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超音波気管支鏡ガイド下針生検、PD-L1検査の成功率高い/Chest

 適切な治療には、確度の高い情報が得られる検査の実施が重要である。今回、それらが治療の成否の鍵を握ることを再認識する試験結果が示された。イタリア・モリーゼ大学のFabio Perrotta氏らは、一般的に進行がん患者で行われる細胞検体の採取について、超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)で採取した検体が、非小細胞肺がん(NSCLC)におけるPD-L1検査に適しているかを評価する大規模な多施設共同研究を行った。その結果、EBUS-TBNAはPD-L1検査に適した検体を提供することが示され、進行N期と脳転移はPD-L1高発現と関連することも示されたという。抗PD-1/PD-L1抗体治療を行うに当たっては、がん細胞におけるPD-L1の発現が、患者を選択するための臨床的に重要なバイオマーカーになる。NSCLC患者を対象とした免疫療法の臨床試験では、PD-L1検査の組織学的エビデンスが必要とされており、そうした背景を踏まえて本検討は行われた。Chest誌2020年9月号掲載の報告。 研究グループは2015年1月~2016年12月に、英国の6施設および米国の1施設におけるNSCLCの連続症例から採取した577検体について分析した。 PD-L1検査におけるEBUS-TBNA検体採取の適切性を他の検体採取法と比較するとともに、研究集団における臨床病理学的特徴とPD-L1発現との関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・EBUS-TBNA群(189検体)では、PD-L1検査が成功した患者の割合は94.7%であった。・他の組織採取法の検体と比較し、EBUS-TBNAで採取した検体の適切性に重大な差はなかった。・高齢患者では、PD-L1検査の不成功率が高かった(OR:1.06、p=0.008)。・多変量解析の結果、進行N期(p=0.048)および脳転移の存在(p<0.001)は、PD-L1高発現と関連していた。

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新規抗体薬物複合体SG、尿路上皮がんに有望(TROPHY-U-01)/ESMO2020

 プラチナ系抗がん剤と免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の治療歴を有する転移のある尿路上皮がんに対する新規抗体薬物複合体Sacituzumab Govitecan(SG)の有用性は、昨年のESMO2019で中間解析結果が発表されている(35例での奏効率は29%)。今回の欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)では、その最終解析結果が、フランス・Institut de Cancerologie Gustave RoussyのYohann Loriot氏より報告された。 このSGは、多くの固形腫瘍の細胞表面に発現するタンパクTrop-2を標的としており、ヒト化抗Trop-2モノクローナル抗体とイリノテカン系抗がん剤の抗体薬物複合体(ADC)である。TROPHY-U-01試験は、複数のコホートからなるオープンラベルの第II相試験であり、今回はそのコホート1集団の発表である。・対象:プラチナ系抗がん剤とICI既治療(治療ライン数は問わず)の転移のある尿路上皮がん(mUC)患者、PSは0~1・試験群:SG 10mg/kgをday1、8、3週ごと[主要評価項目]中央判定による奏効率(ORR)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・今回の最終解析の対象は、113例(ITT)。年齢中央値は66歳で75歳以上は23%、内臓転移有りは62%(肝転移は28%)だった。・前治療ライン数の中央値は3.0だった。・データカットオフ2020年5月、追跡期間中央値6.3ヵ月の時点で、治療継続症例は16例(14%)だった。・ORRは27%で、CR 5%、PR 22%であった。これは、試験設計時の統計学的なORR閾値12%を上回っていた。・DOR中央値は5.9ヵ月であった。・PFS中央値は5.4ヵ月、OS中央値は10.5ヵ月であった。・主な治療関連有害事象(TRAE)は、下痢:65%(Grade3は9%、4は1%)悪心:58%(同4%、0%)、好中球減少症:46%(同22%、12%)、倦怠感:50%(同4%、0%)、脱毛:47%(同0%、0%)、発熱性好中球減少症:10%(同7%、3%)などであった。・TRAEによる治療中止は6%で、原因は好中球減少症などであった。治療関連死は発熱性好中球減少による敗血症の1例だった。 SGは、米国FDAによりmUCにおけるファストトラック指定を受けており、トリプルネガティブ乳がんでは迅速承認を取得している。現在、mUCを対象とした第III相試験TROPiCS-04(NCT04527991)が進行中である。

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新型コロナ、唾液PCR検査の感度9割を実証/北海道大

 北海道大学大学院医学研究院の豊嶋 崇徳教授ら研究グループは、9月29日の記者会見で、新型コロナウイルスのPCR検査について、約2,000例の症例で唾液と鼻咽頭スワブの診断精度を比較した結果、いずれも感度は約90%、特異度は両者とも99.9%だったと発表した。PCR検査を巡っては、唾液による検査が簡便かつ医療従事者の感染リスク防止の観点で有用と考えらえるが、感度は未知数であり、鼻咽頭スワブでも70%程度と見られていた。今回の結果は、従来の見立てを大きく上回り、PCR検査の信頼性を裏付ける形となった。研究をまとめた論文は、Clinical Infectious Diseases誌2020年9月25日号に掲載された。 本研究では、国際便での空港検疫および保健所での濃厚接触者で、無症状の1,924例について、唾液および鼻咽頭スワブを採取し、PCR検査を実施した。その結果、陽性例が唾液で48例、鼻咽頭スワブで46例確認され、感度は唾液で92%(95%信頼区間[CI]:83~97%)、鼻咽頭スワブで86%(95%CI:77~93%)、特異度は両者共に99.9%超であった。また、陽性例のウイルス量は両者で同等に検出されたという。 研究グループは、従来不明瞭であったPCR検査の精度が、唾液と鼻咽頭スワブいずれも高い信頼性に基づくものであることが本結果により実証されたと同時に、鼻咽頭スワブの採取よりも安全かつ簡便で、採取者の感染リスクや被採取者の不快感も少ない自己唾液採取が、スクリーニング検査の標準法として推奨できると結論付けている。

