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第13回 頭部外傷 その原因は?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)発症様式を必ずチェック!突然発症は要注意!2)失神は突然発症だ!心血管性失神を見逃すな!3)外傷の背景に失神あり。必ず前後の痛みの有無をチェック!【症例】65歳女性。来院当日、娘さんとスーパーへ出掛けた。レジで並んでいる最中に倒れ、後頭部を打撲した。目撃した娘さんが声を掛けると数十秒以内に反応があったが、頭をぶつけており、出血も認めたため救急車を要請した。●搬送時のバイタルサイン意識清明血圧152/88mmHg脈拍100回/分(整)呼吸18回/分SpO296%(RA)体温36.5℃瞳孔3/3mm+/+既往歴高血圧(61歳~)、脂質異常症(61歳~)内服薬アムロジピン(Ca拮抗薬)、アトルバスタチン(スタチン)外傷患者に出会ったら高齢者が外傷を理由に来院することは非常に多く、軽症頭部外傷、胸腰椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折などは、しばしば経験します。「段差につまずき転倒した」「滑って転倒した」など、受傷原因が明確であれば問題ないのですが、受傷前の状況がはっきりしない場合には注意して対応する必要があります。大切なのは「なぜけがを負ったのか」、すなわち受傷機転です。結果として引き起こされた外傷の対応も重要ですが、受傷原因のほうが予後に直結することが少なくありません。失神の定義突然ですが、失神とは何でしょうか?意識消失、一過性全健忘、痙攣、一過性脳虚血発作などと明確に区別する必要があります。失神は一般的に、(1)瞬間的な意識消失発作、(2)姿勢保持筋緊張の消失、(3)数秒~数分以内の症状の改善を特徴とします。(1)~(3)を言い換えれば、それぞれ(1)突然発症、(2)外傷を伴うことが多い、(3)意識障害は認めないということです。失神は表1のように分類され、この中でも心血管性失神は見逃し厳禁です1)。決して忘れてはいけない具体的な疾患の覚え方は“HEARTS”(表2)です2)。これらは必ず頭に入れておきましょう。画像を拡大する画像を拡大する外傷の原因が失神であることは珍しくありません。Bhatらのデータによると、外傷患者の3.3%が失神が契機となったとされています3)。姿勢保持筋緊張が消失するために、立っていられなくなり倒れるわけです。完全に気を失わなければ手が出るかもしれませんが、失神した場合には、そのまま頭部や下顎をぶつけるようにして受傷します。頭部打撲、頬部打撲、下顎骨骨折などに代表される外傷を診たら、なぜ手が出なかったのか、失神したのかもしれない、と考える癖を持つとよいでしょう。痛みの有無を必ず確認外傷患者を診たら、誰もが疼痛部位を確認すると思います。Japan Advanced Trauma Evaluation and Care(JATEC)にのっとり、身体診察をとりながら、疼痛部位を評価しますが、その際、今現在の痛みの有無だけでなく、受傷時前後の疼痛の有無も確認しましょう。クモ膜下出血、大動脈解離のそれぞれ10%は失神を主訴に来院します。発症時に頭痛や後頸部痛の訴えがあればクモ膜下出血を、胸痛や腹痛、背部痛を認める場合には大動脈解離を一度は鑑別診断に入れ、疑って病歴や身体所見、バイタルサインを解釈しましょう。検査前確率を意識して適切な検査のオーダーを失神患者にとって、最も大切な検査は心電図です。各国のガイドラインでも心電図は必須の検査とされています。しかし、その場で診断がつくことはまれです。症状が現時点ではないのが失神ですから、検査を施行しても捕まらない、当たり前といえば当たり前です。房室ブロックに代表される不整脈が、その場でキャッチできればもうけものといった感じでしょう。また、心電図に異常を認めるからといって、心臓が原因とは限らないことにも注意しましょう。たとえばクモ膜下出血では90%以上に心電図変化(Big U wave、Prolonged QTc、ST depression など)が出るといわれます。ST低下を認めたからといって、心原性のみを考えていては困るわけです。本症例では、来院時の心電図でST低下が認められ、心原性の要素を考えて初療医は対応していました。しかし、受傷時に頭痛を訴えていたことが娘さんから確認できたため、クモ膜下出血を疑い頭部CT検査を施行し、診断に至りました。外傷患者を診たら受傷機転を考えること、はっきりしない場合には失神/前失神を鑑別に入れて病歴を聴取しましょう。“HEARTS”に代表される心血管性失神の可能性を考慮し、所見(収縮期雑音、血圧左右差、深部静脈血栓症の有無など)をとるのです。鑑別に挙げなければ、頭部外傷患者の下腿を診ることさえないでしょう。1)坂本 壮.救急外来 ただいま診断中!.中外医学社;2015.2)Brignole M,et al. Eur Heart J. 2018;39:1883-1948.3)Bhat PK,et al. J Emerg Med. 2014;46:1-8.

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第9回 腰部の痛み【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第9回 腰部の痛み腰痛を訴える患者さんの外来受診は、よく見られます。誰もが一度や二度は経験する、なじみの痛みでもあります。「腰痛診療ガイドライン2019」によりますと、腰痛の定義は、痛みが体部後面の第12肋骨と臀部下端の間にあり、少なくとも1日以上継続する痛み、となっております。片側または両側の下肢に放散する痛みを伴う、あるいは伴わない場合も含まれます。中には生命を脅かす症例もあるため、迅速な診断と処置が必要となることもあります。今回は、この腰部の痛みを取り上げたいと思います。腰部の痛みは、大きく分けて急性腰痛・亜急性腰痛と慢性腰痛に分類されます。1)急性腰痛・亜急性腰痛発症から4週間未満の痛みを急性腰痛、4週間以上3ヵ月未満の場合は亜急性腰痛と言います。急性腰痛においては、感染性脊椎炎などの感染症も含まれますので気をつけなければなりません。また、高齢者に多い圧迫骨折には多発性骨髄腫や、悪性腫瘍の骨転移なども原因になることもありますので注意が必要です。通常の腰痛の原因としては、椎間板、椎間関節、腰椎を含むその周囲組織のさまざまな部位や腰背部の筋・筋膜に由来すると考えられ、そのものの局在性は不明確です。そのために、特異的な理学所見や画像所見も乏しいのが現状です。多くの腰痛は、3ヵ月経過する前に自然消失していきます。a)腰椎椎間関節性腰痛腰椎椎間関節性腰痛が全腰痛に占める頻度は、若年者で15%、高齢者で40%を占めております。高齢者に多いということは、椎間板が狭小になって前方部分が破綻し、椎間関節に過剰負担がかかり、変性することによって痛みが生じると考えられます。診断には、罹患関節に一致した傍脊柱部に限局した圧痛が認められます。腰椎を進展、捻転、後屈すると、痛みが増強することが多いと言われております。b)腰椎椎間板性腰痛腰椎椎間板性腰痛は、若年者から50歳までの若い年齢層で多くみられます。椎間板内に神経は存在しませんが、線維輪の断裂や椎間板の変性が生じると、椎間板内部のみならず、線維輪外層にまで神経線維が侵入してきます。線維輪に荷重がかかると、神経線維が刺激され、また、炎症症状などにより生じたサイトカインなどの関与によって痛みを感じると考えられております。この確定診断は、椎間板造影診断時に少量の造影剤を注入すると、疼痛が再現されることで得られます。座位や軽度の前屈によって椎間板内圧が増加すると、痛みが増強します。したがって、長時間の座位が取れないことが特徴です。2)慢性腰痛発症からの期間が3ヵ月以上に渡る場合、慢性腰痛と定義します。慢性腰痛の85%は、原因を明確にできない「非特異的腰痛」と言われるほど所見が乏しいと考えられます。椎間板性腰痛は、スポーツ選手や若年者では慢性腰痛の40%程度に関与しているとも言われております。慢性疼痛においては、筋肉への負荷のバランスが悪くなってきますし、筋肉の攣縮などによって、筋・筋膜性疼痛も生じてきます。長期間の疼痛によって精神的にも参ってきますと、身体を動かせないにことよって余計に痛みが増してきます。急性腰痛時に十分な治療を施し、疼痛が遷延しないようにすることが大切です。疼痛が長く持続すると慢性疼痛に移行し、その治療はますます難しくなって難治性慢性疼痛となります。そうなりますと、患者さんのみならず、医療者側も苦しむことになります。次回は下肢痛について述べます。1)腰痛診療ガイドライン2019改訂第2版 日本整形外科学会/日本腰痛学会監修 p7 20192)花岡一雄ほか監修. 痛みマネジメントupdate 日本医師会雑誌. 2014;143:S144-145

