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「抑うつ+過度な飲酒」その影響は?

 多くの若者にとって、過度な飲酒はアルコール乱用の典型であり、とくに抑うつ症状を有する者によく見られる。それにもかかわらず、抑うつと過度な飲酒が合わさった際の神経心理学的アウトカムへの影響はほとんど知られていなかった。オーストラリア・シドニー大学のDaniel F. Hermens氏らは、この影響を検討した結果、抑うつに過度な飲酒が加わると視覚的学習能力、記憶力、精神的な柔軟性が低下することを報告した。Psychiatry Research誌オンライン版2013年5月28日号の掲載報告。  本研究は、抑うつを有する過度な飲酒者(binge-drinkers)が、抑うつ単独あるいは過度な飲酒単独と比べ、神経心理学的機能障害がより顕著であるか否かを検討することを目的とした。18~30歳の支援を求めている若者で、最近抑うつ症状が認められたbinge-drinkers(43例)またはnon-bingers(48例)について、神経心理学的検査を実施した。また、2つの健常対照群(binge-drinkers:24例、non-bingers:21例)を追加登録して、同様の検査を行った。 主な結果は以下のとおり。・抑うつを有するbinge-drinkersは、抑うつ単独または過度な飲酒単独の場合に比べ、一貫して質的コントロールは不良であった。・抑うつを有するbinge drinkersでは視覚的学習能力と記憶力が有意に低下していた一方で、精神的な柔軟性については低下傾向がみられた。・抑うつ単独または過度な飲酒単独は、対照と比べ神経心理学的状態に有意な差はみられなかった。・以上を踏まえて著者は、「抑うつ症状を有する若年者に対しては、過度な飲酒に着目した治療戦略が、不良な長期臨床アウトカムの背景にある神経生物学的変化の予防に寄与しうることが示唆される」と結論している。関連医療ニュース うつ病や不安障害患者は、季節性の症状変化を実感! 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき 仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学

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「脳卒中再発予防のためには収縮期血圧130mmHg未満」を支持する結果(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(105)より-

脳卒中既往歴のある症例の降圧目標値に関して、欧州のガイドラインは130/80mmHgとしている。これは、脳卒中再発予防におけるACE阻害薬ペリンドプリルの有用性を検討したPROGRESS試験の結果を参考にしている。一方、わが国のガイドライン2009年版では140/90mmHgとしているが、これに関しては反論も多い。脳卒中初発および再発の、最大のリスク因子は高血圧であることに議論の余地はなく、これまでの介入試験でも”The lower the better”を証明してきた。 本試験SPS3(Secondary Prevention of Small Subcortical Stroke)trialは、NIHの公的支援によっておこなわれた臨床試験である。約3,000人のラクナ梗塞患者を収縮期血圧130~149mmHg目標群と130mmHg未満を目標とする群にランダマイズして、平均3.7年間追跡された。全脳卒中、致死的脳卒中、心筋梗塞複合などにおいていずれも有意は差はみられなかったものの、厳格目標群の方が発症率が低い傾向が認められた。頭蓋内出血は厳格降圧群の方が有意に発症率が低いという結果だった。この結果は、従来の「脳卒中再発抑制のためには収縮期血圧130mmHg未満のより厳格な降圧が望ましい」というコンセンサスを支持する結果といえる。 本試験では、試験開始直後から両群間の血圧値に大きな差がみられ、その差が継続していることが大きな特徴である。3,000人規模の参加者にもかかわらず有意差がつかなかった最大の理由はやはり、イベント発症数が少なかったことによる。 医療現場では、再発予防のために抗血小板薬は必須となっており、また高脂血症があればスタチン薬を処方する時代になったため、脳卒中再発が発生しにくい状況にあることを反映しているともいえよう。

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帝王切開の短期的アウトカム、手法の違いによる有意差はない/Lancet

