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心房細動患者の脳卒中、全身性塞栓症予防に、rivaroxabanはワルファリンに対して非劣性

心房細動患者の脳卒中または全身性塞栓症予防に関して、経口第Xa因子阻害薬rivaroxabanはワルファリンに対して非劣性であることが明らかにされた。重大出血のリスクについては両者間に有意差はなく、頭蓋内および致死的出血の頻度はrivaroxabanのほうが少なかった。米国・Duke Clinical Research InstituteのManesh R. Patel氏らROCKET AF治験グループによる二重盲検無作為化試験の結果、報告した。NEJM誌2011年9月8日号(オンライン版2011年8月10日号)掲載報告より。脳卒中リスクの高い非弁膜症性心房細動患者1万4,264例を対象に試験は、脳卒中リスクの高い非弁膜症性心房細動患者1万4,264例を、rivaroxaban投与群(20mg/日)または用量調整(目標INR:2.0~3.0)したワルファリン投与群に無作為に割り付け行われた。主要エンドポイントは、脳卒中または全身性塞栓症の発生であった。主要解析はper-protocol、as-treatedで、rivaroxabanのワルファリンに対する非劣性を検討するようデザインされ解析が行われた。rivaroxabanの非劣性と頭蓋内・致死的出血の抑制を確認主要解析の結果、主要エンドポイント発生は、rivaroxaban群188例(1.7%/年)、ワルファリン群241例(2.2%/年)で、rivaroxaban群の非劣性が認められた(rivaroxaban群のハザード比:0.79、95%信頼区間:0.66~0.96、非劣性に関するP<0.001)。intention-to-treat解析では、主要エンドポイント発生は、rivaroxaban群269例(2.1%/年)、ワルファリン群306例(2.4%/年)であった(ハザード比:0.88、95%信頼区間:0.74~1.03、非劣性に関するP<0.001、優越性に関するP=0.12)。重大出血または重大ではないが臨床的意義のある出血は、rivaroxaban群で1,475例(14.9%/年)、ワルファリン群で1,449例(14.5%/年)発生した(ハザード比:1.03、95%信頼区間:0.96~1.11、P=0.44)。頭蓋内出血(0.5%対0.7%、P=0.02)と致死的出血(0.2%対0.5%、P=0.003)は、rivaroxaban群のほうが有意に少なかった。(朝田哲明:医療ライター)

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黒人女性によくみられる腹部肥満と死亡リスク

米国・ボストン大学Slone疫学センターのDeborah A. Boggs氏らはBMI値と腹囲、死亡リスクとの関連について、これまで入手データが限られていた黒人女性5万人超を対象とする大規模な前向き調査を行った。結果、白人でみられる傾向と同じように、BMI 25.0以上で、死亡リスクが数値増大とともに上昇することが認められたという。また、黒人女性では腹囲肥満がよくみられ、非肥満(BMI 30.0未満)でのみ腹囲が死亡リスク上昇と関連している特性も明らかになった。NEJM誌2011年9月8日号掲載報告より。BMI、腹囲と死亡リスクの関係を前向き評価本研究の対象となった黒人女性以外のBMIと死亡リスクとの関連については、最近のプール解析の結果で、ヨーロッパ系集団ではBMI 25.0以上で死亡リスクが上昇すること、東アジア人ではBMI増加と死亡リスク上昇との関連はより弱く、また南アジア人ではBMI増加と死亡リスク上昇には関連が認められないことが示されている。一方、黒人については、BMI 35.0以上で死亡リスクが上昇するという非常に高値での関連が示唆されているにすぎなかった。Boggs氏らは、研究登録時に21~69歳で、がんまたは心血管疾患の既往歴がない5万1,695人の黒人女性について、BMIおよび腹囲と死亡リスクの関係を前向きに評価した。解析は「黒人女性の健康研究」(Black Women's Health Study)の1995年から2008年までの追跡調査データに基づいて行われ、多変量比例ハザードモデルにてハザード比と95%信頼区間を推定し評価された。BMI 25.0以上で腹囲と死亡リスク上昇と関連追跡調査期間中、確認された1,773例の死亡のうち770例は喫煙歴のない3万3,916人の集団においての発生だった。この非喫煙者での死亡リスクは、BMI 20.0~24.9で最も低く、それより上のBMIの人では、その値が増加するほど死亡リスクは上昇した。BMI基準カテゴリーを「22.5~24.9」とした場合の、多変量補正後ハザード比は、「25.0~27.4」で1.12(95%信頼区間:0.87~1.44)、「27.5~29.9」で1.31(同:1.01~1.72)、「30.0~34.9」で1.27(同:0.99~1.64)、「35.0~39.9」で1.51(同:1.13~2.02)、「40.0~49.9」で2.19(同:1.62~2.95)であった(傾向のP<0.001)。また、BMI 30.0未満の女性では、腹囲の増大が、全死因死亡リスクの上昇と相関していた。(朝田哲明:医療ライター)

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内科レジデント、精神的・肉体的疲弊が強い実態が明らかに:全米調査

内科レジデントに関する全米調査の結果、そのQOLは最適状態にはほど遠く、燃え尽き症候群が一般的にみられることが明らかになった。メイヨークリニックのColin P. West氏らの調査結果による。燃え尽き症候群は、高額な負債と関連しており、海外医学部卒業生ほどその頻度が高く、また、低QOL、情緒的疲弊、学費の負債は、内科知識に関する自己評価「IM-ITE」が低スコアであることも認められたという。これまでの医師の精神的・肉体的疲弊は、患者の治療にネガティブな影響をもたらすことが明らかになっているが、全米レベルでの実態調査は行われていなかった。JAMA誌2011年9月7日号掲載報告より。2008~2009年度の全米内科レジデント1万6,394人の「well-being」を調査調査は、内科レジデントの「well-being」を全米サンプリング調査により測定し、実態的人口統計学に、また学費の負債および医学知識との関連を評価することを目的とし、2008~2009年のIM-ITE(Internal Medicine In-Training Examination)スコアと2008年のIM-ITE調査のデータを用いて行われた。被験者総数は1万6,394人で、2008~2009年度の全米内科レジデントの74.1%に相当した。またそのうち米国の医学部卒業生は7,743人、海外の医学部卒業生は8,571人だった。QOL、燃え尽き症候群について、修学年、性、医学校の所在地、学費の負債、IM-ITEスコアとの関連を割り出し評価した。学費の負債、燃え尽き症候群の少なくとも1つの理由にQOLが「相当悪い」「やや悪い」と回答したのは、2,402人/1万6,187人(14.8%)だった。また、燃え尽き症候群は8,343人/1万6,192人(51.5%)、高度な情緒的疲弊は7,394人/1万6,154人(45.8%)、喪失感は4,541人/1万5,737人(28.9%)がそれぞれあると回答していた。多変量モデル解析で、燃え尽き症候群は、米国医学部卒業生よりも海外医学部卒業生のほうが少なかった[45.1%対58.7%、オッズ比:0.70、99%信頼区間(CI):0.63~0.77、p<0.001]。学費の負債は、燃え尽き症候群の少なくとも1つの理由となっていた(61.5%対43.7%、オッズ比:1.72、99%CI:1.49~1.99、20万ドル超の負債の負債なしに対するp<0.001)。QOLが「相当悪い」と回答したレジデントのIM-ITEスコアは、QOLが「相当よい」と回答したレジデントと比べ2.7ポイント(99%CI:1.2~4.3、P<0.001)低く、また「情緒的疲弊が毎日ある」と回答したレジデントの同スコアは、「情緒的疲弊がない」と回答したレジデントと比べて4.2ポイント(同:2.5~5.9、P<0.001)低かった。「20万ドル超の負債がある」と回答したレジデントの同スコアは、「負債がない」と回答したレジデントよりも5.0ポイント(同:4.4~5.6、P<0.001)低かった。スコア差は学年が進むにつれて有意な増大が認められた。レジデント1年目から2年目への増大は4.1ポイント(99%CI、3.9~4.3、P<0.001)、2年目から3年目へは2.6ポイント(同、2.4~2.8、P<0.001)であった。(武藤まき:医療ライター)

