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スマホで糖尿病管理ができるアプリ登場/アボットジャパン

 アボットジャパン合同会社は、スマートフォンでスキャンすることで糖尿病患者の日常の糖尿病管理に用いることができる、わが国初のスマートフォンアプリ「FreeStyleリブレLink」の提供を2月10日より開始した。 “FreeStyleリブレ”(以下「リブレ」)は、持続グルコース測定技術を用いたデバイスで、50ヵ国(250万人以上)の人々がすでに使用している測定デバイス。わが国では2016年5月に製造販売承認を取得し、2017年1月に発売された。現在リブレは、糖尿病の病型を問わず「入院中の患者以外であって、強化インスリン療法を行っているものまたは強化インスリンを行った後に混合型インスリン製剤を1日2回以上使用しているもの」を対象に血糖自己測定器加算「C1507」が適用されている。また、その他のインスリン療法を施行中の患者がリブレを使用する際、月当たりの血糖自己測定(SMBG)回数を基に、血糖自己測定器加算「c1501-6」が適用されている。 今回提供が開始されたFreeStyleリブレLink(以下「アプリ」)は、リブレのセンサーと連動するよう設計されたモバイルアプリ。このアプリを搭載した互換性のあるスマートフォンでグルコース値を測定することができ、アプリを起動した互換性のあるスマートフォンでセンサーをスキャンすることで、グルコース値などのデータは、近距離無線通信によりスマートフォン上に表示される。 このアプリを利用することで、現在のグルコース値、血糖の変動傾向を示す矢印、および直近8時間の血糖変動(血糖トレンド)の把握ができ、最大90日分のデータによる血糖変動のトレンドや変動パターンを示すAGP(Ambulatory Glucose Profile)レポートを含む詳細な血糖データの表示をすることができる。また、インスリン投与のタイミング、食事や運動など、さまざまな出来事をノートとして追加することもできる。 同社では、このアプリの提供が「今後生活に関わるさまざまなデータを一体化させた血糖管理の実現に向けた、大きな1歩になると考えている」と期待を述べている。

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FoundationOne CDx、FGFR阻害薬pemigatinibのコンパニオン診断として承認取得/中外

 中外製薬は、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」について、選択的な線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR: fibroblast growth factor receptor)阻害薬であるpemigatinibのFGFR2融合遺伝子陽性の胆道がんに対するコンパニオン診断として、2月15日に厚生労働省より承認を取得したと発表。 今回の承認は、本プログラムによりpemigatinibで効果が期待できるFGFR2融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性胆道がんに対する使用について、適応判定の補助を可能にすることを目的としている。pemigatinibは、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社が、FGFR2融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性胆管がんの治療薬として、2020年9月14日に厚生労働省に対し承認申請を実施しており現在審査中。また、pemigatinibは同適応症に対し、厚生労働省による希少疾病用医薬品の指定も受けている。

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HFpEF患者の運動療法、強度別の効果のほどは?/JAMA

 左室駆出率(LVEF)の保たれた心不全(HFpEF)患者において、高強度インターバルトレーニング(HIT)群と中強度持続的トレーニング群との間で、3ヵ月後の最高酸素摂取量(peak VO2)のベースラインからの変化量に有意差はなく、いずれの群も対照群と比較して事前定義の臨床的に意義のある最小変化量を満たさなかった。ドイツ・ミュンヘン工科大学のStephan Mueller氏らが、欧州の5施設で実施した無作為化臨床試験「Optimizing Exercise Training in Prevention and Treatment of Diastolic Heart Failure(OptimEx-Clin)」の結果を報告した。著者は、「HFpEF患者において、ガイドラインに基づく身体活動と比較し、HITまたは中強度持続的トレーニングのいずれも支持されない」とまとめている。持久運動はHFpEF患者においてpeak VO2の改善に有効であるが、運動法の違いにより効果が異なるかは不明であった。JAMA誌2021年2月9日号掲載の報告。HIT vs.中強度持続的トレーニングの有効性を比較評価 OptimEx-Clin試験は2014年7月〜2018年9月に、ドイツのベルリン、ライプチヒ、ミュンヘン、ベルギーのアントワープ、およびノルウェーのトロンハイムの計5施設で実施された。 532例がスクリーニングを受け、慢性HFpEF患者180例がHIT群(3×38分/週)、中強度持続的トレーニング群(5×40分/週)、および対照群(ガイドラインに基づいた身体活動の指導1回)に、1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。各群、割り付けられた運動療法を、3ヵ月間は医療機関にて、その後9ヵ月間は遠隔医療による監視下在宅にて行った。割り付けに関して、患者および指導している医療スタッフは盲検化されなかったが、解析は盲検下で行われた。 1次エンドポイントは、3ヵ月後のpeak VO2変化量とし、臨床的に意義のある最小変化量は2.5mL/kg/分と設定した。2次エンドポイントは、3ヵ月後および12ヵ月後の心肺フィットネス、拡張機能およびナトリウム利尿ペプチドの変化などであった。両運動療法ともガイドラインに基づく指導と有意差なし 180例(平均年齢70歳、女性120例[67%])のうち、3ヵ月および12ヵ月後の評価を完遂したのは、それぞれ166例(92%)および154例(86%)であった。 3ヵ月後のpeak VO2変化量は、HIT群vs.対照群が1.1 vs.-0.6mL/kg/分(群間差:1.5、95%信頼区間[CI]:0.4~2.7)、中強度持続的トレーニング群vs.対照群が1.6 vs.-0.6mL/kg/分(群間差:2.0、95%CI:0.9~3.1)、HIT群vs.中強度持続的トレーニング群が1.1 vs.1.6mL/kg/分(群間差:-0.4、95%CI:-1.4~0.6)であった。 12ヵ月後の比較においても統計学的有意差は確認されなかった。また、拡張機能およびナトリウム利尿ペプチドの有意な変化は観察されなかった。 急性冠症候群の発生報告は、HIT群4例(7%)、中強度持続的トレーニング群3例(5%)、対照群5例(8%)であった。

