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排尿障害改善薬ユリーフが韓国で発売 製品名はTHRUPAS

 キッセイ薬品工業株式会社は9日、同社が創製し、Choongwae Pharma Corporation(株式会社チョンウェ製薬:韓国)に技術導出した前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬「シロドシン」(日本製品名:ユリーフ)について、チョンウェ製薬は 9月1日に韓国にて発売したと発表した。 キッセイ薬品は、2004年にシロドシンの韓国における独占的開発・販売権をチョンウェ製薬に供与する技術導出契約を同社と締結していた。その後、チョンウェ製薬は韓国において臨床試験を実施して昨年承認を取得し、本年8月に薬価収載され、この度、製品名「THRUPAS(スルーパス)」として新発売された。 シロドシンは、キッセイ薬品が創製した選択的α1A受容体遮断薬であり、主に前立腺に存在するα1A受容体を遮断することにより、前立腺の緊張を緩和して尿道抵抗を改善し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。既存薬に比べ効果の発現が早く、尿が出にくいなどの排尿症状と、頻尿や尿が我慢できないなどの蓄尿症状の両症状を改善する特長がある。 詳細はプレスリリースへhttp://www.kissei.co.jp/news/press2009/seg090909.html

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医薬品選択時の薬剤師の助言、7割が「重要」と考えている

株式会社シード・プランニングと株式会社ゲインは8日、セルフメディケーションと薬剤師の役割に関する調査結果をまとめた。調査対象者は20代以上の男女1,000名(東京23区在住)、各年代男女200名(20代~60代以上) 。調査結果によると、薬を買いに行ったときに薬剤師あるいは店員に相談するかどうかを聞いたところ、「必ずする」との回答は全体で4.5%、「時々する」が36.4%で、約4割の人が何らかの相談をしている。相談している人の相談内容は、「自分の症状に合う薬の選び方」との回答が約7割。相談内容は性別や年代により異なり、「薬の効能や副作用について」は、男性30代(74.2%)、女性60代以上(68.4%)が高く、「薬の飲み方」は、男性20代(63.6%)が最も高く、女性ではどの年代も概ね3割以下。医薬品選択時の薬剤師の助言の重要度について、全体では約7割が「重要である」と回答。そのうち、「非常に重要である」との回答は約17%であった。しかしながら、男女間には大きな差が見られ、男性は「重要である」との回答は、全ての年代において6割台であったが、女性は7割を超えている。また、男性30代は、前問において薬剤師に相談しない理由として30.4%が「自分で調べるので相談の必要がない」と回答しており、薬剤師に頼らず、医薬品を使用する傾向が他の年代に比べ強いという結果だった。第1類医薬品の購入にあたり、薬剤師の説明が義務づけられたので安心して購入できると思うかに対して、「そう思う」が51.5%で最も高く、以下、「どちらともいえない」(39.7%)、「そう思わない」(8.8%)、と続いた。 詳細はプレスリリースへhttp://www.seedplanning.co.jp/press/2009/2009090801.html

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携帯でインフルエンザ予報をチェック

ジョルダン株式会社は、携帯電話向け経路検索&総合お出かけ情報サービス「乗換案内NEXT」のお天気情報コーナー「天気の時間」において、地震・台風情報、インフルエンザ予報の提供を開始した。インフルエンザ予報では、気温や湿度などの気象条件からインフルエンザ(新型・季節性)感染の警戒度を5段階で知らせてくれる。同サービスは、情報料月額210円(税込)(※通信料除く)。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.jorudan.co.jp/company/data/pdf_pr/20090909_tenki.pdf

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重症咽頭痛、ステロイド投与で症状を有意に改善?:メタ解析

