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今冬の流感予防接種の予定なしは6割/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行の中で、今冬のインフルエンザの流行を前に一般市民のインフルエンザの予防意識を探る目的で、株式会社アイスタット(代表取締役社長 志賀保夫)は、10月20日に「インフルエンザ予防接種に関するアンケート調査」を行った。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”に登録している会員で20歳以上の会員300人を対象に調査を実施したもの。調査概要 形式:WEBアンケート方式 期日:2020年10月20日 対象:セルフ型アンケートツール“freeasy”の登録者300人(20歳以上)インフルエンザの予防接種を阻む壁 「今までにインフルエンザに感染したことがあるか」の問いに「ある」が48.0%、「ない」」が52.0%という結果で、約半数の回答者にインフルエンザ感染の経験がなかった。 「(10月20日時点)予防接種を受ける予定はあるか」の問いに「受ける予定はまったくない」が38.7%と最も多い結果だった。また、「受けた/受ける予定」「今は受ける予定はない/予定はまったくない」ごとに足した割合でみると、「受けた/受ける予定」は37.3%、「受ける予定はない」は62.7%で、「受ける予定はない」が過半数を上回る結果だった。参考までに2019年の調査と比較すると「受ける予定はない」が9ポイント増加していた。 「予防接種を受けた/受ける予定」と回答した112名の「接種の理由」を聞いたところ、最も多かった理由は「今シーズンは新型コロナウイルスがあり、危機感を感じたから」が58.9%で、次に「インフルエンザに感染しても軽い症状ですむ、回復が早いから」が44.6%、「今シーズンは流行しそうなので」が20.5%と続いた。一方、「予防接種を受ける予定はない」と回答した188名に「接種しない理由」を聞いたところ、最も多かった理由は「値段が高い」が26.1%、「受けに行くのが面倒」が22.3%、「コロナ感染予防対策で予防できる」が21.8%と続いた。手洗い、マスク、うがいで健康を維持 回答者の健康状態について「日頃、風邪をひきやすい、体調を崩しやすい体質」かの問いでは、「はい」が26.7%、「いいえ」が73.3%の結果だった。回答者の約3割が風邪をひきやすい体質との回答だった。 これを踏まえ「最近1年間の感染症による症状」について聞いたところ、「風邪で37.5℃以上の発熱」が9.7%、「インフルエンザ」が5.7%、「出勤停止を伴う伝染病、ウイルス感染症」が2.3%、「COVID-19」が1.0%、「肺炎」が0.3%の回答であり、「いずれにもあてはまらない」が81.7%と8割を超える回答者がCOVID-19流行の中でも健康を維持していた。 「最近1年間で、日頃行っていること」の問いでは、「手洗い」が79.0%、「マスク着用」が77.0%、「うがい」が63.7%と続き、上位はCOVID-19予防対策の内容が占めた。 最後に回答者へ「平熱はいくつか」という問いでは、「 36.3℃~36.5℃」が42.3%で最も多く、「36.0℃~36.2℃」が31.7%、35.9℃以下が15.0%と続いた。 同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。参考2020年11月 インフルエンザ予防接種に関するアンケート調査

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がん診療病院でのCOVID-19クラスター、その教訓は/日本治療学会

 市中感染が広がる状況下では、感染者が院内に入り込む可能性や病院内感染発生のリスクが常にある。リスクをいかに減らし、万が一予期せぬ感染者が発覚した場合にどのような対応が必要か、がん診療をどのように維持していけばよいのか。第58回日本治療学会学術集会(10月22~24日)で、「COVID-19蔓延期の治療―体験と教訓―」と題した会長企画シンポジウムが開かれ、がん診療を担う病院での今春からの経験、実施している対策が相互に共有された。本稿では、加藤 秀則氏(北海道がんセンター)、佐藤 悠城氏(神戸市立医療センター中央市民病院)による発表内容を中心に紹介する。北海道がんセンターでクラスターが発生した原因 北海道がんセンターでは、4月13日に消化器内科病棟で看護師1名と患者1名が発熱、翌日には同病棟勤務の看護師2名も発熱した。当時院内ではPCR検査が実施できなかったため、保健所を通じPCR検査を実施したところ、16日に4名で新型コロナウイルス陽性を確認。これを契機に、同病棟および隣接する泌尿器科(同フロア)の患者、勤務する看護師、医師らの間で集団感染が発生した。厚生労働省クラスター班による調査・指導等を経て、5月16日に看護師1名の感染が確認されたのを最後に、6月13日の終息宣言に至った。 北海道がんセンターの加藤氏は、クラスターが発生してしまった原因として下記を挙げている:・病院の収益を確保するため、病床稼働率を上げなければならず病棟は密な状態であった・がん患者はさまざまな病態で熱発していることも多く、最初からコロナ肺炎を疑わない症例も多い・がん患者はPSの悪いことも多く、看護師が密着せざるを得ない看護も多い・築40年程度経過した病院で全体にスペースも狭く、空調も悪く、陰圧室もない・PCR検査は市の保健所でしか実施できず、疑い症例を自由に、迅速に行える状況ではなかった 北海道がんセンターのクラスターの端緒となったと考えられる患者は感染発覚前に、消化器内科から泌尿器科の病室に移っており、その隣室患者および看護した看護師へと伝播していった。加藤氏は、「進行がんで看護必要度の高い患者さんが多く、主に看護師を通して伝播したと考えられる」と話した。感染者の中には清掃やリネン、放射線技師といった病棟横断的に業務を行う者も含まれており、院内感染防止の観点から注意が必要な部分と振り返った。 また、消化器内科病棟勤務で感染した看護師19名のうち、1回目のPCR検査で陽性となったのは13名。2回目が5名で、症状だけが続き4回目ではじめて陽性となった者も1名いたという。加藤氏は、PCR検査の感度、タイミングの問題も考えていかなければいけないと話した。北海道がんセンターでの感染対策の改善点 北海道がんセンターでは、外来・病棟それぞれにおいて、下記を中心とした感染対策の改善を行っている。[外来での改善点]・待合室の3密対策・入口を1ヵ所にしてサーモグラフィチェック・発熱者の隔離部屋を用意・採血室、外来化学療法室の増設・過密回避、外来診察室の医師と患者の間にスクリーンの設置・各受付にスクリーンの設置・CTなどの検査機器、X線照射装置、胃カメラ、ベッドなどは毎回消毒・電カル、キーボード、マウスのアルコールペーパーでの消毒など職員の衛生意識改善[病棟での改善点]・定期入院はすべて事前にPCRと肺CT検査を行い陰性者のみ入院・PCRは自院の装置、検査会社との契約により件数拡充・臨時入院は個室隔離し、PCR結果が出るまではPPE対応・病室は過密対策で稼働を50%にコントロール・看護師休憩室の増設・面会の全面禁止 また、復帰した医療者のメンタルケアの重要性を感じたと加藤氏。感染症から回復して復帰しても、精神的に回復するまでには時間を要したという。「プライバシー保護にも配慮が必要であるし、回復には時間がかかる。専門の心理療法士に依頼し、病院全体を挙げてのケアの必要性を感じた」と話した。神戸市立医療センター中央市民病院の院内感染の原因 神戸市立医療センター中央市民病院は、地域がん診療拠点病院であるとともに第一種感染症指定医療機関で、神戸市でCOVID-19が初発した3月上旬より、約200例のCOVID-19患者を受け入れている。うち、7例が院内感染によるもの。佐藤氏は、院内感染発生の原因として、1)COVID-19患者の在院日数の長さ、2)ゾーニングの問題、3)強い感染力を挙げて考察した。 1)については、酸素投与を要した患者における在院日数の中央値は31日、ICU在室日数の中央値は9日と長く、病床がひっ迫していた状況があった。2)10床の感染症病床(陰圧個室)を有し、専門看護師が感染者の看護に従事していたが、ナースステーションと休憩室は一般病床を担当する看護師と共通で、ここで医療従事者間での感染が起こったと推測される。3)同院での院内感染の伝播において重要な役割を果たしたと考えられる患者は、透析患者で当初感染が疑われておらず、せん妄があったことなどからナースステーションでの大声での発話などがあり、PCRでは高ウイルス量が検出されるなどの因子が重なって、複数の医療従事者の感染につながったことが推測される。多いCOVID-19疑似症、対策はあるのか 神戸市立医療センター中央市民病院では、ビニールシートによる職員の保護等ゾーニングの徹底や、全例PCRを実施する入院前検査のほか、COVID-19合同診療チームを立ち上げて対策にあたっている。重症例はICUで一括管理できるものの、軽症~中等症例はICUを出た後各科の持ち回りになるため、1人の医師が感染者と非感染者の診療を行うことに対するリスクを減らすため、このチームが立ち上げられた。全科から選抜、各科業務を完全に外れ、2週間勤務後1週間の自宅待機を経て復帰する。 2月はじめから院内感染により病院が機能停止した4月中旬までの約2ヵ月半で、救急外来と感染症外来を受診したCOVID-19疑似症患者は286例に及ぶ。そこで同院では、感染拡大期には感染疑い病棟を設置。PCR検査が陰性であっても、類似症状や胸部異常影がある患者についてはいったん同病棟に収容し、担当医も分ける形をとるようにした。感染対策解除基準のフローを作り、どうしても臨床的な疑いが解除できない患者においては何度でもPCR検査を行い、それまで感染症対応を解除しないという方法をとっている。「今後のがん診療では、COVID-19疑似症の対応は必須になるのではないかと考えている」と佐藤氏。胸部CTにおいて、一見器質化肺炎が疑われた患者でCOVID-19陽性であった例や、末梢側のすりガラス影がみられる患者で薬剤性肺障害であった例など、いくつか自験例を示して解説した。 自院の症例約100例でCOVID-19と薬剤性肺障害の背景因子を後ろ向きに比較した結果では、COVID-19症例では陰影のある肺葉数が多いという傾向はみられたものの、大きな臨床所見の差はみられなかった。呼吸器内科医としては、今後これらの鑑別をしっかり行っていかなければならないと話し、またCOVID-19後遺症として罹患後に間質陰影を呈した肺がん症例での治療再開の判断の難しさにも触れ、後遺症に関してもエビデンスの蓄積が待たれるとした。

