サイト内検索|page:1678

検索結果 合計:35623件 表示位置:33541 - 33560

33541.

高齢者の入院、退院後の認知症リスクが1.4倍に

入院をした高齢者は、疾患の程度にかかわらず退院後の認知症リスクが、入院をしなかった人に比べ有意に増大することが明らかにされた。米国ワシントン大学内科のWilliam J. Ehlenbach氏らが、約3,000人の高齢者について、前向きコホート試験を行い明らかにしたもので、JAMA誌2010年2月24日号で発表した。入院後のCASIスコア、重篤・非重篤にかかわらず有意に低下同研究グループは、1994~2007年にかけて、試験開始時点で認知症の認められない65歳以上、2,929人を対象に追跡試験を行った。追跡期間中は、2年毎に認知機能スクリーニング検査(CASI)を行い、スコアが86点未満の人については、認知症の検査を行った。追跡期間の平均値は、6.1年(標準偏差:3.2年)。追跡期間中、重篤疾患ではない入院が1.287人、重篤疾患による入院は41人あった。入院した人のCASI評価は退院45日以後に行った(評価実施は被験者の94.3%)。その結果、入院後のCASIスコアは、入院しなかった人の同スコアに比べ、疾患が重篤ではない人でも1.01ポイント低く(95%信頼区間:-1.33~-0.70、p

33542.

がん患者と家族の闘病の悩みと解決法をWeb・マンガで紹介

株式会社QLifeは2日、「がんについての特集」を強化する第一弾として『がん患者と家族が語る「闘病の悩みと解決法」』をリリースした。闘病記など長い文章を掲載するサイトはあるが、がん患者のリアルな声に一覧で接することができるサイトはまだ少なく、またがん患者「本人」だけでなく「家族」の声をあわせて見ることができるサイトになっている。医療現場では「他の患者さんが、どんな悩みを、どう和らげているのか聞きたい。」「患者会はあるが、家族特有の悩みを話しあえる場はほとんどない。」という声がある。そのため同社は、がんに実際に罹患した患者本人および家族にアンケートを行い、「どんな悩みを、どう軽減したか」「悩みを和らげるために、何を望むか」「医療者とはどのような関係になったか」などの貴重な生の声を収集し、うち900人分を、9つの部位別に閲覧できる。性別・年代別・治療法別による違いも確認できるという。そして、がん患者や家族が悩み軽減ヒント収集目的で読み込みできるよう、また、研究目的での使用がしやすいよう、全データをPDFファイルでダウンロードできるようになっている。さらに、題材には深刻なものも多いため、一部のエピソードはマンガで紹介されており、少しでも多くの人に触れてもらえるように配慮された内容になっている。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.qlife.co.jp/news/100302qlife_news.pdf

33543.

尿路感染症疑い例管理の有効性:管理方法間で有意差なし、経験的投与も3日目以降で

尿路感染症疑い例に対する5つの管理方法の有効性について無作為化試験の結果、症状コントロール達成に5つの方法間に差異はなく、「48時間以降に試験紙法で処方抗菌薬を決定して」あるいは「48時間以降に経験的投与」が、より少量の抗菌薬投与で症状コントロール達成が可能なことが明らかになった。英国サウサンプトン大学地域臨床学部門プライマリ・ケア医学グループのP Little氏らの報告によるもので、BMJ誌2010年2月20日号(オンライン版2010年2月5日号)に掲載された。プライマリ・ケアベースで非妊娠女性309例を5つの管理方法群に無作為化し検証Little氏らが検討したのは、(1)速やかに抗菌薬を経験的投与、(2)48時間以降に抗菌薬を経験的投与、(3)排尿症状スコア(尿の混濁・異臭、夜間頻尿、排尿障害のうち2つ以上)に基づき抗菌薬投与、(4)試験紙法の結果(亜硝酸塩、白血球、潜血が陽性)に基づき抗菌薬投与、(5)中間尿検査で陽性なら抗菌薬投与、の5つの管理方法。研究グループは試験にあたって、(1)に比べて他の群では症状コントロール達成が悪いであろう、特に(2)(5)の待機群で悪いだろうと仮定し、また(4)試験紙法、(5)中間尿検査が他の3方法に比べて効果的であろうと仮定し、試験に臨んだ。被験者は、2003年6月~2005年9月の間、イングランド南部の62の開業医から、尿路感染症が疑われる妊娠していない女性309例(18~70歳)が集められ、5つの方法群に無作為化された。各群患者に対しては、無作為化試験が患者とのコンセンサスを得たうえで遂行されやすいよう、アドバイスシートを使用して介入をコントロールした。また、症状についての自己評価記録を依頼した。主要評価項目は、症状の重症度(2~4日目)と期間、抗菌薬の使用についてとした。抗菌薬減を目指すなら、試験紙法、48時間以降投与が有用(1)群の抗菌薬を速やかに投与された患者の、中等症期間は3.54日間だった。しかし同期間に関して、その他4群と有意差はみられなかった。(1)群との期間比で、(2)群1.12、(3)群1.11、(4)群0.91、(5)群1.21だった(5群の尤度比検定p=0.369)。重症度についても、5群間に有意差はなかった。重症度スコア0~6の平均値は、(1)群2.15、(2)群2.11、(3)群1.77、(4)群1.74、(5)群2.08だった(p=0.177)。一方、抗菌薬使用については5群間に違いがみられた。使用率は(1)群97%、(2)群77%、(3)群90%、(4)群80%、(5)群81%だった(P=0.011)。また、(2)群の48時間以降投与患者について、(1)群の速やかな投与患者と比べて再診の割合が少なかった(ハザード比:0.57、P=0.014)。しかし平均症状期間は37%長かった(発生率比:1.37、P=0.003)。これら結果を踏まえてLittle氏は、「5つの管理戦略とも、症状コントロール達成は同程度だった。48時間以降に試験紙法で抗菌薬を決定して処方、あるいは48時間以降に経験的投与が、抗菌薬使用を減らすことにつながると思われる」と結論している。中間尿検査には利点が見いだせず中間尿検査の実施については、(1)群23%、(2)群15%、(3)群33%、(4)群36%、(5)群89%と違いがみられた(P

33544.

