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CKDの腎と心血管疾患への悪影響はさらに広い範囲(解説:浦信行氏)

 JAMA誌において、2,750万人余りを対象としたメタ解析の結果、CKDの悪影響は従来報告されている全死因死亡、心血管死、腎代替療法を要する腎不全、脳卒中、心筋梗塞、心不全、急性腎障害にとどまらず、あらゆる入院、心房細動、末梢動脈疾患にまで及ぶことが報告された。結果の詳細はジャーナル四天王のニュース記事をご覧いただきたいが、本研究はそれ以外にもいくつかの重要な成績が示されている。 尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)とeGFRをクレアチニンのみで評価したものと、クレアチニンとシスタチンCで評価したものの各々の有害事象のリスクを対比すると、全体の傾向はヒートマップ上では同様であるが、クレアチニンのみで評価したeGFRでの結果は少し感度が悪い印象を受ける。eGFR各階層での有害事象のハザード比を表した図3においても、確かにクレアチニンのみで評価したeGFRでのハザード比の変化の傾きは緩徐であり、各有害事象に対する感度が対比上は低いと考えられる。かつ、各有害事象のハザード比は、クレアチニンでのeGFRは90~105を底値としてU字型を描いている。シスタチンCを加えたものではこのような結果を示していない。これはおそらく高齢者主体のサルコペニア・フレイル症例のリスク上昇を表すものと考えられる。したがって、症例によってはシスタチンCによるeGFRの評価を加えることが必須である。 UACRは30未満が正常範囲であるが、10未満の正常と10~29の正常高値で比較すると、正常高値ですでにリスクが高くなっている。すなわち、正常と考えられる範囲でもすでに有害事象に対する認識を持つ必要があるのかもしれない。わが国では保険診療上、尿アルブミンの評価は糖尿病症例に限られ、それ以外は尿蛋白で評価しなければならない。尿蛋白は尿細管由来のものも含むので同様の評価が可能かは不明であるが、注目すべき結果と考える。

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10月18日 更年期の日(世界メノポーズデー)【今日は何の日?】

【10月18日 更年期の日(世界メノポーズデー)】〔由来〕1999年に開催された国際閉経学会で高齢化社会の到来を受け、今後更年期の健康に関わる情報を全世界へ提供する日として、「世界メノポーズデー」を制定。メノポーズ(menopause)は、(女性)更年期を意味し、日本女性医学学会では、更年期についての情報を社会に広く啓発し、女性の健康増進に貢献することを目的にさまざまな活動を行っている。関連コンテンツ更年期【スーパー服薬指導(1)】患者さんに「更年期障害かも…」と相談されたら【ママに聞いてみよう(6)】むくんでいるときの症状チェック【患者説明用スライド】第104回 女性がキャリア失う「更年期ロス」、防ぐために医師ができること【裏側から木曜日】男性機能の維持にも、テストステロン増加に最適な運動/日本抗加齢医学会

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第183回 アイン、「敷地内薬局」入札妨害事件が問うもの(後編) 近い将来、病院の薬剤部は給食同様に外部委託に向かう?

