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疲れを巡る最新研究(後編)…身体の疲れ?精神疾患?PCR検査で判別する時代に

講師紹介前編へストレスが疲労感を減らす!?近藤講演などで驚かれるのが、「ストレスが疲労感を減らしている」とお話ししたときです。確かにストレスには「疲労を増す」イメージがあるので、意外な感じがすると思います。ここでは、ストレスと呼ばれているものを、その原因である「ストレッサー」とその結果生じる身体の反応「ストレス応答」という2つに分けて考えてみましょう。脳がストレスの原因となるストレッサーを感知すると、脳の視床下部が反応し、副腎からコルチゾールとアドレナリンが出ます。これがストレス応答です。コルチゾールには抗炎症作用があって疲労感の原因である炎症性サイトカインの産生を抑えます。一方のアドレナリンには興奮作用があり、この2つの物質が作用する結果として、疲労感が減ります。つまり、疲労感は身体に「休め」というブレーキをかける役割を担い、ストレス応答は「行け」とアクセルを踏む役割を担うことで、両者がバランスを取っているのです(図4)。皆さんもあまりにも仕事が忙しいと、逆にしばらく疲れを感じなかった、という経験をされたことがあるのではないでしょうか。これは、仕事のプレッシャーがストレッサーとなってストレス応答を誘導し、疲労感を抑制してしまっている状態だと考えられます。画像を拡大するやりがちな「かえってマイナス」の疲労回復法近藤しかし、視床下部や副腎は消耗しやすい組織です。使い続けるうちにコルチゾールが減少して疲労抑制効果がなくなり、強い疲労感が前面に出てきます。ここで気を付けたいのは身体の疲労がマックスなのに疲労感をあまり感じない状態でいるため、「ストレスを解消しなきゃ」と考えて、さらに身体に負担をかける行動をとってしまうことです。具体的には、強度のスポーツ、長い入浴など、身体に負担をかける行為が挙げられます。このようなストレス解消法は、身体の疲労がある場合は避けたほうがよいのです。お薦めは、散歩や軽めの運動、音楽を聴く、きれいな景色を見るなど、「身体に負担をかけないストレス解消法」です。一方、「病的疲労」といって、身体がまったく疲れていないのに、脳が疲労感を持つケースもあります。これはうつ病などの中枢神経疾患が原因で起こる場合が多く、労働や運動で生じる身体の疲労とは異なる治療が必要となります。「身体の疲労」と「病的疲労」の見分け方近藤では、どうやって身体の疲労と病的疲労を見分ければよいのでしょう?また、ヘルペスの話に戻りましょう。前回、リン酸化した疲労因子が増えてタンパク質を合成できなくなり、臓器の働きが低下したり機能障害が起きたりすることが身体の疲れの原因、と説明しました。疲労因子が増加すればHHV-6やHHV-7の再活性化が起こり、唾液中に大量のウイルスが放出されます。つまり、「唾液中のHHV-6やHHV-7が増加していれば、身体が疲れている証拠」だといえるわけです。実際、労働時間の異なるヒトの唾液を採取し、ヒトヘルペスウイルス(HHV-6、HHV-7)を測定して比較したところ、「週40時間以上労働している人」(身体が疲労している人)は40時間未満労働している人(健康な人)に比べて、大幅に唾液中のウイルス量が多いことがわかりました。一方で、うつ病や筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群など、「身体の疲労」以外の要因から疲労感を訴えるケースでは、ウイルス量は健康な人と比べて同じかむしろ減る傾向がありました。つまり、「強い疲れ」という主訴の患者のHHV-6やHHV-7の量を検査することで、内科的治療がよいのか精神科的疾患や神経内科的疾患を考慮すべきなのかが、すぐに判断できるというわけです(図5)。画像を拡大するこの検査は、新型コロナウイルスで有名になったPCR検査です。HHV-6/HHV-7のPCR検査は保険適用外であり、まだ限られた医療機関でしか扱っていませんが、医療者の皆さんの関心の高まりと今後の広がりを期待しています。地味だけど確実な「疲労回復法」はこれ近藤「いろいろ言ってるけれど、結局どうやったら疲れはとれるの?」というのが皆さんの最も知りたいことかと思います。疲労の原因となる疲労因子はリン酸化したelF2αでした。このリン酸化をリセットして正常な状態に戻す「eIF2α脱リン酸化酵素」というものがあります。疲労因子に対して「疲労回復因子」と呼んでいます。疲労回復因子は、軽い運動によって誘導されます。また、疲労回復因子の誘導を助ける食品は、納豆・チーズ・玄米・大麦・玉ネギ・カレーに使うターメリックなどが挙げられます。また、ビタミンB1が不足すると疲労回復因子が誘導されにくくなります。これらの共通点は「抗酸化作用が強くない」こと。いわゆる「疲労回復」のイメージがあるニンニク・ウナギ・赤身肉などはこの抗酸化作用が強いので、前回にお話ししたように疲労感をとるだけの「見せかけの疲労回復」になる可能性があるのです。「疲労回復因子(eIF2α脱リン酸化酵素)」の誘導を助ける食品をしっかり摂取して、軽い運動をし、ストレスを軽減するためのリラックス法を行うというのが、地味ながらも正しい疲労回復法だと考えられます。医療者の皆さんも疲労とその機序を知り、患者さんや皆さん自身の診療やケアに、ぜひ役立ててください。書籍紹介『疲労ちゃんとストレスさん』にしかわたく(漫画・原作)・近藤一博(監修・原作)河出書房新社近藤氏の長年の研究成果と疲労に関する複雑な仕組みを、漫画家のにしかわ氏がストーリー&漫画化。疲労がどのように起きるのか、どのように回復するのか、擬人化されたキャラクターたちでわかりやすく解説した一冊。

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第3回 医療従事者対象、抗マラリア薬のCOVID-19曝露前予防試験が始まる

