サイト内検索|page:938

検索結果 合計:35665件 表示位置:18741 - 18760

18742.

腎機能を考慮したファモチジンの変更提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第1回

 千葉県柏市にある在宅医療特化型薬局「つなぐ薬局」の鈴木です。私は現在、施設往診同行や在宅訪問などで積極的に医師とコミュニケーションを取り、処方提案を行っています。これまの学びを処方提案という形でアウトプットすることで、薬剤師の立場と視点による薬物治療の適正化を推進し、患者さんがより良い状態になっていくことを実感しています。このコラムでは、薬学的管理の質を向上させる処方提案の重要性とともに、薬局薬剤師の視点での提案のコツをお伝えしたいと思います。処方提案する際には、ご家族からの訴えが重要な手掛かりとなることがあります。認知症様の症状が生じていると聞き取り、検査値や処方薬を見直したところ、高齢者では注意が必要な薬剤がありました。今回は腎機能を起点に処方提案した症例についてご紹介します。患者情報75歳、女性、身長:140cm、体重:45kg現病歴:脳梗塞、認知症同居の家族から、最近話が通じにくいことが多いと訴えあり。処方内容アスピリン腸溶錠100mg 1錠 分1 朝食後マニジピン錠10mg 1錠 分1 朝食後プラバスタチン錠10mg 1錠 分1 朝食後ファモチジン錠20mg 2錠 分2 朝夕食後酸化マグネシウム錠330mg 2錠 分2 朝夕食後メマンチン錠20mg 1錠 分1 夕食後前月の検査値(L/D)Scr:1.02mg/dL、eGFR:40.63mL/min/1.73m2、Mg:2.0mg/dLHDL:45mg/dL、LDL:118mg/dL本症例の着眼点この患者さんは、脳梗塞の2次予防のために低用量アスピリンを服用継続していて、その消化性潰瘍予防のためファモチジンを服用していました。処方箋の受付時に家族から聴取した「会話のつじつまが合わないことが多い」という訴えは、認知症に伴う周辺症状の可能性もありますが、ファモチジンによるせん妄や意識障害の可能性も示唆されます。腎機能が低下している場合、腎排泄型のH2受容体拮抗薬であるファモチジンの血中濃度が持続して過量投与となることがあります。『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』において、「すべてのH2受容体拮抗薬は可能な限り投与を控える。とくに入院患者や腎機能低下患者では、必要最小限の使用にとどめる」ということが記載されています。腎機能を正しく評価して薬剤投与設計を行うために、下記の評価を行いました。腎機能の評価Cockcroft-Gaultの式を用いて推算CCrを算出することができます。計算するために必要なパラメータはScr(血清クレアチニン)、年齢、体重、性別で、女性は筋肉量が少ないため、係数の0.85を乗じます。<Cockcroft-Gaultの式>男性:CCr(mL/min)=(140-年齢)×体重(kg)/(72×Scr)女性:CCr(mL/min)=(140-年齢)×体重(kg)/(72×Scr)×0.85通常は上記の簡易式が用いられるが、身長が考慮されていないので、肥満患者では腎機能を過大評価してしまう可能性がある。そのため、実体重ではなく標準体重や理想体重を用いて計算することもある。<標準体重(男女共通)>身長(m)×身長(m)×22(係数)<理想体重>男性=50+{2.3×(身長-152.4)}/2.54女性=45+{2.3×(身長-152.4)}/2.54今回の患者さんの場合、CCr(Cockcroft-Gaultの式にて推算):33.9mL/min、体重未補正eGFR:30.5mL/minであり、60mL/min>CCr>30mL/minの場合のファモチジンの推奨投与量は、20mg 1日1回あるいは10mg 1日2回となります。本症例において、ファモチジンは過量投与です。なお、腎機能が低下している場合、マグネシウムの蓄積に伴う高Mg血症を評価することも重要ですが、検査結果は基準値内であり、自覚症状の面からも高Mg血症は否定的です。処方提案と経過腎機能を評価したところ、ファモチジンが過量投与となっており、減量が望ましいと判断しました。また、せん妄のような症状も現れており、H2受容体拮抗薬が影響していることも考えられます。そこで、処方医に電話で、ファモチジンを1日1回に減量あるいは肝代謝型のPPI(プロトンポンプ阻害薬)に変更してみるのはどうか提案しました。その結果、ファモチジンは中止となり、ランソプラゾールOD錠15mgが開始となりました。後日家族に確認したところ、会話のつじつまが合わないということは減ったと聴取しました。本症例のポイント・定期的に血液検査の結果と身長・体重を聴取する。・薬物投与設計のための腎機能評価を正しく理解する。・H2受容体拮抗薬は腎排泄型薬剤が主であり、高齢者においてはせん妄や意識障害のリスク因子となる。「透析患者に対する投薬ガイドライン」, 白鷺病院,(参照:2019年6月24日)日本老年医学会ほか 編. 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015. メジカルレビュー社;2015.

18744.

VRで学ぶ消化器外科の主な術式

VRで学ぶ消化器外科の主な術式VR医学コンテンツの視聴法1.スマートフォンとVRゴーグルをお手元にご準備ください。※スマートフォンに対応したVRゴーグルは、プラスチック製や段ボール製など、さまざまなタイプが販売されており、大手ネット通販サイトなどでお求めいただくことができます。簡易的な段ボール製のものなら、100円ショップにもお取り扱いがあります。画像を拡大する2.スマートフォンでこちらのQRコードを読み取り、コンテンツ一覧から「VRで学ぶ消化器外科の主な術式」を選択し、動画サイトにアクセスします。3.見たい動画を選択すると、動画が再生されます。画像を拡大する4.再生画面右下の画面拡張ボタンをタッチして、全画面表示にします。画像を拡大する5.スマートフォンを横向きにします。二つの画像が並んで再生されているのを確認します。画像を拡大する6.スマートフォンをVRゴーグルにセットします。画像を拡大する7.VRゴーグルをのぞくと、動画が3Dでご覧いただけます。画像を拡大する

18745.