アインファーマシーズの社長ら3人、公契約関係競売入札妨害の罪で逮捕、起訴こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は、大学時代の山仲間と東北の栗駒山に行ってきました。栗駒山は宮城・岩手・秋田の三県にまたがる1,600m足らずの山で、私の学生時代はそんなに有名でもなく、登山者や観光客もそれほど多くはなかった印象です。ところが今や、北アルプス・穂高の涸沢と並ぶ日本屈指の山岳紅葉の名所と言われるまでになり、この時期は“神が織りなす錦繍の絨毯”を観るために、全国各地から人が訪れます。我々はいつも激混みの宮城県側からの中央コースを避け、秋田県側の須川温泉からのコースを選んだのですが、ここもやはり駐車場は激混みで、登山開始時間が昼近くになってしまいました。それでも、なんとか晴天下、赤と黄色に輝く見事な紅葉を堪能することができました。栗駒山の“錦繍の絨毯”をご覧になりたい方は、平日の登山をお勧めします。あと、熊にも十分注意して下さい。さて、今回も引き続き、敷地内薬局について考えたいと思います。前回は、「アイン薬局」を全国で展開する調剤薬局最大手、アインファーマシーズ(札幌市白石区)の社長ら3人が、KKR(国家公務員共済組合連合会)の病院の敷地内薬局の入札を巡り、公契約関係競売入札妨害の罪で逮捕、起訴された事件の詳細や、日本の医療提供体制における敷地内薬局の位置付けの変遷について書きました。今回の事件が発覚する前に開かれた中央社会保険医療審議会(中医協)でも、敷地内薬局に対しては厳しい意見が出ていました。将来的にはその位置付けが、再び180度転換するかもしれません。敷地内薬局の誘致事例、1年で256件から371件に急増政府の規制改革会議による答申を受け、薬局の経営の独立性確保を前提として、厚労省は2016年10月から「公道をまたがない」敷地内薬局を実質的に認める方針に転じました。その後、調剤薬局チェーンの出店攻勢も手伝って、大学病院や国公立病院を中心に敷地内薬局が激増しました。9月16日に和歌山市で開かれた日本薬剤師会の都道府県会長協議会では、同会が調べた敷地内薬局の実態が報告されています。それによれば、今年6月までの敷地内薬局の誘致事例が昨年6月の42都道府県256件から45都道府県371件に増加していたそうです。内訳としては、国公立病院が36都道府県81件→39都道府県98件、公的病院が25都道府県44件→26都道府県53件、社会保険病院が5都道府県6件→8都道府県10件となっていました。私立や民間のその他病院も26都道府県94件→34都道府県146件と急増していました。また、診療所は昨年6月に比べ、2倍の64件でした。患者の利便性と病院経営の2つの観点から、限りなく点分業に近い体制に変化日本薬剤師会は、敷地内薬局は「適正な医薬分業の推進・定着を阻害する」として、一貫してその拡大に反対してきました。しかし、少なくとも医療機関側、医師側はまったくそう考えていないことが、この急増からもうかがい知ることができます。患者の利便性と病院経営の2つの観点から、それまでの面分業(市中の複数の薬局に処方箋を応需してもらう)から、限りなく点分業(もっぱら特定の薬局に処方箋を応需してもらう)に近い体制に変えてきたわけです。患者や利用者からも敷地内薬局に対して否定的な声はほとんど聞こえてきません。こうした動きは、見方を変えれば、日本薬剤師会が進めてきた医薬分業、面分業に、医療機関や患者は大したメリットを感じていない、ということです。日本薬剤師会は認めたくない事実でしょうが、それが現実です。中医協「中間とりまとめ」でも敷地内薬局の問題点を指摘とは言うものの、敷地内薬局については、中医協で厳しい意見も出ています。2024年度の診療報酬改定に向けた議論を進める中医協では、7月26日に開かれた総会で「特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引がある」「特別調剤基本料を算定している」「処方箋受付回数が年1回以上」という条件に該当する、451の敷地内薬局に関するデータが示されました。それによると、敷地内薬局の処方箋受付回数(年間)は平均1万6,607回で、全薬局の平均1万2,624回を上回りました。しかし一方で、薬局による地域医療への貢献を評価する「地域支援体制加算」の届け出割合は14.9%(67/451ヵ所)で、全薬局の37.3%を下回りました。さらに、敷地内に薬局が出店している18の医療機関のうち、その薬局との「連携あり」と答えたのは、7医療機関(38.9%)に留まっていました。席上、診療側委員で日本薬剤師会副会長の森 昌平委員は、「地域包括ケアシステムを整備する国の方針に敷地内薬局が逆行する」と指摘、支払い側委員で健康保険組合連合会理事の松本 真人委員も診療報酬上の評価の見直しの検討を求めました。こうした議論は、中医協が8月30日に行った「中間とりまとめ」(令和6年度診療報酬改定に向けた議論の概要)にも反映されました。「議論の概要」の中の「現状と課題」の項には、「敷地内薬局は、処方箋受付回数が多いものの、地域支援体制加算の届出割合は低かった。医療機関側からは連携していると認識されていない薬局も半数以上存在している」と記され、「主な意見」では、「敷地内薬局は、薬局開設者の姿勢として、適切な医薬分業と地域包括ケアシステムの構築を進めていく中で国の目指す姿に逆行している。効率的に大量の処方箋が取り扱われているが、医療機関との連携が必ずしも図られていないため、実態をより詳細に把握し、特別調剤基本料以外の部分についても更なる見直しを検討すべき」と記載されました。人口減社会、高齢社会に向け、敷地内薬局は「規制」より「普及・定着」が正解では連携をきちんと行っているかどうかは、敷地内の薬局かどうかの問題ではなく、個々の医療機関や薬局の姿勢の問題であり、中医協の議論は少々ズレているようにも思えます。しかし、それはさておき、こうした記載や、その直後に起こったアインの入札妨害事件を考えると、来年の診療報酬改定でも特別調剤基本料等の引き下げなど、敷地内薬局にさらなる逆風が吹くのは必至とみられます。ただ、少なくとも医療機関や患者は歓迎しているのですから、いたずらに敷地内薬局をイジメるのは得策ではないでしょう。人口減を背景に病院の再編・統合が進み、薬局についても面分業などときれいごとを言っていられない地域が増えています。さらに、後発品をはじめとする医薬品不足も手伝って、薬局も集約化やDX化が避けられない状況です。そう考えると、これからの人口減社会、高齢社会に向けて、敷地内薬局は規制するのではなく、むしろよい具合に普及・定着させていくのが正解ではないでしょうか。「機能として院内薬局と変わらない薬局であるならば、保険指定する必要はない」と日本医師会ところで、アインの事件や、敷地内薬局の議論に、日本医師会がほとんど登場してこないのは不思議だと思いませんか。その理由は、端的に言えば「どうでもいいから」です。医薬分業の進展や調剤チェーンの台頭を背景に調剤報酬が年々莫大になり過ぎたので、そこが”是正”(削減)されることが最重要、というのが日医の基本的なスタンスです。2022年の3月に行われた日本医師会臨時代議員会で、代議員から敷地内薬局に対する日医の見解を問う質問が出ています。これに対し、宮川 政昭常任理事は以下のように答えています。「敷地内薬局は、医療機関において入札公告をして誘致されるために、その時点で経済的・機能的・構造的な独立性が保たれていない。機能として院内薬局と変わらない薬局であるならば、保険指定する必要はない。実質的に院内薬局と同じような機能を担っているのであれば、それに基づいて考え方を今後整理する必要がある。(中略)。敷地内薬局は病院薬剤部の外注形態とみなすこともできる。敷地内薬局は、院内薬局の調剤作業をしているだけにもかかわらず、院内薬局よりも高い点数が調剤報酬として加味されていること自体、貴重な財源の浪費だ」(令和4年5月1日、北海道医報第1244号より)。敷地内薬局の仕組みを突き詰めると病院の薬剤業務の外部委託化につながる「保険指定する必要はない」などと少々乱暴ですが、理に適った主張にも聞こえます。「今後整理する必要がある」の真意はわかりませんが、うがった見方をすれば、敷地内薬局は最終的に、病院の薬剤業務の外部委託化につながっていくとも考えることができます。敷地内薬局は病院の薬剤業務の外部委託ととらえ、保険薬局の指定をするのではなく、病院に院内処方の診療報酬として調剤料などが入るようにし、薬局には病院から調剤の外部委託費などが支払われる、というスキームが考えられます。これは病院給食の外部委託と同様の仕組みです。これだと院内処方になるので、調剤にかかる診療報酬は院外に比べて圧倒的に安くなります。医療費の削減になり、患者負担も減ります。これまで処方箋を受けて、保険薬局として機能してきた薬局にとってはたまったものではない話ですが、調剤薬局チェーンは「実質的に院内薬局と同じような機能を担う」ことを目指し、敷地内薬局の出店を活発化、規模拡大を闇雲に進めてきたわけです。病院の薬剤業務の外部委託化は、そうした敷地内薬局の出店攻勢の先にあるかもしれない、一つの“風景”なのです。「薬剤師の地域における対人業務の強化(対物業務の効率化)」のため「薬剤の一包化」の外部委託が進行中2022年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」では、「薬剤師の地域における対人業務の強化(対物業務の効率化)」が明記され、「薬局における調剤業務のうち、一定の薬剤に関する調製業務を、患者の意向やニーズを尊重しつつ、当該薬局の判断により外部に委託して実施することを可能とする方向」で検討が進んでいます。手始めに「薬剤の一包化」が検討されており、9月6日、大阪府は薬局DX推進コンソーシアム、大阪市と共同で、薬局における調剤業務の一部の他薬局への委託について、内閣府の国家戦略特別区域(特区)制度で提案した、と発表しています。敷地内薬局と処方薬のネット販売が台頭か「薬剤一包化の外部委託」と「病院の薬剤業務全体の外部委託」とでは次元が異なる話ですが、基本的な方向性は同じです。病院薬剤師には病棟や外来での対人業務に注力してもらい、調剤はロボットや外部の企業に任せてしまえ、ということだからです。調剤業務の外部委託については、本連載の「第126回 アマゾン処方薬ネット販売と零売薬局、デジタルとアナログ、その落差と共通点(前編)」でも書きました。やや極端に言えば、近い将来、病院の調剤業務は外部委託した敷地内薬局が担い、処方せんを持ち帰った一部の患者やオンライン診療の患者の薬は、処方薬のネット販売事業者が担う、という形に2分していくのかもしれません。仮にそうなるとすれば、半世紀を経た日本の医薬分業の「成れの果て」と言えるかもしれません。

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膀胱がんリスク、仕事での立位/歩行は座位より5割減~日本人集団

 身体活動と膀胱がんリスクとの関連については、アジア人集団では一貫していない。今回、大阪大学のHang An氏らが日本人の大規模コホートで検討したところ、とくに男性において、レクリエーションスポーツへの参加や仕事での立位/歩行の身体活動が膀胱がんリスクと逆相関していたことが示された。Cancer Research and Treatment誌オンライン版2023年10月6日号に掲載。 本研究は集団ベースの前向きコホート研究で、がん/心血管疾患の既往のない40~79歳の日本人5万374人について自己記入式質問票で身体活動に関する情報を取得し解析した。Cox比例ハザードモデルを用いて、潜在的交絡因子を調整後の膀胱がん発症のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値17.5年で、膀胱がん(男性116例、女性37例)が153例に発症した。・レクリエーションスポーツの参加時間が1週間に1~2時間、3~4時間、5時間以上の人における膀胱がんの多変量調整後のHR(95%CI)は、順に0.67(0.38~1.20)、0.79(0.36~1.74)、0.28(0.09~0.89)であった(傾向のp=0.017)。・仕事での立位/歩行の身体活動は、仕事でほとんど座っている状況と比べて、膀胱がんリスクが低かった(HR:0.53、95%CI:0.32~0.85)。・1日の歩行時間は膀胱がんリスクと関連していなかった。・膀胱がんリスクが顕著に低かったのは、男性におけるレクリエーションスポーツ(HR:0.33、95%CI:0.10~1.00)および仕事での立位/歩行の身体活動(HR:0.57、95%CI:0.33~0.98)であった。

