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インフル家庭内感染率、コロナ流行前の2.31倍に/JAMA

 米国5州のコホート試験で、2021-2022インフルエンザシーズン中のインフルエンザA(H3N2)ウイルス家庭内感染率は50.0%と、2017~20年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック前のシーズン(2017-2018、2018-2019)の同感染率20.1%に比べ、家庭内感染リスクは有意に上昇(2.31倍)していたことが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のMelissa A. Rolfes氏らによる検討で、著者は「さらなる検討を行い、関連性の要因を明らかにする必要がある」と述べている。JAMA誌オンライン版2023年1月26日号掲載の報告。感染者の同居家族、インフルエンザ検査を5~10日間実施 研究グループは、2021-2022インフルエンザシーズン中の家庭内インフルエンザ感染リスクと、COVID-19パンデミック前のインフルエンザシーズン中の同リスクを比較する前向きコホート試験を行った。 COVID-19パンデミック前シーズンの米国内2州(テネシー、ウィスコンシン)と、2021-2022シーズン中の4州(テネシー、アリゾナ、ニューヨーク、ノースカロライナ)を対象とした。 家庭内で最初に検査で確定されたインフルエンザA(H3N2)ウイルス感染者を1次症例とし、同居する家族には試験登録後5~10日間にわたり、毎日の自己採取による鼻腔ぬぐい液でインフルエンザウイルス遺伝子検査を実施するとともに、症状に関する日誌を記録してもらった。 主要アウトカムは、COVID-19パンデミック前シーズンと比較した2021-2022シーズン中の家庭内での検査確定インフルエンザA(H3N2)ウイルス感染の相対リスクだった。リスクは、年齢、ワクチン接種状況、1次症例との接触頻度、家庭内密度により補正し推算した。また、年齢、ワクチン接種状況、1次症例との接触頻度別のサブグループ解析も行った。家庭内感染率、COVID-19パンデミック前は20.1%、パンデミック後は50.0% 解析には、COVID-19パンデミック前シーズン中の1次症例152例(年齢中央値13歳、女性52.0%、黒人3.9%)と同居家族353例(33歳、54.1%、2.8%)、2021-2022シーズン中の1次症例84例(10歳、52.4%、13.1%)と同居家族186例(28.5歳、63.4%、14.0%)が含まれた。 COVID-19パンデミック前シーズン中に、1次症例からインフルエンザA(H3N2)に感染した同居家族は20.1%(71/353例)だったのに対し、2021-2022シーズン中は50.0%(93/186例)だった。 2021-2022シーズンのCOVID-19パンデミック前シーズンに対する、インフルエンザA(H3N2)ウイルス家庭内感染の補正後相対リスクは2.31(95%信頼区間[CI]:1.86~2.86)だった。

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乳がん患者のリアルワールドでのコロナワクチン効果/JCO

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの臨床試験には、積極的ながん治療を受けている乳がん患者が含まれていない。今回、イタリア・ジェノバ大学のMarco Tagliamento氏らが、リアルワールドの乳がん患者におけるワクチン接種の効果を調査したところ、乳がん患者においてもワクチン接種がCOVID-19罹患率および死亡率を改善することが示された。また、欧州におけるオミクロン株流行期の間、乳がん患者におけるCOVID-19重症度は低いままだった。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年1月31日号に掲載。 本研究では、OnCovidレジストリ参加者を対象に、プレワクチン期(2020年2月27日~11月30日)、アルファ-デルタ期(2020年12月1日~2021年12月14日)、オミクロン期(2021年12月15日~2022年1月31日)における乳がん患者のCOVID-19の病態と死亡率を比較した。28日致死率(CFR28)およびCOVID-19重症度を、出身国、年齢、併存疾患の数、Stage、COVID-19診断後1ヵ月以内の抗がん剤治療で調整し、ワクチン未接種患者とワクチン接種(2回接種または追加接種)患者を比較した。 主な結果は以下のとおり。・2022年2月4日までに613例が登録された。・ホルモン受容体陽性が60.1%、HER2陽性が25.2%、トリプルネガティブが14.6%で、61%が限局/局所進行であった。年齢中央値は62歳(四分位範囲:51~74歳)、31.5%が2つ以上の併存症あり、69%が喫煙歴なしだった。診断時期は、63.9%がプレワクチン期、26.8%がアルファ-デルタ期、9.3%がオミクロン期だった。・CFR28の解析では、3つの流行期で死亡率は同等だった(順に13.9%、12.2%、5.3%、p=0.182)が、COVID-19重症度は3つの流行期にわたって有意な改善がみられた。アルファ-デルタ期およびオミクロン期のワクチン未接種患者は、プレワクチン期の患者(ワクチン未接種)とアウトカムが同等だった。・ワクチン接種による解析対象患者566例のうち、ワクチン接種患者は72例(12.7%)、未接種患者は494例(87.3%)だった。・ワクチン接種患者は未接種患者に比べて、CFR28(オッズ比[OR]:0.19、95%信頼区間[CI]:0.09~0.40)、入院(OR:0.28、95%CI:0.11~0.69)、COVID-19合併症(OR:0.16、95%CI:0.06~0.45)、COVID-19に対する治療の必要度(OR:0.24、95%CI:0.09~0.63)、酸素療法の必要度(OR:0.24、95%CI:0.09~0.67)において改善していた。

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コロナワクチン接種者と未接種者、情報源の違いは?/筑波大

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチンを接種するかどうかを決定しておらず「様子見」していた人のうち、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報を「職場/学校」「LINE」から得ている人はその後のワクチン接種率が高く、「インターネットニュース」「動画共有サイト(YouTubeなど)」から得ている人は接種率が低かったことを、筑波大学の堀 大介氏らが明らかにした。Environmental health and preventive medicine誌オンライン版2023年2月2日掲載の報告。 過去の研究によって、COVID-19に関する情報をテレビのニュース番組や新聞から得ている人はワクチン接種意向が高いなど、情報源の種類と接種意向との関連が報告されていた。しかし、ワクチンが接種可能になった後に実際にワクチンを接種したかどうかは不明のため、ワクチン接種の意思決定プロセスにおける情報源の種類の影響は明らかではなかった。そこで研究グループは、ワクチンを接種するかどうかまだ決めていない人において、使用しているCOVID-19に関する情報源とその後のワクチン接種の有無との関連を明らかにするため調査を実施した。 研究グループは、「日本におけるCOVID-19問題による社会・健康格差評価研究(JACSIS)」で得られたデータを解析した。対象は、医療者ではなく、健康な、18~64歳のインターネット調査会社の登録モニターであった。 本研究は2段階で行われ、まずワクチンの集団接種開始前の2021年2月8日~25日に「様子見してから接種したい」と回答した2万6,000人が組み込まれた。除外基準(年齢、基礎疾患、すでにワクチンの接種意向を決めていた、など)を満たしている人を除外した後、集団接種開始後の2021年9月27日~10月29日にCOVID-19に関する情報の入手源や接種状況などを5,139人(年齢中央値42.8歳[±12.2歳]、女性55.7%)に聴取した。情報入手源は、家族、友人、職場/学校、医療者、著名人、専門家、官公庁のホームページ、学術機関のホームページ、動画共有サイト、LINE、Twitter、Facebook、Instagram、インターネットニュース、新聞、雑誌、書籍、テレビのニュース番組、テレビのワイドショー、ラジオの20種類であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象となった5,139人中、実際にワクチンを接種した人(予約済み、接種意向あり含む)は85.7%であった。・COVID-19に関する情報の入手源は、テレビのニュース番組(78.8%)、インターネットニュース(69.1%)の順で多かった。最も少なかったのは、Facebook(4.0%)であった。・多変量ロジスティック回帰分析の結果、職場/学校から情報を得ている人のワクチン接種の調整オッズ比[aOR]が1.49(95%信頼区間[CI]:1.18~1.89)、LINEのaORが1.81(同:1.33~2.47)と高く、インターネットニュースのaORが0.69(同:0.55~0.86)、動画共有サイトのaORが0.62(同:0.48~0.82)と低かった。・若年、失業、低学歴、低収入、インフルエンザワクチン未接種、COVID-19ワクチンへの不安の強さが、COVID-19ワクチン未接種と関連していた。 これらの結果から、研究グループは「COVID-19ワクチンの接種を様子見していた人の意思決定において、情報源の種類が重要な役割を果たしていた。ワクチン接種を促すにあたって、情報源の特性を理解し、適切に活用することが重要である」とまとめた。