仮想現実=VRを活用した医学コンテンツの可能性

杉本 真樹氏手術前、VRゴーグルをかけて、眼前に浮かび上がる「仮想の臓器」で病変を確認。それに対してどこからアプローチして、どのように切除するか、仮想現実の中で本番さながらにシミュレーション手術を行う。そんな未来が現実になりつつある。このシステムを開発しているのは、Holoeyes株式会社。プロジェクトをリードするのは、消化器外科医で同社取締役COOの杉本真樹氏だ。杉本氏は医用画像解析アプリケーションOsiriXの普及に取り組み、2014年にAppleから世界を変える続けるイノベーターに選出されるなど、医療分野でのICT活用を積極的に推し進めてきた人物として知られる。VR(仮想現実)を実現する同社のHoloeyes XRのおおまかな仕組みは以下の通り。まず患者のCTスキャンデータやMRIデータから3次元のVirtual Reality(VR)やAugmented Reality(AR)のアプリケーションを生成。利用者がVRゴーグルをかければ、患者の臓器の3Dモデルが目の前に浮かび上がり、その仮想現実の世界に自ら介入できる。仮想現実をチームで共有することも可能で、術前のシミュレーションや術後の症例カンファレンスなどに取り入れれば、より質の高いコミュニケーション、教育効果が期待できる。ケアネットではHoloeyesと協力し、このVR技術を活用した新しい医学コンテンツを開発していく方針だ。今回、第74回日本消化器外科学会でHoloeyesとイブニングセミナーを共催するのを機に、CareNet.com上で試作コンテンツを公開する。100円から購入できるVRゴーグルにスマートフォンを設置してのぞき込めば、消化器外科の主な術式を杉本氏が解説する動画が3Dで視聴できる。アプリではないため、角度を変えたり介入したりすることはできないが、VR医学コンテンツの世界を感じていただければと思う。

18746.

非アルツハイマー型認知症に対するコリンエステラーゼ阻害薬の使用

 非アルツハイマー型認知症は、すべての認知症の約30%を占め、主要な認知障害や行動障害を呈する。コリンエステラーゼ阻害薬は、脳内のアセチルコリンレベルを上昇させることにより、記憶力を改善し、アルツハイマー型認知症(AD)の対症療法に承認されている薬剤である。そして、潜在的なコリン作動性機能障害を伴う他の認知症においても研究されている薬剤である。米国・ベイルート大学のPaul Noufi氏らは、非ADに対するコリンエステラーゼ阻害薬の使用について報告を行った。Drugs & Aging誌オンライン版2019年6月14日号の報告。 主な内容は以下のとおり。・レビー小体型認知症(LBD)やパーキンソン病認知症(PDD)は、ADよりも重度なコリン作動性機能障害があるとのエビデンスも報告されている。・しかし、ADとの併存疾患の増加を考えると、血管性認知症(VaD)において客観視することが困難である。・また、前頭側頭型認知症(FTD)において、コリン作動性の喪失に関するエビデンスはほとんどない。・コリンエステラーゼ阻害薬は、LBDとPDDに対する臨床試験において認知、行動、機能の有意な改善が認められたが、データに影響を及ぼす使用尺度の不均一性、試験期間、限られたサンプルサイズのため、リバスチグミンのみがPDDへ承認されている。・同様に、VaDに対する試験は、純粋なVaDについて事前に定義された包括基準の欠如、脳血管疾患の位置や程度に関する幅広い異質性によって制限される。・FTD患者では、コリンエステラーゼ阻害薬により、主に認知機能や行動症状の悪化との関連が認められた。 著者らは「非ADに対するコリンエステラーゼ阻害薬は、軽度~中等度のコリン作動性副作用の報告やVaDにおけるリバスチグミンの心血管系および脳血管系イベントの有意ではない増加傾向が報告されているが、忍容性は高く、とくにコリン作動性の欠如が認められる場合には、ケースバイケースでの慎重な使用が正当化されるべきである」としている。

18747.

若年世代のがん啓発・患者支援チャリティーライブ「Remember Girl’s Power!! 2019」開催

 15歳以下の小児期に発症するがんや、15~39歳のいわゆる“AYA(Adolescent and Young Adult)世代”のがんについての啓発および患者支援を目的としたチャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」が、本年9月に東京で開催される。主催は、がんに関連する治験・臨床試験など情報を発信するwebサイト「オンコロ」で、現在、チケットを一般先行発売中。 チャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」は、39歳までの主に若年世代のがんについて、広く理解と支援を呼びかけることを目的に、2016年から毎年、同世代のがん啓発月間である9月に開催され、今年で4回目。ライブゲストは、自身ががん体験者や啓発活動に積極的なアイドルグループなどで、今回は、麻美ゆまさんや夢見るアドレセンスなど、計7組の女性アーティストのほか、スペシャルゲストとして、「home」などのヒット曲で知られる歌手・木山裕策さんの出演が予定されている。 本チャリティーライブは、9月1日(日)、東京の渋谷ストリームホールで開催される。7月21日(日)まで、チケットぴあにて先行チケット販売中で、27日(土)より一般発売開始。なお、本イベントには、がん体験者は無料招待される。<Remember Girl’s Power!! 2019 概要>日時:2019年9月1日(日) 15:00開場/16:00開演会場:渋谷ストリームホール(東京・渋谷駅16b出口直結)料金:5,500円(税込)  ※すべての参加者に1ドリンク代(500円)が別途必要(3歳以上) ※がん体験者は無料招待。詳細および応募フォームはこちらからRemember Girl’s Power!! 2019公式ホームページ

18748.

