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1981.

睡眠不足だと認知症になりやすいのか

 米国・ミネソタ大学のPamela L. Lutsey氏らは、中年後期の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)や短時間、長時間睡眠が認知症リスクと関連しているかを、15年以上のフォローアップ期間で検討した。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2017年7月21日号の報告。 Atherosclerosis Risk in Communities研究に参加した1,667例を対象に、在宅終夜睡眠ポリグラフィー検査(1996~98年)を実施し、認知症発症のフォローアップを行った。認知症は、入院診断コード(1996~2012年)および包括的な神経認知検査(2011~13年)により定義した。 主な結果は以下のとおり。・OSAおよび睡眠時間は、認知症発症のリスクとの関連が認められなかった。・判定済みのアウトカムを用いた場合、重度のOSA(無呼吸低呼吸指数:30回以上/時間 vs. 5回未満/時間)は、すべての認知症リスク(RR:2.35、95%CI:1.06~5.18)およびアルツハイマー型認知症リスク(RR:1.66、95%CI:1.03~2.68)の高さと関連が認められたが、心血管のリスク因子の調整によりその関連性は弱まった。・判定済みのアウトカムを用いた場合、7時間未満の睡眠は、8~9時間の睡眠と比較し、すべての認知症リスクの高さと関連していた(RR:2.00、95%CI:1.03~3.86)。■関連記事「最近、睡眠時間が増えた」は認知症のサインかも不眠症になりやすい食事の傾向就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大

1982.

早産児の神経発達遅延リスクは改善したか/BMJ

 在胎期間22~34週の早産児の2歳時の神経発達アウトカムは過去20年で、重度または中等度の運動/感覚器障害のない生存が有意に増大していたが、発達遅延のリスクは高いままであることが、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のVeronique Pierrat氏らによる、同国の早産児に関する住民コホート研究「EPIPAGE(1997年)」「EPIPAGE-2(2011年)」の結果、報告された。世界的に早産児の生存は増加しており、重度の新生児罹患率は低下している。しかし、最近の2000年代に生まれた早産児のアウトカムに関する研究は、超早産児に焦点が集まっており、在胎期間がある程度ある早産児についての報告はまれだという。BMJ誌2017年8月16日号掲載の報告。在胎期間22~34週の早産児の2歳時のアウトカムを検討 研究グループは、2011年に生まれた在胎期間22~26週、27~31週、32~34週の各早産児について、2歳時の神経発達アウトカムを検討し、さらに1997年のデータと比較した。 2011年に在胎期間22~34週で生まれた新生児は5,567例。そのうち2歳時に生存していた4,199例がフォローアップに包含された。アウトカムの比較は、両研究に参加する国内9地域における、1997年3,334例、2011年2,418例の新生児について報告された。 生存児について以下の評価を行った。1)脳性麻痺(2000 European consensusで定義)、2)神経発達の程度:保護者によるASQ(Ages and Stages Questionnaire)の評価で神経発達に関するスコアが閾値以下(5領域のうち少なくとも1つ以上)。データは、修正月齢22~26ヵ月、脳性麻痺・失明・聴覚障害のない児に行われたものを解析に含んだ。3)重度または中等度の運動/感覚器障害(脳性麻痺のレベルはGross Motor Function Classification Systemで2~5、片側性または両側性の失明もしくは聴覚障害)のない生存。 結果は、95%信頼区間(CI)とともに、アウトカム評価の割合で示した。1997年と2011年で重度障害児の割合は減少したが発達遅延のリスクは高いまま 5,170例の早産生存児において、2歳時の生存率は、在胎期間22~26週群が51.7%(95%CI:48.6~54.7)、27~31週群が93.1%(同:92.1~94.0)、32~34週群が98.6%(同:97.8~99.2)であった。22~23週群では、生存例は1例のみであった。 脳性麻痺に関するデータは、3,599例で得られた(適格集団の81.0%)。脳性麻痺児の割合は、22~26週群6.9%(95%CI:4.7~9.6)、27~31週群4.3%(同:3.5~5.2)、32~34週群1.0%(同:0.5~1.9)であった。 ASQデータは、2,506例について得られた(適格集団の56.4%)。スコア閾値以下の児の割合は、22~26週群50.2%(95%CI:44.5~55.8)、27~31週群40.7%(同:38.3~43.2)、32~34週群36.2%(同:32.4~40.1)であった。 重度または中等度の運動/感覚器障害のない生存児の割合は、1997年と比べて2011年は増加していた。しかし、在胎期間が25~26週群では45.5%(95%CI:39.2~51.8)から62.3%(同:57.1~67.5)へ増加していたが、22~24週群では変化が観察されなかった。また、32~34週群では、統計的に有意な増加はみられなかったが(p=0.61)、脳性麻痺の生存児の割合は有意に減少していた(p=0.01)。

1983.

アメフト選手の約9割に慢性外傷性脳症(CTE)(中川原譲二氏)-722

 アメリカンフットボール(アメフト)選手は、長期的な神経学的傷病、とくに慢性外傷性脳症(CTE)が増大するリスクに曝されている。そこで、本研究はCTEを有する元アメフト選手の神経病理学的所見と臨床像を明らかにすることを目的として行われた。対象は、研究のために脳検体が提供された202例の死亡した元アメフト選手である。神経病理学的評価とともに、選手時代のことを知る情報提供者に研究目的を知らせずに、電話による頭部外傷歴を含む臨床評価(後ろ向き)を行った。また、オンラインアンケートで競技歴および軍歴を確認した。さまざまなレベルの選手がアメフトに参加していた。202例の脳検体の神経病理診断と臨床像を調査 CTEを含む神経変性疾患の神経病理学的診断は、規定の診断基準、すなわちCTEの神経病理学的重症度(ステージI~IV、もしくは軽度[ステージI/II]または重度[ステージIII/IV]の二分)に基づいて行われ、臨床評価として、情報提供者から得られた競技歴、2014年以降の死亡例については、生前の行動障害、心的障害、認知障害、および認知症などを調べた。202例の死亡時年齢の中央値は66歳(四分位範囲:47~76)だった。選手のレベル別の内訳は、高校入学前2例、高校14例、大学53例、セミプロ14例、カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)8例、NFL 111例であった。重度CTEは、元大学・セミプロ選手で56%、元プロ選手は86% CTEは177例(87%)で神経病理学的に診断され、死亡時年齢中央値は67歳(四分位範囲:52~77)、平均選手歴年は15.1年(SD 5.2)だった。CTEは高校入学前選手では認められなかったが(0/2例)、高校選手では21%(3/14例)、大学選手では91%(48/53例)、セミプロ選手では64%(9/14例)、CFL選手では88%(7/8例)、NFL選手では99%(110/177例)で認められた。 CTEの神経病理学的重症度は、レベルの最も高い選手の側に分布し、元高校選手では3人に軽度の病理変化がみられたのに対して、元大学選手の56%(27例)、元セミプロ選手の56%(5例)、元プロ選手の86%(101例)の多数例に重度の病理変化が認められた。 また、軽度CTEと判定された27例では、26例(96%)に行動障害、心的障害のいずれかまたは両方が認められ、23例(85%)に認知障害、9例(33%)に認知症の兆候が認められた。一方、重度CTEと判定された84例では、75例(89%)に行動障害、心的障害のいずれかまたは両方が認められ、80例(95%)に認知障害、71例(85%)に認知症の兆候が認められた。 以上から、脳検体が提供された元アメフト選手の適切なサンプルにおいて、高頻度にCTEの神経病理学的所見が認められたことは、CTEが生前のアメフトへの参加に関連していることを示唆する。スポーツが原因となるCTEに対しては、社会の認知と患者の救済が課題 米国社会において、アメフトは不動の一番人気スポーツであり、プロのアメフト選手は社会の英雄である。その競技人口は900万人にも及ぶとされ、小児期から大学時代まで多くの選手がプロを目指す。このような米国社会において、本研究のインパクトは計り知れないものがあり、著者らの結論は抑制的な表現となっている。慢性外傷性脳症と引き換えに多額の報酬を得る者は一握りのプロ選手であり、多くの一般選手は、自らのグローリーデイと引き換えに慢性外傷性脳症を受容しなければならない。本研究は、華やかなスポーツの持つ過酷な側面を映し出しており、スポーツが原因となるCTEに対しては、社会の認知と患者の救済が課題となる。

