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膵管ステント留置はERCP後膵炎を予防できるか?:国内における無作為化比較試験結果

 国内における無作為化比較試験から、膵管ステント留置により、安全かつ効果的に内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)後膵炎を予防できることを示唆する論文が、World Journal of Gastroenterology誌2012年4月14日号に掲載された。これは、東海大学の川口義明氏らの報告で、高リスク患者への膵管ステント留置術を勧めている。膵管ステント留置群のERCP後膵炎の頻度は非留置群に比べ有意に低かった 本試験では、ERCP後膵炎の高リスク群と考えられる症例を、膵管ステント留置群(n=60)または非留置群(n=60)に無作為に割り付け、膵炎の発症頻度と重症度を評価した。結果は以下のとおり。・ERCP後膵炎の頻度は、膵管ステント留置群が1.7%(1/60例)で、非留置群13.3%(8/60例)に比べ有意に低かった(p=0.032、Fisherの正確確率検定)。・膵炎の重症度はすべて軽度であった。・高アミラーゼ血症の発生率は、膵管ステント留置群30%(18/60例)、非留置群38.3%(23/60例)であった(p=0.05、χ2検定)。・膵管ステント留置成功率は100%であった。・3日目までの膵管ステントの自然脱落率は96.7%(58/60例)であり、自然脱落までの期間の中央値は2.1日(範囲:2~3日)であった。・膵管ステント留置群におけるステントmigration、出血、穿孔、感染症(胆管炎や胆嚢炎)、ほかの偶発症の発生率はすべて0%(0/60例)であった。

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耐糖能異常から糖尿病に移行する患者は、高血圧も発症しやすい

耐糖能異常において2型糖尿病の発症と高血圧の発症は深く関連しており、αグルコシダーゼ阻害薬アカルボース投与によって、食後高血糖を改善することにより高血圧の発症を糖尿病の発症と同様に抑制することがSTOP-NIDDMの事後解析の結果、示唆された。この解析結果は5月8日に、Journal of Hypertension誌のオンライン版に速報された。STOP-NIDDM試験のデータを事後解析独ドレスデン工科大学のHanefeld氏らは、the Stop non insulin dependent diabetes mellitus(STOP-NIDDM)試験のデータを事後解析し、高血圧発症の危険因子を探索した。STOP-NIDDM試験におけるITT解析適格例1,368人中、702人(51.3%)は既に高血圧を発症していた。主な結果は下記のとおり。1. ベースライン時に正常血圧であった666人中、96人が  3.3年の追跡期間中に高血圧を新たに発症した。2. 高血圧発症の最大の危険因子は、ベースライン時の腹部肥満であった。 (ハザード比:1.91、95%信頼区間:1.19-3.05、P

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うつ病を合併した糖尿病患者では認知症のリスク上昇

うつ病は認知症の危険因子であるといわれているが、糖尿病患者での報告は少ない。Katonらはうつ病を合併した2型糖尿病患者における認知症発症リスクを調査したところ、糖尿病単独患者と比較してリスクの増加が認められた。北カリフォルニアの大規模な医療管理データから30~75歳の糖尿病患者19,239例を対象にうつ病または抗うつ薬投与と認知症の発症との関係を検討した。主な結果は以下の通り。 1) 3~5年の観察期間での認知症発症率はうつ病を合併した糖尿病患者3766例中80例で2.1%(1,000人当たり5.5人)、糖尿病単独患者15,473例中158例で1.0%(1,000人当たり2.6人)であった。2) うつ病を合併した糖尿病患者の3~5年の認知症発症リスクは2.02(95%信頼区間:1.73-2.35)であった。

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自殺念慮はBMIとも関連(日本人の若者)

体重の認識(BWP:Body Weight Perception)だけでなく低BMI(Body Mass Index)が若者の自殺念慮や自傷行為のハイリスク因子であるかどうかはまだ明らかになっていない。木下氏らは日本人の若者18,104名に対し自己評価によるアンケート調査を実施し、低BMIと自殺念慮・自傷行為との関連を分析した。主な結果は以下の通り。 1)低BMIは自殺念慮や自傷行為との関連が認められた(性別、年齢、薬物使用、精神的苦痛、BWPで調整)。2)低BMIは日本人の若者の自殺念慮・自傷行為の独立した危険因子であると考えられる。

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職場におけるうつ病患者に対し電話認知行動療法は有効か?

