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抗精神病薬は“せん妄”の予防に有用か?

 高齢入院患者においてしばしば問題となるせん妄は、死亡率の増加を招く。せん妄治療に関するエビデンスは蓄積されているものの、高リスク患者における薬理学的予防に関する報告は限られている。米国・メリーランド大学のPolina Teslyar氏らはせん妄の高リスク入院患者に対する抗精神病薬の予防投与の影響を検討するためメタ解析を行った。その結果、術後の高齢入院患者に対する抗精神病薬の予防投与はせん妄リスクの減少につながると報告した。Psychosomatics誌2013年3月号の報告。 Pubmed、PsychInfo、コクラン比較臨床試験およびデータベースによる文献検索(1950年1月~2012年4月)を行った。せん妄を予防するために抗精神病薬が投与された唯一のRCT試験が含まれた。検索で使用したキーワードは「delirium」「encephalopathy」「ICU psychosis」「prevention」「prophylaxis」であった。せん妄診断の検証方法を基準に含めた。データ分析にはStataのmetanコマンド解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・5試験(1,491例)が選択基準を満たした(ハロペリドール3試験、リスペリドン1試験、オランザピン1試験)。いずれの試験とも対象は術後の高齢入院患者であり、また異なる国で実施されていた。・せん妄の相対リスクはプラセボ群と比較し、抗精神病薬投与群で50%減少した(RR [95%CI]=0.51 [0.33~0.79]、異質性p<0.01、ランダム効果モデル)。・出版バイアスはファンネル・プロットにより検出されなかった。関連医療ニュース ・せん妄を有する高齢入院患者の死亡リスクは高い! ・がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は… ・認知症患者における「せん妄診断」有用な診断ツールは?

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乳がんの放射線療法、その後の虚血性心疾患を増大/NEJM

 乳がんの放射線療法は、虚血性心疾患を増大することが、英国・オックスフォード大学のSarah C. Darby氏らによる住民ベースの症例対照研究の結果、報告された。疾患増大は平均照射線量に比例しており、照射曝露後数年以内に増大し始め20年以上続くこと、もともと心臓リスク因子を有する女性の絶対リスクが大きいことも明らかになった。乳がんの放射線療法では、心臓への偶発的な電離放射線曝露の頻度が高い。しかし、曝露による心臓への影響、その後の虚血性心疾患リスクについては確認されていなかった。NEJM誌2013年3月14日号掲載の報告。放射線療法を受けた2,168例の主要冠動脈イベント発生を分析 本研究は、心筋梗塞、冠動脈再建、虚血性心疾患死といった主要冠動脈イベント発生について、1958~2001年に、侵襲性乳がんのため体外照射線療法を受けたデンマークおよびスウェーデンの女性2,168例(主要冠動脈イベント発生群963例、対照群1,205例)を対象に検討が行われた。 被験者情報は病院の診療録から入手した。各被験者の、心臓全体と左冠動脈前下行枝(LAD)への平均照射線量を治療チャートから算出し分析に用いた。照射線量1Gy増大につき主要冠動脈イベント発生率7.4%増大 結果、全被験者における、心臓全体への平均照射線量は4.9Gy(範囲:0.03~27.72)であった。 主要冠動脈イベント発生率は、心臓への平均照射線量と比例しており、照射線量1Gy増大につき7.4%(95%信頼区間:2.9~14.5、p<0.001)の上昇がみられた。明瞭な閾値は示されなかった。 イベント発生の増大は、照射後5年以内に始まり30年間継続した。 照射線量1Gy当たりの主要冠動脈イベント率の増大は、放射線療法時に心臓リスク因子がある女性とない女性で同程度であった。

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人工膝関節全置換術後の患膝の痛みは、対側膝の痛みと関連するか?

 人工膝関節全置換術(TKA)後の患膝の持続的な痛みは、反対側の膝の痛みにつながる可能性が示唆されている。しかし、英国・ブリストル大学のH.K. Smith氏らがKinemax Outcomes Studyのコホートで調査した結果、TKA術後3ヵ月における患膝の疼痛は術後2年までの対側膝の症状増悪と関連していなかった。著者は、対側膝に関しては、症状について問診する以外に追加の観察は必要なかったとまとめている。The Journal of Bone & Joint Surgery誌2013年2月20日号掲載の報告。 Kinemax型人工膝関節を用いて初回片側TKAを施行した変形性関節症患者772例(Kinemax Outcomes Studyのコホート)を対象に、患膝の術後疼痛が対側膝の痛みの自然経過と関連するかを検討した。 術前および術後3、12、24ヵ月に患膝と対側膝それぞれの痛みをWOMAC(Western Ontario McMaster University arthritis index)(100点満点、100点が最もよい状態)で評価した。 対側膝のWOMAC疼痛スコアの変化が、術後3ヵ月における患膝のWOMAC疼痛スコアと関連があるかどうかを、性別、年齢、国籍、BMIなどで調整し解析した。 主な結果は以下のとおり。・患膝および対側膝のいずれも、術前に比べ術後3ヵ月に疼痛が改善した。・対側膝のWOMAC疼痛スコアは3.5/年(標準偏差9.8/年)悪化した(p<0.001)。・しかし、術後3ヵ月における患膝のWOMAC疼痛スコアとの関連性は認められなかった(p>0.6)。・著者は、「対側膝に関しては、症状について問診する以外に追加の観察は必要なかった」と結論している。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケース解説

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(70)〕 偶発的な心臓への照射はその後の冠動脈イベント発生リスクを増加させる

