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神経線維腫症1型〔NF1:Neurofibromatosis1〕

1 疾患概要■ 概念・定義神経線維腫1型(NF1)は、1882年にレックリングハウゼン氏により初めて報告されたため、「レックリングハウゼン病」とも呼ばれる。カフェ・オ・レ斑、神経線維腫という特徴的な皮膚病変を生じ、そのほか中枢神経系、骨などさまざまな臓器に多彩な病変を合併する母斑症である。■ 疫学人種に関係なく出生約3,000人に1人の割合で発症する。浸透率は100%で、わが国の患者数は約40,000人と推定されている。常染色体優性の遺伝性疾患であるが、半数以上は家族歴のない孤発例である。出現する症状は時期により異なる。■ 病因原因遺伝子は17番染色体上に位置し(NF1遺伝子)、その蛋白産物はニューロフィブロミンと呼ばれる。ニューロフィブロミンはRAS蛋白の機能を負に制御しており、細胞増殖を抑制する作用を持つ(がん抑制遺伝子)。そのため本遺伝子に異常を来すとRAS/MAPK経路やPI3K/AKT経路の活性化が生じ、病変を生じると推測されている。NF1ではもともと一方のallele(アレル)に変異があるが、さまざまな病変部でもう片方にも異常を来していることが確認されている。■ 症状症状は多彩であり、同一家系内においても合併する症状は異なる。以下に代表的な症状を列挙する。1)カフェ・オ・レ斑出生時からみられるミルクコーヒー色の長円形色素斑で(図1)、6個以上あれば最終的にほとんどの例でNF1と診断される。2)神経線維腫皮膚の神経線維腫は淡紅色の柔らかい腫瘍で(図2)思春期頃から生じ、年齢とともに増加する。時に数百から数千に及ぶことがある。一方、びまん性(蔓状)神経線維腫は生下時から存在する腫瘍で、小児期から急速に増大し、日常生活に支障を与える場合が多い。痛みを生じたり、悪性化(悪性末梢神経鞘腫瘍)する可能性がある。3)雀卵斑様色素斑主に腋窩や鼠径に多発するそばかす様の小褐色斑である。4)中枢神経系の病変視神経膠腫(7%)や脳腫瘍を生じることがある。また、小児では知的障害、限局性学習症、注意欠如多動症、自閉スペクトラム症を合併する頻度が健常人と比較して高い。5)骨病変出生時から頭蓋骨の部分欠損(5%)や四肢骨の変形(3%)がみられる場合がある。また、10歳頃から脊椎の変形を来すことがある(10%程度)。6)NF1モザイク(部分的なNF1)上記の症状が体表の一部に限局してみられる例があり、モザイクと呼ばれる(頻度は全体の10%程度)。体細胞突然変異によるものと考えられている。図1 カフェ・オ・レ斑の皮膚所見画像を拡大する図2 神経線維腫の皮膚所見画像を拡大する■ 分類わが国では皮膚病変(D)、神経症状(N)、骨病変(B)の程度に応じて、重症度が5段階に分類されており、重症度が3以上であれば公的補助の対象となる。海外ではRiccardiによる重症度分類(4段階)が用いられている。■ 予後NF1では悪性腫瘍を合併する割合が健常人と比較して約3倍高く、平均寿命は10~15年短いとの報告がある。特に合併頻度の高い腫瘍は悪性末梢神経鞘腫瘍(100倍以上)であるが、女性では乳がんのリスクも4~5倍高くなると報告されており、注意が必要である。2 診断 (検査・鑑別診断を含む)次世代シーケンサーを用いた変異の検出率は90%以上である。しかしながら、わが国では遺伝子診断は保険適用外であり、検査が可能な施設もほとんどない(2020年11月から外注検査が可能になったが、各施設の専門医による遺伝カウンセリングを受けたのちに必要に応じて遺伝学的検査を行うことが望ましい)。そのため、通常は臨床的診断基準(表1)を用いて診断を行う。7項目中2項目以上当てはまれば、NF1と診断される。しかしながら、NF1の診断基準を満たした患者の1~2%程度はレジウス症候群の可能性がある。レジウス症候群では色素斑の合併はみられるが、腫瘍性病変を生じることはない。皮膚の神経線維腫は、多くの場合、思春期頃から出現するため、家族歴がなければ臨床症状のみで小児期に診断するのは難しい。その他、RAS/MAPK経路に関わる遺伝子の変異により発症するRasopathyと呼ばれる疾患群では、カフェ・オ・レ斑を合併する場合があり、時に鑑別を要する。小児では脳のMRI検査で70%近くにT2強調画像で高信号を呈するunidentified bright objectが認められるが、自然消退するため、治療の必要はない。まれに脳腫瘍の合併がみられるが、スクリーニングのためだけに闇雲に画像検査を繰り返すべきではない。小児では検査に鎮静(全身麻酔)が必要であるため、身体所見で何らかの異常が疑われる場合に検査を行う。3歳頃から眼科的検査で80%以上の例で虹彩小結節がみられるようになるため、診断の一助となる。各々の検査で異常がみられれば各領域の専門医と相談し、治療方針を決定する。表1 神経線維腫症1型の臨床的診断基準(日本皮膚科学会)1)6個以上のカフェ・オ・レ斑2)2個以上の神経線維腫(皮膚の神経線維腫や神経の神経線維腫など)またはびまん性神経線維腫3)腋窩あるいは鼠径部の雀卵斑様色素斑(freckling)4)視神経膠腫(optic glioma)5)2個以上の虹彩小結節(Lisch nodule)6)特徴的な骨病変の存在(脊柱・胸郭の変形, 四肢骨の変形, 頭蓋骨・顔面骨の骨欠損)7)家系内(第1度近親者)に同症上記の7項目中2項目以上で神経線維腫症1型と診断する。(吉田雄一、ほか. 日皮会誌. 2018;128:17-34.より引用・改変)3 治療現時点ではわが国において発症を予防する根治的な治療薬はないため、対症療法が行われている(表2に治療の概略を示す)。カフェ・オ・レ斑や雀卵斑様色素斑は整容的な面で問題となるが、レーザー治療の有用性は明らかではない。皮膚の神経線維腫は数が増えると整容的あるいは社会生活を行う上で支障となるため、希望に応じて外科的切除が行われる。しかしながら、びまん性(蔓状)神経線維腫は根治的な切除が難しい場合が多い。骨病変(骨欠損・骨変形)は必要に応じて外科的治療が行われる。その他、脳腫瘍、小児期の限局性学習症、注意欠如多動症などNF1に合併するさまざまな症状に対して、各領域の専門医により必要に応じて対症療法が行われる。表2 神経線維腫症1型の治療の概略1)皮膚病変色素斑(カフェ・オ・レ斑、雀卵斑様色素斑:希望に応じてレーザー治療、カバーファンデーションの使用など)神経線維腫(1)皮膚の神経線維腫:希望に応じて外科的切除(2)神経の神経線維腫:必要に応じて外科的切除(3)びまん性神経線維腫:可能であれば、増大する前に外科的切除(4)悪性末梢神経鞘腫瘍:広範囲外科的切除、放射線療法、化学療法2)中枢神経系の病変脳腫瘍:脳神経外科専門医へ紹介し、必要に応じて治療を考慮Unidentified bright object(UBO):通常治療は必要としない3)骨病変脊椎変形:変形が著しくなる前に整形外科専門医へ紹介し、必要に応じて治療を考慮四肢骨変形(先天性脛骨偽関節症):整形外科専門医へ紹介し、外科的治療頭蓋骨・顔面骨の骨欠損:脳神経外科専門医へ紹介し、外科的治療を考慮4)眼病変虹彩小結節:通常治療は必要としない視神経膠腫:小児科、眼科、脳神経外科専門医へ紹介し、必要に応じて治療を考慮(吉田雄一、ほか. 日皮会誌. 2018;128:17-34.より引用・改変)4 今後の展望2020年4月に米国で小児のびまん性(蔓状)神経線維腫に対してMEK阻害薬(セルメチニブ)が認可され、現在わが国においても臨床試験が行われている。また、皮膚の神経線維腫に対してAMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)の支援を受け、シロリムスゲル(外用薬)による医師主導治験が進行中である。これらの薬剤の安全性および有効性が確認されれば、将来的にわが国で使用される可能性がある。5 主たる診療科皮膚科、小児科、形成外科、整形外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本レックリングハウゼン病学会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター 神経線維腫症I型(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾病情報センター レックリングハウゼン病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報社会福祉法人復生あせび会(患者とその家族および支援者の会)1)吉田雄一、ほか. 日皮会誌. 2018;128:17-34.公開履歴初回2021年2月1日

