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重症域の妊娠高血圧症候群に対する経口降圧薬の効果比較(解説:三戸麻子氏)-1121

 重症域(160/110mmHg以上)の妊娠高血圧症候群に対する降圧加療として、ニフェジピン、ラベタロール、メチルドパという日常診療で頻用されている経口薬の降圧効果・副作用を直接比較している点が画期的である。また、緊急の降圧が必要な症例に対しては経静脈的な降圧加療が行われることも多いが、それがかなわない状況も考慮してすべて経口薬で行っている部分も斬新と思われる。 Primary outcome(降圧薬投与後6時間での降圧)はニフェジピン群がメチルドパ群より有意に達成していたものの、ニフェジピン群とラベタロール群は同等であった。しかし、本研究では初回使用量がニフェジピン10mg、ラベタロール200mgのうえ、必要に応じて各々30mg、600mgまで増量しているということから、ラベタロールは本邦での使用よりも高用量で使用されていることに留意する必要がある。 さらにニフェジピン群で児のNICU入室率が有意に高かったこと、2,500g未満の低出生体重児と1,500g未満の極低出生体重児を合わせた割合がニフェジピン群で有意に高かったことが報告されている。しかし在胎週数や平均出生体重、極低出生体重児のみの割合やNICUでの人工呼吸管理の割合、NICU滞在期間など児の全身状態に関しては3群で差を認めていない。本研究では研究エントリー時の在胎週数と血圧平均など患者背景に統計学的有意差は認めていない。しかしエントリー時の推定胎児体重は不明であり、収縮期血圧170mmHg以上の割合や双胎の割合などがニフェジピン群で比較的多く含まれていたこと等も考慮する必要があり、ニフェジピンの非有用性に直結するデータではないと考えられる。

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最近の話題:AMG-501とFLAURA【侍オンコロジスト奮闘記】第81回

第81回:最近の話題:AMG-501とFLAURAWEB会議システムで直接録画しているため、画像音声が乱れております。ご了承ください。KRAS変異肺がんに対するKRAS阻害薬AMG510の成績/WCLC2019HR0.799、オシメルチニブ1次治療、肺がんのOS有意に改善(FLAURA)/ESMO2019

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さらに腰を引っ張ったら思わぬことが!【Dr. 中島の 新・徒然草】(294)

二百九十四の段 さらに腰を引っ張ったら思わぬことが!下腿が痺れている60代女性の腰を引っ張ったら、症状が一時的に良くなった、というのが前回のお話。この患者さんの腰を別の日に引っ張ったら、今度は頭痛が治った、というのが今回のお話。一体どうなっているわけ。「大丈夫か、中島先生?」と読者の皆様には思われそうです。いやいや、これは厳然たる事実。自分でも驚きました。で、その経験をまずはケアネットで報告いたします。一連の出来事を時系列に並べてみましょう。1:60代女性、右下腿背側の感覚障害と軽い歩行障害で脳外科を受診。2:中島が診察室で腰を引っ張ると一時的に改善した。3:中島が近くの医療機関(腰名人)に紹介する。4:腰名人が「外側陥凹症候群」と診断すると共に、患者によく歩くよう指示。5:患者、転倒して頸を捻るも、ひたすら歩く。6:2週間後、患者が頭痛を訴えて再び脳外科を受診。7:立ったら痛い、寝たら楽、という症状から低髄液圧症を疑う。8:せっかく来院したので、腰を引っ張ってあげる。9:引っ張った15分後くらいに頭痛が自然に治る!何事も言葉だけで記述するのは難しいですね。まずはどうやって腰を引っ張るかを述べておきましょう。最初に、患者さんにアームレストのない椅子に腰かけてもらいます。次に、架空のアームレストを想定し、その上に両腕をのせる姿勢をとってもらいます。そして、中島が患者さんの背後に立ちます。さらに、自らの両側の手掌で患者さんの両肘を下から受けます。最後に、患者さんの両肘を押し上げるわけです。椅子から浮くぐらい持ち上げると、患者さんの自重でうまく腰が伸びます。持ち上げようとする中島の手掌に対抗して、うまく下向きに肘の力を入れてもらうのがコツ。医学的に言えば、患者さんに肩甲帯の下制をしてもらうことになります。では、このような操作で何故、頭痛が治ったのか?まず最初に、低髄液圧症の起こったメカニズムを考えてみましょう。転倒して頸を捻ったときに、頸椎の脊髄神経のルートスリーブから髄液が漏れ始めた。よく歩くことによって、さらに髄液が漏れた。髄液が漏れて頭蓋内圧が下がり、低髄液圧症が発生した。立ったら頭痛が悪化し、寝たら頭痛が軽減するようになった。このようなメカニズムではないかと推測します。画像検査もしていないのに、見てきたような事を言ってすみません。さて、腰の引っ張りがなぜ頭痛を治すのか、が問題です。腰引っ張り時に、患者さんが肩甲帯を下制する方向に力を入れた結果、ルートスリーブの髄液漏れ部分が塞がったのが原因ではないでしょうか?単なる決めつけにすぎない、ということは私も自覚しております。そもそも、髄液漏れがあるにしても、頸椎とは限りません。もし腰椎のルートスリーブに髄液漏れがあれば、腰を引っ張って悪化させることもあり得ます。でも、腰を引っ張るだけで頭痛が治れば、こんなありがたいこともありません。ということで、この患者さんには2週間後に来ていただくことにしました。頭痛改善がどのくらい続いたのか、確認する予定です。単なる腰の引っ張りが、思わぬ方向に向かってしまい、自分でも驚いているところです。最後に1句腰伸ばし 頭痛が治った なんでまた?