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第149回 コロナ感染に特有の罹患後症状は7つのみ

2020年に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)の世界的流行が始まって以降、その通常の感染期間後にもかかわらず長く続く症状を訴える患者が増えています。それらCOVID-19罹患後症状(コロナ罹患後症状)のうち疲労、脳のもやもや(brain fog)、息切れは広く検討されていますが、他は調べが足りません。感染症発症後の長患いはCOVID-19に限るものではありません。インフルエンザなどの他の呼吸器ウイルスも長期の影響を及ぼしうることが示されています。COVID-19ではあって他の一般的な呼吸器ウイルス感染では認められないCOVID-19に特有の罹患後症状を同定することはCOVID-19の健康への長期影響の理解に不可欠です。そこで米国・ミズーリ大学の研究チームはソフトウェア会社Oracleが提供するCerner Real-World Dataを使ってCOVID-19に特有の罹患後症状の同定を試みました。米国の122の医療団体の薬局、診療、臨床検査値、入院、請求情報から集めた5万例超(5万2,461例)のCerner Real-World Data収載情報が検討され、47の症状が以下の3群に分けて比較されました。COVID-19と診断され、他の一般的な呼吸器ウイルスには感染していない患者(COVID-19患者)COVID-19以外の一般的な呼吸器ウイルス(風邪、インフルエンザ、ウイルス性肺炎)に感染した患者(呼吸器ウイルス感染者)COVID-19にも一般的な呼吸器ウイルスにも感染していない患者(非感染者)SARS-CoV-2感染から30日以降1年後までの47の症状の生じやすさを比較したところ、呼吸器ウイルス感染者と非感染者に比べてCOVID-19患者により生じやすい罹患後症状は思いの外少なく、動悸・脱毛・疲労・胸痛・息切れ・関節痛・肥満の7つのみでした1,2)。無嗅覚(嗅覚障害)などの神経病態がSARS-CoV-2感染から回復した後も長く続きうると先立つ研究で示唆されていますが、今回の研究では一般的な呼吸器ウイルス感染に比べて有意に多くはありませんでした。無嗅覚は非感染者と比べるとCOVID-19患者に確かにより多く生じていましたが、COVID-19以外の呼吸器ウイルス感染者にもまた非感染者に比べて有意に多く発生していました。つまり無嗅覚はCOVID-19を含む呼吸器ウイルス感染症全般で生じやすくなるのかもしれません。一方、先立つ研究でCOVID-19罹患後症状として示唆されている末梢神経障害や耳鳴りは呼吸器ウイルス感染者と非感染者のどちらとの比較でも多くはありませんでした。全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、1型糖尿病(T1D)などの免疫病態もSARS-CoV-2感染で生じやすくなると先立つ研究で示唆されていますが、今回の研究では神経症状と同様にCOVID-19に限って有意に多い症状はありませんでした。ただし、1型糖尿病との関連は注意が必要です。COVID-19患者の1型糖尿病は呼吸器ウイルス感染者と比べると有意に多く発生していたものの、非感染者との比較では有意差がありませんでした。呼吸器ウイルス感染者の1型糖尿病はCOVID-19患者とは逆に非感染者に比べて有意に少なく済んでいました。心血管や骨格筋の病態でも1型糖尿病のような関連がいくつか認められており、COVID-19患者の頻拍・貧血・心不全・高血圧症・高脂血症・筋力低下は呼吸器ウイルス感染者と比べるとより有意に多く、非感染者との比較ではそうではありませんでした。今回の研究でCOVID-19に特有の罹患後症状とされた脱毛はSARS-CoV-2感染から100日後くらいに最も生じやすく、250日を過ぎて元の状態に回復するようです。疲労や関節痛は今回の試験期間である感染後1年以内には元の状態に落ち着くようです。COVID-19患者により多く認められた肥満はダラダラ続くCOVID-19流行が原因の運動不足に端を発するのかもしれません。ただし今回の研究ではそうだとは断言できず、さらなる研究が必要です。参考1)Baskett WI, et al. Open Forum Infect Dis. 1011;10: ofac683.2)Study unexpectedly finds only 7 health symptoms directly related to ‘long COVID’ / Eurekalert

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コロナの重症肺炎、他の肺炎と転帰は異なるか

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重大な合併症の1つとして急性低酸素性呼吸不全(AHRF)がある。COVID-19による肺炎が引き起こすAHRFは、他の原因によるAHRFとは異なる表現型を有し、より高い死亡率を示すと考えられていた。そこで、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のEric P. Nolley氏らは、COVID-19により人工呼吸器が必要な重症肺炎を発症した患者について、他の原因によって重症肺炎を発症した患者と転帰を比較した。その結果、COVID-19による重症肺炎患者は、他の原因による重症肺炎患者と比べて死亡率の上昇は認められなかったものの、人工呼吸器を外すまでの期間が長かったことを明らかにした。JAMA Network Open誌2023年1月10日掲載の報告。 入院後2週間において、人工呼吸器が必要な重症肺炎を発症した18歳以上の成人患者を対象とした。後ろ向きに追跡し、入院から退院または死亡までのデータを抽出した。主要評価項目は、入院中の90日死亡率とした。副次評価項目は、人工呼吸器を外すまでの期間、入院期間、呼吸器コンプライアンス、換気比などとした。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19による重症肺炎患者719例(平均年齢61.8歳、男性61.5%)および他の原因による重症肺炎患者1,127例(平均年齢60.9歳、男性52.0%)が対象となった。・未調整解析では、COVID-19による重症患者は他の原因による重症肺炎患者と比べて入院中の90日死亡率が高く(オッズ比[OR]:1.21、95%信頼区間[CI]:1.04~1.41)、人工呼吸器を外すまでの期間も長く(部分分布ハザード比[SHR]:0.72、95%CI:0.63~0.81)、呼吸器コンプライアンスが低かった(p<0.001)。・傾向スコアマッチングを行うと、COVID-19による重症肺炎患者と他の原因による重症肺炎患者において、入院中の90日死亡率に有意差は認められず(OR:1.04、95%CI:0.81~1.35)、呼吸器コンプライアンス(群間差:1.82mL/cm H2O、95%CI:-1.53~5.17mL/cm H2O)、換気比(群間差:-0.05、95%CI:-0.22~0.11)についても、有意差は認められなかった。・一方、傾向スコアマッチング後においても、COVID-19による重症肺炎患者は他の原因による重症肺炎患者と比べて、人工呼吸器を外すまでの期間が有意に長かった(SHR:0.81、95%CI:0.65~1.00)。入院から90日後における生存退院率については、有意差は認められなかったが、COVID-19による重症肺炎患者は他の原因による重症肺炎患者と比べて低い(入院期間が長い)傾向にあった(SHR:0.83、95%CI:0.68~1.01)。

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第133回 医療計画に「新興感染症」の追加を検討/厚労省

