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鼻腔拭い液のコロナ検査、自己採取と医療者で結果は異なるか/JAMA

 4~14歳の小児が簡単な説明資材を視聴した後に自己採取した鼻腔拭い液からの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検出率は、医療従事者が採取した鼻腔拭い液での検出率とほぼ一致したことが、米国・エモリー大学のJesse J. Waggoner氏らが実施した横断研究の結果、示された。SARS-CoV-2の検査が拡大しているが、小児の自己採取が検査の精度に及ぼす影響が不明であるため、14歳未満の自己採取による鼻腔拭い液を用いた検査は緊急使用許可(EUA)が得られていなかった。JAMA誌オンライン版2022年8月26日号掲載の報告。小児に自己採取についてビデオと印刷物で説明 研究グループは、2021年7月~8月の期間に、Children’s Healthcare of Atlantaの各施設において過去24時間以内に鼻咽頭スワブ検査でSARS-CoV-2陽性または陰性が記録された小児を募集し、参加の同意が得られた症状を有する4~14歳の197例を登録した(130例は救急外来で登録され、67例は電話連絡により検査会場に戻るよう依頼)。 鼻腔拭い液の自己採取についての短い説明ビデオをタブレットまたはスマートフォンで見てもらうとともに、文章と画像で示した説明資料(印刷物)を配布した。 その後、まず参加者に被験者は鼻腔拭い液を自己採取してもらい、次に医療従事者(小児科の看護師)が2回目の検体を採取した。 主要評価項目は、EUAを取得しているリアルタイムRT-PCR検査によるSARS-CoV-2検出と、サイクル閾値(Ct値)による相対定量の、自己採取と医療従事者採取の比較とした。自己採取と看護師採取での一致率は、SARS-CoV-2陽性も陰性も約98% 197例中1例は、医療従事者が採取した検体が無効であったため解析から除外された。196例のうち108例(55.1%)が男性で、年齢中央値は9歳(四分位範囲[IQR]:6~11)であった。 自己採取および医療従事者採取の両方でSARS-CoV-2陽性は44.4%(87/196例)、陰性は53.6%(105/196例)で、いずれか片方のみが陽性はそれぞれ2例であった。 自己採取と医療従事者採取の陽性一致率は97.8%(95%信頼区間[CI]:94.7~100.0)、陰性一致率は98.1%(95.6~100.0)であり、SARS-CoV-2のCt値に両群間で有意差は確認されなかった(Ct値の平均値±SD:自己採取26.7±5.4 vs.医療従事者採取26.3±6.0、p=0.65)。 なお、著者は、参加者が有症者に限定されていたこと、デルタ株の流行期であったこと、参加は自主的であり選択バイアスにつながる可能性があること、などを研究の限界として挙げている。

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冠動脈の中等度狭窄、FFRガイド下PCI vs IVUSガイド下PCI/NEJM

 虚血性心疾患が疑われる中等度狭窄患者において、冠血流予備量比(FFR)ガイド下での経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は血管内超音波法(IVUS)ガイド下と比較し、24ヵ月時点での死亡・心筋梗塞・再血行再建術の複合イベントの発生に関して非劣性であることが示された。韓国・ソウル大学病院のBon-Kwon Koo氏らが、韓国および中国の18施設で実施した無作為化非盲検試験「Fractional Flow Reserve and Intravascular Ultrasound-Guided Intervention Strategy for Clinical Outcomes in Patients with Intermediate Stenosis trial:FLAVOUR試験」の結果を報告した。冠動脈疾患患者のPCI評価において、血行再建術およびステント留置の決定にFFRまたはIVUSによるガイドを用いることができるが、両目的のためにどちらか一方のガイドを用いた場合の臨床アウトカムの差異は不明であった。NEJM誌2022年9月1日号掲載の報告。1,682例を対象に、2年後の死亡・心筋梗塞・再血行再建術の複合を比較 研究グループは、虚血性心疾患が疑われ、冠動脈造影で中等度狭窄(目測で2.5mm以上の標的血管に40~70%のde novo狭窄)を認め、PCIの施行が検討されている19歳以上の患者を、FFRガイド群またはIVUSガイド群に、施設および糖尿病の有無で層別して1対1の割合で無作為に割り付けた。 PCIの実施基準は、FFRガイド群ではFFR≦0.80、IVUSガイド群では最小内腔面積≦3mm2、または3~4mm2でプラーク量>70%とした。 主要評価項目は無作為化後24ヵ月時点での全死亡・心筋梗塞・再血行再建術の複合で、IVUSガイド群に対するFFRガイド群の非劣性マージンは2.5%とした。副次評価項目は、主要評価項目の各イベント、脳卒中、シアトル狭心症質問票(Seattle Angina Questionnaire:SAQ)で評価した患者報告アウトカムなどであった。 2016年7月~2019年8月に4,355例がスクリーニングを受け、選択基準を満たした1,682例が、FFRガイド群838例、IVUSガイド群844例に割り付けられた。FFRガイド下PCIはIVUSガイド下PCIに対して非劣性 PCI実施率は、FFR群44.4%、IVUS群65.3%であった。無作為化後24ヵ月間に、FFR群で67例、IVUS群で71例に主要評価項目の複合イベントが発生した。Kaplan-Meier法で推定した発生率は、FFR群8.1%、IVUS群8.5%であり、非劣性マージンを満たした(絶対差:-0.4%、片側95%信頼区間[CI]上限値:1.8%、片側97.5%CI上限値:2.2%、非劣性のp=0.01)。 副次評価項目については、FFR群とIVUS群で全死亡(1.3% vs.2.3%)、心筋梗塞(1.9% vs.1.7%)、再血行再建術(5.7% vs.5.3%)、脳卒中(0.7% vs.1.2%)のいずれも有意差はなく、SAQで評価した患者報告アウトカムも両群で類似していた。

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オミクロン株流行中のニルマトレルビルによるCOVID-19の重症化転帰(解説:寺田教彦氏)