 帝王切開を行う際に、子宮の一層または二層縫合といった手法の違いによって、術後6週間の短期的アウトカムに有意な差はみられないことが示された。UK Medical Research CouncilとWHOとによる「CORONIS試験」の結果で、Lancet誌オンライン版2013年5月28日号で発表した。帝王切開の手技は複数あるが、これまで無作為化試験による厳格な検討は行われていなかったという。本検討は、いずれの手術が母体および出生児のアウトカム改善と関連しているのかについて調べることを目的とした。帝王切開の5カテゴリーについて、2つの方法を無作為に割り付け 研究グループは、2007年5月20日~2010年12月31日にかけて、アルゼンチン、チリ、ガーナ、インド、ケニア、パキスタン、スーダンの医療機関19ヵ所を通じて、合計1万5,935例の妊婦について、非レギュラー型一部要因に関する無作為化非盲検試験を行った。 比較は次の5つのカテゴリーと手法について行われた。(1)腹部切開の際の鈍的または鋭的エントリー、(2)子宮修復を行う際、露出か腹腔内か、(3)子宮の一層または二層縫合、(4)腹膜(骨盤と膣壁)の縫合または非縫合、(5)子宮修復におけるクローミック腸線またはポリグラクチン910の使用、についてで、被験者は無作為に、いずれかの組み合わせの技術に割り付けられた。 主要アウトカムは、術後6週間後診察時の死亡、母性感染症罹患率、追加的手術の実施、1単位超の輸血、の複合アウトカム発生率とした。いずれの手法でも、6週間アウトカムに有意差なし 結果、5カテゴリーのいずれについても、主要アウトカムに有意差はみられなかった。具体的には、(1)鈍的または鋭的エントリーのリスク比は1.03、(2)露出か腹腔内かのリスク比は0.96、(3)一層または二層縫合のリスク比は0.96、(4)縫合または非縫合のリスク比は1.06、(5)クローミック腸線またはポリグラクチン910のリスク比は0.90だった。 一方、重大有害事象の報告は144例で、そのうち手術に関する報告と思われたのは26例だった。重大有害事象の大半は、手術あるいは帝王切開の既知の合併症だった。 これらの結果を踏まえて研究グループは、「帝王切開の手技の違いによって、短期的アウトカムについて有意差はなかった」と結論。そのうえで、長期的アウトカムにも違いがないかについて調べるため、長期追跡の必要性について言及した。

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ラクナ梗塞患者の二次予防目的とした血圧目標値は<130mmHgが有益:SPS3/Lancet

 ラクナ梗塞を最近(180日以内)発症した患者に対し、収縮期血圧目標値130mmHg未満とする血圧コントロールは「有益であり支持される」ことを、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のOscar R Benavente氏らがSecondary Prevention of Small Subcortical Strokes(SPS3)試験の結果、発表した。SPS3試験は米国NIH-NINDSの資金提供の下、ラクナ梗塞患者の二次予防を目的に、抗血小板療法および今回発表した血圧管理についてそれぞれ2つのアームを検討した国際共同オープンラベル無作為化試験で、抗血小板療法については先に発表されている。血圧管理は、血圧を下げることは脳卒中予防に結びつくが、脳卒中再発予防の至適目標値は不明であったことから、高値群(130~149mmHg)と低値群(<130mmHg)を設定し、再発への影響を調べたものであった。Lancet誌オンライン版2013年5月29日号掲載の報告より。収縮期血圧目標値130~149mmHg群vs. <130mmHg群に無作為化し検討 SPS試験は、北アメリカ、ラテンアメリカ、スペインに居住する、MRIで症候性ラクナ梗塞が確認された患者を対象とした。2003年3月~2011年4月の間に集められた患者は無作為に、収縮期血圧目標値130~149mmHg(目標高値群)または同<130mmHg(目標低値群)に、2×2多因子デザインにて割り付けられ追跡を受けた。 主要エンドポイントは、全脳卒中(脳梗塞、脳出血含む)の減少とし、intention to treat解析にて評価した。全脳卒中は低下するも有意差はみられず、一方で脳出血は有意に低下 3,020例が登録され、目標高値群に1,519例が、低値群に1,501例が割り付けられた。追跡期間は平均3.7(SD 2.0)年、患者の平均年齢は63(SD 11)歳であった。 追跡1年時点における各群の収縮期血圧平均値は、目標高値群が138mmHg(95%信頼区間[CI]:137~139)、低値群が127mmHg(同:126~128)だった。 追跡期間中の初回脳卒中再発の発生は277例だった。そのうち243例(86%)が脳梗塞だった。 解析の結果、目標低値群の全脳卒中(ハザード比[HR]:0.81、95%CI:0.64~1.03、p=0.08)は減少したが有意差は認められなかった。同様の結果は、身体障害となるまたは致死的脳卒中(同:0.81、0.53~1.23、p=0.32)、心筋梗塞または血管性死亡の複合アウトカム(同:0.84、0.68~1.04、p=0.32)でもみられた。 一方で、脳出血の発生率は有意な低下がみられた(同:0.37、0.15~0.95、p=0.03)。 また治療関連の重篤な有害事象の発生はほとんどみられなかった。 以上の結果を踏まえて試験グループは、「脳卒中の低下は有意ではなかったが、最近のラクナ梗塞患者において、収縮期血圧目標値を130mmHg未満とすることは有益であり、その指標を使用することを支持する」と結論している。

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アルツハイマー病の早期ステージに対し、抗Aβ治療は支持されるか?