フランスでの小規模試験の結果を受け、不整脈等の副作用が懸念されつつも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への効果が期待される抗マラリア薬・クロロキンやヒドロキシクロロキン。これらの薬剤を、医師や看護師等の医療従事者があらかじめ服用することでCOVID-19を予防できるかどうかを調べる、英国オックスフォード大学主催の大規模試験(COPCOV)が上手く行けば来週22日にも同国で始まります1,2)。試験は欧州・アジア・アフリカの3大陸で、医療従事者4万人を募って実施されます。アジアから参加する被験者はクロロキンかプラセボを3ヵ月間服用し、アフリカと欧州ではクロロキンではなくヒドロキシクロロキンが投与されます。被験者は1日2回体温を測り、ほかに症状があればそれらと共にアプリやウェブサイトを介して報告します。報告されたそれらデータに基づいて、クロロキンかヒドロキシクロロキン服用群とプラセボ群で、感染者の数や感染後の重症度、罹病期間が比較されます。「もしクロロキンやヒドロキシクロロキンに感染予防効果があって医療従事者がそれらを服用することができれば、医療に計り知れない恩恵をもたらす」と同試験を助成するウェルカム トラスト(Wellcome Trust)の代表Jeremy Farrar氏は言っています。COPCOV試験のような曝露前予防(PrEP)試験に加え、COVID-19患者と図らずも接触した医療従事者や家族等にヒドロキシクロロキンを短期間投与することで、COVID-19の発症を防いだりより軽症で済ませられるかどうかを調べる曝露後予防(PEP)の取り組みも始まっています。スペインのバルセロナで先月3月中旬に始まったHCQ4COV19試験では3)、COVID-19患者をHIV薬ダルナビル/コビシスタットとヒドロキシクロロキンで治療することに加えて、COVID-19患者と15分超過ごした経験がある人にヒドロキシクロロキンを7日間投与するPEPの効果も調べられています。同様の試験は米国のミネソタ州、ワシントン州、ニューヨーク州でも始まっています。先週10日、GoogleとAppleはそのようなPEP効果検証試験に役立つであろうCOVID-19接触者検出スマートフォン技術の共同開発を発表しました4,5)。行動が顕わになる恐れがあるGPSデータのような位置情報に基づくのではなく、各人が持つスマートフォンどうしがどれだけ接近したかをBluetooth通信を利用して記録することで、COVID-19患者が接触した人を突き止める機能が、数ヵ月以内に利用可能になるとのことです。上述のスペインでのHCQ4COV19試験にはCOVID-19患者への接触者1,000人以上がすでに参加しており、ヒドロキシクロロキンによるPEP群と非PEP群のひとまずの比較結果は、早くも今週15日頃に判明する見込みです。テクノロジー業界の2大巨頭が手を組んで開発されるプライバシー重視のCOVID-19接触者検出技術は、PEPの効果の更なる検証や検証後のPEPの普及を大いに助けるでしょう。参考1)Trials of drugs to prevent coronavirus infection begin in health care workers / Science2)COPCOV試験(ClinicalTrials.gov)3) HCQ4COV19試験(ClinicalTrials.gov)4)Apple and Google partner on COVID-19 contact tracing technology / Google5)AppleとGoogle、 新型コロナウイルス対策として、 濃厚接触の可能性を 検出する技術で協力 / アップル

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COVID-19への喫煙の影響~71研究の系統的レビュー

 喫煙者は、過去に流行した中東呼吸器症候群(MERS)の死亡率が高かったー。それを踏まえ、今回、米国・ハーバード大学のConstantine I Vardavas氏らは、喫煙情報を含むCOVID-19に関する研究についてシステマティックレビューを実施した。その結果、喫煙はCOVID-19の負の進行と有害転帰にもっとも関連している可能性が高いことが示された。Tabacco induced diseases誌オンライン版3月20日号掲載の報告。喫煙者がCOVID-19の重篤な症状を示す可能性は1.4倍高かった 研究者らは2020年3月17日、2つのデータベース(PubMed、ScienceDirect)を使用して2019年と2020年に公開された研究から文献検索を実施した。評価項目は、疾患の重症度、人工呼吸器の必要性、集中治療室(ICU)入室と死亡、喫煙とCOVID-19の転帰の関係性であった。 喫煙情報を含むCOVID-19に関する研究についてシステマティックレビューを実施した主な結果は以下のとおり。・検索により合計71研究を抽出、うち66件が除外された。残った5研究はすべて中国(4件は武漢、1件は中国本土全体)で実施されていた。・5研究の母集団はCOVID-19患者で、サンプルサイズは41〜1,099人だった。・重症度を評価し、5研究の中で最も大きな研究によると、ICUのサポート、人工呼吸器を必要とする患者、または死亡患者には喫煙歴を有する者(禁煙者、現在喫煙中の両方含む)の割合が高く、重症例でも喫煙者の割合が高かった。・非喫煙者と比較して、喫煙者がCOVID-19の重篤な症状を示す可能性は1.4倍高かった(リスク比[RR]=1.4、95%信頼区間[95%CI]:0.98〜2.00)。・また、非喫煙者と比較して、喫煙者のCOVID-19によるICU入室の可能性、機械的換気の必要や死亡率は約2.4倍高かった。(RR=2.4、95%CI:1.43~4.04)。

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かかりつけ医のための認知症マニュアル(第2版)刊行/日本医師会

 本邦における認知症者数は、2025年には高齢者の5人に1人となると推計される。認知症者の日常診療における留意点をまとめた『かかりつけ医のための認知症マニュアル(第2版)』の刊行を、4月1日の日本医師会定例会見で江澤 和彦氏(常任理事)が発表した。2015年の初版発行から5年が経過したことを受け、国の認知症対策・制度の変化や新たなエビデンスを反映し、より実践的な内容としている。 第2版の章構成と改訂ポイントは以下の通り。第1章 認知症施策の現状について 2015年公表の「新オレンジプラン」や2019年策定の「認知症施策推進大綱」等新たな施策について概要を解説。第2章 認知症の診断と評価指標 2017年に発表されたレビー小体型認知症の診断基準のほか、新たな評価指標を盛り込み、かかりつけ医が知っておきたい各診断・評価法を網羅。第3章 認知症の治療と症状への対応 2017年発行の「認知症疾患診療ガイドライン2017」とDSM-5に準拠しつつ、よりかかりつけ医の日常診療に即した形で、原因疾患の鑑別ポイントや治療法を解説。第4章 認知症の予防 新たなエビデンスを盛り込み、予防対策を発症予防(第1次予防)、早期発見・早期治療(第2次予防)、進行防止(第3次予防)の3つに分けて解説。第5章 かかりつけ医を中心とした認知症の人にやさしい地域づくり 2017年の改正道路交通法による、高齢者の運転免許更新に関する診断書作成の留意点のほか、医療・介護保険の活用におけるかかりつけ医の役割、各種書類の作成方法などについても解説している。 なお、本マニュアルは株式会社社会保険研究所より、一冊1,100円(税込)で発売されている。

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乳房全摘後の即時再建術、術後合併症が再発率に影響か

 乳房切除術後の即時乳房再建において、術後合併症の発症率が比較的高い。今回、韓国・成均館大学のK-T Lee氏らの研究から、術後合併症発症が即時再建後の生存と再発に悪影響を与える可能性が示唆された。British Journal of Surgery誌オンライン版2020年4月4日号に掲載。 本研究では、2008~13年に乳房全摘術と即時再建を実施した乳がん患者438例を5年以上追跡し、術後合併症の腫瘍学的転帰に及ぼす影響について多変量Cox回帰分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は82ヵ月であった。・5年局所無再発生存率95.4%、無病生存率93.1%、全生存率98.4%だった。・術後合併症は、120例(27.4%)で乳房に、30例(6.8%)で他部位(皮弁ドナー部)に発症した。・乳房合併症の発症は合併症がない場合と比較して、有意に再発率が高かった(16.7% vs.5.9%、p=0.002)。・多変量解析において、乳房合併症を発症した患者は合併症のない患者より無病生存率が有意に低く(HR:2.25、p=0.015)、術後8週間以内に術後補助療法を受けた患者においても有意なままであった(HR:2.45、p=0.034)。