罰則による入院後合併症削減プログラム、効果は?/BMJ

 米国では、「入院後発生合併症削減プログラム(Hospital Acquired Condition Reduction Program:HACRP)」の下で、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が、安全性に関する実績が低い病院に金銭的な罰則を科している。同国ミシガン大学のRoshun Sankaran氏らは、この罰則の影響について調査を行い、入院後発生合併症(HAC)や30日再入院、30日死亡の発生率に変化はなく、臨床的に意義のある改善に進展はみられないことを示した。BMJ誌2019年7月3日号掲載の報告。メディケア受給入院患者を対象とするコホート研究 研究グループは、HACRPによる罰則と臨床アウトカムの変化の関連について検討するために、回帰不連続デザインによる後ろ向きコホート研究を実施した(米国国立老化研究所[NIA]などの助成による)。 2014年7月23日~2016年11月30日の期間に、米国の3,238の急性期病院で1つ以上のHACを発症し、退院した1,547万334例のメディケア受給者(出来高払い制)を対象とした。 主要評価項目は、1,000エピソード当たりのHACのエピソード数、30日再入院率、30日死亡率とし、HACRPによる罰則を科された病院と、科されなかった病院を比較した。過度な罰則で、ケアの不公平性を悪化させる可能性も 2015年の会計年度に、HACRPの下で罰則を科せられた724病院のうち、708病院が研究に含まれた。 1,000エピソード当たりのHAC数は、罰則を科された病院が2.72件、罰則を科されなかった病院は2.06件であり、30日再入院率はそれぞれ14.4%および14.0%、30日死亡率は双方の病院とも9.0%だった。罰則を科された病院は科されなかった病院に比べ、規模が大きく、教育施設が多く、社会経済的地位が低い患者の割合が高かった。 HACRPの罰則により、1,000エピソード当たりのHAC数は0.16件(95%信頼区間[CI]:-0.53~0.20)減少し、30日再入院率は0.36ポイント(-1.06~0.33)、30日死亡率は0.04ポイント(-0.59~0.52)低下したが、いずれも有意な変化ではなかった。また、病院特性別の解析では、すべての病院特性に関して、罰則による臨床アウトカムの改善に明確なパターンは認められなかった。 著者は、「HACRPは、不利な条件に置かれた患者へのケアを行う病院に過度な罰則を科すことで、ケアの不公平性を悪化させる可能性がある」としている。

18749.

遺伝的素因と環境の相互作用で、BMIが著しく上昇/BMJ

 ノルウェーでは、高BMIの遺伝的素因と、肥満の原因となる環境との相互作用によって、1980年代半ば~2000年代半ばにかけて、BMIの高度な上昇がもたらされたことが、ノルウェー科学技術大学のMaria Brandkvist氏らによる縦断的調査で示された。多遺伝子研究などにより、肥満の発症における遺伝子と環境との相互作用が示唆されているが、これらの研究は年齢幅が狭い、追跡期間が短い、BMIが自己申告などの限界があるという。BMJ誌2019年7月3日号掲載の報告。約6万7,000例の地域住民を対象とする縦断研究 研究グループは、ノルウェーにおけるBMIの変動の過程を調査し、肥満の原因となる環境がBMIに及ぼす特異的な影響を遺伝素因に基づいて評価する目的で、縦断研究を行った(Norwegian Research Councilなどの助成による)。 同国ヌール・トロンデラーグ県の13~80歳の一般住民を対象とする縦断研究(HUNT研究)の参加者11万8,959人のうち、6万7,305人において遺伝素因とBMIの関連の解析を行った。 対象は、高BMIへの遺伝的感受性が最も高い群から最も低い群に、等しいサイズで5つの集団に分けられた。データセットの完全性が最も高かった25~55歳の成人について解析を行った。遺伝素因の違いでBMIにも差があり、徐々に拡大 ノルウェーでは、1980年代半ば~1990年代半ばにかけて肥満が増加し、1970年以降に生まれた年齢の高いコホートと比較して、すでに若年成人のBMIがかなり高かった。 遺伝的感受性が最も高い集団と最も低い集団では、どの10年単位の年代でも全年齢層でBMIに差があり、この差は1960年代~2000年代にかけて徐々に大きくなった。 たとえば、35歳の男性では、1960年代に遺伝素因が最も大きかった集団は最も小さかった集団に比べ、BMIが1.20(95%信頼区間[CI]:1.03~1.37)高かったのに対し、2000年代にはこの差は2.09(1.90~2.27)へと拡大した。また、同年齢の女性にも同様の傾向が認められ、BMIの差は1960年代の1.77(1.56~1.97)から2000年代には2.58(2.36~2.80)へと大きくなった。 これらの知見は、遺伝素因を有する集団は高BMIのリスクが高いことを示すものである。また、遺伝素因と肥満の原因となる環境との相互作用により、1980年代半ば~2000年代半ばに観察された、より高いBMIがもたらされたことを示すエビデンスである。その一方で、BMIは遺伝素因のある集団と素因のない集団の双方で増加しており、これは環境が高BMIの主要な寄与因子であることを示唆する。 著者は、「より効果的な肥満予防戦略が確立されれば、集団全体に利益がもたらされ、それは肥満の遺伝素因を有する集団で、とくに有益であることが証明される可能性がある」としている。

18750.

