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COVID-19へのレムデシビル、国際共同治験の中間報告:国立国際医療研究センター

 国立国際医療研究センター(NCGM)は5月29日(金)、メディア勉強会を行い、これまでのCOVID-19に関する取り組みや現在行う治療、研究開発について発表した。このうち、NCGMセンター病院 国際感染症センター長の大曲 貴夫氏がレムデシビル(商品名:ベクルリー)のアダプティブCOVID-19治療治験(ACTT、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験)について中間解析結果を発表した。 対象患者の主な選択基準は以下のとおり。・PCRまたはその他の検査法でSARS-CoV-2 感染が確定された入院患者・成人男性または妊娠していない成人女性・以下のいずれかが認められる患者(胸部X線撮影/CTスキャンなどによるX線撮影浸潤/臨床評価(検査時のラ音・断続性ラ音の所見)および室内空気でSpO2が94%以下/酸素補給が必要/機械換気が必要) 1,063例が登録され、無作為化後のデータが入手可能な1,059例が解析対象となった。対象患者は、レムデシビル群(538例)とプラセボ群(521例)に無作為に割り付けられた。アジア人は12.6%(134例)と少なく、白人が53.2%(565例)と最多だった。主要評価項目は、「酸素補給・治療の継続とも不要」な状態以上に回復するまでの時間だった。 主な結果は以下のとおり。・回復時間中央値はレムデシビル群11日(95%信頼区間[CI]:9~12)、プラセボ群15日(95%CI:13~19)と有意な差が見られた。・一方で、14日までの死亡率はレムデシビル群7.1%、プラセボ群で11.9%と有意差は見られなかった(死亡のハザード比0.70、95%CI:0.47~1.04)。・有害事象の発現率は、レムデシビル群114例(21.1%)、プラセボ群141例(27.0%)であった。・Lancetに掲載された中国における試験結果1)と同様の傾向が認められた。 ACTTは、レムデシビルによる回復時間短縮が確認されたことから盲検化を早期解除した。現在、データのチェックを行っており、最終報告、論文化の目処は未定としている。 さらに、JAK1/JAK2阻害薬バリシチニブをレムデシビルに併用する効果を見るACTT-2(多施設共同無作為化二重盲検比較試験)の登録を開始したことを発表。これは抗ウイルス薬のCOVID-19治療効果の可能性を認めつつも依然死亡率が高いことを受け、サイトカインおよびケモカイン作用の炎症性免疫応答を標的としたバリシチニブの併用によって、抗ウイルス薬だけでは得られない相乗効果を期待したものだ。必要患者数は1,032例、現在国内では患者数が減少傾向にあることから、試験終了までにはある程度時間がかかる見込みだという。(ケアネット 杉崎 真名)※本文中に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2020年6月4日11時)。

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COVID-19、レムデシビル投与で入院患者の回復期間短縮/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院し下気道感染が認められた患者の回復までの期間中央値について、プラセボ投与群15日に対してレムデシビル静脈内投与群は11日と、有意に短縮したことが速報として発表された。また、推定14日死亡率も、プラセボ群11.9%に対し、レムデシビル群7.1%だった。米国国立衛生研究所(NIH)のJohn H. Beigel氏らが、COVID-19で入院した1,000例超を対象に行った、プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験の中間結果で、レムデシビルの有効性が示唆されたこの中間結果を受けて、同試験は早期に盲検が中止された。NEJM誌オンライン版2020年5月22日号掲載の報告。 レムデシビルを最長10日間投与 研究グループは、COVID-19で入院し下気道感染が認められた成人患者を対象に試験を行い、レムデシビル静脈内投与の有効性を検証した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはレムデシビル(1日目200mg、その後100mg/日を最長9日間)、もう一方にはプラセボを最長10日間投与した。 主要アウトカムは回復までの期間で、具体的には退院または感染予防目的のみによる入院継続までの期間とした。レムデシビルの回復に関する率比1.32 1,063例が無作為化を受けた。データ安全性モニタリング委員会は、回復までの期間がレムデシビル群で短縮したとする中間解析結果を受けて、早期の非盲検化を勧告した。 無作為化後にデータが得られた1,059例(レムデシビル群538例、プラセボ群521例)を対象にした中間解析の結果、回復までの期間中央値は、プラセボ群15日(95%信頼区間[CI]:13~19)に対し、レムデシビル群は11日(同:9~12)と有意に短かった(回復に関する率比:1.32、95%CI:1.12~1.55、p<0.001)。 Kaplan-Meier法で求めた推定14日死亡率は、プラセボ群11.9%に対し、レムデシビル群7.1%だった(死亡に関するハザード比:0.70、95%CI:0.47~1.04)。 重篤な有害事象の報告は、レムデシビル群114/541例(21.1%)、プラセボ群141/522例(27.0%)だった。

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第9回 「つぶれる前に助けてくれ!」 医療機関の叫びをどうとらえるか(後編)

一般の病院、診療所、保険薬局についても補助が決定こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。緊急事態宣言が解除されて初めての週末、久しぶりに東京近郊の代表的な低山、奥多摩に山歩きに行ってきました。青梅線の川井駅で降りて、赤杭尾根から川苔山、本仁田山を経て奥多摩駅というやや長いコース。途中、少人数のパーティとは何度もすれ違ったのですが、高齢者(60~70代)の大人数パーティにはまったく出会いませんでした。最近の山ではよく見かける高齢者パーティは大勢で電車に乗って目的地に向かいます。さらに、登りながら、休憩しながらのおしゃべりが絶えません。そんなことから、彼ら彼女たちの山登りはまだ自粛中なのかもしれません。さて、コロナ禍と医療機関経営について書いた前回の続きです。5月27日、新型コロナウイルス感染症に伴う追加経済対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算案が閣議決定されました。一般会計の歳出総額は31兆9,114億円に上ります。前回でも触れた医療関係団体の窮状訴えに対しては、数多くの施策が講じられることになりました。新型コロナと闘う医療機関への支援として3兆5,000万円を確保。そのうち、新型コロナ感染症緊急包括支援交付金として医療分1兆6,279億円(全額国費)が計上されています。主な具体的施策としては、コロナ患者を受入れる重点医療機関(コロナ専門病院、専門病棟等)に対し、患者を受入れていない病床について「空床確保料」が支払われます。これまでは、入院病床には診療報酬収入(従来の3倍)が入っていましたが、空き病床の収入は当然ながらゼロでした。重点医療機関に向けには、超音波診断装置や血液浄化装置、生体情報モニターなど、高度医療向け設備の整備にも支援交付金が出されます。重点医療機関以外の一般の病院、診療所、保険薬局、訪問看護ステーション、助産所についても補助が決まりました。それぞれの役割や機能に応じた医療を地域に提供するため、感染拡大防止対策などに要する費用に対する補助、という名目です。院内の消毒や待合室の分離、動線の確保やレイアウトの変更、電話等情報通信機器を用いた診療体制の確保などの費用が想定されています。補助額は、病院の場合、200万円に1病床あたり5万円を乗じた実費を上限に補助。同様に有床診療所は200万円、無床診療所は100万円、薬局、訪問看護ステーション、助産所は70万円をそれぞれ上限に必要な費用が設定されるとのことです。新型コロナウイルス感染症の診療等にあたった医療従事者には慰労金も支払われますから、一般の店舗や事業所に対する支援と比べても厚遇と言えます。さすがに、診療報酬の基本診療料まで手は付けられませんでしたが、日本医師会の横倉 義武会長は第2次補正予算に対し「日医が主張してきたことがほぼ反映された」と評価しつつ、「4月、5月のレセプト状況を見た上で、必要に応じて診療報酬上のさらなる対応を求めたい」と記者会見で述べ、将来的には単価の引き上げを検討すべきとの見解も示しています。基本診療料アップは“新しい生活様式”を無視した考え方さて、「コロナ禍で医業収入が減った分は補填してもらわないと」という考え方は果たして100%妥当なのでしょうか。例えば、これまで軽い風邪や、胃腸障害、花粉症などで近所の医療機関にかかっていた人が、医療機関は感染の危険があるのでOTCを飲んだり、あるいは自宅静養したりして自分で治した(あるいは自然に治った)場合、単純に「コロナで患者が減った」と言ってしまっていいのでしょうか。また、近隣の診療所が閉まってしまい、渋々、医療機関にかからずにいたら治ってしまったという人も少なくないと思われます。今回のコロナ禍が、図らずも、あるカテゴリーの病気は医療機関にかからなくても治せるもの(治るもの)という意識を一定数の国民に植え付けたとしたら、その分、今後も医療機関の受診は減るはずです。また、マスクと手洗いの定着は、インフルエンザや風邪などの感染症の患者も減らすことでしょう。2022年診療報酬改定に向けての議論も始まっているようですが、働き方が在宅勤務にシフトしていくように、ポスト・コロナ時代の患者の受療行動が、セルフメディケーションやオンライン診療といった新しいタイプの医療に多少なりともシフトするとしたら、それを勘案した診療報酬のあり方を考えるべきでしょう。単純に「患者が減ったから基本診療料を上げろ」というのは、“新しい生活様式”を無視した古い考え方のように思えますが、皆さんはどう見るでしょう。先週半ば、日本医師会の横倉会長は6月の任期満了に伴う役員選挙に立候補せずに退任し、現副会長の中川 俊男氏に禅譲する、との報道がありました。しかし、蓋を開けてみると6月1日に横倉会長は5期目に向け立候補を表明し、同じく立候補を表明した中川氏と選挙戦を戦うことになりました。この数日間に日本医師会、官邸、厚労省、医療関係団体の中でどんな駆け引きが行われたかわかりませんが、中川氏(中医協委員の頃は医師第一の視点からいつも厳しい発言をしておられました)ではなく、横倉会長の続投を願う何らかの大きな力が働いたのでしょう。このコロナ禍の真っ只中、医師の職能団体が敢えて会長選に突入するのは「ご苦労様」としか言いようがありませんが、“新しい生活様式”“新しい受療行動”を十分に理解できるリーダーに、これからの日本の医療を引っ張っていってもらいたいものです。