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ニボルマブ、食道がん2次治療以降のOS改善(ATTRACTION-3)/ESMO2019

 韓国・延世医科大学延世がんセンターのByoung Chul Cho氏は、進行・再発の食道扁平上皮がんの2次治療でニボルマブとタキサン系抗がん剤による化学療法を比較した第III相試験ATTRACTION-3の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で報告。ニボルマブは化学療法と比較し、全生存期間(OS)を有意に延長したことを明らかにした。・対象:1次治療でプラチナベース化学療法が不応あるいは施行後に無効になった切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん患者(PS 0~1)・試験群:ニボルマブ240mg 2週ごと(n=210)・対照群:ドセタキセル75mg/m2 3週ごと、あるいはパクリタキセル100mg/m2 毎週(n=209)・評価項目: [主要評価項目]全生存期間(OS) [副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効までの期間(TTR)、奏効期間(DOR)、健康関連QOL、有害事象 主な結果は以下のとおり。・OS中央値はニボルマブ群が10.9ヵ月、化学療法群が8.4ヵ月で、ニボルマブ群で有意な延長が認められた(ハザード比[HR]:0.77、95%信頼区間[CI]:0.62~0.96、p=0.019)。・年齢、性別、人種、PS、手術歴、放射線治療歴、PD-L1発現率、喫煙歴といったいずれのサブグルーブ別でもニボルマブ群で良好なOSの傾向を示した。・PFS中央値はニボルマブ群が1.7ヵ月、化学療法群が3.4ヵ月で、両群間の有意差はなかった(HR:1.08、95%CI:0.87~1.34)。・ORRはニボルマブ群が19%、化学療法群が22%で、両群で同等だった。・DCRはニボルマブ群が37%、化学療法群が63%であった。・TTR中央値はニボルマブ群が2.6ヵ月、化学療法群が1.5ヵ月であった。・DOR中央値はニボルマブ群が6.9ヵ月、化学療法群が3.9ヵ月であった。・EQ-5D-3Lを用いた健康関連QOLの調査では、計測された42週にわたりニボルマブ群は一貫して化学療法群を上回っていた。・ニボルマブ群での治療関連の主要な免疫関連有害事象は、内分泌系、消化管系、肝臓系、肺系、腎系、皮膚系であり、そのほとんどはGrade2以内であり、いずれもGrade3以上の発現率は2%以内であった。・Grade3以上の全治療関連有害事象発現率はニボルマブ群が18%、化学療法群が63%であった。 この結果を受けてCho氏は「ニボルマブは進行食道扁平上皮がんの2次治療で新たな標準治療となる可能性を示している」と述べた。

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ボルチオキセチン治療中のうつ病患者における睡眠と抑うつ症状との関係

 うつ病患者では、睡眠障害が頻繁に認められる。治療反応と睡眠の質や変化との関連性に対するボルチオキセチンの影響について、中国・西南大学のBing Cao氏らが調査を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2019年9月18日号の報告。ボルチオキセチンを8週間投与した睡眠の変化を評価 本研究は、うつ病患者におけるTHINC統合ツールによる認知機能変化に対する感受性を評価した臨床試験の事後分析として実施された。対象は、DSM-Vにおける中等度または重度のうつ病と診断された患者92例(18~65歳)および健康対照群54例。すべての患者に対し、オープンラベルでボルチオキセチン(10~20mg/日、フレキシブルドーズ)を8週間投与した。主要アウトカムは、0、2、8週目の睡眠の変化とした。睡眠の評価には、ピッツバーグ睡眠質問票、エプワース眠気尺度、不眠症重症度指数を用いた。副次的評価として、睡眠の変化と抑うつ症状の重症度との関連も調査した。ボルチオキセチンによる抑うつ症状改善は睡眠の改善と有意な関連 ボルチオキセチンによる治療反応と睡眠の変化の主な結果は以下のとおり。・うつ病患者は、対照群と比較し、0、2、8週目の各睡眠スコアが有意に不良であった(p<0.05)。・うつ病患者は、0週目から8週目までの間に各睡眠スコアの有意な改善が認められた(p<0.05)。・各睡眠スコアの改善と抑うつ症状の改善に、有意な関連が認められた。 著者らは「ボルチオキセチンで治療されたうつ病患者の抑うつ症状改善は、睡眠の改善と有意な関連が認められた。また、睡眠の改善は抗うつ薬治療反応の予測因子であると考えられ、全体的な抑うつ症状の重症度改善と直線的な相関が認められた」としている。

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カバジタキセル、転移のあるmCRPCのPFSを延長/NEJM

 転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)で、ドセタキセルおよび抗アンドロゲン薬(アビラテロン、エンザルタミド)既治療の患者に対し、カバジタキセルは抗アンドロゲン薬に比べ、画像評価による無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが示された。オランダ・エラスムス医療センターのRonald de Wit氏らが、255例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月30日号で発表した。ドセタキセル治療と抗アンドロゲン薬治療を受けるも12ヵ月以内に病勢進行が認められたmCRPC患者について、抗アンドロゲン薬と比較したカバジタキセルの有効性および安全性は不明であった。欧州13ヵ国62医療機関で255例を対象に試験 研究グループは、欧州13ヵ国の62医療機関を通じて、ドセタキセル治療と抗アンドロゲン薬治療歴のあるmCRPC患者255例を無作為に2群に分け、比較試験を行った。一方には、カバジタキセル(25mg/m2体表面積を3週ごと静注)+プレドニゾン1日1回+顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与(カバジタキセル群)、もう一方には異なる抗アンドロゲン薬(アビラテロン1,000mg+プレドニゾンを1日1回またはエンザルタミド160mgを1日1回)を投与した(抗アンドロゲン薬群)。 主要エンドポイントは、画像評価によるPFSだった。副次エンドポイントは、生存期間、奏効率で、安全性についても評価した。PFS期間、カバジタキセル群8.0ヵ月、抗アンドロゲン薬群3.7ヵ月 追跡期間中央値9.2ヵ月後の画像評価に基づく病勢進行または死亡の報告は、カバジタキセル群95/129例(73.6%)、抗アンドロゲン薬群101/126例(80.2%)だった(ハザード比[HR]:0.54、95%信頼区間[CI]:0.40~0.73、p<0.001)。画像評価に基づくPFS期間中央値は、カバジタキセル群8.0ヵ月、抗アンドロゲン薬群3.7ヵ月だった。 全生存(OS)期間中央値は、カバジタキセル群13.6ヵ月、抗アンドロゲン薬群11.0ヵ月だった(死亡に関するHR:0.64、95%CI:0.46~0.89、p=0.008)。 病勢進行で評価したPFS期間中央値は、カバジタキセル群4.4ヵ月、抗アンドロゲン薬群が2.7ヵ月だった(進行または死亡に関するHR:0.52、95%CI:0.40~0.68、p<0.001)。 前立腺特異的抗原反応は、カバジタキセル群35.7%、抗アンドロゲン薬群13.5%で発生し(p<0.001)、腫瘍反応率はそれぞれ36.5%、11.5%だった(p=0.004)。Grade3以上の有害事象の発現率はカバジタキセル群56.3%、抗アンドロゲン薬群52.4%だった。安全性に関する新たな兆候は観察されなかった。