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lirentelimab、好酸球性胃炎・十二指腸炎に有効な可能性/NEJM

 好酸球性胃炎または好酸球性十二指腸炎の患者の治療において、lirentelimab(AK002)はプラセボに比べ、消化管の好酸球数を減少させ、症状を軽減するが、infusion-related reaction(輸注反応)の頻度が高いことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のEvan S. Dellon氏らが行った「ENIGMA試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年10月22日号で報告された。好酸球性の胃炎・十二指腸炎は、消化管粘膜の好酸球増多、慢性症状、QOL低下を特徴とし、適切な治療法は確立されていない。その病因には、マスト細胞の活性化が寄与している可能性があるとされる。AK002は、抗シアル酸結合免疫グロブリン様レクチン8(Siglec-8)抗体であり、好酸球を減少させ、マスト細胞の活性化を阻害する。動物モデルでは、好酸球性胃炎・十二指腸炎の治療薬となる可能性が示されている。米国のプラセボ対照無作為化第II相試験 本研究は、症候性の好酸球性胃炎・十二指腸炎の治療におけるAK002の有用性の評価を目的とする多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験であり、米国の22施設が参加し、このうち17施設で患者登録が行われた(Allakosの助成による)。 対象は、年齢18~80歳、好酸球性胃炎または好酸球性十二指腸炎、あるいはこれら双方と診断され、症状が中等症~重症(毎日の症状スコア[0~10点、点数が高いほど症状の重症度が高い]の平均値が3点以上)の患者であった。 被験者は、月1回で4回(1、29、57、85日目)、低用量AK002(0.3、1、1、1mg/kg体重)、高用量AK002(0.3、1、3、3mg/kg体重)、プラセボを静脈内注入する群に、1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、最終投与から2週の時点における消化管好酸球数のベースラインからの変化とした。このエンドポイントは、統計的検出力を最大化するために、2つのAK002群を統合した群とプラセボ群を比較することで評価した。副次エンドポイントは、治療への反応(総症状スコアの>30%の低下、消化管好酸球数の>75%の減少)と総症状スコアの変化であった。事前に規定されたすべてのエンドポイントが良好 65例が登録され、AK002群に43例(低用量群22例、高用量群21例)、プラセボ群には22例が割り付けられた。全体の年齢中央値は40歳(範囲18~74)、40例(62%)が女性であった。10例(15%)が胃炎、25例(38%)が十二指腸炎、30例(46%)は胃炎と十二指腸炎が併存していた。ベースラインの消化管好酸球数の平均値は84±52個/高倍率視野(HPF)、症状スコアの平均値は32±14点だった。 intention-to-treat(ITT)解析による消化管好酸球数の平均変化率は、AK002群が-86%(低用量群-79%、高用量群-92%)と、プラセボ群の9%と比較して有意に良好であった(群間差の最小二乗平均値:-98ポイント、95%信頼区間[CI]:-121~-76、p<0.001)。per-protocol解析(AK002群39例、プラセボ群20例)でも、ほぼ同様の結果であった(AK002群-95% vs.プラセボ群10%、-105ポイント、-128~-83、p<0.001)。 治療への反応(ITT解析)は、AK002群の63%、プラセボ群の5%で得られ、有意な差が認められた(群間差:58ポイント、95%CI:36~74、p<0.001)。また、総症状スコアの平均変化率は、AK002群が-48%、プラセボ群は-22%であり、AK002群で良好であった(群間差の最小二乗平均値:-26ポイント、95%CI:-44~-9、p=0.004)。 AK002群は、軽度~中等度のinfusion-related reaction(潮紅、熱感、頭痛、悪心、めまい)が発現した患者の割合がプラセボ群よりも高かった(60% vs.23%)。これ以外の有害事象の発生頻度は両群でほぼ同等であった。重篤な有害事象は、AK002群が4例(9%)、プラセボ群は3例(14%)で認められた。 著者は、「infusion-related reactionのほとんどは、初回または2回目の投与時に起きており、本試験の非盲検延長試験において初回投与の前日に経口プレドニゾン単回投与を受けた患者では発現していない」としている。現在、好酸球性胃炎または好酸球性十二指腸炎を対象とするAK002の第III相試験、および好酸球性食道炎を対象とするAK002の第II/III相試験が進行中だという。

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praliciguat、HFpEF患者の最高酸素摂取量を改善せず/JAMA

