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CDK4/6i治療歴のあるHR+/HER2-進行乳がん、alpelisib併用が有効性示す(BYLieve)/ASCO2020

 CDK4/6阻害薬を含む治療歴のあるホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)進行乳がんに対し、α特異的PI3K阻害薬alpelisibとフルベストラントの併用療法が、臨床的有効性を示した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)包括的がんセンターのHope S. Rugo氏が第II相BYLieve試験の結果を発表した。・対象:CDK4/6阻害薬を含む治療後に増悪した、PIK3CA遺伝子変異陽性、ECOG PS≦2、測定可能病変あるいは溶骨性病変を有する、男性あるいは女性(閉経後/閉経前)のHR+/HER2-進行乳がん患者 ・試験群(コホートA):直前の治療としてCDK4/6阻害薬+アロマターゼ阻害薬(AI)の投薬を受けた患者 alpelisib 300mg/日+フルベストラント500mgを1サイクル28日でDay1に投与(1サイクル目のみDay1、15)※BYLieve試験ではコホートB(直前の治療がCDK4/6阻害薬+フルベストラントの患者、alpelisib+レトロゾールを投与)およびコホートC(AIで増悪後全身化学療法を受けた患者または直前の治療が内分泌療法だった患者、alpelisib+フルベストラントを投与)についても登録中。今回はコホートAの結果について発表された。・評価項目:[主要評価項目]RECISTv1.1に基づく6ヵ月時点の各コホートでの無増悪生存率[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、PFS2、全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、クリニカルベネフィット率(CBR)、奏効期間(DOR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・2017年8月14日~2019年12月17日に、少なくとも6ヵ月以上の追跡期間のある患者127例がコホートAに登録された(追跡期間中央値は11.7ヵ月)。このうち、PIK3CA遺伝子変異陽性が確認された121例が解析対象とされた。・ベースライン特性は女性が100%、年齢中央値は58歳(範囲:33~83)。白色人種63.8%、アジア人種9.4%、黒色人種4.7%。ECOG PS 0が62.2%であった。・転移病変に対する治療歴数0(術後療法としてCDK4/6阻害薬を投与)が11.8%、1が70.1%、2が16.5%、3が1.6%。転移病変に対する内分泌療法歴数0が11.8%、1が77.2%、2が11.0%であった。・試験登録時のprimary endocrine resistance(転移・再発乳がんに対する一次内分泌療法を開始して6ヵ月以内にPD、または術後内分泌療法を開始して2年以内の再発)症例が20.5%を占めていた。・6ヵ月時点の無増悪生存率は50.4%(95%信頼区間[CI]:41.2~59.6)となり、あらかじめ設定された95%信頼区間の下限(>30%)を超え、臨床的有効性が示された。・PFS中央値は7.3ヵ月(95%CI:5.6~8.3)であった。・ORRは17.4%、CBRは45.5%。CRは0例、PRは21例、SDは55例であった。・Grade 3以上の有害事象は、高血糖28.3%、発疹9.4%、下痢5.5%など。有害事象による治療中止は20.5%で起き、治療中止につながった有害事象で最も多かったのは皮疹であった(3.9%)。・抗ヒスタミン薬を事前に投与されなかった患者(117例)で皮疹が発生しなかったのは53.0%だったのに対し、事前に投与された患者(10例)では70.0%で発生せず、またGrade 3以上の皮疹の発生率も低かった(21.4% vs.10.0%)。同様の傾向がSOLAR-1試験でも観察され、予防的抗ヒスタミン剤が皮疹の発生と重症度を低下させる可能性があることが示唆された。・米国Flatiron Health Foundation Medicineのデータベースを利用した、リアルワールドデータとのマッチド解析の結果、リアルワールドでの標準治療と比較して、コホートAの治療法はPFSを改善した。 SOLAR-1試験において、CDK4/6阻害薬による治療歴のあった少数のサブグループでは、alpelisib併用群で6ヵ月時点の無増悪生存率は44.4%、PFS中央値は5.5ヵ月であった。研究者らは、今回のBYLieve試験からの報告はSOLAR-1試験の結果をサポートするもので、CDK4/6阻害薬治療後のalpelisibとフルベストラントの併用療法が、臨床的に意味のある有効性と管理可能な毒性を示したとまとめている。

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HER2+胃・胃食道接合部腺がん患者におけるトラスツズマブ デルクステカン(DESTINY-Gastric01)/ASCO2020

 HER2高発現の胃・胃食道接合部(GEJ)腺がんにおける抗HER2抗体複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)のオープンラベル多施設無作為化第II相試験DESTINY-Gastric01の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、国立がん研究センター東病院の設樂 紘平氏により発表された。今回はHER2陽性(IHC 3+またはIHC 2+/IS+)で、トラスツズマブを含むレジメンで進行したプライマリコホートの報告。・対象:2ライン以上の前治療歴があるHER2陽性(IHC 3+またはIHC 2+/IS+)胃/GEJ腺がん・試験薬:T-DXd 6.4mg/kg 3週ごと(T-Dxd群)・対照薬:医師選択による化学療法(イリノテカンまたはパクリタキセル)(PC群)・評価項目:[主要評価項目]独立中央委員会(ICR)評価による奏効率(ORR)[副次評価項目]全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、ICR評価の確定ORR(4週間持続)、奏効期間(DoR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・全66施設(日本48、韓国18)から患者187例が登録され、T-DXd群(n=125)またはPC群(n=62)に2:1に無作為に割り付けされた。・前治療レジメン数中央値は2、86%がタキサン、72%がラムシルマブ、33%がPD-(L)1阻害薬の治療を受けていた。・データカットオフ時の治療継続は、T-DXd群22.4%、PC群の4.8%であった。・ORRは、T-DXd群51.3%、PC群は14.3%と、有意にT-DXd群で高かった(p<0.0001)。・確定ORRは、T-DXd群42.9%、PC群は12.5%であった。・DCRは、T-DXd群82.5%に対し、PC群62.5%であった(P=0.0005)、DoR中央値は、T-DXd群11.3ヵ月に対し、PC群3.9ヵ月であった。・OS中央値は、T-DXd群12.5ヵ月に対し、PC群8.4ヵ月と、T-DXd群で有意に延長した(HR:0.59、95%CI:0.39〜0.88、p=0.0097)。・PFS中央値は、T-DXd群5.6ヵ月に対し、PC群3.5ヵ月であった(HR:0.47、95%CI:0.31〜0.71)。・両群で一般的なGrade3以上の有害事象(AE)は、好中球減少、貧血、および白血球数減少であり、T-DXd群でより頻度が多かった。薬物関連死亡は、肺炎による1件がT-DXd群で発現した。T-DXdによるILDは9.6%に発現し、内訳はGrade1 3例、Grade2 6例、Grade3 2例、Grade4 1例、Grade5なし、であった。

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新型コロナ、医療者のメンタルヘルスをどう守る?/日本精神神経学会提言と会員アンケート