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第3回 格安SIMに替えたら、いくら携帯料金が浮くのか?【外科医けいゆうの気になる話題】

第3回 格安SIMに替えたら、いくら携帯料金が浮くのか?突然ですが、私は格安SIMを使っています。先月の電話代は約2,000円でした。安いと思いませんか?ところが、大手キャリアを利用している友人にこの話をしても、驚くほど関心を持たれません。「数千円の差でしょ、大したことないじゃん」という反応です。そうでしょうか?格安SIMに替えたところ、1ヵ月の携帯代が4,000円ほど減ったため、年間4.8万円の固定費削減です。私の場合は、妻とあわせて1ヵ月当たり8,000円、年間9.6万円浮いています。ここまで話しても、友人の反応は「へぇ。でもバイト1回増やせばいいだけだよね」という感じですね。しかし、自分と同年代なら定年まであと約30年ですから、この節約で老後の資金が約300万円増えます。そもそも給与収入は所得税や住民税、社会保険料などで3~4割ほど減るのですから、この「300万円」というのは、400~500万円くらい稼いでようやく手元に残る額です。400~500万円稼ぐのはそれなりに大変ですが、固定費の削減は労働を伴いません。簡単な手続きをするだけで、あとは放置です。ここまで話すと、友人はようやく少し興味を持ちはじめます。しかし、「そうはいっても、最初の手続きが面倒くさいんじゃないか?」と、まだ懐疑的です。自宅からネット経由で申し込んで、手元のスマホのSIMカードを入れ替えるだけです。キャリアに電話をかける必要があるケースもありますが、それほど手間ではありません。使っていたスマホをそのまま使い続けることができます。「機種変更のときが面倒なんじゃないか?」いいえ。先日iPhone XRに替えましたが、アップルのオンラインストアで購入し、SIMカードを入れ替えるだけでした。すべての手続きが自宅で終わります。拍子抜けするほど簡単です。機種変更の際、日常診療の忙しい中、休みを利用して実店舗に赴き、順番待ちをして手数料を払ってスマホを預けて手続きをしていた、あのコストはいったい何だったんだろう、と思ってしまいます。格安SIMのメリットはほかにもたくさんあります。まず、料金体系がシンプルです。私も以前は大手キャリアを使っていましたが、オプションが多かったり、キャンペーンで少額の割引がいくつか付いていたりと、何が何だかよくわからない複雑な明細でした。格安SIMに替えてからは、「データ通信量。通話料。以上」という感じで、「何にお金を払っているのか」が見えやすくなりました。もちろん格安SIMの種類による違いはあると思いますが。速度も気にならず、通信に不便さは感じません。地域によっては、あるいはメーカーによっては、お昼休みと夜は少し速度が落ちる、という話もあるようですが、日中の多くをWi-Fi環境で過ごす医師にとっては、デメリットは小さいように思います。ここまで話すとようやく友人は、「それは便利そうだなぁ、格安SIMに替えようかな!」と言ってくれますが、しばらくしてから会っても替えている様子はありません。良さそうだと思っても、これまで長年使ってきた仕組みを変えることは不安が大きいものなのですね。格安SIMは圧倒的な低コストにもかかわらず、普及率は20%に満たないといわれています。依然として3大キャリアのユーザーが80%以上を占めています。私は何の利益相反もありませんが、将来のために「ぜひ早いうちから格安SIMに替えたほうがいい」と周囲に勧め続けています。ぜひ皆さんもご検討ください。

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境界性パーソナリティ障害への精神薬理学的治療におけるガイドラインとの比較

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、生命を脅かす精神障害である。BPD患者に対する薬理学的治療に関するガイドラインの推奨事項は、非常に広範囲に及ぶ。オーストリア・Psychosomatische Zentrum Waldviertel-Klinik EggenburgのFriedrich Riffer氏らは、日常臨床におけるBPD患者の薬物療法について調査を行った。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2019年5月29日号の報告。 オーストリアの精神科・心療内科クリニックで治療されたBPD(ICD-10:F-60.3)の患者110例(女性の割合:90%)の薬理学的治療に関するデータを評価した。 主な結果は以下のとおり。・臨床医は、BPD患者に向精神薬を処方する頻度が高く、多くの場合で複数の薬剤を処方することが示唆された。・最も一般的に用いられていた薬剤群は、抗精神病薬、気分安定薬、抗うつ薬であった。・最も一般的に用いられていた薬剤は、クエチアピン、ラモトリギン、セルトラリンであった。・併存疾患の有無による薬物療法の種類や数量に、有意な差は認められなかった。・薬物療法と合併症との関連は認められなかった。 著者らは「日常臨床では、BPD患者に対し向精神薬が処方されることが多く、多剤併用になることが多いと示唆された。薬剤数と入院治療プログラムの有効性との間に認められる正の相関、薬剤数と併存疾患との間の関連性の欠如は、多剤併用の医原性効果を示唆していることと矛盾している。これらのことは、ガイドラインのコンセンサスを欠いているにもかかわらず、臨床医はBPD患者に向精神薬を処方しており、処方された薬剤の種類や数量が多いほど、より大きな治療効果が観察されている」としている。

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StageII大腸がんの予後予測因子としての簇出(SACURA試験)/JCO

 Stage II大腸がんにおける術後補助化学療法の有効性を検討したSACURA試験(主任研究者:東京医科歯科大学 杉原 健一氏)の付随研究として、簇出(budding)の予後予測因子、補助化学療法の効果予測因子としての有用性を評価した解析結果を、防衛医科大学校の上野 秀樹氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年6月10日号に掲載。簇出は、国際対がん連合(UICC)が腫瘍関連の予後因子として挙げている因子であり、2016年のInternational Tumor Budding Consensus Conference(ITBCC2016)において国際的評価基準が定義された。簇出の評価によって術後補助化学療法の適応となる対象を適切に選別 SACURA試験は、Stage II大腸がんを対象として、経口テガフール-ウラシル(UFT)1年間投与による術後補助化学療法群と手術単独群とを比較した大規模な無作為化試験である。今回の付随研究では、2006~10年の間に123施設からSACURA試験に登録されたStage II大腸がん1,982例のうち、991例の病理標本を収集した。簇出は、後にITBCC2016に採用された評価基準に基づいた中央判定によって3つのグレード(BD1/BD2/BD3)に診断され、前向きに記録された。5年間の患者登録完了後に主研究で収集した臨床病理学的データおよび予後データと統合し、解析を行った。 簇出の予測因子としての有用性を評価した主な解析結果は以下のとおり。・991例のうち、BD1(簇出が0~4個)が376例、BD2(同5~9個)が331例、BD3(同10個以上)が284例であった。5年無再発生存率(RFS)はそれぞれ90.9%、85.1%、74.4%(p<0.001)で、深達度T4の部分集団解析では、RFSの分かれ方が顕著であった(86.6~53.3%)。・簇出のグレードは、肝臓、肺、リンパ節、腹膜における再発と有意に相関した(p<0.01~0.001)。・多変量解析において、簇出と壁深達度は、独立した予後不良因子であった。Harrellのc統計量(c-index)に基づくと、これらの2因子はRFSの予測モデルの分別能を有意に改善した。・BD2、BD3の部分集団いずれにおいても、統計学的に有意差は無いものの、手術単独群に比べて術後補助化学療法群で5年累積再発率が約5%良好であった。 これらの結果から、研究グループは「Stage II大腸においては、ITBCC2016基準による簇出をルーチンに評価すべきであり、これにより術後補助化学療法の適応となる対象の適切な選別と予後向上が期待される」としている。

