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COVID-19の急性呼吸不全、ヒドロコルチゾンは有効か?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で急性呼吸不全を呈した重症患者に対し、低用量ヒドロコルチゾンの投与はプラセボと比較して、21日時点の死亡を含む治療不成功率を有意に低減しなかった。フランス・トゥール大学のPierre-Francois Dequin氏らが、149例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果が発表された。ただし同試験は、別の試験でデキサメタゾンがCOVID-19による死亡率などを減少することを示す結果が出たことを受けて、早期に中止されており、著者は、「主要アウトカムについて、統計的および臨床的に意義のある差異を見いだすための検出力が不足していた可能性がある」と、結果の妥当性について疑義を呈している。JAMA誌オンライン版2020年9月2日号掲載の報告。21日時点での治療不成功率をプラセボと比較 研究グループは、フランスで2020年3月7日~6月1日にかけて、COVID-19による急性呼吸不全でICUでの治療を要した患者を対象に、多施設共同無作為化二重盲検逐次試験(患者50例ごとに中間解析を行う)を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方には低用量ヒドロコルチゾンを14日間(200mg/日を7日間、100mg/日を4日間、50mg/日を3日間)持続点滴静注投与し、もう一方にはプラセボを投与した。最終フォローアップは2020年6月29日だった。 主要アウトカムは、21日時点での治療不成功(死亡、人工呼吸器または高流量酸素療法への継続的依存のいずれかと定義)であった。また、事前に規定した副次アウトカムは、ベースラインで気管挿管のない患者の気管挿管、腹臥位セッション・体外式膜型人工肺(ECMO)・一酸化窒素吸入療法の21日目までの累積実施率、P/F比(PaO2/FiO2、測定:1~7日、14日、21日)、ICU入室中の2次感染発生患者の割合などだった。治療不成功、ヒドロコルチゾン群42%、プラセボ群51% 同試験は、290例登録を意図していたが、データ・安全監視委員会の勧告を受けて、被験者149例(ヒドロコルチゾン群76例、プラセボ群73例)登録後に中止された。登録被験者の平均年齢は62.2歳、女性30.2%、人工呼吸器を要した患者は81.2%だった。148例(99.3%)が試験を完了し、そのうち治療不成功は69例で、死亡はヒドロコルチゾン群11例、プラセボ群20例だった。 21日時点での治療不成功率は、ヒドロコルチゾン群42.1%(32/76例)、プラセボ群50.7%(37/73例)、両群で有意差はなかった(発生率群間差:-8.6%、95.48%信頼区間:-24.9~7.7、p=0.29)。 また、事前に規定した4つの副次アウトカムについても、有意差はみられなかった。試験治療薬に関連した重篤有害事象の発生もなかった。

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NSTEMI 、80歳以上でも侵襲的治療が優位 /Lancet

 80歳以上の非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)患者においても、侵襲的治療は非侵襲的治療と比べて生存アドバンテージを拡大することが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAmit Kaura氏らによるルーチン臨床データをベースにしたコホート研究の結果、示された。侵襲的治療群の5年死亡リスクは約3割低減し、心不全による入院リスクも約3割低かったという。先行研究で、NSTEMI患者への侵襲的治療は非侵襲的治療よりも長期死亡リスクを低減することが示されているが、高齢患者は試験から除外されていた。Lancet誌2020年8月29日号掲載の報告。英国内5病院から80歳以上NSTEMI患者の臨床データを収集し検討 研究グループは、英国内にあるNIHR生物医学研究センターの5つの協力病院(インペリアル・カレッジ・ヘルスケア、ユニバーシティ・カレッジ・ホスピタル、オックスフォード大学病院、キングス・カレッジ・ホスピタル、聖トーマス病院)からルーチン臨床データを集めて解析を行った。2010年(ユニバーシティ・カレッジ・ホスピタルは2008年)から2017年にかけて、トロポニン値測定およびNSTEMI診断の時点で80歳以上の患者を対象に試験を行った。試験対象の5病院はいずれも、救急部門(ER)を備えた3次医療センターだった。 治療前の変数に基づく傾向スコア(患者が侵襲的治療を受ける推定確率)を、ロジスティック回帰法により導出し、侵襲的治療または非侵襲的治療を受ける確率が高い患者については、分析から除外した。トロポニン値ピーク時から3日以内に、侵襲的治療を受けずに死亡した患者は、傾向スコアに基づき侵襲的治療群または非侵襲的治療群に割り付け、イモータルタイム(不死時間)バイアスを緩和した。 侵襲的治療と非侵襲的治療の比較による死亡に関するハザード比(HR)を推算し、また、心不全による入院率を比較した。累積5年死亡率、侵襲的治療群36%、非侵襲的治療群55% NSTEMI患者1,976例のうち、トロポニン値ピーク時から3日以内の死亡は101例だった。また、傾向スコアが極端な値だった375例は解析から除外した。残る1,500例の年齢中央値は86歳(IQR:82~89)、非侵襲的治療を受けたのは845例(56%)だった。 追跡期間中央値3.0年(IQR:1.2~4.8)で、613例(41%)が死亡した。 補正後累積5年死亡率は、侵襲的治療群36%、非侵襲的治療群55%だった(補正後HR:0.68、95%信頼区間[CI]:0.55~0.84)。 侵襲的治療は、心不全による入院発生頻度の低下とも関連した(非侵襲的治療群に対する侵襲的治療群の補正後率比:0.67、95%CI:0.48~0.93)。

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~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【糖尿病・内分泌疾患編】

