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がん治療のバイオシミラーのエビデンス、先発品より質が高い?/JAMA Oncol

 がん治療における3剤の先発バイオ医薬品のバイオシミラーに関する31試験をメタ解析したところ、バイオシミラーの試験のほうが先発品の主要試験に比べ、平均症例数が多く、無作為化、二重盲検化された試験が多かった。また、すべてのがん種で先発品と有効性が同等であることが示された。米国・Brigham and Women's HospitalのDoni Bloomfield氏らが、JAMA Oncology誌オンライン版2022年2月3日号で報告した。 本研究では、がん治療における先発バイオ医薬品とそのバイオシミラーにおける有効性もしくは代替指標を比較した英語論文と要旨を、Embase、PubMed/MEDLINE、ClinicalTrials.govで、2021年4月18日まで系統的に検索した。母集団の大きさ、盲検化、無作為化などの試験特性について、バイオシミラーでの試験と先発品の主要試験を比較した。さらに、バイオシミラーとその先発品について、無増悪生存期間などの代替指標に対する相対的変化のリスク比を推定した。 主な結果は以下のとおり。・3剤の先発品のバイオシミラーに関する31試験(計1万2,310例)が本研究の対象となった。・7つのサブグループすべてにおいて、有効性の代替指標に関してバイオシミラーは先発品と差がなかった。・バイオシミラーの試験は先発品の試験(6試験、1,811例)と比べて、平均症例数が多く(397例vs.302例)、単試験/観察研究より無作為化試験が多く(100%[31/31]vs.50%[3/6])、非盲検試験より二重盲検試験が多かった(84%[26/31]vs.17%[1/6])。

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認知症患者に対するベンゾジアゼピン、Z薬の使用

 世界中のガイドラインにおいて、認知症のBPSDや不眠の治療に対し、ベンゾジアゼピンやZ薬などのベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BZRA)の使用が制限下で推奨されている。オランダ・Center for Specialized Geriatric CareのDirk O. C. Rijksen氏らは、認知症ナーシングホームの入居者に対するBZRAの使用率と適切性についての評価を行った。Journal of Alzheimer's Disease Reports誌2021年12月9日号の報告。 2016~18年に実施した向精神薬使用に関する2つの介入研究より、BZRA使用に関して事後分析を実施した。対象は、24のオランダ介護組織の認知症特別ケアユニットに入居している患者1,111例。継続的および頓服のBZRAの使用率と患者の症状との関連を評価した。継続的なBZRA使用の適切性(適応症、投与量、投与期間、認知症や睡眠障害の治療ガイドラインに準じた評価)について評価した。 主な結果は以下のとおり。・BZRAの使用率は39.2%(95%信頼区間[CI]:36.3~42.0)、そのうち継続的な使用は22.9%、頓服使用は16.3%であった。・継続的なBZRA使用患者における適応症は、抗不安薬としての使用19.0%、睡眠薬としての使用44.8%であった。・不適切な適応に対するBZRAの使用は、攻撃性/興奮に対する抗不安薬の使用(継続的:75.7%、頓服:40.3%)、夜間の興奮に対する睡眠薬の使用(継続的:40.3%、頓服:26.7%)であった。・適切な適応症に対する継続的なBZRA使用は、他のすべての項目については適切に使用されていなかった。・ほとんどの使用において、評価期間および使用期間は4週間超であった。 著者らは「BZRAは、認知症ナーシングホームの入居者に対して頻繁に使用されていた。使用されていた患者の大部分は、ガイドラインに従っておらず、推奨期間を超えて使用されており、タイムリーな評価が行われていなかった。エビデンスに基づくガイドラインと日常診療との不一致を考慮すると、不適切なBZRA使用の要因を明らかにするための調査が求められる」としている。

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IPF合併肺がんに対するニンテダニブ+化学療法(J-SONIC)/日本臨床腫瘍学会

 特発性肺線維症(IPF)は高率に肺がんを合併する。IPF合併肺がんの大きな問題はIPFの急性増悪であり、ときに急速な呼吸不全から致死的となる。しかし、IPF合併例は進行非小細胞肺がん(NSCLC)の臨床試験のほとんどで除外されている。ニンテダニブ+化学療法はIPF合併肺がんに対する治療オプションとなる 北九州市立医療センターの大坪孝平氏らは、IPF合併進行NSCLCに対し、ニンテダニブ+化学療法と化学療法単独を比較したJ-SONIC試験を、わが国の複数の臨床試験グループ間で行った。J-SONIC試験はIPF合併肺がんでは、世界初となる第III相無作為化比較試験である。・対象:化学療法未施行のIPF合併進行NSCLC(IPF GAP stage I~II:%FVC50%以上、%DLco36〜79%)・試験薬群:化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)3週ごと4サイクル+ニンテダニブ・対照群:化学療法(同上)単独群 3週ごと4サイクル・評価項目:[主要評価盲目]IPF 無増悪生存期間(EPF)[副次評価項目]全奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存率(OS)、安全性など IPF合併肺がんに対してニンテダニブ+化学療法と化学療法単独を比較したJ-SONIC試験の主な結果は以下のとおり。・2017年5月~2019年2月に、全国72施設から243例が登録され、ニンテダニブ併用群(121例)と化学療法単独群(122例)に無作為に割り付けられた。・主要評価項目のIPF EPF中央値は、化学療法+ニンテダニブ群で14.6ヵ月、化学療法群で11.8ヵ月、ハザード比(HR)は0.89(90%信頼区間[CI]:0.67~1.17)であった(p=0.24)。・ORRはニンテダニブ+化学療法群69%、化学療法群56%であった(p=0.04)・PFS中央値は、化学療法+ニンテダニブ群6.2ヵ月、化学療法群5.5ヵ月、HRは0.68(95%CI:0.50~0.92)、とニンテダニブ併用による改善を認めた。・OSは非扁平上皮がんにおいて改善を示し、ニンテダニブ+化学療法群では16.1ヵ月、化学療法群では13.1ヵ月、HRは0.61(95%CI:0.40~0.93)であった。・ニンテダニブ併用により発熱性好中球減少症や下痢、蛋白尿が多く認められたが、QOLは両群で差はなかった。 J-SONIC試験では主要評価項目は達成されなかったものの、ニンテダニブと化学療法の併用はIPF合併進行NSCLC(とくに非扁平上皮がん)に対する治療オプションとなるものと考えられる、と大坪氏は述べた。

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コロナ感染での獲得免疫、ワクチン接種で1年以上持続/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのSARS-CoV-2感染予防効果について、英国・Health Security AgencyのVictoria Hall氏らが、医療従事者約3万6,000例を対象に行った前向きコホート試験の結果、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の2回接種の有効率はChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)と比べて高率だが短期間であり、6ヵ月を過ぎると大きく低下することが示された。また、感染者の獲得免疫は、感染後1年で減衰するものの、ワクチン接種によって1年以上高率のままであることも示された。NEJM誌オンライン版2022年2月16日号掲載の報告。ワクチンと既感染による感染予防効果を検証 SARS-CoV-2への感染とワクチン接種による免疫獲得と感染予防の期間と有効性を明らかにするため、研究グループは、英国内でルーチンのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査を受けていた医療従事者3万5,768例を対象に前向きコホート試験を行った。 ワクチン初回接種から10ヵ月以内のワクチン有効性と、既感染による獲得免疫について、感染確定者のワクチン接種の有無別、また既感染で階層化することで評価した。 既感染の有無、ワクチンの種類と接種間隔、人口統計学的特性、および職場におけるSARS-CoV-2曝露で補正を行ったCox回帰モデルを用いて評価した。BNT162b2ワクチン、接種後約中央値201日後の有効性は51% 被験者3万5,768例のうち、SARS-CoV-2既感染者は27%(9,488例)だった。被験者のワクチン2回接種率は97%と高く、うちBNT162b2ワクチン2回接種を6週間以上の長期間隔で接種した人は78%、同6週間未満の短い間隔で接種した人は9%、ChAdOx1 nCoV-19ワクチンを接種した人は8%だった。 2020年12月~2021年9月に、SARS-CoV-2初回感染は2,747件、SARS-CoV-2再感染210件が報告された。 非感染・BNT162b2ワクチンの長期間隔接種者の補正後ワクチン有効率は、2回目接種後14~73日は85%(95%信頼区間[CI]:72~92)であったが、2回目接種から中央値201日後(四分位範囲:197~205)は51%(95%CI:22~69)だった。同有効性は、接種間隔が長期の場合と短期の場合では有意な差はなかった。 ChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種者では、2回接種後14~73日の補正後ワクチン有効率は58%(95%CI:23~77)と、BNT162b2ワクチン接種群に比べかなり低率だった。 既感染による獲得免疫は、ワクチン未接種者では1年後に低下したが、18ヵ月以上前の感染者でもワクチン接種を行うことで、有効性は90%以上を維持し続けていた。