 アミロイドβ(Aβ)堆積はアルツハイマー病の特徴の1つである。Vincent Dore氏らは、アルツハイマー病患者と健常高齢者を対象とした断面研究および長期追跡の解析から、Aβが同疾患ステージの早期で認知障害を呈する前から灰白質萎縮を加速することを明らかにした。また海馬、後帯状、楔前部領域での萎縮の速度が速いことも明らかにした。得られた所見を踏まえて著者は、「早期ステージで抗Aβ治療を行うことは高い効果を得られる見込みが高いという考え方を支持するものである」と報告している。JAMA Neurology誌オンライン版2013年5月27日号の掲載報告。 アルツハイマー病発症前の段階で、個人のリスクを同定することは、不可逆的なシナプスやニューロンの損失が起きる前に早期の治療介入が可能となるため、興味深い重大研究である。そこでDore氏らは、PiB-PET(Pittsburgh compound B positron emission tomography)検査にてアルツハイマー病の病理学的評価を行った無症候性の被験者を対象に、Aβ堆積と灰白質萎縮および認知障害との関連を調べた。 被験者は、オーストラリア・メルボルンのオースティン病院で集められたAustralian Imaging, Biomarkers, and Lifestyle Study of Agingのコホートからアルツハイマー病患者40例と、対照の健常高齢者93例で、全員が神経心理学的評価とMRIおよびPiB-PET検査を受けた。また、対照群のうち54例は、18ヵ月後と36ヵ月後に再度の神経心理学的評価を受けた。主要評価項目は、皮質表面で行った局所解析による、皮質厚とPiB蓄積、エピソード記憶との関連であった。 主な結果は以下のとおり。・対照のPiB蓄積陰性(NC-)群と比較して、対照のPiB蓄積陽性(NC+)群では、楔前部領域と海馬において皮質厚の有意な減少がみられ、エピソード記憶との関連が認められた。・また皮質厚は、NC+群の新皮質PiB蓄積と負の相関がみられた。・長期解析の結果、NC+群の側頭葉と海馬における灰白質萎縮がより速いことが示された。灰白質萎縮は、NC+群では時間とともに、とくに側頭葉における拡大が認められた。・以上のように、無症候性被験者において、Aβ堆積が灰白質萎縮および記憶障害と関連していることが明らかになった。・また灰白質萎縮の早期徴候が、海馬と後帯状、楔前部領域で検出された。さらに、疾患の進行とともに灰白質萎縮は側頭葉で拡大していった。・これらの所見は、Aβ堆積は良好なプロセスではなく、早期ステージでの抗Aβ治療による介入は効果的となる見込みが高いとの考え方を支持するものであった。関連医療ニュース 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か? Aβ沈着は認知機能にどのような影響を与えるか 入院期間の長い認知症患者の特徴は?:大阪大学

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外傷後の神経痛に対する新規ケモカイン受容体2拮抗薬AZD2423

 新しいケモカイン受容体(CCR2)拮抗薬 AZD2423の、外傷後神経痛に対する有効性および安全性をプラセボと比較検討した多施設共同無作為化二重盲検試験の結果が、スウェーデン・アストラゼネカ社のJarkko Kalliomaki氏らにより発表された。 AZD2423は、安全性および忍容性に問題は無く、神経障害性疼痛評価質問票(NPSI)による評価で特定の疼痛に対する効果が示唆されたことなどが報告された。PAIN誌2013年5月号(オンライン版2013年2月13日号)の掲載報告。 対象は外傷後の神経痛患者133例で、AZD2423 20mg群、150mg群またはプラセボ群に無作為化された。いずれも治験薬を28日間経口投与した。 主要評価項目は、試験終了時におけるベースライン時からの平均疼痛スコア(それぞれ投与の最終5日間ならびに投与開始前5日間の平均値)の変化量であった。疼痛スコアは、0~10までの数値的評価スケールを用いた。 副次的有効性評価項目は、NPSI、疼痛スコア最悪値、患者による全般的印象(PGI)の変化)、睡眠や日常活動に及ぼす影響とした。 主な結果は以下のとおり。・平均疼痛スコアの変化について、投与群間の有意差は認められなかった(AZD2423 20mg群:-1.54、AZD2423 150mg群:-1.53、プラセボ群:-1.44)。・しかしプラセボ群と比較してAZD2423 150mg投与群は、NPSI総スコア、ならびに発作痛および感覚異常に関するNPSIサブスコアが大きく減少する傾向がみられた。・その他の副次的有効性評価項目について投与群間で差はみられなかった。・AZD2423両群の有害事象の頻度と種類はプラセボ群と類似していた。・ケモカインリガンド2血漿中濃度の増加および単球の減少(AZD2423 150mg投与群で-30%)がみられ、AZD2423投与量とCCR2との相互作用が示唆された。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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地中海食は脳卒中・認知障害・うつ病を予防できるか?

