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唾液を用いたCOVID-19の検査の注意点/4学会合同ワーキンググループ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査では、鼻咽頭などからのぬぐい液からのPCR検査、抗原検査が行われているが、検体採取者に感染のリスクを伴うこと、個人防護具やスワブを消費することなど、感染対策においてのデメリットが指摘されてきた。 本年6月に唾液検体を保険適用とする厚生労働省の通知がなされ、また、7月にはPCR検査および抗原定量検査について、唾液検体を用いた検査の対象を無症状者(空港検疫の対象者、濃厚接触者など)にも拡大する方針を示したことにより唾液による新型コロナウイルスの検査は今後、増えるものと予想されている。 こうした現況に鑑み、新型コロナウイルス検査における4学会(日本臨床検査医学会/日本臨床微生物学会/日本感染症学会/日本臨床衛生検査技師会)合同ワーキンググループは、9月8日に「唾液を用いたPCRや抗原検査における検体採取や検査の注意点」を策定し、公表した。PCRや抗原検査での唾液採取の注意点 唾液を用いたPCRや抗原検査は被検者自身が採取するため、方法を正しく理解してもらう必要がある。消化酵素により、感度が低下することが指摘されており、飲食前に採取することが望ましい。ウイルスの物理的除去を避けるため、採取前に歯磨きやうがい、飲食を行わないように指導する。 どうしても避けられない場合は目安として最低10分、可能であれば30分ほど空ける。 検体容器(滅菌スクリュースピッツ)に唾液を直接たらすように自然に出す。十分な検体量(1~2mL程度)が取れるまで複数回繰り返す。 被検者の採取の場合には容器外壁を汚染する可能性があるので、採取容器は、可能であれば被検者自身が酒精綿で清拭する。核酸検査の際は、検体の粘性が強い場合は、溶解液を添加し遠心分離後、上清を用いて核酸を抽出する。ただちに検査を実施するか外部の検査機関に提出する。すみやかに検査が実施できない場合は冷蔵庫(4℃)で保管し、なるべく早く提出する。48時間以内に検査を開始する。簡易キットの抗原検査には唾液検体が使用できない 新型コロナウイルス感染症発症9日目以内の有症状者であれば、PCR(LAMP法含む)検査などの核酸検査と抗原定量検査は、唾液を用いることができる。簡易キットの抗原検査には唾液検体が使用できないことに注意。濃厚接触者のスクリーニングなど、偽陰性を減らすことが優先される場合には、核酸検査を行うことが推奨される。唾液を用いたPCRや抗原検査の解釈上の注意点 唾液を用いたPCRや抗原検査で陰性となった場合は、「検体に核酸検査あるいは抗原定量検査で検出できるコピー数のSARS-CoV-2が含まれていなかった」ことを意味する。そのため、検査で陰性であればSARS-CoV-2感染を否定できるわけではなく、コピー数が少ないと考えられる感染初期の可能性もある。無症状者では比較的ウイルス量が少ないと想定されることから、唾液と鼻咽頭検体では、核酸検査、抗原定量検査それぞれに結果の乖離が出る可能性もある。疑ったにもかかわらず抗原定量検査が陰性の場合には、必要に応じて唾液を用いた核酸検査、あるいは鼻咽頭による検査も考慮にいれる。

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大手術時の術中換気、低容量vs.従来換気量/JAMA

 大手術を受ける成人患者において、術中の低容量換気(low-tidal-volume ventilation)は従来の1回換気量と比較し、同一の呼気終末陽圧(PEEP)下では、術後7日以内の肺合併症の有意な減少は認められなかった。オーストラリア・オースティン病院のDharshi Karalapillai氏らが、単施設での評価者盲検無作為化臨床試験の結果を報告した。手術中の人工換気は旧来、超生理学的1回換気量が適用されてきたが、低容量換気に比べ有害で術後合併症を引き起こす懸念が高まっている。しかし、手術中に人工呼吸器を使用する患者における理想的な1回換気量は不明であった。JAMA誌2020年9月1日号掲載の報告。手術予定患者1,236例で手術中の低容量換気と従来の1回換気量の有効性を比較 研究グループは、2015年2月~2019年2月にオーストラリア・メルボルンの三次医療機関において、2時間以上の全身麻酔下で大手術(心臓胸部手術、頭蓋内手術を除く)を受ける予定の40歳以上の患者1,236例を登録し、低容量換気群(1回換気量が予測体重1kg当たり6mL)または従来換気群(1回換気量が予測体重1kg当たり10mL)に無作為に割り付け、2019年2月17日まで追跡調査した。両群とも、すべての患者でPEEPは5cmH2Oとした。 主要評価項目は、肺炎、気管支痙攣、無気肺、肺うっ血、呼吸不全、胸水、気胸、予定外の術後の侵襲的/非侵襲的人工換気などを含む術後7日以内の術後肺合併症である。副次評価項目は、入院中の肺塞栓症、急性呼吸促迫症候群を含む術後肺合併症、全身性炎症反応症候群、敗血症、急性腎障害、創傷感染(表層部/深部)、術中昇圧剤の必要率、予定外の集中治療室(ICU)入室、院内迅速対応チーム呼び出し、ICU在室期間、入院日数、院内死亡率とした。術後7日以内の術後肺合併症の発生は両群とも38~39%で有意差なし 無作為化された患者1,236例のうち、1,206例(低容量換気群614例、従来換気群592例)が試験を完遂した。平均年齢は63.5歳、女性が494例(40.9%)、腹部外科手術が681例(56.4%)であった。 主要評価項目である術後7日以内の術後肺合併症は、低容量換気群で608例中231例(38%)、従来換気群で590例中232例(39%)に発生した(群間差:-1.3%[95%信頼区間[CI]:-6.8~4.2%]、リスク比:0.97[95%CI:0.84~1.11]、p=0.64)。また、いずれの副次評価項目も、両群間に有意差は確認されなかった。 なお、著者は研究の限界として、単施設の試験で、治療の特性上盲検化できなかったこと、両群の患者数がわずかに不均衡であったこと、胸部X線画像が体系的に評価されていないことなどを挙げている。