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急性期脳梗塞へのアルテプラーゼ、発症前NOAC服用でもリスク増大なし/JAMA

 アルテプラーゼ静注治療を受けた急性虚血性脳卒中患者において、発症前7日以内の非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)服用者の頭蓋内出血リスクは、抗凝固薬非服用者と比べて大きく増大しないことが示された。米国・デューク大学のWayneho Kam氏らが、16万例超の患者を対象に行った後ろ向きコホート試験の結果を報告した。現行のガイドラインでは、急性虚血性脳卒中発症前にNOACを服用していた場合、原則的にはアルテプラーゼ静注を使用しないよう勧告されている。JAMA誌オンライン版2022年2月10日号掲載の報告。米国内1,752ヵ所の医療機関、約16万3,000例を対象に試験 研究グループは2015年4月~2020年3月に、脳卒中診療の質改善プログラム「Get With The Guidelines-Stroke」(GWTG-Stroke)に登録する米国内1,752ヵ所の医療機関で、急性虚血性脳卒中発症後4.5時間以内にアルテプラーゼ静注治療を受けた16万3,038例を対象に、後ろ向きコホート試験を行った。 被験者は、脳卒中発症前のNOAC服用者、抗凝固薬の非服用者であった。補完的に、抗凝固薬服用中に急性虚血性脳卒中や頭蓋内出血を発症した患者レジストリ「Addressing Real-world Anticoagulant Management Issues in Stroke」(ARAMIS)のデータも活用。脳卒中発症前NOAC服用患者への、アルテプラーゼ静注治療の安全性と機能性アウトカムについて、抗凝固薬の非服用者と比較した。 主要アウトカムは、アルテプラーゼ静注後36時間以内の症候性頭蓋内出血の発生だった。副次アウトカムは、院内死亡を含む安全性に関する4項目と、自宅への退院率を含む退院時に評価した機能性アウトカム7項目だった。症候性頭蓋内出血の発生率、NOAC服用群3.7%、抗凝固薬非服用群3.2% 被験者16万3,038例の年齢中央値は70歳(IQR:59~81)、女性は49.1%だった。このうち、脳卒中発症前のNOAC服用者(NOAC服用群)は2,207例(1.4%)、抗凝固薬の非服用者(非服用群)は16万831例(98.6%)だった。 NOAC服用群の年齢中央値は75歳(IQR:64~82)で、非服用群(同70歳、58~81)よりも高齢で、心血管系の併存疾患の罹患率が高く、脳卒中の程度もより重症だった(NIH脳卒中スケールの中央値、NOAC服用群:10[IQR:5~17]vs.非服用群:7[4~14])。 症候性頭蓋内出血の補正前発生率は、NOAC服用群3.7%(95%信頼区間[CI]:2.9~4.5)、非服用群3.2%(3.1~3.3)だった。ベースラインの臨床要因で補正後の症候性頭蓋内出血の発生リスクは、両群で同等だった(補正後オッズ比[OR]:0.88[95%CI:0.70~1.10]、補正後群間リスク差[RD]:-0.51%[95%CI:-1.36~0.34)。 副次アウトカムの安全性に関する項目は、院内死亡率(NOAC服用群6.3% vs.非服用群4.9%、補正後OR:0.84[95%CI:0.69~1.01]、補正後RD:-1.20%[-2.39~-0])を含めいずれも有意差はなかった。 機能性アウトカムについては、自宅への補正後退院率(NOAC服用群53.6% vs.非服用群45.9%、補正後OR:1.17[95%CI:1.06~1.29]、補正後RD:3.84%[1.46~6.22])など、7項目中4項目でNOAC服用群がより良好だった。

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マルモと認知症(解説:岡村毅氏)

 医学界は常に移ろいでいる。社会は高齢化し、重視するものが根治から生活の質へと変わり、プライマリケアの存在感がじわじわと向上している。そのなかで近年注目されてきたのがマルチモビディティ(多疾患併存)である。通常は2つ以上の慢性疾患を持つことを指す。ちなみに「マルモ」などと呼ばれることもあるとかないとか。 マルチモビディティを持つ「高齢者」が認知症になりやすいという報告はある。では、若いころのマルチモビディティも認知症のリスク因子であるのでは、と考えるのは自然だ。 そうすると長い歴史のあるコホートを戦略的に持っている英国が断然有利だ。あらゆる仮説を、時代をさかのぼってある程度検証できるのだから。ジェームズ・ボンドの国だけあって情報戦に強い、ということか。 ここでマルチモビディティに使われている慢性疾患は、心筋梗塞、脳梗塞、心不全、糖尿病、高血圧、がん、腎不全、閉塞性肺疾患、肝疾患、うつ、精神疾患(うつ以外)、パーキンソン病、膠原病であり、ICD10のコードに準拠している。 さて、その結果は、若いころからマルチモビディティがあると、加齢に伴い、認知症を発症するリスクはどんどんと増えていく、というものであった(50代前半でマルチモビディティがあった人は、50代後半で初めてあった人よりリスクは高い。50代後半は60代前半よりリスクが高い…つまり若くして持っているほど危険)。 若いころからマルチモビディティがある人はヘルスリテラシーが低い可能性が高いが、学歴や健康行動で調整したモデルでも結果は同じであった。 プライマリケアの重要性を示す論文と言えよう。 以下、2点ほどコメントしよう。 第1点はポリファーマシーとの関連である。マルチモビディティを持つ人は増えているし、時代の変化を見誤って愚直に薬を出すと、ポリファーマシー(多剤併用)になる。ポリファーマシーはかかりつけ医の利益にはまったくならないのであるから、ポリファーマシーの原因は(1)あまりにも多くの疾患がありすぎる場合、(2)真面目に(愚かに?)処方し過ぎている場合、(3)患者さんが求めている場合、のどれかだろう。 ちなみに精神科病床に入院するBPSD(たとえば不穏)の著しい認知症患者さんでは、整形外科や内科など各所から鎮痛薬が大量に出ていることが多い。痛みを激しく訴える患者さんが外来に来たら鎮痛薬を出してしまうのはよくわかるし、批判するつもりはない。ただ「痛み」とは精神的なものであり、認知症のために頭がうまく回らない、体がうまく動かないといったことは変換されて「痛み」になる。 入院したら、多くの場合はほぼすべて切ってしまう。同時に内科薬も、重要な疾患のみに対してそれぞれ1剤にえいやっと整理する。するとあら不思議、患者さんの不穏は結構改善する。薬でぼんやりしていたのも一因だったのだ。私にできるのだから優秀な内科医にできないわけがない。これは入院しないと難しいのも事実で、認知症の人を入院させることは悪行のように言われるが、こういう場合もあるという例として出した。 ポリファーマシーがマスコミでこれほど有名になったのだから、次はマルモかなと、個人的には思っている。 第2点として、認知症の専門家として少し批判的にコメントしてみよう。「慢性疾患のうちどの組み合わせが高リスクなのか」というタッグマッチのような分析では、パーキンソン病が抜きんでて強い(心筋梗塞、糖尿病、高血圧、がん、うつ、精神疾患とのタッグが高リスク)。これには少し鼻白んでしまった。そもそもパーキンソン病は認知症に移行する(Parkinson's disease dementia:PDD)が、診断基準が確立したのが近年であり、古い記録では信頼性が低いのではないか。また、進行したパーキンソン病ではうつが合併するし、幻視なども出現するので精神疾患の診断もつきやすいだろう。また、パーキンソン病とされた人の中には血管性パーキンソン症候群もおそらく隠れているだろうから、心筋梗塞、糖尿病、高血圧との組み合わせは血管性認知症の高リスクの人を拾っているのではないか。一方で脳梗塞との組み合わせが関連なしになっているのも理由は明確で、G21(血管性パーキンソン)が今回の解析から外れているからだ。 要するにパーキンソン病が微小脳梗塞によるものである場合、この解析では丁度見えない位置にあることが、パーキンソン+脳梗塞が高リスクになっておらず、パーキンソン+生活習慣病(糖尿病、高血圧、心筋梗塞)が高リスクになっている原因だろう。 と、探偵みたいなコメントをしてしまったが、まあ当然著者たちも承知だろう。私も研究者なのでわかるが、昔のデータは不十分で解析が難しいこともある。有名ジャーナルであろうと、疑って読めという例として書きました。