 日本精神神経学会は、新型コロナウイルス感染症に関連し、学会員を主な対象としたメンタルヘルス関連の提言を行っている。これまでに出された提言は以下の3つ。1)親子・学校・女性のメンタルヘルスのサポート役割を担う学会員向け2)働く人のメンタルヘルスケアや産業保健体制に関する提言3)「コロナ関連自殺」予防について 精神科・心療内科を専門とする学会員に向け、新型コロナウイルス感染症がメンタルヘルスにおよぼす影響や、診療にあたっての注意点をまとめている。産業医として企業に対して感染予防対策や新しい働き方に関連するアドバイスをする際に役立つ内容も多い。「メンタルヘルスの専門家として今知っておくべきこと」を中心にまとめられているが、提言には「医療者自身のメンタルヘルスをいかに保つか」という内容も多く含まれている。 2)の提言内では「特に医療や介護現場などではメンタルヘルス不調の発生が強く危惧される」とし、個人防護服(PPE)を着たままの診療による身体的疲労や緊張の継続による精神的疲労の双方が懸念され、さらに新型コロナの専門病棟ではこれら疲労に加え、対応人員不足やPPE不足などへの危惧が継続的に発生している、と指摘。「当初は責任感や緊張感から普通に勤務できているように見えていても、対応期間が長引くにしたがい心身の疲弊症状として、抑うつ症状などの精神症状や不眠や頭痛などの身体化症状が顕在化」する、と警告している。こうしたメンタルヘルス不調を念頭に置いた産業保健活動が求められるが、そうした体制の確立が難しい小規模事業者などに対しては、早期から行政が介入・支援することが必要だ、と訴えている。 3)の提言内でも「このたびの感染防止対応は、ほとんどの医療スタッフにとって通常経験したことのない、複雑に絡み合う複数のストレス要素を伴っています。心身の不調が起きるのが当然といえば当然です。(略)会員の皆様も、精神医学やメンタルヘルスに精通しているからといって例外ではないのだということを忘れないでください」と注意を促している。会員アンケートでもストレス傾向が明らかに 2020年5月中旬、ケアネットが医師会員1,000人を対象に行ったメンタルヘルスをテーマにしたアンケート(新型コロナは日常診療にどう影響?勤務医1,000人に聞いたストレス・悩みの理由)からも、医療者が大きなストレス下に置かれていることが明らかになった。「COVID-19感染リスクに自身・スタッフがさらされることに不安を覚える」と答えた回答者は57.4%と6割近く、「COVID-19感染リスクに自身・スタッフがさらされることに不安を覚える」(57.4%)、「学会や勉強会などの直接的なコミュニケーションの機会が失われた」(55.6%)といった回答も半数を超えた。 医療現場のストレスマネジメントに詳しい国際医療福祉大学大学院 心療内科学教授の中尾 睦宏氏は、この結果を踏まえ、専門家の立場からアドバイスを寄せた。「アンケートには『臨床心理士を配置した』『メンタル相談の専門窓口を設けた』といった回答が寄せられており、医療現場の素早い対応は評価できる。しかし、医療者には責任感が強く、弱音を吐くことが苦手な人も多い。オンラインのミーティングや勉強会などの正しい情報共有に加え、カジュアルなコミュニケーションや愚痴を吐き出しやすい環境づくりが長期的なメンタルヘルス対策につながるはず」と述べている。【会員医師アンケート】新型コロナは日常診療にどう影響?1,000人に聞いたストレス・悩み【アンケート結果を解説】今、医療者が知るべき・やるべきメンタル対策

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出産前後のうつ病を予防するための心理的介入~メタ解析

 出産前後のうつ病は、有病率が高く、深刻な影響を及ぼすため、その予防は重要である。これまでのシステマティックレビューおよびメタ解析では、周産期うつ病リスクを有する女性に対する心理学的介入の有効性が示唆されている。しかし、出産前の一般的な予防に焦点を当てた研究は、あまりなかった。東京大学の安間 尚徳氏らは、周産期うつ病に対する出産前の心理学的介入の影響(とくに一般的な予防に焦点を当て)を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年5月12日号の報告。 2019年1月28日までの公開されたランダム化比較試験を、4つの電子データベース(Cochrane Controlled Register of Trials[CENTRAL]、Embase、PubMed、PsycINFO)より検索した。まず、12人の研究者がタイトルとアブストラクトのスクリーニングを行い、独立した2人の研究者が、それぞれ全文レビューを行った。メタ解析については、Review Manager 5.3 for Windowsを用いてランダム効果モデルを実施した。サブグループ解析は、認知行動(CB)療法をベースとした介入に関する研究について実施した。 主な結果は以下のとおり。・最初に検索された研究は、1万3,026件であった。・重複を削除した後、9,919件がスクリーニングされ、最終的に18件が選択基準を満たした。・メタ解析では、出産前の心理学的介入は、出産前後のうつ病に対し有意な効果を示した(不均一性は中~高レベル)。 ●出産前のうつ病:SMD=0.28(95%CI:0.11~0.44)、不均一性I2=61%(p=0.01) ●出産後のうつ病:SMD=0.37(95%CI:0.08~0.66)、不均一性I2=84%(p<0.001)・サブグループ解析では、出産前のCB療法ベースの介入は、出産前のうつ病に対し有意な効果が認められたが(不均一性は高レベル)、出産後には認められなかった。 ●出産前のうつ病:SMD=0.53(95%CI:0.13~0.94)、不均一性I2=85%(p=0.001) ●出産後のうつ病:SMD=0.45(95%CI:-0.03~0.92)・本研究は、英語で発表された研究のみを対象としており、また出産前後のうつ病の評価にはさまざまな方法が用いられているため、研究全体の不均一性が高レベルであった。 著者らは「出産前の心理学的介入は、出産前後のうつ病に対し一般的な予防効果が期待できる。しかし、含まれた研究の方法論的な質があまり高くないため、決定的な結果とはいえない。今後、適切に設計された研究によるエビデンスが求められる」としている。

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ペムブロリズマブ+化学療法による小細胞肺がん1次治療の結果は?(KEYNOTE-604)/ASCO2020

 米国・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのCharles M. Rudin氏は、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対する1次治療における化学療法へのペムブロリズマブ併用効果を比較するプラセボ対照無作為化二重盲検第III相試験KEYNOTE-604の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。化学療法単独に比べ、無増悪生存期間(PFS)は有意に改善するものの、全生存期間(OS)は有意差が示されなかったと報告した。・対象:期待余命3ヵ月以上で臓器機能が保持され、脳転移のない未治療のStage IVのES-SCLC患者、PS 0~1(453例)・試験群:ペムブロリズマブ200mg+化学療法(カルボプラチン/シスプラチン+エトポシド)、21日ごと4サイクル(ペムブロリズマブ群、228例)・対照群:プラセボ+化学療法(同上)(プラセボ群、225例)・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価によるPFS、OS[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効持続期間(DoR)、安全性 PFS優越性の閾値は、one-sided p=0.0048、OS優越性の閾値は、one-sided p=0.0128であった。 主な結果は以下のとおり。・ITT集団での中間解析のPFS中央値はペムブロリズマブ群4.5ヵ月、プラセボ群4.3ヵ月(ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.61~0.91、p=0.0023)であった。・ITT集団での最終解析のPFS中央値はペムブロリズマブ群4.8ヵ月、プラセボ群4.3ヵ月(HR:0.73、95%CI:0.60~0.88)であった。・ITT集団での最終解析のOS中央値はペムブロリズマブ群10.8ヵ月、プラセボ群9.7ヵ月(HR:0.80、95%CI:0.64~0.98、p=0.0164)であった。・最終解析でのORRはペムブロリズマブ群70.6%、プラセボ群61.8%であった。・DoR中央値はペムブロリズマブ群が4.2ヵ月、プラセボ群が3.7ヵ月であった。・As treated集団での有害事象は、Grade 3/4はペムブロリズマブ群が76.7%であった。

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転移のない去勢抵抗性前立腺がん、エンザルタミド追加でOS延長/NEJM

