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経口ビスホスホネート、食道がんや胃がんの発症リスク増大せず

 骨粗鬆症薬として用いられる経口ビスホスホネート製剤を長期に服用しても、食道がんや胃がんの発症リスクは増大しないようだ。英国Queen’s University Belfast公衆衛生センターのChris R. Cardwell氏らが、4万人超の治療群と同数のコントロール群について、約4年半追跡し明らかにしたもので、JAMA誌2010年8月11日号で発表した。ビスホスホネートの服用による副作用として食道炎は知られるが、食道がんとの関係についての信頼性の高い研究は、これまでなかったという。約4万2,000人の治療・コントロール群を4.4~4.5年追跡 同研究グループは、英国General Practice Researchデータベースを基に、1996年1月~2006年12月の間に、ビスホスホネートを服用した4万1,826人と、同数のコントロール群について追跡し、食道がんや胃がんの発症リスクについて分析した。 被験者の81%が女性で、平均年齢は70.0歳(SD:11.4歳)だった。平均の追跡期間は、治療群が4.5年、コントロール群が4.4年だった。追跡期間が6ヵ月未満の人は、除外された。食道がんまたは胃がん、食道がんのみの発症リスクいずれも両群で同等 結果、追跡期間中に食道がんまたは胃がんを発症したのは、治療群の116人(うち食道がんは79人)に対し、コントロール群では115人(同72人)だった。食道がんまたは胃がんの罹患率は、治療群・コントロール群ともに、0.7/1,000人・年だった。食道がんの罹患率は、治療群が0.48/1,000人・年、コントロール群が0.44/1,000人・年だった。 食道がんまたは胃がんの発症リスクについて、治療群とコントロール群の間に、有意差はみられなかった(補正後ハザード比:0.96、95%信頼区間:0.74~1.25)。 食道がんのみの同補正後ハザード比も1.07(同:0.77~1.49)と、両群に有意差はなかった。なお、ビスホスホネートの服用期間による、食道がんまたは胃がん発症リスクにも有意差はみられなかった。

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大脳白質病変は、脳卒中、認知症、死亡リスクの予測因子:46試験のメタ解析

MRI上の高信号域として発見される大脳白質病変は、脳卒中、認知症、死亡のリスクと有意な相関を示すため、その予測因子となり得ることが、イギリスSt George’s University of London臨床神経科学部のStephanie Debette氏らが実施したメタ解析で示された。大脳白質病変と脳の疾患や死亡との関連を評価した試験の結果は必ずしも一致していない。その原因として、試験デザインや画像法、研究施設、サンプル数、フォローアップ期間の不均一性がデータの解釈を難しくしていることが挙げられるという。BMJ誌2010年8月7日号(オンライン版2010年7月26日号)掲載の報告。MRI上の高信号域と脳疾患、死亡との関連のエビデンスを系統系にレビュー研究グループは、MRI上の大脳白質の高信号域と脳卒中、認知機能低下、認知症、死亡との関連のエビデンスについて系統系なレビューを行い、メタ解析を実施した。1966~2009年11月23日までのデータベース(PubMed)を検索し、MRIを用いて大脳白質の高信号域が脳卒中、認知機能低下、認知症、死亡に及ぼす影響を評価したプロスペクティブな縦断的研究や、大脳白質の高信号域をカテゴリー別に分けてこれらの疾患のリスクを予測した試験を抽出した。対象集団、フォローアップ期間、大脳白質高信号域の測定法、アウトカムの定義、大脳白質高信号域とアウトカムの関連について評価した。脳卒中の発症リスクは3.5倍、認知症は1.9倍、死亡は2.0倍46の縦断的研究が抽出され、そのうち大脳白質の高信号域と脳卒中のリスクを評価したものが12試験、認知機能低下のリスクを検討したのは19試験、認知症は17試験であり、死亡については10試験が検討を行っていた。これらの試験について系統的なレビューを行い、メタ解析は22の試験(脳卒中9試験、認知症9試験、死亡8試験)ついて実施した。脳卒中のリスクについては、一般住民を対象とした6試験では大脳白質の高信号域と脳卒中は有意な相関を示し(ハザード比:3.1、95%信頼区間:2.3~4.1、p<0.001)、高リスク群を対象とした3試験でも有意な関連が確認された(同:7.4、同:2.4~22.9、p=0.001)。これらを合わせた9試験の解析では、大脳白質病変の存在は脳卒中の発症リスクを3.5倍に高めていた(同:3.5、同:2.5~4.9、p<0.001)。認知症のリスクについては、一般住民を対象とした3試験では大脳白質の高信号域と認知症は有意な相関を示したが(ハザード比:2.9、95%信頼区間:1.3~6.3、p=0.008)、高リスク群に関する6試験では有意な関連はみられなかった(同:1.4、同:0.9~2.3、p=0.14)。これら9試験の統合解析では、大脳白質病変の存在は認知症の発症リスクを1.9倍に高めていた(同:1.9、同:1.3~2.8、p<0.002)。死亡率との関連については、一般住民に関する4試験では大脳白質の高信号域は死亡を有意に増大させており(ハザード比:2.3、95%信頼区間:1.9~2.8、p<0.001)、高リスク群を対象とした4試験でも有意な相関が認められた(同:1.6、同:1.01~2.7、p=0.04)。8試験を合わせて解析したところ、大脳白質病変により死亡のリスクが2.0倍に増大していた(同:2.0、同:1.6~2.7、p<0.001)。著者は、「大脳白質病変は、脳卒中、認知症、死亡のリスクの予測因子である。すなわち、診断中に発見されたMRI上の大脳白質の高信号域は脳血管イベントのリスクの増大を示している」と結論し、「この知見を研究分野における中間的な指標として使用することも可能であり、脳卒中や認知症のリスク因子の詳細なスクリーニングに道を開くことになろう」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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心筋梗塞のリスクがカルシウム・サプリメントで増大

 サプリメントとしてのカルシウムの使用(ビタミンDは併用しない)により、心筋梗塞のリスクが有意に増大することが、ニュージーランド・オークランド大学のMark J Bolland氏らが行ったメタ解析で判明した。カルシウムは高齢者の骨格系の健康維持を目的としたサプリメントとして一般的に用いられている。ところが、カルシウム・サプリメントは心筋梗塞や心血管イベントのリスクを増大させる可能性があることが、プラセボを対照とした無作為化試験で示唆されているという。BMJ誌2010年8月7日号(オンライン版2010年7月29日号)掲載の報告。カルシウム・サプリメントと心筋梗塞などの心血管イベントの関連をメタ解析 研究グループは、カルシウム・サプリメントと心血管イベントのリスク増大の関連の評価を目的に、患者レベルおよび試験レベルのデータに関してメタ解析を行った。 1966年~2010年3月までのデータベース(Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials)などを用いて、100例以上、平均年齢40歳以上、試験期間1年以上のカルシウム・サプリメント(≧500mg/日)に関するプラセボ対照無作為化試験を抽出した。 これらの試験の筆頭著者からデータの提供を受け、心筋梗塞などの心血管アウトカムは患者自身の報告、入院記録、死亡診断書で確認した。心筋梗塞リスクがカルシウム・サプリメント群で約30%増大 15試験が適格基準を満たした。患者レベルのデータは5試験[8,151例、フォローアップ期間中央値3.6年(四分位範囲2.7~4.3年)]で得られ、試験レベルのデータは11試験(1万1,921例、平均試験期間4.0年)から得られた。 5試験の患者レベルのデータの解析では、心筋梗塞の発症はカルシウム・サプリメント群が143例と、プラセボ群の111例に比べリスクが有意に31%増加していた(ハザード比:1.31、95%信頼区間:1.02~1.67、p=0.035)。 脳卒中(ハザード比:1.20、95%信頼区間:0.96~1.50、p=0.11)、心筋梗塞/脳卒中/突然死の複合エンドポイント(同:1.18、同:1.00~1.39、p=0.057)、死亡(同:1.09、同:0.96~1.23、p=0.18)については有意なリスクの増大を認めなかった。 試験レベルのデータの解析でも同様の結果が示された。すなわち、心筋梗塞を発症した296例のうち、166例がカルシウム・サプリメント群で、プラセボ群は130例であり、リスクはサプリメント群で有意に27%増加していた(ハザード比:1.27、95%信頼区間:1.01~1.59、p=0.038)。 著者は、「カルシウム・サプリメント(ビタミンDの併用なし)は心筋梗塞のリスクを有意に増大させることが明らかとなった」と結論し、「この大きいとは言えない心筋梗塞のリスク増大も、カルシウム・サプリメントの使用の拡大に伴って、膨大な疾病負担をもたらす可能性がある。骨粗鬆症の治療におけるカルシウム・サプリメントの役割の再評価が急務である」と指摘する。