 ニルマトレルビルは、本邦では商品名「パキロビッドパック(以下パキロビッド)」としてCOVID-19重症化予防薬として用いられている。「パキロビッド」はニルマトレルビルをリトナビルでブーストした薬剤であり、効果的な経口抗ウイルス薬である。ただし、リトナビル成分のため、併用禁忌や併用注意の薬剤が多いことが知られており、投薬時には投薬歴を確認する必要がある。 同薬剤は、症状を伴うCOVID-19に罹患した、重症化リスクの高いワクチン未接種の成人を対象とした試験(EPIC-HR試験)においてプラセボと比較して、入院または死亡のリスクを88%低減させ、高い有効性を示した(Hammond JS, et al. N Engl J Med. 2022;386:1397-1408.)。有効性の直接比較はされていないが、同様の患者集団で報告されたレムデシビルの有効性に匹敵し(Gottlieb RL, et al. N Engl J Med. 2022;386:305-315.)、モルヌピラビルの有効性に勝る可能性もあり(Jayk Bernal A, et al. N Engl J Med. 2022;386:509-520.)、本邦でも外来患者で重症化リスクの高い患者に用いられている。 2022年9月現在、新型コロナウイルスはオミクロン株が流行しているが、EPIC-HR試験はデルタ株流行下で行われた研究である。ニルマトレルビルのオミクロン株に対する抗ウイルス薬は実験室上のデータではあるが、BA.2.12.1、BA.4、BA.5の各系統の増殖を効果的に抑制することが示されたため、(Takashita E, et al. N Engl J Med. 2022;387:468-470.)、オミクロン株流行下でも有効性を期待され使用されていた。 ただし、オミクロン株流行下での同薬剤の有効性を臨床現場で評価したデータではないため、オミクロン株流行中のニルマトレルビル投与はCOVID-19重症化予防にどの程度寄与するかはエビデンスが乏しかった。今回の研究で、オミクロン株が急増しているイスラエルで、ニルマトレルビルの無作為化対照試験が行われ、オミクロン株でも重症化予防効果を確認することができた。さらに、実臨床で参考にできるポイントとして、ワクチン接種や罹患に伴う免疫状況や年齢によるサブグループ解析が行われている点がある。 EPIC-HR試験の対象と本邦の執筆時のCOVID-19罹患者の差異として、流行株が異なること以外にワクチン接種の有無があるだろう。本邦では新型コロナウイルスワクチン接種は進み、重症化する患者の減少に寄与した。しかし、ワクチンを接種していても高齢者や重症化リスクの高い患者の中には咽頭痛や倦怠感が強くなり、入院を要する患者がいることも事実である。2022年9月の本邦ではワクチン未接種者、COVID-19未罹患者の診療を行うことはあるが、それよりもワクチン接種済み患者や、COVID-19罹患歴のある患者の診療の機会のほうが多い。ワクチン接種歴のある患者についても、ニルマトレルビル投与は有意な重症化予防効果が得られるかは不明確であったが、本研究では免疫状態に関してもサブグループ解析を実施しており参考にできる。 本研究で、65歳以上の患者でCOVID-19による入院率は、ニルマトレルビル投与患者では14.7例/10万人日に対して、非投与群では58.9/10万人日(補正ハザード比:0.27、95%CI:0.15~0.49)であり、死亡ハザード比は0.21(95%CI:0.05~0.82)と有意差が認められた。 それに対して40~64歳の患者に関しては、COVID-19による入院率は、ニルマトレルビル投与患者では15.2例/10万人日に対して、非投与群では15.8/10万人日(補正ハザード比 0.74、95%CI:0.35~1.58)であり、死亡ハザード比は1.32 (95%CI:0.16~10.75)だった。 以上より、本文では65歳以上の患者では、ニルマトレルビル投与により入院率や死亡率は低下をしたが、65歳未満の成人に関しては明らかなメリットは判明しなかったと結論付けている。 確かに、上記の40~64歳未満の患者では有意差はないが、免疫状態も加味したサブグループ解析では、結果がやや異なる。ニルマトレルビルを投与された40~64歳患者で、入院調整ハザード比は免疫を有している患者では1.13(95%CI:0.50~2.58)ではあるが、免疫のない患者では0.23(95%CI:0.03~1.67)であった。 本研究の結果から、「パキロビッド」をどのような患者に用いるかについて考える。 臨床的な問題としては、重症化リスクにはさまざまな因子があり、ワクチン接種状況や年齢などの因子も関与するため、画一的に抗ウイルス薬の適応は決めることは難しいが、NIHのCOVID-19治療ガイドライン(Prioritization of Anti-SARS-CoV-2 Therapies for the Treatment and Prevention of COVID-19 When There Are Logistical or Supply Constraints Last Updated: May 13, 2022)では、抗ウイルス薬の使用を優先させるべきリスク集団を提案している。 今回の結果を参考にすると、65歳以上の重症化リスクがある場合はワクチン接種済(グループ3)でも、ワクチン接種なし(グループ2)でも投与のメリットが確認され、40~64歳でも重症化のリスクはあるがワクチン未接種(グループ2)ならば投与のメリットはありそうである。 最終的には個々の症例で検討する必要はあるが、本研究結果からも抗ウイルス薬の使用を優先させるべきリスク集団で3以上のグループで「パキロビッド」の投与は理にかなっていそうである。 流行株がオミクロン株に変化し、デルタ株と比較して入院を要したり重症化したりする率は低下してきた(Menni C, et al. Lancet. 2022;399:1618-1624.)。しかし、オミクロン株でもCOVID-19に伴い原疾患が悪化したり、もともと身体機能に余力が乏しい患者では入院を要したりすることもあり、内服で高い重症化予防率を示す「パキロビッド」は患者の重症化および入院予防の一助になる。抗ウイルス薬は高価な薬剤であり、また副作用を起こすこともあるため、慎重に適応を考える必要はあるが、投与が好ましい患者には適切に使われることを期待したい。 また、オミクロン株に対する抗ウイルス薬の効果に関しては、本論文以降に発表された研究で、オミクロン株BA.2流行中の香港において、モルヌピラビルとニルマトレルビル・リトナビル投与により、死亡、疾患進行、酸素療法をどの程度回避できるかの報告がある(Wong CKH, et al. Lancet Infect Dis. 2022 Aug 24. [Epub ahead of print])。コントロール群と比較してモルヌピラビル群は52%、ニルマトレルビル・リトナビル群は66%死亡リスクが減少していた。抗ウイルス薬のhead-to-headの比較ではないが、こちらの結果からも重症化リスクの高い外来患者では、可能な限り「パキロビッド」が投与できるように調整してみることが好ましいかもしれない。

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続・腹を立てない方法【Dr. 中島の 新・徒然草】(442)

四百四十二の段 続・腹を立てない方法9月になりましたが、涼しくなったり暑くなったり台風が来たり。もう無茶苦茶です。まだまだ暑いので、車に乗るときにはクーラー全開。なので下りると必ず眼鏡が曇ってしまいます。本格的な秋はいつになったら来るのでしょうか?さて、4年ほど前のこと。本欄で「二百二十八の段 腹を立てない方法」というのを紹介しました。そのキッカケとなった事件は、電車に乗ってきた小学生くらいの男の子に「ハゲや!」と叫ばれたことです。母親と思しき女性は「すいませんねえ」と言ってヘラヘラしているだけ。私自身もうまく言い返すことができず、悔しい思いをしました。ずっと後になって思いついたセリフが「ハゲって漢字でどう書くのか、おっちゃんに教えてくれるか?」というものです。世の中の小学生の99%は答えることができないでしょう。そこですかさず「小学生やったら無理かな。ほな、お母ちゃん教えてくれるか?」と母子まとめて言い負かすわけですよ。しかし、この方法では相手がルサンチマンを持つだけで、決してハッピーエンドではありません。そこで最近、思い付いたのが別の方法。ネットで読んだ記事をヒントにしています。小学生「ハゲや!」母親「すみませんねえ」中島「ボク、おっちゃんが何でハゲたかわかるか?」小学生「ええ? わからん」中島「子供の時に野菜を食べへんかったからや」小学生「野菜食べへんかったらハゲるの?」中島「そや。とくにピーマンとニンジンをちゃんと食べとけよ。おっちゃんみたいにハゲるぞ」小学生「うん」きっと横にいるお母さんも、ヘラヘラをやめて感謝してくれることでしょう。こういう返し方を思い付くと、実際にやってみたくなるものです。電車に乗ったら「ハゲや!」という小学生に出会えますかね。最後に1句台風や 野菜食べつつ やり過ごす

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知っておきたい新しいオピオイド(1)タペンタドール【非専門医のための緩和ケアTips】第35回

