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仕事のストレスとベンゾジアゼピン長期使用リスクとの関連

 ストレスを伴う仕事とベンゾジアゼピン長期使用との関連について、フランス・パリ第5大学のGuillaume Airagnes氏らが調査を行った。American Journal of Public Health誌オンライン版2018年11月29日号の報告。 フランスの人口ベースCONSTANCESコホートへ2012~16年に参加した男性1万3,934例、女性1万9,261例を対象に、日々の仕事を調査し、ストレス頻度の評価を行った。ベンゾジアゼピン長期使用は、drug reimbursement administrativeレジストリを用いて検討を行った。ベンゾジアゼピン長期使用のオッズ比(OR)の算出には、性別で層別化し、年齢、教育、地理的剥奪指標(area deprivation index)で調整し、ロジスティック回帰を行った。職業グレード、職場ストレス、うつ病、健康状態自己評価、アルコール使用障害を、追加の層別化変数とした。 主な結果は以下のとおり。・ベンゾジアゼピン長期使用は、ストレス曝露と正の相関が認められた。高ストレス群(しばしば/いつも)vs.低ストレス群(まれに/まったく)のORは、男性で2.2(95%信頼区間[CI]:1.8~2.8)、女性で1.6(95%CI:1.4~1.9)であり、用量依存性が認められた(傾向p<0.001)。・調整後や他の個人的または環境的脆弱性因子を有さないサブグループ解析においても、同様の結果が得られた。 著者らは「ストレスの多い仕事は、ベンゾジアゼピン長期使用リスクを高める。ベンゾジアゼピン長期使用による負荷の低減を目的とした予防プログラムは、このような特定集団において有益であろう」としている。■関連記事ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は重度のストレスやうつ病からの復職に効果的なリハビリはストレスやうつ病に対する朝食の質の重要性

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加齢黄斑変性、酸化LDLと関連なし

 血清中の酸化低密度リポタンパク質(酸化LDL)は、加齢黄斑変性(AMD)の発症または悪化において統計学的に有意な関連は認められないことが示された。米国・ウィスコンシン大学マディソン校のRonald Klein氏らが、ビーバーダム眼研究(BDES:Beaver Dam Eye Study)のデータを解析、報告した。Ophthalmology誌オンライン版2018年12月17日号掲載の報告。 BDESは、1988年にウィスコンシン州ビーバーダム市在住の43~84歳の住民を対象とする前向き観察研究として開始された。研究グループは、血清中の酸化LDLとAMDとの関連を調べる目的で、BDESにおいて1988~2016年に約5年間隔で行われた6回の調査期のうち1回以上の調査期に診察を受けた4,972例から、50%(2,468例)を無作為に抽出し、各調査期に保管された凍結検体についてELISA法を用いて酸化LDLを測定した。1人が複数回の調査期に診察を受けているため、合計6,586件の結果が含まれている。 AMDはWisconsin Age-related Maculopathy Grading Systemにより評価し、重症度を5段階に分類して調査した。あらゆるAMDや後期AMDの発生率、および25年にわたるAMDの悪化・改善など、AMDの推移と酸化LDLとの関連を、Multi-State Markov(MSM)modelを用いて同時解析した。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインにおける酸化LDL値(平均±SD)は、75.3±23.1U/Lであった。・年齢、性別、ARMS2と補体H因子(CFH)の対立遺伝子、および調査期で補正すると、調査期間初期の酸化LDLは、あらゆるAMDの発生率において統計学的に有意な関連は認められなかった(酸化LDL 10U/L当たりのハザード比[HR]:1.03、95%信頼区間[CI]:0.98~1.09)。・酸化LDLは単独で、AMD重症度の悪化や、後期AMDの発生率とも関連を認めなかった。・スタチン使用歴、喫煙状況、BMIおよび心血管疾患既往歴に関して補正後も、酸化LDLは、あらゆるAMDの発生率あるいはAMDの悪化と関連を認めないままだった。

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肥大型閉塞性心筋症へのアルコール中隔アブレーションの長期成績【Dr.河田pick up】

アルコールによる中隔アブレーションは安全か? 症候性の肥大型閉塞性心筋症(HOCM)患者に対する非薬物療法としては、外科的中隔心筋切除術とアルコールによる中隔アブレーション(経皮的中隔心筋焼灼術;PTSMA)が挙げられる。外科的中隔心筋切除術はPTSMAに比べて成功率が高く、効果が現れるのも早い。一方PTSMAは開心術に比べると低侵襲ではあるが、冠動脈解離、房室ブロックや心室性不整脈を起こす可能性があり、若年者では外科的中隔心筋切除術のほうが好まれる。しかしながら、PTSMA後の長期的な効果や成績に関する報告は少ない。症例数が豊富なドイツのグループから、PTSMA後の長期成績が報告された。Angelika Batzner氏らによるJournal of American College of Cardiology誌12月号掲載の報告。 HOCM患者において、アルコールによる中隔心筋の梗塞が、心疾患による死亡を増やすのではないかと議論されてきた。この研究は、HOCM患者に対してエコーガイド下で行われたPTSMAの長期成績を明らかにする目的で行われた。対象は952例のHOCM患者、大半がNYHAクラスIII~IV 2000年5月から2017年6月までに952例の患者(55.7±14.9歳、男性:59.2%、NYHAクラス III~IV:73.3%、失神:50.3%、突然死の家族歴:10.3%)に対してPTSMAが行われた。臨床症状のフォローが全症例で行われ、平均フォローアップ期間は6.0±5.0年であった。5年後の生存率95.8%、心臓関連イベント非発生率は98.9% 平均で2.1±0.4ccのアルコールが注入され、クレアチニンキナーゼ(CK)の最高値は872±489U/Lであった。2例(0.2%)が術後3日後と33日後に死亡した。100例(10.5%)の患者でペースメーカーが植め込まれた。急性期エコーでの圧格差は、安静時で63.9±38.2 mmHgから33.6±29.8mmHgに減少し、バルサルバ法施行時には104.6±44.0mmHgから56.5±41.0mmHgへ減少した(いずれもp

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脳梗塞/TIAへのクロピドグレル併用、ベストな投与期間は/BMJ