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第97回 2022年診療報酬改定の内容決まる(後編)かかりつけ医、報酬は従来路線踏襲も制度化に向けた議論本格化へ

かかりつけ医関連の診療報酬に若干のテコ入れこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。NFLのスーパーボウル(ロサンゼルス・ラムズが第4クオーター残り6分から逆転のタッチダウンを決め、シンシナティ・ベンガルズを23対20で破って優勝)も北京オリンピック(女子スピードスケートだけ観戦していました)も終わっていよいよ球春到来、MLBと日本のプロ野球の開幕を待つばかりとなりました。が、心配なこともあります。米国のMLBの労使交渉が泥沼化し、まだ終わっていないのです。選手の年俸総額や最低保証額で溝が埋まっていないようです。労使間の新協定が締結できないため、広島からポスティング制度でメジャー移籍を目指す鈴木 誠也選手も、シアトル・マリナーズをフリーエージェントとなった菊池 雄星投手も入団交渉が進まず、所属チームが決まっていません。キャンプインも延期状態で、3月末の開幕に黄信号が灯っています。ロサンゼルス・エンジェルスの大谷 翔平選手の調整が今年もうまく進んでいるといいのですが…。さて、前回に引き続き、2月9日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で答申が行われた2022年度診療報酬改定の内容のうち、このコラムでも触れてきた政策的な意味合いが大きい項目について、その内容を見てみたいと思います。今回は、若干のテコ入れが行われた「かかりつけ医関連の診療報酬」と、財務省が強く求めたものの実現が見送られた「かかりつけ医制度化」について考えてみます。財務省が提案する「かかりつけ医の制度化」このコラムでは、「第85回 診療報酬改定シリーズ本格化、「躊躇なくマイナス改定すべき」と財務省、「躊躇なくプラス改定だ」と日医・中川会長」で、財務省が強く導入を求めてきた「かかりつけ医の制度化」について書きました。今回の診療報酬の改定議論が本格化する直前の2021年11月8日、財務省主計局は、財政制度等審議会・財政制度分科会において2014年度診療報酬改定での地域包括診療料、地域包括診療加算の創設以降、かかりつけ医については診療報酬上の評価が先行して実体が伴っておらず、「算定要件が相次いで緩和され、かかりつけ医機能の強化という政策目的と診療報酬上の評価がますますかけ離れることになった」と現行制度の問題点を指摘しました。加えてコロナ禍の中、「我が国医療保険制度の金看板とされてきたフリーアクセスは、肝心な時に十分に機能しなかった可能性が高い」と“有事”での診療所の診療機能を強く批判しました。その上で、「受診回数や医療行為の数で評価されがちであった『量重視』のフリーアクセスを、『必要な時に必要な医療にアクセスできる』という『質重視』のものに切り替えていく必要がある」として、「かかりつけ医機能の要件を法制上明確化したうえで、これらの機能を担う医療機関を『かかりつけ医』として認定するなどの制度を設けること、こうした『かかりつけ医』に対して利用希望の者による事前登録・医療情報登録を促す仕組みを導入していくことを段階を踏んで検討していくべきである」と提言しました。第85回で私も、「もし、首相がかかりつけ医の制度化含め、医療提供体制の改革を真剣に行おうとするならば、ある程度プラスの改定率にして中川会長の面目を保ちつつ、かかりつけ医の制度化を一部飲ませる、というシナリオが一つの落とし所として考えられます」と書いたのですが、今回はかかりつけ医の制度化の議論は行われず、その予想は外れました。もっとも、財務省(と岸田政権)はもう一つの懸案事項でもあったリフィル処方導入を日本医師会にしっかり飲ませることができました。長年日本医師会が反対してきた政策がすんなり実現したという事実は、政府・財務省・厚労省・日医の関係性が微妙に変化していることを感じさせます。リフィル処方導入はひょっとしたら「かかりつけ医の制度化」という大きな改革に向けての楔となるかもしれません。機能強化加算の算定要件にかかりつけ医機能を明記というわけで、今回の診療改定では、かかりつけ医関連の診療報酬は、財務省が批判していた地域包括診療料、地域包括診療加算や機能強化加算など、従来路線の見直しに留まりました。ただ、「かかりつけ医関連の報酬が機能を評価したものであることが患者等に認識されていない」といった批判もあり、いくつかの要件や基準は厳格化されることになりました。まず、機能強化加算ですが、地域におけるかかりつけ医機能をより明確化するため、算定要件と施設基準が見直されます。算定要件では、かかりつけ医機能に関する対応として以下の5項目が明記されました。1)患者が受診する他の医療機関および処方薬を把握し、必要な管理を行い診療録に記載する2)専門医または専門医療機関への紹介を行う3)健康診断の結果等の健康管理に係る相談に応じる4)保健・福祉サービスに係る相談に応じる5)診療時間外を含む緊急時の対応方法等に係る情報提供を行うそして、施設基準では上記の対応について院内や医院のウェブサイト等に掲示することが要件に加わります。また、現行では地域包括診療料・地域包括診療加算や在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院に限る)等の届け出があれば算定できましたが、今改定では訪問診療や往診を行った患者数等の実績要件が盛り込まれます。在宅医療のニーズが今後さらに増えることを想定し、外来中心の医療機関であっても訪問診療等に関わってもらおう、という狙いからです。そもそも、かかりつけ医機能を評価する報酬と言いながら、地域包括診療料、地域包括診療加算等の届け出を行っていれば、自動的に初診患者に加算できること自体に無理がありました。今改定での機能強化加算への5項目の算定要件新設や、訪問診療や往診等の実績要件の導入は、かかりつけ医というものの機能が患者にもある程度見えるようになるという意味で、理に適ったことだと言えるでしょう。なお、地域包括診療料・地域包括診療加算については、慢性疾患を抱える患者に対するかかりつけ医機能の評価を推進する観点から、対象疾患に慢性心不全、慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていない者に限る)が追加されます。外来機能報告制度にあわせ定額負担を徴収する病院の対象を拡大今改定では、外来の診療報酬として、2022年4月からスタートする「外来機能報告制度」にあわせた地域における外来機能の分化と連携を促す見直しも行われました。具体的には、紹介状なしで受診した患者から定額負担を徴収する責務のある医療機関の対象範囲を、従来の「特定機能病院」と「一般病床200床以上の地域医療支援病院」に加えて、「外来機能報告制度における紹介受診重点医療機関のうち一般病床200床以上の病院」にも広げるとともに、該当医療機関の入院機能を評価する紹介受診重点医療機関入院診療加算(800点、入院初日)が新設されます。なお、紹介状なしで受診した患者から追加徴収する定額負担は初診7,000円、再診3,000円とし、現行から初診2,000円、再診500円引き上げられます。外来医療の実施状況を都道府県へ報告する外来機能報告制度外来機能報告制度とは、外来医療の実施状況を都道府県へ報告するよう病院などに義務づける制度です。従来からある病床機能報告制度の外来版という位置づけで、2021年5月の医療法改正で創設され、この4月からスタートします。同制度では、各病院に「医療資源を重点的に活用する外来」をどの程度実施しているかの報告を求めます。集めるデータは抗がん剤を使う外来の化学療法、日帰り手術、CTやMRI撮影の実施件数など。紹介・逆紹介率、外来における人材の配置状況、高額な医療機器・設備の保有状況などに関する報告も含まれます。これらのデータを基に、都道府県は「地域における協議の場」を通じて、各地域で高度な外来を担う基幹病院を明確化します。初診と再診の「医療資源を重点的に活用する外来」が占める割合が初診40%以上、再診25%以上という基準を満たす場合、その病院の意向を踏まえた上で「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関:紹介受診重点医療機関」と見なされることになります。今改定では、この紹介受診重点医療機関のうち一般病床200床以上の病院も、定額負担を徴収する責務のある医療機関に加わったわけです。「首相≒財務省」vs.「厚労省≒日本医師会」の対立構造深まるか、追い込まれる日医はどうする外来機能報告制度は、外来医療においても入院同様に機能分化を進め、「かかりつけ医をまず受診し、そこから高機能の病院外来を紹介してもらう」という患者の流れを作るために創設されました。2022年度から外来機能報告制度がスタートすることで病院の外来機能の分化はある程度進みそうですが、その前の段階の「かかりつけ医」の制度化は今回の改定では手つかずで、議論もペンディングとなってしまいました。もっとも、財務省も手をこまぬいているわけではないようです。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会は2月16日、2021年12月にまとめた提言の22年度予算案への反映状況を確認、議論を交わしました。この中で、「かかりつけ医」の制度化について、引き続き推進を求める意見が出たとのことです。財政審は2021年11月の財政制度等審議会・財政制度分科会での提言に続き、12月3日にまとめた「令和4年度予算の編成等に関する建議」の中でも「かかりつけ医」の制度化を挙げていました。今改定では制度化は見送られたものの、政府の経済財政諮問会議が12月23日に取りまとめた新経済・財政再生計画(財政健全化計画)の「改革工程表2021」には、「かかりつけ医機能」を明確化し、それを有効に発揮するための具体策を2022〜2023年度に検討する、という方針が示されています。機能強化加算の算定要件として明示された5項目をベースとして、「かかりつけ医」の制度化に向けての議論がいよいよ本格化することになりそうです。「第80回 「首相≒財務省」vs.「厚労省≒日本医師会」の対立構造下で進む岸田政権の医療政策」でも書いた対立構造は、今後一層溝が深まっていくかもしれません。日医がそうした事態を避けるためには、自民党の安倍 晋三元首相や麻生 太郎自民党副総裁ら有力議員から自民党の政策に非協力的と見られている中川 俊男会長が次期会長選には出ず退陣、自民党とのパイプ作りに長けた人材を投入する、という手も考えられますが、さてどうなることか。参院選前、6月末に行われる予定の日医会長選の動きも気になります。