 左室駆出率(LVEF)の保たれた心不全(HFpEF)患者の治療において、経口可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬praliciguatはプラセボに比べ、全身持久力の指標である最高酸素摂取量(peak VO2)を改善せず、6分間歩行検査(6-MWT)距離や換気効率にも有意な差はないことが、米国・タフツ医療センターのJames E. Udelson氏らが行った「CAPACITY HFpEF試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年10月20日号で報告された。HFpEFは、一般に一酸化窒素(NO)の欠乏で特徴付けられ、NO-sGC-サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)のシグナル伝達経路の増強は、HFpEFの治療標的となる可能性があるという。peak VO2を評価するプラセボ対照無作為化第II相試験 研究グループは、HFpEF患者の治療におけるpraliciguatの有効性と有害事象の評価を目的に、二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験を実施した(Cyclerion Therapeuticsの助成による)。 対象は、年齢45歳以上、心不全の診断を受け、LVEF≧40%、peak VO2<80%であり、4つのNO欠乏状態(糖尿病、高血圧、肥満、高齢[70歳以上])のうち2つ以上を有する患者であった。 被験者は、当初、praliciguatの3つの用量またはプラセボのいずれかを投与する群に無作為に割り付けられたが、試験開始早期にpraliciguat 40mg(毎日投与)とプラセボの比較試験に変更された。治療は12週間行われた。 有効性の主要エンドポイントは、8週間以上の治療を受けた患者におけるpeak VO2のベースラインからの変化とした。副次エンドポイントは、6-MWT距離および換気効率(運動時の二酸化炭素排出量[L/分]に対する換気量[L/分]の増加割合、数値が高いほど効率が悪い)のベースラインからの変化、心肺運動負荷検査(CPET)のレスポンダー(ベースラインから12週までに、peak VO2が1.5mL/kg/分以上改善した患者)の数であった。有害事象の主要エンドポイントは、治療関連有害事象(TEAE)の発生とした。3つの副次エンドポイントも有意差なし 2017年11月~2019年4月の期間に、米国とカナダの59施設で181例が登録された。平均年齢は70(SD 9)歳、75例(41%)が女性で、平均BMIは34であった。また、23例(13%)がLVEF≦50%、129例(71%)がNYHA心機能分類クラスIIで、59例(33%)に心不全による入院歴があり、31例(17%)は心房細動を有していた。最終フォローアップ日は2019年8月19日で、155例(86%)が試験を終了した。 peak VO2のベースラインからの変化は、praliciguat群が-0.26mL/kg/分(95%信頼区間[CI]:-0.83~0.31)、プラセボ群は0.04mL/kg/分(-0.49~0.56)であった。プラセボで補正した変化量の最小二乗平均値の群間差は-0.30mL/kg/分(-0.95~0.35、p=0.37)であり、有意な差は認められなかった。 3つの副次エンドポイントにも、統計学的な有意差はみられなかった。すなわち、6-MWT距離の変化は、praliciguat群が41.4m(95%CI:8.3~74.5)、プラセボ群は58.1m(26.1~90.1)であり、プラセボで補正した変化量の最小二乗平均値の群間差は-16.7m(-47.4~13.9、p=0.28)であった。換気効率の変化のプラセボで補正した変化量の最小二乗平均値の群間差は-0.3(-1.6~1.0、p=0.65)、CPETレスポンダーのオッズ比は0.9(0.4~2.1、p=0.82)だった。 TEAEについては、praliciguat群はプラセボ群に比べ、めまい(9.9% vs.1.1%)、低血圧(8.8% vs.0%)、頭痛(11% vs.6.7%)の頻度が高かった。重篤なTEAEの頻度は、両群で同等であった(10% vs.11%)。TEAEにより治療を中止した患者は8例(praliciguat群5例[5.5%]、プラセボ群3例[3.3%])認められた。 著者は、「これらの知見は、HFpEF患者におけるpraliciguatの使用を支持しない」とまとめ、「HFpEF患者は、NO-sGC-cGMP経路が障害されている可能性があるとの考え方は強く支持されており、praliciguatによるsGC刺激に関する前臨床試験の強力なデータの存在を考慮すると、良好な臨床効果が得られなかった理由として、1)投与量が最適でない、2)患者選択ではNO-sGC-cGMPシグナルが障害されたHFpEF患者が同定されなかった、3)HFpEF患者では、NO-sGC-cGMPシグナルの障害は病態生理学的に重要な関連性がない、などが挙げられる」と指摘している。

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統合失調症患者の自動車運転関連の認知機能に対する抗精神病薬の影響

 韓国・漢陽大学校病院のSeokmin Noh氏らは、統合失調症患者において、自動車運転に関連する認知機能に、使用している抗精神病薬の種類によって違いがあるかについて検討を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2020年8月29日号の報告。 対象は、抗精神病薬の単剤処方を受けていた統合失調症成人患者102例。神経認知機能の評価には、運転に関する認知機能評価(CPAD)、運転能力のための視覚、注意、ワーキングメモリ、反応時間、抑制制御などのコンピュータ化した評価バッテリーを用いた。 主な結果は以下のとおり。・使用されていた抗精神病薬の内訳は、ハロペリドール15例、リスペリドン28例、オランザピン14例、アリピプラゾール28例、パリペリドン17例であった。・102例中64例(63%)は、運転能力があると見なされた。・CPADの合格率は以下のとおりであり、ハロペリドール群とアリピプラゾール群(p=0.005)、ハロペリドール群とパリペリドン群(p=0.001)に有意な差が認められた。 ●ハロペリドール群:33% ●リスペリドン群:57% ●オランザピン群:57% ●アリピプラゾール群:75% ●パリペリドン群:82%・深視力(正解数)、分割的注意、数唱テスト、Trail Making TestパターンBのスコアは、ハロペリドール群とリスペリドン群と比較し、アリピプラゾール群とパリペリドン群において有意に良好であった。 著者らは「アリピプラゾールまたはパリペリドンによる抗精神病薬単剤療法で治療を行っている統合失調症患者の運転関連認知機能は、ハロペリドールまたはリスペリドンの単剤療法で治療している患者と比較し、良好であることが示唆された」としている。

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CAPACITY HFpEF試験を読み解く(解説:安斉俊久氏)-1312

 左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)181例を対象に、可溶型グアニリル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬であるpraliciguatの運動耐容能に及ぼす効果を無作為化比較試験によって検証したCAPACITY HFpEF試験(Phase II)の結果が2020年10月20日、JAMA誌に公開された。結果として、praliciguatの12週間にわたる投与は、最大酸素摂取量をはじめとした運動耐容能を改善するには至らなかった1)。 HFpEFにおいて多くみられる糖尿病、高血圧、肥満患者や高齢者においては、酸化ストレスの増大によって血管内皮機能障害が生じ、一酸化窒素(NO)の生物学的利用能低下から内皮細胞に接する血管平滑筋細胞や心筋細胞などにおける環状グアノシン3’,5’-1リン酸(cGMP)の産生が減少する。これによりプロテインキナーゼG(PKG)の活性は低下し、血管弛緩反応の低下、心筋肥大・線維化などが生じる2)。HFpEF患者の心筋生検標本を用いた検討においては、cGMPならびにPKG活性の低下が報告されていることからも3)、HFpEFの治療標的としてNO-cGMP-PKG経路が注目されてきた。 アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)であるサクビトリル/バルサルタンは、sGC刺激薬と同様に膜結合型グアニリル酸シクラーゼ(pGC)の活性化を介して細胞内のcGMPを増加させる薬剤であるが、HFpEFを対象にして行われたPARAGON-HF試験では、予後を改善させるには至らなかった4)。これまでに、血管拡張作用を有する薬剤を用いたHFpEFに対する無作為化比較試験では、いずれもプライマリエンドポイントに有意な結果が得られていない。その原因として、併存症の存在により病態が多様であることのほかに、HFpEFにおける左室圧・容積曲線の特性から、血管拡張薬を用いた際の1回心拍出量増加が、左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)のように得られにくく、むしろ血行動態を悪化させてしまうことが考えられている5)。 NO-cGMP-PKG経路の障害は、HFrEFにおいても生じており、全身ならびに冠動脈における血管平滑筋細胞に影響を及ぼし、前・後負荷増大だけでなく心筋虚血を増悪させている可能性が考えられている6-8)。実際に、ARNIやsGC刺激薬であるvericiguatはHFrEFの予後を改善することが報告されている9,10)。冠動脈疾患の合併も少なく、血管拡張薬によって血行動態の改善が得られにくいHFpEFでは、sGC刺激薬の効果が十分に得られなかった可能性が考えられる。ただし、12週間という短期投与では、左室拡張機能を改善させるには不十分であった可能性も否定できない。 CAPACITY HFpEF試験においては、NO-cGMP-PKG経路の障害が疑われる糖尿病、高血圧、肥満、70歳以上の高齢のうち、2つ以上を満たす患者がエントリーされたとはいえ、平均年齢が70~71歳と比較的若年であり、冠動脈疾患の合併も40%以下と少なく、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値も300pg/mL以下の症例が全体の56%を占めていた。こうした症例においては、NO-cGMP-PKG経路の障害が比較的軽度であった可能性もある。今後は、sGC刺激薬のレスポンダーを検出するためにも、NO-cGMP-PKG経路の障害を反映する簡便なバイオマーカーの開発が望まれる。引用文献1)Udelson JE, et al. JAMA. 2020;324:1522-1531.2)Emdin M, et al. J Am Coll Cardiol. 2020;76:1795-1807.3)Komajda M, et al. Eur Heart J. 2014;35:1022-1032.4)Solomon SD, et al. N Engl J Med. 2019;381:1609-1620.5)Schwartzenberg S, et al. J Am Coll Cardiol. 2012;59:442-451.6)Kubo SH, et al. Circulation. 1991;84:1589-1596.7)Ramsey MW, et al. Circulation. 1995;92:3212-3219.8)Katz SD, et al. Circulation. 2005;111:310-314.9)McMurray JJ, et al. N Engl J Med. 2014;371:993-1004.10)Armstrong PW, et al. N Engl J Med. 2020;382:1883-1893.

