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33661.

Framinghamリスク分類を有意に改善するのは内頸動脈壁の最大内膜中膜厚のみ

頸動脈壁内膜中膜厚が心血管アウトカムの予測因子として有用かについて、Framinghamリスクスコアと関連させながら詳細に検討(総頸動脈壁内膜中膜厚、内頸動脈壁内膜中膜厚の別に考慮)した結果、総頸動脈壁内膜中膜厚、内頸動脈壁内膜中膜厚ともに心血管アウトカムを予測したが、Framinghamリスクスコアのリスク分類能を改善するには、内頸動脈壁内膜中膜厚のみ有用であることが、米国・タフツ医療センター放射線部門のJoseph F. Polak氏らにより報告された。同氏らは、頸動脈壁内膜中膜厚をFraminghamリスクスコアに加えることで、同リスク分類が改善されるのではないかと言われてきた仮説を検証した結果による。NEJM誌2011年7月21日号掲載報告より。Framingham次世代研究2,965例を7.2年間追跡Polak氏らは、Framingham次世代研究(Framingham Offspring Study)コホート2,965例の総頸動脈壁の平均内膜中膜厚と内頸動脈壁の最大内膜中膜厚を測定し、追跡期間7.2年間の心血管疾患アウトカムについて評価した。多変量Cox比例ハザードモデルにて、内膜中膜厚とリスク因子との関連を評価し、Framinghamリスクスコア分類(低、中間、高)を基準として、内膜中膜厚の因子を追加後に8年間の心血管疾患の再分類がどの程度変わるかを評価した。被験者の平均年齢は58(SD 10)歳、基線では心疾患歴がなく、55.3%が女性であった。追跡期間中に報告された被験者初発の心血管イベントは296例であった。総頸動脈壁の平均内膜中膜厚も予測因子だが、Framinghamリスク分類は改善しない発生した心血管イベントは、Framinghamリスクスコアにより予測可能であった。C統計量は0.748(95%信頼区間:0.719~0.776)だった。総頸動脈壁の平均内膜中膜厚を追加後、心血管疾患との関連は有意であったが(1-SD増すごとの補正後ハザード比:1.13、95%信頼区間:1.02~1.24)、C統計量の変化(0.003、95%信頼区間:0.000~0.007)は有意ではなかった。内頸動脈壁の最大内膜中膜厚を追加後は、心血管疾患との関連は有意で(同:1.21、1.13~1.29)、C統計量の変化(0.009、同:0.003~0.016)はわずかだが有意な上昇が認められた。ネット再分類指数は、内頸動脈壁内膜中膜厚追加後は有意に上昇したが(7.6%、P<0.001)、総頸動脈壁内膜中膜厚追加後の上昇は有意ではなかった(0.0%、P=0.99)。内頸動脈壁内膜中膜厚1.5mm超と定義したプラークの存在を追加後のネット再分類指数は7.3%(P=0.01)、C統計量の変化(0.014、同:0.003~0.025)ともわずかだが有意な上昇が認められた。Polak氏は、「総頸動脈壁内膜中膜厚、内頸動脈壁内膜中膜厚ともに心血管アウトカムを予測するが、心血管疾患のリスク分類を有意に改善するのは、内頸動脈壁の最大内膜中膜厚(およびプラークの存在)のみである」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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中東からの帰還兵に多い呼吸器障害の原因とは

1990年代に配備され最近帰国したイラク、アフガニスタンからの帰還兵では、呼吸器症状の報告が一般的になっているという。米国、英国、オーストラリアで行われた疫学的研究では、他地域配備と比べて中東配備兵での呼吸器障害の発生率増大が報告され、2009年の報告ではイラク内陸部への配備との関連が示されたが、配備中に吸入性傷害を負ったことは明らかになったものの病理学的な検証はなされていない。そこで米国・Meharry医科大学のMatthew S. King氏らは、帰還後に労作時呼吸困難で運動耐容能が低下した80例について症例記述研究を行った。NEJM誌2011年7月21日号掲載報告より。労作時呼吸困難で運動耐容能が低下した80例を評価King氏らが研究対象としたのは、フォート・キャンベル(ケンタッキー)の陸軍病院から運動耐容能評価のため、2004年2月~2009年12月の間に大学病院に紹介されてきた80例の帰還兵であった(配備先:イラクのみ62例、イラクとアフガニスタン17例、アフガニスタンのみ1例)。いずれも配備前は健康であったが、帰還後は呼吸困難のため2マイルランテストの米陸軍基準を達成することができなくなってしまっていた。帰還兵に対し、病歴、曝露歴、身体検査、肺機能検査、CT検査が行われ、非侵襲性評価では症状について説明がつかなかった49例には、さらにバイオプシー検査が行われ、心肺運動負荷検査および肺機能検査データについて、これまで集積されてきた陸軍データ(対照群)との比較が行われた。説明のつかなかった49例はびまん性狭窄性細気管支炎バイオプシー検査が行われたのは49例で、全例に異常が認められ、うち38例は狭窄性細気管支炎であった。残る11例は、その他の診断で呼吸困難の説明がついた。被験者が配備期間中、イラクのモスルで2003年夏に大規模な硫黄鉱山火災があった。その曝露歴は被験者に一般的で、全例には及ばなかったものの、狭窄性細気管支炎と診断された38例では28例に曝露歴が確認された。検査所見については、38例全例が胸部X線所見は正常であったが、胸部CTでは約4分の1に、モザイク状のエアートラッピングまたは小葉中心性結節が確認された。肺機能検査および心肺運動負荷検査の結果は、概して正常範囲内であったが、対照群データよりも劣っていた。King氏は、「説明のつかなかった49例は、バイオプシー検査によりびまん性狭窄性細気管支炎であることが判明した。38例については、おそらく吸入性曝露によるものと思われる」とまとめている。(武藤まき:医療ライター)

33663.

たこつぼ心筋症、心血管MRIで正確に診断が可能

ストレス心筋症(たこつぼ心筋症)について、心血管MRI(CMRI)により正確な診断が可能であることが報告された。またCMRIにより、従前報告されているよりも広範囲に臨床像が認められることが判明し、ストレス心筋症の心室部の無収縮部位について、心尖部や両心室など4つのパターンがあることが示されたという。ドイツ・ライプツィヒ大学心臓センターのIngo Eitel氏らが、米国とヨーロッパのストレス心筋症患者256人について行った前向きコホート試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2011年7月20日号で発表した。無収縮部分は4つの部位と判明ストレス心筋症は、ストレスイベントに起因する一過性の急性心不全で、特徴的な左室収縮パターンを有する。その臨床プロフィールはさまざまに描出されてきたが、小規模単一施設をベースとしたもので、大規模多施設データをベースとしたものが不足していた。また、入院時の診断を速やかに行うことについても課題が残されたままだった。そこで研究グループは2005年1月~2010年10月にかけて、米国とヨーロッパ7施設のストレス心筋症患者256人について、症状発症時と1~6ヵ月時点でCMRIを行い、ストレス心筋症の病変部位およびその後の進展について判定できるかどうかを検証した。主要評価項目は、左室機能障害の完治とした。被験者の平均年齢は69歳(標準偏差:12)、うち81%(207人)が閉経後女性、8%(20人)が50歳以下の女性、11%(29人)が男性だった。CMRIから(評価可能239人、93%)、心室部の無収縮について、心尖部(197人、82%)、両心室(81人、34%)、心室中部(40人、17%)、基底部(2人、1%)の4パターンが認められた。CMRIでの診断ポイントは4つまたCMRIによるストレス心筋症の特定については、(1)典型的な左室機能障害の症状、(2)心筋浮腫、(3)重篤な壊死や線維症の欠如、(4)心筋の炎症マーカーの4点を読み取ることによって、正確に診断することが可能だった。なお追跡CMRI群は、左室駆出分画率(平均66%、95%信頼区間:64~68)や炎症マーカーが正常化し、重篤な線維症は認められなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

33664.