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1997~2000年卒業の医学生、87.3%が専門医資格を取得:全米調査

米国専門医認定機構(ABMS)の専門医資格取得について、1997~2000年に医学校を卒業した医師の取得状況と、その背景因子について調査した結果、取得率は87.3%に上り、人種による取得率の違いや、抱えている負債と取得領域との関連などの実態が明らかになった。ABMS取得は米国で医師のクオリティ尺度となっている。調査は、ワシントン大学医学校のDonna B. Jeffe氏らにより行われ、JAMA誌2011年9月7日号で発表された。4万2,440人のABMS専門医資格の取得について後ろ向きに調査Jeffe氏らは、1997~2000年に米国の医学校を卒業した4万2,440人の、卒業時の専門領域選択によってグループ化し、2009年3月2日現在までのABMS専門医資格の取得について後ろ向きに調査した。また専門分野ごとの多変量ロジスティック回帰モデルにて、取得に関連する因子を調べた。結果、調査対象4万2,440人のうち、3万7,054人(87.3%)がABMS専門医資格を取得していた。取得背景は、専門分野ごとに異なる専門医取得率は、すべての専門分野で、米国医師国家試験(USMLE)のSTEP 2臨床医学試験を最高位の三分位得点で、1回で合格した人で高い傾向(1回目は不合格だった人と比べて)が認められた。同取得格差(最高位得点1回で合格vs. 1回目不合格)の補正後オッズ比(AOR)は、専門領域で異なっており、救急専門医取得の格差は最も小さく(87.4%対73.6%、AOR:1.82、95%信頼区間:1.03~3.20)、一方、最も大きかったのは放射線専門医の取得だった(98.1%対74.9%、同:13.19、5.55~31.32)だった。家庭医を除き、マイノリティと自認している卒業生の専門医取得は低率だった(白人との比較で)。同取得格差(マイノリティvs. 白人)が最も小さかったのは小児科専門医でAORは0.44(95%信頼区間:0.33~0.58)、最も大きかったのはその他非一般専門医で同0.79(0.64~0.96)だった。負債額5万ドル単位区分別にみた、最高位群(≧15万ドル)と負債なし群との取得格差が小さかったのは、卒業時に産婦人科/婦人科を選択した群だった(AOR:0.89、95%信頼区間:0.83~0.96)。一方で格差が大きかったのは家庭医を選択した群だった(同:1.13、1.01~1.26)。(武藤まき:医療ライター)

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進行がん末期の緩和ケアを改善する新たな予後予測モデル「PiPS」が開発

 英国・St George’s University of LondonのBridget Gwilliam氏らは、進行がんの緩和ケアを改善可能な、新たな予後予測モデル「PiPS(Prognosis in Palliative care Study)」を開発したことを発表した。臨床変数と検査変数を組み合わせた同モデルは、もはや治療がなされない進行がん患者について、2週生存および2ヵ月生存を確実に予測できるという。BMJ誌2011年9月3日号(オンライン版2011年8月25日号)掲載報告より。2週と2ヵ月の予後を、臨床家の推定よりも有意に良好に予測する因子を開発 モデルの開発は、前向き多施設観察コホート研究にて行われ、臨床家が推定する生存よりも、有意に良好に予後を予測する指標を新たに開発することを目標とした。 研究は、英国内の18の緩和ケアサービス(ホスピス、病院サポートチーム、コミュニティチームなど)を拠点に、今後がん治療はなされず緩和ケアサービスに一任されることになった局所進行型転移性がん患者1,018例が対象であった。患者が生存した「日数」(0~13日)または「週数」(14~55日)あるいは「月数+」(55日超)について、新たに開発した複合モデルの予測と、実際の生存、臨床家の予測とを比較した。 核となるのは11の変数 多変量解析の結果、11の変数(脈拍、健康状態、メンタルテスト、パフォーマンス状態、摂食障害の有無、あらゆる部位の転移性疾患、肝転移の有無、CRP、白血球数、血小板数、尿素値)が、2週生存および2ヵ月生存の独立した予後予測因子であった。 2週生存についてのみの有意な予後予測因子は、4つ(呼吸困難、嚥下障害、骨転移、ALT)であった。また、2ヵ月生存についてのみの有意な予後予測因子は8つ(原発性乳がん、男性生殖器がん、疲労、体重減少、リンパ球数、好中球数、ALP、アルブミン)であった。 これらを踏まえ、研究グループは、血液検査結果がある患者(PiPS-A)と、ない患者(PiPS-B)とに分けた2つの予測モデルを開発した。それらモデルは、曲線下面積(AUC)0.79~0.86であった。 実際の生存とPiPS予測との完全な一致率は、57.3%(超オプティミス的補正後で)であった。 PiPS-A分類における生存期間の中央値は5日、33日、92日であった。PiPS-B分類での生存期間中央値は、7日、32日、100.5日であった。 開発したすべてのモデルは、臨床家の推定とほぼ同等、またはよりよく生存を推定していた。

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うつ病スクリーニングツールの精度研究に潜む患者バイアスの危険性

