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第27回 見切り発車のオンライン診療には課題が山積み!恒久化の前にやるべきこと

菅 義偉首相は、オンライン診療の恒久化を目指している。現在、新型コロナ対応の特例措置により、初診も含め全面解禁している(2020年4月~)が、そこから見えてきた課題を解決してから、恒久化を進める必要があるのではないだろうか。ここ半年の厚生労働省の動きを改めて見てみる。厚労省は4月10日付の事務連絡において、電話・オンライン診療の初診を時限的に解禁した。ただし、以下の要件を付けている。濫用や横流しのリスクに対応するため、麻薬及び向精神薬の処方は不可。カルテや紹介状などで患者の基礎疾患を把握できない場合は、処方日数は7日間を上限とし、ハイリスク薬(抗がん剤や免疫抑制剤など安全管理のために専門による薬学的管理が必要な医薬品)の処方は不可。必要に応じて対面診療への移行を促す。その上で、初診で電話やオンラインによる診療を行った場合、都道府県に毎年届け、報告を受けた厚労省は3ヵ月ごとに改善のための検証を行うことになった。4~6月の実績がまとまり、8月6日に開かれた厚労省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」(座長=山本 隆一・医療情報システム開発センター理事長)。厚労省側から示された資料によれば、初診・再診を含め時限的・特例的な電話やオンラインでの診療に対応していたのは、医療機関の約13%(4~6月の平均)で、初診に対応していたのは約5%にとどまった。初診を電話やオンラインで対応することに懐疑的な医療機関が多かったものと思われるが、それでも3ヵ月で1万7,000人超の患者がオンライン上で受診していた。問題は、初診の半数以上が電話対応だったことだ。しかも、主な症状や疾患は「発熱」が最多で、次いで「上気道炎」「気管支炎」」が続いた。これらは新型コロナウイルス感染も疑いうる症状だが、多くのケースで自宅待機が指示されており、検査を受けるために対面診療を勧める「受診勧奨」は少なかった。いったい電話だけでどうやって判断したのだろうか。もう一つの問題点は、「不可」とされている麻薬や向精神薬も処方されていたことだ。また、ハイリスク薬を処方したケースは電話で43件、オンライン診療で29件あり、8日分以上処方したケースは541件に上った。特例措置で、麻薬などを処方してはいけないという要件が十分に周知されていなかったこともあり、厚労省は特例措置に対応した研修コンテンツの作成を検討することにした。患者側の利用方法にも問題があり、遠方の医師に電話・オンライン診療を受けるケースが見られたこともわかった。医師が対面診療の必要性を感じた時、患者の居住地域の医療事情がわからないと適切な医療機関を紹介できない可能性がある。そこで、今後はおおむね2次医療圏内に住んでいる患者を対象にするのが望ましいということになった。厚労省は8月26日付で、「電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いに関する留意事項」の事務連絡を発出した。これは先の検討会で報告された問題点を踏まえたもので、要件の徹底を求め、守っていない医療機関について、厚労省が都道府県に情報提供し、都道府県は実態調査を行った上、必要な指導を行うことなどを示した。課題に対する対応策を打ち出すのはいいのだが、どうも後手後手感が否めない。コロナが予断を許さない状況で対策が急がれるのは確かだが、ここまでの国の対応を見るにつけ、医療現場の懸念や疑問を丁寧に拾い上げて検証しておけば、もう少し先回りでルールづくりができたのではないかと思われる。オンライン診療は、コロナ共存時代の今となっては進めていくしかないのかもしれないが、音声だけで患者の表情や動きがわからない電話での初診には、懸念しか思い浮かばない。

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ニボルマブとイピリムマブの併用療法、MSI-High大腸がんへの国内適応拡大/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは、2020年9月25日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)との併用療法について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High:microsatellite instability-High)を有する結腸・直腸がん」への適応拡大に係る国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表。 今回の承認は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法による治療中または治療後に病勢進行した、もしくは同治療法に忍容性がなかった進行・再発のMSI-Highまたはミスマッチ修復欠損(dMMR)を有する大腸がん患者を対象に、ブリストル マイヤーズ スクイブが実施した多施設共同非盲検第II相臨床試験(CheckMate-142試験)のニボルマブとイピリムマブの併用療法コホートによる結果に基づいている。同試験では、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、主要評価項目である治験担当医師の評価による奏効率(ORR)において有効性を示した。本試験におけるニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された臨床試験のものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。ニボルマブは、単剤療法でがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸がんの効能又は効果で承認されているが、今回の承認によって、同効能又は効果に対して、ニボルマブとイピリムマブの併用療法でも使用が可能となった。

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AKT阻害薬ipatasertibが、PTEN欠損CRPCのPFS改善(IPATential150)/ESMO2020

 転移を有するPTEN欠損去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対する1次治療としての、AKT阻害薬ipatasertibとアビラテロン/プレドニゾロンの併用療法は、アビラテロン/プレドニゾロンに比べて、画像評価による無増悪生存期間(rPFS)を有意に延長することが示された。日本も参加した、この国際共同のプラセボコントロール第III相試験、IPATential150の結果は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で英国・The Royal Marsden HospitalのJohann De Bono氏より発表された。・対象:未治療のmCRPC患者・試験群:ipatasertib(400mg/日)+アビラテロン(1,000mg/日)++プレドニゾロン(5mg×2/日)を投与(IPAT群、547例・対照群:プラセボ+アビラテロン+プレドニゾロン(Pla群、554例)・評価項目:[主要評価項目]全症例(ITT)およびPTEN欠損症例における、主治医判定によるrPFS[副次評価項目]全生存期間(OS)、疼痛増悪までの期間、化学療法開始までの期間、奏効率、遺伝子検索(NGS)によるPTEN欠損症例におけるrPFSなど[統計学的設計]PTEN欠損症例におけるrPFS(α=0.05)、ITTでのrPFS(α=0.01)、PTEN欠損のOS、ITTのOSが順に解析される。 主な結果は以下のとおり。・1,101例が登録され、PTEN欠損(免疫組織化学染色[IHC]での腫瘍細胞のPTEN染色<50%)は521例であった。・PTEN欠損患者のrPFS中央値はIPAT群18.5ヵ月、Pla群16.5ヵ月、ハザード比(HR)は0.77(95%CI:0.61~0.98)、p=0.0335と有意にIPAT群で良好であった。・ITTにおけるrPFS中央値は、IPAT群19.2ヵ月、Pla群16.6ヵ月、HR0.84(95%CI:0.71~0.99)、p=0.0431であった。これは予め設定されていたp値の閾値(α=0.01)を下回らなかった。・PTEN欠損症例における奏効率は、Pla群39%に対し、IPAT群で61%と高かった(CR19%、PR41%)。・NGSによるPTEN欠損症例(208例)におけるrPFS中央値は、IPAT群19.1ヵ月、Pla群14.2ヵ月、HR0.65(95%CI:0.45~0.95)であった。・有害事象は、IPAT群でGrade3以上の皮疹、下痢、高血糖、肝機能異常などが多かった。重篤な有害事象はIPAT群で39.6%、Pla群で22.7%に認められた。有害事象中止は、IPAT群21.1%、Pla群5.1%、減量はそれぞれ39.9%、6.2%であった。