心臓(冠動脈)への照射が動脈硬化を進展させることは知られているが、実際に乳がんに対する放射線療法における電離放射線の心臓への偶発的被爆が、その後の虚血性心疾患のリスクに与える影響は不明である。 本試験では2,168例の、乳がんに対して放射線治療を受けた患者を対象に、その後重大な冠動脈イベント(心筋梗塞、冠血行再建、虚血性心疾患による死亡)の発生率が上昇したか否かを検討したものである。心臓全体への平均照射線量は4.9Gy(0.03~27.72Gy)であった。重大冠動脈イベントの発生頻度は1Gyにつき7.4%ずつ、照射量に比例して直線的に増加し、照射量には明らかな閾値が存在しなかった。イベント発生は照射後5年以内から始まり20年目以降にかけて増加することが示された。また治療時に既に重大な冠動脈イベントを有する患者においては、絶対リスクが高くなることも示された。 この試験はスウェーデンとデンマークにおいて1958~2001年に放射線治療を受けた患者を対象としており、現在の放射線治療では心臓に対する偶発的な被爆への軽減が考慮されている可能性がある。また虚血性心疾患の発生頻度がわが国よりはるかに高率な北欧のデータをそのままわが国に適応できるかは問題があるが、照射量に閾値なく冠動脈イベントが増加することは間違いなさそうである。 わが国でも乳がん患者は増加しており、治療としても乳房温存療法と放射線療法の併用が多用されている現状からも、冠危険因子を有する乳がん患者などに対して放射線治療を考慮する場合には、十分に留意すべき内容と考える。

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リスクマネジメントの視点で診る心房細動診療 ~プライマリ・ケア医になって起こった診療のパラダイムシフト~