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コルヒチンで慢性冠疾患の心血管リスクが低下/NEJM

 慢性冠疾患患者においてコルヒチン0.5mg 1日1回投与は、プラセボと比較し、心血管イベントのリスクを有意に低下させることが、オーストラリア・GenesisCare Western AustraliaのStefan M. Nidorf氏らが実施した無作為化二重盲検プラセボ対照試験「LoDoCo2試験」で明らかとなった。コルヒチンの抗炎症作用が心筋梗塞患者の心血管イベントリスクを低下させることが、最近の研究で示唆されていたが、慢性冠疾患患者におけるエビデンスは限られていた。NEJM誌オンライン版2020年8月31日号掲載の報告。コルヒチン群とプラセボ群に慢性冠疾患患者約5,500例を無作為化 研究グループは2014年8月4日~2018年12月3日の間に、血管造影で冠疾患が確認され6ヵ月以上安定している35~82歳の慢性冠疾患患者5,522例を、コルヒチン(0.5mg 1日1回投与)群(2,762例)またはプラセボ群(2,760例)に1対1の割合で無作為に割り付け追跡評価した。 主要エンドポイントは、心血管死・突発性心筋梗塞・虚血性脳卒中・虚血による冠動脈血行再建の複合とした。主な副次エンドポイントは心血管死・突発性心筋梗塞・虚血性脳卒中の複合であった。Cox比例ハザードモデルを使用しintention-to-treat解析を実施した。コルヒチン群で、心血管イベントの発生リスクが31%低下 合計5,522例の患者が無作為化を受け(コルヒチン群2,762例、プラセボ群2,760例)、追跡期間中央値は28.6ヵ月であった。 主要エンドポイントのイベント発生は、コルヒチン群187例(6.8%)、プラセボ群264例(9.6%)であった(発生率:2.5 vs.3.6件/100人年、ハザード比[HR]:0.69、95%信頼区間[CI]:0.57~0.83、p<0.001)。主な副次エンドポイントのイベント発生は、コルヒチン群115例(4.2%)、プラセボ群157例(5.7%)であった(1.5 vs.2.1件/100人年、0.72、0.57~0.92、p=0.007)。 また、突発性心筋梗塞または虚血による冠動脈血行再建(複合)、心血管死または突発性心筋梗塞(複合)、虚血による冠動脈血行再建、および突発性心筋梗塞のいずれの発生率も、プラセボ群と比較してコルヒチン群で有意に低かった。一方、非心血管死の発生率は、コルヒチン群がプラセボ群より高かった(発生率:0.7 vs.0.5件/100人年、HR:1.51、95%CI:0.99~2.31)。 なお著者は、被験者の女性の割合が低いこと、血圧や脂質などのデータを収集しておらずリスク因子別の転帰が不明であること、炎症関連のデータを定期的に評価していないことなどを研究の限界として挙げている。

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奇跡を軌跡に。日本初の患者提案型医師主導治験:KISEKI trial【肺がんインタビュー】 第51回

第51回 奇跡を軌跡に。日本初の患者提案型医師主導治験:KISEKI trial出演:近畿大学医学部内科学 腫瘍内科部門 武田 真幸氏西日本がん研究機構(WJOG)と肺がん患者の会ワンステップが実現した日本初の患者提案型医師主導治験「KISEKI trial(WJOG12819L)」。このT790M変異を問わないEGFR変異陽性肺がん2次治療におけるオシメルチニブの第II相試験について、研究事務局の近畿大学の武田真幸氏に実施にいたる背景や試験デザインについて聞いた。

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キッチンタイマー外来【Dr. 中島の 新・徒然草】(341)

三百四十一の段 キッチンタイマー外来急に秋がやってきて、朝夕の虫の声がうるさいくらいです。先日の脳外科外来でこんなことがありました。患者「さっきの人は長かったなあ」中島「いやいやお互い様ですから」患者「それにしても長すぎやで!」中島「すみません」高齢女性の患者さんにいきなり怒られてしまいました。確かに、彼女の前の患者さんの診察には1時間近くかかっています。高次脳機能障害があるので、話の要領が悪いわけですね。とはいえ1時間はいかにも長い、返す言葉もありません。何とかしなくては、と思って考えついたのがキッチンタイマー。15分経つと「ピピピピピ!」と鳴るようにセットしておくわけです。そこで一旦終了し、話の続きがある場合には列の後ろに並び直していただく。そうすると長い話が短くなるはず。というわけで、早速はじめてみました。タイマー「ピピピピピ!」患者「何か鳴っているみたいですよ」中島「私の診察時間が長くて、皆さんをお待たせするので」患者「ええ」中島「キッチンタイマーを持たされているんですよ」患者「そうなんですか」中島「『待ち時間が長い!』と四方八方から文句を言われたんですよ」患者「そんなこと言う人がいるんですね」実際にやってみてわかったことがいくつかあります。まず、15分というのがちょうど良い時間だということです。大抵の用件は15分あれば十分に終わります。もちろん、初診は時間が掛かるのでタイマーを使いません。15分にセットしていても、診察の途中で院内PHSが鳴ることがあります。というか、頻繁に鳴ります。そのたびに1分、2分と時間を取られるのも患者さんに対して恐縮です。こういう時は15分にこだわらないようにしています。また、キッチンタイマーは医師の側にも適度な緊張感を与えてくれます。無駄な世間話をしなくなりました。いつも患者さんの長話に辟易していましたが、実は私も話が長い!正確に言うと、患者さんの面白い話につい聴き入ってしまいます。たとえばある中年男性。この方は高次脳機能障害による記憶障害があります。中年「この前、兄貴分からいきなり携帯に電話がかかってきて」中島「ええ」中年「『悪い、道が混んどるから、事務所に着くのちょっと遅れるわ』って言われて」中島「はあ」中年「そんな約束した覚えないけど、事務所にすっ飛んで行きました」中島「あらま」中年「なんとか兄貴分より前に着いたんで」中島「文字通り命拾いしたんですね」中年「命まではとられへんにしても、タダでは済まんかったでしょうね」別の初老男性。この方も、頭部外傷による高次脳機能障害で怒りっぽくなっています。初老「うちの会社は外国人の技能実習生を入れているんですけど」中島「なるほど」初老「私が教育担当をしていましてね」中島「ええ」初老「実習生はやり方がええ加減なうえに言い訳ばっかりしよるんで」中島「はあ」初老「つい怒ってしまうんですわ」中島「このご時世、パワハラになってしまいますよ。優しく接しないと」初老「じゃあ、ちょっとくらいのチョンボは大目に見るか、これからは」中島「ところで何を教えているんですか」初老「精密機器の製作ですわ。エンドユーザーが原子力発電所でね」中島「は? 下手したら電力供給が停まるってことですか」初老「停まるだけならいいんですけど。暴走したら大変なことになってしま……」中島「ヒイイイ! ちょっとそれ、冗談じゃすみませんよ」初老「やっぱりそうですよねえ」中島「お願いします。ビシバシやってください!」またまた別の青年男性。この方は、大学を卒業して念願の地方公務員になりました。学生時代には「公務員くらいおいしい仕事ないっすよ」と言っておられたのですが。青年「私が入職したときはちょうど納税の時期でして」中島「そういや、そうですね」青年「フロアに納税者の怒号が飛び交っていて、エライところに来たと思いました」中島「市民対応は大変でしょうね。辞めたくなりませんか?」青年「もう何人も辞めてしまいました」中島「人間相手の仕事は自分の感情を殺して対応するのがコツかな」青年「そうなんですよ! ウチの係長なんか、もう境地に達しています」中島「淡々と仕事しておられるんですか?」青年「いくら怒鳴られても全く表情が変わりません。もう和尚さんです」中島「それはもう公務員の鏡ですね」和尚さんよりも、お地蔵さんとか埴輪くんとかのほうがピッタリかもしれません。といった話をついつい聞いてしまうと、15分なんかはあっという間。でも、タイマーがあったらそうはいきません。面白そうな話があっても、そこはグッとこらえるわけです。お蔭で、最近は外来診察もあまり長くならず、心も体も疲れなくなりました。長時間外来でお疲れの読者の皆様。よかったらキッチンタイマーの活用をお試しください。最後に1句敬老も タイマー鳴ったら 終わります

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パンデミック下での帰国【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第17回

