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切り傷の縫合処置(皮下縫合・真皮縫合)【漫画でわかる創傷治療のコツ】第6回

第6回 切り傷の縫合処置(皮下縫合・真皮縫合)《解説》さて、道具も準備できたことですし、いよいよ縫合処置に入りましょう。まずは皮下縫合:目的は死腔をなくすこと!皮下縫合では、真皮縫合より太い糸(3-0か4-0)、大きな針を選ぶことが多いです。脂肪組織は脆弱で組織を大きくつかまないとすぐに裂けてしまうため、3−5号の針(できれば丸針)、持針器もマチュー型のようにしっかり把持できるものがいいです。糸について、皮下縫合では吸収糸を主に使いますが、感染リスクが低いのはモノフィラメント糸、組織の緊張が強い場合に緩まず縫合しやすいのはマルチフィラメント糸です。しかし実際のところ、外来での縫合処置のために道具をたくさん用意することは難しく、真皮縫合と皮下縫合で同じ縫合糸や針を使うことが多いです(よって、へガール型持針器とモノフィラメント縫合糸がよく使われます)。ポイントとしては、組織が裂けやすいので適切な力加減で縫合すること。きつく結び過ぎると血行障害を起こし、脂肪壊死から融解が起こってしまいます。死腔がなくなる程度の結紮に留め、死腔の残存が懸念される場合はドレナージ吸引装置(通称:サクションドレーン)などの使用を検討しましょう。※吸引圧で死腔がなくなるため、皮下縫合の必要もなくなり有用ですが、通院での処置が困難次に真皮縫合:目的は減張!真皮縫合では、通常吸収性のモノフィラメント合成糸や非吸収性のナイロン糸が使われます。術後6週間がコラーゲン形成のピークであり、この時点までしっかり抗張力(糸の張力)が保たれていることが大切です。吸収糸は時間の経過とともに抗張力が減少していきますし、表皮縫合の抜糸後にも緊張がかかり傷の幅が徐々に開くので、傷の程度に応じて糸の種類を選択しましょう。また、真皮の浅い部分に糸をかけると後で露出してくることもあるので注意が必要です。真皮は組織が強固で硬いので、針は角針を用いることが多いです。一般的には針付き縫合糸(針と糸がくっ付いているもの)を使用します。外来の縫合では、針と糸が別々の弾機針などはほぼ使いません。また、意外に教わる機会がありませんが、糸の太さは体幹・四肢では5−0、顔面では5−0から6−0が目安です。針も小さいので、持針器はへガール型や丹下式を用います。鑷子も小さめのもの(アドソンなど)や、外反しやすいスキンフックが使いやすいです。針を刺す前に皮膚を外反させるのは重要ですが、その際に皮膚をガッチリつかまないようにしましょう。参考1)波利井 清紀ほか監修. 形成外科治療手技全書I 形成外科の基本手技1. 克誠堂出版;2016.2)菅又 章 編. PEPARS(ペパーズ)123 実践!よくわかる縫合の基本講座<増大号>. 全日本病院出版会;2017.3)上田 晃一 編. PEPARS(ペパーズ)88 コツがわかる!形成外科の基本手技―後期臨床研修医・外科系医師のために―. 全日本病院出版会;2014.4)日本形成外科学会, 日本創傷外科学会, 日本頭蓋顎顔面外科学会編. 形成外科診療ガイドライン2 急性創傷/瘢痕ケロイド. 金原出版;2015.

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第81回 安上がりなHEPAフィルターが病棟の空気中の新型コロナウイルスを除去

安価で持ち運び自由な空気洗浄機・HEPA(high-efficiency particulate air)フィルターで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)やその他の病原性微生物を病院の空気中から除去しうることが実際のSARS-CoV-2感染患者病棟での試験で示されました1,2)。HEPAフィルターは目の細かいメッシュに空気を通して微粒子を捕捉します。試験では病棟に設置されたHEPAフィルターのスイッチを入れず稼働させなかった1週目とスイッチを入れて稼働させた2週目以降の空気が調べられました1)。一般病棟でのHEPAフィルターの効果は明確で、その稼働時にはSARS-CoV-2は検出されず、稼働していない時には認められました。一方、集中治療室(ICU)病棟では不思議なことにSARS-CoV-2の検出は稀で、HEPAフィルターが稼働していなくてもそれは同じでした。より進行した段階のCOVID-19患者におけるウイルス複製はよりゆっくりであることがICUの空気中からの検出が稀である理由かもしれません。空気中からSARS-CoV-2を取り除く取り組みはICUより一般病棟でより意味をなすようですが、ICU病棟でHEPAフィルターはまったく役に立たないかといえばそうではなさそうです。SARS-CoV-2以外の黄色ブドウ球菌、大腸菌、化膿連鎖球菌などの病原性微生物がHEPAフィルター非稼働時には一般病棟とICU病棟の両方の空気中から検出され、HEPAフィルターを稼働したところ概ね除去されました。それらの病原体の感染は空気を介しては広まらないというのがこれまでの通説でした1)。しかし今回の試験ではHEPAフィルター非稼働時の空気中に検出可能な量が存在しており、エアロゾルによっても広まりうるのかもしれません。一般病棟やICU病棟に浮遊するSARS-CoV-2を含む病原体の面々を除去しうるHEPAフィルターは安上がりで容易に導入可能なエアロゾル感染予防対策となりうることを今回の結果は示唆しています。参考1)Real-world data show that filters clean COVID-causing virus from air / Nature2)The removal of airborne SARS-CoV-2 and other microbial bioaerosols by air filtration on COVID-19 surge units. medRxiv. September 22, 2021.

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レビー小体型認知症の前段階における精神病理学的特徴

 レビー小体型認知症(DLB)では、発症前に幻覚、抑うつ症状、緊張病症状、認知機能障害、妄想など、さまざまな精神症状の出現が高率で認められる。しかし、前段階DLBで認められるこれらの精神症状の特徴は、よくわかっていない。砂川市立病院の内海 久美子氏らは、顕著な認知機能障害が出現する前の前段階DLB患者における精神病理学的特徴を明らかにするため、検討を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2021年8月24日号の報告。 認知症ではなく重度の精神症状を発症したが、長期観察後にDLBと診断された前段階DLB患者21例を対象に精神病理学的特徴を分析した。DLBの確認は、シンチグラフィの示唆的および支持的なバイオマーカーを用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・精神病理学的特徴には、さまざまな症状が含まれていたが、主に緊張病症状、幻覚妄想、抑うつ症状および/または躁症状の3つのカテゴリーに集約された。・緊張病症状は9例、幻覚妄想は5例、抑うつ症状および/または躁症状は7例で観察された。・21例中7例において、縦断観察期間中にせん妄が認められた。・21例中20例は、何のきっかけもなく精神症状が繰り返し出現していた。・最初の精神症状出現から認知機能障害発現までの平均期間は、9.1±4.6年であり、その後71.3±6.1年でDLBと診断された。 著者らは「緊張病症状、幻覚妄想、抑うつ症状および/または躁症状、せん妄などの精神症状が認められる非認知症高齢者は、症候性精神疾患またはDLBなどの精神認知機能障害の前段階である可能性が示唆された。そのため、正確な診断を行うためにも、さらに広範なトレーニング(放射性ニューロイメージングなど)が求められる」としている。

