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モデルナワクチン2回接種、変異株ごとの有効性/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンmRNA-1273(Moderna製)の2回接種は、デルタ変異株、ミュー変異株を含む新たに出現した変異株に対して有効性を示し、とくにCOVID-19による入院に対して高い効果が認められることが、米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニア(KPSC、統合型ヘルスケアシスム)のKatia J. Bruxvoort氏らにより報告された。KPSCメンバーの接種者を対象としたtest negativeケースコントロール試験の結果で、これまでmRNA-1273ワクチンの特異的変異株に対する有効性を検討した試験はほとんどなく、今回の試験を行ったという。mRNAベースのCOVID-19ワクチンについてはデルタ変異株への有効性が低く、保護効果の減弱が報告されていた。BMJ誌2021年12月15日号掲載の報告。変異株ごとに感染および入院への有効性を評価 研究グループは、2021年3月1日~7月27日に、全ゲノムシークエンスによるSARS-CoV-2陽性検査または陰性検査を受けた成人KPSCメンバーを対象に、mRNA-1273ワクチンのSARS-CoV-2感染に対する有効性を調べ、また接種後の時間経過によるデルタ変異株への有効性を評価した。対象は、検体採取の14日以上前にmRNA-1273ワクチン2回または1回の接種者と、COVID-19ワクチン非接種者とした。 アウトカムにはSARS-CoV-2感染およびCOVID-19による入院を含み、事前規定の各変異株の解析では、年齢、性別、人種/民族、検体採取日で検査陽性例と検査陰性例を1対5の割合でマッチングし、交絡因子を補正したうえで、条件付きロジスティック回帰を用いて症例vs.対照のワクチン接種のオッズ比を算出。ワクチンの有効性は、(1-オッズ比)×100%として算出した。デルタ変異株感染への2回接種の有効性は86.7% 試験には、検査陽性8,153例(症例)が包含された。7,442例(91.3%)がワクチン非接種者で、112例(1.4%)は1回接種者であり、2回接種者は599例(7.3%)であった。また、全ゲノムシークエンスが有効であった検査陽性者は5,186例(63.6%)だった。 5,186例について変異株別にみると、デルタ変異株陽性は2,042例(39.4%)、アルファ変異株1,436例(27.7%)、イプシロン変異株590例(11.4%)、ガンマ変異株357例(6.9%)、イオタ変異株115例(2.2%)、ミュー変異株71例(1.4%)、その他575例(11.1%)であった。2回接種者では、デルタ変異株の陽性が大部分を占めていた(85.0%)。また、2回接種者では、COVID-19による入院(1.8%)はほとんどみられず、院内での死亡(0.0%)はなかった。 2回接種のワクチン有効性は、デルタ変異株の感染に対しては86.7%(95%信頼区間[CI]:84.3~88.7)、アルファ変異株に対しては98.4%(96.9~99.1)、ミュー変異株に対しては90.4%(73.9~96.5)、その他の識別された変異株に対しては96~98%であった。また、非識別の変異株(つまり、シークエンスに失敗した検体)に対しては79.9%(76.9~82.5)であった。 デルタ変異株による入院へのワクチン有効性は97.5%(95%CI:92.7~99.2)だった。デルタ変異株感染へのワクチンの有効性は、ワクチン接種後14~60日で94.1%(90.5~96.3)だったが、ワクチン接種後151~180日で80.0%(70.2~86.6)に低下していた。なお、デルタ以外の変異株では、有効性の減弱はそれほど顕著ではなかった。 デルタ変異株感染へのワクチン有効性は、65歳以上は75.2%(95%CI:59.6~84.8)で、18~64歳の87.9%(85.5~89.9)と比べて低かった。 また、デルタ変異株感染への1回接種のワクチン有効性は、77.0%(95%CI:60.7~86.5)だった。

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HER2+進行乳がん2次治療、T-DXdが脳転移例にも良好な結果(DESTINY-Breast03)/SABCS2021

 HER2陽性の切除不能または転移を有する乳がん(mBC)患者に対する2次治療として、脳転移の有無にかかわらずトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)がトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)と比較し高い有効性を示した。米国・カリフォルニア大学のSara A. Hurvitz氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS 2021)で第III相DESTINY-Breast03試験のサブグループ解析結果を発表した。 DESTINY-Breast03試験については、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で中間解析結果が発表され、主要評価項目のPFS中央値は、T-Dxd群NR(95%信頼区間[CI]:18.5~NE) vs.T-DM1群6.8ヵ月(95%CI:5.6~8.2)、ハザード比(HR):0.28(95%CI:0.22~0.37、p=7.8×10-22)でT-Dxd群の有意な延長が報告されている。・対象:トラスツズマブとタキサンによる治療歴のあるHER2+mBC患者・試験群:以下の2群に1対1の割合で無作為に割り付けT-DXd群:3週間間隔で5.4mg/kg投与 261例T-DM1群:3週間間隔で3.6mg/kg投与 263例・層別化因子:ホルモン受容体の状態、ペルツズマブ治療歴、内臓転移の有無、治療ライン数(0~1、≧2)、脳転移の有無・評価項目:[主要評価項目]盲検化独立中央評価委員会(BICR)による無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]OS、BICRおよび治験実施医師評価による客観的奏効率(ORR)、BICR評価による奏効期間(DOR)、治験実施医師評価によるPFS、安全性 主な結果は以下のとおり。・データカットオフは2021年5月21日、追跡期間中央値は15.9ヵ月。・ベースライン時点で、脳転移を有する患者はT-DXd群43例(16.5%)vs. T-DM1群39例(14.8%)だった。・ホルモン受容体の状態、ペルツズマブ治療歴、内臓転移の有無、治療ライン数、脳転移の有無別のいずれのサブグループにおいても、T-DM1群と比較してT-DXd群ではPFS中央値とORRが大きく改善していた。・ベースライン時点で脳転移を有する症例でのPFS中央値はT-Dxd群15.0ヵ月(95%CI:12.5~22.2) vs.T-DM1群3.0ヵ月(95%CI:2.8~5.8)、HR:0.25(95%CI:0.13~0.45)。脳転移のない症例でのPFS中央値はNE(95%CI:22.2~NE)vs. 7.1ヵ月(95%CI:5.6~9.7)、HR:0.30(95%CI:0.22~0.40)だった。・ベースライン時点で脳転移を有する症例でのORRはT-Dxd群67.4% vs.T-DM1群20.5%。CRは4.7% vs.0%、PRは62.8% vs.20.5%。脳転移のない症例でのORRは82.1% vs. 36.6%。CRは18.3% vs.10.3%、PRは63.8% vs.26.3%だった。・ベースライン時点で脳転移を有する症例での頭蓋内奏効は、CRがT-Dxd群27.8% vs. T-DM1群2.8%、PRは36.1% vs.30.6%だった。・中間解析において治療中止に関連した有害事象としてT-Dxd群で最も多かったのはILD/肺炎であったが、Grade4以上の報告はなく、またアジア人サブグループと非アジア人サブグループの間で差は認められなかった(10.9% vs.10.0%)。