1984.

エボロクマブによるLDL-C低下は認知機能に影響せず/NEJM

 スタチンへのエボロクマブ(商品名:レパーサ)併用による心血管イベント抑制効果を検証するFOURIER試験に参加した患者を対象に、認知機能を前向きに評価した結果、追跡期間中央値19ヵ月において両群で認知機能に有意差は確認されなかったことを、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRobert P. Giugliano氏らが報告した。これまでのPCSK9阻害薬の臨床試験から、同薬によるLDLコレステロール(LDL-C)低下と認知機能低下の関連が懸念されていた。NEJM誌2017年8月17日号掲載の報告。タッチスクリーン式の認知機能検査CANTABを用い認知機能を評価 研究グループは、FOURIER試験の患者を対象に、ケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)を用い前向きに認知機能を評価した(ベースライン時、24週時、年1回、試験終了時に実施)。 主要評価項目は、実行機能の空間認識作業記憶スコア(範囲:4~28点、スコアが低いほど戦略と計画をより効率的に利用していることを示す)、副次評価項目は作業記憶スコア(範囲:0~279点、スコアが低いほど誤りが少ない)、エピソード記憶スコア(範囲:0~70点、スコアが低いほど誤りが少ない)、および精神運動速度(範囲:100~5100msec、速いほど成績良好)である。解析は、エボロクマブ群とプラセボ群で、空間認識作業記憶スコアのベースラインからの平均変化量を比較し、非劣性マージンをプラセボ群のスコアの標準偏差の20%に設定した。全認知機能評価項目、エボロクマブ併用群とプラセボ併用群で有意差なし 合計1,204例を中央値19ヵ月間追跡した結果、主要評価項目である空間認識作業記憶スコア素点のベースラインからの変化量(平均±SD)は、エボロクマブ群-0.21±2.62、プラセボ群-0.29±2.81であった(非劣性のp<0.001、優越性のp=0.85)。 副次評価項目である作業記憶スコア(変化量:エボロクマブ群-0.52、プラセボ群-0.93)、エピソード記憶スコア(変化量:それぞれ-1.53、-1.53)、精神運動速度(変化量:それぞれ5.2msec、0.9msec)は、両群間に有意差はなかった。また、探索的解析の結果、LDL-C値と認知機能の変化との間に関連は認められなかった。 著者は、認知症あるいは軽度認知障害患者が除外されていることや追跡期間が短いことなどを研究の限界として挙げている。なお現在、EBBUNGHAUS試験に参加した患者を対象としたCANTAB評価を含むFOURIER試験の5年間継続投与試験が進行中だという。

1985.

ニーマンピック病C1型へのHPβCDの可能性/Lancet

 ニーマンピック病C1型の患者に対し、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)を髄腔内投与は、病状進行を遅らせる可能性があるようだ。またその安全性については、中間~高周波の聴力損失が認められたほかは、重篤な有害事象は認められなかった。米国・ワシントン大学のDaniel S. Ory氏らが行った、第I-IIa相の非盲検用量漸増試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年8月10日号で発表した。ニーマンピック病C1型は進行性の神経変性によって特徴づけられるライソゾーム病に含まれる先天性代謝異常症の一種。HPβCDはマウスとネコモデルを用いた前臨床試験で、小脳のプルキンエ細胞消失を顕著に遅らせ、神経症状の進行を遅らせて寿命を延伸させたことが示されていた。ニーマンピック病C1型患者14例をHPβCDの開始投与量で分類 研究グループは2013年9月21日~2015年1月19日に米国国立衛生研究所(NIH)から登録・適格基準を満たした、ニーマンピック病C1型で神経症状のある患者14例を対象に試験を行った。 被検者は、HPβCDの開始投与量が50mg/月(3例)、200mg/月(3例)、300mg/月(3例)、400mg/月(3例)、900mg/月(2例)の髄腔内投与を受ける群に非無作為に順次分類された。 HPβCD治療開始1年間で、2例がgrade 1毒性のため1回の投与(2ヵ月目)を中断したものの、被験者14例全員について、12ヵ月時点の評価を行った。12~18ヵ月では、1例が原発性肝細胞がんのため17ヵ月で投与を中止。また1例が、ケア提供者の苦痛から、2回の投与(14、15ヵ月目)について中断した。さらに1例が乳様突起炎で1回の投与(18ヵ月目)を中止した。18ヵ月時点での評価は11例について行った。 また、2013年12月~2014年6月にラッシュ大学医療センターでニーマンピック病C1型患者3例の被験者を登録して、2週ごとHPβCD投与について評価する検討を行った。被験者を非無作為に2群に分け、一方にはHPβCDの開始投与量を200mg/隔週(2例)で、もう一方には同400mg/隔週(1例)で髄腔内投与を行い、18ヵ月後に評価を行った(中断例なし)。 コレステロール値の変化の指標として、神経細胞コレステロール恒常性の指標である血漿24(S)-ヒドロコレステロール(24(S)-HC)値を測定した。症状の進行については、ニーマンピック病神経重症度スコア(NNSS)を用いて、同年代のHPβCD非投与のニーマンピック病C1型患者21例(対照群)と比較した。ニーマンピック病神経重症度スコアによる臨床症状の進行がHPβCD投与で遅延 血漿24(S)-HC値のROC曲線下面積は、HPβCDを900mgまたは1,200mg投与後に対照群と比較して有意に増加した(p=0.0063、p=0.0037)。また、3例の患者は、髄液24(S)-HC値が、HPβCDを600mgまたは900mg投与後に、約2倍に上昇した(p=0.0032)。 薬剤関連の重篤な有害事象は認められなかった。有害事象として予測されていた中間~高周波の聴力損失は全被験者で認められたが、補聴器を使うことで日常コミュニケーションに支障はなかった。 臨床症状に関する総ニーマンピック病神経重症度スコアは、対照群は年間2.92点の増加だったのに対し、HPβCDを投与した14例の増加は年間1.22点にとどまった(p=0.0002)。具体的には、歩行(p=0.0622)、認知(p=0.0040)、言語(p=0.0423)の項目で障害進行の遅延が確認された。

1986.

