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COVID-19の予防に対する意識が低い人とは?

 COVID-19に対する予防措置を講じても、約20%の人が適切な実施に対して消極的であることが、東京大学医科学研究所の武藤 香織氏らの研究によって明らかとなった。消極的な人の特徴として、男性、若年(30歳未満)、未婚、低所得世帯、飲酒または喫煙の習慣、外向性の高さが挙げられた。PLOS ONE誌2020年6月11日号の報告。 COVID-19に対して予防措置や自制の呼び掛けといった対策を講じ、協力を要請した状況下で、予防的行動がいつ、どのように変化したか調査した。クォータサンプリングに基づき、オンラインプラットフォームで実施された横断調査のミクロデータ(20~64歳、回答者数合計1万1,342人)を使用した。 全国調査の結果については以下のとおりである。・社会的距離の測定は、約85%が実践しており、女性、高年齢の割合が高かった。・頻繁な手洗いは全体の86%(女性の92%、40歳以上の87.9%)で実践されていた。・予防措置に影響を与えた要因に、2020年2月初旬に発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での感染が影響していた。・適切な予防措置の実施に約20%が消極的であり、その特徴は、男性、若年(30歳未満)、未婚、低所得世帯、飲酒または喫煙の習慣、外向性の高さであった。 著者らは、「日本での感染拡大を防ぐためには、さまざまな手段を用いて行動の変化を促すことが不可欠である」としている。

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日本人のマスク率が高いワケ

 マスクを着用することで不安は解消されるが、リスク軽減の期待には影響しないことが、同志社大学の中谷内 一也氏らが行った日本人対象の研究によって明らかとなった。Frontiers in Psychology誌2020年8月4日号の報告。 COVID-19に対するマスクの着用は、着用者の感染を防ぐことではなく、ほかの人への感染を防ぐことでパンデミックの蔓延を抑える。日本ではパンデミックの初期段階からマスクを着用する習慣が広まり、マスクの供給不足を引き起こした。なぜ日本では他国と比較しても、COVID-19パンデミックでマスクを着用する人が多いのか、マスクを着用する6つの考えられる心理的理由を基に調査した。 全国調査の結果については以下のとおりである。・マスクを着用することで社会の規範に準拠し、不安が解消された。・リスク軽減の期待に、マスクの着用は影響しなかった。 著者らは、「COVID-19パンデミックと闘うためには、マスク着用の社会的動機を考慮して戦略を検討すべきである」と示唆している。