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統合失調症患者のCOVID-19による院内死亡率

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により入院が必要となる統合失調症患者の特徴やアウトカムに関する情報は限られている。フランス・エクス=マルセイユ大学のG. Fond氏らは、COVID-19に罹患した統合失調症患者の臨床的特徴およびアウトカムを明らかにするため、統合失調症でない感染者との比較検討を行った。L'Encephale誌オンライン版2020年7月30日号の報告。 本検討は、南フランス・マルセイユの4つの公的支援急性期医療病院に入院したCOVID-19患者の症例対照研究として実施した。入院を必要とするCOVID-19患者は、鼻咽頭サンプルのPCR検査および/または胸部CTの陽性結果で確認した。主要アウトカムは院内死亡率とし、副次的アウトカムはICU入室とした。 主な結果は以下のとおり。・対象感染者数は、1,092例であった。・院内死亡率は、全体で9.0%であった。・COVID-19に罹患した統合失調症患者は、統合失調症でない感染者と比較し、死亡率が高かった(26.7% vs.8.7%、p=0.039)。このことは、年齢、性別、喫煙状況、肥満、合併症で調整した後の多変量解析でも確認された(調整オッズ比:4.36、95%CI:1.09~17.44、p=0.038)。・COVID-19に罹患した統合失調症患者は、統合失調症でない感染者と比較し、ICU入室率が低かった。・COVID-19に罹患した統合失調症患者の63.6%は、施設に入所しており、死亡した患者は、すべて施設に入所していた。また、これらの患者は、がんや呼吸器疾患の合併症を有する割合が高かった。 著者らは「COVID-19に罹患した患者の中で、統合失調症患者の適切な評価がなされていない可能性が示唆された。統合失調症患者では、COVID-19による死亡リスクが高く、身体合併症などの有無を確認する必要がある」としている。

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低血糖時の救急処置に初の点鼻薬、バクスミー発売/日本イーライリリー

 2020年10月2日、日本イーライリリーは、「低血糖時の救急処置」を効能・効果として、低血糖時救急治療剤「バクスミー点鼻粉末剤3mg」(一般名:グルカゴン)を発売したと発表した。本剤はグルカゴン点鼻粉末剤で、注射剤以外の低血糖治療剤として初の製剤。室温(1~30℃)で持ち運びができる1回使い切りの製剤で、看護者(家族等)が投与することにより重症低血糖の救急処置を行うことができる。また、鼻粘膜から吸収されるため、重症低血糖に陥り意識を失っている患者に対しても使用可能である。薬剤は噴霧器に充填されており、点鼻容器の先端を鼻に入れ、注入ボタンを押すことで緊急時に迅速かつ簡便に投与できる。 本剤の迅速性および確実性については、糖尿病患者の介護者20例(1型糖尿病患者および2型糖尿病患者の2親等以内の同居家族各10例)を対象とした国内単一施設非盲検部分的クロスオーバー模擬投与試験で検証されている。本剤の経鼻投与およびグルカゴン注射剤1mg筋肉内投与、双方の使用方法の説明を受けた看護者(家族等)がマネキンへの模擬投与を行い、その成功率を確認したところ、本剤を模擬投与した89.5%が全量投与に成功した。模擬投与完了までの平均時間は24秒だった。 製品概要製品名:バクスミー点鼻粉末剤3mg一般名:グルカゴン効能・効果:低血糖時の救急処置用法・用量:通常、グルカゴンとして1回3mgを鼻腔内に投与する製造発売承認日:2020年3月25日発売日:2020年10月2日薬価:8,368.60円(3mg1瓶)

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臨床意思決定支援システムでケアは改善するか?/BMJ

 臨床意思決定支援システムを利用した介入の大半は、推奨されるケアプロセスを受ける患者の割合を小~中程度改善することが、それらを報告した研究で見いだされた臨床エンドポイントの小さな変化によって確認された。また、ごく一部の試験では、推奨されたケアの提供が大幅に増加していたが、改善に関して説得力のある予測因子は確定できなかった。カナダ・トロント大学のJanice L. Kwan氏らが、臨床意思決定支援システムによって得られた改善効果と、多様な臨床設定と介入ターゲットにわたるプール効果の不均一性を調べるために行ったシステマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。電子健康記録に組み込まれている臨床意思決定支援システムは、推奨されるケアプロセスを提供するように臨床医を促すが、こうした臨床意思決定支援システムのケア改善の可能性に対する期待にもかかわらず、2010年に行われたシステマティックレビューでは、ケアが改善した患者の割合は5%未満とわずかであった。BMJ誌2020年9月17日号掲載の報告。臨床意思決定支援システムの特徴と試験特性による不均一性を分析 今回のシステマティクレビューとメタ解析は、2019年8月時点でMedlineを検索して行われた。 試験選択の適格基準は、臨床意思決定支援システムが推奨するケアを受けた患者のうち、確かな改善をみた例が何割あったかを報告した無作為化または準無作為化比較試験とした。試験内のクラスタリングを明らかにするために多層メタ解析モデルを活用し、メタ回帰分析を用いて、臨床意思決定支援システムの特徴と、効果量の不均一性を低下した試験特性を定量評価した。報告がある場合に臨床エンドポイントも評価した。改善効果は小~中程度、不均一性の改善は見通せず 108論文(無作為化試験94件、準無作為化試験14件)において、122試験が報告されており、120万3,053例の患者と1万790例の医療提供者から分析可能なデータが得られた。 臨床意思決定支援システムの利用で、希望どおりのケアが受けられた患者の割合は5.8%(95%信頼区間[CI]:4.0~7.6%)増加していた。 プール効果は明らかな不均一性(I2=76%)を示し、改善が報告されていた上位4分の1における改善患者の割合は、10~62%の範囲にわたっていた。 臨床エンドポイントが報告されていた30試験において、臨床意思決定支援システム利用による、ガイドラインに基づく目標値(血圧や脂質管理など)を達成した患者の割合の増加は、中央値0.3%(四分位範囲:-0.7~1.9)であった。 2つの研究特性(低い順守度、小児科)では、有意に大きな効果が認められたが、これら共変量を多変数メタ回帰に含めても不均一性は低下しなかった。