 高リスク一過性脳虚血発作(TIA)または軽症虚血性脳卒中の発症後24時間以内のクロピドグレル+アスピリンの抗血小板薬2剤併用療法は、1,000人当たりおよそ20人の脳卒中再発を予防できることが示された。また、2剤併用投与の中断は、21日以内に行い、できれば10日以内に行うのが、最大のベネフィットを享受かつ有害性を最小とできることも示唆されたという。中国・四川大学のQiukui Hao氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果で、BMJ誌2018年12月18日号で発表された。最新のシステマティックレビューとメタ解析で検討 急性虚血性脳卒中およびTIAに対して、現行ガイドラインでは抗血小板療法が推奨されているが、同時にそれらのガイドラインでは概して単剤療法(最も多いのがアスピリン)が強く推奨されている。研究グループは、無作為化プラセボ対照試験のシステマティックレビューとメタ解析のアップデートを行い、クロピドグレル+アスピリンの抗血小板薬2剤併用療法の血栓症および出血の再発予防に関する有効性および安全性を、アスピリン単剤療法と比較評価した。 Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Cochrane Library、ClinicalTrials.gov、WHO website、PsycINFOおよび灰色文献(grey literature)を、2018年7月4日時点で検索。2人のレビュワーがそれぞれ、事前規定の選択基準に従い適格試験をスクリーニングし、修正版Cochrane risk of bias toolを用いてバイアスリスクを評価した。また、第三者チームメンバーが、すべての最終判断をレビューし、意見の相違点は話し合いにより解決した。試験報告で重要と思われたデータが省略されていた場合は、著者に問い合わせて説明と追加情報の提供を受けた。解析にはReview Manager 5.3を、エビデンスの質の評価にはGRADE法をベースとするMAGICappを用いた。脳卒中再発は治療開始後10日以内、21日以降の投与にベネフィットなし 検索により、3試験(参加者1万447例)が特定された。 症状発症後24時間以内に開始した抗血小板薬2剤併用療法は、アスピリン単剤療法と比較して、非致死的脳卒中の再発が減少し(相対リスク:0.70、95%信頼区間[CI]:0.61~0.80、I2=0%、絶対リスク減少:1.9%、エビデンスの質は高)、全死因死亡への明らかな影響は認められなかったが(1.27、0.73~2.23、I2=0%、エビデンスの質は中)、中等度~重度の頭蓋外出血は増大する恐れがあった(1.71、0.92~3.20、I2=32%、絶対リスク増加:0.2%、エビデンスの質は中)。 脳卒中イベントの発生曲線(incidence curve)の評価から、大半のイベントは無作為化後10日以内に発生しており、その間に両療法間の発生率の乖離が認められるも、21日以降は発生率に変化はなく、あらゆるベネフィットが得られそうもなかった。