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慢性期CMLの無治療寛解をめざす:first line DADI試験【Oncologyインタビュー】第28回

BCR–ABL TKIの出現で慢性期のCML(慢性骨髄性白血病)の治療成績は向上した。しかし、再発予防のため、TKIは生涯服用しなければならないと言われてきた。そのような中、慢性期CML 1次治療における第2世代TKIダサチニブの中止試験が行われ、Lancet Haematology誌で発表された。また、どのような患者がTKを中止できるのか、後ろ向き研究がMolecular Cancer Therapeutics誌で発表された。この2つの研究について佐賀大学の嬉野博志氏に聞いた。CML患者に恩恵もたらすTKI…“やめどき”が今後の研究課題―first line DADI試験を実施した背景について教えていただけますか。イマチニブをはじめとするTKIの出現で、慢性期CMLの治療成績は向上しました。一方、再発防止のためTKIは生涯服用し続けなければいけない、というのが通説でした。しかし、臨床現場では服用をやめざるを得ないケースもあります。そのような中、2010年、Lancet Oncology誌に第1世代TKIイマチニブのSTIM(Stop IMatinib)試験が発表されました。結果は、イマチニブで深い分子遺伝学的寛解(以下、DMR:deep molecular response)を2年間維持している患者では、1年後も38%がDMRを維持し続けたというものでした1)。その後も慢性期CMLにおけるTKIの中止を検討する、いわゆる「STOP試験」が行われるようになりました。2015年には、私ども佐賀大学が中心となり、イマチニブ不応・不耐用患者の2次治療にダサチニブを用いた、世界初の第2世代TKIのSTOP試験であるDADI(DAsatinib DIscontinuation) 試験を行いました。この試験ではダサチニブのDMR維持期間は1年間としました。イマチニブでは2年でしたが、抗腫瘍活性が高いことからダサチニブでは1年短縮したのです。DADI試験の結果、12ヵ月時点で48%、36ヵ月で44%の無治療寛解(以下、TFR:treatment free remission)が示されました2)。DADI試験の良好な結果を受け、ダサチニブを初回治療から用いたらイマチニブ以上に中止人数を増やせるのではないか、という仮説のもと、ダサチニブの1次治療のSTOP試験「first line DADI trial」を実施しました。ダサチニブDMRの維持期間はDADI試験と同様1年間です。first line DADI試験の概要日本の23施設による多施設単群第II相試験対象: ダサチニブの治療(24ヵ月以上)により、DMRを1年間維持している慢性期のCML症例。ECOG PS0〜2主要評価項目:上記患者におけるダサチニブ中止後6ヵ月時の分子学的無再発生存(TFR)主な結果2013年9月20日〜2016年7月12日に、ダサチニブの治療を24ヵ月以上行いDMRとなった 68例が登録され、1年間の強化治療相に割り当てられた。10例が除外され58例が評価対象となった。ダサチニブ投与中止後6ヵ月のTFRを達成した患者は55.2%(58例中32例)であった(追跡期間23.3ヵ月)。ダサチニブの投与期間中央値は40.4ヵ月であった。ダサチニブの主な有害事象は貧血(21%)。Grade3の好中球減少は4%、1%でGrade4のリンパ球減少が発現した。第2世代TKIではさらに早い薬剤離脱が可能か―この結果についてどう評価されますか。まず、薬剤中止までのDMRの維持期間を、第1世代TKIの2年から第2世代TKIダサチニブでは1年に短縮できることが示されました。また、6ヵ月のTFR達成患者の割合は55%でしたが、その後3年程度観察しても脱落した患者はいません。この服用期間で起こらなければ、そのあとの再発の可能性はかなり低いことも示唆されます。ダサチニブの3年強の服用で、薬がやめられる患者が一定数いることが明らかになったということは、以前のCMLの予後を考えると、すばらしい成果だと思います。TKI離脱はどのような患者で達成されるのか―TFRはどのような患者でもたらされるか、更なる研究も行っているそうですね。われわれの以前の研究で、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(以下、KIR:Killer Immunoglobrin-like Receptor)およびHLA多型が慢性期CML患者のDMR達成と関係することが示唆されていました。そこでわれわれは、TKIを中止できた慢性期CML患者におけるTFRとKIRおよびHLAの多型との関係を調べるため、佐賀大学での慢性期CML患者を後ろ向きに解析しました。―結果はどのようなものでしたか。佐賀大学を受診した慢性期CML患者76例が登録されました。76例のうち33例がTKIを中止でき、そのうち1年後にTFRを達成した患者は21例(63.6%)でした。多変量解析の結果、男性(HR:0.157、p=0.003)、HLA-02:01、11:01、24:02(HR:6.386、p=0.006)がTFRと関係していることが明らかになりました。DMR達成症例ではNK細胞の高い活性が示されたものの、TFRの達成とKIRの相関はないため、NK細胞の関連は認められませんでした。一方、日本人に頻度の高いHLA多型が相関することから、TFRの達成にはT細胞免疫の関連が示唆されました。これらの結果から、NK細胞はDMRの達成に関与し、T細胞免疫はTFRの達成に関与することも推測することも可能ですが、今後、より大規模な研究が必要だと思います。発表論文Kimura S, el.al. Treatment-free remission after first-line dasatinib discontinuation in patients with chronic myeloid leukemia (first-line DADI trial): a single-arm, multicenter, phase 2 trial. Lancet Haematol. 2020 Mar 7.[Epub ahead of print]Ureshino H,et al. HLA Polymorphisms Are Associated with Treatment-Free Remission Following Discontinuation of Tyrosine Kinase Inhibitors in Chronic Myeloid Leukemia. Mol Cancer Ther. 2021;20;142-149.出典1)Mahon FX, et al. Lancet Oncol. 2010 Nov 11.2)Imagawa J, et al. Lancet Haematol. 2015 Dec 2.

