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英語で「薬の変更」は?【1分★医療英語】第26回

第26回 英語で「薬の変更」は?Am I still supposed to take this medication?(まだこの薬を飲み続けるのですか?)No. Actually, I will switch you over to another one.(いいえ、別のお薬に変更します)《例文1》医師Your liver enzymes are getting better. I will switch over you to this medication.(肝酵素の値が良くなっていますね。こちらの薬に変更しましょう)患者I see, Doc.(わかりました、先生)《例文2》I will have to switch you over to PO meds before discharge.(退院前に経口薬に変更しないといけません)《解説》この表現は知らないとまず出てこないと思います。「薬を変更する」という意味ではさまざまな表現がありますが、この“switch you over to~”は「具体的にどのような変更をするのか」を言いたいときによく使われる言い回しです。《例文2》のように静脈注射薬から経口内服薬に変更したり、薬Aから薬Bに変更したりする場合に便利な表現です。臨床現場で薬を変更するときには理由があることがほとんどですので、理由も含めて患者さんに説明ができるとさらに良いでしょう。多数の薬を見直すときや、具体的な内容に触れずに薬の変更を伝えるときは、“adjust”を使うと便利です。薬について患者さんと話す機会は多いので、ぜひ身に付けて実際の会話で使ってみてください。講師紹介

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ワクチン接種者、オミクロンへの中和能が低下してもT細胞免疫は維持

 感染力の高いオミクロン株の出現や、新型コロナの既感染者またはワクチン接種者の中和能の低下がみられることから、新たな変異株への免疫防御力を推定するために細胞性免疫の研究が重要である。イタリア・サンタルチア財団Istituto di Ricovero e Cura a Carattere ScientificoのLorenzo De Marco氏らが、新型コロナに対して感染またはワクチンによる免疫を持つ人を対象にオミクロン株に対するT細胞応答性を調べた結果、スパイクタンパク質の変異にもかかわらず、オミクロン株が免疫系の細胞成分によって認識されることがわかった。すなわち、重症化予防効果は持続する可能性が示唆された。JAMA Network Open誌2022年4月22日号に掲載。 本研究は、2021年12月20~21日に、Istituto di Ricovero e Cura a Carattere Scientificoで、ボランティアの医療従事者と科学者を対象に実施されたコホート研究である。採取直後の血液サンプルからリンパ球を分離し、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に対する応答を調べた。主要アウトカムとして、オミクロンBA.1株のスパイクタンパク質の変異領域に対するT細胞応答性、ペプチドライブラリーを用いた刺激によるスパイクタンパク質に対するT細胞免疫を調べた。 主な結果は以下のとおり。・新型コロナワクチン接種者もしくは新型コロナ既感染者の計61人が登録され、平均年齢41.62歳(範囲:21~62歳)、女性は38人(62%)だった。・オミクロン株の変異領域をカバーするペプチドに応答するCD4陽性T細胞頻度の中央値は0.039%(範囲:0~2.356%)で、武漢株の同じ領域に特異的なCD4陽性T細胞の0.109%(同:0~2.376%)と比べ64%減少した。・CD8陽性T細胞では、中央値0.02%(範囲:0~0.689%)の細胞で変異スパイク領域を認識し、同等の非変異領域に0.039%(同:0~3.57%)の細胞で応答したのに対し49%減少した。・しかしながら、完全長のタンパク質のペプチドライブラリーに対する全体的な応答性は、ほぼ維持されていた(推定87%)。・ワクチン接種歴や感染歴の異なるグループ間で、免疫認識の減少に有意な差はみられなかった。

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アキレス腱断裂のアウトカム、手術vs.保存的治療/NEJM

 急性アキレス腱断裂に対する手術治療(直視下または低侵襲手術)は、保存的治療との比較において、12ヵ月後のアウトカム改善について有意差が示されなかった。ノルウェー・オスロ大学病院のStale B. Myhrvold氏らが、500例超を対象に行った多施設共同無作為化比較試験の結果を報告した。NEJM誌2022年4月14日号掲載の報告。12ヵ月後のAchilles' tendon Total Rupture Score変化を評価 研究グループは、4ヵ所の医療センターを通じて、急性アキレス腱断裂の診断を受けた18~60歳を対象に試験を行い、保存的治療、直視下手術、低侵襲手術の効果を比較した。 主要アウトカムは、12ヵ月時点のAchilles' tendon Total Rupture Score(ATRS、0~100でスコアが高いほど状態が良好)のベースラインからの変化だった。副次アウトカムは、再断裂発生率などだった。ATRSは3群とも約15~17ポイント改善 被験者計554例が無作為化を受け、うち526例を対象に最終解析を行った。 ATRSの平均変化量は、保存的治療群が-17.0ポイント、直視下手術群が-16.0ポイント、低侵襲手術群が-14.7ポイントで、有意な差はなかった(p=0.57)。ペアワイズ比較法でも群間差は示されなかった。 身体能力と自己報告による身体機能の、ベースラインからの変化量も、3群で同等だった。 腱再断裂発生率は保存的治療群が6.2%と、直視下手術/低侵襲手術群の各0.6%より高率だった。神経損傷は、低侵襲手術群で9例(5.2%)、直視下手術群では5例(2.8%)、保存的治療群では1例(0.6%)だった。

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BTK阻害薬、治療歴ある免疫性血小板減少症に効果/NEJM

 治療歴のある免疫性血小板減少症に対し、経口ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬rilzabrutinibの有効性と安全性が、第I-II相の国際非盲検用量設定試験で確認された。評価した全用量で血小板反応性が認められ、毒性効果は報告されたがいずれも低グレードだった。米国・マサチューセッツ総合病院のDavid J. Kuter氏らによる検討で、NEJM誌2022年4月14日号で発表された。rilzabrutinibは、マクロファージ(Fcγ受容体)を介した血小板破壊の抑制と病原性自己抗体産生の抑制という2つの作用機序によって、免疫性血小板減少症の患者の血小板数を増加させる可能性が示唆されていた。用量漸増法を用いて4用量について安全性と血小板反応性を評価 治療歴のある免疫性血小板減少症患者に対するrilzabrutinib治療の評価は適応的デザイン法にて行われ、個人内用量漸増法を用いてrilzabrutinibを24週間経口投与した。 開始用量は4段階で、200mgを1日1回、400mgを1日1回、300mgを1日2回、400mgを1日2回とした。 主要エンドポイントは、安全性と血小板反応性。血小板反応性は、血小板数が少なくとも2回連続で50×103/mm3以上、かつレスキュー薬なしでベースラインから20×103/mm3以上増加と定義した。血小板反応性は全体で40%、血小板数50×103/mm3以上到達まで11.5日 試験には60例が登録され、ベースラインの血小板数中央値は15×103/mm3、罹病期間中央値は6.3年、これまでに受けた免疫性血小板減少症治療の中央値は4種類だった。 治療関連の有害イベントは、いずれもGrade1または2で一過性だった。Grade2以上の治療関連出血または血栓イベントは報告されなかった。 治療期間中央値167.5日(範囲:4~293)時点で、主要エンドポイントの血小板反応性が認められたのは、全体では24/60例(40%)であり、rilzabrutinibの最高用量開始群では18/45例(40%)だった。 また、最初に血小板数50×103/mm3以上に到達するまでの期間中央値は、11.5日だった。主要血小板反応性が認められた患者において、血小板数50×103/mm3以上の週が占めた割合は平均65%だった。