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第47回 祝2周年!心電図クイズで腕試し(後編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第47回:祝2周年!心電図クイズで腕試し(後編)先月に引き続き、今回も連載2周年記念のクイズを出題します。今までに習った知識を総動員して、問題にチャレンジしてみてください。そして、できなかったところは、該当回のレクチャーをもう一度丁寧に読み直してみましょう。では、後編をどうぞ!症例提示1 18歳、女性。中学生時代に労作時息切れ、失神を契機に特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)と診断され、現在、投薬加療中。血圧84/50mmHg、脈拍数76/分・整、酸素飽和度(SpO2)94%。定期外来診察時の心電図を示す(図1)*:クイズの性格上、自動診断結果の一部を非表示にしている。(図1)定期外来診察時の心電図画像を拡大する【問題1】QRS電気軸の定性評価を与え、適切な数値として最も近いものを以下から1つ選べ。1)+0°2)+40°3)+90°4)+110°5)-70°解答はこちら定性評価:右軸偏位数値:4)解説はこちら電気軸と言えば、QRS波の「向き」に注目ですね。I誘導:下向き(陰性)、II(またはaVF)誘導:上向き(陽性)ですから、定性的な評価としては「右軸偏位」となります。この時点で「+90°~+180°」のゾーンに入ると予想されるので、何も考えずに4)が選べると思います。ただし、仮に「6)いずれでもない」という選択肢があっても、自身で定量的に(数値として)電気軸の位置を推定できるほうが望ましいです。実臨床では“選択肢”から選ぶわけではありませんからね。“肢誘導界”の円座標は覚えていますか?aVL(-30°) → I(0°) → 「-aVR」(+30°) → II(+60°) → aVF(+90°) → III(+120°) → 「-aVL」(+150°)「-aVR」と「-aVL」はそれぞれaVRとaVLを“真逆”(180°方向)にしたものです。見事に30°ずつ半周をカバーしており、それぞれの正反対を考えれば、実は円一周分“30°刻み”のアンテナが立っているわけです(図2)。(図2)肢誘導円座標とQRS電気軸偏位(再掲)画像を拡大する電気軸を求めるには、肢誘導の中で“(上下)トントン”に近いQRS波を探すのがミソでしたが、強いて言えばaVR(または-aVR)誘導でしょうか。それと直交方向で“右向き”(I誘導と反対)な「+120°」を選択するのが初心者にお勧めな方法です(“トントン法”)。レクチャーでは、もう少し細かい見方も紹介しました。この心電図(図1)では、I誘導と「-aVR」誘導の間で極性転換(下向き→上向き)を生じています。正味で見た方向はI:-4mm程度、-aVR:+4mm程度ですから、“トントン・ポイント”(TP)は両者の中間(+15°)あたりと予想され、上と同様に考え「+105°」と予想できれば一歩進歩でしょうか(自動診断では「107度」と表示されていました)。さらに、ボクの肉眼(フィーリング?)では、I誘導よりも「-aVR」誘導のほうがより“トントン”チックに見えるため、TPをそちら寄りの「+20°」と予想して、電気軸は「+110°」(これを選択肢としました)としてもOKではないでしょうか(“トントン法Neo”)。参考レクチャー:第9回、第11回【問題2】心電図(図1)に関するその他の所見として、正しいものをすべて選べ。1)時計回転2)反時計回転3)右房拡大4)左房拡大5)不完全右脚ブロック6)完全右脚ブロック7)完全左脚ブロック8)右室肥大9)左室肥大10)上肢電極の左右つけ間違え解答はこちら1)、5)、8)※3)を選んでも正解とする。解説はこちらこの問題が本題です。各々のYES・NOを判断してゆくのもいいですが、Dr.ヒロの心は一つ、 “系統的判読”をすることなので、選択肢がなくとも自分で所見を言えるようになりたいものです。1)と2)は「回転」についてです。単独のレクチャーでは解説していませんが、胸部誘導におけるR波の増高プロセスに関係します。通常、V1→V2→…→V5→V6にかけてR波が高くなり、S波が浅くなっていくのですが、今回はR波の成長が悪く、V5誘導の段階でも「R<S」となっていますから、1)「時計回転」のほうです。逆に2)は、V1とかV2でR波がどデカくなり過ぎな場合です。ただ、たとえそうでも、今回のように5)や8)があるような時は、そうは言いません。「心房拡大」はII(、III、aVF)とV1(V2)誘導の波形からチェックしますが、今回の左房は大丈夫そうです。「右房拡大」のほうは微妙。下壁誘導に関しては「2.5mm以上」なので満たしませんが、V1・V2誘導は“2±0.5mm”。本によって「1.5~2.5mm以上」とされており、V1誘導あたりは満たすかもしれません。後述するように「右室肥大」の心電図ですから、関連病態として3)を拾っていくのは悪くない姿勢だと思います(ただ、個人的には選ぶほどではないと思いますが)。この心電図のQRS幅はワイド(幅広)ではありませんので、7)、8)はNG。しかし、6)の「不完全右脚ブロック」ではありそうです(V2、V6誘導に着目)。これも右心系負荷の代表的所見ではあります。「心室肥大」について、今回の心電図から9)を疑う人はいないでしょう。もう一つの“まれなほう”の8)「右室肥大」であるかがポイントです。前問でまぁまぁ高度の「右軸偏位」がありましたので、「時計回転」などを見たら抱くべき疑問が『これって「右室肥大」かなぁ?』です。レクチャーではDr.ヒロ・オリジナルの診断フローチャートも提示しましたが、その時はじめに注意すべきが「脚ブロック」の有無でした。今回は「120ミリ秒(ms)以上」の“完全”レベルではないので、診断要件としたアイテムを使ってもらって大丈夫です。“見るな!”と言ったMilnor基準が、QRS幅が狭い(narrow)時とほぼ同じでしたね。V1誘導は“ノッチ”でギザついてますから、ボクが紹介したのはValencia基準で、「R'≧10mm」(通常の“7mm基準”の1.5倍[×1.5])でした。今回、これを満たすので、8)はYESです。心電図を勉強したての頃は、なかなかここまで考えが至らないかもしれませんが、「右室肥大」を疑う時に、“もしかして”と考えられるようになったら、ボクがレクチャーした甲斐があるというものです。最後の10)はオマケです。I誘導で陰性(下向き)QRS波を見た時、必ず鑑別に挙げるべきですが、P波・T波の極性から違うでしょう。参考レクチャー:第43回、第44回、第45回症例提示283歳、男性。一週間前から増悪傾向を示す左下肢脱力と構音障害のため来院。糖尿病および高血圧症にて内科フォロー中であった。血圧139/59mmHg、脈拍90/分・不整。患者コメント:「歩こうと思ったら歩けるけど、足の運びがしんどくてね。あとしゃべりがおかしいって家族の者に言われたな。あと食事でよくむせるんだ。」入院時に記録された心電図を示す(図3)。(図3)入院時の心電図画像を拡大する【問題3】心電図(図3)の肢誘導5拍目に関して、正しいものを1つ選べ。1)心房期外収縮、代償性休止期2)心房期外収縮、非代償性休止期3)房室接合部期外収縮、代償性休止期4)房室接合部期外収縮、非代償性休止期5)心室期外収縮、代償性休止期6)心室期外収縮、非代償性休止期解答はこちら5)解説はこちらこれは期外収縮の基本事項の復習です。普通に見たらQRS幅もワイドで洞収縮波形と似ても似つかぬ形状、そしてP波の先行もないようです。ですから、これは「心室期外収縮」(PVC)でいいですね。1)~4)の「心房」期外収縮(PAC)と「房室接合部」期外収縮(PJC)とは、まとめて「上室」期外収縮(“性”はつけない)と称されますが、QRS波形が洞収縮と類似していることが多いです。P波の先行の有無については、とくに前心拍のT波部分をほかと比べられるようになるといいですね。今回は「なし」で良いと思います。PVCだとわかったら、5)と6)の最終“ジャッジ”は「休止期」の様子で決めましょう。これは期外収縮により洞周期が影響を受けるかということです。(図4)のようにPVCを挟むP-P間隔が洞周期のピッタリ2個分であることが確認できたら、休止期は「代償性」であると言い、前症例でも述べたPVCの“上品さ”を表す特徴の一つです。Dr.ヒロ流では“ニバイニバーイの法則”というのでした。以上から、正解は5)ということになりますね。(図4)図3よりII誘導のみ抜粋画像を拡大する参考レクチャー:第21回【問題4】心電図(図3)の胸部誘導4拍目に関して、正しいものを1つ選べ。1)心房期外収縮、代償性休止期2)心房期外収縮、非代償性休止期3)房室接合部期外収縮、代償性休止期4)房室接合部期外収縮、非代償性休止期5)心室期外収縮、代償性休止期6)心室期外収縮、非代償性休止期解答はこちら2)解説はこちら前問に引き続き、期外収縮を扱います。あまり深く考えないと、QRS幅も狭く(正常)「心房期外収縮」(PAC)で、どうせ休止期は「非代償性」でしょ…と考えて、2)を選ぶ人が多いかもしれません。クイズ的にはそれで“正解”ですが、たとえばV1誘導を抜粋してみましょう(図5)。(図5)図3よりV1誘導のみ抜粋画像を拡大するQRS波形はほかの洞収縮波形とまったく同じですか?…違いますよね。V2誘導なども見ると、なーんか違う気もします。差はわずかですが、“その目”で見れば、QRS幅も若干ですが広く見えます。これはボクが無理矢理言っているのではありません。普段からこのような視点を持つべきなんです。ここをいい加減にしてしまうと、なかなか不整脈、心電図を見る目は育ちません。3)~6)のPVCやPJCも、まさかコレ? と、悩み鑑別しようとするクセをつけましょう。繰り返しますが、期外収縮を考える際は『線香とカタチと法被(はっぴ)が大事よね』ですよ。洞収縮波形との相同性やQRS幅は述べたので、残りは「先行P波の有無」と「休止期」です。これは“P波探し”にかかっています。V1とV6誘導とを並んで示します。(図6)図3よりV1、V6誘導のみ抜粋画像を拡大するこういう時のテッパンは、直前のT波に着目せよ! ずばりコレです。そこを網掛けで示しています。ほかの収縮波形に随伴するT波と比べてどうですか? V1-T波の頂上付近にある“ちょいギザ”、あるいはV6-T波はほかよりホッソリ尖って見えませんか? そう、これがP波です。これが真髄! ゴミの山からほんの少ーしだけ頭を出した“金塊”を見つけるような作業に慣れればこれが自然とできるようになり、そのアクションがアナタの診断力を変えます。レクチャーでも何度か登場し、Dr.ヒロの愛読書の著者でもある“達人”Dr. Marriottもこの操作を『Cherchez le P on let T』と表現しているそうです。日本語や英語では“T波の上のP波を探せ”(Search for the P on the T)ということですが、フランス語で聞くとオシャレな響きを感じます(笑)。一方の休止期に関しては、期外収縮の前後のP-P間隔を見ればいいので、洞収縮の連続する1~3拍目のP1-P3間隔、つまり洞周期の“2倍(ニバーイ)”と比較します。すると、「P1-P3>P3-P5」ですから、これは休止期が「非代償性」であることを示しています。「洞周期が“リセット”されている」というのも同義の表現ですので、この表現も確認しておきましょう。つまり、やや「心室内変行伝導」を疑う、変形のあるPACが正解です。参考レクチャー:第21回、第26回さて、前回とあわせて計10問の心電図クイズ、いかがだったでしょうか。既に50回近く講義していますので、すべて扱うだけの問題を用意することはできませんでしたが、良い復習になったのではないでしょうか。次回からは、このレクチャーも終盤戦に入ります。臨床的な重要性の高い冠動脈疾患について考えていこうと思います。では、また!【古都のこと~延暦寺:根本中堂】「世の中に山てふ山は多かれど、山とは比叡の御山(みやま)をぞいふ」天台宗座主を4度も務めた慈円*1はこう崇め詠みました。偉大さがストレートに伝わってきます。慈円曰く“日本一”の霊山、比叡山にある延暦寺について話しましょう。仏教各宗各派の祖師高僧を輩出した“母山”ですから、知らない人はいないでしょう。京都の秋をご紹介する時、個人的には外せません。京都に来て何度行ったことか。車のほか、バスやケーブル・ロープウェイで行くことができますよ。眼下に琵琶湖、京都市街まで一望できる最高のパノラマ・ビューを保証します。しかも空気も最高! 写真奥方の白壁の建物は根本中堂(国宝)です。平成28年から約10年かけての大改修真っ最中です。延暦寺は実に広いですから、本堂以外に、東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、そして北方の横川(よかわ)まで相当の健脚でも一日で回れるか…。でも、拝観料が安く思えるほど、丸1日“大人の秋旅行”が楽しめます。令和3年は、最澄御遷化([ご]せんげ)1200年に当たる年。皆さん、ぜひとも秋とは言わずに訪れて欲しいです。なお、昼食は延暦寺会館で最高の眺望とともに比叡御膳(精進料理)をいただきました!*1:前大僧正(さきのだいそうじょう)慈円。小倉百人一首にも登場する。『おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖』(95番)。『愚管抄』の著者としても有名。』

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話がまとまったはずが…契約更新NGって何!?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第5回

第5回 話がまとまったはずが…契約更新NGって何!?漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継に当たって、重要になるのが不動産の位置付けです。売り手側の院長が不動産を所有しているケースは3割程度で、残り7割の方はテナント(賃貸)で診療所を運営しています。テナントの場合は、診療所の引き継ぎ時に不動産のオーナーに許可を得る必要があります。テナントの引き継ぎには大別して以下の3つのパターンが存在します。(1)そのまま契約を継続する(2)ゼロから契約する(3)名義変更が生じる(1)そのまま契約を継続する売り手の診療所が医療法人という形態で「法人」としてテナントを借りている場合には、そのまま契約を継続するケースが多くなります。賃貸条件を原則そのままで引き継ぐことができる反面、このタイミングでは敷金や保証金が貸主から返還されることはありません。(2)ゼロから契約する売り手の診療所が個人運営である場合には、基本的には、売り手の院長と不動産オーナーの契約が解消され、その後、最新化された賃貸条件で買い手が新規に契約を締結します。仲介した業者への手数料も発生します。(3)名義変更が生じる(2)のケースの例外として、売り手の診療所が個人運営である場合であっても、名義変更だけで賃貸借契約を継続できるパターンがあります。この場合、不動産オーナーから敷金・保証金が売り手の院長へ返還されるケースと、オーナーの希望で(手間を減らすために)買い手・売り手・オーナー間で返還請求権を移行する「3者間契約」を締結するケースがあります。今回、ヤギ先生(売り手)は、知り合いの院長から(3)のパターンを聞き、自分の診療所もこのパターンが当てはまるものと思ってしまい、トラブルになりました。後継者候補の先生からすると(2)のパターンでは想定よりも多くの費用(礼金や仲介費)がかかるため、「ほかの案件を探す」という判断も出てきます。ヤギ先生が賃貸借契約書を十分に確認しておけば防げたはずのトラブルです。売り手も買い手も、対象の診療所が(1)~(3)のどれに当たるのか、賃貸借契約書の内容を細かく確認する必要があります。契約書の内容は複雑な場合もあるので、医業承継コンサルタントなどに相談し、注意すべき特約事項がないかなども併せて確認することをお勧めします。