食事と2型DMの関連、質の高いエビデンスは少ない/BMJ

 食事と2型糖尿病の関連は広範に研究されてきたが、多くの評価項目に関して質の高いエビデンスは少なく、より包括的な検討を要することが、ドイツ・ハインリッヒ・ハイネ大学のManuela Neuenschwander氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年7月3日号に掲載された。2型糖尿病による多大な世界的健康負担や医療費を考慮すると、食事との関連に関する膨大な研究から得られた知見は重要である。その一方で、これらの関連の強度や精確度、潜在的なバイアスの影響を明確化する必要があるという。153評価項目に関する53件のメタ解析のアンブレラレビュー 研究グループは、食事と2型糖尿病の発生の関連に関するエビデンスを要約し、これらの関連の強度と妥当性を評価する目的で、前向き観察研究を対象とした既報の系統的レビューとメタ解析について、アンブレラレビューを行った(ドイツ連邦保健省などの助成による)。 2018年8月の時点で、医学関連データベースに登録された論文を検索した。2型糖尿病の発生と、食事行動または食事の質の指標、食品群または単一の食品、飲料、アルコール飲料、あるいは主要栄養素や微量栄養素との関連に関する要約リスク推定値の報告が含まれる系統的レビューとメタ解析を対象とした。 2型糖尿病の発生との関連に関する153の評価項目の調整済み要約ハザード比(HR)を報告した53件のメタ解析が選出された。研究方法の質が「高い」は75%、エビデンスの質が「高い」は7項目のみ 153項目の内訳は、食事行動または食事の質の指標との関連が12、食品群または単一の食品との関連が56で、飲料が10、アルコール飲料が12、主要栄養素が32、微量栄養素は31であった。 研究の方法の質は、「高い」と判定された項目が115(75%)、「中等度」が35(23%)、「低い」は3(2%)だった。 食事行動または食事の質の指標と、微量栄養素に関する項目には、エビデンスの質が「高い」と判定されたものはなかった。エビデンスの質が「高い」と判定されたのは、以下の7項目(食品群または単一の食品に関する項目が4、飲料、アルコール飲料、主要栄養素がそれぞれ1)であった。 2型糖尿病の発生との逆相関に関して、エビデンスの質が「高い」と判定されたのは、全粒穀物(摂取量1日30g増加の調整済み要約HR:0.87、95%信頼区間[CI]:0.82~0.93)および穀類の食物繊維(1日10g増加、0.75、0.65~0.86)のほか、中等度のアルコール摂取(1日12~24g[1日0gとの比較]、0.75、0.67~0.83)であった。 また、2型糖尿病の発生の増加に関して、エビデンスの質が「高い」と判定されたのは、赤肉(red meat)(摂取量1日100g増加の調整済み要約HR:1.17、95%CI:1.08~1.26)、加工肉(1日50g増加、1.37、1.22~1.54)、ベーコン(1日2枚ごと、2.07、1.40~3.05)、砂糖入り飲料(1日1サービング増加、1.26、1.11~1.43)であった。 著者は、「メタ解析の方法の質は高かったが、エビデンスの質が高い評価項目は限られていた」とまとめ、「今後の研究では、高度な妥当性を有する食事データを入手し、エビデンスの質が低かった食事曝露や特定の食品群に重点的に取り組む必要がある。また、選択的出版バイアスを回避するために、調査が行われていない食事曝露などのデータを含む、より包括的な解析の報告が望まれる」としている。

18751.

周術期化学療法による脱毛の程度や経過は/日本乳学会

 化学療法による有害事象の治療後の経過についての報告は少なく、とくに脱毛に関しての報告はきわめて少ない。また、正確な頻度や程度、経過についてまとまったエビデンスはない。今回、群馬大学乳腺・内分泌外科の藤井 孝明氏らは、アンケート調査による前向き観察研究でこれらを検討した。その結果、治療終了後でも有害事象が継続する症例が多く認められること、頭髪以外の部位の脱毛も高頻度で起こりうることが明らかになった。第27回日本乳学会学術総会にて報告された。 本研究の対象は、FEC療法、タキサンの順次投与を周術期に施行し、化学療法終了後、半年後の経過観察とアンケート調査の評価が可能であった45例。レジメン変更時、治療終了時、治療終了半年後および1年後に、アンケート調査を実施した。悪心、嘔吐、しびれ(末梢神経障害)、口内炎、味覚障害、不眠症、排便、爪脱落については、CTCAE v4.0に準じたアンケートで調査した。脱毛については、頻度、程度(0、25、50、75、100%で評価)、脱毛の部位(頭髪、眉毛、睫毛、体毛)、脱毛・発毛の開始時期、発毛後の毛質、脱毛時のケア、症状についてアンケートを行った。 主な結果は以下のとおり。・治療開始時の年齢中央値は53歳(38~74歳)、術前化学治療が23例、術後化学治療が22例であった。HER2陽性例ではトラスツズマブを投与していた。・治療終了時と治療終了半年後の有害事象(全Grade)の頻度の変化は、悪心71.1%→4.4%、嘔吐8.9%→0%、口内炎57.8%→20.0%、便秘77.8%→34.8%、下痢48.9%→22.2%、味覚障害84.4%→40.0%、不眠症77.8%→35.6%、末梢神経障害55.6%→80.0%、爪脱落13.3%→44.4%であった。悪心、嘔吐は治療終了半年後に改善を認め、末梢神経障害は継続例が多かった。・脱毛の頻度と75%以上の脱毛の頻度は、頭髪100%/100%、眉毛88.9%/34.1%、睫毛88.9%/28.9%、体毛97.8%/48.9%であった。・脱毛開始時期の中央値は治療開始から14日目(9~28日)であった。・脱毛時のケアは全例で行っており、ウイッグ88.9%、帽子91.1%、バンダナ22.2%であった。・発毛の開始時期は、頭髪では治療中が10例(中央値:4ヵ月)、治療後が34例(同:2ヵ月)、眉毛では治療中が7例(同:4ヵ月)、治療後が29例(同:1.5ヵ月)、睫毛では治療中が6例(同:4.5ヵ月)、治療後が29例(同:1.5ヵ月)、体毛では治療中が6例(同:5ヵ月)、治療後が31例(同:2ヵ月)であった。・治療後の毛髪の変化は、太さでは「細くなった」が40.9%、硬さでは「柔らかくなった」が52.3%、質では「巻き髪になった」が59.1%、色では「白髪になった」が22.7%であった。

18752.