尿路感染症疑い例管理の費用対効果:試験紙法か経験的投与に軍配、価値基準設定で変化

英国サウサンプトン大学ウェセックス研究所のDavid Turner氏らが、尿路感染症に対する5つの治療管理方法の費用対効果について検討した結果、最も費用対効果に優れているのは「試験紙法」だったと報告した。ただし結果は条件付きのうえ不確定要素が多いとし、また費用対効果に求める価値基準設定によっては、「速やかな経験的投与」が最も費用対効果に優れることも示されている。BMJ誌2010年2月20日号(オンライン版2010年2月5日号)掲載より。5つの管理方法について1ヵ月間の費用対効果を検証Turner氏らが検討したのは、(1)速やかに抗菌薬を経験的投与、(2)48時間以降に抗菌薬を経験的投与、(3)排尿症状スコア(尿の混濁・異臭、夜間頻尿、排尿障害のうち2つ以上)に基づき抗菌薬投与、(4)試験紙法の結果(亜硝酸塩、白血球、潜血が陽性)に基づき抗菌薬投与、(5)中間尿検査で陽性なら抗菌薬投与、の5つの管理方法。尿路感染症が疑われる妊娠していない女性309例(18~70歳)を上記5群に割り付け有効性が比較検討された無作為化試験の、1ヵ月間の費用対効果について解析した。主要評価項目は、症状期間とケアに要した費用とした。中等症期間を1日回避することにどれだけの価値があるか1ヵ月間で最も費用を要したのは、(5)中間尿検査群で37.1ポンド(約5,200円)だった。次いで(4)試験紙法群で35.3ポンド。一方で最も少なかったのは、(1)速やかな経験的投与群で30.6ポンド(約4,300円)だった。(2)48時間以降に経験的投与群は31.9ポンド、(3)排尿症状スコア群は32.3ポンドだった。費用対効果については、中等症期間を1日回避しても10ポンド(約1,400円)の価値もないとみる場合は、(1)速やかな経験的投与群が最も優れた戦略のようだった。1日回避に10ポンド以上の価値があるとみる場合は、(4)試験紙法群が最も費用対効果があるようだった。ただし、その結果については70%以上の確信性を得ることはできなかったとしている。

33545.

先天異常の疾患別、サブタイプ別の20年生存率が明らかに

イングランド北部で実施された地域住民研究の結果、一つ以上の先天異常を有する患者の20年生存率は85.5%で、各疾患のサブタイプ間には差がみられることがわかった。先天異常は周産期および幼児期の死亡の主要原因とされる。治療法の進歩によって予後の改善がもたらされた疾患やサブタイプもあるが、多くの先天異常の生存率(特に1歳以降)はよく知られていないという。イギリスNewcastle大学保健・社会研究所のPeter W G Tennant氏らが、Lancet誌2010年2月20日号(オンライン版2010年1月20日号)で報告した。NorCASの18年間のデータを解析研究グループは、先天異常およびそのサブタイプの20歳までの生存率について検討する地域住民研究を実施した。イングランド北部地方における先天異常の地域住民ベースのレジスターであるNorCAS(Northern Congenital Abnormality Survey)のデータを用いて、1985~2003年に一つ以上の先天異常がみられた子どもの情報を収集した。EUROCAT(European Surveillance of Congenital Anomalies)のガイドラインに基づいて、疾患群、サブタイプ、症候群に分類した。生児として出生した子どもの生存率の確認には地方病院と国の死亡記録を用いた。20歳までの生存率はKaplan-Meier法で推算し、生存に関与する因子の解析にはCox比例ハザード回帰モデルを用いた。20年生存率85.5%、サブタイプ間にはばらつきが13,758例の先天異常が同定され、生児として出生した10,964例のうち生存状況が確認できたのは10,850例(99.0%)であった。20年生存率は、一つ以上の先天異常を有する全症例では85.5%であった。また、心血管系異常(総動脈幹、大血管転位、単心室など)は89.5%、染色体異常は79.1%、泌尿器系異常(嚢胞性腎疾患)は93.2%、消化器系異常(食道閉鎖、十二指腸閉鎖・狭窄、横隔膜ヘルニア)は83.2%、口唇・口蓋裂は97.6%、神経系異常(神経管欠損、水頭症)は66.2%、呼吸器系異常は64.3%であった。同一の先天異常疾患のサブタイプ別の生存率にはばらつきがみられた。出生前診断での胎児異常による妊娠中絶率は、1985年の12.4%から2003年には18.3%と有意に増加した(p<0.0001)。この妊娠中絶率の増大(補正ハザード比:0.95、p=0.023)および出生年(同:0.94、p<0.0001)が、生存の独立予測因子であった。「先天異常の疾患別、サブタイプ別の予測生存率は、先天異常が見つかった場合に、その家族や医療者にとって有用と考えられ、個々の患者の将来のケアの立案に役立つであろう」と著者は結論している。(菅野守:医学ライター)

33546.

炎症性腸疾患の静脈血栓塞栓症リスク、外来再燃時に最も高い

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患患者では、静脈血栓塞栓症の発症リスクが増大しており、特に緩解導入後の急性再燃時にそのリスクが高いことが、イギリスNottingham大学疫学・公衆衛生学のMatthew J Grainge氏らによるコホート研究で明らかとなった。下肢の静脈血栓塞栓症による短期的死亡率は6%で、肺循環に塞栓が発生した場合は20%にも達することが示されている。この生命に関わる疾患には感染や炎症が関与しており、特に炎症性腸疾患患者はリスクが高く、血栓塞栓症の発現時には活動性の炎症性腸疾患がみられることが多いという。Lancet誌2010年2月20日号(オンライン版2月9日号)掲載の報告。大規模データベースから約14年間の患者と対照の記録を抽出研究グループは、炎症性腸疾患の活動性の各段階における静脈血栓症の発症リスクをプロスペクティブに検討するコホート研究を行った。800万例以上のプライマリ・ケア記録が集積されたイギリスの大規模な縦断的データベースであるGeneral Practice Research Database(GPRD)を用いて1987年11月~2001年7月までに記録された炎症性腸疾患患者を同定し、個々の患者に対し年齢、性別、一般診療の内容でマッチさせた対照を5人まで選択した。疾患活動性を、緩解、再燃(フレア:初回コルチコステロイド処方から120日間と定義)、慢性活動性に分け、入院後の静脈血栓塞栓症のリスクを評価した。リスクは外来再燃時が最も高い、1次予防の臨床試験の実施を炎症性腸疾患患者13,756例[潰瘍性大腸炎6,765例(49%)、クローン病4,835例(35%)など]および対照群71,672人が解析の対象となった。静脈血栓塞栓症は、炎症性腸疾患患者の139例、対照群の165人でみられた。静脈血栓塞栓症の全体の発症リスクは対照群に比べ患者群で有意に高く、絶対リスクは1,000人・年当たり2.6であった(補正ハザード比:3.4、p<0.0001)。患者の静脈血栓塞栓症リスクの増大は再燃時の方がより顕著であった(補正ハザード比:8.4、p<0.0001、絶対リスク:9.0/1,000人・年)。再燃時の相対リスクは、入院治療期(同:3.2、p=0.0006、同:37.5/1,000人・年)よりも外来治療期(同:15.8、p<0.0001、同:6.4/1,000人・年)の方がより高かった。「静脈血栓塞栓症の予防の可能性を探るために、1次予防に関する臨床試験の実施が正当化される」と著者は結論しており、「炎症性腸疾患患者は静脈血栓塞栓症の発症リスクの評価時にはすでにリスクが増大しており、再燃患者では外来治療によるリスク低減は困難なことを明記すべきである。コルチコステロイド治療には骨粗鬆症の懸念もあるため、入院治療で使用されている低分子量ヘパリンの短期投与などを外来で施行する戦略も検討に値する」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