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テネット【なんで時間を考えるのが癒しになるの?(アクセプタンス&コミットメント・セラピー[ACT])】Part 1

今回のキーワードアクセプタンスマインドフルネスコミットメントブリーフセラピーお葬式のメタファー人生の価値皆さんは、時間を忘れるのが癒しだと思いますか?確かに、時間に追われて生活していればそう思うことはあるでしょう。ただ一方で、時間を考えるのが癒しになることもあります。どういうことでしょうか?この理由を説明するために、今回は、タイムトラベルをテーマにしたSF映画「テネット」をお送りします。そして、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT、アクト)という最新のセラピーを重ね合わせます。この記事で時間を考えることを、物理学的な娯楽としてだけでなく、心理学的な癒しとしても見つめ直してみましょう。なお、より良い理解のために、この記事の2ページ目にネタバレのコーナーも用意しています。これからこの映画を見る人は、2ページ目にご注意ください。 なんで時間を考えるのが癒しになるの?-ACTの要素主人公はもともとCIAのエージェント。この映画では名もなき男と呼ばれ、あえて名前が付けられていません。彼は、第三次世界大戦を防ぐために、なかば強引にテネットという組織のメンバーにさせられます。そして、協力者として現れたニールと一緒に任務を遂行することになります。実は、このニールこそが陰の主人公であることに、私たちは映画の最後で気付くことになります。ここから、ニールの2つのセリフをACTの2つの要素に重ね合わせ、時間を考えるのが癒しになる訳を考えてみましょう。(1)「起きたことが起きた」-過去と現在の受け入れ-アクセプタンス名もなき男とニールが黒幕に迫っていく中、時間が逆行する装置の存在により、時間を逆行する人が出現して混沌となります。この映像体験は、私たちの常識を吹き飛ばします。そんな中、ピンチになった時にニールは口癖のように「起きたことが起きた(起きたことは仕方ない)」と言い、淡々と自分にできることをするのです。これは、名もなき男が、テネットの研究所で逆行する銃弾を見せられ当惑した時、研究者に言われたセリフ「考えないで。感じて」にも通じます。1つ目は、過去と現在の受け入れです。自分がどんなにうまくいっていなくても、その自分自身を受け止めること、つまり良い悪いの価値判断を無意識にしていることに気付くことです。これは、ACTのアクセプタンスに重なります。私たちは、問題が起きると、その葛藤による苦しみをコントロールしようとします。もちろん、苦しみをコントロールできるなら、それはそれで良いでしょう。しかし、どうしてもコントロールできない時は、どうなるでしょうか? 苦しみをコントロールできないという新たな「苦しみ」が生まれてしまいます。つまり、苦しみから逃れられないと突き詰めて考えること自体でさらに苦しくなるということです。これは、コントロールするという手段にばかり気をとられて、目的を見失ってしまいます。「手段の目的化」というよくある心理です。たとえば、それは、がんや難病による疼痛、全身倦怠感、身体的不自由です。予期不安もそうです。これは、不安(パニック発作)がまた起きると考えて(予期して)、不安になることです(パニック障害)。また、障害のある子の養育、最愛の人との死別、夫婦関係や親子関係の葛藤なども当てはまります。新たな苦しみは、本来あるべき健康な状態が前提になっています。その前提は、私たちがとらわれている、こうあるべきという常識(主流秩序)です。その常識から外れてしまった自分の状態に苦しみ、絶望しているのです。よって、その常識そのものにまず気付き、そのままにする、つまり苦しみをコントロールしようと思わないようにすることです。そして、苦しみはあるものの、そのままの人生を生きていくことです。そのために、「その行動は、そうあるべきと思っているから?」と自分自身に問いかけ、義務感や体裁を生み出す常識(主流秩序)に自分がコントロールされていないかを確かめる必要があります。ACTのアクセプタンスとは、こうあるべきという心を萎ませることとも言えます。これは、マインドフルネスに重なります。この詳細については、末尾の関連記事1をご参照ください。なお、アクセプタンスは、支持療法の「受容」とはまったく意味合いが違う点にご注意ください。 (2)「運命。俺にとっては現実だよ」-未来への思い入れ-コミットメントニールが名もなき男に「運命。俺にとっては現実だよ」と悟ったように答えるシーンがあります。また、「俺がどんな人生を送ってきたか、この事件が終わって片付いたときに生きていたら、話してあげたいよ」と意味ありげに話してもいます。ニールは一体何者なのでしょうか?私たちが映画を見終わってからニールの正体に勘づいた時、その言葉の重みと彼の任務への思い入れの強さに打ちのめされます。これから彼を待ち受けている「現実」を知ってしまった私たちは切なくなりますが、それでも彼はその「現実」を生きる価値があると思ったのでしょう。2つ目は、未来への思い入れです。自分はどんなふうに人生を送りたいのかという人生の目標を掲げて目指すこと、つまり自分の人生の価値をはっきりさせ行動することです。これは、ACTのコミットメントに重なります。もちろん、衣食住が満たされればそれ以上求めないという人は、それはそれで良いでしょう。しかし、一方で、とくに先ほど触れたような苦しみがもともとある場合は、このコミットメントに意識を向けることで、苦しみにばかり意識が向かなくなり、苦しみに振り回されることが減っていき、アクセプタンスが進むでしょう。もちろん、アクセプタンスがもともとある程度進んでいることで、現在の苦しみから未来に目が向き、コミットメントがはっきりしてくるでしょう。このように、アクセプタンスとコミットメントは、相互作用します。それでは、以下のケースはどうでしょうか? 難病によって大好きだった野球ができない人生は終わりだと嘆くクライアントがいます。彼のコミットメントは、野球をすることでしょうか? すると、彼にはコミットメント自体がないことになるでしょうか? そんなことはないです。彼のコミットメントとして、野球そのものではなく、野球をすることで得られる価値を考えてもらうことができます。それは、チームプレイによる信頼感、野球のゲーム性の魅力、体を動かす喜びなどいろいろ考えられます。それをはっきりさせて、その価値に沿う新たな行動をしてもらうのです。たとえば、それは仕事仲間とのコミュニケーションを増やしたり、野球の観戦をしたり、難病に差し障らない運動をすることです。また、うつ病によって結婚できずに子どももいない人生は意味がないと嘆くクライアントがいます。彼女のコミットメントは、家庭生活を送ることでしょうか? すると、彼女にはもうコミットメントを見いだすことは難しいでしょうか? そんなことはないです。彼女のコミットメントとして、家庭生活そのものではなく、家庭生活で得られる価値を考えてもらうことができます。それは、支え合う安心感、お世話をする喜びなどが考えられます。それをはっきりさせて、その価値に沿う新たな行動をしてもらうのです。たとえば、それはピアサポート(自助グループ)に参加したり、シェアハウスに入居したり、趣味の仲間同士でつながったり、友人の相談に乗ったり、ペットを飼うことです。コミットメントは、「お葬式のメタファー」でイメージアップすることができます。まず、「もしも自分が今死んだとしたら、お葬式に誰が来る?」「その人たちは何て言う?」と考えます。次に、「何十年か生きたあとで死んだとしたら、誰に来てほしい? 何て言ってほしい?」とさらに考えます。この2つの質問の答えの違いから分かることは、自分は何(誰)を大切にしたいのか、そして自分はどうなりたいのかという人生の方向性です。これが、人生の価値です。それは、ゴールとして終わるものではなく、方向として果てしなく続くプロセスです。そして、またその方向のほとんどは、人とつながることです(向社会性)。その「人生の地平線」に向かって、自分が日々どう行動するかは自分自身が一番よく知っているというわけです。ちなみに、映画のラストで戦いが終わり、立ち去るニールが名もなき男に見送られるシーンは、この「お葬式のメタファー」を想起させます。ACTのコミットメントは、こうありたいという心を膨らませることとも言えます。これは、ブリーフセラビーの「北極星のメタファー」、対人関係療法の「重要な他者」、マズローの「自己実現欲求」に重なります。ブリーフセラピーの詳細については、末尾の関連記事2をご参照ください。また、自己実現欲求や人生の価値が向社会性である理由やその起源の詳細については、末尾の関連記事3をご参照ください。 癒しにならないクライエントは?ACTの要素にニールのセリフを重ね合わせて、ACTの意味や効果を説明しました。ACTの適応対象は、セラピーとして幅広いです。ただし、やはり万能ではありません。ここから、癒しにならない場合、つまり適応対象にならないクライエントのケースを挙げてみましょう。知的障害や認知機能低下(認知症)など考えることにそもそも限界がある(知的レベルが低い)何(誰)かを大切にしたいという発想がそもそもなく自己本位である(向社会性が低い)こうあるべき(主流秩序)を貫くことが自分の生き方(価値)であると確信している苦しみを表現して周りからの援助を引き出すことが本人の生き方(アイデンティティ)になっている(シックロール)時間を考えるとは?動物は、過去を振り返ることも未来を見通すこともなく、時間を考えることはありません。その瞬間を本能的に反射的に生きています。そして、苦しみがあっても、コントロールしようとはしないです。人間(人類)も、20万年前まではそうでした。しかし、20万年前から言葉を話すようになり、言葉によって世界を認識し、時間を認識し、世界をコントロールするようになりました。一方で、人間は、言葉に、自分が学習した善悪のイメージ(認知)を融合させてしまうようにもなりました(認知的フュージョン)。皮肉にも、その言葉によって、自分が思い浮かべた言葉のイメージに引っ張られる、つまり、逆にコントロールされてしまい、コントロールできなくなることに苦しむようにもなったのでした。たとえば、いきなり「自殺」という言葉を聞いたら、その瞬間、私たちは緊張が走ります。差別用語や放送禁止用語なら、なおさらでしょう。また、特定の言葉を聞いただけで、かつての嫌な記憶を思い出して苦しむことも当てはまります。ACTの核心は、まさにこの言葉とイメージの融合を分離して、言葉そのものに間合いをとることです(脱フュージョン)。たとえば、先ほどの「自殺」という言葉を「ジ・サ・ツ」と単調に繰り返し言い続けていると、逆にこの言葉の意味が分からなくなることに気付きます(意味の飽和)。このように、言葉の「魔力」の揺らぎを感覚的に理解することができます。言葉を俯瞰することが、アクセプタンスです。そして、時間を俯瞰することが、コミットメントとも言えます。私たちは苦しみにぞっとして絶望を抱くことも、その苦しみをそっとしておいて希望を抱くこともできます。そのどちらの「地平線」に向かうのか、向かいたいのかはやはり私たち次第であるということです。ニールたちは、時間を逆行しました。私たちは、時間を逆行することはできないですが、未来への視点(価値)を持ち、逆算して今どう行動すれば良いかを考えることができます。これこそが、時間を考えることと言えるのではないでしょうか? ■関連記事1.「ZOOM」「RE-ZOOM」【どうキレキレに冴え渡る?(マインドフルネス)】2.東京タラレバ娘【ブリーフセラピーとは?】3.恥ずかしいけど口に出したら幸せになるカード【これで「コロナ離婚」しなくなる!(レクリエーションセラピー)】1)テネット映画パンフレット:岩田康平、松竹株式会社、20202)マインドフルネスそしてACTへ:熊野宏昭、星和書店、20113)こころのりんしょうa・la・carte ACT:熊野宏昭ほか、星和書店、2009 2ページ目【ネタバレ】これからこの映画を見る人は、2ページ目はネタバレになりますので、ご注意ください。(1)ニールの正体は?(2)ニールのコミットメントは?(3)なんで戦いのラストシーンが「お葬式のメタファー」なの?次のページへ >>