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日本人統合失調症患者の下剤使用開始と関連する要因は

 抗精神病薬の一般的な副作用の1つに便秘がある。しかし、便秘をターゲットとした研究は、これまで行われていなかった。獨協医科大学の川俣 安史氏らは、同じ統合失調症患者を20年間さかのぼり、下剤使用開始と関連する要因を特定しようと試みた。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2023年9月12日号の報告。 2021年4月より各病院に通院する統合失調症患者14例を登録した。対象患者の2016、11、06、01年4月1日時点でのすべての処方箋データをレトロスペクティブに収集した。下剤の使用頻度の違いと傾向を特定するため、Bonferroni補正コクランQ検定およびコクラン・アーミテージ検定を用いた。20年にわたる下剤使用開始と関連する要因を評価するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・下剤を使用していた患者の割合は、2001年で25.1%、2021年で34.1%であった。・下剤による治療を受けた患者数は20年で異なり、有意な増加傾向が認められた。・すべての下剤では、酸化マグネシウム、ルビプロストン、エロビキシバットで治療された患者数には差があり、有意な増加傾向が認められた。・20年間の下剤使用開始と関連が認められた要因は、女性、年齢、ジアゼパム換算量、レボメプロマジン、オランザピン、クエチアピン、ゾテピン、リチウム、カルバマゼピンの用量であった。 結果を踏まえ、著者らは「一部の抗精神病薬で治療されている統合失調症患者では、便秘に対する注意深いモニタリングの必要性が示唆された。治療ガイドラインに従い処方の最適化を行うことで、抗精神病薬による便秘を軽減できる可能性がある」としている。

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医師の英語学習、どのくらいお金と時間をかけている?/1,000人アンケート

 英語で学会発表を行ったり、外国人患者を診療したりするために、英語は医師にとって欠かせないスキルとなっている。英語を学ぶ主な目的や学習方法といった医師の英語学習状況を把握するため、会員医師1,021人を対象に『医師の英語学習に関するアンケート』を9月21日に実施した。年代別の傾向をみるため、20~60代以上の各年代を約200人ずつ調査した。その結果、英語学習に最も費用と時間をかけているのは30代であることなどが明らかとなった。海外学会への参加頻度から、おすすめの英語系YouTubeチャンネルや語学学習アプリなど、学習に役立つツールまで、英語学習に関するさまざまな意見が寄せられた。医師全体の18%が海外学会に参加 「Q1. 2022~23年、どれくらい海外学会に参加しましたか?(参加形式は発表・聴講を問わない、オンラインでの参加も含む)」という設問では、年代別に海外学会への参加の実態を聞いた。全体で18%が1回以上参加していた。 年代別で1回以上の参加率が高い順に、30代(24%)、40代(23%)、20代(17%)、50代(14%)、60代以上(12%)であった。一方、20~50代では、期間中1回の参加の割合が最も多くを占めていたが、60代以上は、3回以上参加した割合が最も多かった(7%)。診療科別の海外学会参加率(1回以上)では、参加率が高い順に、皮膚科(39%)、血液内科(36%)、放射線科(30%)、腎臓内科(29%)、リハビリテーション科(27%)であった。医師が英語を学ぶ目的、年代が低いほど研究、高いほど臨床を重視 「Q2. 医療業務やキャリアアップに関わるもので、英語を学ぶ目的は?(当てはまるものを3つ選択)」の設問では9つの選択肢を設け、多い順に「医学論文を投稿するため」(39%)、僅差で「外国人患者を診療するため」(39%)、続いて「英語の学会発表を聴くため」(31%)、「外国人医療者とコミュニケーションを取るため」(26%)、「英語で学会発表を行うため」(26%)であった。 医師が英語を学ぶ目的については、年代別で傾向が分かれた。目的別で最も多い年代は、「医学論文を投稿するため」は20代、「英語で学会発表を行うため」は30代、「外国人患者を診療するため」は60代、「外国人医療者とコミュニケーションを取るため」は50代となり、年代が低いほど研究に関わる目的の割合が高く、年齢が高いほど臨床に関わる目的が高くなった。英語学習に最も時間とコストをかけている医師は30代 「Q3. 現在行っている英語学習法は?(当てはまるものすべて選択)」では、選択肢を12個設け、多い順に「英語論文を読む」(47%)、「YouTube、Podcast」(21%)、「勤務先の抄読会」(14%)、「市販のテキストやラジオ」(13%)、「英語のドラマや映画、小説」(12%)、「英語学習アプリ」(10%)となった。30代と40代では、「YouTube、Podcast」、「英語学習アプリ」の割合が多く、60代以上では、「市販のテキストやラジオ」、「英語の映画やドラマ、小説」が多かった。 「Q4. 英語学習に月間かける費用は?」の設問では、費用をかけていない医師の割合が71%と大半を占め、次いで「1円以上、5,000円未満」が20%であった。「Q5. 英語を学習する頻度は?」の設問では、英語を学習する習慣のある医師が60%であった。学習の頻度は、多い順に「週に1日」(26%)、「週に2、3日」(15%)、「毎日」(10%)、「週に4~6日」(9%)であった。30代が英語学習に費用をかけている割合が最も多く(33%)、学習する習慣のある医師も最も多かった(67%)。医師がおすすめする英語学習法 Q6では、自由回答として、おすすめの英語学習法やサービス名、そのほか英語学習に関する意見を聞いた。回答者から寄せられた意見、おすすめの学習法、英語系YouTubeチャンネル、語学学習アプリなどは以下のとおり。【YouTube】・あいうえおフォニックスは発音や英語表現を簡単にテンポよく解説してくれる。(総合診療科・30代)・英語学習系YouTuberのタロサック。(総合診療科・30代)・もりてつという塾講師のYouTubeが参考になる。(総合診療科・40代)・フレンズ英会話はおすすめです。(腫瘍科・50代)・Kevin's Englishは楽しいです。(産婦人科・60代)【アプリ・オンラインツール】・ChatGPTは活用している。(小児科・40代)・スピーク、ELSA、mikanというアプリがおすすめ。(放射線科・20代)・スタディサプリ。(消化器内科・30代)・NHKの語学講座アプリ。無料で複数回復習ができる。(小児科・40代)・Duolingo。(皮膚科・40代)・HiNative(ネイティブにチャットで質問できるアプリ)。(呼吸器内科・40代)・DMM英会話で毎日外国の人と話し、振り返りをしている。あとはアプリで単語を覚えたり、発音の練習などしている。(循環器内科・30代)【ニュース】・ワシントンポストやニューヨークタイムズの動画ニュースを聞く。(小児科・40代)・CNN English Express。(消化器外科・50代)・BBCのPodcast。(腎臓内科・30代)【論文・学会】・ひたすら論文を書いています。(総合診療科・30代)・英文抄録を読む。(内科・60代)・好きなジャンルの講演を聴く。(血液内科・40代)・NEJMやJAMAのPodcast。(循環器内科・60代)【その他、独自の工夫】・IELTSを受けている。(臨床研修医・20代)・駅で電車を待っている間や、外を歩いているときに英語で独り言を呟いてみる。(消化器内科・40代)・歌詞を覚えて歌う。(消化器外科・50代)・子供用アニメは英語がそれほど難しくなくとっつきやすい。(泌尿器科・50代)・医療系の英語ドラマで、英語の字幕を見ながら英語で聞いて、言葉を復唱する。海外留学の経験からも、これが一番の勉強法だと思います。(内科・50代)【英語が使えてよかったこと】・突然海外からの患者が来た時に、対応できるので信頼度が上がる。(小児科・20代)・英語論文を書く時間がかからない。(整形外科・30代)・外資系の産業医活動ができた。海外出張に参加できた。(精神科・50代)・日々の絶え間ない学習が有効とわかったのが良かった。(その他・60代)アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。医師の英語学習、おすすめの学習ツールは?/医師1,000人アンケート

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術前リスク層別化アルゴリズムで、不必要な卵巣摘出術が低減/JAMA