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アクテムラ、日本国内COVID-19肺炎対象のP3試験開始へ/中外

 2020年4月8日、中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂達朗氏)は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体(一般名:トシリズマブ、商品名:アクテムラ)での、日本国内における重症新型コロナウイルス肺炎(COVID-19肺炎)を対象とした国内第III相臨床試験の実施について発表した。アクテムラは炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害 アクテムラの第III相試験については、海外では、米国、カナダおよび欧州を含む世界における重症COVID-19肺炎の入院患者約330例を対象として、プラセボと標準的な医療措置の併用と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験(COVACTA試験)の実施をロシュ社が発表している。 アクテムラは炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害する働きを持つ、中外製薬が創製した国産初の抗体医薬品。国内において、点滴静注製剤は6つの適応症(キャッスルマン病、関節リウマチ、全身型若年性特発性関節炎[sJIA]、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎[pJIA]、腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群、成人スチル病)で、皮下注製剤では3つの適応症(関節リウマチ、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)で承認を取得している。

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急性上部消化管出血の内視鏡検査、最適な施行時期とは/NEJM

 急性上部消化管出血を発症し、再出血または死亡のリスクが高い患者では、消化器科コンサルテーション後6時間以内の内視鏡検査は、6~24時間の検査と比較して、30日死亡率を抑制しないことが、中国・香港中文大学のJames Y.W. Lau氏らの検討で示された。研究の詳細は、NEJM誌2020年4月2日号に掲載された。International Consensus Groupのガイドラインでは、急性上部消化管出血患者には、受診後24時間以内に内視鏡検査を行うよう推奨されている。一方、24時間より短い時間枠内に施行される内視鏡検査の役割は、十分に明らかではないという。緊急と早期施行で、30日死亡率を比較する無作為化試験 研究グループは、再出血や死亡のリスクが高いと予測される急性上部消化管出血患者では、コンサルテーション後6時間以内の内視鏡検査は、6~24時間の検査に比べ、再出血を未然に防ぎ、転帰を改善するとの仮説を立て、これを検証する目的で無作為化試験を実施した(香港特別行政区食品衛生局保健医療基金の助成による)。 対象は、上部消化管の急性の顕性出血(吐血、下血、これら双方)が認められ、Glasgow-Blatchfordスコア(0~23点、点数が高いほど、再出血または死亡のリスクが高い)が12点以上の患者であった。 被験者は、消化器科コンサルテーション後6時間以内に内視鏡検査を受ける群(緊急内視鏡群)、または6~24時間に検査を受ける群(早期内視鏡群)に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、無作為化から30日以内の全死因死亡とした。30日死亡と再出血の双方が、緊急施行で多い傾向 2012年7月~2018年10月の期間に516例が登録され、緊急内視鏡群に258例(平均年齢69.6±16.0歳、男性60.9%)、早期内視鏡群にも258例(71.4±14.9歳、65.1%)が割り付けられた。消化性潰瘍が出血源の患者は、緊急内視鏡群61.2%(158例)、早期内視鏡群61.6%(159例)で、食道胃静脈瘤が出血源の患者はそれぞれ9.7%(25例)および7.3%(19例)であった。 救急診療部受診から消化器科コンサルテーションまでの平均時間は、緊急内視鏡群7.4±6.2時間、早期内視鏡群8.0±7.1時間であり、コンサルテーションから内視鏡検査施行までの平均時間は、それぞれ2.5±1.7時間および16.8±6.8時間であった。したがって、受診から内視鏡検査施行までの平均時間は、緊急内視鏡群9.9±6.1時間、早期内視鏡群24.7±9.0時間となった。 30日死亡率は、緊急内視鏡群8.9%(23/258例)、早期内視鏡群6.6%(17/258例)であり、両群間に有意な差は認められなかった(ハザード比[HR]:1.35[95%信頼区間[CI]:0.72~2.54]、p=0.34、群間差2.3ポイント[95%CI:-2.3~6.9])。 30日以内の再出血率は、緊急内視鏡群10.9%(28例)、早期内視鏡群7.8%(20例)であり、有意差はなかった(HR:1.46[95%CI:0.83~2.58]、群間差:3.1ポイント[95%CI:-1.9~8.1])。 消化性潰瘍患者では、活動性出血または露出血管を伴う潰瘍は、緊急内視鏡群の66.4%(105/158例)と早期内視鏡群の47.8%(76/159例)で認められた。また、内視鏡的止血術は、緊急内視鏡群の60.1%(155例)と早期内視鏡群の48.4%(125例)で行われた。 著者は、「緊急内視鏡群では、活動性出血や大きな出血斑を伴う潰瘍が多かったため、内視鏡治療の頻度が高かったが、これは再出血や死亡の抑制には結び付かなかった。一方、早期内視鏡群は1晩の酸分泌抑制薬治療を受けており、内視鏡検査までの期間が長く投薬期間が長いほど、活動性出血や大きな出血斑を伴う潰瘍が少なかった。内視鏡検査前の酸分泌抑制薬治療は、内視鏡治療を必要とする患者を減少させる可能性がある」としている。

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慢性期統合失調症に対するボルチオキセチン補助療法

 新規抗うつ薬ボルチオキセチンは、統合失調症の補助療法に期待される治療薬となる可能性がある。イラン・Tehran University of Medical SciencesのEhsan Mozen-Zadeh氏らは、統合失調症の陰性症状に対するボルチオキセチンの効果について評価を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2020年3月2日号の報告。 慢性期統合失調症入院患者78例を対象とした、8週間のランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験を実施した。対象患者は、2ヵ月間のリスペリドン(4~6mg/日)治療で安定した後、ボルチオキセチン(10mg 1日2回)群またはプラセボ群にランダムに割り付けられた。主要アウトカムは陰性症状の改善とし、副次アウトカムは総合精神病理およびすべての症状とした。試験期間中の患者の評価には、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、錐体外路症状評価尺度(ESRS)、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を用いた。すべての患者のベースライン時のPANSS陰性症状サブスケールスコアは、16以上であった。試験を完了した患者は、68例であった。 主な結果は以下のとおり。・ボルチオキセチン群は、プラセボ群と比較し、ベースラインから8週目のエンドポイントまで陰性症状スコアおよびPANSS合計スコアが有意に良好であった。 ●陰性症状スコア 平均差:-1.82、95%信頼区間(CI):-2.73~-0.92 ●PANSS合計スコア 平均差:-2.09、95%CI:-3.16~-1.01・PANSSの陽性症状スコアおよび総合精神病理スコアは、両群間に有意な差は認められなかった。・有害事象の発生率は、両群間で同等であった。 著者らは「本研究は、抗精神病薬治療中の統合失調症患者における、ボルチオキセチン補助療法の陰性症状に対する効果を明らかにした初めての報告である」としている。