 近年、地中海食と脳卒中や認知症など脳疾患との関連を調査した研究結果がしばしば報告されている。アテネ大学(ギリシャ)のTheodora Psaltopoulou氏らは、地中海食の遵守度と、脳卒中やうつ病、認知障害、パーキンソン病の発症リスクの関連を調査したすべての研究をメタアナリシスによって定量的に評価し、Annals of Neurology誌オンライン版2013年5月30日号に報告した。 メタアナリシスの対象は、2012年10月31日までにPubMedで検索できた論文で、地中海食とこれらの脳疾患リスクとの関連について、相対リスク(RR)の効果推定値を報告している研究論文とし、条件にあった22報を評価した(脳卒中11報、うつ病9報、認知障害8報、パーキンソン病1報)。  なお、地中海食とは、野菜・豆・果物・シリアルを多く摂取し、オリーブオイルからn-3系不飽和脂肪酸を多く摂取し、魚を比較的多く、乳製品は低・中等量、肉や家禽類は少量、食事中に適量の赤ワインを摂取する食事である。 主な結果は以下のとおり。・地中海食の遵守度が高い場合は、脳卒中(RR=0.71、95%CI:0.57~0.89)、うつ病(RR=0.68、95%CI:0.54~0.86)、認知障害(RR=0.60、95%CI:0.43~0.83)のリスク減少に一貫して関連していた。・地中海食の遵守度が中程度の場合でも、うつ病や認知障害のリスク減少と関連していたが、脳卒中を予防する傾向はごくわずかであった。・サブグループ解析では、地中海食の遵守度が高い場合において予防効果が大きくみられたのは、虚血性脳卒中、軽度認知障害、認知症(とくにアルツハイマー病)であった。・メタ回帰分析では、脳卒中予防における地中海食の効果は、男性においてより大きい傾向がみられた。・うつ病に関しては、地中海食の遵守度が高い場合は年齢に関係なく予防効果がみられたが、遵守度が中程度の場合は年齢とともに効果は消滅するようである。