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オラパリブ、去勢抵抗性前立腺がんでOS延長(PROfound)/NEJM

 3つの遺伝子(BRCA1、BRCA2、ATM)のうち1つ以上に変異のある転移のある去勢抵抗性前立腺がん男性において、PARP阻害薬オラパリブは、エンザルタミドまたはアビラテロン+prednisoneに比べ全生存(OS)期間を有意に延長し、2回目の病勢進行(PD)までの期間も長いことが、米国・ノースウェスタン大学のMaha Hussain氏らが実施した「PROfound試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年9月20日号に掲載された。本試験の主解析では、オラパリブは主要評価項目である無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、進行および死亡のリスクを66%低減したと報告されている(ハザード比[HR]:0.34、95%信頼区間[CI]:0.25~0.47、p<0.001)。この時点では、主な副次評価項目の1つであるOSのデータは不十分であり、フォローアップが継続されていた。2つのコホートのOSの結果を報告 本研究は、非盲検無作為化第III相試験(AstraZenecaとMerck Sharp & Dohmeの助成による)で、対象は、エンザルタミドまたはアビラテロン+prednisoneによる治療中に病勢が進行した転移のある去勢抵抗性前立腺がんの男性で、事前に規定された15の遺伝子のうち1つ以上に変異がみられる患者387例であった。これらの患者は、BRCA1、BRCA2、ATMの3つの遺伝子のうち1つ以上に変異のある患者245例(コホートA)と、その他の12遺伝子の1つ以上に変異を有する患者142例(コホートB)に分けられた。 被験者は、オラパリブ(300mg、1日2回)の投与を受ける群(256例)または担当医選択薬(エンザルタミド[160mg、1日1回]またはアビラテロン[1,000mg、1日1回]+prednisone[5mg、1日2回])の投与を受ける群(131例、対照群)に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。一定の基準を満たし、画像検査で病勢の進行が認められた対照群の患者は、オラパリブへのクロスオーバーが許容された。 主要評価項目と他の主な副次評価項目はすでに報告済みで、今回はOSの結果が示された。66%がクロスオーバーしたが、コホートAでOSが有意に延長 対照群の66%(86/131例)がオラパリブにクロスオーバーした。 コホートAのOS期間中央値は、オラパリブ群が19.1ヵ月と、対照群の14.7ヵ月に比べ有意に延長した(HR:0.69、95%CI:0.50~0.97、p=0.02)。クロスオーバーで補正後のOS期間のHRは、0.42(95%CI:0.19~0.91)であった。 また、コホートBのOS期間中央値は、オラパリブ群が14.1ヵ月、対照群は11.5ヵ月であり、両群間に有意な差はなかった(HR:0.96、95%CI:0.63~1.49)。クロスオーバー補正後OS期間のHRは0.83(95%CI:0.11~5.98)だった。 コホートAとBを合わせた全体で、64%(248/387例)が死亡し、OS期間中央値はオラパリブ群が17.3ヵ月、対照群は14.0ヵ月であった(HR:0.79、95%CI:0.61~1.03)。クロスオーバー補正後OS期間のHRは0.55(95%CI:0.29~1.06)。 コホートAのサブグループ解析では、タキサン系薬剤による治療歴のある患者は、オラパリブ群でOSが良好であり(HR:0.56、95%CI:0.38~0.84)、治療歴のない患者では差がなかった(1.03、0.57~1.92)。探索的解析では、BRCA1のみの変異を有する患者のOSのHRは0.42(95%CI:0.12~1.53)で、BRCA2変異のみの患者は0.59(037~0.95)であり、BRCA以外の遺伝子変異の患者は0.95(0.68~1.34)だった。 コホートAにおける担当医判定による2回目のPDまたは死亡までの期間は、オラパリブ群が15.5ヵ月と、対照群の10.6ヵ月よりも長く(HR:0.64、95%CI:0.45~0.93)、コホートBではそれぞれ9.9ヵ月および7.9ヵ月と差がなかったが(0.77、0.50~1.21)、全体では13.4ヵ月および9.7ヵ月であり、オラパリブ群で延長した(0.68、0.51~0.90)。 主解析のフォローアップ期間と比較して、その後の長期のフォローアップ期間に、新たな安全性シグナル(safety signal)は観察されなかった。オラパリブ群とオラパリブへクロスオーバーした患者で頻度の高い治療関連有害事象は、貧血(39%)、悪心(36%)、疲労/無力症(32%)であり、オラパリブによる貧血で治療を中止した患者は7%、好中球減少、血小板減少、悪心、嘔吐、疲労/無力症で治療中止となった患者はそれぞれ1%だった。オラパリブ群で10例(4%)、対照群で6例(5%)、オラパリブへのクロスオーバー群で3例(4%)が有害事象によって死亡し、このうち2例(オラパリブ群と対照群で1例ずつ)が治療関連死と判定された。 著者は、「これらの知見は、同じ患者集団で、オラパリブ群は対照群に比べ画像検査に基づくPFS期間が有意に延長したとの主解析の結果を支持するものである」としている。

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パルボシクリブ+フルベストラント、内分泌療法感受性のHR+/HER2-進行乳がんでPFS延長(FLIPPER)/ESMO2020