33547.

重度の脳損傷を受けた意識障害患者との会話、機能的MRIの応用で可能?

集中治療技術の進展により、重度の脳損傷を受けても生存する患者が増加しているが、良好な回復を示す患者がいる一方、一部は植物状態のままで、大半の患者はこん睡状態から目覚めても再現性のある意思疎通ができる状態にまでは回復しない。2002年にAspen Neurobehavioral Conference Work Groupが、意識障害患者の枠組みに「最小意識状態」(minimally conscious state;MCS)という「意思表示を行動で示せない患者」の区分を加えた。しかしベッドサイド検査だけでは鑑別診断が難しく誤診率は約40%に及ぶという。そこで英国医学研究審議会(MRC)認知・脳科学ユニットのMartin M. Monti氏らは、機能的MRIを用いた意思疎通を図れるかを試験した。NEJM誌2010年2月18日号(オンライン版2010年2月3日号)掲載より。54例の意識障害患者に機能的MRIを試験Monti氏らは、英国のケンブリッジとベルギーのリエージュにある2つの主要なメディカルセンターで、54例の意識障害患者(植物状態23例、最小意識状態31例)を対象に機能的MRIを用いた試験を実行した。まず、健常者に対する試験で明らかになっている、心象作業の際の脳血流動態が活発になる部位が、運動をイメージする、場所をイメージする各作業の場合で異なることを活用し、被験者に各心象作業(運動しているイメージ、場所をイメージ)をするよう質問をなげかけ、脳血流動態をMRIでスキャンし脳活動の調整が可能かを判定した。次に、その心象作業を利用してコミュニケーションが可能かを検証した。「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問を投げかけ、質問に対し「はい」なら、先と同じ運動心象作業を、「いいえ」なら場所の心象作業をするよう指示をし、脳活動の再現性を評価するという方法である。植物状態と判定されていた患者とのコミュニケーションに成功結果、54例中5例の患者が脳活動を調整することが可能だった。5例とも外傷性脳損傷を受けた患者で4例は植物状態と判定(残り1例はMCS)されていた患者だった。5例のうち3例は、ベッドサイド検査でもいくつかの認知していることを示すサインが確認できた。2例には確認できなかった。また心象作業を利用した「はい」「いいえ」のコミュニケーションの方法は、1例の患者(植物状態と判定されていた)で可能だった。その患者とのコミュニケーションは、それ以外の方法では全くできなかった。Monti氏は「少数ではあったが、植物状態、最小意識状態の患者に、いくつかの認知を反映する脳活動があることが証明された。このことは、臨床検査を入念に行えば意識状態の再分類化がなされる患者もいることを意味する。我々が開発した方法は、反応がないと思われる患者との基本的コミュニケーションの確立に役立つだろう」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

33548.

1日1gの減塩は降圧薬を上回るか?

減塩への取り組みがもたらす健康へのベネフィットはいったいどれぐらいなのか? 米国カリフォルニア大学医学部疫学・生物統計学部門のKirsten Bibbins-Domingo氏らは、米国35~84歳の冠動脈疾患(CHD)政策モデルを使って、1日1~3gの減塩でもたらされる健康へのベネフィット(心血管イベント、全死因死亡、医療費など)を、コンピュータシミュレーションした。日本やイギリスなど多くの国では、食品業界を巻き込んでの、加工食品への塩分量表示や公衆教育を通じた減塩に対する意識喚起が行われている。一方、米国では塩分摂取量が年々上昇しており(2005~2006年:目標5.8g未満に対し男性10.4g、女性7.3g)、その約8割が加工食品からの摂取で、研究グループは公衆衛生改善を提起するため本研究を行った。NEJM誌2010年2月18日号(オンライン版2010年1月20日号)掲載より。1日3gの減塩で年間最大CHDは12万件減、脳卒中6.6万件減、心筋梗塞9.9万件減Bibbins-Domingo氏らは、1日最高3g(ナトリウム換算1,200mg)減塩することによりもたらされるであろうベネフィットを、CHD政策モデルを用いて算出した。年齢、性、人種別ごとの心血管疾患の発生率およびそれにかかる医療費を推計し、減塩への取り組みとその他の心血管疾患リスクを低減するための介入との効果を比較。また、減塩への取り組みと降圧薬療法との費用対効果の評価も行った。結果、1日3gの減塩によって、CHDの年間新規発症件数は6万~12万件、脳卒中は3万2,000~6万6,000件、心筋梗塞は5万4,000~9万9,000件それぞれ減少することが予測された。全死因死亡数は年間で4万4,000~9万2,000件の減少が予測された。1日3gの減塩で毎年医療費約1~2兆円削減可能減塩への取り組みによるベネフィットは全国民が受けることが示されたが、特に黒人で高く、また女性は脳卒中減を、高齢者はCHDイベント減を、若い人は死亡率低下というベネフィットをより受けるであろうことが示された。減塩がもたらす心血管イベントへのベネフィットは、喫煙、肥満、コレステロール減を国民レベルで広めることのベネフィットと同等だった。また、1日3g減塩達成を推進することによって、19万4,000~39万2,000 QALYs(質調整生存年数)を蓄えることが、また医療費は毎年100億~240億ドル(約9,000億~2.2兆円)節約できることが示された。さらに、減塩量がたとえわずか1日1gで、2010年から始めて10年かかったとしても段階的に達成できさえすれば、すべての高血圧患者への降圧薬療法よりも費用対効果は大きいことも予想されたという。Bibbins-Domingo氏は、「減塩できた量がわずかでもあっても、心血管イベントおよび医療費を大幅に減らすことに結びつく可能性がある。わずかな目標であってもこれを公衆衛生の目標とし、早急にアクションを起こすべき必要がある」と強調している。(医療ライター:武藤まき)

33549.