 米国・Nemours Children's HealthのPeter C. Minneci氏らMidwest Pediatric Surgery Consortiumの研究チームは、卵巣温存術に適した良性病変の可能性が高い病巣を同定するための術前リスク層別化アルゴリズムを使用することで、不必要な卵巣摘出術が減少することを示し、これによって青少年期における不必要な卵巣摘出とその生涯にわたる影響を回避できる可能性があることを明らかにした。研究の成果は、JAMA誌2023年10月3日号に掲載された。アルゴリズムの識別能を評価する米国のコホート研究 研究チームは、良性と悪性の卵巣病変を識別し、不必要な卵巣摘出術を減少させるための、コンセンサスに基づく術前リスク層別化アルゴリズムの性能を評価する目的で、前向きコホート研究を実施した(Thrasher Research FundのE.W. "Al" Thrasherによる助成を受けた)。 対象は、2018年8月~2021年1月に米国内11の小児病院に入院し、卵巣腫瘍の手術を受けた6~21歳の患者であった。 最初の6ヵ月(2018年8月1日~2019年1月31日)は、コンセンサスに基づく術前リスク層別化アルゴリズムを実施する前の評価期間(介入前コホート)、次の6ヵ月(2019年2月1日~7月31日)は介入採用期間であり(介入採用コホート)、その後の18ヵ月(2019年8月1日~2021年1月31日)を介入期間とした(介入コホート)。介入採用コホートは統計解析から除外した。 主要アウトカムは不必要な卵巣摘出術とし、良性の卵巣新生物に対する卵巣摘出術の施行と定義した。介入により不必要な手術がほぼ半減 全体で519例(年齢中央値15.1歳[四分位範囲[IQR]:13.0~16.8])を登録した。このうち介入前コホートが96例(15.4歳[13.4~17.2]、非ヒスパニック系黒人11.5%、非ヒスパニック系白人68.8%)、介入採用コホートが105例、介入コホートが318例(15.0歳、12.9~16.6、13.8%、53.5%)であった。 良性疾患は、介入前コホートの93例(96.9%)、介入コホートの298例(93.7%)で認められた。 良性疾患に対する不必要な卵巣摘出術の施行率は、介入前コホートが16.1%(15/93例)であったのに対し、介入コホートでは8.4%(25/298例)に低下した(絶対低下率:7.7%、95%信頼区間[CI]:0.4~15.9、p=0.03)。 介入コホートにおける良性病変の同定に関するアルゴリズムの検査性能は、感度が91.6%(95%CI:88.5~94.8)、特異度が90.0%(76.9~100)、陽性的中率が99.3%(98.3~100)、陰性的中率は41.9%(27.1~56.6)であった。 また、介入コホートにおける誤分類(卵巣温存術を施行された悪性疾患)の割合は0.7%(2/275例)と低かった。介入コホートにおけるアルゴリズムの順守率は95.0%(302/318例)、厳守(アルゴリズムの全要件の厳格な順守)率は81.8%(260/318例)だった。 著者は、「アルゴリズムの順守率は高かったが、厳守率が低かったことから、その理解と採用にはさらなる改善の余地があることが示唆された。一方、陽性的中率と誤分類率は、アルゴリズムの使用を促進すべきと判定する事前に規定した閾値(陽性的中率>98%、誤分類率<5%)を満たしていた」としている。

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慎重に評価する必要がある論文。さらなるフォローアップが望まれる(解説:野間重孝氏、下地顕一郎氏)

 この論文評は通常は野間単独で記述するものであるが、今回の論文の扱う内容を考慮して、当院の循環器内科診療科長であり、カテ斑チーフの下地君との共同執筆のかたちを取らせていただいた。 本研究(ILUMIEN IV試験)はOCTガイドとアンギオガイドのPCIを比較、2年間追跡したものである。これまでIVUSで証明されてきた優位性をOCT単独で検証した大規模なRCTであり、18ヵ国80施設が参加、2,487症例が組み入れられた。 結果は、OCTガイド群でminimum stent areaが大きく(5.72±2.04mm2 vs.5.36±1.87mm2、95%CI:0.21~0.51、p<0.001)、ステント血栓症が少なかったものの(0.5% vs.1.4%、ハザード比:0.36、95%CI:0.14~0.91、p=0.02)、TVFでは差がみられなかった、というものである(7.4% vs.8.2%、ハザード比:0.90、95%CI:0.67~1.19、p=0.45)。OCTガイドは周術期に良好なステント開大を得たことに加え、アンギオガイドでは同定できない短い未治療病変、解離やステント圧着不良、組織のprotrusionを抑制、またステント血栓症も抑制した。一方、急性期の良好な結果にもかかわらず、TVF(心臓死、標的血管MI、ischemia-driven TVRの複合エンドポイント)では有意差をつけられなかった。慢性期の結果は、これまでIVUSで行われたほとんどの研究の結果から逸脱するものであった。 IVUSガイドとアンギオガイドを比較したメタ解析(Zhang Q, et al. J Interv Cardiol. 2021;2021:6082581.)では、術後30日で、アンギオガイド群で主にMIやステント血栓症が足を引っ張り、全死亡・心臓死で有意差をもってIVUSガイド群が優位、1年以降ではTVRも増加、3年の追跡期間でMACEsのオッズ比0.45(95% CI:0.31~0.65)と、そのままIVUSガイド群の優位性を示している。またLMT病変のサブ解析でも0.42(95%CI:0.26~0.67)と優位性を示している。 本ILUMIEN IV試験の結果と過去のIVUSガイドの研究の結果との相違点を以下に挙げる。●まず、ステント血栓症の頻度である。本研究ではステント血栓症がアンギオ群においても1.4%と、Zhang Qらの報告(2年でIVUS群31/886[3.5%]、アンギオ群75/1,237[6.1%])に比べて著明に改善している。これも原因となってTVFの差につながらなかった可能性はあるが、両群における低い発生率はnew generation DESの使用によるものと考えられる。ただし、計23例のステント血栓症症例のうち実に22例が死亡やMIに至っており、ステント血栓症をOCTガイドで抑制できたことは特筆すべきことである。●次に本ILUMIEN IV試験ではLMT病変やRCAの入口部病変を除外している点を挙げたい。実臨床においてLMT病変こそ、その治療においてはイメージングデバイスのガイドは必須である。再狭窄の多いRCA入口部も然りである。ステントの拡張や側枝ガイドワイヤの通過するストラットの確認、rotablator、OAS、DCAなどのデバルキングなど、その有用性は枚挙にいとまがなく、あくまで憶測ではあるが、これらの病変を組み入れていれば結果が変わっていた可能性がある。●最後にdiscussionにもあるように、本研究の複合エンドポイントのうちischemia-driven TVRが両群ともに非常に低い点であり(5.6% vs.5.6%、ハザード比:0.99、95%CI:0.71~1.40)、これはCOVID-19のパンデミック下で狭心症の再発があっても患者が受診を控えたり、医療者側も医療資源を温存するために待機的PCIを控えたりした影響があるかもしれない。これに関してはPIのZiad Aliが興味深い解析を行っている。これによると、パンデミック前にenrollされた患者のハザード比は0.70と想定された値と合致しており(476例、7.2% vs.10.1%、95%CI:0.37~1.32)、その一方で、パンデミック下にenrollされた患者ではその差がなくなり、ischemia driven-TVRの発生率は半減した(2,020例、7.5% vs.7.7%、ハザード比:0.96、95%CI:0.69~1.32)。これもあくまで憶測であるが、パンデミックがなければ結果が変わっていた可能性は十分にある。 実臨床において、イメージングデバイスの使用がPCIの質を高めることは論を待たないと思われる。本研究でも少なくとも急性期の良好な結果は十分に証明できており、先述した理由から慢性期の優位性を示すことができる可能性は十分にあると考えられる。上述したように、IVUSの研究でもはっきりした差は3年目以降に現れており、今回の2年という追跡期間は十分でなかった可能性も考慮されなければならないだろう。この追跡は今後も続けられると考えるので、5年追跡の結果が発表されることを期待している。逆に言えば、臨床家の方々には、今回の結果のみを見てOCTなど不要だなどと、軽々な判断は慎んでいただきたいと思う。

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レカネマブ承認で現場はどうなる?【外来で役立つ!認知症Topics】第10回

