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新型コロナウイルス検出用抗体、開発に成功/横浜市立大

 横浜市立大学大学院医学研究科の梁 明秀氏(微生物学・分子生体防御学 教授)らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原を特異的に検出できるモノクローナル抗体の開発に成功したことを2020年4月20日に発表した。今後は、本抗体を用い簡便かつ短時間にSARS-CoV-2だけを正しく検出できるイムノクロマトキットの開発を目指す。 今回作製された抗体は、近縁のSARSコロナウイルスや風邪の原因となるヒトコロナウイルスとは交差反応を示さず、SARS-CoV-2抗原にだけ正確に反応するという。現時点でSARS-CoV-2のみを的確に検出できる高性能なモノクローナル抗体は実用化されておらず、この開発が進めば国内初の検査キットの実用化となる。 研究成果のポイントは以下のとおり。・ コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法により作製した高品質な抗原を用いて、SARS-CoV-2を正確に検出できるマウスモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを複数株、樹立することに成功。・ 本抗体は、SARS-CoV-2だけに高い親和性を示し、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)、およびその他の一般の風邪症状を引き起こすヒトコロナウイルスとは交差反応しない。・ 今後、本抗体を用いて、簡便かつ短時間に、しかも正確にSARS-CoV-2が検出できるイムノクロマトキットが開発できれば、PCR法などの遺伝子検出法と比べて臨床現場の負担が軽くなり、検査数の大幅増が期待できる。

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今、私たちは冠動脈疾患治療の分岐点にいる(解説:野間重孝氏)-1219

 至適内科治療(optimal medical therapy:OMT)という言葉がある。虚血性心疾患は典型的な複合因子的疾患であり、単に血圧を下げるとか禁煙してもらうというだけでは発症予防(1次予防)もその進展の予防(2次予防)もできない。主立った因子をすべてコントロール、それもエビデンスのある薬剤・方法を用いて複合的にコントロールすることによって虚血性心疾患の1次・2次予防をしようという考え方である。90年代の半ば過ぎに確立され、その後種々の改良・改変を加えられたが、その大体の考え方は変わっていない。そこに至るには危険因子の徹底的な洗い出し、それに対する対処とそのエビデンスの蓄積があったことは言うまでもない。世紀をまたぐころにはOMTは虚血性心疾患治療の基礎として確立されたばかりでなく、血行再建術の代替えにもなりうるとも考えられるまでになった。心筋梗塞、不安定狭心症などのいわゆる急性冠症候群(ACS)では血行再建術が絶対適応となっているが、安定狭心症に対しては血行再建術と同程度の治療効果が得られることが期待されるまでになった。この方面での治験のエンドポイントは死亡+非致死的心筋梗塞の発生に置かれることが多いが、いろいろな比較試験でコントロールにされたOMT群の発症率はいずれにおいても20%を切る結果(18%~19%程度)が示されている。 血行再建術に目をやると、実験的ともいえる大動脈-冠動脈バイパス術(CABG)が行われたのは1964年にさかのぼるが、人工心肺と心筋保護法の発達により安定した体外循環心停止下でのCABGが行われるのは80年代になってからといえる。一方、冠動脈インターベンション(PCI)は、Gruentzigが1977年に初めて実験的バルーンインターベンションに成功し、以来デバイスの進歩とも相まって急速に普及し現在に至っている。一部に誤解があり、CABGのほうがかなり先行した技術であると考えている人が多いが、両者は(確かに10年くらいのズレはあるにせよ)同時進行的に発達してきた治療技術であると考えるのが正しい。両者の優劣についてよく論じられるが、評者はこの比較にあまり意味があるようには思えない。CABGは開胸・人工的心停止というリスクを背負いながらも、PCIでは危険な病変の治療、到達できない地点への血行再建、複数箇所の同時血行再建が可能であるが、その手術の性格から何度も行えるものではない。一方PCIは現在、機材・技術の進歩により従来は難しかった病変の治療も可能になり、その点が強調されることが多いが、最大の利点は何回でも、またさまざまな場所に施行できる(いわば“モグラたたき”ができる)ことにあるといえる。つまり両者は競い合う性格のものではなく、補い合うべき技術なのである。 OMTもほぼ確立され、血行再建術も成熟し、冠動脈疾患治療は新しい時代に入ったと多くの医師も患者も考えていた矢先に、これに水をかけるような研究が発表された。2007年に発表されたCOURAGE試験である。OMTに加え、適切な血行再建術が行われれば虚血性心疾患の予後は改善されると誰もが信じていた矢先に、血行再建術は症状の改善はもたらしても、付加的な予後の改善はもたらさないという結果が発表されたのである。この事実は多くの循環器科医に虚血性心疾患の治療を再考させるきっかけとなったが、血行再建術に携わってきた医師たちにとっては自分たちのやってきたことが否定されたに等しかった。その後DEFER試験に代表されるようにFFRなどの指標を用いて、適切な病変を選んで治療すれば成績は良いという結果が示されたこともあり、わが国でカテーテル治療が減ることはなかった。 そんな流れの中、AHA2019でまたしても衝撃的な発表がなされた。ISCHEMIA試験である。彼らは比較的重症患者を含めた母集団5,179例をOMT群とOMT+血行再建群に分けて4.4年フォローした(エンドポイントは死亡と非致死的心筋梗塞の発生)。その結果はOMTのみの群と血行再建群とで結果が同等であったばかりか、治療後の1年半は血行再建群のリスクのほうが高いというものだった。 さて、今回の試験は同様の事実が高度の腎機能障害を持った患者群でもみられるのかということを検証したものである。というのも、COURAGEやISCHEMIAを含め種々の臨床試験では重症腎機能障害患者が対象から除外されていたからである。しかして、結果は予想されたようにOMT群と血行再建群で差がみられなかった。 もし今回の結果だけをみるならば、いろいろと理屈がいえるのではないかと思う。というのは、高度腎機能障害を持つ患者とはつまり冠動脈を含めて全身に強い動脈硬化を持つ患者であり、冠動脈についていえば、責任病変と思われる病変を治療しても第2、第3の病変が進展してしまうことにより当初の治療効果を打ち消してしまうことになるのではないか、といった解釈である。しかし一連の研究の流れは、そういったものではないことを示していると考える以外にないと考えられる。 では、安定狭心症に対する血行再建術はまったく意味のないものなのだろうか。評者は長く実臨床に携わってきた者として、確かに血行再建術によって新しい人生を手に入れることができた患者たちをたくさんみてきた。反対に、症状が取れたからといって内科的にフォローしているうちに、次第に心機能が悪化してきてしまった患者もみてきた。では「お前は自分の診ている患者で、PCIで明らかに症状の改善が得られることがわかっている場合PCIをやらないのか」と問われれば、まず絶対に「やる」と答えるだろう。 私たちは今、直線的に進行してきた歴史の転換点に来ているのだと思う。虚血の評価は、始めは造影した見た目だった。これにFFRをはじめとする指標やアイソトープによる虚血範囲の同定など種々の判断基準が加わった。しかし、まだ何かが足りないのである。臨床医の実経験として、確かに血行再建により良好な予後を手に入れることができた患者がいたことがわかっている以上、どうしたらそういう患者を同定することができるのか、そうした指標・基準が欲しいのである。一方、OMTにも血行再建にも限界があることがわかっている。ではこれらに加えて何ができるのだろうか。不満なのは冠動脈治療に関していえば、新しい治療、新しい技術の開発がすっかり停止してしまっていることである。評者らは老研究者として確かにひとつの時代を築いてきたという自負がある。若い人たち! 君たちの新しい時代を開く手・力に期待している。

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色素性乾皮症〔XP:xeroderma pigmentosum〕