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前立腺がんの心血管・死亡リスク、経皮エストロゲンvs.LHRHa/Lancet

 進行前立腺がん患者において、エストラジオールの経皮投与(tE2)パッチによる治療と黄体形成ホルモン放出ホルモン作動薬(LHRHa)による治療で、心血管疾患または死亡の発生に差は示唆されなかった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRuth E. Langley氏らが、英国の52施設で実施した多施設共同無作為化第II/III相試験「Prostate Adenocarcinoma Transcutaneous Hormone trial:PATCH試験」における長期的な心血管追跡調査データを報告した。アンドロゲン抑制は前立腺がん治療の柱であるが、長期毒性が問題となる。tE2は肝初回通過効果を受けないため、経口エストラジオールでみられる心血管毒性や、LHRHaでみられるエストロゲン枯渇効果を避けられると考えられていた。Lancet誌2021年2月13日号掲載の報告。局所進行・転移のある前立腺がん患者1,694例を追跡 研究グループは、局所進行・転移のある前立腺がん患者1,694例を、LHRHa群またはtE2パッチ群のいずれかに、病期、年齢、喫煙状況、心血管疾患の家族歴などで層別化し無作為に割り付けた(2007年8月14日~2011年2月17日までは1対2、その後は1対1)。 LHRHaは各施設の診療に従って投与し、tE2パッチは100μg/24時間パッチ4枚を最初の4週間は週2回交換、4週後にテストステロンが去勢レベル(≦1.7nmol/L)に達した場合は3枚を週2回交換に減量した。 主要評価項目は、心血管疾患(心不全、急性冠症候群、血栓塞栓性脳卒中、および他の血栓塞栓性イベントなど)および死亡であった。tE2パッチとLHRHaで心血管転帰に有意差なし 2007年8月14日~2019年7月30日の期間に、計1,694例がLHRHa群(790例)またはtE2パッチ群(904例)に無作為に割り付けられた。追跡期間中央値は3.9年(四分位範囲2.4~7.0年)であった。 1ヵ月および3ヵ月時点での去勢率は、LHRHa群でそれぞれ65%および93%、tE2パッチ群で83%および93%であった。 事前に定義された基準を満たす心血管イベントは、153例・計167イベントが報告された。致死的心血管イベントは、1,694例中26例(2%)に認められた(LHRHa群15例[2%]、tE2パッチ群11例[1%])。心血管イベントの初回発生までの期間は、治療間で差はなかった(検視報告書なしの突然死を含む場合のハザード比[HR]:1.11、95%信頼区間[CI]:0.80~1.53、p=0.54、検視報告書が確認された場合のみのHR:1.20、95%CI:0.86~1.68、p=0.29)。 tE2パッチ群での心血管イベント89件中30件(34%)が、tE2パッチを中断あるいはLHRHaへ変更後3ヵ月以降に発生した。主な有害事象(全グレード)は、女性化乳房(LHRHa群38% vs.tE2パッチ群86%、p<0.0001)、ホットフラッシュ(LHRHa群86% vs.tE2パッチ群35%、p<0.0001)であった。

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ワクチンへの対応も、コロナ禍での肺がん診療指針改訂版を発刊/日本肺学会

 日本肺学会は、2021年2月14日、「COVID-19パンデミックにおける肺診療:Expert opinion」改訂版を公開した。 初版は、感染拡大(第2波)の兆しが見えた2020年7月に、肺がん診療指針を示すことの重要性に鑑み、肺がん医療を担う医療者および病院管理者を利用者として想定し作成。作成にあたっては日本肺学会の関連委員会メンバーが、診療ガイドラインのエビデンスを背景にCOVID-19とがん診療に関する内外の文献を参照しつつ作成し、COVID-19による特殊な診療態勢に応用ができることを意図したものであった。 第3波を迎え、COVID-19のワクチン接種が開始された現状に対応し、同ステートメントの改訂版を公表した。 作成委員長である滝口裕一氏(千葉大学)に聞いた改訂点は下記。・「背景と目的」2021年2月までの感染進捗状況を反映(第1章)・「総論」疫学データを最新情報に更新(第2章)・「肺治療の考え方」肺治療中に感染した場合の対応、隔離の原則、治療延期の原則、などの具体的記述を大幅に追加(第11章)・「COVID-19ワクチン」の項を追加(第12章) そのほか、肺診療ガイドライン2020年版による治療の改訂部分に応じた細かい修正を行っているという。

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中国本土の研究者が書いた原著論文の8割が重複出版だった(解説:折笠秀樹氏)-1356

 スタチンによる心血管イベント抑制の効果は今では周知ですが、それが診療ガイドラインで推奨されるようになったのは2008年ごろのようです。それは累積メタアナリシスでも確認済みのようです。 原著論文は、過去の研究論文と重複してはいけません。新規の結果を示すのが原則だからです。そうでないと、それは重複出版(redundant publication)といわれます。本研究は、中国本土の研究者が書いた原著論文で、80%が重複出版に相当することを示したのです。2008年以降に上記と同じ効果を示す論文があったら、それは重複出版としたようです。すでにコンセンサスになっている結果を、原著論文として出版するのは研究者倫理に反します。ふつうなら、すでに明らかになっていることを結語した論文を投稿しても、それは既知だとして却下になるはずです。 今回は中国本土の研究者に限っていますが、それにしても重複出版が80%もあったのは大問題です。それらの論文では、96%が財源を明示していませんでした。87%はIRB承認を報告していませんでした。そして、中国語で書かれた論文が99.7%ありました。ほぼすべてです。いい加減な論文がまん延していることがわかります。これをみて、日本人著者は大丈夫かなと心配してしまいました。でも、このような新薬に関する臨床試験を、日本語の論文として出版する研究者はいなくなったのではないでしょうか。ただ、一昔前(2000年以前)までは治験論文を中心に、日本語で書かれた原著論文はたくさんありました。試験の品質は悪かったかもしれませんが、このような重複出版はなかったと信じています。 なんといっても、著者に中国人が入っていたのにはびっくりしました。もちろん、米国に住む中国人です。中国人が著者にいたため、中国語のデータベースを調査できたものと思います。ふつうの人なら、中国語は読めないからです。粛清されないか心配です。帰国しないほうが身のためでしょうね。 先端分野について、英語以外で書かれた論文はほとんど見向きもしなくなりました。今回怪しげな中国の論文が見つかったわけですが、誰も読まなければ害はなさそうに思います。ただ、それが英語論文で引用されると別の問題が生じるかもしれません。