解説者のブログのご紹介『心房細動な日々』心房細動の2つの側面私は、初期研修医の時代から不整脈や電気生理に慣れ親しみ、十数年にわたり、カテーテルアブレーションも含めた不整脈の専門診療に携わってきました。思うところあって9年前にプライマリ・ケアの世界に身を転じてみて、改めて不整脈、とくに心房細動という疾患の他のcommon diseaseにはない特徴を感じるようになりました。その特徴は大きく分けて2つあると思います。まずひとつは、心房細動は多くのリスク因子を背景に発症する疾患であると同時に、それ自身、脳塞栓の最大のリスク因子であるということです。心房細動は高血圧、甲状腺疾患などさまざまな因子を背景に発症し、発症時には患者さんに動悸などの苦痛を強いる一つの立派な「疾患」です。それと同時に脳塞栓、心不全といった他の心血管イベントの主要因、つまりリスク因子としての側面も持っているのです。心房細動は多くのリスク因子を背景に成り立つと同時に、重大イベントのリスク因子でもあるという二面性を持つ病気なのです。もうひとつの特徴は、心房細動は長期的、段階的に進行し、その間の治療オプションが豊富であるため、患者—医療者に数々の治療法選択に関する意思決定を迫る疾患であるということです。心房細動は平均58歳で発症し、どんな薬物療法を行っても年間5~15%の割合で慢性化する疾患です。この間に発作を抑えるため、レートコントロールあるいはリズムコントロールとしての抗不整脈薬やカテーテルアブレーションなど、さまざまな治療オプションを選択する必要があります。そして言うまでもなく、長期予後の改善にあたっては、昨今注目されている抗凝固療法についての意思決定があります。さらに、心房細動それ自体に対するリスク因子である高血圧や糖尿病、心不全などをいかに管理するかも重要な治療アイテムです。「リスクマネジメント」という視点これらの2つの特徴、つまり(1)疾患であると同時にリスク因子である (2)長い経過の間に数多くの意思決定場面がある、ということからひとつのキーワードが浮かび上がってきます。それはずばり「リスクマネジメント」です。心房細動はほかの幾多のcommon diseaseにも増して、このリスクマネジメントの視点が要求される疾患ということができます。われわれは心房細動発作という目の前の疾患(いわば短期リスク)と、将来の脳塞栓などの長期リスクを同時に管理するという視点を持たなければなりません。中でも抗凝固療法は、心房細動治療アイテムの中でもダントツでリスクマネジメント的感覚が必要である治療法だと思われます。実例を挙げてこのことを考えてみましょう。抗凝固療法をめぐる意思決定問題 ~リスクの識別・評価~「77歳女性、2ヵ月前から娘さん家族と同居。10年前から高血圧。数年前から発作性心房細動あり。以前からワルファリン服用を薦めているが、本人は出血が怖いとためらっている。」このような場合、リスクマネジメントはどう考えたら良いのでしょうか? 一般的なリスクマネジメントの手順としては、まず(1)リスクを識別し、(2)そのリスクがどの程度であるかを評価し、(3)そのリスクに対応(=意思決定)し、(4)全体にフィードバックする、という4工程があると言われています。上記(1)(2)の「リスクを識別し評価する」には現在便利なツールが存在します。そう、CHADS2スコアです。近年はCHA2DS2-VAScスコアも有用とされています。これらのスコアは、目の前の患者さんの脳塞栓リスクと抗凝固療法適応の可否を医学的に教えてくれる、きわめて重宝な道具です。この方のCHADS2スコアは2点ですから教科書的には抗凝固療法の適応です。しかし医学的(生物学的というべきか)なリスクと適応がわかったとしても、患者さんの「出血が怖い」心理を払拭するという課題が残っていますどうすれば払拭できるでしょうか?「解釈モデル」から見えてくるもの当院では試行錯誤の末、このような意思決定問題が発生した際に、ある程度の時間をかけて患者さんの「病(やまい)体験」を把握するための「心房細動外来」を開設しました。抗凝固療法導入時に、患者さんの抗凝固療法に対する「解釈モデル」を聴くようにしたのです。解釈モデルとは次の4つの要素からなります1)。なぜ脳梗塞予防薬を飲む必要があると思いますか?(解釈)脳梗塞予防薬を飲むことの何が不安ですか?(感情)心房細動の治療について当クリニックに何を期待しますか?(期待)脳梗塞予防薬を毎日飲むことは日々の生活(食生活も含めて)に、どんな影響がありますか?(機能)なぜ、このような聴き方が必要なのでしょうか?それは、患者さんごとに抗凝固療法について知りたいこと、不安に思うことの順番が異なるからです。ある患者さんは脳出血が怖いと言います。また、薬を飲むことそのものに嫌悪感のある人もいます。あるいは、心房細動から心筋梗塞になると考える人もいます。さらにお話を聴いていくと、脳出血を怖がる原因が「親戚に脳出血の人がいたから」であるとか、「有名野球監督が抗凝固療法のために障害をうけた」といったような、きわめて個別的な事情や誤解によるものだと明らかになることがあります。このように患者さんの病気に関する捉え方はさまざまです。また、医師からの説明の受け止め方もさまざまです。患者さんの個別の事情を、ある程度の時間をかけて聴くことにより、患者さんの期待や不安の優先順位が把握でき、そこに焦点を当てた説明をすることで、合意形成がかなりスムーズになります。このように、まず「何が問題なのか」を、医学的な「疾病」としての側面と患者さんの「病(やまい)」としての側面から把握し、共有することがリスクマネジメントの第一歩となります。意思決定におけるポイントこのような情報共有の次にめざすべきは、「何をゴールとするか」ということを明確にすることです。抗凝固療法のゴールは言うまでもなく「脳塞栓予防」です。そのことをよく患者さんに理解してもらうわけですが、それを治療開始の最初の時点で、お互いに確認しておくことがとても大事なのです。そのときはやはり、抗凝固薬を飲むことによる具体的なベネフィットとリスクを、時に数字を交えて説明する必要が生じると思います。脳塞栓症がノックアウト型であり、予後がきわめて不良であること。抗凝固薬を服用することで、そうしたリスクがどのくらい減り、出血のリスクがどのくらい増えるかということ。これらのベネフィットはリスクを上回るということを、わかりやすい言葉で説明していく努力が必要です。このとき、患者さんは「薬を飲む」という新たな行為に伴うリスク(出血)に目を奪われがちになるので、出血を避けるための手立てがあること、たとえば血圧を十分下げる、INRを適切に管理する、といったリスク予防策について十分説明するようにします。リスクにどう対応するか?さてこのように説明しても、出血リスクを怖がる方はいらっしゃいます。一般に、リスク=インパクトx確率と言われていますが、リスクの「インパクト」に関しての捉え方は人さまざまであり、その方にとってインパクトが非常に大きい場合、いくら医学的・科学的に説明しても患者さんの納得にはつながりません。また反対に、医師の説明など関係なく「とにかくお任せします」と言われる方が多いのも現実です。私はそうした在り方も「あり」だと思います。抗凝固療法、さらには医療の最終的な目標とは「共通の理解基盤の構築」であるからです1)。医師への信頼に基づいて治療について双方が納得することこそ、最終的なゴールであると思います。出血の恐怖のためになかなか抗凝固薬を飲んでくれない方、また、わかってはいても飲み忘れの多い方、そうした方には長い心房細動の旅の道のりの中で、ゆっくりと納得してもらうように、あせらずに共通基盤の構築を図っていけばよいのです。ここにプライマリ・ケアに携わる開業医のだいご味があるともいえます。心房細動診療こそプライマリ・ケア医で私が開業して、最も痛感することがこの患者さんを「ずっと診る」ことの大切さです。もちろん病院勤務の時代でも、外来で長く診せていただく患者さんはたくさんおられました。しかし地域に根ざした医療を心がけるようになってからは、その方の来し方から見えてくる人生、その方を取り巻くご家族、さらに地域を考え、そのうえで「心房細動の人」「心房細動も持つ人」を診るという視点を持つようになりました。心電図に心が奪われがちだった勤務医時代に比べると、180度のパラダイムシフトが自分の中で起こりました。当院では初回に医師が説明したあと、上記の4つの質問用紙を患者さんに渡します。そして、次の外来で看護師が20〜30分程度でお話を伺い、患者さんの優先順位を把握したうえで意思決定をするようにしています。看護師を交えることで、医師には言っていただけないような情報を得ることが少なくありません。また、その場にご家族も参加していただくことが、とくに高齢者においては重要なポイントになります。こうした多職種、家族、地域を巻き込んでの医療ができるというのもプライマリ・ケア医の強みだと思います。一方で、上記のような抗凝固療法をためらう方は、勤務医時代にはあまり経験しなかったように思います。総合病院、大学病院を受診する患者さんは、他医からの紹介が多く、心房細動や抗凝固薬についての知識をあらかじめ持っておられる方が多く、また基本的に発作に悩んでいる、抗凝固療法の必要性が高い、など患者さん自ら治療へのモチベーションの高い方が多いように思います。かたや、プライマリ・ケアの場では、高血圧や糖尿病などで長く診ている長い患者さんが、たまたま脈をとった時に心房細動だった、というように長い旅の途中で心房細動が不意に目の前に立ち現れるということをよく経験します。まったく心構えがないままリスクが降ってくるという状況は、場合によっては理解を得るのに時間がかかるのです。しかし前にも述べたように、こうした場面こそプライマリ・ケア医としての力が発揮されるべき時なのです。そうです。心房細動診療こそ継続性、包括性、協調性が求められるプライマリ・ケア医にうってつけの領域なのです。今後は、このような継続的なリスクマネジメントはプライマリ・ケア医が行い、抗凝固薬や抗不整脈の導入時や発作頻発時、心不全発症時、カテーテルアブレーションなどの専門的医療が必要な場合に専門医に委ねるという役割分担がさらに進み、心房細動の人をまさにオールジャパンで診るというスキーマが構築されることを期待したいと思います。1)Stewart M, et al. Patient-Centered Medicine: Transforming the clinical method. 2nd ed. Oxford: Radcliffe Medical Press; 2003.

