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FDA、ペムブロリズマブの食道がん1次治療を承認/Merck

 メルク社は、2021年3月23日、米国食品医薬品局(FDA)が、局所進行または転移のある食道または胃食道接合部(GEJ)がん治療に抗PD-1抗体ペムブロリズマブを承認したと発表。この承認は組織学的またはPD-L1発現状態に関係なくOSおよびPFSを改善した第III相KEYNOTE-590試験の結果に基づくもの。  KEYNOTE-590試験では、FU+シスプラチン群に比べ、ペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群では、OSリスクが27%(HR:0.73、95%CI:0.62〜0.86、p<0.0001)、PFSリスクが35%(HR:0.65 、95%CI:0.55〜0.76、p<0.0001)減少した。また、奏効率も、ペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群は45%、FU+シスプラチン群は29%とペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群で良好であった(p<0.0001)。

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新型コロナ、高齢者は再感染しやすい可能性/Lancet

 デンマークでは2020年2月~12月の期間に、毎週平均で国民の約10%がPCR検査を受けており、全体の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後の再感染防御率は80%を超えたものの、65歳以上では50%未満と低く、これら高齢の既感染者へのワクチン接種が重要であることが、同国Statens Serum InstitutのChristian Holm Hansen氏らの調査で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2021年3月17日号に掲載された。SARS-CoV-2への感染が、その後の再感染をどの程度まで防御するかはよくわかっていない。2020年、デンマークでは、大規模な無料PCR検査戦略の一環として、約400万人(人口の69%)が1,060万件の検査を受けたという。再感染防御効果を評価する観察研究 研究グループは2020年の全国的なPCR検査データを用いて、SARS-CoV-2への再感染に対する防御効果を評価する目的で、観察研究を実施した(特定の研究助成は受けていない)。 デンマーク微生物学データベース(Danish Microbiology Database)から2020年の個人レベルのデータを収集し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の第2波期間中(2020年9月1日~12月31日)の感染率を、第1波期間中(同年3月~5月)のPCR検査の陽性率および陰性率と比較した。主解析では、第1波と第2波の間に初めて検査で陽性となった集団や、第2波の前に死亡した集団は除外された。 また、代替的解析の手法を用いて、第2波だけでなく流行期全体を通じた再感染率の検討を実施。日付に関係なく、3ヵ月以上前に感染が確定された集団と確定されていない集団で、年間を通じた感染率を比較した。また、この代替コホート解析では、年齢層別、性別、感染後の経過期間別の違いを評価した。 潜在的な交絡因子を補正した率比(RR)を算出し、再感染防御率を1-補正後RRの式で推定した。性別、感染後の経過期間別の再感染防御率に差はない デンマークにおけるSARS-CoV-2のPCR検査の施行能力は、2月の最初の検査から年末にかけて、2020年を通じて急速に向上し、毎週平均、人口の約10%が検査を受けた。感染流行が急増した第1波期間中(6月以前)に、53万3,381人がPCR検査を受け、そのうち1万1,727人(2.20%)が陽性で、第2波の時期まで追跡された52万5,339人のうち、第1波期間中に陽性だったのは1万1,068人(2.11%)であった。 第1波期間中のPCR検査陽性者のうち、72人(0.65%、95%信頼区間[CI]:0.51~0.82)が第2波期間中に再び陽性であったのに対し、第1波で陰性の51万4,271人のうち、第2波で陽性となったのは1万6,819人(3.27%、3.22~3.32)で、補正後RRは0.195(95%CI:0.155~0.246)であり、感染後の推定再感染防御率は80.5%(95%CI:75.4~84.5)であった。代替コホート解析では、初回感染から90日以降の再感染防御率は、ほぼ同様の結果であった(補正後RR:0.212[95%CI:0.179~0.251]、再感染防御率:78.8%[95%CI:74.9~82.1])。 また、代替コホート解析では、年齢65歳以上の再感染防御率は47.1%(95%CI:24.7~62.8)と、他の年齢層(0~34歳82.7%、35~49歳80.1%、50~64歳81.3%)に比べて低かった(p<0.0001)。一方、性別(男性78.4%[95%CI:72.1~83.2]vs.女性79.1%[73.9~83.3])および感染後の経過期間別(3~6ヵ月79.3% vs.≧7ヵ月77.7%)の再感染防御率には有意な差はなかった。 著者は、「これらの知見は、人口のどの層にワクチンを接種すべきかの判断に有益な可能性があり、とくに自然の防御能が低下している高齢の人々においては、既感染者への接種を提唱するものである」としている。

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円形脱毛症リスク、地毛の色で有意差

 円形脱毛症と地毛の色には有意な関連がみられ、より暗い色(黒髪や暗褐色の髪)のほうが有意にリスクが高い。米国・ウェストバージニア大学のAhmed Yousaf氏らが、英国の白人種男女を対象とした適合ケースコントロール試験の結果を報告した。円形脱毛症は、複合的な免疫異常によって非瘢痕性脱毛を引き起こすとされている。 先行研究では、病変部における白髪を形成する毛包の色素細胞、非色素細胞を標的とした報告がされ、メラノサイトおよびケラチノサイトにおけるメラニン形成に関連したタンパク質の免疫標的化が、円形脱毛症の成長期の毛髪を標的とする炎症のメカニズムを表すものと示唆されていた。著者は、「われわれの結果はそうしたモデルを支持するものである。ただし、円形脱毛症と髪の色の免疫原性の関連性をより正確に解き明かすには、さらなる研究が必要だ」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年3月10日号掲載の報告。 研究グループは2020年10月に、英国居住の白人種における円形脱毛症と髪の色の関連を調べる適合ケースコントロール試験を行った。試験には、前向きに収集された大規模コホートが用いられ、UK Biobank(成人の表現型および遺伝子型の決定因子を研究するためにデザインされた大規模前向きリソース)から集めたデータを包含した。 UK Biobankの被験者計50万2,510例をレビューし、髪の色が報告されていた円形脱毛症1,673例(ケース群)を抽出し、1対4のマッチング法を用いて年齢と性別で適合した非円形脱毛症6,692例(対照群)と比較検証した。 アウトカム変数は円形脱毛症、主な予測因子を白髪になる前の地毛の色として、条件付きロジスティック回帰分析にて評価した。考慮した変数は糖尿病、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、白斑などであった。 主な結果は以下のとおり。・被験者46万4,353例において、25万4,505例(54.8%)が女性であった。・円形脱毛症を呈した被験者の平均年齢(SD)は46.9(16.5)歳であった。・円形脱毛症は、薄茶色の髪の被験者と比較して、黒髪(補正後オッズ比[aOR]:2.97、95%信頼区間[CI]:2.38~3.71)、暗褐色(1.26、1.11~1.42)の被験者で有意に多く認められた。・対照的に、金髪の被験者では、薄茶色の髪の被験者と比較して、円形脱毛症が有意に少なかった(aOR:0.69、95%CI:0.56~0.85)。・赤毛の被験者と薄茶色の髪の被験者に、有意差はみられなかった。

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乳がんリスクの高い9遺伝子を同定(解説:下村昭彦氏)-1369