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胃、食道腺がん1次治療のニボルマブ+化学療法の追加解析、ニボルマブ+イピリムマブ初回解析(CheckMate 649)/ESMO2021

 胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がんの1次治療において、ニボルマブ+化学療法(NIVO+Chemo)は化学療法単独と比較し、追跡期間を1年延長しても全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の有意な改善が引き続き認められた。ただし、ニボルマブ+イピリムマブ(NIVO+IPI)については、PD-L1 CPS≧5の患者において化学療法単独と比較しOSの有意な改善は認められなかった。 第III相CheckMate-649試験の最新解析結果を、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのYelena Y. Janjigian氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。・対象:未治療のHER2陰性進行または転移を有する胃/胃食道接合部/食道腺がん、PS 0~1・試験群:NIVO+Chemo(NIVO 360mg+XELOX[3週ごと]、またはNIVO 240mg+FOLFOX [2週ごと])789例NIVO+IPI(NIVO 1mg/kg+IPI 3mg/kg[3週ごと、4サイクル]→NIVO 240mg[2週ごと])409例・対照群:上記のいずれかの化学療法単独(Chemo群)833例・評価項目:[主要評価項目]NIVO+Chemo vs Chemo:OS およびPFS(PD-L1 CPS≧5患者)[副次評価項目]NIVO+Chemo vs Chemo:OS(PD-L1 CPS≧1、全無作為化患者)        NIVO+IPI vs Chemo:OS(PD-L1 CPS≧5、全無作為化患者) 主な結果は以下のとおり。[NIVO+Chemo群 vs.Chemo群]・データカットオフ時点で(2021年5月27日、最短追跡期間24.0ヵ月)、臨床的に意味のあるOSの改善が維持された。PFSも同様であった。・PD-L1 CPS≧5患者では、OS中央値がNIVO+Chemo群14.4ヵ月、Chemo群11.1ヵ月で、死亡リスクが30%低下(HR:0.70、95%CI:0.61~0.81)、24ヵ月OS率が12%改善(31% vs.19%)、PFS中央値は8.1ヵ月 vs 6.1ヵ月(HR:0.70、95%CI:0.60~0.81)。・全無作為化患者では、OS中央値がNIVO+Chemo群13.8ヵ月、Chemo群11.6ヵ月で、死亡リスクが21%低下(HR:0.79、95%CI:0.71~0.88)、24ヵ月OS率が9%改善(28% vs.19%)、PFS中央値は7.7ヵ月 vs.6.9ヵ月(HR:0.79、95%CI:0.70~0.89)。・全無作為化患者において、MSI-H患者およびMSS患者のいずれもNIVO+Chemo群でChemo群と比較しOSの延長と高いORRが得られたが、ベネフィットはMSI-H患者で大きく、MSS患者では全無作為化集団全体と同様の結果であった。[NIVO+IPI群 vs.Chemo群]・データカットオフ時点で(2021年5月27日、最短追跡期間35.7ヵ月)、副次評価項目は達成されなかった。・PD-L1 CPS≧5患者では、OS中央値がNIVO+IPI群11.2ヵ月、Chemo群11.6ヵ月(HR:0.89、96.5%CI:0.71~1.10、p=0.2302)、24ヵ月OS率は25% vs.17%)。・全無作為化患者では、OS中央値がNIVO+IPI群11.7ヵ月、Chemo群11.8ヵ月(HR:0.91、96.5%CI:0.77~1.07)、24ヵ月OS率は23% vs.19%。[安全性]・NIVO+ChemoおよびNIVO+IPIで、新たな安全性の懸念は認められなかった。・NIVO+Chem群の主なGrade3/4治療関連有害事象(TRAE)は、好中球減少症(15%)、好中球数減少(11%)、貧血(6%)。・NIVO+IPI群の主なGrade3/4のTRAEは、リパーゼ増加(7%)、アミラーゼ増加(4%)、ALT/AST増加(各4%)。・Chemo群の主なGrade3/4のTRAEは、好中球減少症(11~13%)、好中球数減少(9~10%)、下痢(3~4%)。・免疫関連のGrade3/4 TRAEは、臓器別にみるとNIVO+Chemo群は5%以下、NIVO+IPI群は12%以下であった。 Janjigian氏は、「HER2陰性の進行胃/胃食道接合部/食道腺がん患者の1次治療において、NIVO+Chemoは追跡期間を1年延長した場合でも臨床的に意義のある長期にわたるOSおよびPFSの改善が認められ、生存曲線の開きが持続した。新たな標準1次治療としてのNIVO+Chemoの使用がさらに支持される結果であった」とまとめた。

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非小細胞肺がん1次治療cemiplimab+化学療法(EMPOWER-Lung3)/ESMO2021

 変異のない進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に対する新PD-1阻害薬cemiplimabと化学療法の併用を評価するEMPOWER-Lung3試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表された。cemiplimab+化学療法のNSCLC1次治療としての可能性が示唆されている。 EMPOWER-Lung3は2部構成の無作為化第III相試験。今回発表されたのは、Part2試験の2回目の中間解析の結果である。・対象:未治療の進行NSCLC(組織形/PD-L1発現レベルは問わず、既治療の安定した脳転移例は許容)・試験群:cemiplimab(350mg)3週ごと+治験担当医が選んだプラチナダブレット化学療法 3週ごと4サイクル・対照群:プラセボ 3週ごと+治験担当医が選んだプラチナダブレット化学療法 3週ごと4サイクル ※治療は108週(あるいは進行するまで)行われた。・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、最良総合効果、安全性、患者報告アウトカムなど 主な結果は以下のとおり。・適格患者466例は、無作為にcemiplimab+化学療法群312例とプラセボ+化学療法群154例に割り付られた。・患者の年齢中央値は63.0歳、 57.1%が非扁平上皮がん、85.2%がStage4であった。・OS中央値はcemiplimab+化学療法群21.9ヵ月に対し、プラセボ+化学療法群では13.0ヵ月であった。cemiplimab+化学療法群で有意な改善し、主要評価項目を達成した(HR:0.71、 p=0.014)。・PFS中央値はcemiplimab+化学療法群8.2ヵ月に対しプラセボ+化学療法群は5.0ヵ月で、cemiplimab+化学療法群が有意に改善した(HR:0.56、p<0.0001)。・サブグループでのOS/PFSのHRでは、組織形を問わず(非扁平上皮がん0.79、扁平上皮がん0.56)、PD-L1を発現している場合は発現レベルを問わず(PD-L1