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Stage3A N2非小細胞肺がんへの術後放射線療法を評価(LungART)/ESMO2020

 Stage IIIA N2の非小細胞肺がん(NSCLC)の完全切除例に対する術後放射線治療(PORT)は議論の残る問題である。Stage IIIA N2のNSCLC完全切除例に対するPORTを評価する初の多施設無作為化第III相比較試験Lung ART試験の結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)にて、フランス・Gustave RoussyのLe Pechoux氏が発表した。・対象:完全切除のN2 Stage3A NSCLC(PS 0-2、術前・後後化学療法許容)・試験群:縦隔PORT(54Gy/27〜30分割)・対照群:PORTなし・評価項目:[主要評価項目]無病生存期間(DFS)[副次評価項目]毒性、局所制御、再発パターン、全生存期間(OS)、二次がん、治療関連毒性など 主な結果は以下のとおり。・2007年8月〜2018年7月、501例が登録され、PORT群252例、非PORT群249例に無作為に割り付けられた。・年齢の中央値は61歳、男性66%、腺がん73%であり、追跡期間中央値は4.8年であった。・DFS中央値は、PORT群30.5ヵ月、非PORT群28.0ヵ月と、PORT群で良好な傾向にあるが、その差は有意ではなかった(HR:0.85、95%CI:0.67〜1.07、p=0.16)。・イベントの内容を見ると、PORT群では死亡(14.6%)、非PORT群では縦隔再発(46.1%)が最も多かった。 ・3年OSはPORT群68.5%、非PORT群66.5%と差はなかった。・死亡はPORT群で39.4%、最も多い原因は心肺毒性(16.2%)、非PORT群では41.5%、最も多い原因は疾患進行または再発(86.1%)であった。・全Gradeの有害事象(AE)はPORT群92.1%、非PORT群では11.3%に発現。Grade3/4のAEはPORT群23.7%、非PORT群15.0%で発現した。 今回の試験の結果から、Pechoux氏は、完全切除Stage3A N2 NCSLCに対するPORTは、すべての症例に一貫したスタンダードとして推奨すべきではないとしている。

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Moderna社のコロナワクチン、高齢者に安全・有効か/NEJM

 米国・国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)とModerna(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)が共同で開発中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)mRNAワクチン「mRNA-1273」について、56歳以上の高齢者を対象にした第I相臨床試験の結果が明らかにされた。米国・エモリー大学のEvan J. Anderson氏らによる検討で、主な有害事象は軽度~中等度であり、2回接種後全例で中和抗体が検出。抗体結合・中和抗体力価は100μg用量群が25μg用量群よりも高値であることが示された。mRNA-1273については、すでに18~55歳を対象にした第I相臨床試験で安全性と被験者全例で中和抗体が検出されたことが報告されている。今回の結果を踏まえて著者は、「第III相臨床試験では100μg用量を用いることが支持された」と述べている。NEJM誌オンライン版2020年9月29日号掲載の報告。25μgまたは100μgを28日間隔で2回投与 研究グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疾患発症と死亡の増加が高齢者で多く認められることから、高齢者でウイルス感染を予防するワクチン候補の検討が重要であるとして本試験を行った。 試験は第I相の用量漸増非盲検試験。検討したmRNA-1273は、健康な成人の安定化融合前SARS-CoV-2スパイクタンパク質(S-2P)をエンコードする。 試験は高齢者40例を包含するよう拡大され、また被験者は年齢群(56~70歳または71歳以上)で層別化された。全被験者は28日間隔で、25μgまたは100μgの2つの用量のワクチンを順次接種されるよう割り付けられた。抗S-2P GMT、100μg群は25μg群よりも高値 試験期間中の有害事象は、主に軽度~中等度で、疲労感、寒気、頭痛、筋肉痛、注射部位の痛みなどの頻度が高かった。こうした有害事象は用量依存に認められ、2回目の接種後に発生率が高かった。 結合抗体反応は、初回接種後に急激に増大した。25μg群では、57日までの抗S-2P幾何平均抗体価(GMT)が、56~70歳群で32万3,945、71歳以上で112万8,391だった。また、100μg群のGMTはそれぞれ、118万3,066と363万8,522だった。 2回目を接種後、複数の方法によって全被験者で血清中和抗体が検出された。 結合抗体反応や中和抗体反応は、すでに公表された18~55歳を対象に行った試験結果と類似しており、また、回復患者の血清を用いた血清療法を受けた対照群の同中央値を上回っていた。なおワクチンは、1型ヘルパーT細胞が関与する強力なCD4サイトカイン反応を誘発したことが認められた。

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KRASG12C阻害薬sotorasib、進行固形がんに有望/NEJM

