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降圧薬と認知症リスク~メタ解析

 認知症は、予防や治療戦略が難しい健康問題である。認知症を予防するうえで、特定の降圧薬使用が、認知症リスクを低下させるともいわれている。米国・国立衛生研究所のJie Ding氏らは、特定の降圧薬による血圧低下が認知症リスクに及ぼす影響について検討を行った。The Lancet. Neurology誌オンライン版2019年11月6日号の報告。高血圧患者に対する降圧薬使用は認知症リスクを低下させる 1980年1月1日~2019年1月1日までに公表された適格な観察研究より参加者データを収集し、メタ解析を実施した。適格基準は、コミュニティーの成人を対象としたプロスペクティブコホート研究、参加者2,000人超、5年以上の認知症イベントデータの収集、血圧測定および降圧薬の使用、認知症イベントに関する追加データを収集するための対面試験、死亡率のフォローアップを含む研究とした。ベースライン時の高血圧(SBP140mmHg以上またはDBP90mmHg以上)および正常血圧において、5つの降圧薬クラスを用いて、認知症やアルツハイマー病との関連を評価した。降圧薬服用確率に関連する交絡因子を制御するため、傾向スコアを用いた。研究固有の効果推定値は、変量効果のメタ解析を用いてプールした。 降圧薬と認知症との関連を評価した主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間7~22年間(中央値)のコミュニティーベースプロスペクティブコホート研究6件より得られた、55歳超の非認知症成人3万1,090人を解析対象とした。・認知症診断は3,728件、アルツハイマー病診断は1,741件であった。・高血圧群(1万5,537人)では、降圧薬を使用している患者は、使用していない患者と比較し、認知症発症リスク(ハザード比[HR]:0.88、95%CI:0.79~0.98、p=0.019)およびアルツハイマー病発症リスク(HR:0.84、95%CI:0.73~0.97、p=0.021)の低下が認められた。・認知症リスクに対して、降圧薬のクラス間で有意な差は認められなかった。・正常血圧群(1万5,553人)では、降圧薬使用と認知症またはアルツハイマー病との間に関連は認められなかった。 著者らは「高血圧患者に対する降圧薬使用は、認知症リスクを低下させる。しかし長期の観察では、特定の降圧薬が、他の降圧薬と比較し、認知症リスク低下に効果的であることは示唆されなかった。このことから、今後の高血圧臨床ガイドラインでは、認知症リスクに対する降圧薬の有益な効果を考慮すべきである」としている。

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ゾフルーザ耐性ウイルスの特性を解明、小児で高頻度に出現

 東京大学医科学研究所の河岡 義浩氏ら研究チームが、2018/2019シーズンに採取したA型インフルエンザ検体の遺伝子を解析したところ、バロキサビル(商品名:ゾフルーザ)を服用した12歳未満のA型インフルエンザ患者において、ゾフルーザ耐性ウイルスが高頻度で出現することが明らかになった。また、患者から分離した耐性ウイルスを動物に感染させ、感受性ウイルスと比較したところ、耐性ウイルスの増殖性および病原性は、感受性ウイルスと同等であることもわかった。Nature Microbiology誌オンライン版2019年11月25日号に掲載。 ゾフルーザは、2018年3月に日本における販売を開始。単回経口投与で済む利便性が支持されている。一方で、国立感染症研究所が先のシーズンに実施した薬剤耐性株サーベイランスでは、ゾフルーザに対して耐性を示す変異ウイルスが高い割合で検出されている1)。また、先行研究では、人工的に作られた、耐性変異を持つ組み換えインフルエンザウイルスによって増殖能が解析され、野生型の感受性ウイルスよりも増殖能が大きく劣ることが示されたものの、患者から分離された耐性ウイルスについては基本性状が明らかになっていなかった。 河岡氏らによる本研究では、2018/2019シーズンに国内の医療機関を受診したインフルエンザ患者から採取した臨床検体でウイルス遺伝子を解析。その結果、薬剤未投与のA/H1N1pdm09型の患者(74例)からはゾフルーザ耐性ウイルスは検出されなかったが、A/H3N2型の患者141例(16歳以上:40例、15歳以下:101例)のうち、15歳以下の2例で耐性ウイルスが検出された。また、ゾフルーザ服用者でも同様の解析を進めたところ、A/H1N1pdm09型の患者22例(16歳以上:7例、15歳以下:15例)のうち、5例(うち4例が15歳以下)で耐性ウイルスが検出され、A/H3N2型の患者16例(16歳以上:4例、15歳以下:12例)では、4例(すべて15歳以下)で耐性ウイルスが検出された。 本研究では、患者から分離した2型各々の耐性ウイルスを、ハムスター、マウス、フェレットに感染させ、増殖性および病原性について、ゾフルーザ感受性ウイルスと比較した。その結果、いずれの型においても感受性ウイルスと同程度の体重減少および肺などの呼吸器における増殖が認められた。 河岡氏らは、「インフルエンザウイルス感染の経験がない(あるいは少ない)小児患者ではウイルス排除に必要な免疫が十分に誘導されず、耐性ウイルスが発生しやすい可能性がある。小児患者でのゾフルーザの使用については、耐性ウイルス出現のリスクを考慮した慎重な判断が望まれる」とコメントしている。

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TAVR後の弁尖可動性低下、抗血栓療法は有効か/NEJM

