2009新型インフルワクチンの有効性:細胞培養ワクチン

提供元:ケアネット

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公開日:2010/01/13

 



ノバルティス製造の細胞培養による2009新型インフル用のワクチン、MF59アジュバント添加ワクチンの忍容性と免疫原性について行われた臨床試験の結果が、英国レスター大学病院Tristan W. Clark氏らによって発表された。試験はレスター大学病院において、18~50歳の成人176例を対象に行われ、1回接種で予防効果があると思われる抗体反応が得られたという。NEJM誌2009年12月17日号(オンライン版2009年9月10日号)より。

MF59アジュバントの有無、抗原量・回数検討




A/California/2009(H1N1)表面抗原を含有するMF59アジュバント添加ワクチンに関する臨床試験は、2009年7月から9月の間に、アジュバント添加・非添加のワクチンを用いて行われた。

被験者は、MF59アジュバント添加7.5μgワクチンの2回接種を、0日間隔(同日に両腕に接種)、7日間隔、14日間隔、21日間隔で受ける群に、または3.75μgワクチンの2回接種を21日間隔で受ける群に(以上、「添加群」)、あるいはアジュバント非添加の7.5μgワクチンまたは15μgワクチンの2回接種を21日間隔で受ける群(以上、「非添加群」)に、無作為に割り付けられた。

接種後0、14、21と42日目に、赤血球凝集抑制試験とマイクロ中和試験を用いて、抗体反応を測定した。

MF59アジュバント添加ワクチン1回接種で




結果、21日目の測定で、MF59アジュバント添加ワクチン接種群の方が、非添加ワクチン群より、高い抗体価が認められた(マイクロ中和試験によるP<0.001)。

21日目(すなわち1回接種)の「添加群」の赤血球凝集抑制抗体価40倍以上達成率は77~96%、マイクロ中和抗体価40倍以上達成率は92~100%だった。一方、「非添加群」はそれぞれ63~72%、67~76%だった。

42日目(2回接種)の同値は、「添加群」は92~100%、100%、「非添加群」は74~79%、78~83%だった。

なお忍容性については、最も頻度が高かったのは、局所反応では注射部位の疼痛(被験者の70%)、全身反応では筋肉痛(同42%)で、「添加群」の方が「非添加群」より多く報告された。また38度以上の発熱例は3例だった。

(医療ライター:武藤まき)