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日本の高齢者、痩せと糖尿病が認知症リスクに

 わが国の高齢者において、痩せていること(BMI 18.5kg/m2未満)と糖尿病が認知症発症のリスク因子であり、BMIが低いほど認知症発症率が高いことが、JAGES(Japan Gerontological Evaluation Study:日本老年学的評価研究)のコホートデータを用いた山梨大学の横道 洋司氏らの研究で示された。また、本研究において認知症発症率が最も高かったのは高血圧症を持つ痩せた高齢者で、次いで脂質異常症を持つ痩せた高齢者であった。Journal of Diabetes Investigation誌オンライン版2019年6月17日号に掲載。 本研究では、高齢者における糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満(BMI 25kg/m2以上)、痩せ(BMI 18.5kg/m2未満)に関連する認知症リスクを比較し、さらにこれらの代謝性疾患とBMIの組み合わせに関連する認知症リスクも調査した。対象は、2010年に健康診断を受けた高齢者(平均年齢73.4歳)で、平均5.8年間追跡した。認知症は介護保険登録を用いて調べ、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満、痩せは、服薬もしくは健康診断結果で評価し、認知症発症率と調整ハザード比(HR)を計算した。 主な結果は以下のとおり。・参加した高齢者3,696人のうち、338人が認知症を発症した。・標準体重で該当する疾患がない人を基準とすると、男女それぞれの調整HR(95%信頼区間)は、糖尿病では2.22(1.26~3.90)および2.00(1.07~3.74)、高血圧症では0.56(0.29~1.10)および1.05(0.64~1.71)、脂質異常症では1.30(0.87~1.94)および0.73(0.49~1.08)、BMI 25~29.9kg/m2では0.73(0.42~1.28)および0.82(0.49~1.37)、痩せでは1.04(0.51~2.10)および1.72(1.05~2.81)であった。・脂質異常症を持たない標準体重の男性と比較して、脂質異常症を持つ痩せた男性のHRが4.15(1.79~9.63)、高血圧症を持たない標準体重の女性と比較して高血圧症を持つ痩せた女性のHRが3.79(1.55~9.28)と、認知症リスクが有意に高かった。・認知症発症率が最も高かったのは高血圧症を持つ痩せた高齢者で、次いで脂質異常症を持つ痩せた高齢者であった。

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早期乳がんへの術後トラスツズマブ投与、PHERE試験の最終解析/Lancet

 早期乳がんの術後トラスツズマブ治療において、6ヵ月投与は12ヵ月投与に対し非劣性ではないことが、フランス・Centre Paul StraussのXavier Pivot氏らが行った「PHARE試験」の最終解析で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年6月6日号に掲載された。本試験の2013年の中間解析では非劣性が確認できず、今回は、事前に規定されたイベント発生数に基づき、予定された最終解析の結果が報告された。無病生存を評価するフランスの無作為化非劣性試験 PHAREは、フランスの156施設が参加した非盲検無作為化第III相非劣性試験であり、2006年5月~2010年7月の期間に患者登録が行われた(フランス国立がん研究所の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、転移がなく、HER2陽性の切除可能な腺がんで、腋窩リンパ節転移の有無は問わず、腫瘍径が10mm以上であり、化学療法を4サイクル以上受け、術後トラスツズマブ治療を開始した患者であった。 被験者は、術後トラスツズマブ治療開始後3~6ヵ月の治療期間中に、6ヵ月または12ヵ月投与の群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、intention-to-treat(ITT)集団における無病生存の、6ヵ月投与群の12ヵ月投与群に対する非劣性とした。事前に規定されたハザード比(HR)のマージンは1.15であった。標準投与期間は12ヵ月のままに 3,380例(ITT集団)が登録され、6ヵ月投与群に1,690例(年齢中央値55歳[範囲23~85]、リンパ節転移陰性54.7%、ホルモン受容体陰性38.5%)、12ヵ月投与群にも1,690例(54歳[21~86]、55.4%、39.6%)が割り付けられた。化学療法は、タキサン系薬+アンスラサイクリン系薬剤が、それぞれ72.7%、73.9%で施行された。 フォローアップ期間中央値7.5年(IQR:5.3~8.8)の時点で、無病生存関連イベントが704件認められた(6ヵ月投与群359件[21.2%]、12ヵ月投与群(345件[20.4%])。層別因子で補正したHRは1.08(95%信頼区間[CI]:0.93~1.25、p=0.39)であった。事前に規定された非劣性マージン(1.15)が95%CI内に含まれたため、非劣性仮説は証明されなかった。 サブグループ解析(年齢、リンパ節転移、腫瘍サイズ、ホルモン受容体など)では、トラスツズマブの投与期間の違いで無病生存率に差はみられなかった。 6ヵ月投与群の186例(11.0%)、12ヵ月投与群の170例(10.1%)が死亡した(HR:1.13、95%CI:0.92~1.39、p=0.26)。3年生存率は、6ヵ月投与群が89.3%、12ヵ月投与群は92.2%であり、5年生存率はそれぞれ84.2%、86.2%、7年生存率は80.6%、82.3%であった。 また、遠隔再発は6ヵ月投与群が249例(14.7%)、12ヵ月投与群は224例(13.3%)に認められ、無転移生存率のHRは1.15(95%CI:0.96~1.37、p=0.14)であった。 トラスツズマブ投与終了後に、安全性関連のイベントはほとんど発現しなかった。前回の報告以降、心不全は発現せず、12ヵ月投与群で新たに3例に左室駆出率50%未満を認めたのみだった。 著者は、「治療曝露の削減には疑問が残るため、術後トラスツズマブ治療の標準投与期間は12ヵ月のままとすべきと考えられる」としている。

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「傾向が認められた」を巡る最近の議論(解説:香坂俊氏)-1064

今回取り上げるPRINCESS研究(JAMA誌に2019年5月に発表)の大枠の結果は以下のとおりであった。・鼻カヌラ冷却装置による早期低体温療法の効果を検討・671人の院外心肺停止患者(witnessed:目撃者あり)を対象・90日目後予後に「改善の傾向」は認められたが、有意差なしこのうえさらに電気ショック可能であった患者での層別化解析も行われているが、こちらも「改善の傾向」を認めるのみで、統計学的な有意差は認められなかった。心肺停止症例に対する介入に関しては、低体温療法のみならずさまざまな早期介入手段に関してあまり芳しくない結果が続いている。・アミオダロン投与:「アミオダロンは効く?効かない?よくわからない?」・到着前からの低体温療法:Kim F, et al. JAMA. 2014;311:45-52.・24時間ではなく48時間の低体温療法:Kirkegaard H, et al. JAMA. 2017;318:341-350.ただ、この領域では統計的な有意差はなかったが、「改善の傾向」は認められたということが多い。このあたり、最近議論を呼んでおり、p値だけを見ることに対して2016年に米国統計学会が警鐘を鳴らしており、ドラスティックに「p値の値そのものは何も意味しない」という声明を出している(ASA P-Value Statement Viewed > 150,000 Times)。0.05あるいは0.01を絶対的なものと見なすのではなく、むしろp値を連続値として扱い、その解釈は当事者たちに任せるべきであるとする考え方である。心肺停止のような極限状況ではランダム化の実施はかなり困難であり、十分な統計的なパワーを持った研究を行うことが年々難しくなってきている。このような状況下でこそ、上記のような考え方は大事になってくるように筆者には思われる。低体温療法についての細かいノウハウに関しても、今回のPRINCESS試験単独ではなく、さまざまな角度からの知見の集積が必要なものと考えられる。