<先週の動き>1.医療計画に「新興感染症」の追加を検討/厚労省2.「5類」見直しで大規模接種会場の縮小・閉鎖へ/政府3.新型コロナウイルス感染拡大、介護施設の経営を直撃/厚労省4.介護施設は面会制限の緩和、「対面での面会」の再開を/厚労省5.外国人患者の受け入れマニュアルを更新/厚労省6.宿日直許可、去年は1,369件と急増/厚労省1.医療計画に「新興感染症」の追加を検討/厚労省厚生労働省は2月2日に「第8次医療計画に関する検討会」を開催し、従来は5事業の医療計画に「新興感染症対応」を6事業目に加えることを検討した。今回の議論にあたって、新興感染症発生・まん延時における医療提供体制確保に関する数値目標の設定にあたっては、新型コロナウイルス感染症対応の実績を参考として、感染症の流行初期の入院対応医療機関を500施設、外来対応医療機関を1,500施設程度整備する方針を示した。厚生労働省は令和6年4月に施行される改正感染症法および医療法のため、令和5年度中に各都道府県で予防計画および医療計画を策定する必要があるため、できる限り早く議論のまとめを行う方針。(参考)6事業目(新興感染症対応)について(厚労省)次なる新興感染症に対応するため、流行初期の入院対応医療機関500施設、外来対応医療機関を1,500施設程度整備-第8次医療計画検討会(Gem Med)2.「5類」見直しで大規模接種会場の縮小・閉鎖へ/政府政府の新型コロナウイルスの「5類」への引き下げを受けて、防衛省は大規模接種会場の縮小・閉鎖の検討を開始した。今月中旬にも方向性を決め、3月から順次縮小、閉鎖を検討するとみられる。また、大阪府も1月31日に新型コロナウイルス対策本部会議を開き、ワクチンの大規模接種会場「心斎橋接種センター」を3月末に廃止する方針を決めた。合わせて重症者向けの臨時施設も閉鎖する方針。(参考)ワクチン大規模接種会場の縮小・閉鎖を検討 防衛省、来月にも(朝日新聞)大阪府、大規模接種会場を閉鎖へ コロナ重症センターも(日経新聞)3.新型コロナウイルス感染拡大、介護施設の経営を直撃/厚労省厚生労働省は、1日、介護施設・事業所の経営状況を把握する調査(介護事業経営概況調査)の最新の結果を公表した。コロナ禍や人件費増が影響を受けて、通所系サービスの収支の悪化が目立つ内容となっている。利益率をみると、通常規模以上の通所介護は昨年度の利益率1.0%と、前年度に比べてマイナス2.8ポイント低下していた、これは新型コロナウイルスの感染拡大で利用者の利用控えによるものと考えられる。また、人手不足を背景に人件費高騰や感染対策の費用も影響を受け、介護報酬引き上げがあったものの、経費増がそれを上回った形となった。(参考)第36回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(厚労省)通所介護の収支が悪化 コロナ禍や人件費増が影響 利益率が低下=厚労省調査(ケアマネドットコム)2021年度介護報酬の後、人件費増により介護事業所・施設の経営状況は悪化傾向―介護事業経営調査委員会(Gem Med)赤字の老健が3分の1に、21年度 赤字割合、2年間で12ポイント増(CB news)4.介護施設は面会制限の緩和、「対面での面会」の再開を/厚労省厚生労働省は、新型コロナウイルス感染拡大で、家族との面会制限を行っている高齢者施設に対して、面会の機会の減少により心身の健康への影響が懸念されるとして、高齢者施設などでの面会の再開・推進を図るために職員向けに、面会を積極的に実施する施設の事例や実施方法などを情報発信する動画およびリーフレットを作成した。厚生労働省は、実際に面会を行っている施設での工夫や取組事例、面会を行う際に気を付けたいポイントをまとめ、活用して、対面での面会の再開を求めている。(参考)高齢者施設入所者の心身の健康を確保するため、十分な感染対策の下「対面での面会」の再開・推進を-厚労省(Gem Med)高齢者施設等における面会の再開・推進にかかる高齢者施設等の職員向け動画及びリーフレットについて(厚労省)高齢者施設における面会の実施に関する取組について(同)5.外国人患者の受け入れマニュアルを更新/厚労省厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染の拡大が沈静化するとともに、訪日外国人旅行者が今後、増えるとして「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」を更新して公表した。マニュアルの改定には「厚生労働省訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会」の議論を踏まえ、医療機関における外国人患者の受け入れの環境整備に役立てるよう取りまとめられた。自見はなこ参議院議員によれば「訪日外国人観光客の約4%が日本滞在中に医療機関を受診するが、全体の約3割が民間医療保険非加入であり、外国人患者を受け入れた病院の約2割が未払いを経験という厚労省の調査結果もある」と言う。現在では、健康保険法の改正が行われ、訪日外国人の未払いの医療費がある場合に再入国させないようにする措置や、在留している外国人労働者が健康保険料の未払いがあった場合は在留資格の更新は許可しないようになっている。東京都は厚生労働省委託事業で「訪日外国人受診者医療費未払情報の報告に関する説明会」を2月17日に全国の保険医療機関を対象にオンラインで開催し、訪日外国人受診者による医療費不払い防止のための、「不払い情報報告システム」について情報提供を行う予定。(参考)「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」(厚労省)外国人への適切な医療提供と保険制度維持へ 打った手と残った課題―自見はなこ氏が講演(Medical Note)「訪日外国人受診者医療費未払情報の報告に関する説明会(第6回)」について(東京都)自見はなこ参議院議員ツイッターアカウント6.宿日直許可、去年は1,369件と急増/厚労省厚生労働省によると、2022年の医師の宿日直許可が1,369件と増加していることが明らかになった。2024年4月から勤務医の時間外労働の上限が原則、年960時間となるため、救急医療を担う急性期病院だけではなく、外部から当直医の派遣を受けている医療機関も派遣元となる大学病院での労働時間と合わせて上限規制の対象となるため、受け入れている医療機関は対応を迫られている形だ。厚生労働省は、宿日直許可申請をサポートするため、各都道府県に医療勤務環境改善支援センターを設置しており、早期の申請を働きかけている。(参考)医療機関における宿日直許可 ~申請の前に~(厚労省)医師の宿日直許可取得、昨年は1,369件へ大幅増 厚労省(MEDIFAX)「医師の働き方改革」で手術や救急に支障が及ぶ訳(東洋経済オンライン)

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オミクロン株BF.7、BQ.1.1、XBB.1に対するワクチンの効果は?/NEJM

 2月2日に発表された東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議・分析資料によると、これまで主流だったオミクロン株BA.5から、BQ.1.1やBF.7に置き換わりが進んでいる1)。海外では、インドやシンガポールなどのアジア諸国でXBB系統の勢力も拡大している。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのJessica Miller氏らの研究グループは、1価およびBA.4/5対応2価のmRNA新型コロナワクチンを追加接種した被験者において、これらの新たな変異型についてワクチンの効果を評価したところ、BA.5と比較して、BQ.1.1やXBB.1に対するワクチンによって獲得できる中和抗体価が、著しく低いことが示された。本結果は、NEJM誌オンライン版2023年1月18日号のCORRESPONDENCEに掲載された。 本研究では、まず2021年に3回目接種としてファイザーの1価ワクチンを接種した16例(年齢中央値34歳)について、中和抗体値を評価した。次に、中央値でワクチンを3回接種したことのある被験者33例に対して、2022年に追加接種として1価ワクチンを接種した15例(年齢中央値50歳、ファイザー5例、モデルナ10例)、追加接種として2価ワクチンを接種した18例(年齢中央値42歳、ファイザー8例、モデルナ10例)について、中和抗体価を評価した。2022年に追加接種した2群については、33%にSARS-CoV-2オミクロン株の感染既往の記録があり、そのほかの大半の被験者も感染していた可能性がある。 主な結果は以下のとおり。・2021年に1価ワクチンを追加接種した群では、接種前の中和抗体価は、BA.5、BF.7、BQ.1.1、XBB.1のそれぞれに対して実質的にほぼなかったが、接種後の中和抗体価の中央値は、BA.5に対して887、BF.7に対して595、BQ.1.1に対してはBA.5より3倍低い261、XBB.1に対しては8倍低い105だった。・2022年に1価ワクチンを追加接種した群では、接種前の中和抗体価は、BA.5に対して184、BF.7に対して167、BQ.1.1に対して49、XBB.1に対して28であった。接種後の中和抗体価は、BA.5に対して2,829、BF.7に対してBA.5とほぼ同等の2,276、BQ.1.1に対してはBA.5より7倍低い406、XBB.1に対しては17倍低い170であった。・2022年に2価ワクチンを追加接種した群では、接種前の中和抗体価は、BA.5に対して212、BF.7に対して131、BQ.1.1に対して45、XBB.1に対して20以下であった。接種後の中和抗体価は、BA.5に対して3,693、BF.7に対して2,399、BQ.1.1に対してはBA.5より7倍低い508、XBB.1に対しては21倍低い175であった。 本結果により、1価および2価ワクチンの追加接種により、BA.5と比較して、BF.7に対しては若干劣るがほぼ同等の中和抗体を獲得していたが、一方で、BQ.1.1やXBB.1に対しては既存のmRNAワクチンの有効性が低下していることが明らかになった。加えて著者らは、ワクチンによる重症化予防効果はCD8 T細胞応答に依拠する可能性があることを示唆している。

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オミクロン株対応2価ワクチン、中和活性の比較/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株は変異を続け、さまざまな亜型を増やしている。そこで、SARS-CoV-2のオミクロン株BA.4/5(BA.4とBA.5は同一のスパイクタンパクを有する)と起源株の、それぞれのスパイクタンパク質をコードするmRNAを含有する2価ワクチンが開発され、世界各国で使用され始めている。しかし、オミクロン株の亜型の中には、ワクチンによって得られた免疫や、感染によって得られた免疫を回避し得るスパイクタンパク質の変異を蓄積しているものもある。そこで、米国・テキサス大学のJing Zou氏らは、BA.4/5対応2価ワクチンによるオミクロン株の各系統に対する中和活性を評価し、いずれの系統に対しても、従来型ワクチンと比べて高い中和活性が得られたことをNEJM誌オンライン版2023年1月25日号のCORRESPONDENCEで報告した。 ファイザー製従来型ワクチン(BNT162b2)を3回接種した55歳以上の成人で、3回目接種から6.6ヵ月後に従来型ワクチン(30μg)を接種した38人(1価ワクチン群)、約11ヵ月後にBA.4/5対応2価ワクチン(起源株15μg+BA.4/5株15μg)を接種した40人(2価ワクチン群)について、4回目接種当日と1ヵ月後の中和活性を比較した。また、SARS-CoV-2の感染歴の有無別にも比較した。中和活性の比較は、オミクロン株の各系統(BA.4/5、BA.4.6、BA.2.75.2、BQ.1.1、XBB.1)およびUSA-WA1/2020株のスパイクタンパク質について行われた。中和活性の評価には、フォーカス減少法による中和試験で50%のウイルスを中和する血清希釈の逆数(FRNT50)を用い、幾何平均抗体価を算出して接種1ヵ月後における接種日からの幾何平均抗体価増加倍率を比較した。 結果は以下のとおり。<感染歴なしの接種1ヵ月後の中和活性の変化(1価vs.2価)>USA-WA1/2020:4.4倍vs.9.9倍(群間比2.3倍)BA.4/5:3.0倍vs.26.4倍(群間比8.8倍)BA.4.6:2.5倍vs.22.2倍(群間比8.9倍)BA.2.75.2:2.0倍vs.8.4倍(群間比4.2倍)BQ1.1:1.5倍vs.12.6倍(群間比8.4倍)XBB.1:1.3倍vs.4.7倍(群間比3.6倍)<感染歴ありの接種1ヵ月後の中和活性の変化(1価vs.2価)>USA-WA1/2020:2.0倍vs.3.5倍(群間比1.8倍)BA.4/5:2.8倍vs.6.7倍(群間比2.4倍)BA.4.6:2.1倍vs.5.6倍(群間比2.7倍)BA.2.75.2:2.1倍vs.5.3倍(群間比2.5倍)BQ1.1:2.2倍vs.6.0倍(群間比2.7倍)XBB.1:1.8倍vs.4.9倍(群間比2.7倍) 本論文の著者らは、今回の結果について以下のようにまとめている。・BA.4/5対応2価ワクチンは、SARS-CoV-2感染歴にかかわらず、4回目のブースター接種では、従来型ワクチンと比べて、BA.5の亜型(BA.4.6, BQ.1.1, XBB.1)およびBA.2の亜型(BA.2.75.2)に対して高い中和活性を誘発することが示された。・4回目のブースター接種後、SARS-CoV-2感染歴ありの被験者は感染歴なしの被験者と比べて、中和活性が高かった。・1価ワクチン群と2価ワクチン群の中和活性の差は、SARS-CoV-2感染歴なしの被験者のほうが感染歴ありの被験者と比べて大きかった。・BA.4/5対応2価ワクチンは、従来型よりも免疫原性が高く、現在流行しているオミクロン株の各系統に対してより幅広い反応を示すことを示唆する。