1 疾患概要■ 概念・定義色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum:XP)は、紫外線(ultraviolet:UV)により生じるDNA損傷の修復能が先天的に欠損することにより発症する重篤な光線過敏症である。常染色体劣性形式で遺伝し、UVによる皮膚がん誘発リスクがきわめて高くなる。皮膚症状に加え、原因不進行性の神経変性症状を合併することがあるため、わが国では指定難病、小児慢性特定疾病の1つとして国から認定されている。■ 疫学XPの頻度はわが国では約2.2万人に1人とまれであるが、欧米(2.7/100万人)に比べれば15倍以上と高頻度である。■ 病因紫外線のDNAへの直接曝露で誘発されるシクロブタン型ピリミジン2量体、6-4光産物を除去するヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair:NER)、あるいはNERのバックアップ的な修復系である複製後修復(損傷乗り越え複製、translesion synthesis:TLS)の機能が単一遺伝子異常により欠損する。■ 症状典型例では乳幼児期から外出のたびに激しい日焼け様反応を繰り返したあと、顔面など露光部皮膚が乾燥し、雀卵斑様の小色素斑が出現する。この色素異常は徐々に進行し、厳重な遮光を怠れば若年齢で基底細胞がん、日光角化症、扁平上皮がん、悪性黒色腫などの皮膚悪性腫瘍が多発し、その発生のリスクは健常人に比べて数千倍とされる。また、わが国の患者では約半数で精神運動発達遅滞、難聴、歩行障害などの神経症状がみられ、これらの症状は徐々に進行する。■ 分類XPは遺伝学的に異なる8つのグループ(群)が存在し、NERに異常のあるA〜G群、NERに異常はないがTLS機能が損なわれるXPバリアント型(XP-V)に分類される。XP症状の進行度、重症度や予後は各群で異なる。わが国では皮膚症状、神経症状いずれも最重症型であるXPA群が過半数を占め、次いで皮膚症状のみを呈するXP-Vが25%、XPD群が8%、XPF群が7%、XPE群、XPG群はまれ、XPB群の日本人報告例はまだない。また、XPは臨床的には皮膚症状のみを呈する皮膚型XP(XPC群、XPE群、XPF群、XP-V)、皮膚症状に加え神経症状を伴う神経型XP(XPA群)、XPの皮膚所見に他の遺伝性光線過敏症であるコケイン症候群(Cockayne syndrome:CS)様の臨床像(著明な発育低下、老人様顔貌など)を合併するXP/CS complexに分類される。欧米例とは違い、本邦症例ではXPD群のほとんどが皮膚型XPである。■ 予後神経型XPの代表であるXPA群の典型例では、むせや嚥下困難が15歳前後から生じ、20歳頃には気管切開となる。その後は誤嚥、感染症、糖尿病の悪化などにより30歳前後で死亡するケースが多い。皮膚型XP患者では皮膚がん予防が徹底されていれば予後は良好である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)XPの確定診断は主として患者皮膚由来の培養線維芽細胞を用いた(1)紫外線照射後の不定期DNA合成能(unscheduled DNA synthesis:UDS)測定、(2)紫外線感受性試験、(3)宿主細胞回復能を指標にした相補性群試験、(4)遺伝子解析(血液でも可能)によりなされる。 UDSはNERの指標であり、XPではXP-Vを除いて低下する。XP細胞はXP-V細胞を除いて紫外線に高感受性であり、カフェイン添加により紫外線感受性が増強するという所見が得られればXP-Vの可能性が示唆される。わが国で過半数を占めるXPA群患者ではXPA遺伝子のイントロン3,3`側のスプライシング受容部位のGからCへのホモ変異(89%)、ヘテロ変異(9%)がPCR-RFLP法により簡易迅速に検出できる(創始者変異)。他群のXP患者に対しては紫外線照射レポーター遺伝子(ルシフェラーゼ発現ベクターなど)の宿主細胞回復能あるいはEdUを用いたUDSを指標にした相補性試験、遺伝子解析にて診断確定する。XPの鑑別疾患としては、通常の雀卵斑、遺伝性ポルフィリン症があげられる。前者では皮疹は学童期に出現し、思春期がピークで以後消退傾向を示し、色素斑の大きさは小さく比較的均一であり、皮膚の乾燥・萎縮を伴わない点がXPとは異なる。後者では、光線曝露後に生じる疼痛感が特徴であり、血中・尿中の各種ポルフィリン検査を実施すれば鑑別可能である。3 治療XPは遺伝性疾患であるため根治的な治療法はない。したがって患者への対応は、患児の親や担当教員の協力の下での厳重な紫外線防御、対症療法、合併症対策が中心となる。日焼け様皮疹が生じた場合には、局所の冷却、ステロイド外用療法を行う。皮膚悪性腫瘍が発生した場合、可能な限り腫瘍切除術を施行する。皮膚腫瘍が多発して切除が困難な場合には適宜イミキモド(商品名:ベセルナ)、5FU、ブレオマイシン(同:ブレオ)などを用いた外用療法を実施する。XP患者では生涯、UVB(+UVA)曝露からの回避を厳重に行う必要がある。そのため物理的遮光(長袖、長ズボンの衣服、帽子、UVカットフィルムなど)、化学的遮光(サンスクリーン使用)いずれもが適切に行えるよう指導する。重症例では不要な屋外活動を制限し、外出の際はUV防護服の着用を指示する。4 今後の展望 (治験中・研究中の診断法、治療薬剤など) iPS細胞を用いた創薬研究が始まったばかりであり、現時点ではまだ治療薬候補は明らかではなく、臨床応用の段階には至っていない。5 主たる診療科 (紹介すべき診療科)皮膚科、小児科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 色素性乾皮症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報全国色素性乾皮症(XP)連絡会(患者とその家族および支援者の会)1)森脇真一ほか. 日皮会誌. 2015;125:2013-2022.公開履歴初回2020年04月21日

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胃がん2次治療中の栄養指導のメリットを評価する【消化器がんインタビュー】第5回

第5回 胃がん2次治療中の栄養指導のメリットを評価する出演:聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座 水上 拓郎氏がんの予後不良因子、体重減少への介入が注目されている。近年、切除不能胃がんの1次治療において、栄養指導により予後が改善する可能性が示された。2次治療中の胃がんで栄養指導が、体重および予後に影響をもたらすのか。聖マリアンナ医科大学の水上 拓郎氏らは、前向き試験を準備中である。

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添付文書改訂:コンサータの流通管理が厳格化/タケキャブに汎血球減少など追加/イクスタンジ、アーリーダに間質性肺疾患追加【下平博士のDIノート】第47回

コンサータ:流通管理体制が厳格化第1種向精神薬に指定されているAD/HD治療薬「メチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名:コンサータ)」の流通管理が厳格化され、患者情報の登録が義務化されました。これまで処方していた医師と調剤していた薬局・薬剤師も、新管理システムへの登録が必要です。覚せい剤原料に指定されているAD/HD治療薬「リスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセル(同:ビバンセ)」と同様の扱いとなります。<対象薬剤>メチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名:コンサータ錠18mg/27mg/36mg、製造販売元:ヤンセンファーマ)<改訂年月>2019年11月<改訂項目>警告承認条件<Shimo's eyes>リスデキサンフェタミンメシル酸塩(商品名:ビバンセ)の承認申請の際に、メチルフェニデート塩酸塩徐放錠の不正使用が発覚したため、流通管理体制の見直し・厳格化が行われ、今回の改訂に至りました。新しい流通管理体制では、登録された医師が本剤を処方する前に、あらかじめ患者のイニシャル、性別、生年月日、第三者から得た患者の症状に関する情報源などを登録することが義務付けられました。登録情報は定期的な更新が求められています。登録薬局・薬剤師は、メチルフェニデート徐放錠やリスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセルの処方箋を応需したら、「ADHD適正流通管理システム」ホームページにアクセスし、処方医師名や患者さんが持参したカードのIDを入力して検索します。そのため、調剤する前に、処方箋と同時に医師から交付される患者カードと身分証明書の確認が必要になります。なお、薬機法の改正に伴い、覚せい剤取締法および覚せい剤取締法施行規則等が一部改正され、2020年4月よりリスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセルの取り扱いが変更されています。これにより、調剤済みの覚せい剤原料が薬局・病院でも回収できるようになったため、添付文書上の「適用上の注意(薬剤交付時)」に、「本剤が不要となった場合には、医療機関又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること」との内容が追加されました。ほかにも、薬局・病院に帳簿の設置と記録の義務化などの変更がありますので、通知には必ず目を通しておきましょう。参考PMDA コンサータ錠18mg/コンサータ錠27mg/コンサータ錠36mg厚生労働省 メチルフェニデート塩酸塩製剤(コンサータ錠18mg、同錠27mg及び同錠36mg)の使用にあたっての留意事項について厚生労働省 製造販売業者が実施する流通管理の概要厚生労働省 覚醒剤原料の取扱いについて(訂正版)タケキャブ:重大な副作用に汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少が追加ボノプラザンフマル酸塩含有製剤の重大な副作用に「汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少」が追加になりました。本剤は、2019年3月にも、重大な副作用として、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS)、多形紅斑が追加されています。<対象薬剤>ボノプラザンフマル酸塩錠(商品名:タケキャブ錠10mg/20mg、製造販売元:武田薬品工業)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(同:ボノサップパック400/800、同上)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(同:ボノピオンパック、同上)<改訂年月>2019年10月<改訂項目>使用上の注意<Shimo's eyes>ボノプラザンフマル酸塩の国内症例が集積し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果から、添付文書を改訂することが適切と判断されました。直近3年度の国内副作用症例の集積状況は、血小板減少関連症例19例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例2例)、無顆粒球症、白血球減少関連症例15例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例4例)、汎血球減少17例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例2例)が報告されています。汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少の初期症状については、出血しやすい、鼻血、歯ぐきの出血、発熱、寒気、喉の痛み、青あざができるなどに注意が必要です。これらの副作用について、ほかのプロトンポンプ阻害薬ではすでに注意喚起がなされています。参考PMDA タケキャブ錠10mg/タケキャブ錠20mg同 ボノプラザンフマル酸塩含有製剤の「使用上の注意」の改訂についてイクスタンジ、アーリーダ:重大な副作用に間質性肺疾患追加前立腺がん治療薬エンザルタミド(商品名:イクスタンジ)およびアパルタミド(同:アーリーダ)の重大な副作用に「間質性肺疾患」が追加されました。これに伴い、重要な基本的注意などが新設され、初期症状および胸部X線検査実施などの注意事項が追加されました。<対象薬剤>エンザルタミド錠、カプセル(商品名:イクスタンジ錠40mg/80mg、同カプセル40mg、製造販売元:アステラス製薬)アパルタミド錠(同:アーリーダ錠60mg、ヤンセンファーマ)<改訂年月>2019年11月<改訂項目>慎重投与(新設)重要な基本的注意(新設)副作用重大な副作用(新設)<Shimo's eyes>過去3年の国内報告数のうち、医薬品と間質性肺疾患関連症例との因果関係が否定できない症例がエンザルタミドでは5例(死亡との因果関係が否定できない症例0例)、アパルタミドでは2例(死亡との因果関係が否定できない症例1例)報告され、国内症例が集積したと判断されて改訂されました。間質性肺疾患は、びまん性実質性肺疾患または浸潤性肺疾患とも呼ばれ、間質腔が傷害される多様な疾患の総称です。特徴的な症状は、肺胞中隔の肥厚、線維芽細胞の増殖、コラーゲン沈着、および疾患が進行した場合は肺線維化などです。患者さんには、間質性肺疾患の初期症状である息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱などについて説明するとに、症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう伝える必要があります。参考PMDA 使用上の注意改訂情報(令和元年11月15日指示分)ヤンセンファーマ 市販直後調査 アーリーダ錠60mg適正使用に関するお願い~間質性肺疾患のリスクについて~