メラノーマ検出、皮膚科専門医vs.AI

 AIを活用した診断能の向上に関する報告が相次いでいる。今回、オーストリア・ウィーン医科大学のVincent Dick氏らが行ったメタ解析の結果、メラノーマの検出におけるコンピュータ支援診断システムによる診断精度は、専門医による診断精度と同程度であると報告された。ただし、結果について著者は、「リアルワールドでの同システムの適用性は未知数であり、過剰適合性や試験のバイアスリスクによって制限される可能性がある」とまとめている。最近の機械学習分野の進歩により、コンピュータ支援診断システムがメラノーマ診断のスタンダードになるのではないか、との期待が高まっている。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年6月19日号掲載の報告。 研究グループは、最新の論文の批評的なレビューと、コンピュータ支援診断システムと皮膚科専門医の診断精度の比較検討を目的とし、2002年1月1日~2018年12月31日に発表された適格試験を特定するため、MEDLINE、arXiv、PubMed Centralのデータベースを検索した。 メラノーマの検出に関する自動化システムの精度を報告していた試験を適格とし、検索した単語には、melanoma(メラノーマ)、diagnosis(診断)、detection(検出)、computer aided(コンピュータ支援)、artificial intelligence(人工知能)などが含まれた。 QUADAS-2を用いてバイアスリスクを、事前規定に基づき研究の質をそれぞれ評価した。データ分析は、2019年2月1日~3月10日に行われた。 主要評価項目は、診断精度の指標となる感度と特異度の要約推定値、およびサマリーROC曲線だった。 主な結果は以下のとおり。・適格条件を満たしたのは1,694試験だった。・そのうち132試験が包含され、定量分析に十分な情報を含んでいたのは70試験であった。・大半の試験はコンピュータサイエンス分野のものであり、前向き臨床試験はまれであった。・自動化システムの結果を統合すると、メラノーマ検出の感度は0.74(95%信頼区間[CI]:0.66~0.80)、特異度は0.84(95%CI:0.79~0.88)だった。・感度は、独立性の検定を用いた試験のほうが、用いない試験よりも有意に低かった(0.51[95%CI:0.34~0.69]vs.0.82[95%CI:0.77~0.86]、p<0.001)。・一方で、特異度は同程度だった(0.83[95%CI:0.71~0.91]vs.0.85[95%CI:0.80~0.88]、p=0.67)。・皮膚科専門医とコンピュータ支援診断システムの診断を比較すると、感度は同程度であり、特異度はコンピュータ支援診断システムが10ポイント低かったものの、統計的に有意差はなかった。・なお、試験全体は不均一で、定量分析で包含した70試験のうち4試験を除くすべてに、リスクバイアスが見つかった。

18753.

Sepsisの4タイプの表現型の提唱とその評価(解説:吉田敦氏)-1077

 敗血症にはさまざまな症例が含まれ、臨床症状・徴候のスペクトラムは幅広い。このため臨床病型を分別し、より精確なマネジメントにつなげようとする試みはこれまで長く続けられてきた。2016年には「敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義 第3版(Sepsis-3)」が発表され、定義も新しくなり、SOFA(PaO2/FiO2、血小板数、ビリルビン、平均動脈圧、Glasgow Coma Scale[GCS]、クレアチニン)・qSOFA(収縮期血圧、呼吸数、GCS)が導入されたが、このような試みはそれ以前からのものである。今回3個の観察コホート研究と3個のランダム化臨床試験(合計6個)から得られたデータを後方視的に解析することで、病型自体導出できるのか、できるならば病型はいくつか、導出された病型の妥当性・再現性はどうか、検討が行われた。 本研究はピッツバーグ大学を中心として行われたもので、この中にはSOFA・qSOFAの提唱に使われたSENECA試験も含まれている。6試験はそれぞれ特色を有するが、最も影響する因子は組み入れ基準(inclusion criteria:Sepsis-3のものもあれば、以前のSIRSを用いたものも、重症敗血症を来した肺炎のものもある)と場所(Emergency departmentのほか、ICUのみならず内科病棟も)であろう。導出されたタイプはα、β、γ、δの4種類であり、概して、αは異常値が少なく、臓器障害が少ないタイプ、βは慢性疾患を有する高齢者に多いタイプ、γは炎症関連バイオマーカーの上昇が大きなタイプ、δは乳酸値やトランスアミナーゼの上昇と低血圧を特徴とするタイプであった。炎症マーカーの上昇と凝固異常・血管内皮細胞の異常はγ・δで、腎障害のマーカーの異常はβ・δで、心血管および肝臓のマーカーの異常はδで多く、来院時のSOFAスコアと死亡率もやはりδで最も高かった。 興味深いのは、これら4タイプは生体側の免疫反応と深く関連している一方で、それぞれがさまざまな感染巣(focus)の患者を含んでおり、タイプの導出にも、菌血症の証明や、原因微生物の分類・種類、菌の侵入門戸を問うていない点である。微生物側の詳しい因子を含めることなく、導出されたこれら4タイプによる成績に、もし微生物側の因子も加えて解析したら、結果はどうであろうか。今回のような複数の大規模試験の集合であっても、どれほどの差が認められるか予測し難いところがあるが、それこそが臨床医が日常的に敗血症・菌血症例を診療する際に、「感染臓器」・「微生物」・「患者個々の背景・基礎疾患」の3因子を重ね合わせて考え、評価する、その思考プロセスに似てはいないだろうか。 本検討で得られた結論は、背景と重症度が異なる集団であっても、27以上のバイオマーカーから導出された4表現型が、再現性よく臨床的重症度・予後と相関するというものであった。臨床応用にはまだ距離はあろうが、たとえばバイオマーカーから4タイプを導出するプログラムを電子カルテに実装しておき、敗血症疑い例の初期評価の進行に同期させつつ、自動的に表示させるようにするのも、有用かもしれない。本検討の所見のさらなる評価の継続とともに、実用にもまた期待したいところである。