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人工股関節全置換 vs.半関節形成、2年後の有意差なし/NEJM

 50歳以上の転位型大腿骨頸部骨折において、人工股関節全置換術を受けた患者と半関節形成術を受けた患者とで、24ヵ月間の二次的な股関節手術の発生率に有意差はなく、人工股関節全置換術が半関節形成術と比べて、機能やQOLに関して臨床的に重要な改善を示さなかったことが報告された。カナダ・マックマスター大学のMohit Bhandari氏らの研究グループ「The HEALTH Investigators」が、約1,500例を対象に行った無作為化試験で明らかにした。世界的に、大腿骨近位部骨折は、成人の障害要因のトップ10位内に含まれる。これまで転位型大腿骨頸部骨折について、股関節全置換術を半関節形成術と比べた効果については不確定なままであった。NEJM誌オンライン版2019年9月26日号掲載の報告。10ヵ国80医療機関で1,495例を対象に無作為化試験 研究グループは、10ヵ国の80医療機関を通じて、転位型大腿骨頸部骨折が認められる50歳以上1,495例を無作為に2群に分け、一方の群には人工股関節全置換術を、もう一方には半関節形成術を行った。被験者は、骨折前には介助なしに歩行が可能だった。 主要エンドポイントは、フォローアップ24ヵ月間での二次的な股関節手術の実施。副次エンドポイントは、死亡、重篤有害事象、股関節関連の合併症、健康関連QOL、機能、全体的な健康エンドポイントなどだった。主要エンドポイントの発生、全置換術群7.9%、半関節形成術群8.3%で有意差なし 主要エンドポイントの発生は、股関節全置換術群57/718例(7.9%)、半関節形成術群60/723例(8.3%)だった(ハザード比[HR]:0.95、95%信頼区間[CI]:0.64~1.40、p=0.79)。股関節の不安定性や脱臼の発生は、股関節全置換術群で34例(4.7%)が、半関節形成術群で17例(2.4%)が発生した(HR:2.00、95%CI:0.97~4.09)。 Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)に基づく総スコア、疼痛スコア、硬直性スコア、機能性スコアはいずれも、股関節全置換術群が半関節形成術群よりわずかに良好だったが、臨床的に意味のある最小差を下回っていた。 死亡率は、股関節全置換術群14.3%、半関節形成術群13.1%と両群で同程度だった(p=0.48)。重篤有害事象の発生は、股関節全置換術群300例(41.8%)、半関節形成術群265例(36.7%)だった(p=0.13)。

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早期TN乳がんの術前化学療法にペムブロリズマブ追加でpCR改善(KEYNOTE-522)/ESMO2019

 新規に診断された早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対して、術前化学療法にペムブロリズマブを追加することにより、病理学的完全奏効(pCR)率が有意に上昇したことがKEYNOTE-522試験で示された。また、術前/術後のペムブロリズマブ投与により無イベント生存率(EFS)が改善する傾向もみられた。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、英国・Barts Cancer Institute, Queen Mary University LondonのPeter Schmid氏が発表した。 本試験は、早期TNBCに対してペムブロリズマブの術前化学療法との併用および術後補助療法での投与について検討した、初のプラセボ対照無作為化比較第III相試験である。・対象:新規に診断されたTNBC患者(AJCC/TNM分類でT1c N1-2またはT2-4 N0-2、ECOG PS 0/1)・試験群:術前に化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルを4サイクル後、ドキソルビシン/エピルビシン+シクロホスファミドを4サイクル)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)、術後にペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)を9サイクルあるいは再発または許容できない毒性発現まで投与(ペムブロリズマブ群)・対照群: 術前に化学療法(試験群と同様)+プラセボ、術後にプラセボを投与(プラセボ群)・評価項目:[主要評価項目]pCR(ypT0/Tis ypN0)、EFS[副次評価項目]pCR(ypT0 ypN0およびypT0/Tis)、全生存期間(OS)、PD-L1陽性例におけるpCR・EFS・OS、安全性 主な結果は以下のとおり。・1,174例が2:1に無作為化され、ペンブロリズマブ群に784例、プラセボ群に390例が割り付けられた。・追跡期間中央値はペムブロリズマブ群15.3ヵ月、プラセボ群15.8ヵ月であった。・主要評価項目のpCR(ypT0/Tis ypN0)は、ペムブロリズマブ群は64.8%とプラセボ群51.2%に対して有意な改善を示した(p=0.00055)。・副次評価項目のpCR(ypT0 ypN0)およびpCR(ypT0/Tis)も、ペムブロリズマブ群vs.プラセボ群でそれぞれ59.9%vs.45.3%および68.6%vs.53.7%と同様であった。・PD-L1発現の有無別のペムブロリズマブ群とプラセボ群におけるpCR(ypT0/Tis ypN0)は、PD-L1陽性で68.9%vs.54.9%、PD-L1陰性で45.3%vs.30.3%であり、PD-L1発現にかかわらず、ペムブロリズマブの改善効果が認められた。・EFSの最初の中間解析でのイベント発生率は、ペムブロリズマブ群7.4%、プラセボ群11.8%で、ハザード比は0.63(95%信頼区間:0.43~0.93)であったが、事前に設定したp値の有意水準を達成しなかった。18ヵ月時のEFSはペムブロリズマブ群91.3%、プラセボ群85.3%であった。・Grade3以上の治療関連有害事象の発現率は、術前療法期ではペムブロリズマブ群76.8%、プラセボ群72.2%、術後療法期では5.7%、1.9%であった。・Grade3以上の免疫介在性有害事象の発現率は、ペムブロリズマブ群14.1%、プラセボ群2.1%であった。

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再発悪性胸膜中皮腫に対するペムブロリズマブの成績/ESMO2019