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第4回 AIが予想する、開発中のCOVID-19ワクチン成功率

1965年に英国の研究者が初めて報告したコロナウイルスは1)、およそ半世紀後のいま、世界で猛威を振るっています。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するワクチン候補の先頭を切るModerna社の開発品mRNA-1273の成功確率はどれほどのものなのか? 人工知能(AI)が出した答えはわずか5%でした2)。なぜそのように低いかというと、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質を標的とするmRNA-1273の成分がこれまでのワクチンにはないメッセンジャーRNA(mRNA)であり、まだ立証されていない技術だからだと解析を実施した情報会社Clarivateの製品リーダーは言っています。AIはほかのCOVID-19ワクチンにも手厳しく、今月初めに第I相試験が始まったInovio社のDNAワクチンINO-4800の成功確率は15%、上手く行ったとしても承認には5.5年を要すると判断しています。ワクチンの主な安全性上の懸念の一つに、意図とは裏腹により感染しやすくしてしまうという、厄介な現象があります。SanofiのデングワクチンDengvaxiaで広く知られるようになったその現象・ADE(antibody dependent enhancement)が、Moderna社やInovio社のSARS-CoV-2スパイクタンパク質標的ワクチンと無縁とは言い切れないことも、それらの成功確率をAIが低く予想していることに影響しているかもしれません。ADEは非中和抗体で促されることが知られており、中和抗体をより生み出すワクチンならADEを回避できる可能性があります。2002~03年に流行したコロナウイルス・SARS-CoV-1のスパイクタンパク質では、受容体結合領域(RBD:receptor-binding domain)に対する抗体の中和活性が強力なことが知られています。そこで、米国フロリダ州のScripps Research Instituteの研究チームはSARS-CoV-2のスパイクタンパク質RBD領域ではどうかを、ラットへの接種で検証しています。結果は期待通りで、ウイルスを認識して細胞感染を防ぐ強力な中和抗体が作られ、ADEを介した感染増強は生じ得ないと示唆されました3)。AIの予想がどうあれ、Moderna社は米国政府機関からの最大4億8,300万ドル(500億円超)の助成を受けてmRNA-1273の開発を急ぎ、現四半期4~6月中に第II相試験を開始し、順調に進めば承認申請前の大詰め試験・第III相試験が今秋にも始まります4)。Moderna社の取り組みが失敗しても、Scripps Researchなどの基礎研究から新たなワクチン候補は次々に誕生するでしょう。Moderna社に続くCOVID-19ワクチンの層も厚く、ノルウェーのオスロを拠点とするCOVID-19ワクチン開発支援組織Coalition for Epidemic Preparedness Innovations (CEPI)によると、4月8日時点で世界で115のCOVID-19ワクチン候補が存在します5)。それらのうち78候補は確かに開発が進んでおり、Moderna社やInovio社に加えて中国企業のワクチン3つが臨床試験段階に至っています。いま世界が直面しているCOVID-19惨禍を終わらせ、将来の新たな流行に備えるために技術や資金を総動員してワクチン開発に取り組む必要がある、とCEPIは言っています。参考1)Tyrrell DA, et al. BMJ.1965 Jun 5;1:1467-70.2)Don't count on a COVID-19 vaccine for at least 5 years, says AI-based forecast / FiercePharma3)Quinlan BD, et al. bioRxiv. April 12, 2020.4)Moderna Announces Award from U.S. Government Agency BARDA for up to $483 Million to Accelerate Development of mRNA Vaccine (mRNA-1273) Against Novel Coronavirus / BUSINESS WIRE5)Thanh Le T, et al. Nat Rev Drug Discov. 2020 Apr 9.

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慢性期統合失調症外来患者の維持治療におけるLAIと経口剤の比較

 台湾・マッカイ医科大学のSu-Chen Fang氏らは、慢性期統合失調症患者の維持療法において、抗精神病薬治療を長時間作用型注射剤(LAI)のみで行った患者と経口薬(PO)のみで行った患者における精神科サービスの利用率の比較を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2020年3月17日号の報告。 2011年の台湾全民健康保険研究データベースより、維持療法を受けた慢性期統合失調症患者のコホートを作成し、12ヵ月間のフォローアップを行った。対象患者は、統合失調症と診断されて3年以上、2011年の入院歴がない、維持療法を1年以上受けていた患者とした。精神科サービスの利用を推定するために、inverse probability of treatment weighting (IPTW法)、ロジスティック回帰モデル、線形回帰モデル、負の二項回帰モデルを使用し、LAI群とPO群の共変量の不均衡を調整した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者4万194例中、LAI群は948例(2.36%)、PO群は3万9,246例(97.64%)であった。・LAI群で、PO群と比較し、有意な差が認められたのは以下の点であった。 ●精神科入院率の低さ(5.8% vs.8.4%、オッズ比:0.63、p<0.01) ●入院日数の短縮(65.9日vs.82.8日、係数b:-16.87、p=0.03) ●救急受診の少なさ(1.8回vs.2.3回、係数b:-0.24、p<0.01) 著者らは「LAIで治療された慢性期統合失調症患者は、POで治療された患者と比較し、再発リスクが低く、精神科サービスの利用率が低かった」としている。

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腫瘍遺伝子変異量(TMB)高値固形がんに対するペムブロリズマブ、FDAに承認申請

 Merck社は、2020年4月7日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブの新たな生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)によって受理され、優先審査項目に指定されたことを発表した。この申請では、治療後に進行し、他に十分な治療選択肢のない、腫瘍遺伝子変異量高値(TMB-High、FDAに承認された検査において10変異/megabase以上)の切除不能または転移を有する固形がんの成人および小児患者に対する単独療法としてペムブロリズマブの迅速承認を目指している。  KEYNOTE-158試験は、固形がんに対するペムブロリズマブ(200mg 3週間ごと)を評価する、多施設共同マルチコホート非ランダム化非盲検試験。組織中のTMBはFoundation Medicine, Inc.のFoundationOne CDxにより測定した。主な有効性評価項目は盲検下の独立中央画像判定機関(BICR)が判定した客観的奏効率(ORR)および奏効期間(DoR)であった。  ペムブロリズマブは2017年に、がん治療薬として初めて、がん種横断的に共通するバイオマーカーに基づいて、マイクロサテライト不安定性(MSI-High)またはミスマッチ修復機能欠損(dMMR)の固形がんを適応症としたFDA承認を取得しており、今回の申請も、2017年のFDA承認の評価資料となった第II相試験KEYNOTE-158の結果などに基づいている。KEYNOTE-158試験におけるTMB-High患者のデータは2019年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表された。

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虚血性脳卒中の血栓除去術前のtenecteplase、至適用量は/JAMA