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第10回 初心忘るべからず~心電図に先入観は禁物~【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第10回:初心忘るべからず~心電図に先入観は禁物~新年、明けましておめでとうございます。2019年が皆さまにとって素敵な1年になるといいですね。おかげさまで、本連載も10回目を迎えることができ、今後ますます、心電図に関するわかりやすく有益な情報発信をしてゆく所存です。さて、新年一発目は初心にかえるべく大事な症例を扱いましょう。症例提示67歳、男性。糖尿病、高血圧で治療中。10年前に冠動脈インターベンション(PCI)実施の既往あり。4ヵ月前にも急性冠症候群(ACS:Acute Coronary Syndrome)で入院し、再狭窄(ステント内高度狭窄病変)の治療がなされていた。1ヵ月前から明け方の胸部不快・倦怠感が出現し、2週間前に救急外来を受診。諸検査結果から“帰宅可”とされた。今回は定期外来で受診し、以下のように症状を訴え、緊急入院となった。『今朝もまた調子が悪かったです。こないだ救急で来たときは大丈夫って言われました。前回の狭心症の時より軽いような気がするんですけど、なーんかやっぱり変なんです』定期外来時(図1)および救急外来時(図2)の心電図を以下に示す。(図1)定期外来時の心電図画像を拡大する(図2)救急外来時の心電図(2週間前)画像を拡大する【問題1】外来時の心電図(図1)の所見として正しくないものを2つ選べ。1)心室期外収縮2)心房細動3)ST低下4)異常Q波5)房室ブロック解答はこちら2)、4)解説はこちら1)×:肢誘導3拍目はワイドで洞周期のタイミングよりも早期に出ており、「心室期外収縮(PVC)」で間違いありません2)○:自動診断下部のコメントを見ると「心房細動が疑われます」となっていますね。でもこれは誤り。“悪魔のささやき”です(笑)。期外収縮の部分を除いてR-R間隔も整で、特徴的なf波(細動波)もありません(第4回)3)×:目を皿のようにして眺めると、I、II、そしてV2~V6誘導で「ST低下」があります。しかも、心筋虚血ありの時に多い“悪性”な「水平型」のようです4)○:aVR誘導を除き、最初に陰性に振れているQRS波はどこにもありません5)×:自動診断の「房室ブロックII度(Mobitz)」は×ですが、選択肢の「房室ブロック」は正しいです。これが最初から一人で見抜けたのなら、今回ボクから学ぶことはあまりないかも!?お決まりの読み“型”を思い出せ!さぁ、2019年はじめの症例は、冠危険因子リッチで、実際に心カテ治療歴もある男性です。ただ、今回は循環器外来での一場面。4ヵ月前に緊急PCIをされた時とは性状が少し違う、弱い胸部症状を訴えています。まずは、心電図(図1)を系統的な読み“型”(第1回)で判断すると、R-R間隔は不整、心拍数は期外収縮がない右側(胸部誘導)に対して検脈法を用いると48/分ですし、また、全体の10秒間の記録からは60/分(QRS波が10個)と算出できます(第3回)。ちなみに、どうしても最初に自動診断に目がいく人! それ自体は別に構いませんが、できれば自分で系統的な読みをした上での“たしかめ”に活用するほうが良いでしょう。次に、“ピッタリ”のP波はカタチがやや気になりますが、「向き」的には洞調律ですかね(第2回)。以下“クルッとスタート バランスよし!”でひっかかるのは、“スター”部分のST変化。なんだかST低下がありそうです。ここで、なーんかオカシイナと思ったら…過去の心電図との比較が重要です。この人の場合、2週間前にも同じような症状で救急受診しているので、その際の心電図(図2)と比べてみます。冠動脈疾患の既往がガッツリある人なので、どうしてもST変化に目がいってしまうのは医師の“性”でしょうか。現場では2枚の心電図を横に並べて、どこが変化したのかを見るのでしょう(そんなクイズも世間にありますね)。すると新規にST低下が出現しており、しかも虚血性ST変化としては“ホンモノ”を示唆することが多い「水平型」ではないですか! 左室肥大で見られるV5・V6誘導でのQRS高電位所見を伴わないST低下であることも重要だとボクは考えます。つまり、 このST変化は左室肥大では説明できないわけです。また、ST変化以外に今回問題となるのは、自動診断でも挙げられている「房室ブロック」です。細かく言うと「房室ブロックII度(Mobitz)」なので間違いもありますが、心電計がP波をきちんと認識できているということですから、ある意味スゴいです。これらの問題点を踏まえて次の問題をどうぞ。【問題2】心筋トロポニン、CK・CK-MBの上昇はなく、心エコーでの左室壁運動異常もなかった。以上のことからどんな病態を想定し、どうマネジメントするか?解答はこちら病態の想定:ACSや有症候性徐脈(房室ブロック)、冠攣縮性狭心症などマネジメント:冠動脈造影、房室ブロックの精査・加療を行う解説はこちらこの問題は、今回ボクが最も伝えたいことに関係します。この方は採血や心エコーでの異常はないようです。でも、濃厚な狭心症治療歴、加えて新出のST変化、とくに水平型ST低下ですから、冠動脈病変、なかでもACS再発を第一に疑うこと自体は悪くありません。“早朝だけ”のようなキーワードから「冠攣縮性狭心症」を思い浮かべた人もセンス良しです。また、既往にも以前の心電図にもない「房室ブロック」が認められていますので、これに関連した胸部症状ではないかどうかも疑うべきです。マネジメントとしては…狭心症を疑い、冠動脈造影を実施。また、房室ブロックについても精査する必要がありますね。実際、この方は「不安定狭心症(急性冠症候群)」の疑いで緊急入院となりました。これはGood-Jobだったのですが、まずかったのは、“その他”の選択肢を考えるのをやめてしまったこと。心臓カテーテル検査を行って冠動脈狭窄(動脈硬化症)や冠攣縮を評価し、場合によっては血行再建治療をすると同時に、もう一つの大きな異常である「房室ブロック」への対処も想定してこそデキるドクターです。徐脈に関連した症状や心不全徴候ありと考えればペースメーカー植え込みの適応がありますし、その前に一時ペーシングを行う必要性はありませんか…?ST部分にばかり気をとられて、心電図から「房室ブロック」を指摘できない人は、その先に進みようがありません。ST変化のほかに不整脈もあるぞ!病歴や背景因子からして、患者さんの胸部症状の原因として、冠動脈疾患(虚血性心疾患)を疑うのは定石ですし、できて当然だと思います。この方は左冠(状)動脈(前下行枝)に治療歴があり、心電図(図1)をよく見るとaVR誘導でST上昇もあるので、『かなり上流でのヤバイ病変なのでは…』と、とらえる人もいるかもしれません。もちろん、悪くないでしょう。同日に入院後、“準緊急”でなされた冠動脈造影では、ステント狭窄やほかの新規病変もありませんでした。そのためか、この時点で担当医は、心電図(図1)に心室期外収縮以外の大事な不整脈があるということを完全に見落とし、安心しきってしまいました。たしかに、心拍数もメチャクチャ遅いわけでもない、期外収縮もある、「心拍数62/分」と表示されていた…そのため「徐脈性不整脈」の存在と影響を頭に思い描くことができなかったのでしょう。ここで、心電図(図1)より抜粋したV1誘導(あるいは“僧帽性P”に見えるII誘導)を見て下さい(図3)。(図3)心電図(図1)よりV1誘導のみ抜粋画像を拡大する左から奇数個目のP波はブロックされており、QRS波は続きません。つまり、2:1房室ブロックと診断できるんです。自動診断の言う「II度(Mobitz)」ではなく、「2:1房室ブロック」。これが正しい心電図診断です。「2:1」というのは、“つながる”(房室伝導できる)と“落ちる”(房室伝導できずにQRS波が脱落する)が交互にくるという意味です。担当医はまず、2週間前の心電図(図2)のV1誘導と比べて、明らかにT波のカタチが変わっている(おかしい)ことに気づくべき(クルッ“ト”チェックの時点でね)。図中の矢印はP波ですよ! QRS波の直前にコンスタントにあるP波とまったく同じ波形がT波終末部に重なっているのです。このようにV1誘導のP波は、“2相性”であるなど目立つ形状のことも少なくありません。なので、P波の認識が外せない不整脈解析において、ほかよりもV1誘導が不整脈を読み解くのに適している理由の一つなんです。心電図のメッセージは漏れなく受信したい実際のカルテには「洞調律、以前にないST低下」という記載のみで、カテの翌日に退院可とされていました。サマリーにも房室ブロックに関する言及はありませんでした。この房室ブロックは間欠的(一過性)だったため、めまいやふらつき、息切れなどの典型的な徐脈症状もこの患者さんにはありませんでした(その後しばらく外来心電図でも房室ブロックなし)。そのためか、退院後も不定期に続く類似の訴えが問題提起されませんでした(外来担当医には“真実”が見えてなかったためでしょう)。そして緊急入院から半年以上も後のこと。患者さんは『以前は、時折、朝だけ出現していた症状が、最近は1日中になって身体全体が重くてだるい』と訴えて、再び救急受診することになります。この時に担当した別の医師は、「2:1房室ブロック」に気づき、最終的にペースメーカー植え込みがされました。幸い、術後は胸部症状と倦怠感が完全に消失(主訴が房室ブロックによるものであることを示唆しています)したそうです。めでたし、めでたし。ちなみに、心電図(図1)で認められたST低下についてはどうでしょう?血行再建を要するほどではない狭窄が数カ所あり、それが房室ブロックに伴う徐拍化で相対的に心筋虚血を生じた可能性などを考えますが、正確な機序に関しては難しいように思います。最後に述懐。当初、入院担当医、そして心カテも含め指導した上級医(外来医)は共に循環器医でした。彼らを笑う、あるいは責めたところで、何も問題は解決しませんし、ボクが最も嫌いなことです。むしろ“人の振り見て我が振り直せ”。先入観は時に“プロ”であっても盲目にさせるもの。担当者が心電図の放つメッセージをすべて受信できていたら、今回のようなジャッジには絶対ならなかったはずですし、どんな立場の医師であろうと、患者さん本人や家族にとっては“ヤブ医者”と感じるかもしれません。でも、もし半年前にペースメーカーを入れてあげられていたら、患者さんをもっと早く快適にできたわけですし、もしも「冠動脈狭窄なし=冠攣縮」のような短絡的思考でジルチアゼムなどを処方していたら、医原性に完全房室ブロックを作っていた可能性もあります。すべてがすべて、心電図の“読み落とし”に起因する結果と考えられませんか…?もちろん仮定の話で、悲観しすぎかもしれませんが。『この患者さんは“冠疾患の人”だから…』だと決めつけて、心電図でST変化だけしか見ない医師に“正解”は見えません。心電図を読む時は、まず先入観なく真っ白な気持ちで読むのです。その上で所見を解釈し、行動に移す段階で患者背景などの追加情報を乗せるのが正しい“順序”なのです。過剰な先入観の怖さ、そして系統的な心電図判読の重要さ…それを本症例が教えてくれている気がします。サン=テグジュペリの星の王子さまは、「大切なものは目に見えない」と言いました。ただ、心電図の場合には少し違います。すべて“見えてる”んです。でも、読む側の頭と心とが整わないと消えてしまうだけ。「心電図は漏れなく系統的に読むぞ!」皆さんが新年にDr.ヒロと改めてそう誓ってくれることを祈りたいと思います。Take-home Message1)「異常かな?」と思う所見があったら、必ず過去の心電図と比較せよ!2)強すぎる先入観は、心電図を読む上では障害! まずは頭を“真っ白”にして読もう3)不整脈解析にはV1誘導が最適な判断材料となることが多い【古都のこと~下鴨神社~】ボクの初詣といえば下鴨神社。この名前、実は通称で、本当は賀茂御祖(かもみおや)神社と言うそうです。1994年(平成6年)、世界遺産に登録されたこともあり、今年も全国からの参拝客で大賑わいでした(写真は早朝に撮影)。ボクの元日は家族とともにご祈祷を受けることから始まるのですが、このご祈祷、国宝の本殿に通されてさい銭を投げる参拝客の真ん前で執り行われるのです。そんな気恥ずかしさや足に心地よい玉砂利の感覚を味わうのが、ここ数年恒例の醍醐味なのです。