 転移のない去勢抵抗性前立腺がんで、前立腺特異抗原(PSA)値の急激な上昇がみられ、アンドロゲン除去療法を受けている患者において、エンザルタミドの追加はプラセボと比較して、全生存(OS)期間を10ヵ月以上延長し、死亡リスクを27%低下させることが、米国・Weill Cornell MedicineのCora N. Sternberg氏らの検討「PROSPER試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年6月4日号に掲載された。エンザルタミドは経口アンドロゲン受容体阻害薬であり、本試験の初期結果では、無転移生存期間を有意に延長したと報告されている。この時点では、OSのデータは十分でなく、2つの治療群ともOS期間の中央値には到達していなかった。今回は、OSの3回目の中間解析(最終解析)の結果が報告された。併用効果を評価するプラセボ対照無作為化試験 本研究は、32ヵ国の300以上の施設の独立審査委員会によって承認された国際的な二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2013年11月~2017年6月の期間に患者登録が行われた(PfizerとAstellas Pharmaの助成による)。 対象は、転移のない去勢抵抗性の前立腺がん(従来の画像検査とPSA倍加時間≦10ヵ月で判定)の男性で、アンドロゲン除去療法を継続している患者であった。 被験者は、アンドロゲン除去療法に加え、エンザルタミド(160mg、1日1回)またはプラセボを投与する群に2対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは無転移生存であり、副次エンドポイントはOS期間、PSA増加までの期間、PSA奏効率、安全性などであった。今回は、OS期間と有害事象のデータが示された。OS期間:67.0ヵ月vs.56.3ヵ月、後治療までの期間も延長 1,401例が登録され、エンザルタミド群に933例(年齢中央値74歳、PSA倍加時間中央値3.8ヵ月)、プラセボ群(73歳、3.6ヵ月)には468例が割り付けられた。フォローアップ期間中央値は48ヵ月だった。 2019年10月15日(データカットオフ日)の時点で、エンザルタミド群の288例(31%)、プラセボ群の178例(38%)が死亡した。エンザルタミド群では、前立腺がんによる死亡が178例(19%)、前立腺がん以外の原因による死亡は110例(12%)であり、プラセボ群ではそれぞれ136例(29%)および42例(9%)だった。 OS期間中央値は、エンザルタミド群が67.0ヵ月と、プラセボ群の56.3ヵ月に比べ有意に延長した(死亡のハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.61~0.89、p=0.001)。エンザルタミド+アンドロゲン除去療法は、プラセボ+アンドロゲン除去療法に比べ、死亡のリスクを27%抑制した(0.73、0.61~0.89、p=0.001)。事前に規定されたサブグループのほとんどで、エンザルタミド群のOS期間がプラセボ群よりも良好であった。3年生存率は、エンザルタミド群80%、プラセボ群73%だった。 エンザルタミド群はプラセボ群に比べ、新たな抗悪性腫瘍薬による後治療の開始が有意に遅かった(HR:0.29、95%CI:0.25~0.35)。抗悪性腫瘍薬の初回使用までの期間中央値は、エンザルタミド群が66.7ヵ月、プラセボ群は19.1ヵ月であった。また、試験薬中止後に1つ以上の抗悪性腫瘍薬による後治療を受けた患者は、エンザルタミド群が310例(33%、治療中止例の56%)で、プラセボ群は303例(65%)だった。 曝露歴で補正したGrade3以上の有害事象の発生率は、100人年当たりエンザルタミド群が17件、プラセボ群は20件であり、両群で類似していた。また、エンザルタミド群の有害事象は、既報のデータと一致しており、とくに疲労(46%)と筋骨格系イベント(34%)が多かった。 著者は、「最近の研究では、アンドロゲン受容体阻害薬は、転移のない去勢抵抗性前立腺がん患者の転移までの時間を遅らせるだけでなく、OSを改善するとのエビデンスが増えており、今回の結果は、同様のエビデンスを1つ加えるものである。エンザルタミドは、転移のない、および転移のある去勢抵抗性前立腺がんの両方で生存期間を延長することが示された」としている。

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日本人の2型糖尿病に合わせた配合の治療薬/サノフィ

 サノフィ株式会社は、2020年6月8日に2型糖尿病治療薬「ソリクア配合注ソロスター」(以下「本剤」という)を発売し、同日にメディア向けWEBセミナーを開催した。セミナーでは、本剤の説明のほか、日本人の糖尿病患者の特徴と本剤の治療へのコミットなどが解説された。 「ソリクア配合注ソロスター」は、持効型溶解インスリン グラルギン(遺伝子組み換え)とGLP-1受容体作動薬リキシセナチドが配合された治療薬。インスリン グラルギンが主に空腹時血糖をコントロールし、リキシセナチドが主に食後血糖をコントロールする。注目すべきは、日本人の2型糖尿病患者の特性を考慮し、日本独自の配合比1単位:1μgとして開発された。なお、本剤は薬用量を「ドーズ」で示し、1ドーズには、インスリン グラルギン1単位:リキシセナチド1μgの配合比で含有されている(例:5ドーズはインスリン グラルギン5単位:リキシセナチド5μg)(販売承認は2020年3月25日)。難しい“かくれ高血糖”患者の血糖コントロール WEBセミナーでは、「2型糖尿病治療のNext Stage~日本人患者特有のアンメットニーズ“かくれ高血糖”の新たな選択肢~」をテーマに、寺内 康夫氏(横浜市立大学大学院医学研究科 分子内分泌・糖尿病内科学 教授)を講師に迎え、かくれ高血糖患者の治療にどのように介入するべきかが説明された。 日本人の糖尿病患者は欧米人に比較し、インスリン分泌能が低いのが特徴であり、HbA1cの上昇に伴い、空腹時血糖値と併せて食後血糖値も大きく上昇し、食後高血糖がHbA1c悪化に大きな影響を果たすことが示唆されている。 日本糖尿病学会では、合併症予防のためのHbA1c目標値を7.0%未満、それに対応する血糖値の目安を、空腹時血糖値130mg/dL未満、食後2時間血糖値180mg/dL未満と定めているが、実臨床では空腹時血糖値を目標値まで下げたとしても、食後の高血糖が存在し、HbA1c目標値を達成できない「かくれ高血糖」の患者も散見されるという。 かくれ高血糖患者の治療では、「低血糖と体重増加リスクを抑えながら、いかに空腹時血糖値だけでなく、食後高血糖も同時に改善するかが求められる」と寺内氏は臨床上の課題を提起する。かくれたメリットもあるソリクアの特徴 寺内氏は、国内で行われた第III相試験であるLixiLan試験(インスリン未治療のHbA1cコントロール不良の2型糖尿病患者)でJP-01試験(リキスミアと本剤を52週で評価)と同JP-02試験(ランタスと本剤を26週で評価)を示し、説明を行った。 ランタスと比較したJP-02試験では、本剤+経口血糖降下薬群(n=260)とランタス注+経口血糖降下薬群(n=261)を26週にわたり投与した。26週時のHbA1cの変化量でみるとベースラインからの変化量は本剤群で-1.40%(ベースライン時の平均HbA1c:8.18%)、ランタス群で-0.76%(同:8.12%)と有意に低下し、空腹時血糖の変化量では本剤群で-31.84mg/dL、ランタス群で-24.75mg/dLだった。また、食後2時間血糖の変化量では、本剤群で-109.60mg/dL、ランタス群で-23.53mg/dLだった。HbA1cが7.0%未満になった割合では、本剤群で71.5%、ランタス群で38.5%だった。体重の変化量ではベースラインから本剤群では0.26kg、ランタス群では1.33kgの増加だったほか、低血糖の出現は本剤群で低い結果だった。安全性では、本剤群で悪心、腹部不快感、食欲減退などが報告されたが、死亡にいたる副作用は報告されなかった。以上から、ランタスに対し、本剤の優越性が示されるとともに、新たな安全性シグナルも確認されず、本剤が新たな治療選択肢となる根拠が示された結果となった(同様に本剤とリキスミアを比較したJP-01試験でも効果、安全性ともに本剤の優越性が示された)。 寺内氏は、質疑応答の中で「ソリクアは、新医薬品に係る投薬期間制限の対象外のため、患者の通院回数を減らすことができるかくれたメリットもある」と述べレクチャーを終了した。ソリクアの概要一般名:インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド製品名:ソリクア配合注ソロスター効能・効果:インスリン療法が適応となる2型糖尿病用法・用量:通常、成人には、5~20ドーズ(インスリン グラルギン/リキシセナチドとして5~20単位/5~20μg)を1日1回朝食前に皮下注射。ただし、1日1回5~10ドーズから開始し、患者の状態に応じて増減するが、1日20ドーズを超えないこと。なお、本剤の用量単位である1ドーズには、インスリン グラルギン1単位およびリキシセナチド1μgが含まれる。製造販売承認取得日:2020年3月25日薬価収載日:2020年5月20日発売日:2020年6月8日薬価:6,497円投薬制限に関して:新医薬品に係る投薬期間制限(14日分を限度とする)の対象外