認知スペクトラム障害、入院患者の有病率と死亡率

 入院中の高齢者では、さまざまな認知機能障害が一般的にみられるが、これまでの研究では高度に選択された群の単一条件に焦点を当てており、アウトカムとの関連性を調査することはまれであった。英国・スターリング大学のEmma L. Reynish氏らは、65歳以上の救急入院患者を対象とした大規模で非選択的なコホート研究において、認知機能障害の有病率およびアウトカムを調査した。BMC medicine誌2017年7月27日号の報告。 対象は、2012年1月~2013年6月までに総合病院急性期病棟へ入院し、構造化された専門看護師による評価を受けた65歳以上の患者1万14例。せん妄、既知の認知症、Abbreviated Mental Test(AMT)スコア10点中8点未満の組み合わせを「認知スペクトラム障害(CSD)」と定義した。入院期間、死亡率、再入院に関するデータとアウトカムとの関連性を検討した。 主な結果は以下のとおり。・CSDは、65歳以上の全入院患者の38.5%で認められ、85歳以上では半数以上であった。・内訳は、せん妄のみ16.7%、既知の認知症に併発したせん妄7.9%、既知の認知症のみ9.4%、不特定の認知機能障害(AMTスコア8点未満、せん妄なし、既知の認知症なし)4.5%であった。・認知症患者の45.8%は、せん妄を併発していた。・CSD患者は、非CSD患者と比較し、アウトカムが悪化していた(入院期間:25.0日 vs.11.8日、30日死亡率:13.6% vs.9.0%、1年死亡率:40.0% vs.26.0%、1年死亡または再入院:62.4% vs.51.5%、いずれもp<0.01)。・CSDタイプによる差は比較的小さかったが、認知症にせん妄を併発した患者では入院期間が最も長く、認知症患者の1年死亡率は最も高かった。 著者らは「CSDは高齢入院患者では一般的に認められ、アウトカムの悪化とかなり関連しており、CSDのタイプによる差はほとんどない。医療システムは、医療における緊急事態とみなされたCSD高齢患者のケア手法を体系的に検討し開発すべきであり、認知症もしくはせん妄だけといったような特定の症状にのみ焦点を当てることは避けるべきである」としている。■関連記事せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているかせん妄ケアの重要性、死亡率への影響を検証アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価

1987.

SAVR後の脳卒中予防、脳塞栓保護デバイスは有用か/JAMA

 外科的大動脈弁置換術(SAVR)における虚血性中枢神経系損傷の減少に対する、脳塞栓保護デバイスの有効性と安全性を検証した無作為化臨床試験の結果を、米国・Baylor Scott & White HealthのMichael J. Mack氏らが報告した。SAVR施行患者において、脳塞栓保護デバイスは標準的な大動脈カニューレと比較し、7日後の脳梗塞リスクを有意に減少するには至らなかったものの、著者は、「せん妄の減少、認知機能、症候性脳卒中に有用である可能性が示唆され、大規模臨床試験で長期追跡調査を実施するに値する」とまとめている。脳卒中はSAVRの重大な合併症で、脳塞栓保護デバイスの意義について、より厳密なデータが求められている。JAMA誌2017年8月8日号掲載の報告。吸引型デバイス/大動脈内フィルター使用と、標準的な大動脈カニューレを比較 研究グループは、2015年3月~2016年7月、北米の18施設において、SAVR施行予定の石灰化大動脈弁狭窄症患者383例(平均年齢73.9歳、女性38.4%)を、SAVR施行時、脳塞栓保護デバイス使用群(吸引型デバイス群118例、大動脈内フィルター群133例)または標準的な大動脈カニューレ使用群(対照群132例)に無作為に割り付けた(試験完遂368例[96.1%]、追跡調査終了2016年12月)。 主要エンドポイントは、術後7日(±3日)時での臨床的/画像的脳梗塞の発生、副次エンドポイントは、術後30日以内の死亡・臨床的虚血性脳卒中・急性腎障害の複合エンドポイント、せん妄、死亡、重篤な有害事象、神経認知機能などであった。 なお試験は開始当初、大動脈内フィルター群と対照群の2群であったが、開始6週後に吸引型デバイスが臨床使用可能となったことから、その後は3群に割り付けることにプロトコルが変更された。したがって、統計解析ではintention-to-treat χ2検定により、デバイス別に対照群と比較した。SAVR後7日の脳梗塞無発生率、脳塞栓保護デバイスと対照とで有意差なし 主要エンドポイントの術後7日間の臨床的/画像的脳梗塞の無発生率は、吸引型デバイス群32.0% vs.対照群33.3%(群間差:-1.3%、95%信頼区間[CI]:-13.8~11.2)、大動脈内フィルター群25.6% vs.対照群32.4%(群間差:-6.9%、95%CI:-17.9~4.2)で有意差は確認されなかった。 副次エンドポイントの術後30日以内の複合エンドポイントの発生率も、吸引型デバイス群21.4% vs.対照群24.2%(群間差:-2.8%、95%CI:-13.5~7.9)、大動脈内フィルター群33.3% vs.対照群23.7%(群間差:9.7%、95%CI:-1.2~20.5)で、いずれの比較群間とも有意差は確認されなかった。個別にみても、死亡率(吸引型デバイス群3.4% vs.対照群1.7%、大動脈内フィルター群2.3% vs.対照群1.5%)、臨床的脳卒中(吸引型デバイス群5.1% vs.対照群5.8%、大動脈内フィルター群8.3% vs.対照群6.1%)とも比較群間で有意差はなかった。 また、術後7日目のせん妄発生率は、吸引型デバイス群6.3% vs.対照群15.3%(群間差:-9.1%、95%CI:-17.1~-1.0、p=0.03)、大動脈内フィルター群8.1% vs.対照群15.6%(群間差:-7.4%、95%CI:-15.5~0.6、p=0.07)であった。 術後90日までの重篤な有害事象の発現率および死亡率は、すべての群で有意差は確認されなかったが、大動脈内フィルター群では対照群と比較し急性腎障害(14 vs.4例、p=0.02)および不整脈(57 vs.30例、p=0.004)が有意に多かった。 なお、著者は研究の限界として、術後7日の評価には術中塞栓と関連しない脳梗塞が含まれた可能性があることなどを挙げているほか、本試験は2種類の脳塞栓保護デバイスを直接比較したものではない点に留意が必要としている。

1988.