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2つの心保護作用で心不全の悪化を防ぐ「エンレスト錠50mg/100mg/200mg」【下平博士のDIノート】第61回

2つの心保護作用で心不全の悪化を防ぐ「エンレスト錠50mg/100mg/200mg」今回は、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)「サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物(商品名:エンレスト錠50mg/100mg/200mg、製造販売元:ノバルティスファーマ)」を紹介します。本剤は、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA系)の抑制作用と、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)系の増強作用を併せ持つことで、心不全の進行を抑えます。<効能・効果>本剤は、慢性心不全(慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)の適応で、2020年6月29日に承認され、2020年8月26日より発売されています。※また、2021年9月、100mg・200mg錠に「高血圧症」の適応が追加されました。<用法・用量>《慢性心不全》通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として、1日2回経口投与します。忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量します。忍容性に応じて適宜減量しますが、1回投与量は50mg、100mg、200mgとし、いずれにおいても1日2回投与です。なお、本剤は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)から切り替えて投与します。※《高血圧症》通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回200mgを1日1回経口投与します。年齢、症状により適宜増減しますが、最大投与量は1日1回400mgです。なお、本剤の投与により過度な血圧低下の恐れなどがあり、原則、高血圧治療の第一選択薬としては使えません。<安全性>慢性心不全患者を対象とした国内および海外の第III相臨床試験において、調査症例4,314例中966例(22.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、低血圧448例(10.4%)、高カリウム血症201例(4.7%)、腎機能障害124例(2.9%)、咳嗽67例(1.6%)、浮動性めまい63例(1.5%)、腎不全34例(0.8%)、心不全31例(0.7%)、起立性低血圧31例(0.7%)でした(承認時)。なお、重大な副作用として、血管浮腫(0.2%)、腎機能障害(2.9%)、腎不全(0.8%)、低血圧(10.4%)、高カリウム血症(4.7%)、ショック(0.1%未満)、失神(0.2%)、意識消失(0.1%未満)、間質性肺炎(0.1%未満)、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、低血糖、横紋筋融解症、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、Stevens-Johnson症候群、多形紅斑、天疱瘡、類天疱瘡、肝炎(いずれも頻度不明)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、心臓の負担を減らし血圧を下げる作用によって、心不全の悪化を抑えます。2.血圧が下がることで、めまいやふらつきが現れることがあるので、高所での作業、自動車の運転などの危険を伴う機械を操作する場合には注意してください。3.唇・まぶた・舌・口の中・顔・首が急に腫れる、喉がつまる感じ、息苦しい、声が出にくいなどの症状が現れた場合は、すぐに連絡してください。4.体のしびれ、脱力感、吐き気、嘔吐などの症状が現れた場合、体内のカリウム値が高くなっている可能性があるので、すぐにご相談ください。<Shimo's eyes>心不全が進行すると、心臓のポンプ機能が低下して循環血液量が減少し、これを補うためにレニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系と心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)系の働きが亢進します。そして、その状態が続くと心臓に負担がかかり、心不全がさらに悪化するという悪循環に陥ります。本剤の有効成分はサクビトリルおよびバルサルタンですが、いわゆる配合薬ではなく、サクビトリルとバルサルタンを1対1のモル比で含む医薬品であり、経口投与後に速やかにサクビトリルとバルサルタンに解離します。サクビトリルは、ANPを不活化するネプリライシン(NEP)を阻害してANP系を増強し、心室肥大の抑制や抗線維化などの心保護作用をもたらします。しかし、NEPはアンジオテンシンII(AII)の不活化作用も有するため、阻害されるとRAA系の働きを強めてしまいます。そこで、本剤はサクビトリルとバルサルタン(ARB)を組み合わせることでRAA系を抑え、心保護作用と降圧作用を得ることができる薬剤となり、すでに欧米を含む世界100ヵ国以上で承認されています。初回投与時は、ACE阻害薬またはARBから切り替えて使用します。ただし、ACE阻害薬との併用は血管浮腫が現れる恐れがあるため禁忌であり、ACE阻害薬から切り替える、もしくは本剤からACE阻害薬に切り替える場合は、少なくとも36時間空ける必要があります。初期投与量は50mgから開始して、忍容性を確認しながら維持量まで増量します。増量時の注意点として、50mg錠は100mg錠・200mg錠との生物学的同等性が確認されていないため、100mg以上の投与量の場合では50mg錠を使用することはできません。また、1回50mgから100mgへ増量時の基準として、(1)症候性低血圧がなく、収縮期血圧が95mmHg以上、(2)血清カリウム値5.4mEq/L以下、(3)eGFR 30mL/min/1.73m2以上かつeGFR低下率35%以下が示されています。注意すべき副作用として、本剤のブラジキニン分解阻害作用による血管浮腫、脱水(ナトリウム利尿)などがあります。臨床試験での発現頻度は低いものの、重症化すると生命を脅かす可能性がありますので、十分に注意して経過を観察しましょう。※2021年9月、添付文書改訂に伴い一部内容の修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 エンレスト錠50mg/エンレスト錠100mg/エンレスト錠200mg

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第32回 体調の変化からCOVID-19を割り出す試験が良好な滑り出し

今年初めの調査によると米国成人の今や5人に1人(21%)がFitBit(フィットビット)等の活動量計や多機能腕時計(スマートウォッチ)を身に付けています1)。そのような体調記録ウェアラブル装置(wearable fitness devices)のデータを新型コロナウイルス感染(COVID-19)同定に役立てることを目的の1つとして今春3月に始まった米国での試験(DETECT)の最初の解析で有望な結果が得られました2,3)。試験は基本的に来る者拒まずで、それらの体調記録に加えて自覚症状と検査結果を収集するスマートフォンアプリMyDataHelpsをダウンロードした米国在住成人なら誰でも参加できます。6月7日までに試験に参加した今回の解析対象成人30,529人のうち3,811人(12.5%)にCOVID-19が疑われる症状が認められ、それら有症者のうち54人は検査で感染が確認されたと報告し、279人は感染していなかったと報告しました。データ解析の結果、睡眠や運動量はどうやらCOVID-19の影響を受けると示唆され、それらに加えて心拍数情報も加味した有症者のCOVID-19判定は8割が正解(80% prediction accuracy)でした。DETECT試験は進行中で、やがては10万人以上が参加する予定です。有症者のCOVID-19判定の精度改善に加え、無症状の人の感染同定も可能にすることをScripps Researchの研究チームは目指しています。COVID-19流行を食い止めるには感染者を早期に発見して必要な対策を早めに講じる必要がありますが、世に出回っている検査は発症前や無症状の感染者をしばしば見落とします。そのような現状を打破すべく、感染をむしろより拡げる恐れがある発症前や無症状の感染者をいち早く同定する予想法の開発を最終的な目標としていると今回の報告の筆頭著者Giorgio Quer博士は言っています。Quer博士はDETECT試験を立ち上げた米国研究所Scripps Researchの人工知能(AI)分野のリーダーです。DETECT試験への参加者は米国のどの州からも集まっており、感染集中地域を早期に突き止める広域の流行食い止め対策にも貢献すると研究者は考えています。試験は広がりを見せており、患者と直に接していて感染の恐れが大きい医療従事者や交通機関従業員のデータを集める取り組みも始まっています4)。参考1)About one-in-five Americans use a smart watch or fitness tracker/Pew Research Center2)Quer G, et al. Nat Med. 2020 Oct 29. [Epub ahead of print]3)Early results from DETECT study suggest fitness trackers and smartwatches can predict COVID-19 infection/Scripps Research4)Scientists partner with San Diego transit and health workers to study wearable devices for detecting COVID-19/Scripps Research