第1回 【糖尿病】初療時のコツ第2回 【糖尿病】生活指導から薬物療法に切り替えるタイミングは?第3回 【糖尿病】糖尿病患者の血圧・脂質の管理目標と治療のゴール第4回 【糖尿病】内科で使うべき糖尿病薬のファーストチョイス第5回 【糖尿病】新規糖尿病薬の使い方第6回 【糖尿病】高齢者の治療目標第7回 【糖尿病】慢性合併症の管理第8回 【糖尿病】外来でのインスリン導入第9回 【糖尿病】一歩進んだ外来食事指導第10回 【内分泌疾患】内分泌疾患を見つけるコツ第11回 【内分泌疾患】甲状腺機能亢進症・低下症第12回 【内分泌疾患】内分泌性高血圧第13回 【内分泌疾患】内科医も知っておくべき内分泌緊急症第14回 【内分泌疾患】見落としやすい内分泌疾患 糖尿病、内分泌疾患に関する内科臨床医の疑問をスペシャリストとの対話で解決します!糖尿病については、心血管リスクを考慮した薬剤選択、非専門医が使うべきファーストチョイスなど10テーマをピックアップ。内分泌疾患については、甲状腺機能の異常などの頻繁に見る疾患だけでなく、コモンな症状に隠れている内分泌疾患をジェネラリストが見つけ治療するためのTIPSを解説します。ここでしか聞けない簡潔明解な対談で、スペシャリストの思考回路とテクニックを盗んでください!第1回 【糖尿病】初療時のコツ初回のテーマは、糖尿病の初療時に必ず確認すべき項目。初療のキモは2型糖尿病以外の疾患の除外、そして治療方針を決定するためのアセスメントです。HbA1cだけでなく、いくつかの項目を確認することでその後の治療がグッと効果的なものになります。ポイントを短時間で押さえていきましょう。第2回 【糖尿病】生活指導から薬物療法に切り替えるタイミングは?食事や運動の指導では血糖コントロールがつかず、薬物療法に移行するのは医者の敗北というのは過去の話。薬剤が進歩した現在は、早めに薬物療法を開始するほうがよいケースも多いのです。HbA1cと治療期間の目安を提示し、薬物療法に切り替えるタイミングを言い切ります。第3回 【糖尿病】糖尿病患者の血圧・脂質の管理目標と治療のゴール今回は、血圧と脂質の目標値をズバリ言い切ります。血圧、脂質をはじめとした5項目をしっかりとコントロールすれば、糖尿病であっても健常人とさほど変わらない生命予後が期待できることがわかっています。2つの目標値を確実に押えて、診療をブラッシュアップしてください。第4回 【糖尿病】内科で使うべき糖尿病薬のファーストチョイス糖尿病治療薬は数多く、ガイドラインには”患者背景に合わせて選択する”と記述されていますが、実際に何を選べばいいか困惑しませんか? 今回は、プライマリケアで必要十分なファーストチョイスの1剤、セカンドチョイスの2剤をスペシャリストが伝授します。第5回 【糖尿病】新規糖尿病薬の使い方SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は、心血管疾患等の合併がある糖尿病患者において、重要な位置付けの薬剤になっています。それぞれの薬剤の使用が推奨される患者像や、使用に際する注意点をコンパクトに解説。この2つの薬剤を押さえて糖尿病治療の常識をアップデートしてください。第6回 【糖尿病】高齢者の治療目標高齢者の治療では、低血糖を防ぐことが何より重要。患者の予後とQOLを考慮した目標値を、ガイドラインから、そしてスペシャリストが使う超シンプルな方法の2点から伝授します。SU薬などの低血糖を生じやすい薬剤を使わざるを得ない場合の注意点や、認知症がある場合の治療のポイント、在宅で有用な薬剤など、高齢者の糖尿病治療の悩みを一気に解決します。第7回 【糖尿病】慢性合併症の管理糖尿病の慢性合併症は、細小血管障害と、大血管障害に分けると、進展予防のためにコントロールすべき項目がわかりやすくなります。必要な検査の間隔と測定項目をパパっと解説します。とくに糖尿病性腎症の病期ごとの検査間隔は必ず押さえたいポイント。プライマリケアでできるタンパク制限やサルコペニア傾向の高齢者に対する指導も必見です。第8回 【糖尿病】外来でのインスリン導入いま、インスリンは早期に開始し、やめることもできる治療選択肢の1つです。ですが、これまでのイメージから、医師も患者も抵抗を感じることがあるかもしれません。今回は、外来で最も使いやすいBOTの取り入れ方、インスリン適応の判断と投与量、そして患者がインスリン治療に抵抗を示す場合の説明、専門医に紹介すべきタイミングといった、プライマリケアで導入する際に必要な知識をコンパクトに解説します。第9回 【糖尿病】一歩進んだ外来食事指導外来での食事指導では、食品交換表を使った難しい指導が上手くいかないことは先生方も実感するところではないでしょうか。今回は短い時間でできる、一歩踏み込んだ食事指導のトピックを紹介します。「3つの”あ”に注意」、「20ダイエットの勧め」、「会席料理に倣った食べる順番」など、簡単で続けられる見込みのある指導方法を身に付けましょう。第10回 【内分泌疾患】内分泌疾患を見つけるコツ40歳以上の約20%には甲状腺疾患があると知っていますか?内分泌疾患は実はコモンディジーズ。とはいえ、すべての患者で内分泌疾患を疑うのは効率的ではありません。今回は発熱や倦怠感といったありふれた症候から内分泌疾患を鑑別に挙げるためのポイントと、必要な検査項目を解説します。費用の観点からスクリーニング・精査と段階を分けて優先すべき検査項目を整理した情報は必見です。第11回 【内分泌疾患】甲状腺機能亢進症・低下症甲状腺機能亢進症といえばまずバセドウ病が想起されますが、診断には亜急性や無痛性の甲状腺炎との鑑別が必要。内科でパッと実施できる信頼性の高い検査をズバリ伝授します。専門医も行っている方法かつプライマリケアでできる、無顆粒球症のフォローアップは必見です。第12回 【内分泌疾患】内分泌性高血圧初診で高血圧患者を診るときは全例でPAC/PRAを測定してください!これは高血圧患者の5~10%といわれる原発性アルドステロン症を発見するための鍵になる検査。診断の目安となる値、そして外来で測定する際に頭を悩ませる体位についても専門医がクリアカットに解答します。そのほかに知っておくべきクッシング症候群と褐色細胞腫についてもコンパクトに解説します。第13回 【内分泌疾患】内科医も知っておくべき内分泌緊急症今回は生命に関わる内分泌緊急症4つ-甲状腺クリーゼ、副腎不全、高カルシウム血症クリーゼ、粘液水腫性昏睡を取り上げます。それぞれの疾患を疑うべき患者の特徴・対応・フォローをコンパクトに10分で解説。中でも、臨床的に副腎不全を疑うポイントは該当する患者も多いので必ず押さえたいところ。甲状腺クリーゼの初期対応も必ずチェックしてください!第14回 【内分泌疾患】見落としやすい内分泌疾患繰り返す尿管結石やピロリ菌陰性の潰瘍は、内分泌疾患を疑う所見だと知っていましたか? 見落としやすい内分泌疾患TOP5、高カルシウム血症・低カルシウム血症・中枢性尿崩症・SIADH・先端巨大症を確実に発見するために、それぞれを疑うサインと検査項目を解説します。

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高給取りのはずが…、コロナ禍で急増する金欠ドクターのパターン別処方箋【医師のためのお金の話】第36回

医師あるあるネタの1つに「金欠」があります。ちょっと何言ってるかわからない!と言い切れないのが、悲しいところですね…。月末になると給料日が待ち遠しくなる医師は少なくないことでしょう。世間一般の常識からすると、医師は高給取りのはずです。実際、同年代の会社員と比べて、破格の収入を得ていることは間違いありません。それにもかかわらず、なぜ医師は金欠になりやすいのでしょうか? 折しも時はコロナ禍の真っただ中です。患者さんの受診抑制のため、勤務医・開業医を問わず、経済的に苦しい状況が続いています。コロナ前であれば「お金がなくなれば当直アルバイトをすればいいや」という安易な考え方でもやってこれましたが、受診抑制が続く最中はアルバイト先の確保も容易ではありません。この先、こうした状況が急激に改善することも望み薄です。それでは、私たちはどうすればよいのでしょうか? 今回は、いろいろな立場別に医師が金欠になる原因と対策を考えてみたいと思います。勤務医という名の浪費家勤務医の給与水準は開業医と比べてかなり低い! コレ、医療業界の常識ですね。しかし、それでも同年代の会社員と比較すれば、多くの勤務医は2倍以上の給与をもらっています。常識的に考えれば、高給取りの勤務医が金欠になるなど想像し難い…。しかし、現実には、金欠に苦しんでいる勤務医は少なからずいます。その理由は、ズバリ「支出が多い」ことにあります。皆さんの周りの医師を見渡してみましょう。多くの医師が住み心地バツグンのエリアに住んでいるはずです。また、建物自体のスペックもかなりのものではないでしょうか? 少なくとも、昨年まで私が住んでいたような、築40年の隙間風が吹くボロ家に住んでいる医師はいないのではないでしょうか(笑)。住環境の良さはメリットも多いですが、コスト高というデメリットがあります。これ以外にも、高級車に乗っている人や、週末は外食しなければ我慢できない人など、医師は、一般的には「浪費家」とされてしまう人の比率がトンデモなく高いのです。そして、周囲も同じような人ばかりなので、自分の浪費に気付きにくい、ということもあります。いくら収入が多くても、それ以上に支出が多ければ、月末に金欠になること必定です。こうしたケースでは、アルバイトなどで収入を増やすのではなく、身の丈に合わない過分な消費を抑えることが有効です。もちろん、住まいを変えることや高級車を処分することは、すぐにできることではありません。しかし、給与が右肩上がりになる将来は考えにくい情勢です。すべてを所有し続けることは難しいかもしれないと考え、取捨選択してスリムな家計にすることを検討すべき時期かもしれません。固定費に苦しむ開業医一方の開業医はリッチなイメージがありますが、こちらも昨今のコロナ禍で苦しんでいる人が多くなっています。その理由はもちろん、受診抑制です。医業収入を単純化すると、診察した患者数に比例します。患者数が3割減になると医業収入も3割減となります。その一方で、人件費、テナント料、リース料などのいわゆる「固定費」は、変わらず毎月出ていきます。収入が3割減なのに、支出は減少しない…。こうなると、院長の取り分は3割減どころではありません。短期的には7割減などになっても不思議ではないのです。2020年8月現在、コロナ禍は終息する気配がなく、受診抑制も持続しています。開業医にとって厳しい状況はまだまだ続きそうです。院内の感染予防対策やスタッフのケアも行わなければならず、経営者として困難な時期ですが、座していても死を待つばかりです。コロナ禍での経営改善法は、ズバリ「固定費削減」に尽きるでしょう。実際に、私の知り合いの開業医たちは固定費削減に邁進しています。ある開業医はクリニックの固定費をすべて洗い出し、不要不急の固定費をバッサリ切りました。家賃の減額交渉や職員の時短勤務を推進して、現在の稼働状況に即した体制に縮小して難局を乗り切ろうとしています。すでに実行済みの方も多いと思いますが、いま一度固定費について確認してみましょう。不動産投資をしている医師それでは、少し毛色の異なる立場にいる医師について考えてみましょう。変わり種の代表は、私のように不動産投資をしている医師ではないでしょうか。皆さんあまり大っぴらに語りませんが、不動産投資をしている医師は少なくありません。なかでも多数を占めるのは「30年一括借り上げのマンション投資」でしょう。この手の不動産投資(?)は節税目的をうたい文句にしており、月々のキャッシュフローがプラスになることはありません。もともと毎月の持ち出しが前提となっているため、当然のごとく金欠が常態化しています。30年一括借り上げのマンション投資では金欠が改善する確率は皆無なので、勤務医・開業医を問わず厳しい状況に置かれている方が多いことでしょう。今回のコロナ禍を契機に、改めて将来の展望をシミュレーションしてみましょう。そして、選択の1つとなるのが、損切りしてでも所有不動産を売却して、もう一度家計をリセットすることです。数千万円単位の投資の後始末なので、おいそれと決断できないかもしれません。過激な意見だと眉をひそめる方も多いことでしょう。しかし、毎月持ち出しが発生していること自体が、おかしなことだと捉える必要があります。月々のキャッシュフローを確認しようこのように、高給取りのイメージが強い医師ですが、実際には金欠が常態化してしまい、苦しい生活を強いられている人も少なくないのが現実です。いずれのパターンにおいても、金欠を即時に解決できる術はありません。しかし、なぜ自分が金欠で苦しんでいるのかを理解することで、時間はかかっても経済的状況を改善する余地が出てきます。高給取りの自負のある医師は、自分が金欠であることを認めたくない方も多いことでしょう。しかし、コロナ禍が奇貨となり、これまでの無駄な支出を白日の下にさらす絶好の機会となるかもしれません。ここまでに挙げた各パターンの原因と解決法の例を参考に、家計とキャッシュフローを考える契機にしてはいかがでしょうか。