 複数の前治療歴のあるKRAS p.G12C変異が認められる進行固形腫瘍の患者に対し、sotorasibは、有望な抗腫瘍活性を示したことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのDavid S. Hong氏らによる第I相臨床試験の結果、報告された。Grade3または4の治療関連毒性作用の発生は11.6%であった。sotorasibは、開発中のKRASG12Cを選択的・不可逆的に標的とする低分子薬。KRAS変異をターゲットとしたがん治療薬は承認されていないが、KRAS p.G12C変異は、非小細胞肺がん(NSCLC)では13%、大腸がんやその他のがんでは1~3%で発生が報告されているという。NEJM誌2020年9月24日号掲載の報告。sotorasibを1日1回投与し、安全性などを評価 sotorasibの第I相臨床試験は、KRAS p.G12C変異が認められる進行固形腫瘍患者を対象に行われた。被験者は、sotorasibを1日1回経口投与された。 主要評価項目は安全性。主な副次評価項目は、薬物動態および固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECISTガイドライン)バージョン1.1で評価した客観的奏効だった。治療関連有害事象は約57%で発生 被験者は計129例(NSCLC 59例、大腸がん42例、その他の腫瘍28例)で、用量漸増および拡大コホートに包含された。被験者の転移がんに対する前治療数の中央値は3(範囲:0~11)だった。 用量制限毒性や治療関連死の有害事象は認められなかった。治療関連有害事象の発生は73例(56.6%)で、そのうちGrade3または4の発生は15例(11.6%)だった。 NSCLCの患者のうち、客観的奏効(完全または部分奏効)が確認されたのは32.2%(19例)で、病勢コントロール(客観的奏効または病勢安定)が認められたのは88.1%(52例)だった。無増悪生存期間の中央値は6.3ヵ月(範囲:0.0+~14.9[+はデータカットオフ時に打ち切られた患者データが含まれていることを示す])だった。 大腸がん患者では、客観的奏効が確認されたのは7.1%(3例)、病勢コントロールは73.8%(31例)、無増悪生存期間の中央値は4.0ヵ月(範囲:0.0+~11.1+)だった。膵がん、子宮内膜がん、虫垂がん、悪性黒色腫の患者においても、奏効が認められた。

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日本人統合失調症患者における経皮吸収型ブロナンセリンのD2受容体占有率

 経皮吸収型の抗精神病薬は、アドヒアランスの改善など、潜在的なベネフィットを有している。大日本住友製薬のHironori Nishibe氏らは、経皮吸収型ブロナンセリン1日1回の使用による線条体のドパミンD2受容体占有率について調査を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2020年9月16日号の報告。 本研究は、ブロナンセリン錠8mg/日または16mg/日で治療された、日本人統合失調症外来患者18例(20~64歳、スクリーニング時の陽性・陰性症状評価尺度[PANSS]スコア120未満)を対象とした非盲検第II相臨床試験である。対象患者は、2~4週間のブロナンセリン錠による治療後、経口用量に基づき、2~4週間の経皮吸収型ブロナンセリン1日1回使用の1日量10mg、20mg、40mg、60mg、80mgに割り付けられた。主要評価項目は、ブロナンセリンの線条体ドパミンD2受容体占有率とし、[11C]raclopride-PET画像を用いて測定した。副次評価項目は、用量別の受容体占有率の評価、PANSSおよび臨床全般印象度-重症度(CGI-S)スコアの変化、アドヒアランスに対する患者の意向、経皮吸収型製剤の粘着性とした。 主な結果は以下のとおり。・ブロナンセリン錠での治療を開始した患者18例のうち、14例が治療を完了した。・ブロナンセリンの錠剤および経皮吸収型製剤の用量別の平均D2受容体占有率は、以下のとおりであった。 ●ブロナンセリン錠8mg/日:59.2%(5例) ●ブロナンセリン錠16mg/日:66.3%(9例) ●経皮吸収型ブロナンセリン10mg/日:33.3%(3例) ●経皮吸収型ブロナンセリン20mg/日:29.9%(2例) ●経皮吸収型ブロナンセリン40mg/日:61.2%(3例) ●経皮吸収型ブロナンセリン60mg/日:59.0%(3例) ●経皮吸収型ブロナンセリン80mg/日:69.9%(3例)・受容体占有率は、錠剤、経皮吸収型製剤ともに用量依存的に増加していた。・受容体の50%阻害濃度(IC50)は、錠剤で6.9mg/日、経皮吸収型製剤で31.9mg/日であった。・受容体占有率の日内変動は、錠剤よりも経皮吸収型製剤のほうが小さかった。・経皮吸収型ブロナンセリンは、安全性に重大な問題は認められず、十分な忍容性が認められた。 著者らは「ブロナンセリンの経皮吸収型製剤は錠剤と比較し、D2受容体占有率の日内変動が小さく、錠剤8mg/日から経皮吸収型製剤40mg/日、錠剤16mg/日から経皮吸収型製剤80mg/日がそれぞれ適切な切り替え用量であると考えられる。経皮吸収型ブロナンセリンは、統合失調症の潜在的な新しい治療オプションであることが示唆された」としている。

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マイナンバーは医学研究にとっても不可欠だ(解説:折笠秀樹氏)-1292

 セクハラと自殺との関係を調べるときどうするだろうか。因果関係なので縦断研究が必要だろう。介入研究は無理なので観察研究になるだろう。だからコホート研究になる。しかし、セクハラと自殺を取り入れたコホート研究はあまりない。では、どうやって研究したのだろうか。 セクハラの実態に関する調査はよく行われている。それはいわゆる横断研究である。今回もそうだったようだ。横断研究では因果関係は捉えられない。そこでどうしたかというと、国民背番号をIDとして、患者医療データ(patient register)をリンクさせたようだ。自殺あるいは自殺企図というのは患者医療データから入手した。セクハラの実態は横断研究から入手した。どちらも日付がわかるので、セクハラを受けてから自殺あるいは自殺企図までの時間に関する比例ハザード分析ができた。 わが国だったらどうだろうか。セクハラに関する実態調査はあるだろう。自殺あるいは自殺企図についても、同じような患者医療データはあるだろう。それらのデータはリンクできるだろうか。両方のデータに共通する国民背番号がないとリンクはできない。本研究はスウェーデンで行われたが、個人識別番号という国民背番号があったようだ。アメリカならSocial Security numberがある。私も留学時代に与えられた。それで確定申告も行った。わが国ではマイナンバーがそれに当たるのだろうが、遅々として進んでいない。全員がマイナンバーを持ったとしても、それを医療データにひも付けしないといけない。そこでもハードルがあるに違いない。銀行口座とのひも付けでさえ拒んでいるのに、医療データなどもっての外だろう。個人情報保護を強く掲げるために、貴重な情報や知見を得られる可能性が損なわれているように思われてならない。