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ファイザー製ワクチン、リアルワールドでの効果持続は/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染または新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン効果の減衰が懸念されている。今回、PCR検査が大規模に実施されているカタールにおいて、Weill Cornell Medicine-QatarのHiam Chemaitelly氏らがBNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer/BioNTech製)の効果の持続性について検討した。その結果、感染に対する効果は2回目投与後のピークの後に急速な減衰がみられたが、入院や死亡抑制効果については、2回目投与後6ヵ月間は効果が持続していることが示唆された。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号に掲載。 本研究は、ファイザー製ワクチンの初回および2回接種後のSARS-CoV-2感染およびCovid-19関連の入院と死亡に対するリアルワールドでの効果を評価した症例対照研究。2021年1月1日~9月5日にカタール居住者の全国的なデータベース(PCR検査、ワクチン接種、COVID-19関連の入院、流行開始以降の基本的な人口統計の情報などが含まれる)を用いて、症例(PCR陽性者)と対照(PCR陰性者)を性別、年齢層、国籍、PCR検査の理由、PCR検査実施暦週について、1対1でマッチさせた。ファイザー製ワクチンのSARS-CoV-2感染に対する効果と、COVID-19の重症(急性期入院)、重篤(集中治療室入院)、死亡の抑制効果を推定した。なお、カタールでは、2021年9月7日時点で12歳以上の9割以上が1回以上ワクチン接種を受け、8割以上が2回接種を受けていた。 主な結果は以下のとおり。・感染に対する効果は、初回投与後2週間は非常に低かったが、初回投与後3週間で36.8%(95%信頼区間[CI]:33.2〜40.2)に増加し、2回目投与後の最初の月に77.5%(95%CI:76.4〜78.6)とピークに達した。その後は徐々に低下し、4ヵ月後に急減し、2回目投与後5〜7ヵ月は約20%であった。・症候性感染および無症候性感染に対する効果の変化パターンは同様だったが、症候性感染のほうが無症候性感染より一貫して高かった。症候性感染に対する効果のピークは81.5%(95%CI:79.9〜83.0)、無症候性感染に対する効果のピークは73.1%(95%CI:70.3〜75.5)だった。・変異株別、年齢層別にみても、効果の変化パターンは同様だった。・COVID-19の重症、重篤、死亡の抑制効果は、初回投与後2週間は非常に低かったが、初回投与後3週間で66.1%(95%CI:56.8~73.5)に急激に上昇し、2回目投与後2ヵ月後には96%以上に達した。感染に対する効果とは異なり、ほぼ6ヵ月間持続した。

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新型コロナでのECMO治療開始後の死亡率、流行初期より増加/Lancet

 体外式膜型人工肺(ECMO)治療の初期導入施設では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者におけるECMO治療開始後の死亡率が2020年に約15%上昇し、治療期間が約6日延長したことが、米国・ミシガン大学のRyan P. Barbaro氏らExtracorporeal Life Support Organization(ELSO)が世界41ヵ国で実施した調査で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年10月2日号に掲載された。レジストリデータで3群を後ろ向きに比較解析 研究グループは、2020年5月1日以前にECMOによる治療を受けた患者と、これ以降にECMO治療を受けた患者で、ベースラインの患者特性やECMO治療を行った施設の特性、患者アウトカムなどを比較する目的で、ELSOレジストリのデータを後ろ向きに解析した(研究助成は受けていない)。 対象は、年齢16歳以上、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)陽性と診断され、2020年1月1日~12月31日の期間にECMO治療を受けた患者であった。 患者は、ECMO治療を開始した時期と施設で次の3つの群に分けられた。(1)初期導入施設(2020年1月1日~12月31日にECMO導入)で2020年1月1日~5月1日の期間にECMO治療を開始した患者(A1群)、(2)初期導入施設で2020年5月2日~12月31日の期間にECMO治療を開始した患者(A2群)、(3)後期導入施設(2020年5月2日~12月31日にECMO導入)でECMO治療を開始した患者(B群)。 主要アウトカムは、ECMO治療開始から90日後に生存時間(time-to-event)解析で評価した院内死亡率とされた。Cox比例ハザードモデルを用いて、3群間の補正後の相対的死亡リスクを患者および施設レベルで比較した。同じ5月2日以降でも、後期導入施設は死亡リスクが高い 2020年に、日本を含む41ヵ国349施設(初期導入236施設、後期導入113施設)でECMO治療を受けたCOVID-19患者4,812例が解析に含まれた。A1群が1,182例(年齢中央値50歳、男性74%)、A2群が2,824例(51歳、73%)、B群は806例(49歳、74%)であった。 ECMO治療開始後90日時の院内死亡の累積発生率は、A1群の36.9%(95%信頼区間[CI]:34.1~39.7)から、A2群では51.9%(50.0~53.8)へと15%増加した。また、B群の90日累積院内死亡率は58.9%(55.4~62.3)であり、同じ5月2日以降のECMO開始であったA2群よりも約7%高率だった。これらの差は、患者および施設レベルの背景因子で補正後にも認められた。 A1群はA2群に比べ、90日院内死亡の補正後相対リスクが低かった(ハザード比:0.82、95%CI:0.70~0.96)。一方、B群はA2群よりも、90日院内死亡の補正後相対リスクが高かった(1.42、1.17~1.73)。また、ECMO治療開始前の年齢(高齢になるほど高リスク)、がん・心停止の既往歴、および開始時の急性腎障害の存在は、死亡の相対リスクの上昇と関連していた。 A1群はA2群に比べ、自宅退院や急性期リハビリテーション施設への転院(32% vs.22%)および他院への転院(18% vs.11%)の割合が高かった(並べ替え検定のp=0.01)。また、ECMO治療期間中央値は、A1群では14.1日(IQR:7.9~24.1)であったが、A2群では20.0日(9.7~35.1)へと、約6日延長していた(p<0.001)。ECMO治療開始後の入院期間中央値は、A1群の27.1日(15.8~44.2)から、A2群では30.7日(17.6~50.7)へと延長した。 著者は、「COVID-19の世界的大流行の進行中にECMO治療を開始した患者の死亡率は悪化していることから、今後もECMOの転帰の継続的な監視が求められる。ECMOは限られた資源であり、COVID-19患者の25%が5週間以上のECMO治療を受けていることを考慮すると、各施設は資源が限定的な場合のECMOの倫理的な配分に関する自施設の指針の策定を検討する必要がある」と指摘している。

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第73回 薬局で承認済の抗原検査キット販売/オンライン初診は当面継続