 年々増加している職場におけるうつ病は、生産性の低下など大きな社会的損失をきたす。そのため、様々な治療法が検討されている。古川氏らは職場における小うつ病(閾値下うつ病)および労働効率が低下している状態(presenteeism)に対する電話認知行動療法(tCBT)の有効性を検討した。古川氏らは「tCBTは職場におけるうつ病患者への簡便な治療法のひとつとなりうるが、さらに長期間の検討が必要である」と結論づけている。 日本の大規模な製造会社に勤務する閾値下うつ病患者を標準的な従業員支援プログラム(EAP)単独群とEAP+tCBT群に無作為に割り付け、4ヵ月時点での抑うつ重症度(Beckのうつ病自己評価表:BDI-IIにより測定)と労働生産性(WHO健康と仕事の生産性アンケート:HPQにより測定)を比較検討した。 主な結果は以下の通り。1)118例をEAP単独群60例、EPA+tCBT群58例に無作為割り付け。2)EAP+tCBT群はEAP単独群よりも抑うつ重症度改善率が有意に高かった(p<0.001、エフェクトサイズ=0.69、95%信頼区間:0.32-1.05)。3)EAP+tCBT群におけるBDI-IIのベースラインからの変化量は-17.3。4)労働生産性への有意な影響は認められなかった。

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精神疾患患者におけるメタボリックシンドローム発症要因は?

精神疾患患者における心血管イベント発症要因の一つとして葉酸が関与しているといわれている。特にメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)やカテコール-o-メチルトランスフェラーゼ(COMT)の異常がリスクを増大させると考えられる。Ellingrod氏らはこれら遺伝子異型が抗精神病薬とメタボリックシンドロームとの関係にどのような影響を及ぼすのかを分析した。抗精神病薬による治療を少なくとも6ヵ月以上受けている統合失調症および双極性障害患者237例をメタボリックシンドロームの有無、MTHFR677C/T、MTHFR1298A/C、COMTVal158Metの各遺伝子型でスクリーニングを行った。主な結果は以下の通り。 1)平均年齢44.7歳(標準偏差:11.7)、男:女=51:49、平均BMI32.6kg/m(標準偏差:8.2)、非定型抗精神病薬投与患者は61%で各遺伝子型間に違いはなかった。2)メタボリックシンドロームの基準を満たした患者98例(41%)。3)メタボリックシンドロームの発症は年齢、喫煙、MTHFR677C/T、COMTVal158allelesとの関連が認められた(χ=34.4、p

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【第56回日本リウマチ学会】 新規TNF抗体の患者QOLに与える影響 ~迅速かつ持続的な改善~

2012年4月26日~28日に第56回日本リウマチ学会総会・学術集会が品川で開催された。その中で開発中のTNF抗体「セルトリズマブペゴル(以下CZP)」の日本での臨床試験(HIKARI試験、J-RAPID試験)の患者QOL改善効果に関する解析結果が東京女子医科大学 山中寿氏によって報告された。日本国内で実施された第III相臨床試験のHIKARI試験は、メトトレキサート(MTX)を投与できない日本人関節リウマチ患者230例を対象に実施され、CZP群はプラセボ群と比較して症状、疼痛、身体機能(HAQ-DI*)、健康関連QOLを有意に改善することが示された。また、第II/III相臨床試験のJ-RAPID試験は、MTXで効果不十分な日本人関節リウマチ患者316例を対象に実施され、CZP+MTX群ではプラセボ+MTX群と比較して、HIKARI試験と同様、症状、疼痛、HAQ-DI、健康関連QOLを有意に改善することが示された。なお、本報告はQOLに関する解析結果であったため、CZPの安全性については言及されず、今後の報告が待たれる。山中氏は「CZPは、HIKARI試験とJ-RAPID試験において、投与1週目より速やかなHAQ-DI、ACR20**の改善がみられ、試験期間の24週間に及ぶ効果持続性の高さも示された」とまとめた。なお、両試験は2011年11月にシカゴで開催された第75回米国リウマチ学会議(ACR)において、有効性と安全性が発表された。それを受けて本剤は2012年1月に日本において製造販売承認申請が行われており、今後が期待される薬剤である。*HAQ-DI 日常動作20項目について患者記入式質問票により評価を行い、機能障害指数を算出したもの**ACR20 米国リウマチ学会(ACR)による関節リウマチの臨床的改善を評価する指標で、20%以上の改善がみられた患者の割合(ケアネット 森 幸子)