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「ウテメリン」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第20回

第20回 「ウテメリン」の名称の由来は?販売名ウテメリン錠®5mg※注射剤は錠剤のインタビューフォームと異なるため、今回は情報を割愛しています。ご了承ください一般名(和名[命名法])リトドリン塩酸塩(JAN)効能又は効果切迫流・早産用法及び用量通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)1.強度の子宮出血、子かん、前期破水例のうち子宮内感染を合併する症例、常位胎盤早期はく離、子宮内胎児死亡、その他妊娠の継続が危険と判断される患者[妊娠継続が危険と判断される。]2.重篤な甲状腺機能亢進症の患者[症状が増悪するおそれがある。]3.重篤な高血圧症の患者[過度の昇圧が起こるおそれがある。]4.重篤な心疾患の患者[心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある。]5.重篤な糖尿病の患者[過度の血糖上昇が起こるおそれがある。また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある。]6.重篤な肺高血圧症の患者[肺水腫が起こるおそれがある。]7.妊娠16週未満の妊婦8.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者※本内容は2020年10月7日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2016年2月(改訂第5版)医薬品インタビューフォーム「ウテメリン®錠5mg」2)キッセイ薬品:製品情報

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第27回 トランプ大統領に抗体カクテル投与 その意味と懸念

トランプ入院、世界の医療現場にも影響こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。週末は、高尾山にハイキングに行って来ました。599mの低山ですが、NHKの人気番組「ブラタモリ」でも紹介された東京有数の観光地です。たまたま先週の「ブラタモリ」は「日本の山スペシャル」で、2016年放送の高尾山の回のダイジェストを放送していたのですが、こうした番組を観ても実際に登っても、その魅力がよくわからない不思議な山です。いつもとても混んでいますが、先週も激混みで、登山道は夏の富士山並みに長い行列ができていました。印象的だったのは高齢者(60~70代)の登山者が目立っていたことです。コロナ禍で、北アルプスや南アルプス、あるいは八ヶ岳や奥秩父といった山は高齢者登山者が激減しています。勢い、日帰りで登れる高尾山などの低山の人気が高まっているようです。しかし、標高599mと言っても山は山。谷沿いの6号路などは足を踏み外すと危ない場所もあります。高齢者は山での事故率が高く、今後、高尾山での遭難や事故が増えそうで心配です。さて、今回は日本の医療現場から少し離れ、世界の医療現場にも影響を及ぼしかねない、米国のドナルド・トランプ大統領が新型コロナウイルス感染で受けたとされる治療法について、少し考えてみたいと思います。「コンパッショネート・ユース」で未承認の抗体医薬投与トランプ米大統領は2日未明(現地時間)にツイッターで、自分自身とメラニア夫人が新型ウイルス陽性となったことを発表。同日に、首都ワシントン郊外のウォルター・リード陸軍医療センターに入院しました。CNNなどの米メディアをはじめ、日本でも各紙がトランプ大統領の容態やホワイトハウスで発生したクラスターの状況を逐一伝え、5日の退院後も報道合戦は続いています。それらの報道を読んで気になったのは、トランプ大統領が投与されている治療薬です。10月3日付のCNNは、トランプ大統領が2日、米国のバイオテクノロジー企業リジェネロン・ファーマシューティカルズ(Regeneron Pharmaceuticals)社が開発した未承認の抗体医薬8gの投与を受けたとホワイトハウスが公表した、と報じました。リジェネロン社も同治療薬を提供したことを確認。大統領の主治医から未承認薬の人道的使用を認める、いわゆる「コンパッショネート・ユース」の要請があったと明らかにした、とのことです。トランプ大統領の治療薬としては、その後、レムデシビル、デキサメタゾンの投与も明らかになっていますが、未承認の抗体医薬をまず使った、というところがなかなかに興味深い点です。また、大統領といえども「勝手に使わせろ」と薬の提供を求めたのではなく、米国のコンパッショネート・ユースの制度に則った点も面白いです。もっとも、米国において未承認薬のコンパッショネート・ユースが例外的に認められるのは、ほかの代替療法では効果が得られなかった場合とされており、トランプ大統領への投与を「ゴリ押しだ」との批判も上がっているようです。「血漿療法」よりも有望と判断かさて、トランプ大統領に使われたリジェネロンの抗体医薬は「REGN-COV2」という名称で開発中の薬です。2種のモノクローナル抗体を組み合わせた薬のため「Antibody Cocktail(抗体カクテル)」とも呼ばれています。ワクチンはヒトの体に抗体をつくらせて感染予防や重症化予防の効果をもたらすものですが、抗体医薬とは、抗体そのものを投与して疾患を治療するものです。同様の考え方に基づいて、新型コロナウイルス感染症から回復した患者から提供された血液から、血漿を調製して患者に投与する「回復期患者血漿療法」も、重篤な患者に対する緊急措置として米国などで行われてはいますが、現時点で明確な有効性は実証されていません。ちなみに米国では、2020年8月、新型コロナウイルス感染症の重症患者を対象に、血漿療法の緊急使用許可(Emergency Use Authorization:EUA)が降りています。メイヨー・クリニックが主導した臨床試験(非盲検)が「有効性がある可能性がある」と米食品医薬品局(FDA)が判断した結果です。しかし、これをトランプ大統領が「FDAのお墨付きを得た」「死亡率を35%低下させる」などと絶賛、その後データ解釈の誤りなども発覚し、物議を醸したこともありました。そのトランプ大統領が自ら絶賛した血漿療法ではなく、未承認の抗体医薬を選んだのはご愛嬌とも言えます。主治医チームの「血漿療法より有望」との判断が働いたためでしょう。 2つのモノクローナル抗体をカクテルに「REGN-COV2」は、回復者由来の抗体や、遺伝子操作でヒトと同様の免疫系を持つようにしたマウスにウイルスを免役して得られた抗体から、実験で新型コロナウイルスの中和に最も効果があった2つの抗体を選出し、組み合わせた薬剤だと報道されています。なお、2つの抗体をカクテルにした理由としては、ウイルス変異への対応に効果的だからのようです。同薬についてリジェネロン社は6月に臨床試験を開始。9月29日には、非入院患者275人を対象に行った臨床試験の結果を発表し、「同治療薬の安全性が確認され、ウイルスレベルの低減や症状の改善に効果があったとみられる」としています。感染前に投与する予防薬としても期待「REGN-COV2」以外にも、新型コロナウイルスの中和抗体の抗体医薬の開発は全世界で進められています。感染初期に投与して発症や重症化を防ぐ治療薬としてのみならず、ワクチンのように感染前に投与する予防薬としても期待されているようです。実際、「REGN-COV2」に先駆けて研究が進む米国イーライリリー社の抗体医薬「LY-CoV555」は、NIHの主導でナーシングホームの入所者と医療従事者を対象にした二重盲検の第III相臨床試験が進んでいます 。同試験では、主要評価項目として、新型コロナウイルスに感染した割合が設定されており、高リスクの高齢者を対象に感染を減らせるかどうかを評価するとしています。なお、「LY-CoV555」は、米国で最初にCOVID-19から回復した回復期患者の血中から抗体遺伝子をクローニングし、わずか3カ月で作成にこぎ着けた中和抗体で、こちらはカクテルではありません。高価な抗体医薬は予防的に使えるか?トランプ大統領の容態については、「快方に向かっている」との報道があった一方で、「高齢で肥満なので依然楽観できない」との見立てもありましたが、10月5日に強行退院してしまいました。医療チームにはウォルター・リード陸軍医療センターだけではなく、ジョンズ・ホプキンス大学のなど複数の医療機関の医師も入っており(医師団の記者会見ではジョンズ・ホプキンス大学の医師も話していました)、世界最高レベルの治療が行われたことは確かです。ここで気になるのは、入院初期に投与された「REGN-COV2」の役割です。仮に、抗体医薬投与が 非常に効果的だった、ということになれば、感染初期や予防的に投与する薬として大きな脚光を浴びるでしょう。しかし、抗体医薬は非常に高価なため、予防的に多くの人に投与する場合には、財政的な問題が浮上してきます。また、保険適用にならず、富裕層だけが自費で使用するという形になれば、医療格差が指摘されるかもしれません。もっとも、抗体医薬の効果の持続期間によって何度も打ち続けることになりそうで、それはそれで大変そうです。70歳以上入院時重症例の死亡率は20.8%大統領選を気にしてか、トランプ大統領の入院はわずか3泊4日でした。今後、果たして、残り少ない大統領選の最前線に立ち、合併症なくあの独特の弁舌を復活させることができるでしょうか。ちなみに、日本の国立国際医療研究センター・国際感染症センターの研究グループは9月30日、新型コロナウイルス感染症で入院した患者の死亡率を、2020年6月5日までの第1波の入院症例と、治療法が固まってきた2020年6月6日以降の第2波の入院症例に分けて公表しました。それによると、トランプ大統領が当てはまる、6月6日以降の「70歳以上入院時重症例(入院時酸素投与、SpO2 94%以下に該当と仮定)」の死亡率は20.8%です。これはそこそこ高い数字です。高齢者登山と同様、タフなトランプ大統領といえども、楽観は禁物でしょう。