7月末のことになりますが、日本にいる家族の体調不良がありまして、私、急遽日本へ帰ることになりました。かなりの急ぎの旅だったので、取るものも取り敢えず、慌てての帰国となりました。ヨーロッパの空港は混雑中ベルリンからアムステルダム経由で関西国際空港(関空)に向かったのですが、ベルリン→アムステルダム間は驚くくらい、いつも通り混雑していてギュウギュウでした。狭くて使いづらいと評判のベルリン・テーゲル空港です。いつも通りの混み具合でした。飛行機の中はスペースを開けずに満員の状態でしたが、一応みんなマスクはしていて、大声を出さないように静かにしている感じでした。アムステルダムから日本へのフライトはガラガラで、大体シート1列を一人が独占しているくらいの混み具合でした。パッとみてもガランとしているのがわかります。日本入国の際の今の様子関空に到着するとPCR検査を受けるのですが、十分な距離を保って椅子が並べられており、検査を受けるための行列はとても長くなっていました(実際に関空に到着している人数は多くないので、ガンガン進んでいきましたが)。数人いた案内役のお姉さん達は、ずっと笑顔で柔らかめの関西弁を操り、時に笑いを放り込みながら業務に当たっていました。イライラしている乗客も多かったですし、恐らくはストレス緩和のために選ばれた、(普段から)ムードメーカーの方々だったのだろうと推測されました。検査が終わると入国審査後に手荷物受け取る、までの流れはいつも通りなのですが、検査結果が出るまでは、公共交通機関は使えないことになっています。検査結果は後日(私の場合は翌日でした)、検査時に登録した連絡先に伝えられます。そのため、基本的には指定されたホテルなどの滞在先で結果を待つことになります。(4月に帰国した知り合いは、当時ホテルに空きがなく、空港の会議室にダンボールを敷いて、そこで一晩過ごしたそうです。親が亡くなったとき以来、初めて泣いたと言っていました)。ただ、待機場所は自宅でもいいので、レンタカーを借りたり、タクシーで自宅に帰っても構わないのです。しかし、コロナ対策をしているタクシーはお値段も高めで、順番待ちもすごい行列になっていました。なかには家まで10km近くを歩いて帰った人もいたそうです。私は家族に空港へ迎えにきてもらうことができたので、スムーズに自宅へ戻ることができました。多分、それが一番現実的な方法だと思います。ガランとした関空。こんなに人がいないのは見たことがないです。タクシー待ちの方々は、手荷物検査場のフロアで行列を作っていました。これから外国へいく際に確認しておくこと検査の陰性が確認されたのち、2週間の自宅待機を行いました。待機期間中は、ドイツで作りかけだった論文の仕事があったりしたので、退屈することなく過ごせました。振り返ってみると、やはり日本の入国時の対応は、かなり神経を使って丁寧に行われていると思いました。日本への帰国はこんな感じだったのですが、「日本からの出国」もいろいろと面倒も多く大変な状態です。幸いドイツでは、日本は「感染リスク地域」には指定されていないため、ドイツ入国後の2週間隔離の必要はありません。国によっては日本帰国後に再入国できなくなった例もたくさんあると聞いているので、移動の際は「当分帰って来れなくなる可能性」を考えて、準備された方がいいかと思われます。

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第24回 「戦略的PCR検査」でコロナ感染予防と経済活性化を両立、カギは…

元は24時間・365日体制で地域医療を支え、現在は新型コロナウイルスのPCR検査を24時間実施していることで注目される「ふじみの救急クリニック」(埼玉県・三芳町)。紹介状も電話予約も不要で、1日250~350人にPCR検査を行っている。検体を朝6時までに出せば昼に結果が出て、昼までに検体を出せば夕方には結果がわかる。これまでに実施した検査数は約2万件に及び、約600人の陽性者を見つけ出してきた。そこから何が見えてきたのか。話を伺った鹿野 晃・理事長兼院長によれば、対象を絞り込み、PCR検査を公費で定期的に行うことで、感染予防のみならず経済活性化にも寄与する「戦略的PCR検査」の必要性だ。新型コロナの特徴として、若い人は比較的軽症で済む一方、無自覚に高齢者や基礎疾患などを抱えた人を感染させ、そうした人たちが重症化してICUや病床を埋めてしまうということが挙げられる。したがって、「若い感染者を早く見つけることが何より重要」と鹿野氏は指摘する。同時に、これまでのクラスター発生事例の分析などから、感染リスクが高い業種・場所がある程度特定できており、「医療・介護施設、学校、飲食店、理・美容店、営業マンなど、不特定多数の人たちと接する業種や職種に関しては、週に1回、定期的なPCR検査を公費で行い、陰性が確認できれば営業してもいいというような、戦略的な検査体制が必要」と説く。一方で、都道府県をまたぐ移動や、Go Toトラベル対象施設でのコロナ感染が懸念される中、鹿野氏が提唱するのが「新しい旅の様式」だ。つまり、旅行や行楽の前日までにPCR検査を受け、陰性証明書を発行してもらい、堂々と旅行するのだ。受け入れる飲食店側も従業員にPCR検査を実施、全員陰性であると証明し、当然ながら換気などの感染予防策も徹底する。そうすれば、「新型コロナの感染拡大を防ぎつつ、全力で経済を回すことも両立できる」(鹿野氏)。問題は検査費用だ。ふじみの救急クリニックでは、9月1日から自費のPCR検査料金を3万円から1万円(税込み)に引き下げると共に、法人負担で全職員を対象に毎週PCR検査を実施することにした。それでも、家族4人が旅行前にPCR検査を受けるとなると、検査費用は計4万円にも上る(同クリニックの場合)。これだけの出費となると、そもそも旅行に行かないかもしれない。しかし、鹿野氏は「濃厚接触者ではない人のPCR検査の料金も公費で賄うようにして、感染防止を徹底した中で旅行者が増えれば、経済も回っていくのでは」と話す。PCR検査推進反対派の中には、ワクチン開発や集団免疫の獲得を待つべきという人もいるが、これは事実上の無策と言える。それならば、戦略的に感染の高リスク業種や出発前の旅行者などに対象を絞って公費でPCR検査を実施すれば国民の納得も得られるのではないだろうか。このたび決まった新首相は、どうやら厚生分野に意欲的であるようだし、ぜひこの案、前向きに検討していただきたいものだ。

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日本における若年性認知症の有病率とサブタイプ

 若年性認知症患者の生活には、その年代に合った社会的支援が求められる。最新情報を入手し、適切なサービスを提供するためには、疫学調査が必要である。東京都健康長寿医療センター研究所の粟田 主一氏らは、若年性認知症の有病率、サブタイプの内訳、患者が頻繁に利用するサービスを明らかにするため、調査を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2020年8月19日号の報告。 本研究は、マルチサイト人口ベース2ステップ研究として実施された。全国12地域(北海道、秋田県、山形県、福島県、茨城県、群馬県、東京都、新潟県、山梨県、愛知県、大阪府、愛媛県[対象となる人口:1,163万322人])の医療機関、介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所、相談機関などを対象にアンケートを実施した。ステップ1として、過去12ヵ月間で若年性認知症患者がサービス求めたかまたは滞在したかを調査した。ステップ1で「はい」と回答した施設に追加のアンケートの協力を求め、若年性認知症患者へ質問票を配布し、認知症サブタイプなどのより詳細な情報を収集した。 主な結果は以下のとおり。・ステップ1では、1万6,848施設(63.8%)より有効な回答が得られ、若年性認知症患者4,077例が特定された。・ステップ2では、施設から1,614例(39.6%)、患者から530例(13.0%)の詳細な情報が得られた。・日本における若年性認知症の有病率は、人口10万人当たり50.9人(95%信頼区間:43.9~57.9、年齢範囲:18~64歳)と推定された。・2018年時点での日本における若年性認知症の患者数は、3万5,700人と推定された。・認知症サブタイプの内訳は、以下のとおりであった。 ●アルツハイマー型認知症:52.6% ●血管性認知症:17.1% ●前頭側頭型認知症:9.4% ●頭部外傷による認知症:4.2% ●レビー小体型認知症・パーキンソン病による認知症:4.1% ●アルコール関連障害による認知症:2.8%・若年性認知症は、認知症疾患医療センターで最も頻繁に診断されていた。 著者らは「本研究で推定された若年性認知症の有病率は、以前の研究結果と同等であった。しかし、認知症サブタイプの内訳は異なっており、アルツハイマー型認知症が最も多い結果となった。認知症疾患医療センターは、若年性認知症患者に質の高い診断と診断後のサポートを提供することにより、主要な特別医療サービスとして機能し続けることが期待される」としている。