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テネット【なんで時間を考えるのが癒しになるの?(アクセプタンス&コミットメント・セラピー[ACT])】Part 2

【ネタバレ】これからこの映画を見る人は、2ページ目はネタバレになりますので、ご注意ください。(1)ニールの正体は?ニールの正体は、キャットとセイターの息子、マックスであることが映画ではほのめかされています。それは、以下の4点です。ニールもマックスも金髪である点(身体的特徴)ニールはイギリス英語を話しており、マックスはロンドンの学校に通っている点(言語的特徴)セイターはウクライナ出身であり、ニールはウクライナ語が話せることが示唆されるシーンがある点(言語的特徴)ニールは、大学で物理学の修士号を取ったと言っている。また、未来で名もなき男(未来のテネット創設者)にリクルートされたと最後に打ち明けている。一方、名もなき男とキャットが結ばれることで、マックスと名もなき男が親子関係になることが推測される。よって、マックスが物理学に興味を持ち、大学で修士号を取っても不思議ではない点(学問的興味)。(2)ニールのコミットメントは?ニール(34才)とマックス(10才)が同一人物であると仮定すると、マックスが少なくとも大卒の22才の時点で、10才の時点に戻るために、12年間の逆行生活を送ったことが推測されます。途中で何度か順行生活の「休憩」を入れたとしても、それだけですさまじい人生です。そして、22才+12年間=34才になって、ニールと名乗り、「若い」育ての父親(名もなき男)に再会するのです。ニールのコミットメントは、育ての父親(名もなき男)を助け、さらには守り、世界を救うことであると言えます。再会シーンで、ニールは名もなき男の飲み物をオーダーする時、「ダイエットコークだよね」と父親の好きな飲み物をさりげなく言います。そして、任務を遂行する中、2人には親子愛のような友情のような不思議な関係性が見えてきます。また、キャットがセイターに撃たれて負傷した時、逆行状態の中で、ニールが献身的に看病していたのも、キャットが母親であるなら納得がいきます。ラストシーンで、プリアに殺される予定であったキャットとマックスは、機転を働かせた名もなき男によって密かに救われます。ニールが名もなき男を命がけで守ろうとするのは、父親が命の恩人であるからとも言えるでしょう。なお、セイターは、末期がんで死期が近いことを知って、世界を道連れにして死のうとします。彼は、コミットメントのかけらもない人間として対照的に描かれています。彼は、死のうとする直前、「私の最大の罪は、息子を生んだこと」と言います。息子を道連れにして死なすことではなく、生んだこと自体が罪であると表現するのは、彼の非情さをよく表しており、過去への逆行を駆使している彼ならではの発想のように思えます。また、自分の計画が、結果的に息子によって阻止されてしまうことを暗示しているようも思えます。(3)なんで戦いのラストシーンが「お葬式のメタファー」なの?名もなき男は、2回ほど赤いストラップの付いたカバンを背負う謎の防護服の男に救われます。その男は、2回目には死んでしまいました。名もなき男は、その赤いストラップがニールのカバンに付いていることに、戦いのラストシーンのニールとの別れ際で気付くのでした。ニールがこのあとに逆行して名もなき男への2回目の援護によって自己犠牲を遂げることを名もなき男はその瞬間に勘付くのです。これは、名もなき男と私たちの視点です。一方で、ニールの視点で考えてみましょう。父親(名もなき男)は、未来でテネットの創設者になり、息子(ニール)を現在に送り込むわけです。ここで、育ての親とは言え、自分の息子を死ぬと分かっていてそこまでするのかという疑問が残ります。これは、名もなき男がもともとどういう人物かを考えれば納得がいきます。それは、冒頭シーンで、名もなき男は拷問に耐えて仲間のために死を選ぶ生き方をしていることです。名もなき男のコミットメントは、世界を救うことであり、自己犠牲であることはすんなり理解できます。よって、それを息子に託すことも理解できます。きっと未来の名もなき男なら、死ぬ可能性が高いことも息子(ニール)に伝えているでしょう。だからこそ、現在にやってきたニールはあれほどまでにひょうひょうとしていて、運命を「現実」と言うのです。ニールと名もなき男の別れ際のラストシーン。ニールは、これから過去の名もなき男を守るために死ぬことを悟っています。ニールにとって、この時の名もなき男の眼差しは、すでにニールの心の中に内在化された未来の名もなき男の眼差しに重なっているでしょう。立ち去るニールの背中は、「見ててくれよ、父さん」と語っているように思えてきます。このニールの心理状態こそ、このシーンが「お葬式のメタファー」である理由と言えるでしょう。 << 前のページへ

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オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCの2次治療のOS結果(AURA3最終)/Ann Oncol

