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エプロディセートはAAアミロイドーシスでの腎機能低下を遅らせる効果がある

腎組織におけるアミロイド沈着は腎機能障害を進行させ、慢性炎症性疾患に続くアミロイドA(AA)アミロイドーシスを合併する。エプロディセートは、アミロイド形成蛋白とグリコサミノグリカンとの相互作用に干渉し、アミロイド原線維の重合と組織への沈着を阻害するようデザインされた新しい化合物。その有効性と安全性を検証した結果、腎機能低下の遅延効果が認められたとする報告が、NEJM誌6月7日号で発表された。二重盲検プラセボ対照試験で安全性とともに確認AAアミロイドーシスは、血清アミロイドA蛋白(SAA)の蛋白分解物の断片がアミロイド原線維として組織に沈着し発現する慢性炎症性疾患の合併症である。Laura M. Demberらエプロディセート検証グループは、AAアミロイドーシスを有する患者を対象に、エプロディセートの有効性と安全性を評価する多施設での無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。27の医療センターから183例を選び、24ヵ月間、エプロディセートまたはプラセボが投与されるよう割り付け、主要な複合エンドポイントは、腎機能の評価または死亡。なお、(1)血清クレアチニン濃度の倍加、(2)クレアチニンクリアランスの50%以上の低下、(3)末期腎疾患への進行または死亡、のいずれかが起こった場合は、疾患の悪化に分類した。疾患悪化のハザード比は0.58324ヵ月間で疾患の悪化がみられたのは、プラセボ投与群94例中38例(40%)に対し、エプロディセート投与群89例中24例(27%)(P=0.06)。研究グループは、エプロディセート投与群の疾患悪化のハザード比は0.58(95%信頼区間0.37-0.93, P = 0.02)であり、また、クレアチニンクリアランスの年平均の低下率が、体表面積1.73m2につき毎分、プラセボ群15.6 mLに対しエプロディセート群10.9 mL(P = 0.02)で、腎機能低下の遅延効果が確認されたと報告した。なお、末期腎不全への進行および死亡リスクに対しては有意な効果が示されなかった。副作用発生率は、投与群とプラセボ群で同程度だった。(武藤まき:医療ライター)

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葉酸サプリは結腸直腸腺腫予防の効果なく、むしろリスク増大について調査が必要

結腸直腸腺腫予防のための葉酸サプリ摂取の有効性と安全性を評価するため実施した無作為化臨床試験の結果が、JAMA誌6月6日号で発表された。葉酸サプリメントが大腸における抗腫瘍性効果を発揮する可能性が各種実験や疫学的調査によって示唆されているが、米国ダートマス・ヒチコック医療センターのBernard F. Cole氏らのポリープ予防研究グループは、1mg/日の葉酸を摂取しても結腸直腸腺腫のリスクは減少せず、反対にリスク増大の可能性についてのさらなる調査が必要だと報告した。葉酸1mg/日とアスピリン低・高用量を無作為二重盲検法で1994年7月から2004年10月にかけて、ダートマス・ヒチコック医療センターなど米国とカナダの9施設での、フェイズ3の無作為化二重盲検プラセボ対照試験。結腸直腸腺腫の病歴はあるが大腸の既往のない男女1,021人が参加した。参加者は1mg/日の葉酸摂取群(n=516)とプラセボ群(n=505)に割り当てられ、さらに、低用量で結腸直腸腺腫の予防効果が報告されているアスピリン摂取群とプラセボ群に割り当てられ、2度にわたる結腸鏡検査(最初は3年後、2回目は3年または5年後)で評価が行われた。主要評価項目は1つ以上の結腸直腸腺腫の発生で、第二評価項目は1 cm以上または浸潤性のと多発性腺腫の発生とされた。効果は見られず、むしろ直腸結腸組織の異常増殖に関与の疑い3年の時点で987人(96.7%)が結腸鏡検査の追跡調査を受け、1つ以上の結腸直腸腺腫の発生率は葉酸摂取群(n=221)が44.1%、プラセボ群(n=206)が42.4%。進行病変の発生率は、葉酸摂取群(n=57)が11.4%、プラセボ群(n=42)が8.6%だった。2回目は607人(59.5%)が追跡調査を受け、1つ以上の結腸直腸腺腫の発生率は葉酸摂取群(n=127)が41.9%、プラセボ群(n=113)が37.2%だった。さらに、進行病変の発生率は葉酸摂取群(n=35)が11.6%、プラセボ群(n=21)が6.9%であり、葉酸摂取群はさらに3つ以上の腺腫を伴う高い危険性、あるいは非結腸直腸の発生に関与していた。研究グループはこの結果から、葉酸サプリの摂取は結腸直腸腺腫の予防に効果がなく、むしろリスクを増大させる可能性について、さらなる調査が必要だと報告した。(朝田哲明:医療ライター)