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英医学部入試に導入された臨床適性試験UKCATの影響

英国では、医学部新入生の社会的背景枠を広げるための一つのイニシアティブとして、2006年より医学部入学者選考過程に、言語理解力や定量的推論、抽象的推論、決定分析の能力を試す臨床適性試験(UKCAT)を導入した。ダーラム大学のPaul A .Tiffin氏らは、UKCATが、特定の社会階層出身志願者の不利益を減少させたかを評価するため、2009年入学者選考を対象に前向きコホート研究を行った。結果、公正な機会を与えるものとなっており、「全員とまではいかないが、今よりも多くの、社会経済的低階層の学生を英国医師集団に迎え入れていくことになるだろう」と結論している。BMJ誌(オンライン版2012年4月17日号)掲載報告より。2009年にUKCATを試験に取り入れている22の医学部を受けた8,459人を調査研究グループは、入学プロセスの要件にUKCATを導入している英国大学協会会員の22医学部に2009年に志願した2万4,844人のうち、社会的背景などのデータが入手できた8,459人を対象とした。主要評価項目は、7つの教育的および社会人口統計学的変数別にみたUKCATの試験採点への用い方(例えば境界例に用いる、入学の選別要因として用いる、基準点として用いるなど)と合格率との関連とした。単変量解析の結果、全ての教育的・社会人口統計学的変数は、合格のオッズ比と有意に関連していたが、多変量ロジスティック回帰モデルでは、UKCATの用い方によって大学間にバラつきがあった。例えば、専門教育を受けていない志願者は、UKCATを境界例だけで試験を用いる大学では、より高階層の志願者と比較して合格の提示が受けにくい傾向が認められた(オッズ比0.51、95%信頼区間0.45~0.60)。試験得点としてより重視している場合、男性、低階層出身者の合格率が有意に上昇こうした違いは、UKCATを基準点に用いる医学部志願者に関してはみられなかった(オッズ比:1.27、0.84~1.91)。特に、社会的に弱いグループにいる志願者が不利益を被るということもみられなかった。UKCAT得点が試験得点としてより重視されている場合、新入生における男性(1.74、1.25~2.41)、社会経済的に低階層の志願者(3.57、1.03~12.39)の割合が高まったこととの関連が認められた。一方で、新入生に占める州立学校卒の割合に関しては有意な傾向は認められなかった(1.60、0.97~2.62)。境界例にのみ適用している場合は、比較的低い学業達成(5.19、2.02~13.33)、英語が第二言語である(2.15、1.03~4.48)こととの関連が強かった。

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進行胃がん治療におけるベバシズマブのバイオマーカーの検討:無作為化第III相試験(AVAGAST)での評価

進行胃がんの1stライン治療において、ベバシズマブ(商品名:アバスチン、胃がんには未承認)を化学療法と併用する場合の転帰を予測するバイオマーカーとして、血漿VEGF-Aと腫瘍neuropilin-1が候補となることが、5月7日付Journal of Clinical Oncology誌オンライン速報版に掲載された。これは、未治療の局所進行または転移性胃がん患者における、化学療法へのベバシズマブ併用の有用性を検討した無作為化第III相試験であるAVAGASTにおいて評価されたもの。Eric Van Cutsemらが報告した。本試験では、ベバシズマブ併用群(n = 387)またはプラセボ群(n = 387)に無作為に割り当て、治療開始時、血漿サンプルを712例(92%)から、腫瘍組織サンプルを727例(94%)から採取した。なお、事前にバイオマーカーとして、血漿中の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)-A、neuropilin-1、VEGF受容体(VEGFR)-1およびVEGFR-2が指定されていた。主な結果は以下の通り。 ・投与開始時における血漿VEGF-A値および腫瘍neuropilin-1の発現は、ベバシズマブの有効性の予測因子として同定された。・投与開始時に血漿VEGF-Aが高値の患者の全生存率(ハザード比[HR]:0.72、95%CI:0.57~0.93)は、低値の患者(HR:1.01、95%CI:0.77~1.31)に比べて改善傾向が認められた(interaction p = 0.07)。・neuropilin-1発現が低い患者の全生存率(HR:0.75、95%CI:0.59~0.97)は、高い患者(HR:1.07、95%CI:0.81~1.40)に比べて改善傾向が認められた(interaction p = 0.06)。・サブグループ解析において、アジア地域以外の患者でのみ、両バイオマーカーの有意性が示された。