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健康診断の採血で右上肢が廃用となったケース

内科最終判決平成14年9月5日 松山地方裁判所 判決概要経験年数20年のベテラン看護師が、健康診断目的で来院した42歳女性の右肘尺側皮静脈から採血を試みた。針を挿入直後に患者が「痛い!」と訴え、血液の逆流がなかったので左側から改めて採血した。ところが、採血直後から右上肢の知覚障害、痛み、浮腫、運動障害が出現し、大学病院整形外科で反射性交感神経異栄養症(RSDS)と診断され、労災等級第7級に相当する後遺障害が残存した。詳細な経過患者情報42歳女性。特記すべき既往症なし経過平成8年7月17日09:40定期健康診断時に、尺側皮静脈から採血するため右腕肘窩部分に針を刺したが、血液の逆流はなく、針が刺された後で「痛い!」といったため針を抜き、針やスピッツを新しいものに変えて、改めて左腕に針を刺して採血は完了した。ところが、採血直後から右手第1-第2指にしびれを自覚し、同日総合病院整形外科を受診して、「右正中神経麻痺、反射性交感神経性萎縮症」と診断された。12月16日大学病院整形外科医師は、右上肢の知覚障害、痛み、浮腫、運動障害があることから「カウザルギー」と診断した。平成11年3月10日労災認定。右上肢手関節と肘関節の中心部より右手指にかけて、常時疼痛を中心とした異常感覚および知覚低下、右上肢肘関節以下の神経症状による運動障害があるとして、障害等級第7級3号に該当すると認定。平成13年11月9日本人尋問。右手、とくに親指の付け根付近から上肢にかけての約20cmの部分に強い痛みがあると訴え、被告ら代理人が少し触れようとすると激しく痛がった。本人の上申書右腕は痛くて伸ばせない右手指も無理に伸ばそうとすると歯の神経にさわったような電撃的な痛みが出るし、不意に痛むこともある右手指から肘までの1/2の範囲は、常時、火傷したようなきりきりとした痛みがある肘の内側にはじくじくとした鈍痛がある肩と肘の真ん中あたりから指先にかけて、いつもむくんでいる右手指のうち、小指以外は何かに触れただけで飛び上がるような痛みがある。指先から遠位指節間関節(指先にもっとも近い関節)までほとんど感覚がないため、物を握れないこのため右手はほとんど用をなさないし、寝る時は右手が下にならないように気をつける。手首を内側に向けて捻っている状態は楽だが、その反対はできないなどの障害が残っている当事者の主張患者側(原告)の主張採血時、血液の逆流がなく血管内に注射針を刺入できていないことがわかったのに、注射針をそのまま抜こうとせず、注射針の先を動かして血管を探すような動作をし、痛みを訴えたにもかかわらず同様の動作を続けた結果、右腕正中神経を注射針の先で傷つけたため、右手第1-第2指にしびれ、疼痛を生じる障害を負った。看護師は肘窩の静脈に針を刺す場合、正中神経を傷つけないように注射針を操作するべき注意義務があるのに、不用意に操作した過失によって正中神経を損傷しRSDSを併発した。病院側(被告)の主張担当看護師は勤続20年のベテラン保健師・看護師であり、通算数千件もの採血を実施しているが、一度もミスなどしたことはない。採血の際は、皮膚から約15度の角度で針先カット面を上にして血管穿刺を行っており、かつ、血液の逆流が認められないため、スピッツを数ミリ手前に引いたのみであり、注射針の先を動かして血管を探すなどした事実はない。このような採血によって皮膚の表面上を走る尺側皮静脈から、遠く離れた深部にある正中神経を傷つけることはあり得ない。また、右腕の痛みに対し星状神経ブロックなどの医師の勧める基本的治療を行わず、痛みのまったくない軽度な治療を行うのみであった。また、日常行動を調査したビデオによれば、右手を普通に用いて日常生活を送っていると認められ、法廷の本人尋問での言動は事実と異なる演技に過ぎない。各医師の診断結果や、これらに基づく労働基準監督署長の判断も、同様に原告が演技をし、またはその訴えたところに従って作成され判断されたものに過ぎず、誤っている。仮に採血による後遺障害が残っているとしても、それは医師から再三の治療上のアドバイスがあったにもかかわらず拒否し、特異な気質と体質により複雑な病態となったものと考えられる。裁判所の判断原告は採血直後から右手のしびれなどを訴えるようになり、現在でも右手は触れられただけでも強い痛みを訴え、大学病院医師は採血を原因とする「右上肢カウザルギー」ないし「RSDS」と診断している。痛みに関する供述にはやや誇張された面があると感じられるが、およそ障害がない、あるいはその障害が軽微であるとの根拠とすることはできない。したがって、採血時に肘窩の尺側皮静脈に注射針を深く刺し、正中神経を傷つけたため右手が使えなくなったのは、採血担当看護師の過失である。原告側合計3,254万円の請求に対し、2,419万円の判決考察たった1回の採血失敗によって、右手が使えなくなるという重度後遺障害が残存し、しかも2,419万円もの高額賠償につながったという衝撃的なケースです。肘の解剖学的な構造をみると、尺側皮静脈は腕の内側を走行し、比較的太い静脈の一つです。ただその深部には、筋膜の内側に上腕動脈と伴走するように正中神経が走行しています。本件では、結果的にはこの正中神経に針が届いてしまい、右腕が使い物にならなくなるほどの損傷をうけて医事紛争に発展しました。本当にこの神経を刺してしまうほど、深く注射針を挿入してしまったのかは、おそらく担当した看護師にしかわからないことだと思いますが、採血直後から正中神経に関連した症状が出現していますので、正中神経に損傷が及んだことを否認するのは難しいと思います。ただし、今回問題となったRSDSには特有の素因があることも知られていて、交感神経過反応者、情緒不安定、依存性、不安定性を示す性格の持ち主であることも知られています。今回の採血では、担当看護師の主張のように、けっして針をブスブスとつき刺すような乱暴な操作をしていないと思います。にもかかわらず重篤な障害に至ってしまったということは、今後私たちが採血や注射を担当する以上、一定の確率で否が応でも今回のような症例に遭遇する可能性があることになります。ではどうすればこのような紛争を未然に防ぐことができるかというと、あらかじめ採血をする時には、危険な部位には針を刺さないようにすることが必要です。通常は肘の外側に太い神経はみられないので、可能な限り内側の尺側皮静脈から採血するのは避け、外側の皮静脈に注射するのが懸命でしょう。もしどうしても採血可能な静脈が内側の尺側皮静脈以外にみつからない場合には、なるべく静脈の真上から針を挿入し、けっして針が深く入らないようにすることが望まれます。また、採血時に普通ではみないほどひどく痛がる患者の場合には、RSDSへと発展しやすい体質的な素因が考えられますので、無理をして何回も針を刺さないように心がけるとともに、場合によっては医師の判断を早めに仰ぐようにするなどといった配慮が必要だと思います。内科