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降圧治療と認知症や認知機能障害の発症の関連―システマティックレビュー、メタ解析(解説:石川讓治氏)-1245

 中年期の高血圧が晩年期の認知症の発症と関連していることがいくつかの観察研究において報告されてきた。しかし、降圧治療と認知症や認知機能障害の発症の関連を評価した過去の研究においては、降圧治療が認知症の発症を減少させる傾向は認められたものの、有意差には至っていなかった。本論文では14の無作為介入試験の結果を用いてメタ解析を行い、平均年齢69歳、女性42.2%、ベースラインの血圧154/83.3mmHgの対象者において、降圧治療によって、平均49.2ヵ月間の追跡期間で7%の認知症もしくは認知機能障害の相対的リスク減少、および平均4.1年の追跡期間の間で7%の認知機能低下の相対的リスク減少があり、これらが有意差をもって認められたことを報告した。以前の無作為介入試験の結果は副次エンドポイントであったため有意差には至っていなかったが、メタ解析によって統計学的なパワーを増加させることで有意差を獲得したものと思われる。 SPRINT-MIND試験においても、積極的な降圧治療が通常治療よりも深部白質病変を減少させることが報告されており、降圧治療が脳血管性の認知機能障害を抑制することは予想できる。しかし、認知機能障害を生じる病態はさまざまであり、脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症、前頭側頭葉型認知症、レビー小体型認知症などの病態が複雑に重なり合って臨床像をなしているため、完全に分けて考えることは困難である。降圧治療が、アルツハイマー型のアミロイドβやレビー小体型認知症におけるαシヌクレインといった代謝性物質にどのような影響を与えているのかは不明な点が多い。 本研究における無作為介入試験の参加者はインフォームドコンセントのための難解な同意文書を理解しサインできる、登録時には比較的認知機能が良好に保たれていた患者である。このような認知機能が良好に保たれた高血圧患者においては、降圧治療が将来の認知症や認知機能障害の発症を抑制するものと思われる。しかし、高齢者の日常臨床においては認知機能障害が進行するにつれて、栄養障害、サルコペニア、カヘキシア、併存疾患の存在などとともに体重減少や生活の質の低下が認められ、自然経過で血圧が低下してくる患者が認められる。そして、このような患者は介入試験からは除外されている。その一方で、観察研究における超高齢者においては、血圧が低く治療されていた対象者においてより死亡率が高く認知機能障害の進行が認められたことも報告されている。 これらの結果から、認知機能障害が起こる前には積極的に降圧治療を行って認知機能障害を予防し、残念ながら認知機能が低下してしまった段階では徐々に降圧治療を緩和していく必要があるものと思われる。しかし、この降圧治療のターニングポイントに関する明らかな指針は少ない。日本高血圧学会の『高血圧治療ガイドライン2019』においては自力で外来通院困難としか記載されておらず、降圧治療のターニングポイントとなる認知機能のレベルも明らかにはなっていない。今後の課題であると思われる。

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尿酸の再吸収を抑制する新しい高尿酸血症治療薬「ユリス錠0.5mg/1mg/2mg」【下平博士のDIノート】第52回

尿酸の再吸収を抑制する新しい高尿酸血症治療薬「ユリス錠0.5mg/1mg/2mg」今回は、選択的尿酸再吸収阻害薬「ドチヌラド(商品名:ユリス錠0.5mg/1mg/2mg、製造販売元:富士薬品)」を紹介します。本剤は、尿酸トランスポーター1(URAT1)を選択的に阻害することで、尿酸の尿中排泄を促進し、血中尿酸値を低下させます。<効能・効果>本剤は痛風、高尿酸血症の適応で、2020年1月23日に承認され、5月25日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはドチヌラドとして0.5mgを1日1回経口投与で開始し、その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量します。維持量は通常1日1回2mgですが、患者の状態に応じて1日1回4mgを超えない範囲で適宜増減できます。なお、尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるので、増量する際は、投与開始から2週間以降に1日1回1mg、投与開始から6週間以降に1日1回2mgとするなど徐々に行い、増量後は経過を十分に観察する必要があります。<安全性>痛風を含む高尿酸血症患者を対象とした第III相試験において、本剤が投与された531例中104例(19.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、痛風性関節炎51例(9.6%)、関節炎11例(2.1%)、四肢不快感8例(1.5%)などでした(承認時)。<患者さんへの指導例>1.この薬は、腎臓での尿酸の再吸収を抑えることで、尿中への尿酸排泄を促し、血中尿酸値を低下させます。2.薬を飲み始めると痛風発作を起こすことがあるので、関節への違和感などがあった場合はすぐにご連絡ください。3.尿の量が減ると尿路結石が生じやすくなるため、脱水などに注意し、1日2.0~2.5Lを目安として十分な水分摂取に努めましょう。4.尿酸値の適正化には、生活習慣の改善が大切です。食べ過ぎに気を付け、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を継続的に行いましょう。また、高プリン食の摂り過ぎや、アルコール飲料の飲み過ぎは血中尿酸値の上昇につながるので注意してください。<Shimo's eyes>高尿酸血症は、尿酸排泄低下型高尿酸血症、腎負荷型(尿酸産生過剰型、腎外排泄低下型)高尿酸血症、混合型高尿酸血症に大別され、病型分類に応じた薬剤選択が原則となっています。日本人に多いといわれる尿酸排泄低下型に対しては、ベンズブロマロン(商品名:ユリノームほか)などの尿酸排泄促進薬が推奨されていますが、劇症肝炎などの重篤な肝障害への懸念や腎機能低下患者に使用しにくいなどの理由により、病型にかかわらず尿酸生成抑制薬のアロプリノール(同:ザイロリック)、フェブキソスタット(同:フェブリク)、トピロキソスタット(同:トピロリック/ウリアデック)が使用されるケースもあります。本剤は、腎臓の近位尿細管に存在する尿酸トランスポーター1(URAT1)を選択的に阻害することで、尿酸の再吸収を抑制する新規の尿酸排泄促進薬です。非臨床毒性試験において肝障害性を示唆する所見はなく、腎機能が軽度~中程度に低下した場合の投与制限もありません。相互作用については、ピラジナミドとアスピリンなどのサリチル酸製剤は尿酸排泄抑制作用があるため併用注意となっています。臨床効果については、痛風を含む高尿酸血症患者(尿酸産生過剰型を除く)を対象とした2つの国内第III相試験において、ベンズブロマロンおよびフェブキソスタットに対する非劣性が確認されました。また、後期第II相試験において、血清尿酸値6mg/dl以下の達成率は用量依存的に増加し、4mg投与群では100%でした。服用開始時の注意点としては、血中尿酸値の急激な低下による痛風発作を回避するため、初期は低用量で開始し、6週間以降に維持量である2mgへ漸増する必要があります。また、ほかの尿酸排泄促進薬と同様に、多量の尿酸が尿中に排泄されると考えられます。尿が酸性の場合には、尿アルカリ化薬などの併用により、尿pHを6.0~7.0に維持して尿路結石を予防することも覚えておきましょう。参考1)PMDA 添付文書 ユリス錠0.5mg/ユリス錠1mg/ユリス錠2mg

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第12回 さよならN95マスク!? 米国病院でのP100フィルターマスク導入