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無作為化試験の患者データを基にしたメタ解析:DES vs BMS

現在のプールされた患者レベルのメタ解析の結果、プライマリPCIを受けたST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、シロリムスやパクリタキセルの薬剤溶出ステント(DES)が、ベアメタルステント(BMS)に比較し、長期間におけるターゲット部位の血行再建を減少させたが、逆に、遅発性再梗塞およびステント血栓症はDES群において増加したと報告された。これは、イタリアの De Lucaらの報告によるもので、STEMIに対して実施されたDESの無作為化試験の全てが対象とされ、合計6,298人であった。内訳は、DES群が3,980人(63.2%)、BMS群が2,318人(36.8%)であり、DESの99%にシロリムスまたはパクリタキセルの溶出ステントが使用されている。主な結果は以下のとおり。 ・平均フォロー日数は1201(±440)日であった。・標的部位の血行再建率は、DES群で12.7%、BMS群で20.1%(ハザード比:0.57[95%CI:0.50-0.66], P

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「測ることからはじめる 糖尿病の予防と治療」日糖協とサノフィ共催で6月開催

日本糖尿病協会とサノフィ・アベンティスは、6月2日に東京ミッドタウン ガレリアB1F アトリウムにおいて、糖尿病について学ぶイベント「測ることからはじめる糖尿病の予防と治療」を開催する。本年4月からHbA1cの表記が国際標準化され、従来日本において使用されてきたJDS値から国際的に使用されているNGSP値に変更されたことから、より一層の認知向上が求められている。同社らはは、HbA1cの重要性を理解し、自分のHbA1cの値を知ってもらうことを目的に、2006年より毎年「ヘモグロビン・エー・ワン・シー(HbA1c)認知向上運動」を全国で開催している。イベント開催当日は、糖尿病専門医が予防や治療方法などについて解説するほか、自分のHbA1c値がその場でわかる無料測定など認知度向上のために企画された様々なブースを展示予定とのこと。 【概要】 ヘモグロビン・エー・ワン・シー(HbA1c)認知向上運動 2012「測ることからはじめる 糖尿病の予防と治療」イベント概要日時: 2012年6月2日(土) 11:00~17:00場所: 東京ミッドタウン ガレリアB1F 『アトリウム』地図はこちらhttp://www.tokyo-midtown.com/jp/access/index.html 【プログラム】 (1)あなたの疑問もこれでスッキリ!「専門医が語る 糖尿病トークセッション」第1部: 11:30~12:30第2部: 13:30~14:30(定員:各回先着80名) スピーカー:清野 裕先生(社団法人日本糖尿病協会 理事長/関西電力病院 院長)南條 輝志男先生(社団法人日本糖尿病協会 理事/和歌山ろうさい病院 病院長)稲垣 暢也先生(社団法人日本糖尿病協会 理事/京都大学 大学院医学研究科糖尿病・栄養内科学教授) ゲストナビゲーター:橋本 志穂(タレント・フリーアナウンサー) (2)あなたのHbA1c がその場で分かる!「糖尿病 測定&体験ゾーン」1. HbA1cの無料測定(先着150名)2. 栄養相談3. 糖尿病のパネル展示4. 血圧/体脂肪無料測定※プログラムの内容は諸事情により変更の可能性があります。予めご了承ください。 【運営】 共催: 社団法人 日本糖尿病協会、サノフィ・アベンティス株式会社後援: 社団法人 日本糖尿病学会協力: 株式会社 サカエ 詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/l/jp/ja/download.jsp?file=D7C156C9-99EF-40BA-9C0C-C89813D30460.pdf

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インスリン デグルデク、2型糖尿病の低血糖、夜間低血糖を改善