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027)いくつになってもきれいな肌でいたい【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第27回 いくつになってもきれいな肌でいたいしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆皮膚の加齢変化のひとつである、脂漏性角化症(イボ)。老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とも呼ばれるこのイボは、中高年の顔面によく見られ、主な原因は加齢や紫外線といわれています。とある外来で、「もう見た目を気にする歳でもないんだけど…」と診察室を訪れたのは、60代の男性患者さん。顔には多数のイボがありますが、こめかみにある一番大きなイボが気になるようで、そこだけ焼いて取りたいという希望。指定のイボを液体窒素による凍結療法で処置したところ、イボがあった部位は数週間でつるつるの平坦な肌になりました。後日、すっきりとした様子の患者さんは、別のイボも気になってきたようで、「今度はこっちのイボも焼いてほしい」と言い始めました。皮膚科では、「ここだけ治療をしたい」と始めたはずが、だんだんと「こっちも、あっちも」と気になる部位が増えるのは、実はよくあるパターンです。「見た目を気にする年齢じゃない」と言いつつも、やはり肌がきれいになるのはいくつになっても嬉しいものです。どちらにせよ、一度の受診で多数のイボを処置することは、診察の都合上難しいこともあるので、あまりに多数のイボがある患者さんは、左右片方ずつなど、部位ごとに対応していくようにしています。ちなみに、脂漏性角化症に対する液体窒素による凍結療法は、健康保険が適応されます。今回は、皮膚科でよくあるイボ除去についての話でした。それでは、また~!

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家族性良性慢性天疱瘡〔familial benign chronic pemphigus〕

1 疾患概要■ 概念・定義家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病[Hailey-Hailey disease])は、厚生労働省の指定難病(161)に指定されている皮膚の難病である。常染色体優性遺伝を示す先天性の水疱性皮膚疾患で、皮膚病変は生下時には存在せず、主として青壮年期以降に発症する。臨床的に、腋窩・鼠径部・頸部・肛囲などの間擦部に小水疱、びらん、痂皮などによる浸軟局面を生じる。通常、予後は良好である。しかし、広範囲に重篤な皮膚病変を形成し、極度のQOL低下を示す症例もある。また、一般的に夏季に増悪、冬季に軽快し、紫外線曝露・機械的刺激・2次感染により急激に増悪することがある。病理組織学的に、皮膚病変は、表皮下層を中心に棘融解性の表皮内水疱を示す。責任遺伝子はヒトsecretory pathway calcium-ATPase 1(hSPCA1)というゴルジ体のカルシウムポンプをコードするATP2C1であり、3番染色体q22.1に存在する。類似の疾患として、小胞体のカルシウムポンプ、sarco/endoplasmic reticulum Ca2+ ATPase type 2 isoformをコードするATP2A2を責任遺伝子とするダリエ病があり、この疾患は皮膚角化症に分類されている。■ 疫学わが国の患者数は300例程度と考えられている。現在、本疾患は、指定難病として厚生労働省難治性疾患政策研究事業の「皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班」(研究代表者:大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学 橋本 隆)において、アンケートを中心とした疫学調査が進められている。その結果から、より正確なわが国における本疾患の疫学的情報が得られることが期待される。■ 病因本症の責任遺伝子であるATP2C1遺伝子がコードするヒトSPCA1はゴルジ体に存在し、カルシウムやマグネシウムをゴルジ体へ輸送することにより、細胞質およびゴルジ体のホメオスタシスを維持している。ダリエ病と同様に、常染色体優性遺伝する機序として、カルシウムポンプタンパクの遺伝子異常によってハプロ不全が起こり、正常遺伝子産物の発現が低下することによって本疾患の臨床症状が生じると考えられる。しかし、細胞内カルシウムの上昇がどのように表皮細胞内に水疱を形成するか、その機序は明らかとなっていない。■ 症状生下時には皮膚病変はなく、青壮年期以降に、腋窩・鼠径部・頸部・肛門周囲などの間擦部を中心に、小水疱、びらん、痂皮よりなる浸軟局面を示す(図1)。皮膚症状は慢性に経過するが、温熱・紫外線・機械的刺激・感染などの因子により増悪する。時に、胸部・腹部・背部などに広範囲に皮膚病変が拡大することがあり、極度に患者のQOLが低下する。とくに夏季は発汗に伴って増悪し、冬季には軽快する傾向がある。皮膚病変上に、しばしば細菌・真菌・ヘルペスウイルスなどの感染症を併発する。皮膚病変のがん化は認められない。高度の湿潤状態の皮膚病変では悪臭を生じる。表皮以外にも、全身の細胞の細胞内カルシウムが上昇すると考えられるが、皮膚病変以外の症状は生じない。画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)診断は主として、厚生労働省指定難病の診断基準に従って行う。すなわち、臨床的に、腋窩・鼠径部・頸部・肛囲などの間擦部位に、小水疱、びらんを伴う浸軟性紅斑局面を形成し、皮疹部のそう痒や、肥厚した局面に生じた亀裂部の痛みを伴うこともある。青壮年期に発症後、症状を反復し慢性に経過する。20~50歳代の発症がほとんどである。皮疹は数ヵ月~数年の周期で増悪、寛解を繰り返す。常染色体優性遺伝を示すが、わが国の約3割は孤発例である。参考項目としては、増悪因子として高温・多湿・多汗(夏季)・機械的刺激、合併症として細菌・真菌・ウイルスによる2次感染、その他のまれな症状として爪甲の白色縦線条、掌蹠の点状小陥凹や角化性小結節、口腔内および食道病変を考慮する。皮膚病変の生検サンプルの病理所見として、表皮基底層直上を中心に棘融解による表皮内裂隙を形成する(図2)。裂隙中の棘融解した角化細胞は少数のデスモソームで緩やかに結合しており、崩れかけたレンガ壁(dilapidated brick wall)と表現される。画像を拡大するダリエ病でみられる異常角化細胞(顆粒体[grains])がまれに出現する。棘融解はダリエ病に比べて、表皮中上層まで広く認められることが多い。生検組織サンプルを用いた直接蛍光抗体法で自己抗体が検出されない。最終的には、ATP2C1の遺伝子検査により遺伝子変異を同定することによって診断確定する(図3)。変異には多様性があり、遺伝子変異の部位・種類と臨床的重症度との相関は明らかにされていない。別に定められた重症度分類により、一定の重症度以上を示す場合、医療費補助の対象となる。画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)ステロイド軟膏や活性型ビタミンD3軟膏などの外用療法やレチノイド、免疫抑制薬などの全身療法が使用されているが、対症療法が主体であり、根治療法はない。2次的な感染症が生じたときには、抗真菌薬・抗菌薬・抗ウイルス薬を使用する。予後としては、長期にわたり皮膚症状の寛解・再燃を繰り返すことが多い。比較的長期間の寛解状態を示すことや、加齢に伴い軽快傾向がみられることもある。4 今後の展望前述のように、本疾患は、指定難病として厚生労働省難治性疾患政策研究事業の「皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班」において、各種の臨床研究が進んでいる。詳細な疫学調査によりわが国での本疾患の現状が明らかとなること、最終的な診療ガイドラインが作成されることなどが期待される。最近、新しい治療として、遺伝子上の異常部位を消失させるmutation read throughを起こさせる治療として、suppressor tRNAによる遺伝子治療やゲンタマイシンなどの薬剤投与が試みられている。5 主たる診療科皮膚科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働省の難治性疾患克服事業(難治性疾患政策研究事業)皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班(研究代表者:橋本 隆 大阪公立大学・大学院医学研究科 皮膚病態学 特任教授)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター 家族性良性慢性天疱瘡(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Hamada T, et al. J Dermatol Sci. 2008;51:31-36.2)Matsuda M, et al. Exp Dermatol. 2014;23:514-516.公開履歴初回2019年6月25日

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薬剤師飽和時代がいよいよ到来 厚労省の研究報告【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第27回