<先週の動き>1.薬局で承認済の抗原検査キット販売、厚労省「未承認は使わないで」2.オンライン初診は当面継続、恒久化に医師会は慎重な姿勢/厚労省3.コロナワクチン3回目接種に向けファイザーと追加契約/厚労省4.感染症有事の医療体制強化に向けた法改正を/自民党5..病院建て替えをめぐり日大理事と病院経営者が逮捕/東京地検1.薬局で承認済の抗原検査キット販売、厚労省「未承認は使わないで」9月末、政府が新型コロナウイルス抗原定性検査キットの薬局販売を承認したことを受け、すでに調剤薬局などで販売が始まっている。PCR検査に比べると感度が低いといわれるが、検査は30分程で結果がわかる。対象となる検査キットは、厚労省が承認した「医療用」の中から15種類。政府が11月からの導入を目指す「ワクチン・検査パッケージ」において、ワクチン未接種者の陰性証明に活用することも検討されている。一方、横浜市で未承認の検査キットを用いて陰性が3回出たため、自己判断で受診しないままの30代男性が自宅で死亡しており、警察による検死で死後に陽性が判明したと報道された。未承認の検査キットについては性能等が十分に確認されていないため、厚労省は「消費者が新型コロナウイルス感染症の罹患の有無を調べる目的で使用すべきでない」としている。(参考)新型コロナ 抗原検査キット 薬局で販売始まる(NHK)コロナ検査キット、異例の薬局販売 政府肝いり 無症状でも使える?(朝日新聞)新型コロナウイルス感染症流行下における薬局での医療用抗原検査キットの取扱いについて(令和3年9月27日事務連絡)2.オンライン初診は当面継続、恒久化に医師会は慎重な姿勢/厚労省厚労省は7日に「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を開催し、特例的に初診からオンライン診療の実施可となっている現状について、当面の間は継続する方針を確認した。閣議決定において、初回からオンライン診療の実施を認める特例措置を恒久化する方針により、厚労省側から「初診からのオンライン診療の取扱いについて」が提示されたが、かかりつけ医による初診を原則とする医師会側は、慎重に議論する姿勢を崩していない。また、オンライン診療で必要な費用負担に関する議論も出ており、今後、運用方法について検討が行われる見込み。(参考)完全初診患者へのオンライン診療、どういった仕組みで安全性など担保し、費用負担はどうすべきか―オンライン診療指針見直し検討会(Gem Med)オンライン初診特例を継続、厚労省 検討会で普及妨げ要因の検証求める声(CBnewsマネジメント)初診からのオンライン診療の取扱いについて(厚労省)第17回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会(同)3.コロナワクチン3回目接種に向けファイザーと追加契約/厚労省後藤 茂之厚生労働相は8日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスワクチン「コミナティ(ファイザー・ビオンテック)」の追加接種分として、新たに1億2,000万回分を追加契約したことを発表した。2022年1月以降、日本に供給される予定。なお、ファイザーは7日に、新型コロナウイルスワクチンの3回目追加接種(ブースター接種)の臨床試験のデータを厚労省に提出し、承認申請を行なったことを明らかにしている。(参考)来年の新型コロナウイルスワクチンの供給に係るファイザー株式会社との契約締結について(厚労省)ファイザーとBioNTech、COVID-19ワクチン『コミナティ筋注』日本への2022年追加供給に関する最終合意書を締結(ファイザー株式会社)ファイザーのワクチン 来年1億2000万回分供給で追加契約(NHK)ファイザー日本法人、3回目接種へ治験データ提出(日経新聞)4.感染症有事の医療体制強化に向けた法改正を/自民党8日、自民党の総務会が開催され、次期衆議院議員総選挙における自民党の重点政策が了承された。今回、8つの分野が柱で、巻頭の最重要課題は「感染症から命と暮らしを守る」。希望者全員へのワクチン接種を一刻も早く完了させ、有事における病床・医療人材の確保、保健所・検査体制などの対応力の強化などを含み、医療機関などに対して「より強い権限を持てるための法改正を行う」と明記した。このほか、「新しい資本主義」では分厚い中間層の再構築や経済安全保障の強化などが含まれており、自民党はこれを総選挙の公約として国民の支持を求める方向。(参考)次期衆院選における自民党の重点政策が決定(自民党)感染対策で国の権限強化 「早期の改憲実現」…自民公約案(読売新聞)医療体制強化へ法改正 自民、衆院選に向け公約原案(日経新聞)5.病院建て替えをめぐり日大理事と病院経営者が逮捕/東京地検東京地検特捜部は7日、日本大学医学部付属板橋病院の建て替え工事の設計契約をめぐって、日本大学に2億2,000万円の損害を与えたとする背任の容疑で、日本大学理事と大阪の民間病院経営者を逮捕した。その後の取り調べで、設計を請け負う会社に対して上限金額を伝えるなどして水増し請求を行わせ、2億2,000万円の資金流出を計画、その一部は大学理事が着服して病院経営者側に提供などを行ったと見られる。東京地検特捜部は、国内最大規模の大学における資金流出のスキームや理事の関与など詳しい事情を捜査している。大学側は同日、理事が逮捕されたことについて「本学理事の逮捕は、誠に遺憾であります。本件につきましては、本学としても現在進められている東京地方検察庁の捜査に引き続き全面的に協力してまいります」とコメントを発表した。(参考)本学理事の逮捕について(日本大学)日大理事と医療法人前理事長を背任容疑で逮捕 東京地検特捜部(NHK)日大理事らを逮捕 病院建て替えめぐる背任容疑 東京地検特捜部(朝日新聞)

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デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideの血糖降下作用および体重減少作用は基礎インスリン デグルデクより優れている(解説:住谷哲氏)

 SURPASS-3はデュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideの臨床開発プログラムSURPASS seriesの一つであり、基礎インスリンであるデグルデクとのhead-to-head試験である。2018年にADA/EASDの血糖管理アルゴリズムがGLP-1受容体作動薬を最初に投与すべき注射薬として推奨するまでは、経口血糖降下薬のみで目標とする血糖コントロールが達成できない場合には基礎インスリンの投与がgold standardであった。特に持効型インスリンであるグラルギンの登場後は、BOT(basal-supported oral therapy)として広く一般臨床でも用いられるようになっている。 tirzepatideは5mg、10mg、15mgの3用量が設定され、2.5mg/週から開始し4週ごとに増量された。一方デグルデクは10単位/日から開始し、treat-to-target法により自己血糖測定による空腹時血糖値FBG<90mg/dLを目標として1週間ごとに増量された。デグルデクは毎日投与であるがtirzepatideは週1回投与であり、maskingは不可能であるため試験デザインはopen-labelである。 結果は、主要評価項目である52週後のHbA1c低下量は、3用量のすべてにおいてデグルデク群に対する優越性が示された。副次評価項目である体重減少量も、HbA1cと同様に3用量のすべてにおいてデグルデク群に対する優越性が示された。さらにHbA1c<7.0%、HbA1c<6.5%、HbA1c<5.7%の達成率も、tirzepatideの3用量のすべてにおいてデグルデク群よりも有意に高値であった。treat-to-target法を用いたことにより、FBGについては、5mg投与群ではデグルデク群に比して有意に高値であったが、10mgおよび15mg群ではデグルデク群との間に有意差は認められなかった。この結果から予想されるように、血糖日内変動における食後2時間後血糖値は、3用量のすべてにおいてデグルデク群よりも有意に低値であった。有害事象についても、<54mg/dLの低血糖の頻度は3用量のすべてにおいてデグルデク群よりも少なかった。 経口血糖降下薬の多剤併用療法でも目標血糖値が達成されない患者において、次のステップとして基礎インスリン投与によるBOTが開始されることは現在でも少なくない。現時点でBOTは次第にGLP-1受容体作動薬に置き換わりつつあるが、近い将来デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬がGLP-1受容体作動薬に置き換わるのも現実的になってきたと思われる。