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肺がん2020 Wrap Up【肺がんインタビュー】 第59回

第59回 肺がん2020 Wrap Up出演:兵庫県立がんセンター 副院長(医療連携・医療情報担当) 兼 ゲノム医療・臨床試験センター長 呼吸器内科部長 里内 美弥子氏2020年肺がんの重要トピックを兵庫県立がんセンターの里内 美弥子氏が、一挙に解説。これだけ見ておけば、今年の肺がん研究の要点がわかる。

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三十代で家が建つ【Dr. 中島の 新・徒然草】(362)

三百六十二の段 三十代で家が建つ三寒四温というのか、暖かくなったり寒くなったりの毎日。コロナ第3波もピークを越え、患者数減少を肌で感じます。でも、まだまだ油断禁物。用心するに越したことはありません。さて、皆さんはキーエンスという会社を御存じでしょうか?新大阪駅から南に約600mの場所にあるセンサーメーカーですが、私もよく知りませんでした。何と言ってもキーエンスを有名にしたのが、その給料の高さ。2019年3月の有価証券報告書によると、従業員の平均年齢は35.8歳、平均年間給与は2,110万6,666円。なんとまあ、平均が2,100万円、しかも35歳で!ネットには断片的なキーエンス伝説が溢れています。三十代で家が建ち、四十代で墓が建つむちゃくちゃ給料がいいので三十代で家が建つけど、死ぬほど働くので四十代で寿命を迎える、という意味なんでしょうね。なんでも、午前7時半から午後9時頃まで働くのが普通だそうです。キーエンスのプロボックスは公道最速やたら飛ばしている商用バンを見たら、キーエンスの営業なんだそうです。横に「KEYENCE」と社名があるので一目瞭然ではありますが。ということで数々の神話に包まれた謎の会社キーエンス。なんとYouTubeで元キーエンスNo.1営業マンがAMANO SCOPEというチャンネルで、その秘密を披露していました。他業界のことではありますが、我々にも参考になるので、簡単に紹介いたします。YouTubeで語っているのは天野 眞也氏。新卒でキーエンスに入社し、約20年間在籍して2009年に退社しました。その間、新人の営業No.1を獲得し、2年目以降にはキーエンスの全国営業No.1になったこともあるそうです。キーエンスの強さの秘密を1時間余りにわたって語っておられましたが、特に面白いと思ったところを3点紹介いたします。秘密その1売上目標はない。代わりにあるのは利益目標だ売上から経費を引いたものが利益です。大切なのは利益であり売上ではない、というのは当然のこと。ここで、売上を目標においてしまうと、営業担当者は薄利多売、場合によっては損してでもたくさん売る、みたいな行動をとりがちです。ところが、キーエンスの営業には売上目標はなく、利益目標だけがあるので、どうやったら会社が儲かるのかを営業から開発まで1人1人が考えて行動しています。その結果、先の有価証券報告書によれば、売上高5,870億円に対し、営業利益3,178億円、実に営業利益率54%と大変な成績をあげました。そりゃあ給料も高いはずだ。ちなみに同業他社の場合、この営業利益率は数%とか、よくて10%台だそうです。秘密その2開発や設計担当者が営業を飛ばして直接顧客に話を聞く普通の会社では、設計や開発担当者は営業を通じて顧客のニーズを知るわけです。が、キーエンスには皆がアクセス可能な顧客情報データベースがあり、個々の商談の具体的な進行状況を知ることができるので、商品企画部が直接顧客にアポをとって聞きたいことを聞き、目的に適った商品を造ったり、まだ顕在化していないニーズを掘り起こしたりしているそうです。このことが、次に述べる商品開発の速さにつながってきます。秘密その3スピード最優先先に述べたように、まだ顕在化していないニーズを掘り起こしているので、先手を打った商品開発が可能になり、その結果、新商品のサイクルが競合他社より圧倒的に速くなります。また、営業は営業でスピード最優先。何かの拍子に急に必要になった商品を顧客に頼まれた場合、翌日に納品します。窮地に陥っていた顧客に感謝されることは言うまでもありません。このように全社員がスピード最優先を心掛けていれば、あらゆる場面で強さが発揮できます。考えてみれば、どれもこれも当たり前の事の積み重ね。ブラック企業というよりも、凡事徹底ですな。ところで、このYouTubeを見ながらふと思ったわけですよ。キーエンス本社って、僕の通勤途中にあるじゃん!というわけで、車に乗って帰宅する途中、窓の外に注意を払ってみました。たくさんのビルが見えますが、夜も遅いので窓の明かりが3分の1くらいついていれば多いほうです。そんな中、上から下まですべての窓に明かりの灯っている立派なビルがありました。この異様なオーラを放ったビルがもしかして?そう思った私は少し道を外れて近寄ってみると、果たして地上21階のキーエンス本社でした。ぐわあ、ま、眩しい。平均年収2,100万円の輝きに圧倒されてしまいました。他業界のこととはいえ、我々も参考にする部分は数多くあるものと思います。よかったらYouTubeの当該チャンネルも見てください。最後に1句早春の 夜空に輝く 二千万