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【お知らせ】女性限定セミナー「もっと知ってほしい婦人科がんのこと2010 in 大阪」開催

8月28日、NPO法人キャンサーネットジャパンは一般社団法人ティール&ホワイトリボンプロジェクト共催で、女性限定のクローズドセミナー「もっと知ってほしい婦人科がんのこと2010 in 大阪」を開催する。医療者の参加も歓迎。 日時:2010年8月28日(土) 13:30~16:45場所:大阪国際交流センター 小ホール参加費:無料 定員:200名プログラム <開会挨拶>NPO法人キャンサーネットジャパン 理事 川上 祥子氏  <基調講演1> 「婦人科がん(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん)の予防・診断・治療」講師:関西医科大学附属枚方病院産科・婦人科 斉藤 淳子氏 <基調講演2>「婦人科がん(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん)の治療(特に薬物療法)について」講師:国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 温泉川 真由氏 <基調講演3>「婦人科がん患者が直面する問題(花嫁は子宮頸がん)」講師:一般社団法人ティール&ホワイトリボンプロジェクト 理事長 河村 裕美氏 <Q&Aセッション>司会:川上 祥子氏回答者:斉藤 淳子氏・温泉川 真由氏・河村 裕美氏 <閉会挨拶>一般社団法人ティール&ホワイトリボンプロジェクト 理事長 河村 裕美氏 詳しくはこちら http://www.cancernet.jp/eve100828.html

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ACCORD試験の細小血管合併症リスク、強化療法早期中止後の追跡結果

心血管リスクの高い2型糖尿病患者に対する強化療法(HbA1c<6.0%)は、標準療法(同7.0~7.9%)に比べ細小血管合併症のリスクを低減させないものの、その発症を遅延させ、腎、眼、末梢神経の機能の一部を有意に良好に保持することが、アメリカCase Western Reserve大学のFaramarz Ismail-Beigi氏らが行ったACCORD試験の追跡結果で明らかとなった。本試験は、2008年2月、中間解析で総死亡が強化療法群で有意に多かったため一部が早期中止となり、世界中の糖尿病専門医に衝撃を与えた。研究グループは、強化療法群の患者を標準療法群へ移行したうえでフォローアップを続け、今回、事前に規定された細小血管合併症の解析結果を、Lancet誌2010年8月7日号(オンライン版2010年6月29日号)で報告した。事前に規定された複合アウトカムと臓器機能について評価ACCORD試験の研究グループは、2型糖尿病患者では血糖値を低下させることで細小血管合併症の発症を低減できるかについて検討した。本試験には北米の77施設が参加し、対象は年齢40~79歳、HbA1c>7.5%、心血管疾患あるいはそのリスク因子を二つ以上有する2型糖尿病患者であった。これらの患者が、HbA1c<6.0%を目標とする強化療法あるいはHbA1c 7.0~7.9%を目標とする標準療法を施行する群に無作為に割り付けられた。今回の解析では、以下の事前に規定された複合アウトカムについて評価を行った。(1)主要複合アウトカム:透析あるいは腎移植、血清クレアチニン>291.7μmol/L、光凝固療法あるいは硝子体切除術。(2)副次的複合アウトカム:末梢神経障害+主要複合アウトカム。(3)腎、眼、末梢神経の機能に関する事前に規定された13の副次的エンドポイント。患者も担当医も治療割り付け情報を知らされていた。細小血管合併症の解析は全症例について行われ、受療の状況やコンプライアンスは考慮されなかった。強化療法群で、腎、眼、末梢神経障害の発症が遅延、7つの副次的エンドポイントが有意に良好1万251例が登録され、強化療法群に5,128例が、標準療法群には5,123例が割り付けられた。中間解析において、強化療法群で総死亡が有意に多かったため試験は早期中止とされ、この群の患者は標準療法群へと移行された。移行時点における主要複合アウトカムの発現率は、強化療法群が8.7%(443/5,107例)、標準療法群も8.7%(444/5,108例)(ハザード比:1.00、95%信頼区間:0.88~1.14、p=1.00)、副次的複合アウトカムはそれぞれ31.2%(1,591/5,107例)、32.5%(1,659/5,108例)(同:0.96、同:0.89~1.02、p=0.19)であり、いずれも両群間で同等であった。試験終了時の主要複合アウトカムの発現率は、強化療法群が10.9%(556/5,119例)、標準療法群は11.5%(586/5,115例)(ハザード比:0.95、95%信頼区間:0.85~1.07、p=0.42)、副次的アウトカムはそれぞれ38.2%(1,956/5,119例)、40.0%(2,046/5,115例)(同:0.95、同:0.89~1.01、p=0.12)であり、いずれも両群間に有意な差を認めなかった。試験終了時において、強化療法群では細小血管合併症のリスクは低減されなかったが、アルブミン尿や眼合併症、神経障害の発症が遅延していた。また、腎、眼、末梢神経の機能に関する13の副次的エンドポイントのうち7項目が、強化療法群で有意に良好であった(p<0.05)。著者は、「強化療法では、総死亡や心血管疾患関連死、体重増加、重篤な低血糖のリスクが増大する点を考慮したうえで、その細小血管合併症の抑制効果のベネフィットを慎重に検討すべきである」と結論し、「我々はHbA1c<6.0%という現在の治療戦略の目標値を安易に考えすぎかもしれない。ACCORD試験の患者のフォローアップを継続することで、長期的なリスク対ベネフィットの評価を行う必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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新しい糖尿病治療薬exenatide、追加薬として最適:DURATION-2試験

メトホルミンで十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者に対する追加薬剤としては、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストであるexenatideが、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4) 阻害薬シタグリプチン(商品名:ジャヌビア、グラクティブ)やチアゾリジン系薬剤ピオグリタゾン(同:アクトス)よりも有用なことが、アメリカInternational Diabetes Center at Park NicolletのRichard M Bergenstal氏らが実施した無作為化試験で示された。2型糖尿病患者の薬物療法はメトホルミンで開始されることが多いが、いずれは他の薬剤の追加が必要となる。GLP-1受容体アゴニストやDPP-4 阻害薬は血糖コントロールだけでなく、肥満、高血圧、脂質異常などの2型糖尿病関連の代謝異常にも有効な可能性が示唆されている。Lancet誌2010年8月7日号(オンライン版2010年6月26日号)掲載の報告。3群の優越性を評価する二重盲検ダブルダミー無作為化試験DURATION-2試験の研究グループは、メトホルミン治療を受けている2型糖尿病患者において、週1回のexenatide、最大承認用量のシタグリプチン、最大承認用量のピオグリタゾンの安全性と有効性を評価する二重盲検無作為化試験を行った。2008年1月22日~8月6日までに、アメリカ、インド、メキシコの72施設から、メトホルミン治療を受けている18歳以上の2型糖尿病患者で、ベースライン時の糖化ヘモグロビン(HbA1c)が7.1~11.0%、BMIが25~45 kg/m2の者が登録された。これらの患者が、exenatide 2mg/週(皮下注)+プラセボ 1回/日(経口)、シタグリプチン100mg/日(経口)+プラセボ 1回/週(皮下注)、ピオグリタゾン45mg/日(経口)+プラセボ1回/週(皮下注)を併用投与する群で無作為に割り付けられた。主要評価項目はベースラインから治療26週までのHbA1cの変化率とし、1回以上の治療を受けたすべての患者についてintention-to-treat解析を行った。exenatide群でHbA1cと体重が有意に低下、重篤な低血糖は認めなかったexenatide群に170例、シタグリプチン群に172例、ピオグリタゾン群には172例が割り付けられた。このうちintention-to-treat解析の対象となったのは、それぞれ160例、166例、165例であった。ベースライン時の平均年齢は52歳、HbA1c平均値は8.5%、空腹時血糖は9.1mmol/L、体重は88.0kgであった。HbA1cのベースラインからの変化の最小二乗平均は、exenatide群が-1.5%(95%信頼区間:-1.7~-1.4%)であり、シタグリプチン群の-0.9(同:-1.1~-0.7%)、ピオグリタゾン群の-1.2%(同:-1.4~-1.0%)に比べ低かった。exenatide群とシタグリプチン群の差は-0.6%(同:-0.9~-0.4%、p<0.0001)、exenatide群とピオグリタゾン群の差は-0.3%(同:-0.6~-0.1%、p=0.0165)であり、exenatide群におけるHbA1cの有意な改善効果が確かめられた。exenatide群では体重が2.3kg(95%信頼区間:-2.9~-1.7kg)減少していた。シタグリプチン群との差は1.5kg(p=0.0002)、ピオグリタゾン群の差は5.1kg(p<0.0001)であり、シタグリプチン群で有意な体重減少効果が確認された。3群ともに重篤な低血糖エピソードの報告はなかった。最も高頻度にみられた有害事象は、exenatide群とシタグリプチン群が悪心[それぞれ24%(38例)、10%(16例)]、下痢[それぞれ18%(29例)、10%(16例)]であり、ピオグリタゾン群では上気道感染症[10%(17例)]、末梢浮腫[8%(13例)]の頻度が高かった。著者は、「糖尿病の治療を行う臨床医の目標は体重の減少と低血糖エピソードの抑制とともに最適な血糖コントロールを達成することであり、メトホルミンへの追加薬剤として、exenatideはシタグリプチンやピオグリタゾンよりもこの目標の達成度が高い」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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教授 尾﨑重之先生「弁膜症治療の歴史を変える「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」」