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収入減!勤務医と開業医、それぞれの対策【医師のためのお金の話】第49回

医師も給与が減ったときの対策を考えなければいけない…。こんな状況は数年前まで想定外でした。2030年になると医師数が充足するので、給与水準も少しずつ下がっていくのかなぁと、のんきに考えていたぐらいです。ところがコロナ禍で状況は一変しました。図らずも医師の高給は砂上の楼閣であることが白日の下に晒されたわけですが、私たちにも生活があるので傍観しているわけにはいきません。減収対策を考えてみましょう。まずは緊急止血!減収で家計が待ったなしの状況になったら何をするべきでしょうか? まずは即効性のある手段をとりましょう。1)この先1ヵ月間で絶対に必要な出費を天引き2)キャッシュレス決済やクレジットカードを封印3)ふるさと納税をノーブランドのお米に全振り緊急止血が必要な状況で考えるべきことは、月々の収支をマイナスにしないことです。この目的を達成するためには、まずは出費の天引きをしましょう。毎月一定金額を給料から天引きして貯蓄する方法は有名ですが、緊急時には絶対必要な出費を天引きすることが有効です。出費を天引きした残りの金額で1ヵ月間生き延びることを考えましょう。そのためにはキャッシュレス決済やクレジットカードを封印して「現金で支払う痛み」を感じることも有効です。便利さは犠牲になりますが、現金支払いの痛みは節約にとても有効です。そして普段多めの税金を払っている医師ならではの節約法としては、ふるさと納税を最大限に利用しましょう。そして返礼品はちょっとぜいたくなモノではなく生活必需品にします。一般的にはお米ですが高級米である「つや姫」「魚沼産コシヒカリ」を選んではいけません。寄付金当たりで最大のキロ数を稼げるお米を選びましょう。止血ができたら、次の手当てを月々の収支をプラスに維持できたのであれば、中期的な節約と収入増を考えましょう。節約に関してまず考えるべきことは固定費の削減です。固定費とは、住居費、生命保険、自動車関連費、光熱費、通信費などの毎月払っている支出です。住宅ローンの金利交渉や借り換え、生命保険の見直し、自動車を手放す、電気やガス会社の変更、携帯電話プラン変更や他社への乗り換えなどで固定費の削減を考えましょう。本気で節約しようとすれば必ず結果は出るのでやりがいがあります。次に、収入増を考えます。勤務医であればアルバイト情報を収集しましょう。医局や勤務先全体で減収している場合には、みんなが苦しい状況なので身近な人のツテを頼ることはできません。このようなケースではアルバイト情報をマメに収集する必要があります。開業医の場合、一朝一夕に増患はできないので、減少した医業収益に合わせて固定費削減を実施する必要があります。コロナ禍で激変した医療情勢は比較的長期にわたって続くことが予想されますので、しかるべき手を早めに打っておくべきです。スタッフの解雇にまで踏み込むのは難しいでしょうが、勤務時間の短縮などのワークシェアリングで医業収益減少に見合った経費削減を達成すべきです。減収の先にある“フロンティア”を目指そうここまで手取り収入を確保することを主眼に考えてきましたが、ようやく前向きなことを考えるステージに来ました。コロナ禍で顕在化したように、収入を医業に100%依存している状態は不安定と言わざるを得ません。もちろん医療という高い参入障壁に守られた世界を、職業のメインに据えるべきでしょう。しかし、医療から半歩でも外の世界に踏み出すことは、増収と安定性の両方を確保することにつながります。具体的には「投資」と「事業展開」を考えてみましょう。ここでは、勤務医と開業医で戦略が異なります。ポイントは背負っているリスクの大きさの差です。経済的なリスクが少ないのは勤務医です。極論すると勤務医のリスクは「自らの健康」だけなので、投資だけではなく事業立ち上げのリスクを取ることも可能です。一方で、すでに経営的リスクを背負っている開業医は、新規事業の立ち上げで追加リスクを取ることは得策ではありません。このため開業医が経済的安定を得るためには不動産や株式投資にとどめることを推奨します。投資や事業によって結果を残すことは簡単ではありません。必勝法は存在せず、かなりの労力を投入しても思っていたほどの結果を残せないことも多いでしょう。しかし、座していても何も状況は変わりません。人生100年時代に突入しようとしている状況では、40歳以下の人が逃げ切ることは困難だと思われます。一般的に医師は有利な立場ですが、それに甘んじることなく果敢に挑戦したいものですね。

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第42回 相関分析とは?【統計のそこが知りたい!】

第42回 相関分析とは?2つの事柄(項目、変数)の関係を調べる解析手法を総称して相関分析(Correlation analysis)、別称、2変量解析(Bivariate analysis)といいます。相関分析にはいろいろな手法がありますが、使用する解析手法は、測定されたデータが「数量データ」、「順位データ」、「カテゴリーデータ」のうち、どのタイプかによって決まります。■各テーマの相関分析のデータタイプ、解析手法、相関係数たとえば、次の5つのテーマについて調べる場合、選択肢、データタイプ、解析手法、相関係数は表のようになります。(1)学習時間とテストの成績は関係があるか(2)所得階層と支持する政党は関係があるか(3)年齢と相性が合うお医者さんは関係があるか(4)体型と血糖値は関係があるか(5)受付の満足度と病院の総合満足度は関係があるか画像を拡大する次回から、関数関係、相関関係、因果関係、そしてそれぞれの相関係数について解説していきます。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第4回 ギモンを解決! 一問一答質問9 多変量解析を学ぶ前に知っておくべき統計の基礎を教えてください(その1)質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その1)質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その2)

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「コネ」も大事な手段!? フェローシップ採用の突破法【臨床留学通信 from NY】第27回