米国子どもの肥満・慢性疾患有病率の動向

肥満や慢性疾患を有する米国2~14歳児の割合は、1988~2006年の間で増加傾向にあることが、米国マサチューセッツ総合病院青少年保健政策センターのJeanne Van Cleave氏らの調べで明らかになった。また肥満や慢性疾患は、必ずしも長年にわたり継続しているのではなく、追跡調査期間6年の中で新規発症や完治といった動きが多いこともわかったという。JAMA誌2010年2月17日号で発表した。3コホートにつき各6年間追跡Cleave氏らは、1988~1994年(コホート1)、1994~2000年(コホート2)、2000~2006年(コホート3)の3期間にわたり、前向きコホート試験を行った。被験者数は、それぞれ、2,337人、1,759人、905人で、試験開始時点の年齢は2~8歳、追跡期間はいずれも6年だった。被験者の子どもの健康状態を、学校を欠席したり、薬や特別な医療サービスなどによる治療が12ヵ月以上継続したものについて、被験者の親により報告してもらった。肥満の定義は、BMIが同年齢の95パーセンタイル以上とした。また慢性疾患については、肥満、喘息、その他の身体的状態、行動や学習に関する問題――の4カテゴリーに分類した。新規発症は直近6年のコホートで最高、男子は女子の1.24倍各コホート試験の終了時点における有病率は、コホート1が12.8%(95%信頼区間:11.2~14.5)、コホート2が25.1%(同:22.7~27.6)、コホート3が26.6%(同:23.5~29.9)だった。全コホートにおいて、試験開始時から終了時まで肥満や慢性疾患が持続していたのは7.4%(同:6.5~8.3)に留まった。一方、試験開始時に認められた肥満・慢性疾患が、その後6年以内に完治したのは、9.3%(同:8.3~10.3)だった。半面、試験開始時点には肥満・慢性疾患が認められなかったものの、その後6年間で発症したのは同13.4%(同:12.3~14.6)だった。試験期間中のどこかの時点で肥満・慢性疾患が認められた子どもの割合は、コホート3で最も高く、51.5%だった。同割合はまた、男子(補正後オッズ比:1.24)、ヒスパニック系(同:1.36)、黒人(同:1.60)で高率だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

33550.

ツタンカーメン、死因は骨壊死とマラリアが重なってか!?

 古代エジプトのツタンカーメン王の死因は、無血管性骨壊死と熱帯熱マラリアによる可能性が高いことが判明した。また、ツタンカーメン王の両親のミイラについても、特定された。エジプト考古最高評議会のZahi Hawass氏らが「King Tutankhamun Family Project」の中で、エジプト新王国時代の16体のミイラについて遺伝子指紋法やCTスキャンなどによる詳細な調査を行った結果、明らかにしたもの。JAMA誌2010年2月17日号で発表した。遺伝子指紋法でツタンカーメン王直系の5世代特定 同研究グループは、2007年9月~2009年10月にかけて、紀元前1410~1324年頃のツタンカーメン王の家系のものと考えられるミイラ11体と、紀元前1550~1479年頃のミイラ5体について、人類学、放射線学、遺伝学のそれぞれの視点から詳しい調査を行った。 遺伝子指紋法によって、ツタンカーメン直系の5世代(娘2人、両親、祖父母、曽祖父母(そうそふぼ)が特定された。その中で、KV55ミイラ(アクエンアテン王;Akhenaten)とKV35YLミイラ(名前は不特定)が、ツタンカーメンの両親であることが判明した。ツタンカーメンに先天性異常の蓄積や第2ケーラー病 また、ツタンカーメン家には、いくつかの先天性異常の蓄積が認められた。ただし、女性化乳房や頭蓋骨融合といったアントレー・ビクスラー症候群の兆候や、マルファン症候群の兆候はみられなかった。 CTスキャンによる調査では、ツタンカーメン王に、第2ケーラー病を含むいくつかの病理学的所見が認められた。ただし、いずれも致死性のものではなかった。 一方で、ツタンカーメン王を含む4体のミイラから、熱帯熱マラリア(plasmodium falciparum)が診断された。こうした結果を総合し、研究グループは、ツタンカーメン王は無血管性骨壊死と熱帯熱マラリアによって死亡したのではないかと推測、「歩行障害やマラリアに罹っていたことは、彼の墓から、杖や死後の世界で使うための薬が発見されていることからも支持される」としている。

33551.

ディスカバリーCOPD研究会設立 ―落語家・桂歌丸氏が「肺の生活習慣病」COPD啓発大使に就任―

2010年2月25日、都内で「ディスカバリーCOPD研究会」設立プレスセミナーが行われた。その中で、同研究会理事の平田一人氏(大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器病態制御内科学教授)は「日本におけるCOPD治療の現状とディスカバリーCOPD研究会の果たす役割」について講演を行った。「タバコ病」「肺の生活習慣病」とも呼ばれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)では、咳や痰が続いたり、階段を上るなどの労作時に息切れしたりするなどの自覚症状がみられる。平田氏は、「これらはごくありふれた症状であるため、見過ごされることも少なくない」と述べ、「COPDを放置すると、呼吸機能低下で日常的に呼吸困難が起きたり、場合によっては寝たきりになる可能性もある」ことを示唆した。さらに、「COPDはわが国の死亡原因の第10位(男性は第7位)に位置しているにもかかわらず、いまだ12%程度の患者しか診断されていない」状況についても言及した。こうした現状を受け、わが国におけるCOPD診断率向上を目的とした「ディスカバリーCOPD研究会」が設立された。同研究会では、2015年までにCOPDの診断率を25%まで引き上げることを目標とし、COPD啓発活動として、2010年1月より全国の医療関係者を対象とした「ディスカバリーCOPDセミナー」を年間で約400回開催することが決まっている。研究会の代表幹事には相澤久道氏(久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病内科部門教授)が就任した。理事には、平田氏の他に、一ノ瀬正和氏(和歌山県立医科大学内科学第三講座教授)、西村正治氏(北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野教授)が名を連ねる。その他、約30名のCOPD専門医がサポートしている。講演会に続き、落語家・桂歌丸氏の「COPD啓発大使」就任式が行われたが、式には肺炎のため欠席となった歌丸氏の代理として、弟子の桂歌助氏が出席した。(ケアネット 呉 晨/吉田 直子) 