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第20回 病院薬剤師は地域包括ケアに関係ないなんて大間違い!【週刊・川添ラヂオ】

動画解説病院薬剤師は地域包括ケアにあまり関係ないなんて大間違い。入退院のタイミングでも地域包括ケアについて考えることはたくさんあります。まず入院時の持参薬チェックでは、お薬手帳の重要性を再確認するはずです。そして退院時には、今後どのような支援が必要になるのかを考えなければなりません。患者さんが入院時も退院後もスムーズな治療が受けられるよう、病院外の他職種との連携を深めましょう!

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高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランス

 うつ病は高齢者において多く認められ、その治療にあたっては、抗うつ薬が一般的に使用される。オランダ・フローニンゲン大学のFloor Holvast氏らは、プライマリケアでの高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランスについて調査を行った。Family Practice誌オンライン版2018年11月5日号の報告。 オランダの保健サービス研究機関(Netherlands Institute for Health Services Research:NIVEL)プライマリケアデータベースより、2012年のうつ病と診断された60歳以上の患者を抽出した。初回投与から14日以内に服薬していない場合を「非開始(non-initiation)」、投与量のカバー率が80%未満の場合を「投与量非遵守(suboptimal implementation)」、初回投与から294日以内に中止していた場合を「非持続(non-persistence)」と定義した。初めに、抗うつ薬の非開始、投与量非遵守、非持続の割合を調査した。次いで、共存疾患および慢性的な薬物使用がノンアドヒアランスと関連しているかを、非開始および投与量非遵守を従属変数とした混合効果ロジスティック回帰分析、時間と非持続についてのクラスターCox回帰分析で検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・それぞれの割合は、非開始が13.5%、投与量非遵守が15.2%、非持続が37.1%であった。・慢性的に使用されている薬剤数が増加すると、投与量非遵守(オッズ比:0.89、95%信頼区間[CI]:0.83~0.95)および非持続(ハザード比:0.87、95%CI:0.82~0.92)の割合が減少した。 著者らは「プライマリケアでの高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランスは、低いことが確認された。患者が多くの薬剤を服薬することに慣れている場合には、服薬アドヒアランスは良好であったが、これは部分的な影響であり、あくまで服薬アドヒアランスが低いことに注意を払う必要がある。抗うつ薬による最適な治療期間の遵守が重要であることを強調することが、アドヒアランスを改善するための第1歩かもしれない」としている。■関連記事高齢者うつ病に対する薬物療法の進歩抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか錠剤埋め込み型服薬管理システムは、安全なのか

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ソラフェニブが進行・難治性デスモイド腫瘍に高い有効性/NEJM

 進行性、再発性または症候性のデスモイド腫瘍の患者において、ソラフェニブは無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、持続性の奏効をもたらすことが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのMrinal M. Gounder氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年12月20日号に掲載された。デスモイド腫瘍(侵襲性線維腫症とも呼ばれる)は、あらゆる解剖学的部位に発生し、腸間膜、神経血管構造、臓器に浸潤する可能性のある結合組織腫瘍であり、標準治療は確立されていない。ソラフェニブは、複数の標的を持つ受容体チロシンキナーゼ阻害薬であり、レトロスペクティブな解析では、デスモイド腫瘍に対し安全に投与可能であり、奏効率は25%と報告されている。PFSをプラセボと比較する無作為化試験 本研究は、デスモイド腫瘍の治療におけるソラフェニブの有用性を評価する二重盲検無作為化第III相試験(米国国立がん研究所[NCI]などの助成による)。対象は、年齢18歳以上、組織学的にデスモイド腫瘍(侵襲性線維腫症)が確認され、進行性病変、切除不能または拡大手術を要する再発または原発病変、症候性病変を有する患者であった。 被験者は、ソラフェニブ(400mg錠剤、1日1回)を投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。病勢が進行したプラセボ群の患者は、ソラフェニブへのクロスオーバーが許容された。 主要エンドポイントは、試験担当医判定によるPFS期間(無作為割り付けから病勢進行または死亡までの期間)、副次エンドポイントには、客観的奏効率(ORR)および有害事象が含まれた。 2014年3月21日~2016年1月6日の期間に、米国の24施設に87例が登録され、ソラフェニブ群に50例、プラセボ群には37例が割り付けられた。病勢進行・死亡リスクが87%低減 ベースラインの全体の年齢中央値は37歳(IQR:28~50)、女性が69%であった。データカットオフ時にソラフェニブ群の19例(39%)が治療継続中であった。中間解析時に、データ安全性監視委員会により有効性の解析が要請され、試験は有効中止となった。フォローアップ期間中央値は27.2ヵ月(IQR:22.0~31.7)だった。 PFS期間中央値は、ソラフェニブ群が評価不能、プラセボ群は11.3ヵ月で、1年PFS率はそれぞれ89%、46%、2年PFS率は81%、36%であり、病勢進行または死亡のリスクがソラフェニブ群で87%低かった(ハザード比[HR]:0.13、95%信頼区間[CI]:0.05~0.31、p<0.001)。病勢進行は全体で28例(33%)に認められ、ソラフェニブ群が6例(12%)、プラセボ群は22例(63%)であった。 クロスオーバー前のORRは、ソラフェニブ群が33%(完全奏効1例、部分奏効15例)、プラセボ群は20%(部分奏効7例)であった。客観的奏効までの期間中央値は、ソラフェニブ群が9.6ヵ月(IQR:6.6~16.7)、プラセボ群は13.3ヵ月(11.2~31.1)であった。ソラフェニブ群の奏効例の多くで、奏効が持続した。 有害事象による投与中止はソラフェニブ群で多かった(20% vs.0%)。ソラフェニブ群で、用量減量の原因として最も多かった有害事象は皮膚障害であった。ソラフェニブ群でとくに多く報告された有害事象は、Grade1/2の発疹(73%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(69%)、疲労(67%)、高血圧(55%)、下痢(51%)であった。ソラフェニブ群の1例が疾患関連の腸管穿孔で死亡した(薬剤との関連はない)。 著者は、「予測可能な毒性作用プロファイルとPFSの大きな便益に基づくと、ソラフェニブは1次治療または後治療としての抗腫瘍活性を有する」としている。