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初回訪問で服用薬の処方経緯を確認し、減薬を提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第28回

 今回は、新しく担当することになった在宅患者さんの処方薬を整理した事例を紹介します。患者さんとの面談で、どのような経緯があって処方された薬剤なのかをよく確認してみると、減薬のヒントを見つけられることが多々あります。漫然処方を解消するためにも、薬剤師がヒアリングして情報収集することは非常に重要です。患者情報90歳、女性(個人在宅)基礎疾患高血圧症介護度要支援2既往歴半年前に血便あり(精査なし)訪問診療の間隔2週間に1回介護サービスの利用週1回、通所介護在宅訪問開始の理由前任の薬局が閉局したため、当薬局で引き継いだ。備考過去に降圧薬を後発医薬品に変更して血圧が上昇したことがあり、降圧薬は先発医薬品がいいというこだわりがある。処方内容1.アムロジピン錠5mg 1錠 分1 朝食後2.カンデサルタン シレキセチル錠8mg 1錠 分1 朝食後3.クエン酸第一鉄ナトリウム錠50mg 1錠 分1 朝食後4.クロチアゼパム錠5mg 1錠 分1 就寝前5.ファモチジン錠20mg 2錠 分2 朝夕食後6.ジフェニドール塩酸塩錠25mg 3錠 分3 毎食後7.ビフィズス菌製剤散 3g 分3 毎食後本症例のポイントこの患者さんは長年訪問診療を利用していましたが、前任の薬局が閉局したため、当薬局で引き継ぐことになりました。ご高齢者の独居ということで、これらの薬剤をしっかりと服用できているかどうか確認が必須だと考えました。初回訪問時に服薬管理状況と残薬を確認したところ、薬剤はピルケースに1週間分をセットしてご自身で管理されていました。しかし、降圧薬は飲み忘れなく服薬しているものの、他の薬剤は自己調節していました。服用理由は曖昧で、効果も評価もされないまま飲み続けていることもわかりました。そこで、患者さんとの面談で、各薬剤が処方された経緯や服薬状況、残薬を確認し、整理してみると下表のようになりました。画像を拡大するこのように、症状や処方の経緯、薬に対する考え方を聴取しました。減らせる薬剤があれば減らしたいという患者さんの想いも確認し、医師に処方整理を提案することにしました。処方提案と経過医師に、トレーシングレポートで残薬の状況と現在の服用状況を報告しました。ファモチジンとジフェニドールについては、服用していなくても症状が出ていないことから中止を提案し、クエン酸第一鉄ナトリウムについては一度血液検査をして貧血項目および血清鉄やフェリチン、総鉄結合能(TIBC)の評価を行うことを提案しました。医師より返事があり、ファモチジンとジフェニドールは中止の承認を得ることができ、クエン酸第一鉄ナトリウムについては採血して評価をするという返答がありました。患者さんからは、薬剤師に相談したことで薬剤数が減り、服薬の煩雑さが軽減されて良かったと喜んでもらえました。現在は降圧薬のみ定期内服しており、クロチアゼパム錠とビフィズス菌製剤散を頓用で継続しています。服薬アドヒアランスは維持できていて、経過も安定しています。