東邦大学医療センター大橋病院・心臓血管外科教授。防衛医科大学校卒。自衛隊医官、亀田総合病院、3年半ベルギー・ルーヴァン・カトリック大学留学、新東京病院、防衛医大病院に勤務後 03年より現職。「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」を確立後、スーパードクターとして各メディアの注目を集めている。患者さんへのリスクを下げ、QOLを上げる。それが「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」患者さんの平均年齢は70歳前後が多く、他病院で手術日程が決定しているにもかかわらず来院される方もいます。テレビなどのメディアで特集されるようになって以来、全国から患者さんが来院されるようになりました。最近では、糖尿病、膠原病も合併して患っている方が急増しています。今現在、年間200~250症例、手術件数は、都内大学病院の中で第二位の数です。大動脈弁狭窄症に対する手術方法として「人工弁による大動脈弁置換術」がありますが、人工弁、つまり「異物」を自分の体内に入れることに抵抗を感じる患者さんは少なくありません。また、人工弁を入れた場合、術後に拒絶反応を起こすリスクや、ワルファリンを服用するために食事制限や運動制限をする必要があります。また、人工弁は一つ数百万円するので経済的にもあまりよろしくはありません。「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」は、自分の体組織を使用して弁を形成する手術法です。当然拒絶反応はなく、ワルファリンを服用する必要もないので、従来の方法に比べて術後のリスクを下げQOLを上げることができます。全国から患者さんが集まる理由はここにあります。動く臓器は美しく、私の心をとらえた!防衛医科大学校は、当時としては珍しく、今の臨床研修制度のような全診療科をラウンドするシステムがありました。今だから言えますが、実は当時の私は血を見ることが苦手で、外科医になるなどもってのほかでした。しかし、心臓外科をラウンドした時、ピンク、橙、青、黄色と心臓の持つ色彩に目を奪われ、興味を持つようになりました。心臓手術は他の臓器とは違い、臓器自体が動いたままで手術をするので緊迫感が尋常ではありません。そして当時の心臓手術は術後が安定せず、常に付き添い、状態の変化に臨機応変に対応せねばなりませんでした。手術だけでなく、術後の管理も含めて、全身全霊で命に向き合う心臓外科医の姿にすっかり魅了されてしまい、心臓外科医を目指すようになりました。その後勤務した千葉・亀田総合病院で見た恩師の手術は、術後の患者さんの容態が非常に安定していました。術後の管理が難しかった時代でしたが、術前から術後までの治療過程の違いは歴然としていたのです。当時の勤務体制は4人しかおらず、上司二人は当直なしで、もう一人と交代勤務の当直で、今とは比べ物にならない大変厳しくきつい勤務でした。しかし、苦しいことがあるとそれは後でよい経験となり、鍛錬となりました。人間はつい楽な方向へ流れて行こうとしますが、苦労は買ってでもして自分の経験とすれば、ステップアップにつながります。私はこういうことを繰り返してきたわけです。また、その後の海外留学で私は今の弁開発の基となる研究・臨床と出会い、心臓外科医としての人生に変化が出てきました。ベルギー留学「研究・臨床」経験が研究開発へ導く大学卒業後、勤務医を経験。その後、ご縁がありベルギーに3年半ほど留学しました。学生時代一ヵ月ほど欧州を旅した時の印象があまりにもよく、そこでの生活を夢見て、学ぶのであれば米国より欧州と決めていました。治安が良く、美食、歴史的な建造物の街々、陸路に続く周辺各国も素晴らしく、人々の考え方が日本と違い大陸的で、民族の勉強にもなりました。その反面、研究・臨床は容易ではなく、「苦労は買ってでもしなさい」という言葉を実践している日々でした。しかし、この留学中に私が理想とする心臓外科医と出会い、これが私にとっては将来の方向性を決定する大切な海外留学となりました。最初の1年は主に大動物での実験・研究に明け暮れて臨床までには至りませんでしたが、大動物での実験で実績を重ねることでこの師から絶大な信頼を得ることができ、2年目からは臨床への参加が認められました。この師は、臨床で不明な点を大動物で実験・検証し、その結果を必ず臨床にフィードバックしていました。我々は臨床の中で多くのアイデアを見つけることができますが、それを形にすることはできません。しかし、医療系の工学研究所とコラボレートすることで、形にすることができるのです。そのことを彼から学ぶことができ、今後は医工連携を発展させることで、さらに前に進むことができると考えました。この経験から帰国してすぐ早稲田大学理工学部(現・創造理工学部)の教授だった梅津先生を訪ね、医工連携を早々に実現し、現在も研究開発を両者で定期的に行っています。もし、この海外留学がなければ工学とのコラボも考えつきませんでした。研究開発方法、理想的な師との出会い、海外留学は私にとって国内初「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」の基になり、医師としての糧にもなっています。また、海外で生活していると、国内のようにすぐに解決できる状況ではありません。数日かけて解決に至ることもあり、流れている時間や環境がまるで違います。この時に忍耐力が養われたのだと思います。今の若い方はあまり海外留学をしたがりませんが、是非海外で研究生活を送って経験を積んでください。その時の経験は必ず先のキャリアで役に立つことでしょう。そして、それは自分だけでなく患者さんのためになります。患者さんの笑顔に報われて心臓血管外科というのは、外科手術をすれば患者さんは治って日常生活・社会生活に復帰していくんですよ。来院されるまでは、心臓疾患ということで不安が大きかった患者さんが手術後に笑顔で退院されてお元気でいらっしゃるのは、この仕事をしていて報われるひと時です。「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」は当院だけではなく、全国の数施設で実際に行われる用になりましたが、更に多くの施設で行われることを望んでいます。そのためにもこの手術法の教育システムの確立も急務と考えています。今では、世界的評価を大きくいただくことができ、大変うれしく思っています。一人でも多くの患者さんの社会復帰と笑顔が増えてくれれば、こんなに嬉しいことはありません。心臓血管外科は、努力すればするほど報われる診療科です。私の場合、海外生活での苦労、今まで知らなかった大学工学部とのコラボなどを取り入れた国内での研究、困難は多々ありました。しかし、その結果、私は自己心膜を使用した大動脈弁形成術を開発することができたのだと思います。やはり心臓血管外科を選択してよかったです。これからも大学病院で研究開発を極める私がここまで来るには、常に自分の進むべき道、どのようなスタイルの医師になりたいかを頭に描き、目標を高くかかげていました。また恩師たちの診察・手術スタイルが頭にあり、自分なりにそのスタイルを取り入れようと観察をしていました。心臓血管外科は、多忙が苦でなく手術が好きな人、ある程度高い目標を持てる人が向いていると思います。心臓の手術で悪い弁を取れば新しい弁を作る、動脈瘤を取れば新しい動脈を作るというようにすべてが形成術なのです。形成術ゆえに芸術性が高く、自分で考えた創意工夫を取り入れることができ、手術のでき映えにワクワクできることも魅力の一つなのです。そして、手術で元気になってもらえる、医師が努力すればするほど成果は患者さんの元気に表れます。私を頼り、はるばる遠くから来院してくださる患者さんも多いので、私が頑張らないわけにはいきません。やりがいを感じますね。私はこの世界でさらなるステップアップをしていきたいと考えています。現在、臨床で使用されている人工弁はすべてが外国製です。日本製は一つもありません。また、その人工弁は異物であり、大きさは変わりません。私は、トヨタのハイブリッドカーのように日本発の技術を世界に発信していきたいと思っています。今後、身体の成長に合わせて「成長する大動脈弁」の開発に力を入れていき、患者さんの身体にやさしい手術を心がけていきます。質問と回答を公開中!