第35回 知っておきたい新しいオピオイド(1)タペンタドール私が緩和ケアの仕事を始めた頃と比べ、臨床で活用できるオピオイドが増えています。今回は、国内承認が比較的最近で、使ったことのある方がまだ少ないと思われる「タペンタドール」についてお話しします。今日の質問「オピオイドといえばモルヒネ」という時代からすると、さまざまなオピオイドの選択肢が増えたことは良いのですが、使い分けがよくわかりません。先日、がん拠点病院から紹介されてきた患者さんは、タペンタドールというオピオイドを内服していました。どういった特徴のある薬剤なのでしょうか?タペンタドール(商品名:タペンタ)は、2014年に保険承認されました。緩和ケアを専門とする医療者には広く知られるようになった一方で、プライマリ・ケア領域では、まだ使用経験のない先生も多いでしょう。タペンタドールは「強オピオイド」に位置付けられる薬剤です。日本では徐放製剤のみが発売されており、適応は各種がんにおける中等度から高度の疼痛です。タペンタドールは薬理学的にはユニークな特徴があります。腎機能障害があっても使用ができ、便秘が少ないとされています。このあたりはモルヒネと比較して、好んで使用される特徴でしょう。オピオイドはμオピオイド受容体を介した鎮痛効果が中心ですが、タペンタドールはSNRI様作用も有しています。SNRIと聞いて抗うつ薬を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。緩和ケア領域では抗うつ薬を神経障害性疼痛に対する鎮痛補助薬として用います。タペンタドールはこの鎮痛補助役としての作用も有する、ユニークなオピオイドなのです。より薬理学的なポイントとしては、「CYP2D6」という酵素活性に影響を受けない代謝経路になっていることが挙げられます。これは他薬剤との併用の際に大切です。併用薬剤によっては代謝酵素に影響を及ぼし、作用が減弱したり逆に予想よりも強く出たり、といった相互作用が生じるのです。さらなる特徴は、オピオイドの濫用防止の加工がしてあることです。粉砕できないように加工されており、水に溶かすとネバネバのゼリー状になります。よって、経管投与ができません。注射薬もないので、内服が難しくなりそうな患者の場合は、早めに別のオピオイドに変更するマネジメントが必要になります。私がタペンタドールが最も適すると感じるのは、頭頸部がんの難治性がん疼痛の患者、抗真菌薬のような相互作用に注意が必要な薬剤をよく使う血液腫瘍の患者さんなどです。もちろん、こうした患者さんは内服が難しい状況にもなりやすいのでその見極めも必要です。そうした意味では、少し“上級者向け”のオピオイドといえるかもしれません。今回のTips今回のTipsタペンタドールはユニークな特性を持つ、少し“上級者向け”のオピオイド。

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第10回 第7波で終わるはずもなく

第7波の収束と死亡者数全国各地のコロナ病棟で第7波の収束の兆しが見えてきました。新学期が始まってリバウンドする可能性もあったのですが、とりあえず第7波の喧騒もそろそろ落ち着いてきましたね(図1)。図1. 国内の新型コロナ新規陽性者数と死亡者数(筆者作成)現状をまとめてみましょう。感染者が急激に増えて死亡者数が問題になったのは第3波以降ですが、過去最多の死亡者数を記録したのは、執筆時点では第6波です。「ただの風邪だろう」と思われていたオミクロン株の伝播性が過去最悪で、多くの高齢者が死亡することになりました。第7波はBA.5が主体でした。第6波を超える感染者数だったことから、おそらく第7波の死亡者数が最多になるのではと予想されています。ピークアウトしつつあるとはいえ、第7波はすでに1万人の死亡者数を突破していることから、前波を超える死亡者数に到達するでしょう(図2)。図2. 新型コロナ 各波の死亡者数(筆者作成)現在、新型コロナ病床に残っているのは、施設や自宅に戻ることが難しくなった寝たきりの高齢者が主体で、後方支援病院に搬送が滞っている状況はコロナ禍初期からあまり変わらない光景です。いくら自治体が後方支援をお願いしても、過活動性の認知症の患者さんを引き受けてくれるところは多くありません。第8波はどうなる?第7波で終わって、第8波が来ないということは医学的にありえませんので、間違いなく第8波はやってきます。ただ、発生届を一定の重症度以上の患者さんに絞っている自治体が出てきており(宮城県など)、感染者数の全容が把握できない自治体は増えてくるかもしれません。となると、第8波がどのような年齢層にどのような重症度で広がっていくのかという解釈は後付けになってしまい、何となく医療逼迫度がこのくらいかなという印象を肌で感じながら立ち向かうことになると予想されます。いずれにしても日本はウィズコロナに舵を切らなければいけなくなったわけですから、第8波はほぼ現状の武器で立ち向かうことになります。感染者数がそこまで多くないように見えるのに、救急医療などがじわじわと逼迫する見えない恐怖と戦うような波にならないことを祈るばかりです。

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ブースター接種、異種のほうが効果が持続する可能性

 世界的に新型コロナワクチンのブースター接種が進む中で、同種・異種ワクチンのどちらがブースター接種により適しているかを検討した研究結果が発表された。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのC.Sabrina Tan氏らによる本研究は、JAMA Network Open誌2022年8月1日号に掲載された。 研究者らは、少なくとも6ヵ月前にBNT162b2(ファイザー製)の2回接種を完了した68例を対象に、ファイザー製とAd26.COV2.S(Johnson & Johnson製)によるブースター接種を行い、4ヵ月後の液性および細胞性免疫反応を評価した。 参加者の登録は2021年8月12日~10月25日に行われ、SARS-CoV-2感染既往がある場合、他のワクチンの接種を受けている場合、免疫抑制剤の投与を受けている場合は除外された。4ヵ月後にフォローアップを行い、データ解析は2021年11月~2022年2月にかけて行われた。主要評価項目は4ヵ月(16週)後の中和抗体、結合抗体、機能的抗体による免疫応答だった。 主な結果は以下のとおり。・68例中、27例がファイザー製(年齢中央値[SD]35[23~76]歳)、41例がJ&J製(36[23~84]歳)のブースター接種を受けた。56例(82%)が女性だった。・いずれのワクチンも、懸念される変異株に対するものも含め、体液性および細胞性免疫反応の増加と関連していた。・オミクロン株に対する中和抗体の値は、ファイザー製のブースター接種では2週目に中央値(IQR)1,018(699~1,646)をピークに、16週目には148(95~266)まで6.9倍減少した。J&J製では、4週目に中央値(IQR)859(467~1,838)をピークに、16週目には403(208~1,130)まで2.1倍減少した。 著者らは、「J&J製のアデノウイルスベクターワクチンはmRNAワクチンと比較して初期の抗体価は低いものの、16週後の抗体応答および防御効果についてはmRNAワクチンよりも持続していた。これらの知見は今後のブースター戦略に役立つものだ」としている。

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認知症の興奮症状に対するモンテッソーリケアの有効性~メタ解析