レカネマブの流通が目前となった今、認知症に絡む医師として大いに迷うほど、さまざまな情報や噂が飛んでくる。一番気になるのは、筆者のようなクリニックの医師の多くは、当面この薬を使えそうにないことだ。たとえば自施設にMRIを備えていることが求められると聞く。保険収載を「目指す」?そこでまず公式発表風の情報を述べる。「岸田首相は2023年9月27日、認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議の初会合を開いた。首相は、アルツハイマー病治療薬・レケンビ点滴静注(レカネマブ)の薬事承認を報告した。またレカネマブの薬価算定に絡め、国民皆保険の持続性とイノベーション推進を両立させる観点から薬価制度の改革を含めた対応を武見 敬三厚生労働大臣に指示した1)」。事情を知る者にとっても、これではなんだかピンとこない。NHKニュースのほうがもっとわかりやすく伝えていた。「保険収載を目指して薬価の決定をする。市場規模は1,500億円と予想される2)」というのである。筆者はこの短い文章で2つの引っ掛かりを感じる。まず「目指して」である。次に「1,500億円」である。両者からいえるのは、保険収載されないのでは?という懸念である。まず1,500億円は国家予算の0.13%くらいだろうか? 自己負担が1割だろうと3割だろうと、国にとって大変な額である。さらに怖いのは「薬価制度の改革を含めた対応」である。とすると新たな方法による第1号として、レカネマブの自己負担の仕方や薬価が決まるのかもと思えてくる。クリニックにとって検査・通院は現実的ではない?次に適応となるアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)か初期ADかの診断である。普通にはアミロイドPETによるアミロイド蓄積の確認か、脳脊髄液によるアミロイドβの低値の証明で行われる。高額なことで知られる前者については、厚労省の主導でダンピングが行われており、近い将来に現在の半額程度になるのではと聞く。それでも15万円前後だろうか。一方で価格的には桁違いに廉価な脳脊髄液で診断しようとされる機関もあるようだ。もっとも対象者では、老化現象により簡単には穿刺できないケースが少なくないことは容易に予想される。さらに副作用の問題がある。最大なものがARIA(Amyloid Related Imaging Abnormalities)である。脳内の浮腫や出血が、臨床試験では3人に1人くらいと高率にみられた。これらの多くは、本剤投与を始めてから半年以内にみられる。したがって投与からしばらくは毎月に近い頻度でMRIの撮像をする必要がある。なおARIAが出現しても数ヵ月休薬することによりこの所見が消えることは、自分が担当した本治験の患者さんにおいて経験した。さて本剤の治験を経験した者として、これらとは別に臨床現場の問題も少なくないと考える。まずは2週間に1度、1時間余りの点滴投与をすることは患者・家族にとっても医療者にとっても容易ではない。また点滴をする場所と時間の確保が医療者に求められる。また継続的な薬剤管理(温度、湿度)と投与前の調剤をする必要がある。これらは細々しており、現場では新たな負担をもたらすかもしれない。さて現実問題は、自分が担当する患者さんがレカネマブ投与を希望されたときどうするかが目前の問題である。予想通り自分の施設でできないとなったら、どの施設に紹介するかである。これは認知症に関係が深い学会が中心となって、会員に呼びかけ対応可能な施設を抽出することから始めるのも1つの方法かもしれない。そのホームページにおいて専門性や認定を表示した名簿などを公開している学会は少なくない。こうしたものを利用すれば、希望する個人は全国規模で簡単に実施機関を探せるはずである。とはいえ、もし自施設にそのような希望者が数十人もおられたら、実施機関への紹介や依頼に要する労力は結構なものになるだろう。また医療収益としてコストパフォーマンスがそういいとは思われないだけに、依頼された側も容易には受け入れられないだろう。学会の内部にワーキンググループを作って策を練る必要が出てくるかもしれない。適応外患者に自由診療を希望されたらどうする?終わりに、以上の表玄関の課題からは外れるが、現実には頭を抱え込む問題がある。それはMCIでも初期ADでもない人とそのご家族が、本剤の投与をまさに藁にも縋るように切望されるケースが少なくないことである。「ルール上でダメなのはわかっている、390万円といわれる費用は払うから、自由診療でやってほしい。それならできるだろう?」、また「1年とは言わない、3ヵ月でいいからやってほしい。それでダメなら諦めるから」などの声が続々上がってきている。医療制度上このような自由診療は可能なのか? 認知症領域では未踏の問題だろうが、がんなどの先端医療において先行例があるかもしれないが…。おそらくは「走りながら考える」のスタイルで衆知を集めていくことになるのだろうが、いずれにせよ年末に可能になるかとされる本剤の使用には課題が山積している。参考1)認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議(首相官邸)2)アルツハイマー新薬 レカネマブ 12月下旬までに保険適用目指す(NHK)

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Chrome拡張機能を活用する【医療者のためのAI活用術】第7回

Chrome拡張機能とは?Chromeの拡張機能とはGoogle Chromeのブラウザに機能を追加することができるアドオンツールです。Chromeのウェブストアでさまざまな拡張機能が公開されており、基本的には無料で利用できます。ChatGPTに関連するChromeの拡張機能がいくつかあり、これを駆使することでChatGPTをより便利に使用することができます。今回は、その中で厳選したものを3つご紹介します。(1)ChatGPT Prompt GeniusChatGPT Prompt Geniusは、お気に入りのプロンプトを保存し、1クリックで呼び出せるようになる拡張機能です。これまでの連載でご紹介した英文校正や要約、学会発表で使えるプロンプトなどを保存しておくと、行いたい作業を一瞬で遂行できます。使い方は簡単で、拡張機能を追加した後、図1のように「New Prompt」をクリックし、登録したいプロンプトを入力します。その後、ChatGPTの画面を開くと図2のように登録したプロンプトが表示されるため、ワンクリックで作業ができます。(図1)プロンプトの登録方法画像を拡大する(図2)登録したプロンプトが表示される画像を拡大する(2)UseChatGPT.AIこのChrome拡張機能は、ワンクリックで文章の校正、言い換え、要約、翻訳、説明などをChatGPTが行ってくれる機能です。メールやSNSなどのコメントの返信についても提案してくれます。使い方ですが、たとえば図3の左のように、英語でメールの要件を簡単に打ちます。文章を選択した上で拡張機能をクリックすると、さまざまなコマンドが表示されます(図3右)。たとえばその中で、「Change Tone(文調を変える)」の「Professional」をクリックすると、図4のように丁寧なメールの英文が表示されます。頻繁に英文のメールをやりとりする方にとっては、とても重宝する機能です。(図3)英語のメールを丁寧な形式に書き換える方法画像を拡大する(図4)書き換え結果画像を拡大する(3)YouTube & Article Summary YouTube & Article Summary は、YouTube動画や長文のウェブサイト、ネット記事などをChatGPTが要約してくれるChrome拡張機能です。動画やウェブサイトを全部見る時間がないものの、要点だけ知りたい場合に役立ちます。長文の要約というChatGPTの長所を活かした拡張機能ですね。Chromeの拡張機能を追加した後、YouTubeを開くと、図5のように動画の右上にこの拡張機能のタブが現れます。クリックすると内容が文字起こしされ、「View AI Summary」をクリックすると図6のようにChatGPTの画面が起動して、内容の要約が表示されます。注意点として、20分以上の長尺動画の場合はうまく機能しない場合があります。(図5)動画を要約する方法画像を拡大する(図6)要約結果画像を拡大する

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英語で「任せます」は?【1分★医療英語】第101回

第101回 英語で「任せます」は?《例文1》Please leave it to me.(私に任せてください)《例文2》I’ll leave it to you whether you start the medication today or not.(この薬を今日から飲み始めるかどうかは、あなたにお任せします)《解説》“leave”には「離れる」や「置いておく」といった意味がありますが、これに関連して「任せる」という意味もあります。同じく“leave”の動詞を使って「仕事を託す」といったイメージで、”I'll leave it to you.” または“I’ll leave it in your hands.”(あなたにお任せします)といったように使います。また、何か仕事を進めてもらうような状況では、“Please go ahead.”(どうぞ進めてください)という表現もよく使われます。また、「仕事を引き継いでもらう」といった状況では、“Over to you.”(よろしく)という表現もよく使われますが、目上の人にはやや失礼に当たるので注意しましょう。「任せる」という意味の表現には、“It’s up to you”というものもあります。これは「あなた次第です」と訳されることが多いですが、言い方によっては突き放した表現にも聞こえてしまうため、使う際には注意が必要です。上の表現にも出てきた“hand”を使って「仕事を託す」というイメージで、“It’s in your hands now.”(今からお任せします)という言い方も可能です。講師紹介