うつ病スクリーニングの潜在的ベネフィットを判定するために行われる診断精度研究には、被験者として、すでにうつ病と診断された患者やうつ病治療中の患者がほとんど除外されずに含まれており、それら被験者バイアスが診断精度研究に与える影響が、システマティックレビューやメタ解析では評価されていないことが明らかにされた。カナダ・マックギル大学Jewish総合病院のBrett D Thombs氏らによる研究報告で、BMJ誌2011年9月3日号(オンライン版2011年8月18日号)にて発表された。うつ病と診断または治療中の患者は適切に除外されているのかを調査研究グループは、うつ病スクリーニングツールの診断精度に関するシステマティックレビューとメタ解析に含まれるオリジナル研究について、すでにうつ病と診断を受け治療中の患者を適切に除外している割合と、システマティックレビューとメタ解析が、そうした患者からのバイアスの可能性を評価しているかどうかを調べた。Medline、PsycINFO、CINAHL、Embase、ISI、SCOPUS、Cochraneをデータベースとし、2005年1月1日~2009年10月29日の間を検索対象とした。試験適格基準は、うつ病スクリーニングツールの診断精度について報告したものとし、言語は問わなかった。除外されているのは4%のみ、ツールがガイドラインで過大評価されている?17のシステマティックレビューとメタアナリシスから抽出した特色のある197本のうち、うつ病と診断されたか、またはうつ病治療中の患者を明確に除外したものは、わずか8本(4%)だけだった。システマティックレビューやメタ解析で、そのような患者が含まれているかを評価しているものはなかった。患者サンプルからバイアスのリスクを評価する項目を備えた質評価ツールを使用していたのは10本のレビューだけであった。これらから研究グループは、「うつ病スクリーニングツールの精度研究では、すでに診断を受けたか、または治療中の患者は除外されておらず、システマティックレビューとメタアナリシスは潜在的バイアスについては評価していない」と結論、「そのため、診断・予防ガイドラインで診断ツールの精度が誇張されている可能性があり、また、うつ病の診断・治療割合が過大に評価されている可能性がある」と指摘している。

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9.11後9年、救助・復旧作業従事者の健康問題が浮き彫りに

2001年9月11日のニューヨーク市、世界貿易センター(WTC)での同時多発テロによる襲撃後9年の間、現場で救助・復旧作業に従事した人々には身体的、精神的な障害という重い負担が継続的に課せられている実態が、マウントサイナイ医科大学(同市)のJuan P Wisnivesky氏らの調査で明らかとなった。WTC襲撃後に現場で救助や復旧に当たった人員は5万人以上に上る。被災後早期から、これらの作業従事者にはさまざまな健康問題の発生が報告されているという。Lancet誌2011年9月3日号掲載の報告。救助・復旧作業員の健康障害を評価するコホート試験研究グループは、WTCの被災後9年間における救助・復旧作業員の身体的、精神的な健康障害の発生率および罹病率を調査して、その職業的な曝露との関連を評価し、さらに身体的障害と精神的障害の併存状況を定量的に検討することを目的に、大規模な縦断的コホート試験を行った。WTC Screening, Monitoring, and Treatment Programに参加した2万7,449人の救助・復旧作業員(警察官、消防士、建設作業員、市職員など)のデータを収集した。Kaplan-Meier法を用いて、身体的障害(喘息、副鼻腔炎、胃-食道逆流症)、精神的障害(うつ状態、心的外傷後ストレス障害[PTSD]、パニック障害)、スパイロメトリー上の肺機能障害について評価した。曝露の程度別(WTCの現場での作業日数や粉塵への曝露状況)の障害の発生率についても検討を行った。継続的なモニタリングや治療が必要9年間の身体的障害の累積発生率は、喘息が27.6%(7,027人)、副鼻腔炎が42.3%(5,870人)、胃・食道逆流症は39.3%(5,650人)であった。警察官の7.0%(3,648人)にうつ状態を認め、PTSDは9.3%(3,761人)、パニック障害は8.4%(3,780人)にみられた。警察官以外では、うつ状態が27.5%(4,200人)、PTSDが31.9%(4,342人)、パニック障害は21.2%(4,953人)に認められた。9年間で41.8%(5,769人)にスパイロメトリー上の肺機能異常が確認され、その4分の3は努力性肺活量の低下であった。障害の多くは、WTCでの曝露時間が最も長い作業員で発生率が最も高かった。複数の身体的障害や複数の精神的障害が併存する者、また身体的障害と精神的障害を併発する者が多いことも示された。著者は、「2001年9月11日のWTC襲撃後9年の間、救助・復旧作業従事者には身体的、精神的な健康問題という重い負担が課せられていることがわかった。今回の知見により、これらの人々には継続的なモニタリングや治療が必要なことが浮き彫りとなった」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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イラクの自爆攻撃による死亡、一般市民が連合軍兵士より多い

イラクにおける自爆攻撃事件による死亡者数は、連合軍兵士よりもイラク人の一般市民で有意に多く、負傷者が死亡する確率は成人よりも子どもで高いことが、イギリス・キングス・カレッジ・ロンドンのMadelyn Hsiao-Rei Hicks氏らの調査で示された。イラクでは、自爆攻撃が重大な保健医療上の問題となっている。1980~2003年までの研究では、自爆攻撃は国際的テロリズムの中で最も死亡率の高いものであることが示され、2003年以降のイラクにおける自爆攻撃は宗派および反乱組織の戦闘員そのものを大量破壊兵器とみなしているという。Lancet誌2011年9月3日号掲載の報告。自爆攻撃の犠牲者の実態を調査する記述的研究研究グループは、2003~2010年にイラクで起きた自爆攻撃によるイラク人の一般市民および連合軍兵士の犠牲者の実態を調査する目的で記述的研究を行った。2003年3月20日~2010年12月31日までの調査に基づく2つのデータセット(自爆攻撃による連合軍兵士の死亡に関する報告と、武力行為によるイラク人の一般市民の死傷に関する報告)に記載されたイラクにおける自爆攻撃事件の犠牲者について解析した。攻撃のタイプ(徒歩、自動車を利用)や死傷者の身元(性別、年齢など)の情報に基づいて死傷の状況を経時的に解析した。武力行為による全イラク市民死傷者の19%が自爆攻撃犠牲者2003~2010年に記録された自爆攻撃事件は1,003件であった。武力行為による全イラク市民死傷者の19%(4万2,928/22万5,789人)を自爆攻撃の犠牲者が占め、そのうち負傷者は26%(3万644/11万7,165人)、死亡者は11%(1万2,284/10万8,624人)であった。イラク市民の自爆攻撃による負傷対死亡比(injured-to-killed ratio、1人が死亡するのに要する負傷者数、数値が小さいほど負傷が死亡につながりやすいことを示す)は2.5であった。徒歩での自爆攻撃による死亡者は自爆攻撃死亡者全体の43%(5,314/1万2,284人)を占めた。自動車を利用した自爆攻撃で負傷した市民は全負傷市民の40%(1万2,224/3万644人)に上った。身元の特定が可能であった自爆攻撃による死亡者3,963人のうち、男性が2,981人(75%)、女性が428人(11%)で、子どもは554人(14%)であった。身元が特定された子どもの自爆攻撃死は、一般的な武力行為による死亡よりも有意に多かった(9%、3,669/4万276人、p<0.0001)。全自爆攻撃における負傷対死亡比は、男性よりも女性で有意に高く(p=0.02)、男性は女性よりも負傷によって死亡につながりやすいことがわかった。子どもの負傷対死亡比は女性(p<0.0001)および男性(p=0.0002)よりも有意に低く、負傷が死亡につながる確率が高いことが示された。2003~2010年の間に、79件の自爆攻撃によって200人の連合軍兵士が死亡した。1回の自爆攻撃による死亡者数は連合軍兵士よりもイラク人の一般市民のほうが有意に多かった(12 vs. 3人、p=0.004)。著者は、「自爆攻撃事件による死亡者数は、連合軍兵士よりもイラクの一般市民で有意に多く、一般市民の負傷者が死亡する確率は成人よりも子どもで高かった」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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院外心停止での心調律解析前のCPR実施時間、長短でアウトカムに差は生じず