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新型コロナ患者の退院基準、2回の陰性確認が不要に/厚労省

 5月29日、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下、感染症法)における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)」において、退院に関する基準の改正通知が発出された。原則、発症日から14日、症状軽快後72時間経過で退院基準を満たす 改正後の通知で、感染症法第22条の「症状が消失したこと」とは、原則として次の(1)に該当する場合とされる。ただし、次(2)に該当する場合も差し支えない。(1)発症日から14日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合(2)発症日から10日経過以前に症状軽快した場合に、症状軽快後24時間経過した後に核酸増幅法(PCR)検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合 また、無症状病原体保有者については、発症日から14日間経過した場合に、退院の基準を満たすものとされる。 「発症日」とは、患者が症状を呈し始めた日とし、無症状病原体保有者または発症日が明らかでない場合については、陽性確定に係る検体採取日とする。「症状軽快」とは、解熱剤を使用せずに解熱し、かつ、呼吸器症状が改善傾向にあること。 上記(2)のPCR検査で陽性が確認された場合でも、(1)に該当した場合は(1)と同様の扱いになる。それ以外の例では、24時間後にPCR検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認されるまで、PCR検査を繰り返すものとする。 なお、患者が再度症状を呈した場合や無症状病原体保有者が新たに症状を呈した場合は、症状軽快後に上記に該当するまで退院の基準を満たさないものとされる。退院基準改正で、症状軽快者による病床数の圧迫は解消となるか これまで、新型コロナウイルス感染症の入院患者は、PCR検査で2回陰性にならないと退院できないため、陰性が出るまで何回も検査を繰り返し、その結果ベッドが空かず、新規入院を受け入れられないような状況が問題視されることもあった。今回の改正は、そういった状況の解消を見込んだものと考えられる。 なお、通知以前に新型コロナウイルス感染症または無症状病原体保有者として入院している患者で、本通知による改正前の退院の取り扱いに基づき検体採取などを行っている場合については、従前のとおり取り扱って差し支えないものとされる。

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038)休日診療の帯状疱疹にはご注意を【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第38回 休日診療の帯状疱疹にはご注意をしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆先日、ゴールデンウイーク明けのこと。帯状疱疹の患者さんが、私の皮膚科外来に来ました。連休中どこも休診だったため、休日診療を受診し、そこで処方箋をもらったとのこと。お薬手帳を確認すると、ファムシクロビル1回250mgを1日3回(単純疱疹の用量)で処方されていました。しかし、帯状疱疹の治療では、ファムシクロビル1回500mgを1日3回内服する必要があります。その旨を説明したところ、薬局でもそのように指導され、帯状疱疹の用量で正しく内服していたことが判明。後日、薬局から疑義照会がいき、修正されたといったところでしょうか。「よしよし、薬局グッジョブ!」と思ったのもつかの間、患者さんからは「痛み止めも倍の量を飲んでいました」との追加申告が…。痛みがひどかったため、自己判断で倍量服用していたようです。抗ウイルス薬が倍なのだから、痛み止めもいいだろう、という考えだったのでしょうか。「たくさん飲めば効くと思って…」と話す患者さん。「薬は量が増えると副作用のリスクも増えるので、指示された量で服用しましょうね」とお話ししました。普段、処方した側は“患者さんが処方のとおりに内服してくれている”と思い込みがちですが、患者さんによっては、自己判断などで正しく服用できていない例もあります。処方後のフォローの重要性をあらためて実感した出来事でした。何はともあれ、このたびは何事もなくてよかったです。それでは、また~!

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第10回 COVID-19へのヒドロキシクロロキン、決着を付ける無作為化試験は計画通り続行

抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者死亡率上昇の関連を示した5月22日のLancet誌掲載の観察試験1)は発表後すぐに疑問視され始め2)、この週末の日曜日5月28日にはとうとう世界の専門家120人以上3)がその方法やデータを懸念する公開書簡の通知に踏み切りました。幸い、英国で進行中の無作為化試験(RECOVERY)はこれまでのデータを検討したところMehra氏等によるLancet報告の結果とは異なっており、安全性懸念による患者組み入れ停止の必要はないとして計画通り続行されています4)。対照的に、世界保健機関(WHO)はRECOVERYと同様の無作為化試験(Solidarity)のヒドロキシクロロキン投与群被験者組み入れをいったん停止しました5)。Mehra氏等によるLancet掲載の試験は臨床研究の絶対的な拠り所である無作為化試験(RCT)ではなく観察試験であるとはいえ、患者数が約9万6,000人と多数であることなどを、WHOは重く見たのです。WHOは検討の後にヒドロキシクロロキン群の今後の扱いを来週頃までに決める予定です。一方、英国のRECOVERY試験運営者の対応は息を呑むほど素早く、22日のLancet報告から24時間と経たない翌日23日に急遽データが検討され、明くる日の24日には患者組み入れ続行が試験担当医師に通知されています6)。RECOVERY試験のヒドロキシクロロキンと死亡率の関連はMehra氏等のLancet報告に似つかず、ヒドロキシクロロキン群の被験者組み入れ停止を要するような安全性懸念はないと判断されました。英国医薬品庁(MHRA)もその判断に同意しています。多数の専門家が声を上げたことが示すようにMehra氏等のLancet報告に対する疑問点は多く、たとえばどういうわけか世界のどこでも肥満率や喫煙率がほぼ同じです7)。また、人工知能(AI)技術・機械学習や統計の標準的な手法を守っておらず、倫理レビューがなされていません。データを提供した国や病院の説明が不足しています。データ提供への謝辞もありません3)。残念ながらそれら数々の疑問を調べる手立てはありません。Natureのニュース7)によると試験の原資料は占有物となっており、データやプログラムが公表されていないため、他の研究者が手に入れて検証することが今のところ不可能です。データを提供した国や病院を開示することを著者は拒否しています。ただし、それらデータを所有している米国ミシガン州のSurgisphere社は29日のニュース8)で情報提供に向けて準備を進めていると言っており、その説明が本当なら喜ばしいことに他の研究者による検証はやがて可能になるでしょう。それにしてもMehra氏の報告はWHOも言及しているように被験者数が多く、一流誌とみなされているLancetに掲載されたことも手伝ってか影響が大きく、低用量ヒドロキシクロロキンによるCOVID-19予防を検討しているオックスフォード大学主催の国際試験COPCOVも被験者組み入れ停止に追い込まれています9)。これまでの観察試験ですでに旗色が軒並み悪いヒドロキシクロロキンが、Mehra氏等のLancet報告でいよいよ無作為化試験停止を強いられるほど窮地に立たされているのです。しかしそのように無作為化試験を停止に追いやっているMehra氏等のLancet報告で、皮肉にも無作為化試験なしでは何も決まらないと結論されているように、ヒドロキシクロロキンや別のマラリア薬クロロキンによるCOVID-19治療の益害の決着を付けるには同氏等のLancet報告のような観察試験ではなく、無作為化試験が必要です。試験続行を早々に決めたRECOVERY試験の運営者もそれはよく分かっています。RECOVERYはヒドロキシクロロキンやその他のCOVID-19薬候補の世界最大の無作為化試験であり、その被験者組み入れを継続することこそ確かな結論を導く最善手だと、同試験を率いるオックスフォード大学教授の2人・Peter Horby氏とMartin Landray氏は言っています4)。参考1)Mehra MR, et al. Lancet. May 22, 2020. [Epub ahead of print]2)Disputed Hydroxychloroquine Study Brings Scrutiny to Surgisphere3)Concerns regarding the statistical analysis and data integrity4)Recruitment to the RECOVERY trial continues as planned5)WHO Halts Hydroxychloroquine Trial Over Safety Concerns6)Recruitment to the RECOVERY trial (including the Hydroxychloroquine arm) REMAINS OPEN7)Safety fears over hyped drug hydroxychloroquine spark global confusion8)Response to Widespread Reaction to Recent Lancet Article on Hydroxychloroquine9)COPCOV study paused