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妊娠初期のヨウ素欠乏、出生児の低い言語・読解力と関連/Lancet

 英国・サリー大学のSarah C Bath氏らは、母体の妊娠初期の尿中ヨウ素量と、出生児の8歳時の知能指数(IQ)および9歳時の読解力との関連を調べた結果、150μg/g未満群は同量以上群と比べて、出生児のIQなどが低いことを明らかにした。甲状腺ホルモンの構成成分であるヨウ素は、胎児の発育に欠かせないもので、英国では長い間、母体のヨウ素量は充足していると考えられていた。しかし近年、軽度に欠乏している可能性を示唆するエビデンスが増えていたという。今回の結果を踏まえて著者は「英国の妊産婦のヨウ素欠乏について、注意を要する重大な公衆衛生問題として対策を行う必要がある」と提言している。Lancet誌オンライン版2013年5月22日号掲載の報告より。妊娠第一期の母体ヨウ素状態と出生児の8歳時IQおよび9歳時読解力の関連を検討 本検討は、イングランド南西部のエイボン地方で1991年4月1日~1992年12月31日に出産予定があった母子を対象としたAvon Longitudinal Study of Parents and Children の参加者コホート(ALSPAC、妊婦1万4,541人、出生児1万3,988人が登録)を対象とした。そのうち妊娠第一期(≦13週と定義、中央値10週、IQR:9~12)の尿サンプルと出生児のIQのデータ(8歳時)が入手できた1,040例を解析対象として特定した。 WHO基準に即して、ヨウ素/クレアチニン比150μg/g未満(妊娠中のヨウ素欠乏)群と150μg/g以上(同ヨウ素充足)群に分類し、母体のヨウ素状態と出生児の8歳時のIQおよび9歳時の読解力との関連を評価した。評価は、21の社会経済学的および両親、子どもに関する交絡因子を考慮して行った。欠乏群は充足群と比べ言語性IQ、正確に読む力、読んで理解する力が低い(1.54~1.69倍) 解析対象1,040例のうち、77例は尿中ヨウ素濃度500μg/L以上であり、分類解析から除外した。残る958例は、ヨウ素欠乏群646例、ヨウ素充足群312例に分類され、尿中ヨウ素濃度中央値は91.1μg/L(IQR:53.8~143)、ヨウ素/クレアチニン比は110μg/g(同:74~170)で、全体的に軽度~中等度のヨウ素欠乏状態であることが示された。 交絡因子で調整後、ヨウ素欠乏群の子どもはヨウ素充足群の子どもよりも、言語性IQ(オッズ比:1.58、95%信頼区間[CI]:1.09~2.30、p=0.02)、正確に読む力(同:1.69、1.15~2.49、p=0.007)、読んで理解する力(同:1.54、1.06~2.23、p=0.02)について最低四分位範囲のスコアを有する傾向が認められた。 さらにヨウ素欠乏群を再分類した結果、150μg/g以上群と比べて、50~150μg/g群、50μg/g未満と数値が下がるほどスコアが悪かった。

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鳥インフルエンザA(H7N9)患者の約8割がICU、死亡は約3割/NEJM