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「ヘルベッサー」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第16回

第16回 「ヘルベッサー」の名称の由来は?販売名ヘルベッサー®錠30/60※注射剤、カプセル剤は錠剤のインタビューフォームと異なるため、今回は情報を割愛しています。ご了承ください一般名(和名[命名法])ジルチアゼム塩酸塩(JAN) 効能又は効果狭心症、異型狭心症本態性高血圧症(軽症~中等症)用法及び用量狭心症、異型狭心症通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1回30mgを1日3回経口投与する。効果不十分な場合には、1回60mgを1日3回まで増量することができる。本態性高血圧症(軽症~中等症)通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1回30~60mgを1日3回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない(現段階では定められていない)禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌 (次の患者には投与しないこと)】(1)重篤なうっ血性心不全の患者〔心不全症状を悪化させるおそれがある。〕(2)2度以上の房室ブロック、洞不全症候群(持続性の洞性徐脈[50拍/分未満]、洞停止、 洞房ブロック等)のある患者〔本剤の心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれがある。〕 (3)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者(4)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人※本内容は2020年9月9日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2016年2月改訂(第11版)医薬品インタビューフォーム「ヘルベッサー®錠30/60 」2)田辺三菱製薬:製品情報

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第23回 実は病院経営に詳しい菅氏。総理大臣になったらグイグイ推し進めるだろうこと(前編)

「地方を大切にしたい」と菅官房長官こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。菅 義偉官房長官が自民党の総裁選に出馬することを正式に表明しました。記者会見では自らの叩き上げの人生(秋田の農家に生まれ、農業を継ぎたくなくて集団就職で上京、法政大学の夜間を卒業し、サラリーマンに…)について触れた後、「地方を大切にしたいという気持ちが脈々と流れており、活力ある地方をつくっていきたいとの思いを常に抱きながら政策を実行してきた」と語りました。次いで「私自身、国の基本というのは、自助、共助、公助であると思っております。自分でできることはまず自分でやってみる、そして、地域や自治体が助け合う。その上で、政府が責任をもって対応する」とも述べました。「自助、共助、公助」については菅氏の総裁選のキーワードのようで、9月5日に自身のブログで公表した政策の中でも「自助・共助・公助、そして絆」がスローガンに掲げられています。この記者会見を聞きながら、私は約40年前、仙台の大学に入った時の教養部のクラスオリエンテーションのことを思い出しました(東北新幹線開業前です)。右隣に秋田県の大館鳳鳴高校出身のS君が座っていました。彼が私に何か質問してくるのですが、何を言っているのかまったくわかりません。同じ東北弁でも県によって難易度が大きく異なり、秋田や青森は難しい部類に入ります。S君の話が普通に理解できるようになるのに数ヵ月かかりました(ちなみに私もS君たち東北人から「おめの名古屋弁もわがんね」とからかわれていました)。菅氏は秋田県の内陸、雄勝町(現在の湯沢市)出身とのことです。高校を出て上京(もちろん、東北新幹線も山形新幹線もない時代です)して直後は、おそらくコミュニケーションには相当苦労されたのではないでしょうか。上京後、半世紀を経ての、ほぼ訛りを感じさせない日々の会見は、ある意味、田舎から東京に出てきた東北人の意地を感じさせます。440公立・公的病院リストラリストの大元それはさておき、もし菅政権になったら、医療関係者はまずどんな政策を気にしなければならないでしょうか? 安倍政権の路線を踏襲した、「新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る」方針については、「まあそうだろうなあ」と、とくに意外性はありません。では何か。第1に予想できるのは、「地方、都市部含めて、公立・公的病院の再編・統合が今まで以上に強硬かつ急速に進められるのではないか」ということです。なぜならば、菅氏こそが、今、全国各地で進められようとしている公立・公的病院改革の大元とも言える存在だからです。厚労省は昨年9月、急性期病床を持つ公立・公的病院のがん、心疾患などの診療実績を分析。全国と比較してとくに実績が少ないなどの424病院(2020年1月に約440病院に修正)のリストを公表し、全国の病院経営者や自治体の首長に大きな衝撃を与えました。この時、リスト公表とともに、急性期病床の規模縮小やリハビリ病床などへの転換などを含む地域の病院の再編・統合を各地で議論を行うことを要請し、今年9月までに結論を出すよう定めていました。「公立病院改革ガイドライン」を仕切った菅総務大臣このリストラリスト公表に至るきっかけとなったのが、2015年3月に出た「新公立病院改革ガイドライン」(平成27年3月31日 総財準第59号 総務省自治財政局長通知)です。「新」となっているのは、「旧」があるからです。最初の「公立病院改革ガイドライン」(平成19年12月24日 総財経第134号 総務省自治財政局長通知)が出されたのは2007年12月のことでした。2007年の旧ガイドラインは、2007年5月に開かれた経済財政諮問会議で菅総務大臣(第一次安倍内閣で初入閣)が公立病院改革に取り組むことを表明したことをきっかけに策定されました(12月の公表時は増田寛也総務大臣)。背景には医師不足や経営悪化にあえぐ公立病院がありました。なぜ、総務大臣が?と思われる方がいるかもしれませんが、公立病院は地方公共団体が経営する病院事業という位置づけであり、その管轄は厚生労働省ではなく、総務省の自治財政局準公営企業室だからです。「民間にできることは民間に」2007年の「旧ガイドライン」の大きなポイントは、公立病院の役割を「地域において提供されることが必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な医療を提供することにある」と定義、「民間にできることは民間に任せろ」としたことです。そのうえで「経営効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態見直し」の3つの柱を提示、病院を開設する地方公共団体に対して改革プランの策定を要請しました。この時は、「アメとムチ」とも言える政策も取られました。とくに、経営主体の統合や病床削減をするケースには、手厚い交付税措置が行われることになったため、苦境に陥っていた公立病院は、病院統合や病床削減を選択していきました。続く2015年の「新ガイドライン」では「旧ガイドライン」によっても進まなかった公立病院改革を、前述の3つの柱を維持しつつ、厚生労働省が主導する「地域医療構想」と連携させながら進めていくために策定されました。菅氏(この時は官房長官)がよく強調する「省庁の垣根を超えた政策」ということもできます。この「新ガイドライン」では、地方公共団体に新たに新公立病院改革プランの策定を求めるとともに、病院の再編・統合に当たっての都道府県の役割・責任の強化も行われています。なお、公立病院の改革プランと地域医療構想調整会議の合意事項との間に齟齬が生じた場合は改革プランの方を修正すること、となっており、地域医療構想の実現が最優先課題とされています。地域医療構想調整会議が各地で進んでいく中、「公立病院だけでなく公的病院も対象に加えろ」という議論の流れとなり、2018年6月には「経済財政運営と改革の基本方針2018」において「公立・公的病院については、地域の民間病院では担うことのできない高度急性期・急性期医療や不採算部門、過疎地等の医療等に重点化するよう医療機能を見直し、これを達成するために再編・統合の議論を進める」と明記されました。そして、1年3ヵ月後の2019年9月に424病院のリスト公表に至ったわけです。ちなみに公的病院とは、日赤・済生会・厚生連が開設する病院や、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人地域医療機能推進機構などの公的法人が開設する病院などのことです。再編・統合についての報告期限は延期にところで、厚生労働省は8月31日、「具体的対応方針の再検証等の期限について」と題する医政局長通知(医政発0831第3号)を各都道府県知事に発出、今年9月末までに結論を出すよう定めていた全国約440の公立・公的病院を対象とする再編・統合について、都道府県から国への報告期限を今年10月以降に延期することを通知しました。新型コロナウイルス感染症の影響で議論が進んでいないことや、7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」に「感染症への対応の視点も含めて、質が高く効率的で持続可能な医療提供体制の整備を進めるため、可能な限り早期に工程の具体化を図る」と、今後の再編・統合を考えるうえで「感染症への対応」を盛り込むことが明記されたことなどが理由と見られます。徹底的に効率化してなんとか生きながらえさせるこうした延期で、ひとまずほっとした病院や自治体も多いと思いますが、新しい総理大臣からどのような指示が飛ぶかが注目されます。菅氏は9月2日、異次元金融緩和に関して聞かれた際に「地方の銀行は将来的に多すぎる。再編も1つの選択肢になる」と語り、9月5日の日本経済新聞のインタビューに対しては、中小企業について「足腰を強くしないと立ちゆかなくなってしまう。中小の再編を必要であればできるような形にしたい」とこちらも統合・再編を促進する考えを述べています。これらは、公立・公的病院改革と全く同じロジックだと言えます。こう見てくると、菅氏が出馬会見で語った「地方を大切にしたいという気持ち」とは、「地方を今までのままで大切にしていく」ことではなく、地方のあらゆるリソースを「徹底的に効率化してなんとか生きながらえさせる」ことだということがわかります。病院経営者や自治体の首長も、そのことはしっかりと頭に入れておいた方がよさそうです。新政権が第2に進めるであろうことですが、今回は長くなり過ぎましたので、来週にもう少し考えてみたいと思います(この項続く)。

