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ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「ACTEMRA」が米国で承認を取得

中外製薬株式会社とF.ホフマン・ラ・ロシュ社[本社:スイスバーゼル市/CEO:セヴリン・シュヴァン](以下、ロシュ社)は9日、、ヒト化抗ヒトIL-6 レセプターモノクローナル抗体「ACTEMRA」(一般名:トシリズマブ〔遺伝子組換え〕)に関して、1剤以上のTNF阻害剤の効果が不十分な中等度から重症の成人の関節リウマチ(RA)を適応症として米国食品医薬品局より承認を取得したと発表した。ACTEMRAは中外製薬と大阪大学の共同研究の成果であり、米国では抗インターロイキン-6(IL-6)レセプターモノクローナル抗体として初めてRAを効能・効果として承認され、単剤もしくは、メトトレキサート(MTX)または疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)との併用で使用できることになる。ACTEMRAは、IL-6の生物活性を特異的に阻害するように創製された初の薬剤。海外では、中外製薬とロシュ社との共同開発により、RA試験としては過去最大規模の世界40ヵ国、4,000名を超える5本の第III相臨床試験が実施されました。これらの試験ではACTEMRA単独投与またはMTXや他のDMARDsとの併用投与により、過去の治療歴や疾患の重症度に関わらずDMARDs単独投与と比較してRAの症状を有意に軽減することが証明されている。今回、ACTEMRAが欧州に続いて米国でも承認されたことにより、革新的な自社創製品が米国市場においても、ロシュ社を通じて販売されることになる。米国でのACTEMRAの販売は、ロシュ社の完全子会社であるジェネンテック社が行うという。中外製薬は、ロシュ社へACTEMRAの最終製剤を供給するとともに、ロシュ社が米国で販売した売上に対する一定のロイヤリティを受け取るとのこと。ACTEMRAは米国で2010年1月18日の週に発売予定。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/news/detail/20100109103000.html

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子宮筋腫を切らずに日帰りで治療 日本初のMRガイド下集束超音波治療器が発売

GEヘルスケアグループの日本法人であるGEヘルスケア・ジャパン株式会社は13日、日本初のMRガイド下集束超音波治療器「ExAblate 2000(エクサブレート2000)」を全国の産婦人科を主対象に発売した。ExAblate 2000は、MRI(磁気共鳴画像診断装置)で撮影した画像をもとに、体外から超音波を照射して筋腫領域に集束させることで、筋腫組織を局所的に加熱し、壊死させるMRガイド下集束超音波治療器(MRgFUS:MR-guided Focused Ultrasound Surgery)だ。対象は痛みや出血などの自覚症状がある症候性子宮筋腫患者。治療は平均3~4時間で腹部を切らずに低侵襲的に完了し、痛みや副作用も軽いため、日帰りでの治療が可能になるなど、患者のQOLも高まる。またMRIと組み合わせて使用するため、MRIの撮影画像上で治療計画を策定できるほか、治療中もMRIから得られる画像データをもとに、超音波の照射位置や焦点温度などをリアルタイムで監視しながら治療できる。従来より行われていた外科手術では、患者の体への負担が大きく、術式によって1日~2週間の入院治療が必要で、しかも開腹術の場合には腹部に傷が残るという課題があったが、ExAblate 2000では、MRIの画像をもとに、虫眼鏡で光を1点に集めるのと同様に、208個の発生源から出る超音波を1点に集めて、うつ伏せになった患者の患部に照射し、焦点組織の温度を65~85度まで上昇させ、子宮筋腫組織を壊死させる。治療時間は平均約3~4時間で、麻酔もかけないため、手術後1時間ほど安静にすれば日帰りも可能だという。また低侵襲的で体に傷跡が残ることもない。詳細はプレスリリースへhttp://japan.gehealthcare.com/cwcjapan/static/company/press/pr_208.html

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ホルモン受容体陽性閉経後乳がん、新たな術後補助療法が確立