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、悪性胸膜中皮腫に国内申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年10月27日、抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法について、切除不能な進 行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する効能又は効果に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。 今回の承認申請は、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法をプラチナ製剤を含む標準治療の化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-743試験)の中間解析の結果に基づいている。 本解析において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を達成した。また、本試験で認められたニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、本併用療法でこれ までに認められているものと一貫していた。

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進行NSCLC1次治療における新規抗CTLA-4抗体quavonlimabとペムブロリズマブの併用(MK-1308-001)/MSD

 Merck社は、2020年10月16日、進行NSCLC患者の1次治療において、同社の新規抗CTLA-4抗体quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法が良好な抗腫瘍活性と許容可能な安全性プロファイルが認めたと発表。この試験結果は、北米肺学会議(NACLC)において報告された(Poster #TS01.02)。 同試験は、進行NSCLC患者の初回治療として、quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法を評価したヒトに対する初めての非盲検多群第I/II相試験。用量確認フェーズでは、quavonlimab(25mgまたは75mg)を3週間ごとまたは6週間ごととペムブロリズマブ(200mgを3週間ごと、最大35サイクル)を併用投与した。この試験の主要評価項目は安全性と忍容性で、副次・探索的評価項目は盲検下独立判定機関(BICR)が判定したORRのほか、PFS、OS、DORなど。PD-L1発現に基づく効果は、TPS(tumor proportion score)を連続変数として後ろ向きに評価した。 quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法では想定外の有害事象はなく許容可能な安全性プロファイルが示され、良好な抗腫瘍活性が認められた。全Gradeの有害事象は98%、治療関連有害事象は85%に発現した。Grade3以上の治療関連有害事象は36%に認められた。頻度の高い(10%超)治療関連有害事象は、ALT上昇(8%)、肺臓炎(8%)、AST上昇(6%)であった。 この試験の結果では、フォローアップ期間中央値16.9ヵ月において、ORR、PFS、OS、DORなど副次・探索的評価項目全体でquavonlimabとペムブロリズマブの併用療法の効果が認められた。また、反応はPD-L1発現にかかわらず認められた(片側p=0.015)。これらの安全性と有効性のデータに基づき、第II相試験におけるquavonlimabのペムブロリズマブと併用の推奨用量は、25mg 6週間ごととしている。

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ペットを飼うことが認知症患者に及ぼす影響

 ペットを飼うことについては、多くの集団において病気に対するポジティブな影響が報告されているが、認知症患者における身体的および心理的ウェルビーイングとの関連はよくわかっていない。英国・マンチェスター・メトロポリタン大学のCarol Opdebeeck氏らは、ペットを飼うことが認知症患者に及ぼす影響について調査を行った。Journal of Applied Gerontology誌オンライン版2020年10月7日号の報告。認知症に対するポジティブな影響はペットを飼うことより世話をしているかと関連 本研究には、Improving the experience of Dementia and Enhancing Active Life(IDEAL)研究より、軽度~中等度の認知症在宅患者1,542例のベースラインデータを使用した。ペットの所有およびその世話と、自己報告による歩行、孤独感、うつ病、QOLとの関連を調査するため、回帰分析を用いた。 ペットを飼うことが認知症患者に及ぼす影響について調査した主な結果は以下のとおり。・共変量で調整後、ペットを飼うことは、前の週に3時間以上歩行した経験と関連が認められた。・犬を飼っていて、その世話をしている患者は、犬を飼っていない患者よりも、孤独を感じることが少なかった。・ペットを飼っているが、その世話をしていない患者は、ペットを飼っていない患者よりも、うつ病の増加およびQOL低下との関連が認められた。 著者らは「認知症患者に対するポジティブな影響は、ペットの世話をしているかどうかと関連していた」としている。

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第29回 厚労白書、今後20年間の見通しにつきまとう新型コロナの影響

<先週の動き>1.厚労白書、今後20年間の見通しにつきまとう新型コロナの影響2.オンライン診療、初診は「かかりつけ医」限定に3.医療計画の中間見直し、病院の入院機能だけでなく外来機能も再編へ4.特定行為看護師、外国人患者のサポート体制も広告可能に5.今年5月以降、介護事業所の経営状況は依然として悪いまま1.厚労白書、今後20年間の見通しにつきまとう新型コロナの影響10月23日の閣議において、田村厚労大臣は、令和2年度の厚生労働白書を報告した。第1部のテーマは「令和時代の社会保障と働き方を考える」と題され、平成の30年間を振り返りつつ、高齢化がピークを迎える2040年頃を見据えて、「人生100年時代」「担い手不足・人口減少」「新たなつながり・支え合い」「生活を支える社会保障制度の維持・発展」という4つの方向性に沿った対応の必要性を提示した内容となっている。2019年現在の人口1億2,617万人は、今後2040年には1億1,092万人へと減少し、働き手や支え手が不足する中、85才以上の高齢者が592万人から1,024万人に急増する見通しのため、社会保障費の増大は避けられない。今後の対応について、医療介護分野ではイノベーションの推進や、国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現などが求められる。(参考)令和2年版 厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-〔概要〕(厚労省)令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-〔本文〕(同)2.オンライン診療、初診は「かかりつけ医」限定に政府が進めているオンライン診療の恒久化について、10月30日の閣議後記者会見で、かかりつけ医については、初診のオンライン診療を認める方針が明らかになった。これまで、菅内閣発足直後から田村厚労相、河野太郎規制改革担当相、平井卓也デジタル改革担当相で協議を重ね、オンライン診療の初診解禁について合意がなされていた一方で、日本医師会はこれまで診療履歴のない新規の患者の診察についてはオンライン診療を認めないよう求めていた。今後、かかりつけ医の具体的な要件や対象疾患などを有識者会議で議論し、年内には一定の方向性を示すとしている。(参考)オンライン初診「かかりつけ医」限定 田村厚労相、恒久化へ向け方針(毎日新聞)田村厚生労働大臣記者会見概要 令和2年10月30日(厚労省)3.医療計画の中間見直し、病院の入院機能だけでなく外来機能も再編へ厚労省は、10月30日に「第22回医療計画の見直し等に関する検討会」をオンライン開催し、外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等について討議を行った。地域医療計画は従来5年ごとに策定だったが、2014年の地域医療介護総合確保法(地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律)により6年おきに策定となり、2018年の診療報酬・介護報酬のダブル改定に合わせて、第7次医療計画がスタートした。2020年は中間見直しの年であり、現在のコロナウイルス感染拡大により局所的な病床不足の発生や感染症対応も含めた医療機関の役割分担・連携体制の構築が必要になるなど、地域医療計画の見直しを求める声が上がっている。各地で人口減少や高齢化等により「担い手の減少」と「需要の変化」が進み、外来医療の高度化等も進んでいく中で、入院医療だけでなく、外来医療についても再編の議論が必要となっている。今後、「医療資源を重点的に活用する外来」の定義をした上で、「外来機能報告」(仮称)の対象となる医療機関の範囲についてさらに議論を進め、年内には医療部会に取りまとめた検討結果を報告する見込み。地域によってはコロナウイルス感染により医療機関への受診抑制もあり、医療機関の再編が来年度以降大きく動き出す可能性がある。(参考)第22回 医療計画の見直し等に関する検討会(オンライン会議)(厚労省)4.特定行為看護師、外国人患者のサポート体制も広告可能に厚労省は「第16回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」を10月29日に開催し、医療機関が広告可能な事項として、特定行為研修を修了した看護師に医師の業務を移管していることも広告可能とする方針が了承された。また、2021年のオリンピック開催に合わせて、外国人患者についても対応できる外国語の種類や翻訳器など、サポート体制も医療機能情報提供制度を通して告示可能となる。(参考)第16回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会資料(厚労省)5.今年5月以降、介護事業所の経営状況は依然として悪いまま10月30日に厚労省が公開した「経営実態調査」で、コロナウイルス感染拡大により、介護事業者の経営状態が依然として悪いことが明らかとなった。新型コロナウイルス感染症の流行前と比較して「悪くなった」と回答した事業所の割合は5月で47.5%、感染が落ち着いた10月で32.7%となり改善したものの、通所リハビリテーションなど通所系のサービス事業者がとくに影響を受けていた。元々、介護事業者にとって人材確保が課題であり、人件費が増加(平成30年度から+0.4%)したが、コロナの影響で保健衛生費(マスク、手袋などの購入費)が増えるなど、経費が増加しており、さらにサービス利用者の減少なども影響していると見られる。(参考)介護事業所 経営悪化5割に 通所系で顕著 厚労省調査(日本農業新聞)第190回 社会保障審議会介護給付費分科会資料(厚労省)第31回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(同)