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最新の薬剤情報追加の糖尿病治療ガイド2022-23/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、『糖尿病治療ガイド2022-2023』を発行した。本ガイドは、日本糖尿病学会が総力を挙げて編集・執筆したガイドブックで、コンパクトな1冊ながら、糖尿病診療の基本的な考え方から最新情報までがわかりやすくまとめれている。内科医はもとより、他の診療科の医師、コメディカルスタッフなどにも好評で、現在広く活用されている。 今回の改訂では、イメグリミンや経口GLP-1受容体作動薬の追加など、2022年3月現在の最新の内容がアップデートされた。 制作した「糖尿病治療ガイド」編集委員会は、「本ガイドが、日々進歩している糖尿病治療の理解に役立ち、毎日の診療に一層活用されることを願ってやまない」と期待を寄せている。主な改訂点・イメグリミンや経口GLP-1受容体作動薬の追加など、2022年3月現在の最新の薬剤情報にアップデート・かかりつけ医から糖尿病や腎臓の専門医・専門医療機関への紹介基準を、図を用いて明確に解説・上記だけでなく、低血糖時におけるグルカゴン点鼻粉末剤(バクスミー)の使用、糖尿病医療支援チーム(DiaMAT)設立の動きなど、内容全体をアップデート・「2型糖尿病の血糖降下薬の特徴」など図のアップデート・コラムなどを追加・改訂主な目次1.糖尿病:疾患の考え方2.診断3.治療4.食事療法5.運動療法6.薬物療法7.糖尿病合併症とその対策8.低血糖およびシックデイ9.ライフステージごとの糖尿病10.専門医に依頼すべきポイント11.病態やライフステージに基づいた治療の実例(31症例)付録・索引

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日本人精神疾患患者における第2世代抗精神病薬治療後のHbA1cの閾値下変化

 第2世代抗精神病薬(SGA)の種類により糖尿病発症リスクが異なることは、いくつかの研究で報告されている。しかし、HbA1cの閾値下の変化に焦点を当てた研究は、ほとんどない。北海道大学の澤頭 亮氏らは、6種類のSGAのうち、いずれかを使用している日本人患者を対象に、HbA1cの閾値下およびBMIの変化について調査を行った。その結果、糖尿病リスクの高い患者に対しては、ブロナンセリン治療が最も有用な治療法である可能性が示唆された。The Journal of Clinical Psychiatry誌2022年3月30日号の報告。 本研究は、統合失調症患者に対し、日本の血糖モニタリングガイドラインに基づいてフォローアップ調査を実施したプロスペクティブコホート研究である。2013年4月~2015年3月の期間に、ベースライン時およびSGA治療開始3ヵ月後の時点で、患者の人口統計学的データ、薬歴、血液検査値、体重測定値を収集した。対象は、ICD-10に基づく統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の患者378例。抗精神病薬による治療開始から3ヵ月後のHbA1cの閾値下およびBMIの変化を比較するため、多変量回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ブロナンセリン開始3ヵ月後のHbA1cの閾値下の変化は、オランザピンと比較し、有意に低かった(B=-0.17、95%CI:-0.31~-0.04)。・ブロナンセリン(B=-0.93、95%CI:-1.74~-0.12)およびアリピプラゾール(B=-0.71、95%CI:-1.30~-0.12)開始3ヵ月後のBMIの変化は、オランザピンと比較し、それぞれ有意に低かった。

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第106回 お薦めしません!医療素人とのTwitter応酬合戦、その全貌がコレ