 脳主幹動脈閉塞を有する虚血性脳卒中患者では、tenecteplaseの0.40mg/kg投与は0.25mg/kgと比較して、血管内血栓除去術施行前の脳血管再灌流の達成を改善しないことが、オーストラリア・メルボルン大学のBruce C.V. Campbell氏らの検討「EXTEND-IA TNK Part 2試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2020年4月7日号に掲載された。EXTEND-IA TNK試験では、tenecteplase 0.25mg/kgによる静脈内血栓溶解療法は、アルテプラーゼに比べ血管内血栓除去術施行前の脳血管再灌流および臨床アウトカムの改善効果が優れると報告されている。一方、tenecteplaseの最も規模の大きい臨床試験「NOR-TEST試験」では、0.40mg/kgはアルテプラーゼに比べ安全性および有効性が優れないことが示され、ガイドラインによって推奨用量が異なる事態が生じているという。至適用量を決定する無作為化試験 研究グループは、虚血性脳卒中患者における、血管内血栓除去術施行前のtenecteplaseの至適用量を明確にする目的で、医師主導型の非盲検無作為化試験を実施した(オーストラリア国立保健医療研究審議会などの助成による)。 対象は、発症後4.5時間以内、CT血管造影で内頸動脈、中大脳動脈、脳底動脈のいずれかの閉塞による虚血性脳卒中が認められる成人患者であった。被験者は、血管内血栓除去術施行前にtenecteplase 0.40mg/kg(上限40mg)または0.25mg/kg(上限25mg)をボーラス投与する群に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、血栓除去術施行前の虚血領域の50%超での再灌流とし、盲検化された2人の神経放射線科医の合意によって評価された。主な副次アウトカムにも有意差はない 2017年12月~2019年7月の期間に、オーストラリアの27施設とニュージーランドの1施設で300例(平均年齢72.7歳、女性141例[47%])が登録され、0.40mg/kg群に150例、0.25mg/kg群にも150例が割り付けられ、全例が試験を完遂した。 虚血領域の50%超の再灌流を達成した患者は、0.40mg/kg群が150例中29例(19.3%)、0.25mg/kg群も150例中29例(19.3%)であり、両群間に有意差は認められなかった(補正前リスク差:0.0%、95%信頼区間[CI]:-8.9~-8.9、補正後リスク比:1.03、95%CI:0.66~1.61、p=0.89)。 次の6つの副次アウトカムにも有意な差はみられなかった。90日の時点での修正Rankinスケール(mRS)のスコア中央値(0.40mg/kg群2点vs.0.25mg/kg群2点)、機能的独立(mRS 0~2点またはベースラインから90日まで変化なし:59% vs.56%)、障害なし(mRS 0~1点:49% vs.49%)、神経障害の実質的な早期改善(NIHSSスコア[0~42点、点数が高いほど神経障害が重度]のベースラインから3日までの8点以上の低下または3日の時点での0~1点の達成:68% vs.62%)、全死因死亡(17% vs.15%)、症候性頭蓋内出血(4.7% vs.1.3%)。 著者は、「0.40mg/kgに、0.25mg/kgを上回る有益性はないと示唆される」としている。

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第4回 COVID-19診療医療機関の具体的な支援策が取りまとめられた

<先週の動き>1.COVID-19診療医療機関の具体的な支援策が取りまとめられた2.地域でのがん患者、透析患者、妊産婦などへの医療提供体制がまとまる3.医療・介護現場で足りないマスク、防護具、消毒薬の対策が進む4.新型コロナウイルスに対する新薬開発状況が明らかに1.COVID-19診療医療機関の具体的な支援策が取りまとめられた新型コロナウイルス感染による重症患者を診療する医療機関に対して、17日に開催された中央社会保険医療協議会 総会(第455回)において、具体的な支援策が打ち出された。中等症・重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の受入れに係る特例的な対応は以下の3点にまとめられている。1)重症COVID-19患者の治療に係る評価体外式心肺補助(ECMO)や人工呼吸器による管理が必要な重症患者などへの対応として、救命救急入院料、特定集中治療室管理料またはハイケアユニット入院医療管理料を算定する病棟において、2倍の点数を算定できる。また、急性血液浄化(腹膜透析を除く)を必要とする状態、急性呼吸窮迫症候群または心筋炎・心筋症のいずれかに該当する患者については21日間、ECMOを必要とする状態の患者については35日間まで、算定日数が延長される。2)患者の重症化等を防ぐための管理および医療従事者の感染リスクを伴う診療の評価中等症以上のCOVID-19患者については、患者の重症化や他患者および医療従事者への感染拡大を防ぐための管理の評価として、救急医療管理加算の2倍相当(1,900点)を算定可能になった。さらに、人員配置に応じて、追加的に二類感染症患者入院診療加算に相当する加算を算定できる。3)受入れに伴い必要な手続き等への柔軟な対応救命救急入院料、特定集中治療室管理料およびハイケアユニット入院医療管理料と同等の人員配置とした病床において、COVID-19患者または本来当該入院料を算定する病床において受け入れるべき患者を受け入れた場合には、運用開始日や人員配置など簡易な報告をした上で、該当する入院料を算定できる。なお、救命救急入院料について、COVID-19患者の受入れなどにより、当該医療機関内の特定集中治療室管理料などを算定する病棟に入院できない場合には、患者の同意を得た上で、入院経路を問わず算定可能。(参考)新型コロナウイルス感染症患者(中等症・重症患者)への診療報酬における対応について(中医協 第455回総会)2.地域でのがん患者、透析患者、妊産婦などへの医療提供体制がまとまる地域で医療提供体制を協議する上で配慮が必要となるがん患者、透析患者、障害児者、妊産婦、小児に係る対応について、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部が、都道府県などに向けて14日付で事務連絡を発出した。がん治療を受けている患者がCOVID-19に罹患した場合には、重症化する可能性を念頭に置き、がん治療を中断し、コロナに対応した医療機関への入院を原則とするなど、細心の注意を要する。日本透析医学会の報告によると、国内の透析患者の感染者数は累計47人だ。全体の死亡率は、8.5%(4/47人)と、基礎疾患のない患者と比較して高率であることも含め、適切な病床の確保などが望まれる。都道府県には、各学会から発出される情報を参考にし、医療機関への周知を行うなどの対応が求められている。(参考)新型コロナウイルス感染症に対応したがん患者・透析患者・障害児者・妊産婦・小児に係る医療提供体制について(厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部)透析患者における累積の新型コロナウイルス感染者数(2020年4月17日)(一般社団法人 日本透析医学会)3.医療・介護現場で足りないマスク、防護具、消毒薬の対策が進む厚生労働省は10日に「N95マスクは滅菌により2回までの再利用等が可能」とする事務連絡を出していたが、現場で増え続ける疑い症例への防護策として必要なマスクや防護具の不足に対して、新たな工夫をして乗り越えようとする動きが見られる。東京都医師会では、COVID-19の流行に伴うマスク不足を受け、「【縫わずに作れる!】簡易マスクの作り方」をホームページで公開している。フェイスシールドについても、100円ショップなどで入手可能なクリアファイルを利用して自作する代用案が動画サイトで共有されるなど、さまざまなアイデアが共有されている。消毒用アルコールについては、13日から若鶴酒造(富山県砺波市)が「砺波野スピリット77%」の発売開始、今月下旬からサントリースピリッツ大阪工場で医療機関等向けにアルコールの提供開始などが発表されており、不足が徐々に解消すると考えられる。また、17日に北里大学大村智記念研究所の片山 和彦教授らの研究グループが発表した「医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について」により、一般の医薬部外品や生活雑貨の中でも、消毒用に使えるものが公開されている。(参考)N95 マスクの例外的取扱いについて(厚労省 事務連絡 令和2年4月10日/4月15日一部追記)消毒アルコール、酒で代替 品不足受け、業者次々参入―行政も柔軟対応・新型コロナ(時事通信)医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について(学校法人 北里研究所)4.新型コロナウイルスに対する新薬開発状況が明らかに第94回 日本感染症学会学術講演会 特別シンポジウム(テーマ:COVID-19シンポジウム -私たちの経験と英知を結集して-)が18日に開かれた。最後の演題「臨床試験の進行状況と新知見」では、藤田医科大学の土井 洋平教授より、国内におけるファビピラビルの治療成績について観察研究の報告がされた。新型コロナウイルス感染患者300例に投与した結果、軽・中等症の患者で約9割、人工呼吸器が必要な重症・重篤患者で約6割に症状の改善が見られた一方、高尿酸血症や肝機能障害といった有害事象が17%で報告されたという。ほかにも、喘息治療に用いる吸入ステロイド薬シクレソニド(商品名:オルべスコ)、抗インフルエンザ薬のファビピラビル(同:アビガン)、エボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬レムデシビル(ギリアド・サイエンシズ)などが挙げられる。また、抗マラリア薬の一つで、新型コロナウイルスの治療薬として期待されるヒドロキシクロロキンについては、ブラジルで行われた治験で81例の被験者のうち11例が死亡し、臨床試験は6日目で中止となった。フランスでも同様の臨床試験に着手したが、副作用と心臓損傷のリスクのため直ちに中止になるなど、当初の期待通りとはいかないものもある。なお、日本感染症学会のCOVID-19シンポジウムについては、NHKチーフ・ディレクター市川 衛氏によるシンポジウム関連ツイートのまとめが掲載されている。(参考)アビガン投与2週間で重症者6割が改善、軽症者では9割…「それぞれの薬に長所と短所」(読売新聞)新型コロナ治療薬、開発急ピッチ 世界で治験650件(日経新聞)日本感染症学会ウェブセミナー COVID-19シンポジウムまとめ(市川衛@医療の「翻訳家」/@mam1kawa)

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エピジェネティック制御薬は心血管疾患の残余リスクを低下させない(解説:佐田政隆氏)-1217