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新薬の迅速審査は慎重かつ中立に指定すべきだろう(解説:折笠秀樹氏)-1310

 新薬の迅速審査に関する報告です。米国FDAには4種類の迅速審査プログラムがあり、その制度で承認された新薬で治療価値の高いものは50%ありました。そうでない新薬で治療価値の高いものは10%でした。欧州EMAには2種類のプログラムがありますが、傾向は同じようでした。迅速審査に指定されるには、ピカ新や希少疾患など、最初から評判の高いものが多いはずです。評判が高かったから迅速審査に指定されたのは当然と思います。迅速審査に指定されたのに、治療価値の高くないものが50%あるほうが不思議です。承認を急ぐのには、政治などさまざまな圧力があったのでしょうか。 それよりもびっくりしたのは、迅速審査に指定された新薬の割合です。米国では実に57%も指定されていました。欧州は15%なので妥当と思われますが、米国は半数以上が迅速審査指定でした。これではあまり意味がないように感じます。数が多すぎると迅速な審査も進まないと思います。 日本にも迅速審査の制度はあります。先駆け審査制度(優先審査)と条件付き早期承認制度です。緊急使用のための特例承認制度もあります。インフルエンザ治療薬のゾフルーザは優先審査で承認されました。COVID-19治療薬のレムデシビルは特例承認でした。日本でも迅速審査の指定は増えているように思います。政界や財界からの不当な圧力はなかったでしょうか。中立に指定してもらいたいものです。 COVID-19治療薬のレムデシビル、緊急使用での特例承認は日米ともに春先のことでした。正式承認は米国では10月22日でしたが、日本ではまだ正式承認されていません。急いだ特例承認は妥当だったのでしょうか。米国のデータは効果あり、中国のデータは効果なしでした。しかも、米国の臨床試験は途中で中止されたのです。明らかに急いでいるように見えました。裏で政治的圧力も感じました。トランプ大統領自身、確かレムデシビルを服用したと思います。 日本(富山)生まれのアビガンはどうだったでしょうか。これも政府からの圧力がありました。100例程度の臨床試験は3月頃に開始され、中間解析が5月になされました。米国と同じように、途中で中止し、5月中に承認される勢いでした。厚生労働省(PMDA)は圧力に屈せず、あくまでも有効性の確認が前提だとしました。中間解析の結果はあまり好ましくなかったのでしょう。承認申請は断念し、試験を継続しました。最終解析が9月頃に出て、いま審査がなされていると思います。慎重に審査してもらいたいと思います。

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Scoop and Runは正しいのか? 院外心停止の現場から(解説:香坂俊氏)-1311

院外での心停止(OHCA:Out-of-Hospital Cardiac Arrest)の際、(1)そのまま現場にとどまって蘇生行為を続けるか、あるいは(2)専門施設への搬送を優先するのか(いわゆるScoop and Runと呼ばれる方式)、難しい判断を迫られることも多い。そうした現場のジレンマを解決すべく、北米で大規模調査(2万7,705例)のデータ解析が行われた(傾向スコアを活用し2群の重症度をある程度マッチさせた集団をこの研究では扱っている)。このデータベースでは、何らかの反応が得られるか、あるいは死亡の宣告まで現場での蘇生行為が継続された群が1万8,299例(66%:この数値は日本よりもかなり割合が高いように思われる)、搬送を優先させたScoop and Run群は9,406例であった(34%)。両群の生存率は、それぞれ8.5%と4.0%であった(リスク差4.6%[95%CI:4.0~5.1%])。生存だけではなく、良好な神経学的予後をエンドポイントとした場合のリスク差も4.2%(95%CI:3.5~4.9%)であり、いずれもScoop and Run群にとって不利な結果であった。ただ、いくら大規模とはいえ後ろ向き研究の結果であり、この研究から決定的な推奨は出しにくい。また、Scoop and Run群の「生存患者の半数以上(61%)」は病院に到着する前に蘇生されていたこともわかっており、これらの患者をどう捉えるかというところも課題として残っている(専門施設での治療のメリットを得られる前にほぼ決着はついていた?)。いずれにせよ、OHCAに遭遇したら、蘇生行為は「なるべく早く開始し、人は呼べるだけ呼ぶ」という原則には変わりはない。その際に高いクオリティの蘇生行為を行うことができるのであれば(ACLSの有資格者がいる等)可能な限りそれを続けるべきであるし、そのまま救急隊員に引き継ぐこともできるであろう。また、現在はコロナウイルス感染という特異な状況下にあるが、そのエアロゾル感染を恐れて蘇生行為を控えることをしない(強制的にScoop and Runとしない)というところは大きなポイントではないかと思われる。

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事例013 腰部または胸部固定帯固定の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説「C109 在宅寝たきり患者処置指導料」(以下「同指導料」)を算定している寝たきり患者の肋骨骨折疑いに対して、胸部固定帯を使用して保存的な治療が行われました。非観血整復術ではないため、「J119-2 腰部または胸部固定帯固定」(以下「同固定」)にて算定したところ、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)として査定となりました。査定理由を調べてみました。同指導料を算定している同月に、同固定の算定があるため、D事由にて査定となったものでした。同指導料の留意事項には、算定している患者には同固定は算定できないとあります。同一日との記載はありません。「算定している」との解釈は、同じ月内を示します。同固定帯の2回目の算定は同月内のため、算定要件に合致していないことがわかります。原因は、同指導料を算定した同一日における同固定は算定不可と医事会計画面に表示されたため入力されなかったものの、翌週2回目の訪問診療算定時には、同日でなければ同固定を算定できると強制入力されていたのでした。さらにレセプトチェックシステムのエラーを見落として、そのまま提出してしまったようです。防止策として、請求ルールの共有とエラーを見落さないように勉強会開催を提言しました。なお、事例では、使用した固定帯の費用は、「J200腰部、胸部または頸部固定帯加算」として算定できます。体内留置を原則とする医療材料ではないとの理由からの加算設定です。同固定の算定ができる期間内に、破損や機能が合わないなどの医学的理由により固定帯を給付する都度に算定できます。ただし、短期間に複数回の給付が行われる場合には、レセプトにその医学的理由の記載がないと査定の対象となります。