 第3世代EGFR-TKIオシメルチニブについて検討した、AURA3試験の最終解析結果が報告された。同試験においてオシメルチニブは、既治療のEGFR T790M変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して、プラチナ併用化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および奏効率を有意に改善することが示されていた。今回、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのV A Papadimitrakopoulou氏らは、最終的な全生存(OS)期間について解析を行い、オシメルチニブ群とプラチナ+ペメトレキセド群に統計学的な有意差は認められなかったと発表した。ただし、示された結果について著者は、プラチナ+ペメトレキセド群からオシメルチニブ群へのクロスオーバーが高率であったことを反映している可能性があると指摘している。Annals Oncology誌2020年11月号掲載の報告。 AURA3試験の対象は、EGFR-TKIによる1次治療中に病勢進行したEGFR T790M変異陽性の切除不能な進行・再発NSCLC成人患者。被験者は、オシメルチニブ群またはプラチナ+ペメトレキセド群(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド、3週ごと最大6サイクル)に、2対1の割合で無作為に割り付けられ追跡を受けた。 プラチナ+ペメトレキセド群では、盲検化独立中央評価によって病勢進行が確認された場合は、オシメルチニブへのクロスオーバーが許容された。OSおよび安全性が副次評価項目であった。 主な結果は以下のとおり。・279例がオシメルチニブ群、140例がプラチナ+ペメトレキセド群(治療を受けたのは136例)に割り付けられた。・データカットオフ(2019年3月15日)時点での死亡は、オシメルチニブ群188例(67%)、プラチナ+ペメトレキセド群93例(66%)であった。・OS中央値は、オシメルチニブ群26.8ヵ月、プラチナ+ペメトレキセド群22.5ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.87、95%CI:0.67~1.12、p=0.277)。・24ヵ月および36ヵ月の推定生存率(オシメルチニブ群 vs.プラチナ+ペメトレキセド群)は、それぞれ55% vs.43%、37% vs.30%であった。・クロスオーバー調整後のOSのHRは0.54(95%CI:0.18~1.6)であった。・最初の後治療または死亡までの期間は、オシメルチニブ群で有意に延長し、臨床的に意義のある利点が示された(HR:0.21、95%CI:0.16~0.28、p<0.001)。・データカットオフ時点では、プラチナ+ペメトレキセド群の73%(99/136例)がオシメルチニブ群にクロスオーバーしており、そのうち67%(66/99例)が死亡した。・主な治療関連有害事象は、オシメルチニブ群では下痢(32%、Grade3以上は1%)および発疹(32%、Grade3以上は<1%)、プラチナ+ペメトレキセド群では悪心(47%、Grade3以上は3%)であった。

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睡眠時間がうつ病やQOLに及ぼす影響~日本におけるインターネット調査

 日中の眠気や睡眠障害の有無で調整後の一般集団における睡眠時間とQOLまたはうつ病との関連を評価した研究は、これまでなかった。国立精神・神経医療研究センターの松井 健太郎氏らは、これらの関連を調査するため、Webベースの横断調査を実施した。Sleep Medicine誌オンライン版2020年10月15日号の報告。 対象は、20~69歳の8,698人。平日の睡眠時間、日中の眠気、睡眠障害、QOL、うつ病との関連を調査した。エプワース眠気尺度、ピッツバーグ睡眠質問票(睡眠時間の項なし)、健康関連QOL評価尺度SF-8、CES-Dうつ病自己評価尺度を用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・日中の眠気は、平日の睡眠時間が短くなるにつれ、増加傾向が認められた。・睡眠時間が7~8時間の人と比較し、睡眠時間が短い人および長い人では、睡眠障害、身体的および精神的QOL、CES-Dスコアの悪化が認められた。・階層的ロジスティック回帰分析では、日中の眠気と睡眠障害の有無で調整した後でも、睡眠時間が短い人では、身体的および精神的QOLの低下と有意な関連が認められた。・日中の眠気で調整した後、睡眠時間が短い人および長い人では、独立してうつ病との有意な関連が認められた。しかし、睡眠障害で調整した後では、統計学的に有意な関連は認められなかった。 著者らは「睡眠時間の短さは、身体的および精神的QOLの低下との関連が認められた。また、うつ病に及ぼす影響は、睡眠時間の短さよりも、特定の睡眠障害と関連している可能性が示唆された」としている。

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研修医の悩みに寄り添う本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第36回

【第36回】研修医の悩みに寄り添う本研修医時代ってめちゃくちゃ悩みますよね。医師になるぞ!と張り切って現場に出てきたのに、薬剤の商品名を覚ておらず怒られたり、うまく患者さんへの対応ができずに悩んだり、担当患者さんの死に直面して動転したり……。『みんな、かつては研修医だった。医師が答える医師たちの悩み』柳井 真知/著. 金芳堂. 2020年まず目次を見てください。みなさんが悩んでいること、悩んできたこと、なんとなく乗り切ってきたこと、いろいろな「医師としての悩み」が散りばめられています。「心に響いた本(や映画、ドラマ)から文章やセリフを拝借しながらお答えする」というのが面白い観点で、独特の言い回しが読者を飽きさせません。「研修医と名乗ることに不安があります。」あーー、あるある!私も研修医時代、内科ローテートをしているとき、「研修医の倉原です」ではなく「内科の倉原です」などと言っちゃって、背伸びをしたことがあります。後期研修医のときも、「研修医」とかそういう言葉をできるだけ出したくなかった記憶があります。ナメられたくないというか、なんだこいつペーペーかよって患者さんに思われたくなかった。幸いにも、研修医になったとき、26歳なのに「先生は医学部再受験生?と言われるくらい老け込んでいたので、患者さんに「研修医ですか?」と聞かれることはありませんでした。「患者さんにうまく病状説明ができません。」あーー、あるある!ヤバイ、ページをめくる手が止まらない。こんな目次ばっかですぜ。病状説明のノウハウ、今でも悩むことがありますよね。昔から「見て学ぶ」というのが慣例になっているのですが、病状説明が下手くそな指導医とそうでない指導医の差は、たとえ研修医であっても必ずわかるはずです。病状説明が上手な指導医の説明に、できるだけ同席することをオススメします。説明が上手でなくても、医学用語を使わない、説明文書を手紙にする、などの工夫ができるはずです。「看護師さんが指示を聞いてくれません。」あーーー、あるある!!!!と書いたら……病棟の看護師さんから怒られてしまうので、ここまでにしましょう。こういう若手医師特有の悩みを、悪魔的な説得力でやさしく回答してくれる本。眠れない当直の合間にこそ、読んでほしい。『みんな、かつては研修医だった。医師が答える医師たちの悩み』柳井 真知 /著出版社名金芳堂定価本体2,600円+税サイズA5判変型刊行年2020年

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第33回 発症までに約20年の認知症、新たな治療薬を短期の臨床試験で判断すべき?