第27回:「コネ」も大事な手段!? フェローシップ採用の突破法これまで述べたことのまとめになりますが、フェローシップ採用において、面接に呼ばれ、最終的にマッチに至るには、USMLEの点数、卒後年数、推薦状、学会/論文業績がいずれも重要です。そして、AMG(米国医学部卒業)>IMG(外国医学部卒業)、VISA、レジデント出身病院、という序列は、少なくともアプライの時点では如何ともしがたい要因です。しかしながら、米国ならではというところでコネは重要で、「あ、この人コネがかなり効いてるな」、というケースは散見されます。私自身、コネがそんなになかったのですが、知り合いを通じて面接に呼んでもらうということはありました。現在の勤務先であるMontefioreにマッチできたのも、大学の先輩がMontefioreにいる世界的に有名なStructural Heart DiseaseのInterventional CardiologistであるAzeem Latib氏と知り合いであったことから履歴書に目が止まり、Latib氏が私の論文業績を評価してくれてProgram Directorに話を通してくれたことが大きかったのではないかと思います。実際、ランク付けを決める締め切り直前に、Chief of Cardiologyからも面接の機会を追加でもらえたため、「これは大丈夫かな」と思いました。ただ、もしMontefioreがダメだったとしたら、その後どこまでランクが下がってしまうのかはわからなかったので、マッチングというのはこれという絶対的な正攻法のない恐ろしい仕組みだと改めて思いました。さて、米国では7月からの着任に備えて、1年前の7月からアプライが始まり、9~10月に面接、12月には合否が出るという流れで、日本の就職スケジュールと比べてかなり早いと思います。しかし、結果が出て契約書を受け取ったら、日本の厚生労働省とビザ更新のための手続きについてやりとりする必要があり、実際には時間的猶予はそれほどなかったというのが実際のところです。ちなみに、着任前でしたが人間関係を早めに築いておきたいと考え、Latib氏に論文の指導を受け、前回のコラムで紹介したJACC誌掲載の論文1)のcoauthorにもなっていただきました。参考1)Shoji S, et al. J Am Coll Cardiol. 2021 Aug 24;78(8):763-777.Column早いもので、臨床留学している日本人の後輩たちもフェローシップのアプライ時期となりました。私が2年ほど指導した人たちの研究は、心臓カテーテル系および心臓外科のトップジャーナルに載るまでになり、今後が楽しみです1,2)。1)Ueyama H, et al. JACC Cardiovasc Interv. 2021 Jul 12;14(13):1481-1492.2)Yokoyama Y, et al. J Thorac Cardiovasc Surg. 2021 Jul 29;S0022-5223(21)01133-8.

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ペムブロリズマブとルテチウム177の併用は去勢抵抗性前立腺がん治療に有望(PRINCE)/ESMO2021

 ルテチウム177-PSMA-617(LuPSMA)とペムブロリズマブの併用療法が、転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対して良好な効果と安全性を示すことが、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのShahneen Sandhu氏より、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)にて発表された。 今回のPRINCE試験は第I相b試験であり、試験薬のLuPSMAは、すでに欧米で承認され、その放射線による殺細胞作用と免疫チェックポイント阻害薬の併用効果が期待されていた。・対象:エンザルタミド、アビラテロン、アパルタミド、ドセタキセルの治療歴を有し、画像上PSMAの高発現が確認され、測定可能病変があるmCRPC・試験群:ペムブロリズマブ200mg 3週ごと最大35サイクル(2年間)まで+LuPSMA 6週ごと最大6サイクル投与・評価項目[主要評価項目]PSA値を50%以上低下させる割合(P-RR)、安全性[副次評価項目]画像評価による無増悪生存期間(rPFS)、PSA上昇をイベントとした無増悪生存期間(P-PFS)、全生存期間(OS) 主な結果は以下のとおり。・登録症例数は37例、年齢中央値72歳、グリソンスコア8以上が62%、全例でエンザルタミドかアビラテロンの前治療があり、ドセタキセル治療歴ありも70%であった。・一般的な有害事象は、Grade1/2が、口腔乾燥76%、全身倦怠感43%、発疹25%など。血液毒性は血小板減少14%、貧血8%、好中球減少3%などであった。・Grade3の免疫関連有害事象として、大腸炎2例、膵炎、腎炎、糖尿病、筋無力症などがそれぞれ1例ずつ報告された。・追跡期間中央値38週時点のP-RRは73%であった。・治療開始から12週時点で、PSMAが発現なく血中循環腫瘍細胞(CTC)の検出がなかった症例は61%であった。・24週時点でのrPFS率は65%、P-PFS率は68%であった。 演者は最後に「ペムブロリズマブの生存に対する寄与を評価するためにはさらなる追跡期間が必要であり、腫瘍環境の精査にはバイオマーカーの評価も必要である」と結んだ。

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乳がん術後の放射線寡分割照射と通常分割照射の急性毒性を比較(HypoG-01)/ESMO2021

 乳がん術後の放射線療法の照射回数と期間が照射後の安全性に与える影響を検討したHypoG-01試験の結果がフランス・Institut Gustave RoussyのSofia Rivera氏より、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)にて発表された。 同試験はフランス国内で実施された多施設共同の非劣性検証第III相試験である。・対象:領域リンパ節への放射線照射の対象となる手術後乳がん(リンパ節転移の有無と腫瘍径は問わず、遠隔転移ありは除外)・試験群(寡分割照射法):総線量40Gyを15回に分割し3週間で放射線照射終了(寡分割群:633例)・対照群(通常分割照射法):総線量50Gyを25回に分割し5週間で放射線照射終了(通常群:631例) 両群とも主治医判断でブースト照射の追加は可能・評価項目:腕のリンパ浮腫などを3年間追跡 主な結果は以下のとおり。・年齢中央値は58歳、T1が33%でT2が47%(腫瘍径中央値は27mm)であった。・乳房切除術は47%、乳房部分切除術は53%、腋窩リンパ節郭清は82%に施行されていた。また、強度変調放射線照射(IMRT)は52%、リアルタイム 3D照射(RT3D)は48%であった。・放射線照射後1ヵ月間の有害事象は、ほとんどがGrade1/2であった。・主な事象の発現率は、皮膚炎が寡分割群80%対通常群89%、全身倦怠感は49%対54%、疼痛は42%対47%、嚥下障害は20%対23%、色素沈着は12%対13%、呼吸器障害は16%対22%などで、両群間に大きな差は見られなかった。・Grade2以上の皮膚炎はBMI25以下の症例に比べ、BMI30を超える症例で多く見られ、寡分割群では29%、通常群48%であった。・合計18例で重篤な有害事象が発現したが(寡分割群10例、通常群8例)、そのうち治療と関連ありと判断されたのは各群1例ずつであった。 演者は「15回/3週間での寡分割照射の安全性に関する懸念は見いだされなかった。本試験の長期的な追跡調査も進行中であり、さらにほかの臨床試験データとのメタ解析も計画されている」と締めくくった。