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オンライン?現地?学会参加状況と今年の開催希望/会員医師アンケート

 新型コロナウイルス感染流行の影響で、この2年あまり、学術集会はオンライン・ハイブリッド形式での開催が主流になっている。オンライン化によって医師の学術集会への参加状況は変わったのか。2020年の調査(急増するオンライン学会、参加経験と満足度は?/医師1,000人に聞きました)に引き続き、会員医師1,000人に昨年の参加状況や今年以降に希望する開催形態を聞いた。 「2021年に参加した学術集会の総数」を聞いた質問では、「2」との回答者が最多(22%)だったが、「0」との回答者が13%いる一方で「10以上」との回答者4%いるなどバラツキが見られた。 年代別に見ると、30代は平均2.8回(うちオンライン参加2.4回)、40代は3.3回(同2.7回)、50代は2.8回(同2.6回)と大きな差はなく、かつオンラインで参加した割合が高かったが、60代以上は4.1回(3.0回)と参加数が多く、ほかの世代に比べて現地参加した人の割合が高かった。 「オンライン開催になったことで初参加した学術集会はありますか?」(カッコ内は回答者の標榜科)との質問では、「日本内科学会」(循環器内科、腎臓内科等)、「日本内科学会地方会」(内科)、日本感染症学会(内科、産婦人科等)、「日本禁煙学会」(外科)等の多様な回答が集まった。専門領域の中心となる学会ではないが、サブ領域や従来から関心のあった分野の学会がオンライン化で参加しやすくなったので参加してみた、という流れのようだ。 「現地/オンライン/ハイブリッドのうち、今後数年間における学術集会の開催形式として、希望する形式はどれですか?」という質問には、「ハイブリッド」が60%で圧倒的な支持を集め、「オンライン」は27%、「現地」は13%だった。 各開催形態のメリット・デメリットを聞いた質問においても、ハイブリッド形式は「時間効率がよく、ギリギリまで仕事ができる」「コロナの流行状況によって判断できる」とメリットを挙げる声が多数だった。ハイブリッド形式のデメリットとしては「特にない」という声のほか、「開催費用がかさんで参加料が高くなりそう」「開催者の手間が多くなる」といった、参加者よりも開催者側からの問題点を挙げる声が目立った。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中『オンライン?現地?学会参加状況と今年の開催希望/会員医師アンケート』<アンケート概要>・タイトル:オンライン学会の参加状況について・内容:2021年の学会参加状況と、2022年に向けて希望する開催形式について。・対象:ケアネット会員医師1,000人(勤務先の病床数20床以上)・実施期間:2021年12月20日(月)・調査方法:インターネット

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双極性障害の睡眠に対する心理的および行動的介入

 睡眠や概日リズムの乱れは、双極性障害患者にみられる顕著な症状であり、潜在的な補助的介入の標的となりうる。英国・オックスフォード大学のLampros Bisdounis氏らは、双極性障害患者の睡眠や概日リズムに対する心理学的および行動学的介入の有効性を評価するため、ランダム化比較試験のレビューを行った。Neuroscience and Biobehavioral Reviews誌2022年1月号の報告。 包括基準を満たした19研究を、必要に応じてナラティブ統合およびメタ解析によりサマライズした。 主な結果は以下のとおり。・研究の内訳は、光線療法6件、対人的および社会的リズム療法5件、ブルーライトカット眼鏡2件、不眠症に対する認知行動療法1件、断眠療法1件、併用療法4件であった。・研究の半数以上(10件、52%)において、介入の主要なターゲットであるにもかかわらず、睡眠や概日リズムの測定が行われていなかった。・全体的には、これらの介入の有効性に関するエビデンスは、限られていた。・介入ごとに少数の研究があり、プロトコルやアウトカムに一貫性が認められなかった。・うつ症状に対する光線療法の有効性に関してはメタ解析可能であり、中程度~高度な治療後の有効性が認められた(Nc=6、g=-0.74、95%信頼区間[CI]:-1.05~-0.42、p<0.001)。

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アテゾリズマブによるNSCLCアジュバント アジア人の成績(IMpower010)/日本臨床腫瘍学会

 完全切除非小細胞肺がん(NSCLC)における化学療法アジュバント後のアテゾリズマブを評価した無作為化第III相非盲検試験IMpower010のアジア人解析を、静岡県立静岡がんセンターの釼持広知氏が第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表。全体集団と同じく、アジア人集団でもアテゾリズマブの良好な成績が示された。・対象:Stage IB~IIIAで術後化学療法(プラチナ+ペメトレキセド/ドセタキセル/ゲムシタビン/ビノレルビン)、21日ごと最大4回サイクル)受けた完全切除NSCLC患者(ECOG PS 0~1)・試験群:アテゾリズマブ1,200mg/日 3週ごと16サイクル(Atezo群)・対照群:ベストサポーティブケア(BSC群)・評価項目[主要評価項目]治験責任医評価の無病生存期間(DFS)と全生存期間(OS)[副次評価項目]Stage II~IIIAのPD-L1(TC)≥1%のDFS、Stage II~IIIA全患者の DFS、ITT集団(Stage IB-IIIA)のDFS、ITT集団のOS(階層的に検証)、安全性 主な結果は以下のとおり。・アジア人集団(日本、中国、台湾、韓国、香港)は223例で全体の23.2%を占めた。・アジア人集団のPFS中央値はAtezo群42.3ヵ月、BSC群で31.4ヵ月、ハザード比(HR)は0.63(95%CI:0.37〜1.09)であった。また、この成績は全体集団の結果と同様であった。・OS中央値は未到達であった。・アジア人集団におけるAetzo群の安全性プロファイルは、全集団と同様に既知のものであったが、肝炎、皮疹はアジア人集団で多い傾向にあった。

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調剤料がなくなった!組み替えられる薬剤師の仕事【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第84回