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ニボルマブ480mg4週ごと投与、国内承認/小野・BMS

 小野薬品工業と ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年9月25日、ヒト型抗ヒトprogrammed cell death-1(PD-1)ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の単独投与時の用法及び用量に関して、すでに承認を取得している全ての9つのがん腫において、これまでの 1回240mgを2週間間隔で点滴静注する用法及び用量に加え、1 回480mgを4週間間隔で点滴静する用法及び用量が追加になったと発表。  今回の用法及び用量の追加の承認によって、治療選択肢が増えること、患者および医療スタ ッフの利便性の向上に繋がるものと期待しているとしている。

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急増するオンライン学会、参加経験と満足度は?/医師1,000人に聞きました

 新型コロナウイルス感染症の影響により、今年には入って急増したのがオンライン(Web)上で行われる学会だ。感染流行初期の2、3月は開催中止に追い込まれる学会が多かったが、4月以降からオンラインへのシフトが本格化し、秋以降もオンライン上のみ開催、もしくは現地開催とのハイブリッド形式を採用する学会が大半となっている。 ケアネットでは、会員医師に協力いただき、オンライン学会への参加経験の有無や、参加した感想をアンケート形式で聞いた。2020年8月13日~19日に1,000名を対象にオンライン学会への参加経験の有無を聞き、「参加経験あり」の回答者に参加学会や満足度、感想を聞いた。半数以上が「参加経験有」と回答 「オンライン学会への参加経験あり」と回答したのは1,000名中556名。アンケートを実施した8月中旬時点で回答者の半数以上がオンライン学会へ参加した経験があった。参加経験者に絞った設問では、参加者が多かったのは日本内科学会、日本循環器学会、日本外科学会の順となった。オンライン化で気軽に参加できることも影響したのか、参加学会は海外学会も含めて多岐にわたり、計50以上の名前が挙がった。満足度は「10点満点中6.7点」 続いて参加したオンライン学会に対する満足度を「10点満点」で聞いた質問では、回答者の平均は6.7点となった。8点とした回答者が135名(24.2%)と最も多く、概ね満足した参加者が多かったようだ。参加者が5名以上いた学会のうち、日本内分泌学会(8.6点)、日本医学放射線学会(8.3点)、日本整形外科学会(7.9点)の順に満足度が高かった。一方、「0点」とした回答者は13名(2.3%)で、その全員が同じ学会の参加者だった。該当学会は当日の通信環境が悪く、サイトに接続できなかった参加者が多数いたことが低評価の要因となったようだ。よい点「移動時間がない」、悪い点「ライブ感がない」 参加者にオンライン学会のよかった点、悪かった点を聞いた設問(複数回答可)では、よい点は「移動時間がかからなかった」(356名・64.0%)が最も多く、「移動宿泊費がかからなかった・学会費が安くなった」(266名・47.8%)、「都合のよい時間に何回でも視聴できた」(260名・46.7%)が続いた。一方、悪かった点では「ライブ感がなく、参加した感覚に乏しかった」(159名・28.5%)、「現地の観光や飲食の楽しみがなくなった」(146名・26.2%)、「ほかの参加者とのコミュニケーションの機会が失われた」(138名・24.8%)、「通信環境・配信環境に難があった」(101名・18.1%)といった回答が続いた。しかし、「よかった点はない」との回答者が15名(2.6%)だったのに対し、「悪かった点はない」との回答者は72名(12.9%)と、オンライン学会に対して好意的な参加者が多いことが伺われる。「コロナにかかわらず、来年もオンライン希望」が6割以上 参加者の高い満足度の裏付けとして、「COVID-19の蔓延状況にかかわらず、来年以降も完全オンライン開催を希望しますか?」との設問に対し、「希望する」「どちらかといえば希望する」の回答者はあわせて64%となり、自由回答欄には「オンライン化の流れは変えられない」「来年以降もハイブリッド開催が主流になりそう」といった声が多く寄せられた。学会側は通信環境などの基本的な部分を整備しつつ、オンラインでのライブ感の醸成や参加者同士のコミュニケーション手段の用意など、ウィズコロナ時代の学会像を試行錯誤しながらつくる時代に入ったようだ。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。急増するオンライン学会、参加者の満足度は?

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認知症リスクに対するPTSDの影響~メタ解析

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、認知症発症の潜在的なリスク因子といわれている。しかし、このリスクを定量化するためのメタ解析はこれまで実施されていなかった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のMia Maria Gunak氏らは、一般集団におけるPTSDに関連する将来の認知症リスクを定量化するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2020年9月15日号の報告。 2019年10月25日までのPTSDと認知症リスクを評価した縦断的研究を、9つの電子データベースより検索した。研究全体の推定値をプールし、ランダム効果と固定効果モデルのメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・PTSDは、すべての原因による認知症リスクと有意に関連していることが認められた(プールされたハザード比[HR]:1.61、95%CI:1.43~1.81、I2=85.8%、p<0.001、169万3,678例、8研究)。・プールされたHRは、退役軍人で1.61(95%CI:1.46~1.78、I2=80.9%、p<0.001、90万5,896例、5研究)、一般集団で2.11(95%CI:1.03~4.33、I2=91.2%、p<0.001、78万7,782例、3研究)であった。・バイアスリスクが高い研究を除外してもなお、PTSDと認知症との間には有意な関連が認められた(HR:1.55、95%CI:1.39~1.73、I2=83.9%、p<0.001、168万4,928例、7研究)。・ほとんどの研究がレトロスペクティブに実施されており、エビデンスの不均一性は高かった。 著者らは「本研究は、PTSDと認知症リスクの関連を定量化した初めての研究である。PTSDは、すべての原因による認知症の強力かつ潜在的に修正可能なリスク因子であることが示唆された。今後は、潜在的なメカニズムやPTSD治療による認知症予防効果を調査するための研究が求められる」としている。

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患者人生に寄り添った治療法説明のために-協働意思決定の普及を