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第45回 菅政権で前進?日本の「卵子提供妊娠」の現状

菅政権が看板政策の1つに挙げたことで「不妊治療の保険適応の拡大」が注目される中、愛育病院(東京都港区)の安達 知子院長らの研究グループが、同病院における卵子提供妊娠(ODP)に関しての母体・新生児アウトカムをまとめた調査結果がHypertension in Pregnancy誌2021年2月号に掲載された。国内施設のODPに関する珍しい研究なので、概要を紹介したい。1.調査の背景ODPは、若いドナーの卵子と配偶者の精子を用いて、体外受精をした後に妊娠が成立した状態だ。欧米では体外受精全体の8~10%と高い比率を占める。高齢女性の場合、自己卵子を用いた場合よりもはるかに優れた生児獲得率を示している。一方でODPは、合併症の頻度が高い。妊娠高血圧症候群(HDP)もその1つで、欧米においては、自己卵子を用いた生殖補助医療(ART)による妊娠や自然妊娠(SP)に比べ、約3倍高いと報告されている。さらに、妊娠高血圧腎症(PE)を発症すると、重篤な状態を来したり、臓器障害などが残ったりする可能性も高まる。日本産科婦人科学会や日本生殖医学会は、ODPのニーズを認めつつも、法整備が追いついていない状況で、積極的に推進するまでには至っていないのが実情だ。しかし、35~40代の不妊症女性の増加に伴い、ODPの必要性は高まっている。米国や東南アジアなどの海外でドナー卵子を獲得し、ARTによる妊娠後に日本に帰国する女性がいる。海外で得た卵子から生まれた子どもの数は、日本では年間300~400人と推定され、今後さらなる増加が予想される。しかし、アジア女性におけるODPの転帰については、ほとんど知られていない。HDPに関しては、黒人は白人よりも発症リスクが高いことなど、人種性の違いがあることを考えると、日本人女性におけるODP関連のHDPリスクを調べることは重要だ。2.調査方法愛育病院で2013年1月1日~2017年12月31日までに分娩し、分娩時の年齢が40歳以上の女性を対象に検討した。ただし多胎妊娠は除外し、調査期間中に複数回分娩した場合は、初産のみを対象とした。診療録から後ろ向きに分娩時の年齢、流産などの妊娠歴、その他の合併症など臨床的特徴に関するデータを抽出。また、各患者の妊娠経過中におけるHDPをはじめとする産科合併症、および分娩週数、分娩様式や出血量、出生児の状況なども抽出した。ODPについては、卵子提供を受けた国や地域、卵子提供者の人種や年齢、移植胚の数などのデータを抽出した。3.調査結果対象は1,365例(ODP群:44例[3.2%]、ART群:485例[35.5%]、SP群:836例[61.2%])。ODP群の年齢中央値は47歳で、ART群およびSP群(いずれも41歳)より高かった。HDPを発症した割合は、ODP群で高率であり、ART群、SP群の3群間に統計的な有意差を認めた(20.5% vs.12.8% vs.7.6%、p<0.001)。PEを発症した割合は、ODP群とART群では差がなく、SP群よりも高率であった(4.2% vs.4.2% vs.2.0%、p=0.024)。早産率に関しては、3郡間で有意差を認めなかった。年齢中央値の差や、ほかの交絡因子を是正して再解析を行ったが、結果に大きな変化はなかった。卵子提供者の年齢中央値は26歳、卵子提供者を受けた場所は米国本土31.8%、ハワイ22.7%、タイ15.9%、台湾4.5%で、日本は2.3%だった。卵子提供者の国籍は65.9%が日本人で、卵子提供者の70.5%がアジア人だった。4.まとめ本研究では、ODP群におけるHDPの発生率は、ART群やSP群に比べて高率であり、欧米の過去の報告と同様だった。ODP群におけるPE発症率が比較的低い理由として考えられるのは、同院の患者教育などの管理の徹底だ。HDPのリスクを認識してもらうため、食事指導や生活指導を繰り返し行うと共に、朝夕の家庭での血圧測定を指示し、必要に応じて入院指導・入院安静を励行した。なお、約20~80%の症例において提供者の年齢や人種、ODPの実施場所、移植胚の数などの患者情報が欠落、卵子提供者の特徴などをカルテ調査で正確に把握することが困難だった。今回の検討からは省いているが、ODPによる双胎妊娠ではHDPの発症率は極めて高率であり、今後のODP増加を踏まえると、正確な情報の収集と分析が非常に重要だ。最後に、本研究は1施設の検討であるため、日本全体のODPにおける妊娠合併症の頻度を正確に反映するものではないが、ART群、SP群と比較した妊娠転帰や新生児転帰を検討した研究として有意義である。参考1)Gekka Y,et al.Hypertens Pregnancy.2021 Feb;40(1):36-44.

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日本人統合失調症患者に対するブレクスピプラゾール切り替え療法の安全性

 CNS薬理研究所の石郷岡 純氏らは、アリピプラゾールまたは他の抗精神病薬(ドパミンD2受容体アンタゴニスト)からブレクスピプラゾールに切り替えた際の、長期的な安全性の評価を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2021年1月26日号の報告。 日本人統合失調症外来患者を対象とした56週間オープンラベル試験の事後分析を行った。オープンラベル試験では、ブレクスピプラゾール2mg/日へ4週間で切り替えを行った後、52週間フレキシブルドーズ(1~4mg/日)で投与した。主要評価項目は、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、血糖、体重、プロラクチンとした。副次的評価項目は、有効性、治療による有害事象(TEAE)、錐体外路症状、補正値QT間隔との関連とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者186例中84例(45.2%)は、同意の撤回や有害事象のために治療を中断した(アリピプラゾールからの切り替え群[APZ群]:32.9%、他の非定型抗精神病薬からの切り替え群[AP群]:54.8%)。・56週目のベースラインからの平均変化は、両群ともに総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、血糖値ではわずかであり、平均体重(APZ群:1.1±4.4kg、AP群:0.4±4.6kg)のわずかな増加が認められた。・平均プロラクチンレベルは、APZ群でわずかな増加が認められたが、AP群では減少が認められた。・症状の重症度は、両群ともに減少が認められた。・TEAE発生率は、86.6%(161例)であった。各群のTEAE発生率は、APZ群で84.1%、AP群で88.5%であり、重度のTEAE発生率は、APZ群で9.8%、AP群で14.4%であった。・錐体外路症状、QT間隔の変化は、ほとんど認められなかった。 著者らは「ブレクスピプラゾールへの切り替えは、代謝異常、体重増加、高プロラクチン血症、錐体外路症状、QT延長、精神症状への長期的な影響が少ない治療方法である」としている。