 子供の主体性や尊厳を尊重する幼児教育理論であるモンテッソーリ教育を、高齢者や認知症介護に取り入れたモンテッソーリケアは、西欧諸国において興奮症状の治療に有用な非薬理学的介入であることが報告されている。しかし、アジア人を対象とした研究のほとんどはサンプルサイズが小さく一貫性が認められていないため、その結果の信頼性は制限されている。中国・The Third Hospital of QuzhouのLingyan Xu氏らは、アジア人認知症患者における認知症関連興奮症状に対するモンテッソーリケアの有効性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、アジア人認知症患者に対するモンテッソーリケアは、標準ケアと比較し、とくに身体的攻撃性による興奮症状を減少させる可能性が示唆された。しかし著者らは、本研究では、身体的非攻撃行動や言葉による攻撃行動に対する有効性が認められなかったことから、身体的攻撃性に対する効果の信頼性についても、今後のさらなる検討が求められるとしている。Medicine誌2022年8月12日号の報告。 プロスペクティブランダム化臨床研究(RCT)より、利用可能なデータを抽出した。身体的攻撃行動、身体的非攻撃行動、言葉による攻撃行動のアウトカムをプールした。データソースは、Medline、Embase、Cochrane Library、China National Knowledge Infrastructure(CNKI)、WanFang、China Science and Technology Journal Database(VIP)。適格基準は、アジア人認知症患者における認知症関連興奮症状に対するモンテッソーリケアの有効性を評価するため実施されたプロスペクティブRCTとした。独立した2人の研究者が、該当文献より利用可能なデータ(ベースライン特性およびアウトカム)を抽出した。モンテッソーリケアと標準ケアの有効性を比較するため、Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)およびNurses’ Observation Scale for Inpatient Evaluation(NOSIE)を含む測定尺度を用いた。加重平均差を用いたプール分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析には、合計460例が含まれた。・モンテッソーリケアによる興奮症状のプールされた平均差は、標準ケアと比較し、-3.86(95%CI:-7.38~-0.34、p=0.03)であった。・モンテッソーリケアによる各症状のプールされた平均差は、以下のとおりであった。 ●身体的攻撃行動:-0.82(95%CI:-1.10~-0.55、p<0.00001) ●身体的非攻撃行動:-0.81(95%CI:-1.68~0.55、p=0.07) ●言葉による攻撃行動:0.38(95%CI:-0.92~1.68、p=0.57)

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乳腺密度とサブタイプ、予後の関連~日本人女性患者の検討から

 高濃度乳房は乳がんリスクが高いというコンセンサスは得られている一方で、乳腺密度と乳がんサブタイプの関連については相反する報告がある。聖路加国際病院の山田 大輔氏らは、日本人女性の乳腺密度ごとの乳がんサブタイプの傾向を調査し、生存率を解析。Clinical breast cancer誌2022年8月号に報告した。 2007~08年にかけて,聖路加国際病院でマンモグラフィ検査を受け,病理診断を受けた浸潤性乳がんの日本人患者1,258例が対象。乳腺密度(高濃度乳房、非高濃度乳房)を初回のマンモグラフィー所見に基づいて分類し、がんのサブタイプと比較した。高濃度乳房と非高濃度乳房の患者について、それぞれ5年および10年生存率に関する情報をカルテレビューにより収集した。統計解析は、乳腺密度とがんのサブタイプについてピアソンのカイ二乗検定を用いて行った。死亡に対する乳腺密度の影響については、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて検討され、調整ハザード比が算出された。 主な結果は以下のとおり。・乳がんのサブタイプと乳腺密度の間に有意差は認められなかった(p=0.08)。・5年生存率(log-rank検定のp=0.09)および10年生存率(log-rank検定のp=0.31)は、乳腺密度によって有意差はなかった。

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4つのステップで糖尿病治療薬を判断/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、9月5日に同学会のホームページで「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を発表した。 このアルゴリズムは2型糖尿病治療の適正化を目的に、糖尿病の病態に応じて治療薬を選択することを最重要視し、エビデンスとわが国における処方実態を勘案して作成されている。 具体的には、「Step 1」として病態に応じた薬剤選択、「Step 2」として安全性への配慮、「Step 3」としてAdditional benefitsを考慮するべき併存疾患をあげ、「Step 4」では考慮すべき患者背景をあげ、薬剤を選択するアルゴリズムになっている。 同アルゴリズムを作成した日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会では序文で「わが国での糖尿病診療の向上に貢献することを期待するとともに、新しいエビデンスを加えながら、より良いものに進化し続けていくことを願っている」と今後の活用に期待をにじませている。体形、安全性、併存疾患、そして患者背景で判断 わが国の2型糖尿病の初回処方の実態は欧米とは大きく異なっている。高齢者へのビグアナイド薬(メトホルミン)やSGLT2阻害薬投与に関する注意喚起が広く浸透していること、それに伴い高齢者にはDPP4阻害薬が選択される傾向が認められている。 その一方で、初回処方にビグアナイド薬が一切使われない日本糖尿病学会非認定教育施設が38.2%も存在していたことも明らかになり、2型糖尿病治療の適正化の一助となる薬物療法のアルゴリズムが必要とされた。 そこで、作成のコンセプトとして、糖尿病の病態に応じて治療薬を選択することを最重要視し、エビデンスとわが国における処方実態を勘案して制作された。 最初にインスリンの適応(絶対的/相対的)を判断したうえで、目標HbA1cを決定(目標値は熊本宣言2013などを参照)し、下記のステップへ進むことになる。【Step 1 病態に応じた薬剤選択】・非肥満(インスリン分泌不全を想定)DPP-4阻害薬、ビグアナイト薬、α-グルコシダーゼ阻害薬など・肥満(インスリン抵抗性を想定)ビグアナイト薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など【Step 2 安全性への配慮】別表*に考慮すべき項目で赤に該当するものは避ける(例:低血糖リスクの高い高齢者にはSU薬、グリニド薬を避ける)【Step 3 Additional benefitsを考慮するべき併存疾患】・慢性腎臓病:SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬・腎不全:SGLT2阻害薬・心血管疾患:SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬【Step 4 考慮すべき患者背景】別表*の服薬継続率およびコストを参照に薬剤を選択(フォロー)・薬物療法開始後、およそ3ヵ月ごとに治療法の再評価と修正を検討する。・目標HbA1cを達成できなかった場合は、病態や合併症に沿った食事療法、運動療法、生活習慣改善を促すと同時に、Step1に立ち返り、薬剤の追加などを検討する。*別表 安全な血糖管理達成のための糖尿病治療薬の血糖降下作用・低血糖リスク・禁忌・服薬継続率・コストのまとめ―本邦における初回処方の頻度順の並びで比較―(本稿では省略)

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SGLT-2阻害薬、全心不全患者の心血管死・入院を抑制/Lancet

 心不全患者に対するSGLT-2阻害薬は、駆出率や治療施設の違いにかかわらず、心血管死または心不全による入院リスクを有意に低減することが示された。米国・ハーバード・メディカル・スクールのMuthiah Vaduganathan氏らが、駆出率が軽度低下または駆出率が保持された心不全をそれぞれ対象にした大規模試験「DELIVER試験」「EMPEROR-Preserved試験」を含む計5試験、被験者総数2万1,947例を対象にメタ解析を行い明らかにした。SGLT-2阻害薬は、駆出率が低下した心不全患者の治療についてはガイドラインで強く推奨されている。しかし、駆出率が高い場合の臨床ベネフィットは確認されていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「SGLT-2阻害薬は、駆出率や治療施設の違いにかかわらず、すべて心不全患者の基礎的治療とみなすべきである」と述べている。Lancet誌2022年9月3日号掲載の報告。幅広い心不全患者を対象に調査 研究グループは、駆出率が低下または保持されている心不全患者を対象とした2つの大規模試験「DELIVER試験」「EMPEROR-Preserved試験」と、駆出率が低下した心不全患者を対象とした「DAPA-HF試験」「EMPEROR-Reduced試験」、駆出率を問わず心不全の悪化で入院した患者を対象とした「SOLOIST-WHF試験」について、事前規定のメタ解析を行い、心血管死および患者サブグループにおけるSGLT-2阻害薬の治療効果を調べた。 各試験データと共通エンドポイントを用い、固定効果メタ解析を行い、心不全の種々のエンドポイントに対するSGLT-2阻害薬の有効性を検証した。 今回のメタ解析の主要エンドポイントは、無作為化から心血管死または心不全による入院までの時間だった。また、注目されるサブグループで、主要エンドポイントの治療効果の不均一性を評価した。心血管死/心不全入院を20%低減 「DELIVER試験」と「EMPEROR-Preserved試験」の被験者総数1万2,251例において、SGLT-2阻害薬は心血管死または心不全による入院を低減し(ハザード比[HR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.73~0.87)、各イベントについても一貫して低減が認められた(心血管死のHR:0.88、95%CI:0.77~1.00、心不全による初回入院のHR:0.74、95%CI:0.67~0.83)。 より幅広い被験者を対象とした全5試験の被験者総数2万1,947例における解析でも、SGLT-2阻害薬は心血管死または心不全による入院リスクを低減し(HR:0.77、95%CI:0.72~0.82)、心血管死(0.87、0.79~0.95)、心不全による初回入院(0.72、0.67~0.78)、全死因死亡(0.92、0.86~0.99)のリスクも低減することが認められた。 これらの治療効果は、駆出率が軽度低下した心不全または保持された心不全を対象とした2試験において、また5試験すべてにおいても一貫して観察された。さらに、主要エンドポイントに関するSGLT-2阻害薬の治療効果は、評価した14のサブグループ(駆出率の違いなどを含む)でも概して一貫していた。