 2型糖尿病に対する基礎・追加インスリン療法の基礎インスリンとして、インスリン デグルデクはインスリン グラルギン(商品名:ランタス)と同等の血糖コントロールを示し、夜間低血糖の発現率は有意に低いことが、アメリカ・ベイラー医科大学のAlan J Garber氏らが行ったBEGIN Basal-Bolus Type 2試験で示された。2型糖尿病における膵β細胞の機能不全の進行は、従来の基礎インスリン療法では阻止されず、病態は不可避的に増悪するという。デグルデクは新規の超持効型基礎インスリン製剤で、皮下投与するとマルチヘキサマー(多数の六量体からなる集合体)を形成し、緩徐かつ持続的に循環血中に吸収されるため、超長時間のPK/PDプロフィールを示し、グラルギンに比べインスリン作用の変動が小さいことが示唆されている。Lancet誌2012年4月21日号掲載の報告。基礎・追加インスリン療法におけるデグルデクの非劣性を検証 BEGIN Basal-Bolus Type 2試験は、2型糖尿病に対するインスリン デグルデクとインスリン グラルギンの有効性と安全性の非劣性を検証する非盲検無作為化第III相試験。低血糖の発現状況をより正確に評価するために、目標空腹時血糖値の達成に向けて用量を調整する「目標達成に向けた治療(treat-to-target)」として実施された。 2009年9月1日~2010年10月28日までに、12ヵ国123施設から、インスリン治療を3ヵ月以上施行後もHbA1c値が7.0~10.0%であった18歳以上の2型糖尿病患者が登録された。これらの患者が、デグルデクあるいはグラルギンを1日1回皮下注射する群に3対1の割合で無作為に割り付けられ、52週の治療が行われた。 全例が1日3回の食事時にインスリン アスパルトによる追加インスリン療法を受けた。基礎インスリン療法は、朝食前の自己測定による血糖値3.9~<5.0mmol/L(=70.2~<90mg/dL)を目標に漸増された。 主要評価項目は、ベースラインから治療52週までのHbA1c値の変化とし、デグルデクのグラルギンに対する非劣性を評価した。低血糖(血糖値<3.1mmol/L[=55.8mg/dL]あるいは援助を必要とする重篤な病態)の発現状況についても検討した。より安全な治療選択肢となる可能性 1,006例が登録され、デグルデク群に755例、グラルギン群には251例が割り付けられ、それぞれ744例(99%)、248例(99%)が解析の対象となった(平均年齢58.9歳、平均罹病期間:13.5年、平均HbA1c値:8.3%、平均空腹時血糖値:9.2mmol/L[=165.6mg/dL])。試験完遂率はデグルデク群が82%(618例)、グラルギン群は84%(211例)だった。 治療1年後のHbA1c値の低下率はデグルデク群が1.1%、グラルギン群は1.2%(推定治療差:0.08%、95%信頼区間[CI]:-0.05~0.21)であり、血糖コントロールにおけるデグルデクのグラルギンに対する非劣性が確証された。 低血糖の発現率はデグルデク群が11.1件/曝露人年と、グラルギン群の13.6件/曝露人年に比べ有意に低かった(推定率比:0.82、95%CI:0.69~0.99、p=0.0359)。同様に、夜間低血糖の発現率もそれぞれ1.4件/曝露人年、1.8件/曝露人年と有意差が認められた(推定率比:0.75、95%CI:0.58~0.99、p=0.0399)。 重度低血糖は両群とも発現率が低すぎて比較できないが、同等と推察された(デグルデク群:0.06件/曝露人年、グラルギン群:0.05件/曝露人年)。他の有害事象の発現状況は両群で同等だった。 著者は、「インスリン デグルデクによる基礎インスリン療法は、インスリン グラルギンに比べ夜間低血糖の発現率が低く、同等の血糖コントロールが達成されたことから、基礎・追加インスリン療法を要する長期化した2型糖尿病患者に対し、より安全な治療選択肢となる可能性がある」と結論している。

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低量分割ゲムツズマブ・オゾガマイシン追加療法、AMLの1次治療アウトカムを改善