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「喘息患者の受診控え」に緊急提言、花粉時期はさらなる注意を

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、患者の受診控えの傾向が続いている。アストラゼネカは日本呼吸器学会と共同で「『喘息患者の受診控え』に緊急提言 ~コロナ禍が続く中で迎える花粉飛散シーズン、どう喘息悪化を防止するか~」と題したセミナーを開催した。 この中で、 高知大学の横山 彰仁氏(呼吸器・アレルギー内科学 教授)が「喘息における継続治療の重要性~ウイルスや花粉の影響~」と題した講演を行った。この中で横山氏は、・喘息は治療継続が必要な病気。受診控えや治療中断は悪化要因となる・喘息は、ウイルス感染やタバコの煙、花粉といった刺激で症状が悪化する。今年は多くの地域で昨年より花粉飛散量が大幅に増えると予測されており、注意が必要・COVID-19を理由とした受診控えが多いが、これまでの研究では喘息はCOVID-19の罹患因子でも重症化因子でもなく1)、COVID-19悪化入院患者のうち喘息患者の割合はインフルエンザ患者よりも低い2)、とし「喘息のコントロールができていればCOVID-19を過度に恐れる必要はない」と述べた。 さらに、今後予定されるCOVID-19のワクチン接種に関し、基礎疾患を持つ人は優先接種の対象となり、厚生労働省が発表した基礎疾患の基準には「慢性呼吸器疾患」が入っている。ただし、この基準に対する意見を求められた日本アレルギー学会・日本呼吸器学会は、下記の見解を伝えたことを紹介した。・気管支喘息患者は優先接種の対象とする必要はない。ただし、1)経口ステロイド薬使用患者、2)吸入ステロイド薬使用者のうち喘息コントロールが不良である(過去1年以内の入院歴がある)患者、3)過去1年以内に2回以上の予定外外来あるいは救急外来受診歴がある患者、は対象とする。・慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者、喘息患者のうちCOPD併存患者は対象とする。 続いて、慶應義塾大学の福永 興壱氏(呼吸器内科 教授)が「新型コロナウイルス流行下での喘息患者の受診状況と受診控えが喘息患者に及ぼす影響」というテーマで講演を行った。この中で福永氏はCOVID-19流行が拡大した2020年4月から10月にかけて、喘息吸入薬の処方数が激減した3)。一方で、同じ慢性疾患である糖尿病薬剤は処方数が変わっておらず3)、受診控えがさほど起きていない状況を紹介し、「喘息は症状が治まると疾患の自覚が乏しく、受診控えが起きやすいのでは」と分析した。さらに、自院での感染防止対策を紹介したうえで「治療をせずに発作を繰り返すと、リモデリングといって気管が硬化し、喘息が重症化しやすくなる。今の時期は花粉をきっかけとした重症化も多い。電話診療等を行う医療機関も増えているので、適切な受診と治療継続をしてほしい」と呼びかけた。

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頭頸部がん1次治療におけるデュルバルマブ±tremelimumabの結果(KESTREL)/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2021年2月5日、再発または転移のある頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の1次治療を対象とたデュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)と標準化学療法EXTREMEレジメン(化学療法とセツキシマブ)の比較第III相KESTREL試験の結果を発表。主要評価項目であるPD-L1高発現患者での全生存期間(OS)の延長を達成しなかった。また、デュルバルマブとtremelimumabの併用療法においても、副次評価項目であるすべての患者を対象としたOSの延長は認められなかった。 デュルバルマブの単剤療法およびデュルバルマブとtremelimumabの併用療法の安全性および忍容性プロファイルはこれまでの試験と一貫していた。試験データは今後公表する予定。

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FDA、再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の新CAR-T療法lisocabtagene maraleucelを承認/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年2月5日、米国食品医薬品局(FDA)が、原発性中枢神経系リンパ腫を除く、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型(インドレントリンパ腫に起因するものを含む)、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、およびグレード3B濾胞性リンパ腫を含む、2種類以上の全身療法による治療歴を有する再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の成人患者の治療薬として、CD19を標的とするCAR-T細胞療法のliso-cel(lisocabtagene maraleucel、海外商品名:Breyanji)を承認したと発表。 liso-celは、あらかじめ定められた成分と4-1BB共刺激ドメインを有するCD19を標的とするCAR T細胞療法。3次治療以降のLBCLリンパ腫を対象とした最大のピボタル試験であるTRANSCEND NHL 001試験において、73%の奏効割合率および54%の完全奏効(CR)割合を示した。

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「新型コロナワクチンについて 第1版」を公開/国立感染研

 国立感染症研究所が、「新型コロナワクチンについて 第1版(2021年2月12日現在)」を公開した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの国内での接種開始にあたり、現在得られている知見を概要としてまとめたもの。これまで見つかっている3種類の変異株への効果についても考察されている。 本ページには、以下の内容が引用文献とともに掲載されている。・新型コロナウイルスの感染成立のメカニズムについて・日本で使用が検討されている3つの新型コロナワクチンの種類、組成、ベクターについて・海外での臨床試験における評価項目、臨床試験成績について・有効性の持続期間と今後の接種スケジュールの展望について・新規変異株に対するワクチン有効性について

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肥満症へのセマグルチド皮下注、平均体重変化率14.9%減/NEJM