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リウマチ性心疾患AF、ビタミンK拮抗薬がリバーロキサバンより有効/NEJM

 リウマチ性心疾患のAF(心房細動)患者において、ビタミンK拮抗薬治療はリバーロキサバン治療よりも、心血管イベントまたは死亡の複合発生率が低く、出血の発生率は両群で有意差はないことが、カナダ・マックマスター大学のStuart J. Connolly氏らによる4,565例を対象とした非盲検無作為化試験の結果、示された。リウマチ性心疾患の心房細動患者における心血管イベントの予防について、第Xa因子阻害薬の試験は限られていた。NEJM誌オンライン版2022年8月28日号掲載の報告。リバーロキサバンのビタミンK拮抗薬に対する非劣性を検証 研究グループは、心エコーでリウマチ性心疾患が確認された心房細動で、CHA2DS2VAScスコアが2以上(スコア範囲0~9、高スコアほど脳卒中リスクが高い)、僧帽弁口面積2cm2以下、左心房もやもやエコー、左房血栓のいずれかが認められた患者を登録し試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはリバーロキサバン標準量を、もう一方には用量調節にてビタミンK拮抗薬を投与した。 有効性に関する主要アウトカムは、脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞、血管疾患(心臓性、非心臓性)または原因不明による死亡の複合だった。安全性に関する主要アウトカムは、国際血栓止血学会(ISTH)の定義による大出血。 研究グループは、リバーロキサバンがビタミンK拮抗薬に対し、非劣性であると仮説を立て検証した。死亡率もリバーロキサバン群がビタミンK拮抗薬群より高率 被験者は4,565例で、うち4,531例(リバーロキサバン群2,275例、ビタミンK拮抗薬群2,256例)を対象に最終解析を行った。被験者の平均年齢は50.5歳、72.3%が女性だった。 試験薬を完全に中止した割合は、すべての評価時点でリバーロキサバン群がビタミンK拮抗薬群より高率だった。 ITT解析では、主要複合アウトカムの発生は、リバーロキサバン群2,275例中560例、ビタミンK拮抗薬群2,256例中446例で認められた(比例ハザード比:1.25、95%信頼区間[CI]:1.10~1.41)。生存曲線は非比例であったため、境界内平均生存期間(RMST)分析を行った。主要複合アウトカムのRMSTは、ビタミンK拮抗薬群が1,675日に対し、リバーロキサバン群は1,599日で有意差が認められた(群間差:-76日、95%CI:-121~-31、p<0.001)。 死亡率は、リバーロキサバン群がビタミンK拮抗薬群より高かった(RMST:リバーロキサバン群1,608日vs.ビタミンK拮抗薬群1,680日、群間差:-72日、95%CI:-117~-28)。 大出血発生率は、両群で有意差は認められなかった。リバーロキサバン群40例、ビタミンK拮抗薬群56例で発生が認められ(比例ハザード比:0.76、95%CI:0.51~1.15)、RMSTはそれぞれ1,965日、1,954日だった(群間差:11、95%CI:-5~28、p=0.18)。

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無症状、小さな腎結石でも砕石する意義はある(解説:宮嶋哲氏)

 小さな腎結石の治療方針は、自然排石を期待して経過観察が推奨されている。しかしながら、これまでの報告からすると、大きな結石が除去された時点で残存する小腎結石の約半数が、術後5年以内に他の症候性イベントを引き起こしたと報告されている。 尿管または対側腎の結石を内視鏡的に砕石中に無症状の小腎結石を、38例で砕石施行し(治療群、平均結石長3mm)、35例では砕石施行しなかった(対照群、平均結石長4mm)。主要評価項目は、救急外来の受診、手術、2次結石の増大のいずれかにより評価しうる再発の有無とした。なお本研究は多施設共同無作為化比較試験である。 平均観察期間は4.2年で、再発までの期間は治療群の方が対照群より有意に長かった(P<0.001)。さらに制限付き平均再発期間は治療群の方が対照群よりも75%と有意に長かった(治療群:1,631.6±72.8日vs.対照群:934.2±121.8日)。統計学的な再発リスクは、対照群63%に対し、治療群16%でハザード比(HR)は0.18であった。無症状の小腎結石に治療を加えることで本来の治療に中央値で25.6分と手術時間が延長していた。手術後2週間以内に救急外来の受診頻度は治療群5例、対照群4例で有意差を認めなかった。また治療群では8例、対照群では10例が自然排石していた。 無症状の小さな腎結石に治療を施行した場合、治療を施行しなかった場合に比べて、その後の再発率は有意に低いものであった。ただし、手術に関連した救急受診数は同等であった。 3~4mmの無症候性腎結石に対して治療を行うべきか、については議論の余地がある。泌尿器科医としては教科書的には小結石であれば、自然排石が期待できるので、症候性の比較的大きな結石に注目しがちである。大変興味深い研究ではあるものの、実臨床においては、患側と対側の無症候性小結石に追加治療を行うことに伴う医療経済的な問題、合併症の問題なども検討すべきかもしれない。

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第125回 医療DXの要「マイナ保険証」定着に向けて日医を取り込む国・厚労省の狙いとは(後編)かかりつけ医制度の議論を目くらましにDX推進?