先日、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)に対するドラッグ・リポジショニングで注目された抗インフルエンザ薬ファビピラビルの「内情」について書いたが、その直後、私がTwitterであるツイートをしたことがきっかけで自ら「素人」と言ってはばからない人と応酬となった。Twitterをやっている人は分かると思うが、何も知らない、あるいはやや狂信的とも言っていい人とやり取りをするのは疲れるもの。私も大概は無視するのだが、あまりに誤った情報だと何かは返したくなる。その結果が今回の事態だが、医療知識のない人とやり取りをするというのは、こういうものなのだという参考事例として今回紹介したい。さて、きっかけとなった私のツイートは、本連載第104回でも触れた塩野義製薬が開発中の新型コロナの3CLプロテアーゼ阻害薬の催奇形性に関するもの。この薬に期待を寄せる人は未だ十分に有効性を示せていないイベルメクチンとファビピラビルに期待を寄せる人たちと一部と重なる。しかし、以前も触れたように動物実験でイベルメクチンは最高推奨用量の0.2倍、アビガンは臨床曝露量同程度以下で催奇形性が認められている。そうしたことをこの人たちは知らないのだろうか? という疑問を投げかけるツイートだった。ツイートした当初はほとんど反応はなかったが、それから1週間後にある人からリプライ(返信)が付いた。匿名アカウントで年齢・性別も分からないので、この人をAさんとしておこう。端的に言えばファビピラビル推しの人である。リプライの大意は「ファビピラビルの投与期間中避妊すれば問題ないし、やはり新型コロナの適応を持つバリシチニブだって催奇形性はある。またファビピラビルは米軍、台湾、日本では備蓄もされているし、海外では承認製造されている」。まあ、よくありがちな反応である。ちなみにバリシチニブに催奇形性があることは承知しているし、Aさんが言う米軍、台湾、日本での備蓄は抗インフルエンザ薬での適応であり、情報を混同している。そこでバリシチニブは催奇形性があるとはいえ、ラットで臨床用量の2.3倍、ウサギで6.3倍と、ファビピラビルはそれと比べてかなり低用量で認められ、この点で安全性は低いこと、新型コロナに対するファビピラビルはカナダ、クウェートでの二重盲検試験で有効性は確認されていないと指摘する引用ツイートを送った。過去の経験上、こうした1回目の反応後に相手が沈黙して終わりなのだが、返信があった。曰く「ファビピラビルの製造国は増えてますよ」という。この話はごく一部の国のジェネリック企業が臨床研究用などで製造していることなのだが、事細かに説明するのも面倒だったので「そうした国はいずれも日米欧3極と比べて医薬品の承認審査の厳格さを欠く国々。代表例がタイで、タイは保健省の一存で重症患者にアビガンを用いようとしているものの、エビデンスはなく、日本が真似すべきではない」という趣旨で引用リツイートをした。なお、私はAさんとのやり取りをほぼ引用リツイートで行っている。これはTwitterの性格上、単純なリプライ(返信)にすると、当事者以外のフォロワーなどに可視化されにくいからである。しかし、また返信があった。「海外では、主要国でもアビガン暫定承認と治験、備蓄が進められてます。アメリカでも製造されています」(ツイート内にカナダなどいくつかの事例のツイートを引用)引用ツイートのうち、カナダの出典を辿って思わず笑ってしまった。これはカナダで新型コロナの効能を謳ったファビピラビルの違反広告事例を紹介しているもの。どんな薬がどんな違反広告をしたかが表になっているのだが、「保存などが簡便で、新型コロナへの効果が期待されている」と謳った違反広告内容の紹介をカナダが公式にファビピラビルを評価したと勘違いしているらしい。私は大声を上げて爆笑してしまった。さらに引用ではイギリス、ドイツなども挙げているのだが、前者は単純に医師主導治験の話。後者は新型コロナの治療薬に関して「承認済み」「承認審査中」「臨床研究中」の区分で列挙し、ファビピラビルは単に臨床研究が行われている分類。ところが、Aさんは現地当局が承認審査プロセスに入っていると誤読している。いやはや、何とも言えない反応である。なので私はそうした内容やAさんが製造国が増えていると言っているものは、ファビピラビルの特許失効を受け、第三世界の一部ジェネリック企業が抗インフルエンザ薬としてや臨床研究用に供給するため細々と製造しているだけで、新型コロナ治療薬としての承認国は増加しておらず、承認に足るだけの十分なデータは未だ存在しない旨を返信した。これでやり取りも終わるだろうと思った。というのもこうしたやや長めのやり取りは過去にも経験があるが、それも3~4往復で終わることがほとんど。しかしAさんはめげずに「日本でアビガンは、利権で抑えられたと思いますよ」と、あるツイートを引用しながら返信を寄せてきた。でました、利権という名の陰謀論。ちなみにAさんが引用してきたツイートは、ワクチン否定派の中ではそれなりに有名な在米日本人のツイートで、先日、本連載でも触れたノババックスの組み換えタンパクワクチンの承認について「みんなアメリカでは承認されていないのは知っているかな?」という内容。アメリカで未承認は事実だが、それはアメリカでの申請が日本から2ヵ月遅れの今年2月であるからと考えれば説明がつく。また、すでに欧州連合(EU)では承認済みだ。この辺で止めておこうとも思ったのだが、引用先のツイートが申請時期のことやEUでの承認に触れずに、さも日本だけが暴走しているとの誤解を意図的に誘発しているかのような悪質さを感じたので、あえてAさん宛にその旨を返した。するとさらに返信(またかよ)。「未接種以外の治験してますか?」という。要は日本国内でノババックス製ワクチンを3回目のブースター接種に使おうとする動きがあることへの疑念らしい。もっともここで明確にファビピラビルから「ゴールポスト」が動いてきた。というか、ずっと「ゴールポスト」ずらしが続いてきているとも言えるが。確かにmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンを接種済みの人へのブースター接種に関する企業治験データはない。しかし、イギリスからはすでにファイザー製ワクチンやアストラゼネカ製ワクチンの接種者に対するブースター接種の臨床研究が報告されており、数字だけを見ると同一種のブースター接種よりも抗体価はやや低いものの、明らかにブースター効果は見て取れる。というか、ノババックス製ワクチンに一定の有効性と安全性が認められているならば、原理的に考えてもブースターとしての使用がそれほど大きな問題になるとは思われない。イギリスの臨床研究内容をツイートの140字という文字数制限内で説明するのは無理なので、後者の原理的には問題なしの話で引用リツイートを返した。ややうんざりしていたので、ついでに「そろそろつぎはぎであれこれ指摘するの止めたほうが良いですよ。どれも根拠薄弱なものばかりです」と付け加えた。本当はもっと過激な言葉が出そうだったのだが、最近、ある真面目な医師の実名アカウントが過激な物言いでアカウント凍結にあったのを目にしていたので極力丁寧な言い回しに止めた。しかし、返信は止まない(笑)。またもや別のツイートを引用しながら、新型コロナへのファビピラビル投与事例のメタアナリシスで有意な効果が認められた、との返信である。しかし、その中身は観察研究もどきやかなり設定の違うRCTを無理やりプールしているもの。溜息しか出ない。ということで指摘のメタアナリシスは「なんちゃってメタアナリシス」だとの指摘で返した。また、返信が返ってきた。曰く「二重盲検しか認めないんですね」と。加えてAさんはファイザー製ワクチンの治験で、一部の治験受託機関の管理が甘く、盲検が被験者にばれていた可能性がある事案が明らかになったことを付記してきた。これはBMJ誌でも紹介された話だ。この事案は記事を読んだ人もいるだろうが、問題となった受託機関が担当したのは4万例を超える同ワクチン被験者のうち1,000人程度で、かつ盲検がケースによって見れていた可能性があるに過ぎないというもの。このこと自体がワクチンの有効性や安全性に影響を与える可能性は低い。私は引用ツイートでさらに以下のような趣旨を返した。「二重盲検しか認めないのは原則として当然です。それが現時点で最も科学的に信頼度の高い試験方法です。それを否定するなら、抗インフルエンザ薬としてのアビガンも存在意義を失いますが、それで良いんですか? 二重盲検の結果として科学的に疑義が生じた場合は都度検討すれば良い話です」とにかく相手は止めない。もっとも徐々に返信までの時間は空いてきている。これも過去の経験からだが、こちらの返信に対する相手の反応までの時間が徐々に長くなるというのは、その間にネットサーフィンで反論材料を探し回っている時だ。しばらくして「レムデシビルは、二重盲検結果で承認されてましたか?」との返信。おいおい。レムデシビルの特例承認の根拠となったACCT-1試験は明確に二重盲検試験だ。その旨を指摘するついでに「これは添付文書にですら書いてある情報ですよ。ちゃんと調べてますか?」と追加して引用リツイートした。というか、調べていないことは明らかだろう。まあ、これでそろそろ止むだろうと思った私が甘かった。さらにAさんから返信。「WHOから、指摘ありましたよね」と。ああ、でました。それね。要は一時期、WHOが非常に粗い設定だった「SOLIDARITY試験」に基づき推奨しない見解を出した件だ。この見解は専門家からも批判され、当事者のギリアド社ですら公式に反論をリリースしたほど。後にデータが蓄積されたことでWHOも見解を修正している。私はさらに返信した。「また、きちんと調べずにモノを言うんですか? 承認後にWHOはよりレベルの低い『SOLIDARITY試験』に基づき推奨しない見解を出し、専門家からも批判されました。しかし、後のデータ蓄積などで、この見解は修正されています。あれこれ言う前に勉強すべきです」もうこれで何か返信があっても反応しないと一旦は決めた。しかし、このツイートにある方から「いいね」が付いた。相互フォローとなっていて面識もあるS先生からだ。医師の世界で知らない者はいないと言ってもいいパワフルな人だ。いや、ご多忙中なのに見ていたんだ。恥ずかしい。となると、もはや相手が黙るまで止めるわけにはいかない(笑)。そしてやはり返信があった。「そのようですね」とWHOの見解修正に関する別の人のツイートを引用。珍しくおとなしくなったと思いながらも、「ワクチンに関してどう思われますか?」と、どこかのTVが報じた国内での新型コロナワクチン接種後の死亡者数について触れた動画を引用してきた。次なる「ゴールポスト」変更の地雷付きだ。これにまともに付き合っていたら持たない。なんせ多くの方がご存じのようにアビガン問題と違って、ワクチン否定派の陰謀論は、まるで底なしのガラクタ箱のように、意味のない重箱の隅つつきの事案が次々と登場するだけだから。私もAさんのツイートにイライラしていたので、次のような趣旨で返した。「いい加減、ヒトに聞いたり、誰かのツイートを都合よく切り貼りするのではなく、自分で英語論文などの原典を調べたりすればいいんじゃないですか? どうやらこれまでのやり取りを見ていると英語論文などの原典に当たっていませんよね? 英語も十分に読めているようではない感じですが」腹立ちまぎれにこの辺で勉強したほうが良いですよ、と大学受験生向け英単語参考書のリンクでも貼ろうと思ったがさすがにやめておいた。するとまた返信。もういい加減にしてくれ!アメリカで裁判所の求めに応じてファイザー社が新型コロナワクチンに関する一部の文書を公開した一件を送ってきた。私もこの情報はすでにちらちら眺めていたが、はっきり言って目新しい情報はほとんどない。一部のワクチン否定派がまさに重箱の隅を突いてフレームアップしているだけである。そして私がきちんと勉強せよと言ったことに対するネット民にありがちな反応、「素人ですが、何か?」と付け加えてあった。これに対して以下のような趣旨の引用ツイートをした。「素人だから誤った情報を流布することが倫理的に許されるわけではありません。公開アカウントで発信するなら物事の事実関係は確認すべきです。カナダのアビガン違反広告の件を公的にアビガンの効能を認めたかのように発信したことをはじめ誤った情報をツイートしてますよね」なぜかこの時は一連のやり取りの中で最も多い「いいね」が付く。また、S先生も。あー、やっぱりまだ止められないんだなと思ってしまった。しかし、これでAさんからの返信は打ち止め。ここでほぼ丸2日間の応酬が終わった。しかし、このことを通じて改めて思ったのは、何かを固く信じている人ほど、さまざまな情報をあれこれ都合よく引用するという現実。コロナ禍が続く限り、こうしたことも永久機関のように続くのかと思うとうんざりである。