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新品の靴が原因の接触皮膚炎、アレルゲンは?

 スロバキア・コメニウス大学のDanka Svecova氏らは、重症のアレルギー性接触皮膚炎(ACD)を呈した9例の患者の原因調査を行った結果、全員に共通することとして新品の靴を履いていたことが浮かび上がり、アレルゲンについて調べた結果、防カビ剤の小袋に含まれていたフマル酸ジメチル(DMF)が特定されたことを報告した。欧州では、フマル酸ジメチルを防カビ剤として使用することを禁じる予防対策がすでに講じられており、著者は「症例数を増やさないためにも、同対策を徹底する必要がある」と警告を発した。International Journal of Dermatology誌オンライン版2013年2月22日の掲載報告。 DMFは防カビ剤として有用である一方、強力な感作性物質であり、低濃度でも重症ACDを引き起こす可能性があることが知られる。欧州では、家具等の接触皮膚炎の原因物質として特定されており、防カビ剤としてDMFを使用する禁止措置が勧告されているという。 本研究では、靴の接触皮膚炎がみられた患者について、DMFとの関連を調べることを目的とした。 パッチテストとアレルゲンの特定調査を行い(試料は履いていた靴、DMF製品、欧州ベースライン、靴のスクリーニング、織物・皮革の染色材スクリーニング、工業用殺虫剤シリーズ)、得られた結果は国際ガイドラインに即して記録した。靴および防カビ剤の小袋中のDMF含有量の分析については、ガスクロマトグラフィと質量分析によって行った。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、重症ACDを呈し靴の接触皮膚炎が疑われた9例のスロバキア人(コーカサソイド)であり、全員が女性であった。・陽性パッチテストにおいて、靴の内張りに使われていた布について検証した際に、全患者が遅延型のアレルギー反応を呈した。・7例の患者が0.1%DMFのパッチテストを受け、全員が陽性反応を示した。・入手した被験者の靴を化学分析した結果、DMFが非常に高濃度に含有されていること(25~80mg/kg)が明らかになった。

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「頻発する腰痛」と「頭痛」の関係

 頻発する腰痛と、慢性片頭痛ならびに慢性緊張型頭痛とは関連があることが、ドイツ・頭痛コンソーシアム研究において示された。腰痛と頭痛との関連についてドイツ・エッセン大学病院のMin-Suk Yoon氏らは、異常な全身痛の処理の一部という概念も含め複数の可能性が考えられるとまとめている。Pain誌2013年3月号(オンライン版2012年12月28日号)の掲載報告。 ドイツの一般住民を対象に、腰痛と慢性片頭痛ならびに慢性緊張型頭痛との関係を評価した。 頭痛は、国際頭痛分類第2版にしたがって診断し、頻度(発作性:1~14日/月、慢性:15日以上/月)と種類(片頭痛、緊張型頭痛)によって分類した。 腰痛は、自己報告により15日以上/月の場合を「頻発腰痛」と定義した。 主な結果は以下のとおり。・前年に頭痛があったと報告した回答者は5,605人で、255人(4.5%)は慢性であった。・5,605人中、片頭痛は2,933人、緊張型頭痛は1,253人で、そのうちそれぞれ182人(6.2%)および50人(4.0%)が慢性であった。・9,944人の回答者のうち腰痛があったと報告した回答者は6,030人で、そのうち1,267人(21.0%)が頻発腰痛であった。・頻発腰痛のオッズ比は、すべての頭痛サブタイプで頭痛なし群と比較し2.1(95%CI:1.7~2.6)~2.7倍(同:2.3~3.2)であった。・慢性頭痛の場合はさらに高く、すべてのサブタイプで13.7(同:7.4~25.3)~18.3倍(同:11.9~28.0)であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケース解説

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グルタミン酸トランスポーター遺伝子と統合失調症・双極性障害の関係

 米国・ニューヨーク州立大学SUNYアップステート医科大学のMarina Myles-Worsley氏らは、統合失調症と双極性障害の間に遺伝的な重複がみられることに着目し、グルタミン酸トランスポーター遺伝子であるSLC1A1遺伝子変異について検討を行った。その結果、SLC1A1遺伝子の欠失が認められ、家系内で共分離していることを報告した。American Journal of Medical Genetics Part B: Neuropsychiatric Genetics誌2013年3月号(オンライン版2013年1月22日号)の掲載報告。 統合失調症と双極性障害の間に遺伝的な重複がみられるというエビデンスが蓄積されており、疾患発症リスクに大きな影響を及ぼす原因変異は、従来から診断の境界とされる部分とクロスしている可能性が示唆される。研究グループは、多世代にわたり統合失調症と双極性障害の両方を有する家系は、背景にある遺伝子破壊の自然経過およびその表現型を明らかにできるため、疾患の発症に関連する共通の生物学的経路を明らかにするうえで有意義な対象であるとして、本検討を行った。5世代のパラオ人家系が保有する遺伝子コピー変異としてしばしば特定される、グルタミン酸トランスポーター遺伝子「SLC1A1遺伝子」の欠失について検討を行った。家系内の21人の検体を用いて定量PCR法を実施した。 主な結果は以下のとおり。・精神障害を有する7人全員で遺伝子欠失を確認した。内訳をみると、「両親が絶対保因者」が3人、「表現型を有さない兄弟姉妹」が1人、「両親が非保因者」が4人であった。・常染色体優性モデルを用いた連鎖解析により、LOD値3.64という結果が得られ、精神障害者においては遺伝子欠失が共分離していることが判明した。・遺伝子欠失の正確な局在を明らかにするため、1人の欠失保因者に対して次世代シーケンスデータ配列を用い、PCR産物であるアンプリコンすべての欠失遺伝子座を評価して正確な欠失エンドポイントを決定した。・その結果、欠失spanは84,298 bpであり、翻訳開始部位の全プロモーター領域が欠落していることが示唆された。その部位は、タンパク質を構成する59アミノ酸の先端であり、グルタミン酸輸送作用を示すドメインの1つである膜貫通Na2+/ジカルボキシル酸共輸送体ドメインを含んでいた。・機能的に関連するSLC1A1変異の発見と、多世代にわたり共分離がみられる家系の存在は、精神障害の病態生理においてグルタミン酸伝達が重要な役割を果たしていることをさらに支持する知見と言えた。関連医療ニュース ・グルタミン酸ドパミンD3受容体遮断による統合失調症の新たな創薬の可能性 ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」 ・グルタミン酸作動性システムは大うつ病の効果的な治療ターゲット