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急性心筋梗塞治療にP4Pの効果なし

医療の質を向上させるツールとして促進された「治療成績に応じた医療費の支払い(Pay for Performance:P4P)」だが、急性心筋梗塞の治療プロセスとアウトカムの質向上に、P4Pの影響は見られなかったとの報告が、米国デューク大学Center for Clinical and Genetic EconomicsのSeth W. Glickmanらの研究グループによって報告された。本論文の詳細は、JAMA誌6月6日号に掲載されている。治療プロセスとアウトカム向上を判定メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は2003年に、急性心筋梗塞治療の指標づくりを視野に入れた、米国で最大級のパイロット版P4Pプロジェクトに着手している。Glickmanらは、P4Pが急性心筋梗塞の治療プロセスとアウトカムの向上に結びつくかどうかを判定した。対象は、米国心臓学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)のガイドライン「CRUSADE」で登録された、ST非上昇型心筋梗塞患者10万5,383人。2003年7月から2006年6月にかけて治療を受けた者を、P4Pプロジェクトに参加する54病院(P4P参加病院群)あるいは参加していない446の対照病院に分け、重症度分析と観察的手法を用いて分析した。主要評価項目は、(1)ACC/AHAが推奨するクラスIの治療ガイドラインの順守、(2)院内死亡率、の2つが用いられた。P4P参加病院とそれ以外で有意差は認められずP4Pプロジェクトでは6つの療法にインセンティブをつけている。そのうち、退院患者のアスピリン服用コンプライアンスと、禁煙カウンセリングの2つについて、P4P参加病院群の改善率がわずかに高かったものの、有意差は認められなかった。インセンティブ対象外の療法においても改善率に有意差は認められず、院内死亡率の改善割合についても、P4P参加病院群が対照病院と比べて有意に高いとの証拠は得られなかった(オッズ比0.91 vs 0.97, P=0.21)。研究グループは、医療の質向上のプロジェクトに自発的に参加した病院において、P4Pプログラムと急性心筋梗塞の治療プロセスまたはアウトカムの質の向上に明らかな相関は見られず、逆相関があるという証拠も見つからなかったと報告し、プロジェクトにおけるP4Pの役割を規定するには、さらなる研究が必要と結論づけた。(朝田哲明:医療ライター)