認知症患者、PPIで肺炎リスクが9割上昇

 台湾・中山医学大学のSai-Wai Ho氏らの後ろ向きコホート研究により、認知症患者においてプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用により肺炎発症リスクが89%上昇したことが報告された。Journal of the American Geriatrics Society誌2017年7月号に掲載。PPI使用群で肺炎の発症率が高かった 著者らは、台湾国民健康保険研究データベースを用いて、新規にPPIを使用した認知症患者786例およびこれらの患者とマッチさせた PPI使用のない認知症患者786例について肺炎の発症を調べた。肺炎リスクはCox比例ハザードモデルを用いて推定し、defined daily dosage(DDD:成人の想定平均1日用量)を用いて、PPIの累積用量-反応関係を評価した。 PPIを使用した認知症患者の肺炎の発症を調べた主な結果は以下のとおり。・肺炎の発症率はPPI使用群で高かった(調整ハザード比[HR]:1.89、95%CI:1.51~2.37)。・Coxモデル解析により、以下の因子が肺炎の独立した危険因子であることが示された。 年齢(調整HR:1.05、95%CI:1.03~1.06) 男性(調整HR:1.57、95%CI:1.25~1.98) 脳血管疾患の既往(調整HR:1.30、95%CI:1.04~1.62) 慢性呼吸器疾患(調整HR:1.39、95%CI:1.09~1.76) うっ血性心不全(調整HR:1.54、95%CI:1.11~2.13) 糖尿病(調整HR:1.54、95%CI:1.22~1.95) 抗精神病薬の使用(調整HR:1.29、95%CI:1.03~1.61)・コリンエステラーゼ阻害薬およびH2受容体拮抗薬の使用は、肺炎リスクを減少させることが示された。

1989.

GLP-1製剤、パーキンソン病の運動機能を改善/Lancet

 GLP-1受容体作動薬エキセナチドを中等度のパーキンソン病患者に投与すると、運動機能が改善する可能性があることが判明した。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのDilan Athauda氏らが、62例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年8月3日号で発表した。エキセナチド2mgを48週間投与、60週後の運動機能変化を比較 Athauda氏らは2014年6月18日~2015年3月13日にかけて、25~75歳の中等度パーキンソン病の患者62例を無作為に2群に分け、通常服用している薬に加え、一方にはエキセナチド2mgを(32例)、もう一方にはプラセボを(30例)、それぞれ週1回48週にわたり皮下投与した。その後、試験薬を中止し12週間のウォッシュアウト後(60週時点)に最終評価を行った。 被験者は、Queen Square Brain Bank基準で特発性パーキンソン病の診断を受け、ドーパミン療法によるウェアリング・オフ現象を伴い、治療下の症状はホーン・ヤール重症度分類で2.5以下だった。患者および研究者は、治療割り付けについてマスキングされていた。 主要アウトカムは、実質的に非薬物治療下と定義される時点(60週)で評価したベースライン(0週)からの、国際運動障害学会が作成したパーキンソン病統一スケール「MDS-UPDRS」の運動機能サブスケール・パート3の変化値に関する両群間の補正後差だった。エキセナチド群で運動機能サブスケールは1.0ポイント改善 有効性解析には、無作為化後の追跡評価を完遂したエキセナチド群31例、プラセボ群29例が含まれた。 0~60週時のMDS-UPDRS・パート3スコアの変化値は、エキセナチド群が-1.0点(95%信頼区間[CI]:-2.6~0.7)と改善を示したのに対し、プラセボ群は2.1点(同:-0.6~4.8)と悪化が示された。両群の補正後平均差は-3.5点(同:-6.7~-0.3、p=0.0318)で有意差が認められた。 有害事象は、注射部位反応と消化器症状の発現が両群で最も頻度が高かった。重篤な有害事象は、エキセナチド群で6件、プラセボ群では2件報告されたが、いずれも試験による介入とは関連がないと判断された。 なお結果について著者は、「エキセナチドの陽性効果は、投与期間を過ぎてからも示されたが、エキセナチドがパーキンソン病の病態生理に影響を及ぼすのか、それとも単に持続的な症候性の作用が引き起こされただけなのかは不明である」と述べ、長期の検討を行い、エキセナチドの日常的な症状への効果を調べる必要があるとしている。

1990.

認知症の根治療法研究、どの程度進んでいるか

 認知症の根治療法(disease modifying)は存在しない。また、認知症の根治療法アウトカムのコンセンサスも得られていない。英国・ロンドン大学のLucy Webster氏らは、軽度から中等度の認知症における根治療法研究の中核アウトカム測定に関する最初のエビデンスベースコンセンサスの作成を行った。PLOS ONE誌2017年6月29日号の報告。 根治療法介入は、根底にある病状を変化させることを目指す治療と定義した。軽度から中等度の認知症における根治療法の公表研究および継続中の研究について、電子データベースおよびこれまでのシステマティックレビューより調査した。参考文献2万2,918件より149件が抽出され、そのうち125件の研究から81件のアウトカム測定が得られた。試験対象者は、アルツハイマー病(AD)単独111件、ADおよび軽度認知障害8件、血管性認知症3件であった。測定された項目(認知機能、日常生活活動、生物学的マーカー、精神神経症状、QOL、全体)によりアウトカムを分類した。試験数と参加者数は、各アウトカムを用いて算出した。各アウトカムの心理測定法の特性を詳細に調査した。アルツハイマー病社会フォーカスグループを通じて、3都市における認知症者や家族介護者の意見を求めた。コンセンサス会議の出席者(認知症研究、根治治療、ハーモナイゼーション測定の専門家)は、これらの結果を用いてアウトカムのコアセットを決定した。 主な結果は以下のとおり。・推奨される中核アウトカムは、認知症の根本的欠損を認知することであり、根治療法や連続構造MRIにより示される。・認知機能は、MMSE(ミニメンタルステート検査)またはADAS-Cog(Alzheimer's Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale)で測定すべきである。・患者にとってMRIは任意である。・重要ではあるが根治療法にもかかわらず変化しない可能性のある非コアドメインを測定するための勧告を行った。・限界として、ほとんどの試験がADを対象としたものであり、特定の手段は、使用されなくなると考えられる。また、心理測定法の特性については1つのデータベースのみで検索を行っていた。 著者らは「本研究は、軽度から中等度の認知症における根治療法研究のアウトカム測定81件を特定した最初の研究である。この提言は、軽度から中等度の認知症における根治療法の設計、比較、メタ解析を容易にし、その価値を高める」としている。■関連記事1日1時間のウオーキングで認知症リスク低下:東北大認知症予防に柑橘類は効果的か:東北大脳トレーニングで認知症予防、認知機能低下リスクが20~30%減

1991.