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教授 尾﨑重之先生の答え

遠隔期について自己心膜による大動脈弁形成の遠隔期成績はいかがでしょうか。大動脈弁逆流等の発生はないのでしょうか。自己心膜を使用した大動脈弁形成術は2007年の4月から開始し、現在、約3年半が経過しております。250名以上の方がこの手術を受けられておりますが、現在までのところⅡ度以上の大動脈弁閉鎖不全症を認める患者様はおらず、再手術例はありません。弁の生着、採取部位の強度についてはじめまして、都内で勤務医をしている整形外科医です。患者さんで弁置換が必要といわれている方がおり調べている間にたどり着きました。人工物に比し生体材料でつくられるものがより良いということはわれわれ整形外科でも常に言われていることですが、自己生体材料を採取するということはその採取部位に欠損が生じるということです。整形外科では骨は骨、硝子軟骨は繊維軟骨で再生されます。ただ強度は正常に比し、しばらくの間採取した大きさにもよりますが弱いです。自己心膜採取部位は採取後に再生される組織の強度、機能は問題ないのでしょうか?また生体弁は術後どれくらいで生着するのでしょうか?不勉強ですみませんがよろしくご教授ください。グルタールアルデハイド処理したヒト心膜の強度は、早稲田大学生命理工学部梅津研究室との共同研究の結果、正常な大動脈弁尖の4倍以上の強度があることを確認しております。従って、グルタールアルデハイド処理したヒト心膜を大動脈弁尖として使用することには、全く問題が無いと考えます。残念ながら、ヒト心膜は再生しないので切除した欠損部にはゴアテックスシートを挿入し、代用しております。縫着された自己心膜は、縫着直後より機能しておりますが、約1ヶ月もすれば完全に生着すると思われます。自己心膜の耐久性について生体弁は耐久性におとり10数年が限界と聞きましたが、自己心膜の場合はいかがでしょうか。基本的には自分の組織を使っているので、耐久性という概念自体がないのでしょうか?再手術が必要になる場合はどんな時なのでしょうか?基本的な質問で申し訳ないですがご教示お願いします。「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」、最長で3年半の経過です。遠隔期については5年、10年と経過を見なければなりませんが、3年半経過して再手術がゼロという数字は画期的な数字です。機械弁・生体弁では術後1年で約1%の再手術があります。とても成績がいいことは確かです。われわれの手術方法とは異なりますが、1990年代にアメリカのデュラン先生が、同様にグルタールアルデハイド処理された自己心膜を使用した大動脈弁形成術の耐久性を報告しています。対象疾患が「リウマチ熱による大動脈弁狭窄症」であるため、われわれの対象年齢よりはずっと若く20~30歳代の症例に手術を施行していますが、10年の再手術回避率(再手術を受けなくても良い確率)が86%です。一方、生体弁(ウシ心のう膜弁)を45歳の患者に移植した場合の再手術回避率も同様に86%という報告があります。若年者ほど生体弁の劣化が早いことは周知の事実です。デュラン先生が手術を施行された症例は更に若年であり、この事実を考慮するとグルタールアルデハイド処理後の自己心膜を使用した大動脈弁形成術の耐久性は、生体弁と同等もしくはそれ以上と言うことが出来ると考えます。詳しくは当科ホームページをご参照ください。再手術が必要となるのは移植した心膜が石灰化を起こし、重症な大動脈弁狭窄症を起こすか、心膜の劣化が起こり、重症な大動脈弁閉鎖不全症が発生したときです。経過観察中の患者さんでそのような方はおりません。執刀できる医師について先生の術式は大変素晴らしく、感銘を受けております。新しい術式なだけに執刀できる医師は限られていると思いますが、先生の他に執刀できる医師は何名位いるのでしょうか?また、この出術を受けることができる医療機関は貴院の他にも存在するのでしょうか?教えて頂けると幸いです。これまでに、多くの医師が当院に手術見学に来られ、現在準備を進めている施設がいくつかあります。しかし、手術の質を維持させるため、最初は必ず私が手術に立ち会わせて頂くようにしています。また、弁形成をするための器具であるサイザーやテンプレートなどの準備があり、手術を開始するには少々時間がかかっています。今後はさらに多くの施設で手術が出来るようにウエットラボ、ドライラボを使用したトレーニングシステムの構築等も考えています。現在のところ、苑田第一病院(東京都足立区)、仙台厚生病院(仙台市)、大分大学医学部附属病院(大分市)で自己心膜を使用した大動脈弁形成術が施行されております。入局について初期研修医1年目です。現在市中病院で研修を受けていますが、外科医を目指したいので、後期研修は大学病院に入局しようと考えております。大橋病院心臓血管外科のホームページを拝見しましたが、入局希望者への案内がありません。他の科は案内があるものとないものがありました。基本的に他からの入局は募集していないということなのでしょうか?場違いな質問かもしれませんがご回答宜しくお願いします。ホームページでの入局のご案内が未完成ではありますが、常に入局は大歓迎です。ご迷惑をおかけしました。遠慮なく下記にお問い合わせ下さい。見学、相談希望の方は、お気軽にご連絡ください。お問い合わせ先:医局秘書 古谷 美幸 myurine@oha.toho-u.ac.jp女性の心臓外科医現在医学部に通う学生、女性です。心臓外科に興味を持っています。どんな科でも、出産などで1、2年ブランクが開くと手技が衰えてしまうと思いますが、心臓外科医としてそれは致命傷になるのでしょうか?学生の思い込みかもしれませんが、心臓外科の手技は他の外科と比べ、特に繊細だと考えております。1、2年のブランクが心臓外科医として致命傷になるのか教えて頂きたくお願い申し上げます。心臓外科のトレーニングは、どの時期にどれくらい集中的に施行することが出来るかが大切であると考えます。私自身も、当初は自衛隊医官として勤務していたため、外来で毎日、風邪と水虫を診る日々でした。心臓なんて夢のまた夢でした。自衛隊退職後、卒後6年目からやっと心臓外科に携わるようになりました。心臓外科を始めた時期としては決して早いわけではありません。時期が来たときに集中してトレーニングを重ねることが出来れば、心臓外科医になることは十分に可能と考えます。自分次第ですよ。また、昨今、女性医師は増加しており、今後、女性心臓外科医も増えると思います。まだまだ環境は整っていないかもしれませんが、確実に女性心臓外科医が誕生する土壌は整いつつあります。諦めないでください。自己心膜では適さないケースについて患者さんの状態によっては、自己心膜を使用した大動脈弁形成術に適さず、人工弁でないと駄目なケースがあるのでしょうか。あるとしたらそれはどんなケースなのでしょうか。初歩的な質問で恐縮ですがご教授ください。すべての大動脈弁疾患(大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、大動脈基部拡大による大動脈弁閉鎖不全症、人工弁置換手術後の再手術、感染性心内膜炎など)に対し「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」を施行しています。これまでのところ大動脈弁形成術が適さなかった症例はありません。成長する大動脈弁について先生の記事拝読いたしました。「今後、身体の成長に合わせて「成長する大動脈弁」の開発に力を入れていく」とありましたが、具体的にはどのような研究なのでしょうか?人工弁だけど成長する弁なのでしょうか?もしくはまた違った着想での開発なのでしょうか?差し支えない範囲で結構ですので、その辺りの開発状況をお聞きしたく思います。現在、早稲田大学生命理工学部梅津研究室との共同研究で「無細胞化技術の開発」「無細胞化組織の滅菌技術の確立」に成功しており、当該材料の製造・滅菌において実用化に向けて更なる一歩を踏み出す域に到達しています。無細胞化する事でvirusの除去が完全に可能で有る事と、無細胞化組織を人体に移植すると異物として認識されず、scaffold(枠組み)の中に移植された人体から細胞が入り込み自己組織化していく事を、これまでの研究で実証しています。無細胞化組織を使用する事で、(1)遠隔期の弁尖の石灰化を予防出来き(2)無細胞化組織移植後組織に自己の細胞が入り込み無細胞化組織が自己組織化され組織(弁尖)が成長する可能性も高いと言えます。先生が理想とする心臓外科医ベルギー留学中に、先生が理想とする心臓外科医と出会われたそうですが、どんな方なのでしょうか?日本にはいないタイプなのでしょうか?興味あるので是非教えてください。記事の中でもご紹介しましたが、私がベルギーで出会った医師は、臨床での不明な点を大動物で実験・検証し、その結果を必ず臨床にフィードバックし、少しでも患者さんにプラスになるように努力していました。このように、文武両道な医師が私の理想とする医師です。私の感覚なので、そうではないと言われる方がおられると思いますが、日本の心臓外科医は手術をする人、研究をする人が別れており、両方をともにバランス良く行っている外科医はヨーロッパと比べて少ないと思います。あくまでも個人的な感想です。先生のご経歴を今は田舎で診療所をやっていますが、昔大橋病院にいたことがあります。その時代は外科手術を年間何百例もこなすようなところではなかった記憶があります。先生しかできない手術を行っているからかもしれませんが、それだけではないと思います。宜しければ体制を変えるために先生が取り組まれたことを教えていただけますでしょうか。宜しくお願いします。先生が大橋病院にいらした頃と同様に、私が大橋病院へ赴任した当初も開心術数は多くありませんでした。病院の体制としても現在のように開心術を200以上施行できる環境ではありませんでした。まわりのスタッフの多くが、「心臓の手術は大変だから。」という認識を持っていたと思います。大変なことを行うのはみんな嫌なわけで、その認識を変えない限り、前進できないなと考えました。まず取り組んだことは、慌てないでひとつひとつ実績を重ね、スタッフのみんなに「心臓の手術は大変ではなく、心臓の手術を受けた患者さんみんなが笑顔で元気に退院していくこと。」を実証することでした。心臓外科はチーム医療ですから、これまでの認識が変わるにつれてチームとして対応できるようになり、増えてきた症例数にも対応できるようになったと考えます。でも6年かかりました。「ローマは一日にしてならず。」を実感しています。総括「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」、最長で3年半の経過です。遠隔期については5年、10年と経過を見なければなりませんが、3年半経過して再手術がゼロという数字は機械弁・生体弁では不可能な数字です。それくらい成績がいいことは確かです。また、手術中に人工弁置換術に移行した症例もありません。この手術がいかに再現性の高い手術であるかが判ります。今後も遠隔期の向上目指してさらに努力していきたいと考えています。異物を使用しないこと、ワーファリンなどの抗凝固療法を使用しないためQOLが維持できることに患者さんはとても満足されています。「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」でも多くの患者さんの笑顔が見られます。学生・研修医の方々へ心臓外科は楽しいですよ。楽な科ではありませんが、患者さんは本当に元気になります。元気になった患者さんの笑顔を見ると疲れが吹っ飛びます。僕と一緒に心臓外科をやりませんか。教授 尾﨑重之先生「弁膜症治療の歴史を変える「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」」