2022年2月9日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会が開催され、2022年度調剤報酬改定の個別項目と点数を厚生労働大臣に答申し、改定内容がほぼ決定しました。前回の改定と同様に、かなりスムーズな展開でした。とはいえ、今回は静かながらにかなり大きな変更が見られます。前回は対人業務や調剤後のフォローなど、「こっちの方向に行きますよ!」という方向性を打ち出したという印象でしたが、今回はそれらの内容を具体的に詰めたという印象があります。現状の薬局・薬剤師の業務を精査したうえで、どこを評価するのか、どこは評価しないのかということがはっきりと区別されました。調剤料と薬剤服用歴管理指導料を3つの点数に組み替え今回の改定の目玉は何といっても調剤料です。結論から言うと、これまでの調剤料はなくなります。メスが入るだろうなとは思っていましたが、調剤料自体がなくなるとは思っていなかったので驚きました。しかし、「調剤」という大きな枠組みを分解して、それぞれを評価し直すことが、今後の薬局・薬剤師業務には必要なのだとヒシヒシと感じています。具体的には、従来の調剤料と薬剤服用歴管理指導料が、主に対物業務に関する「薬剤調製料」(一律24点)、主に対人業務や薬歴管理に関する「調剤管理料」(日数に応じて4~60点/剤の4段階)、服薬後のフォローである「服薬管理指導料」(45~59点の4区分)に分かれます。14日処方の場合、改定前だと調剤料は55点ですが、改定後では薬剤調製料24点+調剤管理料28点で52点となり、3点の減算になります。28日処方の場合は、改定前だと調剤料は77点ですが、改定後だと薬剤調製料24点+調剤管理料50点で74点となり、こちらも3点の減算になります。従来の薬剤服用歴管理指導料の服薬指導に当たる服薬管理指導料をきちんと算定することが重要になってくるでしょう。その服薬管理指導料の算定要件は、薬剤服用歴管理指導料とほぼ変わりませんが、「処方された薬剤について薬剤師が必要と認める場合は、患者の薬剤の使用の状況などを継続的かつ的確に把握するとともに、必要な指導などを実施すること」というフォローアップに関する要件が加わっています。調剤後薬剤管理指導加算についても30点から60点に引き上げられましたので、これが薬剤師に期待されている役割なのでしょう。今後のことも見据えて、フォローアップは薬局内の仕組みとしてどんどんやっていきたいですね。地域支援体制加算は調剤基本料に応じて4区分に4年前に新設され、前回の改定で点数が上がった「地域支援体制加算」は従来の一律38点から4つの区分に分かれ、調剤基本料を算定している薬局が対象の地域支援体制加算1(39点)と2(47点)、それ以外の基本料を算定している薬局が対象の3(17点)と4(39点)となります。施設基準の要件については、在宅患者対応の実績件数が12件から24件に増えるなどの変化はありますが、地域支援体制加算4は施設基準の要件9つのうち8つを満たさなければ算定できないというなかなか厳しい要件ですので、圧倒的に調剤基本料1の場合に算定できる地域支援体制加算1と2が優遇されています。門前薬局を多く抱える大規模薬局チェーンでは、調剤基本料3に要件が追加されて引き下げになり、この地域支援体制加算でも引き下げになるというダブルパンチを食らう可能性があり、かなり苦しくなるのではないかと思います。今回は、全体的な印象やインパクトの大きかった改定点をピックアップしました。診療報酬全体で見ると、オンライン診療による初診の恒久化やリフィル処方などいろいろな動きがありますので、折を見て薬局への影響を紹介していきたいと思います。

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英語で「ズキズキする痛み」は?【1分★医療英語】第16回

第16回 英語で「ズキズキする痛み」は?Could you describe your pain?(どのような痛みか教えてもらえますか?)I have a cramping pain in my lower belly.(下腹部にズキズキするような痛みがあります)《例文1》My left leg is cramping right now.(今ちょうど、左足がつっています)《例文2》Do you have menstrual cramps?(月経痛はありますか?)《解説》筋肉が激しく収縮することによって生じるズキズキとした痛みを“cramp”といいます。“menstrual cramp”は月経痛、“muscle cramp”は筋痙攣(筋肉がつること)を意味します。“cramp”は名詞としても動詞としても使える単語で、“cramping pain”は筋肉がつるような痛み、ズキズキするような痛みを意味します。また、“throbbing pain”という表現もあり、これも同様に「ズキズキする痛み」を意味します。その他の痛みを描写する表現としては“sharp”(鋭い)、“dull”(鈍い)、“shooting”(電撃が走るような)、“pounding”(拍動するような)、“burning”(焼けるような)、“pressure-like”(圧迫されるような)といった表現があり、覚えておくと問診に役立ちます。なお、腹部は医学用語では“abdomen”ですが、一般用語としては“belly”や“stomach”を使います。「おなかに痛みはありますか?」は、“Do you have any pain in your belly?”と言うと患者に理解されやすいでしょう。講師紹介

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特発性冠動脈解離(SCAD)による急性心筋梗塞【知って得する!?医療略語】第6回

第6回 特発性冠動脈解離(SCAD)による急性心筋梗塞急性心筋梗塞の原因に動脈硬化以外の原因もあるのですか?そうなんです。「非動脈硬化性心筋梗塞」の発症原因の1つに特発性冠動脈解離(SCAD)があります。今回は近年に報告が目立つSCADを見ていきましょう。≪医療略語アプリ「ポケットブレイン」より≫【略語】SCAD【日本語】特発性冠動脈解離【英字】spontaneous coronary artery dissection【分野】循環器【診療科】循環器内科・心臓血管外科・救急【関連】非動脈硬化性心筋梗塞・若年性心筋梗塞実際のアプリの検索画面はこちら※「ポケットブレイン」は医療略語を読み解くためのもので、略語の使用を促すものではありません。若年女性の急性心筋梗塞と聞くと、筆者は冠攣縮や凝固異常の病態を連想してしまいます。しかし、近年は特発性冠動脈解離(SCAD:spontaneous coronary artery dissection)による若年女性の急性心筋梗塞の報告が目立ちます。この背景には、冠血管内超音波(IVUS:intravascular ultrasound)や光干渉断層法(OCT:Optical Coherence Tomography)の普及に伴い、冠動脈内の観察が容易になり、特発性冠動脈解離を診断しやすくなったと推測されます。特発性冠動脈解離の病因は妊娠、結合組織異常、女性ホルモン、動脈炎、冠攣縮、動脈硬化、薬物中毒、過度の運動などが指摘され、50歳未満の女性の急性心筋梗塞は、その24.2%~35%が特発性冠動脈解離であったとする報告があります。特発性冠動脈解離は通常の冠動脈造影では動脈硬化性病変との鑑別が困難で、IVUS、OCTによりはじめて特発性冠動脈解離と診断される症例もあるようです。以下のグラフは国内の年齢別急性心筋梗塞の発症人数に関するグラフです。調査期間は2020年1月~12月の1年間、448医療機関、1,153万人のデータから急性心筋梗塞患者(ICD10コード:I21)を分析しました。表)年齢別、急性心筋梗塞の発症人数[調査期間:2020年1月~12月]画像を拡大するその結果、対象期間の急性心筋梗塞は総数8万254人、そのうち女性は2万2,986人(28%)と圧倒的に男性のほうが急性心筋梗塞を発症しやすい傾向が読み取れます。今度は女性だけに注目し、急性心筋梗塞総数に対する50歳以下の発症割合をみると5.1%でした。これは女性の急性心筋梗塞発症者の20人に1人は50歳以下であるということを示しています。筆者は動脈硬化リスクのない女性の胸痛に対し、急性心筋梗塞の鑑別順位を低く見積もりがちでした。しかし、上記の結果や特発性冠動脈解離による非動脈硬化性の心筋梗塞が存在することを踏まえると、若年女性で動脈硬化リスクがない患者さんでも、胸痛を呈した場合には先入観にとらわれず、急性心筋梗塞をしっかり鑑別する必要性を感じました。1)森 隆浩ほか. 日内会誌. 2015;104:2563-2570.2)坂田 鋼治ほか. 心臓. 2015;47:85-90.3)下野 洋和ほか. 心臓. 2018;50:742-749.