脊髄性筋萎縮症患児の命を救う新薬登場

 バイオジェン・ジャパン株式会社は、脊髄性筋萎縮症治療薬ヌシネルセンナトリウム(商品名:スピンラザ髄注)のわが国での承認に寄せ、2017年7月19日、都内でメディアセミナーを開催した。 脊髄性筋萎縮症(SMA)は、進行性の運動ニューロンの脱落を特徴とする疾患で、筋萎縮や筋無力を引き起こす希少疾病である。とくに乳児の重症型では1歳まで生きることができないとされる。 セミナーでは、本症診療の概要とヌシネルセンナトリウムの特徴について解説が行われた。型で異なるSMAの臨床像 はじめに齋藤 加代子氏(東京女子医科大学附属遺伝子医療センター 所長・特任教授)が「脊髄性筋萎縮症の臨床・病態・治療」をテーマに講演を行った。 SMAは、脊髄前角細胞変性による筋萎縮と進行性筋力低下を特徴とする下位運動ニューロン病であり、I~IV型の4型に分類される。・I型(重症型)は、生後6ヵ月までに発症し、生涯呼吸器の補助が必要となる。臨床像としては、体が柔らかく、手・足・首がダランと垂れたり筋肉が萎縮する。成長後の最高到達運動機能では座位ができない。・II型(中間型)は、生後1歳6ヵ月までに発症し、生涯車椅子が必要となる。臨床像としては、痩せや食事ができない。筋肉の萎縮や背骨が曲がるなどがあるが、知性には問題はないとされる。成長後の最高到達運動機能では立位ができない。・III型(軽症型)は、生後1歳6ヵ月以降で発症し、次第に歩行が難しくなり思春期のころには車椅子が必要となる。臨床像としては、足がX脚で、閉じると不安定になる。体幹の筋肉が弱く、立位ではお腹を突き出す姿となる。成長後の最高到達運動機能では単独での立ち上がりや歩行ができない。・IV型(成人型)は、20歳以降で発症する。SMAの早期の診断で命を救う治療へ SMAの診断では、厚生労働省特定疾患調査研究班による診断基準が使用され、下位運動ニューロン症候、腱反射減弱から消失などの臨床所見、血清CK値が正常上限の10倍以下、筋電図で神経原性所見の認知などの検査所見、筋萎縮性側索硬化症などとの鑑別診断、SMN1遺伝子の欠失などの遺伝学的検査の4項目の総合的見地から診断される(難病や小児慢性疾患の認定でも使用される)。 治療としては、呼吸の維持・管理や栄養状態の管理、可動域の維持のための理学療法、脊柱固定術などの外科手術といった対症療法が行われる。とくに乳幼児では、排痰ができないために肺炎になりやすく、気管切開や人工呼吸器設置を含め呼吸管理は重要だという。 今回承認されたヌシネルセンナトリウムは、乳幼児型SMAに対して適応があり、完全に機能するSMNタンパク質の産生を増やすことで筋萎縮などの症状を抑えるものである。治療は、主に小児専門医(とくに小児神経専門医)が担うことになり、髄注という高度な手技が要求される治療薬であるが、髄液検査に習熟した医師であれば、手技は問題ないという。 最後に齋藤氏は、「本症の診断は比較的つきやすく、早く治療介入すれば、患児の生命を救うことができる。医師が早く本症を診断できることに期待したい」と抱負を述べ、レクチャーを終えた。ヌシネルセンナトリウムは髄注で投与 続いて、飛田公理氏(同社メディカル本部 希少疾患領域 部長)が、ヌシネルセンナトリウムの特徴を説明した。 本剤は、SMN2mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドで、完全長の機能性SMNタンパク質を増加させる特性を持つ。投与法は、腰椎穿刺により髄腔内の脳脊髄液に直接投与する。初回投与後、2週、4週、9週で投与し、以降は4ヵ月間隔で投与を継続する。国際共同第III相臨床試験(ENDEAR試験)では、乳児型SMA患児121例(うち日本人3例)で実施され、運動発達の目標(たとえば転がる、這う、立つなど)達成は対照群0%と比べ51%であった。また、生存率についても対照群61%に比べ84%と有意な臨床効果を有していたという。副作用については、11.3%に発現があったが重篤なものはなく、発熱、頻脈、貧血母斑などが報告されていた。 本剤の保険収載は、8月末ごろの予定。現在遅発型SMAについても申請に向け作業を進めている。■参考SMA特設サイト(バイオジェン・ジャパン株式会社提供)SMA患者登録システムSMART(SMARTコンソーシアム)

1992.

巨細胞性動脈炎の寛解維持にトシリズマブが有用/NEJM

 巨細胞性動脈炎患者において、26週間のprednisone漸減中にトシリズマブを毎週または隔週で投与した群は、26週間または52週間のprednisone漸減中にプラセボを投与した群と比較して、糖質コルチコイドなしでの寛解維持が優れていたことが示された。米国・マサチューセッツ総合病院のJohn H. Stone氏らが行った、糖質コルチコイド漸減中にインターロイキン-6受容体α阻害薬トシリズマブを投与することで、糖質コルチコイドなしで高率の寛解維持が可能かについて検討した、第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の1年間の結果で、NEJM誌2017年7月27日号で発表された。巨細胞性動脈炎の寛解維持に糖質コルチコイドは有用だが、長期に使用すると副作用が伴う。しかし、漸減すると再燃が生じるため糖質コルチコイド中断後も寛解維持可能な治療の登場が待たれている。26週間または52週間で漸減しプラセボ投与と比較 試験は50歳以上の巨細胞性動脈炎患者251例を、次の4群に2対1対1対1の割合で無作為に割り付けて行われた。26週間のprednisone漸減中に、(1)トシリズマブ(1回162mg)を毎週皮下投与する群、(2)同隔週皮下投与する群、(3)プラセボを投与する群、(4)52週間のprednisone漸減中にプラセボを投与する群。 主要アウトカムは、26週間のprednisone漸減中にプラセボを投与した群と比較した、両トシリズマブ投与群の52週時点の糖質コルチコイドなしでの寛解維持率とした。また、52週間のprednisone漸減中にプラセボを投与した群と比較した、両トシリズマブ投与群の寛解維持率を、主な副次アウトカムとした。 トシリズマブ隔週投与群に割り付けた1例が、試験薬の投与を受けなかったため、intention-to-treat集団および安全性集団には250例が包含された。52週間の試験を完遂したのは216例(86%)であった。毎週または隔週投与群ともプラセボ投与群より有意に寛解維持に優れる 52週時点の寛解維持率は、トシリズマブ毎週投与群56%、同隔週投与群53%であったのに対し、26週間のprednisone漸減中プラセボ投与群は14%(主要アウトカム、p<0.001)、52週間のprednisone漸減中プラセボ投与群は18%であった(主な副次アウトカム、p<0.001)。 52週間のprednisoneの累積用量中央値は、両トシリズマブ群が1,862mgであったのに対し、26週間のprednisone漸減中プラセボ投与群は3,296mg(両群間比較のp<0.001)、52週間のprednisone漸減中プラセボ投与群は3,818mg(両群間比較のp<0.001)であった。 重篤な有害事象の発生頻度は、トシリズマブ毎週投与群で15%、同隔週投与群で14%、26週間のprednisone漸減中プラセボ投与群22%、52週間のprednisone漸減中プラセボ投与群は25%であった。なお、トシリズマブ隔週投与群の1例で前部虚血性視神経症の発症が報告された。 これらの結果を踏まえて著者は、「さらなる追跡調査を行い、トシリズマブによる寛解の持続性と安全性を確定する必要がある」とまとめている。

1993.