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FGFR阻害薬pemigatinib、胆管がんに国内申請/インサイト

 インサイト・ジャパンは、2020年9月14日、FGFR阻害薬pemigatinibについて、FGFR2融合遺伝子陽性の局所進行または転移のある胆管がん患者の治療薬として、国内製造販売承認申請を提出したと発表した。pemigatinibは同適応症で、希少疾病用医薬品の指定も受けている。 pemigatinibは米国では、FGFR2融合遺伝子または遺伝子再構成が検出され、治療歴を有する、切除不能な局所進行または転移のある胆管がんの成人患者の治療薬として、FDAの製造販売承認を受け商品名Pemazyreとして販売されている。

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非心臓手術後の新規AF、脳卒中リスクを増大/JAMA

 非心臓手術を受けた患者において、術後30日間に新規の心房細動(AF)を発症した患者は非発症患者と比較して、虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)のリスクが有意に増大することが、米国・メイヨー・クリニックのKonstantinos C. Siontis氏らによる550例を対象とした後ろ向きコホート試験で示された。非心臓手術後に発症したAFのアウトカムについて明らかになっていない中で今回の試験は行われたが、得られた所見について著者は「抗凝固療法の必要性など、今回の所見を術後AFの治療に適用するには、無作為化試験による検討が必要である」と述べている。JAMA誌2020年9月1日号掲載の報告。非心臓手術後の新規AF群vs.非発症対照群の非致死的・致死的アウトカムを評価 研究グループは、非心臓手術後のAF新規発症vs.非発症の、非致死的・致死的アウトカムリスクとの関連を調べるため、米国ミネソタ州オルムステッド郡で、2000~13年に、非心臓手術後30日以内に記録された新規AFを発症した550例を対象に、後ろ向きコホート試験を行った。 対象患者のうち452例について、年齢、性別、手術実施年、手術の種類でマッチングを行い、非心臓手術後30日以内に新規AFを診断されなかった患者(非AF群)452例を対照群と設定。両群のアウトカム発生を2018年12月31日まで追跡した。 主要アウトカムは、虚血性脳卒中またはTIAの発症だった。副次アウトカムは、術後30日超に発症し記録されたAF、全死因死亡、心血管死だった。非心臓手術後AF発症群、非発症群に比べ高CHA2DS2-VAScスコア 合計904例を対象にマッチング解析を行った。被験者の年齢中央値は75歳(IQR:67~82)、患者の51.8%は男性だった。また、非心臓手術後AF群は非AF群に比べ、CHA2DS2-VAScスコア中央値は有意に高かった(術後AF群4[IQR:2~5]、非AF群3[2~5]、p<0.001)。 中央値5.4年(IQR:1.4~9.2)の追跡期間中に、虚血性脳卒中またはTIAは71件、術後30日超のAFは266件、死亡は571件で、うち172件が心血管関連死だった。 非AF群の虚血性脳卒中・TIAの発症率は10.0/1,000患者年だったのに対し、非心臓手術後AF群は18.9/1,000患者年と統計学的に有意にリスクが高かった(5年時の絶対リスク差[RD]:4.7%[95%信頼区間[CI]:1.0~8.4]、ハザード比[HR]:2.69[95%CI:1.35~5.37])。 また、非心臓手術後30日超のAF発症率も、非AF群21.6/1,000患者年に対し、非心臓手術後AF群は136.4/1,000患者年(5年時絶対RD:39.3%[95%CI:33.6~45.0]、HR:7.94[95%CI:4.85~12.98])、全死因死亡率はそれぞれ86.8/1,000患者年と133.2/1,000患者年(5年時絶対RD:9.4%[4.9~13.7]、HR:1.66[1.32~2.09])とAF群のリスクが統計学的に有意に高かった。心血管死発症率は25.0/1,000患者年と42.5/1,000患者年(5年時絶対RD:6.2%[2.2~10.4]、HR:1.51[0.97~2.34])で有意差は認められなかった。

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ALS、フェニル酪酸ナトリウム+taurursodiolが機能低下を遅延/NEJM

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者へのフェニル酪酸ナトリウム+taurursodiol投与は、24週間の機能低下をプラセボよりも遅らせる可能性があることが、米国・ハーバード大学医学大学院のSabrina Paganoni氏らによる、ALS患者137例を対象とした多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、示された。フェニル酪酸ナトリウムおよびtaurursodiol投与は、実験モデルでは神経細胞死を抑制することが示されていたが、ALS患者に対する2剤併用の有効性と安全性は明らかになっていなかった。今回の試験では、副次アウトカムについて2群間で有意差は認められず、結果を踏まえて著者は、「有効性と安全性を評価するには、より長期かつ大規模な試験を行う必要がある」と述べている。NEJM誌2020年9月3日号掲載の報告。 24週間のALSFRS-Rスコア低下率を比較 研究グループは2017年6月~2019年9月にかけて、米国25ヵ所の医療機関を通じ、ALSの確定診断を受けた発症後18ヵ月以内の患者を登録して試験を行った。 被験者を無作為に2対1の割合で無作為に割り付け、一方にはフェニル酪酸ナトリウム-taurursodiolを投与(フェニル酪酸ナトリウム3g+taurursodiol 1gを1日1回3週間、その後は1日2回)、もう一方の群にはプラセボを投与した。 主要アウトカムは、24週間の「筋萎縮性側索硬化症機能評価スケール改訂版」(ALSFRS-R、0~48点でスコアが高いほど機能良好)の合計スコアの低下率だった。 副次アウトカムは、等尺性筋力・血漿中リン酸化軸索ニューロフィラメントHサブユニット濃度・静的肺活量それぞれの低下率と、死亡・気管切開・永続的人工呼吸器の使用までの期間、死亡・気管切開・永続的人工呼吸器の使用・入院までの期間だった。スコア低下幅、プラセボ群-1.66点/月に対し実薬群-1.24点/月 ALS患者177例について試験適格スクリーニングを行い、137例をフェニル酪酸ナトリウム-taurursodiol群(89例)またはプラセボ群(48例)に無作為に割り付けた。 修正intention-to-treat解析の結果、ALSFRS-Rスコアの平均変化率は、プラセボ群-1.66点/月に対し、実薬群-1.24点/月だった(群間差:0.42点/月、95%信頼区間:0.03~0.81、p=0.03)。 副次アウトカムについては、2群間で有意差は認められなかった。実薬による有害事象は、主に消化器系に関連したものだった。

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患者とどこまでわかり合える?「医療マンガ大賞2020」開催