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第28回 おいしいお米が地域一体型NSTの落とし穴【噂の狭研ラヂオ】

動画解説ほし薬局の星利佳先生が実現させたいのは地域一体型NST(栄養サポートチーム)。患者さんが退院して自宅に戻ると、どうしても栄養不足になってしまう。星先生曰く、山形のお米が美味しいのでついついどんぶり飯でお腹を満たしてしまいがちなのだとか。せめて卵と納豆を食べさせよう!他職種チームのチャレンジについてお聞きします。

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FDA、がん種横断的遺伝子検査にリキッドバイオプシー承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年8月7日、Guardant HealthのGuardant360 CDxを、同年8月26日、Foundation MedicineのFoundationOne Liquid CDxを、固形がん患者に対する包括的ゲノムプロファイリング(CGP)用のリキッドバイオプシー検査として承認した。 Guardant360 CDxは、EGFR変異非小細胞肺がん患者におけるオシメルチニブのコンパニオン診断としても承認されていた。FoundationOne Liquid CDxについては、今回、プロファイリング検査に加え、BRCA1/2変異陽性去勢抵抗性前立腺がん患者におけるrucaparibを含む4種のPARP阻害薬、EGFR変異陽性の非小細胞肺がん1次治療における3つのEGFR-TKIのコンパニオン診断薬としても承認された。

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慢性期統合失調症患者における喫煙と認知機能障害との関係

 これまでの研究において、統合失調症患者は喫煙率が高く、認知機能が低下していることが知られている。しかし、喫煙と認知機能障害との関係については、一貫した結論に至っていない。中国・中国科学院大学のShuochi Wei氏らは、中国人男性の統合失調症患者の認知機能に対する喫煙の影響を調査するため、MATRICS認知機能評価バッテリー(MCCB)を用いて検討を行った。Psychopharmacology誌オンライン版2020年8月5日号の報告。 対象は、慢性期統合失調症患者164例、健康対照者82例。喫煙状況に関する面談を、すべての対象者に実施した。認知機能は、MCCBとストループテストにより評価した。患者の臨床症状の評価には、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、対照群と比較し、全項目のMCCBスコアが低かった(すべてp<0.05)。・統合失調症患者において、喫煙患者は非喫煙患者と比較し、以下のスコアが低かった(すべてp<0.05、エフェクトサイズ:0.28~0.45)。 ●空間スパンテスト:42.3±11.6 ●デジタルシークエンステスト:42.9±10.6 ●ホプキンス言語学習テスト:42.2±10.1・ロジスティック回帰分析では、統合失調症患者の喫煙状況と、デジタルシークエンステストのスコアとの相関が示唆された(p<0.05、OR=1.072、95%CI:1.013~1.134)。・多変量回帰分析では、統合失調症患者の喫煙期間と、空間スパンテストの合計スコアとの関連が示唆された(β=-0.26、t=-2.74、p<0.001)。 著者らは「喫煙している慢性期統合失調症患者は、とくにワーキングメモリや実行機能などの認知機能に重大な問題を抱えていることが示唆された」としている。

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COVID-19に対するスタチンの影響~メタ解析

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床経過に対するスタチンの影響については、相反する報告・見解が示されている。炎症反応の進行や肺損傷に対し保護的な役割を果たすというものと、逆に重症化やサイトカインストームに寄与しうるというものである。マレーシア・International Medical UniversityのChia Siang Kow氏らは、COVID-19の臨床転帰に対するスタチンの影響に関する4報の後ろ向き研究結果を用いてメタ解析を行った。American Journal of Cardiology誌オンライン版2020年8月12日号のCORRESPONDENCEへの報告より。スタチン使用者で新型コロナによる死亡または重症化のリスクが大幅に減少 2020年7月27日までに、スタチン使用者と非使用者との間でCOVID-19の重症度および/または死亡のリスクを評価した研究について、PubMed、Google Scholar、およびmedRxivデータベースを検索・抽出した。観察研究の質は、Newcastle-Ottawa Scale13を用いて評価された。 新型コロナに対するスタチンの影響を解析した主な結果は以下のとおり。・計8,990例のCOVID-19患者を対象とした4つの研究(中国2報、米国、イタリア)が抽出された。・プール解析の結果、スタチン非使用者と比較して、スタチン使用者では死亡または重症化のリスクが大幅に減少した(プール解析でのハザード比:0.70、95%信頼区間:0.53~0.94)。 著者らは、本解析において、COVID-19患者におけるスタチン使用による有害性は示唆されなかったとし、中強度から高強度のスタチン療法が新型コロナに効果的である可能性が示されたとしている。そのうえで、無作為化比較試験による評価が必要としている。