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ヒドロキシクロロキンで新型コロナ陰性化せず、有害事象は3割/BMJ

 主に軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者の治療において、標準治療にヒドロキシクロロキン(HCQ)を併用しても、標準治療単独に比べ重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の陰性化の割合に差はなく、ウイルス除去効果は改善されないことが、中国・上海交通大学医学院のWei Tang氏らの検討で示された。また、HCQ併用で有害事象の発生率も増加した。研究の成果は、BMJ誌2020年5月14日号に掲載された。HCQは、COVID-19の治療薬としてin vitro研究や臨床試験で有望なデータが得られているが、その効果は十分に明確化されていないにもかかわらず、中国のガイドラインでは適応外使用が推奨されているという。また、HCQは、世界的に注目を集めたこともあり、その負の側面が目立たなくなっているが、マラリアやリウマチ性疾患の治療では、網膜症や消化器・心臓への副作用が報告されている。 本研究は、中国の16ヵ所の指定COVID-19治療センターが参加した非盲検無作為化対照比較試験であり、2020年2月11日~29日の期間に実施された(中国Emergent Projects of National Science and Technologyなどの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、上気道または下気道の検体を用いたリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)で確定されたCOVID-19入院患者であった。登録時の胸部CTによる肺炎所見は必須ではなかった。 被験者は、HCQ+標準治療または標準治療単独を受ける群に、無作為に割り付けられた。HCQは、負荷投与量1,200mg/日を3日間投与後、維持投与量800mg/日を連日投与した。治療期間は、軽症~中等症患者は2週間で、重症患者は3週間とされた。 主要アウトカムは、28日以内のSARS-CoV-2の陰性化とし、intention to treat解析を行った。陰性化の定義は、24時間以上間隔を置いた2回の検査でSARS-CoV-2が連続して陰性で、試験終了までに陽性の報告がない場合とした。150例を登録、99%が軽症~中等症 150例が登録され、HCQ併用群に75例、標準治療単独群にも75例が割り付けられた。全体の平均年齢は46.1(SD 14.7)歳で、82例(55%)が男性であった。148例(99%)は軽症~中等症で、重症例が2例含まれた。 症状発現から無作為割り付けまでの平均期間は16.6(SD 10.5、範囲:3~41)日であった。無作為割り付け前に90例(60%)が併用薬物療法を受けており、52例(35%)には抗ウイルス薬が投与され、32例(21%)は抗HIV薬ロピナビル・リトナビルの投与を受けていた。割り付け後の抗ウイルス薬や抗菌薬の投与状況は、両群でほぼ同様であった。 2020年3月14日(データカットオフ日)の時点で、追跡期間中央値は、HCQ併用群が20日(IQR:3~31)、標準治療単独群は21日(2~33)であった。HCQ併用群のうち6例がHCQの投与を受けなかった。HCQ併用群の中等症の1例が、重症COVID-19に進行した。死亡例はなかった。28日陰性化割合:85.4% vs.81.3% 28日以内に、109例(73%、HCQ併用群53例、標準治療単独群56例)でSARS-CoV-2が陰性化した。残りの41例(27%、22例、19例)は、ウイルスの陰性化が達成されなったため打ち切りとした。カットオフ日の時点で、最長SARS-CoV-2陽性期間は23日だった。 28日陰性化割合は、HCQ併用群が85.4%(95%信頼区間[CI]:73.8~93.8)、標準治療単独群は81.3%(71.2~89.6)とほぼ同様であり、群間差は4.1%(95%CI:-10.3~18.5)であった。陰性化までの期間中央値も、HCQ併用群が8日(5~10)、標準治療単独群は7日(5~8)と、ほぼ同様だった(ハザード比[HR]:0.85、95%CI:0.58~1.23、p=0.34[log rank検定])。 4、7、10、14、21日時の陰性化割合にも両群間に差はなかった。また、28日時の症状軽減例の割合(HCQ併用群59.9% vs.標準治療単独群66.6%、群間差:-6.6%、95%CI:-41.3~28.0)および臨床症状軽減までの期間中央値(19日vs.21日、HR:1.01、95%CI:0.59~1.74、p=0.97[log rank検定])も、両群間に差を認めなかった。有害事象は30%、重篤2例、下痢10% 安全性の評価は、HCQ投与群(70例)と非投与群(80例)で行った(HCQ併用群のうちHCQの投与を受けなかった6例を非投与群、標準治療単独群のうちHCQの投与を受けた1例を投与群に含めた)。HCQ投与群のHCQ投与期間中央値は14日(範囲:1~22)だった。 有害事象は、HCQ投与群が21例(30%)、非投与群は7例(9%)で認められた。HCQ投与群は重篤な有害事象が2例(病勢進行、上気道感染症)で発現したが、非投与群では発現しなかった。 非重篤有害事象のうち、HCQ投与群で最も頻度が高かったのは下痢(7例、10%)であり、非投与群では下痢の報告はなかった。HCQ投与群で、霧視のため1例が投与を中止し、口渇を訴えた1例では減量が行われたが、いずれも一過性の有害事象であり、症状は1~2日で消散した。 著者は、「今回の研究は、COVID-19の治療におけるヒドロキシクロロキンのベネフィット・リスク評価に関する初期のエビデンスをもたらし、今後の研究を支援するリソースとして役立つ可能性がある」としている。

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第9回 5月分診療報酬などの一部概算前払い、6月5日が申請期限