英国オックスフォード大学プライマリ・ヘルスケア部門のGail Hayward氏らは、咽頭痛にステロイドが有効かどうかについて、システマティックレビューとメタ解析を行った。重症例や滲出性扁桃炎では、抗生物質投与に加えて投与することで症状改善が見られたと報告している。BMJ誌2009年8月29日号(オンライン版2009年8月6日号)掲載より。24、48時間時点での完治した患者の割合などを調査レビューと解析は、Cochrane Central、Medline、Embase、DARE(Database of Reviews of Effectiveness)、NHS Health Economics Databaseと文献目録を用いて行われた。転帰尺度は、24、48時間時点での完治した患者の割合、鎮痛開始までの平均時間、症状完治までの平均時間、仕事や学校を休んだ日数、再発、有害事象とした。抗生物質との併用で24時間時点では、有意に症状改善解析例は、8つの試験、被験者計743例(小児369例、成人374例)。そのうち348例(47%)は滲出性扁桃炎を有し、330例(44%)はA群β溶血性レンサ球菌陽性だった。抗生物質と鎮痛剤を投与した群で、ステロイド投与群は疼痛完治の尤度を有意に増加した。24時間時点では約3倍の開きがあった(4試験で、相対リスク:3.2、95%信頼区間:2.0~5.1)。48時間時点では、そこまで大きな開きはなかった(3試験で、同:1.7、1.3~2.1)。鎮痛開始までの平均時間は6時間以上(95%信頼区間:3.4~9.3、P

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プライマリ・ケアでのがん兆候症状と非がん診断

英国King’s College London School of Medicine一般診療/プライマリ・ケア部門のRoger Jones氏らは、プライマリ・ケアでのがん兆候症状と非がん診断に関するコホート研究を行った。兆候症状を呈している患者の大半が臨床的に意味ある診断を下されていると報告している。BMJ誌2009年8月29日号(オンライン版2009年8月13日号)掲載より。15歳以上の762,325例が参加Jones氏らは、プライマリ・ケアで定められている非がん・がん診断のための兆候症状の適中率を評価した。一般診療(GP)調査データベース(1994~2000年、GP128人から提供)を用いて行われたコホート研究は、15歳以上の762,325例が参加し行われた。主要転帰尺度は、事前に15の兆候症状を定めたうえで、非がん診断と4つの兆候症状(血尿、喀血、嚥下障害、直腸出血)との関連について、90日時点、最初の兆候症状が記録されてから3年後時点で調査した。各転帰の解析は、time to eventで別々に行われた。データは、患者が死亡・診療から外れた・試験期間終了に達したいずれかの時点で検閲された。血尿、喀血、嚥下障害、直腸出血のファーストエピソード例について解析血尿(11,108例)、喀血(4,812例)、嚥下障害(5,999例)、直腸出血(15,289例)のファーストエピソード例のデータについて解析が行われた。結果、兆候症状を呈した患者での非がん診断は、ごく普通に見られた。また、がんあるいは非がんいずれの診断率は、一般に年齢とともに増加していた。血尿症状がある患者の90日以内での、がん・非がん診断率は、女性で17.5%(95%信頼区間:16.4%~18.6%)、男性で18.3%(17.4%~19.3%)だった。その他の症状については、喀血例では、同25.7%(23.8%~27.8%)、24%(22.5%~25.6%)。嚥下障害例では、同17.2%(16%~18.5%)、22.6%(21%~24.3%)。直腸出血例では、同14.5%(13.7%~15.3%)、16.7%(15.8%~17.5%)だった。Jones氏は、「兆候症状を呈している患者では、高い割合で臨床的に意味ある診断を下されている。血尿、喀血、嚥下障害または直腸出血の症状を呈している患者群での合同診断評価には患者4~7人が必要である。また90日以内に1人の患者は、臨床的に意味ある診断が下されているようである」と結論している。

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患者自らの経験を基に25疾患を網羅した「患者と作る医学の教科書」発刊