 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVR)の成功後に、長期的な抗凝固療法の適応がない大動脈弁狭窄症患者では、無症候性の弁尖の動きの異常の予防において、リバーロキサバンベースの抗血栓治療戦略は、抗血小板薬ベースの治療戦略に比べ高い有効性を示すものの、死亡/血栓塞栓性イベントや大出血のリスクが高いことが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のOle De Backer氏らが行ったGALILEO-4D試験で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年11月16日号に掲載された。4次元CTにより、TAVR後の人工生体弁における無症候性の弁尖肥厚および弁尖の可動性の低下が示されている。一方、これらの現象の改善に、抗凝固療法が有効かは知られていないという。GALILEO試験の、4次元CTを用いたサブスタディ GALILEO-4D試験は、TAVRで生体弁を留置された大動脈弁狭窄症患者の弁尖肥厚および弁尖の動きの異常の予防における、リバーロキサバンベースの抗血栓治療と抗血小板薬ベースの治療の有用性を比較したGALILEO試験の参加者のうち、4次元CTによる評価を受けた患者を対象としたサブスタディである(Bayerの助成による)。 被験者は、リバーロキサバンベースの抗血栓治療(リバーロキサバン[10mg]+アスピリン[75~100mg]を1日1回、3ヵ月投与後、リバーロキサバン[10mg]単剤を1日1回投与)、または抗血小板薬ベースの治療(クロピドグレル[75mg]+アスピリン[75~100mg]を1日1回、3ヵ月投与後、アスピリン単剤を投与)を受ける群に無作為に割り付けられた。無作為割り付けから平均90(SD 15)日の時点で、4次元CTによる評価が行われた。 主要エンドポイントは、人工生体弁の1つ以上の弁尖が、Grade3以上(弁尖の>50%)の動きの低下を来した患者の割合とした。副次エンドポイントは、Grade3以上の動きの低下を来した弁尖の割合、1つ以上の弁尖が肥厚を来した患者の割合、肥厚した弁尖の割合などであった。主要エンドポイント:2.1% vs.10.9% 231例が解析の対象となり、115例がリバーロキサバン群(平均年齢79.7±7.3歳、男性64.3%)、116例は抗血小板薬群(80.5±6.2歳、63.8%)に割り付けられた。 1つ以上の弁尖がGrade3以上の動きの低下を来した患者の割合は、リバーロキサバン群が2.1%(2/97例)と、抗血小板薬群の10.9%(11/101例)に比べ有意に低かった(群間差:-8.8ポイント、95%信頼区間[CI]:-16.5~-1.9、p=0.01)。 1つ以上の弁尖が肥厚した患者の割合は、リバーロキサバン群では12.4%(12/97例)であり、抗血小板薬群の32.4%(33/102例)に比し低値であった(群間差:-20.0ポイント、95%CI:-30.9~-8.5)。 また、Grade3以上の動きの低下を来した弁尖の割合(リバーロキサバン群1.0%[3/291個]vs.抗血小板薬群4.6%[14/303個]、群間差:-3.6ポイント[95%CI:-6.7~-0.9])および肥厚した弁尖の割合(5.5%[16/291個]vs.17.3%(53/306個)、-11.8、-16.9~-6.8)も、リバーロキサバン群で低かった。 一方、このような4次元CT画像所見上の抗凝固療法の有益な効果にもかかわらず、GALILEO試験では、リバーロキサバンベースの抗血栓治療は抗血小板薬ベースの治療に比べ、死亡または血栓塞栓性イベントのリスクが高く(ハザード比[HR]:1.35、p=0.04)、生命を脅かす/後遺障害を伴う出血や大出血のリスクも高い傾向がみられた(HR:1.50、p=0.08)。 著者は、「GALILEO試験におけるリバーロキサバンの不良な臨床アウトカムを考慮すると、弁尖の動きの異常の予防を目的に、TAVR後に弁尖の動きの低下を検出するためのルーチンの画像検査や、抗凝固療法のルーチンの使用は推奨されない」としている。

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アテゾリズマブ 840mgを発売、トリプルネガティブ乳がん適応に対し/中外

 中外製薬株式会社は、抗PD-L1モノクローナル抗体アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)840mg製剤が、2019年11月27日、薬価収載および発売となった旨を発表。アテゾリズマブ 840mg製剤は、本年9月20日に承認を取得したPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳の適応に対する用法・用量となる2週間間隔投与に対する至適用量製剤である。 トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対するアテゾリズマブの有効性および安全性は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移のあるTNBCの患者を対象に、アテゾリズマブと化学療法の併用と、化学療法単独を比較し、有効性ならびに安全性、薬物動態を検討した多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検第III相臨床試験であるIMpassion130試験にて検討された。

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DPP-4阻害薬の心血管安全性はSU薬と同等(解説:吉岡成人氏)-1146

 DPP-4阻害薬であるリナグリプチンの心血管アウトカムに関する試験として、プラセボを対照として非劣性を示したCARMELINA(Cardiovascular and Renal Microvascular Outcome Study With Linagliptin)試験の結果がすでに報告されている(Rosenstock J, et al. JAMA. 2019;321:69-79.)。今回、SU薬であるグリメピリドを対照として心血管アウトカムについて検証したCAROLINA(Cardiovascular Outcome Study of Linagliptin Versus Glimepiride in Patients With Type 2 Diabetes)試験の結果が、JAMA誌に掲載された(Rosenstock J, et al. JAMA. 2019 Sep 19. [Epub ahead of print])。 心血管疾患の既往ないしは心血管リスクを有する2型糖尿病で、未治療ないしはメトホルミン、α-グルコシダーゼ阻害薬のいずれかまたは併用で治療されているHbA1c 6.5~7.5%の患者を対象としている。リナグリプチン投与群とグリメピリド投与群をランダムに割り付け、3ポイントMACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合)の初発までの期間を主要評価項目として、中央値で6.3年間にわたって追跡したものである。 3ポイントMACEはリナグリプチン群、グリメピリド群ともに2.1/100人・年で、グリメピリドに対するリナグリプチンの非劣性が示されたものの、優越性は認められなかった。全死亡、非心血管死のリスクに対しても両群で差はなかった。試験期間を通じて、脂質プロフィールや血圧に差はなく、低血糖の発現頻度はリナグリプチン群2.3/100人・年、グリメピリド群11.1/100人・年であり、リナグリプチン群で有意に少なかった(HR:0.23、95%信頼区間:0.21~0.26)。第三者の助けが必要な重症低血糖はグリメピリド群で0.5/100人・年、リナグリプチン群で0.1/100人・年であった。 罹病期間6.3年(中央値)、メトホルミンが83%に投与されている2型糖尿病患者で、心血管疾患のリスク軽減のためにアスピリン50%、スタチン64%、RA系阻害薬75%、降圧薬88%と比較的十分な薬物治療が行われている場合には、DPP-4阻害薬を投与してもグリメピリドに勝る心血管安全性が示されなかったことが確認された。 日本においてDPP-4阻害薬は糖尿病患者の半数以上に広く用いられており、インクレチンを介した心血管保護作用も期待されている。しかし、スタチンやRA系阻害薬など心血管疾患のリスクを軽減することが十分に立証された薬剤で治療されている患者にとって、相加的な心血管保護作用を示すかどうか、慎重に見極めなくてはいけない。

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高齢者肺がんの治療満足度は?GAを用いた多施設共同臨床試験「ENSURE-GA」 【肺がんインタビュー】 第29回

第29回 高齢者肺がんの治療満足度は?GAを用いた多施設共同臨床試験「ENSURE-GA」出演:島根大学医学部 呼吸器・化学療法内科 津端 由佳里氏高齢者総合的機能評価(GA)を用いた肺がんの多施設共同臨床試験ENSURE-GA試験が実施される。治験責任者の島根大学 津端 由佳里氏に試験の背景と実施内容を聞いた。参考ENSURE-GA試験(UMIN-CTR)ENSURE-GA試験に関する問い合わせ