<先週の動き>1.5月分診療報酬などの一部概算前払い、6月5日が申請期限2.日本医師会・横倉会長が5選を目指して同会長選挙出馬へ3.コロナウイルス感染で、地域医療構想は見直しとなる見込み4.厚労省が臨時サイト開設、コロナ対策で不足する医療人材確保を支援5.「希望出生率1.8」の明記、子育て支援が一段と打ち出される1.5月分診療報酬などの一部概算前払い、6月5日が申請期限5月27日、第2次補正予算案の閣議決定を受け、医療機関の資金繰り対策として、5月診療分診療報酬などの一部概算前払いの措置が取られることとなった。6月下旬の診療報酬など支払い時に、4月診療分に加えて、5月診療分が概算前払いされる。その分は、7月下旬における本来の5月診療分診療報酬などの支払時に減額調整される。今回の措置は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、受診抑制のために資金繰りが厳しくなっている医療機関などを支援するために臨時で行われる。前払いを希望する医療機関は、【6月5日(金)】までに、社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険連合会の両方に、オンライン、または郵送での申請(6月5日必着)を行うことが必要となる。(参考)令和2年5月診療分診療報酬等の一部概算前払について(厚労省)2.日本医師会・横倉会長が5選を目指して同会長選挙出馬へ日本医師会の横倉 義武会長は、6月27日に予定されている同会長選挙に5選を目指して立候補する意向を固めた。2012年から4期8年を務めており、この春には勇退するという報道もあったが、「新型コロナウイルス対策で引き続き政府と連携していく考え」などとあらためて報じられた。現執行部の中川 俊男副会長が会長選の出馬準備を進めており、事実上の一騎討ち選挙となる見込み。(参考)日本医師会の横倉会長、5選目指す 安倍首相らとパイプ(朝日新聞)3.コロナウイルス感染で、地域医療構想は見直しとなる見込み5月26日、日本医師会の横倉会長は、緊急事態宣言の全面解除を受け、厚生労働省が進めている「地域医療構想」について、「二次医療圏ごとに感染症病床を一定数確保することが必要」とする意見を緊急記者会見で述べた。これまで人口減少時代を見据えた病床削減が進めてきた地域医療構想は、経営・経済効率などが中心であり、感染症対策などが計画に入っていなかったことを見直す形になると考えられる。翌日27日には、地域医療構想のスケジュールは、7月に予定されている「骨太の方針2020」において提示される見込みであることが、定例記者会見で明らかにされた。医療計画の一部である地域医療構想に新興感染症への備えが不足しており、これらを見直すことを厚労省医政局地域医療計画課に提案しているという。(参考)緊急事態宣言の解除を受けて(日本医師会)第二次補正予算の取りまとめを受けて」(同)4.厚労省が臨時サイト開設、コロナ対策で不足する医療人材確保を支援厚生労働省は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療現場での人手不足に対応して、人材募集する医療機関や保健所と、医師・看護師らの求職者をマッチングさせる求人サイトを6月上旬にも新設する。収束するまでの臨時的な対応として、利用する医療機関に手数料などは発生しない。厚労省が開設するのは、「医療のお仕事Key-Net」。各医療機関・保健所などにおける募集情報は、新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)を通じて調査され、医療機関や保健所設置自治体などから随時収集する。募集の対象となる職種は、医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、薬剤師、救急救命士および事務職。(参考)厚生労働省に開設するWebサイト「医療のお仕事Key-Net」等を通じて行う医療人材等の緊急的な確保を促進するための取組(緊急医療人材等確保促進プラン)の実施に向けた準備について(厚労省 事務連絡 令和2年5月27日)5.「希望出生率1.8」の明記、子育て支援が一段と打ち出される新たな「少子化社会対策大綱」が5月29日に閣議決定された。わが国では2003年に少子化社会対策基本法を施行しており、少子化社会対策大綱は2004年に初めて策定され、5年ごとに見直してきた。2018年の出生数は91万8,400人、昨年(2019年)は86万4,000人(推定)と、前年に比べ5万人以上の減少によって、今後の総合的かつ長期的な少子化に対処するための具体的な施策の指針として取りまとめが急がれていた。少子化の進行は、日本の社会経済に影響を与えるため、若い世代が家庭を持ち、子供を育てることに希望が持てるよう、経済的な環境整備に重点を置く。今回、子供が欲しい人の希望が叶った場合に見込める出生率「希望出生率1.8」という数値目標が初めて明記され、これの達成のために、出産や子育て支援策が打ち出される見込み。(参考)少子化社会対策大綱(内閣府)第4次少子化社会対策大綱の策定に向けた提言(令和元年12月23日)

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コロナ感染流行に一服、診療所医師の懸念はどう変化?~連続アンケート結果

 ケアネットでは、2020年4月第2週から週次で、病床を有していない診療所で勤務する会員医師を対象に「直近1週間のCOVID-19疑い例の診療状況」についてアンケートを行っている。調査対象地域は関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、名古屋(愛知県)、関西(京都府、大阪府、兵庫県)、福岡(福岡県)の4エリア、現在は第7回分まで、50日間の経過を掲載中だ。 毎回750~900人の医師から回答が集まり、エリアごとに多少の差はあるものの、全体で見ると4月第3週(調査対象期間:4月9~15日)をピークに、疑い例の平均患者数は50日間で半分近くまで減り(4月第3週:2.77人→5月第3週1.14人)、PCR検査で陽性となった平均患者数も半減した(4月第3週:0.12人→5月第3週0.06人)。また、PCR検査の照会から実際に検査実施した割合は4月第3週の21.7%だったものが5月第2週には31.4%と10ポイント近く上昇し、検査態勢に余裕が出てきたことが伺われる。 アンケートでは、自由回答で「現状の診療所における新型コロナウイルス感染症診療に関する問題点や今後の懸念、要望」についても聞いた。週次で集まった自由記述の回答からは診療所の現場の変化も見て取れる。 「PCR検査」の文字を含む回答が最も多かったのは4月第3週で62人が記述していた。以後、60→47→47→24→29人と5月第2週の時点で大きく減少しており、検査態勢が改善したことを伺わせる。記述内容にも変化があり、4月第2週時点では「保健所の対応が一番問題。PCR検査が遅すぎて、陽性と出た時点で挿管となってしまった」「保健所に電話し、指定の病院へ紹介しましたが、検査して頂けませんでした」といった、検査の遅さや検査適応基準を懸念する声が多数を占めていた。これが5月第2週以降になると「さすがにPCR検査適応のラインが厳しすぎていた気がする。保健所が一括して対応していたのも限界であったと思う」といった初期対応を振り返る声や、「唾液PCRが妥当かどうか早く知りたい」という新たな検査手法に関心を寄せる声に代わりつつある。 備品不足も大きな方向では解消に向かいつつあるようだ。自由回答内に「防護服」「PPE」「マスク」「フェイスガード(シールド)」の文字を含んだ記述(重複あり)が最多だったのは4月第3週。それが翌週の4月第4週には半減し、5月第2週には3分の1にまで減った。 一方で、週数が経過するにつれて増えてきたのが診療所の経営に関する不安の声だ。5月に入ってから「外来患者が減少し、経営が悪化する」「患者数が普段よりかなり減少し、収益が下がっています」「患者数が右肩下がり。4月は前年度比50%、5月は45%と減少が止まらない」といった回答が見られるようになった。 アンケート開始直後から多かったのが、感染症外来・発熱外来の設置要望だ。「PPEやN95マスクなどの資源を集中させて、発熱外来を作って運営することが必要」「防護服が少ないのですべての診療所では対応できず、発熱患者は地域ごとに発熱外来を設置して、集約して対応する必要がある」との声が5月に入ってからも依然多く寄せられている。「診療所での対応には限界がある。感染症指定病院や発熱外来をしている医療機関の情報がない。PPEなども手に入らない中でどうしろというのか」と悲鳴に近い声も上がる。 とはいえ、疑い数、患者数ともに減少傾向にあることは診療の最前線にいる回答者の実感と一致しているようで、5月第2週以降には「関西は収束傾向」「かなり数は減ってきている印象」といった記述が見られるようになった。 今後については「第2波の襲来の恐れが常にあり慎重を要する」「緊急事態宣言が解除されると患者が増加するのではないか」「学校再開による感染拡大が心配」「現在一旦終息しており、今後第2波が来たときにどのように対応するかを整備する必要あり」といった、警戒と体制整備を継続する、という声が目立っている。 アンケートの詳細については、以下のページに掲載中。COVID-19疑い例の診療状況とPCR検査の実施率について-会員医師アンケート