 悪性胸膜中皮腫(MPM)はアグレッシブな腫瘍で、予後も不良である。プラチナベース化学療法の再発後は生存を改善する治療法はないが、実臨床ではビノレルビンやゲムシタビンが用いられる。そのような中、KEYNOTE-028の拡大コホートなどで免疫チェックポイント阻害薬の有効性が示されている。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)ではペムブロリズマブ単剤による既治療のMPMに対する無作為化比較第III相試験ETOP PROMISE-mesoの結果が発表された。・対象:プラチナベース化学療法で進行したMPM(PS 0~1)・試験群:ペムブロリズマブ200mg/日3週ごと・対照群:任意の化学療法(ゲムシタビンまたはビノレルビン)・評価項目: [主要評価項目]盲検下独立中央評価委員会(BICR)評価の無増悪生存期間(PFS) [副次評価項目]奏効率(ORR)、治療成功期間(TTF)、全生存期間(OS)、治験担当医評価のPFS、有害事象 治療は病勢進行(PD)となるまで続けられ(最大2年間)、化学療法群ではPD後のペムブロリズマブへのクロスオーバーが許容された。 主な結果は以下のとおり。・151例が登録され、ペムブロリズマブ群73例と化学療法群71例に無作為に割り付けられた。・追跡期間中央値は11.8ヵ月であった。・化学療法群の63%がペムブロリズマブにクロスオーバーした。・主要評価項目であるBICR評価のPFSは、ペムブロリズマブ群2.5ヵ月、化学療法群は3.4ヵ月と、両群に差はみられなかった(ハザード比[HR]:1.06、95%信頼区間[CI]:0.73~1.53、p=0.76)。・ORRは、ペムブロリズマブ群22%、化学療法群6%と、ペムブロリズマブ群で有意に良好であった(p=0.004)。・OSはペムブロリズマブ群10.7ヵ月、化学療法群11.7ヵ月と、両群に差はみられなかった(HR:1.04、95%CI:0.66~1.67)。・PD-L1別のPFS[PD-L1 1%未満]ペムブロリズマブ群4.2ヵ月に対し、化学療法群は4.4ヵ月(HR:1.26、p=0.57)[PD-L1 1%以上]両群とも3.2ヵ月であった(HR:1.06、p=0.82)。・全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)は、ペムブロリズマブ群69.4%、化学療法群は72.9%であった。Grade3以上のTRAEは、ペムブロリズマフ群19.4%、化学療法群は24.3%であった。 ペムブロリズマブ単剤は化学療法に比べOS、PFSとも違いは示されなかったものの、MPMのORRは有意に改善した。さらに、ペムブロリズマブのベネフィットを特定する探索的トランスレーショナル研究が進行中だという。

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第18回 カプランマイヤー生存曲線 ログランク検定と一般化ウィルコクソン検定の使い分けは?【統計のそこが知りたい!】

第18回 カプランマイヤー生存曲線ログランク検定と一般化ウィルコクソン検定の使い分けは?カプランマイヤー(Kaplan-Meier)生存曲線は、図1のように治療方法Aと治療方法Bの生存率を計算してグラフを描く解析手法です。治療方法Aと治療方法Bの生存率の違いを調べ、治療方法Aの延命効果を把握する方法です。目的変数は「アウトカム」とも呼ばれ、死亡/生存(時には、再発する/再発しない、寛解する/寛解しないなど)の2群のカテゴリーデータになります。図1 治療方法AとBの生存曲線■生存曲線で2群間に有意な差があるかを調べる方法ある特定の時点における生存率(たとえば5年生存率)を比較するのではなく、生存曲線の全体を比較することで、両群の生存状況に差があるかを検定します。生存曲線で2群間に有意な差があるかを調べる方法に、ログランク検定(log-rank test)と一般化ウィルコクソン検定(Generalized Wilcoxon test)があります。どちらの検定もp値が算出されます。p値が0.05未満であれば2群の生存曲線に違いがあると判断できます。■ログランク検定と一般化ウィルコクソン検定の違いと使い分けログランク検定は、「時期別死亡率がどの時点でも同等」と考えて検定の計算を行います。一方、一般化ウィルコクソン検定は「最初のほうは例数が多いから信頼性が高く、後のほうは例数が少ないから信頼性が低い」として、時期別死亡数に対して重み付けをして検定計算を行います。具体的には、患者数の多く残っている前のほうの時点に大きい重みを、患者数の少なくなる後のほうの時点に小さい重みを付けます。図2の生存曲線のグラフにおいて、左図のように「時間が経つほど、2群の生存曲線が開いてくる」タイプの結果に対しては、一般化ウィルコクソン検定よりログランク検定のほうが適していると言われています。その一方で、右図のように「観察期間中、差がみられても徐々に2群の差が縮まる」ような結果では、一般化ウィルコクソン検定のほうが適しているといわれています。図2 ログランク検定と一般化ウィルコクソン検定の検定適性図1の事例における60ヵ月目の生存率をみると、治療方法Aは15.8%、Bは9.4%です。その差は6.4ポイントとなり、AのほうがBに比べ延命効果があったと解釈できます。また、半分(50%)の患者さんが亡くなられた時点までの期間を読み取ると、Aは26ヵ月、Bは14ヵ月で、差は12ヵ月です。AのほうがBに比べ、延命効果があったと解釈できます。では、生存曲線に違いがあるのかどうか、検定してみましょう。生存曲線が図2の右図に近いので、ログランク検定より一般化ウィルコクソン検定が適していると考えられます。そこで、一般化ウィルコクソン検定によるp値を算出すると0.0303で、0.05よりも小さかったので治療方法AとBの生存曲線に違いがあるといえます。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション4 カプランマイヤー法の生存曲線を比較する第3回 理解しておきたい検定セクション10 p値による仮説検定セクション11 対応のない場合の仮説検定

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急性咽頭炎に対するアモキシシリンへの変更提案の論拠【うまくいく!処方提案プラクティス】第7回