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乳がん予防には体重コントロールと運動が重要~日本人女性でのリスクの検討

 日本人女性において、エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER/PgR)の状態からみた乳がんリスク、身体計測因子、身体活動の関連はまだ明らかではない。東北大学の河合賢朗氏らはケースコントロール研究により、女性全体および閉経後女性でBMIが高いとER+/PgR+のがんリスクが高いこと、身体活動がどのタイプの乳がんのリスクも減少させる可能性を報告した。この結果から、乳がん予防には体重コントロールと身体活動が重要であるとしている。Cancer causes & control誌オンライン版2013年3月14日号に掲載。 著者らは、1997~2009年に日本国内の1つの病院に入院した30歳以上の女性患者のなかから、1,017人の乳がん症例(ER+/PgR+:538例、ER+/PGR-:125例、ER-/PgR+:23例、 ER-/PgR-:249例、不明:82例)と、2,902人のコントロールを選択した。身長、体重、BMI(kg/m2)、および週当たりの運動時間について自記式調査票を用いて評価し、ER+/PgR+とER-/PgR-の異質性を多項ロジスティック解析により検討した。 主な結果は以下のとおり。・全体(BMI≧30.0でのオッズ比[OR] 2.41、95%信頼区間[CI]:1.37~4.23、傾向のp=0.0001)および閉経後女性(同OR 6.24、95%CI:2.68~14.53、傾向のp

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中等度の関節リウマチ患者にはエタネルセプト+MTXが低疾患活動性を維持/Lancet

 活動性が中等度の関節リウマチ患者には、エタネルセプト(商品名:エンブレル)を中断することなく、従来投与量または低用量+メトトレキサート(同:リウマトレックスほか)の併用投与が、低疾患活動性の維持に有効であることが、オーストリア・ウィーン&ヒーツィング医科大学病院のJosef S Smolen氏らによる「PRESERVE」試験の解析の結果、報告された。同試験は、中等度疾患活動性の関節リウマチ患者において、エタネルセプトの低用量または中断によって低疾患活動性が維持可能かを評価することを目的とした無作為化試験。これまで関節リウマチの治療目標は臨床的寛解と低疾患活動性の維持を基本とするが、患者の多くを占める中等度患者における治療効果は十分に検討されていなかった。Lancet誌2013年3月16日号(オンライン版2013年1月17日号)掲載の報告。エタネルセプトの中断または低用量が低疾患活動性を維持するかを検討 試験は2008年3月6日~2009年9月9日の間、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア、オーストラリアの医療施設80ヵ所で、メトトレキサート(MTX)治療を受けているが中等度疾患活動性[28関節の疾患活動性スコア(DAS28)が>3.2~≦5.1]の18~70歳を登録して行われた。登録適格患者はMTXを毎週15~25mg、最低8週間投与され、続いて36週間のオープンラベル試験期に移り、全患者についてエタネルセプト50mgと毎週のMTXの併用投与が行われた。その後52週間の二重盲検試験期に移り、無作為に3群(エタネルセプト50mg+MTX、エタネルセプト25mg+MTX、プラセボ+MTX)に1対1対1に割り付けられ、低疾患活動性を達成維持可能か検討された。治療割付については、患者、治験担当医、データ分析担当および試験担当者全員が知らされていなかった。 主要エンドポイントは、88週時点での低疾患活動性を達成していた患者の割合で、二重盲検試験期のエタネルセプト50mg+MTX群とプラセボ+MTX群について評価した。条件付き主要エンドポイントでは、エタネルセプト25mg+MTXの低疾患活動性達成患者の割合も評価された。中断群と比べて50mg群、25mg群は有意に達成を維持 登録患者は834例であり、そのうち二重盲検試験期の適格患者は604例(72.4%)であった(エタネルセプト50mg+MTX群202例、エタネルセプト25mg+MTX群202例、プラセボ+MTX群200例)。 88週時点で、低疾患活動性を達成していた患者の割合は、エタネルセプト50mgを1回以上投与されていた患者においては82.6%(166/201例)を占め、プラセボを受けていた患者の42.6%(84/197例)と比べ有意に高かった(平均差40.8%、95%信頼区間:32.5~49.1%、p<0.0001)。 また、エタネルセプト25mgを受けていた患者においても79.1%(159/201例)でプラセボを受けていた患者よりも有意に高かった(プラセボとの平均差:35.9%、95%信頼区間:27.0~44.8%、p<0.0001)。

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収縮期心不全患者に対するESA製剤、臨床アウトカムを改善しない:RED-HF試験/NEJM