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医師が選んだ“2019年の漢字”TOP5! 【CareNet.com会員アンケート結果発表】

漢字の素晴らしさや奥深い意義を伝えるための啓発活動の一環として、日本漢字能力検定協会が毎年11月に公募している「今年の漢字®」。CareNet.comでも2014年から毎年、医師会員にアンケートを実施し、医師の考える「今年の漢字」を選んでいただいています。今年は535人の先生方にご協力いただきました。はたして、読者の皆さまがイメージする漢字はランクインしているでしょうか? それでは、今年の新入社員5人が「2019年の漢字」TOP5を発表します。1位 災第1位はランクインの常連になりつつある「災」。今年は勢力のある台風が立て続けに上陸し、日本各地を脅かしました。地震を想定した災害対策が水害には通用しないなど、多くの課題が残りました。 「災」を選んだ理由(コメント抜粋)台風、水害、首里城火災など大きなニュースが相次ぎ、これらに対する準備の必要性を痛感した。(40代 内科/東京都)災害の国と再認識した。(50代 その他/鳥取県)経験したことがない台風・河川氾濫などの自然災害が多発。(50代 内科/千葉県)水害や台風被害など地震ではない自然災害が多かった。(20代 整形外科/愛媛県)2位 令第2位は、今年と言えばやっぱり「令」。新天皇の即位を記念して日本全国がお祭りムードに包まれました。一方、医療施設では書類への元号記載時に、令和元年とするか、平成31年のままとするか…悩まれたのではないでしょうか。 「令」を選んだ理由(コメント抜粋)令和元年 新時代の息吹。(40代 内科/大阪府)新天皇即位で新時代の幕開け。(60代 呼吸器内科/神奈川県)元号が変わって盛り上がったから。(20代 消化器内科/東京都)3位 水第3位は水害の「水」。2019年後半に上陸した大型台風は多くの方の命を奪いました。自宅の2階以上に逃げるのか、避難場所に逃げるのか…。個人での判断、状況に応じた判断の難しさが浮き彫りとなりました。 「水」を選んだ理由(コメント抜粋)地震にばかり気を取られていたら、ここまで大きな水害に見舞われるとは思わなかった。(40代 腎臓内科/岡山県)洪水で亡くなった方が多く、水の恐ろしさを再確認した。(60代 精神科/岐阜県)台風15号、19号と立て続けに水害に襲われた年でした。(50代 心臓血管外科/東京都)4位 和第4位も令和にちなんだ漢字、「和」が選ばれました。平和への祈り、ラグビーのチームプレーや災害時の結束力の重要性など、そんな思いを込めて選ばれていました。 「和」を選んだ理由(コメント抜粋)新元号「令和」の和、ラグビーONE TEAMでチームの和。(50代 腎臓内科/大阪府)令和になり天皇即位やラグビーワールドカップなど、和のおもてなしがあった。(50代 消化器外科/神奈川県)令和の和、多くの災害を支える和、ラグビーワールドカップから学んだ和。(50代 救急科/宮城県)5位 嵐第5位は、アイドルグループ「嵐」の活動休止、そして、ここでも災害が多かったという思いからこの漢字が選ばれていました。ちなみに、インターネットで「嵐」を検索すると… 嵐(storm)とは風雨が非常に強い状態、を意味するそうです。検索上位に関して言えば、アイドルグループが圧倒的多数を占めていました。 「嵐」を選んだ理由(コメント抜粋)台風被害が大変だったことと、嵐が来年活動休止になること。(50代 内科/和歌山県)自然災害が多く、嵐のようだったから。(50代 内科/広島県)台風の被害が大きかった一年です。(60代 眼科/神奈川県)アンケート概要アンケート名 :『2019年を総まとめ!今年の漢字と印象に残ったニュースをお聞かせください』実施日    :2019年11月8日~14日調査方法   :インターネット対象     :CareNet.com会員医師有効回答数  :535件

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PD-L1高発現NSCLC、ペムブロリズマブ単剤の5年生存率は25%以上(KEYNOTE-001)/JCO

 PD-L1陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブ単剤療法の長期5年の追跡結果が示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のEdward B. Garon氏らは、第Ib相KEYNOTE-001試験の結果で、未治療および既治療の進行NSCLC患者におけるペムブロリズマブ単剤療法による5年全生存率は高く、とくにPD-L1高発現患者(TPS≧50%)では25%以上で、長期安全性プロファイルは良好であることを明らかにした。ペムブロリズマブ単剤療法は、PD-L1陽性進行NSCLCに対し持続的な抗腫瘍活性を発揮することが示されていた。Journal of Clinical Oncology誌2019年10月号掲載の報告。 研究グループは、局所進行/転移NSCLC患者を対象に、22C3抗体を用いた免疫組織化学染色法によりPD-L1を評価し、ペムブロリズマブを3週間間隔で2mg/kg、あるいは2週間または3週間間隔で10mg/kgを静脈内投与した。 主要評価項目は奏効率(ORR)、副次評価項目は全生存期間(OS)および奏効期間であった。 主な結果は以下のとおり。・未治療患者101例、既治療患者449例が登録された。・追跡期間中央値は60.6ヵ月(範囲:51.8~77.9ヵ月)であった。・データカットオフ日2018年11月5日において、死亡は450例(82%)確認された。・OS中央値は、未治療群22.3ヵ月(95%信頼区間[CI]:17.1~32.3ヵ月)、既治療群10.5ヵ月(95%CI:8.6~13.2ヵ月)、5年OS率はそれぞれ23.2%および15.5%であった。・腫瘍細胞のうちPD-L1発現陽性細胞の割合を反映するTPSスコアが50%以上の患者では、5年OS率は未治療群29.6%、既治療群25.0%であった。・3年時解析と比較し、新たに発現したGrade3以上の治療関連有害事象は3例のみであった(高血圧、耐糖能障害および過敏反応、全例回復)。・遅発性のGrade4または5の治療関連有害事象は認められなかった。

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血液1滴で13種のがん検出、2時間以内に99%の精度で―東芝