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欠損データはシステマティックレビューへの影響大/BMJ

 システマティックレビューに包含する無作為化試験に、欠損データ(missing data)が含まれていると、結果に偏りが出る可能性があるといわれるが、レバノン・ベイルート・アメリカン大学医療センターのLara A. Kahale氏らによる検討で、欠損データはシステマティックレビューの結果に潜在的な影響を与えることが明らかにされた。システマティックレビューでバイアスリスクを評価する場合と、臨床試験結果へ欠損データを反映する場合にその影響が認められるという。結果を踏まえて著者は、「システマティックレビューの著者は、効果推定値への欠損アウトカムデータの潜在的影響を示しておかなくてはならない。また、その影響について、バイアスリスクのGRADE(grading of recommendations assessment, development, and evaluation)を用いて検証し、結果の解釈を示す必要がある」とまとめている。BMJ誌2020年8月26日号掲載の報告。8つの仮定を適用し、それぞれの効果推定値への影響を検証 研究グループは欠損値補完研究(Imputation study)にて、システマティックレビューにおける欠損アウトカムデータとバイアスリスクの関連を調べた。患者にとって重要な二項対立の有効性アウトカムをグループレベルでメタ解析し、統計学的に有意な効果があることを報告していた100件のシステマティックレビューを対象に検証した。 主要評価項目は、(1)4つの一般的に議論されたが妥当ではない仮定(最良のケースシナリオ、イベントなし、すべてイベントあり、最悪のケースシナリオ)、(2)IMOR(informative missingness odds ratio)法(IMOR 1.5[最もずさん]、IMOR 2、IMOR 3、IMOR 5[最も厳密])に基づく欠損データの4つのもっともらしい仮定を、それぞれ適用した場合の相対的効果推定値における変化の割合の中央値であった。また、各手法によって、無効果(null effect)の閾値が変わったメタ解析の割合、効果の方向性が質的に変わったメタ解析の割合も評価した。欠損データを処理する8つの方法に基づく感度解析も行った。もっともらしい仮定の適用でもメタ解析の22%で無効果の閾値が変動 100件のシステマティックレビューには653件の無作為化試験が含まれていた。 (1)を適用した場合、相対的効果推定値の変化の中央値は0%~30.4%にわたった。無効果の閾値が変わったメタ解析の割合は、1%(最良のケースシナリオ)~60%(最悪のケースシナリオ)にわたり、26%が最悪のケースシナリオで効果の方向性が変わった。 (2)を適用した場合、相対的効果推定値の変化の中央値は1.4%~7.0%にわたった。無効果の閾値が変わったメタ解析の割合は、6%(IMOR 1.5)~22%(IMOR 5)にわたり、2%が最も厳密な仮定(IMOR 5)で効果の方向性が変わった。

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第22回 めまい part2:頭部CT撮ればいいんでしょ? 【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)CT、MRI陰性でも中枢性めまいは否定できない!2)年齢などのリスクの有無よりも、Hi-Phy-Viを意識し、鑑別を!3)歩くことができなければ要注意!【症例】68歳女性。来院当日の起床時からめまいを自覚した。しばらく横になり、その後トイレにいこうと歩き始めたところ、再度症状が出現し、嘔気・嘔吐も伴い救急車を要請した。病院到着時、嘔気の訴えはあるがめまい症状は消失していた。しかし、病院のストレッチャーへ移動すると再びめまいが。。。●受診時のバイタルサイン意識清明血圧158/85mmHg脈拍95回/分(整)呼吸18回/分SpO298%(RA)体温36.1℃瞳孔開眼困難で評価できず既往歴高血圧、脂質異常症、虫垂炎危険なめまいを見逃す5つの理由めまい診療が苦手な方は多いですよね。前回第21回お話しした通り、最も頻度の高い良性発作性頭位めまい症(BPPV)について自信を持って診断できるようになると、だいぶマネジメントし易くなりますから、特徴は頭に入れておいてください。今回は、誰もが陥りやすい点から、めまいの具体的なアプローチを整理しておきましょう。めまい診療を難しく、そしてエラーしがちになる5つの理由を表にまとめました1)。表 誤診の5つの理由 -判断を誤るのには理由がある-画像を拡大する(1)症状の質を過度に依存してしまうこれは前回お話ししましたね。回転性、浮動性という患者さんの訴えは当てになりません。また、つらい患者さんに対して、「グルグル回るようなめまいですか? それともフワフワする感じですか?」と問診しても正確な答えはそもそも返ってきません。参考にはなりますが、絶対的なものではないことを改めて理解しておきましょう。(2)時間や誘発因子の未活用BPPVの最大の特徴はなんでしたか? 持続時間でしたね。安静の状態で1分以内におさまるめまい、それがBPPVの最大の特徴です。1回1回のめまいの持続時間を確認するのでしたね。誘発因子では、寝返りで症状が引き起こされる場合には「BPPV」、起き上がると症状を認めるのが「起立性低血圧」です。姿勢によらずめまいが持続している場合には、急性前庭症候群(Acute vestivular syndrome:AVS)を考え、前庭神経炎や脳梗塞を考えます。それ以外にも考えることがありますが、まずはこの大枠を頭に入れておくことをお勧めします。(3)身体診察に精通していない急性前庭症候群を前庭神経炎か脳梗塞かを見極めるためには、CT、MRIも重要ですが後述の(5)の理由から絶対的な指標とはなり得ません。重要なこと、それが身体診察ということになります。主に、“head impulse”、“nystagmus”、“test of skew”の3項目を評価し見極めます。詳細はここでは述べませんが、眼振はまずは典型的な眼振を頭に入れてしまいましょう。ただ、例外はいくらでもありますので、後半規管型/水平半規管型BPPV、前庭神経炎の際の眼振を繰り返し動画サイトなどで確認し、目に焼き付けてください。実際の臨床現場では可能な限りフレンツェル眼鏡を使用しましょう。(4)年齢や血管危険因子などのリスクを過大評価救急外来で研修医と診療にあたっていると、よく聞く台詞が「高齢者なので中枢性が否定できないと思うのでCTを撮影します」というのがあります。しかし、頻度の高いBPPVは、高齢者であってもめまいの原因として多いのです。年齢のみを理由に頭部CTをオーダーしてはいけませんよ。(5)CT・MRIへの依存、評価の見誤り小脳出血など出血性病変であれば、頭部CTで白黒つけることはほぼできますが、脳梗塞、特に急性期脳梗塞はCTでは判断できず、MRIを撮影しても必ずしも異常を指摘できません。発症1〜2日以内の後方循環系の脳梗塞のMRIでは10~20%見逃してしまうのです2-4)。実践的アプローチ5)これらを意識して、実際のアプローチは図の通りとなります。前回のアプローチで鑑別すべき疾患を頭に入れながらこのアプローチをみると、より実践的な対応ができると思います。そもそも安静時にめまいが持続している場合には、頻度の高いBPPVの可能性がぐっと下がり、逆に持続時間からBPPVらしければ、年齢や基礎疾患に依らず積極的にBPPVを疑い対応するのです。片頭痛性めまいなど診断に苦渋する場合もありますが、対応が変わるわけではありませんので、目の前の患者さんに対して何をするべきかは判断できるようになるでしょう。図 急性めまい患者へのアプローチ画像を拡大する歩けなかったら要注意最後に、末梢性めまいと判断し帰宅可能とする場合には、普段と同様のADLであることを確認する必要があります。普段歩行可能な方であれば、実際に歩けるか否かを必ず確認しましょう。ストレッチャー上でめまいが消失したからといって安心してはいけません。  体幹失調の有無をきちんと評価し、問題ないことを確認しなければ、小脳梗塞を見逃します。1)Kerber KA,et al. Neurol Clin. 2015;33:565-575.2)Choi JH, et al. Neurol Clin Pract. 2014;4:410-418.3)Kattah JC, et al. Stroke. 2009;40:3504-3510.4)Saber Tehrani AS, et al. Neurology. 2014;83:169-173.5)Jonathan A, et al. J Emerg Med. 2018;54:469-483.