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新型コロナウイルス感染症に対する経口治療薬の比較試験(ニルマトレルビル/リトナビルとVV116)(解説:寺田教彦氏)

 本研究は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクの高い軽症~中等症患者を対象とした、標準治療薬ニルマトレルビル/リトナビルと新規薬剤VV116との比較試験である。 ニルマトレルビル/リトナビルは、オミクロン株流行下におけるワクチン接種者やCOVID-19罹患歴のある患者を含んだ研究でも、重症化リスクの軽減が報告され(オミクロン株流行中のニルマトレルビルによるCOVID-19の重症化転帰)、本邦の薬物治療の考え方(COVID-19に対する薬物治療の考え方 第15版[2022年11月22日])やNIHのCOVID-19治療ガイドライン(Prioritization of Anti-SARS-CoV-2 Therapies for the Treatment and Prevention of COVID-19 When There Are Logistical or Supply Constraints Last Updated: December 1, 2022)でも重症化リスクのある軽症~中等症患者に対して推奨される薬剤である。しかし、リトナビルは相互作用が多く、重症化リスクがある高齢者や高血圧患者で併用注意や併用禁忌の薬剤を内服していることがあり、本邦では十分に活用されていないことも指摘されている。 新規薬剤のVV116はレムデシビルの経口類似体で、主要な薬物代謝酵素や薬物トランスポーターを阻害せず、他剤との相互作用は起こしづらいと考えられている薬剤である。 本研究では、重症化リスクの高い軽症~中等症のCOVID-19成人患者でVV116投与群は、ニルマトレルビル/リトナビル投与群と比較して、持続的な臨床的回復までの期間について非劣性、かつ副作用が少なかった。 VV116は、今後COVID-19の治療に用いられる可能性のある薬剤ではあるが、本研究結果のみでは、COVID-19治療に用いる根拠は乏しいと私は考えている。理由としては、本研究の主要評価項目が、持続的な臨床回復までの期間となっていることである。本文中では、ニルマトレルビル/リトナビルはWHOガイドラインで重症化リスクの高い軽症~中等症患者に推奨されているために比較群としたが、同薬剤が各国のガイドラインで推奨されている根拠は、ニルマトレルビル/リトナビルの投与により、入院・死亡などの重症化リスクが有意に軽減したことにある。limitationにも記載があるが、本研究では重症化・死亡率低下の点で有効性を評価することができておらず、VV116がニルマトレルビル/リトナビルと比較して副作用が少なかったとしても、投薬により得られるメリットがなければ推奨する根拠は乏しいだろう。ニルマトレルビル/リトナビルは、COVID-19に対して有効な抗ウイルス薬なので、投薬により持続的な臨床的回復が速やかになる可能性はあるが、私の知る限りは、ニルマトレルビル/リトナビルの投与により持続的な臨床回復までの期間が早期になったことを示す大規模研究はない。本研究ではプラセボ群もないため、重症化リスクの高い軽症~中等症のCOVID-19成人患者に対して、VV116を投与すると、COVID-19の自然経過と比較して有意に持続的な臨床的回復までの期間を短縮するとは言えないと考える。 重症化予防効果の確認はlimitationで別の試験で評価を行う予定であることが記載されている。レムデシビルは、重症化リスクのある患者の入院・死亡リスクを軽減したことが証明されており(Gottlieb RL, et al. N Engl J Med. 2022;386:305-315.)、VV116はこの経口類似体であるため、同様に重症化予防は期待されうるが、本薬剤の評価はこの結果を待ちたいと考える。 その他に、本研究を本邦の臨床現場に当てはめる場合に気になったこととしては、ワクチン接種がある。本研究では、ワクチン接種者も参加していることを特徴としている。ただし、本研究のワクチン接種者は、どのワクチンを、いつ、何回接種したかが不明である。ワクチンの種類や、接種時期、接種回数は、持続的な臨床的回復までの期間や重症化リスクに寄与する可能性があり、重症化予防効果の試験では同内容も確認できることを期待したい。 最後に、2023年1月時点、本邦で使用されている経口抗ウイルス薬の目的を整理する。ニルマトレルビル/リトナビル、モルヌピラビル、エンシトレルビルの薬剤の中で、ニルマトレルビル/リトナビル、モルヌピラビルは、重症化リスクのある患者に対して重症化予防目的に投薬が行われている。対して、エンシトレルビルの重症化予防効果は証明されておらず、重症化リスクのない患者の早期症状改善目的に投薬されるが、重症化リスクのある患者には前者の2剤を使用することが推奨されている。 しかし、今後のCOVID-19の流行株の特徴や社会情勢によっては、抗ウイルス薬に求められる役割は、重症化予防効果や症状の早期改善のみではなく、後遺症リスクの軽減、場合によっては濃厚接触後の発症予防になる可能性もあるだろう。 VV116は、相互作用のある薬剤が少なく、比較的副作用も少ない薬剤と考えられ、臨床現場で使用しやすい可能性がある。本研究からは、同薬剤を用いることで患者が得られる効果ははっきりしなかったと考えるが、今後発表される研究結果によっては、有望な抗COVID-19薬となりうるだろう。また、VV116以外にもレムデシビルの経口類似体薬が開発されており、今後の研究成果を期待したい。

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第30回 ChatGPTで医学論文を書ける?

「ChatGPT」とは読者の皆さんは「ChatGPT」をご存じでしょうか。2022年11月にリリースされた汎用型チャットボットです。チャットボットといえば、企業のホームページなどで導入が増え、機械的な答えしか返ってこないイメージがあるかと思いますが、ChatGPTはその根底を覆すほどの性能なんだとか。だいたいのことは適切に答えてくれて、ジョークも返してくれるし、それなりの随筆や小説も書けます。試しに、「新型コロナをテーマにしたラップを作ってほしい」と頼んでみると、以下のようなラップが出来上がりました。「新型コロナ、俺らにできることを知って、覚悟を持てウイルスが繁殖して、人々を傷つけた 呼吸が苦しくて気分が重い時もあった、俺らは前向き、心を強く持て家族を守り、自分自身を保て」おお、あまりうまくないけど韻を踏んでいる。(笑)私も登録していますが、どちらかといえば上記のように遊びで使っている側面が大きいです。このChatGPTを開発しているのが、サンフランシスコ拠点のOpenAIという組織です。非営利で「人類に優しいAI(friendly AI)」を開発する目的で創業されました。私は「Dr. 倉原の“おどろき”医学論文」という連載をケアネット内に持っているのですが、「珍しい直腸異物の症例報告」を探してもらったものの、ビンが肛門に入ったとか、性的玩具が入って取れなくなったとか、私にとっては大して珍しくない論文ばかりがヒットしたので、まだPubMedで検索したほうが早い印象です。科学論文の執筆は禁止残念ながら機械学習に関する国際会議のInternational Conference on Machine Learning(ICML)が、「ChatGPTのようなAIを使って科学論文を執筆することを禁止する」という方針を発表しました。とはいえ、あくまで、何から何まで作るのはダメという意味で、サポート的に使う分には問題はなさそうです。個人的には、医学論文を読むときはDeepL、英文校正は外部の校正会社に委託して、統計解析はコツコツ自分でやっていることが多いです。ChatGPTはこういうところも全部網羅してくれるサービスに化ける可能性があり、実際これを使って論文を書いている人が増えている印象です。統計解析ソフトのプログラミングコードをChatGPTで組む人も出てきて、可能性は無限大かもしれません。しかし、アメリカ・ニューヨーク市の教育局は、学校のコンピュータやネットワークからChatGPTにアクセスすることを禁止しており、事態はなかなか混沌としております。私たち医師にとって、アンメットニーズを満たす有用なツールになると、ありがたいですね。

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コロナ2価ワクチンブースター、入院/死亡抑制効果は従来ワクチンの2倍/NEJM