 医療現場では、同じ出来事でも、患者と医療従事者では受け取り方や感じ方が異なることが少なくない。横浜市は、こうした視点の違いによるコミュニケーションギャップの可視化を目的に、「第2回医療マンガ大賞」の開催を発表した。 これは、医療広報の一環として、患者や医療従事者が体験したエピソードを基に、それぞれの視点の違いを描く漫画を公募する取り組み。昨年開催された第1回では、55作品の漫画が応募され、「人生の最終段階」をテーマに患者・家族の視点を描いた油沼氏(ペンネーム)の作品が大賞を受賞した。 今回、ケアネットほか3社の協力企業から、計4テーマ9部門の原案エピソードで漫画作品を募集する。応募受付期間は9月17日(木)~10月15日(木)で、誰でも応募できる。 これに先立ち、ケアネットでは、「心がふるえた 医療現場のエピソード」をテーマに、会員医師・薬剤師よりアンケートにて公募を行った。採用エピソードは、医療マンガ大賞ウェブサイト(URL:https://iryo-manga.city.yokohama.lg.jp/)に掲載されている。 CareNet.comでは、医療マンガ大賞の結果が発表される11月以降に、採用エピソードと受賞漫画作品を掲載する予定。

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本邦におけるレムデシビルの投与基準は妥当か?(解説:山口佳寿博氏)-1285

 レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注液)はエボラウイルス病(旧エボラ出血熱)の原因病原体(マイナス1本鎖RNAウイルス)に対する治療薬として開発が進められてきた。レムデシビルは核酸類似体でRNA依存RNA合成酵素を阻害する。この薬物が、プラス1本鎖RNAウイルスである新型コロナにも効果が期待できる可能性があり、世界レベルで治験が施行されてきた。とくに、米国における期待度は高く、米国の新型コロナ感染症の第1例目にレムデシビルが投与され劇的な改善が得られたと報告された。それ以降、米国では科学的根拠が曖昧なまま“人道的(compassionate)”投与が繰り返された(Grein J, et al. N Engl J Med. 2020;382:2327-2336.)。しかしながら、中国・武漢で施行されたdouble-blind, randomized, placebo-controlled trial(症状発現より12日以内の中等症以上の患者、237例)では、薬物投与群(レムデシビル10日投与)と対照群の間で有意差を認めた臨床指標は存在しなかった(Wang Y, et al. Lancet. 2020;395:1569-1578.)。本稿で述べる重症度分類は本邦厚労省の『新型コロナウイルス感染症診療の手引き』に準ずる。米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のスポンサーシップの下で施行されたdouble-blind, randomized, placebo-controlled trial(本邦を含む世界9ヵ国が参加、中等症以上の患者、1,059例)の中途解析(731例)では、臨床症状/所見の回復が薬物投与群(レムデシビル10日投与)で対照群より4日短縮されることが示された(Beigel JH, et al. N Engl J Med. 2020 May 22. [Epub ahead of print])。この結果を受け、米国FDAは5月1日にレムデシビルの重症例に対する緊急使用を承認した。本邦の厚労省も5月7日に呼吸不全を合併する中等症患者、機械呼吸/ECMOを必要とする重症患者(小児を含む)に対してレムデシビルの特例使用を許可した。投与期間に関しては、機械呼吸/ECMO導入例では最大10日間、それ以外の場合には5日間と規定された。 5月以降、レムデシビルの至適投与期間を決定するための治験が続行された。世界8ヵ国で施行されたレムデシビルの5日投与と10日投与のrandomized, open-label, phase 3 trial(中等症以上の患者、397例)で、臨床効果は両群で有意差がなく重篤な呼吸不全への進展を含む有害事象の発症は10日投与群で有意に高かった(Goldman JD, et al. N Engl J Med. 2020 May 27. [Epub ahead of print])。Spinnerら(Spinner CD , et al. JAMA. 2020 Aug 21. [Epub ahead of print])は、中等症入院患者(肺炎あり、しかし、室内気吸入時のSpO2>94%)を対象としたrandomized, open-label, phase 3 trial(596例)を施行し、試験開始11日目における臨床症状/所見の改善度は対照の標準治療群に較べ5日投与群で有意に勝ることを示した。一方、10日投与群と標準治療群の間では有意差を認めなかった。Goldman、Spinnerらの治験結果は、レムデシビルの10日投与の臨床的意義に疑問を投げかけるものであった。Spinnerらの治験結果ならびにNIAID治験の最終結果(1,062例、臨床症状/所見の回復はレムデシビル投与群で5日間短縮)を受け、米国FDAは、8月29日、レムデシビルの投与対象を修正した。新しいFDAの指針では、重症度と無関係に入院中の小児を含むすべての患者(感染確定例、疑い例)にレムデシビルを投与してよいと改定された。 本邦においては、9月4日、『新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第3版)』が厚労省より刊行されたが、レムデシビルの投与対象、投与期間は5月7日の特例承認の時とほぼ同じであった。第3版では、機械呼吸/ECMO導入なしの呼吸不全を伴う中等症において5日投与で臨床症状が改善しない場合は10日まで投与を延長できると記載されている。しかしながら、この投与期間の延長は、Goldman、Spinnerらの治験結果と矛盾するものであり再考が必要である。さらに、第3版では、肺の浸潤陰影が急速に増悪する場合(重症化)にはステロイドの投与と共にレムデシビルの使用を考慮すべきだと記載されている。このような状況は、ウイルスそのものに起因する一次性肺炎の増悪に加え生体の免疫過剰反応に惹起された二次的病変がより強く関与する病態と考えなければならず、ステロイドは正しい選択であるがレムデシビルに関してはどうであろうか? レムデシビルはRNA合成酵素阻害薬で抗ウイルス薬の1つと位置付けられる。それ故、レムデシビルは原則としてウイルス量が多い感染初期に投与されるべき薬物である。重症化した症例ではウイルス量は低下せず維持される場合があることが示唆されている(Lucas C, et al. Nature. 2020;584:463-469.)。しかしながら、このような時期に抗ウイルス薬の投与が病態を改善するか否かについては解明されておらず、今後の検討が必要な課題である。 Beigelらのデータにおいて注意すべき点は、レムデシビルの効果(回復までの時間)が白人(試験参加人数:全体の53%)においては確実に認められるが、黒人(21%)、日本人を含むアジア人(13%)では標準治療群との間に有意差を認めていないという事実である(Beigelらの図3、subgroup解析参照)。すなわち、Beigelらのデータは、試験への参加人数が多かった白人に引っ張られた結果であり、レムデシビルが日本人に有効であることを示しているわけではない。それ故、厚労省のレムデシビルに関する指針には確固たる根拠がなく、日本人を対象とした独自の治験でレムデシビルの効果を直接検証する必要がある。

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研修医の朝は早い【森野コジカの研修医室からこんにちは!】第6回

第6回 研修医の朝は早いこんにちは! 森野コジカです。研修医の皆さん、朝起きるのは得意ですか? コジカは朝型なので、比較的早く起きれるほうですが、勢い余って休日まで平日と同じ時間に目が覚めてしまいます…。もちろん、休みなので二度寝します。良いですよね、二度寝。二度寝し放題の世の中になってくれることを神様にお願いしながら、グースカ寝たいと思います〜!