 軽症~中等度の貧血を有する慢性収縮期心不全患者について、ダルベポエチンアルファ(商品名:ネスプ)による治療は臨床アウトカムの改善には結びつかなかったことが、スウェーデン・イェーテボリ大学のKarl Swedberg氏らによる無作為化二重盲検試験「RED-HF」で示された。収縮期心不全患者において貧血はよくみられる症状で、腎機能やRAS阻害薬服用との関連が示されている。同患者では症状や運動耐容能の悪化や、入院、死亡などの転帰が貧血のない患者と比べて高率であり、先行研究においてESA製剤の腎性貧血治療薬ダルベポエチンアルファによる造血効果が運動耐容能の改善や貧血による入院を低下する可能性が示唆されていた。一方でESA製剤は、慢性腎臓病患者の心血管アウトカムは改善しないこと、ヘモグロビン高値を目標とする治療においてアテローム血栓性イベントのリスクを増大したといった試験報告もあった。NEJM誌オンライン版2013年3月10日号掲載報告より。2,278例をダルベポエチンアルファ群とプラセボ群に無作為化 RED-HF試験は、軽症~中等度の貧血(ヘモグロビン値:9.0~12.0g/dL)の慢性収縮期心不全患者2,278例を対象とした。被験者は2006年6月13日~2012年5月4日の間、33ヵ国453施設で、ダルベポエチンアルファによる治療を受ける群(ヘモグロビン達成目標値13g/dL;1,136例)とプラセボを受ける群(1,142例)に割り付けられ追跡された。ベースラインでの両群の患者特性は同等であり、平均年齢72.0歳、女性が41%、65%がNYHA心機能分類IIIまたはIV、左室駆出率中央値31%、eGFR値45.7mL/分/1.73m2であった。 主要アウトカムは、全死因死亡・心不全悪化による入院の複合であった。主要アウトカムに有意差なし、副次アウトカムも 本試験は、追跡期間中央値28ヵ月時点で終了となった。 主要アウトカムの発生は、ダルベポエチンアルファ群576/1,136例(50.7%)、プラセボ群565/1,142例(49.5%)であった[ハザード比(HR):1.01、95%信頼区間(CI):0.90~1.13、p=0.87]。 副次アウトカム(心血管系による死亡と心不全悪化による初回入院の複合:p=0.92、心血管系による死亡:p=0.56)や、その他アウトカムもすべて有意差はみられなかった。 致死的・非致死的脳卒中の発生は、ダルベポエチンアルファ群42例(3.7%)、プラセボ群は31例(2.7%)であった(p=0.23)。血栓塞栓性有害イベントの発生は、それぞれ153例(13.5%)、114例(10.0%)であった(p=0.01)。がん関連の有害事象発生についても、両群で同程度であった。 以上の結果を踏まえて著者は、「軽症~中等度の貧血を有する慢性収縮期心不全患者について、ダルベポエチンアルファによる治療を支持しない」と結論している。

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特発性パーキンソン病患者への多面的行動変化プログラムの可能性/BMJ

 座位中心の生活を送る特発性パーキンソン病の患者に対し、多面的行動変化プログラムである「ParkFit」による介入は、一般的な理学療法による介入を行った場合と比べて、2年後のLASA身体活動質問票(LAPAQ)で評価した身体活動時間の増加は認められなかった。しかし、日記や携帯型活動モニターによる評価では身体活動度の有意な増加が示されたという。オランダ・ラドバウド大学ナイメーヘン医療センターのMarlies van Nimwegen氏らが、同プログラムの介入効果を検討するために行った無作為化比較試験の結果で、BMJ誌オンライン版2013年3月1日号で発表した。586人を2群に無作為化し2年間追跡 研究グループは、オランダ32ヵ所の病院を通じて、特発性パーキンソン病でほとんど体を動かさない生活をしている患者586人を対象に試験を行った。被験者の年齢は40~75歳で、重症度はホーエン・ヤール分類で3以下の、軽度から中等度だった。 被験者を無作為に2群に分け、一方には身体活動度を継続的に増す多面的行動変化プログラム「ParkFit」(動機づけ戦略を用いた訓練と外来フィードバックによる)を、もう一方には一般的な理学療法による介入を行った。 主要エンドポイントは、6ヵ月ごとに測定したLAPAQ評価による身体活動度だった。副次エンドポイントは、日記と携帯型活動モニターの2つのツールで評価した身体活動度、およびQOL(パーキンソン病質問票:PDQ-39)、6分間歩行試験による健康状態だった。身体活動日記と携帯型活動モニターによる身体活動度、ParkFit群で増加 被験者のうち、24ヵ月の調査を完了したのは540人(92.2%)だった。解析の結果、LAPAQ評価による身体活動時間について、両群で有意差はみられなかった(補正後群間差:7%、95%信頼区間:-3~17%、p=0.19)だった。 一方で副次エンドポイントの、身体活動に関する日記と携帯型活動モニターによる評価では、ParkFit群が対照群に比べ身体活動度の増加が示された(群間差はそれぞれ30%と12%、いずれもp<0.001)。また6分間歩行試験の結果も有意な差がみられた(群間差:4.8m、p=0.05)。PDQ-39によるQOL評価については、両群で有意差はみられなかった(群間差:-0.9ポイント、p=0.14)。 なお試験中に1回以上転倒をした人は、ParkFit群184/299人(62%)、対照群191/287人(67%)だった。 著者は、「ParkFit行動変化プログラムは、全体的なLAPAQ評価による身体活動度の増加はみられなかった。しかし副次エンドポイントに関する解析結果は、パーキンソン病患者の日常生活における身体活動度増大のために、行動変化プログラムがもつメリットの可能性についてさらなる検討を支持するものである」と報告している。

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テレダーマトロジー、QOL改善への効果は?