これほど世間にぬか喜びをもたらした新薬候補はほかにあるだろうか? 米・バイオジェン社が今年7月に米食品医薬品局(FDA)へ承認申請し、現在、優先審査の指定を受けているアルツハイマー型認知症治療薬候補のアデュカヌマブのことだ。優先審査指定により、FDAは来年3月7日までに承認可否を判断する予定だが、これに向けて最重要関門であるFDA末梢・中枢神経系薬物諮問委員会が11月6日に開催された。しかし、そこでの委員の採決ではほとんどが試験結果に否定的な見解を示した。平成26年度厚生労働科学研究費「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」によると、2020年時点の認知症有病者数は602~631万人、65歳以上での有病率は17.2~18.0%である。同推計での2030年の有病者数は744~830万人、65歳以上での有病率は20.8~23.2%にまで達する。認知症の中でも患者数の約7割を占めるのはアルツハイマー型認知症であり、下衆な言い方をすれば、製薬企業にとって新薬開発に成功すればとてつもない「メガマーケット」になる。ところがアルツハイマー型認知症治療薬は、日本のエーザイが世に送り出した世界初の治療薬の塩酸ドネペジル(商品名:アリセプト)も含めて現時点では4成分しかなく、日本では2011年7月以降約10年も新薬は登場していない。これは海外でも同じだ。この不思議な空白期間の原因は、単純に製薬企業による新薬開発で失敗が続いてきたからである。そもそも既存のアルツハイマー型認知症治療薬は、いずれも神経伝達物質の分解酵素の働きを抑え、結果として脳内で減少しつつある神経伝達物質を増やして記憶障害などを改善する。しかし、周囲がアルツハイマー型認知症とわかるような高齢患者にこれらの薬を投与しても、効果を実感できるのは1年程度と言われる。最終的に神経細胞そのものが死滅してしまうためであり、いわば「電線(神経細胞)のないところに電気(神経伝達物質)は通らない」のだ。ならば電線(神経細胞)が破壊されるのを防げばよいことになる。その後の研究で、アルツハイマー型認知症患者の脳内では病状の進行とともにアミロイドβ(Aβ)やタウと呼ばれるタンパク質が異常蓄積していることが判明。これらが神経細胞を死滅させる原因と考えられた。ちなみにAβは、体内のあらゆる細胞にあるAβ前駆体タンパク質(APP)に酵素が働くことで作り出される。この結果、過去10年の新薬開発は、APPからAβを作り出す酵素βセクレターゼの働きを抑えるβセクレターゼ(BACE)阻害薬、脳内に沈着したAβを人工的な抗体で排除する抗Aβ抗体の2つのタイプが主流となった。冒頭で取り上げたアデュカヌマブは後者のタイプである。ところが2012年から2019年秋までにBACE阻害薬候補、抗Aβ抗体候補とも各3成分が相次いで有効性不十分で開発を中止。その中で次期新薬として最も有望視されていたのがアデュカヌマブだった。アデュカヌマブの初期の臨床試験では、投与患者の脳内を放射性診断薬を用いた画像診断で評価すると、アデュカヌマブ投与で脳内のAβ量は減少し、認知機能テストでも症状悪化が認められないことがわかった。この結果は科学誌「ネイチャー」に報告された。そもそも脳内Aβの定量化は、放射性診断薬の不安定さもあってかなり困難な作業であり、それを実現しただけでなく、その量の減少と定性指標を定量指標化したともいえる認知機能テスト結果との良好な相関を示せたのは当時アデュカヌマブぐらい。否が応でも期待は高まっていた。ところが2019年3月、バイオジェンは2つの第III相試験の無益性解析の結果、主要評価項目の達成は困難として開発中止を発表。バイオジェンとアデュカヌマブの共同開発・共同販促に合意していたエーザイの株価も一気に3割も下落した。競合他社の開発担当者ですら、この結果に「落胆のあまり言葉もでない」と吐露したほどだ。この時点で2020年代前半までのアルツハイマー型認知症の新薬登場は絶望視された。ところがそれから7ヵ月後の2019年10月、どんでん返しが起こる。バイオジェンが症例を追加して再解析を行った結果、中止した第III相試験のうちEMERGE試験では、アデュカヌマブの高用量投与群はプラセボ群に比べ、主要評価項目である臨床的認知症重症度判定尺度(CDR-SB)で有意に症状悪化を抑制したことがわかったのだ。もう一つの第III相試験であるENGAGE試験では主要評価項目のCDR-SBを達成しなかったものの、サブグループ解析でEMERGE試験を支持する結果が得られたとして、この2つの試験結果に、第Ib相試験のPRIME試験も加え、バイオジェンはFDAに承認申請を行った。しかし、冒頭で触れたように諮問委員会はアデュカヌマブにほぼ否定的な見解を示した。諮問委員会の審議内容に法的拘束力はなく、最終的にアデュカヌマブが承認される可能性も残っているが、アデュカヌマブの有効性を認めることに対する委員の判断は拮抗したものではなく、圧倒的な反対多数であり、現状での承認にはかなり暗雲が立ち込めている。もっとも私個人はアデュカヌマブの承認可否にかかわらず、アルツハイマー型認知症治療薬の研究開発の在り方そのものを見直すべき時期に来ているのではないかと思っている。まず、近年、失敗続きのアルツハイマー型認知症治療薬の標的としてAβは正しいのか、すなわちAβ原因説が正しいのかという問題はある。現時点ではアルツハイマー型認知症の進行とともに患者の脳内にAβの蓄積が進むため、「これが原因だろう」と推定されているに過ぎない。そして実は根本の原因は別にあり、Aβの蓄積は、アルツハイマー型認知症の進行で併発的に起こっている可能性も否定できないことは確かだ。ここではまずAβが原因の一つである前提で考えてみたい。その場合の第一の問題はこれまでの研究からAβの蓄積開始から本格的なアルツハイマー型認知症の発症までは約20年は要すると言われている点である。つまりAβを標的とした治療薬候補の場合、有効性を確認するためには1~2年程度の評価では不十分である可能性があるということである。第二の問題はアルツハイマー型認知症では、一定以上症状が進んでしまうと、既存薬やこれまで開発された新薬候補のいずれも効果を発揮せず、効果が得やすいのは軽症あるいはそれ以前の前駆期と呼ばれる自分自身はおろか周囲も認知症であると気づかない患者であるという点だ。当然そうした人は医療機関を受診するわけもなく、どこにどの程度いるかすらわからない。これらを総合すると、Aβを標的としたアルツハイマー型認知症の治療薬候補に関する臨床試験では、病識のない不特定多数から対象者を見つけ出し、なおかつその人に治療薬候補を投与して緩やかな症状の進行抑制を長期間観察しなければならないわけだ。ざっくり考えただけでも必要な症例数、観察期間は膨大である。しかも、アルツハイマー型認知症の場合、病状進行や症状改善に関して厳密な意味での定量評価指標は乏しい。つまり厳格に臨床試験を行おうとすればするほど、既存の枠組みを超え、製薬企業の開発費用は莫大なものになる。一方、Aβがアルツハイマー型認知症の原因ではないのなら、新たなターゲットを探索するということになる。ただ、高齢化進展と医学の進歩とともに、前述のAβ原因説に立脚した場合のように、端緒となる原因から発症までの期間が長く、それを早期に抑えるために事実上無症状のような対象を想定した薬剤開発を行なわなければならないという事例は今後十分に想定しうることである。つまるところ現在行われているAβを標的としたアルツハイマー型認知症治療薬候補の臨床試験を入口に、一製薬企業による臨床試験の範疇を超え、アカデミア・行政が連携した規模の大きい公的財政出動を加えた新薬開発の枠組みも検討すべき時期に差し掛かっていると言えるかもしれない。

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双極性障害患者の加齢に伴う白質の変化

 双極性障害(BD)では、加齢に伴う白質の変化が報告されている。しかし、この加齢に伴う変化が、疾患特有のものであるかはよくわかっていない。広島大学の増田 慶一氏らは、うつ病およびBD患者と健康対照者(HC)の加齢に伴う白質の変化を年齢別に調査し、年齢を制御することにより疾患特有の影響を評価した。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2020年10月22日号の報告。 対象は、HC群96例(20~77歳)、うつ病群101例(25~78歳)、BD群58例(22~76歳)。54の白質路における拡散テンソル画像から得た異方性(fractional anisotropy:FA)を比較するため、年齢の線形効果および2次効果で制御した後、一般線形モデルを用いた。年齢に伴う影響および各群の相互の影響は、モデルにより評価した。 主な結果は以下のとおり。・加齢に伴う白質の有意な変化は、年齢の線形効果および2次効果で制御した後では、左側脳弓柱および脳弓体で認められ、年齢の2次効果で制御した後では、左側脳梁体で認められた。・BD群は、ほかの群と比較し、FAが有意に低かった。・各群における年齢による影響に違いは認められなかった。 著者らは「年齢で制御した後、BD群では有意なFAの低下が認められた。BDの白質異常は、年齢とともに進行するわけではなく、若年層で発生する可能性があることが示唆された」としている。

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糖尿病患者は自殺死のリスクが○倍?

 糖尿病は、正常血糖と比較して自殺死のリスクが高かったことが、国立国際医療研究センターの福永 亜美氏らによって報告された。Journal of Psychosomatic Research誌2020年11月号に掲載。 本研究は、日本の労働人口における糖尿病および境界型糖尿病と自殺の関連を調査する目的で、労働衛生研究のデータを使用し実施された。 8年間の追跡調査中に、自殺前の過去3年間の健康診断で、空腹時血糖値またはHbA1cに関する情報があった56例の自殺死の症例を特定。年齢、性別、職場が一致する5つのコントロールをランダムに選択。分析には最新の健康診断データを使用した。米国糖尿病学会の基準に基づき糖尿病の状態を定義し、条件付きロジスティック回帰モデルを使用して関連を調査した。 正常血糖と比較した糖尿病と境界型糖尿病における自殺死の関連性については以下のとおりである。・正常血糖と比較した自殺死は、境界型糖尿病で0.67倍、糖尿病で3.53倍であった。・糖尿病の状態を空腹時血糖値またはHbA1cで定義した場合でも、自殺の関連性は同様の結果であった。

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転倒リスクを測定、立位年齢を1分で測定できる「StA2BLE」とは