米国飲食店のカロリー表示、総じて正確

米国レストランで行っている料理のカロリー表示は、実際の測定値とほぼ同等であることが、米国・タフツ大学のLorien E. Urban氏らが行った米国の飲食店42店を対象とする調査で明らかになった。米国人のカロリー摂取の約35%は飲食店の食事からだが、飲食店のカロリー表示の正確性については、これまで明らかになっていなかったという。JAMA誌2011年7月20日号掲載より。表示値と実測値の差、1人前当たり平均10kcal程度研究グループは、2010年1~6月にかけて、米国飲食店チェーンで、マサチューセッツ州、アーカンソー州、インディアナ州にある店の中から、各地域14店、合わせて42店を選び調査を行った。調査対象となった食事品目は269品目だった。結果、全体として、飲食店のカロリー表示は実際の測定値と有意な差はなかった(平均格差:10kcal/1人前、95%信頼区間:-15~34kcal/1人前、p=0.52)。一方で、個々の品目についてみると、カロリー表示とカロリー実測値にはばらつきがあり、50品目(19%)の実測値が表示値よりも1人前当たり100kcal上回っていた。高カロリー食品は実測値が表示値を上回り、低いものは下回る傾向初回測定で1人前当たりのカロリー摂取量が最も高いほうから10%内の17品目のうち、13品目については再測定が可能だった。その結果、初回測定では測定値が表示値を1人前当たり289kcal上回り、再測定では同258kcal上回っていた(表示と実測値の差が0kcal/ポーションに対するP<0.001)。さらに、表示カロリーが低い品目では表示値よりも実測値が高く、表示カロリーが高い品目では実測値が低い傾向が認められた(P<0.001)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

33665.

心房細動を有する75歳以上高齢者の脳卒中リスクは“高リスク”とするのが妥当

心房細動を有する高齢患者の脳卒中リスクの予測能について、近年開発提唱された7つのリスク層別化シェーマを比較検討した結果、いずれも限界があることが報告された。英国・オックスフォード大学プライマリ・ケア健康科学部門のF D R Hobbs氏らによる。脳卒中のリスクに対しては、ワルファリンなど抗凝固療法が有効であるとの多くのエビデンスがあるにもかかわらず、高齢者への投与率は低く、投与にあたっては特に70歳以上ではアスピリンと安全面について検討される。一方ガイドラインでは、リスクスコアを使いリスク階層化をした上でのワルファリン投与が推奨されていることから、その予測能について検討した。試験の結果を受けHobbs氏は、「より優れたツールが利用可能となるまでは、75歳以上高齢者はすべて“高リスク”とするのが妥当だろう」と結論している。BMJ誌2011年7月16日号(オンライン版2011年6月23日号)掲載報告より。プライマリ・ケアベースの被験者を対象に、既存リスクスコアの予測能を検証既存リスク層別化シェーマの成績の比較は、BAFTA(Birmingham Atrial Fibrillation in the Aged)試験の被験者サブグループを対象に行われた。BAFTA試験は、2001~2004年にイギリスとウェールズ260の診療所から集められた心房細動を有する75歳以上の973例を対象に、脳卒中予防としてのワルファリンとアスピリンを比較検討したプライマリ・ケアベースの無作為化対照試験。Hobbs氏らは、BAFTA被験者でワルファリンを投与されていなかった、または一部期間投与されていなかった665例を対象とし、CHADS2、Framingham、NICE guidelines、ACC/AHA/ESC guidelines、ACCP guidelines、Rietbrock modified、CHA2DS2-VAScの各シェーマの脳卒中リスク予測能を調べた。主要評価項目は、脳卒中と血栓塞栓の発生。解析対象のうち虚血性脳卒中の発生は54例(8%)、全身塞栓症は4例(0.6%)、一過性脳虚血発作は13例(2%)だった。最も分類できたのは高リスク、予測精度は全体的に同等低・中間・高リスクへの患者の分類は、3つのリスク層別化スコア(改訂CHADS2、NICE、ACC/AHA/ESC)ではほぼ同等であった。分類された割合が最も高かったのは高リスク患者で(65~69%、n=460~457)、一方、中間リスクへの分類が最も残存した。オリジナルCHADS2スコア(うっ血性心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病、脳卒中既往)は、高リスク患者の分類が最も低かった(27%、n=180)。CHADS2、Rietbrock modified CHADS2、CHA2DS2-VASc(CHA2DS2-VASc血管疾患、65~74歳、性別)は、スコア上限値でリスク増大を示すことに失敗した。C統計量は0.55(オリジナルCHADS2)~0.62(Rietbrock modified CHADS2)で、予測精度は全体的に同等であった。なお、ブートストラップ法により各シェーマの能力に有意差はないことが確認されている。

33666.

インフルエンザ A(H1N1)2009ワクチン接種とギランバレー症候群との関連

インフルエンザA(H1N1)2009ワクチン接種とギランバレー症候群発症との関連について、ヨーロッパ5ヵ国を対象とした症例対照研究の結果、発生リスクの増大は認められなかったことが報告された。ただしリスク上限が2.7倍以上も否定できないとしている。オランダ・エラスムス大学病院のJeanne Dieleman氏らが、BMJ誌2011年7月16日号(オンライン版2011年7月12日号)で発表した。インフルエンザワクチン接種とギランバレー症候群との関連は、1976年のアメリカでブタ由来インフルエンザA(H1N1)亜型A/NJ/76ワクチンで7倍に増大したことが知られる。その後の季節性インフルエンザワクチンではそこまでの増大は認められていないが、今回新たなワクチン接種が始まり、ヨーロッパでは増大に対する懸念が持ち上がっていたという。欧州5ヵ国でのワクチン接種とギランバレー症候群発症との関連を調査多国籍症例対照研究は、デンマーク、フランス、オランダ、スウェーデン、イギリス、約5,000万人を対象に行われた。ギランバレー症候群およびその変異型のミラー・フィッシャー症候群が報告されたのは154例で、そのうち1人以上との対照群とのマッチング(年齢、性、インデックス日付、国)が成立した104例が研究対象となった。症例は、Brighton Collaborationによって分類された。主要評価項目は、ワクチン接種後のギランバレー症候群の推定リスク。症例、ワクチン接種については、研究対象国間でかなりのばらつきが認められ、最も共通して接種されたワクチンは、アジュバンドワクチン(PandemrixとFocetria)だった。関連は認められなかったが、2.7倍以上のリスク上昇の可能性は除外できない解析の結果、5ヵ国すべての補正前プール推定リスクは2.8(95%信頼区間:1.3~6.0)だった。しかし、インフルエンザ様疾患/上気道感染症と季節性インフルエンザで補正後は、インフルエンザA(H1N1)2009ワクチン接種によるギランバレー症候群増大との関連は認められなかった(補正後オッズ比:1.0、95%信頼区間:0.3~2.7)。ただし95%信頼区間の示す値から、100万人当たり、ワクチン接種後6週間以内で、ギランバレー症候群1例の回避から最高3例発症までの変動があることが明らかになった。Dieleman氏は、「ギランバレー症候群の発生リスクは、インフルエンザA(H1N1)2009ワクチン接種後に増大しない。しかし一方で、リスク上限が2.7倍あるいは100万人接種当たり3例を上回る可能性は除外できない」と結論。「パンデミックワクチンとギランバレー症候群との関連の評価では、共変量としてのインフルエンザ様疾患/上気道感染症と季節性インフルエンザ、そして接種後時間の影響についての説明が重要である」と述べている。