ファイザー株式会社は4日、様々な患者団体や障がい者団体などで構成されるヘルスケア関連団体ネットワーキングの会が、患者と作る医学の教科書プロジェクトチームとともに編著した「患者と作る医学の教科書」を、2009年8月に発刊したことを発表した。近年、大学の医療者教育の場からは「患者さんの声を聞きたい」、患者側からも「患者の声を医療従事者に聞いて欲しい」というニーズがあった。しかし、これまで現場で使われてきた教科書には専門の医学用語ばかりで、患者とのギャップが生じていた。患者と作る医学の教科書には、各疾患の診断や治療の解説に加え、初診時の患者の声(患者さんの伝え方)、診断時に医療従事者に気遣って欲しいこと、患者や家族が抱える悩みなどが患者の視点で解説されている。教科書は、25もの多くの疾患について患者の経験を基に掲載されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2009/2009_09_04_2.html

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新型インフルエンザ(A/H1N1)用アジュバント(MF59)添加細胞培養ワクチンの臨床試験、高い免疫原性を示す

スイス・ノバルティス社は4日、アジュバント(免疫賦活剤)を添加した細胞培養による新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)ワクチンのパイロット試験で、ノバルティスのワクチンが強い抗体反応と良好な忍容性を有することが示されたと発表した。日本法人のノバルティス ファーマ株式会社が報告した。この試験は英国のLeicester大学および同大学病院で実施されたもの。Celturaと名付けられる予定のこのワクチンのパイロット試験は、18歳から50歳までの100名の健康成人ボランティアを対象に実施された。この試験は、異なる投与間隔でワクチン接種を実施したときのワクチンの忍容性と免疫原性を評価した。細胞培養によるA/California/2009株の表面抗原7.5μgを含有するアジュバントを添加した新型インフルエンザワクチンを1回または2回接種し評価したところ、2回の接種を受けたグループに最も高い血清抗体反応が確認されただけでなく、1回の接種を受けたグループでもインフルエンザ予防が可能と判断できる同様の抗体反応が確認されたという。また、1回接種グループでは80%、2回接種グループでは90%以上の被験者で赤血球凝縮抑制抗体価が40またはそれ以上に達したことが示された。これは欧州および米国の規制当局が規定する免疫原性基準を満たすと考えられるという。この結果は、アジュバント添加ワクチンが低用量で1回接種後2週間以内に新型インフルエンザ(A/H1N1)に対する抗体を産生させる可能性があることを示しているとのこと。この試験ではアジュバントを添加しないワクチンのグループは評価されなかった。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090904_02.html

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ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤 リフレックス(ミルタザピン)新発売

明治製菓株式会社は7日、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤「リフレックス錠15㎎」(一般名:ミルタザピン)を発売した。本製品は、9月4日に薬価収載された。リフレックスは、N.V.オルガノン社(現シェリング・プラウコーポレーション)が創製したうつ病治療薬で、1994年にオランダで発売されて以来、世界90ヵ国以上で承認されている。また、その特徴的な作用メカニズムによって、海外では『ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA:Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)』というカテゴリーに分類され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)とは異なる作用機序を持つ薬剤として知られている。1日1回就寝前服用の簡便な用法で、服用開始1週目から、うつ病・うつ状態にある患者の不眠や不安・焦燥感といった症状を速やかにしっかりと改善するなど、うつ病・うつ状態に対する効果の早期発現と優れた有効性を合わせ持つ。同社は、「うつ病の寛解(REmission)、そしてその先の回復(REcovery)をかなえ、患者さんの人生をしなやかで柔軟(FLEXibility)なものにする」という思いを込めて、「リフレックス(REFLEX)」と名付けたという。また、発売に備えて中枢神経系領域専任医薬情報担当者を100名体制に拡充し、市場への早期浸透を図っていくとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.meiji.co.jp/corp/news/2009/0907.html

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新規作用メカニズムの抗うつ剤 レメロン(ミルタザピン)発売