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【お知らせ】日本結核病学会 結核・抗酸菌症認定医・指導医認定制度を開始

日本結核病学会は,結核および非結核性抗酸菌症に対する適切な医療を推進するため、また多剤耐性結核・超多剤耐性結核の抑止と結核撲滅を目指すために、学会認定医・ 指導医認定制度を設けた。結核・抗酸菌症の知識と抗結核薬の適正使用の経験に優れ、それを実践・指導・教育できる医師を養成することによって、結核・抗酸菌症診療の向上・耐性菌防止・医療資源の有効利用などに貢献することを目的としている。第一回申請は平成23年6月から受け付ける。http://www.kekkaku.gr.jp/ga/ninteiiKisoku.htm

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遺伝性血管性浮腫の新規C1インヒビター製剤の有効性

 遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema:HAE)は、C1インヒビターの欠損により発症する常染色体優性遺伝性疾患で、「疾患を知っていれば診断は比較的容易で、診断がつけば有効な治療ができる」とされる(補体研究会HAEガイドラインより http://square.umin.ac.jp/compl/HAE/HAEGuideline.html)。一般的に四肢、腹部、外陰部、顔または中咽頭の、反復性の急性発作(一般に局所粘膜腫脹による血管性浮腫)が特徴で、腹部発作はしばしば激しい腹痛、嘔気や嘔吐を伴い、入院や不必要な手術となることがある。また咽頭部発作は、死亡リスクがかなり高い。一方で急性発作時は、C1インヒビター製剤(商品名:ベリナートP)による補充療法が効果的であることが、無作為化試験およびコンセンサスレベルでも支持されている。本論は、最近開発されたナノ濾過濃縮C1インヒビター製剤「Cinryze」(ViroPharma社)の治験報告で、急性発作の期間短縮に有効であったこと、また予防的投与で急性発作の頻度が減少したことが、米国シンシナティ大学Bruce L. Zuraw氏らにより、NEJM誌2010年8月5日号で報告された。有効性と予防的投与を評価する二つの二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施 Zuraw氏らは、HAE治療における新規C1インヒビター製剤「Cinryze」の有効性を評価するため、二つの無作為化試験を行った。いずれも二重盲検プラセボ対照無作為化試験だった。 第一の試験は、急性発作に対する治療の有効性を評価するもので、計68例を無作為に製剤投与群(35例)、プラセボ群(33例)に割り付け、試験薬(各1,000単位)1回または2回を静注投与した(試験薬初回投与後60分までに被験者から無回答あるいは良好の報告がない場合2回目を投与。また4時間までに明らかな寛解が認められない場合、製剤投与によるレスキュー治療が行われた)。主要エンドポイントは、明らかな寛解の開始時間とした。 第二の試験は、週2回12週にわたる予防的投与(1,000単位)の効果を検討する試験で、遺伝性血管性浮腫患者22例を対象とした交差試験だった。2期間の比較で実施され、被験者は第1期間は無作為に製剤もしくはプラセボの予防的投与を、第2期間は第1期間と交差した試験薬投与を受けた。主要エンドポイントは、各々の被験者が予防的投与を受けていた期間中の急性発作の回数とした。2時間以内に寛解、予防的投与で急性発作半減 第一試験の結果、明らかな寛解が認められたまでの時間は、製剤群2時間に対し、プラセボ群は4時間以上だった(P=0.02)。 第二試験の結果は、急性発作の回数は、12週につき製剤群6.26回に対し、プラセボ群は12.73回だった(P

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抗てんかん薬と自殺傾向の関連、てんかん患者では認められず

抗てんかん薬と自殺との関連について、てんかん患者においては自殺リスク増大との関連は認められなかったこと、一方で、うつ病患者、あるいはてんかん、うつ病、双極性障害のいずれでもない患者で抗てんかん薬を服用していた患者ではリスク増大が認められたことが、スペイン・Risk MR Pharmacovigilance ServicesのAlejandro Arana氏らにより明らかにされた。これまでに行われた臨床試験のメタ解析の結果では、抗てんかん薬と自殺傾向(自殺念慮、自殺行動、または両方)との関連が示されていたが、Arana氏らは、一般集団を代表する患者データベースを用い、ケースコントロール試験にて、抗てんかん薬服用の有無と自殺関連イベント(自殺未遂、自殺既遂)との関連を解析した。NEJM2010年8月5日号掲載より。英国民の患者データベースで服薬有無と自殺との関連を解析Arana氏らが解析コホートとしたのは、英国の一般集団を代表する患者データベース「The Health Improvement Network(THIN)」(診療所医師による日々の臨床記録が集約、患者670万人以上を含む)で、そのうちてんかん、うつ病、双極性障害患者の治療データ(1988年7月1日~2008年3月31日に6ヵ月以上治療)を取得し、抗てんかん薬治療の有無を調べ追跡した。また、同コホートから、各症例患者にマッチ(年齢、性、治療内容)する5例ずつを選定しコントロール(対照)群とした。そのうえで抗てんかん薬使用の有無と自殺関連イベント発生率を調べ、交絡因子を補正し、ロジスティック回帰分析法でオッズ比を算出した。うつ病での服用者、疾患を有さない服用者ではリスク増大解析コホートは合計513万795例だった。このうち、いずれの疾患も有さず抗てんかん薬も未服用だったコホート(基準群:451万4,366例)の自殺関連イベント発生率は、10万人・年につき15.0(95%信頼区間:14.6~15.5)だった。これに対し同服用していたコホート(7万7,319例)の同発生率は39.4(32.6~47.1)だった。一方、てんかん患者では、未服用者(1万6,120例)は38.2(同:26.3~53.7)、服用者(3万9,325例)は48.2(同:39.4~58.5)だった。補正後解析の結果、抗てんかん薬の服用と自殺関連イベントのリスク増大との関連は、てんかん患者(オッズ比:0.59、95%信頼区間:0.35~0.98)、双極性障害患者(同:1.13、0.35~3.61)では認められなかったが、うつ病患者(同:1.65、1.24~2.19)と、いずれの疾患も有さないが服薬していた患者(同:2.57、1.78~3.71)では有意な関連が認められた。(武藤まき:医療ライター)