ホルモン受容体陽性、リンパ節転移陽性の閉経後乳がんに対する術後補助療法では、化学療法施行後に逐次的にタモキシフェン(TAM、商品名:ノルバデックスなど)を5年間投与する方法が、TAMのみを投与する治療法よりも良好な予後をもたらすことが、アメリカLoyola大学のKathy S Albain氏らBreast Cancer Intergroup of North Americaの研究グループが実施した第III相試験で明らかとなった。TAMはホルモン受容体陽性閉経後乳がんに対する術後補助療法のgold standardであり、化学療法との併用療法は理論的には有望視されていたもののコンセンサスが得られていなかった。最近のメタ解析において、術後TAM+化学療法は閉経前乳がんでは大きな生存べネフィットが示されたが、閉経後乳がんにおける有用性は境界域にとどまったという。Lancet誌2009年12月19/26日合併号(オンライン版2009年12月10日号)掲載の報告。TAM+化学療法併用はTAM単剤よりも、逐次投与は同時投与よりも優れるか?研究グループは、ホルモン受容体陽性閉経後乳がんに対する術後補助療法としてのTAM単剤とTAM+化学療法の併用療法の有用性を比較し、併用療法のうち逐次投与と同時投与ではどちらが優れるかを検討するオープンラベル無作為化比較第III相試験(SWOG-8814, INT-0100)を実施した。ホルモン受容体陽性でリンパ節転移陽性の閉経後乳がん患者が、術後補助療法としてTAM単剤を投与する群(毎日、5年間)、シクロホスファミド+ドキソルビシン+5-FU(CAF、4週毎、6コース)とTAM(毎日、5年)を逐次投与する群(CAF→T群)、CAFとTAMを同時投与する群(CAFT群)に2:3:3の割合となるよう無作為に割り付けられた。主要評価項目は、TAM単剤群に対するTAM+化学療法併用群(CAF→T群、CAFT群)の無病生存率(DFS)の優位性、および同時投与(CAFT群)に対する逐次投与(CAF→T群)のDFSの優位性とした。副次評価項目は、全生存率(OS)および安全性であった。アンスラサイクリン系薬剤ベースレジメン施行後に、逐次的にTAMを5年間投与する方法が有用1989年6月~1995年7月までに1,558例が登録され、1,477例(95%)が評価可能であった。TAM単剤群に361例、CAF→T群に566例、CAFT群には550例が割り付けられた。フォローアップ期間中央値8.94年(最長13年)の時点で、DFSイベント数はTAM単剤群が179件、CAF→T群が216件、CAFT群は242件であった。10年DFSは、TAM+化学療法併用群(CAF→T群、CAFT群)が57%と、TAM単剤群の48%よりも有意に優れた(補正Cox回帰分析によるハザード比:0.76、p=0.002)。10年OSは併用群が65%、TAM単剤群が60%であり、ハザード比は0.83、p値は境界域(p=0.057)で有意差は認めなかった。併用群間の比較では、CAF→T群の10年DFSは60%、CAFT群は53%と、逐次投与群でより良好な傾向が見られたものの有意差はなかった(ハザード比:0.84、p=0.061)。10年OSはそれぞれ68%、62%であり、両群で同等であった(ハザード比:0.90、p=0.30)。CAF→T群はTAM単剤群よりも10年DFS(ハザード比:0.70、p=0.0002)、10年OS(同:0.79、p=0.032)がともに有意に優れたが、CAFT群とTAM単剤群間には10年DFS(同:0.83、p=0.062)、10年OS(同:0.87、p=0.22)ともに有意差はなかった。TAM単剤群に比べTAM+化学療法併用群で頻度の高い有害事象として、好中球減少、口内炎、血栓塞栓症、うっ血性心不全、白血病が認められた。著者は、「ホルモン受容体陽性、リンパ節転移陽性の閉経後乳がんの術後補助療法は、TAMのみを5年間投与する方法よりも、アンスラサイクリン系薬剤をベースとする化学療法を施行後に逐次的にTAMを5年間投与する方法が、リスク/ベネフィット比が優れる。しかし、アンスラサイクリン系薬剤ベースレジメンが無効なサブグループが存在する可能性も示唆される」と結論し、「術後補助療法の有用性を評価するには、長期にわたるフォローアップが不可欠なことを、この試験は示している」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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新型インフル発生後3ヵ月、メキシコの経験から見えるもの

2009年4月23日、世界で最初にインフルエンザA H1N1感染例を報告したメキシコでは、発生後3ヵ月の7月31日までに6,945例がH1N1に感染し、入院患者は475例、死亡例は63例であり、季節性インフルエンザワクチン接種例で感染リスクが低かったことなどが、メキシコ社会保障研究所(IMSS)のSantiago Echevarría-Zuno氏らの調査でわかった。その後、9月27日までに世界で4,100例以上がH1N1感染が原因で死亡し、そのうち3,020例がアメリカ大陸諸国の患者であり、メキシコからは146例の死亡が報告されている。これは、当初の予想を超えた死亡例数であったという。Lancet誌2009年12月19/26日合併号(オンライン版2009年11月12日号)掲載の報告。発生初期の感染時期や拡大状況、死亡リスクなどを後ろ向きに解析研究グループは、H1N1感染の時期および拡大の状況を報告し、感染や病態の重篤化、死亡のリスクとともに、その予防法について検討を行った。2009年4月28日~7月31日までに、インフルエンザサーベイランスシステムを用いて、メキシコ社会保障研究所のネットワークに所属する医療施設を受診したインフルエンザ様症状を呈する患者の情報を収集し、レトロスペクティブな解析を行った。人口特性、臨床症状、季節性インフルエンザワクチンの接種状況、症状発現から入院までの経過時間に基づいて、受診時にインフルエンザ様症状を呈する患者が検査でH1N1陽性となるリスク、H1N1感染が確定されて入院となるリスク、入院中に死亡するリスクのオッズ比(OR)を算出した。3ヵ月で約7,000人が感染、死亡率1%、高齢者で高い死亡リスク、季節性ワクチンが有効2009年7月31日までにインフルエンザ様症状を呈する患者6万3,479例が報告された。6,945例(11%)でH1N1感染が確定され、そのうち6,407例(92%)が外来患者であり、475例(7%)が入院生存中、63例(<1%)がすでに死亡していた。H1N1感染率は10~39歳の年齢層で最も高く、56%(3,922例)が含まれた。年齢層別の死亡率はJ型カーブを描き、70歳以上が10.3%と最も死亡リスクが高かった。季節性インフルエンザワクチンの接種を受けていた患者はH1N1感染リスクが低下していた[OR:0.65、95%信頼区間(IC):0.55~0.77]。入院の延長(1日延長のOR:1.19、95%IC:1.11~1.28)および病態の慢性化(OR:6.1、95%IC:2.37~15.99)が死亡リスクの増大と関連していた。著者は、「リスク情報の伝達と医療施設の整備が、H1N1感染による死亡率の低減の鍵となる」と指摘し、「季節性インフルエンザワクチン接種の予防効果についてはさらなる調査が必要」としている。(菅野守:医学ライター)

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20代喫煙者の7割がニコチン依存症 うち半数は10代から喫煙