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アルツハイマー病およびMCI患者におけるCOVID-19の臨床アウトカム

 アルツハイマー病や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、高血圧などの共通のリスク因子を有しているといわれる。高血圧の治療においては、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が頻繁に使用される。米国・ベントリー大学のYing Wang氏らは、アルツハイマー病または軽度認知障害(MCI)の患者おけるCOVID-19に対する、ACEI/ARB使用の影響について調査した。その結果、ARB使用はアルツハイマー病およびMCIの患者におけるCOVID-19発症リスクの低下に有意な影響を及ぼしていることが報告された。Alzheimer's & Dementia誌オンライン版2022年4月4日号の報告。 対象は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の検査を行った退役軍人。アルツハイマー病またはMCIを有する場合と認知障害を有さない場合におけるCOVID-19アウトカムを比較するため、古典的スコアと傾向スコアの加重ロジスティック回帰分析を実施し、ACEI/ARB使用の影響を評価した。 主な結果は以下のとおり。・アルツハイマー病と感染率および死亡率の増加との間に、統計学的に有意な関連が認められた。・MCIは、感染のリスク因子であるとは認められなかった。・MCIを有する患者は、臨床アウトカムが不良であった。・ARBの使用により、アルツハイマー病およびMCIの患者におけるCOVID-19発症リスクの有意な低下が認められたが、ACEIでは認められなかった。 著者らは「アルツハイマー病またはMCIの患者においてCOVID-19の影響を減少させるためには、既存薬による効果を調査することが非常に重要である」としている。

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世界人口の40%超がコロナ感染、感染率の高い地域は?/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、オミクロン変異株(B.1.1.529)の急増が始まるまでに世界に衝撃的な影響を及ぼし、2021年11月14日の時点ですでに38億人の感染または再感染を引き起こし、世界人口の43.9%が少なくとも1回の感染を経験しており、累積感染割合は地域によって大きな差が認められることが、米国・ワシントン大学のRyan M. Barber氏らCOVID-19 Cumulative Infection Collaboratorsの調査で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2022年4月8日号に掲載された。バイアスの影響を受けにくい新たな推定法 研究グループは、COVID-19の世界的流行の開始から2021年11月14日までの期間における、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の1日の感染者数や累積感染者数、1回以上感染した集団の人口比率に関して、バイアスを最小限に抑えた頑健な推定値をもたらす新たな方法を提示する目的で、190の国と地域のデータを用いて統計解析を行った(ビル&メリンダ・ゲイツ財団などの助成を受けた)。 解析には、ジョンズ・ホプキンズ大学(米国、メリーランド州、ボルチモア市)と、各国の報告のあった症例、入院、死亡のデータベース、ならびに既報のレビューやSeroTracker、政府機関を介して特定された血清有病割合調査のデータが、主に使用された。 これらのデータについて、報告の遅れなどの既知のバイアスが修正され、SARS-CoV-2に起因する超過死亡率の統計モデルを用いて死亡の過少報告の原因が明らかにされ、血清有病割合調査のデータについて抗体感受性の低下やワクチン接種、SARS-CoV-2エスケープ変異株による再感染の補正が行われた。 次いで、感染-検出比(IDR)、感染-入院比(IHR)、感染-死亡比(IFR)の実証的データベースが構築され、各地域の完全な時系列の値を推定するために地域別および1日ごとのIDR、IHR、IFRを予測する統計モデルが開発され、既報の系統的レビューで正当化されている予測因子の検証が行われた。 次に、1日の感染者数の3つの推定値(症例数÷IDR、入院数÷IHR、死亡数÷IFR)を組み合わせることで、バイアスの影響を受けにくい、より確実な毎日の感染者数の推定値が算出された。さらに、この毎日の感染者数を用いて、累積感染者数と1回以上感染した患者の累積人口比率が推定され、累積感染者数と症例、入院、死亡の修正データを用いて、累積IDR、IHR、IFRの事後推定値が算出された。 最終的に、感染から他者への感染性獲得までの期間と、感染している期間を仮定して、1日の感染者数が、地域別および1日ごとのReffective(実効再生産数:新たな1人の感染者が、その後他者に感染させた感染者数)の当該期間の時系列に変換された。感染者数は南アジアで多く、高所得地域で少ない 2020年4月~2021年10月までに、世界の1日のSARS-CoV-2新規感染者数は300万~1,700万人の間で不規則に変動し、2021年4月中旬に最大となり、とくにインドで急増していた。また、COVID-19の世界的流行の開始から2021年11月14日の期間に、SARS-CoV-2感染と再感染を合わせた総感染者数は推定で38億人(95%不確定区間[UI]:34億4,000万~40億8,000万)に達し、世界人口のうち33億9,000万人(43.9%[95%UI:39.9~46.9])がSARS-CoV-2に1回以上感染していた。 累積感染者数は、7つの広域圏のうち南アジアが13億4,000万人(95%UI:12億~14億9,000万)と最も多かったが、累積感染率はサハラ以南のアフリカが100人当たり79.3人で最も高かった。また、高所得地域(日本を含む世界の高所得国を合わせた地域)は感染者数(2億3,900万人、95%UI:2億2,600万~2億5,200万)が最も少なく、東南アジア/東アジア(日本は高所得国に分類され、ここには含まれない)/オセアニアを合わせた地域は感染率(100人当たり13.0人[95%UI:8.4~17.7])が最も低かった。 累積感染割合は国や地域によって大きなばらつきがみられ、70%を超えた国が40ヵ国、20%未満が39ヵ国であった。 日本は、感染者数が645万人(不確定区間:508万~802万)、感染率は100人当たり5.0人(不確定区間:4.0~6.3)、感染割合は5.0%(不確定区間:4.0~6.2)だった。 Reffectiveとtotal immunity(特定地域の特定期間の人口における推定値[週平均])には明確な関連はなく、total immunityが80%の場合でもReffectiveの急速な低下の徴候は観察されず、データ上では明らかな集団免疫の閾値は認められなかった。 著者は、「これらの情報は、ワクチン接種の優先順位の決定など目標を絞った感染予防介入を行う際に有用となる可能性がある。また、今回の統計解析法は、新たに得られたデータに基づいて推定値を迅速に更新し、広く伝達することができるため、時宜にかなったCOVID-19の調査や科学研究、施策への対応においてきわめて重要な役割を担いうるだろう」としている。

