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97%の医療機関がED診察に工夫、院内処方や問診票の活用でプライバシーに配慮

日本イーライリリー株式会社が行ったED診療に関する実態調査結果によると、96.9%の医療機関がED治療を受ける患者が受診しやすい環境づくりのため、プライバシーの配慮等に取り組んでいる実態が分かった。工夫のトップは「院内処方」、次いで「ED相談の希望を問診表でチェック」、「ED治療希望カードなどの設置」。来院理由を言い出しづらい患者でも、黙って意思表示ができるよう配慮している。また患者の年齢層の平均は33~73歳と、幅広い年代の人が受診している。本調査での最年少は16歳、最高齢は94歳だったという。 初診時の診察時間は、「10分以内」が66.0%を占め、主な診察項目は「問診」を中心に必要に応じて、「血圧測定」、「心電図」が行われていた。詳細はプレスリリースへhttp://www.lilly.co.jp/CACHE/news_2008_27.cfm

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アリスキレン、肥満の高血圧患者において利尿剤よりも有意な降圧効果を示す

ノバルティス ファーマ株式会社は、新しいクラスの直接的レニン阻害剤(Direct Renin Inhibitor:DRI)アリスキレン(製品名:米国ではTekturna、それ以外ではRasilez)が、肥満の高血圧患者において、利尿剤ヒドロクロロチアジド(HCT)単独よりも有意に血圧を低下させることが確認されたと発表した。2008年度欧州心臓病学会(ESC: European Society of Cardiology)で発表された事後解析では、アリスキレン300mgを単独で使用した場合、座位収縮期血圧が平均で16.7mmHg低下したということが示された。これに対し、HCTによる座位収縮期血圧の低下は平均で12.2mmHgだった。また、拡張期血圧の低下については、HCTの9.1mmHgに対してアリスキレンは12.3mmHgだった(p

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米FDA、抗がん剤RAD001を優先審査品目に指定

ノバルティス ファーマ株式会社は、抗がん剤RAD001(一般名:エベロリムス)が進行性腎細胞がんを対象に米FDA(食品医薬品局)から優先審査品目に指定されたと発表した。RAD001 は、現在の標準治療が無効となった進行性腎細胞がんの患者において、初めて有効な治療薬となる可能性があることから、今回の優先審査品目の指定に至ったとのこと。さらに欧州とスイスで承認を申請。日本では申請準備中。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080910_02.html

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糖尿病網膜症にかかるカンデサルタンの大規模臨床試験DIRECTの結果が発表される

 武田薬品工業株式会社は、第44回欧州糖尿病学会(EASD:European Association for the Study of Diabetes)において、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)カンデサルタン(日本製品名:ブロプレス)の糖尿病網膜症に対する発症予防と進展抑制効果を検討した大規模臨床試験DIRECTの結果が報告されたと発表した。それによると、カンデサルタン32mg投与群は、主要評価項目ではプラセボ投与群に比し有意差は認めらなかったものの、1型糖尿病患者において糖尿病網膜症発症を抑制する傾向、ならびに2型糖尿病患者において糖尿病網膜症を改善するという有益な知見が得られたとのこと。

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高まる脳卒中リスク、一般市民の2割は肥満傾向、5割は高血圧

社団法人日本脳卒中協会とファイザー株式会社が脳卒中週間(毎年5月25日~31日)に合わせて行った無料検査イベント(2008年5月8日~28日、東京、広島、大阪、仙台、名古屋の5都市で開催し、合計3,173人が来場)の結果、一般市民の2割は肥満傾向、5割は高血圧であることが分かった。 無料検査イベントでは、脳卒中リスクに関連する検査(血圧、体脂肪率、BMI、腹囲、頸動脈エコー、血管年齢測定)や、喫煙に関する検査、脳卒中後遺症の擬似体験、医師による無料相談などを実施。来場者でBMI測定を受けた人の2割(1,793人中423人)はBMI値が肥満と判定される25を超え、また血圧測定をした人の5割(2,004人中1,002人)が高血圧の診断基準に該当。また、検査では頸動脈エコー検査と動脈硬化の程度で血管年齢が判定できる血圧脈波検査も実施。頸動脈エコー検査では、高コレステロール、高血圧などが原因で発生するおかゆ状の隆起であるプラーク(脂のかたまり)が血管壁に発見されたことで、自身の脳卒中リスクを初めて認識した人もいれば、血管年齢測定では約半数の人が実年齢以上であり、動脈硬化が進行している可能性が示唆された。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_09_11.html