ゲムツズマブ・オゾガマイシン(GO、商品名:マイロターグ)の低量分割投与法は、急性骨髄性白血病(AML)の1次治療において安全に施行可能で、標準的な化学療法との併用により、標準治療単独に比べアウトカムを実質的に改善することが、フランスVersailles-Saint Quentin大学Mignot病院のSylvie Castaigne氏らが行ったALFA-0701試験で示された。標準治療と、ヒト化抗CD33モノクローナル抗体とカリケアマイシンの複合体であるGOの併用療法は、第III相試験で相反する結果が報告されている。一方、GOは当初、9mg/m2を第1、14日に投与するレジメンが用いられたが、血液毒性や肝中心静脈閉塞(VOD)に起因する肝毒性が高頻度に発現したことから、低量分割レジメン(3mg/m2[最大5mg/m2]、第1、4、7日)が開発されたという。Lancet誌2012年4月21日号(オンライン版2012年4月5日号)掲載の報告。低量分割GOの上乗せ効果を無作為化第III相試験で検証ALFA-0701試験は、AMLに対する1次治療としての標準的化学療法への低量分割GOの上乗せ効果を検証する非盲検無作為化第III相試験。2008年1月~2010年11月までに、フランスの26施設から新規に診断された50~70歳の未治療ALM患者が登録された。これらの患者が、寛解導入療法として標準治療単独あるいは標準治療+GOを施行する群に無作為に割り付けられた。標準治療群はダウノルビシン(60mg/m2、第1~3日)+シタラビン(200mg/m2、第1~7日間)を行い、GO追加群は標準治療に加えGO(3mg/m2、第1、4、7日)を投与した。15日目に骨髄穿刺を行い、骨髄芽球が10%以上の患者には2回目の寛解導入療法としてダウノルビシン(60mg/m2、第1~2日)+シタラビン(1,000mg/m2/12時間、第1~3日)を施行した。完全寛解(CR)または血小板回復が不十分なことを除きCR(CRp)を達成した患者には、さらに2回の地固め療法を実施した。すなわち、標準治療群では、1回目はダウノルビシン(60mg/m2、第1日)+シタラビン(1,000mg/m2/12時間、第1~4日)、2回目はダウノルビシン(60mg/m2、第1~2日)+シタラビン(1,000g/m2/12時間、第1~4日)を施行した。GO追加群には各回とも標準治療に加えGO(3mg/m2、第1日)を投与した。1次治療としてのGOの再評価を正当化する知見280例が登録され、標準治療群に140例、GO追加群にも140例が割り付けられた。それぞれ139例ずつが解析の対象となった。寛解導入療法のCR/CRp率は、標準治療群が75%(104/139例)、GO追加群は81%(113/139例)であり、有意な差はなかった(オッズ比:1.46、95%信頼区間[CI]:0.20~2.59、p=0.25)。主要評価項目である2年後の無イベント生存率(EFS)は、標準治療群の17.1%に対しGO追加群は40.8%と有意に改善し(ハザード比[HR]:0.58、95%CI:0.43~0.78、p=0.0003)、副次的評価項目である全生存率(OS)にも有意差が認められた(標準治療群:41.9% vs. GO追加群:53.2%、HR:0.52、95%CI:0.36~0.75、p=0.0003)。無再発生存率(RFS)もGO追加群が有意に優れた(22.7% vs. 50.3%、HR:0.52、95%CI:0.36~0.75、p=0.0003)。血液毒性のうち、特に持続性血小板減少が標準治療群に比べGO追加群で多かったが(3% vs. 16%)、毒性に起因する死亡リスクの増大は認めなかった。著者は、「GOは低量分割投与により、累積的高用量を安全に投与することが可能となり、実質的なアウトカムの改善をもたらした」と結論づけ、「これらの知見は、AMLに対する1次治療としてのGOの再評価を正当化するものだ」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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内臓脂肪に及ぼす影響は、ARB間で差があるのか?-メタボリックシンドロームを合併した高血圧-

 メタボリックシンドロームと診断された本態性高血圧症患者における内臓脂肪組織の減少に関してARB間で差がある可能性がDiab Vasc Dis Res誌オンライン速報版に5月4日、掲載された。これは岡山大学の村上和敏氏らによる無作為化比較試験Abdominal fat Depot Intervention Program of Okayama (ADIPO)の結果によるもの。テルミサルタンとバルサルタンの内臓脂肪面積に及ぼす影響を比較 本試験ではメタボリックシンドロームと診断された本態性高血圧症患者(n=19)が、テルミサルタン40mg/日またはバルサルタン80mg/日が投与される治療群のいずれかに無作為に割り付けられ、それぞれのARBが24週間投与された。 主な結果は下記のとおり。1. CTで測定した内臓脂肪面積はテルミサルタン群で150.4±15.5cm2から127.7±16.7cm2に有意に縮小した(P=0.049)。2. バルサルタン群では内臓脂肪面積が169.8±14.8cm2から155.3±14.8cm2に縮小したが、有意ではなかった(P=0.173)。3. 体重、BMI、腹囲径、空腹時血糖値、HOMA-IRは両群とも、ベースラインから有意な変化を認めなかった。

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C型慢性肝炎治療薬テラビック投与1週間以内は週2回以上の腎機能検査を -テラビック投与直後における急性腎不全-