中年期のBMIと認知症リスク~59万人のメタ解析

 スイス・ジュネーブ大学のEmiliano Albanese氏らが、中年期のBMIと認知症との関連について、相反する19研究における約59万人のメタ解析を行った結果、中年期の肥満が認知症リスクを増加させることが示された。一方、低体重と認知症との関連性は依然として議論の余地があるとしている。Alzheimer's & dementia誌2017年6月20日号に掲載。 本研究では、標準的なデータベースを検索し、中年期の低体重・過体重・肥満と認知症リスクに関する集団ベースの前向き研究を特定した。ランダム効果メタ解析および調整相対リスク(RR)推定値のメタ回帰を行い、研究間の異質性を調査した。 主な結果は以下のとおり。・19研究において最大42年間追跡調査された58万9,649人の参加者(2,040人が認知症を発症)を評価した。・中年期(35~65歳)の肥満(BMI≧30)が晩年の認知症と関連していた(RR:1.33、95%CI:1.08~1.63)が、過体重(25<BMI<30)は関連していなかった(RR:1.07、95%CI:0.96~1.20)。・中年期の低体重との関連(RR:1.39、95%CI:1.13~1.70)は、残存交絡(メタ回帰によるp=0.004)、選択バイアス(p=0.046)、情報バイアス(p=0.007)により引き起こされた可能性がある。

1994.

アメフト経験者の約9割に慢性外傷性脳症/JAMA

 あらゆるプレーレベルの経験者を含む、亡くなった元アメリカンフットボール選手の脳検体202例を調べたところ、その87%で慢性外傷性脳症(CTE)の神経病理学的所見が確認されたことが報告された。とくに元ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)選手の脳検体111例では99%にCTEが認められたという。米国・ボストン大学のJesse Mez氏らによる報告で、JAMA誌2017年7月25日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「CTEがフットボールを経験したことに関係していることが示唆された」と述べている。頭部外傷歴や臨床症状についても聞き取り調査 研究グループは、202例の死亡した元アメリカンフットボール選手から提供された脳検体を用いた症例集積研究を行った。神経病理学的評価を行うとともに、選手時代のことを知る情報提供者に、研究目的を知らせずに電話で聞き取り調査を行い、頭部外傷歴などの臨床的評価も行った。また、オンラインアンケートで競技歴および軍歴を確認した。被験者は、様々なプレーレベルの元選手を含んでいた。 CTEなどの神経変性疾患の病理学的診断、および情報提供者から得られた競技歴、2014年以降の死亡例については、生前の行動学的症状、心的症状、認知症状、および認知症など臨床的症状を調べた。CTEは規定の診断基準に基づき、神経病理学的重症度(ステージI~IV、もしくは軽度[ステージI/II]または重度[ステージIII/IV]の二分)の評価を行った。重度CTEは元大学・セミプロ選手で56%、元プロ選手は86% 被験者202例の死亡時年齢の中央値は66歳(四分位範囲:47~76)だった。プレーレベル別の内訳は、高校入学前2例、高校14例、大学53例、セミプロ14例、カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)8例、NFL 111例。 神経病理学的にCTEが認められたのは177例(87%)で、死亡時年齢中央値は67歳(四分位範囲:52~77)、平均選手歴年は15.1年(SD 5.2)だった。また、177例のうち元NFL選手は110例で認められ、調査対象の元NFL選手被験者111例の99%を占めた。元高校入学前選手ではCTEが認められなかったが(0例)、元高校選手では21%(3例)、元大学選手は91%(48例)、元セミプロ選手64%(9例)、元CFL選手88%(7例)でそれぞれ認められた。 CTEの神経病理学的重症度について、元大学選手56%(27例)、元セミプロ選手56%(5例)、元プロ選手86%(101例)で重度と判定された。 また、軽度CTEと判定された27例のうち、行動学的症状、心的症状のいずれかまたは両方が認められたのは96%(26例)、認知症状は85%(23例)で、また認知症の兆候が認められたのは33%(9例)だった。一方、重度CTEと判定された84例のうち、行動学的症状、心的症状のいずれかまたは両方があったのは89%(75例)、認知症状は95%(80例)で、認知症の兆候が認められたのは85%(71例)だった。

1995.

悪性黒色腫とパーキンソン病、相互に発症リスク高

 米国・メイヨークリニックのLauren A. Dalvin氏らは、ロチェスター疫学プロジェクト(Rochester Epidemiology Project:REP)のデータを解析し、悪性黒色腫(皮膚および結膜、ブドウ膜)患者はパーキンソン病(PD)の、PD患者は悪性黒色腫の発症リスクが高く、両者に関連があることを明らかにした。著者は、「さらなる研究が必要であるが、今回の結果に基づき医師は、悪性黒色腫患者にはPDのリスクについてカウンセリングを行い、PD患者に対しては皮膚および眼の悪性黒色腫についてサーベイランスを行うことを検討すべきだろう」とまとめている。Mayo Clinic Proceedings誌2017年7月号掲載の報告。 研究グループは、REPのデータを用いて次の2つの解析(フェーズ1、フェーズ2)を行った。 フェーズ1は、1976年1月1日~2013年12月31日におけるミネソタ州オルムステッド郡のPD患者、および同患者1例当たりのマッチング対照3例を特定し、JMP統計ソフトウェアを用いたロジスティック回帰分析により、先行して悪性黒色腫を有するリスクをPD患者と対照とで比較した。 フェーズ2は、1976年1月1日~2014年12月31日におけるすべての悪性黒色腫患者と、同患者1例当たりのマッチング対照1例を特定し、Cox比例ハザードモデルにてインデックス日以降のPD発症リスクについて対照と比較するとともに、カプランマイヤー法によりPDの35年累積発症リスクを算出した。さらに、Cox比例ハザードモデルを用い、悪性黒色腫患者における転移性悪性黒色腫による死亡のリスクを、PDの有無で比較した。 主な結果は以下のとおり。・フェーズ1解析において、PD患者は対照と比較し、先行して悪性黒色腫を有するリスクが3.8倍高かった(95%信頼区間[CI]:2.1~6.8、p<0.001)。・フェーズ2解析において、悪性黒色腫患者は、PDの発症リスクが4.2倍高かった(95%CI:2.0~8.8、p<0.001)。・カプランマイヤー法によるPDの35年累積発症率は、悪性黒色腫患者11.8%、対照2.6%で、悪性黒色腫患者で高かった(p<0.001)。・転移性悪性黒色腫による死亡の相対リスクは、PDを有していない悪性黒色腫患者が、PDを有する悪性黒色腫患者と比較して10.5倍高かった(95%CI:1.5~72.2、p=0.02)。

1996.