目下の新型コロナウイルス感染(COVID-19)流行で使い捨てのN95マスクが不足し、多くの医療施設はメーカーの推奨使用期間を超えて長く使えるように消毒して再利用する取り組みを始めました。しかし消毒して再利用する手順は実に負担が大きく、しかもN95マスクを消毒できる回数はたかが知れています。米国ペンシルベニア州ピッツバーグを本拠とする医療網Allegheny Health Network(AHN)も、2万人以上が働く合計2,200床ほどの9つの病院でN95マスクを消毒して繰り返し使用する体制をいったんは整えました。しかし消毒後の接顔不良を訴えるスタッフが多くいました。それに費用負担の問題も解決しません。そこでAHNはN95マスクに見切りを付け、ほぼ際限なく繰り返し使えるガスマスク様のP100フィルター付きエラストマー製マスク(以下、エラストマーマスク)の導入に踏み切ります1)。エラストマーマスクは柔軟で顔に隙間なく装着できるゴム様の素材でできており、繰り返し洗浄できます。米国疾病管理センター(CDC)によるとN95マスクと同等かそれ以上の空気中の感染物質からの保護性能を誇り、P100フィルターは空気中の浮遊粒子をほぼ100%遮断します。AHNは、鼻と口を覆う半顔面エラストマーマスクを3月末から試しに1ヵ月間使ってみました。まずはAHNの9つの病院でCOVID-19患者に最も多く接するスタッフに提供されました。最初は共有されましたが、十分に手に入るようになってからは1人に1つが充てがわれ、各々がメーカーの説明書に沿って使用のたびに消毒をして次の使用に備えました。Journal of American College of Surgeons(JACS)誌に掲載されたAHNの医師等の報告2)によると、約2,000人(1,962人)が試着をしてほぼ全員(94%;1,840人)が自分に合うものが見つかるか合うように調節できました。合うものがどうしても見つからなかったスタッフには、N95マスクか他の通気手段が提供されました。1ヵ月使用した後でN95マスクに戻ることにしたスタッフは1人もおらず、N95の出番はほぼ無くなりました(N95マスクの使用が95%減少)。AHNのある1つの病院における、18床の集中治療室(ICU)での比較の結果、月1回のP100フィルター交換による半顔面エラストマーマスク使用は安上がりであり、1ヵ月あたりの費用は控えめに見積もってもN95マスクのわずか10分の1で済みました。エラストマーマスクはN95マスクと違って試着して合わなかったものがゴミになることはなく、しかも長く使うほどより安上がりになります。N95マスクを消毒して再利用する取り組みをしている病院なら、新たな負担なく導入できることもエラストマーマスクの利点です。エラストマーマスクは将来の流行に備えて保管可能であり、医療スタッフそれぞれが身につける防護具一揃いに不可欠とみなすべきとAHNの医師/最高医学責任者Sricharan Chalikonda氏はJACS報告で結論しています。参考1)Elastomeric masks provide a more durable, less costly option for health care workers2)Chalikonda S, et al. J Am Coll Surg. 2020 June 11. [Epub ahead of print]

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HER2陽性DCISへの放射線療法、トラスツズマブの上乗せ効果は?(NSABP B-43試験)/ASCO2020

 乳房温存手術を受けHER2陽性非浸潤性乳管がん症例(DCIS)において、術後放射線療法にトラスツズマブを併用投与することの有用性を検討したNRG oncology/NSABP B-43試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で米国・Rush University Cancer CenterのMelody A. Cobleigh氏より発表された。本試験はNSABP臨床試験グループが実施した、オープンラベル第III相無作為化比較試験である。・対象:中央判定によりHER2陽性が確認されたDCIS患者(切除断端陰性)・試験群:放射線療法(全乳房照射±ブースト照射)にトラスツズマブの併用投与(RT群) トラスツズマブは初回8mg/kg、その後は3週間隔で6mg/kgを放射線療法に併用投与・対照群:放射線療法(全乳房照射±ブースト照射)のみ(R群)・評価項目:[主要評価項目]同側乳房内再発(IBTR)の発生率[副次評価項目]無病生存期間(DFS)、非再発生存期間(RFI)、全生存期間(OS) 主な結果は以下のとおり。・2008年12月~2014年12月に7,888例が検査され、そのうち2,751例(35%)がHER2陽性と判定され、2,014例が無作為割り付けされた。さらにそのうち1,998例(99.2%)のデータが収集でき、 その追跡期間中央値は79.2ヵ月であった。・両群間に、患者背景(年齢、核異型度、閉経状況、ホルモン療法の併用率)のばらつきはなかった。・IBTR発生率は、RT群で5.0%、R群で6.3%、ハザード比(HR)は0.805(95%CI:0.557~1.165)、p=0.26であった。・IBTRの累積発生率は5年時点でRT群が3.9%、R群が4.9%で、HR 0.81、p=0.26であった。これを、再発が浸潤性がんか非浸潤性がんかで分けて調べたところ、浸潤性では5年時点でRT群1.2%、R群1.4%で、HR 1.11、p=0.74であり、非浸潤性ではそれぞれ2.9%と4.1%、HR 0.68、p=0.10であった。・5年時DFS率はRT群90.6%、R群88.4%、HR 0.84、p=0.13であった。・5年時OS率はRT群99%(死亡22例)、R群98.9%(死亡26例)で、HR 0.85、p=0.59であった。・IBTRに関するサブグループ解析(閉経状況、ホルモン療法の投与状況、核異型度など)でも、両群間に統計学的な有意差は検出されなかった。・Grade3の有害事象がRT群は4.9%、R群は3.9%であった。また、各群2例ずつGrade3の心機能障害が認められた。またR群で1例、浸潤性のIBTRが認められ、その症例は術後療法(アントラサイクリン、タキサン、トラスツズマブ)を受けた後、急性骨髄性白血病を発症した。 演者のCobleigh氏は「DCISに対する放射線療法へのトラスツズマブの併用は、統計学的な有意差は示せなかったものの、19%のIBTR抑制を示し、毒性も低かった。今後の研究はゲノム分類などを用いて、より高リスク群に焦点を当てるべきだろう」と述べた。

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COVID-19、回復期におけるうつ病と免疫反応に相関性

 これまで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染して重度の急性呼吸器症候群となった患者のうち、退院後に自己申告のうつ病とされた患者は観察されていたが、回復期からこの自己申告のうつ病が発症しているのかは不明だった。中国・深センSamii医療センター(SSMC)のBo Yuan氏らは、オンラインアンケートを利用して回復期のCOVID-19患者のメンタルヘルス状態を調べたうえで、定期的な血液および生化学データを含む患者の臨床的特徴を遡及的に分析し、うつ病と免疫反応との相関性を見た。Brain, Behavior, and Immunity誌オンライン版5月25日号掲載の報告。 2020年2月21日~3月12日にSSMCに入院したCOVID-19患者226例中126例に対し、オンラインアンケートを行った。アンケートには心的外傷性ストレス障害(PTSD)自己評価スケール(PTSD-SS)、不安自己評価スケール、うつ病自己評価スケール(SDS)が用いられ、50のインデックススコアで臨床的重要度を判断した。 アンケートは3月2日~12日に行われ、回答から臨床的重要度が高いと判断された96例の回復期患者が対象となった。患者の年齢、性別、併存症、初期感染の重症度の潜在的影響、再発および初期疾患期間(入院平均日数)を含む疫学的特徴を調査し、血液を採取して白血球と炎症性因子の炎症性免疫応答を見た。その他のCOVID-19関連の医療データは電話インタビューと医療記録の確認から収集した。 主な結果は以下のとおり。・96例のうち、SDSスコアが50を超える自己申告うつ病群は42例だった(正常群:54例)。・自己申告うつ病の発生と性別、年齢、併存症、初期感染の重症度、および初期疾患期間には、有意な相関は見られなかった。・自己申告うつ病群は、正常群と比べて白血球数(6.7±1.5vs. 6.0±1.5、p=0.016)、好中球数(4.1±1.2vs. 3.3±0.9、p=0.000)が有意に多かった。・炎症の発現では、自己申告うつ病群は正常群よりもCRP値が高かった(0.2±0.3 vs. 0.1±0.1 mg/dl、p=0.035)一方で、IL-6値には有意差がなかった。 著者らは「自己申告うつ病はCOVID-19の回復初期から発生しており、退院後の短期追跡によってうつ病群は免疫応答が増加していることが示された」とした。さらに、「免疫応答と自己申告うつ病をつなぐメカニズム解明にはさらなる研究が必要だ」としつつも、「自己申告うつ病の患者には適切な心理的介入が必要であり、免疫機能の変化は長期フォローアップ中に重点を置くべきポイントだ」と述べている。