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ヒトラーの別荘【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第26回

先日ニュースで知ったのですが、1月30日(1933年)はアドルフ・ヒトラーが初めて首相に任命された日だそうです。ご存知の通り、現在のドイツの首相はアンゲラ・メルケル女史です。実はあまり目立たないのですが、ドイツには大統領もおります。さて、ヒトラーは首相になった翌年に大統領も兼任することになります。首相と大統領を合わせて、「総統」という役職を名乗ることになります(多分、大統領と総理大臣を合わせて「総統」って訳したんだと思います。実際にドイツでは“Fuerer”「指導者」と呼ばれていました)。今でもドイツの高齢者達は、「ナチス」や「ヒトラー」といった単語をタブーとして扱っていて、話題がこの辺りに及ぶと突然ヒソヒソ声になります。とは言っても、若い世代はそこまで気にしていません。「レストランで店員を呼ぶときは右手を挙げて呼んじゃダメ。ナチスのあのポーズを連想させるから」と渡独前に教えてもらいましたが、若いドイツ人からは「気にしすぎ」って笑われました。ただ、「ポーランドとかチェコに行ったときは、絶対そのポーズはやっちゃダメだよ!」って真顔で言われましたが。ドイツ観光の穴場「ベルヒテスガーデン」ヒトラーは終戦前に部下から誕生日プレゼントとして、別荘をもらっていて、その別荘は現在観光地になっています。しかし、ヒトラーは高所恐怖症だったため、実際にこの別荘に来たことは数えるほどしかなかったそうです。別荘自体は小さな建物なのですが、そこから広がる景色は絶景なのです。写真の山と山の間に湖が見えているのですが、実はこの湖こそが私のお勧めする「ドイツの隠れスポット」です。日本の観光ブックではほとんどみかけたことがないのですが、この湖はドイツの一番南東に位置する、「ベルヒテスガーデン」と言うところにあります。ミュンヘンから南東へ電車で2時間程度、オーストリアとの国境近くなので、ミュンヘンの学会のときにでも日帰りで行って来られます。また行きたいなぁ…早くコロナが収まると良いですねぇ…。この湖の名前は「ケーニヒス湖」と言います。「王の湖」と言う意味です。湖の北端には、写真のようにボート乗り場があって、そこからさらに南にある小さな湖に向かうことができます。その奥にある小さな湖は「オーバー湖」と言って、ここは知る人ぞ知る、穴場スポットになっています。私が訪れたのは夏場だったのですが、湖畔で涼しく、観光客もそれほど沢山はいなかったために、すごく良い気分の時間を過ごすことができました。今はなかなか観光を楽しめる時期ではないですが、いつかまた遊びに行きたいものです。

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事例019 他医撮影のコンピュータ断層診断の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説本事例では再診料と一緒に算定した「E023 他医撮影のコンピュータ断層診断(以下「同診断」)」が、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)として査定となりました。同診断の留意事項 (3) には、A000 初診料(「注5」の但し書きに規定される2つ目の診療科にかかる初診料を含む)を算定する日に限り算定できるとされています。よって再診料算定日の同診断は算定要件に合致しないことがわかります。同様の査定が数ヵ月にわたって複数回発生していたため、傾向を探りました。その結果、継続受診者の2つ目の診療科が診療科初診となる事例で多発していることがわかりました。2つ目の診療科では、他診療科の受診が継続しているのか会計入力時には判断がつかない仕様のため、診療科初診として扱い初診料を算定していました。そのため同診断も算定対象となっていたのです。2つ目の診療科にかかる会計入力の時点で継続診療科の受診と計算が終了していれば、初診料は算定できずに同診断は算定できないチェックがかかります。逆の事例では、継続診療科の会計入力が済むまではチェックがかかりません。チェックがかかった時点において、診察料のみを修正していました。査定対策として、会計の運用手順に同日複数科受診の確認を加え、初診料算定不可のチェックがかかったときに注意して修正しなければならない項目に同診断を追加し、レセプトチェックシステムには、初診料と同診断が対ではない場合にエラーとする設定を追加しました。

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新型コロナ無症状者の医療機関での一斉検査、プール法など活用可能に/厚労省

 医療機関・高齢者施設等において、無症状者に対し幅広く検査を実施する場合の検査法として、検体プール検査法と抗原簡易キットが新たに行政検査として実施可能となった。1月22日の事務連絡で都道府県等に通知された。併せて同日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」が公表され、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第3版)」ではこれらの変更が反映されている。地域の感染状況に応じ、医療機関・高齢者施設での一斉検査実施を要請 厚生労働省では、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域(とくに直近 1 週間で中規模[5人以上を目安]以上のクラスターが複数発生している地域)においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、一斉・定期的な検査を積極的に実施するよう要請を行っている1-3)。今回、医療機関・高齢者施設等において幅広く検査を実施する場合の検査法として、1)複数の検体を混合して同時にPCR検査等を実施する検体プール検査法2)結果が陰性であった場合も感染予防策の継続を徹底すること等一定の要件下における無症状者に対する抗原簡易キットの使用の2つが、行政検査として新たに実施可能となった4)。検体プール検査法とは? 検体プール検査法は、陽性率の低い集団に対して効率的に検体をスクリーニングする目的で、複数の検体をまとめて検査を行う方法。一般に個別検体を用いた検査と比較し感度・特異度が下がることから、検査体制に余裕がある場合には個別検査が推奨される。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」5)では、実際に検査を実施するにあたっての指針を下記7項目についてまとめている:1)適切な検査機器と試薬について2)検体プール検査法実施前に必要となる精度管理3)リスク評価と検体の適正管理の実施について4)適正なプール化検体の数および試料の種類について5)適正な対象集団の設定について6)プール検査を実施した場合の結果の解釈について7)その他抗原簡易キットとは? 抗原定性検査については、これまで無症状者に使用することは推奨されてこなかった経緯がある。しかし、感染拡大地域の医療機関および高齢者施設等において、PCR検査等による実施が困難な場合に抗原定性検査により幅広く検査を実施することは、重症化リスクの高い者が多い医療機関や高齢者施設等における感染拡大を防止する観点から有効であるとの観点から、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第3版)」6)では、「感染拡大地域の医療機関や高齢者施設等において幅広く検査を実施する際にスクリーニングに使用することは可能」と変更された。 無症状者に対する抗原定性検査は、以下の1)~4)のいずれにも該当することを実施要件としている4):1)医療機関または高齢者施設等の職員、入院・入所者(新規の入院・入所者を含む)等に対して幅広く実施する検査であること2)とくに検体中のウイルス量が少ない場合には、感染していても結果が陰性となる場合があるため、陰性の場合でも感染予防策の継続を徹底すること3)結果が陽性であった場合であり、医師が必要と認めるときは、PCR検査、抗原定量検査等を実施すること(※)4)実施した実績・結果について厚生労働省に報告すること※検査結果の解釈・注意点については、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針」を参考にすること。 その他、対象者の考え方、行政検査で用いることができる抗原簡易キットと入手方法についても、1月22日付けの事務連絡4)に明記されている。■参考文献・参考サイトはこちら1)厚生労働省.令和2年11月16日付け事務連絡:「医療機関、高齢者施設等の検査について(再周知)」2)厚生労働省.令和2年11月19日付け事務連絡:「高齢者施設等への重点的な検査の徹底について(要請)」3)厚生労働省.令和2年11月20日付け事務連絡:「クラスターが複数発生している地域における積極的な検査の実施について(要請)」4)厚生労働省.令和3年1月22日付け事務連絡:医療機関・高齢者施設等における無症状者に対する検査方法について(要請))」5)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」6)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第3版)」

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「がん診療と新型コロナウイルス感染症」、患者向けQ&Aを改訂/日本臨床腫瘍学会