18754.

遠隔転移のリスクを低減させる去勢抵抗性前立腺がん治療薬「アーリーダ錠60mg」【下平博士のDIノート】第29回

遠隔転移のリスクを低減させる去勢抵抗性前立腺がん治療薬「アーリーダ錠60mg」今回は、前立腺がん治療薬「アパルタミド錠(商品名:アーリーダ錠60mg)」を紹介します。本剤を服用することで、去勢抵抗性前立腺がん患者の無転移生存期間を延長し、臨床症状の悪化を遅らせることが期待されています。<効能・効果>本剤は、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がんの適応で、2019年3月26日に承認され、2019年5月30日より発売されています。本剤は、アンドロゲン受容体(AR)に選択的に結合し、ARのシグナル伝達を阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。<用法・用量>通常、成人にはアパルタミドとして1日1回240mgを経口投与し、患者の状態により適宜減量します。なお、痙攣発作やGrade3または4の副作用が発現した場合には、添付文書に記載の基準を考慮して、本剤を休薬、減量または中止する必要があります。<副作用>国際共同第III相試験において、本剤が投与された安全性評価対象例803例(日本人34例を含む)のうち、565例(70.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、疲労181例(22.5%)、皮疹123例(15.3%)、甲状腺機能低下症38例(4.7%)、そう痒症33例(4.1%)、体重減少27例(3.4%)でした(承認時)。なお、重大な副作用として、痙攣発作(0.1%)、心房細動(0.2%)、心不全(0.4%)、心筋梗塞(0.2%)などの心臓障害、多形紅斑(0.2%)などの重度の皮膚障害が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、男性ホルモンの働きを阻害することで、前立腺がんの進行を抑制します。2.痙攣発作が現れることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際は注意してください。3.発熱や皮疹、かゆみ、動悸、足のむくみなどが現れた場合には、医師・薬剤師に相談してください。4.皮膚を清潔に保ち、刺激を避け、保湿などのスキンケアを心掛けてください。<Shimo's eyes>前立腺がんは中高齢男性に多く、2025年には男性のがん罹患率のなかで最も高くなると予測されています。治療は、アンドロゲンの働きを抑えるホルモン療法が主に行われますが、ホルモン療法に抵抗性を示した場合、あるいは外科的去勢後に症状が増悪した場合は予後不良の「去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)」となります。CRPCに対する既存の抗アンドロゲン薬は、アンドロゲン合成酵素阻害薬のアビラテロン(商品名:ザイティガ)、アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬のエンザルタミド(同:イクスタンジ)が発売されており、本剤はエンザルタミドに次ぐ2剤目の経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬です。CRPCでは、約80%の患者が最終的に骨転移すると言われており、転移を遅延または予防することが重要です。海外と共同で行われた臨床試験では、プラセボと比較して、本剤の投与により無転移生存期間を延長し、遠隔転移と死亡リスクを低下させることが認められています。重大な副作用としては、痙攣発作、重度の皮膚障害、うっ血性心不全などが挙げられています。日本人では皮疹が発生しやすいと言われているため、保湿剤によるスキンケアなどの生活指導によって、副作用による患者のQOL低下を防ぐことが大切です。なお、本剤は2019年7月現在、「転移性去勢感受性前立腺がん」に対して、適応拡大承認の申請中です。

18755.