 東芝は11月25日、血液中のマイクロRNAを使ったがん検出技術を開発したと発表した。同社によると、独自のマイクロRNA検出技術を使った健康診断などの血液検査により、生存率の高いStage 0の段階でがんの有無を識別することが期待できるという。早期の社会実装に向け、来年から実証試験を進めていく。 リキッドバイオプシーの解析対象となるマイクロRNAを巡っては、2014年に「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」が始動。国立がん研究センターや国立長寿医療研究センターが保有するバイオバンクを活用し、膨大な患者血清などの検体を臨床情報と紐づけて解析。血中マイクロRNAをマーカーとした検査システムの開発が進んでいる。この研究成果をベースに、国内メーカー4社が、日本人に多い13種のがんについて、血液検体から全自動で検出するための機器や検査用試薬、測定器キットなどの開発に取り組んでいる最中だ。 東芝も本プロジェクトに当初より参画。東京医科大学と国立がん研究センターとの共同研究において、このほど膵臓がんや乳がんなど13種類のがん患者と健常者について、独自の電気化学的なマイクロRNA検出技術を活用し、2時間以内に99%の精度で網羅的に識別することに成功した。この中には、Stage 0の検体も含まれていたという。本研究により、13がん種いずれかのがんの有無について、簡便かつ高精度に検出するスクリーニング検査の実現が期待される。独自のマイクロRNAチップと専用の小型検査装置を用いることで、検査時間を2時間以内に短縮し、即日検査も可能になるという。 東芝は、本技術の詳細を12月3~8日に福岡で開催される日本分子生物学会で発表する。

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ダメージは不可逆、頭痛の裏に失明リスクのある眼疾患/日本頭痛学会

 眼の痛みがあったとしても診断時にその訴えがあるとは限らず、併存疾患の多い高齢者ではとくに鑑別が困難だが、頭痛診療で頭に留めておきたい眼疾患がある。第47回日本頭痛学会(11月15~16日)の「頭痛診療のクロストーク・連携」と題したワークショップで、川崎医科大学附属病院眼科の家木 良彰氏が頭痛診療と眼疾患について講演した。長期間高眼圧が続くと、視神経のダメージは不可逆 はじめに家木氏は、突然の嘔吐と頭痛を訴え受診した80代女性の症例を紹介した。精査加療のため入院し、他疾患による頭痛として退院。退院後も吐き気、頭痛、眼痛が持続するため、10日以上経過後に初めて眼科を受診した。眼圧を測定したところ右眼圧60mmHgで、急性閉塞隅角緑内障と診断。同日中に白内障手術が施行された。 翌日には眼圧が正常化し、頭痛・眼痛・吐き気は改善したが、視力は光覚弁(暗室にて眼前で照明を点滅させ明暗を弁別できる視力で、失明に含まれる)となった。高眼圧が続くことによる視神経のダメージは不可逆であり、「もっと早い眼科受診で失明を回避できた可能性がある。このような症例は、1、2年に1例くらいの頻度で残念ながら遭遇することがある」と同氏。一方で、最初の受診時に眼の痛みや不調に関する訴えがない場合は、眼科疾患の診断が難しいと指摘した。緑内障のなかでも特殊な病態、急性閉塞隅角緑内障の所見とは 緑内障患者の主な特徴としては、眼圧が高い(ただし眼圧が正常である正常眼圧緑内障患者は日本では多い)、年齢が高い(40歳以上で要注意)、近視が強い、初期には自覚症状がほとんどない、などが挙げられる。40歳以上の日本人における緑内障有病率は約5%とされ、日本人の失明原因の第1位となっている。 このうち、急性閉塞隅角緑内障の病態は少し特殊である。高度眼圧上昇(多くは40mmHg以上)がみられ、症状としては眼痛・頭痛・悪心・嘔吐などがある。緑内障の他の病型と異なり近視よりも遠視の人がなりやすく、虹輪視(電球などを見たときに、その周囲に光の輪のようなものが見える)や霧視(かすみがかって見える)、高度の視力低下がみられる。しかし、とくに高齢者では患者側から自主的にそれらの申告がないこともあり、内科的あるいは脳外科的疾患の誤診につながってしまうことがあるという。 家木氏は、急性閉塞隅角緑内障の鑑別の参考に、近視の場合はほとんどが開放隅角、白内障手術が済んでいたら開放隅角、遠視で背の低い高齢女性に閉塞隅角が多い、といった情報を紹介。診断は眼圧を測定すれば可能であり、たとえ結果が眼科と関係なかったとしても除外診断には役立つため、疑わしい場合は積極的に眼科医にコンサルトしてほしいと話して講演を締めくくった。

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低用量コルヒチン、心筋梗塞後の虚血性心血管イベントを抑制/NEJM

 低用量コルヒチンは、心筋梗塞患者における虚血性心血管イベントのリスクをプラセボに比べ有意に低減することが、カナダ・モントリオール心臓研究所のJean-Claude Tardif氏らが行ったCOLCOT試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年11月16日号に掲載された。炎症は、アテローム性動脈硬化およびその合併症において重要な役割を担うことを示す実験的および臨床的なエビデンスがある。コルヒチンは、イヌサフランから抽出された抗炎症作用を有する経口薬で、痛風や家族性地中海熱、心膜炎の治療に使用されている。発症後30日以内の心筋梗塞の無作為化試験 本研究は、12ヵ国167施設が参加した医師主導の二重盲検プラセボ対照無作為化試験であり、2015年12月~2018年8月の期間に患者登録が行われた(カナダ・ケベック州政府などの助成による)。 対象は、登録前の30日以内に心筋梗塞を発症し、経皮的血行再建術を受け、強化スタチン治療を含む国のガイドラインに準拠した治療を受けている成人患者であった。 被験者は、低用量コルヒチン(0.5mg、1日1回)またはプラセボを投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 有効性の主要エンドポイントは、心血管死、心停止からの蘇生、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術の原因となった狭心症による緊急入院の複合とした。主要複合エンドポイント:5.5% vs.7.1% 4,745例が登録され、コルヒチン群に2,366例、プラセボ群には2,379例が割り付けられた。追跡期間中央値は22.6ヵ月だった。 ベースラインの全体の心筋梗塞発症後平均期間は13.5日、平均年齢は60.6歳、女性が19.2%であった。また、20.2%が糖尿病を有し、93.0%が心筋梗塞に対し経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けており、98.8%がアスピリン、97.9%が他の抗血小板薬、99.0%がスタチンの投与を受けていた。 主要複合エンドポイントの発生率は、コルヒチン群が5.5%と、プラセボ群の7.1%に比べ有意に低かった(ハザード比[HR]:0.77、95%信頼区間[CI]:0.61~0.96、p=0.02、log-rank検定)。 主要複合エンドポイントの構成要素のうち、心血管死(コルヒチン群0.8% vs.プラセボ群1.0%、HR:0.84、95%CI:0.46~1.52)、心停止後の蘇生(0.2% vs.0.3%、0.83、0.25~2.73)、心筋梗塞(3.8% vs.4.1%、0.91、0.68~1.21)の発生率には両群間に有意な差は認められなかったが、脳卒中(0.2% vs.0.8%、0.26、0.10~0.70)と血行再建術の原因となった狭心症による緊急入院(1.1% vs.2.1%、0.50、0.31~0.81)の発生率はコルヒチン群で有意に低かった。 副次複合エンドポイント(心血管死、心停止後の蘇生、心筋梗塞、脳卒中)(コルヒチン群4.7% vs.プラセボ群5.5%、HR:0.85、95%CI:0.66~1.10)および有効性の探索的エンドポイントである死亡(1.8% vs.1.8%、0.98、0.64~1.49)、深部静脈血栓症/肺塞栓症(0.4% vs.0.3%、1.43、0.54~3.75)、心房細動(1.5% vs.1.7%、0.93、0.59~1.46)の発生率には、両群間に有意な差はみられなかった。 治療薬関連の有害事象は、コルヒチン群が16.0%、プラセボ群は15.8%で認められた。重篤な有害事象はそれぞれ16.4%、17.2%でみられた。消化器イベントの頻度が高く(コルヒチン群17.5%、プラセボ群17.6%)、そのうち下痢がコルヒチン群で9.7%、プラセボ群で8.9%(p=0.35)、悪心がそれぞれ1.8%、1.0%(p=0.02)で発現した。 著者は、「主要複合エンドポイントの改善は、主に脳卒中と血行再建術の原因となった狭心症による緊急入院の発生率の低下によってもたらされた」としている。