ファイザー株式会社が1月11日の成人の日を前に行った調査によると、20代の喫煙者の69.7%がニコチン依存症であることがわかった。2008年に、20代以上の全世代の喫煙者9,400人を対象に行った「日本全国のニコチン依存度チェック」で“70.7%がニコチン依存症”と判明したことと比較すると、喫煙年数が比較的短い20代のみを対象にした調査にも関わらず、非常に高い割合であった。調査は、20代の喫煙者1,000人(全国・男女/各500人、計1,000人)を対象にインターネットを通じて行われた。ニコチン依存症の診断基準となる10項目(TDS:Tobacco Dependence Screener)について質問したところ、ニコチン依存症と診断される20代喫煙者は69.7%(697人/1,000人)にのぼることがわかった。そのうち、ニコチン依存症を自覚していた人の割合は、45.3%(316人/697人)であった。また、ニコチン依存症に該当した20代の喫煙者(697人)が禁煙治療の保険適用対象となるかを明らかにするため、ブリンクマン指数も調べた。その結果、ブリンクマン指数が保険適用の対象となる200以上である喫煙者は、わずか11.9%(83人/697人)にとどまった。20代の喫煙者は喫煙年数が短い場合が多く、ニコチン依存症でも9割近くが禁煙治療の保険適用を受けられないという現状が明らかになった。「最初にタバコを吸ったのはいつですか?」という質問には、小学校の時4.0%(40人/1,000人)、中学校の時16.1%(161人/1,000人)、高校生の時25.8%(258人/1,000人)と、高校卒業までにタバコを吸い始めたと回答した喫煙者が45.9%(459人/1,000人)にのぼった。吸い始めたきっかけの1位は「友達に勧められた」(50.9%)次いで、「ストレス解消になると思った」(30.2%)、「かっこいいと思った」(23.5%)の順で回答が多かった。 「タバコを吸い始めるきっかけは何でしたか?」と質問したところ、50.9%が「友達がタバコを吸っていて、勧められたから」(509人/1,000人)、30.2%が「ストレス解消になると思ったから」(302人/1,000人)という回答した。また、若年層特有の傾向として、「タバコを吸うことがかっこいいと思ったから」23.5%(235人/1,000人)という回答も目立った。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2010/2010_01_07.html

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2009新型インフルワクチンの有効性:中国製不活化ワクチン

中国・江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏ら研究グループは、中国国内で最近開発・販売承認された2009新型インフル用の単価不活化ワクチンの安全性と免疫原性について検討した、無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果を発表した。試験は3~77歳の被験者を4つの年齢群に分け行われた。12~60歳では1回接種後(アジュバント非添加15μg)に大多数に十分な免疫応答が得られ、小児(3~11歳)および高齢者(61歳以上)では2回投与の必要性が認められる結果が得られたという。NEJM誌2009年12月17日号(オンライン版2009年10月21日号)より。年齢別にアジュバントの有無、抗原量・回数検討試験は、2009年7月から8月の間に、2,200例が参加し行われた。ワクチンは、21日間隔で2回接種された。2回とも接種を受けたのは2,103例(95.6%)。年齢別に階層化された被験者は、プラセボまたは抗原量7.5μg、15μg、30μgの各ワクチン(+アルミニウムアジュバント添加の有無それぞれ)の群別に無作為化され接種を受け、ベースラインと接種21日目、35日目に血清分析が行われた。12~60歳はアジュバント非添加の15μgワクチン1回接種で結果、アジュバント非添加の15μgワクチンを投与された被験者で、21日目までに赤血球凝集抑制抗体価が40倍以上に達した割合は、「3~11歳群」74.5%、「12~17歳群」97.1%、「18~60歳群」97.1%、「61歳以上群」79.1%だった。35日目までに達したのは、それぞれ98.1%、100%、97.1%、93.3%。40倍以上達成率が最も高かったのは、アジュバント添加・非添加にかかわらず30μgワクチンを接種された被験者群だった。また免疫応答は、アジュバント非添加ワクチン群の方が、添加ワクチン群より大きかった。なお安全性については、ワクチンと関連した重度の有害反応は認められず、アジュバント非添加ワクチン群で注射部位の局所反応または全身反応が観察されたが(5.5~15.9%)、ほとんどが軽度だった。局所反応はアジュバント非添加ワクチン群の方が添加ワクチン群より少なかった。(医療ライター:武藤まき)

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2009新型インフルワクチンの有効性:細胞培養ワクチン

ノバルティス製造の細胞培養による2009新型インフル用のワクチン、MF59アジュバント添加ワクチンの忍容性と免疫原性について行われた臨床試験の結果が、英国レスター大学病院Tristan W. Clark氏らによって発表された。試験はレスター大学病院において、18~50歳の成人176例を対象に行われ、1回接種で予防効果があると思われる抗体反応が得られたという。NEJM誌2009年12月17日号(オンライン版2009年9月10日号)より。MF59アジュバントの有無、抗原量・回数検討A/California/2009(H1N1)表面抗原を含有するMF59アジュバント添加ワクチンに関する臨床試験は、2009年7月から9月の間に、アジュバント添加・非添加のワクチンを用いて行われた。被験者は、MF59アジュバント添加7.5μgワクチンの2回接種を、0日間隔(同日に両腕に接種)、7日間隔、14日間隔、21日間隔で受ける群に、または3.75μgワクチンの2回接種を21日間隔で受ける群に(以上、「添加群」)、あるいはアジュバント非添加の7.5μgワクチンまたは15μgワクチンの2回接種を21日間隔で受ける群(以上、「非添加群」)に、無作為に割り付けられた。接種後0、14、21と42日目に、赤血球凝集抑制試験とマイクロ中和試験を用いて、抗体反応を測定した。MF59アジュバント添加ワクチン1回接種で結果、21日目の測定で、MF59アジュバント添加ワクチン接種群の方が、非添加ワクチン群より、高い抗体価が認められた(マイクロ中和試験によるP