 1月20日のNEJM誌に乳がんリスク遺伝子を網羅的に解析した大規模試験が2本掲載された。そのうちの1つは英国からの報告であり、11万3,000例以上のBreast Cancer Association Consortiumに参加した乳がん患者と対象者において34遺伝子を搭載したパネルで5つ(ATM、BRCA1、BRCA2、CHEK2、PALB2)の乳がんリスク遺伝子を同定した。また4つの遺伝子(BARD1、RAD51C、RAD51D、TP53)におけるタンパク切断型変異も乳がんリスクと関連した。 もう1つは米国からの同様の研究であり、こちらは6万5,000例以上を解析し、BRCA1、BRCA2、PALB2、BARD1、RAD51C、RAD51D、ATM、CDH1、CHEK2の9遺伝子がリスクを増加させる遺伝子として報告され、またそれぞれの遺伝子ごとにリスクの高い乳がんのサブタイプが示された。 これらの遺伝子のほとんどは相同組み換え修復に関わるものであり、よく知られたものである。また、TP53はLi-Fraumeni症候群の原因遺伝子として知られており、若年乳がん(30歳以下)ではTP53の遺伝学的検査が考慮される。CDH1はびまん性胃がん症候群の原因遺伝子として知られており、小葉がんの発症が多いことが知られている(つまり、エストロゲン受容体陽性が多い)。 これらの研究の画期的である点は、パネル検査を用いて生殖細胞系列の遺伝子変異を網羅的に測定している点である。両者共通の10遺伝子を搭載したカスタムパネルを作ることで、乳がん発症リスクが高い人を同定し、サーベイランスやリスク低減手術などの健康管理に役立てることが可能になる。今後は網羅的に生殖細胞系列を測定する時代が訪れるのであろう。その一方でBRCA1、2やTP53以外の遺伝子に対してはサーベイランスやリスク低減手術のエビデンスは十分ではない。これらのハイリスクの集団に対する対策プログラムを構築し、エビデンスを作っていくことが重要である。 なお、これらの研究では家族歴が不明の症例が多く含まれていたり、第1度近親者までしか家族歴がわかっていない症例がほとんどであることに注意が必要である。すなわち、原因遺伝子として見つかっているものの多くは遺伝性腫瘍の原因遺伝子であり、家族歴で検査の対象を絞り込むことが可能になるかもしれない。日本から発表された研究では対照群をがんの罹患歴も家族歴もない人に絞っており、11遺伝子を網羅的に調べてそのうち8遺伝子(BRCA2、BRCA1、PALB2、TP53、PTEN、CHEK2、NF1、ATM)の頻度が乳がん患者で高いことを示している(Momozawa Y, et al. Nat Commun. 2018;9:4083.)。リスク因子となっている遺伝子が今回提示した2報と異なっていることが家族歴によるものなのか、それとも人種によるものなのか、など今回の結果を臨床に役立てるうえで確認すべきデータは多いであろう。

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ドイツにおける教授とは【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第30回

日本では「教授」といえば大学におけるヒエラルキーのトップである役職ですが、ドイツにおける“Professor”というのは意味合いが少し変わってきます。ドイツでは教授というのは役職ではなく、称号(Titel)を指します。ドイツでは男性は“Herr”、女性には“Frau”という敬称を付けるのですが、これが教授になると、“Herr prof.”とか、“Frau prof. ”と変わります。どのくらい変わるのかというと、パスポートの表記から役所の住所登録まで、公の書類も含めて全部書き換えるそうです。このProfessorという称号は、あくまで学術的な仕事に対して与えられます。ですから、実際の職場での役職とは関係がないことになります。極端な例になりますが、ごくまれに研修医の中に教授がいたりします。研修医の中に教授がいて、上級医に怒られたりしているなんて、日本で考えると奇妙な現象です。とは言っても、施設の長となる人はおおむねProfessorであることがほとんどです。Professorへの道のりProfessorになるためにはまず医学博士号を取得する必要があります。その後、数年にわたり学術活動を続け、ある程度論文が溜まったところで“Habilitation”という大学教授になるための資格取得をするための手続きを行います。そして“Verteidigung”、英語だと“defense”(日本語だと「防御」の意味でしょうか)と呼ばれる、学位審査みたいな論文の発表会に挑むことになります。自分の研究テーマについて発表を行い、あちこちから飛んでくる質問から、自分の論文を「守る」ことになります。Habilitationの際のVerteidigungのプレッシャーは相当なものらしく、発表前はβブロッカーを内服して緊張の症状を和らげたりするそうです。発表終了後、内服を中断して飲み歩いていたらリバウンドが発生して救急車で運ばれた、っていうのが教授の鉄板ネタで、術中に3~4回聞かされました。Habilitationを終えれば晴れて教授になるのかといえば、それも違います。まずは“Privatdozent”という称号を貰います。正直、何度説明を聞いてもいまいち理解できないのですが、どうやら「教授になることができる」という証明のような称号らしいです。Privatdozentになった後、どこかしらの大学がその学術的業績を認めた際に、ようやく教授を拝命できるらしいです。このPrivatdozentは、ドイツ特有の制度と聞いたことがあります。東欧から来ている同僚たちも「いまいちよく分からん」と言っていました。 Klinikum Karlsburgのホームページより。2020年1月より着任した心臓外科の主任が、Privatdozentでした。Professorとどう違うの? と同僚に聞いても、みんなフワッとしか理解していませんでした。実は現在も、(私が知っているだけでも)数名の日本人の先生がドイツで教授の称号を得て働いておられます。長い長い道のりを乗り越えて辿り着かれたんだろうな、と頭が下がる思いです。

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第53回 Pfizerワクチン接種者に待望の胚中心が認められた

Pfizer/BioNTechのmRNAワクチンBNT162b2が引き出す新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体免疫はどうやら長続きすることを示す確かで息長い胚中心(germinal center)反応がマウスに続いて待望のヒト試験でも認められました1,2)。リンパ節に形成される胚中心は長く備わる抗体生成B細胞を生み出します。胚中心の暗領域(dark zone)ではそれぞれ独自の抗体を備えたB細胞が数多く作られ、明領域(light zone)で教官役のT細胞と手合わせして目当てのタンパク質の認識性能が検査されます。不合格のB細胞は暗領域に戻されて洗練されるか消され、合格したB細胞は不死化してメモリーB細胞かプラズマ細胞になって抗体が担う防御効果を数年あるいは長ければ何十年も発揮し続けます。胚中心反応はPfizer/BioNTechのmRNAワクチン接種2回を済ませた12人のリンパ節検体の観察で明らかになりました。細針吸引で採取したリンパ節検体にはSARS-CoV-2スパイクタンパク質に結合する胚中心B細胞が1回目接種の後に12人全員に認められました2)。2回目の接種後に胚中心B細胞の割合は上昇し、ほとんどの人で少なくとも7週間後まで高い水準を保ち、メモリーB細胞やプラズマ細胞の順調な生成が伺われました。胚中心反応が長いほど抗体生成B細胞はより徹底的な訓練を受けることができ、メモリーB細胞やプラズマ細胞へとより分化することができます。去年12月にImmunity誌に発表された報告3)によるとマウスへのSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種の胚中心反応はタンパク質ワクチンを上回ります。非mRNAワクチンのヒトでの胚中心反応はまだ不明ですが、現状ではmRNAワクチンにどうやら分があるようです。mRNAワクチンに分がありそうなことは他にもあります。たとえば、Pfizer/BioNTechのmRNAワクチン接種者のリンパ節のスパイクタンパク質標的形質芽細胞の多くは血中を巡るIgG抗体を作るものでしたが、意外にも、大抵は感染した鼻や腸などの粘膜組織で作られるIgA抗体を作る形質芽細胞もかなり存在しました2)。それらIgA生成細胞は先立つ季節性コロナウイルスの上気道感染で備わったIgA生成メモリーB細胞を起源とするのかもしれません。mRNAワクチンが引き出すIgA生成細胞の効果がどれほどのものかはこれから調べる必要がありますが、おそらくはIgG抗体を上回る働きを担う粘膜組織に出向いて感染防御機能を担うのでしょう1)。また、興味深いことにスパイクタンパク質を標的とする胚中心B細胞のいくつかはSARS-CoV-2以外の風邪原因コロナウイルス(季節性ベータコロナウイルスOC43やHKU1)のスパイクタンパク質に反応しました2)。mRNAワクチンは新顔を生み出すだけでなく先立つ感染で備わった古参のメモリーB細胞を胚中心で再び訓練するように仕向ける働きもあるようです。mRNAワクチンがまさに期待通りの効果を担うことを示した今回の結果はどのコロナウイルスも抑制する抗体や防御するワクチンを見つける取り組みを助けるだろうとワシントン大学の免疫学者Ali Ellebedy氏は言っています1)。今回の研究を率いた同氏等はインフルエンザワクチン接種後の胚中心反応を数年前から調べ始めてその成果、血球凝集素に結合する胚中心B細胞の発見を天下の科学誌Natureに昨夏に報告4)しており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種が始まる頃にはそれらではどうかを調べる準備ができていました1)。参考1)Pfizer Vaccine Induces Immune Structures Key to Lasting Immunity / TheScientist2)SARS-CoV-2 mRNA vaccines induce a robust germinal centre reaction in humans. Research Square. 09 Mar, 20213)Lederer K,et al, Immunity.2020 Dec 15;53:1281-1295.e5.4)Turner JS, Nature. 2020 Oct;586:127-132.