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経口コロナ治療薬モルヌピラビルを特例承認/厚労省

 厚生労働省は12月24日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する経口抗ウイルス薬モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオカプセル200mg)について、国内における販売を特例承認した。日本における申請者はMSD。重症化リスク因子を有し、軽症~中等症の入院していない18歳以上の患者が投与対象となる。ただし、動物実験において胎児毒性が報告されているため、妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しない旨が、モルヌピラビルの添付文書に「禁忌」として明記されている。モルヌピラビルは11月10日、メルクと日本政府との間で約160万回分を提供することですでに合意しており、今回の承認を受け、速やかに提供が開始される見通しだ。新型コロナに特化した経口治療薬の承認はモルヌピラビルが初めてとなる。モルヌピラビルを巡って各国の対応は分かれる モルヌピラビルは、経口投与が可能な強力なリボヌクレオシドアナログで、SARS-CoV-2を含むさまざまなRNAウイルスの複製を阻害する。SARS-CoV-2の予防投与、治療、感染防止などのいくつかの前臨床モデル、またSARS-CoV-1、MERSに対する活性が認められている。 モルヌピラビルを巡っては、12月23日付で米FDAが緊急使用を許可した一方、フランスでは臨床試験の結果に鑑み、政府が購入見送りを決めるなど、判断が分かれている。<製品概要>販売名:ラゲブリオカプセル200mg一般名:モルヌピラビル効能又は効果: SARS-CoV-2 による感染症用法及び用量: 通常、18歳以上の患者には、モルヌピラビルとして1回800mgを1日2回、5日間経口投与する。

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コロナに感染してもワクチン接種していると、コロナ入院リスクも重症化リスクも死亡リスクも低い(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による第5波の後、日本では感染者は激減して、多くの医療機関では今後押し寄せるだろう第6波に向けて、粛々と感染対策の見直しやコロナワクチンのブースター接種の業務を進めていることだろう。日本では水際対策が功を奏しているからかどうかはわからないが、世界で話題になっているSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統、通称オミクロン株の大きな流行は12月中旬現在では認められていない。ただし米国の一部の地域や英国などでは冬になりオミクロン株が猛威を振るっている状況であり、日本でも感染対策の手を緩め過ぎることのないようにされたい。 ファイザー製コロナワクチンBNT162b2の効果としては、最初に95%の発症予防効果(Polack FP, et al. N Engl J Med. 2020;383:2603-2615.)が示された。その後もリアルワールドデータが数多く報告され、感染予防効果率:92%、重症化予防効果率:92%、入院予防効果率:87%(Dagan N, et al. N Engl J Med. 2021;384:1412-1423.)と多くの臨床的有用性がすでに判明している。さらに12~15歳の若年者での報告においては、BNT162b2コロナワクチンを2回接種後にCOVID-19を発症した症例は1例も認めないという高い有効性や安全性も示されている(Frenck RW Jr, et al. N Engl J Med. 2021;385:239-250.)。このような高い有効性を示す新型コロナワクチンであるが、本邦では12月中旬に1回目のワクチン接種完了者が1億人を超え、2回目接種完了者も約9,800万人と、国民の78%がワクチンで守られていることも、現在日本でコロナの状況が落ち着いている1つの要因であろうと考えられる。 ワクチン接種完了者における新規感染を、ワクチン接種を突破して発生した感染であることから「ブレークスルー感染」と一般的に呼称している。ブレークスルー感染を惹起したウイルスの種類は、その国や地域のその時点で流行している背景ウイルスに規定される(山口,田中. CareNet論評-1422)。2020年12月から2021年4月に米国でワクチン接種群と非接種群を比較した研究(Thompson MG, et al. N Engl J Med. 2021;385:320-329.)では、(1)ワクチン2回接種群の感染予防効果は91%(ファイザー製コロナワクチンBNT162b2:93%、モデルナ製コロナワクチンmRNA-1273:82%)、(2)ワクチン接種後のブレークスルー感染におけるウイルスRNA量はワクチン非接種群の感染と比較して40%低く、ウイルス検出期間はワクチン非接種群より66%低下したことが示され、以前の論評で取り上げた。これらの結果からワクチン接種群では、ブレークスルー感染を起こした場合においてもウイルスの病原性はワクチン非接種群よりも低く抑えられ、ワクチン接種の重要な効果の1つと考えている。 また、最近まで世界を席巻していたデルタ株によるブレークスルー感染については、米国CDCが詳細に報告(MMWR 2021;70:1170-1176., MMWR 2021;70:1059-1062.)している。デルタ株に起因するブレークスルー感染の発生率は10万人当たり63.8人(0.06%)、入院率は10万人当たり1人(0.001%)と報告されており、ワクチン未接種者でのそれぞれ0.32%、0.03%と比較して有意に少ないことが示された。 2021年11月に南アフリカでオミクロン株(B.1.1.529系統)が検出され、WHOでも日本でも新しい懸念すべき変異株VOC(variant of concern)として位置付けている。オミクロン株に対するデータはまだ限られているが、ファイザー製コロナワクチンBNT162b2のオミクロン株におけるコロナ発症予防効果が英国から報告(UKHSA publications gateway number GOV-10645.)されている。コロナワクチン接種後24週間後にはワクチンによるコロナ発症予防効果がデルタ株においては約60%程度まで低下してしまうが、オミクロン株では約40%程度にまでさらに低下してしまうことが示されている。ただし、ワクチンのブースター接種によりオミクロン株であったとしても約80%にまで回復していることや、まだ少数例での報告のため今後の大規模な報告や実臨床での検討が待たれるところである。 今回取り上げたTenfordeらが報告した論文は、2021年3月11日~8月15日までに米国21施設で入院した4,513例を解析の対象とした症例コントロール研究である。4,513例中新型コロナ感染で入院した1,983例と他の診断で入院した2,530例が比較検討されているが、コロナ入院症例中84.2%に当たる1,669例が新型コロナワクチン未接種者であった。コロナによる入院はワクチン未接種と有意な関連(補正後オッズ比:0.15)があり、アルファ株であろうがデルタ株であろうが同様の結果であった。また3月14日~7月14日に登録された1,197例においては、28日までの死亡や人工呼吸器管理は、ワクチン接種者の12.0%に比べワクチン未接種者が24.7%と有意な関連(補正後オッズ比:0.33)があり、死亡に限ってもワクチン接種者は6.3%であるのに比べ、未接種者は8.6%と有意に関連(補正後オッズ比:0.41)があった。また本研究では退院までの日数もカプランマイヤー曲線で示されており、免疫抑制状態の症例であろうがなかろうが、高齢者であろうがなかろうが、ワクチン接種群が非接種群に比べて有意に早く回復し退院できていることも重要な結果であろうと考える。 本研究の解析は、ワクチン接種率が37.7%にとどまっている時点での報告である。コロナ感染群におけるワクチン接種済みの症例のブレークスルー感染に該当する症例は、65歳以上の高齢者、心疾患や肺疾患、免疫抑制状態の症例が多く含まれており、逆にコロナ感染者でワクチン未接種者は若年者や基礎疾患のない症例が多く含まれ、ワクチン接種群と未接種群のコロナ感染の比較をしても大きく患者背景が異なっていることを考えて解釈すべきだろう。解析では入院日の違い、年齢や性別、人種差などに関してはロジスティック回帰モデルの要素として取り上げられているが、心臓や肺の基礎疾患を併存する症例に関しては考慮されていない。ワクチン接種したコロナ感染群では心疾患を併存している症例が75.2%含まれているのに対し、ワクチン未接種のコロナ感染群では心疾患を持つ症例が48.8%にとどまっている。一般的なコロナ重症化因子として考えられている心疾患や肺疾患が多く含まれている集団なのにもかかわらず、コロナワクチンを接種していると、重症化リスクの少ない集団でのコロナ感染よりもコロナによる入院・重症化・死亡リスクが少ないということは特筆すべき結果と捉えることができる。 今回の解析はすべて入院症例のデータであり、入院を必要としない軽症者には当てはめることができない。またサンプルサイズの関係で、ワクチンの種類ごとの解析や変異ウイルス別での層別化は困難であることはTenfordeらも懸念しているところである。 現在、日本にも押し寄せるだろうオミクロン株を迎え撃つために、粛々と世の中のワクチン未接種者に対してワクチンの正しい理解を深めるような啓発活動を続けつつ、医療者のブースター接種も進めている状況である。今回ワクチンで守られていない症例群が重症化や死亡リスクに深く関わっていることを勉強したが、今後、オミクロン株に対してもワクチン未接種の危険性やブレークスルー感染での重症度や死亡リスクなどが明らかになると、さらに有効なコロナ対策ができうるものと想像している。