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新型コロナ第6波の年代別・ワクチン接種回数別の重症化率と致死率

新型コロナ第6波における年代別・ワクチン接種回数別の重症化率と致死率010歳未満240.02006810<重症化率>012%210歳未満00010代00020代00030代00000020代00030代0.030040代0.090.05040代0.090.01050代0.500.11050代0.170.02060代70代1~2回接種3回接種0.470.310.9580代90代以上1.942.150.9760代1.7270代3.836.269.7690代以上810%未接種1~2回接種3回接種0.630.220.311.140.6380代7.623.676<致死率>10代未接種42.001.790.976.633.155.959.33協力の得られた石川県・茨城県・広島県のデータを使用し、2022年1月1日~2月28日における新型コロナウイルス感染者11万9,109人を対象に年代別・ワクチン接種回数別に、3月31日時点の状況での重症化率と致死率を暫定版として算出厚生労働省:第80回(令和4年4月13日)新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード事務局提出資料「第6波における重症化率・致死率について(暫定版)」より作図Copyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.

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コロナ禍の運動不足や孤独対策、どうするか【コロナ時代の認知症診療】第14回

“couch potato”な生活スタイルが高齢者にも?わが国ではCOVID-19(コロナ)が流行り始めた2020年の春頃から、自粛が進んだ。当初から高齢者では運動不足や活動範囲の制限による心身機能低下のへの注意が喚起されてきた。そして世界中での遷延化とともに、高齢者における活動量や身体機能をコロナ前後で比較し、その低下を報告した研究が相次いでいる。そして最近では、こうした研究のレビュー報告もでてきている。それらのレビューは当然ながら、いずれも運動量、活動範囲、消費エネルギーの低下などを報告している。このような低下が、下肢筋力の減少や、運動能力あるいは心肺機能さらにはバランスにまで影響することは、言うまでもない。新しい観点として、座りがちな生活(sedentary lifestyle)が指摘されている。数十年前から有名になったcouch potatoという英語俗語があった。これはカウチ(寝椅子)にくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごす自分の殻にこもった生活スタイルを意味する。このような状態は本来、青年や中年層のライフスタイルと思われたが、最近ではこれが高齢者でもみられるようだ(というよりカウチ青・中年が老年に至ったのか?)。実際、私の外来に来られる高齢患者のご家族がそうした指摘をされる。意外にローテクな方法が効果的な場合も?高齢者の運動不足解消また、階段の昇降段数も減っている。階段の上りの重要性はともかく、下りも大切だ。降ろした足が下のステップに着く際に、踵に重力がかかることで骨粗鬆症防御の役割も果たすのだそうだ。運動量や身体機能が下がっているのは当然としても、知的機能低下や社会交流の減少も同時に進行している。それだけに、この時代において、いかにして運動量やその関連要因の低下がもたらす弊害に対処するかの策が問題になる。多くの医学関連雑誌や行政から、コロナ禍で身体活動量を増やすことだけでなく、メンタルヘルスや社会交流の促しも視野に入れて具体的な提言などもなされている。現実的には、高齢者のITリテラシーを考慮するならローテクであろうか? たとえば週1回の電話利用、あるいは家庭訪問である。運動の分野ではこうした活動によって運動の実践を促し、転倒の危険性を少なくするように推奨されている。またハイテクならWeb利用だが、ノルウェーから自治体主催の包括的ITサービスの実例なども報告されている1,2)。PCやタブレットを用いて双方向性にコミュニケーションができるシステムである。実はこうしたサービスをわが国でもコロナ以前から実践してきた自治体もある3)。この実装のポイントは、面倒な契約などなく、クラウドや通信をひっくるめたインフラ込みの提供にあると思う。具体的には民生委員が関わるような事柄、たとえば見守りとか緊急連絡などに代表される高齢者への包括的なサービスを行ってきたようだ。世界初「孤独担当大臣」を置く英国での孤独対策コロナ禍により、飛沫感染を避けるためディスタンスは当たり前になった。そしてマスク、フェイスシールドを介してのコミュニケーションとなり、会話しながらの食事はもってのほかとなった。筆者は、見知らぬもの同士がすぐに仲良くなれる秘訣は、飲食を共にすることだと思う。その逆で、「孤食の害」はわかっていてもそうならざるを得ないのが現状である。諸悪の根源は「孤独」にあるとも言える。つまり老年心理学の観点に立つなら、「孤独」とは自分が他者から必要とされているとは思えない状態だと筆者は考えるからである。ところで英国は2018年「孤独担当大臣」を世界で初めて設けた。孤独は、肥満や1日15本の喫煙以上に体に悪く、孤独な人は、そうでない人に比べ、天寿を全うできないリスクが1.5倍に上がるとされる。そして孤独で生じる経済的損失は、約4.8兆円(日本の年間予算100兆円強)に達するとされている。そこで全国各地には、孤独対策に取り組む無数の草の根活動的な慈善団体があって、読書、音楽、スポーツなどのグループを作っている。男性の孤独解消に効果が高いと注目されるものに、mens’shed(メンズ・シェッド:男たちの集い処)がある。ここでは主に定年退職した男性が定期的に集まって、大工仕事などを一緒に行う。たとえばテーブルやベンチを作って公園に置いたり、学校に手作りの遊具を寄付したりする。皆で一緒にものを作ることで一体感が生まれ、そこからコミュニティとの絆が生まれる。さらに感謝の言葉もかけられれば、他者から自分は必要とされていると思え、生き甲斐に通じるのだそうだ。それなら確かに孤独解消につながるだろうと思われる。孤独を和らげ、身体活動や社会交流を促すためのポイントとして、屋内は駄目でも、屋外ならいいのではと考えている。というのは、コロナ禍の今でも大勢の人が集まる場所としてはゴルフ場がある。最近は市場空前の大盛況だと聞く。広々としたグリーンなら、少々喋っても構わないということである。地域でのゲートボールやグランドゴルフはこれに準ずるだろう。古典的ながら根強いのが、ラジオ体操である。基本は朝の6時頃に一定の公園など戸外に集い短時間の運動をしてあいさつ程度の言葉を交わすだけだ。けれども往復のウォーキングも加えると、コロナの時代に最低限の運動量は確保される。太極拳や自彊術であっても同様。小規模ながら、注目すべきものに老人会が主催するような公園等の清掃や環境整備が、また小学生の集団登校の見守り等もある。いずれも戸外で、マスクはしても比較的遠慮なくしゃべれる。また社会的な交流ができる。さらには自分のした仕事に対して、感謝や労いの言葉が向けられるところが重要である。お金ではない、こうした報酬が運動量を促すかもしれない。参考1)Sogstad M, et al.Health Serv Insights. 2020 Jun 8;13:1178632920922221.2)Rostad HM,et al.J Med Internet Res. 2021 Aug 16;23:e22316.3)アイラ株式会社プレスリリース