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視神経脊髄炎スペクトラム障害の治療薬/田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬株式会社は、「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を適応症とした治療薬イネビリズマブ(商品名:ユプリズナ 点滴静注 100mg)の製造販売承認を2021年3月23日に取得した。失明や呼吸不全を起こす視神経脊髄炎 視神経脊髄炎スペクトラム障害(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder:NMOSD)は、わが国での有病率が10万人あたり2~4人と少ない疾患で、重度の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患であり、指定難病となっている。 疾患の機序・症状として身体の免疫システムが、健康な細胞(一般的には視神経、脊髄および脳)を攻撃し、再発や重篤な傷害をもたらすことで、眼の痛みや失明、重度の筋力低下、麻痺、しびれ、腸や膀胱の機能低下および呼吸不全を引き起こす。 病態には、主に抗アクアポリン4(AQP4)抗体が関与し、NMOSD患者の約73~90%で抗AQP4抗体が検出されるという。半年に1回投与の治療薬 イネビリズマブは、ヒト化抗CD19モノクローナル抗体で、抗体を産生する形質芽細胞や形質細胞を含むB細胞に発現するCD19というタンパク質に結合し、これらの細胞を循環血液中から速やかに除去することで、NMOSDにおける再発を予防する。また、イネビリズマブは、新規メカニズムによるNMOSD治療薬であり、投与間隔が半年に1回という利便性から、再発予防期のNMOSD患者に新たな治療選択肢として提供できるものと考えられている。今回の承認では、わが国のNMOSD患者を含むグローバル臨床試験の成績に基づきなされた。米国では2020年6月11日に「UPLIZNA」の製品名で、同症の適応承認を受けている。 そのほかイネビリズマブは、重症筋無力症およびIgG4関連疾患について、グローバル(日本を含む)III相臨床試験を実施している。なお、本剤の販売時期、薬価は未定。

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ワクチン接種完了率の高い高齢者、重症者が大幅減/CDC

 新型コロナワクチン接種を世界でいち早く進めたイスラエルにおいて、ワクチン2回接種の完了者が多い70歳以上で、人工呼吸器を必要とする重症者数がワクチン接種開始前と比べて大幅に減ったことがわかった。米国疾病対策センター(CDC)が発行するMorbidity and Mortality Weekly Report3月5日号掲載の報告。 イスラエルではファイザー社製ワクチンを使用し、60歳以上、医療従事者、基礎疾患を持つ人を優先して接種するキャンペーンを展開。2021年2月9日までに計360万6,858人が初回接種を受け、そのうち222万3,176人(62%)が2回目の接種を完了した。年代別に見た2回目接種完了率は70歳以上、60〜69歳、50〜59歳、50歳未満で、それぞれ84.3%、69.0%、50.2%、9.9%だった。 COVID-19の重症判定を人工呼吸器の使用とし、2回接種の完了率が最も高い70歳以上(84.3%)と最も低い50歳未満(9.9%)との間で、人工呼吸器を必要とした患者数を比較した。 主な結果は以下のとおり。・2020年10月2日~2021年2月9日に、人工呼吸器を必要とした1日当たり患者数の中央値は、50歳未満で15(範囲:6~63)、70歳以上で84(範囲:45~127)だった。 ・2020年10月8日~12月30日において、70歳以上と50歳未満の人工呼吸器装着患者の比率の平均は5.8:1だった(99%信頼区間[CI]:5.5~6.1、範囲:4.2~8.5)。・2021年1月の最終週に、70歳以上の1日当たり人工呼吸器装着患者数が減少しはじめたが、50歳未満は依然として増加していた。・2021年2月9日時点での人工呼吸器装着患者の7日間移動平均数において、70代以上は109例、50歳未満は57.7例、両者の比率は1.9:1となり、70歳以上の比率は10月~12月時点から67%減となった。 レポートは、この結果は新型コロナワクチンには、COVID-19重症化予防効果もあることを示すものだとしている。

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新型コロナのPCR、鼻咽頭スワブ陰性も結膜で陽性

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はさまざまな体液などを介して感染するが、人間の涙液内のウイルスの存在に関する情報は不十分である。イタリア・インサブリア大学のClaudio Azzolini氏らが横断研究を行った結果、結膜スワブで陽性を示し鼻咽頭スワブで陰性を示す可能性があることから、結膜スワブの使用は診断・検査の補足になることを明らかにした。ただし、研究者らは「感染力までは決定づけられなかった」としている。JAMA Ophthalmolmology誌オンライン版2021年3月4日号掲載の報告。 研究者らは結膜スワブ検査利用への可能性と適用性を評価することを目的に、2020年4月9日~5月5日の期間、所属先のAzienda Socio-Sanitaria Territoriale (ASST)Sette-Laghi Hospitalの集中治療室にて、リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(rRT-PCR)法を用いて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の結膜と鼻咽頭におけるSARS-CoV-2の割合を調査した。また、それを基にウイルスの存在に付随する臨床状態の関連性について調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象者はCOVID-19で入院した91例と無症状の健康ボランティア17例を含む合計108例で、平均年齢±SDは58.7±14.2歳、女性55例、男性53例だった。・COVID-19にて入院した91例に対し鼻咽頭スワブを実施したところ58例が陽性(63.7%、95%信頼区間[CI]:53.0~73.6%)だった。また、COVID-19診断と臨床症状からの経過時間による結膜スワブ陽性者数に差は見られなかった。・一方、91例に結膜スワブを実施したところ、52例の眼表面にSARS-CoV-2が検出された(57.1%、95%CI:46.3~67.5%)。ただし、両眼からの平均ウイルス量に大きなばらつきがあった(中央値[範囲]:284コピー/μL[29~4万5,000])。・結膜スワブからウイルスが検出された入院患者52例のうち31例は両目から検出された。・健康ボランティアの結膜スワブ検査は全員が陰性だった。・患者サブセット41例に対し、結膜スワブと鼻咽頭スワブ検査の両検査を2日以内に実施した場合、両方で陽性だったのは63.0%(95%CI:41.0~81.0%)だった。・この41例のうち7例は両検査とも陰性だった。一方、10例は鼻咽頭スワブの結果は陰性だったものの、結膜スワブの結果が陽性だった(平均ウイルス量[範囲]:881.7コピー/μL[29~6,900])。・結膜スワブ陽性の52例のウイルス量中央値は25〜75パーセンタイルで、ウイルス量中央値は、1週目で1,120コピー/μL、2週目で303コピー/μL、3週目で424コピー/μL、4週目で295コピー/μLだった。・今回の研究ではウイルス検出と併存疾患との間に関連は見られなかった。結膜スワブ陽性患者のほうが陰性患者よりも、少なくとも片眼の徴候または表面炎症の有病率がわずかに高かった。