 過体重または肥満の成人に対し、GLP-1受容体作動薬セマグルチド2.4mgの週1回皮下投与とライフスタイルへの介入は、持続的で臨床的意義のある体重の減少と関連することが示された。英国・リバプール大学のJohn P. H. Wilding氏らが、アジアや欧州、北米、南米の16ヵ国129ヵ所の医療機関を通じて、1,961例を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。肥満は世界的な健康課題で薬物治療のオプションは少ないが、今回の試験では、68週後の体重は平均約14.9%減少し、86%の被験者で体重が5%以上減少したことが報告された。NEJM誌オンライン版2021年2月10日号掲載の報告。BMI 30以上またはBMI 27以上+併存疾患の成人を対象に試験 研究グループは2018年6月~11月に、BMI 30以上(またはBMI 27以上で体重関連の併存疾患が1つ以上あり)で、非糖尿病の成人1,961例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2対1の割合で2群に分け、セマグルチド(2.4mg)またはプラセボの週1回皮下投与とライフスタイルへの介入を68週間行った。 主要エンドポイントは2つで、体重の変化と体重5%以上減少の達成率だった。主要推定値(同臨床試験の目的を反映する正確な説明)として、治療中断や救急介入実施の有無を問わない治療効果を評価した。セマグルチド群の過半数が体重15%以上減少 被験者の94.3%が試験を完了、91.2%が68週時点で体重の評価を受けた。救急介入はセマグルチド群で7例(肥満手術2例、その他の肥満薬物治療5例)、プラセボ群で13例(同3例、10例)が受けた。ベースラインの人口統計学特性は両群で類似しており、被験者の大半は女性(74.1%)で、平均年齢は46歳、平均体重は105.3kg、平均BMIは37.9、平均腹囲は114.7cmで43.7%が前糖尿病だった。 ベースラインから68週までの平均体重変化率の推定値は、プラセボ群-2.4%に対しセマグルチド群-14.9%で、推定治療群間差は-12.4ポイント(95%信頼区間[CI]:-13.4〜-11.5、p<0.001)だった。 68週時に体重5%以上の減少を達成したのは、セマグルチド群1,047例(86.4%)vs.プラセボ群182例(31.5%)で、10%以上の達成はそれぞれ838例(69.1%)vs.69例(12.0%)、15%以上の達成は612例(50.5%)vs.28例(4.9%)と、いずれもセマグルチド群で有意に高率だった(すべてのp<0.001)。 ベースラインから68週までの体重変化は、プラセボ群が-2.6kgに対しセマグルチド群は-15.3kgだった(推定治療群間差:-12.7kg、95%CI:-13.7~-11.7)。 セマグルチド群の被験者はプラセボ群の被験者と比べて、ベースラインからの、心血管の代謝に関する改善が大きく、また被験者自己申告の身体機能の増大も大きかった。 有害事象で最も多くみられたのは、悪心、下痢だったが、いずれも一時的で軽度〜中等度であり、時間の経過とともに沈静化した。なお治療中断率は、プラセボ群0.8%(5例)に対し、セマグルチド群が4.5%(59例)と高率だった。

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HCVワクチン第I/II相試験、慢性感染への予防効果認めず/NEJM

 C型肝炎ウイルス(HCV)に対する2種の遺伝子組み換えワクチンを接種するワクチンレジメン戦略について、重篤な有害事象は起きずレジメンの安全性は確認され、HCV特異的T細胞反応とHCV RNAピーク値の低下は認められたことが示された。一方で、HCVの慢性感染に対する予防効果は認められなかった。米国・ニューメキシコ大学のKimberly Page氏らが、第I/II相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。HCV感染症に対しては、現在、安全で有効な治療法があるが、注射器で薬物を使用するHCV感染者がHCVの治療を求めることはまれであるという研究が示されており、HCV感染症を撲滅する取り組みにおいては、HCVの慢性感染を予防する安全で有効なワクチンが重要な要素になる。試験の結果を踏まえて著者は、「世界的な制御を成功させるには、HCV感染症予防のための他の戦略、スクリーニングおよび治療に加えて、予防的なワクチンが必要になるだろう」と述べている。NEJM誌2021年2月11日号掲載の報告。0日目、56日目に接種するワクチンレジメン 今回の検討では、HCVの感染リスクが高いが感染不明者へのワクチン接種の安全性を評価すること、およびワクチンレジメンがプラセボよりもHCV慢性感染に有効かどうかを確認することを主な目的とした。副次目的として、ワクチンの免疫原性を評価した。 研究グループは、2012~18年にジョンズ・ホプキンズ大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、ニューメキシコ大学で、無作為化前90日以内に薬物注射歴があるHCV感染不明の健康成人(18~45歳)548例を対象に試験を実施。遺伝子組み換えチンパンジーアデノウイルス3型ベクター(ChAd3)のプライミングワクチン接種と、遺伝子組み換え改変ワクシニアアンカラ(MVA)のブースター接種のワクチンレジメンについて検討した。両ワクチンは、HCV非構造蛋白をコード化したものだった。 被験者を無作為に2群に分け、0日目と56日目に一方には前述のワクチンを、もう一方にはプラセボを接種した。 安全性の主要エンドポイントは、ワクチン関連の重篤な有害事象、重度の局所または全身性の有害事象、臨床検査値で認められる有害事象だった。有効性の主要エンドポイントは、HCV慢性感染で、6ヵ月持続するウイルス血症と定義した。per-protocol集団で両群のHCV慢性感染はいずれも14例 548例(78%が男性、61%が白人)は、ワクチン接種群、対照群それぞれ274例に無作為に割り付けられた。 HCV慢性感染の発生率について、両群に有意差は認められなかった。per-protocol集団(ワクチン群261例、プラセボ群259例)でHCV慢性感染が認められたのは、両群とも14例だった(ワクチン群vs.プラセボ群のハザード比[HR]:1.53[95%信頼区間[CI]:0.66~3.55]、ワクチン有効性:-53%[95%CI:-255~34])。 修正intention-to-treat集団(ワクチン群256例、プラセボ群257例)では、HCV慢性感染が認められたのは、ワクチン群19例、プラセボ群17例だった(HR:1.66[95%CI:0.79~3.50]、ワクチン有効性:-66%[95%CI:-250~21])。 一方、感染後HCV RNAのピーク値幾何平均には、ワクチン群とプラセボ群で差が認められた(それぞれ、152.51×103 IU/mL、1,804.93×103 IU/mL)。また、HCVに対するT細胞反応は、ワクチン群では78%で検出された。 重篤な有害事象の発現頻度は、両群で同程度だった。