 今回は、抗菌薬の処方提案について紹介します。抗菌薬の処方提案においては、(1)感染臓器、(2)想定される起炎菌(ターゲット)、(3)感受性良好な抗菌薬の理解が必要不可欠です。また、医師に提案する際は、上記の擦り合わせや治療方針の確認を心掛けましょう。患者情報40歳、男性(会社員)現 病 歴 :高血圧血圧推移:130/70台既 往 歴 :15歳時に虫垂炎にて手術主  訴:咽頭痛、発熱、頸部リンパ節の腫脹処方内容1.アムロジピン錠2.5mg 1錠 分1 朝食後2.レボフロキサシン錠500mg 1錠 分1 朝食後3.トラネキサム酸錠500mg 3錠 分3 毎食後4.ポビドンヨード含嗽剤7% 30mL 1日数回含嗽症例のポイントこの患者さんは、2日前より咽頭痛と発熱が生じたため、かかりつけの診療所を受診しました。来院時の発熱は38℃後半で、圧痛を伴う頸部リンパ節の腫脹から急性咽頭炎と診断され、上記の薬剤が処方されました。薬局でのインタビューでは、とくに咽頭の症状が強く、唾をのみ込むときに口の中や咽頭に強い痛みを感じていましたが、鼻汁や咳嗽はないということを聞き取りました。まず気になったのは、急性咽頭炎に対してレボフロキサシンが処方されていたことです。急性咽頭炎の大多数はウイルス性であり、細菌性の割合は10%程度と低めですので、抗菌薬が必要ないことも多くあります。この患者さんは下表のように細菌性も十分疑われますが、細菌性の場合に主にターゲットとなりうる起炎菌はA群β溶血性連鎖球菌(group A β-hemolytic streptococcus:GAS)です。レボフロキサシンは広域スペクトラムかつ肺結核をマスクするリスクなどもありますので、本症例においては特別な理由がなければ第1選択には挙がらない抗菌薬ではないかと考えました。咽頭感染かつGASがターゲットであればペニシリン系抗菌薬のアモキシシリンが第1選択薬となります。そこで、患者さんにペニシリンやほかのβラクタム系抗菌薬によるアレルギーがないことを確認したうえで、医師に疑義照会することにしました。<細菌性咽頭炎を疑うためのツール>(文献2より改変)処方提案と経過電話にて、本症例における処方医の考えるターゲットと治療方針を確認したところ、GAS迅速抗原検査は陽性であり、細菌性咽頭炎の診断はついているということがわかりました。そして、「GAS陽性=レボフロキサシン」という認識で薬剤選択をしたと回答がありました。確かにレボフロキサシンも感受性はありますが、今回の症例のように症状が咽頭に限局しているGASをターゲットとして治療する場合、アモキシシリンのほうがより狭域で感受性が高いことを提案しました。医師は、アモキシシリンはあまり使ったことがないからそれでよいのか判断に迷われていましたが、処方提案の承認を得ることができました。薬剤変更の結果、アモキシシリン錠250mg 4錠 分2 朝夕食後で10日間投与することとなりました。その後、患者さんは10日間のアモキシシリンの治療を終了し、咽頭炎は軽快しました。1)厚生労働省健康局結核感染症課 編. 抗微生物薬適正使用の手引き 第一版. 厚生労働省健康局結核感染症課;2017.2)岸田直樹. 総合診療医が教える よくある気になるその症状 レッドフラッグサインを見逃すな!. じほう;2015.3)Gilbert DNほか編. 菊池賢ほか日本語版監修. <日本語版>サンフォード 感染症治療ガイド2019. 第49版. ライフサイエンス出版;2019.

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ペムブロリズマブ単剤のNSCLC1次治療、日本の実臨床での成績/ESMO2019

 ペムブロリズマブと化学療法の併用は、PD-L1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の初回治療において、化学療法に比べ著明な生存ベネフィット効果を示す。しかし、その毒性はペムブロリズマブ単剤に比べ高い。そのため、実臨床において、PD-L1 50%以上のNSCLC患者にペムブロリズマブ単剤を用いるか、化学療法との併用を用いるか、その判断は難しい。加えて、それらの試験対象は良好な状態の患者であり、その結果は実臨床の状況を完全に反映しているとは限らない。 そのため、実臨床においてペムブロリズマブ単剤が適合する患者を特定するとともに、多様な患者におけるペムブロリズマブ単剤の効果と安全性を評価することを目的に、Hanshin Oncology critical Problem Evaluate group(HOPE)の11施設で、多施設後ろ向きコホート研究を実施している。その第2回解析の結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)において、大阪国際医療センターの田宮 基裕氏が発表した。 主な結果は以下のとおり。・2017年2月1日~2018年4月30日に213例の患者が登録された。年齢中央値は71歳、男性が176例(82.6%)、ECOG PS0~1が172例(80.8%)であった。・PD-L1はTPS50~74%が97例(45.5%)、75~89%が55例(22.1%)、90~100%が69例(32.4%)であった。・Grade3以上の有害事象(AE)は39例(18.3%)に発現した。頻度の高い重篤なAEは肺炎(10例、4.7%)であったが、死亡患者はいなかった。・全奏効率は51.2%、病勢コントロール率は73.2%であった。・無増悪生存期間(PFS)中央値は8.3ヵ月(95%信頼区間[CI]:6.0~10.7)、全生存期間(OS)中央値は17.8ヵ月(95%CI:17.8~NA)であった。・単変量解析では、ECOG PS(0~1対2以上のハザード比[HR]:2.11、p=0.00061)、炎症CRP/ALB(0.3未満対0.3以上のHR:1.88、p=0.00148)、およびステロイド使用(使用なし対使用のHR:3.17、p=0.00034)が、ペムブロリズマブのPFSと有意な相関を示した。・多変量解析では、ECOG PS(0~1対2以上のHR:1.69、p=0.03138)、CRP/ALB(0.3未満対0.3以上のHR:1.92、p = 0.00153)、ステロイド使用(使用なし対使用のHR:2.94、p=0.00267)、PD-L1(50~89%対90~100%のHR:0.65、p=0.04984)が、ペムブロリズマブのPFSと有意な相関を示した。 この研究では、患者背景はさまざまであったが、結果は以前の主要な臨床試験の有効性と安全性と一致していた。また、PS不良、高炎症状態(CRP/ALB≥0.3)、およびペムブロリズマブ治療開始時のステロイド使用は、より短いPFSと独立して相関していた。 発表者の田宮 基裕氏との一問一答はこちら。この試験を実施した理由はどのようなものですか。 KEYNOTE-024、042など、ペムブロリズマブ単剤の1次治療のデータは治験のデータが多く、リアルワールドのデータはあまりありません。さまざまな患者が含まれるリアルワールドデータをいち早く出したいと考え、関西を中心に、肺がん診療を行うアクティブな先生方を集め、この試験を計画・実施しました。この試験でのサバイバルの結果をどう思われますか。 今後、長くみていくと、もう少し落ちてくるとは思いますが1年のOSが7~8割ですし、PFSも40%でテールを引いているので、全体的に良好だと思います。PD-L1のカットオフを90%にしていますが。 Annals of Oncologyなど海外ジャーナルでも、PD-L1 90%以上でデータが報告されています。自分たちも実際にやってみると、差が出たのは90%でした。本研究のPD-L1超高発現の研究は、現在、大阪大学に勤務されている枝廣先生が、さらに詳しくPLOS ONEにて報告しております。1次治療でもステロイドが入っている患者さんがいらっしゃいますね。 初回治療なのであまり入っていないと思っていたのですが、少しおられますね。喘息など自己免疫疾患の患者さんにはペムブロリズマブが使われないことが多いので、食欲不振、PS不良、疼痛、脳転移などで使われていることが多いと思います。試験で苦労したことはどのようなことですか。 まずはデータを集めることです。アクティブな先生方に集まっていただいたとはいえ、リアルワールドではさまざまなデータが入ってきます。早くデータを出すために、結果として何を出すのか、事前にかなり検討しました。また、データの収集・解析には非常に労力がかかります。協力施設の先生方には、日常業務の中、そういう厳しい仕事をしていただきました。苦労した先生方にも恩恵が出るようにしようと考え、共同演者としてお名前を出さしていただいております。また、今後も、協力施設の先生方からも本研究のデータを用いた論文が出る事を期待しています。この研究は今後も継続されるのでしょうか 今回は第2回のデータ解析ですが、今後第3回の解析を行い、さまざまな角度から発表していきたいと思います。 なお、この研究結果は、Investigatoinal New Drugs誌8月7日号オンライン版に発表されている。