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血管内/外溶血を抑制する発作性夜間ヘモグロビン尿症薬「エムパベリ皮下注1080mg」【最新!DI情報】第2回

血管内/外溶血を抑制する発作性夜間ヘモグロビン尿症薬「エムパベリ皮下注1080mg」今回は、補体(C3)阻害薬「ペグセタコプラン(商品名:エムパベリ皮下注1080mg、製造販売元:Swedish Orphan Biovitrum Japan)」を紹介します。本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症における世界初のC3阻害薬であり、血管内溶血および血管外溶血の抑制が期待されています。<効能・効果>発作性夜間ヘモグロビン尿症の適応で、2023年3月27日に製造販売承認を取得し、9月4日より販売されています。なお、本剤は、補体(C5)阻害薬による適切な治療を行っても、十分な効果が得られない場合に投与されます。<用法・用量>通常、成人には、ペグセタコプランとして1回1080mgを週2回皮下投与します。なお、十分な効果が得られない場合には、1回1080mgを3日に1回の間隔で皮下投与することができます。補体(C5)阻害薬から本剤に切り替える際は、補体(C5)阻害薬中止による溶血を抑えるため、本剤投与開始後4週間は補体(C5)阻害薬を併用します。<安全性>国際共同第III相試験(PEGASUS/APL2-302試験)の無作為化投与期間において多く認められた副作用は、注射部位紅斑14.6%、注射部位反応9.8%、注射部位硬結7.3%、注射部位腫脹7.3%などでした。なお、重大な副作用として、莢膜形成細菌による重篤な感染症(頻度不明)、髄膜炎菌感染症(頻度不明)、過敏症(2.5%)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、発作性夜間ヘモグロビン尿症に対して補体(C5)阻害薬による適切な治療を受けているにもかかわらず、効果が不十分な場合に投与される注射薬です。2.血管内の溶血を防ぐとともに、血管外の溶血も防ぎます。3.投与中および投与終了後2ヵ月は、「患者安全性カード」を常に携帯してください。4.主治医以外の医師の診察を受ける場合には「患者安全性カード」を掲示し、必ずこの薬を使用していることを医師および薬剤師に伝えてください。5.投与中に発熱や悪寒、頭痛など感染症を疑う症状が生じた場合は、たとえ軽度であっても主治医に連絡してください。<ここがポイント!>発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は溶血性貧血の一種であり、免疫機構の1つである補体によって赤血球が攻撃、破壊される病気です。現在のところ根本的な治療は造血幹細胞移植のみですが、補体(C5)阻害薬であるエクリズマブやラブリズマブによる治療を続けることで症状の進行を抑えることができます。しかし、補体(C5)阻害薬は効果が不十分となることがあり、また一部の患者では肝臓や脾臓などで溶血する「血管外溶血」がみられることがあります。本剤は、補体C3とC3bを特異的に阻害し、血管内溶血を防ぐとともにC5阻害薬で活性化されたC3bの血管外溶血も抑制することができます。エクリズマブ治療でHb値が10.5g/dL未満のPNH患者に対して、本剤を投与したときの有効性および安全性をエクリズマブ継続投与と比較した国際共同第III相試験(PEGASUS/APL2-302試験)において、主要評価項目である無作為化投与期間の16週時点のHb値のベースラインからの変化量は、本剤群は+2.37g/dL、エクリズマブ群は-1.47g/dL、群間差は3.84g/dL(95%信頼区間:2.33~5.34)であり、本剤はエクリズマブ群に比べてHb値を有意に改善しました。本剤は免疫系の一部を阻害するため、髄膜炎菌や肺炎球菌、インフルエンザ菌b型などによる重篤な感染症にかかる可能性が高まります。そのため、本剤を初めて使用する2週間前までに、これら3種のワクチンを接種する必要があります。なお、重篤な感染症を引き起こすリスクは投与終了後も数週間続くことがあるので、患者安全性カードを患者に携帯する必要があります。

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第185回 ヘモグロビンの血液外での働きが判明~軟骨細胞が生き延びるのに必要

ヘモグロビンの血液外での働きが判明~軟骨細胞が生き延びるのに必要酸素を携えたタンパク質ヘモグロビンが大量に巡って血液を赤く染めています。血流のヘモグロビンは赤血球の中にあって酸素を遠方まで運ぶ役割を担うことがよく知られていますが、赤血球以外あるいは血流の外でのヘモグロビンの働きはよくわかっていませんでした。しかしついにヘモグロビンの赤血球以外での働きの1つが中国の研究者などによって突き止められました。軟骨を作る細胞である軟骨細胞が低酸素への対応として自前でヘモグロビンを作り、酸素が少ない環境で生きるための仕組みの一端を担うことがその研究で示されました1)。先立つ研究でドーパミン放出神経細胞、肺胞上皮細胞、免疫細胞(マクロファージ)、網膜色素上皮細胞などの赤血球以外のいくつかの細胞でのヘモグロビンの発現がすでに確認されています。しかしそれらの細胞でのヘモグロビンの役割の確かな裏付けは得られていませんでした。若いマウスの骨の発育の研究をしていた中国の病理学者Feng Zhang氏はその成長板(growth plate)に見慣れない軟骨細胞の塊があることを発見します。2017年のことです2)。それらの細胞は赤血球によく似た形をしていただけでなく、ヘモグロビンも豊富に携えていました。赤血球によく似たそれらの謎めいた細胞の一団は成長板で何をしているのか? Zhang氏は細胞生物学者Qiang Sun氏らと協力してその答え探しに乗り出します。骨を伸ばす原動力である成長板は酸素が乏しく、血液も届きません。にもかかわらず成長板の軟骨細胞は忙しく分裂しており、酸素が少なくてもやっていける何らかの仕組みを備えているようなのです。その仕組みにヘモグロビンが寄与しているかもしれないとチームは想定し、機能するヘモグロビンが枯渇したマウスを観察しました。すると成長板で大量の軟骨細胞が息絶えていました。続いて軟骨細胞に限ってヘモグロビンを枯らしたところやはり成長板の軟骨細胞が多く死にました。ヘモグロビンは酸素が乏しくても軟骨細胞が生きていけるようにする仕組みの一端をどうやら担うようです。それを裏付ける研究として、ヘモグロビンを欠く軟骨細胞は酸素が乏しいと大量に死に、ヘモグロビンを正常に備える軟骨細胞は酸素を放出してより生き延びるという結果が得られています。興味深いことにヘモグロビンは軟骨細胞内でサラダドレッシングの油滴のような相分離の様相を呈する膜のない凝集体(condensate)を形成していました。ヘモグロビンの端を少し切ってみる実験の結果によるとヘモグロビンの凝集体は行き当たりばったりではなく筋書きに沿って形成されるようです。ヘモグロビンの凝集はどうやら軟骨細胞に限ったことではなさそうであり、網膜色素上皮や緑内障の細胞では粒状のヘモグロビンの分布が確認されています。一定の条件でヘモグロビンは凝集体を形成するという考えをそれらの観察結果は示しています。細胞がヘモグロビン凝集体をどう扱っているかは今後調べる必要がありますが、不足しがちな酸素を周囲から吸収して小さくまとめてより多く貯蔵する働きがあるのかもしれません2)。酸素を盛んに消費するかあるいは血管が通っていなくて酸素が乏しい組織の細胞の長期の需要に応じてヘモグロビンに蓄えられた酸素が使われるのではないかとZhang氏らは示唆しています1)。若さ同様に成長板は短命です。人の成長板は生まれる前に作られ、思春期ごろに消滅します。しかし軟骨細胞は体のあちこちで生涯にわたって存続します。関節はその1つで、軟骨細胞はそこで軟骨組織を維持する役割を果たしています。実際、ヒトの膝関節軟骨組織の観察でヘモグロビン保有構造が検出されています。軟骨のような成長板以外の場所でもヘモグロビンが低酸素下での細胞生存に貢献しているかどうかはわかっておらず、今後調べる必要があります。また、低身長症などの骨の発達に支障を来す病態の数々に軟骨細胞でのヘモグロビン不足が寄与しているかもしれません。今回の成果をきっかけにしてさまざまな研究が始まるだろうとテキサス大学の歯や骨の研究者・小野 法明(Noriaki Ono)氏はScience誌に話しています2)。参考1)Zhang F, et al. Nature. 2023 Oct 04. [Epub ahead of print]2)More than red blood cells depend on hemoglobin, surprising study of cartilage reveals / Science