 Shared Decision Making (SDM、協働意思決定)をご存じだろうか? SDMとは、医療者と患者が治療法のエビデンスや患者を取り巻く環境、患者とその家族の治療生活に対する希望についての情報を共有し、一緒に治療方針を決めていくプロセスのことである。治療が患者のその後の人生を大きく左右するがんや末期腎不全などでは、早い段階で患者と医療者が話し合いの場を持ち互いに理解することが重要なため、このようなプロセスが必要とされる。 たとえば、末期腎不全患者に腎代替療法を説明する際、患者には腹膜透析、血液透析、腎移植の3つの選択肢がある。ところが、現状では医師の判断により1つの治療法しか患者に説明されていない場合が多いと言われている。また、患者にとっての最善の治療とは、エビデンスが優れている方法であると同時に患者自身の生活設計に見合ったものである。これらを解決するには、治療の前段階で患者と医療者との話し合う場、より良い治療選択の場を増やすことが必要であり、そのためのSDM普及が医療者に求められている。 SDM普及により期待されることは以下のとおり。・決定困難な臨床的決断を容易にする―合併症が多い高齢患者さんの腎代替療法―緩和/保存的治療・血液透析・腹膜透析・診療の質改善―患者さんの主体的参加―治療遵守度向上―治療選択の地域差・施設間格差が軽減 等・患者満足度の向上・緊急透析導入の回避につながることで、患者さんの計画的透析導入を強化・上記による医療費軽減 この普及活動とともに日本でSDMを支援するさまざまなツールや教材を開発・提供することで患者支援を行っているのが腎臓病SDM推進協会である。本協会のホームページ上には腎代替療法が始まる前から患者と医療者が話し合えるよう、事前に患者の不安を共有する際に有用な冊子も公開されている。 このほか、腎臓病SDM推進協会では、SDMの理解を進め、実践を支援するための医療者向けセミナーを2018年より毎年開催しているが、本年はコロナ禍によって見合わせとなった。その代わりホームページ上に『WEBで学ぶSDM ~基礎編~』を公開している。活用タイミングは大きな治療選択を迫る時だけではない 2019年より透析患者・保存期腎不全患者用の経口腎性貧血治療薬が続々と発売されている。既存の注射薬のエリスロポエチン製剤からの切り替えにより、身体への負担が軽減されるなどのメリットが期待されている一方で、副作用の懸念も大きい。治療法のように大きな決断を迫る時だけではなく、日々の処方切り替え時にも、SDMの活用が有用かもしれない。

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CAR-T細胞製剤liso-cel、再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫でCR53%/Lancet

 CD19を標的とする自家キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T細胞)製剤lisocabtagene maraleucel(liso-cel)は、さまざまな組織学的サブタイプや高リスクの病型を含む再発・難治性の大細胞型B細胞性リンパ腫患者の治療において、高い客観的奏効率をもたらし、重度のサイトカイン放出症候群や神経学的イベントの発生率は低いことが、米国・マサチューセッツ総合病院のJeremy S. Abramson氏らが行った「TRANSCEND NHL 001試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年9月19日号に掲載された。liso-celは、さまざまなサブタイプの再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫で高い奏効率と持続的な寛解が報告されているが、高齢者や併存疾患を持つ患者、中枢神経リンパ腫などの高リスク集団のデータは十分でないという。シームレス・デザインの多コホート試験で安全性と有効性を評価 本研究は、米国の14のがんセンターが参加したシームレス・デザイン(seamless design)の多コホート試験であり、2016年1月11日~2019年7月5日の期間に、個々の患者のCAR+T細胞を作製するための白血球アフェレーシスが実施された(Juno TherapeuticsとBristol-Myers Squibbの助成による)。 対象は、年齢18歳以上の再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫で、組織学的サブタイプとして、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、MYCおよびBCL2とBCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞性リンパ腫(double-hitまたはtriple-hitリンパ腫)、インドレントリンパ腫から形質転換したびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、原発性縦隔B細胞性リンパ腫、Grade3Bの濾胞性リンパ腫が含まれた。 liso-celは、2つの組成(CD8+CAR+T細胞、CD4+CAR+T細胞)として連続的に投与され、被験者は4つの用量(50×106 CAR+T細胞[レベル1]、50×106 CAR+T細胞を2回[レベル1D]、100×106 CAR+T細胞[レベル2]、150×106 CAR+T細胞[レベル3])のうち1つを投与する群に割り付けられた。 主要エンドポイントは、有害事象、用量制限毒性、客観的奏効率(Lugano基準で評価)とした。有効性の評価は、PETで確定され1回以上のliso-celの投与を受けたすべての患者を対象に、独立判定委員会によって行われた。客観的奏効率73%、完全奏効率53% 344例がCAR+T細胞(liso-cel)を作製するための白血球アフェレーシスを受け、このうち269例が少なくとも1回のliso-celの投与を受けた。レベル1に45例、レベル1Dに6例、レベル2に177例、レベル3に41例が割り付けられた。 全体の年齢中央値は63歳(IQR:54~70、範囲:18~86)、112例(42%)が65歳以上で、男性が65%であった。全身療法の前治療レジメン数中央値は3(IQR:2~4、範囲:1~8)で、260例(97%)が2ライン以上を受けていた。また、181例(67%)が化学療法抵抗性で、2次性中枢神経リンパ腫が7例(3%)含まれた。119例(44%)は、前治療で一度も完全奏効を達成していなかった。 白血球アフェレーシスを受けた344例のフォローアップ期間中央値は18.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:15.0~19.3)であった。全体として、liso-celの安全性と抗腫瘍活性には用量による差はなく、推奨至適用量は100×106 CAR+T細胞(50×106 CD8+CAR+T細胞、50×106 CD4+CAR+T細胞)であった。 有効性の評価は256例で行われた。このうち、客観的奏効は186例(73%、95%CI:66.8~78.0)で得られ、136例(53%、46.8~59.4)で完全奏効が達成された。 頻度の高いGrade3以上の有害事象として、好中球減少が161例(60%)、貧血が101例(37%)、血小板減少が72例(27%)に認められた。また、サイトカイン放出症候群は113例(42%)、神経学的イベントは80例(30%)で発現し、このうちGrade3以上はそれぞれ6例(2%)および27例(10%)であった。用量制限毒性は9例(6%)でみられ、このうち1例(50×106 CAR+T細胞)がびまん性肺胞傷害によって死亡した。最大耐用量は特定されなかった。 著者は、「これらのデータは、65歳以上の高齢者や中等度の併存疾患を有するさまざまなサブタイプの高リスク大細胞型B細胞性リンパ腫患者の治療におけるCAR-T細胞療法の使用を支持するものである。現在、初回再発時の大細胞型B細胞性リンパ腫や他の再発・難治性のB細胞性腫瘍における評価が進められている」としている。

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10月からロタワクチン定期接種化、知っておくべきことは?