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男性の抑うつ症状や肥満の改善に対するeHealthプログラムの影響

 肥満とうつ病は、男性において相互に関連する健康上の問題であるにもかかわらず、これらの問題を管理するためのサポートは十分に行われていない。オーストラリア・ニューカッスル大学のMyles D. Young氏らは、セルフガイドのeHealthプログラム(SHED-IT:Recharge)が過体重または肥満の改善および抑うつ症状の改善に寄与するかについて、検討を行った。Journal of Consulting and Clinical Psychology誌2021年8月号の報告。 抑うつ症状(PHQ-9スコア5以上)を有するBMI 25~42kg/m2の男性125例を対象に6ヵ月間のランダム化比較試験(RCT)を実施した。対象患者は、eHealthプログラム群62例または対照群63例にランダムに割り付けられた。3ヵ月間のプログラムは、印刷物およびオンライン(Webサイト、インタラクティブモジュールなど)を用いて実施した。プログラムは、エビデンスに基づく男性のダイエットプログラムにメンタルフィットネスを加えて行った。主要アウトカムは、3ヵ月後の体重および抑うつ症状の変化とした。評価は、ベースライン時、3ヵ月後、6ヵ月後に行った。プログラムのアウトカムを調査するため、治療企図(ITT)線形混合モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・3ヵ月後、体重および抑うつ症状の改善に対する中程度の効果が認められた。 ●体重(調整後平均差:-3.1kg、95%CI:-4.3~-1.9、d=0.9) ●抑うつ症状(調整後平均差:-2.4、95%CI:-4.0~-0.9、d=0.6)・これらの効果は、6ヵ月間持続しており、他の健康アウトカムの継続的な改善によりサポートされた。 著者らは「ダイエットプログラムとメンタルヘルスサポートを組み合わせたセルフガイドのeHealthプログラムの実施により、男性の抑うつ症状や肥満の改善が認められた。身体的および精神的な問題を抱える患者を対象とした統合的介入は、効果的な治療戦略である可能性が示唆された」としている。

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COVID-19外来患者へのロナプリーブ、第III相試験結果/NEJM

 重症化リスクを有する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外来患者の治療において、REGEN-COV(モノクローナル抗体カシリビマブとイムデビマブの混合静注薬、商品名:ロナプリーブ)はプラセボと比較して、COVID-19による入院/全死因死亡のリスクを低減するとともに、症状消退までの期間を短縮し、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のウイルス量を迅速に低下させることが、米国・Regeneron PharmaceuticalsのDavid M. Weinreich氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年9月29日号に掲載された。外来患者4,000例の無作為化プラセボ対照第III相試験 本研究は、COVID-19外来患者におけるREGEN-COVの有用性の評価を目的とする適応的デザインを用いた第I~III相の二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、今回は、第III相試験の初期結果が報告された(米国・Regeneron Pharmaceuticalsなどの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、SARS-CoV-2陽性と診断され、COVID-19の重症化のリスク因子を1つ以上有する非入院患者であった。被験者は、いくつかの用量のREGEN-COVまたはプラセボを単回静脈内投与する群に無作為に割り付けられ、29日間のフォローアップが行われた。 事前に規定された階層的解析法を用いて、エンドポイントであるCOVID-19による入院または全死因死亡、症状消退までの期間、安全性の評価が行われた。 解析には、2020年9月24日~2021年1月17日の期間に米国とメキシコの施設で登録された4,057例(修正最大解析対象集団[mFAS])が含まれた。全体の年齢中央値は50歳(IQR:38~59)、14%が65歳以上で、49%が男性、35%がヒスパニック系であり、最も頻度の高い重症化のリスク因子は肥満(BMI≧30、58%)、年齢50歳以上(52%)、心血管疾患(36%)であった。重篤な有害事象の発現はプラセボより少ない 投与後29日の時点でのCOVID-19による入院または全死因死亡は、REGEN-COV 2,400mg(カシリビマブ1,200mg+イムデビマブ1,200mg)群では1,355例中18例(1.3%)で発生し、プラセボ群の1,341例中62例(4.6%)に比べ有意に低かった(相対リスク減少率[1から相対リスクを引いた値]:71.3%、p<0.001)。 また、REGEN-COV 1,200mg(同600mg+600mg)群では736例中7例(1.0%)でCOVID-19による入院または全死因死亡が発生し、プラセボ群の748例中24例(3.2%)に比し有意に良好だった(相対リスク減少率:70.4%、p=0.002)。 同様に、ベースラインの血清SARS-CoV-2抗体陽性例を含む全サブグループで、REGEN-COV群はプラセボ群に比べ、COVID-19による入院または全死因死亡の低下が認められた。 一方、症状消退までの期間中央値は、REGEN-COV群の2つの用量(1,200mg、2,400mg)ともプラセボ群よりも短縮され、4日早く消退した(2つの用量群とも10日vs.プラセボ群14日、いずれもp<0.001)。 また、ウイルス量は、2つの用量のREGEN-COV群とも、プラセボ群に比べ迅速に減少した。すなわち、ウイルス量のベースラインから7日までの最小二乗平均値のプラセボ群との差は、1,200mg群が-0.71 log10コピー/mL(95%信頼区間[CI]:-0.90~-0.53)、2,400mg群は-0.86 log10コピー/mL(-1.00~-0.72)であった。 重篤な有害事象の頻度は、プラセボ群が4.0%と、REGEN-COV 1,200mg群の1.1%、2,400mg群の1.3%に比べて高かった(Grade2以上の注入に伴う反応の発生率は3群とも0.3%未満)。死亡の原因となった有害事象の頻度は、プラセボ群が0.3%であり、1,200mg群の0.1%、2,400mg群の<0.1%に比し高率だった。REGEN-COV群の2つ用量の安全性プロファイルはほぼ同様で、安全性のイベントに目立った不均衡はなかった。 REGEN-COVの2,400mg投与は、2020年11月、軽症~中等症の高リスクCOVID-19外来患者の治療において、米国食品医薬品局の緊急使用許可(EUA)を取得しており、本試験で1,200mgでも2,400mgと同程度の入院/死亡リスクの低減とウイルス学的有効性が示されたことから、2021年6月、2,400mgに代わり1,200mgでEUAを受けた。また、REGEN-COVは、高リスクCOVID-19外来患者の治療法として、米国国立衛生研究所(NIH)の診療ガイドラインにも含まれている。 著者は、「軽症例などではさまざまな程度で回復までの期間が長引くとのエビデンスが増えているため、今回のREGEN-COVはCOVID-19からの回復を早めるとの知見は、患者にとって新たな利点になると考えられる」としている。

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CRP POCT、介護施設入居者の抗菌薬処方を削減/BMJ