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「ピートル」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第17回

第17回 「ピートル」の名称の由来は?販売名ピートル®チュアブル錠250mgピートル®チュアブル錠500mgピートル®顆粒分包250mgピートル®顆粒分包500mg一般名(和名[命名法])スクロオキシ水酸化鉄効能又は効果透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善用法及び用量通常、成人には、鉄として1回250mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日3000mgとする。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌 (次の患者には投与しないこと)】本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2020年9月16日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2018年11月改訂(改訂第5版)医薬品インタビューフォーム「ピートル®チュアブル錠250mg/ 500mg、ピートル®顆粒分包250mg / 500mg」2)キッセイ薬品:ピートル®.jp

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第24回 オンライン診療めぐり日医と全面対決か?菅総理大臣になったらグイグイ推し進めるだろうこと(後編)

「いろんな抵抗があることはわかっているが、やった方がいい」こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。菅 義偉氏が自民党総裁に選出されました。9月16日には菅総理大臣が誕生します。そこで前回に引き続き、菅政権において、医療関係者はまずどんな政策を気にしなければならないかを考えてみたいと思います。前回は、まず第1に地方、都市部含めて、公立・公的病院の再編・統合が今まで以上に強硬かつ急速に進めるのではないか、と書きました。そしてもう1 つ、確実に力を入れるであろうことがあります。それは各紙も報道しているように、医療のデジタル化、直近ではオンライン診療の推進です。新型コロナ感染症で日本のDX (デジタル・トランスフォーメーション)政策の遅れが露呈しました。そういったこともあり、医療分野では現場で定着しつつあるオンライン診療がターゲットになるはずです。9月6日付の日本経済新聞では、5日に行った菅官房長官の単独インタビューを掲載しています。その中で菅氏は、新型コロナウイルスへの対応で遅れが明らかとなったデジタル行政を加速するために、各省庁にまたがるデジタル部局を集約して「デジタル庁」を創設することを検討している、と話しました。さらにその流れで、コロナ収束までの時限的措置として特例的に規制を緩和しているオンライン診療について恒久化すると語り、「いろんな抵抗があることはわかっているが、思い切ってやった方がいい」と力説しています。“いろんな抵抗”とは、もちろん日本医師会(日医)を指していることは、誰の目にも明らかです。2016年未来投資会議の安倍氏発言がきっかけオンライン診療は、元々は安倍 晋三首相の2016年の未来投資会議の発言がきっかけとなって診療報酬の中に位置づけられた制度です。その経緯を簡単におさらいしておきましょう。2016年11月の第2回未来投資会議において、安倍首相は「ビッグデータや人工知能を最大限活用して『遠隔診療』や『予防・健康管理』を推進する」旨の発言をしました。これを受け、2017年6月には「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太方針)、「未来投資戦略2017」、「規制改革実施計画」が閣議決定され、遠隔診療推進の内容が盛り込まれ、遠隔診療推進の流れが本格化しました。その後、社会保障審議会、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)の議論を経て、2018年度診療報酬改定での「オンライン診療(オンライン診療料、オンライン医学管理料の算定」の導入につながりました。しかし、2018年に制度化はされたものの、2020年までオンライン診療はそれほど進みませんでした。さまざまな理由が考えられますが、対面診療に比べて診療報酬が低いことや、算定対象が少なかったことなどが主なものとして挙げられます。そこには、2018年の診療報酬改定における制度設計の段階から、「医療は対面診療が原則」と強硬に主張し、一貫して慎重姿勢(つまりは反対)を貫いてきた日医の存在がありました。コロナで初診からオンライン診療が可能にところが、2020年に入ると新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、状況は一変します。2月以降、3度にわたって特例措置が発出され、医療機関受診が難しくなった患者への配慮として、オンライン診療の時限的・特例的な活用が認められたのです。最大の規制緩和は、感染拡大が進んだ4月10日、厚労省より発出された事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」によるものです。これによって、医師の判断により、初診からオンライン診療が可能になりました。対象疾患の制限もありません。この事務連絡に至るまでには紆余曲折がありました。政府と厚生労働省、日医の間での綱引きが繰り広げられたのです。3月31日の経済財政諮問会議で安倍首相がオンライン診療を拡大するよう指示しました。これを受けて、厚労省は4月2日の検討会で、限定的に初診対面原則を緩和する案を示しました。しかし、政府の規制改革推進会議が「危機的な状況なのに、いろいろなところに配慮して、なかなかクリアカットな施策が出てこない」と批判、一層の規制緩和を求めました。その結果、4月7日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」には「初診も含め、電話や情報通信機器で医療機関へアクセスし、適切な対応が受けられる仕組みを整備する」方針が盛り込まれ、「全面解禁」の事務連絡となったのです。つまり、オンライン診療は2018年の診療報酬改定で枠組みができ、日医に配慮する形で少しずつ対象拡大をしてきたものの活用に制限があったところを、新型コロナウイルス感染拡大という緊急事態を背景に厚労省と日医の反対を押し切る形で、時限的とはいえ初診対面原則が撤廃されたのです。2020年9月16日現在も「初診・再診可能」「対象疾患制限なし」の「特例的オンライン診療」はまだ認められている状態です。「事態が収まり次第、対面診療に戻すべき」と日医4月7日の閣議決定に、当然ながら日医はよい顔をしませんでした。閣議決定後の定例記者会見で松本 吉郎常任理事は、全くの初診からのオンライン診療の実施は、情報のない中での問診と視診だけの診断や処方となるため、大変危険であると主張してきたことを改めて説明した上で、「今回の措置は、この非常事態の下、患者や医療従事者の感染を防止し、地域医療の崩壊を避けるための特例中の特例であり、例外中の例外である」として、「事態が収まり次第、速やかに、通常の診療である対面診療に戻し、安全で安心できる医療の本来の姿を取り戻すべき」と話しました。また、6月に新しく日医会長になった中川 俊男氏も7月9日に行った就任後初の記者会見で、オンライン診療について、「企業の戦略として進めるのではなく、患者も、医師も、少しでも納得感を得ながら、ゆっくり拡大していくのがあるべき姿だ」と改めて慎重姿勢を示しました。原則対面診療を主張する日医がその根拠とするのは医師法20条の規定です。同条は「医師は、自ら診察しないで治療や処方箋を出してはならない」と定めています。これを踏まえ「医療の大原則は医師と患者の信頼関係に基づく対面診療にあり、オンライン診療はあくまでも対面診療の補完である」と主張してきたわけです。もっとも、日医会員にはITに疎い中高年の診療所院長が多いことから、若手医師たちに患者を奪われることを恐れての反対、と見る向きも一部にはあるようです。成長戦略にも位置づけられる時限的・特例的な取り扱いによる「特例的オンライン診療」が、感染収束後も「新しい生活様式」の中で定着していくかどうかは、今後改めて議論を進める予定でしたが、菅総理大臣の誕生によって「特例的ではなくなる」公算が高くなってきました。2020年7月3日に開かれた未来投資会議では、オンライン医療の積極的な活用が成長戦略の中にも明確に位置づけられています。とくに新型コロナウイルス感染症の感染拡大による時限的措置は、検証の絶好の機会と捉えられており、オンライン診療の有効性・安全性等に係るデータの収集、事例の実態把握を進めて検証を進め、その結果に基づいて、ガイドラインを定期的に見直すとともに、安全性・有効性が確認された疾患については、オンライン診療料の対象への追加を検討するとしています。今後、菅総理大臣の指示いかんでは、「対象への追加」ではなく、今の時限的・特例的な取扱いを恒久化する可能性が出てきたわけです。菅氏が日医に放った“刺客”ところで、オンライン診療における厚労省の担当部署は、厚労省の医政局医事課です。その医政局長にこの8月、医系技官の迫井 正深氏が就任しました。迫井氏は保険局医療課企画官、老健局老人保健課長、医政局地域医療計画課長、保険局医療課長などを歴任した医系技官のエース中のエース。診療報酬改定や医療計画、地域医療構想など、病院の経営に関係する重要政策をとりまとめてきました。当然、歴代の日医執行部とも丁々発止の議論を行ってきたに違いありません。前回書いた、公立・公的病院リストラも地域医療構想とも関連するので医政局マターです。そう考えると、迫井氏は、“いろんな抵抗”のうちの最大勢力である日医に対し、菅氏が放つ“刺客”という見方ができるかもしれません。菅氏は総務大臣のときに自らが肝いりで創設したふるさと納税の制度について、異論を述べる官僚を更迭した、との報道もありました。また、今回の厚労省の幹部人事の背景には、新型コロナウイルス感染症への諸々の対応に対する官邸の不満があったとも言われています。9月13日に放送されたフジテレビの報道番組で菅氏は「方向を決定したのに反対するんであれば、(その官僚は)異動してもらう」と話し、中央省庁の幹部人事を決める内閣人事局という仕組みに修正すべき点はない、と明言しました。菅総理大臣が、厚労省幹部をどう掌握し、“抵抗勢力”日医と対峙していくのか。その戦いの行方が気になります。