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地域別の脳卒中生涯リスク、東アジアで39%/NEJM

 2016年において世界全体の25歳以降の脳卒中生涯リスクは、男女ともに約25%であり、同リスクは地理的ばらつきがみられ、東アジア、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパで高率であった。米国・ワシントン大学のGregory A. Roth氏らGBD 2016 Lifetime Risk of Stroke Collaboratorsが、1990年と2016年の脳卒中生涯リスクについて調べ明らかにした。脳卒中生涯リスクは、限られた選択的集団で算出されているが、研究グループは、主要疾患有病率の包括的な研究データを用いて、地域別、国別、および世界全体レベルでの推算を行った。NEJM誌2018年12月20日号掲載の報告。GBD研究2016を用いて、25歳以上成人の累積生涯リスクを算出 研究グループは、世界の疾病負担(GBD)研究2016の脳卒中発症率の推定値と、脳卒中以外の全死因死亡の競合リスクを用いて、25歳以上成人における初発の脳卒中・虚血性脳卒中・出血性脳卒中の累積生涯リスクを算出した。 1990年と2016年の生涯リスクの推定値を比較し、また、GBD研究で使用されていた社会人口学的指標(SDI)の五分位分類に基づき各国をグループ分けし、グループごとのリスクを比較した。比較には、点推定値と不確定区間(推定値の2.5パーセンタイルから97.5パーセンタイルまで)を用いた。地域分類では東アジア(38.8%)が最も高率 2016年における世界全体の25歳以降の脳卒中推定生涯リスクは、24.9%(95%不確定区間[UI]:23.5~26.2)であった。男性は24.7%(同:23.3~26.0)、女性は25.1%(同:23.7~26.5)であった。 虚血性脳卒中リスクは18.3%、出血性脳卒中は8.2%であった。 高SDI国、高~中SDI国、低SDI国の脳卒中推定生涯リスクはそれぞれ23.5%、31.1%、13.2%で、高~中SDI国で最も高く、低SDI国で最も低かった。95%UIの重複は、これらのグループ間ではなかった。 GBDの地域分類で脳卒中推定生涯リスクが最も高かったのは、東アジア(38.8%)、中央ヨーロッパ(31.7%)、東ヨーロッパ(31.6%)であった。最も低かったのは、サハラ以南のアフリカ地域(11.8%)であった。 世界全体の脳卒中平均生涯リスクは、1990年は22.8%であったが、2016年は24.9%へと上昇し、相対的な上昇率は8.9%(95%UI:6.2~11.5)であった(脳卒中以外の全死因死亡の競合リスクを考慮して算出)。

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31)リレンザ【解説編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、リレンザの吸入手順を説明します。手順としては、カバーを外し、白いトレーを引き出す→トレーを取り外し、穴に合わせてディスクを乗せる→カチッと音がするまで、トレーを本体に押し込む(ブリスターに穴が開いていないことを確認)→★本体を平らに持ち、フタを垂直に立て、ブリスターに穴を開ける→フタを閉じる→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→空気口をふさがないようにする→下を向かず、背筋を伸ばし、勢いよく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤を定着させる→鼻からゆっくり息を吐く→2回目の吸入は、もう一度白いトレーを引き出し、再びカチッと音がするまで押し込む→ブリスターが回転する→★に戻る→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)→使い終わったディスクをトレーから外し、捨てる→トレーを戻し、吸入口を清掃してカバーを閉める※注意するポイント中の薬がこぼれないように、平らに保ったまま操作してください吸った時に少し甘みを感じても、問題はありません粉が詰まるので、定期的にトレーを外してブラシや布で掃除しましょう汚れがひどいときは、トレーと本体を水洗いして、十分乾かしましょう

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電子レンジ熱傷の原因となる食材は!?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第130回

電子レンジ熱傷の原因となる食材は!? いらすとやより使用 皆さんは、電子レンジで熱傷を起こして救急部を受診した人がいるとすると、どの食材を頭に思い浮かべますか? みそ汁? カレー? ふっふっふ、ハズレだ! 違う! Bagirathan S, et al.Facial burns from exploding microwaved foods: Case series and review.Burns. 2016;42:e9-e12.さて、「電子レンジ熱傷」の定義ですが、基本的に電子レンジで加熱した食材が爆発して熱傷を負ったものとします。電子レンジ自体の不具合で、機械そのものが爆発したものは含まれません。まぁ、どうでもいい定義ですが…。「電子レンジ熱傷」自体が非常にまれなので、過去の文献を探してみても、症例報告かケースシリーズのいずれかです。今回は、電子レンジ熱傷の世界では最も新しいと思われる、2016年に報告されたケースシリーズを紹介しましょう。これは、英国の熱傷センターで後ろ向きに「電子レンジ熱傷」を集めたものです。6年間で、たった8例しか見つかりませんでした。とはいえ、「電子レンジ熱傷」界では8例でも十分過ぎるほど大規模な報告なのであります!8人のうち、4人がジャガイモ、4人がたまごでした。すごい! 引き分け! 基本的に熱傷面積は体表の2%未満と狭いエリアで、受傷者の平均年齢は41歳でした。6人(75%)に眼外傷がみられました。爆発した食材が眼に飛んできたのです。1人は永続的な視力障害を残してしまったそうです。さて、「ジャガイモvs.たまご」で考えたとき、どちらの文献的報告が多いでしょうか。実は、これはたまごなんです。いや、たぶん。調べた感じでは、たまごの報告のほうが多いです1-4)。よくテレビでも「ゆでたまごを電子レンジでチンするな」と紹介されていると思うので、皆さんも注意してくださいね。1)Godwin Y. Burns. 1998;24:585-586.2)Wolf Y, et al. Burns. 2001;27:853-855.3)Gagnon MR, et al. Eye Contact Lens. 2005;31:109-110.4)Offer GJ, et al. J Accid Emerg Med. 1995;12:216-217.