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23%が以前の生活に戻れないと回答/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症の拡大について、一般市民の意識変遷の実態を知る目的に、株式会社アイスタット(代表取締役社長 志賀保夫)は、5月20日に3回目の「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」を行った。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の会員で20~79歳の300人を対象に調査を実施したもの。 同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。調査概要 形式:WEBアンケート方式 期日:2020年5月20日 対象:セルフ型アンケートツール“freeasy”の登録者300人(20歳以上)アンケート結果の概要・新型コロナウイルス拡大について、緊急事態宣言一部解除後も約8割の人が「怖い」と思っている!(前回より11%減少)・新型コロナウイルス感染症の予防対策実施は83.0%。「きちんと対策を実施」では今回が最多!・新型コロナウイルスに感染しない自信はあるかは、「ない」32.0%が「ある」21.7%を上回る!・緊急事態宣言のときのステイホーム遵守度は81.7%!・緊急事態宣言中に生活で困ったことの1位「マスクなど衛生用品の入手」、2位「趣味や外出の制限」・新型コロナウイルスの拡大は、収入面に不安を与えているが53%!(前回より4%減少)・いつ落ち着いた生活に戻れるかは、「12月以降」が25.3%で最多。次に「もう戻れない」の23.3%!アンケート結果の詳細 質問1の「新型コロナウイルス拡大について、どう思いますか」では、「怖い」(81.0%)、「それ以外」(19.0%)の回答結果であり、前回よりも約11%「怖い」が減少した。 質問2の「新型コロナウイルス予防対策を実施してますか」では、「実施している」(83.0%)、「どちらでもない」(9.3%)、「実施していない」(7.6%)の回答結果だった。前回と比べてほぼ横ばいであり、予防意識の継続性がうかがわれた。 質問3の「新型コロナウイルス感染症予防策として行っていることはなんですか(複数回答)」では、「手洗い」(89.0%)、「マスク着用」(85.3%)、「不要な外出を控える」(66.7%)の順だった。5%以上伸長した対策では「アルコール・エタノール消毒の利用」(60.3%)、「室内の換気」(56.7%)、「テレワークの実施」(18.7%)があり、新しい環境整備も進められていた。 質問4の「新型コロナウイルス感染症に感染しない自信はありますか」では、「自信がある」(21.7%)、「どちらでもない」(46.0)%、「自信がない」(32.0%)の回答だった。前回と比べ「自信がある」と回答した人が増え、社会的な感染対策の効果が出ていることをうかがわせた。 質問5の「緊急事態宣言のとき、あなたのステイホーム遵守度」では、「守れた」(81.7%)、「どちらでもない」(13.7%)、「まったく/あまり守れなかった」(4.6%)だった。働き盛りの40代・男性で否定的な回答が多く、今後の課題となる結果だった。 質問6の「緊急事態宣言の時、あなた自身が生活で困ったこと(複数回答)」では、「マスクなどの衛生用品の入手」(41.3%)、「趣味や外出の制限」(34.0%)、「ストレス」(32.3%)の順で多かった。20・30代では男女ともに約20%が「特になし」と回答し、生活困窮度が低かった。 質問7の「新型コロナウイルス感染症の拡大は、あなた自身の収入面に不安を与えたか」では、「不安である」(53.0%)、「どちらとも言えない」(24.3%)、「不安でない」(22.7%)の回答で、前回と比較し「不安である」の回答は約4%減少した。政府の給付金など追加の施策が望まれる結果となった。 質問8の「新型コロナウイルス拡大前の生活(あなた自身が落ち着いた生活)に、いつぐらいに戻れるか」では、「12月以降」(25.3%)、「もう戻れないと思う」(23.3%)、「7月」(17.3%)の順で多く、ネガティブな回答が多かった。

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COVID-19の入院リスク、RAAS阻害薬 vs.他の降圧薬/Lancet

 スペイン・University Hospital Principe de AsturiasのFrancisco J de Abajo氏らは、マドリード市内の7つの病院で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の調査「MED-ACE2-COVID19研究」を行い、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)阻害薬は他の降圧薬に比べ、致死的な患者や集中治療室(ICU)入室を含む入院を要する患者を増加させていないことを明らかにした。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年5月14日号に掲載された。RAAS阻害薬が、COVID-19を重症化する可能性が懸念されているが、疫学的なエビデンスは示されていなかった。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、そのスパイクタンパク質の受容体としてアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)を利用して細胞内に侵入し、複製する。RAAS阻害薬はACE2の発現を増加させるとする動物実験の報告があり、COVID-19の重症化を招く可能性が示唆されている。一方で、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)は、アンジオテンシンIIによる肺損傷を抑制する可能性があるため、予防手段または治療薬としての使用を提唱する研究者もいる。また、RAAS阻害薬は、高血圧や心不全、糖尿病の腎合併症などに広く使用されており、中止すると有害な影響をもたらす可能性があるため、学会や医薬品規制当局は、確実なエビデンスが得られるまでは中止しないよう勧告している。他の降圧薬と入院リスクを比較する症例集団研究 研究グループは、COVID-19患者において、RAAS阻害薬と他の降圧薬による入院リスクを比較する目的で、薬剤疫学的な症例集団研究を実施した(スペイン・Instituto de Salud Carlos IIIの助成による)。 2020年3月1日~24日の期間に、マドリード市内の7つの病院から、PCR検査でCOVID-19と確定診断され、入院を要すると判定された18歳以上の患者を連続的に抽出し、症例群とした。対照群として、スペインの医療データベースであるBase de datos para la Investigacion Farmacoepidemiologica en Atencion Primaria(BIFAP)から、症例群と年齢、性別、地域(マドリード市)、インデックス入院の月日をマッチさせて、1例につき10例の患者を無作為に抽出した。 RAAS阻害薬には、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、ARB、アルドステロン拮抗薬、レニン阻害薬が含まれた(単剤、他剤との併用)。他の降圧薬は、カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬、α遮断薬であった(単剤、RAAS阻害薬以外の他剤との併用)。 症例群と対照群の電子カルテから、インデックス入院日の前月までの併存疾患と処方薬に関する情報を収集した。主要アウトカムは、COVID-19患者の入院とした。重症度にかかわらず、入院リスクに影響はない 症例群1,139例と、マッチさせた対照群1万1,390例のデータを収集した。年齢(両群とも、平均年齢69.1[SD 15.4]歳)と性別(両群とも、女性39.0%)はマッチしていたが、心血管疾患(虚血性心疾患、脳血管障害、心不全、心房細動、血栓塞栓性疾患)の既往(オッズ比[OR]:1.98、95%信頼区間[CI]:1.62~2.41)と、心血管リスク因子(高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎不全)(1.46、1.23~1.73)を有する患者の割合が、対照群に比べ症例群で有意に高かった。 RAAS阻害薬の使用者では、他の降圧薬の使用者と比較して、入院を要するCOVID-19のリスクに有意な差は認められなかった(補正後OR:0.94、95%CI:0.77~1.15)。また、ACE阻害薬(0.80、0.64~1.00)およびARB(1.10、0.88~1.37)のいずれでも、他の降圧薬に比べ、入院を要するCOVID-19の有意な増加はみられなかった。これらの薬剤は、単剤および他剤との併用でも、入院リスクに有意な影響はなかった。 性別、年齢別(<70歳vs.≧70歳)、高血圧の有無、心血管疾患の既往、心血管リスク因子に関しては、他の降圧薬と比較して、RAAS阻害薬の使用による入院を要するCOVID-19のリスクに有意な交互作用は確認されなかった。一方、RAAS阻害薬を使用している糖尿病患者では、入院を要するCOVID-19患者が少なかった(補正後OR:0.53、95%CI:0.34~0.80、交互作用検定のp=0.004)。 COVID-19の重症度を最重症(死亡、ICU入室)と、低重症(最重症以外のすべての入院患者)に分けた。いずれの重症度でも、RAAS阻害薬、ACE阻害薬、ARBは、他の降圧薬と比較して、入院を要するCOVID-19のリスクに有意な差はなかった。 これらの結果を踏まえて著者は、「RAAS阻害薬は安全であり、COVID-19の重症化を予防する目的で投与を中止すべきではない」と指摘している。