“新改良ワクチン”FDA承認、日本も早晩申請、承認か?こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。さて、「第122回 米国では使わない2価の“旧改良ワクチン”を日本は無理やり買わされる?国のコロナワクチン対策への素朴な疑問」で書いた“新改良ワクチン”に関して新しい動きがありました。米国食品医薬品局(FDA)は8月31日、米・モデルナ、米・ファイザーと独・ビオンテックがそれぞれ開発したオミクロン株のBA.4とBA.5に対応するワクチン、いわゆる“新改良ワクチン”ついて、追加接種に対する緊急使用の許可を出しました。モデルナのワクチンは18歳以上、ファイザー・ビオンテックのワクチンは12歳以上の、それぞれ追加接種に対する緊急使用の許可です。なお、初回接種としては使えず、追加接種に限定されるとのことです。また、今回の承認によって、従来型ワクチンは追加接種に利用できなくなるそうです。“新改良ワクチン”はいずれも、オミクロン株のBA.4とBA.5に対応する成分と、従来の新型コロナウイルスに対応する成分の2種類を含む2価ワクチンです。翌9月1日には、米疾病対策センター(CDC)がこの“新改良ワクチン”の接種を推奨すると発表しています。ちなみに日本において両社が申請中の2価ワクチンは、BA.1に対応する成分と、従来の新型コロナウイルスに対応する成分の2種類を含む“旧改良ワクチン”です。ただし、ファイザーは9月1日、日本国内でも “新改良ワクチン”の製造販売の承認を厚生労働省に近く申請すると発表しています。“旧改良ワクチン”は今月中旬に予定されている専門部会を経て承認されれば、当初予定の10月中旬からの接種開始を前倒しし、9月中にも始まる見通しです。しかし、もっと効くと予想される“新改良ワクチン”がその後すぐに投入されるとなると、現場の混乱も予想されます。そもそも、“新改良ワクチン”がもうすぐ出るのに、“旧改良ワクチン”を積極的に打とうという人が現れるでしょうか。また、“新改良ワクチン”を承認したら、国が契約して買ってしまった(と思われる)“旧改良ワクチン”は廃棄処分となるのでしょうか。今後の新型コロナワクチンの動きがとても気になります。マイナンバーと保険証情報の紐付けはすでに終了済みさて今回は、前回に続いてマイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」マイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」について書いてみたいと思います。せっかくなので、私も先週、スマホを使ってマイナポータルというアプリからマイナ保険証の申請をやってみました。マイナンバーカードはすでに持っており、マイナポータルも利用したことがあるので、申請手続きは躓くこともなくスムーズに行きました。実際に申請を行って驚いたことが一つあります。「申請」を行うと、特に保険者や保険証番号等の情報を入力しなくても瞬時にマイナンバーカードがマイナ保険証になったのです。どうやら、保険者(健保組合や国保を運営する市町村など)においては既に、マイナンバーと保険証情報の紐付けは終わっており、我々国民の「申請」とはその紐付けを「了承」するということのようなのです。皆さん、知っていましたか?インフラはすでに相当程度出来上がっているものの、「国民に納得してもらう」作業が莫大に残っているというのが、マイナンバーカードと言えそうです。カード自体の発行も含めて……。ただ、つくづく思うのはこうした各種申請作業は70代以降の高齢者にはかなりハードルが高いだろうということです。個人的には、スマホも持たずキャッシュレスサービスの利用もしない90代の父親に、どうやったらマイナポイントを取得させ、使わせるかに頭を悩ませています。医療関係団体のこぞって協力する姿勢がとても不思議前回は、厚生労働省と三師会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会)が合同で開催した「オンライン資格確認等システムに関するWEB説明会」の内容を紹介し、マイナ保険証のシステムは将来的に、レセプト・特定健診等情報の共有に加えて、予防接種、電子処方箋情報、電子カルテ等の医療情報についても共有・交換できるようになり、「全国医療情報プラットフォーム」の構築につながると書きました。このプラットフォームができれば、患者の受療行動や、医療機関で提供された治療や投薬の情報が丸裸になります。そうなると、当然それらのデータを基に、究極的に効率化された(ムダを省いた)医療提供の仕組みが国によってデザインされ、医療機関にも求められるようになるでしょう。さらには、重複受診、重複投与、ムダな薬剤投与、的外れの治療などが他医にもバレてしまいます。そう考えると、日本医師会をはじめ、医療関係団体がこぞって協力する姿勢を示していることがとても不思議です。日本医師会はこれまで、かかりつけ医制度やリフィル処方など、効率的な医療提供体制に資するような政策には頑なに反対してきました。一体、どうしたのでしょうか?ポイントは3度目となる厚生労働大臣に就いた加藤勝信氏考えられる一つのポイントは、8月に発足した新内閣において、3度目となる厚生労働大臣に就いた加藤 勝信氏ではないかと推察されます。今年6月、中川 俊男前会長から松本 吉郎新会長に替わった日本医師会は、悪化していたと言われる政権との関係の再構築を目指しています。そこに過去に厚労相を経験し、日医とも良好な関係にあった加藤氏の厚労相就任は、まさに朗報、渡りに船であったに違いありません。一方、とにかくDXを推進したい岸田 文雄首相は、特に何の実績も残せなかった牧島 かれん氏に替えて河野 太郎氏をデジタル大臣に据え、さらにDXを目に見える形で推進しやすい医療分野の牽引役として、加藤氏を厚労相に据えました。加藤氏なら日医をうまく説得しつつ、マイナ保険証、ひいては医療DXをうまく進めてくれると期待したのではないでしょうか。加藤厚労相が作った自民党「医療DX令和ビジョン2030」日本医師会は、「加藤氏なら日医にそんなにアコギなことはしないだろう。目一杯協力しよう」と考えたのかもしれません。ただ、ちょっとその見立ては甘いかもしれません。6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針2022)でオンライン資格確認(いわゆるマイナンバーカードの保険証利用)の2023年4月からの原則義務化と、現行の保険証の原則廃止の方向性が示されました。その3週間前の5月17日、自由民主党政務調査会の社会保障制度調査会・デジタル社会推進本部、健康・医療情報システム推進合同PTは「医療DX令和ビジョン2030」の提言を発表しました1)。骨太方針への記載を意識しての提言と思われますが、このビジョン取りまとめの中心人物の一人が加藤氏です。同ビジョンは、日本の医療分野の情報のあり方を根本から解決するため、1)「全国医療情報プラットフォーム」の創設、2)電子カルテ情報の標準化、3)「診療報酬改定DX」の取り組み、を並行して進めるよう提言。これにより、患者・国民には診療の質の向上、重複検査・投薬の回避、医療保険の制度運営にかかる国民負担の軽減などのメリットが、医療関係者には医療サービスの向上や電子カルテにかかる費用の低減などのメリットが、システムベンダには医療サービスの高度化に向けて競争するという構造改革の実現などのメリットが生じるとしています。「全国医療情報プラットフォーム」で全ての診療行為をガラス張りにそう考えると、加藤厚労相は、親日医の姿勢を見せつつ、マイナ保険証を突破口として医療DXを強力に推進するために岸田首相から医療界に送り込まれた“刺客”という見方もできるかもしれません。加藤厚労相も、今よりももっと“上”を目指すには、日医との関係構築よりも社会保障費や医療費の削減に注力することの方が重要だということはわかっているはずです。松本新会長になってから、かかりつけ医の議論も低調気味の印象です。ひょっとしたら、マイナ保険証に協力するからそこにはもうあまり触れないで欲しい、といった手打ちがあったのかもしれません。そもそも、医療費抑制のためには、かかりつけ医制度を面倒な議論をしてつくるより、「全国医療情報プラットフォーム」をつくってすべての診療行為をガラス張りにして、理詰めで制限をかけていくほうが、効率が良いに違いありません。かかりつけ医制度の議論などを目くらましにして、医療DXの推進を一気に進めようとしているとしたら、岸田首相や財務省もなかなかの策士と言えるでしょう。DX推進で『首相≒財務省≒厚労省』vs.『日本医師会』に変質か?デジタル庁では、財務省主計官、内閣官房内閣審議官などを歴任し、医療・社会保障に詳しい向井 治紀氏が参与として働いています。その向井氏は7月12日に開かれた日本医業経営コンサルタント協会主催のセミナーで講演し、「骨太方針2022」に盛り込まれた「診療報酬改定DX」などについて言及しました。ミクスOnlineなどの報道によれば、向井氏は「診療報酬改定DX」について、「医療保険業務全体のコストを削減し、将来的には保険料も公費も含めて全体のコスト削減になることを念頭に置いている」と述べ、保険証の原則廃止が骨太方針に盛り込まれたことについては、「今回の閣議決定は、政府として大胆な決定をしたとご理解いただきたい」と強調したとのことです。さらに医療DXの推進について、「デジタル庁も厚労省としっかりタッグを組まないといけない。重要なのは、どういう政府の推進体制であるか(中略)。縦割りでうまくいかなかった例が医療の世界でも社会保障の世界でも多数ある。そういうことがないような体制を作れるように大島厚生労働事務次官と話をしていきたい」と語ったそうです。マイナ保険証と医療DXが政策の前面に出てきたことで、「第80回 『首相≒財務省』vs.『厚労省≒日本医師会』の対立構造下で進む岸田政権の医療政策」などで度々書いてきたこの対立構造は今後、「首相≒財務省≒厚労省」vs.「日本医師会」に徐々に変質していくのかもしれません。参考1)「医療DX令和ビジョン2030」の提言/自由民主党政務調査会 社会保障制度調査会・デジタル社会推進本部 健康・医療情報システム推進合同PT