薬剤師不足が叫ばれて久しいですが、皆さんの薬局では必要な人員が確保できていますでしょうか? このたび、薬剤師の需要に関する見通しについて、研究結果が発表されました。厚生労働科学研究の一環として行われた薬剤師の需要予測によると、ほぼ均衡状態にある2018年度から、43年度には需要総数40.0万人に達して、供給総数は40.8万人と8,000人程度の過剰になることが分かった。(中略)報告書では「今後数年間は需要と供給が均衡している状況が続くことになるが、長期的に見ると供給が上回ることが見込まれている」と指摘した。(2019年6月6日付 日刊薬業)私が薬剤師になってからはや10数年経ちますが、私が学生の頃から「この先、薬剤師は供給過多になるぞ!」と言われていました。その頃から増え続ける薬局軒数、とくに門前薬局の多さが指摘されたり、調剤だけを行っている薬剤師が医薬分業の観点から批判の的となったりしていたので、若かったということもあり結構ビビったものです。実際には、後発医薬品の使用促進や在宅訪問など、さまざまな新しい取り組みもあったことから、薬局が立ち行かなくなるほどの大幅な調剤報酬の削減は免れ、薬局数は右肩上がりに増え続け、薬剤師の求人倍率は5.22(2018年)と売り手市場となっています。今後もこの動向が続くのかどうかは全薬剤師が気になるところでしょう。今回の厚生労働省の研究の一環として行われた予測では、どのような見通しとなっているのでしょうか。【薬剤師の供給予測】直近3年間の薬剤師国家試験の傾向から1年間で約9,800人が毎年合格するとして、25年後の2043年の薬剤師の供給予測は40.8万人と推計されています。なお、6年制薬剤師の割合は、71.3%に達するとされています。【薬剤師の需要予測】2018年の薬局薬剤師数は17.7万人、病院・診療所薬剤師数は5.9万人、処方箋受取率(医薬分業率)は75%を上限として推移すると考えると、2043年の全薬剤師の必要人数は40万人で、そのうち薬局薬剤師数は21.1万人に増加し、病院・診療所薬剤師は5.8万人に減少すると推計されています。今回の研究では、いわゆる対人業務による薬剤師の業務の変化は考慮されていないので、単純に薬局やドラッグストアの店舗数の増加が見込まれていると考えられます。2043年時点では薬剤師の需要よりも供給が8,000人多くなっており、「今後数年間は需要と供給が均衡している状況が続くことになるが、長期的に見ると供給が上回ることが見込まれている」と結論付けられています。もっとも、算出プロセスとして現在および過去の環境や薬剤師業務をもとにしていることから、今後求められる対人業務やAIの活用、もっといえば調剤報酬の変化によって、大きく動向が変わる可能性があります。最も“ゆるく”考えてこの結果なのだという程度に捉えたほうがいいかもしれません。実は、今回報道された研究結果は、とある研究の一部という位置付けでした。それは、「かかりつけ薬剤師・薬局の多機関・多職種との連携に関する調査研究」(研究代表者:安原 眞人氏)という研究で、変わりゆく医療環境の中で、薬剤師が多機関・多職種と連携したPBPM(プロトコールに基づく薬物治療管理)に基づく高度薬学管理機能を患者に提供するための方策を検討し、評価したものです。研究者の中には、がん専門薬剤師など各種分野で活躍されている薬剤師の名前があり、具体的な分野に関して連携やフォロー方法なども記載されています。とても興味深く、勉強になる研究報告書ですので、ぜひ皆さんにも読んでほしいと思います。

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光免疫療法、局所再発頭頸部がんで良好な成績/ASCO2019

 BRCA1/2やATM遺伝子(相同組換え修復遺伝子:HRR遺伝子)に変異があり、かつ転移も有する 去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対する、PARP阻害薬のオラパリブと標準的なホルモン剤との比較試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Northwestern University Feinberg School of MedicineのMaha Hussain氏により発表された。 本試験は国際共同オープンラベル第III相試験である。・対象:1次治療のホルモン剤(エンザルタミドまたはアビラテロン)投与後に病勢進行となったmCRPC患者で、HRR遺伝子のBRCA1/2、ATM、CDK12、CHEK2など15遺伝子のうち1つでも変異の有る患者387例。・試験群:[コホートA]HRR遺伝子のうちBRCA1、BRCA2、ATMに変異を有する患者、[コホートB]他のHRR遺伝子の変異を有する患者にオラパリブ300mgx2/日投与。(Ola群)・対照群:[コホートA、Bとも]、主治医選択によるホルモン剤(エンザルタミドまたはアビラテロン)を投与。(EA群)・評価項目:[主要評価項目]コホートAの画像評価による無増悪生存期間(rPFS)判定。[副次評価項目]コホートA+BのrPFS、コホートAにおける奏効率、疼痛が増悪するまでの期間(TPP)、全生存期間(OS)であった。EA群からOla群へのクロスオーバーが認められていた。各遺伝子の変異は、NGSによる中央測定で決定した。 主な結果は以下のとおり。・2017年4月~2018年11月までの登録期間で、コホートAとコホートBに2対1の割合(245例と142例)で割り付けられた。・コホートAのrPFS中央値はOla群で7.39ヵ月、EA群で3.55ヵ月(ハザード比[HR):0.34(95%信頼区間[CI):0.25~0.47、p<0.0001]と有意にOla群が良好であった。・コホートAの奏効率は、Ola群が33.3%、EA群が2.3%でHR20.86(95%CI:4.18~379.18)、p<0.0001と有意にOla群が高かった。・同様にコホートAのTPP中央値は、Ola群が未到達、EA群が9.92ヵ月で、HR0.44(95%CI:0.22~0.91)、p=0.0192とOla群で有意に延長していた。・さらにコホートAのOS中央値は、中間解析でOla群が18.50ヵ月、EA群が15.11ヵ月、HR0.64(95%CI:0.43~0.97)、p=0.0173だった。中間解析用の事前設定のp値の閾値は0.01であったたため、この時点では有意性は検証できなかった。・コホートAで病勢進行の見られた患者の80.6%でオラパリブへのクロスオーバーが行われていた。・コホートA+BのrPFS中央値は、Ola群で5.82ヵ月、EA群で3.52ヵ月、HR0.49(95%CI:0.38~0.63)、p<0.0001とOla群で有意に延長していた。・Ola群の安全性プロファイルは、他がん種の報告と同様で、新たなる予見はみられなかった。

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第2世代抗精神病薬経口剤の長期有効性~メタ解析

 統合失調症の維持療法においては、第2世代抗精神病薬(SGA)の使用が推奨される。しかし、各SGAの長期有効性の違いは、明らかとなっていない。慶應義塾大学の岸本 泰士郎氏らは、統合失調症および関連疾患におけるSGAの有効性を直接比較した6ヵ月以上のランダム化試験について、システマティックレビュー、メタ解析を実施した。World psychiatry誌2019年6月号の報告。 主要アウトカムは、全原因による中止とした。副次アウトカムは、精神病理、無効および忍容性に関連した中止、再発、入院、寛解、機能、QOL、有害事象を含む有効性および忍容性とした。プールされたリスク比(RR)および標準化平均差(SMD)の算出には、ランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・59研究(4万5,787例、持続期間47.4±32.1週[24~186週])からの有効性、忍容性の結果において、SGAの一貫した優位性は認められなかった。・全原因による中止では、クロザピン、オランザピン、リスペリドンは、他のSGAよりも有意に優れていたが(p<0.05)、クエチアピンは他のSGAよりも劣っていた。・精神病理学的側面では、クロザピン、オランザピンは他のSGAよりも優れていたが、クエチアピン、ziprasidoneは、他のSGAよりも劣っていた。・他の有効性アウトカムに関するデータは、希薄であった。・忍容性に関連した中止では、他のSGAと比較し、リスペリドンは優れており、クロザピンは劣っていた。・体重増加については、オランザピンは、クロザピンを除く他のすべてのSGAよりも悪く、リスペリドンは、いくつかのSGAよりも有意に悪かった。・パーキンソン症候群については、オランザピンは、リスペリドンよりも優れていたが、アカシジアについては有意な差が認められなかった。・鎮静および傾眠作用については、クロザピンおよびクエチアピンは、他のSGAよりも有意に悪かった。 著者らは「本検討により、さまざまなSGAの長期有効性および忍容性のパターンが明らかとなった。特定のSGAにおける長期的なリスクとベネフィットのプロファイルは、維持療法の治療効果を最適化するため、個々の患者に合わせて調整する必要がある」としている。