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肺血栓塞栓症はCOPD増悪の原因と考えてよいか?(解説:山口佳寿博氏)-1355

 まず言葉の定義から考えていく。COPDの分野にあって、“急性増悪”という言葉が使用されなくなって久しい。現在では、単に“増悪(Exacerbation)”という言葉を使用する。さらに、増悪は“気道病変(炎症)の悪化を原因とする呼吸器症状の急性変化”と定義される(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2006以降)。GOLD 2003では、増悪は狭義のもの(一次性原因)と広義のもの(二次性原因)の2種類に分類されたが、GOLD 2006以降では、気道病変(炎症)の悪化を原因とする“狭義の増悪”を“増悪”と定義し、それ以外の原因に起因する“広義の増悪”は増悪ではなく“増悪の鑑別診断/修飾因子”として考慮することになった(肺炎、肺血栓塞栓症、気胸、胸部外傷、胸水、心不全/不整脈、麻薬/鎮静剤、β blocker。GOLD 2011以降では、麻薬/鎮静剤、β blockerが鑑別から除外)。増悪の定義が厳密化されたのは、増悪様症状を示した症例のうち80%以上が感染性(気道感染)、非感染性(環境汚染など)による気道炎症の悪化に起因し、それに対してSteroid、抗菌薬を中心とした基本的治療法が確立されたためである。その意味で、肺血栓塞栓症(PTE:Pulmonary thromboembolism)は増悪を惹起する原因ではなく、増悪の鑑別診断となる病態であることをまず理解していただきたい。 COPDとPTEの合併に関しては古くから多くの検討がなされ、COPD患者におけるPTEの合併率は、19%(Lesser BA, et al. Chest. 1992;102:17-22.)から23%(Shetty R, et al. J Thromb Thrombolysis. 2008;26:35-40.)と報告されている。これらのPTE合併頻度は本邦の一般人口におけるPTEの発症頻度(剖検例での検討:無症候性の軽症を含め18~24%)とほぼ同等であり、COPD自体がPTE発症を助長しているわけではない。しかしながら、原因不明のCOPD増悪(一次性原因と二次性原因を含む)症例を解析した論文では、その3.3%(Rutschmann OT, et al. Thorax. 2007;62:121-125.)から25%(Tillie-Leblond I, et al. Ann Intern Med. 2006;144:390-396.)にPTEの合併を認めたと報告された。本論評で取り上げたCouturaudらの論文では、COPD増悪様症状を呈した症例の5.9%にPTEの合併を認めたと報告されている(Couturaud, et al. JAMA. 2021;325:59-68.)。これら3論文を合わせて考えると、増悪様症状を呈したCOPD患者のうち少なくとも10%前後に、二次性原因としてのPTEが合併しているものと考えなければならない。以上の解析結果は、安定期COPDはPTEの発生要因にはならないが、COPDの増悪様症状を呈した患者にあってはPTEに起因するものが少なからず含まれ、COPDの真の増悪(一次性増悪)の鑑別診断としてPTEは重要であることを示唆する。PTEの合併はCOPD患者のその後の生命予後を悪化させ、1年後の死亡率はPTE合併がなかったCOPD患者の1.94倍に達する(Carson JL, et al. Chest. 1996;110:1212-1219.)。 Couturaudらのものを含め現在までに報告された論文からは、COPDの真の増悪とPTEとの関連を明確には把握できない。COPDの増悪がPTEの危険因子となる、あるいは、逆にPTEの合併がCOPDの真の増悪をさらに悪化させるかどうかを判定するためには、増悪様症状を呈したCOPD患者を真の増悪(一次性原因)とそうでないもの(二次性原因)に分類し、各群でPTEの発症頻度を評価する必要がある。COPDの真の増悪は、一秒量(FEV1)関連の閉塞性換気指標の悪化、喀痰での好中球、好酸球の増加、喀痰中の微生物の変化などから簡単に判定できる。これらの変化は、PTEなどの二次性原因では認められないはずである。以上のような解析がなされれば、COPDの真の増悪とPTE発症の関係が正確に把握でき、COPDの真の増悪がPTE発症の危険因子として作用するか否かの問題に決着をつけることができる。今後、このような解析が世界的になされることを念願するものである。本邦のPTEガイドライン(cf. 10学会合同の『肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症[静脈血栓塞栓症]予防ガイドライン』[2004])では、COPDの増悪がPTEの危険因子の1つとして記載されているが、この場合の増悪がいかなる意味で使用されているのか、再度議論される必要がある。