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軽度アルツハイマー病へのtarenflurbil投与、認知機能やADL低下に効果なし:第3相臨床試験

軽度アルツハイマー病に対し、選択的Aβ42低下薬であるtarenflurbilを投与しても、認知機能やADL(日常生活動作)の低下を遅延させる効果は見られないことが、治験第3相の結果、報告された。治験第2相の結果で、その効果の可能性が期待されたが立証することはできなかった。tarenflurbil治験第3相の報告は、米国ボストン大学神経内科部門のRobert C. Green氏らにより、JAMA誌2009年12月16日号で発表された。全米133ヵ所で1,600人超を18ヵ月追跡同治験は多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照で、2005年2月21日~2008年4月30日にかけて、全米133ヵ所の医療機関で、1,684人の軽度アルツハイマー病患者を対象に行われた。解析対象に含まれたのは1,649人、試験を完了したのは1,046人。統合第一有効性エンドポイントは、アルツハイマー病評価尺度の認知サブスケール(ADAS-Cog、80ポイント版)とアルツハイマー病共同研究-日常生活動作スケール(ADCS-ADL)による、試験開始時点と開始後18ヵ月時点のスコアの変化とした。被験者へのコリンエステラーゼ阻害薬(商品名:アリセプト)やmemantineの併用投与は許可された。ADAS-Cog、ADCS-ADLのスコア変化、プラセボ群と有意差なし結果、tarenflurbil群とプラセボ群には、認知能力などの変化に有意差は見られなかった。両群の変化差は、ADAS-Cogは0.1(95%信頼区間:-0.9~1.1、p=0.86)、ADCS-ADLは-0.5(同:-1.9~0.9、p=0.48)だった。なお、ADAS-Cogスコアは、試験開始時点と比べ、18ヵ月時点ではtarenflurbil群で7.27ポイント、プラセボ群で7.08ポイント低下した。またtarenflurbil群では、めまい、貧血、感染症の頻度がわずかに増加した。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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血漿レプチン濃度が高い人ほど、認知症やアルツハイマー病発症リスクは低下

血漿レプチン濃度が高い人は、低い人に比べ、認知症やアルツハイマー病の発症リスクが低く、脳の高齢化の指標となる大脳容積も大きいことが明らかになった。米国ボストン大学神経内科部門のWolfgang Lieb氏ら「Framingham Heart Study」のグループメンバーが、JAMA誌2009年12月16日号で発表した。これまで動物モデルにおいては、レプチンが加齢やアルツハイマー病による記憶機能改善に関係があることが報告されていた。785人を約8年追跡Lieb氏らは、Framingham Heart Studyの被験者で認知症の認められなかった785人について、中央値8.3年(0~15.5年)追跡した。被験者の平均年齢は79歳(標準偏差5歳)で、うち62%が女性だった。血漿レプチンを採取して約7.7年後の1999~2005年にかけて、被験者のうちその時点で認知症の認められない198人について、容積測定脳MRIを行い、大脳容積と側頭角容積を測定した。その後2007年12月31日まで、認知症、アルツハイマー病の発症を追跡した。レプチン対数値の1標準偏差増加で、認知症発症リスクは0.68倍に追跡期間中(中央値8.3年)に認知症を発症したのは111人で、そのうちアルツハイマー病は89人だった。多変量解析の結果、血漿レプチン濃度が高いほど、認知症発症リスクが低かった。レプチン対数値が1標準偏差増加することによる認知症発症に関するハザード比は0.68(95%信頼区間:0.54~0.87)、アルツハイマー病発症に関する同ハザード比は0.60(同:0.46~0.79)だった。12年間追跡した際のアルツハイマー病発症の絶対リスクは、男女別の血漿レプチン濃度が最も低い四分位範囲群では25%なのに対し、最も高い四分位範囲群では6%だった。さらに、血漿レプチン濃度が1標準偏差増加することにより、大脳容積は増加し、側頭下角容積は低下する傾向があることがわかった。ただし、血漿レプチン濃度と側頭下角容積の関連については、有意差は認められなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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米国FDA、65 歳以上の年齢層に対する新しい季節性インフルエンザワクチンを承認

仏サノフィ・アベンティス社は12月23日(現地時間)、サノフィ・アベンティスグループ(EURONEXT:SANおよびNYSE:SNY)のワクチン事業部門であるサノフィパスツールが、高用量Fluzoneについての生物製剤一部変更承認申請を、米国食品医薬品局(FDA)から承認されたと発表した。サノフィ・アベンティス株式会社が6日に報告した。65歳以上を対象としたこの新しい季節性インフルエンザワクチンは、2010~2011年インフルエンザシーズンに向けて、2010年秋には医療機関で接種できるようになるとのこと。高用量Fluzoneは、65歳以上の人でより確実に免疫応答が得られるよう、製剤化されたワクチン。65歳以上の人では免疫系が弱くなっているため、通常、標準用量のインフルエンザワクチンでは、若い人のような十分な免疫応答が得られないという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/87CDD01C-72BC-4C9A-8684-0A984D089695.pdf

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開発中の抗(がん)剤BIBF 1120およびBIBW 2992の臨床開発プログラムを更に拡大