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)、内分泌療法感受性の閉経後進行乳がん患者に対する一次治療として、CDK4/6阻害薬パルボシクリブとフルベストラントの併用療法が、フルベストラント単剤療法と比較し無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した。スペイン・Hospital del MarのJoan Albanell氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で第II相FLIPPER試験の早期解析結果を発表した。 第III相PALOMA-3試験において、内分泌療法抵抗性の患者に対するパルボシクリブ併用療法の有効性が示され、標準治療となっている。FLIPPER試験は、de novo症例または5年以上の術後内分泌療法を完了してから>12ヵ月後に再発した閉経後HR+/HER2-進行乳がん患者を対象とした、国際多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験。・対象:de novo症例または5年以上の術後内分泌療法を完了してから>12ヵ月後に再発した、HR+/HER2-乳がん患者(閉経後女性、再発後の治療歴なし、ECOG PS≦2)・試験群:以下の2群に1対1の割合で無作為に割り付けパルボシクリブ併用群:28日を1サイクルとし、パルボシクリブ(125mgを3週投与、1週休薬)+フルベストラント(500mgを1サイクル目のみ1日目と15日目、以降1サイクル毎1回投与) 94例プラセボ群:28日を1サイクルとし、プラセボ+フルベストラント(500mgを1サイクル目のみ1日目と15日目、以降1サイクル毎1回投与) 95例・層別化因子:内臓 vs.非内臓転移、de novo vs.再発転移・評価項目:[主要評価項目]1年時のPFS率(RECIST1.1による治験責任医師評価)[副次評価項目]PFS中央値、OS、客観的奏効率(ORR)、クリニカルベネフィット率(CBR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・2016年2月~2019年1月、189例が無作為化された。・年齢中央値は64歳、60.3%が内臓転移を有し、45.5%がde novo症例。両群のベースライン特性はバランスがとれていた。・主要評価項目である1年時のPFS率(追跡期間中央値28.6ヵ月)は併用群83.5%(80%信頼区間[CI]:78.5~88.5) vs.プラセボ群71.9%(80%CI:65.8~77.9)。ハザード比[HR]:0.55、80%CI:0.36~0.83、p=0.064で、事前に設定された境界値(HR:0.6、検出力:80%、両側検定α=0.2)を満たした。・副次評価項目であるPFS中央値は、併用群31.8ヵ月(80%CI:30.3~33.4) vs.プラセボ群22ヵ月(80%CI:18.5~25.1)であった(HR:0.52、80%CI:0.39~0.68、p=0.002)。・1年時のPFS率を層別化因子ごとに解析した結果、内臓転移を有する患者(併用群81.8% vs.プラセボ群69.6%[HR:0.55、p=0.1397])およびde novo症例(90.5% vs.60.2%[HR:0.20、p=0.004])において併用群で有意な改善がみられた。・ORRは、併用群68.3% vs.プラセボ群42.2%[オッズ比[OR]:2.9、p=0.004])。CBRは、90.4% vs.80.0%[OR:2.3、p=0.048])であった。・頻度の高いGrade2/4の非血液毒性は、倦怠感(併用群12.8% vs.プラセボ群5.3%)、下痢(併用群3.2% vs. 2.1%)であった。・頻度の高いGrade3/4の血液毒性は、好中球減少症(併用群68.1% vs.プラセボ群0%)、白血球減少症(26.6%vs.0%)およびリンパ球減少症(14.9% vs.2.1%)であった。好中球減少症や治療に関連した死亡例の報告はなかった。

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042)外来処置で試される発想力【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第42回 外来処置で試される発想力ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆コロナ禍で一時減少した外来も元に戻りつつあり、日々忙しく過ごしております。先日のこと、片耳の粉瘤で受診した患者さんがいらっしゃいました。その場で処置が必要だったので、局所麻酔した後切開・洗浄し、圧迫固定したところまではよかったのですが…。帰り際に患者さんが、「これって、マスクはどうやって着けたらいいですか?」とひと言。なるほど、耳にガーゼを当てているため、マスクのゴム紐がかかりません。しかし、コロナ対策のためにも、帰宅時にマスクの着用はお願いしたいところ…。診察室にある物でなんとかできないだろうか? と少し考えた結果、ガーゼを紙縒(こより)のようにくるくるっと巻いて紐状にし、両側のマスクのゴム紐を頭の後ろで結わえることにしました。マスクの着け外しは、結んだガーゼごとスポッと頭の上を通してもらいます。長年皮膚科外来をやっていますが、マスクが着けられなくて困ったことはなかったので、今回の出来事はちょっと新鮮でした。外来処置の多い皮膚科では、毛髪の近い顔や、頭皮の傷など、部位によってはガーゼの留め方や圧迫の仕方を工夫しなければいけないときがあります。その場その場で臨機応変に対応しつつ、今後も経験値を増やしていきたい所存です。それでは、また~!

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中高時代の恋愛経験は結婚と有意に関連【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第172回

中高時代の恋愛経験は結婚と有意に関連pixabayより使用SNSで少し話題になった論文を紹介しましょう。中高生時代の恋愛経験の有無が、その後生涯に渡って家族形成の可否に影響を与えることを明らかにしたものです。小林 盾.恋愛の壁、結婚の壁 : ソーシャル・キャピタルの役割成蹊大学文学部紀要 -(47), 157-164, 2012-03アンケートの回収ができた、東京都西東京市在住の35~60歳男性641人の調査です。恋愛行動について、以下のような質問をおこないました。あなたにはこれまで以下のような人が何人いましたか?ア.自分から恋愛感情を告白したイ.自分に恋愛感情を告白したウ.付き合ったさぁ、みなさんどうですか。私は、アが6人、イが……おっと、今のは修正!全部、妻1人だけです。はい。妻しか付き合っていません!はい!……。ええっと、アンケートに回答した641人の平均年齢は45.9歳で、既婚者80.2%、未婚者19.8%でした。平均世帯年収は727.0万円と、なかなか裕福な人が多そうです。恋愛経験については、平均3.6人と交際したことがあったそうです。そして、平均3.3人に告白したことがあり、平均3.1人から告白されたそうです。おいおい、結構みんなブイブイいわせてんじゃねーか!既婚者かどうかについては、 交際人数と告白された人数が有意に関連していた一方、告白した人数とは関連がなかったそうです。これはつまり、コクった人が多くてもダメで、付き合ったか、モテたか、そういう経験がないと結婚できねぇということを示唆しているような気もします。たぶん。私みたいなブサイクはダメということでしょうか。ううう。成人になるまでの活動について調査したところ、小中学時代に野球・サッカーをした人が87.3%、 虫捕り82.9%、フナ釣り36.1%、秘密基地づくり67.2%いました。秘密基地は私も作りましたねー!時効なので書きますけど、マツタケをこっそり収穫していたら、基地ごと自治体に潰されました。私のセピア色の思い出です。また、中学で部活動をした人は85.1%、中学のときカノジョがいた人は23.9%、高校のときカノジョがいた人は34.6%でした。高校時代、3人に1人もいたという集団なので、ちょっとバイアス高そうですね、ええバイアス高いですよ、コレ(悔し泣き)。平均交際人数がグループごとに異なるかを調べるために、交際人数を従属変数として分散分析を行っています。結果、既婚者ほど、小中で友人とよく遊んだ人ほど、中学で部活動をした人ほど、中高でカノジョがいた人ほど、多くの人と交際していたことがわかりました。社交性と恋愛経験に相関がみられたということです。また、既婚者比率を従属変数とした分散分析の結果、教育水準が高いほど、収入が多い人ほど、高校で恋人がいた人ほど、有意に結婚していたことも明らかになりました。つまりは、若者よ!恋愛しなさい!そういうことです。