 2022年8月31日、米食品医薬品局(FDA)は、起源株由来のスパイクタンパク質を含むmRNAとオミクロン変異株BA.4/5株由来のスパイクタンパク質を含むモデルナおよびファイザー製の2価ワクチンを、1次接種またはブースター接種後少なくとも2ヵ月以降のブースター接種用に緊急使用できるように承認した。FDAの承認は、これら2種類の2価ワクチンの非臨床データ、オミクロン変異株BA.1系統のmRNAを含む2価ワクチンの安全性と免疫原性のデータ、および1価ワクチンの安全性と有効性のデータに基づいて行われたものである。9月1日以降、この2種類の2価mRNAワクチンは、米国やその他の国々で、12歳以上の人のブースター接種用として、1価ワクチンに代わって使用されている。今回、オミクロン変異株BA.4.6、BA.5、BQ.1、BQ.1.1による重症感染に対するこれら2価ワクチンの有効性についての大規模コホート研究のデータが、NEJM誌オンライン版2023年1月25日号のCORRESPONDENCEに掲載された。2価ワクチンによるブースター接種の入院/死亡抑制効果は、従来ワクチンによるブースター接種の2倍以上だった。 米国・Gillings School of Global Public HealthのDan-Yu Lin氏らによる本研究は、同グループによる先行研究のデータを使って行われた。2022年9月1日~12月8日に2価ワクチンでブースター接種が行われた99日間と、それ以前の2022年5月25日~8月31日の1価ワクチンでブースター接種が行われた99日間の新たなデータを解析した。入院または死亡に至る感染を重症と定義し、1価・2価ワクチンの1回目のブースター接種における有効性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・5月25日~8月31日に、対象者624万2,259人中29万2,659人が1価ワクチンのブースター接種を受けた。この期間に発生したCOVID-19関連入院報告の61/1,896例、死亡報告の23/690例が1価ワクチンのブースター接種後に発生した。・9月1日~11月3日に、対象者628万3,483人中107万136人が2価ワクチンのブースター接種を受け、この期間に発生したCOVID-19関連入院報告の57/1,093例、死亡報告の17/514例が2価ワクチンのブースター接種後に発生した。・ブースター効果は約4週間でピークに達し、その後低下した。12歳以上の全参加者において、ブースター接種後の15~99日目の入院を伴う重症感染に対するワクチンの有効性は、1価ワクチン25.2%(95%信頼区間[CI]:-0.2~44.2)、2価ワクチン58.7%(95%CI:43.7~69.8)、その差は33.5ポイント(95%CI:2.9~62.1)であった。・入院または死亡に至る重症感染に対するワクチンの有効性は、1価ワクチン24.9%(95%CI:1.4~42.8)、2価ワクチン61.8%(95%CI:48.2~71.8)、その差は36.9ポイント(95%CI:12.6~64.3)だった。

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第146回 病院・診療所16施設、薬局138施設と低調な滑り出しの電子処方箋、岸田首相肝いりの医療DXに暗雲?

コロナ5類移行は5月8日に決定こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。政府は1月27日、新型コロナウイルスの感染症法上の分類を5月8日に「5類」に引き下げることを正式決定しました。5類移行後は新型インフルエンザ等対策特別措置法の適用外となり、入院勧告や行動制限といった強い措置は取られなくなります。特措法に基づく緊急事態宣言やまん延防止等重点措置もなくなり、飲食店の営業時間の短縮といった要請もできなくなります。コロナ疑いの発熱患者は、原則すべての一般医療機関で受診できるよう対応施設を段階的に広げていくとしています。治療や入院といった医療費の公費負担は段階的に縮小する方針です。マスク着用の指針も緩和されます。原則着用を求めていた屋内については、個人の判断に委ねるようにする方針です。諸々の具体策は3月上旬を目処に公表するとしています。この180度の方針転換に日本国民は果たしてついていけるでしょうか?「屋外では季節を問わずマスクの着用は原則不要」との方針が国から示されているのに、大半の人が屋外でも未だに律儀にマスクをしています(飲み屋ではマスクを外して大声で話していますが)。5月連休明けに国民がどんな動きをするか見ものです。マイナ保険証の基盤である「オンライン資格確認等システム」を用いた仕組みさて今回は1月26日から運用開始となった電子処方箋について書いてみたいと思います。厚生労働省は26日から運用が始まった電子処方箋について、対応する医療機関・薬局のリストをホームページで公表しました。1月25日に公表した対応施設は154施設(うち病院・診療所16施設、薬局138施設)ときわめて低調な滑り出しとなりました。電子処方箋は、これまでの紙で交付していた処方箋をデジタル情報にし、オンラインでやりとりを行うというもの。医師は患者に電子処方箋の番号を伝え、薬剤師は患者の示した番号をもとにネットで処方箋情報を閲覧し処方します。マイナ保険証の基盤である「オンライン資格確認等システム」を用いた仕組みで、国が推進しようとしている医療DXの柱の一つに位置付けられています。厚生労働省のホームページなどによれば、電子処方箋によって医療機関・薬局間の処方箋のやり取りが効率化されるとされています。とくに医療機関には、処方箋の発行業務の効率化や、処方データを活用した診察・処方の実現が期待されています。薬局には、処方箋の受付に関わる業務の効率化や、処方データを活用した調剤、服薬指導の実現が期待されています。一方、患者自身も電子的に記録された処方薬のデータを自ら閲覧できるため、健康管理にも寄与すると期待されています。「オンライン資格確認等システム」を導入する医療機関はまだまだ少ないそれなのに、スタート時のこの低調ぶりはなんでしょう。厚生労働省は1月からの運用スタートに向け、幾度も医療機関向けの説明会を開いてきました。直近では昨年12月にオンラインによる説明会を開いています。大きな課題の一つは、マイナ保険証の基盤である「オンライン資格確認等システム」を導入する医療機関がまだまだ少ない点です。導入が進んでいるのは対象となる医療機関や薬局のうち45%に留まっているとのことです(1月15日時点)。マイナ保険証の本格運用は、電子処方箋より1年4ヵ月も早い2021年10月にスタートしています。それでも普及は遅く、業を煮やした政府は2022年8月、オンライン資格確認(いわゆるマイナンバーカードの保険証利用)導入の2023年4月からの原則義務化を決定しました。また、従来保険証の2024年秋の廃止も決定しています(「第124回 医療DXの要「マイナ保険証」定着に向けて日医を取り込む国・厚労省の狙いとは(前編)未対応は最悪保険医取り消しも」、「第125回 同(後編)かかりつけ医制度の議論を目くらましにDX推進?」参照)。もっとも、世界的な半導体不足、専用機器の納入遅れ、医療機関に出向きシステム改修を行う業者不足などもあって、全国の病院や診療所におけるシステム導入は遅れています。結局、オンライン資格確認の原則義務化には半年の猶予期間が設けられ、期限は2023年9月末に変更されています。ちなみにこのシステム改修を行う業者不足は電子処方箋対応にも影響が出ていて、NHKニュースなどの報道によれば、電子処方箋のモデル事業を行った山形県酒田市では、あわせて23の医療機関や薬局が参加することになっていましたが、実際に1月26日時点で運用が始まったのは5つの施設に留まっているとのことです。HPKIカードの取得は医師で11%もう一つの大きな課題は、処方箋の発行や閲覧に必要な「HPKIカード」の取得が進んでいないことです。HPKIは「Healthcare Public Key Infrastructure」の略称で、厚生労働省が所管する医師をはじめとする27個の医療分野の国家資格を証明することができる仕組みです。電子処方箋を発行する医師・歯科医師、電子処方箋を調剤済みにする薬剤師ごとに、HPKIカードによる電子署名が必要とされています。しかし、2022年12月末時点で取得しているのは医師の11%、薬局の薬剤師の7%に留まっているそうです。その背景には資格確認システムに対する政府の曖昧な姿勢もあるようです。1月22日付の日本経済新聞は「電子処方箋、低調なスタートに 医師ら資格取得1割のみ」と題する記事でHPKIカード取得の低さを報じるとともに、「資格取得に関する政府の姿勢があいまいなことが足を引っ張る」と書いています。HPKIカードの利用を始めるには発行費用がかかることに加え、カードリーダーの購入、ソフトウェアのインストールなど結構な手間がかかります。しかし、今回運用がスタートした電子処方箋以外に医療現場で必要とされる場面がないため、普及してきませんでした。その一方で、政府はマイナンバーカードの用途拡大を進めようとしています。医療者の資格確認もマイナンバーカードに一本化すべきだという意見も出てきています。マイナンバーカードは運転免許証とも紐付け可能なのですから、医師などの国家資格との紐付けもやろうと思えばすぐにでもできそうです。しかし、HPKIカード導入の旗振りをしてきた医療関係団体や、既に導入した医療機関等への遠慮もあってか、今後の方針を明確に打ち出せない状況のようです。マイナンバーカードは「デジタル社会のパスポート」と岸田首相コンピューターやネットの世界は日進月歩で、いつまでも古いシステムや仕組みにこだわっていては、円滑な普及が妨げられてしまうのは世の常です。マイナンバーカードを医療者が常時携行することの是非はともかく、何種類ものカードがあって、それらが混在して運用されるシステムが望ましいかと言えば、それは否でしょう。岸田 文雄首相は23日に開会した通常国会の施政方針演説で、マイナンバーカードは、「デジタル社会のパスポート」だと重要性を強調、「医療面では、スマートフォン一つあれば、診察券も保険証も持たずに、医療機関の受診や薬剤情報の確認ができるようになる」とメリットを説明しました。「デジタル社会のパスポート」というなら、医療者の資格確認もこれでやってしまったほうがシンプルだし、わかりやすいと思います。電子処方箋について言えば、より普及させ、患者にとっての利便性を高めるために、「第126回 アマゾン処方薬ネット販売と零売薬局、デジタルとアナログ、その落差と共通点(前編)」、「第127回 同(後編)」でも書いたように、服薬指導のプロセスの見直しもぜひ検討してもらいたいと思います。もし、患者の希望によって、あるいは一部の薬剤においてそのプロセスを省略することができれば、電子処方箋の運用はもっとスムーズになるはずだからです。たとえば患者はオンライン診療を受けるだけで(オンライン服薬指導を受けなくても)、薬剤が手元に届くようになればどれだけ便利でしょう。それこそDXの世界だと思いますが、皆さんいかがでしょう。