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症例報告は自分のキャリア形成である【ちょっくら症例報告を書いてみよう】第2話

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。大阪大学の忽那です。この連載では、臨床医が症例報告を書くことについて考えてみたいと思います。連載を読んでちょっとでも皆さまが症例報告を書くお役に立てましたら幸いです。前回は「自分が得た知識・経験を共有することの意義」について述べました。今回は症例報告をすることによる自身のキャリアにとってのメリットについて述べたいと思います。症例報告を積み重ねると「専門家」になる「症例報告なんて大した実績にならないし、自分のキャリアにとって無駄なんで…」なんて思っていませんか。症例報告が実績にならないというのは大きな誤解です。もちろん症例報告だけでアカデミックな地位が得られるわけではありませんが、自分の専門性を高めるためには大いに役に立ちます。私の人生最初の症例報告は、「回帰熱」という珍しい輸入感染症の症例でした。Kutsuna S, et al. The first case of imported relapsing fever in Japan. Am J Trop Med Hyg. 2013;89:460-461.〔被引用数:17〕「回帰熱ってなんやねん」と思われたかと思いますが、数日間熱が続いた後、1週間くらいの無熱期があり、また数日間発熱し…という発熱を繰り返す珍しい感染症です。記録が残っている範囲では、この報告が最初の日本での回帰熱の報告になります(ちなみに日本ではこれまでに2例の回帰熱が報告されており、どちらも私が診断しています)。このような珍しい症例報告をすると、何が起こるかというと、ときどき症例相談が舞い込んでくることになります。「この周期性発熱の患者さん、回帰熱の可能性ないですか?」「回帰熱の検査ってどこでできるんですか?」とかそういう相談です。こうした相談を受けていると、そのうち「回帰熱のことは忽那に相談すればいい」という流れになります。回帰熱なんて激レアな感染症なので、そんなに活躍の場はありませんが、とりあえず「誰も診たことがない疾患を診たことがある」というのは大きなアドバンテージです。症例報告は連鎖するさて、回帰熱の症例報告の影響は回帰熱だけに留まりません。たとえば私が書いた症例報告をインターネットでみつけた患者さん自身が「私も熱を周期的に繰り返してるんですが、回帰熱じゃないですか?」と受診されたことがありました。この方は回帰熱ではなく最終的に「成人発症PFAPA症候群」というこれまた日本初の症例ということがわかりました。Kutsuna S, et al. The first case of adult-onset PFAPA syndrome in Japan. Mod Rheumatol. 2016;26:286-287.〔引用数:19〕ここから私の興味は周期性発熱にも波及することになります。また、輸入感染症の世界にも足を踏み入れることになった私は、とりあえず自分の経験した珍しい輸入感染症の症例をひたすら報告していきました。当時はこれが自分の将来にどういう影響を与えるかなんてことはもちろん考えずに書いていました。その中に、「ジカウイルス感染症」の報告があります。Kutsuna S, et al. Two cases of Zika fever imported from French Polynesia to Japan, December 2013 to January 2014. Euro Surveill. 2014;19:20683.〔被引用数:212〕ジカウイルス感染症という、当時まったく不明であった蚊媒介感染症による輸入例を“Eurosurveillance”というヨーロッパCDCの学術誌に報告したものです。これも当時は日本第1例目と2例目だったわけですが、報告した当初は「また忽那がマニアックな症例報告を書いとるわ…ホンマしょーもない…」くらいに思われていたわけです。しかし、この後ブラジルでジカウイルス感染症がアウトブレイクし、「妊婦さんが感染すると児が小頭症になることがある」ということがわかりジカウイルス感染症は世界な注目を集めます。私の“Eurosurveillance”の報告は、日本最初の報告であったというだけでなく、尿からジカウイルスを検出したのが世界で初めてということもあって、尿検体を使った診断という点でも評価されました。症例報告で被引用数が200超えというのはなかなかではないでしょうか。こうした症例報告を経て、私は蚊媒介感染症の専門家としての確固たる地位を固めていったわけです(自分で言う)!症例報告は連鎖して、それがいつしか大きな円となり専門性へと繋がることがあるということですね。症例報告は医師の職務経歴書ということで、たかが症例報告、されど症例報告です。症例報告とは、自分はこういう症例を経験してきました、という言わば自己紹介のようなものであり、症例報告が自分自身のキャリアを形成していくことがあります。そして、その症例報告から派生して、別の症例報告に繋がることもあるし、それらの症例報告が繋がることでより広いカテゴリーでの専門性を身に付けることも可能になります。自分が経験した症例を報告することで発生するポジティブ・フィードバックを期待して、ガンガン症例報告していきましょう!!

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第100回 COVID-19ワクチン接種後の90分間の運動で抗体反応が増す

アイオワ州立大学の研究チームが実施した無作為化試験の結果、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)ワクチンやインフルエンザワクチン接種後すぐから心拍数およそ120~140/分の運動を1時間半(90分間)したところその後数週間の検査でのそれらワクチンへの抗体反応が一貫して非運動群を上回りました1,2)。ワクチン接種前の運動が抗体反応を改善することは先立つ研究ですでに知られており、去年スペインの研究者Pedro Valenzuela氏等は運動がCOVID-19ワクチンのアジュバント(増強役)を担いうる可能性を示唆し、接種前の運動習慣や接種直前の単発の運動のCOVID-19ワクチン免疫反応への効果を調べることを提案しました3)。アイオワ州立大学のJustus Hallam氏等はその提案を受けて上述の試験を実施したわけですが、一捻り加えています。ワクチンの接種後に身体に負荷をかけると抗体反応が増すことが示されていることを頼りに、接種前の運動の効果ではなく接種後の有酸素運動が抗体反応にどう影響するかを検討しました。試験は週に2回以上の程々にきついかきつめ(moderate or vigorous)の運動習慣がある人を募って実施され、Pfizer/BioNTechのSARS-CoV-2ワクチン接種後に90分間の軽め~程々にきつめ(light- to moderate-intensity)の運動をした群のその後の検査での抗体反応は接種後に運動しなかった群を上述の通り上回りました。重要なことにCOVID-19ワクチン接種後に運動しても副反応は増えませんでした。ワクチン接種後の運動が抗体反応を上向かせる効果はどうやらCOVID-19ワクチンに限ったことではないらしく、インフルエンザワクチン2種類を接種した42人の検討でも同様の抗体反応増強効果が認められています。抗体生成を増やす役割を担う1型インターフェロン(1型IFN)を誘発するアジュバントはワクチンへの抗体反応を促すことが知られており、試験の運動時間を90分としたことはその長さの運動が1型IFNの一種・インターフェロンα(IFNα)を有意に増やすことが未発表ながら確認されていることを根拠の一つとしています。Hallam氏等はマウスの実験でその根拠がどうやら正しいことを確認しています。運動がワクチン接種の抗体反応を高める効果がIFNα阻害抗体をワクチン接種時に投与したマウスでは弱く、運動のワクチン抗体反応増強にはIFNαがどうやら貢献しているようです。インフルエンザワクチンの試験では接種後90分間の運動に加えてその半分の45分間の運動の効果も検討されました。というのも齢を重ねた成人には90分間の運動より45分間の運動のほうがより容易いであろうからです。結果はというと残念ながら45分間の運動のワクチン効果増強は認められず、運動しなかった群の抗体反応を上回りませんでした。研究者は1時間の運動ならどうかを調べるつもりです2)。試験では運動習慣がある人を募ったように、日頃運動していない人がCOVID-19ワクチン接種後に運動するという選択肢を選ぶことはおそらく土台無理な話で、その選択肢を選べるようにするにはまずは日頃の運動習慣を身に付けてもらう必要がありそうです。COVID-19患者およそ5万人を調べた試験4)では運動習慣がCOVID-19重症化を防ぐ効果があることが示されています。常に運動不足な人は必要とされる運動を日頃こなしている人に比べてCOVID-19入院、集中治療、死亡をより多く被っており、運動を促す保健の取り組みを優先し、いつもの診療で運動を後押しすることが必要と著者は結論しています。体力をつけることは若いころから始めるに越したことはありません。スウェーデンでの試験の結果、若かりし18歳ごろの心肺機能が高かった男性は低かった男性に比べてSARS-CoV-2感染しても大事に至ることは少なく、入院、集中治療、死亡をより免れていました5,6)。心肺機能が良好だった男性のCOVID-19死亡率は最も悪かった男性のおよそ半分であり、若いころの筋力が高いこともCOVID-19重症化し難いことと関連しました。COVID-19重症化を防ぎ、ワクチンの効果も高めうる運動で世間みんなの体力を底上げすることは感染流行の阻止に大いに貢献するでしょう5)。参考1)Exercise post-vaccine bumps up antibodies, new study finds / Iowa State University2)Hallam J,et al. Brain Behav Immun. 2022 Feb 5;102:1-10. [Epub ahead of print]3)Valenzuela PL, et al. Brain Behav Immun. 2021 May;94:1-3. 4)Sallis R, et al.Br J Sports Med. 2021 Oct;55:1099-1105. 5)Af Geijerstam A, et al. BMJ Open. 2021 Jul 5;11:e051316. 6)Highly fit teenagers coped better with COVID-19 later in life / Eurekalert

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オミクロン株に対するコロナ治療薬の効果を比較検証/NEJM