33667.

未治療HIV-1感染患者に対するrilpivirine、エファビレンツに非劣性、安全性良好(1):THRIVE試験

未治療のHIV-1感染成人患者に対するHIV治療薬として、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)rilpivirineが新たな治療オプションとなり得ることが示された。同一クラスのエファビレンツ(商品名:ストックリン)に対する非劣性を検討した第3相無作為化試験の結果による。本論は、米国・Community Research Initiative of New England(ボストン)のCalvin J Cohen氏らによる、全被験者がヌクレオシド系またはヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)レジメンも同時に受けていることを前提に行われた「THRIVE」試験の結果報告で、主要アウトカムとした48週時点でのrilpivirineの非劣性が認められ、安全性も良好であったという。Lancet誌2011年7月16日号掲載報告より。NRTIレジメンを受けた患者をrilpivirine群もしくはエファビレンツ群に無作為化THRIVE試験は、96週にわたる第3相無作為化二重盲検二重ダミー非劣性試験で、21ヵ国98医療施設から被験者を募って行われた。被験者は、18歳以上成人で抗レトロウイルス治療を受けたことがなく、スクリーニングで血漿ウイルス量5,000コピー/mL以上、NRTIに対するウイルス感度を有する患者とし、コンピュータシステムを使って1対1の割合で、rilpivirine群(25mgを1日1回)とエファビレンツ群(600mgを1日1回)に無作為化された。また全患者が、治験参加医師の選択により、いずれかのNRTIレジメン[テノホビル ジソプロキシルフマル酸(商品名:ビリアード)+エムトリシタビン(同:エムトリバ)、ジドブジン(同:レトロビル)+ラミブジン(同:エピビル)、アバカビル(同:ザイアジェン)+ラミブジン]を受けた。主要アウトカムは、全患者が治験薬を1回以上投与され反応が確認(ウイルス量<50コピー/mL、ウイルス学的失敗がintention-to-treat解析で確認)された48週時点の非劣性(ロジスティック回帰分析のマージン12%)とした。48週時点の有効性、rilpivirine群86%、エファビレンツ群82%2008年5月から947例がスクリーニングを受け、主要アウトカム検証のためにデータを打ち切った2010年1月までに340例が登録された。結果、1回以上投与での反応(ウイルス量<50コピー/mL)が認められたのはrilpivirine群86%(291/340例)、エファビレンツ群82%(276/338例)であり、両群差3.5%(95%信頼区間:1.7~8.8)でrilpivirine群の非劣性(p<0.0001)が認められた。基線から48週までのCD4細胞数増大は、両群でほぼ同等であった(rilpivirine群:189個/μL、エファビレンツ群:171個/μL、p=0.09)。一方、ウイルス学的失敗率はrilpivirine群7%、エファビレンツ群5%であった。投与中止となった有害事象の発生は、rilpivirine群4%、エファビレンツ群7%であった。治療関連のグレード2~4の有害事象は、rilpivirine群のほうが少なかった(rilpivirine群16%、エファビレンツ群31%、p<0.0001)。特に、発疹とめまいが少なかった(いずれもp<0.0001)。また、血漿脂質の増大が、エファビレンツ群に比べrilpivirine群のほうが有意に低かった(p<0.0001)。Cohen氏は、「ウイルス学的失敗はわずかに多かったが、rilpivirineはエファビレンツに比し、良好な安全性、有効性については非劣性であることが示され、未治療のHIV-1感染患者に対する新たな治療の選択肢と成り得るであろう」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

33668.

未治療HIV-1感染患者に対するrilpivirine、エファビレンツに非劣性、安全性良好(2):ECHO試験

未治療のHIV-1感染成人患者に対するHIV治療薬として、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)rilpivirineが新たな治療オプションとなり得ることが示された。同一クラスのエファビレンツ(商品名:ストックリン)に対する非劣性を検討した第3相無作為化試験の結果による。本論は、フランス・Paris Diderot大学Saint-Louis病院感染症部門のJean-Michel Molina氏らによる、全被験者がヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)レジメンのテノホビル ジソプロキシルフマル酸(商品名:ビリアード)+エムトリシタビン(同:エムトリバ)も同時に受けていることを前提に行われた「ECHO」試験の結果報告で、主要アウトカムとした48週時点でのrilpivirineの非劣性が認められ、安全性も良好であったという。Lancet誌2011年7月16日号掲載報告より。テノホビル +エムトリシタビン投与を受けた患者をrilpivirine群もしくはエファビレンツ群に無作為化ECHO試験は、96週にわたる第3相無作為化二重盲検二重ダミー実薬対照試験で、21ヵ国112医療施設から被験者を募って行われた。被験者は、18歳以上成人で抗レトロウイルス治療を受けたことがなく、スクリーニングで血漿ウイルス量5,000コピー/mL以上、全治験薬に対するウイルス感度を有する患者とし、コンピュータシステムを使って1対1の割合で、rilpivirine群(25mgを1日1回)とエファビレンツ群(600mgを1日1回)に無作為化された。また全患者に、テノホビル ジソプロキシルフマル酸+エムトリシタビンが投与された。主要アウトカムは、全患者が治験薬を1回以上投与され反応が確認(ウイルス量<50コピー/mL、ウイルス学的失敗がintention-to-treat解析で確認)された48週時点の非劣性(ロジスティック回帰分析のマージン12%)とした。48週時点の有効性の非劣性確認2008年4月から2011年1月までに948例がスクリーニングを受け、690例が登録、intention-to-treat解析された。結果、1回以上投与での反応(ウイルス量<50コピー/mL)が認められたのはrilpivirine群83%(287/346例)、エファビレンツ群83%(285/344例)であり、ロジスティック回帰分析モデルでの推定両群差は、rilpivirine群が-0.4%(95%信頼区間:-5.9~5.2)で非劣性(マージン:12%)が確認された。一方、ウイルス学的失敗率はrilpivirine群13%、エファビレンツ群6%であった。投与中止となった有害事象の発生は、rilpivirine群2%、エファビレンツ群8%であった。治療関連のグレード2~4の有害事象は、rilpivirine群のほうが少なかった(rilpivirine群16%、エファビレンツ群31%、p<0.0001)。エファビレンツ群では、発疹、めまい、異常な夢やナイトメアの頻度が高かった。また、血漿脂質の増大が、エファビレンツ群に比べrilpivirine群のほうが有意に低かった。Molina氏は、「rilpivirineはエファビレンツに比し、有効性について非劣性であることが示された。ウイルス学的失敗は高かったが、安全性と忍容性プロフィールはより良好であることが示された」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

33669.