 2021年1月25日、がん関連3学会(日本学会、日本治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「がん診療と新型コロナウイルス感染症 がん患者さん向けQ&A」の改訂3版を公開した。これは3学会合同連携委員会の新型コロナウイルス(COVID-19)対策ワーキンググループがまとめたもので、「がん患者は新型コロナウイルスに感染しやすいのか」「検査はどこまですべきなのか」「現在の治療を延期したほうがよいのか」といった、多くのがん患者が抱える疑問に答える内容となっている。今回は各種文献やガイドラインのアップデートを反映した改訂となる。 ASCO(米国臨床腫瘍学会)やESMO(欧州臨床腫瘍学会)が提唱する基本治療方針へのリンクや、「血液がん」「肺がん」「乳がん」といったがん種別に分けたうえで細かく治療方針を解説する項目もあり、がん治療中の患者にとって必要な情報が網羅的にまとまっている。

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うつ病増強療法の中止が治療転帰にもたらす影響~メタ解析

 慶應義塾大学のHideo Kato氏らは、うつ病の治療において増強療法のために追加した薬剤を継続すべきか、また継続する場合の期間について明らかにするため、メタ解析を実施した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2020年12月23日号の報告。 うつ病患者を対象に増強療法で追加した薬剤を中止した場合の影響を調査した二重盲検ランダム化比較試験を特定し、メタ解析を実施した。すべての原因による試験中止率、再発率、増強療法継続群と中止群における有害事象を比較した。 主な結果は以下のとおり。・7件の研究(継続群:841例、中止群:831例)をメタ解析に含めた。・すべての原因による試験中止率は、両群間で有意な差が認められなかった(リスク比[RR]:0.86、95%CI:0.69~1.08、p=0.20)。・再発による試験中止率は、中止群よりも継続群のほうが低かった(RR:0.61、95%CI:0.40~0.92、p=0.02)。しかし、この有意差は、esketamineを用いた研究1件を除外すると消失した。・ランダム化前の安定化期間を含む5つの研究データの分析では、中止群よりも継続群において再発率が低かった(RR:0.47、95%CI:0.36~0.60、p<0.01)。 著者らは「研究数が少なく、確固たる結論には至らない」としながらも「うつ病に対する増強療法で使用されたesketamine以外の薬剤は、中止される可能性が高いことが示唆された。しかし、増強療法で維持されている寛解患者では、当てはまらない可能性がある」としている。

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新型コロナ対応、現状の打開に何が必要か~東京都医師会尾崎会長インタビュー

 1都3県を皮切りに各地で2度目の緊急事態宣言が発令され、医療体制がひっ迫した状況が続いている。患者の急増で病床は不足。自宅・宿泊療養者のケアや回復後の転院調整などについて課題が指摘され、ワクチン接種への体制整備も求められる中、東京都医師会としてその役割をどのように捉え、どのような対策をとっていくのか。尾崎 治夫会長に聞いた。民間病院がもっと受け入れるべき? 1年あれば医療体制は整備できた? 連日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報が報道される中で、「民間病院がコロナ患者をほとんど受け入れていない」「医療崩壊というが1年あれば準備できたのではないか」などの意見もみられるようになった。「第1波のときから一貫して発信しているのは、日本の医療体制はCOVID-19のような感染症に対応できるようには作られていない。対応するには患者数の増加速度をできるだけゆるやかにして乗り越えていくしかないということ」と尾崎会長。コロナ前の東京都の指定感染症医療機関は15医療機関、118床。保健所も含め、無症状や軽症が多く感染力も強くて市中に急速に拡がって行くCOVID-19のような感染症に対応できる仕組みにはなっていなかった。 そのような枠組みの中では、通常医療を提供しながら、状況に応じて対応病床を増やすしかないが、急峻な患者数増加には対応できない。何度か波が来ることは避けられないが、その波の上がり方をできるだけゆるやかにして、その都度医療側も準備を整えて対応していくしかない。「そのためには国民の協力が欠かせないし、政府には一時経済を止めるという判断も含め、状況を的確に把握して指示を出す強力なリーダーシップが必要で、今後の課題としてパンデミック時の指示系統を担う新組織を立て、指揮系統をより明確にすることも必要だと考える」と同氏。公民の病院も診療所も高齢者施設も、一丸となって乗り越えるしかない 東京都では第1波以降、医師会主導で各地区にPCRセンターを設置し、インフルエンザとの同時流行に備え検査を担う診療所が約2,300、検査はできないが発熱患者を診療できる診療所も含めると診療検査医療機関が3千強設置されている。尾崎氏は、「民間病院も、現状ですでにある程度の病床数を持つところは受け入れてくれている」と話す。都立・公社3病院が重点医療機関となることで、今後病床数は一定数拡充できると考えられるが、それでも十分とは言えない。 「これ以上病床を増やす余地があるとしたら、やはり規模の大きい公的病院にもう一歩協力してもらうしかないだろう」と指摘。「民間病院は、経営が厳しくなれば本当に潰れてしまいかねない。コロナ後の医療を保つためにも、民間病院にはコロナ以外の医療と、感染力のない回復後患者の受け入れにまわってもらうのが現実的だと考えている」。 第3波で高齢者の感染が増えたことで、“コロナは軽症あるいは治ったが、体力低下などで自宅には帰れない”患者の受け入れ先がないことが課題となっている。「後方病院がない、あるいはこれまで急性期後の高齢患者の受け皿となっていた高齢者施設で受け入れてもらえないという問題が発生している」。これらの連携がスムーズにいくよう、仕組みづくりに着手しているという。宿泊療養施設はなぜフル活用されないのか? 現場で起こっていること 東京都の宿泊療養施設の運用について、1月中旬時点では利用率が3割程度に留まっていることが報道された。これに大きく影響しているのが、患者本人の希望だという。現状、陽性となって無症状または軽症の場合、保健所職員が電話で状況を確認する。自宅か宿泊療養を二択で提示すると、自宅を選ぶ患者が多いという。「無症状者は宿泊あるいは自宅療養でかかりつけ医や訪問看護で見守る体制を作り、軽症者については、場合によっては宿泊療養を義務づけるような法制整備も有効かもしれない」と指摘した。 また、検査の結果、陽性となった患者はすべて一度保健所で管理され、入院調整も保健所が行う。保健所の負担が増す中、地域によっては陽性後2~3日連絡を待つという状況も発生してしまっている。この間のプロセスに、法的には医師が関与できない仕組みとなっている。普段から診ているかかりつけ医がフォローすることで、異変を早期に察知できる可能性もある。トリアージのプロセスに制度として医師を加えてもらえないかと働きかけている、と同氏。「陽性が判明後、かかりつけ医がトリアージを行い、それに基づき保健所が受け入れ先を調整する仕組みにできないかと考えている」。 「東京都では現在、保健師や医師が常在し、急変時に対応するフォローアップセンターの設立を準備しており、それを地区医師会が支援する仕組みを作りたい。しかし、急変したことがわかっても受け入れ先がなければ意味がない。23区、そして多摩地区でそれぞれ数床ずつ、必ず空きベッドを用意する体制整備も必要」と話した。医療従事者へのワクチン接種、可能な限り自院で ワクチン対応について、まず目前に迫るのが医療従事者への接種だ。「どこか一ヵ所に集めて接種するというのは現実的ではない」と同氏。各地域で保管場所を作って、基本的には病院は自院で接種、診療所についても自院で接種するか地域のある程度スぺースのある診療所・病院で接種という形を現時点では想定しているという。 続く高齢者への接種についても、集団接種よりはかかりつけ医が実施するほうが望ましいとの見解を示した。「いま、日本の高齢者の多くがかかりつけ医をもっている。このシステムの良い部分を生かして、予診や接種後のフォローを含め、かかりつけ医が役割を果たしていけるのではないか」と話した。また、「医療者がどれだけワクチンの効果と副反応の可能性をわかりやすく説明できるかが大きなポイント」と指摘。副反応としてどんなものが起こる可能性があるのかをあらかじめわかりやすく伝え、理解してもらうことの重要性を強調した。尾崎 治夫(おざき はるお)氏東京都医師会会長・おざき内科循環器科クリニック院長1951年東京都生まれ。77年順天堂大卒。87年同大循環器内科講師。90年東久留米市・おざき内科循環器科クリニック開設。2002年東久留米医師会会長、11年東京都医師会副会長を経て15年より現職。