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TRK阻害薬ラロトレクチニブ、NTRK陽性固形がんに国内承認/バイエル

 バイエル薬品は、2021年3月23日、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬として、ラロトレクチニブ(商品名:ヴァイトラックビ)の製造販売承認を取得した。 ラロトレクチニブは、NTRK遺伝子融合陽性の進行・再発の固形がんの治療に特化した経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬として開発され、TRK融合を有する成人および小児固形がん患者に対し、高い奏効割合と持続的な奏効を示し、TRK融合を有する中枢神経系原発腫瘍に対して高い病勢コントロール率を示している。 日本におけるヴァイトラックビの承認は、成人および青年期の患者を対象とした第II相試験NAVIGATE、および小児を対象とした第I/II相試験SCOUTのデータに基づくもの。 また、同剤のコンパニオン診断としては、ファウンデーション・メディシン社の「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」が、本年1月22日に適応追加の承認を取得している。

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『敗血症診療ガイドライン2020年』の完成版が発刊

 昨年、ダイジェスト版が先行発表されていた日本集中治療医学会・日本救急医学会の合同作成による「日本版敗血症診療ガイドライン2020」の正式版が、3月に発刊された。本ガイドラインは、小児から成人まで敗血症・敗血症性ショック患者およびその疑いのある患者の診療において、医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことを目的に作成されている。また、敗血症診療に従事または関与する専門医、一般臨床医、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士、管理栄養士などのすべての医療従事者への利用を促している。 今回の改定版は、敗血症疾患の予後改善のために適切な判断を下すことを目的に、一般臨床医にもわかりやすく作成されている。.新たな項目として4領域(神経集中治療、Patient-and Family-Centered Care、Sepsis Treatment System、ストレス潰瘍)を追加し、敗血症診療を計22領域で構成、CQ:118題について解説されている。<Clinical Question―全22領域>CQ1:敗血症の定義と診断CQ2:感染の診断CQ3:画像診断と感染源のコントロールCQ4:抗菌薬治療CQ5:免疫グロブリン(IVIG)療法CQ6:初期蘇生・循環作動薬CQ7:ステロイド療法CQ8:輸血療法CQ9:呼吸管理 CQ10:痛み・不穏・せん妄の管理CQ11:急性腎障害・血液浄化療法CQ12:栄養療法CQ13:血糖管理CQ14:体温管理CQ15:DIC診断と治療CQ16:静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)対策CQ17:Post-intensive care syndrome(PICS)と ICU-acquired weakness(ICU-AW)CQ18:小児CQ19:神経集中治療CQ20:Patient- and Family-Centered Care CQ21:Sepsis treatment systemCQ22:ストレス潰瘍 制作委員長を務めた江木 盛時氏(神戸大学大学院医学研究科外科系講座麻酔科学分野)と小倉 裕二氏(大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター)らは、「集中治療室に限らず、一般病棟や救急外来で、診断・治療を受ける患者を包括するが、敗血症患者は高度な全身管理を必要とすることから、敗血症およびその疑いの強い患者では、状況が許す限り、速やかに集中治療室へ移送しての管理が望ましい」と強調している。

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自閉スペクトラム症における統合失調症や気分障害の合併率

 自閉スペクトラム症(ASD)患者は、他の疾患を合併しているケースが少なくない。多くの研究において、ASD患者を対象に精神医学的合併症の有病率が報告されているものの、合併症の発生率は明らかになっていない。台湾・国立台湾大学医学院附設病院のYi-Ling Chien氏らは、台湾レセプトデータベースを用いて、ASD患者における主な精神医学的合併症の発生率および性別、ASDサブタイプ、自閉症関連の神経発達状態と発生率との関連について調査を行った。Autism Research誌2021年3月号の報告。ASD患者の統合失調症スペクトラム障害併発は9.7人/1,000人年 対象は、ASD患者3,837例(自閉症:2,929例、アスペルガー症候群:447例、特定不能な広汎性発達障害:461例)および年齢、性別をマッチさせた対照群3万8,370例。統合失調症スペクトラム障害、双極性障害、うつ病の発生率を調査した。 主な結果は以下のとおり。・3つのASDサブタイプすべてにわたる対照群と比較し、ASD患者の精神医学的合併症の発生率は、有意に高かった。 ●統合失調症スペクトラム障害:9.7人/1,000人年 ●双極性障害:7.0人/1,000人年 ●うつ病:3.2人/1,000人年・特定不能な広汎性発達障害は、自閉症よりも、うつ病リスクが高かった。・アスペルガー症候群の女性は、男性よりも、統合失調症スペクトラム障害リスクが有意に高かった。・自閉症関連の神経発達状態を考慮すると、合併症の発生率は大幅に低下した。 著者らは「ASD患者では、精神医学的合併症の発生率は高く、ASDサブタイプ、性別、自閉症関連の神経発達状態の影響を受けることが示唆された」としている。

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新型コロナ学級内クラスターの発生はわずか、スイス/BMJ