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不安症やうつ病の心理的再発予防介入~メタ解析

 不安症またはうつ病から寛解した患者に対する介入として、抗うつ薬の継続または中止と組み合わせた、心理的再発予防介入の有効性を評価するため、オランダ・アムステルダム自由大学のEsther Krijnen-de Bruin氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、寛解期うつ病患者では、心理的再発予防介入により、再発/再燃リスクの有意な減少が確認された。PLOS ONE誌2022年8月12日号の報告。 心理的再発予防介入と通常ケアを比較したランダム化比較試験(RCT)において再発/再燃の割合や期間を臨床アウトカムとして評価した研究を、PubMed、PsycINFO、Embaseより検索した。 主な結果は以下のとおり。・分析には、36件のRCTを含めた。・寛解期うつ病患者に対する心理的再発予防介入により、24ヵ月の再発/再燃リスクの有意な減少が認められた(RR:0.76、95%CI:0.68~0.86、p<0.001)。・この効果はフォローアップ期間が延長しても持続していたが、これらの結果はそれほど強くはなかった。・抗うつ薬の継続治療に心理的再発予防介入を併用することにより、24ヵ月間の再発リスクの有意な減少が認められたが(RR:0.76、95%CI:0.62~0.94、p=0.010)、フォローアップ期間が長くなると有意な差は消失した。・不安症の再発予防に焦点を当てた研究は2件のみであったため、メタ解析は実施できなかった。

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前十字靱帯損傷、リハビリより外科的再建術が有効/Lancet

 膝関節の不安定性による症状が持続している非急性期の前十字靱帯(ACL)損傷患者の管理法として、外科的再建術はリハビリテーションと比較して、臨床効果(KOOS4)が優れ費用対効果も良好であることが、英国・オックスフォード大学のDavid J. Beard氏らが実施した「ACL SNNAP試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年8月20日号で報告された。英国の実践的無作為化対照比較試験 ACL SNNAP試験は、膝関節の不安定性の症状が持続する非急性期のACL損傷患者において、再建手術と非外科的治療のどちらが最適な管理法であるかの検証を目的とする実践的な無作為化対照比較試験であり、2017年2月~2020年4月の期間に、英国の29ヵ所の国民保健サービス(NHS)セカンダリケア病院の整形外科で参加者の募集が行われた(英国国立健康研究所[NIHR]医療技術評価計画の助成を受けた)。 対象は、ACL損傷による持続性の症状を伴う膝の問題(不安定性)を有する患者であった。緊急手術を示唆する特徴を持つ半月板の病変や、重度の変形性関節症(Kellgren-Lawrence分類のGrade3または4)を有する患者は除外された。 被験者は、手術(再建術)またはリハビリテーション(理学療法:治療後に不安定性が持続する場合は、再建術が可能とされた)を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、無作為化の時点から18ヵ月後の膝関節損傷・変形性関節症アウトカムスコア-4領域版(KOOS4)(0~100点、点数が高いほど健康状態が良好)とされた。KOOS下位尺度もすべて良好 316例が登録され、外科的再建術群に156例、リハビリテーション群に160例(1例でデータを確認できなかった)が割り付けられた。全体の平均年齢は32.9(SD 9.8)歳で、外科的再建術群で男性の割合が高かった(71% vs.62%)。34%はACL損傷から4ヵ月以内、66%は4ヵ月以上であり、22%は1年以上が経過していた。ベースラインの平均KOOS4は、外科的再建術群が45.7(SD 19.6)点、リハビリテーション群は43.3(18.1)点だった。 また、外科的再建術群では、実際に手術を受けたのは72%(113/156例)で、28%(43例)はこれを受けなかった(26%[11例]は手術待機、40%[17例]はリハビリテーションを選択)。リハビリテーション群の41%(65/160例)は、症状が持続したため再建術を受けた。手術までの期間中央値は、外科的再建術群が113日、リハビリテーション群で再建術を受けた患者は237日であった。 主要アウトカム評価のintention to treat集団は248例で、外科的再建術群が128例、リハビリテーション群は120例であった。18ヵ月時の平均KOOS4は、外科的再建術群が73.0 (SD 18.3)点、リハビリテーション群は64.6(SD 21.6)点で、補正後平均群間差は7.9点(95%信頼区間[CI]:2.5~13.2)であり、外科的再建術群で有意に良好だった(p=0.0053)。 また、18ヵ月時のKOOSの下位尺度は、いずれも外科的再建術群で優れた(疼痛[p=0.020]、症状[p=0.0020]、日常生活動作[p=0.0022]、スポーツ/余暇活動[p=0.043]、膝関連の生活の質[p=0.0065])。 一方、外科的再建術がリハビリテーションよりも費用対効果が優れる確率について解析したところ、外科的再建術は1質調整生存年(QALY)を得るのに要する費用が3万ポンド(72%の確率)の場合に最も費用対効果が優れる選択肢であった。これは、1例当たりの医療費は外科的再建術のほうが高額(3,186 vs.2,169ポンド、群間差:1,017ポンド、95%CI:557~1,476、p<0.001)であるにもかかわらず、アウトカムが優れていたこと(1例当たり1.03 vs.0.98 QALY、p=0.17)の結果であった。 介入に関連する合併症は、外科的再建術群で1件、リハビリテーション群で2件認められ、臨床イベントはそれぞれ10例で11件および11例で12件発現し、両群間に差はなかった。 著者は、「より長期のACL損傷(もはや急性期ではない)の患者との共有意思決定では、ACLの外科的再建術は非手術的な方法よりも良好な結果をもたらす可能性があることを提示し、理由を問わず患者が手術を望まない場合は、非手術的な治療でも損傷は改善され、後日、外科的再建術を行う選択肢も残されていることを、再確認する必要がある」と指摘している。