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トロポニン値と年齢、死亡リスクとの関連は/BMJ

 トロポニン陽性例では、正常値をわずかに超えただけで、年齢にかかわらず死亡の臨床的に重要な増加と関連し、その値の上昇に伴う死亡の増加は、初回測定から数週間以内に集中していることが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAmit Kaura氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年11月21日号に掲載された。トロポニンは、急性心筋梗塞の診断の優れたバイオマーカーとされる。トロポニン値が制限範囲を超えても、その上昇の程度と死亡との直接的な関連を示すエビデンスがある。一方、全年齢層におけるトロポニン値と死亡との関連のデータは十分でなく、若年層に比べ超高齢層ではとくに不十分であるが、医師は一般に、全年齢層で高トロポニン値は高死亡率を意味すると考える傾向があるという。年齢とトロポニン値の関連を評価する後ろ向きコホート研究 研究グループは、年齢とトロポニン値の関連、およびその予後における意義を評価する目的で、後ろ向きコホート研究を実施した(英国国立衛生研究所[NIHR]などの助成による)。 解析には、UK-NIHR医療情報学共同研究(UK-NIHR HIC)計画に参加している5つの病院の心血管センターのデータを使用した。対象は、2010~17年の期間に何らかの臨床的理由でトロポニン検査を受けた患者であった。 トロポニンの解析には、トロポニン頂値(在院中に測定したトロポニンの最も高い値)を使用した。トロポニン値は、正常上限値(ULN)の99パーセンタイル値として標準化された。>ULNをトロポニン陽性とした。 主要アウトカムは全死因死亡であった。急性冠症候群患者では逆U字型の関係 試験期間中に25万7,948例がトロポニンの測定を受けた。トロポニン陽性例は7万7,709例、陰性例は18万239例であった。全体の年齢中央値は65歳(四分位範囲[IQR]:50~79)で、14万2,718例(55.3%)が男性だった。 トロポニン測定患者の相対的な割合は、20代から60代にかけてほぼ直線的に増加し、その後は10歳ごとに約50%ずつ急激に増加した。また、トロポニン陽性例の割合は、加齢に伴って増加し、18~29歳の9%から90歳以上では50%に達した。 追跡期間中央値は1,198日(IQR:514~1,866)で、この間に5万5,850例(21.7%)が死亡したが、最初の1年間に3万1,112例(12.1%)が死亡していた。 3年以上の試験期間において、ベースラインのトロポニン陽性例の死亡のハザードは、陰性例の3.2倍(95%信頼区間[CI]:3.1~3.2)であった。この影響はとくに若年患者で強く、死亡率のハザード比(HR)は18~29歳が10.6(95%CI:8.5~13.3)であったのに対し、90歳以上では1.5(1.4~1.6)であり、HRは加齢に伴って低下した。 トロポニン陽性例は陰性例に比べ、全年齢層を通じて3年絶対死亡率が14.8ポイント高かった。また、トロポニン陽性例における死亡の増加のほとんどは、最初の3ヵ月間に集中していた。 死亡率は、トロポニン値>5~10×ULNまでは漸増したが、これ以上の値では予想に反して低下した。また、入院患者と非入院患者でサブグループ解析を行ったところ、入院患者(15万6,410例)において死亡とトロポニン値に逆U字型の関係が認められ、トロポニン頂値約70×ULNでHRが最も高値(2.4、95%CI:2.3~2.4)を示した。 多変量で補正した制限付き3次スプラインCox回帰を用いて解析したところ、急性冠症候群のない患者(12万49例)では、トロポニン値と死亡に直接的な関連が認められたのに対し、急性冠症候群患者(1万4,468例)では逆U字型の関係がみられ、トロポニン頂値>70×ULNを境に、逆に死亡率が低下した。 急性冠症候群患者のうち、侵襲的管理(トロポニン頂値から3ヵ月以内の血管造影)を受けた患者では、多変量で補正しても逆U字型の関係が存続していたが、非侵襲的管理を受けた患者では、トロポニン値と死亡には直接的な正の相関が認められた。 著者は、「トロポニン値は、わずかな上昇であっても予後において大きな意義を有するが、臨床的決定は基礎疾患を考慮して行う必要があり、トロポニンの上昇の程度にのみ依存すべきではない」としている。

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青年期うつ病の治療中および治療後の軌跡

 英国・ケンブリッジ大学のSian Emma Davies氏らは、UK IMPACT試験に参加した青年期うつ病患者を症状変化の軌跡によって分類し、その予測因子および治療反応の定義との比較を行った。Journal of Child Psychology and Psychiatry誌オンライン版2019年10月24日号の報告。 本研究は、成長混合モデリング(GMM)を用いた2次データ分析である。欠損データは補完された。対象患者465例について、86週間の6つの時点におけるスコアを用いて、自己報告された抑うつ症状の軌跡を作図した。 主な結果は以下のとおり。・患者は、最初は類似した症状軌跡をたどり、その後2種類の軌跡を示した。・この2種類のグループでは、最初の18週目までに抑うつ症状の有意な改善が認められた。・両グループの内訳は、研究期間中に症状改善が認められる「継続改善」が391例(84.1%)、ベースライン時の抑うつ症状スコアが高く、初期は早期改善が認められるものの、18週以降に改善が認められない「改善停止」が74例(15.9%)であった。・ベースライン時で併存疾患を有していた患者では、「改善停止」の増加が認められた(OR:1.40、CI:1.00~1.96)。・研究終了時までの誤分類は、臨床的寛解カットオフスコア(27以下)で15%、治療反応を示す症状改善スコア(50%以上)で31%に認められた。 著者らは「治療初期の抑うつ症状改善は、必ずしも良好な予後を示すものではない。治療開始18週以降に、改善の停止が認められる。治療反応に対する差異は、縦断的モデリングにより精度が向上する可能性がある。これまで考えられていたよりも、抑うつ症状の改善は、年単位でかかる場合がある」としている。