ドイツ・ベーリンガーインゲルハイム社は12月17日(現地時間)、臨床開発の後期段階にある2つの抗(がん)剤のうちBIBF 1120で、進行卵巣を対象とした第III相試験(LUME-Ovar-1試験)を開始すると発表した。本試験では、新規経口血管新生阻害剤BIBF 1120 またはプラセボを標準化学療法に併用した場合の有効性・安全性を比較検討するとのこと。LUME-Ovar-1試験(AGO-OVAR12)は、ドイツの研究グループAGO(AGO: Arbeitsgemeinschaft Gynaekologische Onkologie)が主導する国際コンソーシアムとベーリンガーインゲルハイムの共同研究。BIBF 1120(海外での予定製品名VargatefTM)は、腫瘍の増殖と拡大に必要な血管新生に関与する3つの受容体を同時に阻害する新規経口薬剤。血管新生は、すべての固形腫瘍の増殖で重要な役割を果たしていることから、現在、BIBF 1120では非小細胞肺(NSCLC)、大腸(CRC)、腎細胞(RCC)、肝細胞(HCC)などの一連の固形を対象として有用性が検討されているという。 詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/com/Home/Newscentre/pressrelease/news_detail.jsp?paramOid=9976

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Herceptin 欧州においてHER2陽性の進行性胃がん治療に対する肯定的な見解を受領

スイス・ロシュ社は12月18日(現地時間)、HER2陽性の転移性胃がん(胃または胃食道接合部の転移性腺がん)患者の治療に対する標準的な化学療法とHerceptin(trastuzumab)の併用について、欧州医薬品審査庁(EMEA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)が肯定的な見解を発出したことを発表した。25日、中外製薬株式会社が報告した。高いアンメットメディカルニーズと国際共同臨床試験であるToGA試験の良好なデータから、Herceptinは欧州において記録的な速さで、この新規効能・効果に対する肯定的な見解を受領したという。この試験では、Herceptinと化学療法(Xelodaまたは5-FU持続静注とcisplatin)の併用により、悪性度の高いがん患者の生存期間が延長されることが立証された。さらに、HER2高発現の患者の全生存期間中央値は、化学療法単独の患者が11.8ヵ月であるのに対して、Herceptin投与を受けている患者では16ヵ月だったとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeHeader.jsp;jsessionid=NIHYDOPADRGFGCSSUIHCFEQ?documentId=doc_16801&lang=ja

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企業の『喫煙対策』を始めるなら年始が一番!?

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカルカンパニーは、企業における禁煙啓発活動の一環として、全国の20歳代以上の企業の社長・役員(以下、経営陣)の男女500名を対象に、「禁煙と企業経営」に関する意識調査を2009年12月上旬に実施し、その結果を24日に報告した。調査結果では、企業の『喫煙対策』を開始する時期についての問いに、「年明けの始業日」(48.8%)が最も多く、次いで、「世界禁煙デー」(22.2%)、「営業期首」(17.8%)、4月1日(15.0%)となった。企業の『喫煙対策』に対して「賛成」(54.6%)の経営陣と、「どちらかといえば賛成」(23.4%)の経営陣を併せると、経営陣の大半が賛成(78.0%)という結果となった。また、多くの企業が『喫煙対策』を実施しており(77.0%)、実施している企業の半数以上が「分煙」(50.6%)だった。喫煙が企業にもたらすリスク要因で、経営陣が最も知っていた項目は、「従業員の健康への被害」(84.4%)で、最も知らなかった項目は、「約6坪の喫煙場所に、分煙のためにかかる維持管理費は、年間で数百万円」(15.8%)と最下位だった。詳細はプレスリリースへhttp://www.jnj.co.jp/group/press/2009/1224/index.html

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中等度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群、ケンブリッジ・ダイエットで改善

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療の主要な選択肢として体重減少が推奨されており、軽度の場合の改善例はこれまでにも示されているが、中等度~重度の場合はどうなのか。スウェーデンKarolinska Institutet医学部肥満症部門のKari Johansson氏らの研究グループが、肥満男性で中等度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者を対象に、超低エネルギー食によるケンブリッジ・ダイエットで体重を落とした場合の影響を評価した。BMJ誌2009年12月12日号(オンライン版2009年12月3日号)より。通常の3分の1の超低エネルギー食、ケンブリッジ・ダイエットで体重減少試験は、Karolinska Institutet付属大学病院の肥満外来クリニックで、1センター2部門併行、無作為化対照オープンラベルにて行われた。治療割付にはブロック無作為化の手法が用いられた。対象は、中等度~重度(AHI〔無呼吸・低呼吸指数〕:≧15)の閉塞性睡眠時無呼吸症候群で、持続陽圧呼吸療法(CPAP)による治療が行われていた肥満男性63例(BMI:30~40、年齢30~65歳)。30例が介入群に、33例が対照群に無作為化された(うち対照群2例は割当に不満だとして直ちに中止。残りの患者は試験を完了した)。体重を落とすため介入群には、ケンブリッジ・ダイエットに従って液体超低エネルギー食(2.3MJ/日、参考:1MJ=239kcal)を7週間摂取した後、2週間にわたって徐々に標準食を導入し、9週時点で6.3MJ/日まで戻した。一方、対照群は9週の間、通常の食事を食べ続けた。主要評価項目はAHIで、無作為化された全患者のデータをintention to treat解析が行われた。超低エネルギー食治療の効果は重症ほど大きかった両群ともベースラインの平均AHIは、37/h(SD:15)だった。9週時点で、介入群は対照群より、平均体重は20kg(95%信頼区間:18~21)低く、平均AHIは23/h(同:15~30)低かった。介入群30例のうち5例(17%)は、介入後、症状がなくなり(AHI:30)と中等度(AHI:15~30)との比較で、体重減少は両群で同様だったが(-19.2対-18.2kg、P=0.55)、重度の患者の方が、ベースライン時AHIからの改善幅が有意に大きかった(AHI:-38対-12、P