33552.

mTOR阻害剤が腎細胞がんにもたらす可能性

2010年1月、mTOR阻害による抗悪性腫瘍剤としては日本初となる「エベロリムス(商品名:アフィニトール)」が承認を得た。ここでは、2月22日、アーバンネット大手町ビルにて開催された「mTOR阻害剤『アフィニトール』が腎細胞がん治療にもたらす可能性」と題するプレスセミナーをお届けする。帝京大学医学部泌尿器科学教室 主任教授 堀江重郎氏は、mTOR阻害剤の基礎から臨床治験まで広範にわたり講演した。<ノバルティス ファーマ株式会社主催> がん治療における新しい戦略無秩序な細胞増殖を繰り返すがんにおいて、その制御を失った細胞周期を停止させるのが従来の抗がん剤の作用機序であるが、さらに近年、がんそのものが自らを養う血管を新生させることから、そこをターゲットとする分子標的薬による治療が進んできている。そして新たにmTOR阻害剤など、無制限な細胞内の代謝もがん進行の要因となっている点に着目した治療戦略が、難治性がんへの福音となる可能性が強まってきた。mTORとは堀江氏はまず、mTORとその阻害剤について概説した。mTORとはマクロライド系抗生物質ラパマイシンの標的分子として同定されたセリン・スレオニンキナーゼであり、細胞の分裂や成長、生存における調節因子である。その重要性を示唆する事実として、酵母からヒトにいたるまで95%以上相同な蛋白であるため、mammalian Target Of Rapamycin(=mTOR)と総称される。正常細胞においては、栄養素や成長因子、エネルギーといった「エサ」があると活性化し、エサのない状況ではいわば冬眠状態となっている。栄養素やその他増殖促進経路からのシグナル伝達を制御する役割から、糖尿病や生活習慣病への関与も報告されている。一方、mTOR阻害剤のアフィニトールやラパマイシンは、タクロリムスと同様の機序で免疫抑制効果を持つ。分子生物学的には、細胞周期をG1期で停止させることや、低酸素誘導因子(HIF※)の安定化および転写活性を抑制することが示されている。多くのがんでmTORシグナル伝達経路が調節不全を起こして常に活性化しており、mTOR阻害剤の抗腫瘍効果が臨床レベルでも検討されている。(※HIF:mTOR活性化や低酸素によって細胞内に蓄積し、血管新生や解糖系代謝を亢進させる。)昨年Natureで発表され話題となった、興味深い知見がある。ラパマイシン適量をマウスに投与したところ、加齢期であっても寿命延長効果が見られた。これはカロリー制限したサルの方が長寿命であったデータと同等と考えられる、と堀江氏は語った。また、がん患者を高カロリー摂取群とカロリー制限群に分けたところ、制限群の方が長生きしたという結果が複数出ており、これまでは切り離して考えられていた「がん」と「体内環境」の密接な関連に関心が寄せられている。がん細胞の代謝にも影響するmTOR阻害剤は、この流れに合致する薬剤といえる。 腎細胞がんわが国における腎がんの9割は腎細胞がんであり、好発年齢は50歳以降、男女比は約2:1である。年間で発症数は1万人を超えて増加傾向にあるとされ、約7千人が死亡する。寒冷地方に多く発症し、ビタミンD欠乏との関連が指摘されている。遺伝性にフォン・ヒッペル・リンダウ(VHL)遺伝子が変異または欠失しているVHL症候群は120家系あり、遺伝性腎細胞がんを発症する割合は50%程度。根治的治療は手術で、StageⅣであってもなるべく切除した方が予後良好である。分子標的薬登場以前はサイトカイン療法しか薬物治療がなく、治療抵抗性のがんの一つである。 腎細胞がんとmTOR阻害剤堀江氏によると、腎細胞がん患者においてはmTORの上流蛋白Aktの過剰な活性化や、血中血管内皮増殖因子(VEGF)濃度の上昇が認められ、増殖シグナルが亢進している。加えて、mTORに至るシグナル経路を抑制する因子の変異・機能低下や、VHL遺伝子変異によるHIFの過剰産生が見られ、抑制シグナルの低下もある。正常ではVHLはがん抑制因子であってHIFを抑制しているが、腎がんの多くでは変異による不活化が起こっている。もともと腎臓は血管に富み、VHL変異で異常な血管が作られやすい。mTOR阻害剤は、このようにVHLが機能しない状況でもHIF合成を阻止する。また、VEGF-Aの産生も阻害し、結果として腫瘍細胞での血管新生を抑制する。このように、がん細胞の増殖抑制と血管新生阻害の抗腫瘍効果を併せ持つmTOR阻害剤のアフィニトールの、VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤(スニチニブまたはソラフェニブ)が無効となった進行性腎細胞がんを対象として有効性および安全性について検討した臨床試験がRECORD-1である。患者をBSC+アフィニトール群とBSC群に無作為割付した結果、アフィニトール群で無増悪生存期間が有意に延長し、抗腫瘍効果も示された。副作用発現は、対象患者が比較的PSが良好というバイアスはあるが、高グレードがあまり多くない印象があるとのことである。注意すべきものとして、アジア人に多い間質性肺疾患、免疫抑制による感染症、インシュリン抵抗性となるための高血糖、糖尿病の発症・増悪などが挙げられた。mTOR阻害剤の間質性肺疾患については、副腎皮質ホルモン剤への反応性が高いことが報告されている。堀江氏は、がんへの本質的なアプローチといえるmTOR阻害剤、アフィニトールが承認され、VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤投与後の進行性腎細胞がんの治療における期待が寄せられるとした。なおわが国では現在、乳がん、胃がん、悪性リンパ腫、膵内分泌腫瘍を対象とした、第Ⅲ相の国際共同治験に参加している。(ケアネット 板坂倫子)