 2020年8月から再開されたスイスの初等~中等学校では、いくつかの予防措置が講じられたことで、地域社会の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の伝播が中等度~高度で全体的な血清有病率が上昇した時期にあっても、血清陽性の子供の小規模感染者集団が発生した学級はごくわずかであったことが、同国・チューリヒ大学のAgne Ulyte氏らの調査で明らかとなった。研究の詳細は、BMJ誌2021年3月17日号に掲載された。SARS-CoV-2感染症の伝播における児童生徒の役割には議論の余地があるが、現に学校での感染爆発は起きており、子供の血清有病率は成人と同程度の可能性がある。児童生徒におけるSARS-CoV-2感染の伝播とその影響を理解することは、適切な緩和策の実施のために重要とされる。チューリヒ州の6~16歳の前向きコホート研究 研究グループは、2020年6月~11月の期間に、スイス・チューリヒ州において、SARS-CoV-2の血清有病率の長期的な変動を調査し、学級内で血清陽性となった子供たちにおける小規模感染者集団の発生状況を明らかにする目的で、前向きコホート研究を行った(Swiss School of Public Health[SSPH+]の調達資金などから助成を受けた)。 スイスは、2020年秋に欧州で発生した最大規模の第2波SARS-CoV-2パンデミックの一角を占めた。この時期に学校を再開したことで、中等度~高度な曝露環境となったため、SARS-CoV-2感染の調査が実施された。 地区ごとに無作為に選ばれた学校および学級の子供たちが、SARS-CoV-2の血清検査を受けるよう要請された。保護者は、社会人口統計学的な質問と健康に関する質問に答えた。検査では、SARS-CoV-2の4つの標的(受容体結合ドメイン、スパイクタンパク質S1とS2、ヌクレオカプシドタンパク質N)に対する免疫グロブリン(IgG、IgM、IgA)を解析した。 要請を受けた156校のうち55校が調査に参加し、この中から275の学級(6~16歳)が無作為に選ばれた。参加者数は、2020年6月~7月(夏期)が2,603人、同年10月~11月(晩秋期)が2,552人であった。 主要アウトカムは、2020年6月~7月と10月~11月のSARS-CoV-2血清検査、学級内の小規模感染者集団、子供の症状とされた。血清有病率の解析にはベイズロジスティック回帰法が用いられた。陽性者の40%が陰性化、陽性者3人以上は7学級(5%)のみ 血清検査の陽性者は、夏期は検査を受けた2,496人中74人であったが、晩秋期には2,503人中173人に増加した。SARS-CoV-2の血清有病率は、夏期が2.4%(95%信用区間[CrI]:1.4~3.6)で、夏期に陽性でなかった子供における晩秋期の新規陽性率は4.5%(3.2~6.0)であり、血清陽性の子供の割合は7.8%(6.2~9.5)であった。 地区ごとの血清有病率にはばらつきがあり、晩秋期は1.7~15.0%の幅が認められた。低学年(6~9歳)、中学年(9~13歳)、高学年(12~16歳)で、夏期陽性者と晩秋期新規陽性者を併せた割合に差はなかった(それぞれ8.5%、8.0%、6.4%)。また、性別の違いで血清有病率に差はなかった。 夏期と晩秋期の両方で血清検査を受けた2,223人のうち、夏期に陽性の70人のうち28人(40%)が晩秋期には陰性化し、夏期に陰性の2,153人のうち109人(5%)が陽性化した。 症状は、血清陰性者の22%(420/1,923人)および夏期以降の新規陽性者の29%(29/101人)にみられた。血清陽性者で頻度の高い症状は、頭痛(13.9%)、鼻水/鼻詰まり(11.9%)、咽喉炎(11.9%)、疲労(8.9%)であった。また、SARS-CoV-2感染症の診断を受けた子供の血清陽性者に対する比は、2020年1月~11月の期間が1対13で、2020年7月~11月の期間は1対8だった。 少なくとも1人の子供が新規に血清陽性となったのは、55の学校中47校、275の学級中90学級であった。生徒の参加率が高かった130の学級のうち、血清陽性者が発生しなかったのは73学級(56%)、陽性者1~2人は50学級(38%)で、3人以上の陽性者が発生したのは7学級(5%)だった。 著者は、「SARS-CoV-2の新たな変異株や、地域社会での感染レベルの活発な変動が起きた場合に、これらの知見も変化するかに関しては、確実なことはいえない」としている。

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末梢性T細胞リンパ腫および皮膚T細胞性リンパ腫に、デニロイキン ジフチトクス国内承認/エーザイ

 エーザイは、2021年3月23日、デニロイキン ジフチトクス(商品名:レミトロ)について、「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」、「再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫」の効能効果で日本における製造販売承認を取得したと発表。 この承認申請は、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の患者を対象に国内で実施された多施設共同非盲検単群II相205試験などの結果に基づいて行われた。205試験の結果、PTCLおよびCTCL患者全体(36例)の奏効率(ORR)は、36.1%(95%CI: 20.8~53.8)であり、事前に設定した閾値奏効率を統計学的に有意に上回り、主要評価項目を達成した。PTCL(17例)およびCTCL(19例)のORRは、それぞれ41.2%、31.6%であった。本試験で認められた上位5つの主な治療発現有害事象は、AST増加(89.2%)、ALT増加(86.5%)、低アルブミン血症(70.3%)、リンパ球減少症(70.3%)、発熱(51.4%)であった。  デニロイキン ジフチトクスは、インターロイキン-2(IL-2)とジフテリア毒素の部分配列からなる融合タンパク質で、腫瘍細胞表面上のIL-2受容体と特異的に結合する。細胞内に移行したジフテリア毒素断片がタンパク質合成を阻害し、細胞死を誘導することで抗腫瘍効果を示すと考えられている。

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第48回 GWまでに第3波の2倍も想定、病床確保計画の見直しへ/厚労省

<先週の動き>1.GWまでに第3波の2倍も想定、病床確保計画の見直しへ/厚労省2.オンライン資格確認システム、全額補助申請は今月まで3.DPC病院、稼働率80%以上を維持も予定外の再入院率は変化なし4.12日から始まる高齢者ワクチン、一部自治体では同時に一般人への接種も5.看護師の離職率、職員11.5%新卒8.6%と昨年比0.8%上昇6.死因究明等推進のために「死因究明等推進計画」の策定へ1.GWまでに第3波の2倍も想定、病床確保計画の見直しへ/厚労省田村厚生労働大臣は、23日の記者会見で、緊急事態宣言の解除後も新型コロナウイルス感染の再拡大が危惧されており、病床確保など一般医療と両立しつつ、「緊急対応策」を講じる準備が必要との考えを示した。厚労省は、都道府県に対して、5月までに最大患者数が今冬の2倍程度になる事態も想定した新たな感染者受け入れ計画を策定するよう通知を発する予定。全国自治体病院協議会の小熊会長は、「都道府県などと連携して病床の確保に努めるが、一般医療機能の逼迫にもつながりかねない」と懸念を25日の定例記者会見で明らかにしている。(参考)コロナ病床の確保計画、都道府県に見直し求める 厚労省(朝日新聞)さらなるコロナ病床確保に努めるが「一般医療機能の逼迫」懸念、重点医療機関等は2020年度黒字の可能性も―全自病・小熊会長(Gem Med)田村大臣会見概要 2021年3月23日(厚労省)資料 緊急事態宣言解除後の新型コロナウイルス感染症への対応(新型コロナウイルス感染症対策本部)2.オンライン資格確認システム、全額補助申請は今月まで厚生労働省は、26日に開催された社会保障審議会・医療保険部会において、健康保険証の代わりにマイナンバーカードを用いたオンライン資格確認システムの運用開始を、半年間先送りにすることを決定した。これまでの試験運用において、健康保険組合が管理する情報が一部で不正確だったため、3月末の予定を延期し、当面は試行運用を続け、今年10月の本格運用を目指す。なお、医療機関などが今月末までに申し込めば、カードリーダーなどのシステム改修費について国費で全額補助されるが、4月以降の補助は減額される。21日時点での申し込み数は、病院で約5,000(60.4%)、薬局で約4万(66.5%)と報告されている。(参考)保険証利用の本格運用先送り マイナカード、トラブルで―厚労省(時事ドットコム)厚労省 オンライン資格確認の本格導入を「遅くとも10月まで」に延期 プレ運用は継続(ミクスOnline)資料 オンライン資格確認等システムについて(厚労省)3.DPC病院、稼働率80%以上を維持も予定外の再入院率は変化なし中央社会保険医療協議会・総会が24日に開催され、2019年度DPC導入の影響評価に係る「退院患者調査」の結果が報告された。平均在院日数は、大学病院本院で12.21日、DPC特定病院群、DPC標準病院群ではそれぞれ34日、11.76日といずれも過去5年で最短となっている。一方、病床利用率は、大学病院本院群82.3%、DPC特定病院群85.9%、DPC標準病院群81.0%といずれも80%以上を維持したが、DPC準備病院や出来高病院ではそれぞれ78.7%、75.5%と低迷している状況がうかがえる。また、計画外の再入院率ではいずれの病院群でも、3~4%と過去5年間で大きな変動はなく、在院日数短縮による影響は認められていない。(参考)資料 2019年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告(厚労省)病床利用率80%超の高水準を継続、DPC病院 中医協、平均在院日数の短縮続き(CBnewsマネジメント)4.来月開始の高齢者ワクチン、一部自治体では同時に一般人への接種も河野 太郎ワクチン担当相は、26日の記者会見において、4月12日に始まる高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種について、欧州の承認が前提となるが、GW明けの5月中旬に約490万人分を配送することを明らかにし、5月9日までに配送する330万人分と合わせ、計820万人分が各自治体に届くため、高齢者向けの接種が大型連休後に拡大することを発表した。また、1バイアルで6回分が接種できる特殊な注射器が使用可能となるのは5月中と明らかにした。なお、人口1,000人以下の一部の自治体や離島では、高齢者と同時に一般の人にも接種が行われる見通しを示した。(参考)注射器を“切り替え” 高齢者もワクチン1瓶で6回接種へ(TBS NEWS)ワクチン接種 人口少ない自治体など 高齢者に合わせ一般の人も(NHK)資料 高齢者向け接種を実施するための新型コロナワクチン等の配分について(厚労省 事務連絡令和3年3月26日)5.看護師の離職率、職員11.5%新卒8.6%と昨年比0.8%上昇日本看護協会が行った「2020年病院看護実態調査」の結果、昨年度、全国の医療機関に勤める看護職員の離職率は11.5%、新卒採用された看護師の離職率は8.6%と、それぞれ前年度より0.8%上昇したことをプレスリリースで明らかにした。また、今回初めて採用の困難さが報告されている看護補助者の採用・離職の状況などについて調査したところ、「研修の充実」「意見を吸い上げ」など採用・定着のための取り組みを行っているにもかかわらず、離職率は29.9%と著しく高いことが明らかとなった。今年春以降のワクチン接種に向けて、自治体では医師のほか看護人材の採用難に直面していることが報道でも明らかとなっており、医療現場のみならず介護サービスでも看護スタッフの採用などに影響が出そうだ。(参考)ニュースリリース「2020年 病院看護実態調査」結果(日本看護協会)看護職員の離職率増加 新型コロナ感染拡大が影響か(NHK)ワクチン集団接種、7割の自治体はぶっつけ本番? 2割は看護師確保見通せず 厚労省全市区町村調査(東京新聞)6.人材育成・設備強化など「死因究明等推進計画」の策定へ厚労省の死因究明等推進本部は、24日に「死因究明等推進計画検討会報告書」を発表した。わが国の制度は諸外国に比較すると十分ではないことや、犯罪行為により死亡したものを病死と判断する事例から死因究明体制の強化が求められてきたことを踏まえ、2020年7月から議論を重ねてきた内容を取りまとめたもの。施策として、死因究明等に係る人材の育成、教育および研究拠点、専門的な機関の全国的な整備などを求めている。この報告書をもとに、死因究明等推進本部では「死因究明等推進計画案」を決定し、政府に「死因究明等推進計画」の策定を働きかけることとなった。なお、都道府県ごとの大学の法医学教室における人員数を見ると、常勤医師数は全国で152人だが、中には常勤医師数1人のみで大学院生もいない大学もあるなど、法医学等死因究明に係る教育や研究拠点の整備に今後も国による支援が必要と考えられる。(参考)死因究明等推進計画検討会報告書の公表について(厚労省)資料 「死因究明等推進計画検討会報告書」(同)資料 「死因究明等の推進に関する参考資料」(同)