 冠動脈疾患に対する薬物療法の進歩には目を見張るものがあり、患者の長期予後を大きく改善させた。その中でも高用量のストロングスタチンは心血管イベントを3割から4割低下させるという数々のエビデンスが積み重ねられて、現在、標準的治療となっている。しかし、逆にいうと6割から7割の人が至適な薬物療法を行っても心血管イベントを起こしてしまうことになる。これが残余リスクとして非常に問題になっている。 LDLコレステロールを積極的に低下させた後の残余リスクとしては、2型糖尿病、低HDLコレステロール血症、高感度CRPの上昇などが注目されている。高感度CRPが上昇している心筋梗塞患者にインターロイキン-1βの中和抗体が有効であったという衝撃的な報告は記憶に新しい。また、急性心筋梗塞患者に、抗炎症効果のあるコルヒチンの少量投与が有効であったという報告が昨年された。しかし、どちらも現在一般的に使用される治療法とはなっていない。 さて、本研究では、エピジェネティックスに関する薬剤の効果が検討された。細胞の種類や状態によって、どの遺伝子が、どの細胞で、いつ、どのくらい発現するかを制御するシステムがエピジェネティックスである。DNAのメチル化やヒストンのアセチル化、メチル化が、どの遺伝子の転写を促すのか、抑制するのかを制御する。ブロモドメインタンパク質は、“読み取りタンパク質”として転写を活性化して、がんや炎症疾患と関連することが知られている。apabetaloneはブロモドメインタンパク質の選択的な阻害薬であり、動物モデルなどで抗動脈硬化作用が報告されている。本研究では、急性冠症候群で、2型糖尿病、低HDLコレステロール血症を合併した、いわゆる残余リスクが高いと考えられる患者にapabetaloneもしくは偽薬が標準治療に追加投与された。残念ながら、apabetaloneは主要有害心血管イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞または脳卒中)を有意に低下させることができなかった。残余リスクを低下させるために、スタチン導入以来の革新的新薬の開発が期待される。