 オミクロン株が世界中で猛威を振るう中、新型コロナウイルスの新たな治療薬の開発が進んでいる。国立感染症研究所の高下 恵美氏ら研究グループが、7種類の抗体薬と3種類の抗ウイルス薬について、in vitroでのオミクロン株に対する効果について検証した。本研究の結果は、NEJM誌オンライン版2022年1月26日号のCORRESPONDENCEに掲載。ソトロビマブ、tixagevimab・cilgavimab併用はオミクロン株に対して中和活性を維持 今回、研究対象となった薬剤は、臨床試験中、FDA(米国食品医薬品局)で承認済み、日本で承認済みのものが含まれる。検証の結果、抗体薬のetesevimab・bamlanivimab併用とカシリビマブ・イムデビマブ併用(商品名:ロナプリーブ)のオミクロン株に対する中和活性は、著しく低いことがわかった。それに対し、tixagevimab・cilgavimab併用とソトロビマブ(商品名:ゼビュディ)は、オミクロン株に対して中和活性を維持していることが判明したという。抗ウイルス薬のレムデシビル(商品名:ベクルリー)、モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)は、オミクロン株の増殖を抑制することが示された。 オミクロン株は、初期のSARS-CoV-2と比較して、スパイク蛋白に少なくとも33の変異を有していることが判明しているため、FDAで承認されているモノクローナル抗体は、オミクロン株に対して効果が低い可能性があることが示唆されていた。 今回の検証では、7種類の抗体薬(etesevimab、bamlanivimab、イムデビマブ、カシリビマブ、tixagevimab、cilgavimab、ソトロビマブ)の単剤および併用について、オミクロン株の培養細胞への感染を阻害(中和活性)するかどうかを、ライブウイルス焦点減少中和アッセイ(FRNT)を用いて、モノクローナル抗体の中和活性を評価した。 etesevimab、bamlanivimab、イムデビマブ、カシリビマブ、tixagevimab、cilgavimab、ソトロビマブの単剤および併用について、オミクロン株に対する効果を検証した主な結果は以下のとおり。・etesevimab、bamlanivimab、イムデビマブの単剤使用では、最も高いFRNT50値(>5万ng/mL)でも、オミクロン株に対する中和活性は見られなかった。・カシリビマブは、ベータ株、ガンマ株、オミクロン株に対して高いFRNT50値(187.69~1万4,110.70ng/mL)で中和活性を示したが、オミクロン株に対するFRNT50値はベータ株に対して18.6倍、ガンマ株に対して75.2倍高かった。・tixagevimab、cilgavimab、ソトロビマブの単剤使用は、ベータ株、ガンマ株、オミクロン株に対して中和活性を保持していたが、これらのFRNT50値は、ベータ株またはガンマ株に対して、オミクロン株は3.7〜198.2倍高かった。・etesevimab・bamlanivimab併用では、ガンマ株に対する中和活性が著しく低下し、最も高いFRNT50値(>1万ng/mL)でも、ベータ株とオミクロン株に対する中和活性は見られなかった。・カシリビマブ・イムデビマブ併用では、ベータ株、ガンマ株、デルタ株に対する中和活性は維持されたが、最も高いFRNT50値(>1万ng/mL)でも、オミクロン株に対する中和活性は見られなかった。・tixagevimab・cilgavimab併用では、ベータ株、ガンマ株、オミクロン株に対する中和活性は維持されたが、ベータ株またはガンマ株に対して、オミクロン株のFRNT50値は24.8倍~142.9倍高くなった。 また、3種類の抗ウイルス薬(レムデシビル、モルヌピラビル、PF-07304814)について、50%阻害濃度(IC50)を測定したところ、レムデシビルとモルヌピラビルは、オミクロン株に対する有効性が高く、PF-07304814は、オミクロン株に対する有効性が低いことが判明した。 本研究グループは、COVID-19治療薬がオミクロン株の増殖を効果的に抑制するのかどうかを動物モデルで引き続き検証する予定だ。

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統合失調症の再発に影響を及ぼす要因

 統合失調症は再発率が高い疾患である。再発は、患者だけでなくその家族にとっても大きな影響を及ぼすが、生物心理社会学的および精神医学的要因を見直すことで、改善する可能性がある。統合失調症の再発に影響を及ぼす潜在的なリスク因子を明らかにすることは、医師、患者およびその家族の意識を向上させるために役立つと考えられる。医師は、患者を診察し、マネジメントや教育を行い、再発を抑制することが求められる。インドネシア・エアランガ大学のMargarita M. Maramis氏らは、統合失調症患者の再発発生に影響を及ぼす生物心理社会学的および精神医学的要因について、分析を行った。International Journal of Social Psychiatry誌オンライン版2021年12月28日号の報告。 インドネシア・東ジャワの3施設Soetomo Academic Hospital Surabaya(33.2%)、Menur Hospital Surabaya(32.7%)、Radjiman Wediodiningrat Mental Hospital Lawang(34.1%)より統合失調症患者226例を対象とし、横断的観察分析研究を実施した。生物心理社会学的および精神医学的要因を含む33因子のデータを収集し、二変量および多変量ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・1年間の再発率は、59.73%であった。・統合失調症の再発に有意な影響を及ぼした因子は以下の12因子であった。 ●妊娠中の母親における身体的疾患歴(p<0.001、B=27.31、95%信頼区間[CI]:3.96~188.52) ●トリガーの存在(p<0.000、B=6.25、95%CI:2.61~14.96) ●ネガティブな信念(p<0.000、B=4.94、95%CI:2.10~11.61) ●遺伝的要因(p<0.001、B=4.84、95%CI:1.93~12.10) ●洞察(p<0.003、B=4.27、95%CI:1.62~11.27) ●1年間のGAFスケール(p<0.015、B=3.79、95%CI:1.30~11.09) ●治療反応(p<0.006、B=3.68、95%CI:1.45~9.36) ●家族の理解(p<0.011、B=3.23、95%CI:1.31~7.93) ●頭部外傷歴(p<0.029、B=3.13、95%CI:1.13~8.69) ●薬剤の副作用(p<0.028、B=2.92、95%CI:1.12~7.61) ●薬物使用歴(p<0.031、B=2.86、95%CI:1.10~7.45) ●職業(p<0.040、B=2.40、95%CI:1.04~5.52) 著者らは「統合失調症の再発リスクを予測する生物心理社会学的および精神医学的要因の12因子が特定された。これらの因子は、介護や再発予防を目指すうえで、患者およびその家族の心理教育を行う際、取り入れるべきであろう」としている。