院外心停止で心調律解析前に行う救急医療サービス(EMS)隊員管理下での心肺蘇生法(CPR)は、短時間(30~60秒間)でも、長時間(180秒間)でも、その後のアウトカムに有意差は認められないことが報告された。カナダ・オタワ大学のIan G. Stiell氏らROC(Resuscitation Outcomes Consortium)研究グループによる。米国心臓協会国際連絡協議会(AHA-ILCOR)が蘇生ガイドライン2005で、それまでの即時除細動を行う戦略を改め、EMS隊員がまず心調律解析前に2分間、CPRを行うことを推奨する内容に改訂した。しかし、その後の試験で、試行を支持する知見と否定する知見が報告され、蘇生ガイドライン2010では、「エビデンスは相矛盾している」という内容に再修正されているという。NEJM誌2011年9月1日号掲載報告より。CPR実施時間を30~60秒と180秒に無作為割り付けStiell氏らは、CPR施行時間は短い戦略がよいのか、比較的長めに行う戦略がよいのかについてクラスタ無作為化比較試験を行った。米国とカナダ合わせて10大学とその関連EMSシステムの施設が共同参加し、院外心停止を来した成人患者を、最初の心電図解析の前にEMS管理下で、30~60秒間CPRを受ける群と、同180秒間CPRを受ける群に割り付けた。主要アウトカムは、良好な機能状態(改変ランキン・スケール・スコアが≦3、同スコアは0~6の範囲で値が高いほど障害が重い)での生存退院とした。両群のアウトカムに有意差なし対象とした9,933例の患者のうち、5,290例は心調律の早期解析群に、4,643例は遅めの解析群に割り付けられた。結果、主要アウトカムの基準を満たしたのは、遅めの解析群計273例(5.9%)、早期解析群計310例(5.9%)で、クラスタ補正後の差は-0.2ポイントだった(95%信頼区間:-1.1~0.7、P=0.59)。交絡因子補正後、両群とも生存に関するベネフィットが示されなかった(クラスタ補正後の差:-0.3ポイント、95%信頼区間:-1.3~0.7、P=0.61)。サブグループ解析(事前特定解析、事後解析)においても同様であった。(朝田哲明:医療ライター)

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院外心停止での標準的CPR時のITD使用、良好な機能状態の生存退院に結びつかず

院外心停止での、標準的な心肺蘇生(CPR)施行時のインピーダンス閾値弁装置(ITD)の使用は、良好な機能状態生存の改善には結びつかないことが報告された。米国・ウィスコンシン医科大学のTom P. Aufderheide氏らROC(Resuscitation Outcomes Consortium)研究グループによる。ITDは、CPR施行時に胸腔内圧を低下させ、心臓への静脈環流量と心拍出量を増加させるよう設計されている。これまでの研究で、CPR施行時のITD使用が、心停止後の生存率を改善する可能性が示唆されていた。米国心臓協会ガイドライン2005では、血行動態および心拍再開改善のためITDの活用をIIaクラスの推奨として勧告している。しかし長期生存率の上昇については実証されていなかった。NEJM誌2011年9月1日号掲載報告より。8,718例を、標準的CPR時ITD活用群とプラセボ群に無作為化しアウトカムを比較Aufderheide氏らは、米国とカナダ合わせて10大学とその関連EMSシステムの施設共同参加の下、院外心停止での標準的CPR時に、ITDを活用する群と偽ITD(プラセボ)使用群とを比較する大規模無作為化試験(解析対象8,718例)を行った。患者、研究者、試験コーディネーター、すべての医療提供者に、治療割り付け情報は知らされなかった。主要アウトカムは、良好な機能状態(改変ランキン・スケール・スコアが≦3、同スコアは0~6の範囲で値が高いほど障害が重い)での生存退院とした。病院到着時の心拍再開、入院生存、退院生存も有意差なし解析対象となった8,718例のうち、4,345例がプラセボ群に、4,373例がITD活用群に無作為に割り付けられた。結果、主要アウトカムの基準を満たしたのは、プラセボ群260例(6.0%)、ITD群254例(5.8%)で、リスク差(逐次モニタリングで補正後)は-0.1ポイント(95%信頼区間:-1.1~0.8、P=0.71)だった。副次アウトカムの、救急治療部門への到着時における心拍再開率(P=0.51)、入院生存率(P=0.84)、退院生存率(P=0.99)なども有意差は認められなかった。(朝田哲明:医療ライター)

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治療抵抗性の慢性痛風に対するpegloticase、プラセボ群に比べ尿酸値低下