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Long COVID、軽症であれば1年以内にほぼ解消/BMJ

 軽症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者では、いくつかのlong COVID(COVID-19の罹患後症状、いわゆる後遺症)のリスクが高いが、その多くは診断から1年以内に解消されており、小児は成人に比べ症状が少なく、性別は後遺症のリスクにほとんど影響していないことが、イスラエル・KI Research InstituteのBarak Mizrahi氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年1月11日号で報告された。イスラエルの全国的な後ろ向きコホート研究 研究グループは、軽症SARS-CoV-2感染者における感染から1年間のlong COVIDによる臨床的な罹患後症状(後遺症)の発現状況を明らかにし、年齢や性別、変異株、ワクチン接種状況との関連を評価する目的で、後ろ向きコホート研究を行った(特定の研究助成は受けていない)。 解析には、イスラエルの全国規模の医療機関から得られた電子医療記録(EMR)が用いられた。対象は、2020年3月1日~2021年10月1日の期間に、ポリメラーゼ連鎖反応法によるSARS-CoV-2検査を受けたMaccabi Healthcare Servicesの会員191万3,234人であった。 エビデンスに基づく70のlong COVIDアウトカムのリスクについて、年齢と性別で調整し、SARS-CoV-2変異株で層別化したうえで、未入院のSARS-CoV-2感染者(29万9,870人、年齢中央値25歳、女性50.6%)と、マッチさせた非感染者(29万9,870人、25歳、50.6%)を比較した。 リスクの評価には、感染初期(30~180日)および後期(180~360日)におけるハザード比(HR)と、1万人当たりのリスク差が用いられた。ブレークスルー感染例で呼吸困難のリスクが低い 感染初期と後期の双方で、COVID-19感染との関連でリスク増加が認められたlong COVIDとして、次が挙げられた。・嗅覚/味覚障害初期 HR:4.59(95%信頼区間[CI]:3.63~5.80)、リスク差:19.6(95%CI:16.9~22.4)後期 2.96(2.29~3.82)、11.0(8.5~13.6)・認知障害初期 1.85(1.58~2.17)、12.8(9.6~16.1)後期 1.69(1.45~1.96)、13.3(9.4~17.3)・呼吸困難初期 1.79(1.68~1.90)、85.7(76.9~94.5)後期 1.30(1.22~1.38)、35.4(26.3~44.6)・衰弱初期 1.78(1.69~1.88)、108.5(98.4~118.6)後期 1.30(1.22~1.37)、50.2(39.4~61.1)・動悸初期 1.49(1.35~1.64)、22.1(16.8~27.4)後期 1.16(1.05~1.27)、8.3(2.4~14.1)・連鎖球菌扁桃炎初期 1.18(1.09~1.28)、13.4(6.8~19.9)後期 1.12(1.05~1.20)、16.6(7.4~25.9)・めまい初期 1.14(1.06~1.23)、11.4(4.7~18.1)後期 1.17(1.09~1.26)、16.7(8.6~24.8) 感染初期にのみリスクが上昇したlong COVIDは、呼吸器疾患(HR:2.4[95%CI:1.67~3.44]、リスク差:3.7[2.3~5.3])、抜け毛(1.75[1.59~1.93]、31.6[26.2~36.9])、胸痛(1.41[1.33~1.49]、56.3[47.0~65.7])、筋肉痛(1.24[1.15~1.35]、17.5[11.2~23.8])、咳嗽(1.09[1.04~1.14]、22.2[9.7~34.6])などであった。 ワクチン未接種者の感染初期に、女性で抜け毛のリスク(女性のHR:2.09[95%CI:1.86~2.35]、男性のHR:0.9[0.80~1.17])が高かったことを除き、他の症状のHRは男女でほぼ同等であった。小児は成人に比べ感染初期の症状が少なく、これらの症状も後期にはほとんどが解消された。SARS-CoV-2変異株全体で、long COVIDの発現状況に一貫性が認められた。また、ワクチン接種者のうちブレークスルー感染例では、未接種者と比較して、呼吸困難(HR:1.58、95%CI:1.18~2.12)のリスクが低く、他の症状のリスクは同程度であった。 著者は、「COVID-19感染症の世界的流行の当初からlong COVIDが危惧されてきたが、軽症の経過をたどった患者の罹患後症状は、その多くが数ヵ月間残存した後、1年以内に正常化することが確認された。これは、軽症例の大部分は重症化や長期的な慢性化には至らず、医療従事者に継続的に加わる負担は小さいことを示唆する」としている。

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074)水いぼの何が困る?こんなところ【Dr.デルぽんの診察室観察日記】(ブログより転載)

第74回 水いぼの何が困る?こんなところ(『デルマな日常』より転載)アロ~ハ☆今日も元気なデルぽんで~す☆連日の水いぼスイマセン!自然治癒する水いぼ。どうせいつか治るなら何が問題なの?というお話。どうぞ~~!水いぼは何が困るか?まとめると、湿疹化することがあるかきこわしから細菌が入りとびひになることも見た目の問題プールに入れない(プール問題についてはまた次回・・)そもそも、肌の弱い子は水いぼがうつりやすい。もともと乾燥肌のある子、湿疹になりやすい子。アトピー性皮膚炎と言われている子は、要注意。肌がうつりやすい状態なので、全身に広がりやすかったり湿疹やかきこわしで苦労することがある。(この状態は治療が必要!)様子を見ていたら体中にできましたなんていうことも・・・こうした子は、しっかり保湿をすること(皮膚を保護してポックスちゃんから守る)湿疹の治療をすること(かきこわし・とびひ注意)かかりつけをもち、困ったことがあったら相談することが大事です。水いぼを取る場合は湿疹が治ってから。実際は、見た目が悪い、気持ち悪いプールに入れないという理由で水いぼを取りにくるパターンが多いです。水いぼがあったらプールは入れないの?という問題については、また次回★でわね!バーイ☆※この記事は、Dr.デルぽんのご厚意により『デルマな日常』から転載させていただきました。(転載元:『デルマな日常』2017年07月01日 水いぼの何が困る?こんなところ)

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かかりつけ医の機能が高いとコロナ入院リスクが低下/慈恵医大

 病気をしたときに何でも相談できる「かかりつけ医」が身近にいると心強い。ましてや、現在のように新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下という環境では、かかりつけ医から的確な助言が受けられると患者は期待している。 COVID-19とかかりつけ医の関連について、青木 拓也氏(東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター臨床疫学研究部)らの研究グループは、COVID-19拡大後のプライマリ・ケアに関する全国的な縦断調査を実施し、かかりつけ医機能はコロナ禍での入院リスク低下と関連することを明らかにした。高いかかりつけ医機能を発揮する医師を持つ患者は、かかりつけ医なしの患者と比べ、コロナ禍での入院リスクが約6割低いという結果となった。Annals of Family Medicine誌1月号からの報告。かかりつけ医機能の高低が入院リスクを左右する【背景】 COVID-19パンデミック以前の海外研究において、質の高いプライマリ・ケアが入院リスクの低下と関連することが報告されている。そして、COVID-19パンデミックをきっかけに、「かかりつけ医」の役割に大きな注目が集まっているなかで、わが国のプライマリ・ケア機能(かかりつけ医機能)と入院リスクとの関連については、これまで国内外での検証が行われていなかった。そこで、COVID-19パンデミック下での、かかりつけ医機能と入院リスクとの関連を検証することを目的とした。【方法】 本研究は、COVID-19パンデミック下の2021年5月〜2022年4月に実施されたプライマリ・ケアに関する全国前向きコホート研究(NUCS)のデータを用いて実施。NUCSは、代表性の高い日本人一般住民を対象とした郵送法による調査研究で、民間調査会社が保有する約7万人の一般住民集団パネルから、年齢、性別、居住地域による層化無作為抽出法を用いて、40〜75歳の対象者を選定した。 追跡期間の12ヵ月間における入院の発生を主要評価項目に設定し、かかりつけ医機能は、JPCAT(Japanese version of Primary Care Assessment Tool)短縮版を用いて、ベースライン時点で評価を行った。 統計解析では、住民をかかりつけ医あり群・なし群、かかりつけ医あり群をさらに四分位群(低機能群、低中機能群、中高機能群、高機能群)に分けて、入院リスクを比較。比較の際は、多変量解析を用いて、年齢、性別、教育歴、慢性疾患数、健康関連QOLといった住民の属性の影響を統計学的に調整した。【結果】 追跡調査を完了した1,161例を解析対象者とした(追跡率92.0%)。解析対象者のうち、723例(62.3%)がかかりつけ医を有し、追跡期間中に87例(7.5%)で入院が発生した。入院した者のうち、5例(5.7%)はCOVID-19による入院だった。 住民の属性の影響を統計学的に調整した結果、かかりつけ医あり群の中でも、かかりつけ医機能が高い(JPCAT総合得点が高い)群ほど、コロナ禍での入院リスクが低下することが明らかになった(かかりつけ医なし群と比較したかかりつけ医あり・高機能群の調整オッズ比:0.37、95%信頼区間:0.16~0.83)。高機能群における入院リスク低下は、JPCATの総合得点だけでなく、下位尺度得点(近接性、継続性、協調性、包括性、地域志向性)を用いた解析でも、すべてにおいて認められた。〔「かかりつけ医なし」を1とした場合の入院リスク〕 かかりつけ医なし:1 かかりつけ医あり/低機能:0.64 かかりつけ医あり/低中機能:0.46* かかりつけ医あり/中高機能:0.45* かかりつけ医あり/高機能:0.37*(入院リスクは調整オッズ比の値/*は統計学的に有意な低下があったことを示す) 同研究グループでは、「研究成果をもとに、入院以外のさまざまなアウトカムについても検討することによって、COVID-19パンデミック後における、かかりつけ医機能やプライマリ・ケアの価値に関するエビデンスを今後もさらに構築していく」と展望を語っている。