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FLT3-ITD変異陽性AML、同種移植後のソラフェニブ維持療法が有用/Lancet Oncol

 FLT3-ITD変異陽性急性骨髄性白血病(AML)患者における、同種造血幹細胞移植後のソラフェニブ維持療法について中国で行われた第III相試験の結果が示された。これまでに、移植後ソラフェニブ維持療法が再発を減少することは、後ろ向き研究で示されている。今回、中国・南方医科大学のLi Xuan氏らは、中国国内7施設にて無作為化非盲検試験を行い、移植後のソラフェニブ維持療法は再発を減少させ、忍容性は良好であることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「この戦略は、FLT3-ITD変異陽性AML患者の適切な治療選択肢となりうるだろう」とまとめている。Lancet Oncology誌2020年9月号掲載の報告。 試験は2015年6月20日~2018年7月21日に、中国国内7病院で行われた。対象は、同種造血幹細胞移植を受け移植前後に複合完全寛解が得られ、移植後60日以内に造血機能が回復した、ECOG PSが0~2、18~60歳のFLT3-ITD変異陽性AML患者202例。 患者を無作為に2群に割り付け、ソラフェニブ維持療法(400mgを1日2回経口投与)群(100例)と非維持療法(対照)群(102例)を移植後30~60日目に行った。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における1年累積再発率であった。 主な結果は以下のとおり。・移植後の追跡期間中央値は、21.3ヵ月であった。・1年累積再発率は、ソラフェニブ維持療法群7.0%、対照群24.5%であった(HR:0.25、95%CI:0.11~0.57、p=0.0010)。・移植後210日以内の主なGrade3/4の有害事象は、感染症(ソラフェニブ維持療法群25% vs.対照群24%)、急性移植片対宿主病(GVHD)(23% vs.21%)、慢性GVHD(18% vs.17%)および血液毒性(15% vs.7%)であった。・治療に関連した死亡は報告されなかった。

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未治療Ph陽性ALLへのダサチニブ+ブリナツモマブ、第II相試験結果/NEJM

 フィラデルフィア染色体(Ph)陽性急性リンパ性白血病(ALL)成人患者の1次治療において、分子標的・免疫療法戦略に基づくダサチニブ+ブリナツモマブによる、化学療法薬を用いない寛解導入・地固め療法は、分子遺伝学的奏効の達成割合および生存率が良好で、Grade3以上の毒性は少ないことが、イタリア・Sapienza University of RomeのRobin Foa氏らGIMEMA共同研究グループが実施した「GIMEMA LAL2116 D-ALBA試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年10月22日号に掲載された。Ph陽性ALL患者の予後は、ABL特異的チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場によって著明に改善し、全身化学療法併用の有無を問わず、ほとんどの患者で血液学的完全奏効が得られている。ダサチニブは複数のチロシンキナーゼを標的とするTKIであり、ブリナツモマブはB細胞のCD19とT細胞のCD3に二重特異性を有する遺伝子組み換えモノクローナル抗体である。ダサチニブ+ブリナツモマブの分子遺伝学的奏効を評価 研究グループは、新たにPh陽性ALLと診断された成人(年齢の上限はない)を対象に、ダサチニブ+ブリナツモマブの第II相単群試験を行った(Associazione Italiana per la Ricerca sul Cancroなどの助成による)。 被験者は、寛解導入療法としてダサチニブ(140mg、1日1回)の85日間の投与を受けた後、地固め療法としてブリナツモマブ(28μg/日)の投与を2サイクル受けた(最大5サイクルまで許容された)。ブリナツモマブの各サイクルの投与前にデキサメタゾン(20mg)が投与された。ダサチニブは、ブリナツモマブ投与中および投与後も継続投与された(T315I変異陽性例を除く)。 主要評価項目は、治療後の骨髄における持続的な分子遺伝学的奏効(分子遺伝学的完全奏効、微小残存病変の定量化が不能な奏効)とした。ダサチニブ+ブリナツモマブの分子遺伝学的奏効率は60% 2017年5月~2019年1月の期間に、63例(年齢中央値54歳[範囲24~82]、女性34例[54%])が登録された。このうち98%(62/63例)で完全寛解が得られた。 ダサチニブによる寛解導入療法の終了時(85日)に、患者の29%(17/59例)で分子遺伝学的奏効が達成された。この割合は、ブリナツモマブの2サイクル投与後に60%(33/55例)まで上昇し、投与サイクル数が増えるに従ってさらに上昇した(3サイクル:70%[28/40例]、4サイクル:81%[29/36例]、5サイクル:72%[21/29例])。 追跡期間中央値18ヵ月の時点で、全生存率は95%、無病生存率は88%であった。無病生存率は、IKZF1欠失に加え他の遺伝子異常(CDKN2AまたはCDKN2Bと、PAX5、あるいはこれら両方の異常[IKZF1plus])を有する患者で低かった。ダサチニブによる寛解導入療法中に微小残存病変が増加した6例でABL1の変異が検出され、これらの変異はすべてブリナツモマブにより消失した。再発は6件発生した。 全体で、28例に60件の有害事象が発現した。Grade3以上の有害事象は21件であり、サイトメガロウイルス再活性化/感染症(6例)、好中球減少(4例)、持続性発熱(2例)、胸水(1例)、肺高血圧症(1例)、神経学的障害(1例)が含まれた。24例が同種造血幹細胞移植を受け、1例(4%)が移植関連で死亡した。 著者は、「患者アウトカムは年齢を問わずきわめて良好で、移植関連死が少なかった。予想に反して、サイトメガロウイルス再活性化の頻度が高かったが、この現象はダサチニブ投与例の以前の研究で報告されている」としている。

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vericiguat、HFpEF患者の身体機能制限を改善せず/JAMA