慢性痛風で従来療法に治療抵抗性の患者に対する、新規痛風治療薬のpegloticaseについて、有効性と耐用性に関する、投与間隔が異なる2つの無作為化プラセボ対象試験の結果が報告された。8mg投与を2週間ごとまたは4週間ごとに6ヵ月間投与した結果は、いずれもプラセボ群と比べ血漿尿酸値低下に結びついたという。米国・デューク大学医療センターJohn S. Sundy氏らが、2つの無作為化試験の結果を、JAMA誌2011年8月17日号で発表した。pegloticaseは、従来療法に代わる酵素として、モノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)結合の哺乳類組み換え型ウリカーゼが特徴の尿酸降下薬である。隔週投与群、月1回投与群、プラセボ群の、3、6ヵ月時点の尿酸値降下達成を比較2つの反復無作為化二重盲検プラセボ対照試験(C0405とC0406)は2006年6月~2007年10月の間に、米国、カナダ、メキシコから56のリウマチ診療所で行われた。被験者は、重度の痛風で、標準薬となっているアロプリノール(商品名:ザイロリックほか)に不耐性または不応性であり血清尿酸値8.0mg/dL以上の患者であった。両試験合計225例(C0405試験109例、C0406試験116例)の患者は、隔週投与群(8mg投与を2週間に1回静注、これを12回行う)、月1回投与群(前述投与スケジュールで2回に1回はプラセボに替えて静注)、プラセボ群に割り付けられ、主要評価項目を3~6ヵ月の間の5つの事前特定測定ポイントにおける、血漿尿酸値6.0mg/dL未満達成とし評価が行われた。プール解析で、隔週投与群42%、月1回投与群35%、プラセボ群0%C0405試験での主要エンドポイント達成は、隔週投与群で20/43例(47%、95%信頼区間:31~62)、月1回投与群8/41例(20%、同:9~35)、プラセボ群0/20例(0%、同:0~17)であった(隔週投与群と月1回投与群vs. プラセボ群の比較はそれぞれP<0.001、P<0.04)。C0406試験では、隔週投与群で16/42例(38%、95%信頼区間:24~54)、月1回投与群21/43例(49%、同:33~65)、プラセボ群0/23例(0%、同:0~15)であった(それぞれP=0.001、P<0.001)。2試験データのプール解析の結果、隔週投与群で36/85例(42%、95%信頼区間:32~54)、月1回投与群29/84例(35%、同:24~46)、プラセボ群0/43例(0%、同:0~8)であった(それぞれのP<0.001)。無作為化から研究データベース締め切り時点まで(2008年2月15日)の間の死亡発生は、7例(pegloticase投与群4例、プラセボ投与群3例)であった。(武藤まき:医療ライター)

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左室拡張能は加齢とともに低下、心不全発症のリスクに

当初4年、その後6年にわたる住民追跡調査研究の結果、左室拡張能障害の有病率は年齢とともに増加が認められ、その機能低下が心不全の発症と関連していることが、米国・メイヨークリニックのGarvan C. Kane氏らにより明らかにされた。心不全発生率は、年齢とともに上昇が認められるが、その約半分は左室駆出率が保持されている。そうした症例では拡張能障害が発症に関わるが、これまで拡張能の年齢依存性の長期的変化について、住民ベースの研究は行われていなかった。JAMA誌2011年8月24/31日号掲載報告より。住民追跡研究、拡張能の4年間の経年変化とその後6年間の心不全発生との関連を評価Kane氏らは、米国ミネソタ州オルムステッドの住民を対象とした追跡調査研究「Olmsted County Heart Function Study」を行った。研究は2つの調査から構成された。まず、無作為選択された45歳以上の参加者2,042例に対し、臨床的な評価、カルテ記録からの情報抽出、心エコー検査を行い、左室拡張能の程度について、ドップラー検査にて標準、軽度、中等度、重度に等級分類した(研究1:1997~2000年)。4年後に、同参加者は研究2(2001~2004年)への協力を要請され研究1と同様の検査を受けた。その後、研究2に協力した参加者コホート[研究1後に生存していた1,960例のうち1,402例(72%)が参加]は、新規心不全の発症について2004~2010年の間、追跡された。主要評価項目は、研究1から研究2の間の拡張能等級の変化と心不全発症の変化とした。拡張能の低下、65歳以上では2.85倍研究1と研究2の4年(SD 0.3)の間に、拡張能障害の有病率は、23.8%(95%信頼区間:21.2~26.4)から39.2%(同:36.3~42.2)へと増加していた(P<0.001)。また、参加者の23.4%(同:20.9~26.0)で拡張能の分類等級が悪化、67.8%(同:64.8~70.6)で不変、改善は8.8%(同:7.1~10.5)であった。拡張能低下と関連していたのは、65歳以上であることだった(オッズ比:2.85、95%信頼区間、1.77~4.72)。6.3年(SD 2.3)のフォローアップの間の心不全発生率は、拡張能が標準になったか標準を維持した人は2.6%(95%信頼区間:1.4~3.8)、軽度のままだったか軽度へ進行した人では7.8%(同:5.8~13.0)、中程度~高度が持続したか同等級へ進行した人では12.2%(同:8.5~18.4)だった(P<0.001)。年齢、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患補正後、拡張能障害と心不全発症とは相関が認められた(ハザード比:1.81、95%信頼区間:1.01~3.48)。(武藤まき:医療ライター)