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ワクチン未接種のコロナ感染、急性期の死亡リスク80倍超

 中国・香港大学のEric Yuk Fai Wan氏らの研究グループは、英国のデータベースを用いて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の心血管疾患(CVD)発症リスクや全死亡リスクに及ぼす短期的および長期的な影響を検討した。その結果、ワクチン未接種のCOVID-19感染は急性期(感染から21日後まで)のCVD発症リスク、全死亡リスクを大きく上昇させ、これらのリスクは最長18ヵ月間の追跡においても上昇していた。Cardiovascular Research誌2023年1月19日号に掲載の報告。 英国において2020年3月~11月にCOVID-19に感染した患者7,584例(感染群)を感染から最長18ヵ月後まで前向きに追跡した。年齢と性別をマッチングさせた同時期の非感染対照7万5,790人(同時期対照群)、2018年3月~11月の非感染対照7万5,774人(過去対照群)とCVD発症リスク、全死亡リスクなどを急性期と急性期後(感染から22日後以降)に分けて比較した。解析にあたり、傾向スコア分析の拡張版であるMarginal Mean Weighting through Stratification(MMWS)法を用いて、年齢、性別、喫煙習慣、糖尿病の既往、高血圧症の既往、民族などを調整した。なお、英国では2020年3月~11月において使用可能な新型コロナウイルスワクチンは存在しなかったため、本試験の対象者はワクチン未接種であった。 主な結果は以下のとおり。・急性期の主要なCVD(心不全、脳卒中、冠動脈心疾患)発症リスクは、感染群が同時期対照群の4.3倍(ハザード比[HR]:4.3、95%信頼区間[CI]:2.6~6.9)、過去対照群の5.0倍(HR:5.0、95%CI:3.0~8.1)であった。・急性期において、脳卒中、心房細動、深部静脈血栓症(DVT)のリスクも感染群が同時期対照群(それぞれ9.7倍、7.5倍、22.1倍)および過去対照群(それぞれ5.0倍、5.9倍、10.5倍)と比べて高かった。・急性期の全死亡リスクは、感染群が同時期対照群の81.1倍(HR:81.1、95%CI:58.5~112.4)、過去対照群の67.5倍(HR:67.5、95%CI:49.9~91.1)であった。・急性期後の主要なCVD発症リスクは、感染群が同時期対照群の1.4倍(HR:1.4、95%CI:1.2~1.8)、過去対照群の1.3倍(HR:1.3、95%CI:1.1~1.6)であった。・急性期後の全死亡リスクは、感染群が同時期対照群の5.0倍(HR:5.0、95%CI:4.3~5.8)、過去対照群の4.5倍(HR:4.5、95%CI:3.9~5.2)であった。・感染群において、急性期には有意な上昇がみられなかった心膜炎発症リスクが急性期後では上昇していた。急性期後の心膜炎発症リスクは、感染群が同時期対照群の4.6倍(HR:4.6、95%CI:2.7~7.7)、過去対照群の4.5倍(HR:4.5、95%CI:2.7~7.7)であった)。 本論文の著者らは、今回の結果についてワクチン接種を受けたコホートにおける結果との比較が必要としながらも、「COVID-19患者はCVD発症リスクや全死亡リスクが上昇し、これらのリスクは回復から1年後まで上昇したままであったことから、COVID-19感染後および回復後におけるCVDの徴候や症状の継続的なモニタリングが有益であろう」とまとめている。

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2価ワクチンの情報など追加、コロナワクチンに関する提言(第6版)公開/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医科学研究所附属病院長])は、1月25日に同学会のホームページで「COVID-19ワクチンに関する提言」の第6版を公開した。 今回の第6版では、主にオミクロン株対応ワクチンに関する追加情報、新しく適応追加となったウイルスベクターワクチン、組み換えタンパク質ワクチンに関する有効性と安全性の内容が改訂され、本年5月に予定されている5類への引き下げを前に、「接種を希望する人が接種の機会を失わないよう合わせて周知する必要がある」と一層の接種への取り組みを求めている。主な改訂点・「2.mRNAワクチン」の「2)有効性について」g)2価(起源株/オミクロン株BA.4-5)ワクチンの有効性h)5~11歳への接種の有効性i)6ヵ月~4歳への接種の有効性・「2.mRNAワクチン」の「3)安全性」a)初回免疫(2回接種)の安全性c)4回目接種の安全性e)2価(起源株/オミクロン株BA.5)ワクチンの安全性f)5~11歳への接種の安全性g)6ヵ月~4歳への接種の安全性・「3.ウイルスベクターワクチン」の「3)ヤンセンファーマのジェコビデン筋注」a)有効性b)安全性・「4.組換えタンパク質ワクチン」の「ノババックスのヌバキソビッド筋注」a)有効性b)安全性・「5.特定の状況での接種」1)妊婦への接種2)基礎疾患を有する者や免疫不全者への接種・「6.COVID-19ワクチンの開発状況と今後」主に改訂された表表10 6ヵ月~4歳における3回目接種1ヵ月後の起源株に対する中和抗体価と抗体応答率表11 6ヵ月~4歳における3 回目接種前後のオミクロン株BA.1に対する中和抗体価表12 オミクロン株流行期の6ヵ月~4歳の臨床試験における3回目接種1週後の発症予防効果表19 わが国におけるmRNAワクチン4回目接種の18歳以上のコホート調査における有害事象表41 COVID-19ワクチンの開発状況と最近の動き

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皮膚科の次世代型医療:Z世代の医学部生を中心に開発

 東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野では、志藤 光介氏の研究グループの協力のもと、医学部5年生の柳澤 祐太氏が主体となり、スマートフォンなどで簡便に撮影された画像から病変部位を認識し、その病変部位を検出し着目させる病変部抽出システムを、深層学習を用いて開発することに成功した。デジタル環境で育ったZ世代の医学部生の目線で作成された皮膚科関連AI研究である。東北大学 2023年1月26日付プレスリリースの報告。 近年、皮疹の画像を撮影しAIで解析をするシステムは世界中で開発されており、病院内でも実用化されている。患者が利用するAIでは、専用の画像撮影機器などを用いずに、スマートフォンなどを使って簡便に撮影した画像から画像解析を行えることが望ましいものの、スマートフォン撮影では一定の条件下で撮影されないため、被写体との距離が一定せず、同じ皮膚病変であっても撮影距離によって皮疹の様子が異なるという問題があった。このような撮影バイアスは疾患判別精度に大きく影響することがあり、深層学習を用いた画像解析を行ううえで技術的な課題であった。 とくにアトピー性皮膚炎は慢性疾患であり、治療が長期化することでさまざまな合併症を併発する。その中でも早期の対応が必要な細菌感染症やウイルス感染症、早期発見が予後に影響する悪性腫瘍の発見が遅れると重症化し、生命予後に関わることもある。そのため、アトピー性皮膚炎患者自身が病変の変化に気が付くのを助け、医療機関への受診を促すために気軽に使用できる疾患判定AIツールの普及が望まれていた。 そこで、柳澤氏は、志藤氏らのグループの協力のもと、デジタル機器で撮影された病変の部位を認識し、自動的に病変部位を着目して画像をトリミングする病変部抽出システムを開発した。病変部抽出システムを利用して病変部位を着目させる解析と、疾患判定画像診断解析の2段階の画像解析を行うことで、さまざまな拡大率で撮影された画像でも安定した深層学習による画像解析が可能となる。 さらに、この病変部抽出システムを利用して、アトピー性皮膚炎に合併しやすい疾患(感染症並びに悪性腫瘍)を対象に、深層学習モデルを利用したアトピー性皮膚炎合併疾患判定AIソフトウェア(AD-AI)を開発した。アトピー性皮膚炎に合併しやすい、単純ヘルペスウイルス感染症、カポジ水痘様発疹症、伝染性膿痂疹(とびひ)、菌状息肉症を対象に解析モデルの検証を行った。アトピー性皮膚炎への感染症や悪性転化を画像から判定する課題において、研究グループが開発したシステムで自動的にトリミングした画像と皮膚科専門医がトリミングした画像を用いて深層学習モデルを作成し精度を比較したところ、同程度に疾患が判定できることがわかった。 今回開発したアトピー性皮膚炎合併疾患判定AIソフトウェア(AD-AI)によって、患者が気になったときにスマートフォンで皮疹を撮影し、AIで感染症の合併が起きていないか判定ができると、これまで以上の早期発見と早期治療介入が可能となることが期待される。今後は、このAD-AIをアプリに実装し、広く一般の患者に利用してもらえるように、さらなる精度の向上ならびに使用上の規制への対応を目指し開発を進める方針とのこと。 本研究は、Journal of Dermatological Science誌オンライン版2023年1月11日号に掲載された。