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身体活動が高齢者の認知機能低下を改善する

身体活動が認知機能低下のリスクを低減することは、多くの観察研究が示しているところだが、エビデンス(無作為試験に基づく)は十分ではない。オーストラリア・メルボルン大学のNicola T. Lautenschlager氏らが、1つのエビデンスとなる研究成果を報告した。JAMA誌2008年9月3日号より。24週間にわたる身体活動プログラムの効果を測定本研究はオーストラリア西部の大都市パースにおいて、2004~2007年にかけて実施された。自ら記憶に問題があると申し出たが、認知症の基準は満たさない50歳以上の被験者311例に対して、試験適格のスクリーニングを行い、170例を(不適格89例と辞退52例を除いた)、24週間にわたって教育・通常ケアを受ける群と、在宅の身体運動プログラムを受ける群に無作為に割り付けた。このうち138例が18ヵ月間の評価を終了。評価にあたって認知機能の査定担当者が、被験者集団の構成員が特定できないよう配慮された。主要評価項目は、「アルツハイマー型認知症評価尺度」の変化と、18ヵ月後の「認知度Subscale(ADAS-Cog)」のスコア(possible range:0~70)とした。通常ケア群の認知度が悪化したのに介入群では改善ITT解析(包括解析)の結果、介入終了時点のADAS-Cogスコアは、介入群では0.26ポイント(95%信頼区間:-0.89~0.54)改善したが、通常ケア群は逆に1.04ポイント(0.32~1.82)悪化。介入群と対照群の間の転帰尺度の絶対差は、-1.3ポイント(-2.38~-0.22)だった。18ヵ月後のADAS-Cogスコアは、介入群では0.73ポイント(-1.27~0.03)、通常ケア群は0.04ポイント(-0.46~0.88)改善した。「単語の思い出し遅延度」と「臨床的認知症尺度」の合計指標はわずかに改善されたが、「単語を完全にすぐに思い出せる」「計数コードの正確性」「流暢に話せる」、またベックのうつ評価スコア、SF-36(Medical Outcomes 36-Item Short-Form)評価尺度による身体面・精神面には、有意な変化は見られなかった。これらを踏まえてLautenschlager氏らは「記憶障害の自覚がある年配者を対象とした本研究では、6ヵ月間の身体活動プログラムは、18ヵ月間の追跡調査期間中、適度な認知改善効果を提供した」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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造影剤腎症予防に対する炭酸水素ナトリウムvs塩化ナトリウム

造影剤腎症(CIN)の有望な予防戦略として、炭酸水素ナトリウムの造影前投与による水分補給が示唆されている。CINは一般に長期入院、保険医療費の増加、高い有病率と死亡率の原因となる。コロンビア大学医療センターのSomjot S. Brar氏らの研究グループは、炭酸水素ナトリウムのほうが塩化ナトリウムより、CINを抑える効果が優れているかどうかを判定するため、中等度から重度の慢性腎臓病(CKD)で、冠動脈造影を受ける患者を対象に臨床試験を行った。JAMA誌2008年9月3日号より。冠動脈造影を受けたCKD患者353例を2群に割り付け試験は2006年1月2日から2007年1月31日にかけて、無作為対照1重盲検法で行われた。対象患者は、米国の1ヵ所のセンターで冠動脈造影を受けた、安定期にあるCKD登録患者353例。18歳以上、推算糸球体濾過率(eGFR)60mL/分/1.73m2体表面積以下のCKD患者で、同時に真性糖尿病、鬱血性心不全、高血圧のうち1つ以上がある患者、あるいは75歳以上の患者が含まれた。患者は塩化ナトリウム投与群(n=178)と炭酸水素ナトリウム投与群(n=175)にランダムに割り付けられ、冠動脈造影の1時間前に13mL/kg、手技の間は毎時1.5mL/kgに減少し、造影手技は4時間で完了するよう管理された。主要評価項目は、コントラスト曝露後1~4日のeGFR 25%以上の低下とした。患者年齢の中央値は71歳(四分位間範囲65~76歳)で、45%に真性糖尿病がみられた。炭酸水素ナトリウムと塩化ナトリウムで有意差なし主要評価項目は、炭酸水素ナトリウム群が13.3%、塩化ナトリウム群が14.6%だった(相対リスク:0.94、95%信頼区間:0.55~1.60、P=0.82)。「炭酸水素ナトリウム投与群」対「塩化ナトリウム投与群」患者の死亡率は1.7%対1.7%、透析導入率は0.6%対1.1%、心筋梗塞イベント発生率は0.6%対0%、脳血管イベント発生率は0%対2.2%)だった(すべて投与30日後)。30日~6ヵ月後ではそれぞれ0.6%対2.3%、0.6%対1.1%、0.6%対2.3%、そして0.6%対1.7%で有意差は認められなかった(すべてP>0.10)。以上の結果から研究グループは、炭酸水素ナトリウムの術前投与のほうが塩化ナトリウムよりCINの予防効果が優れていることを示すデータは得られなかったと結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