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作りました、「時間がない人」専用のPubMed

ケアネットは2011年8月、世界初のクラウド型論文検索サービス「PubMed CLOUD」をWEB サイト上および App Store にて提供を開始した。開始後iPadアプリはiTunesメディカル(無料)部門でダウンロード第1位を獲得し、好評を得ている同サービスについて開発担当の同社藤原健次氏に話を伺った。PubMed CLOUDとは?PubMed CLOUD(パブメド クラウド)は、気になった論文を世界最大級の医学文献データベース「PubMed」(※1)を検索して、その論文のアブストラクトを保存・管理できるツールです。2011年8月より、医師・医療従事者専門サイト「CareNet.com」会員に向けて、無料でサービスを提供しています。このサービスにはクラウドで連動している、iPhone、iPadに対応したiOSアプリも用意しましたのでApp Store にてアプリをダウンロードしていただければ、保存したアブストラクトをいつでもどこでも、好きな時間にアクセス、閲覧することができます。ケアネット会員であれば、医師でなくても誰でも利用できますので、多くの会員の皆さんに活用していただきたいです。※1「PubMed」は米国立医学図書館の国立生物工学情報センター(NCBI)により提供されている世界最大級の医学・生物文献データベース「MEDLINE」を、インターネットで検索できるサービス。PubMed CLOUDで時間を有効活用私も仕事で「PubMed」はよく利用していたのですが、「PubMed」は、検索結果とアブストラクトが別の画面に表示されるので、画面を行ったり来たりと手間がかかり、目的のアブストラクトにたどり着くまで、時間がかかっていました。しかし、「PubMed CLOUD」では検索結果とアブストラクトを同じ画面に表示させるレイアウトを採用しているので、これにより検索結果をさくさくと閲覧でき、目的のアブストラクトに素早く到達することができます。また、過去に「PubMed」で検索して見つけた論文が再度必要となり、その時に入力した検索式をどこかにメモを残していたりしていないので、またもう一度同じ論文を求めて検索し直すという煩わしい経験を何度もしたことがありました。でも「PubMed CLOUD」では、気になった論文をその場でボタン一つで保存できるので、簡単に自分専用の論文ライブラリーができあがります。さらに、保存されたデータはインターネット上に記録されるので、勤務先でも自宅でも、またiPhoneやiPadにアプリを入れておけばいつでも、どこでも自分専用論文ライブラリーにアクセスできます。時間がない先生方にとって論文検索時間の短縮、閲覧時間の確保・拡張となり、時間の有効活用になると考えています。WEB サイトとモバイル間で同期ができる「PubMed」がほしい!これまでにも「PubMed」を検索できるiPhone、iPad向けアプリは存在していましたが、iPadとiPhone間との同期の機能がなかったため、例えばiPad上に検索・保存したものがiPhoneでは見ることができず、残念な思いをしていました。また「PubMed」はパソコンでの利用が多いため、WEB サイトとiPhone、iPadで同期ができる「PubMed」の開発を始めました。7割超のユーザーから保存機能がよいと好評価8月にリリースする前に、7月21~23日に開催された第9回日本臨床腫瘍学会(JSMO)のブースにて「PubMed CLOUD」のβ版を先行して公開いたしました。「PubMed」というキーワードで足を止めた学会参加者の方も多く、多くの先生方に興味を持っていただき3700名の学会参加者のうち300名もの方々からβ版のご利用の申し込みをいただくことができました。また、サービスを開始してから「CareNet.com」会員の方に「PubMed CLOUD」についてアンケートをしたところ、「非常に興味あり」「興味あり」と答えた方が7割強と会員の方々からの関心の高さを伺い知ることができました。7割くらいの方が気に入った点として「保存機能」を挙げており、私と同じように、従来の「PubMed」をもっと快適に利用したい会員の方々が多いのかもしれませんが、早々に「PubMed CLOUD」が支持され始めているのだと実感いたしました。役立つ論文を自分専用ライブラリーにどんどん保存できるのが醍醐味1ユーザーとして、私はインターネットでお気に入りのホームページ等をブックマークするように、「PubMed CLOUD」で論文を検索して、役立つ論文を自分専用ライブラリーにどんどん保存できるのがこのサービスの醍醐味だと感じています。これまでは購入した原著論文はパソコンのフォルダで管理していましたので、外出先でとっさに閲覧した場合も確認することはできませんでした。現在では原著を「PubMed CLOUD」で保存・管理していますのでiPadで見たい時に見られるようになり、論文の利用機会が一変しました。これまで文献検索結果や原著の管理方法にゴールデンスタンダードはなかったので、会員の方々のゴールデンスタンダードになれば嬉しいですね。「PubMed CLOUD」を通して、会員の方々の臨床力向上のお手伝いができればと思っています。

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中高生の最適な眼鏡作成に、自己調整型の油圧式視力検査用眼鏡が有用:中国

中高生の眼鏡を作成する際に行う視力検査について、従来法と、屈折矯正を自己調整で行う方法との比較検討が行われた。中国・広東省汕頭共同国際視力センターのMingzhi Zhang氏らが、中国南部の地方都市在住の12~18歳648例を対象に断面研究にて行った。結果、自己調整法のほうが従来法よりも視力結果は悪かったが、鋭敏さに優れ、眼鏡をかけても視力が十分に得られないという頻度が少なかった。Zhang氏は「自己調整型の視力検査用眼鏡は、訓練を十分に受けていない検査要員や高価な視力測定器、点眼による毛様体筋麻痺といった必要条件を減らすことが可能である」と結論している。BMJ誌2011年8月20日号(オンライン版2011年8月9日号)掲載報告より。自分で度を調整できる油圧式眼鏡が、視力検査に有用か648例の若者を対象に検討中国地方都市の中高生では約60%が屈折矯正を必要とする。しかし、その3分の2は適正な視力矯正を手にすることができておらず、視力不良の状況にあるという。Zhang氏らは、2010年3月末~5月末に、両眼視力が6/12以下の12~18歳(中央値14.9、SD 0.98)の若者648例について、毛様体筋麻痺なしの自己調整型屈折矯正、毛様体筋麻痺なしの自動視力検眼器による屈折矯正、毛様体筋麻痺ありの検眼医による屈折矯正を行った。この研究で用いられた自己調整型の視力検査用眼鏡は、「Adspecs」(英国、Adaptive Eyecare社)というレンズを変えることなく、自分で屈折率を油圧によって変えることができるというものである。調整に難があるのは近視、遠視、乱視がより強い人被験者のうち、女子が59%(384例)、眼鏡着用者は44%(288例)、右目が2.00ジオプター以上の近視であった者が61%(393/648)だった。自己調整型屈折矯正は全員に行われた。視力が良好な≧6/7.5の割合は、視力非矯正においては5.2%(95%信頼区間:3.6~6.9)、使い込んだ眼鏡を着用していた人では30.2%(同:25.7~34.8)、自己屈折矯正においては96.9%(同:95.5~98.3)、自動屈折矯正では98.4%(同:97.4~99.5)、検眼医屈折矯正では99.1%(同:98.3~99.9%)であった(自己屈折矯正vs. 自動屈折矯正のp=0.033、自己屈折矯正vs. 検眼医屈折矯正のp=0.001)。自己屈折矯正と検眼医屈折矯正での視力改善は、被験者の98%で視力検査表の1ライン上で認められた。ロジスティック回帰モデル分析の結果では、自己屈折矯正で右目の視力6/7.5に達しなかったことに関連していたのは、近視/遠視がより強いこと(p<0.001)、乱視がより強いこと(p=0.001)、現に使っている眼鏡を使っていないこと(p=0.002)で、年齢や性別との関連は認められなかった。有意な不正確さ(≧1.00ジオプター)は、自動屈折矯正よりも自己屈折矯正で頻度が少なかった(5%対11%、p<0.001)。

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全英病院データから大腸手術の再手術率とリスク因子を導出

英国Imperial College St Mary's Hospital外科のElaine M Burns氏らは、英国病院データのHospital Episode Statistics(HES)を後ろ向きに解析し、大腸手術の再手術の特徴を調べ、質的インジケーターとしての使用の可能性を検討した。結果、病院や施術担当医間で術後の変化が大きいことが明らかになり、質的インジケーターとしての可能性は、データ精度が保証できれば、死亡率など他のインジケーターとともに使うことは可能であると報告した。BMJ誌2011年8月20日号(オンライン版2011年8月16日号)掲載報告より。再手術率は6.5%、一方で病院や執刀医間で格差大きくBurns氏らは、HESデータと、全英NHSの管理データを用いて評価を行った。そのうち、2000~2008年に英国でプライマリな大腸摘出術を受けた患者を対象とした。主要評価項目は、大腸摘出後の再手術とされた。再手術の定義は、摘出日から28日以内に腹腔内処置または創傷合併症のために再手術を受けたか、入院となった場合とされた。結果、再手術率は6.5%(1万5,986/24万6,469例)であった。病院および外科医の間での変動が大きく、手術件数が多い病院と外科医のチーム間においても、再手術率に3倍から5倍の格差が認められた。NHSを対象とした研究では、14.1%(22/156例)に再手術が認められた。上位管理限界値は99.8%であった。再手術リスクの高い独立因子とは再手術リスクの高い独立因子として認められたのは、炎症性腸疾患(IBD)の診断(オッズ比:1.33、95%信頼区間1.24~1.42、p<0.001)、複数疾患の同時罹患(同:1.34、1.29~1.39、p<0.001)、社会・経済的弱者(最貧困層の同1.14、1.08~1.20、p<0.001)、男性(同:1.33、1.29~1.38、p<0.001)、直腸を切除(同:1.63、1.56~1.71、p<0.001)、腹腔鏡下手術(同:1.11、1.03~1.20、p=0.006)、緊急入院(同:1.21、1.17~1.26、p<0.001)であった。