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第3回 COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開

<先週の動き>1.COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開2.COVID-19軽症患者の病院以外での療養が開始3.BCGの接種ミスによる健康被害発生4.国内の病院で相次ぐ新型コロナウイルスの院内感染事例5.医療と介護の連結解析データ、10月から第三者提供される見通し1.COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月8日、政府が全国の入院病床を有する病院(20床以上)の医療体制を毎日把握するシステムをβ版として公開した。全国各地の医療機関が、外来・入院・救急・透析・化学療法での受け入れ制限などを行っているか否かが開示され、地図上で確認できる。5月からは本格稼働を開始予定で、今後さらに、空床情報、人工呼吸器の稼働数、PCR検査の判定の状況、医師・看護師と事務職員の数など、届け出をもとに、各医療機関の緊急患者の受け入れや入院の余裕があるかを把握できるようになる見込み。(参考)新型コロナウイルス感染症対策関係:全国医療機関の医療提供体制の状況を公開しました(β版)(政府CIOポータル)政府、8000病院一元把握 医療崩壊防止へ自治体に情報(日本経済新聞)2.COVID-19軽症患者の病院以外での療養が開始新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、4月に入って救急医療現場での医療崩壊が危惧されており、東京、神奈川、大阪、愛知など全国の10都県で、新型コロナウイルス入院患者のうち、軽症・無症状の患者向けに施設を確保している。東京都では4月7日から患者受け入れが開始され、大阪府でも13日からホテルなどの宿泊施設への受け入れが開始される見通し。軽症者や無症状の人の療養のために、看護師2人が24時間常駐し、日中は医師が待機して、患者の健康管理を行う。今回の対策は、医療機関における重症患者の治療を優先し、軽症者についてはホテルなど療養先を振り分けて、医療崩壊を防ぐ狙いで行われる。(参考)軽症者受け入れ4600室止まり 10都県 感染爆発の備えに懸念(日本経済新聞)3.BCGの接種ミスによる健康被害発生BCGの接種実施国では新型コロナウイルス関連肺炎の発生件数が少ないという報道により、BCGがCOVID-19に有効だとする説が浮上し、日本でも接種を求める動きが増えている。しかし先日、わが国の医療機関において、成人に対してBCGの予防接種を皮下注射で行ない、発熱や蕁麻疹、血尿といった健康被害が生じている。BCGは管針法による経皮接種が絶対であり、通常のワクチンと同様に皮下注射を行なってはならない。BCGワクチンの添付文書には、「本剤は、経皮接種用の濃厚なワクチンであり、もし皮内等に注射すると強い局所反応を呈するので、絶対に注射してはならない」との記載があり、当然これに従って接種を行うべきである。ちなみにメーカーによると、3月末には通常の3倍出荷され、新型コロナウイルス関連報道により、これまでとは異なった出荷動向だという。なお、BCGの新型コロナウイルスへの効果は検証中であり、現時点では定期予防接種の対象外患者に対して接種した場合、健康被害が発生したとしても、PMDAによる医薬品副作用被害救済制度の給付対象とならないので注意が必要だ。(参考)乾燥BCGワクチン(経皮用・1人用)添付文書(PMDA)新型コロナ予防しようと…BCGワクチン接種ミス 成人に“絶対禁止”の皮下注射(毎日新聞)最近の BCG ワクチンと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する報道に関連して ~乳児へのBCGワクチンの優先接種のお願い~(日本小児科学会)4.国内の病院で相次ぐ新型コロナウイルスの院内感染事例4月に入ってから、大学病院を含む急性期病院だけでなく、介護施設を含め、複数の医療機関において、院内感染事例の報告が相次いでいる。多くは患者を介しての感染と考えられるが、送別会などの開催により、医療従事者間でのクラスター発生報告もあり、残念でならない。介護施設などから救急搬送を受け入れる病院側としては、警戒態勢をとっていても完全に防ぐのは困難なので、対応するスタッフを媒介する院内での感染を水際で対策していくしかない。当然だが、院内感染が発生した場合は、外来・救急の受け入れ中止、予定手術の延期など、地域医療や患者への影響が甚大だ。すでに多くの医療機関や介護施設では面会禁止などの対処をとっており、医療従事者はこれまで以上に感染防止策を徹底すべきだ。海外では、介護施設で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、適切な対応をしなかった場合、入所者の3分の1が死亡したという報告(NEJM)もあり、注意が必要である。(参考)新型コロナ 医療者153人感染 「院内」複数で 10都道府県集計(毎日新聞)コロナ院内感染疑い、全体の1割 検査徹底で封じ込めを(日経新聞)McMichael TM, et al. N Engl J Med. 2020 Mar 27. [Epub ahead of print]5.医療と介護の連結解析データ、10月から第三者提供される見通し厚生労働省では、介護保険法の改正、医療医保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」(以下、「改正法」と表記)が、第198回通常国会において成立し、10月1日の施行に向けて、データベースの供の準備に入った。改正介護保険法にも、匿名データの第三者提供について規定を設けており、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)の連結解析データの提供開始のために、必要な事項(提供対象者の範囲、データ利用者側の講ずべき安全管理措置義務、利用料など)の規定整備が進む。従来は、大学教員や行政関係者など、一部の研究目的でしかデータが得られなかったが、今後、医療・介護連結データを利用して、医療・介護サービスの質の向上やアウトカムの検証などが可能になると考えられる。また、2022年4月にはDPCデータベースについても、NDB・介護DBと連結することが目標となっており、今後、このデータベースから医薬品の研究開発、疫学研究、医療経済研究などが進むことが予見される。(参考)要介護認定情報・介護レセプト等情報の提供に関する有識者会議(第8回)資料(厚労省)「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」の施行に向けた検討について(報告)(厚労省 老健局老人保健課)「要介護認定情報・介護レセプト等情報の提供に関するガイドライン」改正について(同)

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第24回 仮説検定における2つの間違い 第ニ種の誤りとは?【統計のそこが知りたい!】

