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高齢者に対するスタチンの新規投与により、プレフレイルおよびフレイルの新規発症、ならびに死亡リスクが有意に低下することが明らかになった。本結果は、脂質異常症治療薬であるスタチンが持つ抗炎症作用などの多面的効果が、高齢者の身体機能などの低下抑制に寄与する可能性を示唆している。European Heart Journal誌2026年6月10日号オンライン版掲載の報告。 研究グループは、2002年1月~2018年12月に米国退役軍人省(VA)医療システムで定期的な医療ケアを受け、スタチン治療歴のない67歳以上の高齢退役軍人を対象に大規模な観察研究を実施。妥当性が確認された31項目のVAフレイル指数カテゴリー(VA-FI)に基づき、ベースライン時点で軽度フレイル(0.2以上)であった対象者を除外した。解析にあたり、MedicareおよびMedicaidのデータとリンクさせ、交絡因子を調整するために傾向スコア重み付け法(PSW)を用いた。スタチンの使用とフレイル新規発症(死亡による打ち切りを含む複合アウトカム)との関連を検討するために、Cox回帰モデルで解析し、ベースライン時にプレフレイル(VA-FIスコア0.1~0.2)であった症例を対象とした同様のサブ解析も実施した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象者は高齢退役軍人98万7,301例(平均年齢72±6歳、男性98%、白人87%)で、研究期間中に29万729例がスタチンを開始した。・平均追跡期間5.3±4.1年のなかで、フレイルの新規発症は63万6,195件発生した。1,000人年あたりの未調整のイベント発生率は、スタチン開始群で153.1件、非開始群で111.4件であった。・PSWによる調整後、新たなスタチン開始群は非開始群と比較して、フレイルの新規発症リスクが24%有意に低かった(ハザード比 [HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.75~0.76)。・ベースライン時にプレフレイル(VA-FIカテゴリー:0.1~0.2)であった退役軍人を対象とした解析においても、同様にスタチン開始による有意なフレイル新規発症リスクの低下が認められた。