シェリング・プラウ株式会社は7日、約10年ぶりに登場する新規作用メカニズムを持つ抗うつ剤「レメロン錠15mg」(一般名:ミルタザピン)を新発売した。レメロン錠は10年ぶりに登場する特徴的な作用メカニズムである『NaSSA(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant):ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤』と称される新規のカテゴリーに属し、既存の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitor)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI:Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor)とは全く異なるタイプの新しいうつ病治療剤となる。日本における臨床試験では、この領域では実施することが難しいとされているプラセボ対照比較試験において、投与1週目から有意な改善効果が示され、日本で初めてプラセボに対して抗うつ効果における優越性が検証された。さらに、長期投与試験においては、52週まで抗うつ効果が維持されることも示されたという。これらの結果で示されている通り、レメロン錠は、投与1週目からの早い効果の発現と長期にわたる効果の維持という特長を持ち合わせた薬剤といえる。レメロン錠はN.V.オルガノン社(2007年11月19日、シェリング・プラウ・コーポレーションと統合)が創製したうつ病治療薬で、1994年に製品名『REMERON』としてオランダで発売されて以来、現在では世界90ヵ国以上で販売されており、日本では明治製菓株式会社と共同開発を行い、本年7月7日に製造販売承認を取得していた。詳細はプレスリリースへhttp://www.schering-plough.co.jp/press/index.html

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1つのキットで2つの遺伝子型のノロウイルスを同時検出できる検出試薬キットが発売

島津製作所は7日、検体からの遺伝子の抽出・精製なしに直接遺伝子を増幅・検出できる「アンプダイレクト」技術を用いたノロウイルス検出試薬キットの改良新製品『ノロウイルスG1&G2検出試薬キット』を9月8日に発売した。このキットを使用することで、従来品では個別検出が必要であった遺伝子型の異なる2つのグループのノロウイルスを1つのキットで検出できるようになった。新製品は、G1およびG2両グループのノロウイルスを同時検出できるプライマーの開発により、従来の2種類の試薬キットを一体化したもの。従来キットの特長((1)糞便サンプルからRNAの抽出・精製なしにダイレクトにノロウイルス遺伝子の増幅ができる、(2)1本のチューブ内で糞便処理から増幅まですべての過程が簡便に行える、(3)偽陰性防止用の内部コントロールDNAが試薬の中に入っている、など)に加えて、1キットで2つの遺伝子型のノロウイルスを同時に検出(1検体1反応)できるため、検査時間は最大でこれまでの2分の1に、コストは3分の2に、それぞれ大幅に削減されるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.shimadzu.co.jp/news/press/090907.html

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吸入ブデソニドはCOPD患者の肺炎リスクを増大させない

吸入ブデソニド(商品名:パルミコート)は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の肺炎リスクを増大させないことが、カナダBritish Columbia大学St Paul’s病院のDon D Sin氏らが実施したメタ解析で明らかとなった。ブデソニドはCOPDの増悪を抑制しQOLを改善するが、肺炎のリスクを増大させる可能性が指摘されている。また、吸入ステロイド薬は肺炎リスクを約50%も増大させることを示す大規模臨床試験の結果もあるという。Lancet誌2009年8月29日号掲載の報告。7つの大規模臨床試験のプール解析研究グループは、COPD患者の肺炎リスクに及ぼすブデソニド吸入薬の影響について評価した。安定期COPD患者を対象に、吸入ブデソニド 320~1,280μg/日を投与する群(β刺激薬formoterolを併用あるいは非併用)と対照群(プラセボあるいはformoterol単独)を比較し、少なくとも6ヵ月以上のフォローアップを行った7つの大規模臨床試験の患者データをプールした。試験期間中あるいは終了後15日間における「有害事象」および「重篤な有害事象」としての肺炎のリスクついて両群間の比較を行った。intention-to-treatデータの解析にはCox比例ハザード回帰分析を用いた。有害事象としての肺炎:ブデソニド群3% vs. 対照群3%、重篤な有害事象としての肺炎:1% vs. 2%解析の対象となったのは7,042例で、ブデソニド群が3,801例、対照群は3,241例であった。有害事象としての肺炎の発症率は、ブデソニド群が3%(122例)、対照群も3%(103例)と両群で同等であった(補正ハザード比:1.05)。重篤な有害事象としての肺炎の頻度は、ブデソニド群が1%(53例)、対照群は2%(50例)であり、両群で同等であった(補正オッズ比:0.92)。有害事象あるいは重篤な有害事象としての肺炎発症までの期間は、いずれも両群間に差を認めなかった。著者は、「COPD患者に対する吸入ブデソニドの12ヵ月投与は、投与期間中の肺炎リスクを増大させないため、安全に使用できる」と結論したうえで、「加齢および肺機能低下は重篤な有害事象としての肺炎を有意に増加させることに留意すべき。性別、喫煙、BMIは有意なリスク因子ではない」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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プライマリ・ケアにおけるCOPDの予後評価に有用な指標を開発

