキセド群5.6ヵ月であった(HR:0.32、95%CI:0.15~0.69、p=0.004)。

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小細胞がんにおけるROVA-Tの有効性(TRINITY)/日本臨床腫瘍学会

 進展型小細胞がん(ED-SCLC)は1次治療に良く反応するが、早期に再発し、予後不良である。3次治療以降で認可された治療法はなく、未治療の場合の全生存期間(OS)は1.5ヵ月とされる。また、現段階ではバイオマーカーによる治療は存在しない。 Delta-like Protein3(DLL3)は、正常細胞には発現しないが、小細胞肺がんに高発現するNotchリガンドであり、小細胞がん(SCLC)のマーカーとして期待されている。一方、rovalpituzumab tesirine(Rova-T)は抗DLL3抗体に細胞傷害性物質を結合させた抗体薬物複合体である。第I相試験で有効性を示したことから、オープンラベル単群第II相TRINITY試験が行われ、その結果が本年の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表された。第16回日本臨床腫瘍学会では、米国・オハイオ州立大学のDavid Carbone氏が、その結果を発表している。・対象:DLL3を発現した(CNS転移を含む)3次治療以降(プラチナレジメン1回以上)の再発・難治SCLC・試験薬:対象患者にRova-T 0.3mg/kgを6週ごと2サイクル投与・評価項目:[主要評価項目]客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)[副次的評価項目]奏効期間(DOR)、クリニカルベネフィット率(CBR)、無増悪生存期間(PFS) 主な結果は以下のとおり。・DLL3発現患者は339例登録され、そのうち高DLL3(75%以上の細胞がDLL3発現)は238例(70%)であった。・治験担当医評価のORRは18.0%、高DLL3では19.7%であった。・外部独立評価委員会のORRは12.4%、高DLL3で14.3%であった。・OS中央値は5.6ヵ月、高DLL3では5.7ヵ月であった。・治療関連有害事象は全Gradeで91%、Grade3以上で40%。多くみられた項目は光過敏症(35%)、疲労感(28%)、胸水貯留(28%)、末梢浮腫(26%)。治療中止や減量を必要とした割合は10%以下であった。■参考TRINITY試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ASCO2016レポート 肺がん-2

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実地臨床での肺がんのT790M検出率は臨床研究の半分(REMEDY)/日本臨床腫瘍学会

 EGFR-TKI耐性非小細胞肺がん(NSCLC)の50~60%がT790M耐性変異であるといわれる。オシメルチニブはT790M変異症例の標準治療薬である。EGFR-TKI耐性例に対するオシメルチニブの投与にはT790M変異の検出が必要である。しかし、本邦の実臨床における検査および、T790M検出の実態は明らかでない。これらの状況を明らかにするため多施設共同前向き観察研究REMEDY試験の結果が行われ、その結果が神戸市で開催された第16回日本臨床腫瘍学会において、四国がんセンターの野上 尚之氏により発表された。 対象患者はEGFR-TKI投与中に増悪を来したEGFR変異陽性のNSCLC患者。国内49施設で2017年1月~8月に登録された236例が解析された。 評価項目は、T790M検査のための検体採取率、検体選択の理由、T790M検査実施率、T790M変異検出率、T790M変異結果例の次治療の選択パターン、腫瘍検体の採取部位/方法/成功率、前EGFR-TKI種類別のT790M変異検出率。 主な結果は以下のとおり。・検体採取率は86.9%(236例中205例)。13.1%(31例)は検体採取を実施しなかった。・検体採取の内訳は組織17.4%(41例)、細胞11.4%(27例)、血漿58.1%(137例)であった。・検体採取部位はほとんどが胸部であった。・T790M検査実施率は84.3%(236例中199例)であった。・T790M陽性は61例、陰性/不明は138例。解析対象全体からみたT790M変異検出率は25.8%(236例中61例)であった。・T790M変異結果例の次治療の内訳は91.8%(61例中58例)がオシメルチニブであった。EGFR-TKI耐性である解析対象全体からみると、オシメルチニブ投与に至ったのは23.7%(236例中58例)であった。 EGFR-TKI耐性におけるT790M変異が50~60%と言われるなか、今回の試験の結果では、半分以上が検出できておらず、また薬剤が届いていないことになる。野上氏は発表の中で、この点を指摘した。■関連記事EGFR-TKIで進行した日本人肺がん、遺伝子変異と治療選択の実態(REMEDY)/ELCC2018

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brigatinib、ALK肺がん1次治療でPFSを有意に改善(ALTA-1L)/武田薬品工業

 武田薬品工業は2018年7月26日、ALK阻害薬未治療の局所進行または転移のあるALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたグローバル無作為化臨床第III相試験ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113 in 1st Line)の事前に設定された初回の中間解析において、brigatinib群がクリゾチニブ群と比較して統計学的に有意に無増悪生存期間(PFS)を改善し、主要評価項目を達成したと発表。brigatinibの安全性プロファイルは、全般的に既存の添付文書に記載されている情報と差はなかったとしている。 ALTA-1L試験は、上記患者を対象とした、brigatinibの国際無作為化非盲検試験で、275例の患者が登録された。患者は、brigatinib 180mg/日(7日間の導入期間においては90mg/日)、もしくはクリゾチニブ250mg×2/日を服用した。主要評価項目は独立評価委員会が評価したPFSであり、副次評価項目は、客観的奏効率(ORR)、頭蓋内病変におけるORR、頭蓋内病変におけるPFS、全生存期間、安全性および忍容性が含まれている。 brigatinibが少なくとも6ヵ月クリゾチニブを上回るPFSの改善を示すために、合計約198件のPFSイベントが発生した時点で、主要評価項目の最終解析が行われる予定。また、本試験では、予定されているPFSイベントの50%が発生した時点および75%のイベントが発生した時点の2回にわたり、主要評価項目に対する中間解析を行うことが事前に設定されている。 同中間解析結果は、近日開催される学術会議において発表を予定。■参考武田薬品ニュースリリースALTA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事クリゾチニブ抵抗性ALK肺がんにおけるbrigatinibの成績:ALTA/WCLC2017新ALK阻害薬brigatinib、ALK陽性肺がんに承認:FDA

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