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新規ADC薬・sacituzumab-govitecan、尿路上皮がんに有望(TROPHY-U-01)/ESMO2019

 転移を有する尿路上皮がん(mUC)に対する、抗体薬物複合体(ADC)である新規薬剤sacituzumab-govitecan(SG)の試験結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Weill Cornell MedicineのScott T. Tagawa氏より発表された。 本試験(TROPHY-U-01)は、オープンラベル・シングルアームの国際共同第II相試験である。本試験薬(SG)は、尿路上皮がんやトリプルネガティブ乳がんなどの腫瘍細胞表面に高発現しているTrop-2タンパクを標的としたヒト化抗体(hRS7)に、トポイソメラーゼ阻害薬であるSN-38を分子レベルで結合させた新規のADCである。 対象はプラチナ系薬剤と免疫チェックポイント阻害薬(CPI)の前治療歴のあるmUC患者(コホート1)100例、およびプラチナ系薬剤不適応でCPI治療後の病勢進行患者40例(コホート2)。試験群にはSG10mg/kgをday1、8に投与3週間ごと。主要評価項目は奏効率(ORR)、副次評価項目は安全性、奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間であった。今回は、コホート1の35例による中間解析結果の報告である。 主な結果は以下のとおり。・前治療のライン数の中央値は3(2~6)で、63%の症例に内臓転移があった(肺転移40%、肝転移23%、その他11%)。・追跡期間中央値4.1ヵ月時点での全体のORRは29%(CR:6%、PR:23%)で、前治療が2ラインのサブグループでは18%。3ライン以上のサブグループでは33%であった。・内臓転移を有する症例群でも23%のORRが得られ、全症例の74%で何らかの腫瘍縮小効果が得られた。・安全性は、Grade3/4の好中球減少が55%、白血球減少が29%、発熱性好中球減少が12%、尿路感染が11%、下痢が9%、全身倦怠感6%などであり、3例が治療関連有害事象により投薬中止となっている。また、間質性肺炎や治療関連死はなかった。

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急性期抗うつ薬治療中に悪化しやすい患者像

 適切な抗うつ薬治療を行っているにもかかわらず、症状が悪化するうつ病患者の割合を調査した研究は、これまでほとんどなかった。名古屋市立大学の明智 龍男氏らは、うつ病患者を含む多施設無作為化比較試験での抗うつ薬治療中における、うつ病悪化の割合とその予測因子について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年9月9日号の報告。 うつ病悪化の定義には、抗うつ薬治療中の急性期うつ病患者を評価するために用いた0~9週目までの総PHQ-9スコアを使用した。うつ病の悪化に対する潜在的な予測因子として、ベースライン時の人口統計学的および臨床的データ、0~3週目までのPHQ-9スコアの変化、3週時点での副作用を評価した。 主な結果は以下のとおり。・1,647例中99例(6.0%)で、うつ病の悪化が認められた。信頼性の高い変化指標基準を適用した場合、この割合は小さくなった。・ロジスティック回帰分析により、以下の因子がうつ病の悪化と有意に関連していることが明らかとなった。 ●初回うつ病エピソードの発症年齢が若い ●現在、高齢である ●0~3週目までのPHQ-9スコアの大幅な増加・本研究の限界として、プライマリエンドポイントまでの期間が十分に長くなかった点、プラセボ群が含まれておらず、潜在的に関連する予測因子を包括的に調査できていない可能性がある点などが挙げられる。 著者らは「少数の患者で、急性期の抗うつ薬治療中に、うつ症状を悪化させることがある。初回エピソードの発症年齢、現在の年齢、抗うつ薬治療での早期ネガティブレスポンスは、その後の症状悪化の有用な予測因子である可能性が示唆された」としている。

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niraparibで化療に奏効した新規進行卵巣がんのPFS改善/NEJM