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3割の人が病気で通院、国民生活基礎調査の概況

厚生労働省統計情報部が発表した平成19年「国民生活基礎調査の概況」によると、病気やけがなど自覚症状を持つ人は32・8%で、3年前の04年調査の31・7%より増加した。また、病気等で通院している人は33・4%で、34歳以下では3年前より減少しいるものの、35歳以上では増加していた。なかでも35~54歳の働き盛りの増加が目だった。疾患として多かったのは高血圧症で、男性では「糖尿病」「歯の病気」「腰痛」「目の病気」、女性は「腰痛症」「目の病気」「歯の病気」「肩こり症」の順。 平成19年国民生活基礎調査の概況はこちらhttp://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa07/index.html

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国産初、カプセル内視鏡の製造販売承認を取得

オリンパスメディカルシステムズ株式会社は、日本メーカー初となる小腸用「オリンパスカプセル内視鏡システム(愛称:Endo Capsule)」について、厚生労働省から日本での製造販売承認を2008年9月8日に取得したと発表した。カプセル(外径11mm、長さ26mm)に高解像度CCD、自動調光機能を搭載し、内視鏡メーカーならではの通常内視鏡に匹敵する高画質を実現したという。詳細はプレスリリースへhttp://www.olympus.co.jp/jp/news/2008b/nr080910capsulej.cfm

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緩和化学療法の生存ベネフィットは患者に十分に知らされているか

患者の多くは症状の緩和を目的とした化学療法(緩和化学療法)の生存ベネフィットについて明確な情報を与えられていないことが、イギリスで実施された調査で判明した。生存ベネフィットは緩和化学療法に関する臨床試験の主要評価項目とされることが多く、患者の意思決定やインフォームドコンセントに及ぼす影響も大きい。最近のイギリスの保健政策ではインフォームドコンセントが重視されているという。Bristol大学社会医学科のSuzanne Audrey氏が、BMJ誌2008年7月31日号で報告した。患者と腫瘍医を対象に、コンサルテーションのデータを記録研究グループは、治療法を決定するコンサルテーション中に腫瘍医は緩和化学療法の生存ベネフィットをどの程度患者に伝えているかを調査する質的研究を実施した。イギリス南西部の教育病院および地域総合病院において、実際のコンサルテーションを観察しデジタルデータとして記録した。対象は、患者37例(進行非小細胞肺12例、膵13例、結腸・直腸12例)および腫瘍医9名(コンサルタント4名、記録担当5名)であった。すべてのデータは完全に記録され、匿名化され、電子的にコード化された。37例中26例で明確な説明なしコンサルテーション中に、生存ベネフィットについて患者に伝えられた情報は、数値データ(「約4週間」)、時間スケールの知識(「数カ月の延長」)、あいまいな言及(「多少延長します」)、まったく言及しないなどであった。37例中26例(70.3%)のコンサルテーションでは、生存ベネフィットに関する話し合いは不明確であるか、まったく言及されなかった。著者は、「患者の多くが、緩和化学療法の生存ベネフィットについて明確な情報を与えられていない」と結論したうえで、「意思決定やインフォームドコンセントを支援するために、腫瘍医は生存ベネフィットを含め緩和化学療法の利点および限界について詳細な説明を行うよう勧告する」とし、「腫瘍医のトレーニングに緩和化学療法の生存ベネフィットを患者に伝える方法に関するガイダンスを加えるべき」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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肥満女児は肥満女性に育つ?:日本人女性の場合