プライマリ・ケアにおける慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予後評価では、改訂BODEインデックス(BMI、気道閉塞、呼吸困難、運動能)およびその簡略版であるADOインデックス(年齢、呼吸困難、気道閉塞)が有用であることが、アメリカJohns Hopkins Bloomberg公共健康医学部疫学科のMilo A Puhan氏らが実施した2つのコホートを対象とした検討で判明した。BODEインデックスはCOPDの予後評価にさかんに活用されているが、このインデックスで予測された死亡リスクが実際の死亡率と一致するか否かを検討した試験はないという。Lancet誌2009年8月29日号掲載の報告。Swissコホートに基づく改訂および簡略インデックスをSpanishコホートで検証研究グループは、BODEインデックスのキャリブレーション(リスクスコアを用いて予測された絶対リスクを、他の集団における実際のリスクと比較すること)の評価を行い、プライマリ・ケアで用いる簡略版の妥当性について検討した。Swiss Barmelweidコホート(罹病期間が長期にわたる重症COPD患者)から232例が、Spanish Phenotype and Course of COPDコホート(中等症~重症COPDで初回入院中の患者)から342例が登録された。両コホートにおいて、実際の3年全原因死亡リスクとBODEインデックスで予測されたリスクの比較を行った。次いで、Swissコホートのデータに基づきBODEインデックスを改訂して、年齢、呼吸困難、気道閉塞から成る簡略なADOインデックスを策定し、さらにこれらのインデックスの妥当性をSpanishコホートのデータを用いて検証した。オリジナルBODEの正確度は低いが、改訂BODEとADOは良好BODEインデックスのキャリブレーションは不良であり、3年死亡リスクの相対的予測値はSwissコホートで36%、有意に低く(予測リスク中央値:21.7%、実際のリスク34.1%、p=0.013)、Spanishコホートでは39%有意に高かった(予測リスク中央値:16.7%、実際のリスク12.0%、p=0.035)。改訂されたBODEインデックスによる予測3年死亡リスクは10.7%、簡略化されたADOインデックスでは11.8%であり、いずれもSpanishコホートにおける実際の死亡率とよくマッチした(それぞれp=0.99、p=0.98)。著者は、「オリジナルのBODEインデックスは、スイスとスペインの2つのコホートにおけるCOPDによる死亡率を正確に予測しなかったが、改訂BODEインデックスとADOインデックスはいずれも高い正確度を示した。これらの指標は、プライマリ・ケアにおけるCOPD患者の予後評価に有用な可能性があり、この予後評価によって個々の患者の治療ターゲットが明確になる」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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中外製薬が1200万人分のタミフルの通常流通品を2010年3月までに生産・供給へ