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奈良公園のシカ外傷49例の検討【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第200回

奈良公園のシカ外傷49例の検討ぱくたそより使用奈良公園の近くにある会場で学会があったとき、ついでに奈良公園に立ち寄ることがあります。シカせんべいを買ったらシカが突進してくるので、私は買わないようにしています。川口竜助, 他.奈良公園の鹿が関係した外傷症例49例の検討:記述疫学研究.日救急医会誌2021; 32: 543-548.奈良公園には約1,200頭の野生のニホンジカがいるそうです。そんなにいたんだ……。一応、街中にいるんですけど、あれは野生なんですね。この論文の考察にも餌付けされているが「野生」と断言されていました。文明慣れしているのか、横断歩道の赤信号を待っているシカもいますよね。2014年1月1日~2018年12月31日の5年間に、奈良公園とその周辺に生息するシカが関連した外傷の救急搬送例を49例(男性18例、女性31例)集めて、まとめたのがこの報告です。驚くべきことに、5年間で搬送例が3.6倍と急増していることがわかりました。全体の86%が旅行者で、奈良市の居住者は少なかったそうです。やはりこれは、生活の慣れというやつでしょうか。角による外傷が多かったですが、シカを避けようとしたりして接触せずに倒れて搬送された症例が、全体の3分の1を占めました。シカせんべいによる外傷なら咬傷が多いのではと思いましたが、咬傷例は4%とマイノリティでした。シカせんべいを与える際、じらす行為をスマホで撮影するなどの行為が増えており、それによってシカ外傷のリスクは高くなると思います。症例が集まれば、独立リスク因子かどうか検討していただきたいところですね。小児の非接触外傷が多くを占めていたため、シカが近付いても慌てず動かないでね、と教えることが重要だそうです。でも、シカがノッシノッシ近付いてきたら、子どもはやっぱり逃げちゃいますよね!

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コロナ最前線のナースの記録【Dr.倉原の“俺の本棚”】第49回