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亜鉛欠乏症診療ガイドライン、味覚障害など症例別の治療効果が充実

 亜鉛欠乏症は世界で約20億人いるものの、世界的に認知度が低い疾患である。そして、日本も例外ではないー。日本臨床栄養学会ミネラル栄養部会の児玉 浩子氏(帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授・学科長)が委員長を務め、2018年7月に発刊された『亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018』の概要がInternational Journal of Molecular Sciences誌2020年4月22日号に掲載された。 亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018にて、同氏らは亜鉛欠乏症の診断基準を以下のように示した。(a)症状(皮膚炎、口内炎、味覚障害など)/検査所見(ALP:血清アルカリホスファターゼ低値)のうち、1項目以上を満たす(b)他の疾患が否定される(c)血清亜鉛が低値-血清亜鉛値60μg/dL未満:亜鉛欠乏症、血清亜鉛値60~80μg/dL未満:潜在性亜鉛欠乏とする。(d)亜鉛補充により症状が改善する。亜鉛欠乏症診療ガイドラインは亜鉛投与による治療効果、基礎疾患ごとの症例を豊富に記載 亜鉛欠乏症はさまざまな病態で併発する。その症状はさまざまで、とくに皮膚炎や味覚障害、貧血、易感染などを訴える患者については血清亜鉛濃度の測定が望ましい。一方、慢性肝疾患、糖尿病、慢性炎症性腸疾患、腎不全では、しばしば血清亜鉛値が低値であるにも関わらず、前述のような症状を訴えない場合もある。亜鉛投与により基礎疾患の所見・症状が改善する場合があることから、亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018には「これら疾患を有する患者では亜鉛欠乏症状が認められなくても、亜鉛補充を考慮してもよい」と記載されている。 亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018の一番の特徴は、投与前後の血清亜鉛値や改善率などが書かれているため処方時に有用である点だ。治療効果を“亜鉛欠乏の症状がある患者に対する亜鉛投与の治療効果”と“基礎疾患の改善を目的に行う亜鉛投与の治療効果”に区分し、表で示している。 前者には低身長症、皮膚炎、口内炎、骨粗鬆症などの症例を提示、後者では慢性肝疾患、糖尿病などの症例を挙げている。 このほか、亜鉛補充時の注意事項として「亜鉛投与の効果はすぐには現れないため、治療は少なくとも3ヵ月間の継続が必要」「亜鉛投与による有害事象として、消化器症状(嘔気、腹痛)、血清膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)上昇、銅欠乏による貧血・白血球減少、鉄欠乏性貧血が報告されているため、これらの臨床症状や検査値が見られた場合には亜鉛投与量の減量・中止、銅や鉄補充などの対処が必要」などが盛り込まれている。  亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018では、2016年版からの改訂にあたり、炎症性腸疾患(IBD)と肝硬変にも焦点が当てられた。研究者らは「亜鉛欠乏症はマクロファージの活性化を介して腸の炎症を促進するので、IBDでの炎症や亜鉛欠乏症の病理学的メカニズム検討している」とし、「肝硬変患者の窒素代謝障害にも影響している可能性がある。亜鉛補給は、アンモニア代謝だけでなく、タンパク質の代謝も改善することができる」とも述べている。

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治療抵抗性統合失調症に対するルラシドンの精神病理および認知機能への効果

 クロザピンに加え、薬理学的にクロザピンに類似した他の非定型抗精神病薬(たとえばオランザピン、リスペリドン、melperone)も、治療抵抗性統合失調症(TRS)に対する有効率は40%未満である。米国・ノースウェスタン大学のHerbert Y. Meltzer氏らは、TRS患者に対する非定型抗精神病薬ルラシドンの精神病理および認知機能への有用性を検討するため、6ヵ月間の試験期間中に2つの用量での比較を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2020年5/6月号の報告。 ルラシドン80mg/日による6週間のオープン試験(第I相試験)期間中に精神病理学的な改善が認められなかった患者をTRSと定義した。その後、TRS患者をルラシドン80mg/日または240mg/日に割り付け、24週間のランダム化二重盲検試験(第II相試験)を実施した。 主な結果は以下のとおり。・陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の合計およびサブスケールスコア、7つの認知機能領域のうち処理速度と実行機能の2つにおいて、用量依存的ではない有意な改善が認められた。・対象患者67例中28例(41.8%)において、PANSS合計スコアの20%以上の改善が認められた。・治療反応患者28例中19例(67.9%)において、第II相試験の6~24週目に最初のPANSS合計スコア20%以上の改善が認められた。この患者の中には、過去にクロザピンで治療不応であった患者が一部含まれていた。 著者らは「TRS患者に対するルラシドンの改善効果は、これまでに報告されたクロザピン、melperone、オランザピン、リスペリドンの効果と同等であった。ルラシドン80mg/日においてもTRS患者に有効であったが、より長い治療期間が必要とされる。今後、TRS患者に対するルラシドンとクロザピンの直接比較試験が待ち望まれる」としている。

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日本人の片頭痛に対するerenumabの第III相試験結果/アムジェン

 アムジェン株式会社は、日本人の慢性および反復性片頭痛患者を対象にしたerenumab(遺伝子組換え)の第III相臨床試験の結果を発表した。 片頭痛は日常のQOLを低下させる神経疾患であり、わが国の片頭痛患者の5人に1人以上が、その症状により社会生活上の影響を受けているという報告もある。 現在の片頭痛予防の治療では、十分な有効性・忍容性が得られないこともあり、新たな治療選択肢が必要とされている。 今回報告されたerenumabはCGRP受容体を阻害することで片頭痛患者における疼痛を予防できるように特異的にデザインされた完全ヒトモノクローナル抗体。すでに米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)などで成人片頭痛予防薬として承認されている。 同社が行っている20170609試験は、52週間の治療期間中に反復性および慢性片頭痛予防におけるerenumabの安全性と有効性を評価する第III相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験(261例を1:1の割合で4週間に1回のプラセボ皮下投与群とerenumab(70mg)皮下投与群とに無作為に割り付け)。主要評価項目は、二重盲検治療期間の4、5および6ヵ月における平均の片頭痛日数(MMD)のベースラインからの変化。副次評価項目は、MMDがベースラインから50%以上減少した被験者割合、片頭痛急性期治療薬投与日数の減少が含まれている。安全に平均片頭痛日数を減少 この試験においては、主要評価項目に加え、副次評価項目であるMMDの平均値がベースラインから50%以上減少した被験者の割合と、片頭痛急性期治療薬の月平均投与日数のベースラインからの減少において、erenumab投与群ではプラセボ投与群と比較して有意な差を認めた。また、主要評価項目および副次評価項目では、ベースラインと比較して二重盲検治療期間の4、5、および6ヵ月にわたって有効性を評価した結果、erenumabの安全性および忍容性は、これまでに得られたデータと一貫していた。 今後、同社では進行中の第III相臨床試験データの追加解析とともに、わが国の規制当局と共有し、医学関連学会で発表するとしている。

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MSI-H/dMMR進行大腸がん1次治療でペムブロリズマブ単剤と化学療法を比較した第III相試験(KEYNOTE-177)/ASCO2020