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オセルタミビル、その予防・治療効果に疑問符

ザナミビル(商品名:リレンザ)、オセルタミビル(同:タミフル)といったノイラミニダーゼ阻害薬の、健康成人のインフルエンザ症状に対する効果は「ささやかなものである」との報告が、Tom Jefferson氏らコクラン・急性呼吸器感染症共同研究グループによって発表された。ノイラミニダーゼ阻害薬(特にオセルタミビル)は世界的な抗インフルエンザ薬となり、インフルエンザ症状に対し予防効果があり、症状発現から48時間以内に服用すれば疾患期間が1日短くなると言われる一方、合併症への効果や毒性が議論の的にもなっている。BMJ誌2009年12月12日号(オンライン版2009年12月8日号)より。コクランデータベースから20試験を抽出・解析Jefferson氏らは、2005コクラン・レビューを更新するため、ノイラミニダーゼ阻害薬の効果(健康成人におけるインフルエンザ症状および感染拡大、合併症の予防と改善)と、有害反応の頻度推計を目的に、システマティックレビューとメタ解析を行った。論文検索は、コクランライブラリー2009(issue 2)、急性呼吸器感染症研究グループ専門レジスター、Medline(1950年~2009年8月)、Embase(1980年~2009年8月)、市販後調査データ、比較安全コホート研究から行った。選択基準は、季節性インフルエンザに罹患した健康成人に関するノイラミニダーゼ阻害薬の無作為化プラセボ対照試験とし、予防4試験、治療12試験、曝露後予防4試験の計20試験を選択した。主要評価項目は下気道感染症または類する症状の継続期間と発現率、有害事象とした。2人のレビュアーが基準を適用して、試験の質の評価、データ抽出を行った。データは予防、治療、有害事象ごとに、アウトカムと投与量でさらに細分化され解析された。合併症に効果なく、副作用データは過少報告か?予防に関しては、ノイラミニダーゼ阻害薬は、インフルエンザ様疾患または無症候性インフルエンザに対する効果は認められなかった。診断がついたインフルエンザでの経口オセルタミビルは、75mg/日で有効率61%(リスク比:0.39、95%信頼区間:0.18~0.85)、150mg/日で73%(0.27、0.11~0.67)だった。吸入型のザナミビルは、10mg/日で62%(0.38、0.17~0.85)だった。曝露後予防では、オセルタミビルは家庭で行われた2試験でそれぞれ58%(95% CI 15~79%)と84%(49~95%)の有効率だった。ザナミビルも同様の試験が行われ、インフルエンザ様疾患が軽減するまでの時間に関するハザード比は、オセルタミビル1.20(1.06~1.35)、ザナミビル1.24(1.13~1.36)だった。合併症に関する試験(未発表8試験)は不適格として除外された。残った試験データのエビデンスから、オセルタミビルがインフルエンザに関連した下気道合併症を緩和しなかったこと(リスク比:0.55、95%信頼区間:0.22~1.35)、また嘔気を誘発することも明らかになった(オッズ比:1.79、95%信頼区間:1.10~2.93)。なお、研究グループは、市販後調査の「ごくまれ」とする有害事象のエビデンスは、質が悪いか、過少報告された可能性があると指摘している。以上を踏まえ研究グループは、「ノイラミニダーゼ阻害薬の効果はささやかで、曝露後のインフルエンザには効果的だが、これはインフルエンザ様疾患の一部に過ぎず、このアウトカムでは効果的な治療薬とは言えない。季節性インフルエンザの症状を軽減させるオプションと考えるべき」と述べている。また、良質なデータが不足していることは、オセルタミビルのインフルエンザ合併症予防に関する過去の所見を蝕んでしまった。それによって生じた疑念を解消するには独立した無作為化試験が必要だと結論づけている。

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日本初の、子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」 2009年12月22日発売

グラクソ・スミスクライン株式会社は、子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」を、12月22日に発売した。サーバリックスは、日本初の子宮頸がん予防ワクチンであり、日本では、同社がワクチン事業を展開する最初のワクチンとなる。同社が10月16日に厚生労働省から製造販売承認を取得しており、世界ではすでに100ヵ国以上で承認されている。接種対象者は10歳以上の女性で、通常、1回0.5mLを3回(初回、初回から1ヵ月後、初回から6ヵ月後)、上腕の三角筋部に筋肉内接種する。また同社は、一般向けの子宮頸がんウェブサイト allwomen.jp(http://allwomen.jp/)を通じて、子宮頸がんの情報に加え、サーバリックス発売日以降、ワクチン接種可能な医療機関を検索できるようにした。携帯サイトからもアクセスできる。詳細はプレスリリースへhttp://www.glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_07/P1000601.html

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急性心筋梗塞後の抗血栓薬の併用数が多いと出血リスクが高まる