日本人女性では、小児期に過体重のコホートが必ずしも若年成人期まで過体重のまま成長するわけではないことが、日本の国民栄養調査のレトロスペクティブな解析で明らかとなった。現在、小児肥満が世界的な規模で急増している。小児期の肥満は成人期の肥満の原因となり、肥満関連疾患の発症率を高めるとされるため、小児肥満は公衆衛生学上の重大な関心事であるという。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学のIkuko Funatogawa氏が、BMJ誌2008年8月21日号で報告した。日本人女性の世代別のBMIを比較研究グループは、日本人女性の世代別(小児期~思春期~若年成人期)のBMIの増加曲線を1930~1999年に誕生した出生コホートにおいて比較するために、1948~2005年に実施された反復横断的年次全国調査(国民栄養調査)のレトロスペクティブな解析を行った。対象は1~25歳の日本人女性7万6,635人、主要評価項目はBMIとした。最近は、小児期に過体重で、成人期には痩身の傾向全般的に、日本人女性のBMIは就学前の児童期(2~5歳)には低下し、小児期(6~12歳)および思春期(13~18歳)に増加に転じ、若年成人期(19~25歳)にはわずかに低下していた。しかし、出生コホートの年代によってBMI増加曲線に違いが見られた。最近の年代のコホートは小児期には過体重で、成人期に痩身となる傾向が見られた。幼小児期のBMIの増加は、古い年代よりも最近の年代のコホートのほうが大きかった。しかし、思春期にはBMIの増加は小さくなり、若年成人期にはBMIが減少し始めた。ピーク値は古い年代よりも最近の年代のコホートで低かった。若年成人期女性のBMIの減少はあらゆる年代の出生コホートで類似していた。著者は、「日本人女性では、小児期に過体重のコホートが、必ずしも若年成人期まで過体重のまま成長するわけではない」と結論し、「肥満およびやせの研究では、特定の年齢におけるBMIの長期的な傾向だけでなく、広範な年齢層の出生コホートのBMI増加曲線をも考慮すべきである」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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診療の質に応じた報奨制度が医療格差の解消に寄与

イギリスの診療の質に応じた報奨制度は、貧困に関連した医療格差の解消に実質的に寄与することが、制度開始3年間のデータ解析から明らかとなった。“quality and outcomes framework”はイギリスの一般医に対する診療報酬支払い制度で、診療の質的な指標に対する達成度の評価に基づく。しかし、貧困地域よりも富裕地域の診療報酬が高いという事態になれば、この制度はケア提供の格差をむしろ増大させかねないという。Manchester大学国立プライマリ・ケア研究/開発センターのTim Doran氏が、Lancet誌2008年8月30日号(オンライン版2008年8月11日号)で報告した。経済的な差と診療の質の関連を評価研究グループは、“quality and outcomes framework”の開始から3年間における社会経済的な差と提供された診療の質の関連について評価した。解析には、イギリスの一般診療に導入されたコンピュータシステムから自動的に抽出された7,637件のデータ、国勢調査、2006年度一般医療総計データベースの診療および患者の背景データが用いられた。各地域の経済的な差に基づいて診療状況を同じサイズの5つの群に分けた。診療達成度は、診療目標が的確に達成された患者の割合と定義した。“quality and outcomes framework”の開始から3年間(2004~05年度、2005~06年度、2006~07年度)における48項目の診療活動指標についてその全体的な達成度を算出した。診療達成度は年ごとに改善、医療格差も短縮報告された全体の診療達成度の中央値は、1年目が85.1%、2年目が89.3%、3年目が90.8%であった。1年目は、貧困度が高い地域ほど診療の達成度が低かった[五分位の第1群(経済的に最も裕福なグループ):86.8%~第5群(最も貧困なグループ):82.8%]。1年目に比べ3年目では、診療達成度の中央値は第1群が4.4%上昇し、第5群は7.6%増加しており、両群間の格差は1年目の4.0%から3年目には0.8%にまで短縮した。著者は、「意図しない結果に陥る危険はまだある」としつつも、「この診療の質に応じた診療報奨制度は、貧困に関連したケア提供の格差の解消に、実質的に寄与する可能性が示唆された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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タミフルは有効:インドネシアの鳥インフルエンザ感染実態調査を踏まえて