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第39回 “ポイント”で考える左室肥大【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第39回:“ポイント”で考える左室肥大第37回、38回ではQRS波が増高する「左室高電位」を扱い、“ライオン”やちょっと太めの“男女”、そしてポイント制の“浪費エステ”など謎のワードが登場しました。これは心筋重量がアップした「左室肥大」(LVH)という病態の心電図診断に関係します。ほかの画像検査とは違い、波形で心臓を間接的に描写する心電図を使ってLVHをどのように予測すればいいのでしょうか? 曖昧にされがちなこの問題をDr.ヒロが明快にレクチャーしてみせましょう!【問題1】次のうち、「左室肥大」(LVH)の心電図診断に関係するものを選べ。1)左室低電位2)右房拡大3)ST-T変化(ST低下、陰性T波など)4)右軸偏位5)幅広いQRS波[120ms以上]解答はこちら3)解説はこちらご存じの通り、心電図は本来「不整脈」の診断検査です。エコーやCT、MRIなどの画像検査とは異なり、心臓の形態そのものを描出するわけではありませんね。それなのに「左室肥大」(LVH:left ventricular hypertrophy)は好発する心電図所見であり(個人的にはそこがスゴイと思う)、心電図を学ぶすべての人がおさえるべき異常所見の“代表選手”だと思います。心電図におけるLVHは、主に5つの心電図所見を総合して診断すると良いでしょう。その5つはおおむね選択肢に取り上げた項目です。最も重要なのは、前2回で扱った1)の「左室高電位」と側壁誘導*1を中心として見られる3)の「ST-T変化」の2項目。この2つはほぼ“Must”に近い条件だと思います。後者に関しては、「下行型ST低下」と「陰性T波」の組み合わせから成り、“ストレイン型”(通称:strain-pattern)と呼ばれる所見が代表的でしょうか。そのほかに“状況証拠”的な参考所見も3つほど知られています。一つは「左房拡大」(第26回)で、もう一つは「左軸偏位」(第8回)です。ともにこの“ドキ心”レクチャーでは丁寧に解説しました。選択肢はボクお得意の“左右アベコベ”で、2)も4)も×ということになります。最後の5)はどうでしょう。LVHでは、QRS幅はワイドにはなりません。QRS幅が120ms(3mm)を超える異常は「心室内伝導障害」といい、左右の「脚ブロック」が代表的です。ただし、今回この選択肢5)を入れ込んだ理由は、興味深いことに、真のLVHではQRS幅は“ワイド気味”になることが多いのです。“intrisicoid deflection”という概念が適用されるためで、この辺は次問で詳しく解説します。*1Dr.ヒロ流だと“イチエル・ゴロク”、すなわちI、aVL、V5、V6誘導のこと。時に“ゴロク”が“シゴロ”(V4、V5、V6)になることもある。【問題2】LVH診断に用いるRomhilt-Estesポイントスコア(図1)を踏まえ、次に示す82歳男性の心電図(図2)は何ポイントに該当するか答えよ。(図1)Romhilt-Estes Point Score System画像を拡大する(図2)定期検査の心電図画像を拡大する解答はこちら 9ポイント解説はこちら前回“浪費エステ”としてご紹介したRomhiltとEstesによるLVHスコアリングシステムですが、図1を見てください(英語表記そのままで若干見づらくてすいません)。ど、どうでしょう?…気づきましたか? そうっ! 1問目で解説した事項にほぼ一致しているんです。それでは、心電図(図2)について、それぞれをチェックしてみましょう。1は「左室高電位」、2は「ST-T変化」で、この二つはLVH診断としては王道な2つです。後者は、典型的にはストレイン型と言われるお決まりの形で、“右肩下がり”(下行型)のST部分とR波とはまったく逆向きの陰性T波が組み合わせで認められるものを言います。3はモリス・インデックス(Morris index)と呼ばれる指標に関連し、LVHの主要な診断要件を構成します。4は「左軸偏位」。ただし、ここでは-30°より北西寄り(-90°~-30°)を示しているので、いわゆる“軽度”な左軸偏位では該当しないことにご注意あれ。5と6は横軸、つまりQRS幅に関連する点が共通しています。5はシンプルにQRS幅が“ワイド”(幅広:≧0.12秒)ではないものの、2マスちょっとの“やや幅広”という条件です。6はLVH時の心筋の挙動を反映した条件になっています。LVHでは心筋ボリュームが増えるためか、QRS波の初期成分がダラダラ“もたつく”んです。これを“(delayed) intrinsicoid deflection”と言います。この症例ではさほど顕著ではありません。以上、まとめると、82歳男性の心電図は、1(c)、3、4、5を満たしますから、3+3+2+1=9がRomhilt-Estesポイントスコアになります。“「高い」だけじゃダメなんです”皆さんは、普段どのようにLVHを診断してますか? いわゆる肥大型心筋症のように、絵に描いたような“The・LVHパターン”であれば苦労しないと思います。基本は左室興奮が反映されやすい“イチエル・ゴロク(またはシゴロ)”の誘導で見られる左室パターン波形に着目し、これらの誘導で「左室高電位」が見られることが診断の核となることは言を待ちません。ただ、「左室高電位」だけでイコールLVHとするのは間違えです。前回に扱った“そこのライオン”(Solpkolow-Lyon)や性別でカットオフ値の異なってくる“こなれた男女(は3L)”(Cornell)などの基準をはじめ、到底覚えきれないほど列挙した一覧表を提示しましたが、これをいくつ満たそうがダメです。もちろん、“「左室高電位」なくして「LVH」なし”ですが、それだけではいけません。これらの基準だけでは感度50%くらいで、10~15%くらい偽陽性になってしまうことが知られています1)。『そんなのブツブツ言っていないでエコーを見ればいいじゃない』…みたいなコメントありませんか?そのスタンスは基本的に間違ってはいませんが、今回紹介するRomhilt-Estesポイントスコアの原著2)は1968年の論文、すなわち50年以上前の古典なんです。当時は今と違って心エコーも容易にとれなかった時代、いかに心電図からLVHを予想できるかということが花形だったのではないかと予想します。もちろん、今回取り上げた本スコアを覚えてもらおうなんていう気持ちは毛頭ありませんが、心電図の世界ではLVHを「左室高電位+α」で捉えるんだよという卓越したセンスには脱帽ですし、多少アレンジすることで現代でも十分に適用させることができるのです*2。*2:現在の国内の主要メーカーの心電計でも類似の診断アルゴリズムが採用されている。“実は「~ポイント制」の先があるんです!”では“浪費エステ”スコアの実際の診断項目をドキ心ならではの語呂合わせで説明しましょう。■Romhilt-Estesポイントスコア“覚え書き”■(1):Romhilt-Estes(2):左室高電位(3):ST-T変化(4):QRS波の前半成分“もたつき”[+幅](5):軸偏位[左軸](6):心房負荷[左房拡大]これで4点あったら“たぶん”「LVH」の疑いレベル、5点以上なら“ほぼ間違いなし”の「確定診断」となります。まず、条件の(2)は言わずと知れた「(左室)高電位差」です。採用されている「肢誘導≧20mm」と「V1、V2(S波)≧30mm」ないし「V5、V6(R波)≧30mm」でもいいですし、個人的に言えばS-L indexや余裕があったらCornell基準を参考にしても良いかもしれません(第38回)。これに該当する時は3ポイントとなります。ちなみに、(2)を満たさず、ほかの合計で4~5点となっても「LVH(疑い)」と診断して良いかは悩むところです。(3)の「ST-T変化」は元々次のような「ストレイン型(パターン)」と称される特徴的なST-T変化がYESなら3ポイントです。ちなみに使用量が減少傾向のジギタリス製剤を服用していたら1ポイントに留めます。これは有名な「ジギタリス効果」で既存のST-T部分に影響を及ぼすためです。(図3)“ストレイン型”[ventricular strain]とは?画像を拡大する“strain”というのは、単語としてはわれわれにあまり馴染みがありませんが、“(血行動態的に)負荷が強まった”というのが原義3)のようです。言葉の意味もそうですが、この「ストレイン型(パターン)」を正確に理解している人はあまりいない気がします。基本的には「下行型ST低下」と「陰性T波」からなるのですが、実は(図3)で示したように、QRS波の切れ目(J点)から“ちょっと上がって”上に凸のST部分(A)を形成して、“ゆっくり・右肩下がり”に下降して最後は“急激に”基線まで戻る(B)のです。ゆっくり下って急いで戻るため、陰性T波は「左右非対称」となります。そんな細かいこと言われても覚えられないという人!…「2が寝そべっている感じ」と覚えてください。ボクはこれに気づいて以来、「typical ventricular strain」と呼ばれるこの形状を二度と忘れなくなりました*3。*3:日本語・英語や教科書・論文を含めて、“傾いた2”でイメージするやり方は“世界初”と自分では思っています。しかしながら、実際の心電図では“ちょい上がり”せずに「水平型」ないしは「下行型」ST低下となるパターンを多く見かけます(亜型:atypical)。ですから、実際は「typical」か「atypical」か、そもそも「strain」という言葉まで誤解されがちなので使うのやめましょうという欧米諸学会のリコメンデーション4)に従っておくことをオススメします。ただ、「二次性ST-T変化」という味気ない表現にも多少の不満がないわけでもなく、この辺うまく立ち回ればいいでしょう。なお、実臨床ではこのように綺麗なストレイン型ばかりではなく、さまざまな「ST-T変化」が認められます。ですが、最低でも「ST低下」と「陰性T波」でなければ「LVH」を反映する変化としてとらえるのは控えるべきだと思います。“残りの付随条件も押さえておこう”「(左室)高電位」と「ST-T変化」は“MUST”に近い条件ですが、ほかの所見も拾えると診断精度が高まるでしょう。(5)の「左軸偏位」は肥大化した左室が右室を自分側に“引っ張っている”イメージです。ただし、「右室肥大」で高率に「右軸偏位」が認められるほど特異的ではありません(そのため1ポイントなのでしょう)。(6)は「心房拡大」のことで、「LVH」の影響を受けるのは当然“左房”です。浪費エステ基準ではV1誘導の後半成分に着目した「Morris index」だけが採用されていますが、ボクは「mitral P」と呼ばれるII誘導などで見られるワイドな“2コブ”(しかも前半<後半)の有無などにも注意するよう心がけています(図2はこれに該当)。注目すべきは「左房拡大」がほかの付随条件よりも“ワンランク上”の3ポイントな点で、血行動態を直接反映しているからだと認識し、これがYESだと「LVH」の可能性がグンとアップします。最後の(4)だけ少し複雑です。前述のように、エッセンスは電気シグナルが行き渡って興奮(脱分極)するのに時間がかかり、“前半もたつく”ため、結局QRS幅が“ややワイド”になるというものです。Romhilt&Estesの時代は今のようなコンピュータ心電計ではなかったため、当初「0.09秒」とされたカットオフ値は「0.10~0.11秒」がベターとされています4)。これも細かな値がどうかではなく、明らかにワイド(≧0.12秒)に近い“ワイド気味”だという認識で良く、その観点で心電図(図3)は本条件に合致します。そして最後の最後になりましたが、「前半」の“もたつき”を表す「intrinsicoid deflection」の部分です。意味としては、「心内膜側から心外膜側に興奮伝搬することで生じる初期成分(振れ)」のようなことらしいのですが、(ボクも含めて)常人の理解域を超えていますね(泣)。■Intrinsicoid deflectionとは?■QRS波の前半成分:はじまり(q/R波)から頂点(ピーク)までの時間※「R(-wave) peak time」や「ventricular activation time(VAT)」と同義。個人的には、学生時代に心電図を教えてくれた教官(第24回)が「ventricular activation time(VAT)」と強調しており、これないし「R(-wave) peak time」という別の表現のほうが望ましいとボクは思います。要はこれが「delayする」、つまり“もたつく”ってことですよね。なのに、あえて「intrinsicoid deflection」なんていうワードを使ったのぉ~と、ポイントシステムに感嘆しつつも恨めしく思います(笑)。QRS幅の条件を「0.10秒以上」と焼き直せば、前半成分はその“半分”として「0.05秒以上」ととらえて良いと思います。なぜに1ポイントずつ2つに分けたのか、先人に尋ねてみたいとも思います。今回の症例はたしかに“前半基準”には該当しませんね。“Dr.ヒロの考える現実的な対応”今回はLVHの心電図について扱いましたが、いかがだったでしょうか。現在の心電計にはRomhilt-Estes基準がそのまま使われているわけではありません。年齢や性別の考慮だけでなく、非常にたくさんの「左室高電位」基準も網羅されていると思って良いでしょう。これはコンピュータによる自動診断技術の向上に伴う“勝利”です。同じことをわれわれ人間がしようと思っても土台無理ですから、現実的な対応(私見)を述べてレクチャーを終えたいと思います。(図4)心電図によるLVHの診断との向き合い方画像を拡大する心電図による心形態診断には限界があるのは事実ですが、何でも心エコーで確認しようとする人には“哲学”を感じません(時に心電図をとる前にエコー検査している例を目にします)。何事も“順番”がありますし、心電図が“オマケ”として発してくれる情報を適切にキャッチし、コンピュータ技術の進歩に感謝しつつ“天の声”も聞くクセをつける―細かな数値や語呂合わせを丸暗記しなくとも、偉大なる先人の知恵を活かしてゆくのが現代のすぐれた医師(“できドク”)の診断スタイルだなぁと思っています。さぁ次の1枚から今回解説した内容に気をつけてみましょう。きっと“何か”が変わるはずですよ!Take-home Message「左室肥大」(LVH)の診断の肝は「左室高電位」と「ST-T変化」(代表的には「ストレイン型」)付随所見にも気を配って“総合的”な診断を心がけよ。自動診断結果にも(最後に)必ず目を通すべし。1)Romhilt DW, et al. Circulation. 1969;40:185-195.2)Romhilt DW, et al. Am Heart J. 1968;75:752-758.3)Kaplan LG, et al. Am J Med Sci. 1941;201:676–693.4)Hancock EW, et al. Circulation. 2009;119.[Epub ahead of print]【古都のこと~伏見桃山城】皆さんは、豊臣 秀吉のお城と言ったらどこを思い浮かべますか? おそらく多くの方は「大阪城」とお答えになるでしょう。もちろん、それで正解です。ただ、京都にもあり、ボクが今回ご紹介したいのは「伏見城」です。二条城と並んで京都で「~城」とくれば思い出されます。伏見城は秀吉・家康により計3度築城されています。もとは朝鮮出兵(文禄の役)あたりに建造された指月(しづき・しげつ)伏見城ですが、これは慶長伏見地震(1596年:文禄5年)により倒壊したとされています*1。その後、近くの木幡山にわずか数ヵ月の“突貫工事”で再築されたのが木幡山伏見城(豊臣期)です。秀吉亡き後は徳川家康も居したとされますが、ここも“天下分け目”の関ヶ原の戦いで落城します。天下を取った家康により伏見城は再建*2され、二条城への城郭集約に伴って1619年(元和5年)に廃城されるまでが木幡山伏見城(徳川期)と呼ばれています。この地には桃の木が植えられ、いつしか(伏見)桃山城とも呼ばれるようになりました。このようなリアル“scrap and build”の歴史を辿った城址付近は現在、伏見桃山城運動公園として整備され、「洛中洛外図」を参考に作られた模擬天守が建てられています。「コロナ騒動」が終わりを迎え、京都・伏見を訪れる際には、ぜひ一度“歴史”を感じながら見て欲しい―。伏見城はそんなシンボル*3だと思います。*1:長らく“幻の城”とされていたが、2009年に確実な遺構が発見され、その後も発掘調査が行われている。*2:築城技術に長けた藤堂高虎に普請奉行を命じ、天下普請として再建され、家康は同城にて征夷大将軍の宣下を受けた。*3:残念ながら、耐震構造上の問題から天守閣に上ることはできない。