33553.

venlafaxineは、うつ病患者の心臓突然死リスクを増大させない

 venlafaxineは他の一般的な抗うつ薬に比べ、うつ病や不安障害患者の心臓突然死のリスクを増大させないことが、カナダMcGill大学疫学・生物統計学科のCarlos Martinez氏らの調査で明らかとなった。イギリスでは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるvenlafaxineは、他の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)に比べ致死的な過剰摂取率が高いことが報告され、患者の背景因子(自殺リスクが高い患者など)、venlafaxine固有の毒性、催不整脈作用などの原因が指摘されている。治療量のvenlafaxineが心臓突然死や致死的な不整脈のリスクを増大させる可能性については、これまで検討されていなかったという。BMJ誌2010年2月13日号(オンライン版2010年2月5日号)掲載の報告。Venlafaxineと他の一般的な抗うつ薬の心臓突然死リスクを評価 研究グループは、venlafaxineが他の一般的な抗うつ薬に比べ心臓突然死あるいは重症左室不整脈のリスクを増大させる可能性について評価する、地域住民ベースのコホート内症例対照研究を実施した。 イギリスの一般医の診療情報が記録されたGeneral Practice Research Databaseを用い、1995年1月以降に新規にvenlafaxine、fluoxetine、citalopram、ドスレピン(商品名:プロチアデン)の使用を開始した18~89歳のうつ病あるいは不安障害の患者を対象とした。 フォローアップは2005年2月あるいは心臓突然死や瀕死の病態(診療記録で非致死的な急性左室頻脈や突然死が心臓に起因することを確認)、急性の虚血性心イベントによる院外死を発現するまで行った。個々の患者に対し、年齢、性別、暦時間、適応で調整した対照を30人ずつ選択した。venlafaxine群の心臓突然死リスクは他の抗うつ薬と同等 20万7,384人が登録され、平均3.3年のフォローアップが行われた。心臓突然死あるいは瀕死の病態は568人(急性左室頻脈27人、心臓突然死236人、虚血性心イベントによる院外死305人)に認め、背景因子をマッチさせた対照は1万4,812人であった。 心臓突然死、瀕死の病態の内訳は、venlafaxine群18人(3.2%)、fluoxetine群63人(11.1%)、citalopram群39人(6.9%)、ドスレピン群35人(6.2%)であった。venlafaxineに関連した心臓突然死、瀕死の病態の補正オッズ比は、fluoxetineとの比較では0.66(95%信頼区間:0.38~1.14)、citalopramとの比較では0.89(同:0.50~1.60)、ドスレピンに対しては0.83(同:0.46~1.52)であった。 このように、venlafaxineによる心臓突然死、瀕死の病態の頻度は他の抗うつ薬3剤と有意な差はなく、むしろ低い傾向がみられたことから、著者は「venlafaxineは、うつ病や不安障害患者の心臓突然死リスクを過度に増大させることはない」と結論している。なお、venlafaxineは一般的なSSRIに比べ好ましくない有害事象の頻度が高く治療中止例が多いことを示唆するデータがあるため注意を要するという。

33554.

タモキシフェン治療中の高齢乳がん患者、パロキセチン併用で乳がん死が増大

タモキシフェン(TAM)治療中の乳がん女性にパロキセチン(商品名:パキシル)を併用投与すると、乳がん死のリスクが増大することが、カナダSunnybrook医療センターのCatherine M Kelly氏らが実施したコホート研究で示された。乳がんの内分泌療法の標準治療薬であるTAMは、チトクロームp450 2D6(CYP2D6)によって活性代謝産物であるエンドキシフェンに変換されるプロドラッグである。TAM投与を受けている乳がん女性にはパロキセチンなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が広く用いられているが、SSRIはCYP2D6を阻害するためエンドキシフェンの産生が低下してTAMの効果が減弱する可能性が指摘されていた。BMJ誌2010年2月13日号(オンライン版2010年2月8日号)掲載の報告。TAM+SSRI併用乳がん患者の治療終了後の乳がん死を、併用期間の長さ別に解析研究グループは、SSRIがCYP2D6を介する生物活性を阻害することでTAMの効果を減弱する可能性について検討するために、地域住民ベースのコホート研究を行った。対象は、1993~2005年までにオンタリオ州に居住した66歳以上のTAM治療を受けている乳がん女性で、SSRI[パロキセチン、fluoxetine、sertaline、フルボキサミン(商品名:デプロメール、ルボックス)、citalopram、venlafaxine)]を1剤併用投与された患者であった。TAM治療完遂後の乳がんによる死亡リスクを、TAM治療期間中のSSRI併用期間の長さで分類して解析を行った。 パロキセチン併用期間が長くなるにしたがって乳がん死亡率が有意に増大TAMとSSRIを併用投与された乳がん患者2,430例のうち、平均フォローアップ期間2.38年の時点で374例(15.4%)が乳がんが原因で死亡した。年齢、TAM投与期間、他の交絡因子で補正後のTAM+パロキセチン(不可逆的なCYP2D6阻害薬)群の乳がん死亡率は、パロキセチン併用期間が長くなるにしたがって有意に増大した(TAM治療期間におけるパロキセチン併用期間の割合が25%の患者の乳がん死亡率:24%、併用期間割合50%の患者:54%、併用期間割合75%の患者:91%、p<0.05)。これに対し、他のSSRIではこのような乳がん死リスクの増大は認めなかった。パロキセチン群の併用期間の割合の中央値は41%であった。この場合、TAM投与終了後5年以内に、19.7例に1例がパロキセチンの影響によって乳がんで死亡すると推算された。併用期間がさらに長くなれば、乳がん死リスクも増大すると予測される。著者は、「TAM治療中の乳がん患者にパロキセチンを使用すると乳がん死リスクが増大する。この知見は、パロキセチンは乳がん患者におけるTAMのベネフィットを損なうという仮説を支持するものである」と結論し、「TAMの代謝活性におけるCYP2D6の重要性が改めて示された。TAMは年齢を問わずホルモン受容体陽性乳がん女性の重要な治療薬であり、TAM治療中の乳がん患者に抗うつ薬を併用する場合は、CYP2D6への作用の少ない薬剤を選択すべきである」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

33555.