【第49回】コロナ最前線のナースの記録Dr.倉原の“俺の本棚”と書いておきながら、自分の書籍を宣伝するしたたかさ!これじゃあ「俺の本棚」ではなく「俺の本だぜ」になってしまいますね。ケアネット編集長、すいません!『新型コロナ病棟ナース戦記 最前線の現場で起きていたこと』倉原 優/著. メディカ出版. 2021年12月発売いや、これにはワケがあってですね。この本、そもそも私が主人公ではないんですよ。コロナ病棟の最前線にいたのって、私たち医師よりも看護師のほうが多かったんですが、彼ら・彼女らに光が当たらないのをコロナ禍でずーっと見てきたので、どうにか看護職のすばらしさを世に伝える本を出したくて、この本を執筆したわけです。これほどコロナ禍が長く続くなんて、2020年1月には予想すらしていませんでした。長くても1年くらいじゃないかと思っていました。2021年夏頃から、SNSも含め全国津々浦々120人の看護師からヒアリングを行いました。ほとんどがメールかZoomでしたが、15分程度の短いヒアリングでよいですとお伝えしても、やめられない止まらない、1時間話し続けた看護師もいました。抱腹絶倒エピソードから、号泣感動秘話までてんこ盛りに詰め込んだ53コラム、約200ページの力作です。歌舞伎町周辺の夜の街関連の新型コロナでは、「ちょマジかよ」というエピソードもあったのですが、出版規制がかかるレベルで、ボツネタになった話もありました。コロナ病棟では個人防護具(PPE)を着けているから誰が誰だかわからず、先輩に「こっちきてよ」とタメ口で話し掛けてしまった看護師。病棟から棺桶を出すときに、荷物から家族の写真が出てきて「ああ、こんな家族がいたんだな」と涙がこぼれる看護師。笑いと涙がたくさん詰まった1冊になっています。この先、変異ウイルスがどのくらい世界を苦しめるのかはわかりませんが、コロナ禍で汗を流しながら頑張ったすべての看護師に、この本を送りたいと思います。『新型コロナ病棟ナース戦記 最前線の現場で起きていたこと』倉原 優 /著.出版社名メディカ出版定価本体1,800円+税サイズA5判刊行年2021年

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譲れない条件は? 案件探しは「婚活」だ!【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第32回

第32回 譲れない条件は? 案件探しは「婚活」だ!漫画・イラスト:かたぎりもとこ私たちが医業承継での開業を希望される方に必ずする質問があります。それは「何年後に開業する予定ですか?」というものです。結果論ですが、返答が「1年以内」など具体的な年数で回答する方は承継開業に成功し、「良い案件が見つかり次第」と回答する方は結局、承継開業をしない傾向があります。「良い案件が見つかり次第」と回答する方に「良い案件」の定義を確認していくと、めったに出てこない、理想が高過ぎる条件になっているケースがほとんどです。たとえば、こんな感じです。人気の開業エリアに位置しており売上が高い(年間1億円以上)利益が出ている(役員報酬4,000万円が見込める)売り主が長期間引き継ぎを支援してくれる1年後に引き継げる(自分の退職可能時期を前提に)割安(1,500万円で買いたい)このような条件は、弊社でも過去に1件も目にしたことがありません。つまり、現実には存在しない案件なのです。話し合い可能な方であれば、上記のような事実をお伝えしたうえで「妥協できる点」をディスカッションします。一方で事実を認めようとせず、条件を変えることなく案件を探し続ける方もいるのです。冒頭で紹介した「具体的な年数」で回答する方は、ほとんどがこの「妥協できる点」をすでにクリアにされています。言い換えるならば、「これだけは譲れない」という条件を数個に絞っており、目標よりも開業時期を延ばすことは機会損失となる(今開業しなければ、今後はどんどんできなくなる)という事実をよく理解されているのです。「承継は結婚ととてもよく似ている」とこのコラムでは繰り返しお伝えしてきましたが、案件探しは「婚活」によく似ています。自分の譲れない条件を絞り込み、あとは妥協して目標の時期までに成立させる…。基本は同じなのです。

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第89回 忘年会シーズンに拡大狙うオミクロン株vs.エビデンス重視の日本人?

「今後、感染拡大というものが急速に進んでいくということも想定すべき状況にある」大阪府で市中感染の可能性が強く疑われる新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)のオミクロン株感染者の報告があった12月22日夜、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード開催後の記者会見で、同座長の国立感染症研究所長・脇田 隆字氏はこう発言した。正直、私は何とも微妙な言い回しだと感じている。今回の市中感染が強く疑われる事例は海外渡航歴のない大阪府寝屋川市で働く教員とその妻子と分かっている。たぶんこの中の誰かが感染し、その後家庭内感染につながったのだろうとみられる。さて、私が微妙な言い回しだと敢えて触れたのは脇田氏の発言は「市中感染の発生」は認めているが、「市中感染が広がっている」とは認めていないからである。だが、これまで分かっているオミクロン株の性質から考えれば、もはや市中感染が広がっていると明言しなければならない状況である。まず、オミクロン株の感染力が強いであろうことはほぼ確実である。前述のアドバイザリーボードで、京都大学医学部教授の西浦 博氏が報告している最新のオミクロン株の対デルタ株の実行再生産数倍率は3.19倍。これはデンマークでの11月1日~12月9日の流行実態から算出したものだが、デンマークのこの時期の実効再生産数が1.03~1.58であることから、オミクロン株の実効再生産数はざっくりと言って3~4と考えて良い。そのうえで大阪府の感染状況を考えてみよう。大阪府での最初のオミクロン株感染者が報告されたのは以下の報道によれば12月5日の関西国際空港からの入国事例である。「新型コロナ オミクロン株8人 国内新規感染、関空で初」(毎日新聞)きわめて単純化して、この事例を起点に大阪府に流入したオミクロン株により感染が広がり、そのうちの1人が今回判明した教員だったと仮定しよう。オミクロン株の潜伏期間を5日間、実効再生産数を3~4人として計算すると、大阪府内ではこれまでにオミクロン株感染者が40~85人いることになる。これに加えて22日現在、日本国内で確認されているオミクロン株感染者が160人であることを併せて考えると、大阪府だけでなく日本全体でまだ捕捉できていないオミクロン株感染者がいる、それもかなりの数に上るのはほぼ確実だろう。つまり現下の情勢はどこをどう推定しても、もはや「市中感染が広がっている」とみて間違いないはずだ。むしろ専門家であればあるほど、そう思うのではないだろうか。にもかかわらず、脇田氏がかなり抑制的に発言しているとするならば、それはなぜだろうか?私個人は、脇田氏個人やアドバイザリーボードメンバーの意志と言うよりは「事務方(厚生労働省)が表現を抑えさせている」と推定してしまう。もし、市中感染が広がっていると公言するならば、行政は相当程度の対策を求められるコトになるからだ。ちなみにこれは厚生労働省が実態を「隠ぺい」していると言いたいのではない。公言する以上、それなりの対策を都道府県などにも呼びかけなければならず、そのための根拠、エビデンスが強固なものでなくてはならないからだ。これは時に「石橋を叩いても渡らない」中央官庁の思考様式でもある。もし、これが10月や11月のことならば、私個人はそれほどうるさく言うつもりはない。しかし、今は12月。語源を辿れば僧侶でも走り回る「師走」の皆が忙しい季節だ。そして過去2年の行動制限で人々は鬱屈し、見かけの感染状況は小康状態であるから、忘年会でもパーっとやって羽を伸ばしたい気持ちを持つ人も少なくないはず。つまり人々の気持ちが緩みがちな時期にもかかわらず、オミクロン株による潜行した感染拡大が理論上強く疑われるという極めて危険な状況がまさに今なのである。そう考えれば、本来、政治も行政も専門家もむしろ国民に対して強めのメッセージを発するべき時期ではないだろうか。今こそ目に見えるエビデンスの有無に拘泥すべきではないと思う私は、神経質過ぎるのだろうか? どうしても避けようのない外出で師走の人波を目にしながら、そのようなことを考えている。