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デエビゴ:不眠症治療に新たな選択肢

オレキシン受容体拮抗薬「デエビゴ」不眠症治療薬「デエビゴ(一般名:レンボレキサント)」が、2020年1月、製造販売承認を取得した。デエビゴは、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗薬である。その名の由来はDay(日中)+Vigor(活力)+Go(ready to go)だ。夜間の睡眠だけでなく日中の機能を改善し、活動的に過ごせるように、との想いが込められている。日本の不眠症治療の課題これまで不眠症治療においては、睡眠薬の長期服用による依存や乱用が問題となっていた1)。また日本人は睡眠薬に対する不安が強く、「依存性がありやめられなくなる」というイメージを持つ人も多い1)。しかし、一部の患者では不眠が慢性化し、睡眠薬の長期服用が必要になることもある。こうした背景から、より副作用のリスクを減らした睡眠薬の開発が進み、今回新たな選択肢としてデエビゴが加わった。医師、患者の両者が有効性を実感デエビゴについて、2つのピボタル臨床第III相試験(SUNRISE 1試験、SUNRISE 2試験)が実施されている。SUNRISE 1試験は、55歳以上の不眠症患者1,006例を対象に、デエビゴ(5mg、10mg)を1ヵ月間投与した際の有効性および安全性をゾルピデム酒石酸塩徐放性製剤(ゾルピデムER 6.25mg[国内未承認])と比較した、プラセボ対照試験だ。主要評価項目である睡眠潜時などについて、睡眠ポリグラフ検査法を用いて客観評価した。睡眠潜時について、ベースラインからの変化量のプラセボ群との比は、デエビゴ5mg群で0.773(p=0.0003)、10mg群で0.723(p<0.0001)であり、プラセボ群と比較して有意な短縮が認められた。また、ベースラインからの変化量のゾルピデムER群との比は、デエビゴ5mg群で0.634(p<0.0001)、10mg群で0.594(p<0.0001)であり、ゾルピデムER群との比較でも有意な短縮が認められた。SUNRISE 2試験は、18~88歳の不眠症患者949例を対象にデエビゴ(5mg、10mg)を6ヵ月間投与し、長期の有効性および安全性を評価したプラセボ対照試験である。主要評価項目である睡眠潜時などについて、電子睡眠日誌を用いて患者の主観評価による検討を行った。投与6ヵ月時における睡眠潜時のベースラインからの変化量のプラセボ群との比は、デエビゴ5mg群では0.732(p<0.0001)、10mg群では0.701(p<0.0001)であり、プラセボ群と比較して有意な短縮が認められた。2つの試験から、デエビゴは客観評価と主観評価、すなわち睡眠ポリグラフ検査法による評価と患者による評価の両方において、有効性が示された。また、ゾルピデムERとの比較で有意差が認められこともポイントだ。なおデエビゴ投与による副作用は、傾眠、頭痛、倦怠感などが報告されている。デエビゴへの期待不眠症治療においては、睡眠薬を可能な限り減薬・休薬していくことが求められる1)。また、夜間の不眠症状の消退だけでなく、良眠によって日中の機能を改善することも重要だ。デエビゴはその両者の改善に寄与し、休薬後の離脱症状や反跳性不眠も臨床試験で認められていないことから、不眠症治療のゴールである減薬・休薬も目指せると期待したい。また、デエビゴは軽度・中等度アルツハイマー型認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(ISWRD)に関しても開発が進められている。現在ISWRDを適応症とする睡眠薬は承認されておらず、デエビゴが承認されれば世界初となる可能性が高い。1)厚生労働科学研究・障害者対策総合研究事業「睡眠薬の適正使用及び減量・中止のための診療ガイドラインに関する研究班」および日本睡眠学会・睡眠薬使用ガイドライン作成ワーキンググループ編. 睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン-出口を見据えた不眠医療マニュアル- 改訂版. 2013.

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3次治療以降のNSCLCに対するデュルバルマブ+tremelimumabの成績(ARCTIC)/Ann Oncol

 3次治療以降の転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、デュルバルマブ+tremelimumabと標準治療(SoC)を評価した第III無作為化非盲検試験ARCTICの結果がAnnals of Oncology誌2020年2月20日オンライン版で発表された。 ARCTICは試験AおよびBの2つの独立した研究で構成されている。[試験A]・対象:PD-L1発現(TC≧25%)の転移のあるNSCLC患者126例・試験群:デュルバルマブ(10mg/kg 2週ごと最大12ヵ月)・対照群:SoC[試験B]・対象:PD-L1( TC<25%)の転移のあるNSCLC患者469例・試験群1:デュルバルマブ+tremelimumab(デュルバルマブ20mg/kg+tremelimumab 1mg/kg 4週ごと12週間の後、デュルバルマブ10mg/kg 2週ごと34週間)・試験群2:デュルバルマブ(10mg/kg 2週ごと最大12ヵ月)またはtremelimumab(10mg/kg 4週ごと24週の後、12週ごと24週間)・対照群:SoC[評価項目]全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)(試験Aではデュルバルマブ対SoC、試験Bではデュルバルマブ+tremelimumab対SoC)  主な結果は以下のとおり。[試験A]・OS中央値は、デュルバルマブ群11.7ヵ月、SoC群は6.8ヵ月であった(HR:0.63、95%CI:0.42~0.93)。・PFS中央値は、デュルバルマブ群3.8、SoC群2.2ヵ月であった(HR:0.71、95%CI:0.49~1.04)。・Grade3/4の治療関連有害事象(TRAE)発現はデュルバルマブ群9.7%、SoC群44.4%であった。[試験B]・OS中央値は、デュルバルマブ+tremelimumab群11.5ヵ月、SoC群8.7ヵ月であった(HR:0.80、95%CI:0.61~1.05、p=0.109)。・PFS中央値は両群とも3.5ヵ月であった(HR:0.77、95%CI:0.59~1.01、p=0.056)。・Grade3/4のTRAE発現は、デュルバルマブ群9.7%、デュルバルマブ+tremelimumab群22.0%、SoC群36.4% であった。

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がん患者の脳卒中リスクに化学療法は影響するか

 化学療法はがん関連脳卒中の原因となる可能性があるが、脳卒中リスクを高めるかどうかは不明である。今回、大阪大学の北野 貴也氏らが脳卒中リスクへの化学療法の影響を調べたところ、化学療法を受けたがん患者の脳卒中リスク上昇はがんの進行が原因と考えられ、化学療法と脳卒中リスク増加は関連していないことが示唆された。Thrombosis and Haemostasis誌2020年4月号に掲載。 著者らは、2007~15年にスクリーニングされた病院ベースのがんレジストリ(大阪大学病院でがんの治療を受けた全患者の臨床データを含む)における2万7,932例のうち、データが揃っている1万9,006例の診療記録を調査した。検証済みのアルゴリズムを使用し、がんの診断から2年以内の脳卒中イベントを同定した。最初の治療計画における化学療法の有無により患者を分け、カプランマイヤー法と層別Cox回帰モデルを用いて化学療法と脳卒中との関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・1万9,006例のうち化学療法群は5,887例(31%)であった。・脳卒中は化学療法群44例(0.75%)および非化学療法群51例(0.39%)で発生した。・カプランマイヤー曲線では、化学療法群が非化学療法群よりも脳卒中リスクが高かった(ハザード比[HR]:1.84、95%信頼区間[CI]:1.23~2.75)が、がんの病期を調整するとこの差は有意ではなくなった(HR:1.20、95%CI:0.76~1.91)。・層別Cox回帰モデルでも、がんの病期を調整すると化学療法と脳卒中に関連がみられなかった(HR:1.26、95%CI:0.78~2.03)。

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アルツハイマー病とレビー小体型認知症の入院リスク

 認知症患者の入院リスクは高いことが知られているが、このことに認知症の種類による違いがあるのかは、あまりわかっていない。ノルウェー・スタヴァンゲル大学病院のRagnhild Oesterhus氏らは、アルツハイマー病(AD)患者とレビー小体型認知症(LBD)患者で入院に違いがあるのかを調査し、その入院率について年齢をマッチさせた一般集団との比較を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2020年3月5日号の報告。 対象は、軽度のAD(110例)またはLBD(91例)と最近診断された外来診療所受診患者(年齢:75.7±7.4歳)。対象患者には、診断後5年間または死亡までフォローアップが行われた。研究のアウトカムは、診断後の初回入院までの期間、入院回数、総入院日数、在院期間とした。年齢標準化入院率を算出した。初回入院までの期間の分析には、競合リスク回帰モデルを用い、入院回数と入院日数の違いの分析には、負の二項回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者の入院率は77%以上であり、多くは予定外の入院であった。・LBD患者で、AD患者と比較し、有意な差が認められたのは以下の点であった。 ●初回入院までの期間の短さ(中央値:1.28年[95%CI:0.93~1.67]vs.2.32年[95%CI:1.74~3.31]) ●予定外の入院日数の多さ(中央値:7日[IQR:2~26]vs.2日[IQR:0~11]) 著者らは「LBD患者は、AD患者よりも初回入院までの期間が短く、入院率が高いことが示唆された。このことは、患者やその家族、医療システムに大きな負荷をかけることから、認知症患者の入院については、さらなる情報が必要とされる。今後の研究において、入院を回避するための予防可能な戦略の調査が求められる」としている。

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安定冠動脈疾患、侵襲的戦略と保存的戦略に有意差なし/NEJM