 下気道感染症が疑われる介護施設入居者において、C反応性蛋白(CRP)の臨床現場即時検査(point-of-care testing:POCT)は通常ケアと比較して、完全回復率や全死因死亡率、入院率には差がないものの、抗菌薬の処方を安全に削減することが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのTjarda M. Boere氏らが実施した「UPCARE試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年9月21日号で報告された。オランダの11施設のクラスター無作為化対照比較試験 研究グループは、介護施設入居者に対するCRP POCTが、下気道感染症への抗菌薬処方を安全に削減できるかを検証する目的で、実践的なクラスター無作為化対照比較試験を行った(オランダ・保健研究開発機構[ZonMw]の助成による)。 本試験には、オランダの11の介護施設(平均入居者数400人)が参加し、CRP POCT(QuikRead go、フィンランド・Aidian製)を行う介入群に6施設、CRP POCTを行わずに通常ケアを実施する対照群に5施設が無作為に割り付けられた。これらの施設に所属する医師84人が、2018年9月~2020年3月の期間に、下気道感染症が疑われる参加者241例の診療に当たった。 初診時(=ベースライン)、1週後、3週後に、臨床的状態や新たな診断結果、管理法のデータが収集された。また、介入群では、診断検査の一環としてCRP POCTを行うかの決定は治療医の裁量に委ねられ、CRP POCTは必須ではなかった。 主要アウトカムは初診時の抗菌薬処方とされた。副次アウトカムは3週時の完全回復などであった。初診時抗菌薬の非処方率、介入群は対照群の4.93倍に 参加者241例(平均年齢84.4歳、女性64%)のうち、162例が介入群、79例は対照群に割り付けられた。全体で慢性閉塞性肺疾患が32%、うっ血性心不全が29%、認知症が29%にみられ、77%は中等度の病態であった。初診時に咳が73%、異常肺音が63%、呼吸困難が60%に認められた。介入群の87.4%でCRP POCTが行われ、ベースラインのCRP値中央値は32.5mg/L(IQR:13~82)だった。 初診時に抗菌薬が処方されたのは、介入群が84例(53.5%)、対照群は65例(82.3%)であった。治療医とベースラインの背景因子で補正した、初診時の介入群の対照群に対する抗菌薬非処方のオッズは、4.93(95%信頼区間[CI]:1.91~12.73、p=0.001)であった。 初診からフォローアップ期間(1週後、3週後)のすべての時点での初回抗菌薬処方開始の割合は、介入群が62.5%、対照群は86.1%であり、その差は23.6%であった。 初診時の抗菌薬の処方率は、CRP値が低い患者では低値(0~20mg/L:6.38%、20~40mg/L:35.00%)であったが、40~60mg/Lの患者(66.67%)で増加し始め、60mg/L以上ではほとんどの患者で処方されていた(60~80mg/L:100%、80~100mg/L:100%、100~200mg/L:96.00%)。 両群間の3週時の完全回復率(介入群86.4% vs.対照群90.8%、オッズ比:0.49、95%CI:0.21~1.12、p=0.09)の差は4.4%、初診からフォローアップ期間(1週後、3週後)のすべての時点での全死因死亡率(3.5% vs.1.3%、2.76、0.32~24.04、p=0.36)の差は2.2%、すべての時点での入院率(7.2% vs.6.5%、1.12、0.37~3.39、p=0.85)の差は0.7%であり、いずれも有意な差はなかった。 著者は、「これらの知見により、介護施設におけるCRP POCTの実施は抗菌薬使用の削減に寄与し、抗菌薬耐性の対策として有効となる可能性が示唆される」としている。

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mCRC、テモゾロミド後のイピリムマブ+ニボルマブ、PFSを延長(MAYA)/ESMO2021

 MGMT(O6-メチルグアニン-DNA メチルトランスフェラーゼ)発現陰性およびMGMTプロモーター領域のメチル化が確認されたMGMTサイレンシング、かつマイクロサテライト安定性(MSS)の転移大腸がん(mCRC)に対し、テモゾロミドによる過剰変異を利用することで、低用量イピリムマブ+ニボルマブ併用療法の持続的な効果を誘導できることが、「MAYA試験」で示され、イタリア・IRCCS財団国立がん研究所のFillippo Pietrantonio氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。 MAYA試験は、イタリアの12施設で実施された多施設共同非盲検第II相概念実証試験。標準治療(フッ化ピリミジン系薬剤、オキサリプラチン、イリノテカン、および抗EGFRモノクローナル抗体[RAS/BRAF野生型の場合])後に進行した、または標準治療の対象とならない18歳以上MGMTサイレンシングMSS mCRC患者を対象とした。・対象:18歳以上、標準治療後に進行、または標準治療の対象とならないMGMTサイレンシングMSS mCRC患者・試験群:テモゾロミド150mg/m2を1~5日目に4週ごと2サイクル投与後(第1治療期)、CTでCR、PRまたはSDが確認された患者に対して、テモゾロミドに加えてイピリムマブ(1mg/kg、8週ごと)およびニボルマブ(480mg、4週ごと)を併用投与(第2治療期)・評価項目:[主要評価項目]第2治療期を開始した患者における8ヵ月無増悪生存(PFS)率[副次評価項目]全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、有害事象(AE)、患者報告アウトカム 主な結果は以下のとおり。・2019年4月~2020年11月に、イタリアの12施設で703例がプレスクリーニングに同意し組織検体が解析された。204例が適格基準を満たし、135例が第1治療期を開始し、33例(24%)が第2治療期を開始した。・33例の患者背景は、年齢中央値58歳、男性52%、RAS変異型76%、RAS変異/BRAF野生型24%、前治療が3ライン以上48%、2ライン以上46%であった。また、原発巣が右側の患者が45%を占め、第1治療期を開始した135例の30%に比べて高値であった。・観察期間中央値16.0ヵ月(カットオフ日:2021年8月5日)において、PFS中央値は7.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:5.6~8.4)、33例中12例がPFS>8ヵ月を達成し、8ヵ月PFS率は36%であった。・OS中央値は18.4ヵ月(95%CI:14~NA)、ORRは42%(14/33例)であった。・全Gradeの主な化学療法関連AEは嘔吐(48%)、血小板減少症(36%)、貧血(24%)、主な免疫関連AEは甲状腺機能障害(27%)、そう痒症(24%)、発疹(18%)、大腸炎(12%)などであった。・Grade3/4の有害事象の発現頻度は低かった。 Pietrantonio氏は、「MGMTサイレンシングMSS mCRCに対し、テモゾロミドによるプライミング後の低用量イピリムマブ+ニボルマブ併用療法は、管理可能な安全性プロファイルと有望な臨床効果を示すことが認められた。この治療戦略の適格患者はmCRCの5%のみではあるものの、無作為化臨床試験で検討する価値がある」とまとめた。

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