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乳がん関連遺伝子バリアントのリスクを評価/NEJM

 乳がんの遺伝性の病原性バリアントを有する女性のリスク評価と管理では、がん素因遺伝子の生殖細胞系列の病原性バリアントと関連する、集団ベースの乳がんリスクの推定がきわめて重要とされる。米国・メイヨークリニックのChunling Hu氏らCARRIERS(Cancer Risk Estimates Related to Susceptibility)コンソーシアムは、同国の一般集団において、既知の乳がん素因遺伝子の病原性バリアントと関連する乳がんの有病率とリスクの評価を行った。その結果、BRCA1とBRCA2の病原性バリアントは乳がんリスクが最も高いことを示した。NEJM誌オンライン版2021年1月20日号掲載の報告。米国の集団ベースの症例対照研究 同コンソーシアムは、乳がん女性3万2,247例(乳がん診断時平均年齢62.1歳、乳がん家族歴あり20.4%)と、マッチさせた非乳がん女性(対照)3万2,544例(試験登録時平均年齢61.2歳、乳がん家族歴あり14.3%)を対象に、集団ベースの症例対照研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]と乳がん研究財団[BCRF]の助成による)。 多遺伝子アンプリコンベースのカスタムパネルを用いてシークエンスを行い、28のがん素因遺伝子の生殖細胞系列の病原性バリアントを同定した。次いで、個々の遺伝子の病原性バリアントと乳がんリスクの関連を評価した。BRCA1と2バリアントの生涯乳がんリスクは約50% 12の確立された乳がん素因遺伝子の病原性バリアントが、乳がん群の5.03%(1,621例)および対照群の1.63%(531例)で検出された。 BRCA1とBRCA2の病原性バリアントは乳がんリスクが最も高く、BRCA1のオッズ比(OR)は7.62(95%信頼区間[CI]:5.33~11.27、p<0.001)、BRCA2のORは5.23(4.09~6.77、p<0.001)だった。また、PALB2の病原性バリアントの乳がんリスクは中等度(OR:3.83、2.68~5.63)であった。 BRCA1、BRCA2、およびPALB2の病原性バリアントはいずれも、エストロゲン受容体陽性乳がん(OR[95%CI]:BRCA1 3.39[2.17~5.45]、BRCA2 4.66[3.52~6.23]、PALB2 3.13[2.02~4.96])、同陰性乳がん(26.33[17.28~41.52]、8.89[6.36~12.47]、9.22[5.63~15.25])、およびトリプルネガティブ乳がん(42.88[26.56~71.25]、9.70[5.97~15.47]、13.03[7.08~23.75])のリスクが高かった。 一方、BARD1(OR[95%CI]:2.52[1.18~5.00])、RAD51C(2.19[0.97~4.49])、およびRAD51D(3.93[1.40~10.29])の病原性バリアントはエストロゲン受容体陰性乳がんのリスクが高く、BARD1(3.18[1.16~7.42])はトリプルネガティブ乳がんのリスクも高かったのに対し、ATM(1.96[1.52~2.53])、CDH1(3.37[1.24~10.72])、およびCHEK2(2.60[2.05~3.31])はエストロゲン受容体陽性乳がんのリスクが増大していた。 ミスマッチ修復遺伝子(MLH1、MSH2、MSH6)やNBNを含む16の乳がん素因遺伝子候補は、いずれも乳がんリスクの増加とは関連がなかった。また、BRCA1とBRCA2の病原性バリアントの生涯乳がんリスクは約50%で、PALB2は約32%だった。 著者は、「これらの知見は、一般集団におけるがん素因遺伝子の病原性バリアントを有する女性において、がんのスクリーニングやリスク管理戦略に有益な情報をもたらすと考えられる」としている。

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オンライン血圧管理で、良好な収縮期血圧コントロール/BMJ

 コントロール不良の高血圧患者において、デジタル技術を用いた介入による「家庭オンライン血圧管理・評価(Home and Online Management and Evaluation of Blood Pressure:HOME BP)」は通常治療と比較して、1年後の収縮期血圧のコントロールが良好で、費用の増分も低いことが、英国・オックスフォード大学のRichard J. McManus氏らが実施した「HOME BP試験」で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2021年1月19日号に掲載された。これまでの自己モニタリングと自己管理の試験では、血圧低下に関する有効性が示されているが、効果を得るには比較的高価な技術や時間がかかる一連の訓練を必要とすることが多い。また、デジタル介入の短期試験では、血圧コントロールの改善の可能性が示唆されているが、広く実施するための十分なエビデンスは得られていないという。プライマリケアでの無作為化対照比較試験 研究グループは、血圧の自己モニタリングと生活様式の自己管理を統合した高血圧管理のためのデジタル介入の、プライマリケアにおける有用性を評価する目的で、非盲検無作為化対照比較試験を行った(英国国立健康研究所[NIHR]の助成による)。 この試験には英国の76の総合診療施設が参加した。対象は、治療を行っても血圧コントロールが不良(>140/90mmHg)で、インターネットが使用可能な環境にある患者622例であった。 被験者は、HOME BPによる血圧自己モニタリングとデジタル介入を受ける群(介入群、305例)または通常治療(ルーチンの高血圧治療、受診の予約、総合診療医の裁量による薬剤の変更)を受ける群(317例)に無作為に割り付けられた。 デジタル介入では、患者と医療従事者に血圧測定の結果がフィードバックされ、生活様式への助言や動機付けを高めるための支援を受ける選択が可能であった。高血圧、糖尿病、80歳以上の人々の目標血圧は英国の国のガイドラインに準拠した。 主要アウトカムは、ベースラインの血圧、目標血圧、年齢、診療内容で補正した1年後の収縮期血圧(2回目と3回目の測定値の平均値)の差とされた。欠測値は多重代入法で補完された。用量・薬剤の変更が多く、1mmHg低下の増分費用は11ポンド ベースラインの平均年齢は、介入群が65.2(SD 10.3)歳、通常治療群は66.7(10.2)歳で、女性はそれぞれ47.5%および45.0%であった。1年後に552例(88.6%)のデータが得られ、残りの70例(11.4%)のデータは補完された。 平均血圧は、介入群がベースラインの151.7/86.4mmHgから1年後には138.4/80.2mmHgへ、通常治療群は151.6/85.3mmHgから141.8/79.8mmHgへと低下した。収縮期血圧の両群間の平均差は-3.4mmHg(95%信頼区間[CI]:-6.1~-0.8)、拡張期血圧の平均差は-0.5mmHg(-1.9~0.9)であった。また、完全ケース分析では同様の結果が得られた(収縮期血圧の平均差:-3.5mmHg[95%CI:-6.2~-0.9]、拡張期血圧の平均差:-0.5mmHg[-1.8~0.9])。 頻度の高い有害事象として、関節のこわばり(介入群56.8%、通常治療群55.6%)、疼痛(47.5%、46.8%)、睡眠困難(45.7%、51.2%)、疲労(46.3%、43.3%)、咳嗽(34.6%、37.5%)などが認められたが、両群間に有意差があるものはなかった。また、高血圧に特異的な症状(下肢/くるぶしの腫脹、ほてり感、胃のむかつき、めまい、インポテンス)の頻度にも両群間に差はなかった。 介入群は通常治療群に比べ、試験期間中に降圧薬の投与を受ける患者の割合が高かった。また、用量の変更(相対的リスク:2.0、95%CI:1.5~2.7)および薬剤の変更(1.5、1.1~1.9)の割合が高かった。 試験期間中のQOL(EuroQoL5D-5L)には両群間に差はみられなかった。また、介入群の1例の増分費用は38ポンド(95%CI:27~47)であり、収縮期血圧の1mmHg低下当たりの増分費用は11ポンド(95%CI:6~29)(15ドル、12ユーロ)だった。 著者は、「HOME BPをプライマリケアで実施するには、臨床ワークフローへの統合と、デジタル技術を使用しない人々への配慮が求められる」としている。