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女性化乳房患者の原因を探って長期フォローを実施【うまくいく!処方提案プラクティス】第27回

 今回は、女性化乳房の原因薬を作用機序から判断して中止提案を行った事例を紹介します。女性化乳房は症状消失までに数ヵ月かかることもあるため、患者さんに説明しながら長期フォローを行う必要があります。患者情報80歳、男性(施設入居)基礎疾患機能性ディスペプシア、身体表現性障害、高血圧、レストレスレッグス症候群既往歴2年前に加齢黄斑変性、白内障を手術訪問診療の間隔2週間に1回服薬管理看護師が管理処方内容1.アコチアミド塩酸塩水和物錠100mg 3錠 分3 朝昼夕食前2.酸化マグネシウム錠330mg 3錠 分3 朝昼夕食後3.プラミペキソール塩酸塩OD錠0.125mg 1錠 分1 就寝前4.クロナゼパム錠0.5mg 1錠 分1 就寝前5.センナ・センナ実顆粒 1g 分1 就寝前6.ペルフェナジンマレイン酸塩錠2mg 1錠 分1 就寝前本症例のポイントこの患者さんは、施設に入居する前に、抑うつの診断からミルタザピン、エチゾラム、ガランタミン、フェキソフェナジン、エソメプラゾールなど多数の薬剤を服用していました。入居後は体調が安定したため、医師と相談しながら薬剤数を段階的に減らして現在の服用薬に落ち着けることができました。体調が安定して数ヵ月が経過したところで、訪問診療中に本人より「乳房が張って痛みがある。痛みを減らす軟膏を処方してほしい」と相談がありました。医師とともに患者さんの胸の症状を確認したところ、女性化乳房であることが発覚しました。そこで、対応を考えるために下記のように思考を整理しました。女性化乳房の原因と薬剤間の相互作用をチェック女性化乳房を引き起こす薬剤としては抗アルドステロン薬のスピロノラクトンが有名ですが、ドパミン受容体拮抗薬でも生じることがあります。ペルフェナジンなどのフェノチアジン系抗精神病薬は、ドパミンD2受容体に拮抗し、ドパミンのプロラクチン分泌阻害活性を消失させて高プロラクチン血症となり、女性化乳房・乳房痛へ至る可能性があります。今回の女性化乳房でも長期間服用しているペルフェナジンによる抗ドパミン作用の影響が少なからずあるのではないかと疑いました。ペルフェナジンの処方理由を探ったところ、機能性ディスペプシアや身体表現性障害による周辺症状に対してだと思われましたが明確な理由は不明で、現状は状態が安定して低用量の服用であることから中止が可能と考えました。また、レストレスレッグス症候群のためプラミペキソールも服用中でしたが、ペルフェナジンもプラミペキソールもドパミン作動性で拮抗薬となっていることからも中止するのが妥当と考えました。処方提案と経過今回の女性化乳房の原因としてペルフェナジンによる可能性を医師に伝え、現在服用中のプラミペキソールへの拮抗作用もあることからペルフェナジンの中止を提案しました。新規に薬を追加することよりも、薬剤数を減らすことで改善できるのであれば賛同できると医師に承認を得ることができました。ペルフェナジンを服用中止して2週間経過したところ、悪心・嘔気などの胃部不快感や不眠などの影響はありませんでした。肝心の乳房痛は改善がありませんでしたが、女性化乳房は原因薬の中止から症状消失までに約2ヵ月程度かかるという報告もあることから、経過を根気強くフォローすることにしました。その2週間後には、前ほど気にならなくなったと患者さんより聴取しました。さらにもう2週間経過したところで症状がずいぶん軽くなったと自覚できるまで改善し、最終的には消失しました。なお、レストレスレッグス症候群の病状に改善も悪化もなく安定した状態が続いています。ピーゼットシー錠2mg/4mg/8mg インタビューフォーム抗精神病薬による高プロラクチン血症に関するレビュー

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脳画像データの機械学習を用いた統合失調症と自閉スペクトラム症の鑑別

 神経精神疾患の診断は、問診による臨床症状に基づいて行われるため、難しい部分がある。ニューロイメージングなどの客観的なバイオマーカーが求められており、機械学習と組み合わせることで確定診断の助けとなり、その信頼性を高めることが可能である。東京大学のWalid Yassin氏らは、統合失調症患者、自閉スペクトラム症(ASD)患者、健常対照者から得た磁気共鳴画像(MRI)の脳構造データを用いて機械学習を行い、鑑別診断のための機械学習器の開発を試みた。Translational Psychiatry誌2020年8月17日号の報告。 統合失調症患者64例、ASD患者36例、健常対照者106例から得た脳構造データを、FreeSurferを用いて解析した。6つの機械学習器を用いて対象の分類を行った。また、精神疾患ハイリスク患者26例、初回エピソード精神疾患患者17例の脳構造データを、開発した機械学習器に当てはめた。最後に、各疾患群の臨床症状の重症度によって評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・6つの機械学習器のすべてが、比較的よく機能していた。・とくに、サポートベクターマシーン(SVM)とロジスティック回帰(LR)の2つの機械学習器が、鑑別診断により有効であることが示唆された。・皮質厚と皮質下体積は、判別に最も有効であった。・LRおよびSVMは、ASDの臨床指標と非常に一致していた。・精神疾患ハイリスク患者群、初回エピソード精神疾患患者群の脳構造データは、大部分が統合失調症と分類され、ASDとしては分類されなかった。 著者らは「今回開発した機械学習器は、統合失調症の異なる臨床病期の脳構造データを当てはめると、統合失調症または健常対照と分類され、ASDと分類されることはなかった。そのため、本研究による機械学習器は、臨床現場で必要とされる、鑑別診断や治療予測などのマーカーとしての応用が期待される」としている。

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米国Novavax社の新型コロナワクチン、第I相試験で安全性確認/NEJM