第24回 仮説検定における2つの間違い 第ニ種の誤りとは?仮説検定は標本を使っているので、判定を誤ることがあります。その誤りは、間違いの内容によって、2種類に分けられます。今回は前回の「第一種の誤り」に引き続いて、「第二種の誤り」について説明します。■第二種の誤り帰無仮説を「新薬と既存薬との効果は等しい」としました。対立仮説は「新薬は既存薬より効果がある」となります。たとえば、p=0.06のとき、「新薬と既存薬の効果は等しい」という帰無仮説を棄却することができず、対立仮説である「新薬は既存薬より効果がある」とは言えない、となります。問題は、新薬と既存薬の効果は等しくない(帰無仮説は正しくない)にもかかわらず、その過ちを見過ごして「効果がない(差がない)」と判定してしまうことです。このような間違いを「第二種の誤り(過誤)」といいます。第二種の誤り(過誤)はβエラーといい、第二種の誤り(過誤)をおかす確率(あまり危険率とはいいません)は図のようにβで表します。図 αエラーとβエラーの関係p値がどれぐらい小さければ有意と判断するかの閾値が有意水準(significance level、α)です。αは通常 0.05(5%)に設定されています(つまり5%くらいのエラーは容認せざるを得ないという前提です)。p値がαよりも小さければ有意と判断するわけですが、すると帰無仮説が実際には真であるにもかかわらず、それを棄却してしまう過誤(エラー)が生じる確率もαとなります。αの値を小さくすると第一種の過誤は減少しますが第二種の過誤が増加し、逆にαの値を大きくすると、第一種の過誤は増加するが、第二種の過誤は減少します。両方の過誤を減少させる唯一の方法はより大きいサンプルを集めることです。サンプルサイズが大きくなればβは小さくなり、すなわち統計学的な検出力(power、1-β)は大きくなります。なお、検出力については、次回第25回で解説します。「第一種の誤り(αエラー)、第二種の誤り(βエラー)」のアルファベット表記であるALPHAとBE-TAの最初の文字に見立て、「あわてものの誤り」「ぼんやりものの誤り」と説明しているテキストをよく見かけます。こうすれば、「あわてて棄却」「ぼんやりして見逃し」と憶えやすいですね。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション4 仮説検定の意味と検定手順セクション8 信頼区間による仮説検定

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閣議決定を機に見直されたCOVID-19対策の特例【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第18回

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しており、皆さんにもいろいろな影響が出ていると思われます。そのような中、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、オンラインなどによる診療、服薬指導などに関する通知が発出され、それに基づく運用がされてきました。・参考:厚生労働省医政局医事課 厚生労働省医薬・生活衛生局総務課 事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」令和2年2月28日「新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての電話や情報通信機器を用いた診療等の臨時的・特例的な取扱いについて」令和2年3月19日しかし、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月7日閣議決定)において、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、服薬指導が活用されるよう制度を見直し、できる限り早期に実施することとされ、令和2年4月10日に新たな通知が発出されました。本通知の発出に伴い、これまで出されていた前記の通知は廃止となっていますので、今後は本通知に従う必要があります。・厚生労働省医政局医事課 厚生労働省医薬・生活衛生局総務課 事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」令和2年4月10日処方箋の備考欄に「0410対応」と記載本通知では、初診の場合もオンラインなどでの診療が可能とされており、これまで以上にオンラインなどでの診療が利用される可能性があります。薬剤については、医療機関を受診した患者が電話やオンラインでの服薬指導を希望する場合には、医療機関から患者が希望する薬局に処方箋情報をファクシミリなどで送付します。この際、医療機関においては送付先の薬局をカルテに記録し、処方箋の備考欄に「0410対応」と記載した上で処方箋原本を薬局に送付することとなります。薬局においては、先の通知と同様に、処方箋の原本ではなく、ファクシミリなどによる処方箋情報に基づいての調剤が例外的に可能となり、可能な時期に医療機関から処方箋原本を入手し、このファクシミリなどによる処方箋情報とともに保管することとされています。また、「薬剤師が、患者、服薬状況等に関する情報を得た上で、電話や情報通信機器を用いて服薬指導等を適切に行うことが可能と判断した場合には、当該電話や情報通信機器を用いた服薬指導等を行って差し支えないこととする」(本通知5ページ)とされており、この情報の例として以下が挙げられています。(1)患者のかかりつけ薬剤師・薬局として有している情報(2)当該薬局で過去に服薬指導等を行った際の情報(3)患者が保有するお薬手帳に基づく情報(4)患者の同意の下で、患者が利用した他の薬局から情報提供を受けて得られる情報(5)処方箋を発行した医師の診療情報(6)患者から電話等を通じて聴取した情報注射薬や吸入薬など、手技が必要な薬剤については、患者の理解に応じてオンラインなどでの服薬指導が可能か判断することとされ、オンラインなどでの服薬指導が困難と判断して対面での指導を促すことは、応需義務(薬剤師法21条)には反しないとされています。その他、実施の際の留意点として、オンラインなどでの服薬指導について十分に説明し記録することや、事前に薬剤情報提供文書などをファクシミリなどにより送付してから服薬指導を行うこと、薬剤の到着時に再度服薬指導をすることなどを、必要に応じて行うこととされています。なりすまし防止対策や、薬剤の配送、服薬指導などで使用する機器・薬剤の配送方法などを周知するなどの留意点にも言及されていますので、本通知に目を通し、内容に沿った運用をすることが求められます。なお、オンライン服薬指導などを行う場合であっても、対面での服薬指導が必要になる場合があることなどから、本通知に基づく取り扱いは、かかりつけ薬剤師・薬局や、当該患者の居住地域内にある薬局により行われることが望ましいとされています。また、今回の特例における調剤報酬については、通常の場合と同様に算定可能とされており、本通知においても同様となるようです。・参考:厚生労働省保険局医療課 事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その2)」令和2年2月28日「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その10)」令和2年4月10日改正薬機法と特例措置本年9月1日には、一部オンライン服薬指導を認める改正薬機法が施行されますが、それを待たずに、現況を鑑み上記のような対応が認められています。また、本通知では、初めて調剤した薬剤でない場合であっても、必要に応じて「ウ 薬剤交付後の服用期間中に、電話等を用いて服薬状況の把握や副作用の確認などを実施する」、「エ 上記で得られた患者の服薬状況等の必要な情報を処方した医師にフィードバックする」とされており、改正薬機法によって義務付けられる服用期間中のフォローや努力義務となる医師などへの情報提供のような内容が要求されています。今回は特例として、このような措置が認められていますが、改正薬機法の施行を意識して運用を検討することも引き続き考えるべきでしょう。オンライン服薬指導に関する薬機法施行規則の改正についても先日公布されていますので、目を通しておきましょう。・参考:厚生労働省令第五十二号 令和2年3月27日「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令」

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新型コロナ危機に直面した米国ニューヨークの今【臨床留学通信 from NY】番外編2