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アルバイト代は200万円未満が6割

 ケアネットでは、5月30日(木)~6月3日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で年収に占めるアルバイト代について尋ねたところ、約60%の医師が年間で200万未満と回答、次いで約10%の医師が200~400万円と回答した。 年代別にみると35歳以下の医師で年収に占めるアルバイト代200万円未満の割合は44%、36~45歳では54%、46~55歳では71%と年代が上がるにつれ、収入におけるアルバイト代比率は低くなり、若い医師ほどアルバイト代に依存する割合が高いことが明らかになった。 また、46~55歳でもアルバイト代が年収の200~400万円を占める割合が12%、56~65歳で13%、66歳以上でも11%と年を重ねても、アルバイトで何らかの収入をあげていることが判明した。 上記のほか、男女別、病床数別、勤務先別、診療科別のアルバイト代についても、以下のページで結果を発表している。■参考医師の年収に関するアンケート2019【第2回】アルバイト代

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デュラグルチドが2型DMの腎アウトカム改善/Lancet

 デュラグルチド(商品名:トルリシティ)は、Stage3/4の慢性腎臓病患者において、1年後の推算糸球体濾過量(eGFR)の低下を軽減することが報告されている。カナダ・マックマスター大学のHertzel C. Gerstein氏らREWIND試験の研究グループは、今回、同試験の探索的解析として、デュラグルチドの長期使用による2型糖尿病患者の腎アウトカムへの影響を検討し、プラセボと比較して有意な改善効果が得られることを示した。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。本試験では、既存の血糖降下レジメンへのデュラグルチドの追加により、2型糖尿病患者の心血管イベントのリスクが低減することが確認されている。デュラグルチドによる腎アウトカムへの影響を評価 本研究は、心血管リスク因子を有し、HbA1cが広範囲にわたる2型糖尿病の中年~高齢患者の血糖コントロールにおけるデュラグルチドの有用性を検討する、二重盲検プラセボ対照無作為化試験「REWIND試験」の探索的解析である(Eli Lilly and Companyの助成による)。 対象は、年齢50歳以上、BMI≧23で、2剤以内の安定用量の経口血糖降下薬を服用している2型糖尿病(HbA1c≦9.5%、下限値は設けない)で、心血管イベントの既往または心血管リスク因子を有する患者であった。 被験者は、デュラグルチド(1.5mg)またはプラセボを毎週1回皮下注射する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。少なくとも6ヵ月ごとに、アウトカムの評価のためのフォローアップが行われた。また、12ヵ月ごとに、尿検査と血清学的検査を実施し、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)およびeGFRを推算した。 探索的解析として、細小血管症の複合アウトカムのうち腎関連項目(新規の顕性アルブミン尿[UACR>33.9mg/mmol]の初回発現、eGFRのベースラインから30%以上の持続的低下、持続的腎代替療法[透析、腎移植])の評価を行った。デュラグルチド群の腎アウトカム:17.1% vs.19.6%(p=0.0004) 2011年8月~2013年8月の期間に24ヵ国371施設で9,901例が登録され、デュラグルチド群に4,949例(平均年齢66.2歳(SD 6.5)、女性46.6%、平均HbA1c 7.3%[SD 1.1])、プラセボ群には4,952例(66.2歳(SD 6.5)、46.1%、7.4%[1.1])が割り付けられた。ベースライン時に、791例(7.9%)が顕性アルブミン尿を発症しており、平均eGFR値は76.9(SD 22.7)mL/分/1.73m2であった。 フォローアップ期間中央値5.4年(IQR:5.1~5.9)の時点(5万1,820人年)で、腎アウトカムはデュラグルチド群が848例(17.1%、3.5件/100人年)で発現したのに対し、プラセボ群は970例(19.6%、4.1件/100人年)と、デュラグルチド群が15%有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.77~0.93、p=0.0004)。 最も明確なデュラグルチドの効果を認めたのは、顕性アルブミン尿の抑制効果(HR:0.77、95%CI:0.68~0.87、p<0.0001)であり、eGFRの30%以上の持続的低下(0.89、0.78~1.01、p=0.066)と持続的腎代替療法(0.75、0.39~1.44、p=0.39)には有意差はみられなかった。 重篤な腎有害事象の発現率は、両群間に有意差を認めなかった(デュラグルチド群1.7% vs.プラセボ群1.9%、HR:0.90、95%CI:0.67~1.20、p=0.46)。 著者は、「今後、ベースライン時に腎機能が保持された患者や低下した患者において、デュラグルチドの腎機能への影響の特性をさらに明らかにするために、大規模な前向き試験を行う必要がある」としている。■「デュラグルチド」関連記事デュラグルチドのREWIND試験は1次予防の壁を越えるか

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日本人非扁平上皮NSCLCへの維持療法、Bev対Bev+Pem(COMPASS)/ASCO2019

 日本人進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者における、カルボプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブ後の維持療法として、ベバシズマブとベバシズマブ・ペメトレキセド併用を比較した第III相COMPASS試験の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、九州がんセンターの瀬戸 貴司氏が発表した。・対象:化学療法歴のない、Stage IIIB~IV、EGFR野生型または不明の非扁平上皮NSCLC患者(被験者は、カルボプラチン・ペメトレキセド・ベバシズマブ併用3週ごと4サイクルの導入療法実施後、維持療法として、ベバシズマブ群とベバシズマブ・ペメトレキセド併用群に無作為に割り付けられた)・試験群:(維持療法)ベバシズマブ+ペメトレキセド3週ごとPDまで(Bev+Pem群)・対照群:(維持療法)ベバシズマブ3週ごとPDまで(Bev群)・評価項目:[主要評価項目]無作為化後の全生存期間(OS)[副次評価項目]無作為化後の無増悪生存期間(PFS)、1次登録(導入療法開始前)時からのOSとPFS、安全性 1次登録での主な結果は以下のとおり。・2010年9月~2015年9月に、71施設から907例が1次登録され、導入療法が実施された。1次登録からの追跡期間中央値は63.3ヵ月。・1次登録におけるPFS中央値は7.1ヵ月、OS中央値は21.1ヵ月であった。 無作為化後の主な結果は以下のとおり。・導入療法後、599例がBev群とBev+Pem群に無作為に割り付けられ、うち維持療法評価に登録された患者は594例(Bev群295例、Bev+Pem群299例)であった。無作為化後の追跡期間中央値は59.9ヵ月。・無作為化後のOS中央値は、Bev群19.6ヵ月に対しBev+Pem群23.3ヵ月であった(HR:0.87、95%CI:0.73~1.05、p=0.069)。・無作為化後のPFS中央値は、Bev群4.0ヵ月に対しBev+Pem群5.7ヵ月と、Bev+Pem群で有意に改善した(HR:0.67、95%CI:0.57~0.79、p<0.001)。・無作為化後のOSについてサブグループ解析の結果、70歳未満(Bev群19.7ヵ月対Bev+Pem群23.7ヵ月、HR:0.79、95%CI:0.64~0.98、p=0.03)ならびにEGFR野生型(Bev群18.8ヵ月対Bev+Pem群23.3ヵ月、HR:0.82、95%CI:0.68~0.99、p=0.041)において、Bev+Pem群でより改善した。・維持療法におけるGrade3以上の有害事象のうち、Bev+Pem群で多くみられたのは好中球数減少(1.0%対14.0%)、白血球数減少(0.0%対5.4%)であった。高血圧については、Bev群16.6%、Bev+Pem群11.7%であった。新たな有害事象のプロファイルはみられなかった。 Bev+Pemによる維持療法は、Bev単剤に比べPFSを延長し、また、70歳未満およびEGFR野生型患者においてはOSを有意に改善した。瀬戸氏は、カルボプラチン・ペメトレキセドベースの1次治療において、ペメトレキセドによる継続維持療法は外せないと結論付けている。