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左冠動脈主幹部病変はPCIとCABGのいずれで治療しても予後は同じ(解説:上田恭敬氏)-1145

 左冠動脈主幹部に目視で70%以上の狭窄病変あるいは虚血が示された50~70%の狭窄病変があり、SYNTAX scoreが32以下である、PCIとCABGのいずれによっても血行再建が可能とハートチームにより判断された患者を対象として、XIENCEステントを用いたPCIで治療する群(PCI群:948症例)とCABGで治療する群(CABG群:957症例)のいずれかに割り付けた、多施設無作為化比較試験(EXCEL試験)の5年フォローの結果が報告された。主要エンドポイントは死亡、脳卒中、心筋梗塞の複合エンドポイントである。 主要エンドポイントは、PCI群で22.0%、CABG群で19.2%と差を認めなかった(p=0.13)。全死亡(13.0% vs.9.9%)はPCI群で多かったものの、心臓死(5.0% vs.4.5%)と心筋梗塞(10.6% vs.9.1%)に差はなかった。脳血管イベント(3.3% vs.5.2%)はPCI群で少なかったが、脳卒中(2.9% vs.3.7%)に差はなかった。再血行再建術施行(16.9% vs.10.0%)はPCI群で多かった。 BMSからDES、さらに第2世代DESとPCI技術の画期的な進歩に伴って、さらには薬物療法の進歩に伴って、PCIの長期的な治療成績が改善してきた。その結果、限定的な症例においてではあるが、PCIによってもCABGと同等の長期治療成績が得られるようになってきた。今回のEXCEL試験の結果では、SYNTAX scoreが32以下の症例に限定されてはいるが、左冠動脈主幹部狭窄に対する治療について、死亡、脳卒中、心筋梗塞からみた5年までの予後がPCIとCABGのいずれで治療しても同等であることが示された。 しかし、この結果を臨床へ応用する際には、考慮すべきことがいくつか考えられる。まず、再血行再建術の施行はPCI群で多かったことはもちろんであるが、主要エンドポイントや心筋梗塞の発生頻度をカプランマイヤー曲線で見ると、PCI群とCABG群の曲線が交差しており、今後さらに長期で評価すればCABGの優位性が示される可能性が考えられる。 術後早期においては、イベント発生頻度はCABG群でより高く、より低侵襲であるPCIが優位である。また、PCI、CABGいずれにおいても、その後のイベント発生は動脈硬化の進行によって生じると考えられる。薬物療法がさらに改善されて動脈硬化の進行をさらに抑制することができれば、いずれの群においてもイベントは減少し、PCIがCABGに対して優位である期間を延ばすことができる可能性がある。さらに、PCIの治療成績は、アンギオガイドよりもIVUSガイドの方が良好であることがULTIMATE試験によって示されており、ほぼ100%IVUSガイドでPCIが施行されている日本においては、EXCEL試験の結果以上にPCIに優位性が存在する可能性があるかもしれない。今後さらにPCIの治療成績を改善させて、CABGよりもより低侵襲なPCIを合理的に選択できるようにするためには、(1)臨床試験においてIVUSガイドのOptimal PCIとCABGを比較すること、(2)第2世代Bioresorbable Vascular Scaffold(BVS)の開発等PCI技術の発展、さらには(3)より積極的なLDL-C低下療法やEPA製剤の使用などエビデンスのある治療法の組み合わせによる十分な薬物療法の普及・徹底が必要と思われる。

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新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(2)【新型タバコの基礎知識】第13回