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第132回 新型コロナウイルス5類へ移行は5月8日に/政府

<先週の動き>1.新型コロナウイルス5類へ移行は5月8日に/政府2.救急隊員の負担軽減のため、労務管理の適正化を通知/消防庁3.電子処方箋が全国で運用開始、医療機関の対応は?4.国内初の経口中絶薬、専門部会で承認を了承、妊娠9週までが対象/厚労省5.全国の医療機関で電子カルテ情報の共有システムの整備に向けて議論/厚労省6.無断外出の患者の自殺、遺族の逆転敗訴確定/最高裁1.新型コロナウイルス5類へ移行は5月8日に/政府政府は1月27日に、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、5月の連休明けの8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類を現行の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」とすることを決定した。なお、イベントの収容上限は1月27日から撤廃することにした。政府は、「5類」への移行時期について、医療現場や自治体の準備、国民への周知に一定の時間が必要のため、大型連休後が適切と判断した。また、ワクチン接種の無料接種については今年3月末までの期限だったが、政府は4月以降も無料接種を継続する方針だ。今後、3月までに病床確保補助金や発熱外来の診療報酬の上乗せなどの公費負担の見直しについて検討を行う。(参考)新型コロナウイルス感染症対策本部(内閣府)第70回厚生科学審議会感染症部会(厚労省)コロナ5類、5月8日移行を決定 イベント上限撤廃は先行(日経新聞)コロナ「5類」の医療費や医療体制 3月上旬めどに具体的方針(NHK)診療報酬の特例段階的見直しへ、5類移行で病床確保料も、3月上旬めどに方針(CB news)2.救急隊員の負担軽減のため、労務管理の適正化を通知/消防庁総務省消防庁は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による救急出動件数が過去最多を更新し、救急搬送困難事案の発生が高い水準であることなどによって、救急現場の労務負担が増大しているとして、救急隊員の適正な労務管理のさらなる徹底を求める通知を1月25日付で各都道府県に対して発出した。この通知は、昨年12月に東京都内で、救急隊員の居眠り運転で救急車の横転事故が発生したことを反映したものとみられる。また、消防庁はこれに先立つ1月23日に令和4年度の『消防白書』を公表しており、この中で、救急現場におけるマイナンバーカードの活用によって、救急隊員が傷病者の医療情報把握のスピードアップ化や搬送時の活用への検討も取り上げており、業務の負担改善などに取り組みたいとしている。(参考)「救急隊員の負担軽減を」総務省消防庁が全国の消防に要請 救急車の居眠り事故受け(産経新聞)救急隊員の適正な労務管理の徹底について(通知)(消防庁)『令和4年版消防白書』(同)マイナンバーカード活用で搬送先選定しやすくなる 2022年版消防白書、傷病者の負担軽減も(CB news)3.電子処方箋が全国で運用開始、医療機関の対応は?医療機関で発行される処方箋を電子化して、薬局へオンラインで届ける「電子処方箋」システムが1月26日から本格的に運用が開始された。政府は補助金を用いてマイナンバーのリーダーの設置を進めたが、対応する医療機関は6病院と10診療所と伸び悩んでいる。今後、政府はマイナンバーの普及を通して医療機関と薬局での対応を進め、患者の処方歴を一元管理することで薬の重複や併用禁忌薬の処方を未然に防ぎ、適切な服薬に繋げたいとしている。なお、電子処方箋の発行には医師資格証(HPKIカード)が必要であり、医師会を通して発行申請を受け付けている。厚生労働省は、1月26日の電子処方箋の運用開始について、処方・調剤データを電子処方箋管理サービスで送受していれば、紙の処方箋を発行しても電子処方箋の運用を開始したと認める通知を行い、普及を進めたいとしている。(参考)「電子処方箋」きょうから運用開始 “適切な服薬”に期待(NHK)電子処方箋、1月15日時点での対応は「全国で6病院・10クリニック・162薬局」にとどまる(Gem Med)【電子処方箋】「まずは紙の処方箋発行/受付」の運用周知(ドラビズ On-line)医師資格証(HPKIカード)新規お申込み(日本医師会)4.国内初の経口中絶薬、専門部会で承認を了承、妊娠9週までが対象/厚労省厚生労働省は薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第1部会)を1月27日に開催し、経口投与の人工妊娠中絶薬・メフィーゴパック(一般名:ミフェプリストン/ミソプロストール)の承認について審議した。その結果、承認はされたものの「社会的関心が高く、慎重な審議が必要」として、パブリックコメントを実施した上で、薬事分科会で承認の可否を再審議することになった。承認されれば国内初の経口中絶薬となり、従来の中絶手術より、女性への負担が少なくなる。海外では70以上の国と地域で承認されており、世界保健機関(WHO)は安全な中絶方法として推奨している。なお、処方にあたっては母体保護法指定医のもと、妊娠9週以内に使用する。公的保険の対象外となる見通し。(参考)国内初「飲む中絶薬」の承認「差し支えない」…厚労省専門部会(読売新聞)国内初の経口中絶薬、専門部会が承認了承 妊娠9週までが対象(毎日新聞)5.全国の医療機関で電子カルテ情報の共有システムの整備に向けて議論/厚労省厚生労働省は、「健康・医療・介護情報利活用検討会」の医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループを1月27日に開催した。患者自身や全国の医療機関で、電子カルテ情報を閲覧可能にするシステム(電子カルテ情報交換サービス)の検討を行っているが、電子カルテ情報には個人情報が多く含まれるため、共有などにあたっては「患者の同意取得」が大前提となる。このほか本人同意の仕組み、電子的に文書情報を発行したときの患者への伝達方法、医療機関などにおける電子カルテ情報の閲覧についても検討を行っている。今後、患者自身で閲覧・利用される情報について管理できることを担保した上で、海外での同意取得の仕組みや電子処方箋の仕組みなどを踏まえ、国民の仕組みへの理解を得つつ、なるべく現場の負担を軽減する方向で整理を進めることになった。(参考)第6回健康・医療・介護情報利活用検討会 医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループ(厚労省)全国の医療機関や患者自身で「電子カルテ情報を共有」する仕組み、患者同意をどの場面でどう取得すべきか―医療情報ネットワーク基盤WG(1)(Gem Med)厚生労働省、全国的な電子カルテ情報共有基盤について試案提示 年度末までに仕様まとめる方針(Med IT Tech )6.無断外出の精神科患者の自殺、患者遺族が逆転敗訴/最高裁香川県の県立病院に入院していた男性が病院を無断で外出し、自殺したことをめぐって、自殺の原因は病院の管理が不十分であったとして、遺族が香川県に対して損害賠償を求めていた裁判について、1月27日に最高裁は、県に賠償を命じた2審の判決を取り消し、遺族の訴えを退けた。判決によると2010年7月、丸亀市の香川県立丸亀病院に統合失調症で入院していた男性(当時38歳)が、病院を無断で外出して、近くのマンションから飛び降り自殺していた。2審の高松高裁では、病院側の事前説明がされていなかったほか、無断外出の防止にセンサーの装着がなかったことから香川県に対して5,700万円の損害賠償を求めていたが、27日の最高裁の判決では、センサー装着などは必要ではなく、医師の判断で外出許可を判断して自殺防止を図っていたと指摘した。(参考)入院中無断外出し自殺 遺族が県訴えた裁判 最高裁 訴え退ける(NHK)無断外出で自死…「病院の説明違反」否定 最高裁で遺族が逆転敗訴(朝日新聞)

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健康の大疑問

健康常識をアップデートせよNY在住・新進気鋭の専門医が、最新の知見を駆使し、健康情報の真偽を問う。白髪の原因はストレス?腸内細菌が認知機能を高める?痛風にプリン体制限は有効?高血圧の薬は一生飲み続けてOK?ウォーキングは1日何歩までがベスト?次世代エイジングケアNMNサプリの正体とは?若者の大腸がんが急増している本当の理由とは?乳酸菌は風邪予防になる?断食で長生きが可能となる?グルコサミンは変形性膝関節症の痛みを改善する?ビタミンDで骨は強くなる?音楽が健康に及ぼす影響とは? ……etc.画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    健康の大疑問定価1,100円(税込)判型新書判頁数188頁発行2023年1月著者山田 悠史

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