atalurenはデュシェンヌ型筋ジスに有用か?/Lancet

 ジストロフィン遺伝子にナンセンス変異を認めるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)患者(7~16歳男児)に対する、ataluren治療の有効性と安全性を評価する第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果が発表された。主要エンドポイントとした6分間歩行(6MWD)のベースラインからの変化について、intention-to-treat(ITT)集団および事前規定サブグループのうちベースラインの6MWDが300m未満群または400m以上群においては、ataluren群とプラセボ群で有意差は示されなかったが、同300m以上400m未満群ではataluren群の有意な改善が記録されたという。米国・カリフォルニア大学デービス校のCraig M. McDonald氏らによる検討で、結果はLancet誌オンライン版2017年7月17日号で発表された。atalurenの有効性と安全性をナンセンス変異を有する男児で評価 DMDは、重篤な進行性の稀少神経筋疾患であり、X連鎖性の遺伝性疾患である。疾患の基礎を成すのはジストロフィン蛋白の欠如で、その産生を回復するための変異遺伝子に特異的な治療法の開発が進められている。atalurenは、ナンセンス変異のリードスルーを促進することでジストロフィン遺伝子機能をフルレンジさせる作用を有し、これまでの第IIa、IIb臨床試験でその薬効について有望視される所見が示されていた。2014年には欧州医薬品庁が、5歳以上のDMD患者の治療薬として条件付き承認をしている。 研究グループは、約10~15%のDMD患者にみられるナンセンス変異を有する男児を対象に、外来設定でのatalurenの有効性と安全性を評価した。試験は北米、欧州、アジア太平洋地域、中南米から18ヵ国54施設が参加して行われた。 被験者は、ナンセンス変異を有する7~16歳、ベースライン6MWDが150m以上、身長が年齢予測標準値の80%以下であるDMD男児。1対1の割合で無作為にatalurenを1日3回(40mg/kg/日)経口投与する群もしくは適合プラセボ群に割り付け追跡評価を行った。割り付けについては、患者、保護・介護者、施設関係者、製剤製造元社員ほかすべての試験関係者に対して、データベースをロックするまでマスキングがされていた。 主要エンドポイントは、ベースラインから48週までの6MWDの変化で、intention to treatで評価した。また、主要エンドポイントについて、事前規定のサブグループについても解析を行い、その結果が疾患進行の1年予測率と関連するかについても評価した。ataluren群は300m以上400m未満群でのみ有意な改善 2013年3月26日~2014年8月26日に、230例がataluren投与群(115例)またはプラセボ群(115例)に無作為に割り付けられた。intention-to-treat集団は228例であった。 ベースライン~48週の6MWDの変化の最小二乗平均値は、ataluren群-47.7m(SE:9.3)、プラセボ群-60.7m(SE:9.3)であった(差:13.0m[SE:10.4]、95%信頼区間[CI]-7.4~33.4、p=0.213)。 事前規定のサブグループについて、同変化値のataluren群とプラセボ群の差は、ベースライン6MWDが300m未満群では-7.7m(SE:24.1、95%CI:-54.9~39.5、p=0.749)、ベースライン6MWDが300m以上400m未満群では42.9m(同15.9、11.8~74.0、p=0.007)、ベースライン6MWDが400m以上群では-9.5m(17.2、-43.2~24.2、p=0.580)であった。 atalurenの忍容性は概して良好で、治療で発現した有害事象の大半は軽度~中等度のものであった。重篤な有害事象は8例(各群4例、3%)で報告されたが、プラセボ群での報告1例(おそらく治療に関連があると考えられる肝機能の異常)を除き、治療とは無関係と考えられるものであった。 なお、atalurenによる有意な改善が認められたサブグループ群のベースライン6MWD値(300m以上400m未満)は、1年間の予測される疾患進行がより低いこととの関連が認められ、著者は、「この所見は、今後の6MWDをエンドポイントとしたDMD試験のデザインに影響を及ぼすものと考えられる」と述べている。

1997.

急性脳卒中後の頭位、仰臥位 vs.頭部挙上のアウトカムを検討(中川原 譲二 氏)-703

 急性脳卒中後の頭位について、仰臥位は脳血流の改善に寄与するが、一方で誤嚥性肺炎のリスクを高めるため、臨床現場ではさまざまな頭位がとられている。オーストラリア・George Institute for Global HealthのCraig S. Anderson氏らは、急性虚血性脳卒中患者のアウトカムが、脳灌流を増加させる仰臥位(背部は水平で顔は上向き)にすることで改善するかどうかを検討したHead Positioning in Acute Stroke Trial(HeadPoST研究)の結果を結果をNEJM誌2017年6月22日号で報告した。9ヵ国の急性脳卒中患者約1万1,000例を対象に検討 HeadPoST研究は、9ヵ国(英国、オーストラリア、中国、台湾、インド、スリランカ、チリ、ブラジル、コロンビア)で、実用的なクラスター無作為化クロスオーバー試験として実施された。18歳以上の脳内出血(クモ膜下出血を除く)を含む急性脳卒中患者1万1,093例(85%が虚血性脳卒中)を登録し、仰臥位で治療を行う群(仰臥位群)と、頭部を30度以上挙上し上体を起こした姿勢で治療を行う群(頭部挙上群)のいずれかに、入院施設単位で無作為に割り付けた。指定された体位は、入院直後に開始し24時間続けられた。主要アウトカムは90日後の機能障害の程度で、修正Rankinスケール(mRSスコアの範囲:0~6、スコアが高いほど障害の程度が大きく、6は死亡)を用いて評価した。頭位の違いで、アウトカムや有害事象には有意差はなかった 脳卒中発症から割り付け指定の頭位を開始するまでの時間の中央値は、14時間であった(四分位範囲:5~35時間)。仰臥位群は、頭部挙上群より24時間の頭位維持率が有意に低かった(87% vs.95%、p<0.001)。一方で、酸素飽和度や血圧、他の治療管理面について、両群間に有意差は確認されなかった。比例オッズモデルによる検討で、両群の90日後のmRSスコアの分布は同等であった(仰臥位群の頭部挙上群に対するmRSスコア分布差の未補正オッズ比:1.01、95%信頼区間:0.92~1.10、p=0.84)。90日以内の死亡率は、仰臥位群7.3%、頭部挙上群7.4%であった(p=0.83)。重篤な有害事象の発現率も、それぞれ14.3%、13.5%、肺炎は3.1%、3.4%で、両群間で有意差は認められなかった。急性脳卒中後の頭部挙上は、脳虚血リスクを増大しないことを示唆 本研究では、急性脳卒中後の患者の頭位を、24時間仰臥位とした場合と24時間30度以上の頭部挙上とした場合では、アウトカムには有意差は認められなかった。著者らは、急性の虚血性脳卒中患者では、脳血流の自動調節能が消失しており、頭部挙上で脳灌流圧の低下が生じると脳虚血リスクが増大するため、仰臥位のほうが脳血流の改善が得られるとして、この研究を始めたと考えられる。しかし、頭部挙上で脳灌流圧の低下が生じるとすることには大きな疑問がある。脳灌流圧は、動脈圧(全身平均血圧)-静脈圧(=頭蓋内圧)で表され、頭部挙上による動脈圧の低下は比較的軽度であるとともに、同時に頭蓋内圧の低下が生じることから、脳灌流圧の低下はそれほど問題にはならない。本研究結果は、急性脳卒中後の頭部挙上は、脳虚血リスクを増大させないことを示唆している。過度な全身血圧の下降がない限り、急性期の頭部挙上、坐位の保持は容認される。 また、著者らは、本研究で肺炎の発現率が低かったことについて、挿管中などのハイリスク患者が除外されたことや、嚥下障害のスクリーニングプロトコルが使用されたことなどを挙げている。しかし、発症後24時間の仰臥位の維持は、早期離床と急性期リハビリを推奨する最近の急性期脳卒中患者の全身管理のコンセプトに相応しくない。

1998.