 中国で2013年春に流行した鳥インフルエンザA(H7N9)の感染者111例について、診療記録を基に行った調査の結果、ICUで治療を受けたのは約77%、死亡は27%であったことを、北京大学のHai-Nv Gao氏らが報告した。また、患者の大半は入院時に肺炎と同様な症状を呈し、患者の年齢中央値は61歳であったという。NEJM誌オンライン版2013年5月22日号掲載の報告より。最も多い症状は発熱と咳、典型的X線所見はGGOと浸潤影 研究グループは、2013年5月10日までにH7N9ウイルス感染が確認された111例について、その臨床的な特徴を調べた。 その結果、111例のうちICUで治療を受けていたのは76.6%で、死亡したのは27.0%だった。 111例の年齢中央値は61歳で、65歳以上は42.3%、女性は31.5%であり、61.3%の患者が1つ以上の基礎疾患があった。 最も多く認められた症状は、発熱と咳だった。入院時に108例(97.3%)が、肺炎と一致する症状が認められた。典型的なX線所見は、両側性スリガラス状陰影(GGO)と浸潤影だった。 リンパ球減少症が認められたのは88.3%、血小板減少症は73.0%だった。共存症があるとARDSリスクが3.4倍に 患者のうち108例(97.3%)に抗ウイルス薬による治療が行われ、治療開始の中央値は発症後7日目だった。 RT-PCR法によって、ウイルス試験の結果が陰性であることが明らかになるまでの日数の中央値は、発症から11日(四分位範囲:9~16)、抗ウイルス薬投与開始から6日(同:4~7)だった。 多変量解析の結果、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のリスク因子は、共存症のみであったことも明らかになった(オッズ比:3.42、95%信頼区間:1.21~9.70、p=0.02)。

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統合失調症におけるワーキングメモリと視覚認知機能

 オーストラリア・クイーンズランド大学のNatasha L. Matthews氏らは、統合失調症における視覚空間に関するメンタルイメージと、ワーキングメモリとの関連について調べる2つの実験を行った。その結果、統合失調症ではワーキングメモリの維持機能が障害されていても、メンタルイメージは増強しているエビデンスを認めたこと、しかしワーキングメモリ維持の要求が高まるとその増強は消失したことを報告した。著者は、今回みられた所見が新たな治療戦略に適用可能であると結論している。Cognitive Neuropsychiatry誌オンライン版2013年5月24日号の報告。 ワーキングメモリは、過去の知覚的経験の再現であるメンタルイメージと密接に関係している。統合失調症ではワーキングメモリの障害がその中心的特徴として確立されているが、一方でボディワークから、メンタルイメージの亢進が示唆されていた。その関連を明らかにするために研究グループは2つの実験を行った。実験1では、統合失調症患者(15例)と適合コホート(14例)に、メンタルイメージの産生と検査タスク、視覚空間遅延反応ワーキングメモリタスクを完了した。実験2では、統合失調症患者(16例)と適合コホート(16例)に、ワーキングメモリ維持要求を増大するために修正したメンタルイメージタスクの新規バージョンを完了した。 主な結果は以下のとおり。・実験1の結果、統合失調症患者におけるメンタルイメージのパフォーマンス増強が示された。適合コホート群よりも精度を維持しつつ反応速度が速かった。・しかしながら、統合失調症におけるメンタルイメージの増強には、遅延反応タスクによって評価されるワーキングメモリの障害が付随していた。・実験2の結果、ワーキングメモリ維持の負荷が増すにつれ、統合失調症における優れたメンタルイメージのパフォーマンスは示されなくなった。関連医療ニュース 認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか? ベンゾジアゼピン系薬物による認知障害、α1GABAA受容体活性が関与の可能性 早期統合失調症、認知機能にGABA作動性抑制が関連

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コーヒーは日本人の前立腺がんリスクを下げるのか?前向きコホート研究の結果

 コーヒー摂取と前立腺がん発症率の関連性の有無について、疫学的なエビデンスは一致していない。今回、東北大学の大崎コホート研究で、日本人男性におけるコーヒー摂取と前立腺がんリスクの関連を調査した結果が、British Journal of Cancer誌オンライン版2013年5月14日号に発表された。 本試験は、宮城県大崎市における前向きコホート研究で、ベースライン調査には40~79歳の男性1万8,853人が参加した。コーヒー摂取量は自記式アンケートで評価した。1995年1月1日~2005年12月31日の11年間にわたるフォローアップ期間に、318人が前立腺がんを発症した。ハザード比および95%信頼区間(CI)はCox比例ハザード回帰モデルで算出した。 主な結果は以下のとおり。・コーヒー摂取と前立腺がん発症リスクの間に有意な逆相関が認められた。・コーヒーを飲まなかった人と比べ、時々飲んだ人、1日1~2杯飲んだ人、1日3杯飲んだ人のハザード比(多変量調整後)は、それぞれ0.81(95%CI:0.61~1.07)、0.73(95%CI:0.53~1.00)、0.63(95%CI:0.39~1.00)であった(傾向のp=0.02)。