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これまでの研究の盲点を突くかたちで投げ込まれた一石(解説:野間重孝氏)-1368

 虚血性心疾患を発症しやすくする要素を危険因子と呼ぶことは、現在では一般の方でもよく知るところではないかと思う。その中でも本論文に取り上げられている危険因子は、可変的危険因子と呼ばれるものに当たる。危険因子には年齢・性別・家族歴なども入るが、これらは治療や本人の努力によって変えることができないためである。 ところが、ここで危険因子に関する誤解がある。それが本論文の指摘の主旨でもあるのだが、危険因子というのは発生リスクの予想ができたり、それらをコントロールすることによって1次予防、2次予防に資することができる因子を指している。しかし、それら因子は一旦起こってしまった虚血性心疾患の予後を規定する因子ではない。この点について、多くの人たちが無意識的に誤解している。さらに、危険因子をまったく持っていなくても、虚血性心疾患を発症する人は常にある一定数いるという事実である。著者らは、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)に関しては全発症数の10~20%強に上ることを、経験および疫学調査から示している。 近年になって、危険因子(-)群のSTEMIの発症の割合が相対的に増加している。なぜなら危険因子に対する治療(いわゆる至適内科治療)が行われるようになれば、危険因子(+)群でのSTEMIの発症頻度が減るからである。それに対して危険因子(-)群では発症予防策が講じられることがない。というより、こうした虚血性心疾患の発症の予防法は知られていない。それどころか、一体どのような人が危険因子(-)にもかかわらずSTEMIを発症するかという疫学も知られていない。これが非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)に至っては、ほとんど何もわかっていないのではないだろうか。 本論文は、STEMIの予後が危険因子(-)に起こった場合と危険因子(+)に起こった場合でどう異なるかを、大規模集団を対象として系統的に比較検討した、おそらく最初の研究ではないかと思われる。なお、本研究はretrospective studyであり、危険因子に対する把握が必ずしも正確ではないとの批判もあるだろうが、これだけの大きな集団を対象とした場合、傾向を見るという観点からは弱点にはならないと考える。実際、危険因子の影響を見るために治療法を変える医師は存在しない。結果、おそらく多くの読者が驚いたであろうように、急性期はほぼ予想どおりの結果であったが、長期予後ははっきり危険因子(-)群が悪く、しかもとくに女性で悪いというのである。女性で予後が悪いことは、STEMIの予後決定因子は発症の危険因子とは別物であることを強く示唆している。発症ということでいえば、女性であることは発症リスクの大きな軽減要因であるからだ。 この問題について著者らがどのような理由を考えているのかは、ぜひ知りたいところであるが、本論文のDiscussionは結果について淡々と検討しているのみで、彼らなりの仮説の提示は行われていない。まず危険因子(-)群がどのような特徴を有する群なのか、もっと徹底的な分析が行われてもよかったのではと考えた。というのも、Supplementによれば危険因子(-)女性は他群に比して高齢であり、primary PCIの施行率が低いからで、こういった点の補正も必要だったと考えられるからだ。また入院中は心臓死や脳卒中の発生率に差がないのに、全死亡が危険因子(-)群で高い。死亡原因は何だったのだろうか。梗塞のサイズは危険因子(-)群で大きかったが、しかしトロポニンや駆出率で補正してみても危険因子(-)群で予後はやはり悪い傾向があるようである。これはなぜなのか。長期予後の差は薬剤投与によりやや縮小したとはいうものの、解消されたわけではない。つまり、交感神経やレニン・アンギオテンシン系では説明のできない要素が絡んでいる可能性があるのである。 この分野は著者らが指摘しているように、あまり研究されてこなかった分野である。というより至適内科治療を確立する過程において、ある意味、意識的に無視されてきた分野だったのではないだろうか。今後の研究に大きな一石を投じた研究であるといえる。

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特発性門脈圧亢進症〔IPH:Idiopathic portal hypertension〕