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オランザピンの治療反応に対する喫煙やコーヒーの影響

 統合失調症患者におけるオランザピン治療の有効性および安全性に対して、喫煙や大量のコーヒー摂取が及ぼす影響を、セルビア・クラグイェヴァツ大学のNatasa Djordjevic氏らが、遺伝子多型との関連で評価した。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2018年12月4日号の報告。 対象は、30日間オランザピン投与を行った統合失調症患者120例。治療の有効性は、3つの異なる精神医学的尺度を用いて評価し、安全性については、代謝性副作用および錐体外路症状の評価を行った。遺伝子型の判定には、CYP1A2*1C、CYP1A2*1F、CYP1A1/1A2の遺伝子多型、CYP2D6*3、CYP2D6*4、CYP2D6*6を含んだ。 主な結果は以下のとおり。・喫煙や大量のコーヒー摂取は、オランザピン治療の有効性を低下させ、安全性を向上させた(p<0.001)。・この影響は、CYP1A2*1F対立遺伝子のキャリアのみで認められたが、共変量解析により、CYP1A2遺伝子型とは独立していることが明らかとなった。・オランザピンの用量は、薬剤効果(p≦0.002)およびLDLレベル(p=0.004)と逆相関が認められた。・女性および高齢者に対する治療反応は良好であったが(p<0.026)、有害事象がより多かった(p≦0.049)。・他の関連因子をコントロールしたとき、CYP2D6代謝物の状態がオランザピン治療の有効性に影響を及ぼしていた(p=0.032)。 著者らは「喫煙や大量のコーヒー摂取が、オランザピンの有効性および安全性に影響を及ぼすことが確認された。CYP1A2遺伝子型との関連性は、さらなる調査が必要である。また、オランザピンの治療反応は、用量、性別、年齢、CYP2D6代謝物の状態により影響を受ける」としている。■関連記事統合失調症のカフェイン依存、喫煙との関連に注意日本人統合失調症患者の喫煙率に関する大規模コホートメタ解析オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学

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米国総合診療医の「時間がない」は本当か/BMJ

 米国のプライマリケアに従事する総合診療医(general practitioner:GP)の「患者との共同意思決定(shared decision making:SDM)や、予防的ケアをする時間がない」という主張について、米国・ミシガン大学のTanner J. Caverly氏らがマイクロシミュレーション試験で調べた結果、これまで広く持たれてきた疑念「GPは貴重な時間を“個人的なケア”の活動に費やしている」ことが確認されたという。著者は、「ひとたび個人的な時間が膨大であることを知らしめれば、プライマリケアの権威者は、増大している臨床的要求に、より多くの個人的な時間を再割当するようGPを“説得する”ための方法を、試しはじめることができるだろう」と述べている。BMJ誌2018年12月13日号(クリスマス特集号)掲載の報告。予防的介入のSDMに必要な時間を算出 マイクロシミュレーション試験はモンテカルロ法を用いて、米国のプライマリケアを対象に行われた。米国国民健康栄養調査(NHANES)から抽出した、米国での年間の仕事時間と患者パネルサイズ(2,000例)を代表するGP 1,000例をサンプルとした。 主要評価項目は、予防的ケアに利用できる時間に関して、高度に推奨されている予防的介入のためのSDMに必要な時間、prevention-time-space-deficit(すなわち、医師が足りないと言っている分のtime-space)であった。現状で費やしている時間は1日29分に対し、必要としている時間は6.1時間 平均して、GPが予防的ケアサービスについて患者と話し合うために費やしていた時間は、平日1日につき29分(受診者1人につきちょうど2分)であった。一方で、GPが予防的ケアに関するSDMを完璧にこなすのに必要としている時間は、6.1時間であった。 たとえSDMのために必要な時間がコンサバティブ(すなわち、ばかばかしいほど希望的)な時間であっても、試験サンプルであるGPの全員がprevention-time-space-deficit(平均5.6時間/日の不足)を経験していた。しかしながら、平日にGPが利用していない時間には、仕事に再割当できる、身だしなみやセルフケア、レジャー、不要な睡眠などといった個人的な時間が含まれていた。このことから時間不足は、個人的な時間を減らし、その分を仕事にシフトすれば容易に克服可能であった。たとえば、バスルームでの休憩の頻度を1日おきにする、年長の子供と一緒にいる時間を省略する(どのみちそれほど一緒にいることが好きではないだろうから)などで可能だろう。

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非がん性慢性疼痛へのオピオイド、有益性と有害性/JAMA

 非がん性慢性疼痛に対するオピオイド使用は、プラセボとの比較において疼痛および身体機能の改善は統計学的に有意ではあるがわずかであり、嘔吐リスクは増大することが示された。また、オピオイド使用と非オピオイド使用の比較では、低~中程度のエビデンスであるが、疼痛、身体機能に関するベネフィットは同程度であった。カナダ・マックマスター大学のJason W. Busse氏らが、非がん性慢性疼痛のオピオイド使用に関する無作為化試験(RCT)のシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにした。非がん性慢性疼痛に対するオピオイドの有害性および有益性は、不明なままであった。JAMA誌2018年12月18日号掲載の報告。システマティックレビューとメタ解析で、疼痛、身体機能、嘔吐について評価 研究グループは、CENTRAL、CINAHL、EMBASE、MEDLINE、AMED、PsycINFOのデータベースをそれぞれ創刊~2018年4月の間検索し、非がん性慢性疼痛に対するオピオイドとあらゆる非オピオイドを比較したRCTを特定した。2人のレビュアーがそれぞれデータを抽出。ランダム効果モデルおよびエビデンスの質評価のためにGrading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)を用いて評価した。 主要評価項目は、疼痛強度(スコア範囲は疼痛視覚アナログスケールで0~10cm、低値ほど良好であり、最小重要差[MID]は1cm)、身体機能(スコア範囲はSF-36の身体項目スコア[PCS]で0~100点、高値ほど良好であり、MIDは5点)、嘔吐の発生であった。疼痛は軽減、身体機能は改善も差はわずか 解析には、参加者2万6,169例を含む96件のRCTが包含された。参加者は、女性が61%、年齢中央値58歳(四分位範囲:51~61)で、RCTは25件が神経障害性疼痛、32件が侵害受容性疼痛、33件は中枢性感作(組織損傷を伴わない疼痛)、6件は混合性疼痛の試験であった。 プラセボと比較してオピオイド使用は、疼痛の軽減と関連していた(10cm疼痛視覚アナログスケールでの加重平均差[WMD]:-0.69cm[95%信頼区間[CI]:-0.82~-0.56]。MID達成に関するモデル化リスク差:11.9%[95%CI:9.7~14.1])。 また、オピオイド使用は、身体機能の改善と関連していた(WMD:100点SF-36 PCSのWMD:2.04点[95%CI:1.41~2.68]、MID達成に関するモデル化リスク差:8.5%[95%CI:5.9~11.2])。 一方で、嘔吐の増加とも関連していた(run-in期間中に有害事象を呈した患者を除外した試験についてオピオイド群5.9 vs.プラセボ群2.3%)。 オピオイドの疼痛および身体機能の改善との関連性について、エビデンスは低~中程度であるが、非ステロイド性抗炎症薬と比較して(疼痛のWMD:-0.60cm[95%CI:-1.54~0.34]、身体機能のWMD:-0.90点[95%CI:-2.69~0.89])、また三環系抗うつ薬と比較して(疼痛のWMD:-0.13cm[95%CI:-0.99~0.74]、身体機能のWMD:-5.31点[95%CI:-13.77~3.14])、および抗痙攣薬と比較して(疼痛WMD:-0.90cm[95%CI:-1.65~-0.14]、身体機能のWMD:0.45点[95%CI:-5.77~6.66])、いずれも同程度であることが示唆された。