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第8回 コロナ修行と化した「新しい生活様式」を導入してみたら

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに伴い、新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)に基づいて発令された緊急事態宣言が5月25日、5都道県で解除された。これにより緊急事態宣言は、一旦は全国で解除となった。もっともこれですべて元通りの生活に戻るわけではない。現時点で決定打となる治療薬やワクチンもない以上、当面は第2波流行を常に気にしながら、程度の差はあっても恐る恐る生活を続けていくということになるだろう。実際、東京都は「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」を公表し、7つのモニタリング指標を軸に段階的に外出・営業自粛を緩和していく方針だ。ロードマップに従うと、首都東京で限りなく以前に近い生活に戻せるのは最短でも7月半ば以降となる。また、政府は既に5月4日、新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルス感染を想定した「新しい生活様式」の実践例を公開した。その中身を見て、娯楽、スポーツ等の項目では「歌や応援は、十分な距離かオンライン」、食事の項目では「料理に集中、おしゃべりは控えめに」などとまで記述されており、「大きなお世話だろう!」と怒鳴りたくなるような内容である。国を代表する「専門家」が参集してこんな細かい議論をやっていたのかとびっくりするのだが、ある専門家会議のメンバーによると「そもそも専門家会議も当初はあそこまで示すつもりはなかった。しかし、外部から『もっと具体例を示すべき』というプレッシャーが強く、あのような形になった」とのこと。専門家の皆さんもなかなか気苦労が絶えないらしい。そしてこの「新しい生活様式」を実践した飲み会を開いたという記事も登場した。まあ、有志で試しにやってみたという程度だが、写真を見ると何とも言い難い。記事には「飲食を楽しんだ」と書いてあるが、私がデスクだったらこの紋切り型表現はボツである。決して楽しそうには見えない、むしろ「新型コロナ真理教」かなんかの苦行にしか見えないからだ。しかも、これだけならまだしも、現実にはいたるところでトンチンカンな「対策」もどきが散見される。たとえば「新しい生活様式」を考慮し、感染予防対策を施した居酒屋、さらにはタクシーなど。これらはいずれも次亜塩素酸水を噴霧し、空間消毒を行うというもの。しかし、次亜塩素酸水に関しては認可を受けたものが手指消毒に使える程度で、厚生労働省が出した事務連絡では、次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧は吸入した場合は有害であると明記している。これほどひどいものではないにしても、福岡県の粕屋町は公立の小中学校の授業再開に当たって全生徒にフェイスシールドを配布し、体育の授業と給食以外のシーンではマスクとともに着用すると報じられている。これから気温が上昇していく中でマスクの着用ですら苦痛なはずなのにさらにフェイスシールドとなると、子供たちの苦痛はどれほどかと気の毒に感じてしまう。だが、そもそもこれまで専門家が提唱している感染予防対策は、手洗い励行、「3密」の回避、これに加えてマスクぐらい。多くの方がご存じのようにマスクの感染予防効果はまだまだコントラバーシャルである。今回、やや珍奇な対策が報じられた(報じている側がチンキと思っていないことも問題なのだが)ケースはいずれも「3密」が回避しにくいための追加の措置とも言えなくもないが、それでもやり過ぎ感が否めないと感じるのは私だけだろうか?その意味でここから本格的な出番となる人たちがいる。まずは感染制御の専門家たちである。テレビや新聞にコメンテーターとして登場している「専門家」の中には、ややトンデモな人が混じっているのは本連載第3回でも触れたこと。いわば真の感染制御の専門家ほど現在日常的に忙しいのは承知しているが、少しでもメディアからオファーがかかったら、今こそ難しい時間のやりくりをして登場して欲しいと切に思う。報道に身を置く立場から言うとやや横柄に聞こえるかもしれないが、やはり報道の拡散能力は絶大だからだ。もっとも1回の報道で何かが確実に伝わることが稀なのは、やはり報道側として常に感じている。たとえば、私ごときの存在は報道界の中でも「蟷螂之斧(とうろうのおの)」といってもいい存在だが、それでも感染症におけるマスクの存在について「あくまで感染が疑われる人が他人に感染させないためが第一義。まずは手洗いを」と繰り返し記事に書いている。1回1回はほぼ無力と分かっても、過去の経験上、報道のリフレイン効果は実感しているからだ。COVID-19騒動では、このリフレイン効果の実例がある。ずばり「PCR検査」という単語だ。PCRが何の略かは分からない人がほとんどだろうが、今やこの単語を耳にしたことがないという人はいないはず。だが、この単語を知ることで「それって何?」と理解を深めようとする人のすそ野は確実に増えてくる。繰り返し同じことを訴えるというのは確実に一般生活者での情報リテラシー向上に資するのである。また、今回感染制御の専門家とともに出番となると思われるのが、「学校薬剤師」である。ちなみに医療関係者の間でも「学校薬剤師」の存在はあまり知られていないこともあるようだが、これは学校保健安全法で大学以外の学校では設置が義務付けられている。学校医や学校歯科医と同じ存在である。これは1930年、北海道小樽市の小学校で風邪をひいた女児にアスピリンと間違って塩化第二水銀を服用させ、死亡した事件をきっかけに、同市が学校薬剤師を委嘱し、これが全国に広がって後の学校保健安全法の制定時に制度化されたものだ。では、この学校薬剤師は何をしているかといえば、学校環境衛生の維持管理に関する指導・助言などであり、具体的には換気の指導やプール開きの際の塩素濃度チェックなどだ。まさに感染を防ぐための環境整備にも資する役割である。そもそも薬剤師は、現状では一般人はもちろんのこと医療従事者の間ですら存在感が薄い。このような表現をすると腹が立つ人もいるかもしれないが、「白衣を着て調剤室にこもって袋詰めをしている根暗な人たち」が一般人のイメージといってもいいが、学校薬剤師の経験を持つ人は少なからず存在し、消毒薬などについての知識も有している。しかも、医師と比べ、一般人にとってはやや距離が近い存在である。やや過激な言い方になるかもしれないが、劇作家・寺山修司の言葉を借りれば、今こそ「処方箋を捨てよ、町へ出よう」である。同時にすべての医療従事者に伝えたいのは、「腐らず繰り返し伝えよう」ということ。「お前らメディアが悪い」と言われがちではあるが、目を皿にしてみてもらえば、腐らず地味な情報を繰り返し伝えているメディアも数多くある。実際のところ私たちメディア人も同じ方向を向いていることを知っていただけたら幸いである。

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COVID-19、医療従事者の感染リスクは?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療にあたる医療従事者の感染リスクと臨床的特徴について、中国・華中科技大学のXiaoquan Lai氏らが武漢の3次医療機関における約1万人の医療従事者を調査した。その結果、医療従事者の感染のほとんどがアウトブレークの初期に発生していた。また、これまでのウイルス感染症の流行時とは異なり、発熱外来や発熱病棟などで勤務する医療従事者に比べ、それ以外で勤務する医療従事者の感染率が高かった。著者らは、感染した可能性がある医療従事者を迅速に特定し、無症状者に対する定期的なスクリーニングを行うことで医療従事者を守ることができるとしている。JAMA Network Open誌2020年5月21日号に掲載。医療従事者の感染率は発熱外来/発熱病棟で0.5%、それ以外は1.4% 本研究では、武漢のTongji Hospitalに勤務する医療従事者9,684人について、2020年1月1日~2月9日のCOVID-19発症者のデータを収集した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の曝露・疫学・人口統計に関する情報はアンケートから、臨床・検査・放射線学的な情報は電子記録から収集した。また、335人の医療従事者を無作為に抽出し、高リスクで無症状者における感染率を推定した。環境表面のサンプルも収集した。 医療従事者の感染リスクについて調査した主な結果は以下のとおり。・9,684人の医療従事者のうち110人がSARS-CoV-2陽性で、感染率は1.1%であった。そのうち女性が70人(71.8%)、年齢中央値は36.5歳(四分位範囲:30.0〜47.0歳)、職種は看護師62人(56.4%)、医師26人(23.6%)、医療助手22人(20.0%)であった。・発熱外来/発熱病棟で勤務する医療従事者の感染率は0.5%(3,110人中17人)、それ以外で勤務する医療従事者では1.4%(6,574人中93人)であった。・発熱外来/発熱病棟以外で勤務する45歳未満の看護師は、45歳以上の発熱外来/発熱病棟で勤務する医師より感染率が高かった(感染率比:16.1、95%CI:7.1~36.3、p<0.001)。・無症状者における感染率は、発熱外来/発熱病棟で勤務する医療従事者において0.74%(135人中1人)、それ以外で勤務する医療従事者で1.0%(200人中2人)であった。・環境表面における90検体はすべて陰性であった。・110人中93人(84.5%)の医療従事者が軽症~中等症で、1人(0.9%)が死亡した。・主な症状は、発熱(60.9%)、筋肉痛/倦怠感(60.0%)、咳嗽(56.4%)、咽頭痛(50.0%)、筋肉痛(45.5%)であった。・医療従事者の主な感染経路は、患者(59.1%)、同僚(10.9%)、家族や友人(12.7%)であった。