高齢者の運転能力、認知機能の影響

 健常高齢者、軽度認知障害(MCI)の高齢患者、アルツハイマー病(AD)の高齢患者における、自己規制した運転習慣に対する特定の認知機能の影響について、オーストリア・インスブルック医科大学のIlsemarie Kurzthaler氏らが検討を行った。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2017年6月22日号の報告。 対象は、認知機能が正常な対照群35例、MCI患者10例、AD患者16例。すべての対象者は、神経心理学的検査、運転習慣および運転パターンの自己評価アンケートを行った。 主な結果は以下のとおり。・困難な運転条件において、MCI患者またはAD患者は、対照群と比較し、自己規制した運転が有意に多かった(エフェクトサイズd:1.06、p=0.007)。・順序回帰分析では、実行機能および反応の欠損(p=0.002)が、記憶機能の欠損(p=0.570)よりも運転規制に強い影響を及ぼすことが認められた。・本データでは、軽度~中等度のAD患者の40%が、困難な条件で依然として運転を行っていた。 著者らは「本結果より、高齢者は代償的戦略と同様に、自発的に運転規制を行っていることが示唆された。これらの規制は、主に実行機能の分野おいて認知機能低下とともに増加するが、MCIからADに進行した患者においては変化しない」としている。■関連記事認知症ドライバーの運転停止を促すためには認知症ドライバーの通報規定、どう考えますか認知症ドライバーの運転能力、どう判断すべきか

1999.

アルツハイマー型認知症のセントラルドグマ(解説:岡村 毅 氏)-699

 アミロイドが蓄積した無症候高齢者では、将来の認知機能低下が起きやすいことが報告された。将来MMSE得点は低下し、CDRのSum of Boxesは上昇し、ロジカルメモリも低下し、MCIへの進展も多く、FDG-PETでの代謝異常が進行し、海馬は萎縮し、脳室が拡大する。神経学の、そして人類の歴史において重要な論文である。 少し知識のある人は、そんなことは当たり前だろうと思うかもしれない。教科書を見るとアルツハイマー型認知症とは、脳にアミロイドやタウがたまり、神経細胞が破壊され、もの忘れをはじめとする認知機能の低下が起こる病気だと書いてある。もう少し詳しい教科書を見ると、アミロイドがたまり、タウが現れ、軽微な脳萎縮が出てきてから、ようやく認知機能低下が始まり、最後に生活に支障が生じるという「アミロイド・カスケード仮説」が説明されている。これこそがアルツハイマー型認知症のセントラルドグマである。 このセントラルドグマはどうやってできたのだろうか。亡くなった方の脳の研究において、後頭葉や側頭葉内側面から出現したアミロイドプラークが病気の進行とともに広がってゆくさまがBraakによってすでに示されている。生きている人についてはわからないが、このことが傍証だったわけである。またアミロイドが脳内でたまることで髄液に出てくるアミロイドβ42が減少したり、その後タウが髄液中で増えたりといった変化も傍証と言えよう。あくまで仮説だったのだ。 生体内でアミロイドの可視化ができるようになり、米国では2005年から2010年にかけてADNI(Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative)研究が行われた。セントラルドグマが検証されたのである。臨床家、画像研究者、病理学者、遺伝研究者、統計学者、そして心理学者が多施設で一体となり難しい観察研究を遂行しきった、その結果が本論文である。米国の底力を感じるのは私だけではあるまい。 こうしたカスケードがわかれば、アミロイドを生成しないようにすればアルツハイマー型認知症は早くも根治できると考えるのが自然であろう。しかし、開発は失敗に次ぐ失敗である。アミロイドじゃない、タウが重要だという向きもあるが、しょせん下流の現象である。もっと厳密に、もっと早期から、介入しなければならないのだ。2011年のNational Institute on Aging-Alzheimer’s Association(NIAAA)による新たな診断基準のすごい所は、preclinical期のADを細かく病期分類しようとしていることである。科学者たちは、より早期へと時をさかのぼっているのである。 ある著名な神経学者は「病気になってからアミロイドを除去するのでは、牛が逃げて行ってしまってから、牛小屋のドアを閉めるようなものだ」と述べている。何とも米国的な例えだが、いつかわれわれは、牛が出て行く前に牛小屋に鍵をかけることが可能になるのであろうか?

2000.

2040年、英国の認知症者数は120万人/BMJ

 英国の将来的な認知症者は、どれぐらいになるのか。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのSara Ahmadi-Abhari氏らが、2002年以降の発症傾向を基にしたモデル研究で推算し、2040年には2016年現在よりも57%増しの120万人になるとの予測を発表した。最大では190万人に達する可能性もあるという。これまでに英国アルツハイマー病協会が、「年齢特異的認知症有病率が一定のままならば、2050年に英国の認知症者数は170万人超になるだろう」と予測をしている。一方で、英国、オランダおよび米国の研究で、認知症の発症率が減少傾向にあることが示され、研究グループは、動的モデリングアプローチにて将来の認知症の有病率を予測する検討を行った。BMJ誌2017年7月5日号掲載の報告。認知症発症率の経年傾向を推算し、Markovモデルを作成して有病率を予測 研究グループは、イングランドおよびウェールズの一般成人集団から参加者を募り、2002~13年の間に6回にわたってEnglish Longitudinal Study of Ageing(ELSA)研究を行った。初回ELSA(2002~03年)は1998~2001年の英国健康サーベイの参加者から募集し、男女計1万2,099例が参加した(参加率67%)。その中には50歳以上1万1,392例、同居カップル707組が含まれていた。対象集団の代表性を維持するために、その後、第3回(2006~07年、50~55歳)、第4回(2008~09年、50~74歳)、第6回(2012~13年、50~55歳)に健康で元気な参加者をそれぞれ募集。全解析には第1~6回研究参加者計1万7,906例が組み込まれた。 縦断的およびtime-to-eventデータをELSAデータと組み合わせ、追跡不能となった参加者によるバイアスを修正して、認知症発症率の経年傾向を推算した。また、Markov確率モデルIMPACT-BAM(IMPACT-Better Ageing Model)を作成し、将来の認知症有病率を予測した。IMPACT-BAMは、35歳以上集団の、心血管疾患、認知および機能障害、認知症のそれぞれの状態による死亡までの移行をモデル化したもので、認知症有病率を予測すると同時に、平均余命延長、死亡率や心血管疾患の発生率の変化によりもたらされる影響を受けて増大する集団を示すことが可能であった。発症率の低下がない場合は2040年に190万人以上 ELSAにおいて、2010年の50歳以上の認知症発症率は、男性が14.3/1,000人年、女性が17.0/1,000人年であった。認知症発症率は、2002~13年に各年相対率で2.7%(95%信頼区間[CI]:2.4~2.9)ずつ減少していた。 IMPACT-BAM用いた分析で、2016年のイングランドおよびウェールズにおける認知症者数は、約76万7,000人(95%不確定性区間[uncertainty interval:UI]:73万5,000~79万7,000)であった。認知症者数は、発症率および年齢特異的有病率の減少にもかかわらず、2020年には87万2,000人、2030年には109万2,000人、2040年には120万5,000人になると示された。 発症率の低下がない場合の感度解析では、将来の認知症者数はより大規模になり、2040年の認知症者は190万人以上になると予想された。

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