新型タバコも禁煙外来でやめられる?【新型タバコの基礎知識】第4回

第4回 新型タバコも禁煙外来でやめられる?Key Points加熱式タバコをやめるために禁煙外来・禁煙治療を受けることは可能。CO測定値を記録する欄に、「加熱式タバコ使用中」などと記録しておけばよい。喫煙指数(=喫煙本数×喫煙年数)については、加熱式タバコの本数を紙巻タバコと同等に扱ってもよいと考えられる。新型タバコの登場によって、禁煙外来の現場でも混乱が起きているようです。禁煙外来では、受診者における前日から当日の喫煙状況を反映する指標として、「呼気一酸化炭素濃度検査」が実施されています。紙巻タバコに含まれる代表的な有害物質の1つが、一酸化炭素(CO)です。一酸化炭素は赤血球のヘモグロビンと結合し、CO-Hb(一酸化炭素ヘモグロビン)となります。酸素もヘモグロビンと結合して全身に運ばれますが、一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンと結合しやすく、一酸化炭素があるとヘモグロビンと酸素の結合が妨げられ、酸欠状態が生じます。喫煙により息切れや虚血性心疾患が生じる原因の1つが、一酸化炭素なのです。ハンディタイプの測定器を使えば、簡単に呼気一酸化炭素濃度を測定でき、結果が即座に表示画面に数字で示されるので、禁煙の動機付けに役立ちます。また、呼気一酸化炭素濃度は半減期が3~5 時間と短く、禁煙後すぐに正常値に戻るので、禁煙を維持する励みとしても用いることができます。しかし、加熱式タバコを吸っているケースでは、呼気一酸化炭素濃度を測定してもその数値は上がりません。そのため、加熱式タバコを吸っている場合には、禁煙外来で禁煙治療を受けることができないとの誤解をしている医療者が多くいるようなのです。しかし、それは誤解です。加熱式タバコを吸っている場合に、加熱式タバコをやめるために禁煙治療を受けることは可能です。禁煙外来における保険診療は、ニコチン依存症に対する治療(ニコチン依存症管理料)です。加熱式タバコにも紙巻タバコとほぼ同等のニコチンが含まれており(第3回参照)、加熱式タバコを吸っている者もニコチン依存症であり、保険適用とすることが可能です。一酸化炭素測定値を記録する欄には、「加熱式タバコ使用中」などと記録しておけばOKです。保険適用の条件に、「呼気一酸化炭素濃度の数値が高いこと」は含まれませんのでご心配なく。また、喫煙指数(=喫煙本数×喫煙年数)については、加熱式タバコの本数を紙巻タバコの本数と同等に扱ってもよいものと考えられます(図)。ただしプルーム・テックの場合には、カプセルの個数を記録しておくとよいでしょう。JTはプルーム・テック用のタバコカプセル5個をタバコ20本相当としていますが、まだこれに関してのコンセンサスは得られていません。画像を拡大する保険適用上は問題がないとしても、喫煙量や喫煙状況を客観的に確認する方法として、加熱式タバコの場合には呼気一酸化炭素濃度検査が有効にはたらかないという問題が存在します。今後、呼気一酸化炭素濃度検査の代わりに、喫煙もしくは禁煙していることを確認するための簡便な方法を模索していく取り組みを進めていきたいと考えています。第5回は、「加熱式タバコから有害物質は出ない?」です。

18756.

ピロリ除菌、親が失敗なら子の失敗リスク高い

 クラリスロマイシン(CAM)耐性Helicobacter pylori(H. pylori)とCYP2C19多型は、何世代にもわたって受け継がれる可能性があり、H. pylori除菌失敗の危険因子として知られている。しかし、親がCAM3剤併用療法による除菌失敗歴を有する患者における失敗リスクを評価した研究はなかった。今回、出口 尚人氏(京都大学/武田薬品工業)らの横断研究により、CAM3剤併用療法での親の除菌失敗歴が子孫の除菌失敗の危険因子であることが示された。Journal of Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2019年7月1日号に掲載。 本研究は、被保険者310万人の大規模な診療報酬請求データベースを使用。2005年1月~2018年2月に、1次除菌のCAM3剤併用療法の記録と親の記録の両方を有する404例を同定した。父親または母親のCAM3剤併用療法の失敗を、親のCAM3剤併用療法の失敗歴とした。オッズ比は、年齢・性別・真性糖尿病・消化性潰瘍で調整したロジスティック回帰モデルを用いて推定した。 その結果、CAM3剤併用療法の除菌失敗率は22.5%(91/404)であった。単変量解析では、オッズ比が1.90(95%信頼区間:1.10~3.29)、多変量解析ではオッズ比1.93(同:1.10~3.39)であり、親のCAM3剤併用療法の失敗歴は子孫のCAM3剤併用療法の失敗に関連していた。

18757.

うつ病に対する森田療法~許容性に関する定性的研究

 日本において森田療法は広く認知されているが、英国ではほとんど知られていない。英国・エクセター大学のHolly Victoria Rose Sugg氏らは、英国における森田療法の許容性について検討を行った。BMJ Open誌2019年5月29日号の報告。 フレームワークアプローチで分析した治療後の半構造化面接により、森田療法と通常ケアについてランダム比較パイロット研究を実施した。英国・デボン州のGeneral Practiceデータより検索を行い、森田療法を受けた患者16例を抽出し、分析のために目的に応じてサンプリングした。 主な結果は以下のとおり。・患者の意見や森田療法の経験の違いにより、モデルとなる5つのテーマを特定した。・全体として、これまで経験した他の治療法との比較において、森田療法の価値を理解した患者の多くで受け入れられた。・これらの患者では、自然現象としてどう困難を受け入れ許容しているか、症状から外部要因へ注意を移行するか、などが強調され、症状軽減およびエンパワーメント感覚の促進が認められた。・治療に対する患者の期待と照らし合わせ、森田療法の原理を理解することが、森田療法の許容と有意に関連していることが認められた。・また調査結果は、森田療法の原理と実践の違いを強調しており、患者は安静時の恐怖や不快感などの治療プロセスの取り組み、セラピストからの十分な支援の必要性、治療コミットメントなどに注目していた。 著者らは「英国において、森田療法は受け入れられ、そのアプローチは有益かつ斬新であると思われる。したがって、森田療法の大規模研究が進行することは、臨床プロトコールの微修正につながるであろう。患者の期待や治療への理解が森田療法の許容に重要な役割を果たしており、今後の研究において、これら潜在的因子を調査する必要がある」としている。

18758.