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オンライン服薬指導の実態 初診で麻薬のNG処方も【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第53回

2月末に発出された事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」により、いわゆるオンライン服薬指導が可能になってから半年が経過しました。4月には特例措置で初診でのオンライン診療が可能になるなど目まぐるしい変化がある日々でしたが、先日、4~6月のオンライン診療および服薬指導に関する運用実績が報告されました。厚生労働省は8月6日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえたオンライン診療・服薬指導に関する特例措置について、現在の運用実績を「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」に報告した。5~6月のオンライン服薬指導の件数は6万8,849件で、全体の0.51%となり、最大処方日数は22~30日が3万580件で最多となった。診療では、初診から麻薬、向精神薬を処方したケースが見られたものの、現在の感染状況を考慮し、特例措置を継続することを決めた。(2020年8月17日付 薬事日報)報告を見てみますと、オンライン診療の受診者の年齢は0~10歳が全体の約30%と最も多く、50歳以下が大多数を占めています。一方、61~70歳が約4%、71~80歳が約3%という結果でした。慢性疾患の症状が安定していて、感染リスクが高い高齢者ほど利用してほしいシステムですが、「オンライン」というものはやはり高齢者にはハードルが高いものなのだと実感しました。さらに、電話・情報通信機器による服薬指導の実施割合については、全処方箋枚数のうち、5月は0.61%、6月は0.37%で、その98%が過去にもその薬局を利用している患者さんでした。悩みのタネであった薬剤の配送方法については、配送業者を利用したケースが90%近くを占めていました。薬局の立地にもよりますが、薬剤師や薬局スタッフによる手渡しのリスクや手間を考えると、思い切って配送業者を利用するほうが感染リスクも抑えられて合理的だという判断なのでしょう。特例措置は当面継続特例措置では、初診において「麻薬および向精神薬の処方をしてはならない」と明記されていますが、麻薬および向精神薬が処方されている事例が18件報告されています。安全管理が必要な抗がん薬、免疫抑制薬などのいわゆる「ハイリスク薬」の処方については、診療録などにより当該患者の基礎疾患の情報を把握することが条件となっていましたが、これらの情報の把握ができないにもかかわらず処方されていたケースも確認されています。4月10日付事務連絡において、「原則として3か月ごとに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況や、本事務連絡による医療機関および薬局における対応の実用性と実効性確保の観点、医療安全等の観点から改善のために検証を行うこととする」とあり、上記のような特例措置の要件を順守しない処方については指導を行うよう都道府県に依頼したとあります。オンライン診療・服薬指導の特例措置は当面このまま継続されるようですが、3ヵ月後の11月ごろにまた継続するかどうかの判断が行われるはずですので、医療機関への受診を敬遠する患者さんであっても安心・安全に治療できるように体制を整えたいものです。

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第24回 COVID-19下水検査の本領発揮?/紫色光の制限で代謝活性が上がる可能性

COVID-19下水検査の本領発揮?糞便と共に排出された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のRNAを下水から検出することを米国・アリゾナ大学は感染の早期発見の取り組みの一つとしており、先月8月末の同大学の発表によるとその試みは確かに有効なようです1,2)。先月、学生が入居してから数日後の同大学の寮の下水にSARS-CoV-2ウイルスRNAが含まれており、その寮の世話人と入居学生311人がすぐに検査されました。入居学生は入居前の検査で全員が感染していないことを確認済みでしたが、再検査の結果2人がウイルスを有しており、すぐに隔離されました。下水検査がなければ感染が検出される前にだいぶ広まっていたに違いなく、「もしその2人が発症するまで寮で過ごしていたらどれほどの人に感染が広まっていたか」と同大学再開の取り組みを指揮しているRichard Carmona医師は言っています。脳も光を感じる?~紫色光の制限で代謝活性が上がる可能性私達がものを見ることができるのは光を検出する網膜タンパク質・オプシンのおかげです。光を浴びてオプシンは神経細胞膜のイオンの往来を変え、最終的に視神経を活性化します3)。光を受け止めるのは網膜だけではありません。光が生み出す明暗周期は人の行動や生理を決定付けており、睡眠-覚醒周期を形作り、体温やエネルギー代謝の24時間変動を生み出します。去年10月に米国・オハイオ州シンシナティ小児病院(Cincinnati Children's Hospital)の研究者Richard Lang氏等が率いるチームはいくつかあるオプシンタンパク質の1つ・オプシン5(OPN5)が見ることとは程遠い組織・皮膚に存在し、マウス皮膚の周期的活動を明暗周期に同調させる働きを担うことを明らかにしました4,5)。眼以外のオプシンタンパク質が哺乳類の24時間周期を直接制御していることを示したのはその研究が初めてです。Lang氏等のチームによるOPN5の研究はさらに進展し、先週水曜日9月2日にNature誌に掲載された新たな研究の結果、マウス脳の視床下部視索前野(POA)という領域で発現するOPN5が紫色の光に応じて活性化して褐色脂肪組織(BAT)による発熱を減らす働きがあると判明しました6,7)。OPN5発現細胞があるPOAは脳の奥深くに存在しますが、紫色光は頭蓋を貫通してPOAまで到達することができます。脳からBATへと通じる交感神経系が分泌した神経伝達物質・ノルアドレナリンを受容してBATは熱を生み出し、紫色光でOPN5が活性化した神経はそのBAT活性化神経路を阻害するように働いて熱生成を減らします。ゆえにOPN5の遺伝子を欠くマウスはBATが活発で体温が高く、エネルギーをより消費し、体脂肪やコレステロールが少なく、寒さに強いという特徴を示しました。紫色光は頭蓋を貫通してOPN5発現POA神経まで届く事が確認されていますが、OPN5発現神経を直接活性化するかどうかはまだ分かっていません。また、マウスと同様にサルの視床下部にOPN5が存在することは分かっていますが、自然光がその領域まで達するのかどうかは分かっていません。今後の研究でそれが判明すれば人に役立つ応用技術の開発が大きく前進しそうです。これまでの研究によると、食べるのを明るい時間帯(日中)に限る日中限定食で糖尿病前駆患者のインスリンの効き具合い(感受性)が改善することが明らかになっています3)。インスリン感受性が改善すれば完全な糖尿病に至り難くなります。今回マウスで見つかった仕組みが人にも備わるなら、紫色光を制限してBATを活性化することで日中限定食の代謝改善を増強できるかもしれません。日中限定食と同様に、BATを活性化するβアゴニストは人のインスリン感受性を高め、血糖値を下げ、代謝を底上げします。βアゴニストの効果が紫色光を排除すると向上することが今回の研究で確認されており、紫色光の制限でβアゴニストの代謝改善効果の向上も期待できそうです。生き物は紫色光以外の光も代謝調節に利用しています。Lang氏等のチームが今年1月に発表したマウス研究によると糖や脂肪酸を燃やすBATとは対照的にエネルギーを貯蔵する白色脂肪細胞ではオプシン3(OPN3)が発現しており、OPN3は紫色光ではなく青色光に反応して脂肪分解を促し、白色脂肪細胞から血中へ脂肪酸を放出させます8,9)。そしてOPN3はなんとBATでも発現しており、BATのOPN3は青色光ではなく赤色光に反応して糖の取り込みを増やし、POAのOPN5とは逆にBATでの熱生成を促します10)。普段の生活で何気なく浴びている色とりどりの光は脳や脂肪組織などに作用し、糖などのエネルギーの蓄えを調節する熱生成を加減する働きを担うようです。参考1)The University of Arizona says it caught a dorm’s covid-19 outbreak before it started. Its secret weapon: Poop / The Washington Post2)Poop tests stop COVID-19 outbreak at University of Arizona / Science3)Light-activated neurons deep in the brain control body heat / Nature4)Skin Keeps Time Independent of the Brain5)Buhr ED,et al. Curr Biol. 2019 Oct 21;29:3478-3487.6)Cincinnati Children's: This is Your Brain…on Sunlight / PRNewswire7)Zhang KX, et al. Nature. 2020 Sep 2. [Epub ahead of print]8)Nayak G,et al. Cell Rep. 2020 Jan 21;30:672-686.9)Fat Cells Can Sense Sunlight. Not Getting Enough Can Disrupt Metabolism10)Sato M, et al. PLoS Biol. 2020 Feb 10;18:e3000630.