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医師になってからの進路で悩んでいます【医学生お悩み相談ラヂオ】第13回

動画解説第13回は、医学部5年生の男性からのお悩み。臨床実習や国試対策の勉強も進む中で、本格的に医師への道を歩み始めているのですが、医師としての将来像がまったく定まっていないとのこと。多くの学生の進路相談を受けてきたえど先生の回答とは。

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月1回のノンアル飲料提供で飲酒量は減らせるか?/筑波大

 本邦では、男性40g/日以上、女性20g/日以上の純アルコール摂取量を生活習慣病のリスクを上昇させる飲酒量と定義している1)。しかし、この飲酒量で飲酒する人の割合を2019年と2010年で比較すると、男性では変化がなく、女性では有意に増加したと報告されている2)。そのため、さらなる対策が求められている。そこで、吉本 尚氏(筑波大学医学医療系 准教授)らの研究グループは、アルコール依存症の患者を除いた週4回以上の飲酒をする20歳以上の成人を対象として、ノンアルコール飲料の提供によりアルコール摂取量を減らすことが可能か検討した。その結果、ノンアルコール飲料の提供によりアルコール摂取量が減少し、提供期間終了後8週間においてもその効果が持続した。本研究結果は、BMC Medicine誌2023年10月2日号に掲載された。 本研究は、アルコール依存症の患者、妊娠中や授乳中の人、肝臓病の既往歴のある人を除いた週4回以上(飲酒日のアルコール摂取量の平均が男性40g以上、女性20g以上)の飲酒をする20歳以上の成人123人(男性54人、女性69人)を対象とした。対象を12週間にわたって4週間に1回(計3回、1回3ケースまで)ノンアルコール飲料が提供される群(介入群)、ノンアルコール飲料が提供されない群(対照群)に割り付け、前観察期間(4週間)、介入期間(12週間)、後観察期間(8週間)のアルコール摂取量などを検討した。 主な結果は以下のとおり。・介入群に54人、対照群に69人が割り付けられた。・介入期間の12週時点において、前観察期間と比較したアルコール摂取量の変化は、介入群-320.8g/4週、対照群-76.9g/4週であり、介入群が対照群と比較して有意に減少した(p<0.001)。・後観察期間の8週時点(介入終了から8週後)においても、前観察期間と比較したアルコール摂取量は、介入群が対照群と比較して有意に減少していた(介入群-276.9g/4週、対照群-126.1g/4週、p<0.001)。・介入群において、介入期間の12週時点におけるノンアルコール飲料の摂取量とアルコール摂取量に有意な負の相関が認められた(r=-0.500、p<0.001)。 本研究結果について、著者らは「介入群のみでノンアルコール飲料の摂取量とアルコール摂取量に負の相関が認められたことから、介入群ではアルコール飲料がノンアルコール飲料に置き換えられた可能性が考えられる」と考察し、「過剰なアルコール摂取を減らすための対策として、ノンアルコール飲料の提供が有用であり、ノンアルコール飲料が減酒のきっかけになる可能性が明らかになった」とまとめた。

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日本における軽度認知障害とアルツハイマー病の疾病負荷

 軽度認知障害(MCI)およびアルツハイマー病の予防や管理対策の開発には正確な疫学データが必要とされるが、日本ではこのようなデータが不足している。九州大学の福田 治久氏らは、日本における新規発症のMCIまたはアルツハイマー病患者の疾病負荷と進行について調査を行い、急速に高齢化が進む国においてMCIやアルツハイマー病は優先度の高い疾患であり、本結果は日本におけるこれらの疾病負荷や進行について重要な初の考察を提供するものである、とまとめている。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2023年9月9日号の報告。 2014~21年の17市町村の新規発症MCIおよびアルツハイマー病患者のレセプトデータを用いて、多地域コホート研究を実施した。患者の特徴を明らかにするため、地域(都市部、郊外、農村部)ごとに、発症時の患者の年齢、併存疾患、長期の要介護度を調査した。疾病負荷は、医療費と長期介護費を用いて、発症後1年、2年、3年間で推定した。新規発症のMCI患者におけるアルツハイマー病への進行と、新規発症のアルツハイマー病患者における死亡の評価には、カプランマイヤー曲線を用いた。 主な結果は以下のとおり。・MCI患者3,391例、アルツハイマー病患者5万8,922例を分析した。・MCI患者とアルツハイマー病患者の医療支出は、1年目は高額であったが、3年目までに徐々に減少していた。【MCI】1年目:1万3,035ドル、3年目:8,278ドル【アルツハイマー病】1年目:1万5,858ドル、3年目:1万414ドル・対照的に、日常生活支援である長期介護支出は、3年間で着実に増加していた。【MCI】1年目:1,767ドル、3年目:3,712ドル【アルツハイマー病】1年目:6,932ドル、3年目:9,484ドル・発症後3年目に、MCI患者の30.9%がアルツハイマー病を発症し、アルツハイマー病患者の23.3%は死亡した。

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eplontersen、遺伝性ATTRvアミロイドーシスに有効/JAMA

 ポリニューロパチーを伴う遺伝性トランスサイレチン型(ATTRv)アミロイドーシス患者の治療において、アンチセンスオリゴヌクレオチドであるeplontersenはプラセボと比較して、血清トランスサイレチン濃度を有意に低下させ、ニューロパチーによる機能障害を軽減し、良好なQOLをもたらすことが、ポルトガル・Centro Hospitalar Universitario de Santo AntonioのTeresa Coelho氏らが実施した「NEURO-TTRansform試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年9月28日号で報告された。historical placeboと比較する単群第III相試験 NEURO-TTRansform試験は、過去の臨床試験のプラセボ群(historical placebo)との比較を行う非盲検単群第III相試験であり、2019年12月~2021年6月に日本を含む15ヵ国40施設で患者のスクリーニングを実施した(米国・Ionis Pharmaceuticalsの助成を受けた)。 対象は、18~82歳、Coutinhoの病期分類でステージ1または2のATTRvポリニューロパチーと診断され、Neuropathy Impairment Score(0~244点、点数が高いほど身体機能が不良)が10~130点で、TTR遺伝子配列のバリアントを有する患者であった。 本試験と類似の適格基準およびエンドポイントが設定されたNEURO-TTR試験(inotersenの二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験、2013年3月~2017年11月)でプラセボの投与を受けた患者をプラセボ群(週1回、皮下投与)とした。eplontersen群は本薬45mgを4週ごとに皮下投与した。 有効性の主要エンドポイントは次の3つで、ベースラインから65週目または66週目までの変化量を評価した。(1)血清トランスサイレチン濃度、(2)修正Neuropathy Impairment Score +7(mNIS+7)の複合スコア(-22.3~346.3点、点数が高いほど身体機能が不良)、(3)Norfolk Quality of Life Questionnaire-Diabetic Neuropathy(Norfolk QoL-DN)の総スコア(-4~136点、点数が高いほどQOLが不良)。 eplontersen群144例(平均年齢53.0歳、男性69%)のうち136例(94.4%)、NEURO-TTR試験のプラセボ群60例(59.5歳、68%)のうち52例(86.7%)が66週のフォローアップを完了した。有効性の副次エンドポイントも良好 65週の時点で、血清トランスサイレチン濃度のベースラインからの補正後平均変化量は、プラセボ群が-11.2%であったのに対し、eplontersen群は-81.7%と有意に優れた(群間差:-70.4%、95%信頼区間[CI]:-75.2~-65.7、p<0.001)。 また、mNIS+7の複合スコアのベースラインから66週までの補正後平均変化量は、プラセボ群の25.1点に比べ、eplontersen群は0.3点と有意に低かった(群間差:-24.8点、95%CI:-31.0~-18.6、p<0.001)。 さらに、Norfolk QoL-DNの総スコアのベースラインから66週までの補正後平均変化量は、プラセボ群の14.2点に比し、eplontersen群は-5.5点であり有意に良好だった(群間差:-19.7点、95%CI:-25.6~-13.8、p<0.001)。 有効性の副次エンドポイントのうち、35週目と66週目のneuropathy symptom and change(NSC)総スコア、65週目のSF-36 PCSスコア、65週目の栄養状態(修正BMI)は、いずれもeplontersen群で有意に優れた(すべてp<0.001)。65週目のpolyneuropathy disability(PND)スコアI(介助なしでの歩行)は、eplontersen群ではベースラインから変化がなかった。 試験薬投与中の有害事象(TEAE)のうち、重篤なTEAEはeplontersen群が21例(15%)、プラセボ群は12例(20%)で発生した。66週目までに試験薬の投与中止をもたらした有害事象は、eplontersen群が6例(4%)、プラセボ群は2例(3%)で発現した。 eplontersen群の2例がATTAvアミロイドーシスの既知の続発症(心不整脈、脳内出血)で死亡したが、試験薬関連死は認めなかった。とくに注意すべき有害事象の1つである血小板減少症は、eplontersen群の3例(2%)、プラセボ群の1例(2%)でみられた。 著者は、「eplontersen群と過去の臨床試験のプラセボ群のアウトカムの結果の差は、ベースラインの種々の患者背景因子とは関連がなかった」とし、「現在進行中の非盲検延長試験では、eplontersenの長期的な安全性と忍容性の評価が行われている」と付言している。