 皆さんはご自身の転倒リスクについて意識したことがあるだろうか? 転倒はQOLの低下を招くばかりか要介護の原因となる。そのため、国の政策でも転倒予防が掲げられているが、アンメットメディカルニーズであることから抜本的な解決にはつながっていない。 10月26日にWeb開催された日本抗加齢協会主催『第2回ヘルスケアベンチャー大賞』において、転倒リスクを回避できる画期的な技術についてプレゼンテーションした、合同会社アントラクトの「StA2BLEによる転倒リスク評価と機能回復訓練事業」が大賞に選ばれた。プレゼンターを務めた島 圭介氏(横浜国立大学大学院工学研究院 准教授/アントラクトCEO)らの研究は、転倒リスクから身を守るだけではなく抗加齢につなげることを目標に設計されており、立位年齢TMが抗加齢分野において新しい指標として活用が期待されると多くの審査員から支持を得た。本稿では、見事に賞金100万円を手にした島氏への取材内容を交えてお届けする。 転倒リスクを身体と感覚の両側面から測定できる インターネットでたまたま公募を知ったことが今回の受賞のきっかけと話す島氏。同氏らは転倒リスクを回避するための技術として、立位機能アシスト&検査装置「StA2BLE」を開発した。StA2BLEとは、指先への感覚刺激の制御によって世界で初めて転倒リスクの可視化を実現し、身体/感覚機能を同時に評価する検査法で、「ただ目を閉じて立っているとふらつくが、壁に手をつくことで立っていられる」という原理を応用している。従来の体力テスト(握力や柔軟性など)では測定できないような転倒のリスクを身体と感覚の両側面から測定可能な点が特徴だ。 立位機能アシストはライトタッチと呼ばれる、人が何かに触れると姿勢が安定する現象を見えない壁(仮想壁)で作りだして転倒を予防する。これを利用することでいつでも・どこでも転倒予防ができるので、安定した立位、歩行が可能になる。 検査装置は仮想壁を取り払うことで転倒リスク評価につなげる技術で、ふらつきを誘発させてわずか1分間で転倒リスクを測定するものである。転倒リスクは過去に何回転倒したか、1年に何回転倒したかなどが鍵となるが、「立位年齢TMを知ることで自身への必要なサポートを意識することができる」と最終審査でPRした。 また、アントラクトでは技術提供だけではなく、立位年齢TMを測定後、理学療法的知見に基づき個々に応じた立位機能改善の訓練プログラム「筋制御トレーニング」「身体認識トレーニング」「感覚柔軟化訓練」の3つを提供しているのも特徴だ。若年者から高齢者まで有用なことから、この技術を入院前に実施し立位年齢TMを若返らせれば「入院中やその後のリスク回避につながる」とも説明した。転倒リスクが生命に影響する産業現場へ参入 現時点でこの技術を体験したのは全国各地で開催された健康イベントなどに参加した約1,400名だが、同氏は将来ビジョンとして「転倒予防が重要な産業現場」への導入件数の増加を目指している。これについては、「産業現場は転落・転倒リスクが生命に影響することから、就業前の体操などが元来導入されている。健康な人でも転倒リスクは日々の体調に左右されるので、この部分に着目し、就業前にStA2BLEで転倒リスク確認を行ってから就業することを推奨していきたい」と話した。今後の販路拡大の方法については模索中のようだが、「各疾患での利用価値を計るため、今後は疾患別の転倒リスクを層別化できるよう取り組みたい」と研究者としての意気込みを語った。 最後に同氏は「この取り組みは平均寿命の延伸、ひいては高齢者の労働力の確保、医療費の削減につながり、社会に大きく貢献できる。StA2BLEこそ転倒事故ゼロの社会を目指す世界でただ1つの方法論となりうる。われわれは工学、社会学、都市科学の専門家集団として結束力を高め、今後は国の事業にも積極的に参画したい」と今後の展望を述べるとともに「皆さまの隣にStA2BLEが来る世界を目指していきたい」と喜びを噛み締めた。 このほかの受賞は以下のとおり。・学会賞株式会社レストアビジョン「視覚再生遺伝子治療薬開発」・ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞株式会社OUI「Smart Eye Cameraを使用した白内障診断AIの開発」株式会社Surfs Med「変形性膝関節症に対する次世代インプラントの開発」歯っぴー株式会社「テクノロジーで普及を拡張させる口腔ケア事業」・最優秀アイデア賞松本 成史氏(旭川医科大学)「メンズヘルス指標に有効な新規『勃起力』計測装置の開発」・アイデア賞佐藤 拓己氏(東京工科大学)「寿司を食べながらケトン体を高く保つ方法」松本 佳津氏(愛知淑徳大学)「長寿高齢社会を前提とした真に豊かな住空間をインテリアから考え、活用できる具体的な指標を作成する それは『豊かな人生』のデザイン」 ヘルスケアベンチャー大賞は、アンチエイジング領域においてさまざまなシーズをもとに新しい可能性を拓き社会課題の解決につなげていく試みとして、坪田 一男氏(日本抗加齢医学会イノベーション委員会委員長)らが2019年に立ち上げたもの。今年の応募総数は約40件に上り、ベンチャー企業や個人のアイデアによるビジネスプランを書類審査、1次審査、最終審査の3段階で評価し表彰した。

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Pfizer社の新型コロナワクチン有効率、最終解析で95%/第III相試験

 Pfizer社とBioNTech社は2020年11月18日、COVID-19に対するmRNAベースのワクチン候補であるBNT162b2の第III相試験の有効性の最終解析で、主要有効性評価項目をすべて達成したと発表した。本ワクチンの1回目の接種から28日以降のCOVID-19発症について、SARS-CoV-2感染歴のない参加者でワクチン有効率が95%(p<0.0001)を示し、さらにSARS-CoV-2感染歴を問わない場合でも同様であった。有効率は年齢、性別、人種、民族で一貫しており、65歳以上での有効率は94%を超えていた。COVID-19重症例は10例で、9例がプラセボ群、1例がBNT162b2群だった。両社は20日、米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)を申請した。 本ワクチンの安全性については、第II/III相試験における18歳以上の8,000人以上の参加者のランダム化されたサブセットからなる最終解析から、非盲検の反応原性データをレビューした結果、忍容性が良好であることが示された。発現率が2%以上のGrade3の有害事象は、2回目の接種後における倦怠感(3.8%)と頭痛(2.0%)であった。 BNT162b2の第III相試験は2020年7月27日に開始され、現在までに4万3,661人が登録され、11月13日時点で41,135人が2回目の投与を受けている。本試験の有効性と安全性のデータ収集はさらに2年間継続する予定。 課題とされる輸送・保管時の温度管理について、Pfizer社とBioNTech社は、ドライアイスを用いて-70℃±10℃の温度を維持するための特別に設計された温度管理シッパーを開発しており、ドライアイスを補充することにより15日間の一時保管ユニットとして使用可能としている。

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米空母内の新型コロナ感染リスク、甲板上より船内で高い/NEJM

 米原子力空母セオドア・ルーズベルト(乗組員4,779人)において、2020年3月23日~5月18日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のアウトブレイクが発生、U.S. Navy Bureau of Medicine and SurgeryのMatthew R. Kasper氏らがその調査結果をまとめた。SARS-CoV-2の感染は、狭苦しい閉鎖的な空間で無症状および症状発現前の感染者によって促進され、空母内で急速に拡大したという。SARS-CoV-2陽性と判定された乗組員の約半数は、無症状であった。NEJM誌オンライン版2020年11月11日号掲載の報告。COVID-19の1例目発生後、全乗組員にPCR検査を実施、10週間以上追跡 研究グループは、リアルタイム逆転写DNAポリメラーゼ連鎖反応(rRT-PCR)の検査結果を含めた、全乗組員の臨床および人口統計学的データを解析した。全乗組員は、検査結果や症状の有無にかかわらず、最低10週間の追跡調査を受けた。 乗組員は平均年齢27歳で若者が多く、男性が78.3%を占め、全般的に健康状態は良好で、米海軍の海上任務基準を満たしていた。 当初、3人の乗組員がCOVID-19を示唆する症状で医療部を受診し、rRT-PCR検査の結果、3人全員がSARS-CoV-2陽性と判定された(2020年3月23日)。その後、24時間以内に有症状者および濃厚接触者を特定、同艦が3月27日にグアム海軍基地に到着後、入院・隔離措置が取られた。SARS-CoV-2陽性者は26.6%、陽性判明時点で76.9%は無症状 乗組員全員にrRT-PCR検査が行われ、アウトブレイク期間中にSARS-CoV-2陽性が確認された乗組員は1,271人(26.6%)であった。このうち1,000人以上が最初の感染確認から5週以内に確認された。さらに、60人(1.3%)は、rRT-PCR検査は陰性であったが専門委員会によるCOVID-19の臨床基準を満たしており、感染が疑われた。 SARS-CoV-2陽性が確認された1,271人中、978人(76.9%)は、陽性と判明した時点では無症状で、699人(55.0%)は臨床経過中のいずれかの時点で症状が現れた。 COVID-19疑い/確定の1,331人中、23人(1.7%)が入院し、4人(0.3%)が集中治療を受け、1人が死亡した。後ろ向きに調べたところ、2020年3月11日という早い時期に症状が発現していた乗組員がいた。機関室や船内の狭い空間で任に就いていた乗組員のほうが、甲板上の乗組員よりも感染のリスクが高かった。