番外編:新型コロナ危機に直面した米国ニューヨークの今(2)米国は、今日現在もなお世界第1位の感染者数であり、その中心は依然としてニューヨークです。驚くべきことに、ニューヨーク州で最初の患者が確認されたのは3月1日、最初の死亡者は3月14日で、そこから指数関数的に上昇し、4月12日現在の患者総数は18万人、死亡者数は9,000人超となっています1)。クオモ州知事によると、ピークは4月下旬と予想されており、外出禁止令はそこまで続く予定です。日本の緊急事態宣言とは違ってこの命令には法的拘束力があり、警官の指示に従わない場合は罰金もあるようです。外出禁止令の目的はソーシャルディスタンス(人と人の距離を約2メートル程度保つ)であり、レストランは持ち帰りのみ、通常の仕事はwork from homeとすることなどが挙げられます。ただ、外出禁止令が発令されてから2週間以上が経過し、当初より気候も穏やかになってきたことから、1人でランニンングするなど、外出している人も増えてきたように思えます。日本は首都圏を中心に緊急事態宣言が行われて1週間足らずですが、これまでの患者数の推移を見ると、ニューヨークの初期の増え方と酷似しているため、日本が同じような状況に陥らないか非常に危惧しています。さて当院(Mount Sinai Beth Israel)の現状は、4月6日現在で180人以上のCOVID-19患者を抱えており、もともと内科レジデントがカバーしている一般内科120人、ICU 16人、CCU 8人を大幅に超過しており、9割以上がCOVID-19ということになります。ここに関しては、他科のレジデントの助けもありますが、米国特有の研修システムのお蔭で、この非常事態下においても現時点では対応できています。実は、当院には100人もの内科レジデントがいます。通常の内科は、1チーム最大20人を1人の指導医(アテンディング)および1人のシニアレジデント (卒後2~3年目)、そして2~3人のインターン (卒後1年目のレジデント)で構成しています。そのため、通常の一般病棟、集中治療室以外に、レジデント外来や選択ローテーション (年に2~3ヶ月、内科系のサブスペシャリティ、例えば循環器内科コンサルタントとしてローテーションする。大学関連病院なので、大学病院でリサーチなどを集中的にする期間などに当てられる)といった別のローテーションを組み込むほどの人員的余裕があり、休暇も年間で計4週間あるので、日本に一時帰国などができたりするわけです。今回は、それらの外来や選択ローテーションをすべて潰してこの事態に対応しており、代わるがわる体調不良となった仲間のカバーに入ったりしています。また、4月に入職したての研修医が揃う日本と異なり、米国は毎年7月がメンバーの切り替えなので、ちょうど今の時期はインターンも成長してきていることから、インターン単独でも業務を分担しています。当然ながら1人当たりの負担は増えていますが、患者の受け入れ拡充に対応しています。もうひとつ、当院独自の事情として、2022年を目処に規模を縮小した上で移転予定であったため、使われていない数多くの病室があったことも、ここに来て役に立っています。現在、内科レジデントで構成されるチームは10チーム。ICUはCOVID-ICUとして平素の2~3倍、CCUも通常のICU業務をカバーする形で病床を拡大して対応しています。しかしそれでもなお足りないので、さらに今後300床増やして対応予定となっています。病院の患者当たりの医師数は日本とアメリカで格段に違うため、日本でパンデミックとなった場合、もし医療従事者間で集団感染が起きたりすれば、早々に対応しきれなくなるのではないかと危惧しています。やはり日本も、米国と同様に待機的手術等をいったん中止し、すべての科の医師が有事に備えるべき時だと考えます。参考1)2020 coronavirus pandemic in New York (state)

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デュルバルマブの小細胞肺がん、FDA承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、3月30日、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(一般名:イミフィンジ)が、成人の進展型小細胞肺がんに対する1次治療として標準治療である化学療法(エトポシド+カルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で、米国において承認されたことを発表した。 今回の米国食品医薬品局による承認は、第III相CASPIAN試験の結果に基づくもの。 CASPIAN試験では2つの主要評価項目を設定し、デュルバルマブと化学療法の併用療法群と化学療法群を比較した。その結果、デュルバルマブと化学療法の併用療法群では、死亡リスクが27%低下し(ハザード比:0.73、95%CI:0.59〜0.91、p=0.0047)、OS中央値は化学療法群の10.3ヵ月に対して13.0ヵ月であった。加えて、デュルバルマブと化学療法の併用療法群において、より高い客観的奏効率が得られたことも示された(化学療法群の58%に対して68%)。なお、デュルバルマブと化学療法の併用療法における安全性および忍容性は、これらの薬剤における既知の安全性プロファイルと一致していた。 また、デュルバルマブと化学療法との併用療法に抗CTLA-4抗体トレメリムマブを追加したもう1つの投与群の解析も完了しているが、こちらの主要評価項目は達成されなかった。詳細なデータは、今後の学会で発表される予定。

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今年の学術集会はいつ開催されるのか?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、3月以降多くの学術集会が延期または開催方式の変更を余儀なくされている。 一例をあげると日本整形外科学会学術総会、日本産科婦人科学会学術講演会、日本眼科学会総会、日本医学放射線学会総会、日本麻酔科学会年次学術集会、日本プライマリ・ケア連合学会学術大会などはすでにオンライン(WEB)開催を表明するなど動きをみせている。そのほか、今後のCOVID-19の拡大状況によっては、さらなる延期や従来の会合方式の見直しなどが検討されている。 CareNet.com編集部では、4月6日現在の主要学術学会の開催動向をまとめた。今後の学会参加の参考にお役立ていただきたい。■主要な学術集会の開催予定https://www.carenet.com/useful/meeting/cg002623_index.html

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ペムブロリズマブによるMSI-H大腸がん1次治療、無増悪生存期間を改善/Merck

 Merck社は、2020年4月2日、切除不能または転移を有するMSI-H/dMMRの結腸直腸がんに対するキートルーダの1次治療を評価する第III相 KEYNOTE-177試験において、2つの主要評価項目の1つ無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表。 独立データ監視委員会(DMC)による中間解析では、化学療法(mFOLFOX6またはFOLFIRI ±ベバシズマブまたはセツキシマブ)と比較し、ペムブロリズマブ単剤療法は統計的に有意で臨床的に意味のあるPFSの改善を示した。 また、同研究のもう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)の評価も、DMCの推奨に基づき変更なしで続行される。この試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは以前に報告された研究と一致しており、新しい安全性信号は確認されていない。 Merck社は、KEYNOTE-177のデータを世界の規制当局および今後の医療会議で共有するとしている。

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こころとからだの質問票(PHQ-9)によるうつ病評価の信頼度

 うつ症状のアンケートは、診断を分類するためのものではない。しかし、うつ病の有病率を推定するために、こころとからだの質問票(PHQ-9)のスコア10以上の患者をうつ病患者と定義することがある。カナダ・マギル大学のBrooke Levis氏らは、PHQ-9スコア10以上と構造化面接(Structured Clinical Interview for DSM:SCID)によるうつ病の有病率を比較し、PHQ-9のカットオフ値が有病率を正確に推定できるかについて評価を行った。Journal of Clinical Epidemiology誌オンライン版2020年2月24日号の報告。PHQ-9スコア10以上によるうつ病有病率は過大評価している可能性 PHQ-9スコアとSCIDのうつ状態を比較するためのデータセットを用いて、メタ解析を実施した。 PHQ-9のカットオフ値が有病率を正確に推定できるかについて評価した主な結果は以下のとおり。・主要な44研究より、9,242例(SCIDうつ病症例:1,389例)が抽出された。・プールされた有病率は以下のとおりであった。 ●PHQ-9スコア10以上:24.6%(95%CI:20.8~28.9) ●SCIDうつ病:12.1%(95%CI:9.6~15.2)・有病率の差は、11.9%(95%CI:9.3~14.6)であった。・研究レベルのPHQ-9スコア10以上の平均有病率は、SCID基準の2.5倍であった。・SCIDうつ病有病率と最も近い有病率が示されたのは、PHQ-9スコア14以上およびPHQ-9診断アルゴリズムであったが、研究レベルでの有病率は、SCID基準の有病率とは異なっており、それぞれの平均絶対差は以下のとおりであった。 ●PHQ-9スコア14以上:4.8%(95%CI:-13.6~14.5) ●PHQ-9診断アルゴリズム:5.6%(95%CI:-16.4~15.0) 著者らは「個々の研究において、統計的に修正する不均一性が多過ぎる」としながらも「PHQ-9スコア10以上によるうつ病有病率は、過大評価している可能性がある」としている。

