砂糖など添加甘味料の摂取が多いと脂質代謝異常リスク増加

提供元:ケアネット

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公開日:2010/05/11

 



砂糖など、カロリーのある甘味料の摂取量が多いと、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)値が低くなったり、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値が高くなるなど、脂質代謝異常リスクが増加する傾向があるようだ。米国Emory大学のJean A. Welsh氏らが、6000人超の米国の成人を対象に行った調査で明らかにしたもので、JAMA誌2010年4月21日号で発表した。添加甘味料と脂質値についての研究は、これが初めてという。

総カロリー摂取量に占める添加甘味料の割合で5群に分類




同氏らは、1999~2006年の全米健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES)の結果から、18歳以上の6,113人を対象に、添加甘味料の摂取量と脂質プロファイルについて、断面調査を行った。

研究グループは被験者を、1日の総カロリー摂取量に占める添加甘味料の割合に応じて、5%未満(対照群)、5~10%未満、10~17.5%未満、17.5~25%未満、25%以上の、5群に分類した。

被験者の総摂取カロリーに占める添加甘味料の割合の平均値は、15.8%だった。

添加甘味料の割合増加に伴いHDL減少、トリグリセリドやLDLは増加、




5群各群の、補正後平均HDL-C値はそれぞれ、58.7、57.5、53.7、51.0、47.7mg/dLと、添加甘味料の割合増加につれて減少傾向がみられた(線形傾向のp<0.001)。

トリグリセリド値の幾何学的平均は、105、102、111、113、114mg/dLと増加傾向がみられた(線形傾向のp<0.001)。

性別で修正したLDL-C値もそれぞれ、116、115、118、121、123mg/dLと増加傾向がみられた(線形傾向のp=0.047)。なお、男性におけるLDL-C値と添加甘味料の割合については、有意な傾向はみられなかった。

総摂取カロリーに占める添加甘味料の割合が10%以上の群では、同割合が5%未満の群に比べ、低HDL-C値のオッズ比は1.5~3.1(線形傾向のp<0.001)だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)