早期限局性前立腺がん、放射線療法+短期ADTが全生存率上昇、死因別死亡率低下

 早期の限局性前立腺がんに対する、放射線療法+4ヵ月の短期アンドロゲン遮断療法(ADT)の併用療法について、有意な死亡率(死因別)の低下および全生存率の上昇が認められたことが明らかにされた。米国・Radiological Associates of SacramentoのChristopher U. Jones氏らが、米国とカナダの212施設から被験者約2,000例を募り行った無作為化試験の結果による。これまで同併用療法の効果については明らかにされていなかった。NEJM誌2011年7月14日号掲載報告より。1,979例を、放射線療法単独群と4ヵ月ADT併用群に無作為化 被験者は、1994年10月~2001年4月の間に212施設から集められた、ステージT1b、T1c、T2a、T2bでPSA値20ng/mL以下の前立腺がん患者1,979例であった。被験者は無作為に、放射線療法単独群(992例)と、放射線療法2ヵ月間実施後に4ヵ月間の短期ADTを行う群(987例)に割り付けられ、中央値9.1年間追跡された。 主要エンドポイントは全生存率とし、副次エンドポイントには死因別死亡率、遠隔転移、生化学的治療の失敗(PSA値が上昇)、2年時点の再生検の陽性所見率などが含まれた。ベネフィットは低リスク群では有意ではなく、主として中間リスク群に 結果、10年全生存率は、放射線療法単独群57%に対し、併用群は62%であった(単独群の死亡ハザード比:1.17、P=0.03)。死因別死亡率は、単独群8%に対し、併用群は4%であった(単独群のハザード比:1.87、P=0.001)。 また併用群では、生化学的失敗(P<0.001)、遠隔転移(P=0.04)、2年時点の再生検陽性所見率(P<0.001)について有意な改善が認められた。 放射線照射による毒性は、急性(照射開始後90日まで)、遅発性とも、両群で同程度であった。またグレード3以上の毒性発現率は5%未満であった。 なお、低リスク(単独群:334例、併用群:351例)、中間リスク(同:544例、524例)、高リスク(同:114例、112例)別にみた事後解析の結果、全生存率の上昇と死因別死亡の低下は、主に中間リスク群で認められ(P=0.03、P<0.01)、低リスク群では有意ではなかった(P=0.60、P=0.42)。(武藤まき:医療ライター)

33670.

喘息患者への気管支拡張薬vs. プラセボvs. 無治療

喘息患者を対象とした前向き実験的試験で報告されるプラセボ効果の客観的および主観的効果結果への影響について、気管支拡張薬とプラセボ(2種類)と無治療とを比較して検討した二重盲検クロスオーバーパイロット試験の結果、客観的なFEV1を指標とした結果ではプラセボ群に改善は認められなかったが、主観的な患者評価では気管支拡張薬とプラセボに有意差は認められなかったことが報告された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院/ハーバードメディカルスクールのMichael E. Wechsler氏らが米国国立補完代替医療センターから助成を受け行った試験報告で、NEJM誌2011年7月14日号で発表された。4つの介入群の客観的指標および主観的評価の変化を比較Wechsler氏らによるパイロット試験は、積極的介入としてアルブテロール吸入(サルブタモール、商品名:サルタノールインへラー、アイロミールエアゾール)と、プラセボ吸入、シャム鍼治療、無治療の4つの介入後の急性変化について比較された。被験者は、79人がスクリーニングを受け、そのうち症状が中等度で適格基準を満たした46例で、連続する4回の受診(3~7日間隔)で4つの介入を無作為に1回ずつ受けた。この介入を1ブロックとして、合計3ブロックの介入(被験者の受診回数は合計12回)が実施された。12回の受診時には毎回、客観的反応の測定として、介入後に各20分の2時間にわたるスパイロメトリーが行われFEV1最大値を測定。また主観的反応の測定として、症状の改善認知度をスコア0~10のビジュアルスケールを用いて回答してもらうとともに、受けた介入が実際の治療と思うかプラセボと思うかも回答してもらった。客観的評価の差は有意、しかし主観的評価の有意差は気管支拡張薬 vs.プラセボに認められず試験を完了したのは39例であった。結果、FEV1が、アルブテロール吸入群では20%増加したのに対し、他の3つの介入群はそれぞれ約7%の増加であった(P<0.001)。しかし、患者評価の結果では気管支拡張薬とプラセボ間に有意差は認められなかった。改善したと回答した患者は、アルブテロール吸入群は50%、プラセボ吸入群は45%、シャム鍼治療群は46%であった。ただし、3群とも無治療群(21%)よりは改善したと回答した人が有意に多かった(P<0.001)。結果を踏まえてWechsler氏は、「プラセボ効果は、臨床的に意味があり、積極的な薬物療法の効果についてライバルとなり得る。臨床管理および調査デザインの視点から、患者評価は信頼できないものであるが、客観的評価を確認するために臨床試験の基本項目とするのであれば、治療をしなかった患者群の評価も基本項目に入れるべきであろう」とまとめている。(武藤まき:医療ライター)

33671.

がん検診に影響与える家族歴は30~50歳で変化が大きい、医師は5~10年ごとに問診を

がん検診の開始年齢や方法などに影響を与える家族歴は、30~50歳の間で変化が大きいことが明らかにされた。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のArgyrios Ziogas氏らが、米国民ベースのがんレジストリ「Cancer Genetics Network」(CGN)を基に、約2万7,000人の登録被験者とその家族について行った追跡試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2011年7月13日号で発表した。がんレジストリ登録2万6,933人とその家族データを調査研究グループは、米国内14ヵ所の教育研究医療機関を通じて、1999~2009年間にCGNに登録された2万6,933人と、その家族54万578人について調査を行った。調査は、被験者が生誕時からCGN登録時点(調査開始)まで(後ろ向き調査)と、登録~最終追跡期間まで(前向き調査)について行われ、臨床的に意味のある家族歴を有した人の割合や変化が調べられた。前向き追跡期間の中央値は8年(範囲:0~11)だった。がんの種類ごとの被験者数は、後ろ向き調査が、大腸がん9,861人、乳がん2,547人、前立腺がん1,817人。前向き調査はそれぞれ、1,533人、617人、163人だった。家族歴に基づくハイリスク・スクリーニング適用者、大腸がんは30歳時2.1%が50歳時は7.1%結果、後ろ向き調査で、がん家族歴がありハイリスクの人向けのスクリーニングが適切であるとされた人の割合は、大腸がんについては30歳時家族歴で2.1%(95%信頼区間:1.8~2.4)、50歳時家族歴で7.1%(同:6.5~7.6)だった。乳がんは、同7.2%(同:6.1~8.4)と11.4%(同:10.0~12.8)、前立腺がんは、同0.9%(同:0.5~1.4)と2.0%(同:1.4~2.7)だった。一方、前向き調査で、家族歴をベースに新たにハイリスク・スクリーニングが必要とされたのは、100人・20年追跡あたり大腸がんが2人、乳がんが6人、前立腺がんが8人であった。後ろ向き調査と前向き調査の、がん家族歴の変化の割合は大腸がんと乳がんでは同等であった。研究グループはこれら結果を受けて、「家族歴は成人期早期から意味を持ち始めることが見いだされた。この時期に総合的な家族歴を聴取しておく必要がある。また、30~50歳の変化が大きく、医師は家族歴に関する問診を5~10年ごとに実施することが望ましい」と結論している。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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米国ナーシングホーム入所者の褥瘡リスク、減少傾向にあるものの人種間格差続く