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「遺伝性乳がん卵巣がん症候群の保険診療に関する手引き」公開/日本乳学会

 4月から遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の既発症者に対する、リスク低減乳房切除術(RRM)、乳房再建術ならびにリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が保険収載となった。これを受けて日本乳学会では、4月1日にホームページ上で「遺伝性乳がん卵巣がん症候群の保険診療に関する手引き」を公開している。なお、手引きの冒頭では、本手引きがガイドラインあるいはガイダンスではなく、エビデンスが蓄積していない内容も含まれると説明。そのため、HBOC診療に当たっては施設内で医療者のコンセンサスと患者・家族への十分な説明を求めるとともに、手引きについては今後もバージョンアップを図っていくと記されている。予防的切除が推奨される患者と年齢 日本人女性の乳がん罹患者数は10万人超と推計されるが、その5~10%がHBOCであり、全乳がんの4%がBRCA1/2遺伝子変異に起因する乳がんである。HBOCは稀な疾患ではなく、日本国内でも年間数千人の女性が乳がんあるいは卵巣がんの治療をされていると推測される。また、その近親者も2分の1の確率で遺伝子変異を受け継いでいる可能性がある。 乳がん既発症者にBRCA1/2遺伝子変異が判明すれば、リスク低減手術などにより、健側の乳がんの発症と、卵巣がんの発症のリスクを下げることが可能となる。乳がんは30歳頃から、卵巣がんは40歳頃から発症率が上昇するので、RRMは40歳まで、RRSOは50 歳までに実施することが勧められる。BRCA遺伝学的検査、保険適応の対象となるのは BRCA遺伝学的検査が保険適応となるのは、乳がん既発症例の中では、以下のいずれかの項目に当てはまる場合に対象となる:・45歳以下の発症 ・60歳以下のトリプルネガティブ乳がん ・2個以上の原発乳がん発症 ・第3度近親者内に乳がんまたは卵巣がん発症者がいる ・男性乳がん  また、卵巣がん、卵管がんおよび腹膜がん既発症例と、従来からのPARP阻害薬に対するコンパニオン診断の適格基準を満たす場合に保険適用となる。  本手引きではそのほか、BRCA遺伝学的検査およびRRM、RRSOの施設要件や、HBOC 診療のフローチャートなども提示されており、下記の全14項目で構成されている。1)これまでのHBOC診療2)HBOC診療の保険収載の意義3)BRCA遺伝学的検査の施設要件4)RRM、RRSOの施設要件5)乳がんまたは卵巣がん患者の遺伝カウンセリング6)RRMと乳房再建術7)健側乳房の病理学的検査8)RRSO9)BRCA遺伝子変異患者の近親者への遺伝カウンセリング10)BRCA遺伝子変異患者と近親者におけるサーベイランス検査11)BRCA遺伝学的検査の保険診療と自費診療の区分12)NCD乳登録13)HBOC診療のフローチャート14)HBOCを学ぶためのツール集

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下肢非大手術後のVTE予防、リバーロキサバンが有効/NEJM

 下肢の整形外科非大手術を受けた患者では、固定期間中の静脈血栓塞栓症イベントの予防において、リバーロキサバンはエノキサパリンに比べ有効性が優れることが、フランス・パリ大学コシャン病院のC. Marc Samama氏らの検討「PRONOMOS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年3月29日号に掲載された。下肢の整形外科非大手術後は、一過性に移動能力が低下するため、患者には静脈血栓塞栓症のリスクが生じる。直接作用型第Xa因子阻害薬リバーロキサバンは、エノキサパリンと比較して、選択的人工膝関節全置換術または人工股関節全置換術後の症候性静脈血栓塞栓症と全死因死亡の複合のリスクが低いと報告されている。10ヵ国200施設が参加した無作為化非劣性試験 本研究は、欧州9ヵ国とチュニジアの200施設が参加した二重盲検無作為化非劣性試験であり、2015年12月~2018年4月の期間に患者登録が行われた(フランスCentre Hospitalier Universitaire de Saint-EtienneとBayerの助成による)。 対象は、下肢の整形外科非大手術を受け、担当医により静脈血栓塞栓症のリスクがあると判定され、2週間以上の血栓予防治療が可能な成人患者であった。非大手術には、アキレス腱修復、膝の手術、脛骨プラトーや大腿骨の手術、脛骨骨切り術、脛骨粗面転位術などが含まれた。 被験者は、リバーロキサバン(10mgを経口投与)+プラセボ(皮下投与)を受ける群、またはエノキサパリン(40mgを皮下投与)+プラセボ(錠剤を経口投与)を受ける群に無作為に割り付けられた。 有効性の主要アウトカムは、治療期間中の症候性の遠位型/近位型深部静脈血栓症、肺塞栓症、静脈血栓塞栓症関連死と、治療終了時の無症候性近位型深部静脈血栓症の複合とした。リバーロキサバンの非劣性が確定された場合は、優越性の評価が計画された。安全性アウトカムには、大出血(致死的、危機的、臨床的顕性出血、手術部位の介入を要する出血)および臨床的に重要な非大出血が含まれた。 非劣性マージンは、リスク比(RR)の95%信頼区間(CI)上限値1.30に設定した。主要アウトカム:0.2% vs.1.1%、リスクを75%低減 3,604例が登録され、リバーロキサバン群に1,809例(年齢中央値41歳[IQR:29~54]、男性66.0%)、エノキサパリン群には1,795例(41歳[IQR:29~54]、男性64.0%)が割り付けられた。 主要複合アウトカムの発生率は、リバーロキサバン群が0.2%(4/1,661例)、エノキサパリン群は1.1%(18/1,640例)であり、リバーロキサバン群の非劣性とともに優越性が示された(データ補完済みのRR:0.25、95%CI:0.09~0.75、非劣性のp<0.001、優越性のp=0.01)。 主要複合アウトカムの構成要素のうち、リバーロキサバン群では症候性深部静脈血栓症(0.2% vs.0.6%、RR:0.28、95%CI:0.08~1.00)のリスクが低かった。 出血の発生には、両群間に統計学的に有意な差は認められなかった(大出血/臨床的に重要な非大出血:リバーロキサバン群1.1% vs.エノキサパリン群1.0%、大出血:0.6% vs.0.7%、臨床的に重要な非大出血:0.5% vs.0.3%)。 著者は、「リバーロキサバンの優越性は、主に症候性深部静脈血栓症の発生率が低いことによってもたらされた。これは、本試験には、以前の研究に比べリスクが高い患者が含まれることを反映している可能性がある」と指摘している。