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第26回 「死の病」克服患者の訃報でよぎる、コロナ禍脱却の道しるべ

終わりの見えない新型コロナウイルス感染症の蔓延。現在、われわれができる対策は、3密の回避、手洗いの励行、マスクの着用という極めてプリミティブなものばかりだ。これまで本連載で書いてきたように治療薬もまだ決定打と言えるものがなく、ワクチンも開発が進んできたとはいえ、先行きはまだ不透明である。医療従事者の中にも、またそれを見守る周囲の中にまだまだ閉塞感が充満しているだろうと思う。そんな最中、私はあるニュースに接し、勝手ながら個人的に光明を感じている。そのニュースとは世界で初めてHIVを克服したとされ「ベルリンの患者」と称されたティモシー・レイ・ブラウン氏の訃報である。他人の訃報を喜んでいるわけではない。今回ブラウン氏の訃報に接することで、「あのHIVも一部は克服ができていた」という忘却の彼方にあった事実を改めて思い出したからである。そしてこの訃報をきっかけに思い出したHIV克服にやや興奮してしまうのは、私がこの病気を長らく取材してきたからかもしれない。私が専門紙記者となったのは1994年である。そしてこの年、駆け出しの記者としていきなり国際学会の取材という重荷を負わされた。それが横浜市で開催された第10回国際エイズ会議である。当時はHIV感染症の治療は逆転写酵素阻害薬が3製品しかなく、薬剤耐性により治療選択肢は早々に尽き、最終的にはエイズを発症して亡くなる「死の病」の時代だった。また今でもHIV感染者に対する差別が根強いことは、昨年判決が下されたHIV感染者内定取り消し訴訟でも明らかだが、当時はそれ以上の偏見・差別が蔓延しており、感染者のプライバシーに配慮するとの観点から国際エイズ会議では感染者向けのセッションは報道関係者立ち入り禁止。当該セッション中の部屋に一歩でも立ち入った場合は記者証没収という厳しい措置が敷かれていた。これに加え日本の場合、当時のHIV感染者の多くが非加熱血液製剤を介して感染した、いわゆる「薬害エイズ」の被害者である血友病患者だったことも、この病気の負のイメージを増幅させていた。その結果、国内のHIV専門医は、一部の感染症専門医を除くと、もともとの感染原因を作った血友病専門医が多くを占めた。当時話を聞いたHIV感染血友病患者が「自分の住む地域では、そもそも血友病の専門医が限られているので、感染させた主治医であっても離れることはできず、同時に彼がHIVの主治医。正直言うと、主治医の前で顔では笑っていても腹の底には押し込めた恨みが充満しているよ」と語ったことが忘れられない。そして横浜での国際エイズ会議の翌年である1995年に、アメリカで新たな抗HIV薬としてプロテアーゼ阻害薬のサキナビルが上市。そこから後続の治療薬が相次いで登場すると、現在のHAART療法と呼ばれる多剤併用療法につながっていく。ちょうどこの頃、HIVの逆転写酵素阻害薬の開発者でもあり、当時は米・国立がん研究所内科療法部門レトロウイルス感染症部長だった満屋 裕明氏(後に熊本大学医学部第二内科教授)が日本感染症学会の講演で、「今やHIV感染症はコントロール可能な慢性感染症になりつつある」と語った時は、個人的にはややフライング的な発言ではと思ったものの、実際に今ではそのようになった。そして今回訃報が報じられたブラウン氏のように、血液がんの治療で行われる造血幹細胞移植によってHIVを克服した2例目が、昨年3月に科学誌ネイチャーで報告されている。HIV発見から10年強、医学は敗北を続けたものの、そこからは徐々に巻き返し、現在ではほぼコントロール下に置いたと言ってもいい状態まで達成している。現在、新型コロナの治療薬が抗ウイルス薬のレムデシビル、抗炎症薬のデキサメタゾンのみで、ここに前回紹介したようなアビガン、アクテムラが今後加わっていくことになるだろうが、まだ「いずれも決定打」とは言えない。ただ、この状況は2割打者同士の切磋琢磨から3割打者が登場する前夜の状況、過去のHIV治療で見れば逆転写酵素阻害薬3製品時代と同じなのかもしれないと、ふと思ったりもする。どうしても記者という性分は物事を悲観的に捉えすぎるきらいがある。しかし、あのHIVに苦戦していた当時から考えれば、医学も創薬技術も大きく進歩している。やや感傷的過ぎるかもしれないが、COVID-19もある臨界点を超えれば、思ったよりも早く共存可能なレベルに制御されてくるかもしれないとも考え始めている。まあ、逆にそう考えてしまうほど、自分も閉塞感に満ち満ちた状態で事態を眺めているからかもしれないが。