田辺三菱製薬株式会社は9日、C型慢性肝炎治療薬テラビック錠250mg(一般名:テラプレビル)について、投与直後の急性腎不全等の重篤な腎機能障害が認められたことを受け、「適正使用に関する重要なお知らせ」を発表し、投与開始 1 週間以内の腎機能検査(週2回)を実施するなどの注意を呼びかけた。テラビック投与開始1週間以内は、週2回、腎機能検査実施を同社によると、テラビックが発売された2011年11月28日から2012年5月8日までに、3,358 例の患者に使用されており、急性腎不全7例を含む重篤な腎機能障害が17例報告されたとのこと。重篤な腎機能障害17例19 件の内訳は、急性腎不全7件、腎障害6件、腎機能障害2件、血中尿素増加2件、腎不全1件、血中クレアチニン増加 1件。これらはテラビックの投与から1週以内に12例、投与開始2週目では5例と、投与開始1週間以内に多く見られていた。この結果を受け、同社はテラビック投与時には定期的な腎機能検査の実施、特に投与開始1週間以内では少なくとも週2回の腎機能検査実施を呼びかけており、血中クレアチニンの顕著な増加等が認められた場合は、リスクおよびベネフィットを鑑み、テラビックの投与を中止するなど適切な処置を行うことも伝えている。(ケアネット 藤原 健次)

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脂質異常症治療薬「JTT-705(dalcetrapib)」開発中止

 JTは7日、脂質異常症治療薬「JTT-705(dalcetrapib)」について、本日、スイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社(以下ロシュ社)が同剤のすべての開発を中止することを発表したことを公表した。JTT-705については、2004年10月にロシュ社と導出に関するライセンス契約を締結し、日本を除く海外において同社が開発を行っていた。 「JTT-705(dalcetrapib)」はHDL中のコレステロールをLDLに転送する蛋白質であるCETP(コレステリルエステル転送蛋白)の活性を調節することにより血中のHDLコレステロールを増加させて抗動脈硬化作用を示す薬剤で、導出に関するライセンス契約締結以降、同社が海外における臨床試験を行っており、海外において第III相臨床試験の段階にあったという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2012/pdf/20120507_01.pdf

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【British Journal of Dermatologyより】成人のアトピー性皮膚炎と肥満に関連性はあるのか?

幼少期における肥満は、アトピー性皮膚炎(AD)のリスクや重症度と関連があるとの報告があるが、成人期の場合も同様のことがいえそうだ。筆頭著者であるSilverberg氏は「体重の減少が成人のADの予防または症状の軽減につながるか否かについては、今後さらなる検討が必要である」と結んでいる。1994年1月から2003年12月に米国において実施された、2,090名を対象としたケースコントロール試験によると、成人における肥満はADの増加と関連性があり(補正オッズ比1.43、p=0.01)、非アトピー性の皮膚炎とは関連性がなかった(補正オッズ比0.59、p=0.32)。その他の結果は以下の通りである。 ・肥満はアトピー型喘息の増加とも関連性がある(補正オッズ比1.98、p<0.0001)。 一方で、非アトピー型喘息とは関連性がない(p=0.20)。・肥満はアトピー性、非アトピー性にかかわらず鼻炎とは関連性がない(それぞれp=0.08、0.31)。・アトピー性、非アトピー性にかかわらず食物アレルギーとも関連性はみられない(それぞれp=0.67、0.35)。・過敏症(atopy)とも関連性はない(p=0.40)。・肥満とADの関連性は、以下の場合でも有意であった。 -喘息、鼻炎、食物アレルギーの既往歴で補正をかけた場合(補正オッズ比1.40、p=0.02) -ADのみ罹患した患者のサブセット解析を行った場合(補正オッズ比1.96、p=0.04) -ADと喘息、鼻炎、およびまたは食物アレルギーを合併した患者のサブセット解析を行った場合(補正オッズ比1.40、p=0.03) ========================================【関連コンテンツ】いかに寛解を維持するか?アトピー性皮膚炎再発抑制のコツを伝授! (ケアネット 藤井 美佳)