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COVID-19、ヒドロキシクロロキンの使用は支持されない/BMJ

 ヒドロキシクロロキンは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する有効な治療薬として期待され世界的に注目されていたが、リアルワールドで収集した観察データを用いた臨床研究の結果、酸素投与を要するCOVID-19肺炎入院患者へのヒドロキシクロロキン使用は、支持されないことを、フランス・パリ・エスト・クレテイユ大学のMatthieu Mahevas氏らが報告した。COVID-19による呼吸不全や死亡を予防する治療が緊急に必要とされる中、ヒドロキシクロロキンは、in vitroでCOVID-19の原因である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抑制効果が報告され、小規模な臨床試験でも有効性が示唆されていた。BMJ誌2020年5月14日号掲載の報告。フランスの4施設におけるCOVID-19肺炎入院患者におけるヒドロキシクロロキンの有効性を後ろ向きに解析 研究グループは、2020年3月12日~31日の期間に、フランスの3次医療施設4施設に入院したCOVID-19肺炎患者全例について電子カルテをスクリーニングし、18~80歳で酸素投与を必要とするが集中治療室(ICU)への入室は必要としないSARS-CoV-2感染が確認された肺炎患者を適格症例として、入院48時間以内にヒドロキシクロロキン600mg/日の投与を開始した患者(治療群)と、ヒドロキシクロロキンを投与せず標準治療を行った患者(対照群)に分け比較した。 主要評価項目は21日時点でのICU入室を伴わない生存率、副次評価項目は全生存期間、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を伴わない生存率、酸素投与からの離脱、自宅退院またはリハビリテーション施設への転院である(すべて21日時点)。解析は、逆確率重み付け法により交絡因子を調整した。ヒドロキシクロロキン治療群と対照群とで生存率に有意差なし 主要解析の対象集団は全体で181例、治療群が84例、対照群が89例であり、入院後48時間以降にヒドロキシクロロキンの投与を開始した8例も追加された。 主要評価項目である21日時のICU入室を伴わない生存率は、治療群76%、対照群75%であった(加重ハザード比[HR]:0.9、95%信頼区間[CI]:0.4~2.1)。また、21日時点の全生存率は治療群89%、対照群91%(加重HR:1.2、95%CI:0.4~3.3)、ARDSを伴わない生存率はそれぞれ69%、74%(加重HR:1.3、95%CI:0.7~2.6)、酸素投与から離脱した患者の割合は82%、76%(加重リスク比:1.1、95%CI:0.9~1.3)であった。 治療群の8例(10%)に、治療の中止を要する心電図異常が認められた。

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第8回 新型コロナ予防・治療・メンタルヘルスへの活用が期待される漢方薬の可能性

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する既存薬の活用が期待される一方、新型コロナの感染予防・軽傷者の重症化予防やメンタルヘルスに対する漢方薬の活用が注目されている。日本東洋医学会では、漢方薬などによる対症療法とその後の重症化の有無との関連を調べるため、医療機関に症例の報告を呼び掛けている1)。また、薬局・薬店からなる日本中医薬研究会は新型コロナ治療の予防・治療に対し、中国漢方である中医薬(中国伝統医薬)の有効性を探るため、日中の医師や薬剤師らによるウェブ交流会を4月に行った。振り返ると、2009年の新型インフルエンザ流行時には、麻黄湯や銀翹散、小柴胡湯などの漢方薬に抗ウイルス作用が確認されている。タミフルやリレンザといった抗インフルエンザ治療薬に麻黄湯などの漢方薬を合わせて使うと一定の効果が見られたという。COVID-19に関連し、中国は3月、顕著な治療効果が見られたという「三薬三方(三つの処方と薬)」を選出し、清肺排毒湯、化湿敗毒方、宣肺敗毒方という3つの中医薬を推奨している。このうち、COVID-19用に創薬され、軽症から重症までカバーするという清肺排毒湯には麻黄湯と小柴胡湯が構成生薬の一部として使われている。新型コロナの感染確認者の91.5%が中医薬を使い、臨床治療の効果観察では、中医薬の総有効率は90%超に上っているという。日本国内においても、清肺排毒湯を日本で処方可能なエキス剤で作り、軽症者の重症者化予防に処方している医療機関がある。無症状者を含めた予防には、免疫力を高める効果が報告されている補中益気湯や十全大補湯などがある。メンタルヘルスに関しては、新型コロナによる自粛生活で、高齢者を中心に運動不足による持病悪化や、ストレスや経済的不安によるうつ病症状を訴える人が増えている。また、経済の悪化に伴う失業者の増加により、累計自殺者数が27万人増との試算もある。「コロナうつ」への対応も重要な課題だが、精神科や心療内科の受診をためらう人は少なからずいる。それに比べると、漢方薬はハードルがいくぶん低くなるようだ。ストレス緩和効果が得られる漢方薬には、加味逍遙散や柴胡加竜骨牡蛎湯、酸棗仁湯などがある。ただ、漢方薬は西洋薬の処方のようにはいかないのはご存じの通り。漢方薬は病名ではなく、患者個々人の体質と症状に対する処方が原則だ。漢方薬においても、現段階でCOVID-19への特効薬がない以上、予防段階では体力を付けて免疫力を上げる、感染したら発熱しないようにする、発熱したら早く治るようにするというように、段階によって使う漢方薬が異なり、患者ごとに症状を見ながら処方を判断しなければならない。ただ、新型コロナウイルスは変異の速いRNAウイルスの一種で、現在効いている新薬がいつ効かなくなるかわからない懸念がある。漢方薬を扱っている医療従事者は「免疫力の強化を本来重視する漢方薬は、変異に対してもある程度有効なのでは」と期待している。1)COVID-19一般治療に関する観察研究ご協力のお願い(日本東洋医学会)

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COVID-19、NY重症患者の死亡リスク増加因子が明らかに/Lancet