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進行性腎障害伴う安定冠動脈疾患に侵襲的戦略は有効か/NEJM

 進行性腎障害を伴う安定冠動脈疾患で、中等度~重度の虚血を呈する患者の治療において、侵襲的戦略は保存的戦略に比べ、死亡および非致死的心筋梗塞のリスクを低減しないことが、米国・ニューヨーク大学のSripal Bangalore氏らの検討(ISCHEMIA-CKD試験)で示された。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2020年3月30日号に掲載された。安定冠動脈疾患患者における血行再建術の効果を評価する臨床試験では、通常、進行性の慢性腎臓病患者は除外される。また、1992年の腎移植候補の患者26例の無作為化試験では、血行再建術は薬物療法に比べ心血管死および心筋梗塞のリスクが低いと報告されているが、この30年間で、これらの治療法は劇的に進歩しており、あらためて侵襲的戦略の有益性の検証が求められている。30ヵ国118施設が参加した医師主導無作為化試験 本研究は、30ヵ国118施設が参加した国際的な医師主導の無作為化試験であり、2014年4月~2018年1月の期間に患者登録が行われた(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成による)。 対象は、進行性腎障害および中等度~重度の心筋虚血を呈する患者であった。被験者は、薬物療法に加え、冠動脈造影と、実行可能な場合は血行再建術(経皮的冠動脈インターベンション[PCI]または冠動脈バイパス手術[CABG])を受ける群(侵襲的戦略群)、または薬物療法のみを受ける群(保存的戦略群)に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、死亡と非致死的心筋梗塞の複合とした。主な副次アウトカムは、死亡、非致死的心筋梗塞、不安定狭心症または心不全による入院、心停止からの蘇生の複合であった。推定3年イベント発生率:36.4% vs.36.7% 777例が登録され、侵襲的戦略群に388例、保存的戦略群には389例が割り付けられた。全体の年齢中央値は63歳(IQR:55~70)、男性が68.9%を占めた。 ベースライン時に、57.1%が糖尿病で、53.4%が透析を受けていた。透析患者を除く推定糸球体濾過量(eGFR)中央値は23mL/分/1.73m2であった。37.8%が重度の虚血だった。 追跡期間中央値2.2年(IQR:1.6~3.0)の時点で、主要アウトカムのイベントは、侵襲的戦略群123例、保存的戦略群129例で発生し、推定3年イベント発生率はそれぞれ36.4%および36.7%であり、両群間に有意な差は認められなかった(補正後ハザード比[HR]:1.01、95%信頼区間[CI]:0.79~1.29、p=0.95)。 主な副次アウトカムの結果も、主要アウトカムとほぼ同様であった(侵襲的戦略群38.5% vs.保存的戦略群39.7%、補正後HR:1.01、95%CI:0.79~1.29)。 ベイズ解析では、侵襲的戦略群で主要アウトカムのHRが10%以上低下(補正後HR<0.90)する確率は19%で、10%以上増加(補正後HR>1.10)する確率は24%だった。 また、侵襲的戦略群は保存的戦略群に比べ、脳卒中(補正後HR:3.76、95%CI:1.52~9.32、p=0.004)および死亡/透析開始(1.48、1.04~2.11、p=0.03)の発生率が高かった。 著者は、「イベント発生率は予測よりも低く、また侵襲的戦略群における血行再建術の施行率は50.2%、保存的戦略群におけるイベントの確認以外の理由による血行再建術の施行率は11.0%と低かったことから、侵襲的戦略の有益性を示すには、この試験の検出力は十分ではなかった」としている。

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COVID-19の臨時診療報酬は、外来300点/入院1,200点

 4月8日、厚生労働省からの事務連絡「PDFリンク新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その9)」により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者(疑い例を含む)の外来診療および入院管理について、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を踏まえた診療報酬上の特例的な対応が示された。外来では「院内トリアージ実施料」として300点を算定可 COVID-19患者の外来診療を行う保険医療機関において、「B001-2-5 院内トリアージ実施料(300点/回)」が算定できる。算定に当たっては、受診の時間帯によらず、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」に従い、院内感染防止等に留意した対応を行った場合に算定可。 なお、COVID-19患者に対してのみ院内トリアージ実施料を算定する保険医療機関については、特掲診療料における施設基準等第三の四の四を満たしているものとして、届出の必要はない。入院例では「救急医療管理加算」と「二類感染症患者入院診療加算」を算定 (1)COVID-19患者の入院診療に当たっては、救急医療管理加算を算定できる患者に限り、「緊急に入院を必要とする重症患者として入院した患者」とみなされ、「A205の1 救急医療管理加算1(950点/日)」を算定できる。救急医療管理加算1は通常7日間が限度とされているが、特例として最長14日間まで算定可能。 また、COVID-19患者に対してのみ救急医療管理加算1を算定する医療機関は、基本診療料における施設基準等第八の六の二を満たしているものとして、届出の必要はない。 (2)COVID-19患者の入院診療に当たっては、第二種感染症指定医療機関の指定の有無に関わらず、「A210の2 二種感染症患者入院診療加算(250点/日)」を算定できる。なお、「A300 救命救急入院料」、「A301 特定集中治療室管理料」「A301-2 ハイケアユニット入院医療管理料」、「A301-3 脳卒中ケアユニット入院医療管理料」、「A301-4 小児特定集中治療室管理料」、「A302 新生児特定集中治療室管理料」、「A303 総合周産期特定集中治療室管理料」、「A303-2 新生児治療回復室入院医療管理料」、「A305 一類感染症患者入院医療管理料」を算定する病棟・病室については、当該加算を含むものとして、別に算定することはできない。感染症病棟・一般病棟以外での受け入れや、個室・陰圧室に関しても明記 COVID-19患者で、一般病棟入院基本料を算定している病棟に入院している者に対して、個室または陰圧室において受け入れた場合については、二類感染症患者相当の取扱いとされることから、要件を満たせば「A220-2 二類感染症患者療養環境特別加算(200~500点/日)」を算定できる。 また、感染症病棟および一般病棟のみでCOVID-19患者を受け入れることが困難で、地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟もしくは療養病棟入院基本料を算定する病棟で受け入れた場合についても、それぞれ、「在宅患者支援病床初期加算(300点/日)」または「在宅患者支援療養病床初期加算(350点/日)」を算定できる。  なお、COVID-19患者が療養病棟入院基本料を算定する病棟に入院した場合、基本診療料の施設基準等別表第五の二に規定する「感染症の治療の必要性から隔離室での管理を実施している状態」とみなしてよい。 日本医師会は、保険医療機関に向けて、本通知の周知徹底を呼び掛けている。

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