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外用局所麻酔剤「エムラクリーム」発売

佐藤製薬は7日、アストラゼネカ社とライセンス契約を締結し、開発を行ってきた外用局所麻酔剤「エムラクリーム」(製造販売承認取得日:2012年1月18日)を5月14日に発売すると発表した。エムラクリームは、国内初の「皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和」に用いる外用局所麻酔剤。従来の外用局所麻酔剤では皮膚への透過性が低く十分な効果が得られなかったというが、同製品は、常温では固体の局所麻酔剤リドカインとプロピトカインを混合することで融点が下がる性質(共融混合物)を利用して、正常皮膚に対する優れた薬剤の透過性と高い麻酔効果を実現したとのこと。これまで、皮膚レーザー照射による痛みを緩和するためには、注射による局所麻酔などが行われてきた。注射による局所麻酔は、十分な麻酔効果が得られるために汎用されているが、注射針穿刺時の痛みや薬液により組織が押し広げられるなどの痛みが指摘されていたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2012/120507.html

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PCI対CABG、長期生存はCABGが優れる

 血行再建戦略の有効性について、多枝冠動脈疾患65歳以上患者を対象に経皮的冠動脈介入(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)の長期生存について比較した結果、CABGを受けた患者のほうがPCIを受けた患者よりも、長期生存に優れることが見いだされたと結論する報告が発表された。米国心臓病学会財団(ACCF)と米国胸部外科医学会(STS)による共同研究で、研究グループの筆頭著者としてChristiana Care Health SystemのWilliam S. Weintraubが報告を行った。NEJM誌2012年4月19日号(オンライン版2012年3月27日号)掲載より。65歳以上のレジストリ多枝病変患者を4年間追跡 研究グループは、65歳以上の急性心筋梗塞がない2枝病変または3枝病変を有する冠動脈疾患患者についてPCIとCABGの効果を検討する非無作為化観察研究を行った。2004~2008年に収集された、ACCFの全米心血管データレジストリ(National Cardiovascular Data Registry)とSTSの成人心臓手術データベース(Adult Cardiac Surgery Database)を、メディケア・メディケイドの請求データとリンクさせて検討した。また、アウトカムについての比較は、治療選択バイアスを極力軽減するため、傾向スコアと逆確率加重補正を用いて行われた。死亡率、術後1年は有意差ないが、4年後はCABGのほうが低くリスク比0.79 被験者は、CABG群8万6,244例、PCI群10万3,549例で、追跡期間中央値は2.67年だった。 結果、治療後1年の補正後死亡率について、両群間に有意差は認められなかった(CABG群6.24%、PCI群6.55%、リスク比:0.95、95%信頼区間:0.90~1.00)。 しかし治療後4年では、CABG群のほうがPCI群より死亡率が低い傾向が認められた(16.4%対20.8%、リスク比:0.79、95%信頼区間:0.76~0.82)。複数のサブグループ解析や、いくつかの異なる解析方法を用いた場合でも類似の結果が示された。残存交絡については感度解析によって評価された。 これらを踏まえ研究グループは、「緊急処置を必要としない高齢の多枝冠動脈疾患患者においては、CABGを受けた患者のほうがPCIを受けた患者と比較して、長期生存に優れるることが見いだされた」と結論した。

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オフポンプCABG対オンポンプCABGの30日アウトカム

冠動脈バイパス術(CABG)の施行について、心拍動下(オフポンプ)CABGの人工心肺(オンポンプ)CABGに対する相対的な有益性とリスクを検討する国際多施設共同無作為化対照試験が行われた。カナダ・マクマスター大学のAndre Lamy氏ら研究グループによるもので、血液製剤や術中出血、合併症の減少など周術期の有益性は認められる一方、血行再建術の早期再施行リスクの上昇が認められたと報告している。NEJM誌2012年4月19日号掲載報告より。30日時点の優位性を79施設で比較研究グループは2006年11月~2011年10月の間に19ヵ国79施設から、CABGが予定されていた4,752例を登録して試験を行った。被験者は81%が男性、平均年齢は68歳だった。被験者は、オフポンプCABG群(2,375例)またはオンポンプCABG群(2,377例)に無作為に割り付けられた。第1の共通主要アウトカムは、無作為化30日後の死亡、非致死性の脳卒中、非致死性の心筋梗塞、または透析を必要とする腎不全の新規発症の複合とした。血行再建術の早期再施行リスクは増加結果、オフポンプCABGとオンポンプCABGの間に、主要複合アウトカムの発生率についての有意差はみられなかった(9.8%対10.3%、オフポンプ群のハザード比:0.95、95%信頼区間:0.79~1.14、P=0.59)。個々のアウトカムについても同様だった。オフポンプCABGはオンポンプCABGと比較して、血液製剤の輸注量(50.7%対63.3%、相対リスク:0.80、95%信頼区間:0.75~0.85、P

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