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コロナ禍を乗り越え、臨床留学3年目のいま思うこと(内科レジデント編・最終回)【臨床留学通信 from NY】第30回

第30回:コロナ禍を乗り越え、臨床留学3年目のいま思うこと(内科レジデント編・最終回)臨床医で留学するメリット・デメリットはさまざまです。メリットとしては、研究留学よりも英語ができないと仕事ができず致命的なので、最初はかなり苦労しますが、日々十分過ぎるほどの英語の曝露の中で格段に英語力が身に付きます。学会発表はもとより、英語を通じてさまざまな人と繋がることができます (逆に、英語ができないと相手にしてもらえないことも……)。私の場合、卒後10年を超えてからの留学でしたので、学ぶことが何もかも新鮮とはなりませんでしたが、さまざまな人種や疾患に触れることが、確実に医者としての幅を広げていると実感します。何よりも、内科レジデントしての3年間を通して得られた人脈が大きな財産です。米国で出会った人に限らず、日本においてもさまざまな面で人との交流が広がり、それを糧にして次なるステップに進めると思います。また臨床研究も、人脈しかり、データベースしかり、今回のコロナの際にも在籍したマウントサイナイでデータを即座に共有できたのも米国ならではだったと思います。得意なメタ解析を通じて、人と繋がりやすくなったのもあるかもしれませんし、年数がある程度いってから渡米したため、今までの経験を生かしやすくなったとも言えます。臨床留学に限らず、研究留学含め、海外での生活経験は自身の視野を確実に広げ、日本の良いところ(悪いところ)を客観的に見つめ直す良い機会になることでしょう。デメリットは、やはり一番は収入です。最初は6万ドル強、2年目からは多少上がって7万ドル強という状況で、研修医が終われば一定額がもらえる日本に比べると収入が格段に落ちます。家賃や物価も高いニューヨークでマイナス財政を余儀なくされるのは、やはりきついです。当初から2~3年の研究留学、という見通しならばお金の使い方にそこまでシビアになる必要はないかもしれませんが、最大8年のトレーニング期間を見据えると、金銭的な引き締めはきつくせざるを得ません。ただ家族帯同で渡米した場合、子供の教育に関しては節約ばかり言ってはいられません。また、私の場合、日本では循環器のカテーテル治療を主にやっていましたが、渡米してレジデントの期間は一切やらなかったため、手技を高めるという点に関しては、日本にいる方々に比べると劣ってしまい、ここはデメリットと言わざるを得ないでしょう。コロナ時代でこれまでの留学像とずいぶん異なる面もあるかもしれませんが、臨床なり研究なり、留学したいという思いがある方は是が非でも行くべきでしょうし、大変な経験でも人生の幅が広がり貴重な経験となることは間違いないので、ためらわずチャレンジしてほしいです。そして、とにもかくにも英語がモノを言います。これまでの連載で、さまざまな試行錯誤の成功と失敗を率直にお伝えしました。米国で臨床医として働きたい方に、今ここにいる私の経験と情報が少しでも後押しになれば幸いです。<編集部より>次回から本連載は循環器フェロー編として、現在の所属先Montefiore Medical Center/Albert Einstein Medical Collegeでの日々をレポートします。どうぞお楽しみに!

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事例040 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説事例では、上腕の脂肪腫の摘出に、「K030 1 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(上腕)」を算定したところ、 B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)が適用され、「K006 1 皮膚・皮下腫瘍摘出術(露出部以外 長径3cm未満)」に査定となりました。査定理由を調べるためにカルテを確認したところ、鎖骨上ブロックによる伝達麻酔下において、筋膜に癒着の脂肪腫を上腕から摘出したことが記載されていました。両点数の境目は、筋膜に腫瘍が達しているか否かで判断されます。事例ではカルテ記載から筋膜に達していることが確認できるため、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術の適用となります。レセプトの請求に誤りはないものの、腫瘍の大きさが小さく、病名に「皮下」とあり、かつ筋膜へ達していることがコメントされていませんでした。そのため、筋膜まで達していない単なる皮下腫瘍と判断されたものと推測ができます。事例は、カルテの写しを添えて再審査請求を行っています。査定対策としてレセプトチェックシステムに「コメント必要」の注意が表示されるよう登録しています。

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー  CONNECTED PAPERSの活用 その1【「実践的」臨床研究入門】第15回