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手術室あるある【Dr. 中島の 新・徒然草】(423)

四百二十三の段 手術室あるあるもうすぐゴールデンウィーク!休みが近づくのは嬉しいものの、花粉症に悩まされる毎日です。今年はとくに花粉が多いのか、くしゃみが止まりません。なので、天気が良くても外出する気がせず、部屋に籠っております。そんな苦しい花粉症ですが、手術室に行くとピタリと止まります。というのも、手術室の空気には塵がほとんどないからです。自宅の部屋の1立方フィートの空気中の微粒子が、だいたい100万個程度のところ、クラス100の手術室だと、浮遊している微粒子は100個以下なので、花粉症対策には最適。さすがに手術室で鼻を垂れたり涙を流したりしている人はおらず、外科医にとっては安息の地であります。ところが、建物が古いせいなんでしょうね。ウチの手術室は室温調整が困難で、「暑い」と「寒い」の2つしか選択肢がありません。そのような場合には手術用下着の下にTシャツを着るなどしたうえで、「寒い」を選びます。とくに顕微鏡手術のときには、術者の座っている位置に天井からの冷風が直接当たるので、寒いことこの上ありません。微小血管吻合用の10-0の糸も、風にあおられて揺ら揺らしています。それでも諸般の事情で寒い方を選んでいるわけです。ところが、いきなり手術室が暑くなることがあります。「おい、やけに暑いぞ。温度下げてくれよ」と文句が出るのですが、「すみません。隣の部屋にカイザーが入ったんです」と、問答無用といわんばかりの返答。カイザーというのは帝王切開の俗称で、生まれてくる赤ん坊のために、あらかじめ室温を上げておくわけです。手術室の掟として、いかなる場合にもカイザーが最優先、というのがあります。なので我々も、熱帯気候の中で黙々と手術せざるを得ません。そんな中、突如「おぎゃあ、おぎゃあ!」という泣き声が聞こえてきます。隣の部屋にいる我々まで、ホッとするというか、嬉しくなるというか。ということで、全国共通の「手術室あるある」を述べさせていただきました。皆さん、花粉と戦いつつ、ゴールデンウィークを楽しみましょう。最後に1句花粉から 避難の先は 酷寒だ

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研修医が辞めない医局の仕組み【今日から始める「医師の働き方改革」】第10回

第10回 研修医が辞めない医局の仕組み春になると新人がやってきます。「最近の若者はよくわからない」という声はいつの時代も聞かれるものですが、育った環境が違えば価値観も変わります。長崎大学の医療教育開発センター 医師育成キャリア支援室室長の松島 加代子氏に、長崎大学の「メンター・メンティー制度」を紹介してもらいながら、ジェネレーションギャップを乗り越える育成のコツをお伝えします。―長崎大学のメンター・メンティー制度について教えてください私は長崎大学病院で研修医と医局をマッチングする役割を担っていますが、すでに10年以上運用している取り組みに「メンター・メンティー制度」があります。研修医一人ひとりにメンターを付け、研修中の相談に幅広く応じてもらっています。メンターは、医局全体から毎年公募しており、毎年多数の応募があります。年齢は20代から50代まで、診療科も幅広く、育児中の医師もいます。事務局が相手を決めるのではなく、研修医から希望を聞いたうえで、なるべくそれに沿うように決めます。研修医にはメンターから提出してもらった「プロフィールシート」を渡します。これには顔写真、年代、診療科、専門、卒業高校・大学、趣味、メッセージが書かれており、研修医はそれを見て指名する、という仕組みです。メンターのプロフィールシートの例同郷の先輩という理由や、選択する診療科を見据えてという視点でメンターを選ぶ研修医もいます。しっかりサポートを行えるよう、1人のメンターが担当する研修医は1人です。メンターに対しても「メンター研修」を実施し、コーチングの手法などを伝えています。研修医には、各科で指導医も付きますが、短い期間ではどうしても技術指導と医局紹介程度しかできません。初期研修はその後の専門を決める大事な期間でもあるので、メンターが研修期間を通してキャリア形成をサポートするようにしています。―研修医からの評判はどうですか良好です。若手のメンターに経験談を聞いたり、育児中のメンターに時間の使い方を聞いたり、将来自分がどのように働きたいかを意識した相談をしているようです。指導医には言いにくいことを相談しているケースもあると聞きます。全メンターから月に1度、メールで状況を共有してもらっています。私も積極的に返信し、時間を割いてメンターを引き受けてくれている方をサポートしています。おかげでこの取り組みは、ほかの大学病院から紹介してほしいとリクエストが来るようになりました。何でも相談できる身近な先輩の存在は、診療科に配属された後も力になっていると思います。毎年マッチングの苦労はありますが、これからも続けたいと思います。〈解説〉医師のキャリアが多様化し、研修医のキャリアの悩みも多様化しています。医局配属後も、専門医資格を取るか、結婚や子育てとキャリアをどう両立するのかなどの折に、メンター制度でできた先輩との絆が役立つことでしょう。上司・部下のような「タテ」の関係や、同期などの「ヨコ」の関係以外に、他科の先輩という「ナナメ」の関係が、固定化しやすい人間関係を打破します。コーチングの用語に「オートクライン」というものがあり、自分が話した言葉を自分で聞くことによって、自分が考えていたことに気付く、といった意味です。意見が否定されたり、笑われたりしない心理的安全性の高い場で話すことで自己理解が深まり、孤独にならずに働き続けることができます。長崎大学のメンター制度を参考に、若手をサポートする仕組みを検討してはいかがでしょうか。

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第106回 医師少数区域の勤務理由トップは「大学医局の人事」、自発性尊重の制度趣旨に逆行か