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第25回 その吐血、緊急内視鏡は必要ですか?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)上部消化管出血を疑うサインを知ろう!2)緊急内視鏡の判断を適切に行えるようになろう!【症例】45歳男性。自宅で洗面器1杯分の吐血を認めたため、両親の運転する車で救急外来を受診した。独歩可能な状態で、その後吐血は認めていない。どのようなマネジメントが適切だろうか?●受診時のバイタルサイン意識清明/JCS血圧128/51mmHg脈拍95回/分(整)呼吸20回/分SpO297%(RA)体温36.0℃瞳孔3/3 +/+既往歴高血圧内服薬定期内服薬なしはじめに吐血を主訴に救急外来を受診する患者さんは多く、救急外来が血の海になることも珍しくありません。バイタルサインの管理、内視鏡のタイミング、輸血のタイミングなど悩んだ経験があるのではないでしょうか?今回はまず押さえておくべき上部消化管出血の管理についてまとめておきます。上部消化管出血を疑うサインとは新鮮血の吐血やコーヒー残渣様の嘔吐を認める場合には、誰もが上部消化管出血を疑うと思いますが、それ以外にはどのような場合に疑うべきでしょうか。黒色便、鉄欠乏性貧血などは有名ですね。救急外来などの外来で見逃しがちなのが、訴えがはっきりしない場合です。脱力など自宅で動けない、元気がない、倦怠感などの主訴で来院した場合には、消化管出血に代表される出血性病変を考えるようにしましょう。その他、急性冠症候群、カリウムやカルシウムなどの電解質異常、そして敗血症や菌血症を考えるとよいでしょう。[失神・前失神を見逃すな]失神は以前に「第13回 頭部外傷その原因は?」でも取り上げましたが、診察時には状態は安定しており重症度を見誤りがちです。しかし、心血管性失神を見逃してしまうと致死的となり得ます。また、出血に伴う起立性低血圧も対応が遅れれば、予後はぐっと悪くなってしまうため必ず出血源を意識した対応が必要になります。ちなみに、前失神は失神と同様に危険なサインであり、完全に意識を失っていなくても体内で起こっていることは同様であり軽視してはいけません。意識を失ったか、失いそうになったかは必ず確認しましょう。緊急内視鏡の適応は?目の前の上部消化管出血疑い患者さんの内視鏡はいつ行うべきでしょうか?ショックバイタルでマズい場合には誰もが緊急内視鏡が必要と判断できると思いますが、本症例のように、一見するとバイタルサインが安定している場合には意外と判断は難しいものです。いくつかの指標が存在しますが、今回は“Glasgow Blatchford score(GBS)”(表1)を覚えておきましょう。GBS≦1の場合には入院の必要性はなく、緊急での対応は一般的には不要です1,2)。前述した通り、失神は重要なサインであり、点数も2点と黒色便よりも高く設定されています。失神を認める上部消化管出血は早期の内視鏡治療が必要と覚えておきましょう。1分1秒を争うわけではありませんが、血圧が普段よりも低めであるが故に止まっているだけですので、処置を行うことなく帰宅の判断はお勧めできません。表1  Glasgow Blatchford score(GBS)画像を拡大するちなみに、Hb値は濃度であり、また早期に変化は認められないため、Hb値が問題ないからと出血はたいしたことないと判断してはいけません。黒色便を認める場合には、数日の経過が経っていることが多く、Hb値も普段よりも低下しています。GBSも2点以上となりますが、即刻内視鏡なのか、24時間以内に内視鏡なのか、より具体的な緊急度は、その他バイタルサインやNSAIDs、抗血栓薬などのリスク因子も考慮し判断します。[抗血栓薬内服中の患者ではどうする?]絶対的な指標はありませんが、頭部外傷患者の対応と同様に、内服しているから緊急かというとそうではありません。しかし、リスクの1つではあるため、具体的な処方薬と用量、内服している理由、効果の評価(PT-INRなど)などと共に慎重な経過観察が必要となります。抗血栓薬を止めるのは簡単ですが、そのおかげで脳梗塞などを引き起こしてしまっては困りますよね。明らかな出血を認めている場合に内服を中止することはもちろんですが、その後の具体的な対応をきちんと決めておく必要があります。GBS以外の有名なリスクスコアに“AIMS65”(表2)がありますが、それにはPT-INRの項目が含まれており、緊急度に関わるとされます3)。また、PT-INRが1.5未満であってもDOAC(Direct oral anticoagulants)内服中の患者では、早期の内視鏡が推奨されています。そのような理由から、抗血栓薬を内服している患者さんでは、早期の内視鏡(24時間以内)を行うのが理想的でしょう。※GBSもAIMS65も覚えるのは大変ですよね。私は“MDCalc”というアプリをスマホに入れて計算しています。表2 AIMS65画像を拡大する現実問題として、夜間や時間外などに来院した患者の内視鏡をすぐに行うのか、一晩様子をみてOKなのかどうかを判断する必要があります。上記の内容を頭に入れつつ、施設毎の対応を構築しておきましょう。消化器内科医師などがいつでもすぐに対応可能な施設であれば、GBS≧2でも輸液や輸血でバイタルサインが安定している場合には一晩待てるかもしれませんが、そうではない場合には、「GBSで◯点以上の場合」、「肝硬変患者の吐血の場合」、「抗血栓薬を内服している場合」には緊急で行うなど、具体的なプランを立てておくとよいでしょう。スコアは絶対的なものではありませんが、GBSやAIMS65などを意識しておくと、確認すべき項目を見落とさなくなるでしょう。失神の有無は前述の通り重要ですし、抗血栓薬などの影響から凝固線溶機能に異常を来している場合には拮抗薬など追加の対応が必要なこともありますからね。最後に、上部消化管出血に伴い緊急内視鏡の判断をした場合には、気管挿管など気道の管理が必要ないかは必ず意識してください。ショックや重度の意識障害は気管挿管の適応であり、バイタルサインが不安定な場合には確実な気道確保目的の気管挿管が必須となります。慌てて内視鏡室へ移動し、不穏になり急変、誤嚥して酸素化低下などは避けなければなりません。救急外来で人数をかけ対応することができればベストですが、どうしても少ない人数で対応しなければならない場合には、確実な気道確保を行い万全の状態で内視鏡を行うようにしましょう。まとめ失神・前失神を伴う上部消化管出血は緊急性が高い!GBSやAIMS65を参考に、患者背景・薬の内服理由も考慮し対応を!緊急内視鏡を行う場合には、気管挿管など気道管理の徹底を!1)Blatchford O, et al. Lancet. 2000;356:1318-1321.2)Stanley AJ, et al. BMJ. 2017;356:i6432.3)Saltzman JR, et al. Gastrointest Endosc. 2011;74:1215-1224.

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「ポタコールR」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第39回

第39回 「ポタコールR」の名称の由来は?販売名ポタコールR輸液一般名(和名[命名法])該当しない効能又は効果○大量出血や異常出血を伴わない循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正○代謝性アシドーシスの補正○熱源の補給用法及び用量通常成人は1回500~1000mLを徐々に静脈内に点滴注入する。投与速度は通常成人マルトース水和物として1時間あたり0.3g/kg体重以下(体重50kgとして本剤500mLを2時間以上)とする。なお、年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】高乳酸血症の患者[症状が悪化するおそれがある。]※本内容は2021年2月17日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2012年1月(改訂第7版)医薬品インタビューフォーム「ポタコール®R輸液」2)大塚製薬工場:医療用医薬品情報

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