インドネシアで実施された高病原性鳥インフルエンザA (H5N1型インフルエンザ)感染死の実態調査により、感染例を同定するにはより優れた診断法の開発と患者管理法の改善が必要であり、それによってオセルタミビル(販売名:タミフル)による早期治療が可能となり死亡率の低下につながることが示された。H5N1型インフルエンザ感染例は致死率がきわめて高く、そのほとんどがインドネシアで発見されている。同国保健省疾病管理・環境衛生総局のI Nyoman Kandun氏が、Lancet誌2008年8月30日号(オンライン版2008年8月14日号)で報告した。127例を対象に死亡関連因子を調査研究グループは、インドネシアにおけるH5N1型インフルエンザによる死亡関連因子について調査した。2005年6月~2008年2月の間に、127例のH5N1感染例が同定された。個々の症例の調査・管理を行うチームが派遣され、症例調査報告や患者、家族、鍵となる人物へのインタビューにより疫学および臨床データが収集された。死亡率81%、早期治療により死亡率が低下H5N1型インフルエンザ感染例127例のうち103例(81%)が死亡した。入院までに要した時間の中央値は6日(1~16日)であった。データが得られた入院患者122例ののうち、発熱が121例(99%)、咳嗽が107例(88%)、呼吸困難が103例(84%)に見られたが、発症から2日間はほとんどの患者が非特異的な症状を呈し、発熱と咳嗽の双方が見られたのは31例、発熱と呼吸困難を示したのは9例にすぎなかった。発症からタミフル治療までに要した時間の中央値は7日(0~21日)であった。発症後2日以内に治療が開始された1例は生存しており、2~4日に治療を受けた11例のうちでは4例(36.4%)が、5~6日に治療を受けた16例では6例(37.5%)が、7日以降の44例では10例(18.5%)が生存していた(p=0.03)。2日以内に治療を開始した場合は、5~6日以降に開始した症例に比べ死亡率が有意に低かった(p<0.0001)。これらの結果をふまえ、著者は「早期にタミフル治療を開始すれば死亡率が低減する可能性があり、H5N1型インフルエンザ感染例を同定するにはより優れた診断法を開発し、患者管理法を改善する必要がある」としている。(菅野守:医学ライター)