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皮膚筋炎は心血管および脳血管イベントリスク増大に関連

 皮膚筋炎が、心血管および脳血管イベントリスクの増大に関連しているとの示唆が得られたことを、台湾・國泰綜合医院のY.-T. Lai氏らが住民ベースの長期追跡調査の結果、報告した。慢性炎症性自己免疫疾患が心血管リスク増大と関連していることは知られるが、脳血管リスクとの関連についてはほとんど知られていなかった。British Journal of Dermatology誌2013年5月号の掲載報告。 Lai氏らは、現住民をベースにした年齢・性別を適合させたコホートの追跡調査にて、皮膚筋炎と急性心筋梗塞(AMI)および急性脳梗塞のリスクとの関連を調べることを目的とした。 皮膚筋炎(DMS)患者907例を登録し、年齢・性別を適合させて無作為に抽出した非DMS被験者の対照群4,535例と比較した。 Kaplan-Meier法を用いて、非AMI生存および非脳梗塞生存曲線を描出し、Cox比例ハザード回帰分析にてDMSとAMIおよび脳梗塞との関連リスクを算出し評価した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間2年の間におけるAMI発生は、DMS患者群14例(1.5%)に対し、非DMS対照群では18例(0.4%)であった。・DMS患者におけるAMI発生の非DMS対照群に対する粗ハザード比(HR)は、3.96(95%CI:1.97~7.96、p=0.0001)であった。・人口統計学的特性および心血管共存症について補正後HRは、3.37(同:1.67~6.80、p=0.0007)であった。・一方、同追跡期間中の脳梗塞発生は、DMS患者群46例(5.1%)に対し、非DMS対照群は133例(2.9%)であった。・DMS患者における脳梗塞発生の非DMS対照群に対する粗ハザード比(HR)は、1.78(95%CI:1.27~2.49、p=0.0007)であり、補正後HRは、1.67(同:1.19~2.34、p=0.0028)であった。

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第21回嚢胞性腎疾患研究会 一般演題募集のご案内

 嚢胞性腎疾患の代表的疾患である多発性嚢胞腎では、尿細管上皮に並んだ絨毛に対する研究が疾患理解の新しい扉を開いた。この理解のうえに立ち、嚢胞腎尿細管細胞内のさまざまな情報伝達経路が明らかになり、これが新規治療薬の開発へとつながってきている。 本研究会ではこれらの大きな流れを、特別講演と市民公開講座の中に組み込み、広く基礎的研究者、臨床医、患者間での情報の共有化を図り、今後の基礎研究や臨床研究のさらなる発展を目指すものである。■開催日:2013年9月21日(土)■参加費(会費):3,000円■プログラム(予定):   9:00 –12:00 研究会       会場:杏林大学医学部付属病院 外来棟10F 第一会議室            〒181-8611 三鷹市新川6-20-2       ◆ 特別講演「繊毛病としての嚢胞性腎疾患」         京都府立医科大学 生体機能形態科学 教授 横山 尚彦 先生       ◆ 一般演題 *公募   14:00 – 16:00 市民公開講座                    *杏林大学医学部 多発性嚢胞腎研究講座 共催       会場:杏林大学医学部付属病院 第2病棟4F 大学院講堂       ◆ 講演「多発性嚢胞腎の治療について」             杏林大学医学部 多発性嚢胞腎研究講座 教授 東原 英二 先生【一般演題の募集について】嚢胞性腎疾患に関する基礎研究、臨床報告などの演題を公募いたします。 締め切り: 2013年8月9日(金) 応募要領:A4用紙1枚に演題名、演者名、所属、600字以内の抄録本文をご記入のうえ、      下記アドレス宛e-mail添付ファイルにてお送りください。      折り返し受領メールをお送りします。 発表形式:口演(PC発表)です。詳細は演題受領後にお知らせします。*演題送付先・お問い合わせ: muraa@ks.kyorin-u.ac.jp杏林大学医学部泌尿器科 奴田原教授室(担当:村上、竹下)〒181-8611 三鷹市新川6-20-2 ℡ 0422-47-5511(内5815,3564)

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「内科で遭遇する皮膚疾患」に関するアンケート結果 part 1

対象ケアネット会員の医師 内科398名方法インターネット調査実施期間2013年4月11日~4月12日Q1日々の診療の中で皮膚疾患を有する患者さんは月何人くらいいらっしゃいますか?(回答は1つ)Q2先生が診療を行っている皮膚疾患を有する患者さんの中で診断・治療に苦慮する患者さんはどれくらいですか?(回答は1つ)Q3先生が日常診療で遭遇する皮膚疾患はどのようなものが多いですか?(複数選択可)2013年3月ケアネット調べ

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