花粉症者の8割が仕事や婚活に影響を及ぼすと回答 つぶやく時に使う言葉はダントツ「鼻」!

グラクソ・スミスクライン株式会社は22日、同社が運営するウェブサイト「コンタック総合研究所(http://contac.jp/soken/)」において「花粉症に関する意識調査」を発表した。調査は、2010年1月に全国の20~39歳の、春に花粉症になった経験のある会社員・公務員・自由業の男女620人を対象にインターネットで実施された。その結果、8割以上の人が、花粉症が仕事や婚活に影響を及ぼすと回答した。一番多かったのは、仕事に影響する症状についてで、「鼻水・鼻づまり」(34.2%)によって「仕事の最中に何度も鼻をかむため、時間のロスになったり、集中力がかなり途切れたりしてしまう(男性/27歳)」など、仕事全般、特に取引先との折衝や接客などに影響が出るという結果が得られた。集中力については、多くが仕事に影響する理由として挙げており、「集中力がなくなり、3秒に1回出るくしゃみに仕事を続けるのが難しくなり早退した(女性/36歳)」や「何事にも集中できない。精神的に情緒不安定になる(男性/35歳)」など、業務に影響を及ぼすケースも回答にみられたという。婚活については、女性は肌荒れや化粧崩れが影響を及ぼすと答えた人が多い一方、男性でも「コンタクトができない(31歳)」、「異性に鼻水などにみっともない姿を見られたくない為積極的になれない(26歳)」など、外見のイメージダウンを懸念して、積極性を失っている人が多く、さらには「春は結婚式をあげたくない!(女性/33歳)」と断言する回答もあった。また、「花粉症の時の自分の気分を、140文字以内でつぶやくとしたらどのようになりますか?」という質問に対し、最も多く使用されたワードは「鼻」(205名)であった。「目と鼻を取って水洗いしたい(会社員/女性24歳)」「鼻がつまってつらい 鼻さえつまらなきゃ花粉症でもいい(会社員/女性29歳)」など花粉症の発症時には「鼻」に関する悩みが多いことが読み取れる。「目」も121名と多く、「目がかゆいのにパソコン仕事などしないで、沖縄など南の島へ行ってのんびりしたい(会社員/女性38歳)」など何とかしたいと感じている人が多くいるようだ。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2010_01/P1000615.html

33556.

ulipristal acetate、無防備な性交後の緊急避妊に高い効果

ulipristal acetateは不用意な性交後の緊急避妊薬として5日間まで有効であり、その効果はレボノルゲストレル(商品名:Norlevo)よりも優れることが、イギリス・ロジアン国民保険サービス(NHS)のAnna F Glasier氏らが実施した無作為化試験とメタ解析で示された。現在、緊急避妊薬は世界140ヵ国以上で用いられ、そのうち約50ヵ国では医師の処方箋なしで使用可能であり、先進国のほとんどで認知されているという。現在の標準薬であるレボノルゲストレルは性交後72時間以内に投与する必要があり、時間の経過とともに効果が減弱し、排卵前でなければ十分な効果は期待できないため、より有効な薬剤の開発が望まれていた。Lancet誌2010年2月13日号(オンライン版2010年1月29日号)掲載の報告。緊急避妊薬投与後の妊娠率を評価する非劣性試験研究グループは、緊急避妊薬としてのulipristal acetateの効果と安全性をレボノルゲストレルと比較する多施設共同無作為化非劣性試験を行った。イギリス、アイルランド、アメリカの35の家族計画クリニックに、無防備な性交後5日以内の月経周期が正常な女性2,221人が登録され、ulipristal acetate 30mgを経口投与する群(1,104人)あるいはレボノルゲストレル1.5mgを経口投与する群(1,117人)に無作為に割り付けられた。被験者には割り付け情報は知らされなかったが、医師にはマスクされなかった。予測される次回月経日後5~7日間までフォローアップを行った。主要評価項目は、無防備な性交後72時間以内に緊急避妊薬の投与を受けた女性の妊娠率とした。メタ解析で、妊娠率が有意に32%低減有効性の評価は1,696人(ulipristal acetate群844人、レボノルゲストレル群852人)で可能であった。妊娠率は、レボノルゲストレル群の2.6%(22/852人)に比べ、ulipristal acetate群は1.8%(15/844人)と32%低減した(オッズ比:0.68)。性交後72~120時間に緊急避妊薬の投与を受けた203人のうち3人が妊娠したが、いずれもレボノルゲストレル群の女性であった。最も高頻度にみられた有害事象は頭痛であった(ulipristal acetate群19.3%、レボノルゲストレル群18.9%)。薬剤に起因する可能性がある重篤な有害事象として、ulipristal acetate群でめまいが1人に、レボノルゲストレル群では奇胎妊娠が1人に認められた。メタ解析(性交後72時間以内)を行ったところ、妊娠率はレボノルゲストレル群の2.2%(35/1,625人)に対し、ulipristal acetate群は1.4%(22/1,617人)と有意に避妊効果が高かった(オッズ比:0.58、p=0.046)。著者は、「ulipristal acetateは不用意な性交後5日まで使用可能であり、女性や医療者にとって有効な緊急避妊薬の選択肢である」と結論し、「ulipristal acetateは安全性のデータが十分に集積されるまでは容易に入手できないため、性交後72時間以上が経過した妊娠リスクの高い女性に限定して使用される可能性がある。しかし、72時間以内の場合にレボノルゲストレルなどの薬剤を用いれば、多くの女性は自分の月経周期を明確に把握していないため避妊できず混乱が起きる可能性がある。課題は残るものの、5日以内であればulipristal acetateを使用すべきと考えられる」と考察する。(菅野守:医学ライター)

33557.