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卵巣がん・卵管・腹膜治療ガイドライン 2020年版発刊

 日本婦人科腫瘍学会は、「卵巣がん・卵管・腹膜治療ガイドライン 2020年版」を8月31日に発刊した。5年ぶりの改訂となる2020年版には、妊孕性温存や漿液性卵管上皮内(STIC:Serous tubal intraepithelial carcinoma)、分子標的薬、PARP阻害薬などに関する新たな情報も追加され、手術療法、薬物療法のクリニカルクエスチョン(CQ)が大幅に更新された。そのほか、推奨の強さの表記は「推奨する」「提案する」に一新され、臨床現場ですぐに役立つ治療フローチャートや全45項のCQが収載されている。 三上 幹氏(日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会委員長)は本書の序文において、「日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会が2002年に設置され、初版の『卵巣がん治療ガイドライン2004年版』が発刊されて以降、子宮頸治療、外陰がん・膣がん治療など、さまざまなガイドラインが臨床の現場で活用されている。今回、『卵巣がん2015年版(第4版)』を5年の歳月を経て、名前を変更し『卵巣がん・卵管・腹膜治療ガイドライン2020年版(第5版)』の発刊に至った。最初のガイドライン発刊より16年が経過しており、とても感慨深く感じる」とコメント。 さらに、「今回の改訂では、“Minds 診療ガイドライン作成マニュアル2017”にできる限り準拠して行うことを目標にした。そのポイントは、(1)作成委員として医師以外に看護師、薬剤師、患者、一般の方(女性・男性)が参加、(2)CQにPICO形式*を導入したこと、(3)推奨グレード・エビデンスの表現法を変更したこと、(4)エビデンス総体の考え方を導入したこと、(5)参考文献は研究デザインで分類したこと、(6)一部のCQについてSystematic Reviewを施行したこと、(7)各CQ・推奨について投票を行い、合意率を推奨の後に記載したこと」と述べている。*:P(patient・対象となる患者集団)、 I(Intervention・治療や検査などの介入 )、C(Comparison・比較となる介入)、 O(Outcome・介入による影響) 主な記載内容は以下のとおり。フローチャート1:卵巣・卵管・腹膜の治療フローチャート2:再発卵巣・卵管・腹膜の治療フローチャート3:上皮性境界悪性卵巣腫瘍の治療フローチャート4:悪性卵巣胚細胞腫瘍の治療フローチャート5:性索間質性腫瘍の治療本ガイドラインにおける基本事項I 進行期分類・第1章 ガイドライン総説・第2章 卵巣・卵管・腹膜・第3章 再発卵巣・卵管・腹膜・第4章 上皮性境界悪性腫瘍・第5章 胚細胞腫瘍・第6章 性索間質性腫瘍・第7章 資料集II 略語一覧III 日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会業績IV 既刊の序文・委員一覧

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レビー小体型認知症とパーキンソン病認知症を鑑別する臨床病理学的特徴

 レビー小体型認知症(DLB)とパーキンソン病認知症(PDD)は、臨床的および神経病理学的な特徴が重複している疾患であり、神経病理にはともに、DLBとアルツハイマー型認知症(AD)の病理学的特徴が含まれている。また、脳アミロイド血管症(CAA)はADでよくみられる所見であり、認知症との関連が知られている。英国・UCL Queen Square Institute of NeurologyのD. Hansen氏らは、DLBとPDDの臨床的および神経病理学的な違いについて調査を行った。Neuropathology and Applied Neurobiology誌オンライン版2020年7月27日号の報告。 Queen Square Brain Bank for Neurological disordersより得たPDD 50例、DLB 16例を分析した。運動および認知機能の包括的な臨床データは、医療記録より抽出した。神経病理学的評価には、CAA、DLB、ADの病理学的検査を含めた。 主な結果は以下のとおり。・CAAは、PDDよりもDLBで認められた(p=0.003)。・DLB は、PDDよりもCAAの重症度が高く(p=0.009)、頭頂葉(p=0.043)および後頭葉(p=0.008)のCAAスコアが有意に高かった。・最も高いCAAスコアは、APOEε4/4およびε2/4で観察された。・生存分布では、DLBはPDDよりも各臨床段階への進行が早く、予後が不良であった。・DLBにおけるジスキネジアの欠如は、レボドパの生涯累積用量がPDDと比較して有意に少ないことと関連していた。 著者らは「DLBとPDDは、顕著なCAA病理および各臨床段階への急速な進行により鑑別できる可能性があることが示唆された」としている。

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selpercatinib、RET融合遺伝子陽性NSCLCに有望/NEJM

 RET融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療では、selpercatinibは、プラチナ製剤ベースの化学療法歴のある患者と未治療の患者の双方において、頭蓋内の効果を含む持続的な有効性をもたらし、主な毒性作用は軽度であることが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAlexander Drilon氏らが実施した「LIBRETTO-001試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年8月27日号に掲載された。RET融合遺伝子は、NSCLCの1~2%にみられるがんドライバー遺伝子で、RET融合遺伝子陽性NSCLC患者は脳転移のリスクが高いとされる。selpercatinibは、新規のATP競合的で高選択性の低分子RETキナーゼ阻害薬であり、中枢神経系にも到達するよう設計されており、前臨床モデルでは脳内での抗腫瘍活性が確認されている。selpercatinibの安全性と有効性を評価する第I/II相試験 本研究は、RET融合遺伝子陽性NSCLCの治療におけるselpercatinibの安全性と有効性を評価する第I/II相試験であり、日本を含む12ヵ国65施設が参加した(Loxo Oncologyなどの助成による)。 対象は、年齢12歳以上(規制当局や施設内倫理委員会の許諾が得られない場合は18歳以上)のRET融合遺伝子陽性進行NSCLCで、プラチナ製剤ベースの化学療法歴のある患者、または未治療の患者であった。 第I相用量漸増試験では、20mg(1日1回)~240mg(1日2回)の範囲でselpercatinibが経口投与(カプセルまたは液剤)された。第II相試験では、推奨用量(160mg、1日2回)のselpercatinibが投与された。治療は、28日を1サイクルとし、病勢進行、死亡、許容できない毒性作用、同意の撤回のいずれかが起きるまで継続された。 主要評価項目は、独立判定委員会の判定による客観的奏効(完全奏効[CR]または部分奏効[PR])とした。副次評価項目には、奏効期間、無増悪生存、安全性などが含まれた。selpercatinibの奏効割合は既治療例64%、未治療例85% 2017年5月~2018年12月の期間に、プラチナ製剤ベースの化学療法歴のあるRET融合遺伝子陽性進行NSCLC患者105例(年齢中央値61歳、女性59%、前治療レジメン数中央値3[範囲1~15]、脳転移あり38例[36%])が登録された。また、2017年12月~2019年6月の期間に、未治療のRET融合遺伝子陽性進行NSCLC患者39例(年齢中央値61歳、女性56%、脳転移あり7例[18%])が登録された。 プラチナ製剤ベースレジメンによる既治療例のselpercatinibの奏効割合は64%(95%信頼区間[CI]:54~73)であり、このうちCRが2%、PRは62%であった。奏効期間中央値は17.5ヵ月(12.0~評価不能)であり、フォローアップ期間中央値12.1ヵ月の時点で、奏効例の63%で奏効が持続していた。また、フォローアップ期間中央値13.9ヵ月の時点で、無増悪生存期間中央値は16.5ヵ月(13.7~評価不能)であり、1年無増悪生存率は66%(55~74)だった。 また、既治療例のベースライン時に脳転移を認めた38例のうち、11例が測定可能病変を有しており、このうち91%(10/11例)が客観的頭蓋内奏効(CR:3例[27%]、PR:7例[64%])を達成し、中枢神経系の奏効期間中央値は10.1ヵ月だった。 一方、未治療の39例では、selpercatinibの奏効割合は85%(95%CI:70~94)であり、CRはなく、PRが85%であった。6ヵ月の時点で、奏効例の90%で奏効が持続していた。また、奏効期間中央値(フォローアップ期間中央値7.4ヵ月)および無増悪生存期間中央値(同9.2ヵ月)には未到達で、1年無増悪生存率は75%だった。 全体で最も頻度の高いGrade3/4の有害事象は、高血圧症(14%)、ALT値上昇(12%)、AST値上昇(10%)、低ナトリウム血症(6%)、リンパ球減少症(6%)であった。Grade5の有害事象が6件(4%)(敗血症が2例、心停止、多臓器不全症候群、肺炎、呼吸器不全が1例ずつ)認められた。これらのイベントは、担当医によりselpercatinibとは関連がないと判定された。 selpercatinibの投与を受けた531例のうち、薬剤関連有害事象により160例(30%)が減量し、12例(2%)が投与を中止した。 著者は、「selpercatinibは、RET融合遺伝子陽性NSCLC患者に迅速で持続的な抗腫瘍効果をもたらし、以前にマルチキナーゼ阻害薬で達成されたアウトカムよりも優れたことから、RET融合遺伝子は肺がんにおいて実質的かつ臨床的に使用可能なドライバー遺伝子として確立された」と指摘している。