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日本の公立学校教師における不眠症と長時間労働

 筑波大学の堀 大介氏らは、日本の公立学校教師における不眠症の有病率を明らかにするため、労働時間、通勤時間と不眠症との関連を調査した。また、不眠症の教師が仕事に費やした時間についても調査を行った。Sleep Medicine誌2020年11月号の報告。 日本の公立小学校または中学校の教師を対象とし、2016年実施の労働環境調査で得られたデータを用いて2次分析を行った。分析対象者数は1万1,390人(女性の割合:47.4%、平均年齢:42.2±11.3歳)であった。労働時間、通勤時間と不眠症との関連を評価するため、二項ロジスティック回帰分析を用いた。主要アウトカムは不眠症とし、その定義はアテネ不眠尺度6以上とした。説明変数は、1週間の労働時間、1日の通勤時間、職業性ストレスの6つのサブスケール、年齢層、子供の有無、仕事の種類、学校の種類、学校の都市性とした。 主な結果は以下のとおり。・不眠症の有病率は、男性で41.7%、女性で44.0%であった。・不眠症状が認められた教師は、授業の準備により多くの時間を費やしていた。また、不眠症と長時間労働、通勤時間の長さとの間に有意な関連が認められた。・多変量ロジスティック回帰分析では、長時間労働、通勤時間の長さ、学校の都市性が不眠症と統計学的に有意に関連していることが示唆された。 著者らは「日本の公立学校教師には、不眠症が蔓延している。教師の不眠症を予防するためには、仕事に費やす時間の減少が重要であることが示唆された」としている。

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マスク着用時の口臭対策の基本とは?専門家がアドバイス

 新型コロナウイルス感染症流行の長期化に伴い、マスクを着けることが日常化している。マスク装着時に気になるのが自分の口臭の問題だ。乳酸菌食品メーカーであるオハヨーバイオテクノロジーズは「マスクの中の“臭い”気になりませんか?」と題したプレス資料の中で、口臭の原因と対策について解説している。マスク装着時の口臭対策は着用直前の口腔ケア 口臭の原因は、大きく分けて2つ。1つ目は「体」に原因がある場合で、消化不良や肝機能低下、糖尿病などが考えられる。2つ目は「口の中」に原因がある場合で、歯や舌の汚れや虫歯、歯周病などが要因となる。口臭のうち8割以上が口の中に原因があるとされ、とくに舌の上が白くなる舌苔の増加と歯周病菌による歯茎の炎症やメチルメルカプタンの発生による口臭が代表的な要因だ。 オハヨーバイオテクノロジーズの研究に協力する歯科医・日本大学客員教授の若林 健史氏は、「マスクの装着が常態化したことによって通常時よりも話す機会・時間が少なくなると口周りの動きが減る。それによって唾液の分泌が減少し、口内の循環が減ることで、悪玉菌が留まりやすくなって口内環境が悪化しやすくなる。マスクをしながらの会話は口呼吸になりやすいので口内に乾燥が起こることも考えられる」と述べる。 マスク着用時の口臭対策としては、「マスクを着用する直前に口腔ケアを徹底することが効果的。とくに舌苔を取り除き、増殖を抑制することが大切になる。舌ブラシで舌をきれいにし、歯ブラシ、歯間ブラシでブラッシングを徹底、さらに洗口液でうがいを行うとよい」(若林氏)。加えて、マスク着用の直前に匂いのきついものを食べないようにする、口内環境を整える良質な乳酸菌を食品などから摂り入れることも手軽にできるマスク着用時の口臭対策という。 医療者として、受診患者や入院患者の口臭に気づいた場合はどうすればよいか。「院内や関係医療機関の歯科衛生士を紹介して欲しい。入れ歯をしている方であれば、入れ歯の手入れを食事のすぐあとに徹底して行うことが効果的。口臭は原因によって対処方法が異なるので、専門家に相談することを薦めていただきたい」と若林氏はアドバイスする。 口臭対策品の広告等において、「日本人は欧米人に比べて口臭を持つ人が多い」とされることがあるが、「日本人の歯周疾患の保有率は上昇しているが1)、他国と比べて有意に多いというデータはない」(若林氏)という。多くの場合、口臭の原因は口内にあるため、ブレスケア製品でごまかすのではなく、しっかりとした歯磨きと舌ブラシでのケアがマスク着用時の口臭対策の基本になるという。

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ALK陽性肺がん、ロルラチニブの1次治療が有効性示す、とくに脳転移(CROWN試験)/ESMO2020

 未治療のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)においてロルラチニブとクリゾチニブを比較する多施設非盲検無作為化第III相CROWN試験の中間解析が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)にて、オーストラリア・Peter MacCallumがんセンターのB. Solomon氏により発表された。・対象:StageIIIB/IVの未治療のALK陽性肺がん(無症状のCNS転移は許容)・試験群:ロルラチニブ(100mg/日)・対照群:クリゾチニブ(250mgx2/日)・評価項目:[主要評価項目]盲検化独立中央評価委員会(BICR)による無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]治験実施医によるPFS、BICR評価の奏効率(OR)、BICR評価の脳内奏効率(IC-OR)、BICR評価の奏効期間(DoR)、BICR評価の脳内奏効期間(IC-DR)、全生存期間(OS)、安全性CROWN試験の結果はALK陽性非小細胞肺がんでのロルラチニブ使用を支持するもの CROWN試験の中間解析の主な結果は以下のとおり。・対象患者296例は、無作為にロルラチニブ群(n=149)とクリゾチニブ群 (n=147)に割り付けられた。・BICR評価のPFSは、ロルラチニブ群NE(推定不能)、クリゾチニブ群9.1ヵ月と、ロルラチニブ群で有意に延長された(HR:0.28、95%CI:0.19〜0.41、p<0.001)。12ヵ月PFS率は80%対35%であった。・治験担当医によるPFSは、ロルラチニブ群NE(推定不能)、クリゾチニブ群9.3ヵ月と、ロルラチニブ群で有意に改善された(HR:0.21、95%CI:0.14〜0.31、p<0.001)12ヵ月PFS率は80%対35%であった。・OSは両群とも中央値未達であった。・BICR評価のORは、ロルラチニブ群76%、クリゾチニブ群58%であった。・BICR評価のIC-ORは、ロルラチニブ群66%、クリゾチニブ群20%、測定可能病変だけ見るとロルラチニブ群71%、クリゾチニブ群8%と、その差はさらに大きかった。・Grade3/4の有害事象(AE)は、ロルラチニブ群では72%、クリゾチニブ群56%であった。そのうちロルラチニブ群で最も頻度の高かった項目は脂質異常であった。AEのため中止に至った割合はロルラチニブ群7%、クリゾチニブ群9%であった。 Solomon氏は、CROWN試験の結果は、ALK陽性非小細胞肺がん1次治療でのロルラチニブ使用を支持するものであると述べた。