関連研究のネットワークを可視化するこれまで、関連研究レビューのための質の高い2次情報源(連載第3回参照)として、診療ガイドライン、UpToDate®、コクラン・ライブラリーの活用法を解説してきました。今回はその他の有用な情報源として”CONNECTED PAPERS”を紹介します。”CONNECTED PAPERS”は「Key論文」(連載第8回参照)と内容の「類似性」の高い論文をネットワーク化して図示する無料のオンラインツールです。”CONNECTED PAPERS”のホームページのヘッダーにある”About”をクリックすると”How does it work?”とあり、このツールの「からくり」についての説明があります。それによると、ここで言う論文の「類似性」とは、互いに引用している関係に限らないようです。それぞれの論文の引用文献の多くが重複していると関連したトピックを扱っている可能性が高い、と推定するなどして関連研究のネットワークを可視化しているそうです。それでは、実際の論文を用いて“CONNECTED PAPERS”を使ってみたいと思います。前回読み込んだコクラン・フル・レビュー論文1)ですが、出版年は2007年と10年以上前です。コクラン・ライブラリーで”Version history”を確認すると(連載第13回参照)、このトピックに関する初版のフル・レビュー論文2)は1997年に出版され、現行の2007年版1)はその「アップデート論文」でした。この2つのフル・レビュー論文のコクラン・ライブラリーでの固有IDは”CD002181”と同じですが、筆頭著者が違います1, 2)。一方、Digital Object Identifier(DOI)は個別のコンテンツ(ここでは論文)の電子データに与えられる恒久的な識別子です。コクラン・ライブラリーでもPubMedでも論文タイトルの直下にDOIが示されています。1997年版2)と2007年版1)のフル・レビュー論文のDOIを比較してみます。DOI: 10.1002/14651858.CD002181.pub2(2007年版)1)DOI: 10.1002/14651858.CD002181.(1997年版)2)「アップデート論文」1)のDOIの末尾には”.pub2”が追記されており、個別の論文ごとの識別子であることがわかります。コクラン・ライブラリーを見る限り、2007年版のフル・レビュー論文1)以降はアップデートされていないようです。そこで、このトピックに関して2007年以降に新たなエビデンスが出版されているかを”CONNECTED PAPERS”で調べてみましょう。”CONNECTED PAPERS”の使い方は簡単です。そのホームページを開くと”To start, enter a paper identifier”と注釈のついた検索窓が出てきます。そこに、「Key論文」のタイトルもしくはDOIをコピー&ペーストするだけです。実際に2007年版のコクラン・フル・レビュー論文1)を「Key論文」として、そのDOIを検索窓にコピー&ペーストしてみます。すると、「Key論文」を中心とした関連研究との関係性がリンクのように可視化されます。 類似の論文は矢印で結ばれ、個々の論文は円型の節点(ノード)で示されます。ノードの大きさは被引用回数の多さを、色は出版年を表しています(色が濃いほど新しい論文)。”CONNECTED PAPERS”を使えば、関連研究の見逃しが減るかもしれません。1)Robertson L et al. Protein restriction for diabetic renal disease. The Cochrane database of systematic reviews. 2007 Oct. 17:CD002181.DOI: 10.1002/14651858.CD002181.pub22)Waugh N et al. Protein restriction for diabetic renal disease. The Cochrane database of systematic reviews. 2000:CD002181.DOI: 10.1002/14651858.CD002181

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英語で「手術は成功です」は?【1分★医療英語】第8回

第8回 英語で「手術は成功です」は?So...Dr. Kawano, how did my surgery go?(河野先生、私の手術はうまくいきましたか?)Your surgery went well. There was no issues.(うまくいきましたよ。問題はありません)《例文1》医師AHey, how did the surgery go yesterday? It was your first case, right?(昨日の手術はどうだった? 最初の症例だったんでしょう?)医師BWell, it went well. I guess I was really lucky.(うまくいったよ。運が良かったんだと思う)《例文2》I know you have been through a lot, but your surgery went well.There is nothing to worry about.(大変な経験をされましたよね。でも、手術は成功しました。何も心配することはないですよ)《解説》“Your surgery went well.”は、外科系の現場で手術が成功したときに使われる表現です。手術が終わって患者が目覚めたときに、こう話しかけると安心してもらえます。「手術は成功しましたよ」という、ドラマでよく見る日本語表現の英語版だと思えばイメージがつかみやすいでしょう。非常にシンプルな表現ですが、知ってないと使えないフレーズの1つです。手術に限らず、物事がうまくいったときにそれを主語にして使えるので、どんどん使ってみましょう。この表現を過去形で使うときには、“went well”の部分でWの音が2連続しますので、はっきりと発音することを心掛けてくださいね。ちなみに、あいさつの表現として“How is it going?”というものがありますが、これに対しても今回の表現と同じように、“go”と“well”を使って“(It is) going well.”と返すのが定番です。“I am good.”でも間違いではありませんが、あいさつの表現も使い分けることで英語の幅を広げて楽しみましょう!講師紹介

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新型コロナ再感染時の重症化リスク/NEJM

 新型コロナウイルスの初感染時と比較した再感染時の重症度について、カタールのNational Study Group for COVID-19 Epidemiologyが全国コホートのデータを用いて評価した。その結果、再感染時の入院/死亡リスクが初感染時に比べて90%低かったことを、Laith J Abu-Raddad氏らがNEJM誌オンライン版2021年11月24日号のCORRESPONDENCEで報告した。 カタールでは、2020年3~6月に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の第1波があり、その後人口の約40%がSARS-CoV-2の抗体を保持していた。その後、2021年1~5月に、B.1.1.7(アルファ株)およびB.1.351(ベータ株)による2つの連続した波が発生した。 本研究は、パンデミック発生以降のすべてのSARS-CoV-2関連データを収集した全国連合データベースを用いた。ワクチン接種記録のある8万7,547人を除外し、2020年2月28日~2021年4月28日にPCR検査で感染が確認された35万3,326人において、再感染による「重症」(急性期入院につながる)、「重篤」(ICU入院につながる)、「致死的」のリスクを調査し、初感染と比較した。再感染者を性別、年齢層(5歳ごと)、国籍、PCR検査日の暦週に応じて、1:5の割合で初感染者とマッチさせた。重症度分類(重症、重篤、致死的)は世界保健機関のガイドラインに従い、訓練を受けた医療関係者が評価した。 主な結果は以下のとおり。・特定された再感染1,304例のうち、413例(31.7%)はベータ株、57例(4.4%)はアルファ株、213例(16.3%)は野生型で、621例(47.6%)は不明だった。・初感染から再感染までの期間の中央値は277日(四分位範囲:179〜315)だった。・再感染時の「重篤」のオッズは、初感染時の0.12倍(95%信頼区間[CI]:0.03〜0.31)だった。「重篤」は初感染時は28例、再感染時はゼロで、オッズ比が0.00(95%CI:0.00〜0.64)だった。・COVID-19により死亡したのは、初感染時は7例、再感染時はゼロで、オッズ比は0.00(95%CI:0.00〜2.57)だった。・再感染時の「重症」「重篤」「致死的」の複合アウトカムのオッズは、初感染時の0.10倍(95%CI:0.03〜0.25)だった。・再感染時の入院/死亡リスクは初感染時よりも90%低かった。急性期入院した重症例は4例、ICUへの入院、死亡例はゼロだった。