早期乳がん診療にMRIを導入しても、再手術率は改善しない:COMICE試験

早期原発性乳がんの診療にMRI検査を導入しても、再手術率は低減しないことが、イギリスHull王立病院MR研究センターのLindsay Turnbull氏らによる無作為化試験(COMICE試験)で明らかとなった。イギリスでは、早期乳がんの治療において、腫瘍の不完全切除による再手術率を10%以下にすることを目標に種々のアプローチが行われている。MRIは乳がんの診断率を向上させ、再手術率を低減する可能性が指摘されていた。Lancet誌2010年2月13日号掲載の報告。トリプルアセスメント+MRIとトリプルアセスメント単独を比較COMICE試験の研究グループは、原発性乳がん女性に対するコントラスト増強MRIの臨床的効果を評価するオープンラベル無作為化対照比較試験を実施した。対象は、トリプルアセスメント(視診/触診、X線マンモグラフィ/超音波、穿刺吸引細胞診/コア生検)施行後に乳腺部分切除術が計画され、生検で原発性乳がんが証明されている18歳以上の女性であった。イギリスの45施設に1,623例が登録され、トリプルアセスメントにMRIを追加する群(816例)あるいはトリプルアセスメントのみの群(807例)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、割り付け後6ヵ月以内の再手術の施行率、もしくは初回手術時の病理検査で切除術は回避可能との評価とした。再手術率:19% vs. 19%再手術率は、MRI追加群が19%(153/816例)、MRI非追加群も19%(156/807例)であり、両群で同等であった(オッズ比:0.96、p=0.77)。著者は、「早期の原発性乳がんの診診療にMRIを追加しても、再手術率は低減しない」と結論し、「高価な検査法であるMRIが不要なことが確認されたため、医療資源の観点から国民保険サービス(NHS)にはベネフィットがもたらされる。NHSの利便性の改善に役立つ可能性がある」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

33558.

小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」2月24日発売

ワイス株式会社は、昨年10月16日に製造販売承認を受けた7価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー」(製品名:プレベナー水性懸濁皮下注)を2月24日から発売したと発表した。プレベナーは、肺炎球菌による細菌性髄膜炎、菌血症などの侵襲性感染症を予防する国内初の小児用肺炎球菌結合型ワクチン。接種対象は、生後2カ月齢から9歳以下の小児。現在101の国・地域で承認されている。●詳細はプレスリリースへhttp://www.wyeth.jp/news/2010/0223.asp

33559.

早死にを招く、小児期の心血管リスク因子

糖尿病の早期発症が死亡率を高めること、成人期における心血管リスク因子と寿命との関連性は明らかだが、小児期における心血管リスク因子が寿命に影響を及ぼすメカニズムはほとんどわかっていない。米国NIHのPaul W. Franks氏ら研究グループは、その関連性を明らかにすることは、小児期の心血管リスク因子が与える人的・経済的損失を予測可能とし、健康状態を改善し早世率(本論では55歳未満での死亡と定義)を低下させるための介入が可能になるとし、40年にわたる追跡調査を行った。その結果が、NEJM誌2010年2月11日号で発表されている。アメリカ先住民4,857例の早世例をリスク因子ごとに評価研究グループは、1945~1984年の間に生まれた非糖尿病のアメリカ先住民4,857例の小児コホート(平均年齢11.3歳)について、BMI、耐糖能、血圧、コレステロールの各値を調査し(計12,659回)、早世の予測因子となるかどうかを評価した。各リスク因子は性、年齢で標準化され、比例ハザードモデルを用いて、55歳未満で死亡するまでの期間との関連が判定された。モデルは、基線での年齢、性、出生コホート(アメリカ先住民の系統としてピマ族かトホノ・オオダム族か)によって補正された。肥満は2倍、耐糖能異常は1.73倍、高血圧は1.5倍、早世率を高める追跡期間中央値23.9年間で、内因性死亡は166例(コホートの3.4%)あった。内因性死亡率について、BMI値が最高四分位群の小児は、同最低四分位群の2倍以上だった(出現率比:2.30、95%信頼区間:1.46~3.62)。耐糖能異常では、最高四分位群の死亡率が、最低四分位群より73%高かった(同:1.73、1.09~2.74)。一方、内因性または外因性の死亡率と、小児期コレステロール値、収縮期・拡張期血圧値との間には有意な関連性はみられなかった。ただし、小児期高血圧は内因性による早世と有意な関連が認められた(同:1.57、CI 1.10~2.24)。研究グループは、「この集団において、小児期の肥満、耐糖能異常、高血圧は内因性による早世率の上昇と強く関連していた。対照的に、小児期高コレステロール血症は内因性による早世の主要な予測因子ではなかった」とまとめている。(医療ライター:武藤まき)

33560.

乳房温存手術後の放射線療法、3週間法でも5週間の標準照射法と有効性劣らず

乳房温存手術後の胸部放射線療法は乳がん死亡率を低下することが最新のメタ解析によっても示されているが、北米の乳がん女性の最大30%が、治療回数が多いことや費用を理由に放射線療法を受けていない。そこでカナダ・マクマスター大学JuravinskiがんセンターTimothy J. Whelan氏は、生物学的モデルで有効性が示された少分割・短期間照射に関して、無作為化試験を実施した。2002年の追跡5年時点の検討で、その有効性(再発率・美容的アウトカム)が示されたが、放射線の毒性は1回当たりの照射線量が多いほど時間とともに増大するという懸念がある。本論はその懸念に応える追跡期間中央値12年の段階で行われた、10年時点の結果を検討した報告。NEJM誌2010年2月11日号に掲載された。被験者1,234例を標準照射群と少分割照射群に無作為化し追跡Whelan氏らは、至適な照射スケジュールを明らかにするため、胸部全体への照射を3週間スケジュールで行う方法と、5週間スケジュールで行う方法との有効性を検討した。被験者は、浸潤性乳がんで乳房温存術を受けた、切除断端部クリア、腋窩リンパ節陰性の1,234例。1993年4月~1996年9月の間に、対照群(標準線量50.0 Gyを25分割で35日間かけて照射、612例)と少分割照射群(42.5 Gyを16分割で22日間かけて照射、622例)に無作為化され追跡された。10年時点、再発リスク、美容的アウトカムともに標準法に劣らず追跡10年時点の局所再発リスクは、対照群6.7%だったのに対して、少分割照射群は6.2%だった(絶対差:0.5ポイント、95%信頼区間:-2.5~3.5)。美容的アウトカムは、良好(good)もしくは優良(excellent)が対照群では71.3%、少分割照射群では69.8%だった(同:1.5ポイント、-6.9~9.8)。Whelan氏は、「少分割照射療法は標準照射療法と比べて、10年時点でも劣らないことが認められた」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

検索結果 合計:35623件 表示位置:33541 - 33560