1 疾患概要■ 概念・定義特発性門脈圧亢進症(idiopathic portal hypertension:IPH)とは、肝硬変、肝外門脈閉塞、肝静脈閉塞、およびその他の原因となるべき疾患を認めずに門脈圧亢進症を呈するもので、肝内末梢門脈枝の閉塞、狭窄により門脈圧亢進症に至る症候群をいう。なお、門脈圧亢進症とは門脈系の血行動態の変化により、門脈圧(正常値100~150mmH2O)が常に200mmH2O(14.7mmHg)以上に上昇した状態である。■ 疫学IPHは比較的まれな疾患で、年間受療患者数(2004年)は640~1,070人と推定され、人口100万人当たり7.3人の有病率と推定されている(2005年全国疫学調査)。男女比は約1:2.7と女性に多く、発症のピークは40~50歳代で平均年齢は49歳である。欧米より日本にやや多い傾向があり、また都会より農村に多い傾向がある。■ 病因本症の病因はいまだ不明であるが、肝内末梢門脈血栓説、脾原説、自己免疫異常説などがある。中年女性に多発し、血清学的検査で自己免疫疾患と類似した特徴が認められ、自己免疫疾患を合併する頻度も高いことからその病因として自己免疫異常、特にT細胞の自己認識機構に問題があると考えられている。■ 症状重症度に応じ食道胃静脈瘤、門脈圧亢進症性胃腸症、腹水、肝性脳症、汎血球減少、脾腫、貧血、肝機能障害などの症候、つまり門脈圧亢進症の症状を呈す。通常、肝硬変に至ることはなく、肝細胞がんの母地にはならない。■ 予後IPH患者の予後は静脈瘤(出血)のコントロールによって規定され、コントロール良好ならば肝がんの発生や肝不全死はほとんどなく、5年および10年累積生存率は80~90%と極めて良好である。また、長期観察例での肝実質の変化は少なく、肝機能異常も軽度である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ IPH診断のガイドラインIPHの診断基準は、厚生労働省特定疾患:門脈血行異常症調査研究班の定めた「門脈血行異常症ガイドライン2018年改訂版」1)のIPH診断のガイドラインに則る。1)一般検査所見(1)血液検査 1つ以上の血球成分の減少を示し、特に血小板数減少は顕著である。(2)肝機能検査正常または軽度異常が多い。(3)内視鏡検査食道胃静脈瘤を認めることが多い。門脈圧亢進症性胃腸症や十二指腸、胆管周囲、下部消化管などにいわゆる異所性静脈瘤を認めることもある。2)画像検査所見(1)超音波、CT、MRI、腹腔鏡検査a)巨脾を認めることが多い。b)肝臓は病期の進行とともに、辺縁萎縮と代償性中心性腫大となる。c)肝臓の表面は平滑なことが多いが、全体に波打ち状(大きな隆起と陥凹)を呈するときもある。d)結節性再生性過形成や限局性結節性過形成などの肝内結節を認めることがある。e)脾動静脈は著明に拡張している。f)著しい門脈・脾静脈血流量の増加を認める。g)二次的に門脈に血栓を認めることがある。(2)上腸間膜動脈造影門脈相ないし経皮経肝門脈造影肝内末梢門脈枝の走行異常、分岐異常を認め、その造影能は不良で、時に門脈血栓を認めることがある。(3)肝静脈造影しばしば肝静脈枝相互間吻合と「しだれ柳様」所見を認める。閉塞肝静脈圧は正常または軽度上昇にとどまる。(4)Scintiphotosplenoportography (SSP)SSPは経皮的に脾臓より放射性物質を注入し、その動態で最も生理的に近い脾静 脈血行動態のdynamic imageが得られるだけではなく、そのデータ処理にてさまざまな情報が得られる検査法である。SSPにより門脈血に占める脾静脈血の割合を求めると、正常では18.6%、慢性肝炎では48.0%、肝硬変では47.8%、IPHでは73.8%であった2)。つまりIPHでは、脾静脈血流が著明に増加している。3)病理検査所見(1)肝臓の肉眼所見時に萎縮を認める。表面平滑な場合、波打ち状や凹凸不整を示す場合、変形を示す場合がある。割面は被膜下の実質の脱落をしばしば認める。門脈に二次性の血栓を認める例がある。また、過形成結節を認める症例がある。肝硬変の所見はない。(2)肝臓の組織所見肝内末梢門脈枝の潰れ・狭小化、肝内門脈枝の硬化症および側副血行路を呈する例が多い。門脈域の緻密な線維化を認め、しばしば円形の線維性拡大を呈する。肝細胞の過形成像がみられ結節状過形成を呈することがあるが、周囲に線維化はなく、肝硬変の再生結節とは異なる。(3)脾臓の肉眼所見著しい腫大を認める。(4)脾臓の組織所見赤脾髄における脾洞(静脈洞)の増生、細網線維や膠原線維の増加、脾柱におけるGamna-Gandy結節を認める。本症は症候群であり、また病期により病態が異なることから、一般検査所見、画像検査所見、病理検査所見によって総合的に診断されるべきである。確定診断は肝臓の病理組織学的所見の合致が望ましい。除外疾患は肝硬変症、肝外門脈閉塞症、バッド・キアリ症候群、血液疾患、寄生虫疾患、肉芽腫性肝疾患、先天性肝線維症、慢性ウイルス性肝炎、非硬変期の原発性胆汁性胆管炎などが挙げられる。■ 重症度分類「門脈血行異常症ガイドライン2018年改訂版」1)ではIPHの重症度分類も定められている。重症度I  診断可能だが、所見は認めない。重症度II 所見は認めるものの、治療を要しない。重症度III所見を認め、治療を要する。重症度IV身体活動が制限され、介護も含めた治療を要する。重症度V 肝不全ないし消化管出血を認め、集中治療を要する。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 治療適応IPHの治療対象は、門脈圧亢進症に伴う食道胃静脈瘤、脾機能亢進に伴う汎血球滅少症、脾腫である。治療法としては、食道胃静脈瘤症例では内視鏡的治療、塞栓術、手術療法など、内科的治療が難しい脾腫・脾機能亢進症例では塞栓術または手術療法を施行する。■ 食道静脈瘤1)食道静脈瘤破裂では輸血、輸液などで循環動態を安定させながら、内視鏡的静脈瘤結紮術(または内視鏡的硬化療法)にて一時止血を行う。内視鏡的治療が施行できない場合や止血困難な場合はバルーンタンポナーデ法を施行し、それでも止血できない場合は緊急手術も考慮する。2)一時止血が得られた症例では、全身状態改善後、内視鏡的治療や待期手術を考慮する。3)未出血の症例(予防例)では、「門脈圧亢進症取扱い規約【第3版】」3)に従って静脈瘤所見を判定し、F2、3またはRC陽性の場合、内視鏡的治療や手術を考慮する。4)手術療法としては、選択的シャント手術として選択的遠位脾腎静脈吻合術(DSRS)や、直達手術として下部食道離断+脾摘+下部食道・胃上部血行郭清を加えた食道離断術または内視鏡的治療と併用して脾摘術+下部食道・胃上部の血行郭清(ハッサブ手術)を行う。■ 胃静脈瘤1)食道静脈瘤と連続して存在する噴門部静脈瘤に対しては食道静脈瘤の治療に準じて対処する。2)孤立性胃静脈瘤破裂例では輸血、輸液などで循環動態を安定させながら、内視鏡的硬化療法にて一時止血を行う。内視鏡的治療が施行できない場合や止血困難な場合はバルーンタンポナーデ法を施行し、それでも止血できない場合はバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration:B-RTO)などの塞栓術や緊急手術も検討する。 3)一時止血が得られた症例では、全身状態改善後、内視鏡的治療追加やB-RTO などの塞栓術、待期手術(DSRSやハッサブ手術)を検討する。4)未出血症例(予防例)では、胃内視鏡所見を参考にして内視鏡的治療、塞栓術、手術(DSRSやハッサブ手術)を検討する。■ 脾腫、脾機能亢進症巨脾に合併する症状(疼痛、圧迫)が著しい場合および脾機能亢進症(汎血球減少)による高度の血球減少(血小板5×104以下、白血球3,000以下、赤血球300×104以下のいずれか1項目)で出血傾向を認める場合は部分的脾動脈塞栓術(PSE)または脾摘術を検討する。PSEは施行後に血小板数は12~24時間後に上昇し始め、ピークは1~2週間後である。2ヵ月後に安定し、長期的には前値の平均2倍を維持する。4 今後の展望IPHの原因はいまだ解明されていない。しかし、静脈瘤のコントロールが良好ならば、予後は良好であるため静脈瘤のコントロールが重要である。予後が良いため長期的に効果が持続する手術療法が施行されている。近年、低侵襲手術として腹腔鏡下手術が行われており、食道胃静脈瘤に対する手術も腹腔鏡下手術が中心となっていくであろう。5 主たる診療科消化器外科、消化器内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病センター 特発性門脈亢進症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班. 門脈血行異常症ガイドライン 2018年改訂版. 2018.2)吉田寛. 日消誌. 1991;88:2763-2770.3)日本門脈圧亢進症学会. 門脈圧亢進症取扱い規約 第3版. 金原出版.2013.公開履歴初回2021年03月29日