第13回 新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(2)Key Pointsなぜ新型タバコに関心を持ったのか、その背景にある事情を尊重する。多くの人は、自分および他人へのタバコの害に配慮して、アイコスなど加熱式タバコを使うようになっている。新型タバコにより害を軽減することができるとの科学的根拠は得られていない。いま一度、すべてのタバコをやめるという選択肢を提示したい。タバコを吸いにくい場所で吸うために、新型タバコに替えようとしている人もいる。その場合には、新型タバコのせいで、ニコチン依存症から逃れることがより困難になることを伝える。禁煙支援の現場でも新型タバコが問題になっています。世の中では新型タバコを吸っている人が急増しているわけですが、新型タバコに関してそれぞれの診療の場にノウハウがあるわけでもなく、どのように対応すればよいのか混乱が起きている状況です。「加熱式タバコを吸おうかと考えている人へ伝えたい、伝えてほしいこと」を書かせてもらう前に、人々がどういう理由で新型タバコを使うようになっているのかについて先にお伝えしたいと思います。インターネット調査*1を実施して、どんな理由で加熱式タバコを使っているのかについて調べました。質問文と選択肢は次の通りです:「あなたが、加熱式タバコを使用した理由として次の1~9は、あてはまりますか。それぞれについてお答えください。1.家族・親戚が使っているから2.友人・知人が使っているから3.加熱式タバコで仲間とコミュニケーションをとるため4.ほかのタバコよりも害が少ないと思ったから5.加熱式タバコのデザインや機能がよかったから6.禁煙するため7.タバコの煙で他人に迷惑をかけるのを避けるため8.ほかのタバコが吸えない場所で吸うため9.喫煙本数を減らすため選択肢1.あてはまる2.ややあてはまる3.あまりあてはまらない4.あてはまらない※1~9のそれぞれの項目について「あてはまる」もしくは「ややあてはまる」と回答した場合に、その理由で加熱式タバコを使っていると判定した。調査結果を集計したのが下記の表です。2018年の調査時に加熱式タバコを吸っていた680人のうち、60.6%の412人が加熱式タバコを使用した理由として「ほかのタバコよりも害が少ないと思ったから」と回答していました。これが最も多い理由でした。次に多かった理由は「タバコの煙で他人に迷惑をかけるのを避けるため」であり、その次に多い理由が「友人・知人が使っているから」でした。多くの人は、自分および他人へのタバコの害に配慮して、アイコスなど加熱式タバコを使うようになっていると分かりました。一方で、30%程度の人は「ほかのタバコが吸えない場所で吸うため」と答えていました。それぞれの人が新型タバコを使っている理由というのは非常に重要な情報であり、各個人における新型タバコへの対処方法をどうするのがよいかという、これからお伝えする話と密接に関連しています。*1:このインターネット調査は、通称JASTIS研究と呼ばれる2015年から毎年およそ1万人を対象として実施されている追跡調査です。加熱式タバコの使用状況を世界で初めて報告した研究など、新型タバコに関する最新の研究成果がこの研究プロジェクトから発信されています。参考文献:Tabuchi T, et al. J Epidemiol. 2019 Nov 5;29:444-450.画像を拡大する加熱式タバコを吸おうかと考えている人へ伝えたいこと、伝えてほしいことまず聴いてみてほしいのは、なぜ新型タバコを吸おうと思っているか、です。「あなたが新型タバコに関心を持っていることを、まずは尊重したいと思っている」ということを伝え、その関心の背景にある事情をちゃんと聴きたいと伝えます。タバコを吸っている人が新型タバコに関心を持つ理由は、上述したように主に2つあります。1つは、自分の健康被害やほかの人への受動喫煙の害に配慮して、禁煙する代わりに加熱式タバコに替えるという理由です。非常に多くの人がこういった理由で加熱式タバコにスイッチしていっています。私は、自分やほかの人へのタバコの害に配慮しようとしてくれていることを尊重したいと考えています。まずは、タバコの害を理解していただき、ありがとうございます、と伝えたい。しかし、実際にスイッチする前に考えてほしいことがあります。スイッチする代わりに、完全にタバコをやめることはできないでしょうか。紙巻タバコをせっかくやめるのですから、すべてのタバコをやめてしまって、禁煙のすばらしいメリットを享受してほしいです。さらに、スイッチする理由としてあげた目的がスイッチすることで本当に達成できるかどうかが分かっていません。新型タバコを吸う人での健康被害は紙巻タバコによる害と変わらない可能性があると考えています(第7回参照)。未知の健康リスクもあります(第6回参照)。そして新型タバコを吸ったら、紙巻タバコをやめることができるかどうかも、まだ分かっていません(第10回参照)。新型タバコに替えることで、受動喫煙を減らすことはある程度できるかもしれません(第8回参照)。タバコを吸っている人が新型タバコに関心を持つもう1つの理由は、タバコを吸いにくい環境も増えてきたため、吸いにくい場所でも吸えるように新型タバコに替えようというものです。この理由で新型タバコを吸おうとしている人は、より多くの機会に吸うことができるようになり、結果的に新型タバコのせいで、ニコチン依存症から逃れることがより困難になってしまいます。世の中にはニコチンの害はたいしたことないと伝える人もいますが、ニコチンは幸せを感じる大切な感覚を奪っていることを知ってほしいです(第9回参照)。また、この2つめの理由で新型タバコを吸おうとしている人には、紙巻タバコもやめるということについていま一度考えてみてほしいと思っています。当然のことですが、本人がやめる気になれなければ、禁煙はできません。いつかタバコをやめたいと思ってもらえるように、タバコ問題に関する本人の理解や環境の整備が進むよう、少しずつでも支援していくことが大切だと感じています。さらにタバコが値上げされたり、職場や家庭が禁煙化されるなどタバコを取り巻く環境を変えることができれば、タバコをやめる動機にしていくことができるかもしれません。第14回は、「新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(3)」です。

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プライマリケアにおけるセルトラリンの臨床的有効性~PANDA研究

 うつ病のケアは、プライマリケアで行われることが多い。しかし、ほとんどの抗うつ薬の試験では、うつ症状の診断と重症度に基づいた適格基準を有する2次医療圏の精神保健サービスの患者を対象としている。抗うつ薬は、これまでの臨床試験の対象患者よりもはるかに幅広い患者に用いられている。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのGemma Lewis氏らは、軽度~重度のうつ症状を伴うプライマリケア患者を対象に、セルトラリンの臨床効果を調査し、治療反応に対する重症度と期間との関連について検討を行った。The Lancet. Psychiatry誌2019年11月号の報告。 本研究(PANDA研究)は、英国4都市(ブリストル、リバプール、ロンドン、ヨーク)のプライマリケア医179人の患者を対象に、実臨床多施設二重盲検プラセボ対照ランダム化試験として実施された。過去2年間に抗うつ薬のベネフィットについて臨床的不確実性が認められた18~74歳の抑うつ症状患者を対象とし、セルトラリン群(最初の1週間は1日1カプセル[セルトラリン50mg]、その後2カプセルとし最大11週間投与)またはプラセボ群にランダムに割り付け、重症度、期間などで層別化した。主要アウトカムは、こころとからだの質問票(PHQ-9)スコアにより測定された6週間後の抑うつ症状とした。副次アウトカムは、2、6、12週目の抑うつ症状および寛解(PHQ-9、Beck Depression Inventory-II[BDI-II])、全般性不安症状(Generalised Anxiety Disorder Assessment 7-item version[GAD-7])、心の健康および身体的健康(12-item Short-Form Health Survey[SF-12])、自己報告による改善度とした。すべての分析は、intention-to-treat分析で行った。 主な結果は以下のとおり。・2015年1月~2017年8月までに655例を、セルトラリン群326例、プラセボ群329例に割り付けた。・セルトラリン群の2例は、ベースライン評価が完了しなかったため除外した。・主要アウトカムの分析対象患者数は、550例(セルトラリン群:266例、プラセボ群:284例)であった。85%のフォローアップ率で、両群間に差は認められなかった。・6週間後、セルトラリン群において、臨床的に意味のある抑うつ症状の軽減は認められなかった。・6週間後の平均PHQ-9スコアは、セルトラリン群で7.98±5.63、プラセボ群で8.76±5.86であった(調整比例差:0.95、95%CI:0.85~1.07、p=0.41)。・副次アウトカムでは、セルトラリン群において、不安症状、メンタルヘルス関連QOL(身体的QOLは除く)、メンタルヘルスに関する自己報告の改善が認められた。・12週間後、セルトラリン群において、抑うつ症状の軽減が認められた(弱エビデンス)。・有害事象は、セルトラリン群で4件、プラセボ群で3件が認められたが、両群間に差は認められなかった。・重篤な有害事象は、セルトラリン群で2件(うち1件は薬物療法に関連と分類)、プラセボ群で1件と分類された。 著者らは「セルトラリンは、プライマリケアにおいて、6週間以内に抑うつ症状を改善させる可能性は低いものの、臨床的に重要であると考えられる不安、QOL、メンタルヘルスに関する自己評価の改善が認められた。本調査結果は、うつ病または全般性不安症の診断基準を満たさない軽度~中等度の症状を有する患者を含む、これまで考えられていたよりも幅広い患者に対するSSRI抗うつ薬の使用を裏付けている」としている。

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赤肉摂取減らしても心血管代謝・がん死亡に効果なし?