 プラチナ製剤ベースの化学療法が奏効した新規診断進行卵巣がん患者では、PARP阻害薬niraparibはプラセボと比較して、相同組み換え欠損(homologous-recombination deficiency:HRD)の有無にかかわらず、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長させることが、スペイン・Clinica Universidad de NavarraのAntonio Gonzalez-Martin氏らが行ったPRIMA/ENGOT-OV26/GOG-3012試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年9月28日号に掲載された。niraparibは、BRCA遺伝子変異の有無にかかわらず、プラチナ製剤ベースの化学療法施行後の再発卵巣がん患者のPFS期間を延長すると報告されている。一方、プラチナ製剤ベースの化学療法が奏効した新規診断進行卵巣がん患者におけるniraparibの有効性は知られていない。また、BRCA遺伝子変異は、腫瘍が何らかのHRDを有することを示しているが、BRCA遺伝子変異が陰性の場合は腫瘍のゲノム不安定性のパターンが、そのような表現型を付与する可能性があるという。niraparibの有効性を階層的検定法を用いて評価 本研究は、20ヵ国181施設が参加した第III相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験であり、2016年7月~2018年6月の期間に患者登録が行われた(GlaxoSmithKlineの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、新規に診断され組織学的に確定された卵巣、腹膜、卵管の進行がんとし、国際産婦人科連合(FIGO)の基準でStageIII/IVの漿液性または類内膜腫瘍の患者であった。 被験者は、プラチナ製剤ベースの化学療法の最終投与から12週以内に、niraparibまたはプラセボを1日1回経口投与する群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。治療は、28日を1サイクルとして36ヵ月または病勢が進行するまで行われた。 主要エンドポイントはPFSとし、階層的検定法(hierarchical-testing method)を用いて、HRD腫瘍を有する患者の評価を行った後に、全患者の検討が行われた。また、PFSの解析時に、事前に規定された全生存(OS)の中間解析が実施された。niraparib群はBRCA遺伝子変異の有無にかかわらず、HRD腫瘍と全患者でPFSが良好 733例が登録され、niraparib群に487例(年齢中央値62歳[範囲:32~85])、プラセボ群には246例(62歳[33~88])が割り付けられた。373例(50.9%)がHRD腫瘍(niraparib群247例、プラセボ群126例)を有していた。 HRD腫瘍を有する患者のPFS期間中央値は、niraparib群が21.9ヵ月と、プラセボ群の10.4ヵ月に比べ、有意に長かった(ハザード比[HR]:0.43、95%信頼区間[CI]:0.31~0.59、p<0.001)。また、全患者のPFS期間中央値は、niraparib群が13.8ヵ月であり、プラセボ群の8.2ヵ月に比し、有意に延長した(0.62、0.50~0.76、p<0.001)。 OSの中間解析では、全患者の24ヵ月OS率はniraparib群が84%、プラセボ群は77%であった(HR:0.70、95%CI:0.44~1.11)。また、HRD腫瘍患者の24ヵ月OS率はniraparib群が91%、プラセボ群は85%であった(0.61、0.27~1.39)。 BRCA遺伝子変異陽性例では、HRD腫瘍患者のPFS期間中央値はniraparib群が22.1ヵ月、プラセボ群は10.9ヵ月であった(HR:0.40、95%CI:0.27~0.62)。また、また、BRCA遺伝子変異陰性のHRD腫瘍患者のPFS期間中央値は、niraparib群が19.6ヵ月、プラセボ群は8.2ヵ月であった(0.50、0.31~0.83)。 niraparib群で最も頻度の高いGrade3以上の有害事象は、貧血(31.0%)、血小板減少(28.7%)、好中球減少(12.8%)であった。niraparib群で、有害事象による減量が70.9%に、治療中止は12.0%に認められた。治療関連死はみられなかった。 著者は「歴史的に、PARP阻害薬の臨床効果はBRCA遺伝子変異と関連するとされてきたが、niraparibはBRCA遺伝子変異の有無にかかわらず、プラセボと比較してHRD腫瘍患者および全患者の双方においてPFS期間の延長をもたらすことが確かめられた」としている。

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BRAF V600E遺伝子変異大腸がん、MAPK経路標的の3剤併用は?/NEJM

 BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する既治療大腸がん患者の治療では、エンコラフェニブ(BRAF阻害薬)+セツキシマブ(抗EGFRモノクローナル抗体)+ビニメチニブ(MEK阻害薬)併用療法およびエンコラフェニブ+セツキシマブ併用療法は標準治療と比較して、いずれも全生存(OS)期間を有意に延長し、奏効率も有意に高いことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのScott Kopetz氏らが行ったBEACON CRC試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年9月30日号に掲載された。BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する大腸がんの予後は不良であり、初回治療不成功後のOS期間中央値は4~6ヵ月とされる。また、BRAFだけを阻害しても、上皮成長因子受容体(EGFR)シグナル伝達を介して伝達路が再活性化されるため、腫瘍縮小効果は限定的だという。この3剤併用レジメンは、MAPKシグナル伝達経路を最も効果的に阻害する併用療法としてデザインされた。BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する既治療大腸がん患者を3群で比較 研究グループ(日本を含む)は、BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する既治療大腸がん患者において、エンコラフェニブ+セツキシマブ±ビニメチニブの効果を標準治療と比較する目的で、非盲検無作為化第III相試験を実施した(Array BioPharmaなどの助成による)。 対象は、組織学的および細胞学的に確定されたBRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する大腸がんで、1または2レジメンの治療を受けた後に病勢が進行した患者であった。 被験者は、3剤併用群、2剤併用群、対照群(標準治療)に1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。3剤併用群にはエンコラフェニブ(300mg/日)+セツキシマブ(初回400mg/m2、以降は250mg/m2/週)+ビニメチニブ(45mg、1日2回)が、2剤併用群にはエンコラフェニブ(300mg/日)+セツキシマブ(初回400mg/m2、以降は250mg/m2/週)が投与され、対照群では、治験責任医師の裁量でセツキシマブ+イリノテカンまたはセツキシマブ+FOLFIRI(フォリン酸、フルオロウラシル、イリノテカン)のいずれかが選択された。 主要エンドポイントは、3剤併用群の対照群と比較したOS期間および客観的奏効率とした。副次エンドポイントは、2剤併用群の対照群と比較したOS期間であった。今回は、事前に規定された中間解析の結果が報告された。 2017年5月~2019年1月の期間にBRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する既治療大腸がん患者665例が登録され、3剤併用群に224例(年齢中央値62歳[範囲:26~85]、女性53%)、2剤併用群に220例(61歳[30~91]、48%)、対照群には221例(60歳[27~91]、57%)が割り付けられた。客観的奏効率の評価は331例(3剤併用群111例、2剤併用群113例、対照群107例)で行われた。フォローアップ期間中央値は7.8ヵ月だった。OSは標準治療よりも3剤が48%、2剤は40%改善 対象となったBRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する既治療大腸がん患者のOS期間中央値は、3剤併用群が9.0ヵ月と、対照群の5.4ヵ月に比べ48%有意に延長した(ハザード比[HR]:0.52、95%信頼区間[CI]:0.39~0.70、p<0.001)。また、2剤併用群のOS期間中央値は8.4ヵ月であり、対照群の5.4ヵ月に比し40%有意に長かった(0.60、0.45~0.79、p<0.001)。 客観的奏効率は、3剤併用群が26%(完全奏効4%、部分奏効23%)と、対照群の2%(部分奏効2%)に比べ有意に高かった(p<0.001)。また、2剤併用群の客観的奏効率は20%(完全奏効5%、部分奏効15%)であり、対照群の2%よりも有意に高率であった(p<0.001)。 無増悪生存(PFS)期間中央値は、3剤併用群が4.3ヵ月、2剤併用群が4.2ヵ月、対照群は1.5ヵ月であった。対照群と比較した3剤併用群のHRは0.38(95%CI:0.29~0.49、p<0.001)、2剤併用群のHRは0.40(0.31~0.52、p<0.001)であり、いずれも有意な差が認められた。 3剤併用群のBRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する既治療大腸がん患者で頻度の高い有害事象は、消化器関連イベント(下痢62%、悪心45%、嘔吐38%)および皮膚関連イベント(ざ瘡様皮膚炎49%)であった。Grade3以上の有害事象は、3剤併用群が58%、2剤併用群が50%、対照群は61%で認められた。有害事象による治療中止はそれぞれ7%、8%、11%で、致死的有害事象は4%、3%、4%でみられ、治療関連死は3例が報告された(3剤併用群:結腸穿孔、対照群:アナフィラキシー、呼吸器不全)。 著者は、「対照群の結果は、最近の前向き研究のデータに基づき予測されたとおりであった。この試験は3剤と2剤を比較する検出力はなく、中間解析の性質上の限界もあるが、OSは3剤のほうが良好な傾向がみられた(HR:0.79、95%CI:0.59~1.06)。2つのレジメンの相対的な利益を明らかにするには、さらなるフォローアップが必要である」としている。