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青少年の飲酒と暴力、救急外来受診時にカウンセリング介入で行動が改善

病院救急外来部門を受診した14~18歳の青少年で、飲酒経験および暴力行動を起こしたことがあると自己申告した者に対しカウンセリングを行うことで、それら行動が改善することが、米国ミシガン大学精神科部門のMaureen A. Walton氏らにより報告された。米国では年間約2,000万人の15~24歳の青少年が救急外来を受診し、青少年への、特に無保険・制限付き被保険者への重要な医療提供の場となっている。Walton氏らは、同部門を利用し、学校にきちんと通っていない、かかりつけ医がいない、年老いすぎた小児科医にしか診てもらっていない、定期健診を受けていない青少年への予防医療が提供可能ではないかと考え、救急外来を受診した3,000人超の青少年を対象に、無作為化試験を行った。JAMA誌2010年8月4日号掲載より。コンピュータor心理療法士によるカウンセリング介入と、パンフレット配布のみの対照群同研究グループは、2006年9月~2009年9月にかけて、ミシガン州Flintにある病院救急外来を訪れた(日時問わず)、14~18歳の3,338人について調査を行った(男性43.5%、アフリカ系アメリカ人55.9%)。そのうち、過去に飲酒および暴力行動があったと自己申告したのは約25%(829人)おり、726人について、無作為化試験「SafERteens」を行った。研究グループは被験者を3群に分け、一群には35分間のコンピュータによるカウンセリングを(コンピュータ群)、別の群には心理療法士によるカウンセリングを(心理療法士群)、残りの一群は対照群としてパンフレットを手渡すのみ(対照群)との介入をそれぞれ行った。 主要評価項目は、仲間への攻撃性(敵意を抱く)、暴力をふるう、暴力転帰(負傷させるなど)と、飲酒、過度な飲酒、飲酒転帰(退学や仲間とトラブルなど)に関する自己報告とした。対照群に比べカウンセリング群、暴力関連3割減、飲酒転帰は半減結果、暴力の項目に関して、介入3ヵ月時点での心理療法士群の、対照群と比べての有意な改善が認められた。仲間への攻撃性についての報告は、心理療法士群-34.3%、対照群-16.4%で相対リスクは0.74(95%信頼区間:0.61~0.90)、仲間に対する暴力は同-10.4%、+4.7%で0.70(同:0.52~0.95)、暴力転帰については同-30.4%、-13.0%で0.76(同:0.64~0.90)だった。また6ヵ月時点での飲酒転帰の報告例は、心理療法士群-32.2%だったのに対し、対照群-17.7%でオッズ比0.56(同:0.34~0.91)と、心理療法士による介入効果がパンフレット配布の対照群と比べて倍近かった。この指標の結果についてはコンピュータによる介入についても、報告例-29.1%対-17.7%でオッズ比0.57(同:0.34~0.95)であった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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電話によるDV相談サポート、うつ改善にはつながらず:香港

親しいパートナーからの暴力[intimate partner violence:IPV;一般にドメスティックバイオレンス(DV)と知られる]を受けた女性に対し、暴力からの自衛手段を教えるなどのエンパワメントおよび電話カウンセリングを行っても、被害者のメンタルヘルスへの影響、うつ症状の改善にはつながらないことが報告された。IPV生存者のうつ症状に対する効果的な介入については明らかになっていないことから、アドボカシー的介入の効果を検討するため、中国・香港大学のAgnes Tiwari氏らが、200人の女性を対象に行い無作為化試験を行ったもので、JAMA誌2010年8月4日号で発表した。なお、香港におけるIPV発生率は、4.5~10%に上るという。通常ケアに加え、エンパワメントおよび電話カウンセリング介入同氏らは、2007年2月~2009年6月にかけて、IPVを受けたことのある18歳以上の女性200人について、調査を行った。研究グループは被験者を2群に分け、一方の群(介入群、100人)には、通常のコミュニティサービスの他に、介入開始時に約30分間1対1で「Dutton氏のエンパワメントモデル」に基づいた防御およびよりよい選択と問題解決方法を教示し、その後12週間にわたり週1回の電話によるカウンセリングを行った。もう一方の群(対照群、100人)には、通常のコミュニティサービス、医療的ケア、運動・趣味のサークル活動の提供にとどめる介入を行った。なお被験者全員には、24時間対応の電話ホットラインが提供された。主要評価項目は、9ヵ月後の「中国版ベックうつ病調査表II」によるうつ症状の変化。副次評価項目は、IPV発生率、健康関連QOL、ソーシャルサポート利用についての変化とした。3~9ヵ月後のうつ症状スコア、介入群で対照群に比べ2.66減少したが……その結果、試験開始後3ヵ月後のうつ症状スコア変化の平均値は、介入群が14.9に対し対照群が11.6、9ヵ月後はそれぞれ23.2と19.6で、3ヵ月時点および9ヵ月時点の治療効果の有意差は認められなかった(p=0.86)。また試験開始3~9ヵ月で、うつ症状スコアは、介入群で対照群に比べ、2.66(95%信頼区間:0.26~5.06、p=0.03)有意に減少したものの、臨床的に意味のある変化と規定していた5ポイントには達しなかった。一方、パートナーからの心理的攻撃については有意な減少が認められ、介入群で対照群に比べ、3~9ヵ月で1.87(p=0.01)の有意な減少がみられた。また、ソーシャルサポート利用は同2.18(p=0.01)で有意に増えていた。しかし、身体への暴行や性的暴力、健康関連QOLの変化については、両群で有意差はなかった。なお、IPV被害者に対するサポートの強化が、有用であると回答したのは、対照群で81.7%に対し介入群で93.8%(両群差12.1%、p=0.02)、親しいパートナーとの対立を解決する手助けとなると回答したのは、対照群で84.1%に対し介入群で97.5%(両群差13.4%、p=0.001)と、いずれも介入群の方が有意に高率ではあった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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HPV 4価ワクチンの上皮内腫瘍低グレード病変の予防効果が明らかに