米国ナーシングホーム入所者の褥瘡罹患率は、2003年から2008年にかけて減少傾向にあるものの、白人入所者よりも黒人入所者で高率の状態が続いていることが明らかになった。米国・アイオア大学一般総合内科のYue Li氏らが、米国内の約1万2,500ヵ所のナーシングホームと、その入所者約250万人について観察研究を行った結果によるもので、JAMA誌2011年7月13日号で発表した。ステージ2以上の褥瘡罹患率、黒人が白人より約5ポイント高率研究グループは、2003~2008年にかけて、米国内1万2,4730ヵ所のナーシングホームに入所する、白人入所者210万人と黒人入所者34万6,808人を対象に、ステージ2~4の褥瘡罹患率について調査を行った。人種間格差が施設間や施設内でないか、罹患率の割合が調べられた。結果、2003年時点の補正前褥瘡罹患率は白人入所者では11.4%(95%信頼区間:11.3~11.5)だったのに対し、黒人入所者では16.8%(同:16.6~17.0)と高率だった。また2008年時点では、白人入所者は9.6%(同:9.5~9.7)だったのに対し、黒人入所者では14.6%(同:14.4~14.8)で、全体的には減っていたが黒人入所者の割合は依然として高かった。2003年の補正前同率の人種間格差は5.4ポイント、2008年は同5.0ポイントだった(傾向に関するp>0.05)。黒人入所者比率の高い施設で、人種を問わず褥瘡リスクが高い黒人入所者比率が35%以上の施設についてみたところ、2008年のステージ2~4の黒人入所者の補正前褥瘡罹患率は15.5%(95%信頼区間:15.2~15.8)であり、この値は、黒人入所者比率が5%未満の施設の同11.8%(同:10.9~12.7)に比べ高く、補正後オッズ比は1.59(同:1.52~1.67)だった。また黒人入所者比率35%以上の施設では、白人入居者の補正前褥瘡罹患率も12.1%(同:11.8~12.4)と、黒人入所者比率5%未満施設の同8.8%(同:8.7~8.9)と比べて高く、補正後オッズ比は、1.33(同:1.26~1.40)だった。研究グループは、褥瘡罹患率の人種間格差の原因の一部は施設にあるようだ、としている。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬 インダカテロール(商品名:オンブレス)

2011年7月、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬「インダカテロールマレイン酸塩」(商品名:オンブレス®、以下「インダカテロール」)の製造販売が承認された。COPDの現状と課題COPDは「肺の生活習慣病」とも呼ばれ、たばこの煙などの有害物質を長期間にわたり吸入することで発症する、肺の炎症性疾患である。COPDは呼吸機能が加速的に低下する疾患で、主な症状は、咳、痰や体動時の呼吸困難などで、進行すると死に至ることもある。わが国のCOPD患者数は500万人を超えるといわれているが、国内の医療機関でCOPDと診断された患者は約17万にとどまることが報告されている。喫煙率が高く、喫煙開始年齢が若年化しているわが国では、今後さらに患者数が増えることが予想されている。即効性と持続性を兼ね備えたCOPD治療薬COPDを根治する薬物はいまだ登場しておらず、現在の薬物治療は気管支拡張薬が中心となる。長期間作用性β2刺激薬のカテゴリーに属するインダカテロールは、専用の吸入器「ブリーズヘラー®」を用いて吸入する吸入型の気管支拡張薬である。1日1回の吸入で、呼吸機能改善効果は24時間持続し1),2)、さらに、その気管支拡張効果は吸入5分後に発現する3),4)。このように、インダカテロールは1日1回という吸入回数や持続時間の長さなどの利便性、持続性に加え、従来の吸入型長時間作用性気管支拡張薬にはみられない即効性を兼ね備えた、新しいタイプのCOPD治療薬である。インダカテロールの効果と安全性インダカテロールは国際共同第Ⅲ相試験において、1日1回の吸入により、プラセボ群と比べて呼吸機能、呼吸困難の症状、QOLの有意な改善が認められた5)。また、有害事象の発現率も低く、その安全性も確認されている5)。さらに、1日1回投与の長時間作用性抗コリン薬であるチオトロピウムと比較した海外臨床試験(無作為化、非盲検)では、呼吸機能の改善(トラフFEV1)については同等以上の効果を、QOLについては有意な改善を示した1)。また、同じ長時間作用性吸入β2刺激薬で、1日2回投与のサルメテロールとの比較においても、呼吸機能の有意な改善、息切れやQOLの改善などの優れた有効性が認められた2)。まとめインダカテロールは新しいタイプの長時間作用性吸入β2刺激薬であり、既存のCOPD治療薬に比べても、呼吸機能改善効果は同等以上であることが認められている。また、利便性、持続性、即効性という特徴は、患者のQOL改善にも大きく寄与すると思われ、今後、COPD治療の新しい選択肢となることが期待される。

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非選択的NSAID、選択的COX-2阻害薬が、心房細動/粗動リスクを増大