中外製薬株式会社は7日、F.ホフマン・ラ・ロシュ社から輸入し、製造・販売している抗インフルエンザウイルス剤「タミフルカプセル75」「タミフルドライシロップ3%」(一般名:オセルタミビルリン酸塩)について、2010年3月までに新たに1200万人分の通常流通品を供給する計画を発表した。同社は、本年3月より国内生産能力を強化し政府および都道府県に対して行政備蓄品の早期納品に取り組んでいたことに加え、今秋冬に大規模な流行が懸念されていることから、国内すべての医療機関において安心して新型および季節性インフルエンザの診療にあたれるよう現在の流通在庫量に加え、新たに1200万人分の通常流通品を2010年3月までに生産・供給することを決めた。これは、国民の約10%分、昨シーズン医療機関への出荷量の3倍に相当するという。同社は今後も、流行状況に応じて追加供給を検討していくとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeHeader.jsp;jsessionid=34QTLSZ52BUXECSSUIHSFEQ?documentId=doc_15525&lang=ja

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2型糖尿病治療薬(SYR-322とアクトスの合剤)のFDA審査結果を受領

武田薬品工業株式会社は4日、子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社(米国イリノイ州)が、米国時間9月2日、米国食品医薬品局(以下、「FDA」)より、2型糖尿病治療薬SYR-322(一般名:alogliptin)と同治療剤アクトスの合剤に関する審査結果通知を受領したと発表した。武田薬品は、6月26日(米国時間)にFDAより、SYR-322単剤の販売許可申請について、2008年12月に公示・施行された「新糖尿病治療薬の心血管系リスク評価についてのガイダンス」の統計的要件を満たすための心血管系リスク評価に関する追加試験実施が必要であるとの通知を受けた。今回の通知は、SYR-322単剤と同様に、SYR-322とアクトスの合剤に関しても当該追加試験結果の提出を要請するもの。詳細はプレスリリースへ

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中等症(GOLDのステージ2)COPD患者の呼吸機能とQOLを有意に改善

ドイツ・ベーリンガーインゲルハイム社は8月28日、ランセット誌(8月28日発刊号)で発表された大規模臨床試験UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)のサブ解析から、チオトロピウム(製品名:スピリーバ)が最長4年にわたり中等症のCOPD患者(GOLDのガイドラインでステージ2と既定される患者)の呼吸機能を継続して改善されることが明らかになったと発表した。UPLIFTは COPD患者に長時間作用型吸入抗コリン薬であるチオトロピウムを用いた最大規模の無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、このサブグループ解析では、2,739名の患者を対象とした。サブ解析データからチオトロピウムが中等症(ステージ2)にあるCOPD患者の呼吸機能を改善し、疾患進行を抑制する可能性が示された。4年間の試験期間中、気管支拡張投与後FEV(ピークFEV)の経年的な低下量は、チオトロピウム投与群が43mL/年、プラセボ投与群が49mL/年であり、チオトロピウムが有意に経年低下量を抑制した(p=0.024) 。気管支拡張剤投与前FEV(トラフFEV)の経年的な低下量に両群間に差は見られなかったという。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/com/Home/Newscentre/pressrelease/news_detail.jsp?paramOid=5478

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高齢者サブグループにおいて心血管イベント発症リスクが39%減少 JUPITER試験解析結果より

英国アストラゼネカ社は、スペイン・バルセロナで開催された欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)で8月31日(現地時間)、JUPITER(ジュピター)試験の新たな解析結果を発表した。昨年11月に発表されたJUPITER試験は、LDL-Cは正常か低値であるものの、炎症マーカーとして知られる高感度CRPが高値である男女を対象にクレストール(ロスバスタチン)の心血管イベント一次予防効果を検討したもの。その結果、クレストール20mg/日投与群はプラセボ投与群に比べて、心血管イベント発症リスクを44%(p