ヒトパピローマウイルス(HPV)の4価ワクチンは、HPV-6、-11、-16、-18を抑制することで上皮内腫瘍の低グレード病変を持続的に予防し、疾病負担を実質的に軽減することが、スウェーデンLund大学のJoakim Dillner氏らが実施した無作為化試験(FUTURE試験)で判明した。HPVはグレードII/IIIの子宮頸部上皮内腫瘍よりもコンジローマやグレードIの上皮内腫瘍の発症に関与しており、これらの疾患に対するHPVワクチンの予防効果に大きな期待が寄せられている。その一方で、4価ワクチンで予防可能な低グレード病変の総疾病負担は明確にされていないという。BMJ誌2010年7月31日号(オンライン版2010年7月20日号)掲載の報告。1万7,622人を登録、フォローアップ期間は42ヵ月研究グループは、HPV 4価ワクチンの子宮頸部、外陰部、膣の上皮内腫瘍グレードI病変や肛門性器疣贅(尖圭コンジローマ)に対する予防効果を検討する二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を行った。二つのプロトコール[protocol 013(FUTURE I試験)、protocol 015(FUTURE II試験)]を用いて4年間にわたる試験が行われ、フォローアップ期間は42ヵ月であった。2001年12月~2003年5月までに、24の国と地域の施設から16~26歳の女性1万7,622人が登録された。主な除外基準は、これまでの性交パートナー数>4人、頸部スミア検査異常の既往歴、妊婦などであった。これらの女性が、3回(初回、2ヵ月後、6ヵ月後)の4価ワクチン接種を行う群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられた。フォローアップ期間を通じて疾病負担を実質的に軽減3回のワクチン接種をすべて受け、初回接種時の血清学的検査およびPCR法でHPV-6、-11、-16、-18がいずれも陰性で、7ヵ月後のPCR検査も陰性であった女性に関するper-protocol解析では、4価ワクチンによるHPVタイプ別の上皮内腫瘍グレードI病変の抑制率は子宮頸部が96%(95%信頼区間:91~98%)、外陰部が100%(同:74~100%)、膣が100%(同:64~100%)であり、尖圭コンジローマの抑制率は99%(同:96~100%)であった。少なくとも1回のワクチン接種を受け、初回接種時の血清学的検査およびPCR法でHPV-6、-11、-16、-18がいずれも陰性で、さらにPCR法による他の高リスクHPVタイプ(31、33、35、39、45、51、52、56、58、59)および頸部スミア検査のいずれもが陰性であった女性におけるHPVタイプを問わない上皮内腫瘍グレードI病変の抑制率は、子宮頸部が30%(95%信頼区間:17~41%)、外陰部が75%(同:22~94%)、膣が48%(同:10~71%)であり、尖圭コンジローマの抑制率は83%(同:74~89%)であった。著者は、「HPVの4価ワクチンは、HPV-6、-11、-16、-18を抑制することで上皮内腫瘍の低グレード病変を持続的に予防し、42ヵ月のフォローアップ期間を通じて疾病負担を実質的に軽減することが示された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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薬物療法で改善しない2型糖尿病患者、強化食事療法で改善の可能性

 最適な薬物療法を行っても糖化ヘモグロビン(HbA1c)が改善しない2型糖尿病患者は、個別化された強化食事療法アドバイスによって血糖コントロールや体重、BMI、ウエスト周囲長が改善する可能性があることが、ニュージーランドOtago大学のKirsten J Coppell氏らが行った無作為化試験(LOADD試験)で示された。ライフスタイルの改善は2型糖尿病治療の基盤であり、特に適切な食事パターンが推奨されているが、これを遵守するには困難が伴う。また、高血糖で薬物療法を受けている2型糖尿病患者に対する栄養療法のベネフィットを示すエビデンスはないという。BMJ誌2010年7月31日号(オンライン版2010年7月20日号)掲載の報告。通常治療に6ヵ月間の強化食事療法アドバイスを追加 LOADD試験の研究グループは、最適な薬物療法を行っても高血糖が改善しない2型糖尿病患者に対する強化食事療法による介入は、血糖コントロールや心血管疾患のリスク因子に影響を及ぼすか否かについて検討する、無作為化対照比較試験を実施した。 対象は、最適な薬物療法でもHbA1c>7%のままで、過体重あるいは肥満、高血圧、脂質異常のうち二つ以上がみられる、70歳未満の2型糖尿病患者93例。これらの患者が、通常の糖尿病治療に加え欧州糖尿病学会(EASD)の栄養療法に関する勧告に準拠した強化食事療法のアドバイスを6ヵ月間実施する群(45例)、あるいは通常の糖尿病治療のみを行う対照群(48例)に無作為に割り付けられた。 主要評価項目はHbA1cとし、副次的評価項目は肥満、血圧、脂質プロフィールなどであった。HbA1c、体重、BMI、ウエスト周囲長が低下、飽和脂肪とタンパク質の摂取量が改善 年齢、性別、ベースライン時の各種測定値で補正したところ、対照群に比べ強化食事療法群でHbA1cが有意に低下し(差:-0.4%、95%信頼区間:-0.7~-0.1%、p=0.007)、体重(同:-1.3kg、同:-2.4~-0.1kg、p=0.032)、BMI(同:-0.5、同:-0.9~-0.1、p=0.026)、ウエスト周囲長(-1.6 cm、-2.7~-0.5 cm、p=0.005)も有意に改善した。 強化食事療法群では、飽和脂肪酸の摂取量が対照群に比べ有意に低下し(エネルギー総量の差:-1.9%、95%信頼区間:-3.3~-0.6%、p=0.006)、タンパク質の摂取量が有意に増加しており(同:1.6%、0.04~3.1%、p=0.045)、これらは両群間で摂取量の差が最も大きい栄養素であった。 著者は、「最適な薬物療法を行ってもHbA1cが改善しない2型糖尿病患者は、個別化された強化食事療法アドバイスを行うことで血糖コントロールとともに体重、BMI、ウエスト周囲長が改善する可能性がある」と結論し、「食習慣の改善には、専門家のアドバイスだけでなく、家族によるサポートや適切な食べ物の選択が可能な環境も求められる」と指摘している。

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QLifeが「お薬手帳」機能付き「処方薬&市販薬」検索アプリを無料公開

QLifeは5日、国内初となる「処方薬&市販薬検索アプリ」(iPhone/iPad/iPod touchなどで利用可能)を開発し、App Storeでの無料提供を開始した。今作は、公開1週間で10万ダウンロードのヒットを記録した「病院検索アプリ」に続く第2弾となる。主な特徴は、以下の通り。 ●処方薬と市販薬の同時検索が可能 ●掲載データは、業界団体提供の信頼性高い内容 ●掲載データは、毎日更新されるので常に最新 ●処方薬の9割、市販薬の7割で、製薬会社提供の正式・最新写真を掲載(色などの正確性が高い) ●薬価表示は、剤形に合わせた単位付き(錠剤なら「1錠あたり…」、散剤なら「1gあたり…」、湿布剤なら「1枚あたり…」と、わかりやすい) アプリはApp Store(http://itunes.apple.com/jp/app/id383300064?mt=8)で無料ダウンロードが可能。メディカルカテゴリ、または「お薬検索」で検索する。詳細はこちらhttp://www.qlife.co.jp/news/1351.html

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HDL-C低値は、心血管疾患の治療ターゲットか?:JUPITER試験サブ解析

HDLコレステロール(HDL-C)値の測定は、初回心血管疾患のリスクの評価には有用だが、HDL-C値はスタチン治療でLDL-Cが著明に低下した患者の残存血管リスクの予測因子ではないことが、アメリカ・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul M Ridker氏らが行ったJUPITER試験のサブ解析で明らかとなった。HDL-C値は心血管イベントの発症と逆相関を示す。スタチンは心血管疾患の治療薬として確立されているが、スタチン治療を行ってもなお残存する血管リスクはHDL-C値が低いことである程度説明でき、HDL-Cの不足は治療ターゲットとなる可能性が指摘されている。Lancet誌2010年7月31日号(オンライン版2010年7月22日号)掲載の報告。JUPITER試験のエンドポイントを、HDL-C値の四分位に分けて解析研究グループは、高用量スタチン治療でLDL-C値が著明に低下した患者においても、HDL-C値と心血管イベントの発症とは逆相関の関係を示すかについて解析を行った。JUPITER試験の対象は心血管疾患の既往歴のない非糖尿病の成人で、ベースライン時のLDL-C値<3.37mmol/L、高感度C反応性蛋白(hs-CRP)値≧2mg/Lの者であった。これらの参加者が、ロスバスタチン20mg/日を投与する群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられた。今回の解析では、対象をHDL-C値とアポリポ蛋白A1値の四分位に分けて、JUPITER試験の主要評価項目である非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、不安定狭心症による入院、冠動脈血行再建術、心血管死について評価した。ロスバスタチン群では、HDL-C値と血管リスクは関連しない17,802例を対象とした主解析では、エンドポイントの発現率はロスバスタチン群がプラセボ群に比べ44%低下した(p<0.0001)。プラセボ群[8,901例(50%)、治療時のLDL-C中央値2.80mmol/L]では、HDL-C値と血管リスクはベースライン時(四分位の最低値群に対する最高値群のハザード比:0.54、95%信頼区間:0.35~0.83、p=0.0039)および治療時(同:0.55、同:0.35~0.87、p=0.0047)ともに有意な逆相関を示した。これに対し、ロスバスタチン群[8,900例(50%)、治療時のLDL-C中央値1.42mmol/L]では、HDL-C値と血管リスクはベースライン時(四分位の最低値群に対する最高値群のハザード比:1.12、95%信頼区間:0.62~2.03、p=0.82)および治療時(同:1.03、同:0.57~1.87、p=0.97)ともに有意な関連はなかった。アポリポ蛋白A1値は、プラセボ群ではエンドポイントの発現率と強い相関を示したのに対し、ロスバスタチン群では関連はほとんど認めなかった。著者は、「HDL-C値の測定は初回心血管疾患のリスクの評価には有用であるが、HDL-C値はスタチン治療でLDL-Cが著明に低下した患者の残存血管リスクの予測因子ではない」と結論したうえで、「現在までのところ、この仮説を支持する有望なデータはないが、コレステリルエステル転送蛋白(CETP)阻害薬などには可能性が残っているため、無作為化試験で検証する必要があるだろう」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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早産児へのNO吸入療法、気管支肺異形成症なしの生存を改善せず