 初回心筋梗塞患者では、使用された抗血栓薬の数が多くなるに従って出血による入院のリスクが増大することが、デンマークCopenhagen大学Gentofte病院循環器科のRikke Sorensen氏らによる調査で明らかとなった。急性心筋梗塞の発症後は、虚血イベントの低減を目的にアスピリン(商品名:アスピリンなど)とクロピドグレル(同:プラビックス)の併用投与が推奨されているが、さらにビタミンK拮抗薬(同:ワーファリンなど)の追加が適応となる場合もある。一方で、抗血栓薬の多剤併用療法は出血リスクを高めるというジレンマがあるが、これまでに実施された臨床試験では主に効果に焦点が当てられ、安全性に関する検討は乏しいという。Lancet誌2009年12月12日号掲載の報告。初回心筋梗塞患者4万例を後ろ向きに解析 研究グループは、急性心筋梗塞に対する抗血栓療法に関連した出血による入院のリスクを検討するために、デンマークの全国的な登録データを基にレトロスペクティブな解析を行った。 2000~2005年までに初回心筋梗塞で入院した30歳以上の患者40,812例が解析の対象となった。退院時に処方されたレジメンによって、アスピリン、クロピドグレル、ビタミンK拮抗薬の単剤療法、アスピリン+クロピドグレル、アスピリン+ビタミンK拮抗薬、クロピドグレル+ビタミンK拮抗薬の2剤併用療法、これら3剤の併用療法に分類した。 薬剤曝露を時変的共変量とするCox比例ハザードモデルを用いて、出血による入院、心筋梗塞の再発、死亡について評価した。出血リスクは、アスピリン単剤が最も低く、クロピドグレル+ビタミンK拮抗薬併用群と3剤併用で実質的に高い 平均フォローアップ期間476.5日における出血による入院率は4.6%(1,891/40,812例)であった。 年間出血発生率(/人・年)は、アスピリン単剤群が2.6%と最も低く、クロピドグレル単剤群は4.6%、ビタミンK拮抗薬単剤群は4.3%、アスピリン+クロピドグレル併用群は3.7%、アスピリン+ビタミンK拮抗薬併用群は5.1%、クロピドグレル+ビタミンK拮抗薬併用群は12.3%であり、3剤併用群は12.0%であった。クロピドグレル+ビタミンK拮抗薬併用群と3剤併用群は実質的に発生率が高かった。 アスピリン単剤群をreferenceとすると、出血の補正ハザード比はクロピドグレル単剤群が1.33、ビタミンK拮抗薬単剤群が1.23、アスピリン+クロピドグレル併用群が1.47、アスピリン+ビタミンK拮抗薬併用群が1.84、クロピドグレル+ビタミンK拮抗薬併用群が3.52、3剤併用群は4.05であった。ビタミンK拮抗薬単剤群を除き、アスピリン単剤群よりも有意に出血リスクが高かった。 1年に1例の出血が発現するのに要する抗血栓療法施行例数は、アスピリン+クロピドグレル併用群が81.2例、アスピリン+ビタミンK拮抗薬併用群が45.4例、クロピドグレル+ビタミンK拮抗薬併用群が15.2例、3剤併用群は12.5例であり、クロピドグレル+ビタミンK拮抗薬併用群と3剤併用は実質的に出血リスクが高かった。 試験期間中に心筋梗塞を再発あるいは死亡した症例の割合は、非致死的出血が見られなかった群の18.4%(7,178/38,960例)に対し、非致死的な出血をきたした群は37.9%(702/1,852例)と有意に高かった(ハザード比:3.00、p<0.0001)。 著者は、「心筋梗塞患者では、使用された抗血栓薬の数が多くなるにしたがって出血による入院のリスクが増大した」と結論したうえで、「3剤の併用やクロピドグレルとビタミンK拮抗薬の併用療法は、個々の患者のリスクを徹底的に評価し、リスク/ベネフィット比を注意深く考慮したうえでなければ処方すべきでない」と指摘する。

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HPV-16/18ワクチンの子宮頸がん長期予防効果を確認

HPV-16/18 AS04アジュバントワクチン(商品名:サーバリックス)の接種により、6年以上が経過しても子宮頸がん発生に対する良好な予防効果が持続することが、カナダAlberta大学のBarbara Romanowski氏らが実施したフォローアップ試験で確認された。子宮頸がんは女性の悪性腫瘍のうち世界で2番目に頻度が高く、2002年にはほぼ50万人が新たに診断を受け約27万人が死亡しているが、その多くが開発途上国の女性だという。2001年に始まった本ワクチンの有効性に関する主試験の成果がすでに報告され、2003年に開始された長期フォローアップ試験についても2度の中間解析の結果が発表されている。なお、本ワクチンは日本でも2009年10月に承認を受けている。Lancet誌2009年12月12日号(オンライン版2009年12月3日号)掲載の報告。6.4年のフォローアップ試験と主試験の解析研究グループは、HPV-16/18 AS04アジュバントワクチンの有効性、免疫原性、安全性について評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験の接種後6.4年におけるフォローアップデータの解析を行った。スクリーニング時にHPV-16/18血清反応陰性、発がん性HPV DNA(14タイプ)陰性で細胞診が正常と診断された15~25歳の女性が、ワクチン接種群(560人)あるいはプラセボ群(553人)に無作為に割り付けられた。フォローアップ試験には3ヵ国27施設から登録された776人(ワクチン群393人、プラセボ群383人)が参加した。HPV DNA検査用の子宮頸部検体は6ヵ月毎に採取された。細胞診で異常所見を認めた場合の管理法は事前に規定され、HPV-16/18抗体力価の検査が行われた。HPV-16、HPV-18あるいは両方の子宮頸部感染に対するワクチンの長期的な予防効果について評価した。6.4年の時点におけるフォローアップ試験とともに、主試験の解析も行った。主要評価項目である有効性に関してaccording-to-protocol(ATP)解析を行い、grade 2以上の子宮頸部上皮内がん(CIN2+)については全ワクチン接種者(TVC)を対象に解析を行った。接種後6.4年の予防効果は95.3%、抗体濃度は自然感染の12倍以上を維持主試験とフォローアップ試験の統合解析ではワクチン群465人とプラセボ群454人についてATP解析を行い、TVC解析の対象となったのはそれぞれ560人、553人であった。HPV-16/18感染に対するワクチンの予防効果は95.3%であり、12ヵ月持続感染の予防効果は100%であった。CIN2+の予防効果は、HPV-16/18関連病変については100%、HPV DNA非検出病変では71.9%であった。HPVに自然感染した女性は新たに同型のHPVに感染しやすい状態が続くが、これは自然感染後の抗体濃度がHPVの予防には十分でないためとされる。今回、ELISA法で測定したところ、ワクチンで誘導された抗体濃度は、HPV-16、HPV-18ともに自然感染による抗体濃度の12倍以上が維持されていた。安全性のアウトカムは両群で同等であり、フォローアップ試験中に重篤な有害事象を発現したのはワクチン群が8%(30/373人)、プラセボ群は10%(37/369人)であった。そのうちワクチン接種に関連、あるいはその可能性があると判定されたものはなく、死亡者も認めなかった。著者は、「HPV-16/18 AS04アジュバントワクチンは、接種後6.4年が経過しても極めて良好な長期的有効性を示すとともに高い免疫原性が持続し、良好な安全性が確認された」と結論し、「本ワクチンはHPV DNAが検出されない病変やHPV-31、HPV-45の予防効果をも併せ持つことが確認された。今回のデータからは、HPV-16/18の予防効果はさらに長期にわたって持続すると予測される」としている。(菅野守:医学ライター)