ナルデメジンのわが国におけるオピオイド誘発性便秘に対する効果と安全性/ASCO2019

 オピオイド誘発性便秘(OIC)はオピオイド治療において頻度の高い有害事象の1つであり、ナルデメジン(商品名:スインプロイク)はOIC治療に承認されている末梢性μオピオイド受容体拮抗薬である。わが国の実臨床におけるナルデメジンのOIC患者に対する安全性と有効性を調査したPhase-R OIC試験の結果が、国立がん研究センター中央病院 清水 正樹氏、ガラシア病院 前田 一石氏らにより米国臨床腫瘍学会年次総会ASCO2019で発表された。ナルデメジン初回投与後71.6%が24時間以内に自発的排便 Phase-R OIC試験は、わが国の14施設の緩和ケアチーム・病棟によるリアルワールドレジストリ研究。ナルデメジンを投与したOIC合併がん患者を観察した。主要評価項目はナルデメジン初回投与後24時間以内の自発的排便([spontaneous bowel movement、以下[SBM])。副次評価項目はナルデメジン初回投与7日間のSBM回数と有害事象である。 ナルデメジンを投与したOIC合併がん患者の主な観察結果は以下のとおり。・2018年4月~12月に204例の患者が研究に登録され、ナルデメジン0.2mg/日の投与を7日間受け、184例(90.2%)が7日間の治療を完遂した。・患者の平均年齢は63歳、50.5%が男性、主ながん原発部位は肺(23.5%)、消化管(13.7%)、泌尿器(9.3%)であった。・オピオイド投与量の中央値は経口モルヒネ換算で30mg/日であった。・患者の76.0%が緩下剤を日常的に併用しており、頻度の高いものは酸化マグネシウム(65.2%)、センナ(17.2%)であった。・ナルデメジン初回投与後24時間以内にSBMが観察された患者は71.6%(146例)で、であった・患者の62.8%(128例)が、ナルデメジン初回投与後1週間でSBM回数が増加した(1段階改善41.7%[85例]、2段階改善21.1%[43例])。・頻度の高いナルデメジンの有害事象は、下痢(Grade1〜2:35例、Grade3:1例)および腹痛(Grade1〜2:10例、Grade3:1例)であった。

18759.

177)診察室で15秒!超簡単な体力測定法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用:片脚立ちで何秒立てる?説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師最近、自分の体力についてどう思いますか?患者運動不足で、だんだん体力が落ちてきている気がします。医師そうですか。それでは、簡単にできる体力テストをしてみましょう。患者どうすればいいですか?医師目を開けたまま、片脚で立ってください。何秒間立っていることができるでしょうか。…さっそくやってみましょう。ハイ、スタート!患者……(開眼片脚立ちにチャレンジ)。あー、もうだめです。医師13秒間でしたね。患者それってどうなんですか?医師15秒未満だったので、転倒リスクが高い運動器不安定症が疑われます。患者えっ、そうですか…。そう言えば、最近つまずきやすいかもしれません。医師そうでしたか。転倒は入院や寝たきりにつながるので、もう少し体力をつけたほうがよさそうですね。転倒を予防できるいい運動がありますよ!患者どんな運動ですか? 教えてください!(興味津々)医師それは…。(転倒予防の話に展開)※診察室では、ケガのリスクなどに十分注意して実施してください。●ポイント体力低下は転倒リスクにつながるので、運動の必要性を意識してもらいます。参考公益社団法人 日本整形外科学会 運動器不安定症【訂正のお知らせ】「閉眼」⇒「開眼」に訂正いたしました(2019年7月16日)。

18760.

総合診療の醍醐味本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第20回

【第20回】総合診療の醍醐味本表紙にドカーンとホワイトライオンの写真。ガオー!なかなかインパクトがあります。なぜアルビノのライオンにしたのかなと思っていたら「ゼブラ自体は動物界でそれほど稀少でもないこと、また、より稀少感を出したかったこともあり、“ゼブラ”をリスペクトしつつも、タイトルは他の動物にしようと考えた」とのことでした。『ホワイトライオンも追え! ゼブラへのリスペクト,そして見逃せない鑑別疾患』志水 太郎,原田 拓/監修. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2019知らない人はいない思いますが、念のため補足をしておきますと、「蹄(ひづめ)の音を聞いたら、シマウマではなく馬を探せ(When you hear hoofbeats, think of horses not zebras.)」という医学界の格言があります。ある症候をみたときに、珍しい病気ではなくコモンな疾患を思い浮かべて診療にあたれということです。なるほど、確かにシマウマは今や動物園ですぐに見に行ける時代。蹄の音を聞いて、それがシマウマだったということはありえるわけです。いや、しかし、そもそも蹄の音なんて最近聞いてないんですけど…、そこは置いといて。「銀色の便、耳たぶのシワ、フライパン加熱後の呼吸困難など、100のまれな疾患・症候を、クリニカルパールや症候リスト、周辺/類似疾患の鑑別疾患リストとともに解説」。この文章で「ウワまじ読みてぇ!」と思った医師は、おそらく100%満足できる書籍です。NHKの「総合診療医ドクターG」が好きな人は、たぶんメチャハマります。全体的に希少疾患が多いのは本書の特性上やむを得ませんが、総合診療のロジカルシンキングって大事だなぁと思わされるコラムばかりです。参考文献も細かく明示されており、さすが獨協総診だなぁと感嘆するコラムばかりでした。大事なのは「ホワイトライオンを追え」ではなく「ホワイトライオンも追え」なのです。珍しいトンデモ疾患ばかり追いかけるのではなく、王道の鑑別疾患を挙げた上で「まさかとは思うが」と頭の片隅にレアな疾患もイメージしておく。そのトレーニングのために、本書はとくに若手医師にとってよい刺激になると思います。実臨床でホワイトライオンに遭遇したとき、「やはりな」と余裕をもって対応できる医師でありたいですね。その前に、蹄の音がしない百獣の王に、噛み殺されるかもしれませんけど(笑)。『ホワイトライオンも追え! ゼブラへのリスペクト,そして見逃せない鑑別疾患』志水 太郎,原田 拓/監修出版社名メディカル・サイエンス・インターナショナル定価本体3,000円+税サイズA5判刊行年2019年■関連コンテンツ志水太郎の診断戦略ケーススタディ

検索結果 合計:35665件 表示位置:18741 - 18760