 検査で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が確認され、米国・ニューヨーク市内2ヵ所の病院に入院した重症患者257例について前向きコホート試験を行った結果、高年齢、慢性肺疾患、慢性心臓病などが入院死亡リスク増加の独立リスク因子であることが確認された。米国・コロンビア大学アービング医療センターのMatthew J. Cummings氏らが行った試験の結果で、年齢の因子では10歳増加ごとに死亡リスクは1.31倍に、慢性肺疾患は死亡リスクを2.94倍に増加することが示されたという。また、侵襲的機械換気の実施率は重症患者の79%に上っていた。2020年4月28日現在、ニューヨーク市におけるCOVID-19入院患者は4万人を超えている。現況下でのCOVID-19患者の疫学、臨床経過、および重症転帰のデータの必要性から本検討は行われた。Lancet誌オンライン版2020年5月19日号掲載の報告。臨床的リスク因子やバイオマーカーと、院内死亡率の関連を検証 研究グループは2020年3月2日~4月1日に、検査でCOVID-19が確認され、2ヵ所のニューヨーク・プレスビテリアン病院(マンハッタン区北部、コロンビア大学アービング医療センターの関連病院)に入院し、急性低酸素呼吸不全が認められた18歳以上の重症患者を対象に前向き観察試験を行った。被験者について、臨床情報やバイオマーカー、治療データを集め、死亡リスクとの関連を分析した。 主要アウトカムは、入院死亡率だった。副次アウトカムは、侵襲的機械換気の実施率と期間、昇圧薬の使用や腎代替療法の頻度、入院後の院内臨床的増悪までの期間などだった。 Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、臨床的リスク因子やバイオマーカーと、院内死亡率との関連を検証した。追跡期間は全被験者28日以上で、4月28日で追跡を打ち切った。慢性心臓病で死亡リスク1.76倍、高IL-6・高D-dimer値もリスク因子 試験対象期間中に、COVID-19が確認され2ヵ所の病院に入院した成人は1,150例で、うち重症患者は257例(22%)だった。被験者の年齢中央値は62歳(IQR:51~72)で、うち男性は67%(171例)だった。重症患者のうち82%(212例)に1つ以上の慢性疾患があり、最も多くみられたのは高血圧症(63%、162例)、次いで糖尿病(36%、92例)だった。また、46%(119例)が肥満だった。 4月28日時点で、死亡は39%(101例)、入院継続は37%(94例)だった。侵襲的機械換気を実施したのは79%(203例)で、その期間中央値は18日(IQR:9~28)、昇圧薬を使用したのは66%(170例)、腎代替療法の実施は31%(79例)だった。入院後の院内臨床的増悪までの期間中央値は、3日(IQR:1~6)だった。 多変量Coxモデル解析の結果、入院死亡に関連した独立リスク因子は、高年齢(10歳増加ごとの補正後ハザード比[HR]:1.31、95%信頼区間[CI]:1.09~1.57)、慢性心臓病(補正後HR:1.76、95%CI:1.08~2.86)、慢性肺疾患(同:2.94、1.48~5.84)、高IL-6値(十分位増加ごとの補正後HR:1.11、95%CI:1.02~1.20)、高D-dimer値(同:1.10、1.01~1.19)だった。

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第8回 「つぶれる前に助けてくれ!」 医療機関の叫びをどうとらえるか(前編)

病院の医業収入、前年比10%減!こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。5月25日、首都圏と北海道の緊急事態宣言が解除されました。その前の週末あたりから飲食店や飲み屋はほぼ平常運転に戻りつつありましたが、私自身はまだ街の飲み屋には行っていません。あまりにも退屈なので、話題の特別定額給付金のオンライン申請に挑戦してみました。使用したのはパソコンではなくiPhone。スマホからであればパソコン申請で必要なカードリーダーが要らずに比較的簡単にできる、と聞いたからです。実際のところはどうだったか。マイナンバーカードの読み取りエラーやSafari(iPhoneのウェブブラウザ)の設定変更など、いろいろなトラブルが重なり、やり直すこと十数回…。結局、申請完了まで2時間ほどかかってしまいました。私自身のITリテラシーの問題もありますが、マイナンバーカードのシステム全体の使い勝手の悪さは相当なものです。申請は受理されたようですが、給付金がスムーズに受け取れるのかが心配です。さて、今回気になったのは、個別の事件ではなく、新型コロナウイルス感染症の影響で医療機関の経営が苦境に陥っていると伝える、さまざまなメディアの報道です。3月末から5月にかけて、外来・入院・救急患者等が減り続け、医療機関の経営が大変だということは、折々に多くのメディアが報道してきました。ここに来て、医療関係団体の調査結果なども公表され、その厳しさを訴える声が日に日に高まっています。日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会の「病院経営状況緊急調査(速報)」によると、20年4月の医業収入は前年同月比で10.5%減(有効回答病院の平均)。新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院はさらに深刻で12.7%減でした。一時的に病棟を閉鎖した病院も14.9%減と大幅に落ち込みました。医業利益率もそれぞれ9.0%、11.8%、16.0%の減少です。4月分の診療報酬が基金から支払われるのは6月なので、実際に資金がショートしたり、倒産したりするケースが出るとすれば夏以降だと思われますが、その前に医療関係団体が「つぶれる前に助けてくれ!」とSOSを発した、というわけです。日医は第二次補正予算に向けて医療機関への支援を要望大学病院や診療所の経営も大変なようです。全国医学部長病院長会議によると、大学病院の経営状況も深刻で、会員大学の4月の診療報酬請求額は前年同月比で外来が7.35%、入院が10.61%減でした。入院では手術件数が1万2,780件と大きく減少したことが響いています。一方、日本医師会が4月20日の会見で公表した「新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査」によると、診療所の3月の診療報酬額は前年同月比で総件数10.9%、総日数10.7%、総点数9.4%減と、各約1割の減少でした。さらに、88.0%の診療所の診療報酬が対前年比でマイナスとなり、総点数で30%減以下の診療所が7.5%ありました。こうした状況を受け、日本医師会の横倉 義武会長は5月18日、全国医学部長病院長会議の山下 英俊会長らとともに、安倍 晋三首相、萩生田 光一文科大臣、加藤 勝信厚生労働大臣らと面会、第二次補正予算に向けて新型コロナウイルス感染症対応に当たる医療機関への支援を要望しました。空床発生等に伴う支援や危険手当、PCR検査の拡充等の5本柱、総額約7兆5,213億円の要望です。診療報酬も見直しの方向だがそうした中、5月27日にも閣議決定される予定の第2次補正予算案では、新型コロナウイルスの感染長期化や第2波に備え、医療・介護の現場への支援を手厚くする方針が示されています。医療・介護の現場支援は都道府県向け交付金の拡充で対応。地域の重点病院において専用病棟を多く設置できるようにするほか、新型コロナ患者を受け入れる医療機関や介護事業所の従事者に対する最大20万円の一時手当の給付も行われる予定です。診療報酬そのものも、見直しが検討されています。日本経済新聞は5月22日付け朝刊で「厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の重症患者を受け入れる病院が受け取る診療報酬を引き上げる検討に入った」と報じました。報道では、「本来の入院料から3倍に引き上げる案が軸だ。(中略)来週にも中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の総会を開いて了承を得る考え。(中略)例えば集中治療室(ICU)の入院料は本来1日8万~14万円程度で、これを3倍にするといった検討を進めている」としています。なお、診療報酬については、自民党の「国民医療を守る議員の会」が5月19日、加藤勝信厚労大臣に手渡した新型コロナウイルス感染症対策に向けた2次補正予算案についての緊急提言書の中で、同感染症患者以外を診療する地域医療の確保に向けて、院内感染防止対策のために基本診療料の2割引き上げを要請しています。一律の“営業保証”に疑問新型コロナウイルス感染症に懸命に対応した医療機関への資金援助は納得できます。病床を閉鎖したり、他科のスタッフを感染症対策に振り向けたりした結果としての患者減の対応も納得できます。しかし、新型コロナウイルス感染症の患者を直接診療することもなく、ただ診療所を閉めていただけのところにも、“営業保証”をするかのような基本診療料引き上げの施策はいかがなものでしょうか。診療報酬は、税金と国民一人ひとりが支払う保険料で賄われています。今回のコロナ禍による医療機関の減収分を安易に一律に補填しようとするやり方は、同じ収入減に困っている国民の納得を得られるものではないでしょう。今回はちょっと長くなり過ぎましたので、この問題については来週もう少し考えてみたいと思います。(この項続く)

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第21回 アフターコロナも患者は戻ってこない【噂の狭研ラヂオ】

動画解説新型コロナウイルス感染症によって患者さんが病院と薬局を避ける事態になりました。今後も患者さんの受療行動がビフォーコロナのそのままの形で戻ってくることはないでしょう。例年のインフルエンザ流行も今年はありませんでした。感染症流行の特需・恐慌に揺るがない、アフターコロナを生き抜くために薬局が今やるべきこととは?

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