 中等度~重度の虚血を有する安定冠動脈疾患患者の初回治療では、侵襲的介入+薬物療法と薬物療法単独のアウトカムの違いは明確でないという。米国・スタンフォード大学のDavid J. Maron氏らは、5,000例以上の安定冠動脈疾患患者を対象とする国際的な臨床試験「ISCHEMIA試験」で、侵襲的戦略は保存的戦略に比べ、虚血性冠動脈イベントや全死因死亡のリスクを抑制しないことを示した。研究の詳細は、NEJM誌2020年4月9日号に掲載された。安定冠動脈疾患5,179例を侵襲的戦略群と保存的戦略群に割り付け 本研究は、日本を含む37ヵ国320施設が参加した無作為化試験であり、2012年7月~2018年1月の期間に患者登録が行われた(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成による)。 中等度~重度の虚血を有する安定冠動脈疾患患者が、侵襲的戦略(血管造影、実行可能な場合は血行再建術を行う)+薬物療法を受ける群、または保存的戦略(薬物療法単独、薬物療法が無効な場合は血管造影を行う)を受ける群に、無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、心血管死、心筋梗塞、不安定狭心症または心不全による入院、心停止からの蘇生の複合であった。主な副次アウトカムは、心血管死と心筋梗塞の複合だった。 安定冠動脈疾患5,179例が登録され、侵襲的戦略群に2,588例、保存的戦略群には2,591例が割り付けられた。全体の年齢中央値は64歳(IQR:58~70)、男性が77.4%(4,011例)であった。ベースラインの患者背景因子は両群でバランスがよく取れており、リスク因子のコントロールや薬物療法の状況も類似していた。LDLコレステロール値は、ベースラインが83mg/dLで、最終受診時は64mg/dLだった。 侵襲的戦略群では、96%で血管造影が施行され、79%が血行再建術を受けた(PCI例74%、CABG例26%)。保存的戦略群では、26%で血管造影が行われ、21%が血行再建術を受けた。再施行を含め、侵襲的手技の総数は、侵襲的戦略群が5,337件、保存的戦略群は1,506件だった。安定冠動脈疾患患者において侵襲的戦略は保存的戦略に比べ虚血性冠動脈イベントや全死因死亡リスクを抑制しない 追跡期間中央値3.2年の時点で、安定冠動脈疾患患者の主要アウトカムのイベントは、侵襲的戦略群で318件、保存的戦略群では352件が発生した。事前に規定された共変量で補正したCoxモデル解析では、侵襲的戦略群の保存的戦略群に対するハザード比(HR)は0.93(95%信頼区間[CI]:0.80~1.08、p=0.34)であった。 また、6ヵ月の時点での主要アウトカムの推定累積イベント発生率は、侵襲的戦略群が5.3%、保存的戦略群は3.4%(群間差:1.9ポイント、95%CI:0.8~3.0)であり、5年時はそれぞれ16.4%および18.2%であった(-1.8、-4.7~1.0)。 安定冠動脈疾患患者の主な副次アウトカム(イベント数276例vs.314例)、全死因死亡(145例vs.144例、HR:1.05、95%CI:0.83~1.32)、心筋梗塞(210例vs.233例)のイベント発生にも、両群間に有意な差は認められなかった。 著者は、「これらの知見は、使用された心筋梗塞の定義への感受性が高く、侵襲的戦略群では手技関連の心筋梗塞が多く、非手技関連の心筋梗塞は少なかった」としている。

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米国でC. difficile感染症の負担低減/NEJM

 米国の全国的なClostridioides difficile感染症と関連入院の負担は、2011年から2017年にかけて減少しており、これは主に医療関連感染(health care-associated infections)の低下によることが、米国疾病管理予防センター(CDC)のAlice Y. Guh氏ら新興感染症プログラム(EIP)Clostridioides difficile感染症作業部会の調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2020年4月2日号に掲載された。米国では、C. difficile感染症の予防への取り組みが、医療領域全般で拡大し続けているが、これらの取り組みがC. difficile感染症の全国的な負担を低減しているかは不明とされる。10州で、発生、再発、入院、院内死亡の負担を評価 研究グループは、米国におけるC. difficile感染症の抑制の全国的な進捗状況を評価するために、EIPのデータを用いて、2011年から2017年までのC. difficile感染症の負担と発生率の推定値および関連アウトカムの全国的な動向について検討した(米国CDCの助成による)。 C. difficile感染症のEIPでは、2017年、米国の10州35郡で1,200万人以上の調査を行い、このうち34郡が2011年以降の調査に参加した。 C. difficile感染症は、「1歳以上で、過去8週間に検査でC. difficile陽性がなく、便検体でC. difficileが陽性」と定義された。症例と国勢調査のサンプリングの重みを用いて、2011~17年の米国におけるC. difficile感染症の発生、初回再発、入院、院内死亡の負担を推定した。 医療関連感染は、医療施設で発症した症例、または最近の医療施設への入院に関連する症例と定義し、それ以外はすべて市中感染に分類した。動向分析では、負の二項分布による重み付け変量切片モデルとロジスティック回帰モデルを用いて、他検査より高い核酸増幅検査(NAAT)の感度を補正した。医療関連C. difficile感染症が年間6%低下、市中感染は変化なし NAATで診断されたC. difficile感染症の割合は、2011年の55%から2016年には84%まで増加し、2017年には83%に低下した。また、米国の10ヵ所のEIP施設におけるC. difficile感染症の症例数は、2011年が1万5,461件(10万人当たり140.92件、医療関連感染1万177件、市中感染5,284件)、2017年は1万5,512件(130.28件、7,973件、7,539件)であった。 NAAT使用の補正をしない全国的なC. difficile感染症の負担の推定値は、2011年が47万6,400件(95%信頼区間[CI]:41万9,900~53万2,900)で、これは10万人当たり154.9件(95%CI:136.5~173.3)であり、2017年は46万2,100件(42万8,600~49万5,600)で、10万人当たり143.6件(133.2~154.0)だった。 NAATの使用を考慮したC. difficile感染症の総負担の補正後推定値は、年間-4%(95%CI:-1~-6)変化し、2011年から2017年までに24%(6~36)減少した。このうち、医療関連C. difficile感染症は年間-6%(-4~-9)変化し、2011年から2017年までに36%(24~54)低下したのに対し、市中C. difficile感染症には変化が認められなかった(0%、-2~3)。 NAAT使用率を55%とすると、C. difficile感染症の初回再発と院内死亡の負担の補正後推定値には有意な変化はみられなかった。これに対し、C. difficile感染症による入院の負担の補正後推定値は、年間-4%(95%CI:-8~0)変化し、2011年から2017年までに24%(0~48)減少しており、医療関連感染の入院負担は年間-5%(-1~-9)変化したが、市中感染には有意な変化はなかった。 著者は、「CDCは、感染予防の実践や、医療領域全般における抗菌薬使用の改善に資する施策を進めている。また、1次予防におけるワクチン開発や腸内微生物叢などの革新的戦略の探索は、今後、C. difficile感染症の負担削減をもたらす可能性がある」としている。

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新型コロナ、病棟の床や靴底、患者から4mの空気からも検出

 病棟における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の分布について、中国・武漢のCOVID-19専門病院である火神山医院の空気と環境表面のサンプルを調査したところ、SARS-CoV-2は、床、コンピュータのマウス、ゴミ箱、ベッドの手すり、靴底など広く分布し、患者から約4m離れた空気からも検出された。Academy of Military Medical Sciences(北京)のZhen-Dong Guo氏らが、Emerging Infectious Diseases誌オンライン版2020年4月10日号で報告した。 著者らは、2020年2月19日~3月2日、火神山医院の集中治療室(ICU)とCOVID-19一般病棟(GW)における環境表面と空気のサンプルを検査した。ICUは重症患者15例、GWは軽症患者24例を収容した。床、マウス、ゴミ箱、ベッドの手すり、患者用マスク、個人用防護具(PPE)、排気口のサンプルは湿らせた無菌スワブで採取し、空気のサンプルはSASS 2300 Wetted Wall Cyclone Samplerで採取した。計425サンプルをRT-PCRを用いて検査した。 主な結果は以下のとおり。・陽性の割合はGW(7.9%)よりICU(43.5%)で大幅に高かった。・床のサンプルの陽性率は比較的高く(ICU:70%、GW:15.4%)、患者がいない薬局の床のサンプルの陽性率が100%であった。さらに、ICUの医療スタッフの靴底のサンプルの半数が陽性であった。・陽性の割合は、医療スタッフや患者が触る表面も比較的高く、最高はマウス(ICU:75%、GW:20%)、次いでゴミ箱(ICU:60%、GW:0%)、病床の手すり(ICU:42.9%、GW:0%)、ドアノブ(GW:8.3%)であった。・医療スタッフの袖口と手袋のサンプルは、散発的な陽性結果が得られた。・ICUおよびGWの隔離病棟での空気サンプルは35%が陽性だった。サンプリング場所別の陽性率は、吹き出し口付近が35.7%、病室が44.4%、医師のオフィスエリアが12.5%であった。・GW内のSARS-CoV-2エアロゾルの分布から、SARS-CoV-2の最大伝播距離は4mに達する可能性が示唆された。 本調査から、SARS-CoV-2はICUとGWともに空気中および環境表面に広く分布し、医療スタッフに潜在的に高い感染リスクがあり、また、環境汚染はGWよりもICUで多く、ICUの医療スタッフについてはより厳しい対策が必要なことが示唆された。 著者らは、「3月30日時点で、病院のスタッフはSARS-CoV-2に感染しておらず、適切な予防策で効果的に感染を防ぐことが可能で、COVID-19疑い例の自宅での隔離は適切な管理戦略ではない可能性がある」と述べている。

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