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小細胞肺がんに対するデュルバルマブ+化学療法の成績(CASPIAN)/ESMO2019

 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)においてデュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)と化学療法の併用を評価する第III相CASPIAN試験の結果が、世界肺がん学会(WCLC2019)で発表され、化学療法へのデュルバルマブの追加により、全生存期間(OS)の有意な改善が示された。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)では、最新の解析結果が、スペイン・Hospital Universitario 12 de OctubreのLuis Paz-Ares氏により報告された。・対象:未治療のES-SCLC患者(WHO PS 0/1)・試験群: デュルバルマブ+エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン(D+EP群) デュルバルマブ+tremelimumab+エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン(D+T+EP群)・対照群:  エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン(EP群)・評価項目: [主要評価項目]OS [副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全奏効率(ORR)、安全性、忍容性 ESMO2019での発表は、D+EP群とEP群における、臨床関連分析(Clinically relevant analysis)の結果である。 主な結果は以下のとおり。・2019年3月11日の時点で、D+EP群265例とEP群266例が各治療を受けた。・OS中央値はD+EP群13.0ヵ月、EP群10.3ヵ月で、D+EP群が有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.591~0.090、p=0.0047)・PFS中央値はD+EP群5.1ヵ月、EP群5.4ヵ月であった(HR:0.78、95%CI:0.645~0.936)・PD-L1評価可能な症例277例(D+EP群151例、EP群126例)のうちPD-L1発現が1%未満の症例は、TCで94.9%、ICで77.6%と、PD-L1発現症例は少なかった。・PD-L1発現とOSの関係は示されなかった(TCのp=0.54、ICのp=0.23)。・患者報告アウトカム(PRO)による症状悪化までの期間(TTD)は、すべての項目においてD + EP群が長かった。 ES-SCLCの1次治療におけるデュルバルマブのエトポシド+シスプラチン/カルボプラチンへの追加は、有意にOSを改善する一方、QOLを維持し、症状悪化までの時間を延長した。

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「病院のお金」を学ぶ本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第23回

【第23回】「病院のお金」を学ぶ本皆さん、考えてみたことはありませんか? なぜガッポリ儲かっている病院と、赤字で経営破綻する病院があるのか?私は、この本のタイトルにあるように、まぎれもなく“中堅どころ”の医師なのですが、この質問に答えられる自信がありません。病院経営について詳しくないからです。毎日の外来・入院業務に追われ、病床稼働率がどーのこーのなんて、ぶっちゃけ馬耳東風。しかし、将来みなさんが経営に携わる立場になるかどうかはともかく、中堅医師にとって避けて通れないのが、病院のお金の流れを勉強すること。筆者らは、総合病院における医療経営の入門本がないことを懸念して、この本を出版しました。実際、ちまたにあふれる病院経営本なんて、「開業医のための節税うんたら」みたいな本が多いです。ほとんど詐欺みたいな本もあります。おっと、口が滑った。『“中堅どころ”が知っておきたい 医療現場のお金の話』中西 康裕、今村 知明/著. メディカ出版. 2019さて、みなさんは「在院日数を短縮してください!」と言われたことはないですか? 中堅どころの勤務医ならば、看護師長に何度もこの話をされてきたのではないでしょうか。しかし、なぜ在院日数を短縮すれば経営に有利になるのか、わかっている人は多くないはずです。在院日数を短縮させることによって、病床回転率が上がります。入院初期の診療報酬が高い時点で、たくさん治療を適用して、ある程度落ち着けばすぐに退院させるという戦略です。これを繰り返せば、1ベッドあたりの診療報酬が高い状態が維持できるので、病院の経営が良くなるというロジックです。しかしこの本によれば、その考え方は半分誤りとのこと。診療報酬で得られる収益だけでなく、支出(材料費)も入院初期がもっとも高くなり、収益からコストを差し引いた利益額がさほど変わらないためです。国が推進する在院日数短縮を信じてきたがゆえに、赤字に転落している病院も多くあります。退院を促進し過ぎて、本末転倒なことに空床が出てしまっているからです(病床利用率の低下)。このほか、診療報酬、急性期一般入院料の話や、消費増税によって被る病院の打撃など、お金に関するテーマがたくさんあります。消費増税って、患者さんが支払う額が増えるんでしょ? と誤解している人も多いですが、消費増税でダメージをくらうのは、実は病院です。しかも、手術件数が多い大病院ほど増税による影響が大きいとのこと。なぜそういう仕組みになってるのか、図入りで詳しく解説されていますので、確認してみてください。この本の良いところは、図表がめちゃくちゃ見やすく、お金や経営の初心者でもわかりやすく読めるようになっていることです。上述したように、開業医の経営本とはまったく違って、あくまで総合病院の経営の舵取りがどのように行われてるかを、病院職員として知ってもらいたいという筆者の意図が、よく伝わります。ただただ、良本。『“中堅どころ”が知っておきたい 医療現場のお金の話』中西 康裕、今村 知明/著出版社名メディカ出版定価本体2,800円+税サイズB5判刊行年2019年

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