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乳がんアジュバント、アベマシクリブ+内分泌療法が予後改善(monarchE)/ESMO2020

 再発高リスクのホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2−)乳がんに対する術後療法としての、アベマシクリブと内分泌療法薬の併用は、内分泌療法薬単独よりも、有意に無浸潤疾患生存期間(iDFS)を延長することが示された。日本も参加した、この国際共同のオープンラベル第III相monarchE試験の結果は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で、英国・The Royal Marsden NHS Foundation TrustのStephen R. D. Johnson氏より発表され、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年9月20日号に同時掲載された。追跡期間中央値15.5ヵ月でのアベマシクリブの2年間投与が終了している症例が12.5%で、70%以上が投与中という状況での中間解析。monarchE試験でアベマシクリブ群の優位性を確認・対象:HR+/HER2−の初発乳がん、遠隔転移なし腋窩リンパ節転移陽性の症例(閉経状況問わず)、術前/術後の化学療法は許容・試験群:標準的内分泌療法+アベマシクリブ150mg×2/日投与。アベマシクリブは最長2年間投与(アベマシクリブ群:2,808例)・対照群:標準的な術後内分泌療法(タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬、LH-RHアゴニストなど。薬剤は主治医選択)を5年間以上施行(ET群:2,829例)・評価項目:[主要評価項目]iDFS[副次評価項目]遠隔無転移生存期間(DRFS)、全生存期間(OS)、安全性、患者報告アウトカム、薬物動態 アベマシクリブと内分泌療法薬の併用を内分泌療法薬単独と比較したmonarchE試験の主な結果は以下のとおり。・選択された内分泌療法薬は、タモキシフェンが30%程度(うちLH-RHアゴニスト併用が7~8%)、アロマターゼ阻害薬が68%程度(うちLH-RHアゴニスト併用が14~15%)であった。・iDFSのハザード比(HR)は0.747(95%信頼区間[CI]:0.598~0.932)、p=0.0096でアベマシクリブ群が有意に予後を延長していた。2年iDFSは、アベマシクリブ群92.2%、ET群88.7%であった。事前に規定されたすべてのサブグループ解析でも、アベマシクリブ群で優位性が確認された。・DRFSのHRは0.717(95%CI:0.559~0.920)、p=0.0085でアベマシクリブ群が有意に予後を改善していた。2年DRFSは、アベマシクリブ群93.6%、ET群90.3%であった。・アベマシクリブ群では有害事象のため16.6%がアベマシクリブの投与を中止し、ET群での薬剤投与中止は0.8%だった(アベマシクリブ群での下痢による投与中止は4.8%)。・アベマシクリブ群で倦怠感、下痢、好中球減少、悪心などが多く発現し、関節痛やほてりはアベマシクリブ群で少なかったが、その安全性プロファイルは既報のものと齟齬はなかった。・間質性肺炎はアベマシクリブ群で2.7%、ET群で1.2%、発熱性好中球減少症はそれぞれ0.3%と0.1%未満に発現した。

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進行尿路上皮がんの維持療法にアベルマブが有効(JAVELIN Bladder 100)/NEJM

 局所進行または転移のある尿路上皮がんへの1次化学療法の維持療法において、アベルマブ+支持療法(BSC)はBSCのみの場合と比較し、全生存(OS)を有意に延長することが明らかにされた。英国・Queen Mary University of LondonのThomas Powles氏らが、進行尿路上皮がん患者を対象とした国際共同無作為化非盲検第III相試験「JAVELIN Bladder 100試験」の結果を報告した。プラチナ併用化学療法は進行尿路上皮がんに対する標準的な1次治療であるが、多くの場合、化学療法耐性のため無増悪生存(PFS)やOSは限られていた。NEJM誌2020年9月24日号掲載の報告。1次化学療法後の進行尿路上皮がん患者700例でアベルマブ+BSC vs.BSC 研究グループは、2016年5月11日~2019年6月4日の期間に、29ヵ国197施設で被験者を募り試験を行った。 対象は、1次化学療法(ゲムシタビン+シスプラチンまたはカルボプラチンの4~6サイクル)後に病勢進行が認められなかった、切除不能の局所進行または転移がある尿路上皮がん患者700例。維持療法としてアベルマブ10mg/kgを2週間ごと+BSCを行うアベルマブ群とBSCのみの対照群のいずれかに無作為に割り付けた。 主要評価項目はOSで、無作為化された全患者集団およびPD-L1陽性集団にてそれぞれ評価した。副次評価項目はPFSと安全性であった。アベルマブ+BSCでOS期間が有意に延長 データカットオフ2019年10月21日時点で、全患者集団においてOSは、対照群と比較してアベルマブ群で有意に延長した(OS中央値:14.3ヵ月vs.21.4ヵ月、ハザード比[HR]:0.69、95%信頼区間[CI]:0.56~0.86、p=0.001)。1年OS率は、アベルマブ群71.3%、対照群58.4%であった。 PD-L1陽性患者においても、アベルマブ群でOSの有意な延長が認められ(HR:0.56、95%CI:0.40~0.79、p<0.001)、1年OS率はアベルマブ群79.1%、対照群60.4%であった。 PFS期間中央値は、全患者集団においてアベルマブ群3.7ヵ月、対照群2.0ヵ月(HR:0.62、95%CI:0.52~0.75)、PD-L1陽性患者においてそれぞれ5.7ヵ月、2.1ヵ月であった(0.56、0.43~0.73)。 有害事象の発現率はアベルマブ群98.0%、対照群77.7%、Grade3以上の有害事象の発現率はそれぞれ47.4%、25.2%であった。