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HIVの流行終結を目指す取り組みとは

 HIV感染症は、医療の進歩により、もはや死に至る病気ではなくなった。国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、2030年までにHIV流行を終結する目標を発表しており、HIV流行終結に向けた対策は世界的に推進されている。一方、日本においては、HIV/エイズの適切な予防・検査・治療の推進に加え、誤解の解消と正しい情報の提供が喫緊の課題とされている。2023年10月5日、「2030年までのHIV流行の終結に向けた道筋とは」をテーマとした、ギリアド・サイエンシズ主催のメディアセミナーが開催された。HIV流行終結を目指す取り組み HIV感染症の治療法が進歩し続けているにもかかわらず、HIVは依然として公衆衛生上の課題のままである。そのような中、ギリアド・サイエンシズは治療薬および予防薬の開発を推進し、さらに予防ツールとしてのPrEP(曝露前予防内服、「プレップ」と呼ばれる)により新規感染リスクの軽減に貢献している。同社社長のケネット・ブライスティング氏は「世界中の、そして日本においてHIVの終結を目指している。その実現のため、医療専門家や行政とも連携を深めながら、2021年に6つの団体(ぷれいす東京、JaNP+、はばたき福祉事業団、akta、community center ZEL、魅惑的倶楽部)と設立した『HIV/AIDS GAP6』と共同で、HIVの検査・予防、社会的差別などの未解決課題に取り組んでいる」と語った。早期治療開始が重要 杉浦 亙氏(国立国際医療研究センター 臨床研究センター長)からは、HIVの克服に向けた40年の歩みと今後の対策について語られた。 1981年に認識されたHIVは、全世界で約4,000万人の命を奪ってきた。現在も約3,900万人がHIV陽性であり、年間約160万人が新たな感染者となっている。杉浦氏はとくに薬剤治療の進歩と、それにまつわる治療について、「約40年間にHIV治療薬として32の化合物が開発されているが、新しい薬の開発は次第に時間がかかるようになってきている。また、早期治療開始による感染予防の有用性を検討したHPTN 052試験によると、早期治療がHIV感染リスク等の減少に寄与するとわかっている」と説明した。 こうした背景から、今後の課題について杉浦氏はHIV検査の重要性を強調し、とくに新規感染者の把握とそれに続く治療の開始が必要である、と述べた。UNAIDSは2030年までにHIVの流行終結を目指しているが、杉浦氏はUNAIDSが掲げる2025年までの治療目標「95-95-95」、そして「3つのゼロ」戦略について、これらは今後の方針として全世界で追求されていると紹介した。 日本においてもHIV検査の増加と、検査から治療開始までのプロセスの強化が必要とされている。杉浦氏は「日本では新規診断例は減少傾向にみえるが、目標達成にはまだ不十分である。検査の機会を増やし、感染者を診断し治療を始めることが、HIV感染者のQOL向上と感染の抑制に寄与し、今後のHIV対策の鍵となる」と語った。 なお、「95-95-95」および「3つのゼロ」戦略の目標は以下のとおりである。95-95-95:・HIV感染者の95%が自身のHIV感染を把握している・HIVと診断された人の95%が継続的なART(抗レトロウイルス療法)を受けている・ARTを受けている人の95%がウイルス学的抑制を達成している3つのゼロ:・差別をゼロにする・新たなHIV感染をゼロにする・AIDS関連死をゼロにするHIV/AIDS GAP6が提唱する社会全体で目指すべき施策 本セミナーのパネルディスカッションでは、「HIV/AIDS GAP6」の各メンバー6人と、医師である田沼 順子氏(国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 医療情報室長)による、HIV/エイズの終結に向けた議論が行われた。 国内外で展開されているHIVの流行終結への道のりには、HIV検査機会や感染予防の選択肢、また社会全体における理解度に関して、多くの課題が存在している。こうした中、HIV/AIDS GAP6は2023年8月に、HIV/エイズの流行終結に向けた要望書を厚生労働省に提出している。要望書では、「1. HIVの流行終結の目標発表と具体的な方策の策定」「2. HIV検査機会の多様化について」「3. 地域で安心して医療が受けられるHIV陽性者への医療提供体制の整備について」「4. HIV感染予防のための選択肢の拡充及び啓発について」「5. HIV/エイズに対する社会全体の理解向上に向けた対策について」の5項目が提案されている。 要望書を提出した背景と共に、HIV/エイズに関する現状が各メンバーから語られた。 検査機会について、akta理事長の岩橋 恒太氏は、「現在、郵送によるHIV検査もあるが、国の検査体制としての位置付けが明確でなく、郵送検査による結果を受け取ったほうが次の確認検査や治療につながっているのかという点で、まだ十分とは言えない。検査から治療までつなげるサポート体制が重要である」と語った。 加えて、HIV陽性者が地域で診療を受ける際にもハードルがあるという。たとえば、整形外科や眼科などを受診する際、通常の診療所では受診を断られてしまうことも少なくない。受診可能な遠くの拠点病院などへの通院は経済的な負担になっており、医療従事者におけるHIVに対する正しい理解と、HIV陽性者の受診が可能な診療体制の構築が求められている。 また、感染予防のための対策・啓発については、コンビネーション予防が挙げられている。当事者のニーズに合わせた感染予防の選択肢があるべきであり、コンドームやPrEPなど、複数の予防策を組み合わせることが大切である。そのうえで、社会全体としては流行終結に向けて、スティグマと差別を減らす介入などの構造的な面や、感染リスクを低減するためのケアといった行動学的な面も合わせた啓発活動が望まれる。PrEPに対して田沼氏は、「個人輸入で薬を提供している診療所もあるが、安全性などの情報が十分に提供されているのかという課題もあり、本来であれば検査とセットで提供されるべきものではないか」と指摘し、PrEPの制度化の必要性を語った。 ディスカッションの最後には、社会全体におけるHIVへの理解の重要性が述べられた。魅惑的倶楽部理事長の鈴木 恵子氏は、「啓発活動を続けている中で、一般の方々や行政においてもHIVに対する関心が少し薄いのではないか、と感じることがある。HIVに関する理解度の低さから偏見が生じてしまっているため、HIVを人権の1つと捉えて、連携した取り組みからの理解度向上が必要である」と締めくくった。

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