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SGLT2阻害薬とGLP-1作動薬の有効性と有害事象をレビュー(解説:桑島巖氏)-1349

 最近の2型糖尿病治療薬の進歩は目覚ましい。DPP-4阻害薬登場によってHbA1cのコントロールは容易になったが、大規模臨床試験では心血管イベント抑制効果は見いだせなかった。しかし、その後登場したSGLT2阻害薬とGLP-1作動薬については、血糖値低下のみならず、心血管イベント、腎障害進展や死亡を抑制するという臨床試験の成績が相次いで発表されている。そして両薬剤は、いまや単に糖尿病治療薬の域を越え、心・腎・脳血管障害予防薬としての地位を確保しつつある。 本論文は、SGLT2阻害薬とGLP-1作動薬に関して、プラセボや従来治療、その他の血糖降下薬とを比較した764トライアル、約42万人についてのsystematic reviewとメタ解析のレビューである。その結論としては、SGLT2阻害薬は心不全による入院と死亡の回避という点でGLP-1作動薬よりも優れており、一方、非致死的脳卒中予防においてはGLP-1作動薬のほうが優れていたというものである。また有害事象に関しては、SGLT2阻害薬は、高率に生殖器感染を惹起する一方、GLP-1作動薬は重症な消化管イベントを惹起したという。 SGLT2阻害薬、GLP-1作動薬に関しては信頼性の高いプラセボ対照無作為ランダム化試験の成績がいくつか発表されており、上記の両薬剤の心血管イベント抑制効果に関する有効性はすでに明らかになっている。 それらは、SGLT2阻害薬の心血管アウトカム試験としては、エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)のEMPA-REG OUTCOME研究、カナグリフロジン(同:カナグル)のCANVAS研究、ダパグリフロジン(同:フォシーガ)のDECLARE-TIMI 58研究、ertugliflozin(本邦未発売)のVERTIS CV研究、sotagliflozin(同)のSOLOIST-WHF研究が発表されている。またGLP-1作動薬の心血管アウトカム試験としては、リラグルチドのLEADER研究、リキシセナチドのELIXA研究、デュラグルチドのREWIND研究、セマグルチドのSUSTAIN-6研究などである。 これらのランダム化試験の結果から、SGLT2阻害薬は高リスク症例で、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中は抑制しないものの、心不全の入院と死亡を減少させることがクラスエフェクトとして明らかになっている。これはSGLT2阻害薬の利尿作用とそれに伴う血圧低下、心負荷の軽減が心不全の抑制につながっている。 一方、GLP-1作動薬は心不全による入院や死亡の抑制効果は認められないが、死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合エンドポイントは有意に抑制するという結果が発表されている。しかし、その機序については不明である。 しかしながら、本論文の膨大な数の比較試験を収集したメタ解析は、その異質性、多様性ゆえに、おおよその両薬剤の有効性、有害性をまとめるうえでは有用であっても、エビデンスレベルはランダム化試験のほうが上である。 しかし両薬剤が単に血糖値を下げるだけの薬剤ではなく、心血管保護薬として心血管疾患を有している症例の2次予防治療薬として有望であることを、あらためて示した点では意味がある。

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第42回 新型コロナのPCR検査、偽陰性の解釈をほったらかすリスク

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染者急増により、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県に新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言が発出されて4週目に突入しようとしている。新型コロナのPCR検査陽性報告数は減少傾向を示しつつあるものの、東京都ではまだ1日の陽性報告数はおおむね1,000人以上である。私の場合、過去の本連載でも取り上げたように身近で初めて感染者が発生したのは昨年4月下旬とかなり早い時期で、その後は8月に知人の感染とスポーツジムでの陽性者とすれ違いが判明していたが、その後しばらくは周囲で感染者の報告はなかった。ところが、世の感染実態を反映してか、昨年12月以降、ポツリポツリとFacebook上で「陽性でした」という友人のカミングアウト投稿が目につくようになった。こうしたカミングアウトに又聞きでの知人の感染事例まで含めると周囲での感染者はこの2ヵ月で軽く二桁に上る。そうした中で先週経験した事例は今まで以上にヒヤッとしたものだった。10年以上の付き合いになる友人の編集者から「後輩が新型コロナ問題に関心を持っているので、紹介したい。ぜひ、バックグラウンドブリーフィングをしていただけないか」という打診が来たのが先週の火曜日。最近では取材もかなりリモート化し、私も他人との接触を限りなく減らしている。とはいえ人と会うのが商売のようなものであり、そのような立場にいながら私は初対面で相当緊張するので、共通の友人・知人がいるならば同席してもらえた方がありがたかった。ということで、まさに先週の金曜日の日中、友人とその後輩に会うことになった。その友人からまさに金曜日当日の約束の時間から2時間ほど前、LINEメッセージが着信した。曰く、月曜日に打ち合わせで同席した会社の先輩が保健所から感染者の濃厚接触者として認定され、自分自身も会社から自宅待機を指示されたとのこと。そしてたった今、会社が契約している医療機関でPCR検査を行うため唾液検体を発送したので、本日の同席は控えたいとの連絡だった。当然の対応である。結局、私は当初の約束の場所で緊張気味の友人の後輩と面談をすることになった。その日の夜のことだった。再び友人からLINEメッセージがあり、濃厚接触者として認定されていた先輩がPCR検査で陽性だったとの連絡。「ともかく、本日はご一緒しなくてよかったです」とのメッセージに、私もかなりほっとしたのが本心である。その後、より詳細な成り行きを聞かされ、LINEメッセージのやり取りが続いた。友人曰く、先輩とは著者との打ち合わせで同席し、先輩の対面に著者、先輩の隣に友人という位置関係。基本、お茶を飲むとき以外はマスクをして会話していたものの、打ち合わせは2時間以上に及んだという。この場合、濃厚接触者と認定される可能性はある。友人はこの日の昼、すなわちウイルスに曝露した可能性がある日から4日後に採取した検体を送付し、検査結果はまだ判明していない。だが、ここで私は新型コロナのPCR検査偽陰性に関するある研究のことを思い出した。簡単に言えば、曝露直後は検査をしても圧倒的に偽陰性率が高く、その後この確率は徐々に低下し、曝露から8日前後で最低の20%前後になるというものだ。ちなみに友人が検体を採取した曝露4日後の場合は、感染していても70%弱が陰性という結果になる。世間の一部では無症状の人も含めPCR検査を積極的に行って陽性者を炙り出し、残る陰性者で経済を回せば良いというような主張も見受けられるが、この研究の結果はそのロジックがいかに乱暴かを示している。私は友人にそのことを伝え、もしPCR検査で陰性と判明しても油断しないようにとメッセージを送った。結局、翌日に判明した友人の検査結果は陰性。そのまま週末にかかったため、彼の先輩の濃厚接触者の認定は週明けにずれこみ、最終的に濃厚接触者とも認定されず、今週火曜日には会社から出社しても良いとの指示があったという。ただ、友人は「無理していくほどの用事はない」として、今もリモートワークを続けている。だが、会社の出社解禁宣言もなんと危ういことかと思う。新型コロナウイルスの感染性に関する研究報告では、2次感染は発症3日前から発症5日後まで起こりうることはよく知られている。この感染症では無症候感染者も少なくないことを考えれば、平均的な潜伏期間といわれる5日強に二次感染が起こりやすい発症5日後まで加えた曝露10日後までは最低限人との接触は控えるべきだ。にもかかわらず、会社が出社して良いと指示したのは曝露8日後なのである。昨年来、1年以上もPCR検査のことについては耳にタコができるほど報道され、一部ではやや問題のある内容があるものの、最近のこの件に関する報道の主流は「PCR検査を妄信すべからず」だと認識している。だが、現実には今回私が見聞したようなケースはまだまだあるのだろう。そして今やテレビで特定のクリニックによるPCR検査のCMが流れてしまう状況である。私は医療機関による自由診療でのPCR検査実施を全面的に否定するつもりはない。だが、この手の検査を受けた人たちとやり取りするにつれ、検査の盲点があまりにも認識されていないことに愕然とすることが少なくない。実際、自由診療でPCR検査を行っている医療機関はこの点をどの程度時間をかけて説明しているのだろうか? 従来からかなり疑問に思っている。