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COVID-19診療の手引きの第3版を公開/厚生労働省

 9月4日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第3版」を公開した。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は3月17日に、第2版は5月18日に、随時最新の内容に更新されている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き第3版の改訂箇所 今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第3版の改訂では、日本小児科学会の協力を得て臨床像の更新を図ったほか、薬物療法では、最近有効性が確立したレムデシビルとデキサメタゾンの使用など中等症患者のマネジメントを修正した。 診療の手引き検討委員会では「依然COVID-19はパンデミックの状況にあるとしつつ、患者の発生にはいまだに地域差が大きい」と指摘。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きが「これまでと同様に活用され、患者の予後改善と流行制圧の一助となることに期待する」としている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き目次 第3版1 病原体・疫学 病原体/伝播様式/国内発生状況2 臨床像 臨床像/画像所見/重症化のリスク因子など3 症例定義・診断・届出 症例定義/病原体診断/血清診断/届出4 重症度分類とマネジメント 重症度分類/軽症/中等症/重症5 薬物療法 日本国内で承認されている医薬品/日本国内で入手できる薬剤の適応外使用6 院内感染対策 個人防護具/非常事態におけるN95マスクの例外的取扱い/非常事態におけるサー ジカルマスク、長袖ガウンなどの例外的取扱いなど7 退院基準・解除基準 退院基準/宿泊療養等の解除基準/生活指導

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今冬の発熱患者への対応はどうするか/厚生労働省

 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、9月4日に全国の保健所設置市衛生主管部などにあて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における季節インフルエンザ流行対策に関し「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」の通知を発出した。 COVID-19とインフルエンザは、症状について臨床的に鑑別することが困難であることが指摘され、とくに発熱患者への対策では地域の医療体制の構築が待たれていた。 今回、厚生労働省では「医療提供体制整備」に関し、発熱患者などの相談または診療・検査可能な医療機関として指定される医療機関については都道府県から厚生労働省へ報告を行うとし、「検査体制の整備」に関し、次のインフルエンザ流行を見据えた検査需要、検査体制、検査(分析)能力などを都道府県毎に計画をするとしている。さらに、発熱患者などの診療または検査可能な医療機関として指定される医療機関に対する個人防護具(PPE)の配布支援を実施する必要があることから、都道府県ごとの必要物資数などにつき、都道府県から厚生労働省へ報告を明記している。詳細は、今後連絡する予定。体制整備は都道府県ごとに実施 インフルエンザ流行に備えた体制整備は、都道府県が主体となって推進し、達成することを基本とし、都道府県は、本通知による次のインフルエンザ流行に備えた体制整備を進め、10月中を目処に体制整備を完了すること。体制整備を進めるに当たっては、新型コロナウイルス感染症対策を協議する協議会などを定期的に開催し、関係者と協議することとしている。発熱患者を地域でどのように診るか 体制整備の方向性として、発熱患者の相談・受診について地域のかかりつけ医の役割に期待が示されている。また、従来COVID-19疑いの発熱患者などからのアプローチを担ってきた「帰国者・接触者相談センター」が、都道府県ごとに「受診・相談センター(仮称)」へと変更され、発熱などの症状のある患者から相談があった場合、最寄りの適切な医療機関の案内や必要に応じて受診調整を行うことが記載されている。そして、発熱患者などを診察する体制をさらに整備していくため、電話・オンライン診療によって発熱患者などを診療する体制も検討することとされている。なお、医療機関においては、院内感染防止のため、患者が医療機関と受診時間や受診方法などを事前に調整した上で、受診することが重要とされ、そのため都道府県などや医療機関は、発熱などを伴う患者の受診の際は事前に電話予約の上で受診することを徹底するよう、広く住民に周知することとしている。 医療機関が行う感染対策としては、駐車場で患者が自家用車などに乗ったままの状態やプレハブや簡易テントを設置しての診療や検査の実施が提案されている。また、こうした対応ができない場合は、時間指定での発熱など疑い患者の診察(その場合、地域の診療所などと時間帯を分担することが望ましい)、輪番制による曜日単位などで患者の診察をする医療機関を設定することなどが提案されている。 これらの他にも新しい生活様式下での三密の回避やインフルエンザのワクチン接種の励行も明記されている。

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第22回 希望者は全員無料へ 政府検討の新型コロナワクチン接種体制

<先週の動き>1.希望者は全員無料へ 政府検討の新型コロナワクチン接種体制2.季節性インフルエンザ、疑い例をかかりつけ医で診療できる体制作りへ3.新型コロナウイルス感染拡大による病床稼働率低下の実態4.厚生労働事務次官に旧・厚生省出身の樽見 英樹氏が就任5.新型コロナによる診療報酬上の臨時的対応で、病院の実績要件など緩和1.希望者は全員無料へ 政府検討の新型コロナワクチン接種体制現在、国内外で研究が進められている新型コロナウイルスワクチンだが、内閣府は8日、7,000億円超の予備支出について閣議決定した。ワクチン購入費として充てる見込み。ワクチンの優先接種については、1)新型コロナ患者に直接対応する医療従事者、2)重症化リスクの高い65歳以上の高齢者および基礎疾患がある人を接種順位上位に位置付けている。ゆくゆくは希望者全員に無料で接種できるようにする案を検討。実施主体は市町村で、費用は全額国が負担する方針。また、重篤な副反応による健康被害などが生じた場合、健康被害救済を目的とした新たな立法措置を検討している。(参考)新型コロナウイルス感染症対策分科会(第8回)議事次第(内閣府)コロナワクチン、希望者全員無料に 政府検討(日本経済新聞)2.季節性インフルエンザ、疑い例をかかりつけ医で診療できる体制作りへ厚生労働省は4日、都道府県に対して事務連絡「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」を発出した。季節性インフルエンザは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との鑑別が困難であり、インフルエンザ流行時期に備えた体制整備を行う必要がある。各都道府県に対して、発熱患者などが帰国者・接触者相談センターを介することなく、かかりつけ医などの身近な医療機関に相談・受診し、必要に応じて検査を受けられる体制について、10月中を目途に整備することを求めている。(参考)次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について(厚労省)3.新型コロナウイルス感染拡大による病床稼働率低下の実態厚労省は4日に今年度5月分の病院報告を発表した。報告によると、2020年3月から5月にかけて、病院の1日平均外来患者数並びに1日平均在院患者数が減少し続けていた。一般病床、介護病床をはじめ、感染病床を除くすべての病床で平均在院日数が延長していることが明らかとなった。(参考)病院報告(令和2年5月分概数)結果の概要(厚労省)4.厚生労働事務次官に旧・厚生省出身の樽見 英樹氏が就任厚労省は4日、鈴木 俊彦事務次官の退任と後任人事を発表した。新しく厚生労働事務次官に就任するのは樽見 英樹新型コロナウイルス感染症対策推進室長。今回の次官人事により、4代続けて旧・厚生省出身の官僚が就任することとなった。樽見氏の後任には吉田 学氏が就任する。通常の定期異動時期は7月であり、9月に厚労省の次官人事がずれ込んだのは新型コロナウイルス感染拡大のためで、ようやく発令となったと考えられる。(参考)厚労次官に樽見氏(時事通信)5.新型コロナによる診療報酬上の臨時的対応で、病院の実績要件など緩和厚労省は8月31日付けで、事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その26)」を都道府県などに発出した。今回の新型コロナウイルス感染拡大によって、診療実績などの要件が満たせなくなった場合について、新たな解釈を発表。COVID-19患者などを受け入れた医療機関では、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率および医療区分2または3の患者割合などについて、当該要件を満たさなくなった場合においても、ただちに施設基準の変更届出を行わなくてもよいなど、現場の声を反映したもの。加算要件に必要な研修会についても、実施予定を示すことで、新型コロナの影響により開催されなかったとしても、届出は可能であるとしている。(参考)新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その26)(厚労省)

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