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高齢者の肥満診療はどうすべきか

 2018年12月18日に一般社団法人 日本老年医学会(理事長:楽木 宏実氏)は、同会のホームページにおいて『高齢者肥満症診療ガイドライン2018』(作成委員長:荒木 厚氏)を公開した。 本ガイドラインは、同会が作成方針を打ち出している「高齢者生活習慣病管理ガイドライン」、すなわち 「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」「肥満症」のガイドラインの第4弾にあたり、日本肥満学会の協力を得て作成されたものである。作成では既刊の『肥満症診療ガイドライン2016年版』を参考に、認知症・ADL低下の観点から新たにクリニカルクエスチョン(CQ)を設定し、システマティックレビューを実施したものとなっている。 17のCQで肥満症診療に指針 ガイドラインでは、「肥満または肥満症の診断」「肥満症の影響」「肥満症の治療」と全体を3つに分け、各項目でCQを設定している。とくに「肥満症の影響」は厚く記載され、肥満と認知症リスク、運動機能低下、循環器疾患との関係が記されている。 具体的に「肥満または肥満症の診断」では、肥満症の特徴について「高齢者ではBMIが体脂肪量を正確に反映しないことが少なくないこと」「BMIよりもウエスト周囲長やウエスト・ヒップ比が死亡リスクの指標となること」「内臓脂肪が加齢と共に増加すること」などが記されている。 「肥満症の影響」では、「高齢期の認知症のリスク」について、「中年期の肥満は高齢期の認知症発症のリスクであるので注意(推奨グレードA)」とする一方、「高齢者の肥満は認知症発症リスクとはならず、認知症発症リスクの低下と関連する」としている。また、「サルコペニア肥満は単なる肥満と比べ、ADL低下・転倒・骨折、死亡のリスクとなるか」では、「サルコペニア肥満は単なる肥満と比べてよりADL低下・転倒・骨折、死亡をきたしやすいので注意する必要がある(推奨グレードA)」とし注意を促している。 「肥満症の治療」では、「生活習慣の改善で体重、BMIを是正することでADLや疼痛、QOLは改善するか」について、「ADL低下、疼痛、QOLを改善することができる(推奨グレードB)」としているほか、「肥満症を治療すると認知機能は改善するか」では、「認知機能は改善する可能性がある(推奨グレードB)」などが記されている。 本ガイドラインの詳細については、同会のホームページで公開されているので参照にしていただきたい。

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脳梗塞後に抗うつ薬を内服しても機能向上は得られない、うつにはならない、骨折は増える(解説:岡村毅氏)-984

 脳梗塞後にはうつを発症しやすく(脳梗塞ではない同等の身体機能障害と比較しても多い)、脳梗塞後うつ(post-stroke depression)と言われるが、リハビリを阻害したり、自傷・自殺の原因となることもある重大な病態である。 これとは別に、脳梗塞後に抗うつ薬を内服すると、その神経保護作用から運動機能の向上がみられるという報告もある。 こういった問題に対して大規模研究で果敢に挑んだのが今回のFOCUS研究である。使用された抗うつ薬はSSRIの1つfluoxetineである。勘の鋭い人はおわかりかもしれないが、fluoxetineは海外における抗うつ薬の乱用や病気喧伝(なんでも病気のせいにして薬を売ろうとすること)の文脈で批判にさらされている現代文明を象徴する薬剤の1つである。商品名はプロザックといい、『Prozac Nation』という本も有名だ。なお、わが国では販売されていない。とはいえ、多く使われるのには理由があり、はっきり言って効果も有害事象も弱いため、このような対照研究で使われるのは合理的だろう。 3,000例以上の対象者を抗うつ薬内服と偽薬の2群に分けて6ヵ月以上みたが、残念ながらmodified Rankin Scaleにて測定した機能においては2群に差はない。 一方で、当たり前と言えば当たり前だが、脳梗塞後うつの発症は少ない。神経作用薬を投与する際に気を付けるべき痙攣や出血などは両群で差がない。さらに投与群では骨折が多いのだが、おそらく活動的になってリハビリに精を出したからかもしれない。SSRIによるふらつきのせいだ、あるいは骨が弱くなるんじゃないか、などという可能性だってゼロではないが、他の神経症状や転倒で差がないとなると、私ならリハビリが進んだためと考えるが…読者諸兄はいかがであろうか。 本論文を素直に読めば「抗うつ薬を内服しても生活機能面での効果はないのだから、予防的抗うつ薬投与は過剰だ」というものだ。一方で「脳梗塞後うつは生活の質に直結する重大な病態であり、予防できるのであれば内服しておけば安心だ」も理論上は残される。おそらく臨床現場では全例投与なんてことはありえないので、脳梗塞後うつの重大さを鑑みると少しでも兆候があれば早めに専門家にコンサルトする、あるいは治療を開始する、という文脈に依存した考え方をするべきだろう。

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抗凝固薬の選択~上部消化管出血とPPIの必要性(解説:西垣和彦氏)-985