 10月1日より、ロタウイルス胃腸炎のワクチンが定期接種となった。これに先立ってMSDが主催したプレスセミナーにおいて、日本大学の森岡 一朗氏(小児科学系小児科学分野)が疾患の特性やワクチン接種時の注意点について解説した。 ロタウイルス胃腸炎は冬の終わりから春にかけて流行する急性疾患で、下痢、嘔吐、発熱などの症状を引き起こす。ロタウイルスワクチンが導入される前は、国内で毎年約80万人が罹患し、7~8万人が入院し1)、数名が死亡していた。感染するのは5歳までの乳幼児が中心だが、5歳までの入院を要する下痢症に占める割合は42~58%と推計される2)。最近では5歳以上の幼児の感染が増加しており、10~20代の感染報告もある。糞口感染し、感染力が非常に強いことが特徴で、先進国においても乳幼児下痢症の主要原因であり、院内感染や保育所等での集団感染の報告例も多い。感染した場合、抗ウイルス薬などの治療法はなく、経口補液や点滴などの対症療法が中心となる。 ほとんどの乳幼児が2歳までに1度は感染するが、1回の感染では完全な予防免疫は得られないため、ワクチンが有効な感染・重症化予防策となる。ロタウイルスワクチンは2011年から導入されているが、これまで任意接種だったため、計2~3万円の費用がかかっていた。今回の定期接種化の対象は2020年8月1日以降に生まれた子で、指定期間内に接種すれば全額が補助される。ロタウイルスワクチンには1価と5価の2種類があり、1価は2回、5価は3回接種となるが、効果に差はない。 ロタウイルスワクチンの副反応として腸重積症の増加が懸念されてきたが、厚生科学審議会がロタウイルスワクチン導入前後の国内における5歳未満の腸重積症入院例を調査し、ワクチン導入後の腸重積症の増加のリスクよりもロタウイルス胃腸炎の予防のベネフィットが上回るとして、今回の定期接種化に踏み切った。定期接種化によって接種率のさらなる向上が見込まれる。

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胃がんのニボルマブ+化学療法1次治療、PFS改善(ATTRACTION-4)/ESMO2020

 国立がん研究センター中央病院消化管内科の朴 成和氏は、HER2陰性(HER2-)で未治療の切除不能な進行・再発の胃・胃食道接合部がん患者を対象としたニボルマブ+化学療法併用群(ニボルマブ併用療法群)とプラセボ+化学療法群(化学療法群)を比較した第II/III相臨床試験であるATTRACTION-4試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で発表。ニボルマブ併用により無増悪生存期間(PFS)は統計学的に有意な延長を認めたものの、全生存期間(OS)では統計学的に有意な延長は認めなかったと報告した。ATTRACTION-4試験から、ニボルマブ併用が胃がん1次治療の新たな選択肢に・対象:未治療のHER2-進行・再発胃・食道胃接合部がん(PS 0~1)724例・試験群:ニボルマブ360mg/日3週ごと+化学療法はSOX(S-1+オキサリプラチン3週ごと)あるいはCapeOX(カペシタビン+オキサリプラチン3週ごと)(ニボルマブ併用群、362例)・対照群:プラセボ+SOXあるいはCapeOX(化学療法群、362例)・評価項目:[主要評価項目]独立画像判定委員会の判定に基づく無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)[副次評価項目]研究者の判定に基づくPFS、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効までの期間(TTR)、最良奏効率(BOR)、安全性 ATTRACTION-4試験の主な結果は以下のとおり。・中間解析での独立画像判定委員会の判定に基づくPFS中央値は、ニボルマブ併用群が10.45ヵ月、化学療法群が8.34ヵ月で、ニボルマブ併用群において統計学的に有意な延長を示した(HR:0.68、98.51%CI:0.51~0.90、p=0.0007)。・1年PFS率はニボルマブ併用療法群が45.4%、化学療法群が30.6%であった。・OS中央値は、ニボルマブ併用療法群が17.45ヵ月、化学療法群が17.15ヵ月で両群間で統計学的に有意な差は認められなかった(HR:0.90、95%CI:0.7~1.08、p=0.257)。・ORRはニボルマブ併用療法群が57.5%、化学療法群が47.8%であった(p=0.0088)。・DoR中央値はニボルマブ併用療法群が12.91ヵ月、化学療法群が8.67ヵ月であった。・DCRはニボルマブ併用療法群が71.8%、化学療法群が68.5%であった。・TTRは両群とも1.4ヵ月であった。・Grade3~4の治療関連有害事象の発現率はニボルマブ併用療法群が57.1%、化学療法群が48.6%であった。 朴氏はATTRACTION-4試験ではOSの有意差は示せなかったものの、ORRはニボルマブ併用療法群で高率であり、持続性のある奏効状態が認められ、かつ安全性は管理可能なレベルだったと指摘。化学療法でのニボルマブ併用は「未治療の切除不能な進行・再発胃がん・食道胃接合部がんの一次治療での新たな選択肢となりうる」との見解を示した。

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アテゾリズマブおよびベバシズマブ、肝細胞がんに国内承認/中外

 中外製薬はアテゾリズマブ(商品名:テセントリク)およびベバシズマブ(商品名:アバスチン)について、切除不能な肝細胞がん(HCC)に対する適応追加の承認を、2020年9月25日、厚生労働省より取得したと発表。同治療は、2020年4月に優先審査に指定され、承認申請より7ヵ月での承認取得となった。 今回の承認は、全身薬物療法未施行の切除不能なHCCを対象に実施された第III相試験IMbrave150試験の成績に基づいている。アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法は、ソラフェニブ単剤と比較し、死亡リスクを42%、病勢進行または死亡リスクを41%減少させた(OSハザード比:0.58、95%CI:0.42~0.79、p=0.0006[層別log-rank検定])(PFSハザード比:0.59、95%CI:0.47-0.76、p

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