 フランス・Sorbonne University and Saint-Antoine HospitalのThierry Andre氏は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはDNA修復欠損(dMMR)の進行大腸がん患者に対する1次治療としてペムブロリズマブ単剤療法と化学療法を比較した無作為化非盲検第III相試験であるKEYNOTE-177試験の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。化学療法と比較してペムブロリズマブ単剤が無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に改善すると報告した。 MSI-HまたはdMMRを有する大腸がん患者は、大腸がん患者の約10~15%と言われており、従来の化学療法では予後は非常に不良だった。・対象:未治療のMSI-HまたはdMMRを有するStageⅣの進行大腸がん患者、PS 0~1、307例・試験群:ペムブロリズマブ 200mg単剤、3週ごと1サイクル、最大35サイクル投与(153例)・対照群:標準化学療法(mFOLFOX6療法あるいはFOLFIRI療法±ベバシズマブ/セツキシマブ)(154例)・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価によるPFS、全生存期間(OS)[副次評価項目]奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・PFS中央値はペムブロリズマブ群が16.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:5.4~32.4)、化学療法群が8.2ヵ月(95%CI:6.1~10.2)であった(ハザード比[HR]:0.60、95%CI:0.45~0.80、p=0.0002)。・ORRはペムブロリズマブ群が43.8%、化学療法群が33.1%であった(p=0.0275)。・奏効期間(DoR)中央値はペムブロリズマブ群が未到達(2.3~41.4ヵ月)、化学療法群が10.6ヵ月(2.8~37.5ヵ月)であった。・有害事象(AE)発現率はペムブロリズマブ群が97%、化学療法群が99%、Grade3以上のAE発現率はペムブロリズマブ群が22%、化学療法群が66%であった。・免疫関連AE発現率はペムブロリズマブ群が31%、化学療法群が13%、Grade3以上の免疫関連AE発現率はペムブロリズマブ群が9%、化学療法群が2%であった。  今回の結果を受けてAndre氏は「ペムブロリズマブはMSI-HまたはdMMRの進行大腸がん患者に対する1次治療の新たな標準治療とすべきである」と結論付けた。

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COVID-19血漿療法試験、中国103例の報告/JAMA

 重症/重篤の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の治療において、標準治療に回復期血漿療法を併用するアプローチは標準治療単独と比較して、28日以内の臨床的改善(生存退院、重症度の低減)を増加させなかったとの研究結果が、中国医学科学院のLing Li氏らによって報告された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2020年6月3日号に掲載された。回復期の患者の血漿を使用する回復期血漿療法は、これまでにもさまざまな感染症の治療に用いられており、COVID-19の治療選択肢となる可能性があるが、その使用を支持するエビデンスは十分でない。また、ドナーの選択や血漿の質の管理、レシピエントの適応などは標準化されておらず、これらについてもエビデンスに基づく根拠はないという。7施設が参加の無作為化試験、患者登録が進まず早期中止 本研究は、中国武漢市の7つの医療センターが参加した非盲検無作為化試験であり、2020年2月14日~4月1日の期間に実施された(中国医学科学院 技術革新基金などの助成による)。最終フォローアップ日は2020年4月28日だった。 対象は、年齢18歳以上、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査で確定されたCOVID-19で、重症(呼吸困難または低酸素血症、あるいは双方)または重篤(ショック状態、臓器不全、機械的換気を要する病態)の患者であった。 被験者は、標準治療+回復期血漿療法(血漿療法群)または標準治療のみを行う群(対照群)に無作為に割り付けられた。標準治療は、症状コントロールや支持療法から成り、中国のCOVID-19治療ガイドラインに準拠した。血漿療法では、ABO式血液型適合回復期血漿が、患者の体重によって4~13mL/kg投与された。 主要アウトカムは、28日以内の臨床的改善(生存退院または疾患重症度尺度[1~6点、1点は退院、6点は死亡]の2点の低下)とした。 本試験は200例の登録を予定していたが、COVID-19流行の封じ込めにより、3月下旬には患者数が減少したため登録が進まず、2020年4月1日、103例を登録した時点で早期中止となった。重症例では有意差あり、PCR陰性化率は高い 103例の年齢中央値は70歳(IQR:62~78)、男性が60例(58.3%)であった。血漿療法群に52例(重症例23例、重篤例29例)、対照群には51例(22例、29例)が割り付けられた。101例(98.1%)が試験を完遂した。 試験参加時に89.2%の患者が平熱で、体温の中央値は36.5℃(IQR:36.2~36.7)だった。血漿療法群の注入血漿量中央値は200mL(IQR:200~300)で、96%が1回で注入された。 28日以内の臨床的改善の割合は、血漿療法群が51.9%(27/52例)、対照群は43.1%(22/51例)であり、両群間に有意な差は認められなかった(群間差:8.8%、95%信頼区間[CI]:-10.4~28.0、ハザード比[HR]:1.40、95%CI:0.79~2.49、p=0.26)。 重症例における28日以内の臨床的改善の割合は、血漿療法群が91.3%(21/23例)と、対照群の68.2%(15/22例)に比べ有意に良好であった(HR:2.15、95%CI:1.07~4.32、p=0.03)のに対し、重篤例ではそれぞれ20.7%(6/29例)および24.1%(7/29例)であり、有意な差はみられなかった(0.88、0.30~2.63、p=0.83)(交互作用のp=0.17)。 28日死亡率には両群間に差はなかった(血漿療法群15.7% vs.対照群24.0%、オッズ比[OR]:0.65、95%CI:0.29~1.46、p=0.30)。また、無作為割り付けから死亡までの期間にも差がなかった(HR:0.74、0.30~1.82、p=0.52)。重症例では、血漿療法群に死亡例はなく、対照群では2例が死亡した。重篤例ではそれぞれ8例(28.6%)および10例(35.7%)が死亡した。 無作為割り付け時から28日までの退院例の割合(51.0% vs.36.0%、HR:1.61、95%CI:0.88~2.93、p=0.12)にも、両群間に有意な差はなかった。重症例の28日退院率は、血漿療法群で91.3%に達したが、対照群の68.2%との間に有意な差はなかった(p=0.07)。 一方、PCR検査の結果が陰性化した患者の割合は、24時間後(44.7% vs.15.0%、OR:4.58、95%CI:1.62~12.96、p=0.003)、48時間後(68.1% vs.32.5%、4.43、1.80~10.92、p=0.001)、72時間後(87.2% vs.37.5%、11.39、3.91~33.18、p<0.001)のいずれにおいても、血漿療法群で高かった。重症例では、24時間後と48時間後に有意な差はなかったが、72時間後には有意差が認められ(p<0.001)、重篤例ではいずれの時間にも有意差がみられた(p=0.01、p=0.003、p<0.001)。 血漿療法群の2例で注入関連の有害事象が発現した。重症例の1例では、注入から2時間以内に悪寒と発疹が、重篤例の1例では、6時間以内に息切れ、チアノーゼ、重症呼吸困難がみられたが、いずれも支持療法により改善した。 著者は、「本試験は早期に中止となったため、臨床的に重要な差の検出力が低い可能性があり、これらの知見の解釈には限界がある」としている。

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尿路上皮がんに対するアベルマブのメンテナンスがOS改善(JAVELIN Bladder 100)/ASCO2020