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人のハいで読める ! Dr.山口の胸部写真読影 免許皆伝

第4回「演習編① 初級セッション 君ならできる !」第5回「演習編② 中級セッション 読影マスターへの第一歩 !」第6回「演習編③ 上級セッション これが読めたら一人前 !」 第4回「演習編① 初級セッション 君ならできる ! 」「人のハい読影法」とは、山口哲生先生が推奨する、視線を縦隔肺門→心陰影→肺尖部→肺野と横隔膜(+側面図)と「人のハい」と動かしながら、すばやく診断ポイントを察知していく胸部X線画像の読影法です。上巻で基礎を学んだら次は実践あるのみ ! 演習編ではこれまで、レジデントの皆さんが山口先生からのX線写真をひたすら読みこなしていくトレーニングをします。まずは、誰にでもわかる(?)初級編として、10 の症例を「人のハい」読影法を使って、参加した先生方が読んでいきます。ぜひご一緒にトライしてみてください。第5回「演習編② 中級セッション 読影マスターへの第一歩 ! 」第5回では少しレベルアップした7つの症例を「人のハい」読影法を使って読んでいきます。シリーズはいよいよ佳境を迎えます。参加した先生方がギブアップした症例もそのままお送りします !第6回「演習編③ 上級セッション これが読めたら一人前 ! 」最終回の上級セッションでは、かなりハイレベルな8つの症例にチャレンジします。もちろん「人のハい読影法」の基本さえしっかり身についていればいいのですが、少々意地悪(?)な症例もありますので、皆さんも頭をフル回転してご覧ください。

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術後タモキシフェン5年投与、ER陽性乳がんの再発・死亡リスクを長期に低減

タモキシフェン(TAM、商品名:ノルバデックスなど)を用いた5年間の術後補助内分泌療法は、エストロゲン受容体(ER)陽性の早期乳がん患者の10年再発および15年乳がん死のリスクを有意に低下させることが、Early Breast Cancer Trialists’ Collaborative Group (EBCTCG)の検討で示された。術後TAM 5年投与の臨床試験の無作為割り付け後の追跡期間が10年を超えるようになり、乳がん死や他の死因による死亡に及ぼす効果、さらにホルモン受容体が弱陽性の患者に対する効果の評価が可能な状況が整いつつあるという。Lancet誌2011年8月27日号(オンライン版2011年7月29日号)掲載の報告。20の無作為化試験の個々の患者データを解析EBCTCGは、早期乳がんの術後補助内分泌療法としてのTAMの5年投与に関する無作為化試験のメタ解析を行い、ホルモン受容体の発現状況などの背景因子が本治療法の長期的な転帰に及ぼす影響について評価した。解析には、早期乳がんに対する術後TAM 5年投与と非投与を比較した20の無作為化試験に参加した2万1,457例の個々の患者データを用いた。全体の服薬コンプライアンスは約80%であった。log-rank検定を行って再発および死亡の率比(rate ratio; RR)を算出した。服薬コンプライアンスが十分であれば、全ER陽性例で死亡リスクが約3分の1低下ER陽性例(1万645例)では、治療開始から10年間の再発率はTAM群のほうが非TAM群に比べ有意に低下しており、RRは0~4年が0.53(SE 0.03)、5~9年は0.68(SE 0.06)であった(いずれも2p<0.00001)。しかし、10~14年のRRは0.97(SE 0.10)であり、治療期間が10年以降になると、TAMによる再発抑制効果はそれ以上高くも低くもならないことが示唆された。ER弱陽性(1mgのサイトゾル蛋白当たり10~19fmol)例においても、RRは0.67(SE 0.08)と、TAMによる再発抑制効果が確認された。ER陽性例における再発のRRには、プロゲステロン受容体(PgR)の陽性/陰性や陽性の程度、年齢、リンパ節転移の有無、化学療法の有無の影響はほとんどなかった。乳がんによる死亡率は、治療開始から15年で約3分の1低下しており、RRは0~4年が0.71(SE 0.05)、5~9年は0.66(SE 0.05)、10~14年は0.68(SE 0.08)であった(いずれも超過死亡率低下のp<0.0001)。ERの状態は、リスク低下に関する唯一の有意な予測因子TAMは、55歳以上の患者でのみ血栓塞栓症および子宮がんによる死亡のリスクをわずかに上昇させたものの、非乳がん死亡にはほとんど影響を及ぼさず、したがって全死因死亡は非TAM群に比べて有意に低かった。ER陰性例では、TAM投与による乳がんの再発、死亡への影響は認めなかった。著者は、「術後のTAM 5年投与は、早期乳がんの再発および乳がん死のリスクを10~15年にわたり低下させ、安全性にも問題はなかった。ERの状態は、リスク低下に関する唯一の有意な予測因子であった」と結論し、「弱陽性を含むすべてのER陽性乳がん患者では、服薬コンプライアンスが十分であれば、術後TAM 5年投与によって15年間の乳がん死のリスクが、術後補助内分泌療法を施行しない場合に比べ、少なくとも約3分の1低減することが示された」としている。(菅野守:医学ライター)

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先天性心疾患の退院前スクリーニング検査に、パルスオキシメトリーが有用