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乳がんの最新治療を講演

2008年9月3日、都内で大鵬薬品主催のオンコロジーセミナーが開催された。その中で聖路加国際病院 中村清吾氏、日本医科大学 芳賀駿介氏、坂元記念クリニック 坂元吾偉氏の3氏がそれぞれの立場で最新の乳がん診療の情報について解説した。聖路加国際病院 ブレストセンター長 中村清吾氏乳がんの治療はがん細胞の増殖メカニズムが解明されTargeted Therapyへ移行した。中でもハーセプチンは乳がんの20%に見られるHER2陽性症例の標準治療である。加えて、術後の患者でも半数の再発を予防することが報告され、本邦でも本年2月から術後補助療法の適応が認められている。一方、乳がん学会でも班研究を実施しているTriple Negative乳がん(ER感受性-、PgR感受性-、HER2-)では、通常の抗がん剤が無効という症例もあり課題が残る病型である。そのような中、血管新生阻害薬であるアバスチンは再発乳がんの再発抑制に関し良好な結果が報告されるなど、Triple Negative乳がんのキードラッグとしても期待される。日本での乳がんへの保険適応も早期に望まれる。その他、新たな分子標的治療薬ラパチニブなどが登場する。ホルモン感受性、HER2、血管新生阻害薬、他の分子標的治療薬など選択肢が増え、個別化治療はより細密化してくると考えられる。また、化学療法適応の指標として21種の遺伝子の組み合わせにより再発リスクを評価するOncotypeDXという遺伝子検査法について紹介した。この検査は、同じステージの乳がんでもリスクの重度度を識別し、化学療法の実施の意思決定ツールとなる。米国で爆発的に普及、保険未承認ではあるが日本でも幾つかの先進施設で用いられている。日本医科大学 乳腺科 芳賀駿介氏乳がんにおけるリンパ節郭清は、その後の治療の指標となる。しかし、郭清によるリンパ浮腫、上肢内側知覚障害、術後のリハビリテーションなど患者さんへの負担とともに入院期間も増加する。そこで不要な腋下リンパ節郭清を省略するためセンチネルリンパ節生検が実施されるようになってきている。乳がん学会認定施設でのアンケートの結果、87%の施設がセンチネルリンパ生検を実施、行っていない施設でも殆どが実施したいと考えていることがわかった。センチネルリンパ節生検の実施により患者さんの身体的負担の軽減と医療費の削減の双方が実現できる。この手段を保険承認させるため乳がん学会では多施設協同試験を実施し、試験結果を厚生労働省に提出する。中間報告は9月の乳がん学会にて報告予定である。坂元記念クリニック 乳腺病理アカデミー 坂元吾偉氏乳がんの確定診断は病理組織診断である。実は、治療を受ける前に本当に乳がんなのかを確認することが重要であるともいえる。乳腺病理には経験が必要である。また、他のがんとの細胞異型の尺度の違い、乳管腺腫などの新たな疾患概念、組織型だけでも39、亜型も含めると100以上という病型の多彩さなどから乳腺病理は非常に難しいものであるといえる。最近は針生検の普及から検体が小さくなり更に難易度が上昇している。しかし、日本の病理医は米国の1/5というのが現状。病理専門医のいない施設は多く見られ、患者さんだけなく、臨床医さらには病理医も困惑している状況である。乳腺病理医の確保が乳がん治療における非常に重要な課題といえる。経験ある病理医であればリスクを分けることができる。実際、St.Gallen Conferences 2007での7つのリスクカテゴリーのうち6つは病理診断の結果で明らかになるものであり、病理医の適切な診断により適切な治療が可能になる。そのような中、坂元氏は坂元記念クリニックを設立した。08年4月から病理診断科が標榜可能になったため、乳腺病理を唯一標榜。精度の高い乳腺病理診断を目指し、臨床医病理医に正しい情報を提供することを目的とする。坂元氏は、乳腺病理診断が正しく行われることは社会全体にとっても有益であると考えると語った。《参考リンク》第16回日本乳学会総会http://www.jbcs.gr.jp/meeting/soukai.html坂元記念クリニックhttp://www.a-bp.net/index.html(ケアネット 細田雅之)

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多発性骨髄腫の初期治療にはMP+ボルテゾミブ併用療法

これまで、高用量治療の適応とならない多発性骨髄腫に罹患した患者の標準治療はメルファラン+プレドニゾン(MP)療法であったが、08年6月に米国FDAは新たに、再発多発性骨髄腫やマントル細胞リンパ腫の治療剤として使用されていたボルテゾミブ(国内販売名:ベルケイド)を多発性骨髄腫の第一選択薬として承認した。本稿は、サラマンカ大学病院(スペイン)のJesus F. San Miguel 氏らによる第III相臨床試験の結果。NEJM誌2008年8月28日号に掲載された。MP療法群とボルテゾミブ併用群にランダム割り付け試験は、多発性骨髄腫の患者で未治療の682例を、標準治療であるMP単独療法群(メルファラン9mg/m2体表面積、プレドニゾン60mg/m2体表面積)と、MP+ボルテゾミブ(1.3mg/m2体表面積)の併用療法群にランダムに割り付け行われた。試験期間はMP療法での標準治療期間である6週間を1サイクルとする9サイクルとし、1~4サイクルは1、4、8、11、22、25、29、32日目に、5~9サイクルは1、8、22、29日目に投与した。第一エンドポイントは無増悪期間とした。無増悪期間、完全寛解率ともボルテゾミブ併用群で著効試験の結果、MP+ボルテゾミブ併用群(ボルテゾミブ群)の無増悪期間は24.0ヵ月であったのに対し、MP単独群(対照群)は16.6ヵ月だった(ボルテゾミブ群のハザード比:0.48、P