 非選択的NSAIDの使用によって心房細動/粗動のリスクが増大することが、デンマーク・Aarhus大学病院のMorten Schmidt氏らの検討で示され、BMJ誌2011年7月9日号(オンライン版2011年7月4日号)で報告された。NSAIDは世界で最も広範に使用されている薬剤の1つであり、新世代の選択的COX-2阻害薬は消化管毒性を改善したNSAIDとして開発された。一方、心房細動は一般診療で最も高頻度にみられる持続性の心調律障害だが、NSAIDは腎臓への有害作用を介して心房細動のリスクを増大させる可能性が示唆されている。NSAIDの使用や心房細動の発生率は加齢とともに増加するため、その関連性は特に高齢者の治療で大きな関心事となっているという。デンマーク北部における10年間の地域住民ベースの症例対照研究 研究グループは、非選択的NSAID(イブプロフェン、ナプロキセンなど)および選択的COX-2阻害薬(ジクロフェナク、エトドラク、セレコキシブなど)の心房細動/粗動リスクへの影響を検討するために、データベースを用いた地域住民ベースの症例対照研究を行った。 デンマーク北部地域(人口170万人)において、1999~2008年までに新規に心房細動/粗動の診断を受けた入院および外来患者3万2,602人と、年齢および性別をマッチさせリスク集団サンプリング(risk-set sampling)で抽出した対照群32万5,918人を比較した。 受診時のNSAID使用者を「現使用者」、以前に使用歴のある者は「使用経験者」とし、前者はさらに「新規使用者(診断日前60日以内に初処方)」と「長期使用者(診断日前60日以前に初処方)」に分けた。条件付きロジスティック回帰モデルで算出したオッズ比から罹患率比(incidence rate ratio)を推算した。新規使用者でリスクが40~70%増大 非選択的NSAIDあるいは選択的COX-2阻害薬のいずれかの現使用者は、症例群が2,925人(9%)、対照群は2万1,871人(7%)であった。 非使用者(対照群)との比較における非選択的NSAID現使用者の心房細動/粗動の罹患率比は1.33(95%信頼区間:1.26~1.41)であり、選択的COX-2阻害薬の現使用者の罹患率比は1.50(同:1.42~1.59)であった。年齢、性別、心房細動/粗動のリスク因子で調整すると、非選択的NSAID現使用者の心房細動/粗動の罹患率比は1.17(同:1.10~1.24)、選択的COX-2阻害薬の罹患率比は1.27(同:1.20~1.34)にまで低下した。 新規使用者の調整罹患率比は、非選択的NSAIDが1.46(95%信頼区間:1.33~1.62)、選択的COX-2阻害薬が1.71(同:1.56~1.88)であった。個々のNSAIDの罹患率比に差はみられなかった。 著者は、「非選択的NSAIDの使用によって心房細動/粗動のリスクが増大していた。特に新規使用者では40~70%もの増大が確認された」と結論し、「NSAIDを処方する際に考慮すべき心血管リスクに、心房細動/粗動を加える必要があることを示すエビデンスが得られた」と指摘している。

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高血圧の薬物療法開始前にABPMを:診察室血圧、家庭血圧より治療ターゲットが適切に

診察室血圧と家庭血圧は、いずれも高血圧の診断に推奨される単体検査としての十分な精度を有していないことが、英国・バーミンガム大学プライマリ・ケア臨床サイエンスのJ Hodgkinson氏らによるシステマティックレビューの結果、報告された。各測定を24時間自由行動下血圧測定(ABPM)と比較した結果による。従来、高血圧の治療導入は診察室血圧を診断ベースとしガイドラインでもその値が参照基準として採用されているが、ABPMのほうがより正確に真の平均血圧を推定でき、心血管アウトカムや末端器官傷害との相関性も良好であることが示されている。また、家庭血圧のほうが診察室血圧よりも末端器官傷害との相関性が良好であることも明らかになっており、Hodgkinson氏らは、診察室血圧、家庭血圧の精度をABPMと照らし合わせて検証することは重要かつ必要なこととしてレビューを行った。BMJ誌2011年7月9日号(オンライン版2011年6月24日号)掲載報告より。診察室血圧、家庭血圧の精度を対ABPMで検証した試験をメタ解析Hodgkinson氏らは、階層的サマリーROCモデルによるシステマティックレビューでのメタ解析を行った。血圧測定機器の検証エビデンスなど方法論の質的評価が行われた。データソースとしたのは、Medline(1966年~)、Embase(1980~)、システマティックレビューのコクラン・データベース、DARE、Medion、ARIF、TRIPで、2010年5月アップ分までを対象。試験適格基準は、全年齢の成人を対象に高血圧診断について、家庭血圧と診察室血圧あるいはいずれかを用いた場合と、ABPMを用いた場合とを比較し、診断閾値の定義していたものとした。結果、20試験が適格基準を満たした。ただし試験間には著しい差異が、年齢(平均年齢<33歳~60歳まで変動)、性(男性割合16~69%)、集団サイズ(16~2,370例)、設定(プライマリ・ケアか専門家集団)に関してあり、全試験にいくつかの方法論的弱さがあった。診察室血圧、家庭血圧ともに診断感度、特異度が不十分20試験は、さまざまな閾値を高血圧診断に用いており、診察室血圧とABPMとの直接比較が可能だったのは7試験(平均年齢47.1歳、女性57%)、家庭血圧とABPMについては3試験(同52.5歳、55%)であった。135/85mmHgが閾値のABPM群との比較で、診察室血圧140/90mmHg超を診断基準とした場合の平均感度は74.6%、特異度は74.6%。家庭血圧135/85mmHg超を診断基準とした場合の平均感度は85.7%、特異度62.4%であった。Hodgkinson氏は、「診察室血圧、家庭血圧ともに感度、特異度が不十分で、単一診断検査としては推奨されない」と結論。その上で「ABPMを参照基準とした場合、診察室血圧、家庭血圧に基づく治療決定は相当な過剰診断に結びつく可能性がある」と述べ、「生涯にわたる薬物治療開始前にABPMを行うことは、特に診断閾値に関しての治療ターゲットをより適切なものへと導くことになるであろう」とまとめている。

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2型糖尿病に対する診断直後からの強化食事療法が血糖値を改善:Early ACTID試験

 2型糖尿病患者に対する診断直後からの強化食事療法は、通常治療に比べ血糖値や体重減少、インスリン抵抗性を改善し、糖尿病治療薬の使用量を低減するが、これに運動療法を追加しても新たなベネフィットは得られないことが、イギリス・ブリストル大学のR C Andrews氏らが行ったEarly ACTID試験で示され、Lancet誌2011年7月9日号(オンライン版6月25日号)で報告された。血圧の改善効果は得られなかった。2型糖尿病の管理では、診断直後からライフスタイルの変容を導入すれば予後が改善する可能性があるが、介入の有無で予後の比較を行った大規模試験はないという。強化食事療法、強化食事/運動療法の血糖値、血圧への影響を評価 Early ACTID(Activity in Diabetes)試験の研究グループは、イギリス南西部地域において、新規2型糖尿病患者に対する診断直後の食事療法と身体活動による介入が、血圧や血糖値に及ぼす影響を評価する無作為化対照比較試験を実施した。 5~8ヵ月前に新規に診断された2型糖尿病患者(30~80歳)が、次の3つの群に2対5対5の割合で無作為に割り付けられた。・通常治療群(対照群):無作為割り付け時に食事指導と運動の奨励を行い、6ヵ月および12ヵ月後にフォローアップ。・強化食事療法群:5~10%の体重減少を目標とし、食事療法士による無作為割り付け時、3、6、9、12ヵ月後の食事指導、看護師による計9回(6週ごと)の食事療法の評価、指導と目標設定。・強化食事/運動療法群:同様の強化食事療法に歩数計を用いた身体活動プログラム(30分以上の早歩きを週5日以上)を併用。 主要評価項目は、6ヵ月後のHbA1c値および血圧の改善とした。平均HbA1c値が有意に改善、血圧は3群で同等 2005年12月~2008年9月までに593例が登録され、通常治療群に99例(平均年齢59.5歳、男性63%)、強化食事療法群に248例(同:60.1歳、64%)、強化食事/運動療法群には246例(同:60.0歳、66%)が割り付けられ、予後の評価が可能であったのは6ヵ月後が587例(99%)、12ヵ月後は579例(98%)であった。 対照群の平均HbA1c値は、ベースラインの6.72%(SD 1.02)に対し6ヵ月後は6.86%(SD 1.02)とむしろ悪化したが、強化食事療法群は6.64%(SD 0.93)から6.57%(SD 1.06)へ(調整後の対照群との群間差:-0.28%、95%信頼区間:-0.46~-0.10、p=0.0049)、強化食事/運動療法群は6.69%(SD 0.99)から6.60%(SD 1.00)へ(同:-0.33%、-0.51~-0.14、p=0.0009)と有意に改善した。これらの差は、糖尿病治療薬の使用量が減少したにもかかわらず12ヵ月後も持続していた。 体重やインスリン抵抗性についても、介入群で同様の改善効果がみられたが、血圧は3群ともに大きな変化は認めず同等であった。 著者は、「診断直後からの強化食事療法は血糖値を改善するが、これに運動療法を追加しても新たなベネフィットは得られなかった」と結論し、「強化食事療法による介入は食事療法士の支援の下で看護師によって行われるため、地域住民ベースの糖尿病管理サービスに組み込むことも可能であろう」と指摘している。