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心血管リスク患者へのフェブキソスタット、アロプリノールに非劣性/Lancet

 心血管リスク因子を有する痛風患者において、フェブキソスタットはアロプリノールと比較し、主要評価項目である複合心血管イベントに関して非劣性であることが示された。長期投与による死亡あるいは重篤な有害事象のリスク増加も確認されなかった。英国・ダンディー大学のIsla S. Mackenzie氏らが、多施設共同前向き無作為化非盲検非劣性試験「FAST試験」の結果を報告した。フェブキソスタットとアロプリノールはともに痛風の治療に用いられる尿酸降下薬であるが、フェブキソスタットの心血管系への安全性に懸念があり、欧州医薬品庁は安全性をアロプリノールと比較する市販後臨床試験の実施を勧告していた。Lancet誌オンライン版2020年11月9日号掲載の報告。心血管リスク因子を有する60歳以上の痛風患者約6千例が対象 FAST試験は、英国、デンマークおよびスウェーデンの18施設で実施された。対象は、すでにアロプリノールの投与を受け、少なくとも1つの心血管リスク因子を有する60歳以上の痛風患者で、過去6ヵ月間に心筋梗塞または脳卒中を発症した患者、重度うっ血性心不全または重度腎機能障害を有する患者は除外された。導入期として血清尿酸値0.357mmol/L(6mg/dL)未満を達成するためにアロプリノールの投与量を最適化した後、アロプリノール継続投与(最適化された投与量)群、またはフェブキソスタット群(80mg/日から投与を開始し、目標の血清尿酸値を達成するため必要に応じて120mg/日まで増量)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。心血管イベントの既往の有無による層別化も行った。 主要評価項目は、非致死的心筋梗塞またはバイオマーカー陽性急性冠症候群による入院、非致死的脳卒中、または心血管死の複合エンドポイントであった。層別化因子と国で調整したCox比例ハザードモデルを用い、on-treatment解析でアロプリノールに対するフェブキソスタットのハザード比(HR)を算出し非劣性を評価した(非劣性マージン:HR=1.3)。 2011年12月20日~2018年1月26日の期間に、6,128例(平均年齢71.0歳、男性85.3%/女性14.7%、心血管疾患既往歴あり33.4%)が、アロプリノール群(3,065例)およびフェブキソスタット群(3,063例)に割り付けられた。100人年当たり主要評価項目イベント発現頻度、1.72 vs.2.05 試験終了(2019年12月31日)までに、すべての追跡調査を撤回したのは、フェブキソスタット群189例(6.2%)、アロプリノール群169例(5.5%)であった。追跡期間中央値は1,467日(IQR:1,029~2,052)、on-treatment解析の追跡期間中央値は1,324日(IQR:870~1,919)であった。 主要評価項目のイベント発生は、on-treatment解析でフェブキソスタット群172例(100人年当たり1.72件)、アロプリノール群241例(100人年当たり2.05件)で、補正後HRは0.85(95%信頼区間[CI]:0.70~1.03、p<0.0001)で非劣性が認められた。 フェブキソスタット群では、3,063例中222例(7.2%)が死亡し、安全性解析対象集団3,001例中1,720例(57.3%)に重篤な有害事象が発現した(治療に関連した事象は19例[0.6%]に23件発現)。一方、アロプリノール群では、3,065例中263例(8.6%)が死亡し、安全性解析対象集団3,050例中1,812例(59.4%)に重篤な有害事象を認めた(治療に関連した事象は5例[0.2%]に5件発現)。フェブキソスタット群で973例(32.4%)、アロプリノール群で503例(16.5%)が治療を中止した。

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人生の最終段階を見事に描いた作品が大賞受賞/医療マンガ大賞2020

 医療に関するコミュニケーションギャップの改善を目的に、患者や医療従事者それぞれによる“視点の違い”を描く「医療マンガ大賞」を、昨年度に続き横浜市が開催した。2回目となる今回は、新型コロナ対策に取り組む医療従事者の想いや視点の違いを描くテーマなど9つのエピソードを用意。結果、募集期間内に78本の作品応募(第1回は55本の応募)があり、その中から大賞1作品・入賞8作品が選出された。 第2回の大賞は、「人生の最終段階」をテーマに、患者視点の戸惑いや葛藤、家族への想いを優しいタッチで描いた、ちえむ氏の作品に決定した。11月20日(金)17時より、その他受賞作品を含め、医療マンガ大賞特設WEBサイト(https://iryo-manga.city.yokohama.lg.jp/)にて審査員からのコメントとともに全編ご覧いただける。なお、審査員からの要望により、事前に告知していた大賞・入賞に併せ、13作品を特別賞として同サイト内で紹介している。 ケアネットでは事前に、「心がふるえた 医療現場のエピソード」をテーマに、会員医師・薬剤師よりアンケートにて公募を行った。ケアネット部門のマンガ大賞は、原作のニュアンスを活かしつつ、絶妙なオリジナリティが加わり、テンポがスピーディ-でありながら、最後ほろりとする感じがステキな作品を描いたchiku氏が受賞した。 今後、採用エピソードと受賞漫画作品を掲載する予定。

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ニボルマブ+イピリムマブ+2週間化学療法の肺がん1次治療、アジア人の成績は?(CheckMate9LA)/日本肺学会

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、ニボルマブ+イピリムマブへの2週間の限定化学療法の追加治療を評価する第III相非盲検無作為化試験CheckMate9LA試験。そのアジア人サググループの解析が、第61回日本肺学会学術集会において埼玉県がんセンターの酒井 洋氏より発表された。・対象:未治療のStage IVまたは再発NSCLC患者(PS 0~1)・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群)・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価のPFS、BICR評価の全奏効率(ORR)、PD-L1発現別抗腫瘍効果 主な結果は以下のとおり。・アジア人のOS中央値はNIVO+IPI+Chemo群未達に対しChemo群13.3ヵ月であった(HR:0.33)。・BICR評価のPFSはNIVO+IPI+Chemo群8.4ヵ月に対しChemo群5.4ヵ月であった(HR:0.47、1年PFSは35%対12%)。・BICR評価のORRはNIVO+IPI+Chemo群57%に対しChemo群23%であった。・奏効期間はNIVO+IPI+Chemo群7.0ヵ月に対しChemo群4.4ヵ月であった。・アジア人集団の全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)はNIVO+IPI+Chemo群100%、Chemo群97%、Grade3〜4のTRAEはそれぞれ57%と60%であった。・免疫関連有害事象は全集団に比べアジア人で多くみられたが、その大半はGrade1〜2であった。

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ペムブロリズマブ+アキシチニブ、腎細胞がん1次治療のOS延長持続(KEYNOTE-426)/Lancet Oncol

 化学療法未治療の進行性腎細胞がん患者に対する、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用とスニチニブ単独の有効性を比較したKEYNOTE-426試験の長期有効性・安全性を支持する結果が示された。同試験の中間解析では併用群が優れていることが示されているが、英国・Barts Cancer CentreのThomas Powles氏らは長期追跡の探索的解析を行い、その優れた有効性が維持されていたと発表した。結果を踏まえて著者は、「今回示された結果は、進行性腎細胞がんの標準治療としてのペムブロリズマブ+アキシチニブ併用による1次治療を、さらに支持するものである」とまとめている。Lancet Oncology誌オンライン版2020年10月23日号掲載の報告。 KEYNOTE-426試験は、16ヵ国129施設で実施中の国際共同無作為化非盲検第III相試験である。2016年10月24日~2018年1月24日に、化学療法未治療の局所進行または転移を有する淡明細胞型腎細胞がん患者(18歳以上)861例を登録し、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用群(432例)、またはスニチニブ群(429例)に、地域およびIMDCリスク分類を層別因子として1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、ITT集団における全生存(OS)期間および無増悪生存(PFS)期間であった。初回中間解析で主要評価項目が達成されているため、今回の解析は名目上のp値で報告されている。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値30.6ヵ月におけるOS期間中央値は、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用群で未到達、スニチニブ群では35.7ヵ月で、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用群のOS延長効果が継続していることが観察された(HR:0.68、95%CI:0.55~0.85、p=0.0003)。・PFS期間中央値は、15.4ヵ月vs.11.1ヵ月であった(HR:0.71、95%CI:0.60~0.84、p<0.0001)。・主なGrade3以上の治療関連有害事象(発現率10%以上)は、高血圧(ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用群22% vs.スニチニブ群20%)、ALT上昇(13% vs.3%)、および下痢(11% vs.5%)であった。・初回中間解析以降、治療に関連した新たな死亡は報告されていない。

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