パルスオキシメトリーは、先天性心疾患の退院前スクリーニング検査として安全に施行可能で、既存の検査に新たな価値を付与する可能性があることが、英国・バーミンガム大学のAndrew K Ewer氏らが実施したPulseOx試験で示された。現在、先天性心疾患のスクリーニングは出生前超音波検査や出生後臨床検査によって行われているが、生命を脅かすような重度の病態は検出されないことが多いという。Lancet誌2011年8月27日号(オンライン版2011年8月5日号)掲載の報告。パルスオキシメトリーの検出感度、特異度を評価PulseOx試験では、先天性心疾患のスクリーニング検査としてのパルスオキシメトリーの正確度(accuracy)の評価が行われた。イギリスの6つの産科施設において、症状のみられない新生児(在胎期間>34週)に対し、退院前スクリーニング検査としてパルスオキシメトリーを施行した。事前に規定された酸素飽和度の閾値を満たさなかった新生児には心エコー検査を行い、それ以外の子どもには生後12ヵ月まで地域や国の登録システムを利用したフォローアップや、臨床的なフォローアップが実施された。主要評価項目は、パルスオキシメトリーによる重篤な先天性心疾患(28日以内の死亡および侵襲的な介入を要する病態)あるいは重大な先天性心疾患(12ヵ月以内の死亡および侵襲的な介入を要する病態)の検出感度および特異度とした。感度は重篤な病態が75%、重大な病態は49%、特異度は99%2008年2月~2009年1月までに2万55人の新生児がパルスオキシメトリーによるスクリーニングを受けた。195人(0.8%)が先天性心疾患と診断され、そのうち192人(98%)に心エコー検査が施行された。53人が重大な先天性心疾患と診断され、そのうち24人が重篤な先天性心疾患であった。重篤な先天性心疾患に関するパルスオキシメトリーの感度は75.00%(95%信頼区間:53.29~90.23)、重大な先天性心疾患では49.06%(同:35.06~63.16)であった。出生前超音波検査で先天性心疾患が疑われた35例を除くと、パルスオキシメトリーの感度は重篤な先天性心疾患で58.33%(95%信頼区間:27.67~84.83)、重大な先天性心疾患では28.57%(同:14.64~46.30)まで低下した。169人(0.8%)が偽陽性と判定され、特異度は99.16%(95%信頼区間:99.02~99.28)であった。6人は重大の定義よりも軽症の先天性心疾患で、40人は緊急の介入を要する別の疾患(呼吸器疾患、感染症など)であった。著者は、「パルスオキシメトリーは安全に施行可能な検査であり、既存のスクリーニング検査に新たな価値を付与すると考えられる。出生前超音波検査で検出されなかった重篤な先天性心疾患を同定するとともに、他の疾患をも早期に検出するという利点をもたらす」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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COPD患者への増悪予防としてのアジスロマイシン

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者への増悪予防を目的としたアジスロマイシン(AZM)投与は、急性増悪の頻度を減らしQOLを改善することが、プラセボ対照無作為化試験の結果、報告された。米国・コロラド大学デンバー健康科学センターのRichard K. Albert氏らCOPD Clinical Research Networkが、増悪リスクの高い特定の患者1,557例を対象に、標準治療に加えアジスロマイシン250mg/日を1年間投与した結果による。ただし、被験者の一部で聴覚障害が認められたという。NEJM誌2011年8月25日号掲載報告より。250mg/日を1年間投与COPDの急性増悪は、死亡リスクの上昇や肺機能の急速な低下はもとより、本人の労働機会を奪い、開業医やER受診、入院機会の頻度を増し治療コストを上昇させる。標準治療〔吸入ステロイド薬、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、長時間作用性抗コリン薬〕も頻度は減らすものの、なお年平均1.4回の急性増悪が認められることから、Albert氏らは、種々の炎症性気道疾患に有効なマクロライド系抗菌薬の予防的投与について検討した。試験対象となったのは、40歳以上のCOPDの増悪リスクは高いが、聴覚障害、安静時頻脈または補正QT間隔延長の著明なリスクはない患者であった。合計1,577例がスクリーニングを受け、うち1,142例(72%)が、標準治療に加えてアジスロマイシン250mg/日を1年間受ける群(570例)、または同プラセボを受ける群(572例)に無作為に割り付けられた。試験登録は2006年3月から始まり、1年間投与後2010年6月末まで追跡評価された。主要アウトカムは、初回急性増悪までの期間。副次アウトカムには、QOL、黄色ブドウ球菌や肺炎レンサ球菌などの鼻咽頭細菌コロニー形成、服薬アドヒアランスが含まれた。急性増悪の頻度減少、QOL改善も、一部患者で聴覚障害、耐性菌出現の影響は不明1年間の追跡調査を完了した患者は、アジスロマイシン群89%、プラセボ群90%であった。初回増悪までの期間の中央値は、アジスロマイシン群266日(95%信頼区間:227~313)に対して、プラセボ投与群は174日(同:143~215)で有意な延長が認められた(P

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急性冠症候群発症患者への虚血性イベント再発予防としてのapixaban

急性冠症候群発症患者に対する経口抗凝固薬である直接作用型第Xa因子阻害薬apixabanの虚血性イベント予防効果について、虚血性イベント再発の有意な低下をもたらすことなく重大出血イベントの増大が認められたことが報告された。米国・デューク大学医療センターJohn H. Alexander氏らAPPRAISE-2研究グループによる、第III相国際多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果による。同グループが従前に行った試験では、用量依存で重大出血イベント増大および虚血性イベント低下の傾向が認められた。そこから効果の可能性が期待された投与量1日2回5mgについてプラセボ対照試験を行った。NEJM誌2011年8月25日号(オンライン版2011年7月24日号)掲載報告より。標準治療に加えて1日2回5mgのapixaban投与APPRAISE-2(Apixaban for Prevention of Acute Ischemic Events 2)試験は、39ヵ国858施設で2009年3月~2010年11月の間に登録が行われ、被験者合計7,392例が、標準治療(抗血小板薬療法)に加えて1日2回5mgのapixaban投与群かプラセボ群に割り付けられた。被験者は、直近に急性冠症候群を発症し、2つ以上の虚血性イベント再発リスクを有していた。主要有効性アウトカムは、心血管系による死亡・心筋梗塞・虚血性脳卒中の複合であった。主要安全性アウトカムには、TIMI定義による重大出血であった。ハザード比は主要有効性アウトカム0.95、主要安全性アウトカム2.59試験は、apixabanが重大出血イベント増大を上回る虚血性イベント低下の効果が認められなかったことから、早期に打ち切られ、試験データは2011年3月に締め切られ解析された。追跡期間中央値241日間で、主要有効性アウトカム発生率は、apixaban群279/3,705例(7.5%)、プラセボ群293/3,687例(7.9%)だった。100患者・年当たりイベント発生率はそれぞれ13.2件と14.0件で、apixaban群のハザード比は0.95(95%信頼区間:0.80~1.11)だった(P=0.51)。主要安全性アウトカム発生率は、apixabanを1回以上服用した群46/3,673例(1.3%)、プラセボを1回以上服用した群18/3,642例(0.5%)だった。100患者・年当たりイベント発生率はそれぞれ2.4件と0.9件で、apixaban群のハザード比は2.59(95%信頼区間:1.50~4.46)だった(P=0.001)。頭蓋内出血と致死的出血は、プラセボ群よりもapixaban群で多く認められた。(朝田哲明:医療ライター)

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