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Stage I NSCLCにおける術後補助化学療法の効果/ASCO2019

 StageIの非小細胞肺がん(NSCLC)には異質性があり、再発を来すケースがある。しかし、これらの集団に対する術後補助化学療法には議論の余地がある。広島大学の津谷 康大氏らは、再発リスクによる病理StageI(pStage I)のNSCLCの術後補助化学療法の効果を分析し、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で発表した。 肺葉手術で完全切除したpStageI NSCLC 1,278例を分析対象とした。再発高リスクはCox比例ハザードモデルにより、腫瘍径(浸潤径)2cm超、リンパ管侵襲あり、血管侵襲あり、臓側胸膜浸潤ありと定義した。評価項目は無再発生存期間(RFS)、全生存期間(OS)、がん特異的生存期間(CSS)とした。 主な結果は以下のとおり。[高リスク群と低リスク群の予後]・5年RFSは低リスク群96.0%、高リスク群76.7%(HR:6.62、95%CI:4.18~11.10、p<0.0001)、5年OSは低リスク群96.0%、高リスク群85.7%(HR:3.99、95%CI:2.39~7.03、p<0.0001)と、いずれも高リスク群で不良であった。[術後補助化学療法の効果]低リスク群・5年RFSは術後補助化学療法群98.1%、観察群95.7%(HR:0.47、95%CI:0.07~1.67、p=0.30)、5年OSは術後補助化学療法群98.0%、観察群95.6%(HR:0.50、95%CI:0.08~1.81、p=0.35)、5年CSSは補助療法群100%、観察群99.4%(HR:NA、p=0.52)と、いずれも統計学的な差は示さなかった。高リスク群・5年RFSは術後補助化学療法群81.4%、観察群73.8%(HR:0.63、95%CI:0.41~0.93、p=0.023)、5年OSは術後補助化学療法群92.7%、観察群81.7%(HR:0.28、95%CI:0.13~0.53、p<0.0001)、5年CSSは術後補助化学療法群95.0%、観察群89.5%(HR:0.34、95%CI:0.13~0.77、p=0.012)と、いずれも術後補助化学療法で有意に良好であった。・高リスク群における化学療法をプラチナダブレットと単剤化学療法(以下、単剤)で比較したところ、5年RFSはプラチナダブレット群72.8%、単剤群83.3%(HR:1.45、95%CI:0.72~2.94、p=0.29)、5年OSはプラチナダブレット群72.8%、単剤群83.3%(HR:0.69、95%CI:0.32~4.98、p=0.69)と統計学的な差は認められなかったが、5年CSSについてはプラチナダブレット群89.9%、単剤群98.4%と単剤で良好であった(HR:8.92、95%CI:1.40~172.80、p=0.018)。 同氏らは、腫瘍径(浸潤径)2cm超、リンパ管侵襲あり、血管侵襲あり、臓側胸膜浸潤ありは再発高リスク因子であること、術後補助化学療法は高リスク患者の生存を改善すること、pStageIのNSCLCにおける単剤化学療法と比べたプラチナダブレットの生存改善は認められなかったことを結論として示した。

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局所進行NSCLCにおけるCCRT+アテゾリズマブの評価(DETERRED)/ASCO2019

 デュルバルマブが局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)の化学放射線同時併用療法(CCRT)後の地固め療法の新たなスタンダードとなるなど、CCRTと免疫療法の併用によるサバイバルの改善が期待されている。そのような中、StageII~IIIのNSCLCにおいて、CCRTとアテゾリズマブの併用(地固めおよび維持療法)とCCRT単独を比較する第II相臨床試験DETERREDが実施された。その結果を米国・MDアンダーソンがんセンターのSteven H. Lin氏らが米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で発表した。 同試験の対象は手術不能でPS2以下、StageII~IIIの局所進行NSCLC患者40例。患者のステージは、StageIIが15%、IIIAが50%、IIIBが35%、組織型は腺がん58%、扁平上皮がん35%、分類不能が7%であった。 登録患者は40例で、パート1(10例)、パート2(30例)に割り付けられた。パート1はCCRT(カルボプラチン+パクリタキセル+放射線、毎週)後に地固め化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)+アテゾリズマブ3週ごとを2サイクル、さらにその後に維持療法として1年以内のアテゾリズマブを3週ごと。パート2はCCRT(パート1と同様)+アテゾリズマブ後に地固め化学療法(パート1と同様)+アテゾリズマブ3週ごとを2サイクル、さらにその後に維持療法として1年以内のアテゾリズマブ3週ごとという投与方法である。主要評価項目は安全性、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、Grade3以上の放射線肺臓炎など。 Grade3以上の有害事象発現頻度はパート1が60%、パート2が67%、試験薬の投与中止につながった有害事象発現頻度はそれぞれ30%、17%、Grade3以上のアテゾリズマブに関係する免疫関連有害事象の発現頻度はそれぞれ30%、20%だった。 PFS中央値はパート1が18.6ヵ月、パート2が13.2ヵ月、OS中央値はパート1が22.8ヵ月、パート2が未到達であった。

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176)長生きするスポーツはどれ?【糖尿病患者指導画集】

患者さん用:長生きするスポーツはどれ?説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師運動のほうはいかがですか?患者それがなかなか。したい気持ちはあるのですが…。医師若い頃は、何か運動やスポーツをされていましたか?患者中学と高校はテニスをしていました。医師それはいいですね。ところで、継続するスポーツによって、平均余命に差があるのを知っていますか?患者いえ、知らないです。医師では、ここでクイズです。この表の1~3に当てはまるスポーツは、どれだと思いますか?患者うーん…。体操は筋肉が付きそうなので、1ですか?医師なるほど。答えは、1がテニス、2がサッカー、3が体操です。患者えっ! ちょっと意外な結果です。医師これはデンマークのデータですが、仲間と一緒にできるスポーツのほうが、長生きする可能性があるそうですよ。患者そうなんですか。また始めてみようかな…。●ポイント対戦相手がいる社交的なスポーツは、長生きする可能性があることを、エビデンスに基づいて説明します。患者さん用(解答):長生きするスポーツはどれ?■解答1.テニス2.サッカー3.体操1)Schnohr P, et al. Mayo Clin Proc. 2018;93:1775-1785.