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COVID-19によるうつ症状や孤独感と社会的および性的つながりとの関係

 米国・インディアナ大学のMolly Rosenberg氏らは、COVID-19によるうつ症状や孤独感の有症率を推定し、社会的および性的つながりの頻度との関係について調査を行った。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2021年1月2日号の報告。 18~94歳の米国成人の代表的なサンプル1,010例を対象に2020年4月10日~20日にオンライン横断調査を実施した。うつ症状(CES-D-10スケール)、孤独感(UCLA3項目孤独感尺度)、対面およびリモートでの社会的つながりの頻度(家族とのハグ、ビデオチャットなど4項目)、性的関係の頻度(パートナーとの性的関係、マッチングアプリの使用など4項目)について調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象者の3分の1にうつ症状が認められ(32%)、孤独感が高かった(平均:4.4±1.7)。・うつ症状を有する人は、女性、20~29歳、未婚、低所得である可能性が高かった。・非常に頻繁な対面によるつながりは、うつ症状や孤独感の低下と関連が認められたが、頻繁なリモートによるつながりでは、この関連は認められなかった。 著者らは「米国におけるCOVID-19パンデミックの初期において、うつ症状や孤独感の上昇が認められた。リモートではなく、対面による社会的および性的つながりを維持した人では、メンタルヘルスのより良い結果が得られた。COVID-19に対する社会的な制限は依然として必要であるが、高リスクの人のためのメンタルヘルスサービスの拡充、リモートによる社会的および性的なつながりを維持する効果的な方法の特定が重要となる」としている。

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新型コロナ流行で糖尿病重症化予防ケアの実施数が減少

 メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下、MDV)は自社が保有する大規模診療データベースを用い、宮脇 敦士氏(東京大学大学院医学系研究科・公衆衛生学 助教)の研究チーム、中村 正樹氏(MDV)、二宮 英樹氏(慶應義塾大学医学部医療政策管理学教室/株式会社データック 代表取締役兼CEO)、および杉山 雄大氏(国立国際医療研究センター研究所糖尿病情報センター 室長)らと共同で、昨年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時の糖尿病重症化予防ケア(透析予防、フットケアなど)の実施数について調査を行った。その結果、外来で糖尿病患者が定期測定するHbA1cの1週間あたりの検査数などが減少していたことを明らかにした。この研究論文はJournal of General Internal Medicine誌2021年1月19日号に掲載された。 2020年4月の1回目の緊急事態宣言が発令される前後に、 COVID-19の感染リスクを警戒して糖尿病患者が定期受診を延期するケースが見られた。糖尿病ケアの実施数が減少すると公衆衛生上、重大な影響を与える可能性があったが、ケア実施数の実際はわかっていなかった。 本研究はMDVが構築した急性期病院の診療データベースを使用し、2020年の年初第2~8週と、同年の緊急事態宣言発令期間の前半を含む第9~17週目の間に、外来診療で実施された1週間当たりの糖尿病患者の定期検査およびケアの実施数を186の病院で比較。 その結果、糖尿病患者が定期測定するHbA1cの1週間あたりの検査数は、2020年第2~8週の5万2,392件/週から、同年第9~17週には4万4,406件/週と、15.2%減少していた。そのほかにも、血清クレアチニンや尿タンパク測定、眼底検査、糖尿病フットケアサービス、および糖尿病透析予防指導を含むすべての検査・ケア数も減少していたことが明らかになった。 宮脇氏は「糖尿病患者の血糖値コントロールがどのくらい悪くなったのか、それとも変わっていないのかが今後の検討課題になる」とコメントしている。

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CLL治療薬にアカラブルチニブ承認取得/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるアカラブルチニブ(商品名:カルケンス)について、2021年1月22日に「再発または難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果として、厚生労働省より承認を取得したと発表した。 慢性リンパ性白血病(CLL)は、骨髄中の造血幹細胞が過剰に異常なリンパ球となり起こる。これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られ、異常細胞数が増えるにしたがい、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性がある。BTKを介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLの基本的な増殖経路の1つとされる。本症は、欧米では最も患者数が多い白血病となるが、わが国および東アジアではまれな疾患とみなされ、白血病と診断された患者の1~2%を占める程度となっている。 アカラブルチニブは、BTKに共有結合することでその阻害作用を発揮する。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られている。 今回の厚生労働省による承認は、国内第I相試験および国際共同第III相試験(ASCEND試験)の中間解析の良好な結果に基づいている。 本試験は、再発または難治性CLL患者を対象に、アカラブルチニブの有効性を検討した無作為化多施設非盲検国際共同第III相試験。この試験では、310例の患者を2群に無作為割付け(1:1)し、1群目の患者には、アカラブルチニブ単剤療法(病勢進行または許容できない毒性が現れるまで100mgを1日2回投与)を実施した。 中間解析では、アカラブルチニブ単剤療法群は、リツキシマブと治験担当医師の選択によるidelalisibまたはベンダムスチンの併用療法群と比較し、無増悪生存期間(PFS)において統計的に有意で臨床的意義のある改善が示された。アカラブルチニブは、病勢進行または死亡のリスクを69%減少させた(ハザード比:0.31、95%信頼区間:0.20-0.49、p