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新規抗血小板薬cangrelorのPCI前投与、クロピドグレルとの比較で優越性認められず

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行例への抗血小板薬として、新規開発中の非チエノピリジン系のADP受容体P2Y12阻害薬cangrelorの前投与(静注)は、チエノピリジン系のクロピドグレル(商品名:プラビックス)との比較で優越性は認められないことが報告された。現行ガイドラインでは、PCI時のリスク低減のためにクロピドグレル投与が推奨されているが、その効果は非常に不安定である。そのためcangrelorに、迅速性、予測可能性、可逆性という点での優越性が期待され大規模国際的な第III相無作為化試験が行われた。試験は薬剤投与がPCI前「CHAMPION PCI」とPCI後「CHAMPION PLATFORM」の2試験が行われたが、いずれも同様の結果が報告されている。本論は、CHAMPION PCIからの報告で、NEJM誌2009年12月10日号(オンライン版2009年11月17日号)で掲載された。全死因死亡・心筋梗塞・虚血による血行再建術の複合を主要エンド有効性ポイントにCHAMPION PCIは、急性冠動脈症候群でPCIを受ける患者を、cangrelor群(30μg/kgをボーラス静注後、4μg/kg/分を注入)とクロピドグレル群(600mgを経口投与)に無作為に、二重盲検ダブルダミーの実薬対照に割り付け行われた。cangrelor静注は、PCIの30分前より2時間以上もしくはPCI終了時(いずれか長時間の方)まで行われた(担当医の判断で4時間継続静注も可)。有効性の主要エンドポイントは、48時間時点での全死因死亡・心筋梗塞・虚血による血行再建術の複合とした。試験は70%の中間解析時点で、cangrelorの優越性が低いことが判断され、もう一方のCHAMPION PLATFORMでの70%中間解析でも同様の結果が得られた時点(2009年5月)で、試験登録は打ち切られた。そのためCHAMPION PCIには14ヵ国268施設から8,877例(当初予測の98.6%)が参加、PCI施行例はそのうち8,716例だった。48時間時点のオッズ比1.05主要エンドポイントの発生は、cangrelor群は7.5%、クロピドグレル群7.1%で、cangrelor群がクロピドグレルに優れることはなかった(オッズ比:1.05、95%信頼区間:0.88~1.24、P=0.59)。30日時点でも同様だった。また大出血(ACUITY基準に準拠)の発生率は、cangrelor群(3.6%)がクロピドグレル群(2.9%)に比べ、統計的に有意に近い差で高かった(オッズ比:1.26、95%信頼区間:0.99~1.60、P=0.06)。ただしその症例は、TIMI基準による大出血、GUSTO基準の重大あるいは致死的出血ではなかった。第2エンドポイント(予備解析)の全死因死亡・Q波心筋梗塞・虚血による血行再建術の複合は、cangrelor群で低下の傾向が見られたが、有意ではなかった(0.6%対0.9%、オッズ比:0.67、95%信頼区間:0.39~1.14、P=0.14)。(医療ライター:武藤まき)

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dabigatranによる急性静脈血栓塞栓症治療の有効性、安全性はワルファリンと同等

直接トロンビン阻害作用を持つdabigatranは、血液凝固モニタリングを要せず、急性静脈血栓塞栓症治療において、ワルファリン(商品名:ワーファリンなど)の代替薬としての可能性が期待されている。カナダ・マクマスター大学のSam Schulman氏らが無作為化二重盲検非劣性比較試験「RE-COVER試験」で有効性、安全性を検討した結果、いずれも同等であることが報告された。NEJM誌2009年12月10日号(オンライン版2009年12月6日号)掲載より。定量dabigatranとINRワルファリンを無作為割り付けRE-COVER試験は、発症初期に中央値で9日間(4分位範囲8~11日)にわたり非経口の抗凝固療法を施行された急性静脈血栓塞栓症患者を対象とした。被験者は、dabigatran投与群(150mgを1日2回経口投与)と、ワルファリン投与群(プロトロンビン時間国際標準比〈INR〉2.0~3.0維持を基準に経口投与)に割り付けられ追跡された。 主要評価項目は、投与開始から6ヵ月時点の、客観的に確かめられた静脈血栓塞栓症の再発と関連死の発生とした。安全性エンドポイントは出血イベント、急性冠症候群、その他の有害事象と肝機能検査結果などとした。抗凝固効果は同等、モニタリング不要という点でdabigatranが優位?再発は、dabigatran群1,274例の患者のうち30例(2.4%)で、ワルファリン投与群1,265例のうち27例(2.1%)でそれぞれ発生した。リスク差は0.4パーセンテージ・ポイント(95%信頼区間:-0.8~1.5、事前特定された非劣性マージンP

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