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前立腺肥大症治療薬「アボルブ」発売

 グラクソ・スミスクライン株式会社は4日付で、前立腺肥大症治療薬「アボルブカプセル0.5mg 」(一般名:デュタステリド、以下「アボルブ」)が薬価収載されたことを受け、販売を開始した。 同剤は、英国グラクソ・スミスクライン社で開発された本邦初の5a還元酵素阻害作用を有する前立腺肥大症治療薬。2001年11月に米国で、2002年7月に欧州で承認されて以来、2009年3月現在、世界85カ国で承認され、年間約290万人(2008年3月現在)の患者に使用されている。 同剤は、テストステロンをより活性の高いDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する1型および2型の5a還元酵素を阻害し、DHTの産生を抑制。同剤によるDHTの抑制に伴い、肥大した前立腺は縮小し、下部尿路症状の軽減および尿流の改善がもたらされるとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_07/P1000574.html

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高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の早期診断を大いに改善できる(1)

急性心筋梗塞は死および身体障害の主要な原因の1つだが、一方で米国やヨーロッパでは毎年約1,500万人の患者が、胸痛など急性心筋梗塞様の症状を呈し救急治療部に搬送されている。そのため、急性心筋梗塞の迅速で信頼性の高い診断が求められるが、こうした臨床上のニーズはまだ十分に満たされていない。バーゼル大学病院(スイス)のTobias Reichlin氏らは、新しい診断法として期待される高感度心筋トロポニン測定法(4つの測定法)の精度について、標準測定法との比較で検討を行った。NEJM誌2009年8月27日号より。718例の血液サンプルで新旧検査法を多施設盲検Reichlin氏らは、急性心筋梗塞が疑われる症状を呈し救急治療部を受診した718例から得られた血液サンプルを用いて、新しい高感度心筋トロポニン測定法を用いた診断の精度を検討する多施設共同治験を行った。心筋トロポニン・レベルは盲検形式で、4つの高感度測定法(アボット-Architect Troponin I、ロシュHigh-Sensitive Troponin T、ロシュTroponin I、シーメンスTroponin I Ultra)と標準測定法(ロシュTroponin T)を用いて判定した。最終診断は施設に所属していない2人の心臓専門医が下した。胸痛発症後間もない急性心筋梗塞の早期診断に有効123例の患者(17%)が急性心筋梗塞の最終診断を下された。ROC曲線解析による下部領域面積(AUC)の定量化によって、4つの高感度心筋トロポニン測定法のほうが標準測定法より、診断精度は有意に高かった。AUC、アボット-Architect Troponin Iは0.96(95%信頼区間:0.94~0.98)、ロシュHigh-Sensitive Troponin Tは0.96(同:0.94~0.98)、ロシュTroponin Iは0.95(同:0.92~0.97)、シーメンスTroponin I Ultraは0.96(同:0.94~0.98)に対し、標準測定法は0.90(同:0.86~0.94)だった。胸痛症状から3時間以内の患者のAUCは、標準測定法の0.76(95%信頼区間:0.64~0.88)と比べて、高感度測定法ではそれぞれ、0.93(同:0.88~0.99)、0.92(同:0.87~0.97)、0.92(同:0.86~0.99)、0.94(同:0.90~0.98)であった。なお高感度トロポニン測定法の医学的管理に及ぼす影響は評価していない。Reichlin氏らは、高感度心筋トロポニン測定法の診断パフォーマンスは優れており、これら測定法は特に胸痛発症後、間もない患者における急性心筋梗塞の早期診断を大いに改善できると結論づけている。(医療ライター:朝田哲明)

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高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の早期診断を大いに改善できる(2)