医師偏在対策として、医師少数区域の勤務経験者を地域医療支援病院の院長要件にした「医師少数区域経験認定医師」制度。医師不足地域での自発的な勤務の推進を柱の1つにしていたが、厚生労働省が3月30日に公表した調査結果によると、医師少数区域の勤務理由のトップは「大学医局の人事異動」だった。勤務地別のトップは岩手県で、厚生労働省が2019年に設定した医師少数三次医療圏のランキングで最下位の県だ。県内にある岩手医科大学の小川 彰理事長が日本私立医科大学協会(医大協)の会長を務めている体面も、自発的な勤務に逆行する結果に影響を及ぼしてはいないだろうか。2018年の通常国会で成立した改正医療法・医師法により、20年4月から医師少数区域などに6ヵ月以上勤務した医師を、厚労相が評価する認定制度が創設された。制度の創設に合わせ、地域医療支援病院の管理者は、同認定医師でなければならないといったインセンティブも付与し、医師偏在解消効果を狙っている。ちなみに、医師少数区域とは、人口10万対医師数に地域住民や医師の年齢構成などを加味した新たな指標を用いて、医師配置が下位3分の1となる地域のことだ。医師少数三次医療圏ワースト1の岩手県が申請医師数ではトップ厚労省が今回初めて行った「医師少数区域経験認定医師に関する調査」では、2020年10月1日から21年3月31日までに、医師少数区域経験認定医師の申請を行った医師数(申請医師数)は60人で、男性が50人、女性が10人だった。年齢別では、30~39歳が31人と半数以上を占め、次いで29歳以下が15人、50~59歳が7人だった。認定に必要な業務を行った勤務地は、岩手県が37人と申請医師数の半数を占めた。次いで香川県が12人、東京都が7人だった。申請医師数を出身地別で見たところ、認定に必要な業務を行った勤務地別の医師数と同様の傾向があり、岩手県が32人と最も多く、次いで香川県が9人、東京都が6人。「出身地」と「認定業務勤務地」が同じ都道府県だった人は、申請医師数の80%に当たる48人だった。岩手県は、厚生労働省が2019年に設定した医師少数三次医療圏のランキングで47位と最下位。一方、東京都は1位で、香川県は15位だった。この新たな医師偏在指標は対人口10万人医師数をベースに、供給では医師の労働時間、需要では受療率などを勘案したもので、人数で表される。東京都は329.0人、香川県は247.8人、岩手県は169.3人だった。勤務理由では「地域医療への貢献のため」は下位医師少数区域などにある病院に勤務した理由(複数回答可)で最も多かったのは「大学医局の人事異動」(28回答)。次いで「一定期間、地域で勤務することを要件とした奨学金貸与の義務履行」(15回答)、「医師少数区域などでの勤務経験を得たかったから」(11回答)などが続いた。一方、「地域医療への貢献のため」は4回答にとどまった。「大学医局の人事異動」に関していえば、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」と下部組織の「医師需給分科会」が2017年12月21日に行った「第2次中間取りまとめ」では、「若手の医師のみが、その意思に反して、強制的に医師の少ない地域に行かされるような仕組みであってはならない」と記されている。また、厚労省医事課の担当者は同日、認定医師に関して「強制的に医師少数区域に行かされるような仕組みにしてはいけない」と説明している。「大学医局の人事異動」は医師の自発的な勤務を尊重する制度の趣旨に反しているのではないか。岩手医科大理事長が医大協会長という体面が「大学医局の人事異動」に影響?とくに前述のランクワースト1の岩手県にある岩手医科大学では、理事長の小川 彰氏が医大協の会長を務めている。小川氏の体面もあり、「大学医局の人事異動」が行われ、自発的な勤務に逆行する結果に影響を及ぼしてはいないだろうか。話を認定医師調査に戻す。認定医師の申請理由(複数回答可)については、「国において、認定医個人などを対象とする経済的インセンティブの創設が検討されているから」(46回答)、「医療法上、地域医療支援病院の管理者になるためには、認定を受けなければならないから」(16回答)、「『医師少数区域経験認定医師』を広告に用いることができるから」(14回答)と現実的な理由が並ぶ。申請医師の従事する診療科名は「内科など複数診療科」(11回答)が最多だった。次いで「消化器内科(胃腸内科)」(7回答)、「循環器内科」・「眼科」(6回答)、「内科」(5回答)が続いた。申請医師の主たる診療科は「内科」(12回答)が最も多く、次いで「消化器内科(胃腸内科)」(8回答)、「循環器内科」・「眼科」(6回答)、「整形外科」(5回答)が続いた。厚労省は今後、同調査を毎年実施していくというが、制度の趣旨に反する結果が出ているようなら、申請医師や大学医学部などに聞き取り調査をする必要があるのではないだろうか。

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睡眠、不安、ビタミンDと周産期うつ病リスク

 周産期うつ病の頻度は高く、死亡率に影響を及ぼす疾患である。米国・サウスカロライナ医科大学のCourtney E. King氏らは、周産期うつ病リスクに影響を及ぼす修正可能な心理学的および生物学的因子を特定するため、検討を行った。その結果、妊娠初期の睡眠、不安および潜在的なビタミンD不足は、周産期うつ病リスクの増加と関連していることが示唆された。Reproductive Sciences誌オンライン版2022年3月29日号の報告。睡眠障害や不安症状、ビタミンD不足とうつ症状スコア 対象は、妊娠中の女性105人。妊娠8~12週および24~28週、産後6~8週および10~12週に、うつ症状、不安症状、睡眠障害の評価と血液検査を実施した。評価尺度として、うつ症状にはエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)、不安症状には全般不安症スコア(GAD)、睡眠障害にはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いた。 妊娠中の女性105人にうつ症状、不安症状、睡眠障害の評価と血液検査を実施した主な結果は以下のとおり。・研究期間中にうつ病基準を満たした女性は、105例中35例(33.3%)であった。・妊娠8~12週にPSQIスコア(OR:1.17、95%CI:1.04~1.33)またはGADスコア(OR:1.33、95%CI:1.18~1.48)の上昇が認められた女性は、その後の評価でうつ症状スコアが上昇する可能性が高かった。・ビタミンDレベルが20ng/L以下の女性は、フォローアップ期間中にうつ症状スコアが上昇する可能性が高かったが、統計学的な有意差は認められなかった(OR:2.40、95%CI:0.92~6.27)。・産後の評価への参加率は低かった。・本研究の限界として、うつ症状、不安症状、睡眠障害の評価には、自己報告尺度を用いた点が挙げられる。 著者らは「妊娠中の睡眠や不安の問題を軽減させ、適切なビタミンDレベルを確保することを目的とした介入は、周産期うつ病リスクを減少させるために重要である」としている。

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BRCA1/2遺伝子の病的バリアント、新たに3がん種との関連が明らかに/JAMA Oncol

 BRCA1/2遺伝子の病的バリアントは、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵がんの発症リスク上昇に関与することが知られている。今回、日本人集団における世界最大規模のがん種横断的ゲノム解析が実施され、BRCA1/2遺伝子の病的バリアントは上記4がん種のほかに胃がん、食道がん、胆道がんの発症リスクも上昇させることが示唆された。理化学研究所生命医科学研究センターの桃沢 幸秀氏らによるJAMA Oncology誌オンライン版2022年4月14日号への報告。病的バリアント保持率を各がん種の患者と対照者間で比較 研究グループは、2003年4月~2018年3月にバイオバンク・ジャパンに登録されたデータを用いて、胆道がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がん、子宮体がん、食道がん、胃がん、肝がん、肺がん、リンパ腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、腎がんの14がん種における計10万3,261人(患者群6万5,108人、対照群3万8,153人)について、BRCA1/2遺伝子のゲノム解析を実施。データの解析は、2019年8月~2021年10月に行われた。 ゲノム解析はターゲットシークエンス法を用いて、BRCA1/2遺伝子のタンパク質への翻訳に影響が大きいとされる翻訳領域およびその周辺2塩基の合計16,111塩基の配列を調査。病的バリアントと各がん種との関連は、各がん種の患者と対照者との間の病的バリアント保持率を比較することで評価した。 BRCA1/2遺伝子の病的バリアントと各がん種との関連を評価した主な結果は以下のとおり。・平均年齢は患者群(診断時)が64.1歳、対照群(登録時)が61.8歳。それぞれ女性が42.3%、46.9%だった。・1,810個の遺伝的バリアントが同定され、さらに、ENIGMAコンソーシアムの手法を用いて、これらの遺伝的バリアントから315個の病的バリアントが同定された。・オッズ比(OR)>4.0(本研究における統計学的基準:p<1×10-4)を満たしたのは、BRCA1遺伝子については、すでに病的バリアントと疾患リスクとの関連が知られている女性乳がん(OR:16.1)、卵巣がん(OR:75.6)、膵がん(OR:12.6)に加えて、胃がん(OR:5.2、95%信頼区間[CI]:2.6~10.5)、胆道がん(OR:17.4、95%CI:5.8~51.9)で関連が認められた。BRCA2遺伝子については、女性乳がん(OR:10.9)、男性乳がん(OR:67.9)、卵巣がん(OR:11.3)、膵がん(OR:10.7)、前立腺がん(OR:4.0)に加えて、胃がん(OR:4.7、95%CI:3.1~7.1)、食道がん(OR:5.6、95%CI:2.9~11.0)で病的バリアントとの関連が認められた。・なお、p<0.05の基準までみると、BRCA1遺伝子については肺がんとリンパ腫、BRCA2遺伝子については子宮頸がん、子宮体がん、肝がん、腎がんと病的バリアントとの関連が認められた。