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用 その3【「実践的」臨床研究入門】第6回

「観察研究」と「介入研究」CQ 慢性腎臓病(CKD) の進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することは推奨されるか?推奨CKD の進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することを推奨する。ただし、画一的な指導は不適切であり、個々の患者の病態やリスク、アドヒアランスなどを総合的に判断し、腎臓専門医と管理栄養士を含む医療チームの管理の下で行うことが望ましい (推奨グレード B 1)。前回までに、設定したCQに類似する上記のCQの記載と回答(推奨)を、「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」で見つけ、本文の解説を読み込みました。解説文(筆者がまとめた概要)では、下記のように先行研究を引用して、CKD患者における食事療法(低たんぱく食)に関するエビデンスが述べられています。CKD患者におけるたんぱく質制限による腎保護効果は、これまで多くのランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)1-11)や、それらを統合(メタ解析)した、いくつかのシステマティック・レビュー12-18)で検討されている。CKD患者(とくに糖尿病非合併例)に対するたんぱく質制限は、腎機能低下抑制に有効な可能性がある。RCTやシステマティック・レビューといった臨床疫学用語が出てきたので、ここでは臨床研究の「型」について簡単に解説してみたいと思います。臨床研究の「型」は「観察研究」と「介入研究」に大別されます。「観察研究」では研究目的を意識した介入(I)は加えずに、ある疾患やそれに対する診療の実態をありのままに観察します。一方、「介入研究」は、研究者が研究の対象(P)に対して意図した介入(I)を加えたうえでアウトカム(O)を追跡します。「介入研究」は介入(I)をP(対象)にランダム(無作為)に割り付けるか否かによって、RCTとnon-RCTに分類されます。「介入」の効果を科学的に検証するためには介入(I)群と対照(C)群の「比較の妥当性」をできる限り担保する必要があります。「ランダム割付」によって、介入(I)群と対照(C)群の間でアウトカムに影響する可能性のある背景因子を揃えることが期待でき、高い「比較の妥当性」を得ることができます(non-RCTはこの「ランダム割付」という「介入研究」の最大の「強み」を活かしていないので、「介入研究」≒RCTと捉えて良いのではないか、と筆者は考えています)。「内的妥当性」と「外的妥当性」また、前回まとめたように、「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」では、上記のCQに対する推奨(回答)が根拠とするこれまでのエビデンスのひとつの限界として、以下のように言及されています。これらのエビデンスはほとんどが適格基準が厳しいRCTで示されたものである。また、腎臓専門医ならびに管理栄養士の指導の遵守率が高い状態の研究結果でもあり、CKD診療一般にあてはめることは難しい可能性がある。われわれが行おうとしている研究は「観察研究」です(連載第1回冒頭のダイアローグ参照)。「ランダム割付」した「介入研究」、いわゆるRCTは、介入(I)群と対照(C)群を公平に比較できることが期待されます。したがって、前述したとおりRCTは「比較の妥当性」が高く(別の言い方で、「内的妥当性」が高い、とも言います)、エビデンスレベルも「観察研究」より高く位置づけられています。それでは、「観察研究」の価値はRCTと比べて著しく低いのでしょうか、そんなことはありません。「内的妥当性」に対して「外的妥当性」という臨床疫学用語があります。「外的妥当性」とは、ざっくり言うと、ある特定の臨床研究で得られた結果を、その臨床研究で対象としたサンプル(研究対象集団)以外の集団に対しても当てはめることができるか、ということです(別の言い方で、「一般化可能性」、とも言います)。確かにRCTは前述したとおり「内的妥当性」には優れています。しかしRCTの適格基準を満たし、かつRCTの参加に同意する患者集団は、現実の一般的な診療で対象としている患者集団とかけ離れているかもしれません。なぜなら、RCTでは高齢者や重篤な併存疾患があるようなリスクの高い患者さんは適格基準を満たさず除外されてしまうことが多いからです。また、RCTへの参加に同意する患者さんは、そうでない患者さんに比べて健康意識が高く、日常の診療でも治療遵守の程度も高いかもしれません。このようなことから、一般にRCTは「内的妥当性」は高いけれども「外的妥当性」が低いことが多い、と言われます。「内的妥当性」と「外的妥当性」のバランスの観点から、われわれが行う「観察研究」でも新たなエビデンスを積み上げる余地(ニッチ)がはあると判断して、研究デザインの検討を前に進めて行きます。もちろん「観察研究」はRCTと比較して「内的妥当性」が低いことは否めません。研究デザインや統計解析計画で「観察研究」の「内的妥当性」を高める工夫についても、おいおい、解説して行きたいと思います。1)Ihle BU et al. N Engl J Med 1989;321:1773-7.2)Brouhard BH et al. Am J Med 1990;89:427-31.3)Zeller K et al. N Engl J Med 1991;324:78-84.4)Williams PS et al. Q J Med 1991;81:837-55.5)Klahr S et al. N Engl J Med 1994;330:877-84.6)Hansen HP et al. Kidney Int 2002;62:220-8.7)Pijls LT et al. Eur J Clin Nutr 2002;56:1200-7.8)Meloni C et al. J Ren Nutr 2004;14:208-13.9)Koya D et al. Diabetologia 2009;52:2037-45.10)Cianciaruso B et al. Am J Kidney Dis 2009;54:1052-61.11)Garneata L et al. J Am Soc Nephrol 2016;27:2164-76.12)Kasiske BL et al. Am J Kidney Dis 1998;31:954-61.13)Pan Y et al. Am J Clin Nutr 2008;88:660-6.14)Fouque D et al. Cochrane Database Syst Rev 2009:CD001892.15)Robertson L et al. Cochrane Database Syst Rev 2007:CD00218116)Nezu U et al. BMJ Open 2013;3:e002934.17)Rughooputh MS et al. PLoS One 2015;10:e0145505.18)Jiang Z et al. Int Urol Nephrol 2016;48:409-18.1)福原俊一. 臨床研究の道標 第2版. 健康医療評価研究機構;2017.2)木原雅子ほか訳. 医学的研究のデザイン 第4版. メディカル・サイエンス・インターナショナル;2014.3)矢野 栄二ほか訳. ロスマンの疫学 第2版. 篠原出版新社;2013.4)中村 好一. 基礎から学ぶ楽しい疫学 第4版. 医学書院;2020.5)片岡 裕貴. 日常診療で臨床疑問に出会ったときに何をすべきかがわかる本 第1版.中外医学社;2019.

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