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新型コロナ感染拡大、Go Toトラベルが影響か

 西浦 博氏(京都大学環境衛生学 教授)が率いる研究チームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行中の旅行者向けキャンペーン(Go Toトラベル)実施による疫学的影響について、キャンペーン実施前後の旅行・観光関連の症例発生率を比較し検証を行った。その結果、Go Toトラベル開始後の1日当たりのCOVID-19発生率は、2020年6月22日~7月21日までの期間と比較して約3倍、7月15~19日の開始直前期間との比較では約1.5倍にまで増加していたことを明らかにした。また、観光目的で感染した人は、6月22日~7月21日の期間との比較では約8倍、7月15~19日との比較では2〜3倍も増加していた。研究者らは「日本での第2波は、8月中旬までに減少し始めたが、Go Toトラベル開始初期の7月22日~26日の間に旅行関連のCOVID-19症例が増加した可能性がある」としている。Journal of Clinical Medicine誌オンライン版2021年2月号掲載の報告。 日本政府は 7月22日よりGo Toトラベルを開始。ホテル料金の大幅割引を提供し、国内の旅行先での消費に使用できる地域共通クーポンを発行したが、人の移動性を高めることでCOVID-19感染拡大に繋がる恐れがあったため、世論からはキャンペーン実施に対して停止や延期が求められていた。 本研究では国内における旅行が原因とされるCOVID-19症例の疫学的パターンに焦点を当て、5月1日~8月31日までに県や政府から報告されたCOVID-19症例を分析した。旅行に関連するケースとして、県境を越えた人、国境を越えた人と接触した人と定義。旅行の目的は「ビジネス」「家族に会う」「観光(tourism/sightseeing)」に分類した。 主な結果は以下のとおり。・2020年5月1日~8月31日までに24都道府県で合計3,978件のCOVID-19症例が報告された。・症例のうち2,211例(57.3%)は男性で、119例は性別不明だった。・患者の平均年齢は42.6歳だった。・診断時に症状を有したのは3,060例(76.9%)で、そのうち軽症2,150例(70.3%)と無症状891例(29.1%) が含まれていた。・3,978例のうち817例(20.1%)は、県境を越えた旅行歴、または県境を越えた他人との接触歴があった。・旅行関連の症例の平均年齢は36.2歳で、残りの症例の平均年齢は44.2歳だった。・24都道府県の月別の全例報告数は、7月が2,074例(52.7%)、8月が1,597例(40.5%)で、そのうち旅行関連の症例は7月が482例(23.2%)、8月が289例(18.1%)だった。

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超急性期脳梗塞の血管内治療、rt-PA併用に対して非劣性を認めず/JAMA

 急性脳主幹動脈閉塞に対する機械的血栓回収単独療法は、機械的血栓回収+静脈内血栓溶解併用療法と比較し、良好な機能的アウトカムに関して非劣性は示されなかった。日本医科大学の鈴木 健太郎氏らが、医師主導型多施設共同無作為化非盲検非劣性試験「Randomized study of endovascular therapy with versus without intravenous tissue plasminogen activator in acute stroke with ICA and M1 occlusion(SKIP study)」の結果を報告した。急性脳主幹動脈閉塞患者において、機械的血栓回収療法に静脈内血栓溶解の併用が必要かどうかは不明であった。JAMA誌2021年1月19日号掲載の報告。超急性期脳梗塞患者約200例で有効性を比較 研究グループは2017年1月1日~2019年7月31日に、全国23施設で脳主幹動脈閉塞による急性期脳梗塞患者204例を登録し、機械的血栓回収療法単独群(101例)(MT単独群)と機械的血栓回収+静脈内血栓溶解併用療法(アルテプラーゼ0.6mg/kg)併用群(103例)(MT+rt-PA併用群)に無作為に割り付け、2019年10月31日まで追跡調査した。 有効性の主要評価項目は、発症90日時点の修正Rankinスケール(mRS)スコア0~2で定義した良好な機能的アウトカムとした。非劣性マージンはオッズ比(OR)0.74、有意性水準は片側0.025(97.5%信頼区間[CI])とした。 事前に設定した副次評価項目は、発症90日までの死亡などを含む7項目、安全性評価項目は発症36時間以内の頭蓋内出血など4項目であった。90日時点の良好な機能的アウトカムに両群で有意差なし 204例(年齢中央値74歳、男性62.7%、米国国立衛生研究所脳卒中スケール[NIHSS]中央値18)が登録され、全患者が試験を完遂した。 主要評価項目を達成した患者の割合はMT単独群59.4%(60例)、MT+rt-PA併用群57.3%(59例)であり、両群間に有意差は認められなかった(群間差:2.1%[片側97.5%CI:-11.4~∞]、OR:1.09[片側97.5%CI:0.63~∞]、非劣性のp=0.18)。 有効性の副次評価項目7項目および安全性評価項目4項目のうち、90日死亡(7.9% vs.8.7%、群間差:-0.8%[片側95%CI:-9.5~7.8]、OR:0.90[95%CI:0.33~2.43]、p>0.99)を含む10項目で、有意差は確認されなかった。 なお、全頭蓋内出血の発生についてのみ、MT単独群がMT+rt-PA併用群と比較して有意に少ないことが確認された(33.7% vs.50.5%、群間差:-16.8%[95%CI:-32.1~-1.6]、OR:0.50[95%CI:0.28~0.88]、p=0.02)。症候性頭蓋内出血は、両群で差はなかった(5.9% vs.7.7%、群間差:-1.8%[95%CI:-9.7~6.1]、OR:0.75[95%CI:0.25~2.24]、p=0.78)。

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乳がんリスクが高い9遺伝子を推定/NEJM

 英国・ケンブリッジ大学のLeila Dorling氏らBreast Cancer Association Consortium(BCAC)の研究チームは、乳がんリスクのゲノム関連解析の結果、乳がんリスクを予測する遺伝子パネルに組み込む臨床的に最も役立つ遺伝子を特定し、遺伝カウンセリングを導入するためのタンパク質切断型変異による乳がんリスクを推定した。乳がん感受性遺伝子検査は広く用いられるようになったが、多くの遺伝子は乳がんとの関連性に関するエビデンスが弱く、リスク推定値は不正確で、信頼できる亜型特異的リスクのデータも不足していた。NEJM誌オンライン版2021年1月20日号掲載の報告。11万3,000例以上を対象に、34の乳がん感受性遺伝子を解析 研究グループは、BCACの研究に参加している乳がん患者6万466例、および対照者5万3,461例の検体を対象に、感受性遺伝子と考えられている34の遺伝子パネルを用いDNAシークエンシングを実施した。 遺伝子変異は、タンパク質切断型変異とまれなミスセンス変異についてそれぞれ解析し、すべての乳がんおよびサブタイプ別のオッズ比を推定するとともに、ミスセンス変異の関連性を評価した。遺伝子間のリスクの差が明らかに 5つの遺伝子(ATM、BRCA1、BRCA2、CHEK2、PALB2)のタンパク質切断型変異は、乳がん全体のリスクと関連していた(p<0.0001)。4つの遺伝子(BARD1、RAD51C、RAD51D、TP53)のタンパク質切断型変異も乳がん全体のリスクと関連していた(p<0.05およびベイズ偽陽性確率<0.05)。残り25遺伝子のうち19のタンパク質切断型変異は、乳がん全体のオッズ比の95%信頼区間上限値が2.0未満であった。 ATMおよびCHEK2のタンパク質切断型変異では、エストロゲン受容体(ER)陰性乳がんと比較して、ER陽性乳がんの発症リスクが高かった。BARD1、BRCA1、BRCA2、PALB2、RAD51C、RAD51Dのタンパク質切断型変異では、ER陽性乳がんと比較してER陰性乳がんの発症リスクが高かった。 ATM、CHEK2、TP53のまれなミスセンス変異は、乳がん全体のリスクと関連していた(p<0.001未満)。BRCA1、BRCA2、TP53については、標準的な基準に従い病的変異に分類される可能性があるミスセンス変異が、乳がん全体のリスクと関連しており、そのリスクはタンパク質切断型変異と同程度であった。

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