 赤肉の摂取量を減らした場合、臨床的に重篤なアウトカムに効果があるかどうかを検討した無作為化研究はほとんどない。今回、カナダ・McMaster大学のDena Zeraatkar氏らの無作為化研究の系統的レビューから、エビデンスの確実性は低いが、赤肉を制限した食事が主な心血管代謝アウトカムとがん死亡および発症に対して、ほとんどまたはまったく影響しない可能性が示唆された。Annals of Internal Medicine誌オンライン版2019年10月1日号に掲載。 EMBASE、CENTRAL、CINAHL、Web of Science、ProQuestを開始から2018年7月まで、MEDLINEを開始から2019年4月まで、言語の制限なしで検索し、赤肉または加工肉の多い食事と少ない食事(6ヵ月以上、週に1サービング以上の差)による無作為化比較研究を特定した。2人のレビューアーが独立してデータを抽出し、バイアスリスクとエビデンスの確実性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・適格基準を満たした12試験のうち、4万8,835人の女性を登録したWomen's Health Initiative(WHI)Dietary Modification Trialから、赤肉または加工肉が少ない食事が全死亡(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.95〜1.03])、心血管死亡(HR:0.98、95%CI:0.91〜1.06)、心血管疾患発症(HR:0.99、95%CI:0.94〜1.05)について、ほとんどまたはまったく影響しない可能性があるという、最も信頼できるエビデンスが得られた(エビデンスの確実性は「low」)。・さらに上記の研究から、赤肉または加工肉が少ない食事はがん死亡(HR:0.95、95%CI:0.89〜1.01)、大腸がん発症(HR:1.04、95%CI:0.90〜1.20)および乳がん発症(HR:0.97、95%CI: 0.90〜1.04)を含むがん発症にほとんどまたはまったく影響しないというエビデンスも得られた(エビデンスの確実性は「low」から「very low」)

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切除不能肝細胞がんへのアテゾリズマブ+ベバシズマブ、全死亡リスクが42%低下(IMbrave150)/ESMO Asia 2019

 全身薬物療法を受けていない切除不能の肝細胞がん(HCC)患者に対して、アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)とベバシズマブ(同:アバスチン)の併用をソラフェニブ単剤と比較した第III相IMbrave150試験において、主要評価項目である全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)のいずれにおいても統計学的に有意な改善が示された。11月23日、欧州臨床腫瘍学会アジア大会(ESMO Asia)2019にて発表された。 IMbrave150試験は、全身薬物療法を受けていない切除不能なHCC患者を対象とした多施設共同オープンラベル無作為化第III相試験。501例をアテゾリズマブ(1日目に1,200mg静脈内投与、3週ごと)とベバシズマブ(1日目に15mg/kg静脈内投与、3週ごと)の併用群、ソラフェニブ(1〜21日目に400mg/回を1日2回経口投与、3週ごと)単剤群に2:1で割り付け、両群とも主治医判定で病勢進行もしくは忍容できない毒性出現のいずれかまで継続した。主要評価項目は OSとRECIST v1.1 に基づく中央判定によるPFSで、副次評価項目は、RECIST v1.1および HCCmRECISTに基づく主治医判定による奏効率、無増悪期間、奏効期間、患者報告アウトカム、安全性、薬物動態であった。 アテゾリズマブとベバシズマブの併用群(336例)はソラフェニブ単剤群(165例)と比較し、OS(ハザード比[HR]:0.58、95%信頼区間[CI]:0.42~0.79、p=0.0006)およびPFS(HR:0.59、95%CI:0.47~0.76、p<0.0001)を有意に改善した。Grade3/4 の有害事象はアテゾリズマブとベバシズマブの併用群で57%、ソラフェニブ単剤群で55%に、Grade5の有害事象はそれぞれ5%、6%に報告された。併用群における安全性は、それぞれの薬剤で認められている安全性プロファイルと同様であった。

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新規作用機序のimeglimin、インスリン併用下の有効性・安全性

 2型糖尿病の新規治療薬候補として期待されるimegliminは、ミトコンドリアの機能障害改善という新しいメカニズムを持つ。現在、本剤の開発を手掛けるフランスのバイオ医薬品企業Poxel SA(以下、Poxel社)は、大日本住友製薬と共同で、日本人1,100例以上を対象とした3つの第III相臨床試験で構成される「TIMES試験」(Trials of IMeglimin for Efficacy and Safety)を実施中だ。 2019年11月26日、Poxel社は、TIMES3試験における、非盲検下36週間継続投与試験の結果を公表した。 TIMES3試験は、インスリン製剤を使用しても効果不十分な日本人2型糖尿病患者を対象に、imeglimin 1,000mgを1日2回およびインスリン製剤の併用療法による有効性および安全性を検討する16週間のプラセボ対照二重盲検無作為化試験と、それに続く36週間の非盲検・継続投与試験である。主要評価項目は、HbA1cのベースラインからの変化量。 前半の、imeglimin群とプラセボ群で比較した16週間のHbA1c変化量は、統計学的な有意差を示したことがすでに報告されている(‐0.60%、p<0.0001)。今回新たに報告された内容は、後半の36週継続投与試験について。 主な結果は以下のとおり。・前半の16週から継続して、imegliminおよびインスリンを計52週間併用した群におけるHbA1cの変化量は、ベースラインから‐0.64%だった。・前半の16週はプラセボを服用し、その後imegliminおよびインスリンを36週間併用した群では‐0.54%だった。・imegliminの安全性および忍容性は、52週間全体を通して良好だった。・最初の16週間で、imeglimin群において発現した有害事象は、プラセボ群と類似しており、36週間継続投与試験における安全性および忍容性プロファイルも、それらの結果と一貫していた。 Poxel社は、近日中にTIMES3試験の全データを関係学会で発表する。現在継続中のTIMES2試験(日本人2型糖尿病患者を対象としたimeglimin単剤療法および他の経口血糖降下剤との併用療法による長期安全性および有効性を検討する52週間、非盲検並行群間比較の第III相臨床試験)の結果は、2019年末に判明する予定だ。

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