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脳由来神経栄養因子はヒトのエネルギーホメオスタシスで重要な働き

脳由来神経栄養因子(BDNF)が、動物モデルでは重要なエネルギーホメオスタシスであることはわかっているが、ヒトのエネルギーバランスにおける役割についてはほとんど明らかにされていない。 染色体11p14.1上の遺伝子であるBDNFのヘテロ接合性の欠失は、ゲノムサイズで約4Mbセントロメア側に隣接する染色体11p13上の遺伝子WT1とPAX6の単機能不全を引き起こし、やがてウィルムス腫瘍、無虹彩症、尿生殖器異常、精神遅滞(WAGR)症候群を引き起こす。過食症と肥満はWAGR症候群患者のサブグループで観察されていることから、米国NIHのJoan C. Han氏らの研究グループは、WAGR症候群におけるサブ表現形としての肥満はBDNFの単機能不全を誘発する染色体欠失に起因していると仮定し遺伝子解析を行った。NEJM誌2008年8月28日号より。患者の58%にBDNF染色体が欠失と高BMIを確認国際WAGR症候群協会を通して集められたWAGR症候群患者33例について、遺伝子型と肥満度指数(BMI)の関係を調査した。各々の染色体欠失の程度を、ゲノムのハイブリッド形成が比較可能なオリゴヌクレオチドを用いて判定した。その結果、対象患者の11p染色体の欠失は、1.0から26.5Mbまで変動し、患者の58%にヘテロ接合BDNF染色体の欠失があった。これらの患者は幼児期の全体を通じて、BDNFの損傷のない患者よりもBMI zスコアがかなり高かった。ヘテロ接合BDNF染色体欠失患者の8~10歳の平均(±SD)zスコアは2.08±0.45だったのに対し、BDNF染色体欠失のない患者は0.88±1.28(P = 0.03)。10歳までに肥満(BMIが年齢・性別の95パーセンタイル以上)が認められたのは、ヘテロ接合BDNF染色体欠失患者では100%(95%信頼区間:77~100)で、欠失のない患者では20%(3~56)だった(P

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憩室性疾患とナッツ等やトウモロコシの摂取は無関係

憩室は欧米に多い消化器系疾患で、医師はこれまでさしたる根拠もなく、炎症や出血など合併症のリスクを減らすためとして、患者にナッツやトウモロコシ、ポップコーン、種子類を食べないよう、しばしば勧告してきた。米国人男性を対象に、ナッツやトウモロコシ、ポップコーン摂取と憩室の関連を調べていたワシントン大学医学部(シアトル市)のLisa L. Strate氏らは「ナッツなどの接取と憩室に関連はなく、勧告は見直すべき」と報告した。JAMA誌2008年8月27日号より。40~75歳の米国人男性4万7,228人を18年間追跡本研究は「Health Professionals Follow-up Study」として、1986~2004年に40歳~75歳の米国人男性4万7,228例を対象に実施された大規模前向き研究。被験者はベースラインで憩室症または憩室合併症や、炎症性大腸疾患をもたない者で、期間中は2年に1回、医学的な情報について、また4年に1回は食事に関する情報についてアンケート調査を行った。新たに憩室症か憩室炎と診断された男性には、補足的なアンケートが郵送された。主要評価項目は憩室炎と憩室性出血。ナッツ・ポップコーン摂取量と憩室炎リスクは逆相関18年間の追跡調査期間中、新たに憩室炎801例と憩室性出血383例が見られたが、ナッツおよびポップコーン摂取と憩室炎のリスクとの間には逆相関が認められた。各食物摂取量が最少(月1回未満)の男性と比べて、最多(少なくとも週2回)の男性の多変量リスクは、ナッツで0.80(95%信頼区間:0.63~1.01、傾向P=0.04)、ポップコーンでは0.72(0.56~0.92、0.007)だった。トウモロコシ接取と憩室炎の関連はなく、ナッツやトウモロコシ、ポップコーン摂取と憩室性出血または単純憩室症の関連も認められなかった。Strate氏は、「本研究では、ナッツやトウモロコシ、ポップコーン摂取が、憩室症や憩室合併症のリスクを増大することは認められなかった。憩室合併症を予防するためと称して、これらの食品を回避すべきという勧告は再考されなければならない」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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ネット販売のアーユルヴェーダ剤から有害金属類を検出