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テロや紛争起因のPTSDに認知療法は効果的

テロや紛争に起因するPTSD症状に悩まされる人々に対し、認知療法が有効であるとの報告が、英国ウルスター大学Michael Duffy氏らの研究グループによって寄せられた。宗教対立から長年にわたり無差別テロなどが日常化してきた北アイルランドで行われた無作為化臨床試験で、認知療法を行った患者群に大幅な改善が見られた結果を受けての報告。本論文の詳細は、BMJ誌6月2日号に掲載された。北アイルランドのNICTT基点に行われた無作為化臨床試験テロに起因する精神的外傷(トラウマ)に対する効果的な治療法はほとんど報告されていない。Duffy氏らは、テロや紛争を背景要因とするPTSD症状に苦しむ住民の多い北アイルランドで、PTSDに対する認知療法の有効性を無作為化臨床試験で検証した。対象者は、PTSDに苦しむ人々に、認知療法のプログラムを提供することを目的に設立されたNICTT(The Northern Ireland Centre for Trauma and Transformation)に紹介されてきた患者の中から、主としてテロや紛争に起因する慢性PTSDの患者58人(中央値5.2年、3ヵ月から32年)を選定し、ただちに認知療法を行う群と12週待ちの待機群に振り分けた。治療群には平均5.9セッション、必要に応じてさらに2セッションの治療プログラムが行われた。患者スコア、エフェクトサイズとも大幅改善示す主要評価項目はPTSDスケールおよびベック抑うつ評価尺度を用い、副次評価項目にSDS(Sheehan disability scale)の労働・社会生活面(労働障害、社会生活障害、家庭生活障害)を用いてスコアを判定。12週間後に行った判定では、治療群と待機群では、PTSDスコアでは平均差9.6(95%信頼区間3.6-15.6)、ベック抑うつ評価尺度では同10.1(同4.8-15.3)、自己申告による労働・社会生活面への影響については同1.3(同0.3-2.5)といずれも大幅な改善が認められた。また、治療前後のエフェクトサイズについても、PTSD1.25、抑うつ1.05、労働・社会生活面1.17と、あらかじめ設定した「large」(0.8以上)に該当する変化が見られた。対照群にはまったく変化が見られなかったこと、さらに追跡調査の結果などとも合わせて、認知療法はテロや紛争に起因するPTSDに効果的な治療法であると結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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予防教育とサーベイランスが重篤なスポーツ外傷を防止する

スポーツ外傷防止には、予防教育とサーベイランスシステムが有益かつ必要であるとの報告を、オーストラリアラグビー協会のKenneth L Quarrie氏らが行った。同協会が2001年より導入した「RugbySmartプログラム」以後、プレー中のスクラムに起因する脊髄損傷が大幅に減少しているとのデータを踏まえての報告。本論文の詳細は、BMJ誌6月2日号に掲載された。ニュージーランドで全国的に導入された「RugbySmartプログラム」テロに起因する精神的外傷(トラウマ)に対する効果的な治療法はほとんど報告されていない。Duffy氏らは、テロや紛争を背景要因とするPTSD症状に苦しむ住民の多い北アイルランドで、PTSDに対する認知療法の有効性を無作為化臨床試験で検証した。オーストラリアラグビー協会では2001年より、「RugbySmartプログラム」を全国的に導入している。同プログラムは、ニュージーランドのすべてのラグビー・コーチおよびレフェリーが受講することを義務づけられており、ラフプレーでのフィジカルコンディショニング、外傷マネジメント、安全テクニックについて、プレーヤーに教育する手法を教授するものである。Quarrie氏らはプログラムの効果を、重篤な脊髄損傷の頻度に着目して、ニュージーランドラグビー協会傘下の全プレーヤーを対象に検証した。重篤な脊損は事前予測18.9に対し8件にプログラム導入以降の2001~2005年の5年の間に報告された、身体障害帰結の重篤な脊髄損傷発生件数は8件。1976以降5年ごとに見た発生件数と比べると大幅に減少しており、従前のデータから予測された18.9の値も大きく下回っていた。また8件のうち、スクラムに起因するのは1件のみ。予測値は9.0で明らかに少なかったとしている。スクラム起因の脊髄損傷は、1976~2000年には48%(33/69)を占めていたが、プログラム導入以後の5年では12.5%(1/8)だった。7件については、スクラム以外のプレー(タックル、ラック、モール)起因で、予測値は9.0だった。Quarrie氏らは、プログラム導入と脊髄損傷の減少時期とが一致しており、その要因はスクラム起因の脊髄損傷が減ったこと、プログラムがスクラム以外のプレーにどの程度影響があったのかは不明としながらも、本研究は、スポーツ外傷の予防教育プログラムの有益性、およびその効果を評価する包括的なサーベイランスシステムの必要性を例示するものだと述べている。(武藤まき:医療ライター)