 米国・トゥルーマン記念退役軍人病院のJohn D. Whited氏らは、テレダーマトロジー(遠隔皮膚診断)のQOLへの効果について無作為化試験を行った。皮膚の状態とQOLに関する論文は散見されるが、テレダーマトロジーがQOLに及ぼす効果に関する研究報告はこれまでほぼなかったという。JAMA Dermatology誌オンライン版2013年2月20日の掲載報告。 本研究では、テレダーマトロジーのQOLへの効果を評価することを目的とした。 米国内2ヵ所の退役軍人省下の施設(皮膚科クリニックとプライマリ・ケア提携施設)において、皮膚科受診を紹介され来院した患者を無作為に、テレダーマトロジー群と対面診断群に割り付けた。テレダーマトロジー群は画像診断と標準化された問診を受け、対面診断群には従来どおりの皮膚科診断プロセスを経て、9ヵ月間にわたって追跡した。 ベースラインから9ヵ月時点のSkindex-16スコア(皮膚特異的なQOL評価ツール)の変化を主要エンドポイントとし、副次エンドポイントは、同スコアのベースラインから3ヵ月時点の変化とした。 主な結果は以下のとおり。・無作為化された392例のうち、326例が割り付けられた診断を完了し、解析に組み込まれた。・両群ともベースラインから9ヵ月時点のSkindex-16スコアの変化は、統計的に有意に改善したことを示した。両群間に有意な差はみられなかった(統合スコアp=0.66)。・ベースラインから3ヵ月時点のSkindex-16スコアについても、両群間に有意な差はみられなかった(統合スコアp=0.39)。・対面診断と比較してテレダーマトロジーは、3ヵ月後、9ヵ月後の皮膚関連のQOLについて、統計的に有意な差をもたらさなかった。

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小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は?

 米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRobert L. Findling氏らは、小児の双極I型障害に対するアリピプラゾール長期投与の有効性と安全性を検討する、30週間の無作為化プラセボ対照試験を行った。その結果、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群ともプラセボ群に比べ優れた有効性を示し、忍容性も良好であることを報告した。Bipolar Disorders誌2013年3月15日号の掲載報告。 試験は、10~17歳の双極I型障害(躁症状または混合型症状)患者296例(精神障害の有無は問わない)を対象とした。4週間の急性期治療完了後、二重盲検期に移行し、26週間の治療を行った。主要アウトカムは、ヤング躁病評価尺度(Young Mania Rating Scale:YMRS)による総スコアの変化とした。 主な結果は以下のとおり。 ・26週間の延長試験に登録された210例のうち、試験を完了した者は32.4%であった(アリピプラゾール10mg/日群:45.3%、アリピプラゾール30mg/日群:31.0%、プラセボ群:18.8%)。試験完了率はいずれの群も低かった。・プロトコールで規定されていた最終観察日を評価に繰り込んだ解析において、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群とも、プラセボ群に比べてYMRS総スコアの有意な改善が認められた(p<0.001)。しかし、30週時点におけるObserved case (OC)解析や混合モデル反復測定 (MMRM) 法による解析では同様の結果は得られなかった。・あらゆる原因による試験中止までの期間は、アリピプラゾール10mg/日群15.6週、アリピプラゾール30mg/日群9.5週、プラセボ群5.3週であった(アリピプラゾール両群のプラセボに対するp値はいずれもp<0.05)。・すべての解析で、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群はプラセボ群に比べ、エンドポイントにおける奏効率、小児用包括的評価尺度(Global Assessment of Functioning)および臨床的全般改善度-双極性障害用(Clinical Global Impressions-Bipolar)による重症度、躁症状スコアにおいて有意に優れていた。・報告の多かった有害事象は、頭痛、眠気、錐体外路障害であった。・本検討では試験完了率がいずれの群も低かった点に留意が必要である。関連医療ニュース ・アリピプラゾールvsその他の非定型抗精神病薬:システマティックレビュー ・難治性双極性障害患者への併用療法は? ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは?

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(69)〕 慢性心不全と貧血を考える際のlandmark studyとなるか?!

慢性心不全の定義は研究者により異なるが、「慢性心疾患のため心臓のポンプ機能が低下し、結果として容易にうっ血性心不全状態に陥ったり重症不整脈の発生がみられる予後不良の状態」というコアな部分においては異論がないと思われる。 心血管系の第一の役割は諸臓器に酸素を送り届けることである。したがって、その運搬媒体であるヘモグロビンの不足(=貧血)の存在は、脆弱化した循環系に対して慢性的に過運動を強いるものであり、予後不良因子になると推測されたのは一見自然なことであったように思われるであろう。 ところが、実際にはこの問題については専門家の間でも意見が長く分かれ、Groenveldらがメタアナリシスにより貧血が慢性心不全患者の予後不良を予測する因子であることを示すには2008年を待たねばならなかった(Groenveld HF et al. J Am Coll Cardiol. 2008; 52: 818-827.)。彼らは1966~2007年に発表された34試験、15万3,180例を分析することにより、収縮不全型、拡張不全型いずれの慢性心不全においても、貧血が予後不良の予測因子であることを明らかにした。 しかし彼らは、貧血の治療が慢性心不全の予後改善に結びつくか否かについては慎重に発言を控えた。その時RED-HF試験、つまり本試験が進行中であり、その結果が発表されることで、結論が出されるだろうと考えたからだった。一般的に、ある因子を予後規定因子と断定するには、その因子を持っていると予後が悪いということを示すだけでは不十分で、その因子を改善もしくは除去することにより予後の改善が得られることを証明する必要があるからである。 本試験は、収縮不全型の慢性心不全を対象として、第2世代の持続型赤血球造血刺激因子製剤であるダルベポエチンアルファを用いてHbレベルを上げることにより、その予後を改善できるかどうかを検討したものである。以下に整理しておくと、1) 対象 NYHAII~IVの症状を有し、LVEF≦40%であり、血中Hbレベルが9.0~12.0g/dLの収縮障害型の慢性心不全患者でガイドラインに準じた適正な治療を受けている2,278例。2) 除外基準 ・鉄欠乏性貧血 ・クレアチニン3mg/dL以上の中等症・重症腎不全患者 ・160/100 mmHg以上の高血圧を有する患者3) 方法 患者を無作為二重盲検的に2グループに分け、1,136例に対してはダルベポエチンアルファを投与し、Hbレベルを13.0g/dLまで上げる。残り1,142例に対しては偽薬を投与する。4) 観察期間 2006年6月~2012年5月5) エンドポイント 一次エンドポイント:全死亡(原因を問わない)・心不全悪化による入院の複合 二次エンドポイント:心血管系による死亡・心不全悪化による初回入院の複合6) 結果 ・一次エンドポイント、二次エンドポイントともに差がみられなかった ・ダルベポエチンアルファ投与群で血栓性のイベントが有意に多かった 以上より著者らは、(1) 慢性心不全患者に頻繁にみられる軽症~中等症の貧血の改善は慢性心不全の予後を改善しない(2) 持続型赤血球造血刺激因子製剤により貧血の改善をはかることは、かえって血栓性イベントを増加させる危険がある(3) 慢性心不全患者に見られる軽症~中等症の貧血は慢性心不全の予後を予測できるという意味からはsurrogate markerではあるが、true risk factorではないと結論した。 本研究は統計的に周到にデザインされ、かつ現段階における倫理問題の制約もないため、偽薬との完全二重盲検試験が実施されたもので、そのデータは大変説得力のあるものになっている。読者の皆さんは日常の臨床の感覚と照らし合わせて、どのように感じられただろうか。 筆者は本研究を、慢性心不全と貧血を考える際の重要な研究として位置づけられるものであると考え、将来landmark studyとして振り返られる試験となるのではないかと予想する。