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2型DMのCVリスク、SGLT2阻害薬 vs. DPP-4阻害薬/BMJ

 大規模なリアルワールド観察試験において、2型糖尿病患者への短期のSGLT2阻害薬投与はDPP-4阻害薬投与と比べて、重篤な心血管イベントリスクを低減することが示された。カナダ・Jewish General HospitalのKristian B. Filion氏らが複数のデータベースを基に行った後ろ向きコホート研究の結果で、著者は「多種のSGLT2阻害薬にわたる結果であり、SGLT2阻害薬のクラス効果としての心血管効果を示すものであった」と述べている。2型糖尿病へのSGLT2阻害薬投与は増えており、無作為化試験でプラセボ投与と比べて主要有害心血管イベント(MACE)や心不全のリスクを抑制することが示されていた。BMJ誌2020年9月23日号掲載の報告。MACE発生を主要アウトカムに、DPP-4阻害薬と比較 研究グループは2013~18年の、カナダ7州の医療管理データベースと英国の臨床診療研究データリンク(Clinical Practice Research Datalink:CPRD)を基に、リアルワールドの臨床設定での2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の心血管イベントリスクを比較するCanadian Network for Observational Drug Effect Studies(CNODES)を実施した。 対象となった被験者は、SGLT2阻害薬の新規服用者20万9,867例と、期間条件付き傾向スコアでマッチングした同数のDPP-4阻害薬服用者で、平均追跡期間は0.9年だった。 主要アウトカムは、MACE(心筋梗塞、虚血性脳卒中、心血管死の複合)だった。副次アウトカムは、MACEの個々のイベント発生と、心不全、全死因死亡だった。 Cox比例ハザードモデルを用いて、アプローチどおりのSGLT2阻害薬服用者とDPP-4阻害薬服用者を比較した、試験地域特異的な補正後ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推算して評価した。試験地域特異的結果は、ランダム効果メタ解析にて統合した。MACE発生リスク24%低下、SGLT2阻害薬のクラス効果を確認 MACE発生率比は、DPP-4群16.5/1,000患者年に対し、SGLT2群11.4/1,000患者年で、SGLT2阻害薬はMACE発生リスクを抑制したことが認められた(HR:0.76、95%CI:0.69~0.84)。 個別に見ても、心筋梗塞(SGLT2群5.1 vs.DPP-4群6.4/1,000患者年、HR:0.82[95%CI:0.70~0.96])、心血管死(3.9 vs.7.7、0.60[0.54~0.67])、心不全(3.1 vs.7.7、0.43[0.37~0.51])、全死因死亡(8.7 vs.17.3、0.60[0.54~0.67])で、同様にリスクの抑制がみられた。虚血性脳卒中についても抑制効果はみられたが、やや控えめだった(2.6 vs.3.5、0.85[0.72~1.01])。 個々のSGLT2阻害薬についてみるとMACEへの効果は類似しており、DPP-4阻害薬とのHRは、カナグリフロジン0.79(95%CI:0.66~0.94)、ダパグリフロジン0.73(0.63~0.85)、エンパグリフロジン0.77(0.68~0.87)だった。

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HIF-PH阻害薬適正使用に関するrecommendation公開/日本腎臓学会

 日本腎臓学会は透析患者・保存期腎不全患者用の経口腎性貧血治療薬について「HIF-PH阻害薬適正使用に関するrecommendation」を9月29日に学会ホームページ上に公開した。 HIF-PH阻害薬適正使用に関するrecommendationは3つに章立てられており、1.総論、2.推奨(どのような患者に使用することが望ましいか、鉄補充をどうすることが望ましいか)、3.注意点(悪性腫瘍、糖尿病網膜症・加齢黄斑変性症、肝機能異常、高血圧、高カリウム血症、血栓塞栓症、血管石灰化、肺高血圧症/心不全、嚢胞の増大、脂質代謝への影響)が記載されている。HIF-PH阻害薬の適応患者と注意点 2019年、世界に先駆け日本で発売されたHIF-PH(低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素)阻害薬は、既存の注射薬のエリスロポエチン製剤(ESA: erythropoiesis stimulating agents)とは異なる作用機序を有し、経口薬で全身性の作用を伴う可能性のある腎性貧血治療薬である。保存期患者では注射からの切り替えにより身体への負担が軽減されること、 ESA効果不十分例では切り替えによる効果が期待されている。 一方で、がんや網膜疾患など血管新生が疾患の増悪に働くような病態では、HIFによる防御機構の発動に起因する副作用の可能性も懸念されている。そのような併存疾患を有する患者には、HIF-PH阻害薬投与前の精査、HIF-PH阻害薬投与中の体調変化に十分留意する必要があることから、腎臓内科医のみならず多くの臨床医にこのHIF-PH阻害薬適正使用に関するrecommendationを一読いただきたい。 なお、HIF-PH阻害薬は2019年から現在までにロキサデュスタット(商品名:エベレンゾ、アステラス製薬)、バダデュスタット(同:バフセオ、田辺三菱製薬)、ダプロデュスタット(同:ダーブロック、グラクソ・スミスクライン)の3剤が発売され、今後更に2剤が上市される予定である。

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