「アーユルヴェーダ(Ayurveda)」はインドの伝統医学だが、インターネットを通じて米国内で購入できるアーユルヴェーダ剤の5分の1から、鉛と水銀、ヒ素が検出されたとボストン・メディカル・センターのRobert B. Saper氏らが報告した。特に、薬草を金属や鉱物、真珠などと組み合わせる「rasa shastra」製法に起因する可能性があると指摘している。JAMA誌2008年8月27日号より。25サイトから230品目を購入し成分など比較5つの検索エンジンで、「アーユルヴェーダ」「アーユルヴェーダ薬剤」を検索したところ、伝統的アーユルヴェーダのハーブや成分の調合を示し、経口使用をうたい、インターネット購入可能なウェブサイト25ヵ所を特定。2005年8月~10月にアーユルヴェーダ製品673品目から無作為に230品目を選び購入した。金属含有量はX線蛍光分光法で測定し、有害金属を含む製品の割合を比較した。製造業者またはウェブサイトの供給業者の国籍、「GMP=Good Manufacturing Practices」(適正製造規範)に準拠しているかどうか、製法が「rasa shastra」か否かも調べた。水銀含有率が異常に高いrasa shastra製剤発注した薬剤230種中193種が届き、分析したところ、金属を含有する製品の割合は全体の20.7%(95%信頼区間:15.2~27.1%)だった。国別では米国製が21.7%(14.6~30.4%)、インド製は19.5%(11.3~30.1%)だった(P=0.86)。これら金属含有製品はすべて、有害金属の1日摂取許容量の基準を超過するものが1つ以上含まれていた。また米国製とインド製のアーユルヴェーダ薬剤の5分の1から鉛、水銀、ヒ素が検出されている。rasa shastra製剤は非rasa shastra製剤に比べて金属含有率がより大きく(40.6%対17.1%、P=0.007)、とりわけ鉛(中央値11.5μg/g対7.0μg/g、P=0.03)と水銀(同20800μg/g対34.5μg/g、P=0.04)が高濃度だった。金属を含有する製品のうち95%は米国のウェブサイトで販売され、75%は「GMP」をうたっていた。(朝田哲明:医療ライター)

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現代女性の体の不調と生活行動の実態を調査

花王株式会社ヒューマンヘルスケア研究センターは、女性が経験する体の不調と生活行動、生活環境の関係を調査し、その結果、「動かない生活行動」で増える不調と「動く生活行動」で増える不調とは、種類が異なることがわかったと発表した。長時間のパソコン作業のような「動かない生活行動」が多い女性は、「肩こり、冷え症、胃腸の不調、目の疲れ、寝つきが悪い、生理痛」などの一般に「不定愁訴」と呼ばれるような不調を、動かない時間が長いほど多くの女性が経験していた。反対に、体を動かす生活行動が多い女性では、“疲れ、腰や関節などの痛み”だけを、動く時間が長いほど多くの女性が経験していた。さらに、ストレスや寒さなどの生活環境も、これらの不調に影響していると考えられるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.kao.co.jp/corp/news/2008/3/n20080902-01rd.html

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抗悪性腫瘍剤「タキソテール注」 前立腺がんへの適応追加承認を取得

サノフィ・アベンティス株式会社は、8月29日、抗悪性腫瘍剤「タキソテール注」(一般名:ドセタキセル水和物)について、厚生労働省より「前立腺」の効能または効果の追加に関し、医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。対象となる患者は、外科的または内科的去勢術を行い、進行や再発が確認された前立腺がんの患者。本適応症の追加に関して、2007年2月28日に医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、同年5月10日に優先審査品目に指定されていた。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/A30E3AB0-F222-42BE-AB1E-8695E84B7937.pdf

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