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乳幼児の新型コロナ感染、約4割が無症状

 学校や保育所において小児の新型コロナの集団感染が多発しているが、小児は感染しても無症状であることが多く、感染防止には症状のスクリーニングでは不十分であることがわかったという。ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のRuth A Karron氏らによる本研究は、JAMA Network Open誌2022年8月31日号に掲載された。 この前向きコホート研究では、2020年11月24日~2021年10月15日に、0~4歳の子供が1人以上いるメリーランド州の175世帯の690人に対して調査を実施した。登録から8ヵ月間、参加者は毎週症状に関するアンケートに回答し、PCR検査によってSARS-CoV-2感染の有無を確認した。登録時および登録後約4ヵ月と8ヵ月後に採取した血清について、SARS-CoV-2スパイク抗体およびヌクレオカプシドタンパク質抗体を測定した。 登録時、0~4歳の125/256例(48.8%)が家庭外保育に、5~17歳の23/100例(23.0%)が学校に通っていた。成人の139/334例(41.6%)が家庭外で働いており、うち113例(81.3%)が職場で密接な他人との接触(約2m以内)を有していた。試験終了までに成人307/335例人(91.6%)、12~17歳の小児15/18例(83.3%)がCOVID-19ワクチンの完全接種を終えた。 主要評価項目は年齢層別のSARS-CoV-2感染の発生率、臨床的・ウイルス学的特徴、症状、および検出された最高ウイルス量と症状頻度で、検出された最大のウイルス量とSARS-CoV-2系統の相関関係を見た。 主な結果は以下のとおり。・登録された690例(女性355例[51.4%])のうち、0~4歳が256例(37.1%)、5~17歳が100例(14.5%)、18~74歳の成人が334例(48.4%)であった。・追跡期間中にSARS-CoV-2に感染したのは54例(7.8%)で、0~4歳児22/256例(8.6%)、5~17歳児11/100例(11.0%)、成人21/334人例(6.3%)であった。1000人週当たりの発生率は、0〜4歳児2.25(95%CI:1.28〜3.65)、5〜17歳児3.48(1.59〜6.61)、成人1.08(0.52〜1.98)であった。・0~17歳児は無症状感染者が成人よりも多く(11/30例[36.7%]vs.3/21[14.3%])、0~4歳児が無症状である率が最も高かった(7/19例[36.8%])。・検出されたウイルス量の最大値は、無症状者と有症状者、年齢群間で差がなかった。・症状の数は、成人ではウイルス量と有意な相関があったが(r=0.69、p<0.001)、小児では認められなかった(0~4歳:r=0.02、p=0.91、5~17歳:r=0.18、p=0.58)。 著者らは本研究の限界として、オミクロン株感染者が含まれていない点を挙げたうえで、「SARS-CoV-2感染は0~4歳児では無症状であることが多く、症状の有無や数はウイルス量と相関がなかった。これらの知見は、幼児を含む集団発生を予防するには、症状スクリーニングでは不十分である可能性を示唆している」としている。

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国内での3回接種によるBA.5への有効性など追加、コロナワクチンに関する提言(第5版)修正版/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医科学研究所附属病院長])は、8月30日に同学会のホームページで「COVID-19ワクチンに関する提言」の第5版を一部変更・加筆した第5版修正版を公開した。 今回の修正版では、わが国におけるBA.5に対する3回目接種の有効性や5~11歳へのワクチンの有効性の情報を追加したほか、現時点の知見を追加している。修正版の主な改訂点【1. わが国で承認されているCOVID-19ワクチン】・5~11歳への接種にも努力義務を課すことが決定され、臨時接種対象者すべてに努力義務が課されることになった。・COVID-19ワクチンは他のワクチンと13日以上の間隔をあけて接種することとされていたが、インフルエンザワクチンに関しては接種間隔に関する制約がなくなり、同時接種も可能となった。【2. mRNAワクチンの有効性】(d. 3回目接種の有効性) 実社会でのBA.5に対するワクチン効果は、国内の16歳以上1,547人を対象としてBA.5流行中の7月に行われた症例対照研究の暫定結果が国立感染症研究所から発表された。これによると、mRNAワクチンを主体とするCOVID-19ワクチンの発症を指標とした有効率は、未接種者と比べて3回接種14日~3ヵ月で65%、3回接種後3ヵ月以降で54%で、2回接種と比較した3回接種の相対的な有効率も、3回接種14日~3ヵ月で46%、3回接種後3ヵ月以降で30%と、BA.5に対しても3回接種による有意な発症予防効果がみられている。(e. 4回目接種の有効性) 2022年7月22日に4回目接種の対象が18~59歳の医療従事者と高齢者施設などの従事者にも拡大。イスラエルの3万人弱の医療従事者を対象としたコホート研究では一定の発症予防効果があることが報告されている。これによると、オミクロン株流行下のブレークスルー感染率が、3回接種群では20%だったが、4回接種群では7%に減少していた。調整後のハザード比(HR)は0.56(95%CI:0.50~0.63)となり、4回目接種で発症リスクが約半分になることから、院内感染防止のためにも医療従事者などへの4回目接種が勧められる。(f. 5~11歳への接種の有効性) 小児の年代でファイザーのワクチン2回接種の有効性が報告され、シンガポールからはPCRで確認した感染予防効果が65.3%、入院予防効果が82.7%、イスラエルからは2回接種7~21日後の発症予防効果が48%とある。また、イタリアにおける後方視的研究では、感染予防効果が29.4%、重症化予防効果が41.1%、感染予防効果は2回接種後0~14日後の38.7%から43~84日後には21.2%に低下することが報告されている。これらの報告、とくに小児のCOVID-19の重症化予防効果が示されたことを踏まえて、日本小児科学会は「5~17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」で、健康な小児へのワクチン接種は「意義がある」から「推奨します」という表現に変更した。【4. 組換えタンパク質ワクチン ノババックスのヌバキソビッド(商品名)筋注】(b. 安全性) 心筋炎・心膜炎の有害事象は2022年7月10日時点で国内での報告はなし。一方、海外ではきわめてまれながら報告されているため、7月に添付文書の「重要な基本的注意」に心筋炎・心膜炎の報告があることが追加された。【6. COVID-19ワクチンの開発状況と今後の展望】・22年7月にファイザーから6ヵ月から5歳未満へのmRNAワクチンの承認申請が行われた。・武漢株とオミクロン株をもとにしたファイザーとモデルナの2価mRNAワクチンの臨床試験も開始され、2022年秋には実用化を目指して国内外で開発が進んでいる。わが国でも8月にファイザーが12歳以上、モデルナが18歳以上を対象とした2価ワクチン(武漢株とオミクロン株BA.1)の承認申請を行った。 

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フォシーガ、2022年欧州心臓病学会総会にて心不全に関する新たなエビデンスを発表/AZ

 アストラゼネカは2022年9月5日のプレスリリースで、フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)の第III相DAPA-HF試験および第III相DELIVER試験の事前に規定された併合解析で得られた結果と、第III相DELIVER試験の結果について発表した。共に2022年欧州心臓病学会総会で発表されたものである。 第III相DAPA-HF試験および第III相DELIVER試験の事前に規定された併合解析で、フォシーガは、心不全患者において左室駆出率にかかわらず、中央値22ヵ月のフォローアップ期間で心血管死リスクを14%(p=0.01、絶対リスク減少率[ARR]:1.5%)、原因を問わない死亡リスクを10%(p=0.03、ARR:1.5%)、心不全による(初回および再)入院のリスクを29%(p<0.001、ARR:6%)、心血管死、心筋梗塞、または脳卒中の複合リスクを10%(p=0.045、ARR:1.3%)低下させることが示された。結果に関しては、Nature Medicine誌にも掲載されている。 一方、第III相DELIVER試験では、フォシーガは、心血管死または心不全悪化の複合アウトカムを18%(中央値2.3年のフォローアップ期間においてダパグリフロジン群で16.4%、プラセボ群で19.5%)低下させ(p<0.001)、心血管死、心不全悪化それぞれが主要評価項目の優越性に寄与していることが分かった。この所見は、検討した主なサブグループで一貫しており、左室駆出率の状態にかかわらず幅広い心不全患者に対するフォシーガの効果の拡大が期待できる結果であった。こちらの結果に関しては、NEJM誌にも掲載されている。

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