 局所進行または転移のある尿路上皮がん(mUC)に対する1次化学療法後のメンテナンス療法としてのアベルマブの投与が、ベストサポーティブケア(BSC)に比べ全生存期間(OS)を有意に延長することが報告された。これは、JAVELIN Bladder 100試験の第1回中間解析結果で、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)において、英国・Barts Cancer InstituteのThomas Powles氏より発表された。本試験は、日本も参加した国際共同のオープンラベル第III相比較試験である。・対象:ゲムシタビン+シスプラチン/カルボプラチンによる1次治療に奏効(CR/PR/SD)した切除不能局所進行または転移を有する尿路上皮がん・試験群:アベルマブ10mg/kgを2週間ごと+BSC(Ave群)・対照群:BSC(BSC群)・評価項目[主要評価項目]割り付け全症例(ITT)におけるOSと、PD-L1陽性集団におけるOS[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率、安全性など 主な結果は以下のとおり。・Ave群に350例、BSC群に350例が登録された。・データカットオフ(2019年10月)時点の観察期間中央値はAve群19.6ヵ月、BSC群19.2ヵ月であった。・PD-L1(SP263抗体)陽性率はAve群54%、BSC群48%で、1次化学療法の奏効率は、両群ともにCR/PRが72%、SDが28%であった。・ITT集団のOS中央値はAve群が21.4ヵ月、BSC群が14.3ヵ月で、ハザード比(HR)は0.69(95%CI:0.56~0.86)、p<0.001であった。18ヵ月OS率は、Ave群が61%、BSC群が44%であった。・PD-L1陽性集団のOS中央値はAve群が未到達、BSC群が17.1ヵ月で、HR 0.56(95%CI:0.40~0.79)、p<0.001であった。18ヵ月OS率は、Ave群が70%、BSC群が48%であった。・ITT集団のPFS中央値は、Ave群3.7ヵ月、BSC群2.0ヵ月、HR 0.62(95%CI:0.52~0.75)、p<0.001であった。12ヵ月PFS率は、Ave群30%、BSC群13%だった。・PD-L1陽性集団のPFS中央値は、Ave群5.7ヵ月、BSC群2.1ヵ月、HR:0.56(95%CI:0.43~0.73)、p<0.001であった。12ヵ月PFS率は、Ave群36%、BSC群5%だった。・メンテナンス療法中の奏効率は、ITT集団でAve群9.7%(CR 6.0%)、BSC群1.4%(CR 0.9%)で、PD-L1陽性集団ではAve群13.8%、BSC群1.2%であった。・メンテナンス療法後の薬物治療は、Ave群で42.3%、BSC群で61.7%が施行され、他の免疫チェックッポイント阻害薬の投与を受けた症例はそれぞれ、6.3%と43.7%であった。・治療関連有害事象による治療中止は、Ave群の11.9%に認められ、治療関連死は2例あった。免疫関連有害事象はGrade3が7.0%でGrade4以上の報告はなかった。 演者のPowles氏は、「白金製剤による1次治療後のアベルマブのメンテナンス投与は、進行性尿路上皮がんに対する新しい標準治療となり得る」と結んだ。

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第11回 医療従事者には最大20万円の慰労金、二次補正予算が成立

<先週の動き>1.医療従事者には最大20万円の慰労金、二次補正予算が成立2.病院の再編・統合に向け、地域包括ケア病棟の開設条件を緩和3.今年の薬価調査・薬価改定に関係業界から延期論が相次ぐ4.新型コロナによる受診抑制の影響が明らかに(日本医師会)5.新型コロナ接触確認アプリが今週以降にリリース1.医療従事者には最大20万円の慰労金、二次補正予算が成立6月12日、第2次補正予算案が参議院本会議にて賛成多数により可決、成立した。厚生労働省分は追加額4兆9,733億円(うち一般会計3兆8,507億円、労働保険特別会計1兆4,446億円)であり、「感染拡大の抑え込み」と「社会経済活動の回復」の両立を目指すための対策を強化したものとなっている。具体的には、新型コロナ感染者対策として、病床の確保や人工呼吸器の整備、地域の医療提供体制を強化するため「緊急包括支援交付金」2兆2,370億円の増額分が含まれている。新型コロナ患者を受け入れた医療機関のスタッフや感染が発生した介護施設などの職員に対して、慰労金として20万円のほか、患者の受け入れのため病床確保に協力した医療機関のスタッフなどに10万円、その他の医療機関などで働く人には5万円の支給もこの予算成立によって実施される。(参考)新型コロナウイルス感染症対策関係 令和2年度 厚生労働省第二次補正予算案のポイント(厚労省)2.病院の再編・統合に向け、地域包括ケア病棟の開設条件を緩和今年4月から、地域包括ケア病棟は400床以上の病院では開設できないとされていたが、6月10日に開催された中央社会保険医療協議会総会において、病院の再編・統合によって400床以上となった場合においては、規制を緩める方針が打ち出された。今回の規制緩和は、地域の病院再編・統合により地域包括ケア病棟の新規届け出ができなくなることによって、地域医療提供体制の見直しに支障が出てしまうことを防ぐためのもの。医療提供体制について、地域医療構想調整会議で合意が得られている場合、地域包括ケア病棟を1棟に限り開設が可能となる。今月中に改正通知が発出される見込み。(参考)地域包括ケア病棟入院料の取扱いについて(中医協)3.今年の薬価調査・薬価改定に関係業界から延期論が相次ぐ6月10日にオンライン開催された中医協薬価専門部会において、日本医薬品卸売業連合会などから、2年おきから毎年改定となった今年度の薬価調査について、否定的な意見が出された。現在、大半の医薬品卸売業者は、医療機関側からの訪問自粛要請を受けて、通常の納品・配送業務以外、ほとんど営業活動ができていないため、現状では対応が困難であるとしている。また、日本製薬団体連合会からも、平時とは大きく異なる厳しい状況の中、医療提供体制の確保や医薬品流通における安定供給のために全力を傾注しており、今回の薬価調査・薬価改定を実施する状況にはないとの考えを示した。製薬業界としては、COVID-19に対する有効で安全な治療薬やワクチンの研究開発について、あらゆるリソースを最大限に活用し、優先的かつ迅速に取り組まなければならないとしている。日本医師会と日本歯科医師会、日本薬剤師会も、部会後に記者会見を開き、延期が望ましいとする意見を述べている。(参考)中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第166回) 議事次第「関係業界からの意見聴取令和2年度薬価調査の実施の見送りについて(日本医師会)4.新型コロナによる受診抑制の影響が明らかに(日本医師会)日本医師会は、6月10日の記者会見において、新型コロナ感染症拡大期であった2020年3~4月の医療機関経営の状況についての調査結果を明らかにした。4月の入院外総点数は前年に比べて大幅に減少しており、前年同月比で初診料3割以上、再診料は1割以上減。入院外総点数の減少は新型コロナ患者の受入れにかかわらず、総件数が減少していることから、受診控えが理由と考えられる。一方、電話などによる初診は、算定回数としてはわずかであったが、病院の4.2%、診療所の5.6%で実施されており、再診も4月に入って大幅に増加し、再診料または外来診療料に占める電話等再診の算定割合は病院で2.12%、診療所で1.69%であった。同会は、長期処方、電話等再診が拡大していることから、新型コロナ収束後も受診が戻らないことを懸念しており、「このまま国民の医療機関へのアクセスが疎遠になり、健康が脅かされることのないよう、国民への適切な受診勧奨も必要である」とコメントしている。(参考)新型コロナウイルス感染症対応下での医業経営状況等アンケート調査(2020年3~4月分)(日本医師会)5.新型コロナ接触確認アプリが今週以降にリリース6月中旬に公開予定の「新型コロナウイルス接触確認アプリ」について、厚労省から概要が発表された。新型コロナ感染症拡大防止のために、利用者本人の同意を前提に、スマートフォンのBluetoothを利用して、プライバシーを確保しつつ、新型コロナ陽性者と接触した可能性について通知を受けられる仕組み。同様の試みは韓国やシンガポールなどで導入されているが、効果を発揮させるためには利用者数を増やす必要があり、今後、アプリについての積極的な広報活動が重要となる。(参考)新型コロナウイルス接触確認アプリ COVID-19 Contact-Confirming Application(厚労省)「新型コロナ感染者を追跡するアプリ」が海外で話題。プライバシーの犠牲も止むなしなのか?(GetNavi web)

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