抗凝固薬の宿命 “出血しない抗凝固薬はない”。もともと抗凝固薬自体に出血をさせる力はないが、一旦出血したら止血するのに時間がかかるために出血が大事をもたらすこととなる。そもそも出血傾向をもたらすことが抗凝固薬の主作用であるので至極自明なことではあるのだが、直接経口抗凝固薬(DOAC)だけでなくビタミンK依存性凝固因子の生合成阻害薬であるワルファリンを含めて、“凝固薬自体が出血を起こさせた”と理解している方がいかに多いことか。 近年、わが国だけでなく欧米においても、心房細動により生成される心内血栓が遊離して塞栓となる心原性脳血栓塞栓症には多大な配慮を行っている。この理由として、この心原性脳血栓塞栓症の発症自体は年間3~4%と低い発症率と推定されてはいるが、脳梗塞の他の病態であるアテローマ性やラクナ梗塞と同程度の頻度があり決して少なくないという点、さらに一旦発症すると非常に大きな血栓塊であることが多いため、2割が急死、4割が要介護4以上という悲惨な病状に追い込まれ、由緒正しい重度の寝たきりとなる危険性があるためである。このことは、わが国だけでなく国際的にも医療費の膨大に頭を悩ませている関係者においても、由々しき疾患であることは間違いない。そこで、抗凝固薬をなるべく多くの心房細動患者に投与し、少しでも寝たきりとなる症例を減らそうということになるが、すべからく前述の消化管出血への適切な対応が問題として浮上してくる。この、抗凝固薬の宿命ともいえる命題に対して、(1)最も上部消化管出血が少ない抗凝固薬はどれか?(2)上部消化管出血をプロトンポンプ阻害薬(PPI)は本当に予防できるのか? の2点をコホートで検証したのが本論文である。本論文のポイントは? 本論文は、2011年1月1日~2015年9月30日までにおけるメディケア受益者のデータベースを用いた後ろ向きコホート研究である。比較した抗凝固薬は、アピキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン、そしてワルファリンの4剤で、上部消化管出血の頻度を比較し、PPI併用あるいはPPIなしで上部消化管出血の予防効果も比較している。主要評価項目は、上部消化管出血による入院とし、抗凝固療法1万人年当たりの補正後発生率およびリスク差(RD)、発生率比(IRR)を算出。解析対象は、新規に抗凝固薬が処方された171万3,183件、164万3,123例(平均76.4歳、追跡65万1,427人年、女性56.1%、心房細動患者74.9%)。 PPI併用のなかった75万4,389人年で、上部消化管出血の発生は7,119件、補正後発生率115件/1万人年であった。薬剤別では、リバーロキサバン144件/1万人年、アピキサバン73件/1万人年、ダビガトラン120件/1万人年、ワルファリン113件/1万人年であり、上部消化管出血発生率はリバーロキサバンが最も高率、アピキサバンはダビガトラン、ワルファリンよりも有意に低かった。 PPI併用のある26万4,447人年では、上部消化管出血の発生は2,245件、補正後発生率は76件/1万人年であり、PPI併用なしと比較して上部消化管出血による入院を大きく減らした(IRR:0.66)。このことは、抗凝固薬の種類によらず(アピキサバン[IRR:0.66、RD:-24]、ダビガトラン[IRR:0.49、RD:-61.1]、リバーロキサバン[IRR:0.75、RD:-35.5]、ワルファリン[IRR:0.65、RD:-39.3])、いずれにもPPIは有効であった。本論文の意義と読み方 本論文の結論は、以下の2点である。(1)上部消化管出血による入院率は、リバーロキサバンで最も高く、アピキサバンで最も低い。(2)各抗凝固薬いずれもPPIは有効であり、上部消化管出血による入院率を低減させる。 メディケア受益者のデータベースを用いた後ろ向きコホート研究は、これまでも抗凝固薬に関連した多くの報告をしており、抗凝固薬の特性から到底割り付け困難と思われるワルファリンとの大規模無作為比較試験の結果を補正するリアルワールドの実臨床に則したデータを示してきた。DOAC間ではリバーロキサバンがアピキサバンに比べて明らかに大出血率が高い(HR:1.82)ことは以前にも報告されており1)、同じデータベースに基づくだけに結論が同じとなることは必定、新鮮味がないことは否めない。メディケアは、65歳以上の高齢者と障害者のための米国医療保険であり、国が運営する制度であるが、メディケアを受給できる人は一定の条件を満たす特別な米国人であることを忘れてはならない。あくまでも、保険請求のあった主観的な事後報告のコホート試験である。医師の薬剤選択によるバイアスや他の雑多な患者選択特性をプロペンシティ・スコア・マッチングでそろえて比較した試験であるので、エビデンスレベルとしてはお世辞にも決して高くはない。また何よりも抗凝固薬に対する大規模比較試験では、人種差や医療レベルの違いが副作用としての消化管出血の頻度に大きく影響することもすでに指摘されており、この論文の結果そのものがわが国でも当てはまるとは限らないことを強調したい。PPIの強力な上部消化管出血予防効果には既存の報告からも疑問の余地はないが、果たして万人に必要か否か、どのような患者に必要なのかという命題が依然残ることは致し方ない。最後に 確かに、近年報告される抗凝固薬を比較した大規模試験においては、リバーロキサバンの易出血性を結論付けている報告が多く、ある意味人種差を超越している。このことから、ある程度リバーロキサバンの持つ薬剤特性を捉えている可能性はあるが、DOAC相互を直接比較した無作為比較試験はいまだないことから、今なお断言できない。この命題から答えを導き出すには、わが国での製薬業界が定めた自主規制という名の行き過ぎたレギュレーションが大きな弊害となっていると憂慮するのは、私だけだろうか。

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Resolute Onyx対Orsiro、優れているのはどっち?(解説:上田恭敬氏)-987

 Onyx stent(Medtronic; Santa Rosa, CA, USA)とOrsiro stent(Biotronik; Bulach, Switzerland)を比較した単盲検(assessor-blinded and patient-blinded)国際多施設無作為化非劣性試験の結果である。1,243症例がOnyx群に1,245症例がOrsiro群に割り付けられ、主要評価項目を1年でのtarget vessel failure(TVF:a composite of cardiac death, target-vessel-related myocardial infarction, and target vessel revascularisation)として、ほとんど除外基準のないall-comerデザインで検討された。 1年でのTVFは4.5% vs.4.7%(Onyx群vs.Orsiro群)で非劣性が証明された。また、ステント血栓症(definite or probable)は、0.1% vs.0.7%(Onyx群vs.Orsiro群)と、Onyx群で有意(p=0.0112)に少なかった。 よって、1年までの臨床成績はOnyx stentとOrsiro stentで同等ということになる。ステント血栓症がOnyx群で少なかった結果については、今後新たに臨床試験を実施して検討しなければ、現時点では確定的なものとは言えない。 このような非劣性試験が次々に報告されるが、1年の成績によってその後の長期成績は予測できず、1年の成績には単なる経過報告の価値しかないだろう。容認できないほどの重篤なイベントがいずれかの群で有意に多いのでなければ、5~10年の長期成績が出て初めて、どちらのステントを使うべきかを考える判断材料となりうると考える。それよりも、画像診断や病理所見からいずれかのステントにおいて、将来問題となる可能性のある所見が認められないか、ステント血栓症が真にOrsiro群で多いとすればどのような機序によるものなのか、といった詳細な検討を行うことが重要であろう。 また、IVUSガイドによる至適拡張が大きく結果を向上させるというエビデンスが出ている現在において、IVUS/OCTの使用率が1.0%であるこの試験の結果が、IVUS/OCTの使用率が100%に近い日本でのPCIにも該当するかどうかは不明である。

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