早産児に対し、早期の低用量一酸化窒素(NO)吸入療法を施行しても、気管支肺異形成症や脳障害なしの生存期間は改善しないことが、フランスRobert Debre病院小児救急医療部のJean-Christophe Mercier氏らが実施した無作為化試験(EUNO試験)で示された。周産期医療の進展により早産新生児(在胎期間<28週)の生存率は向上しているが、これらの新生児は気管支肺異形成症などの長期にわたる神経認知的な障害の発症リスクを抱えている。動物モデルでは、NO吸入によりガス交換や肺の構造的な発育が改善されることが報告されているが、気管支肺異形成症の発症リスクがある早産児への使用については相反する知見があるという。Lancet誌2010年7月31日号(オンライン版2010年7月22日号)掲載の報告。早産児800例を対象としたプラセボ対照試験EUNO試験の研究グループは、軽度の呼吸不全のみられる早産児に対し早期に低用量NO吸入療法を開始し、長期的に継続するアプローチは気管支肺異形成症の発症を抑制するとの仮説を立て、これを検証する二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った。EU加盟9ヵ国の36施設から、在胎期間が24週から28週と6日まで、出生時体重が500g以上、出生後24時間以内に呼吸窮迫症候群のためサーファクタント投与あるいは持続的気道陽圧法を要した早産児800例が登録された。これらの患児をNO吸入群あるいはプラセボ(窒素ガス)群に無作為に割り付けた。主要評価項目は、修正齢36週の時点における気管支肺異形成症の発症なしの生存率とした。この種の予防治療戦略は無効と考えられるNO吸入群に399例が、プラセボ群には401例が割り付けられ、解析の対象となったのはそれぞれ395例、400例であった。気管支肺異形成症の発症なしの生存率はNO吸入群が65%(258/395例)、プラセボ群は66%(262/400例)であり、有意な差を認めなかった(相対リスク:1.05、95%信頼区間:0.78~1.43、p=0.73)。修正齢36週における生存率はそれぞれ86%(343/399例)、90%(359/401例)で(相対リスク:0.74、95%信頼区間:0.48~1.15、p=0.21)、気管支肺異形成症の発症率は24%(81/339例)、27%(96/358例)であり(同:0.83、0.58~1.17、p=0.29)、いずれも有意差はみられなかった。著者は、「早産児に対し、早期の低用量NO吸入療法を施行しても、気管支肺異形成症や脳障害なしの生存期間は改善しなかったことから、この種の予防治療戦略は無効と考えられる」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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【お知らせ】5病院合同で「がんに関する市民公開講座」を開催

がん征圧月間に向けて、国立がん研究センター中央病院、東京医科大学病院、東邦大学医療センター大森病院、同大橋病院、同佐倉病院の5病院合同で「がんに関する市民公開講座」を開催する。一定期間内に、多様な講師による講演を市民に提供することで、がんの早期発見、早期治療に関する社会的な関心の喚起することが目的。  開催期間:平成22年8月14日(土)~9月25日(土)入場料はいずれも無料開催一覧 平成22年8月14日(土) 14:00~16:00(開場 13:30)国立がん研究センター中央病院<講演内容>「忘れられたがんに挑む -肉腫診療は医師と患者が手を取り合って-」国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科 科長 牧本 敦氏「日本でのがん治療向上の課題」国立がん研究センター理事長、国立がん研究センター中央病院 院長 嘉山 孝正氏<募集方法>往復はがき、またはFAXで申し込み(往復はがきには返送先の住所・氏名・電話番号を、FAXには返送先の住所・氏名 ・FAX番号を明記のこと)申し込み宛先:国立がん研究センター中央病院 がん医療サポートチーム 角美奈子氏〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1 FAX:03-3248-5267<定員>900人 先着順で締め切り<問い合わせ先>国立がん研究センター中央病院 総務部 03-3542-2511 平成22年9月9日(木)18:30~20:00(開場 18:00)東京医科大学病院<講演内容>「肺がんといわれたら」東京医科大学 呼吸器外科・甲状腺外科 主任教授 池田 徳彦氏<募集方法>事前の申し込み不要<定員>300人<問い合わせ先>東京医科大学病院 企画広報室 03-3342-6111 平成22年9月4日(土) 13:00~ (開場 12:30)東邦大学医療センター大森病院(5号館地下1階 臨床講堂)<講演内容>「乳がん-早期発見の大切さ-」東邦大学医療センター大森病院 乳腺・内分泌外科 講師 緒方 秀昭氏 <募集方法>事前の申し込み不要<定員>130人<問い合わせ先>大森病院 事務部総務課 03-3762-4151(代表) 平成22年9月25日(土) 13:30~ (開場 13:00)東邦大学医療センター大橋病院(教育棟1階 臨床講堂)<講演内容>「消化管のがんについて」東邦大学医療センター大橋病院 消化器内科 助教 掛村 忠義氏<募集方法>事前の申し込み不要<定員>120人<問い合わせ先>大橋病院 事務部総務課 03-3468-1251(代表) 平成22年9月25日(土) 14:00~ (開場 13:30)東邦大学医療センター佐倉病院(7階講堂)<講演内容>「当院における慢性肝疾患の診断」I 慢性肝炎(B型・C型)と肝硬変の治療東邦大学医療センター佐倉病院 消化器内科 助教 高田伸夫氏II 肝細胞の画像診断と治療東邦大学医療センター佐倉病院 放射線科 講師 森田英夫氏<募集方法>事前の申し込み不要<定員>200人<問い合わせ先>佐倉病院 事務部総務課 043-462-8811(代表)

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一般市民による心肺蘇生は胸骨圧迫に集中させた方がよいか?(その2)

一般市民による心肺蘇生(CPR)について、スウェーデン・ストックホルム・プレホスピタルセンターのLeif Svensson氏らは、「心停止で倒れている人と遭遇した場合の一般市民によるCPRは、より簡単に学べ実行できる胸骨圧迫のみを実行すべきという仮説を、後押しする結果を得た」とする、胸骨圧迫単独実施と胸骨圧迫+人工呼吸実施との有効性を比較した前向き無作為化試験の結果を報告した。30日生存率について検討した結果、両群間で有意差が認められなかったという。NEJM誌2010年7月29日号掲載より。通報者へのCPR指示を、胸骨圧迫単独実施群、+人工呼吸実施群に無作為化し検討救急医療サービス(EMS)隊員が到着する前に、通報を受けた通信隊員は心停止が疑われる患者に対し、通報をしてきた現場に居合わせた一般市民に電話で、CPRを実行するよう指示を与える。その指示方法についてこれまでの試験で、胸骨圧迫だけのCPR実行指示の治療有効性が、標準とされているCPR実行(胸骨圧迫+人工呼吸)とほとんど変わらない、むしろ胸骨圧迫だけの方が優れているとする報告もあったが、それら試験結果は、生存の違いを評価する原動力とまではなっていなかった。そこで、Svensson氏らは、胸骨圧迫単独実施の優位性を評価する前向き無作為化試験(人口900万人のスウェーデン国内にある18の救急医療派遣センター、1センターのコール件数は約1万件/日)を行った。試験は、院外心停止が疑われ証言者がいるケースを、胸骨圧迫単独実施群と、胸骨圧迫+人工呼吸の標準実施群とに無作為化し、30日生存率を主要エンドポイントとして実行された。両群の30日生存率に有意差認められず主要エンドポイント解析対象となるデータは、2005年2月~2009年1月の間に、1,276例あった。そのうち、620例が胸骨圧迫単独実施群に割り付けられ、652例が併用の標準実施群に割り付けられた。結果、両群の30日生存率は同等だった。単独群は8.7%(54/620例)、標準群は7.0%(46/656例)、絶対差1.7ポイント(95%信頼区間:1.2~4.6、P=0.29)で有意差は認められなかった。(武藤まき:医療ライター)

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