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統合失調症の死亡率と関連するリスク因子

 統合失調症患者の死亡率に関連する因子を調査するため、トルコ・コジャエリ大学のHilmi Yasar氏らは、10年間のフォローアップ調査を実施した。Turk Psikiyatri Dergisi誌2021年秋号の報告。 2004~08年に大学病院の精神科を受診し、外来および/または入院にて治療を受けた統合失調症患者の記録を検索し、2018年末までの生存率を算出した。その結果は、同一期間の一般集団におけるすべての原因による死亡率と比較した。また、統合失調症患者の死亡率に影響を及ぼすリスク因子についても調査した。統合失調症の平均寿命は男性66.6歳、女性77.6歳と差が認められた 統合失調症の死亡率に関連する因子を調査した主な結果は以下のとおり。・登録された統合失調症患者626例のうち506例を本検討に含めた。・統合失調症患者の10年間の死亡率は10.6%、死亡時の平均年齢は53.1歳であった。・統合失調症患者の全体的な平均寿命は73.4歳であり、男性66.6歳、女性77.6歳と差が認められた。また、喫煙者の平均寿命は64.7歳、非喫煙者は76.5歳であった。・統合失調症患者の全体的な標準化死亡比(SMR)は3.7、男性3.9、女性3.3であった。・統合失調症患者の死亡に関連するリスク因子は、高齢、男性、喫煙者、無職、早期発症であった。 著者らは「統合失調症患者の死亡リスクに対し、喫煙は重大なリスク因子である。禁煙プログラムを優先し、患者が参加できるリハビリテーションサービスを支援することにより、死亡リスク減少が期待できるであろう」としている。

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世界初、RET融合遺伝子TKIのセルペルカチニブ発売/日本イーライリリー

 2021年9月末にセルペルカチニブ(商品名:レットヴィモ)が「RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺(NSCLC)」に対する治療薬として世界で初めて承認され、日本イーライリリーは発売に合わせ12月16日にプレスセミナーを開催した。セルペルカチニブはRET融合遺伝子陽性のがんでRETキナーゼを選択的に阻害 日本における肺がんの罹患全国推定数は約12万人(2017年)、がん種別の死亡数では男女とも1位(2019年)。従来の手術、化学療法、放射線療法に加え、近年の分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の登場により、治療が著しく進化している。セミナーでは国立がん研究センター東病院の後藤 功一氏が、肺がんにおける遺伝子治療の現状やセルペルカチニブ承認の基となったデータを解説した。 セルペルカチニブはチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の1つで、RET融合遺伝子変異はNSCLCの約2%に発生する希少変異。RET融合遺伝子陽性のがんでは、がん細胞の増殖と生存がRETキナーゼの活性化に依存しており、活性化されたRETキナーゼを選択的に阻害することで腫瘍の増殖を阻害する、というのが作用機序となる。 現在NSCLCではEGFR、ALK、ROS1、BRAF、NTRL、MET、そして今回のRETを含めた7つの変異をターゲットとした薬剤が承認済だが、発現頻度の高いEGFR、ALK変異等をターゲットにした薬剤が優先して開発されてきた経緯がある。後藤氏は「希少変異は製薬メーカー主導の開発が難しいため、国立がん研究センターを中心とした研究基盤であるLC-SCRUM-Asiaで遺伝子変異解析と医師主導治験を進めてきた」と説明した。 今回のセルペルカチニブの承認は、国際共同治験LIBRETTO-001の結果を受けたもの。後藤氏は「参加16ヵ国83施設746例中、日本からは13施設64例が参加し、大きな役割を果たした」と紹介した。LIBRETTO-001におけるセルペルカチニブの奏効率(CR+PR)は未治療例で70.5%(95%CI:54.8~83.2)、既治療例で56.9%(49.8~63.8)。「従来の化学療法の奏効率は30%程度、ICI単剤の場合15%程度なので、セルペルカチニブに限らずTKIは非常に奏効率が高い」(後藤氏)。さらにセルペルカチニブは中枢神経系に対する奏効率も82%と高く、脳転移に対する効果も期待される。 有害事象としては、高血圧36.6%(Grade3以上19.2%)、ALT増加32.6%(同9.8%)、AST増加32.6%(同8.3%)が高頻度だった。後藤氏は「セルペルカチニブはRETの選択性が高いために全体的に毒性が低く、外来でも十分マネジメントは可能と考える。発疹をはじめとした過敏症が認められるケースがあったが、そうしたケースも休薬・減薬とステロイド投薬で対応できており、投薬中止例はほとんどなかった」と解説した。 最後に「今後1、2年で肺がんではHER2、KRAS、EGFRエクソン20挿入変異に対するTKIも臨床応用されるようになり、遺伝子解析と個別化医療がさらに一般的なものとなるだろう」とした。

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血管造影に基づく定量的冠血流比 によるPCIは有効か?/Lancet