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18歳未満のCOVID-19関連MIS-C、絶対リスクは?/BMJ

 デンマークの18歳未満の小児/青少年において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後の有害疾患の絶対リスクは概して低いが、RT-PCR検査で確認されたSARS-CoV-2感染者の0.05%(32/7万666例)に小児多系統炎症性症候群(MIS-C)が認められ、さらに感染者における急性期後の一般開業医受診割合がわずかに増加していることから、症状が持続している可能性があることを、南デンマーク大学のHelene Kildegaard氏らが報告した。これまで、小児/青少年のSARS-CoV-2感染による入院、集中治療室(ICU)入室、死亡および免疫介在性合併症の発生率は研究によって異なっていた。なお、本研究では18歳未満におけるBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の有効性についても検討され、デルタ株流行期において感染リスク低減に有効であることが示されている。BMJ誌2022年4月11日号掲載の報告。デンマークの18歳未満の約115万人について調査 研究グループは、デンマークの小児/青少年におけるSARS-CoV-2感染に続発する急性期および急性期後の有害疾患リスクを評価するとともに、BNT162b2ワクチンの有効性を評価する目的で、デンマークの患者、処方、健康保険およびワクチン接種に関する全国登録を用いたコホート研究を実施した。 対象は、2021年10月1日までにSARS-CoV-2のRT-PCR検査を受けたか、または同日以前にBNT162b2ワクチンの接種を受け、かつ同年10月31日以前に追跡調査を完了した18歳未満のすべての小児/青少年である。 評価項目は、入院(12時間以上)、ICU入室、MIS-C・心筋炎・神経免疫疾患などの重篤な合併症、および検査後6ヵ月までの薬物治療開始と医療機関受診のリスクとした。また、ワクチンの有効性について、ワクチン接種者ならびにマッチングした非接種者の、1回目接種20日後ならびに2回目接種60日後のリスク比を算出し、1-リスク比として評価した。 2021年10月1日時点で、デンマークにおける18歳未満の小児/青少年は115万1,849人であった。心筋炎や脳炎は認められず SARS-CoV-2のRT-PCR検査を受けた小児/青少年は99万1,682例で、このうち7万4,611例(7.5%)が陽性であった。感染判明後30日以内の入院の絶対リスクは0.49%(361/7万4,350例、95%信頼区間[CI]:0.44~0.54)、ICU入室の絶対リスクは0.01%(10/7万3,187例、0.01~0.03)であった。 また、感染判明後2ヵ月以内のMIS-Cの絶対リスクは0.05%(32/7万666例、95%CI:0.03~0.06)であったが、心筋炎や脳炎は認められず、ギランバレー症候群は5例未満であった。急性期後(感染後1~6ヵ月)においてSARS-CoV-2感染者は、調査期間中にSARS-CoV-2検査を受けた全小児/青少年から抽出した参照コホートと比較し、一般開業医の受診が1.08倍(95%CI:1.06~1.10)増加することが示された。 BNT162b2ワクチンの接種を受けた小児/青少年は全体で27万8,649例であった。デルタ株が優勢な時期において、ワクチン未接種者と比較し接種者のワクチン有効率は、1回目接種20日後(22万9,799例)で62%(95%CI:59~65)、2回目接種60日後(17万5,176例)で93%(92~94)であった。

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モデルナ追加接種用2価ワクチン候補、2倍以上の中和抗体価を確認

 米国・モデルナ社は4月19日付のプレスリリースで、同社初の追加接種用2価ワクチン候補(mRNA-1273.211)が、オミクロン株を含むすべての変異株に対し、同社の承認済みのワクチン(mRNA-1273、商品名:スパイクバックス筋注)と比較して優れた中和抗体価を示したことを発表した。ワクチン効果の優越性は、追加接種の6ヵ月後も維持されたという。なお、mRNA-1273.211の忍容性および安全性は、承認済みのmRNA-1273追加接種(50μg)とほぼ同様であった。本研究は、査読前論文のオンライン・アーカイブである「Research Square」※2022年4月15日号1)にも掲載された。※今後、審査によっては論文内容が修正される場合あり 本試験は、mRNA-1273.211の単回ブースター投与による反応原性および免疫原性を評価する非盲検第II/III相臨床試験で、少なくとも6ヵ月前にmRNA-1273の2回投与によるプライマリーシリーズを完了した米国の18歳以上の被験者896例を対象に、ワクチン候補mRNA-1273.211を50μg追加接種した群(300例、平均年齢50.7歳)と、100μg追加接種した群(596例、平均年齢53.0歳)を検証した。 主な結果は以下のとおり。・承認済みのmRNA-1273を50μg追加接種した後のオミクロン株に対する中和抗体価は、接種29日後で幾何平均抗体価(GMT):630.5(95%CI:520.0~764.9)、接種181日後でGMT:145.6(95%CI:118.1~179.5)となり、オミクロン株への強力な中和抗体反応が得られたものの、接種後6ヵ月で効果が減少した。・新たな2価ワクチン候補のmRNA-1273.211を追加接種した後のオミクロン株に対する中和抗体価は、接種29日後でGMT:1389.8(95%CI:1212.1~1593.4)、接種181日後でGMT:312.9(95%CI:269.5~363.4)となった。・mRNA-1273.211は、既存のmRNA-1273に比べ、中和抗体価が1ヵ月時点での幾何平均比(GMR):2.20(95%CI:1.74~2.79)、および6ヵ月時点でGMR:2.15(95%CI:1.66~2.78)となり、2倍以上増加したことが確認された。・mRNA-1273.211の50μg投与後の副作用の発現率と比較して、100μg投与後の副作用の発現率が高いことが確認されたが、忍容性はおおむね良好で、50μg投与後に非自発的に報告された副反応および自発的に報告された有害事象の発現率は、mRNA-1273の50μg接種と同程度だった。 同社は現在、オミクロン株の特異的な変異に対応した最新の追加接種用2価ワクチン(mRNA-1273.214)も第II/III相臨床試験で評価中。2022年秋の北半球用追加接種ワクチンの選定に向けて、試験の初期データが第2四半期中に得られる予定としている。 追加接種用2価ワクチン候補のmRNA-1273.211は、ベータ株に基づく、9個のスパイク蛋白の変異(うち4つはオミクロン株に存在する変異)に、mRNA-1273.214は、オミクロン株に基づく、32個のスパイク蛋白の変異に、それぞれ対応しているという。(ケアネット 古賀 公子)1)Safety, Immunogenicity and Antibody Persistence of a Bivalent Beta-Containing Booster Vaccine. Research Square. 15 Apr, 2022.

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