心筋梗塞の早期診断は迅速な治療を促し、胸痛症状を示した患者のアウトカムを改善する。その意味で、緊急環境下で施行される心筋壊死マーカー検査は診断価値が高く、胸痛患者ケアに一里塚を築いたが、胸痛出現直後の精度は低い。これに代わって心筋トロポニン検査が急性心筋梗塞の診断の中心的役割を果たすようになっているが、ヨハネス・グーテンベルク大学(ドイツ)のTill Keller氏ら研究グループは、急性心筋梗塞の早期診断とリスク層別化について、高感度トロポニンI測定法の評価を行った。NEJM誌2009年8月27日号より。診断精度は高感度トロポニンI測定法が最も高い本試験は多施設治験で、急性心筋梗塞が疑われる一連の1,818例の患者を対象に、入院時、入院後3時間、同6時間について、高感度トロポニンI測定法と、トロポニンT、従来の心筋壊死マーカーの3つで診断精度を比較した。入院時に得られたサンプルによる診断精度は、トロポニンT測定法(受信者動作特性曲線[AUC]:0.85)、従来の心筋壊死マーカーと比較して、高感度トロポニンI測定法が最も高かった(AUC:0.96)。入院時の高感度トロポニンI測定法(カットオフ値:0.04ng/mL)の臨床的感度は90.7%、特異度は90.2%だった。診断精度は、胸痛発症からの時間にかかわらず、ベースライン(入院時)と入院後の連続サンプルで実質的に変わらなかった。トロポニンI濃度0.04ng/mL超は発症後30日のリスク上昇と関連胸痛発症後3時間以内の患者において、1回の高感度トロポニンI測定法の陰性適中率は84.1%、陽性適中率は86.7%だった。これらの所見から、6時間以内にトロポニンIレベルが30%上昇すると予測された。0.04ng/mLを超えるトロポニンI濃度は、発症後30日における有害アウトカムのリスク上昇とそれぞれに関連していた(リスク比:1.96、95%信頼区間:1.27~3.05、P = 0.003)。研究グループは、高感度トロポニンI測定法の利用は、胸痛発症からの経過時間によらず、急性心筋梗塞の早期診断とリスク層別化を向上させると結論づけた。(医療ライター:朝田哲明)

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前立腺がんへのホルモン療法、うっ血性心不全や心筋梗塞歴患者で総死亡率が約2倍に

 リスクの高い前立腺がんに対し、ホルモン療法と放射線療法を併用すると、中程度から重度の共存症がある場合を除き、生存率が増加すると考えられているが、前立腺がんへのネオアジュバントホルモン療法は、冠動脈疾患によるうっ血性心不全や心筋梗塞歴がある場合、同療法を行わない場合に比べ、総死亡率が約2倍に増大することが報告された。共存症が全くないか、冠動脈疾患リスクが1つだけの場合には、同療法による総死亡率の増加は見られなかったという。米国ハーバード大学のAkash Nanda氏が、5,000人超の患者について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2009年8月26日号で発表した。局所がん・局所進行がんの5,077人を中央値4~5年で追跡 Nanda氏らは、1997~2006年にかけて、局所がんまたは局所進行がんの前立腺がんの患者5,077人を2群に分け、一方にはネオアジュバントホルモン療法を中央値4ヵ月で行い、続いて放射線療法を行った。もう一方の群には、放射線療法のみを行った。その後、2008年まで追跡し、総死亡率について比較した。被験者の年齢中央値は69.5歳だった。うっ血性心不全・心筋梗塞歴のある人は、ホルモン療法により死亡率は1.96倍に ネオアジュバントホルモン療法は、共存症のない人では、中央値5.0年で追跡後、総死亡率に増加は見られなかった(補正後ハザード比:0.97、95%信頼区間:0.72~1.32、p=0.86)。また、糖尿病や高血圧症などの冠動脈疾患リスクが一つある人でも、中央値4.4年追跡後、同療法による総死亡率増加はなかった(補正後ハザード比:1.04、同:0.75~1.43、p=0.82)。 一方、冠動脈疾患によるうっ血性心不全や心筋梗塞歴のある人では、中央値5.1年で追跡後、ネオアジュバントホルモン療法は総死亡率が約1.96倍に増大していた(補正後ハザード比:1.96、同:1.04~3.71、p=0.04)。■「前立腺がんホルモン療法」関連記事ホルモン療法未治療の前立腺がん、ADTにアビラテロンの併用は?/NEJM

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