 開発中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のワクチン「NVX-CoV2373」は、接種後35日の時点で安全と考えられ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の回復期血清中のレベルを上回る免疫応答を誘導することが、米国・NovavaxのCheryl Keech氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年9月2日号に掲載された。NVX-CoV2373は、三量体完全長(すなわち膜貫通ドメインを含む)のスパイク糖蛋白から成る遺伝子組み換えSARS-CoV-2(rSARS-CoV-2)ナノ粒子ワクチンと、Matrix-M1アジュバントを含有する。動物モデルでは、SARS-CoV-2に対する防御効果が確認されている。なお、Novavaxは本ワクチンの日本国内での開発、製造、流通について、武田薬品と提携している。プラセボ対照無作為化第I/II相試験の第I相の結果 研究グループは、rSARS-CoV-2ワクチン(NVX-CoV2373、開発元:Novavax)の安全性と免疫原性を評価する目的で、プラセボ対照無作為化第I/II相試験を進めている(感染症流行対策イノベーション連合[CEPI]の助成による)。この試験は2020年5月26日に開始され、今回は、オーストラリアの2施設が参加した第I相試験の結果(接種後35日の解析)が報告された。 対象は、18~60歳未満の健康な成人131例であった。第I相では、21日の間隔を空けて2回、ワクチンが筋肉内注射された。ワクチン用量は5μgまたは25μg、Matrix-M1アジュバント(50μg)は添加と非添加に分けられ、7つの群が設定された。 主要アウトカムは、反応原性(接種部位:疼痛、圧痛、紅斑、腫脹、全身性:発熱、悪心・嘔吐、頭痛、疲労感、不快感、筋肉痛、関節痛)、米国食品医薬品局(FDA)の毒性スコアに基づく安全性評価の検査値(血液生化学、血液学)、抗スパイクタンパク質IgG抗体反応(酵素免疫測定法[ELISA]単位)とした。副次アウトカムには、自発的に報告された有害事象、野生型ウイルスの中和(マイクロ中和抗体測定)、T細胞反応(サイトカイン染色)などが含まれた。 免疫原性(IgG抗体およびマイクロ中和抗体)の結果は、多くが有症状のCOVID-19患者から採取した回復期血清サンプルと比較された。初回接種から35日の時点で、初回解析が行われた。反応原性はなし~軽度で、2回の接種とも2日以内に消退 131例の参加者のうち、83例がワクチン+アジュバント、25例がワクチンのみ、23例はプラセボを接種する群に割り付けられた。7つの群の平均年齢の範囲は23.7~35.6歳、女性の割合は32.0~65.4%であった。 全体で、重篤な有害事象は認められず、ワクチン接種中止規則は実行されなかった。反応原性は、ほとんどの参加者がなしあるいは軽度であり、アジュバント投与例で頻度が高い傾向がみられたが、反応原性が原因で2回目の接種が中止あるいは延期されることはなかった。 1例に、2回目の接種後1日のみの発熱(38.1度)が認められた。2回目の接種後に7日を超える有害事象はみられなかった。また、反応原性イベントの平均持続期間は、初回および2回目の接種後とも2日以内だった。 Grade2以上の検査値異常は13例(10%)で認められ、初回接種後が9例、2回目接種後は4例であった。検査値異常が臨床症状と関連することはなく、再接種による増悪もみられなかった。 自発的に報告された有害事象は、ほとんどが軽度で、アジュバント投与の有無で差はなく、重度の有害事象はみられなかった。 アジュバントを投与した場合、ワクチン用量5μgと25μgとで免疫応答はほぼ同等であり、アジュバント添加による用量節減効果が示された。また、アジュバント添加により1型ヘルパーT細胞(Th1)反応が誘導された。 2回のワクチン用量5μg+アジュバント添加レジメンの抗スパイクタンパク質IgG抗体の幾何平均値(63,160 ELISA単位)および中和抗体反応の幾何平均値(3,906)は、ほとんどが有症状のCOVID-19患者における回復期血清(抗スパイクタンパク質IgG抗体幾何平均値:8,344 ELISA単位、中和抗体反応幾何平均値:983)を上回っていた。 著者は、「これらの結果により、アジュバント添加遺伝子組み換え完全長スパイクタンパク質ナノ粒子ワクチンNVX-CoV2373は、有効性試験での評価を要する有望な候補であることが示された。35日目の安全性の初回解析の結果に基づき、第II相試験が開始されており、第III相試験も準備段階にある」としている。

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バリシチニブ、中等~重症アトピー性皮膚炎への単剤有効性・安全性を確認

 経口JAK1/2阻害薬は、COVID-19重症患者のサイトカインストーム治療に有用と報告されている。その1つ、経口JAK1/2阻害薬バリシチニブは、わが国を含め70ヵ国で関節リウマチの治療薬として承認されているが、外用コルチコステロイド薬で効果不十分な中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)への同薬剤の有効性と安全性を検討した、米国・オレゴン健康科学大学のE. L. Simpson氏らによる、2件の第III相試験の結果が報告された。投与16週以内で臨床徴候と症状の改善が認められ、かゆみが速やかに軽減、安全性プロファイルは既知の所見と一致しており、新たな懸念は認められなかったという。これまで第II相試験において、バリシチニブと外用コルチコステロイド薬の併用が、ADの重症度を軽減することが示されていた。British Journal of Dermatology誌2020年8月号掲載の報告。 外用コルチコステロイド薬で効果不十分な中等症~重症AD患者に対する、バリシチニブの有効性と安全性の評価は、2件の多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較プラセボ対照試験「BREEZE-AD1試験(2017年11月~2019年1月)」「BREEZE-AD2試験(2017年11月~2018年12月)」で検討された。 試験は欧州、アジア、中南米、オーストラリアの173施設で実施。中等症~重症AD成人患者を4群(1日1回のプラセボ、バリシチニブ1mg/2mg/4mg)に、2対1対1対1の割合で無作為に割り付けた(地域、ベースラインの疾患重症度による層別化も施行)。 有効性の主要エンドポイントは、バリシチニブ4mgまたは2mgのプラセボに対する優越性で、ベースラインから16週目にValidated Investigator's Global Assessment(vIGA)-ADスコアが2ポイント以上改善し、0(改善)または1(ほとんど改善)を達成した患者の割合で評価した。vIGA-ADは5段階評価(0[改善]~4[重症])で、医師の全体的な疾患重症度の印象で評価する。 主な結果は以下のとおり。・BREEZE-AD1試験(AD1)には624例、BREEZE-AD2試験(AD2)には615例が登録された。ベースラインの被験者特性は、割付治療群間で類似していた(平均年齢:AD1:35~37歳、AD2:33~36歳、女性の割合:33.3~40.6%、33.3~47.2%など)。ベースラインのvIGA-ADスコア4の被験者割合は、AD1が40%、AD2が50%だったが、EASIおよびSCORADスコアは同等であった。4mg群とプラセボ群は試験中断率が低く、試験完遂率はAD1が86.9%、AD2が88.0%だった(これらの被験者は、長期追跡の延長試験BREEZE-AD3試験に組み込まれている)。・16週時点で2試験ともに、4mg群と2mg群がプラセボ群と比べて、主要エンドポイントを達成した患者割合が有意に高率であった。・AD1では、プラセボ群4.8%に対し、バリシチニブ4mg群16.8%(プラセボ比較とのp<0.001)、2mg群11.4%(p<0.05)、1mg群11.8%(p<0.05)。AD2では、プラセボ群4.5%に対し、バリシチニブ4mg群13.8%(p=0.001)、2mg群10.6%(p<0.05)、1mg群8.8%(p=0.085)であった。・かゆみの改善は、4mg群は1週目から、2mg群は2週目からと、早期に達成された。・夜間覚醒、皮膚の疼痛、QOLの改善は、4mgと2mgの両方で1週目に観察された(すべての比較のp≦0.05)。・バリシチニブ投与群で最も頻度の高かった有害事象は、鼻咽頭炎、頭痛であった。・すべての用量のバリシチニブ投与群で、心血管イベント、静脈血栓塞栓症、消化管穿孔、重大な血液学的変化、死亡は観察されなかった。

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