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第22回 心電図には秘密の“地下世界”がある?~ラダーグラムを描こう~(前編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第22回:心電図には秘密の“地下世界”がある?~ラダーグラムを描こう~(前編)皆さんは不整脈の心電図に遭遇し『ぎょぎょっ!』となったことはありませんか? もちろん、あまりに難解すぎる場合にはすぐに循環器医に相談するのが一番ですが、心臓内でどんなことが起こっているのかが想像できるようになると、おのずから冷静な対処も可能となるでしょう。いつもの心電図に「ラダーグラム」という“地下の見取図”を付け足すだけで、診断にも役立ちます。ボク自身、不整脈のカテーテル検査*のハードルを乗り越えるとき、この“見取図”を常に意識することが非常に有用でした(つまり“プロ”にも通じる知識ってこと)。今回はその入り口として、洞調律による正常収縮を例に、描き方の基本をDr.ヒロが解説しましょう。*心臓電気生理学的検査、いわゆるEPS(Electrophysiological Study)のこと。循環器医でも苦手にする人が多い症例提示50歳、男性。約1年前に心房細動(AF)に対するカテーテルアブレーションを受けた。時折、動悸は自覚するもののいずれも短時間で、術後AFの再発は記録されていない。以下に定期外来での心電図を示す(図1)。(図1)定期外来時の心電図画像を拡大する【問題1】次の(1)~(5)について、それぞれ適切なものを選べ。肢誘導および胸部誘導の3、6拍目は(1)(ア:洞収縮、イ:期外収縮、ウ:補充収縮、エ:副収縮)である。QRS波形について、幅は(2)(ア:狭、イ:広)く、洞収縮と(3)(ア:同じ、イ:異なる)形状である。先行P波の有無からも、起源は(4)(ア:心室、イ:房室接合部、ウ:心房)と判断できる。このような収縮パターンのくり返しを(5)(ア:二、イ:三、ウ:四)段脈と呼ぶ。解答はこちら(1)イ、(2)ア、(3)ア、(4)ウ、(5)イ解説はこちらまずは復習問題から。「期外収縮」の概念(第16回)やその発生起源が心房か心室かについて、見極め方の鉄則(第21回)を見直しておきましょう。『線香とカタチと法被が大事よね』でしたね? 洞収縮の波形と同一で、QRS幅がnarrow(狭い)、手前にP’波も確認できますから、「心房期外収縮」(PAC)と判断するのが正しいです。“洞-洞-期*”という、3つの収縮がセットになってくり返されており、このパターンは「三段脈」(trigeminy)と呼ぶのでした(第20回)。*:洞は洞収縮、期は期外収縮を示す。この場合、“期”がPACですから、「心房三段脈」という名称がより正確です(心室期外収縮[PVC]なら心室三段脈と言います)。【問題2】II誘導を抜粋して示す(図2)。ピンク色枠で示した部分のラダーグラムを描け。(図2)図1よりII誘導のみ抜粋画像を拡大する解答はこちら図3の下段部(図3)正常洞収縮のラダーグラム(正式版)画像を拡大する解説はこちらピンク色枠で示されているのは、何の変哲もない「洞収縮」です。さて、問題は「ラダーグラム」のほう。この言葉を知っているという方は、かなり心電図の勉強が進んだ人です。ボクの予想では、この用語を初めて聞いたよ、という方も少なくないと予想します。ですから、今回のメインテーマは次の2つです。1)「ラダーグラム」とは何なのか?2)洞収縮の「ラダーグラム」をどう描くか?“地下に広がるラダーグラムの世界”『心電図とは何ですか?』…この質問をされたら、『心臓内を電気が流れることで心房や心室が活動するさまを表現した波形』とボクは答えます。この場合、四肢と胸部につけた電極から構築される「体表面心電図」のことを指します。つまり、通常の心電図には、心房や心室の収縮・拡張といった、実際に“目で見える”活動の様子、いわば最終的な「結果」だけが表現されているわけです。一方、今回扱う「ラダーグラム」(laddergram)または「ラダー・ダイアグラム」(ladder diagram)は少しコンセプトが違います。“ラダー”とは“はしご”を意味するので、直訳すると「はしご図」です(実際にこう呼ぶ人は少ない)。何拍も続く心収縮が描かれた実際の図を遠目に見ると、確かにそう見えます。これは、電気刺激が心臓内を辿る「過程」を中心に描いた、いわゆるダイヤグラムのこと。普段、交通機関の運行表を略して“ダイヤ”と呼んでいる、あれです。ここで余談ですが、体表面心電図が完成された“製品”(たとえば自動車)だけを見ているものだとしたら、ラダーグラムは自分が乗るメカ(自動車や電車…)の“内部構造”を把握すること。物が出来上がる工程や実際の様子は多くの人にとっては不必要・無意味なのかもしれませんが、後者を知ることで、より使い易く愛着の念を抱くのはDr.ヒロだけ?この心電図界の“ダイヤ”(運行表)であるラダーグラムでは、電気刺激が伝わっていく「過程」が描かれるので、心房や心室で実際に起きていることはもちろん、普通の心電図では表現されない、“見えない”P波やQRS波についても表現できる点がスゴイのです。体表面心電図を上段にしてラダーグラムを下段に描いた様子は、さながら“地下の見取図”です。心電図を見ながらラダーグラムを描くことは、ボクたちの想像力をかき立て、不整脈の成因を理解するのに有効だと思います。ただ、残念ながら、昨今の多くの教科書や医学部・卒後研修においても、あまり取り上げられることがありません。ですから、この連載ではラダーグラムをあえて取り上げ、皆さんにその有用性を実感してもらいたいと思います。“洞調律のラダーグラムを描こう”今回は、ラダーグラムを描画する上での“イロハ”の“イ”について、図2の網掛け部分に示された洞収縮を例に、ラダーグラムの描き方を解説します(図3)。(図3)洞収縮のラダーグラム(正式版)画像を拡大するボクが“地下見取図”と言った意味がわかってもらえますか? このように、ラダーグラムは心電図を上に置き、その下に描いていきます。この図3は“地下4階”までありますね。“階”に相当する用語としては、「tier」ないし「row」という英語が用いられます。刺激伝導系を思い浮かべると、はじめに洞結節が興奮し、心房内の導線を電気が流れて心房全体が収縮します。洞結節(SN)の興奮は体表面では見えないので、P波の「はじまり」よりも少し手前になるように“地下1階”の天井部分に黄色丸を描きました。教科書によっては「×」や「*」などの記号が用いられますが、いずれも洞結節の興奮を表します。続いて洞結節の黄色丸とP波の「はじまり」を結びましょう(ピンク線)。“地下1階”は「洞結節-心房」の“経路”(S-A)を示すので、これで刺激が心房に到達します(洞房伝導)。“地下2階”は「心房」(A)フロアで、P波の「はじまり」からスタートです。“中継点”はP波の「おわり」ではなく「頂点」部分。これがミソで、同時点で“地下3階”の「房室結節」周囲の興奮も始まるとされるからなんです。誘導によってはP波もきれいな“山型”ではないため(例:二相性)、その場合は“真ん中”あたりを選びましょう(その辺アバウトでOKです)。P波の「はじまり」と「頂点」を結ぶ赤線が心房興奮/収縮を表しています。ここから先は意外にカンタンです。“地下3階”は心房(A)と心室(V)との“つなぎ目”となるフロアで、正確には「房室接合部」(A-V junction:A-V)と呼ばれます。実はここがラダーグラムを理解する上で“要”となる部分です。「AVN」と表記している本もあり「房室結節」と思っても悪くはないです。P波の「頂点」とQRS波の「はじまり」とを結べば“地下3階”の「房室接合部」(A-Vフロア)は完成です。ここが心房から心室への「房室伝導」と呼ばれる時間帯に相当します(心電図ではPR[Q]部分)。緑線を見ると、ほかの階よりも傾きが緩やかで、この部分の電気伝導がほかよりも遅いことを見事に反映しています。そして最後の“地下4階”は「心室」(V)フロアです。青線のようにQRS波の「はじまり」と「おわり」を結べばOKです。以上で4本の折れ線からなる正常洞収縮のラダーグラムが完成しました。今回はここまで。ラダーグラムを紹介し、正常洞調律を地下4階建てに描く方法について解説しました。初めて聞いたことばかりだったかもしれませんね。次回も同じ症例を用いて、一歩進んだラダーグラム描画を扱います。お楽しみに!Take-home Message想像力を働かせてラダーグラム(ラダー・ダイアグラム)を描こう心内の電気伝導の「過程」を知ることで、不整脈を目で見える形で理解できる!【古都のこと~三宅八幡宮~】学会で京都国際会館などを訪れた際、左京区上高野の三宅八幡宮はギリギリ徒歩圏内でしょう。古くは小野郷と呼ばれ、遣隋使として有名な小野妹子とも縁が深い場所です。隋への道すがら筑紫で病にかかった妹子が宇佐八幡に祈願すると平癒したことから、帰国後に同神社を勧請して建立されました。田の虫よけ神であった伝承から、子供のかんの虫・夜なき退治の御利益もあるのだそう。別称“鳩神社”としても知られ、入り口では犬ではなく“狛鳩”の出迎えを受け、境内では多数の鳩(御祭神[応神天皇]の使い)と出会えます。子供にも鳩にもやさしい“ホッコリ系”神社と言えましょうか。なお、同敷地内に、“七生報国*”と刻まれた馬上の楠木正成像もあり、南北朝、室町時代との関係性を調べるという一つの自習課題が生まれました。*:「この世に生まれ変わる限り国のために尽力する」。足利尊氏に敗れ自刃する大楠公が弟正季らと誓ったという。かつて戦時教育にも用いられた。

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