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2型糖尿病に対する早期強化療法により心血管イベントがわずかに低下傾向に:ADDITION-Europe試験

2型糖尿病に対する早期の多元的な強化療法によって、5年後の心血管イベントや死亡が有意ではないがわずかに減少することが、イギリス・代謝科学研究所のSimon J Griffin氏らが行ったADDITION-Europe試験で示され、Lancet誌2011年7月9日号(オンライン版2011年6月25日号)で報告された。2型糖尿病では、複数の心血管リスク因子に対する多元的な強化療法によって死亡率が半減する可能性が指摘されているが、血圧、脂質、血糖などの個々のリスク因子の治療を診断直後から開始した場合の有効性は不明だという。3ヵ国の343プライマリ・ケア施設が参加したクラスター無作為化試験ADDITION-Europe(Anglo-Danish-Dutch Study of Intensive Treatment In People with Screen Detected Diabetes in Primary Care)試験は、2型糖尿病に対する診断後早期の多元的治療が心血管リスクに及ぼす効果を検討する並行群間クラスター無作為化試験である。2001年4月~2006年12月までに、デンマーク、オランダ、イギリスの343のプライマリ・ケア施設が、ルーチンの糖尿病治療を行う群あるいは早期に多元的強化療法を施行する群に無作為に割り付けられた。患者は、スクリーニング検査で2型糖尿病と診断された40~69歳(オランダのみ50~69歳)の地域住民であった。多元的強化療法群は、既存の糖尿病治療に加え、プライマリ・ケア医や看護師による教育プログラム(治療ターゲット、アルゴリズム、ライフスタイルに関する助言など)への参加をうながし、Steno-2試験などで使用された段階的レジメンに基づくガイドラインに準拠した薬物療法や、健康なライフスタイル実践の指導が行われた。全施設で同じアプローチが使用されたが、薬剤の選択などの最終決定は担当医と患者が行った。ルーチン治療群ではプライマリ・ケア医が患者に検査結果を伝え、標準的な糖尿病治療が施行された。主要評価項目は、初発心血管イベント(5年以内の心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、血行再建術、非外傷性四肢切断)の複合エンドポイントとした。心血管リスク因子がわずかに有意に改善、心血管イベントは有意差はないがわずかに低下ルーチン治療群に176施設(1,379例、診断時平均年齢60.2歳、男性57.3%)が、多元的強化療法群には167施設(1,678例、60.3歳、58.5%)が割り付けられ、主要評価項目の解析は3,055例(99.9%)で可能であった。全体の平均フォローアップ期間は5.3年(SD 1.6)。心血管リスク因子[HbA1c、総コレステロール、LDLコレステロール、収縮期血圧、拡張期血圧]は、強化療法群でわずかではあるが有意に改善された。初発心血管イベントの発生率は、ルーチン治療群が8.5%(15.9/1,000人・年)、強化療法群は7.2%(13.5/1,000人・年)であり(ハザード比:0.83、95%信頼区間:0.65~1.05、p=0.12)、評価項目の個々のコンポーネントも強化療法群で良好な傾向がみられたが、有意差は認めなかった(心血管死:1.6% vs. 1.5%、非致死的心筋梗塞:2.3% vs. 1.7%、非致死的脳卒中:1.4% vs. 1.3%、血行再建術:3.2% vs. 2.6%、非外傷性四肢切断:0% vs. 0%)。全体の死亡率はルーチン治療群が6.7%、強化療法群は6.2%であった(ハザード比:0.91、95%信頼区間:0.69~1.21)。著者は、「2型糖尿病に対する早期の多元的強化療法によって、5年後の心血管イベントや死亡がわずかに減少したが有意差はなかった」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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イソニアジドの結核一次予防的投与、未発症、未感染を改善せず:南アフリカHIV曝露児対象試験

結核治療薬イソニアジド(商品名:イスコチンなど)の乳児への一次予防的投与について、南アフリカで行われた試験の結果、結核の未発症や未感染を改善しなかったことが報告された。試験対象児は、結核感染リスクの高いHIV感染児あるいは周産期にHIVに曝露された乳児で、いずれも生後30日までにBCGワクチンは摂取されていた。サハラ以南では結核が蔓延しており、特にHIV感染成人が多い地域での感染率の高さが問題となっており、イソニアジドによる結核予防戦略が提唱されているという。南アフリカ共和国・ヴィトヴァーテルスラント大学のShabir A. Madhi氏らは、イソニアジドは感染者からの感染が明らかな患児での治療効果は示されているが、サハラ以南のような結核感染リスクが高い環境下にいる乳児を対象とした試験は行われていないとして、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。NEJM誌2011年7月7日号掲載報告より。イソニアジド群、プラセボ群に無作為化し96週投与、その後108週までの転帰を比較試験は、南アフリカ共和国3施設とボツワナ共和国1施設から、生後91~120日で、30日までにBCGワクチン接種を受けていた、HIV感染児548例とHIV非感染児804例を登録して行われた。被験児は無作為に、イソニアジド群(10~20mg/kg体重/日)か同用量のプラセボ群に割り付けられ、96週間投与を受けた。その後108週までの間の、HIV感染児については結核発症と死亡について、HIV非感染児については潜在性結核感染症、結核発症、死亡を主要転帰として検討された。なお、HIV感染児には試験中、抗レトロウイルス治療が行われた(98.9%に実行)。HIV感染児にとって結核は、抗レトロウイルス治療環境が整っても負荷が大きい疾病結果、HIV感染児群、HIV非感染児群ともに主要転帰についてイソニアジド群とプラセボ群とで有意差は認められず、HIV感染児群での結核発症と死亡の発生は、イソニアジド群52例(19.0%)、プラセボ群53例(19.3%)だった(P=0.93)。この結果は、抗レトロウイルス治療開始時期、結核の母子感染歴で補正後も同様であった(P=0.85)。HIV非感染児群では、潜在性結核感染症・結核発症・死亡の複合発生率が、イソニアジド群(39例、10%)と、プラセボ群(45例、11%)で有意差がなかった(P=0.44)。結核罹患率は、HIV感染児群は121例/1,000児・年(95%信頼区間:95~153)、一方HIV非感染児群では41例/1,000児・年(95%信頼区間:31~52)であった。安全性に関して、グレード3以上の臨床毒性あるいはラボ毒性は、イソニアジド群とプラセボ群とで有意差は認められなかった。Madhi氏は、「イソニアジドの一次予防としての投与が、BCGワクチンを受けたHIV感染児の結核未発病生存を、また同HIV非感染児の結核非感染生存を改善しなかった。HIV感染児にとって結核の疾病負荷は、抗レトロウイルス治療を受けられる環境が整っても高いままだった」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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急性心不全へのnesiritideの有効性と安全性