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生体吸収ステントの短期的有用性は示されたが、再狭窄予防作用は疑問

留置後、一定の時間が経過すると消失する「生体吸収ステント」を63例に用いた追跡研究PROGRESS-AMIが、Lancet6月2日号に掲載された。薬物溶出ステントの遠隔期ステント内血栓が問題となって以来期待されている生体吸収ステントだが、リコイル抑制ならびに生体内からの消失には成功したものの、POBA(ステントを留置せずバルーン拡張のみ)と同等の高い再狭窄率には、早くも疑問の声が上がっている。ドイツWest-German Heart Center EssenのRaimund Erbel氏らによる報告を紹介する。ステント内血栓はないが高い再狭窄率Erbel氏らは今回、生体吸収マグネシウムステント冠動脈留置の、有効性と安全性を評価した。対象となったのは、無症候性の冠動脈疾患のde novo病変である。参照血管径は3.0~3.5mm、狭窄度は50~99%、病変長は13mm以内とされた。その結果、63例に71のステントが、前拡張の後、留置された。第一評価項目とされた、留置4カ月後の「心臓死、非致死性心筋梗塞、標的病変血行再建が必要な心筋虚血」の発生率は、23.8%(15例/63例)だった(内訳はすべて「血行再建が必要な心筋虚血」)。ステント内血栓や心筋梗塞、心臓死は留置後1年間、1例も認めなかった。一方、4カ月後までに標的病変血行再建再施行(TLR)が必要となっていたのは41.3%(26例/63例)、1年後には45%に上った。同様にステント領域における血管径狭窄度は49.66%だった。同号のEditorialは上記TLR施行率を、POBAと「同等かそれ以上だ」と評している。ステントの消失には成功し、4カ月後までには血管内エコー法(IVUS)でもステントは描出されなくなっていた。しかし現在、再狭窄予防のため、消失遅延と薬物溶出が試みられているという。また、今回の患者を対象としたさらに長期にわたる追跡の必要性も、上述のEditorialは指摘している。(宇津貴史:医学レポーター)

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葉酸サプリは脳卒中初発を抑制する

脳心血管系リスクとして近年注目されているホモシステインだが、「葉酸サプリメント」を「長期」に摂取し、「血中ホモシステイン濃度」が低下すれば、脳卒中初発のリスクが有意に減少する可能性がある──。このような示唆を含むメタ解析が、Lancet6月2日号に掲載された。米国Northwestern University Feinberg School of MedicineのXiaobin Wang氏らによる報告である。8試験、1万5千例超でメタ解析メタ解析の対象となったのは、「葉酸サプリと心血管系疾患」の相関を少なくとも6カ月間検討した無作為化試験。1996年から2006年の間に公表されたものに限定した。その結果、8試験、16,841例が解析の対象となった。追跡期間は24~72カ月にわたった。その結果、葉酸サプリ群(8,949例)における全脳卒中発症率は4.2%で、5.1%だった対照群(7,892例)に比べ相対リスクは18%有意(p=0.045)に低下していた。8試験における葉酸摂取量は0.5mg/日から15mg/日まで多岐にわたり、また対照群もプラセボや低用量葉酸サプリなど多様だったが、葉酸サプリ群における脳卒中減少に関し、試験間に有意なバラツキはなかった。「20%以上」のホモシステイン濃度低下が必要つぎに層別解析を行うと、葉酸サプリ摂取期間が「36ヵ月以下」では脳卒中発症リスクは対照群と同等だった。同様に、「ホモシステイン低下率が20%未満」、「脳卒中既往あり」でも有意なリスク減少とはならなかった。また、試験前から葉酸強化食を常食している集団でも、葉酸サプリによる有意な脳卒中の減少(アドオン)は認められなかった。葉酸サプリによる脳卒中予防を確認するにはさらなる研究が必要としながらも筆者らは、葉酸強化食を摂取する習慣のない集団では、葉酸サプリが有用ではないかとスペキュレートしている。(宇津貴史:医学レポーター)

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