 左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)で、代償不全がみられる患者の治療において、新規の経口可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬vericiguatはプラセボと比較して、身体機能制限を改善せず、6分間歩行距離(6MWD)の延長にも有意な差はないことが、カナダ・アルバータ大学のPaul W. Armstrong氏らが実施した「VITALITY-HFpEF試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年10月20日号に掲載された。HFpEF患者は、死亡や入院のリスクとともに、運動耐容能や生活の質(QOL)の低下のリスクが高い。vericiguatは、サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)を直接的に産生させ、内因性一酸化窒素に対する可溶性グアニル酸シクラーゼの感受性を回復させるという。vericiguatを2用量で評価するプラセボ対照無作為化第IIb相試験 研究グループは、HFpEF患者の治療におけるvericiguatの有効性を、カンザスシティー心筋症質問票(KCCQ)の身体機能制限スコア(PLS)を用いて評価する目的で、多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化第IIb相試験を行った(BayerとMerck Sharp & Dohmeの助成による)。 対象は、年齢45歳以上、慢性HFpEFと診断され、左室駆出率(LVEF)≧45%またはNYHA心機能分類クラスII/III度の症状がみられ、直近6ヵ月以内に代償不全(心不全による入院または非入院での心不全に対する利尿薬静脈内投与)が認められ、ナトリウム利尿ペプチド値が上昇し、標準治療を受けている患者であった。 被験者は、標準治療に加え、vericiguat 15mgまたは10mgを1日1回経口投与する群またはプラセボ群に、1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、24週の治療が行われた。 主要アウトカムは、ベースラインから24週時のKCCQ PLS(0~100点、点数が高いほど身体機能が良好)の変化とした。副次アウトカムは、ベースラインから24週時の6MWDの変化であった。vericiguatは2用量とも主要・副次アウトカムを達成できず 2018年6月~2019年3月の期間に、21ヵ国167施設で789例(平均年齢72.7歳[SD 9.4]、385例(49%)が女性、平均LVEFは56%、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド値[NT-proBNP]中央値1,403pg/mL)が登録され、vericiguat 15mg群に264例、vericiguat 10mg群に263例、プラセボ群には262例が割り付けられた。761例(96.5%)が試験を終了した。 ベースラインおよび24週時の平均KCCQ PLSは、vericiguat 15mg群がそれぞれ60.0点および68.3点、vericiguat 10mg群が57.3点および69.0点、プラセボ群は59.0点および67.1点であり、各群の最小二乗平均変化量はvericiguat 15mg群が5.5点、vericiguat 10mg群が6.4点、プラセボ群は6.9点だった。KCCQ PLSの群間の最小二乗平均差は、vericiguat 15mg群とプラセボ群が-1.5点(95%信頼区間[CI]:-5.5~2.5、p=0.47)、vericiguat 10mg群とプラセボ群は-0.5点(-4.6~3.5、p=0.80)であり、いずれも有意な差は認められなかった。 また、ベースラインおよび24週時の6MWDの平均値は、vericiguat 15mg群がそれぞれ295.0mおよび311.8m、vericiguat 10mg群が292.1mおよび318.3m、プラセボ群は295.8mおよび311.4mであり、各群の6MWDの最小二乗平均変化量はvericiguat 15mg群が5.0m、vericiguat 10mg群が8.7m、プラセボ群は10.5mだった。6MWDの群間の最小二乗平均差は、vericiguat 15mg群とプラセボ群が-5.5m(95%CI:-19.7~8.8、p=0.45)、vericiguat 10mg群とプラセボ群は-1.8m(-16.2~12.6、p=0.81)であり、いずれも有意な差はみられなかった。 有害事象は、vericiguat 15mg群が65.2%、vericiguat 10mg群が62.2%、プラセボ群は65.6%で発生した。症候性低血圧が、vericiguat 15mg群の6.4%(17例)、vericiguat 10mg群の4.2%(11例)、プラセボ群の3.4%(9例)に認められた。失神は、それぞれ1.5%(4例)、0.8%(2例)、0.4%(1例)で発現した。全死因死亡率は、3.8%(10例)、5.7%(15例)、2.7%(7例)であり、心血管死亡率は、3.0%(8例)、4.6%(12例)、1.5%(4例)だった。 著者は、「本試験の理論的根拠は、以前に行われた無作為化第II相試験であるSOCRATES-PRESERVED試験のKCCQ PLSデータの探索的な事後解析に基づくが、この試験の結果は偶然の作用によってもたらされた可能性がある」としている。

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受診控え抑制へ、佐々木希が医療機関の「安心マーク」啓発/日本医師会

 導入に向けた検討が進む初診からのオンライン診療の恒久化について、日本医師会では10月28日の定例記者会見で、導入にあたり明確化すべき点、環境整備が必要な点について考え方を示した。同じく議論されている後期高齢者の患者負担引き上げについては、引き上げには反対の立場を示している。また、受診控え対策として医療機関で掲出する「みんなで安心マーク」の国民への周知を目的としたPR動画の発表が行われた。受診歴なく、かかりつけ医からの情報提供もない新患は「不可」の立場 中川 俊男会長は日本医師会の基本的なスタンスとして、オンライン診療は解決困難な要因によって医療機関へのアクセスが制限されている場合に、補完的な役割を果たすものという考え方を示した1)。そのうえで、下記の考え方により実施されるのが望ましいとした:1)定期的な医学管理を行っている患者に対して、かかりつけ医の判断により、オンライン診療を適切に組み合わせる。2)受診歴のある広い意味でのかかりつけの患者に対しては、対面診療と同等以上の安全性・信頼性が確認される場合に、医師の判断により、一時的にオンライン診療で補完する。3)受診歴がなく、かつかかりつけ医からの情報提供もない「新患」は不可。ただし明確な判断基準の策定・合意の下で可とするケースもあり得る(例:禁煙外来や緊急避妊等)。4)自由診療は、「オンライン診療指針」あるいは別の規定により厳格な運用が必要。5)上記にオンライン服薬指導を組み合わせるかどうかは別途個別に判断する。医師のプライバシー保護や民間の高額サービスの存在など、環境整備を求める さらに、オンライン診療を実施するにあたり医師側に生じうる不安として、1)医療訴訟の不安、2)医師のプライバシー流失の不安、3)オンライン診療システム利活用への不安を挙げ、取り除くための環境整備の必要性を訴えた。2)については、オンライン診療の動画をSNSに無断でアップされること等が起こり得、実際にすでに女性医師が被害にあっているという指摘があると説明。3)については、高額なサービスや過剰なサービスの契約に追い込まれるケースがあり、業界の協力が不可欠との考えを示した。 また、現在は民間業者を主体にサービスが提供されている「オンライン健康相談」についても、国としての定義の明確化が必要として、ガイドラインの策定を求める姿勢。医師が診察とは別に「オンライン健康相談」を実施することについても整理が必要として、混合診療にあたらないことの確認、ルールの明確化が必要との認識が示された。後期高齢者の患者負担割合はすでに十分高いとの認識 政府が引き上げを検討する後期高齢者の医療費患者負担割合については、年齢とともに1人当たり医療費が上昇し、75歳以上では患者負担額が6.4~9.0万円とすでに十分高いと指摘(30代は2.6~2.9、40代は3.3~4.0、50代は5.0~6.2、60代は7.6~8.9万円)。応能負担(収入や所得に応じた負担)は現役世代に比べてさらに大きくなる2)。 患者負担割合の引き上げにより、受診控えや必要な医療の断念につながる懸念から、応能負担は「可能な限り広範囲」ではなく「限定的に」しか認められないという認識を示した。 また、同会では感染防止対策を徹底している医療機関に対して、「新型コロナウイルス感染症等感染防止対策実施医療機関 みんなで安心マーク」を発行しているが、佐々木 希さんが出演したその国民啓発用ビデオが公開された3)。同マークの発行は日本医師会会員に限らず、日医ホームページから、感染防止対策セルフチェックリストのすべての項目を実践していることを回答した場合に発行され、各医療機関での掲示用に活用できる。

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NSCLCに対するペムブロリズマブ・化学療法併用の最長追跡データ(KEYNOTE-021)/MSD

 Merck社は、2020年10月16日、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者においてペムブロリズマブと化学療法の併用療法を評価したKEYNOTE-021試験(コホートG)の長期追跡の結果、PD−L1の発現にかかわらず、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法による1次治は、化学療法単独と比較して、客観的奏効率の改善、無増悪生存期間の改善が認められたと発表。この試験結果は、北米肺学会議(NACLC)において報告された(Featured Poster #OFP01.02)。NSCLC患者の1次治療における抗PD-1/L1抗体と化学療法の併用療法を評価した最長のフォローアップデータとなる。 マルチコホート多施設共同非盲検第I/II相KEYNOTE-021試験のコホートGでは、進行非扁平上皮NSCLC患者の初回治療におけるペムブロリズマブと化学療法の併用療法(n=60)と化学療法のみ(n=63)を比較した。全生存期間(OS)中央値はペムブロリズマブと化学療法併用34.5ヵ月、化学療法のみ21.1ヵ月、3年生存率は化学療法のみ患者では37%だったのに対し、ペムブロリズマブと化学療法併用患者では50%であった(HR=0.71、95% CI:0.45~1.12)。このOSの改善は、70%(n=43/61)の患者が後に化学療法から抗PD-1/L1抗体治療にクロスオーバーしたにもかかわらず認められた。ORRはペムブロリズマブと化学療法の併用では58%、化学療法のみでは33%であった。PFS中央値は、ペムブロリズマブと化学療法併用24.5ヵ月、化学療法のみ9.9ヵ月であった(HR=0.54、95% CI:0.35~0.83)。奏効期間(DoR)中央値はペムブロリズマブと化学療法の併用では36.3ヵ月、化学療法のみでは22.8ヵ月であった。また、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法に関し、長期的なフォローアップにおいて新たな安全性シグナルは認められなかった。

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