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cemiplimab、再発子宮頸がんに有効/NEJM

 プラチナ製剤を含む化学療法による1次治療後に再発した子宮頸がん患者の治療において、完全ヒトプログラム細胞死1(PD-1)阻害モノクローナル抗体cemiplimabは単剤の化学療法と比較して、全生存期間が延長し、無増悪生存期間への効果は明確ではないものの、客観的奏効率や奏効期間も良好であることが、米国・カリフォルニア大学アーバイン校のKrishnansu S. Tewari氏らが実施した「EMPOWER-Cervical 1/GOG-3016/ENGOT-cx9試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年2月10日号に掲載された。全生存期間を評価する国際的な無作為化第III相試験 研究グループは、再発・転移を有する子宮頸がんの治療におけるcemiplimabの有効性と安全性の評価を目的に、日本を含む14ヵ国が参加する非盲検無作為化第III相試験を実施し、2017年7月~2020年8月の期間に患者の登録を行った(Regeneron PharmaceuticalsとSanofiの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、プラチナ製剤を含む化学療法による1次治療後に病勢が進行した再発・転移を有する子宮頸がん患者で、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)の発現の有無は問われなかった。 被験者は、cemiplimab(350mg、3週ごと、静脈内投与)の投与を受ける群、または担当医が選択した単剤化学療法(ペメトレキセド、トポテカン、イリノテカン、ゲムシタビン、ビノレルビンのいずれか)を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは全生存期間とされ、無増悪生存期間や安全性の評価も行われた。 本試験は、予定されていた2回目の中間解析(追跡期間中央値16.8ヵ月)で、扁平上皮がんにおける有効性に関する事前に規定された基準に則り、中止となった。死亡リスクが31%低減、奏効率と奏効期間は2倍以上に 608例の女性患者が登録され、2つの群に304例ずつが割り付けられた。全体の年齢中央値は51歳(範囲22~87)で、473例(77.8%)が扁平上皮がん、135例(22.2%)は腺がんまたは腺扁平上皮がんであった。また、259例(42.6%)が再発病変に対する全身治療を2ライン以上受けており、296例(48.7%)はベバシズマブによる治療歴を有していた。 治療期間中央値は、cemiplimab群が15.2週(範囲1.4~100.7)、化学療法群は10.1週(1.0~81.9)で、全体の追跡期間中央値は18.2ヵ月(6.0~38.2)だった。 全生存期間中央値は、cemiplimab群が12.0ヵ月と、化学療法群の8.5ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.69、95%信頼区間[CI]:0.56~0.84、両側検定のp<0.001)。化学療法群の全生存期間中央値は、トポテカンの6.5ヵ月からイリノテカンの11.9ヵ月までの幅が認められた。 組織型別の全生存期間中央値は、扁平上皮がん(11.1ヵ月vs.8.8ヵ月、HR:0.73、95%CI:0.58~0.91、両側検定のp=0.006)および腺がん/腺扁平上皮がん(13.3ヵ月vs.7.0ヵ月、0.56、0.36~0.85)のいずれにおいても、cemiplimab群で良好であった。 また、無増悪生存期間中央値は、両群間に大きな差はなかったものの、有意差がみられ、cemiplimab群で良好であった(HR:0.75、95%CI:0.63~0.89、両側検定のp<0.001)。扁平上皮がん(0.71、0.58~0.86、同p<0.001)では有意差があったが、腺がん/腺扁平上皮がん(0.91、0.62~1.34)では差がなかった。 客観的奏効率は、cemiplimab群が16.4%(95%CI:12.5~21.1)と、化学療法群の6.3%(3.8~9.6)に比し、有意に優れた(両側検定のp<0.001)。cemiplimabの投与を受けた患者のうち、腫瘍細胞のPD-L1の発現が1%以上の患者の客観的奏効率は18%で、発現が1%未満の患者でも11%であった。また、奏効期間中央値は、cemiplimab群が16.4ヵ月(95%CI:12.4~未到達)、化学療法群は6.9ヵ月(5.1~7.7)だった。 Grade 3以上の有害事象は、cemiplimab群が45.0%、化学療法群は53.4%で発現した。最も頻度の高いGrade 3以上の有害事象は、貧血(cemiplimab群12.0%、化学療法群 26.9%)、尿路感染症(5.0%、2.8%)、好中球減少(1.0%、9.0%)であった。治療中止の原因となった有害事象は、それぞれ26例(8.7%)および15例(5.2%)で発現した。免疫関連有害事象の発現率は、15.7%および0.7%だった。 著者は、「この試験では、腫瘍細胞のPD-L1の発現が1%未満の患者でも客観的奏効が得られた。PD-L1の発現状況の評価が可能な患者が少なく、cemiplimab治療の奏効におけるPD-L1の役割をどう解釈するかは、評価が難しい問題ではあるが、PD-L1陰性例にもcemiplimabが奏効する患者が存在する可能性があることが示唆される」としている。

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GIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatide併用で、血糖コントロール改善/JAMA

 インスリン グラルギンで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者の治療において、インスリン グラルギンにデュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideを追加する治療法はプラセボの追加と比較して、40週後の血糖コントロールが統計学的に有意に改善し、用量により5~9kgの体重減少が得られたとの研究結果が、ドイツ・Gemeinschaftspraxis fur innere Medizin und DiabetologieのDominik Dahl氏らによって報告された(SURPASS-5試験)。研究の成果は、JAMA誌2022年2月8日号に掲載された。8ヵ国45施設のプラセボ対照無作為化第III相試験 研究グループは、血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者におけるインスリン グラルギンへのtirzepatide追加の有効性と安全性の評価を目的に、二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を実施し、2019年8月~2020年3月の期間に、日本を含む8ヵ国45施設で患者の登録を行った(Eli Lilly and Companyの助成を受けた)。 対象は、2型糖尿病の成人患者で、一定用量のインスリン グラルギン(>20 IU/日または>0.25 IU/kg/日)±メトホルミン(≧1,500mg/日)の投与を受け、ベースラインの糖化ヘモグロビン(HbA1c)値が7.0~10.5%(53~91mmol/mol)、BMIが≧23の集団であった。 被験者は、tirzepatide 5mg、同10mg、同15mg、プラセボを週1回、40週間皮下投与する群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。tirzepatideの初回投与量は2.5mg/週とされ、割り付けられた用量に達するまで4週ごとに2.5mgずつ増量された。すべての患者が、インスリン グラルギンの1日1回の投与を継続した。 主要エンドポイントは、HbA1c値のベースラインから40週までの変化量とされた。HbA1c値<7%達成率8割以上、インスリン用量も少ない 475例(平均年齢[SD]60.6[9.9]歳、女性211例[44%])が無作為化の対象となり、全例が試験薬の投与を少なくとも1回受けた(tirzepatide 5mg群116例、同10mg群119例、同15mg群120例、プラセボ群120例)。全体のベースラインの平均HbA1c値(SD)は8.31(0.85)%、平均BMIは33.4、平均糖尿病罹患期間は13.3年、インスリン グラルギンの投与量中央値は30.0 IU/日で、394例(82.9%)がメトホルミンの投与を受けていた。 451例(94.9%)が試験を完遂し、424例(89.3%)が試験治療をすべて終了した。早期の投与中止は、tirzepatide 5mg群が10%、同10mg群が12%、同15mg群が18%、プラセボ群は3%で発生した。 40週時の平均HbA1c値のベースラインからの変化量は、tirzepatide 10mg群が-2.40%、同15mg群は-2.34%であり、プラセボ群の-0.86%に比べいずれの用量とも有意に低下した(プラセボ群との差 10mg群:-1.53%[97.5%信頼区間[CI]:-1.80~-1.27]、15mg群:-1.47%[-1.75~-1.20]、いずれもp<0.001)。また、5mg群の平均HbA1c値のベースラインからの変化量は-2.11%であり、プラセボ群に比し有意に改善した(群間差:-1.24%、95%CI:-1.48~-1.01、p<0.001)。 平均体重のベースラインからの変化量は、tirzepatide 5mg群が-5.4kg、同10mgが-7.5kg、同15mg群は-8.8kgであり、プラセボ群の1.6kgに比べいずれも有意に減少した(プラセボ群との差 5mg群:-7.1kg[95%CI:-8.7~-5.4]、10mg群:-9.1kg[-10.7~-7.5]、15mg群:-10.5kg[-12.1~-8.8]、すべてp<0.001)。 40週時にHbA1c値<7%を達成した患者の割合は、tirzepatide 5mg群が87.3%、同10mgが89.6%、同15mgは84.7%であり、プラセボ群の34.5%と比較していずれも有意に高かった(すべてp<0.001)。また、空腹時血糖値のベースラインからの変化量は、tirzepatide群はそれぞれ-58.2mg/dL、-64.0mg/dL、-62.6mg/dLであり、プラセボ群の-39.2mg/dLに比べいずれも有意に低下した(すべてp<0.001)。インスリン グラルギンの用量の変化量も、3つの用量のtirzepatide群で有意に低かった(5mg群:4.4 IU、10mg:2.7 IU、15mg群:-3.8 IU、プラセボ群:25.1 IU、プラセボ群との差は3つの用量群のすべてでp<0.001)。 治療下で発現した有害事象が少なくとも1件認められた患者の割合は、tirzepatide 5mg群が73.3%、同10mg群が68.1%、同15mg群が78.3%、プラセボ群は67.5%であった。 最も頻度が高かったのは消化器症状で、下痢がtirzepatide 5mg群12.1%、同10mg群12.6%、同15mg群20.8%、プラセボ群10.0%で発現し、吐き気がそれぞれ12.9%、17.6%、18.3%、2.5%でみられたが、ほとんどが軽度~中等度であった。 重篤な有害事象は、tirzepatide 5mg群7.8%、同10mg群10.9%、同15mg群7.5%、プラセボ群8.3%で発現した。試験薬の投与中止の原因となった有害事象は、それぞれ6.0%、8.4%、10.8%、2.5%で認められた。低血糖(血糖値<54mg/dL)の発現率は、15.5%、19.3%、14.2%、12.5%であり、重症低血糖は3例(10mg群2例、15mg群1例)で報告された。 著者は、「本試験の結果は、基礎インスリンとtirzepatideの併用に関する臨床的に重要な情報をもたらし、この治療選択肢を考慮する際に、臨床医にとって有用なものとなるだろう」としている。

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