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「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義

 2012年3月18日(月)、マスコミセミナー「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義 が開催された。国立国際医療研究センター国府台病院 院長 上村直実氏と東海大学医学部総合内科 教授 高木敬司氏が、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎保険適用のメリット、プロバイオティクス併用除菌の可能性などについて最近の知見を紹介した。 ヘリコバクター・ピロリ菌感染症の保険適用は、2000年の消化性潰瘍に対するプロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤併用療法(PAC療法)に始まる。その後、2007年の同疾患に対する2次除菌療法プロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン、メトロニダゾール(PAM療法)の公知承認、2009年には全身疾患としての位置づけから、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃に対する内視鏡治療後胃の3疾患への適応拡大が行われた。そして、本年(2013年)2月21日、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎が保険適用に加わった。 上村氏は、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎が保険病名として登録されたことで、慢性胃炎の診療および胃がん死の予防戦略が大きく変わるであろうと述べる。ピロリ感染胃炎の定義は内視鏡で慢性胃炎が証明され、種々の検査でピロリ菌の感染が証明される事である。一方、日本で多く用いられる保険病名「慢性胃炎」は日本特有のものであり、その概念は曖昧である。ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の保険適用により、機能的疾患としての機能性ディスプシア、器質的疾患としてのピロリ感染胃炎といった、病態に応じた疾患のとらえ方へと変化してくであろうという。また、ほとんどの胃がんはピロリ菌の関与により発症していることは明らかであるが、早期がん摘出後に除菌治療で、異時性胃がんの発現リスクが33%低下するというデータも発表されている。今回の保険適用により、胃がん死予防の戦略も大きく変わっていくのではないかという。 東海大学の高木敬司氏は除菌療法の実際と問題点について述べた。現在、1次除菌と2次除菌の薬剤の組み合わせは限定されている。ところが、1次除菌で用いられるクラリスロマイシンの耐性化が進んでいる。くわえて、2次治療で用いられるメトロニダゾールはさまざまな疾患の特効薬であり、乱用は避けたい。そのような中、プロバイオティクス乳酸菌LG-21がピロリ菌定着を抑制するとして注目されている。3剤除菌療法(前述PAC療法)群と除菌療法+LG-21乳酸菌含有ヨーグルト3週間(1日2回)事前摂取群を比較した臨床試験では、同ヨーグルト摂取群で有意に除菌率が良好であった。また、この効果はクラリスロマイシン感受性菌と耐性菌の混合感染例でも認められている。さらなる研究が必要であるものの、除菌療法の補助療法として期待されそうだ。

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認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学

 アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の鑑別には、交感神経皮膚反応(sympathetic skin response:SSR)と心拍変動率(HRV)の測定が有用である可能性が、金沢大学保健管理センターの根上昌子氏らによる検討の結果より示された。BMJ Open 2013年3月1日号の掲載報告。 本検討は金沢西病院単施設にて、NINCDS-ADRDA診断基準でADがほぼ確実(probable AD)と診断された患者20例(男女各10例、平均年齢78.5歳)と、第3回国際DLBワークショップの診断基準でDLBがほぼ確実と診断された患者20例(男女各10例、78.7歳)を対象に、単施設にて行われた診断テスト研究である。SSRは、表面電極を手掌と手背に配置して、20mAでの正中神経電気刺激による波形を測定し評価を行った。HRVは、5分安静後に座位にて5分間隔で2分間の測定を2回行い、最大エントロピー法にて低周波(LF:0.02~0.15Hz)、高周波(HF:0.15~0.50Hz)、LF/HFを割り出し評価した。 主な結果は以下のとおり。・DLB患者の自律神経機能の異常を検出する感度は、SSRは85%、HRVは90%であった。特異度はいずれも85%であった。・一方、AD患者については、検出の感度はSSRは15%、HRVは25%であった(p<0.05)。・SSRとHRVのいずれの評価でも異常が検出された被験者(ダブルポジティブ)は、DLB患者では15/20例(75%)であった。・一方、AD患者では1/20例(5%)であった。・検査による有害事象は、いずれの測定においてもみられなかった。■関連記事抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度?認知症患者の興奮症状に対し、抗精神病薬をどう使う?

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