 血管造影に基づき血流予備量比を推定する新しい方法である定量的冠血流比(QFR)を用いて経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の標的病変を選択することで、標準的な血管造影ガイドに比べて1年転帰が改善されることが、中国・Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical CollegeのBo Xu氏らによる無作為化試験「FAVOR III China」で示された。圧センサー付きガイドワイヤーに基づく生理学的評価は、目視による血管造影画像評価と比較して、冠動脈疾患患者における血流制限病変をより正確に特定する。それにもかかわらず、PCIのガイド方法としては、依然として血管造影が最も広く使用されている。Lancet誌2021年12月11日号掲載の報告。患者および評価者盲検にてQFRと血管造影ガイドを比較 FAVOR III Chinaは、中国の病院26施設で実施された無作為化盲検シャム対照比較試験である。研究グループは、18歳以上で、安定/不安定狭心症患者、またはスクリーニングの72時間以上前に心筋梗塞を発症し、血管造影の目視評価で基準血管径が2.5mm以上の冠動脈に50~90%の狭窄病変が少なくとも1つある患者を、QFR群(QFR≦0.80の場合のみPCI施行)と血管造影群(標準的な目視による血管造影評価に基づきPCIを施行)に無作為に割り付けた。被験者と臨床評価者は、治療の割り付けについて盲検化された。 主要評価項目は、1年時の主要有害心血管イベント(全死因死亡、心筋梗塞、虚血による血行再建術の複合)の発現率で、intention-to-treat解析で評価した。QFR群で主要有害心血管イベントリスクが35%低下 2018年12月25日~2020年1月19日の期間に3,847例が登録された。PCIを受けないことを選択した/または医師により撤回された患者22例を除く3,825例が、intention-to-treat解析集団に組み込まれた(QFR群1,913例、血管造影群1,912例)。平均年齢は62.7歳(SD 10.1)、2,699例(70.6%)が男性、1,126例(29.4%)が女性で、1,295例(33.9%)が糖尿病を有しており、2,428例(63.5%)が急性冠症候群であった。 主要評価項目のイベントは、QFR群で110例(Kaplan-Meier推定率:5.8%)、血管造影群で167例(8.8%)に確認された。群間差は-3.0%(95%信頼区間[CI]:-4.7~-1.4)、ハザード比は0.65(95%CI:0.51~0.83、p=0.0004)であり、血管造影群と比較してQFR群が有意に良好であった。これは、QFR群で心筋梗塞や虚血による血行再建術が少なかったことによる。 なお、著者は研究の限界として、QFR法の精度と再現性は技術と血管造影画像法に依存すること、PCI実施者の盲検化は困難であること、追跡期間が1年のみであることなどを挙げている。

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試験継続率向上に、クリスマスカード送付は有効?/BMJ

 無作為化比較試験の参加者へクリスマスカードを送っても、試験継続率は増加しなかったが、複数の無作為化比較試験内で同時に研究を行うstudy within a trial(SWAT)の実施は可能であることが示唆された。英国・ヨーク大学のElizabeth Coleman氏らが、幅広い領域の8つの主試験で同時に実施した“無作為化SWAT”の結果を報告した。多くの試験継続戦略が有効性のエビデンスなく使用されていることを受けて、著者は「研究の無駄を避け有効な戦略を確認するため、エビデンスに基づく戦略の評価が必要だ」と今回の検討の意義を述べている。BMJ誌2021年12月14日号クリスマス特集号の「TRADING PLACES」より。8つの無作為化試験で、参加者をクリスマスカード送付群と非送付群に無作為化 研究グループは、整形外科、消化器外科、泌尿器科、歯科、禁煙などさまざまな領域の無作為化試験8件において、これら主試験の参加者を、クリスマスカード送付群と非送付群に1対1の割合で無作為に割り付けた(各主試験が個別に割り付けを実施し、参加者は盲検化された)。 8試験は、「腹腔鏡下胆嚢摘出術と観察/保存的管理の比較」「妊娠中の禁煙支援に関するインセンティブの比較」「デュピュイトラン拘縮に対するコラゲナーゼ注射と手術の比較」「難治性膀胱症状を有する女性の管理における包括的臨床検査と侵襲的な尿流動態検査併用との比較」「65歳以上の上腕骨近位部骨折患者における3種類の手術の比較」「腎下極結石に対する経皮的腎砕石術、体外衝撃波結石破砕術および軟性尿管鏡下レーザー砕石術の比較」「高リスク高齢者における虫歯の予防・治療のためのフッ素入り歯磨き粉処方と通常ケアの比較」「術後創の二次治癒に対する陰圧閉鎖療法とドレッシングの比較」。 主要評価項目は、主試験における次回の追跡調査を完了した参加者の割合(試験継続率)、副次評価項目は追跡調査完了までの期間、カード送付1枚当たりの介入費用(人件費、印刷・郵送費など)とした。 2019年12月に、主試験8件において計3,223例が無作為化され、2020年3月31日までに追跡調査が行われた1,469例が解析対象となった。当初、試験期間は2020年12月までであったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行のため早期中止となった。クリスマスカード送付、試験継続戦略としての効果は認められず 解析対象1,469例の患者背景は、年齢16~94歳、女性が70%(1,033例)、白人が96%であった。 試験継続率は、主試験ごとの個別解析および統合解析のいずれにおいても、クリスマスカード送付群と非送付群で差は認められなかった。統合解析での試験継続率は、送付群85.3%(639/749例)、非送付群85.4%(615/720例)、オッズ比[OR]は0.96(95%信頼区間[CI]:0.71~1.29、p=0.77)であった。 クリスマスカード受領後30日以内に追跡調査がある参加者を比較した場合でも、両群間で差はなかった(OR:0.96、95%CI:0.42~2.21)。追跡調査完了までの期間も、群間差は確認されなかった(ハザード比[HR]:1.01、95%CI:0.91~1.13、p=0.80)。これらは、事後感度解析でも同様の結果が得られた。 介入費用は参加者1例当たり0.76ポンド(0.91ユーロ、1.02ドル)、カーボンフットプリントではカード1枚当たり約140gのCO2(二酸化炭素)排出量に相当した。

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レンバチニブ+ペムブロリズマブの併用療法が 進行・再発の子宮体がんに承認/エーザイ・MSD

 エーザイとMSDは、2021年12月24日、経口チロシンキナーゼ阻害薬レンバチニブ(製品名:レンビマブ)と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の併用療法について、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体」の適応で、厚生労働省より承認を取得した。 同承認は、日本におけるレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法の初めての承認である。同併用療法は、進行性子宮体がん(米国と欧州では進行性子宮内膜がん)に係る適応で、日本、米国および欧州において承認されたことになる。 今回の承認は、臨床第III相309試験/KEYNOTE-775試験の結果に基づいたもの。この試験において、対照薬の化学療法(治験医師選択によるドキソルビシンまたはパクリタキセル)と比較して、同併用療法は、全生存期間を統計学的に有意に延長し、死亡リスクを38%減少させた(ハザード比:0.62、95% 信頼区間:0.51~0.75、p<0.0001)。無増悪生存期間も統計学的に有意に延長し、増悪または死亡のリスクを44%減少させた(HR=0.56、95% CI:0.47~0.66、p<0.0001)。

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