急性心不全へのnesiritideについて、死亡や再入院の増減との関連は認められなかったが、標準治療への上乗せ効果についても呼吸困難への効果は小さく有意差は認められないことが、無作為化二重盲検プラセボ対照試験「ASCEND-HF」の結果、報告された。米国・デューク大学メディカルセンターのC.M. O’Connor氏らがNEJM誌2011年7月7日号で発表した。組み換え型B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)製剤nesiritideは、急性心不全患者の呼吸困難を早期に緩和する治療薬として2001年に米国で承認されたが、その後の小規模無作為化試験データのプール解析で、プラセボとの比較で腎機能悪化が1.5倍、早期死亡が1.8倍に上ることが示され、独立委員会からnesiritideの有効性と安全性に関する大規模臨床試験の実施が勧告されていた。6時間時点と24時間時点の呼吸困難の変化の2つを主要エンドポイントにASCEND-HF(Acute Study of Clinical Effectiveness of Nesiritide in decompensated Heart Failure)試験は2007年5月~2010年8月にかけて、欧米、環太平洋アジアの398施設から急性心不全で入院した7,141例が登録され、標準治療(利尿薬、モルヒネ、他の血管拡張薬など)に加えてnesiritideあるいはプラセボを投与される群に無作為化され追跡された。nesiritideは、治験参加医師の裁量で任意の2μg/kgの静脈内ボーラス投与後、0.010μg/kg/分の持続点滴を24時間以上、最長7日間(168時間)投与された。主要エンドポイントは2つで、6時間時点と24時間時点の呼吸困難の変化であり、患者自身による7段階のリッカート尺度評価を用いて測定評価した。また、30日以内の心不全による再入院と全死因死亡を複合エンドポイントとし、安全性のエンドポイントについては、30日以内の全死因死亡、腎透析を要した腎機能悪化(推定糸球体濾過量低下が>25%)などが含まれた。無作為化後に治療を受けたintention-to-treat解析対象は7,007例(98%、nesiritide群:3,496例、プラセボ群:3,511例)だった。幅広く急性心不全患者へルーチン使用することは推奨できないと結論結果、呼吸困難の改善について「著しく」と「中程度に」を合わせた報告が、6時間時点でnesiritide群44.5% vs. プラセボ群42.1%(P=0.03)、24時間時点では同68.2% vs. 66.1%(P=0.007)と、いずれの時点でも、nesiritide群での報告が多かったが事前規定の有意差(両評価がP≦0.005かどちらかのP≦0.0025)には達していなかった。30日以内の心不全による再入院と全死因死亡は、nesiritide群9.4%、プラセボ群10.1%で、nesiritide群の絶対差は-0.7ポイント(95%信頼区間:-2.1~0.7、P=0.31)だった。また、30日時点の死亡率(nesiritide群:3.6% vs. プラセボ群:4.0%、絶対差:-0.4、95%信頼区間:-1.3~0.5)、腎機能悪化率(同31.4% vs. 29.5%、オッズ比:1.09、95%信頼区間:0.98~1.21、P=0.11)は有意差が認められなかった。しかし、低血圧症(中央値80mmHg)について、nesiritide群での有意な増大が認められた(26.6%対15.3%、P<0.001)。Connor氏は、「nesiritideの他療法と組み合わせての使用は、死亡率、再入院の増減とは関連しないが、呼吸困難に対する効果は小さく、有意な効果は認められなかった。また、腎機能悪化との関連も認められなかったが、低血圧症の増加との関連が認められた」と結論。結果を踏まえて「nesiritideを、急性心不全の患者に幅広くルーチン使用することは推奨できない」と提言している。(武藤まき:医療ライター)

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米国農村部の拠点病院、医療設備劣り、心筋梗塞やうっ血性心不全などの死亡リスク増大

米国農村部の病院は、それ以外の病院に比べ医療設備が劣り、急性心筋梗塞やうっ血性心不全などの死亡率も高いことが明らかにされた。米国・ハーバード大学公衆衛生校のKaren E. Joynt氏らが、全米約4,700の病院について調査した結果による。農村部の病院は、その地域の医療を担う、クリティカル・アクセス・ホスピタル(CAH)として重要視されているものの、その医療の質や患者のアウトカムについては、あまり知られていないという。JAMA誌2011年7月6日号掲載報告より。農村部病院、ICU設置は30%、電子カルテ整備は6.5%研究グループは、米国4,738の病院について調査を行った。高齢者向け公的医療保険メディケア出来高払いプランの加入者で、急性心筋梗塞、うっ血性心不全、肺炎の診断を受け2008~2009年に退院した人について、後ろ向きに、その治療過程やアウトカムを追跡した。主要アウトカムは、病院の集中治療室(ICU)など設備の有無、医療ケアの過程の質、30日死亡率などだった。その結果、ICUを設置していたのは、非CAHでは3,470病院中2581病院(74.4%)だったのに対し、CAHでは1,268病院中380病院(30.0%)と、有意に低率だった(p<0.001)。心臓カテーテル実施設備を備えていたのは、非CAHでは1,654病院(47.7%)だったのに対しCAHでは6病院(0.5%)、基本的な電子カルテを整備していたのは、それぞれ445病院(13.9%)と80病院(6.5%)で、いずれもCAHのほうが非CAHよりも低率だった(いずれもp<0.001)。農村部病院の30日死亡リスク、急性心筋梗塞は1.7倍、うっ血性心不全は1.28倍急性心筋梗塞(CAH:1万703人、非CAH:46万9,695人)、うっ血性心不全(CAH:5万2,927人、非CAH:95万8,790人)、肺炎(CAH:8万6,359人、非CAH:77万3,227人)について、米国の病院の質に関する提携プログラム(Hospital Quality Alliance:HQA)の治療過程に関する指標との一致率を比較したところ、急性心筋梗塞についてはCAHが97.8%に対し非CAHが91.0%、うっ血性心不全はそれぞれ93.5%と80.6%、肺炎は93.7%と89.3%で、いずれもCAH群のパフォーマンスが有意に低率だった(いずれもp<0.001)。また30日死亡率について、急性心筋梗塞では非CAHが16.2%に対しCAHが23.5%(補正後オッズ比:1.70)、うっ血性心不全はそれぞれ10.9%と13.4%(同:1.28)、肺炎は12.1%と14.1%(同:1.20)と、いずれもCAH群で有意に高率だった(いずれもp

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