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日本人2型糖尿病患者においてリナグリプチンの追加療法は有効か?

 リナグリプチン(商品名:トラゼンタ)について、経口糖尿病治療薬(OAD)の追加療法としての長期的な安全性・有効性を検証するため、京都大学の稲垣暢也氏らは多施設オープンラベル並行群間試験を実施した。Diabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2013年4月8日付の掲載報告。 本試験(52週間、多施設、オープンラベル、並行群間)の対象は、2型糖尿病および血糖コントロール不良の日本人患者618例。ビグアナイド系薬、グリニド系薬、グリタゾン系薬、SU薬、αグルコシダーゼ阻害薬(A-GI)といったOADによる標準治療に対するリナグリプチン追加療法を評価した。試験開始から2週間後、SU群とA-GI群は追加療法としてリナグリプチン(1日1回5 mg)群またはメトホルミン(1日2~3回、最大2250 mg /日)群に無作為に振り分けられた。 他のOADを投与されている患者は、リナグリプチン追加療法(非無作為化)を施された。 主な結果は以下のとおり。結果:・全試験期間を通じて、標準治療にリナグリプチンを追加投与した患者(ベースラインHbA1c値7.86%~8.12%)では、HbA1c値は有意に減少した(-0.66%~-0.92%)。・A-GIまたはSU に追加投与した場合、HbA1c値の減少はリナグリプチン群とメトホルミン群で大差なかった。・有害事象はほとんどが軽度または中等度であり、その割合は全群間で近似していた。・低血糖イベントはSU群を除きほとんど見られなかった。・低血糖イベントの発生率は、追加療法にかかわらずA-GI群(リナグリプチン:1/61 vs メトホルミン:2/61)、およびSU群(17/124 vs 10/63)において、それぞれ近似していた。・すべての低血糖イベントのうち26例(5.8%)が、リナグリプチン投与群(非無作為化)で報告された。

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「かくれ骨粗鬆症」を救うために

 2013年4月23日(火)、日本イーライリリー株式会社開催のセミナーにて、近畿大学医学部奈良病院の宗圓 聰氏(整形外科・リウマチ科)と聖隷浜松病院の森 諭史氏(骨・関節外科)が、原発性骨粗鬆症の診断基準ならびに椎体骨折評価基準の改訂がもたらす積極的な診断・治療の広がりと、臨床に潜む「かくれ骨粗鬆症」の実態について語った。 講演の中で、宗圓氏は「新たな診断基準を知ってもらうことで、自覚症状のない『かくれ骨粗鬆症』への積極的な治療介入につながれば」と期待を述べた。以下、内容を記載する。痛みを伴わない場合も・・・骨粗鬆症の脊椎骨折 わが国の骨粗鬆症の患者数は推計1,280万人だが、治療を受けている患者さんは200万人にとどまっている。要因として、骨粗鬆症と診断されていない「かくれ骨粗鬆症」の存在が考えられている。なぜ、診断されないのか。一つには、骨粗鬆症の脊椎骨折には痛みがなく、変形が進行する例が多いことが考えられている。実際、痛みを伴う骨折は全体の3分の1にすぎないとの報告もある。このため、背骨の骨折により円背の状態になっていても、痛みを伴わないため、いわゆる「老化」と判断されて、放置されている可能性がある。1~2回目の骨折を防ぐことを目標に治療介入を しかし椎体骨折は1度起こると、2回目以降の骨折リスクが高まるとの報告もあり、いわゆる「骨折ドミノ」の状態を助長してしまう。また大腿骨近位部骨折や椎体骨折は死亡率を増加させるとの報告もある。このことから、骨折に至る前の骨密度が下がってきた時点から介入し、最初の骨折を防ぐことが重要といえる。しかし、現実的には、まだ骨折を起こしていない方への治療介入は難しい。そこで、一旦骨折を起こした人が次の骨折を防ぐことを目標に診断、治療を行うことが望ましい。原発性骨粗鬆症の診断基準:改訂のポイント こうした背景から診断基準の改訂が行われ、「原発性骨粗鬆症の診断基準 2012年度改訂版」が作成された。旧診断基準では、WHOとの整合性がとれていないという問題点のほか、脆弱性骨折がある場合でも骨密度を測定し低骨量(骨密度がYAM※の80%未満、あるいは脊椎X線像で骨粗鬆化がある場合)であることを確認する必要がある、といった治療介入までのハードルがあった。※YAM:Young Adalt Mean若年成人平均値(20~44歳) 今回の改訂により、すべての脆弱性骨折が対象ではないものの、とくにリスクとなる椎体骨折または大腿骨近位部骨折がある場合は骨密度と無関係に診断ができるようになった(※その他の部位の脆弱性骨折については骨密度のしばりあり)。これにより、椎体もしくは大腿部の骨折があれば薬物治療を行ってもよいことになり、治療介入の可能性が広がったといえる。椎体骨折評価基準も改訂 さらに椎体骨折評価基準の改訂によって、多くの診療科で共通に使える尺度が導入された。具体的には、椎体変形をX線画像で判定する際に、椎体の形のみから骨折のグレードを判定するSQ法(semi-quantitative method)の導入がある。計測が必要な従来のQM法(quantitative method)より簡便なことから、実臨床での有用性も高い。またMRIによる診断も付記された。これにより椎体骨折の評価がより簡便になったといえる。体型変化や患者の症状にも注意を ただし、すべての患者に検査を行うわけにはいかないとの指摘もある。自覚症状がないため診断は難しいが、閉経後女性や50歳以上の男性で、短期間で円背などの体型変化がある、-2~3cmの身長低下がみられる、といった場合には「かくれ骨粗鬆症」を疑ってみてもよいだろう。また、円背に伴って逆流性食道炎の症状を訴えるケースも多いので、参考にしていただきたい。まとめ 講演後、森氏から「今回の改訂内容を、内科や婦人科といった『かくれ骨粗鬆症』を診る可能性のある多くの医師に知ってほしい」といったコメントがあった。整形外科に来院した時にはすでに骨粗鬆症が進行し、処置が困難なケースもあるという。新たな診断基準が広く普及し、患者が健康的な生活を送る機会が増えることを期待したい。

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母親の血中ビタミンD値、子どもの骨塩量とは無関係/Lancet

 妊娠中の母体における血中ビタミンD値と、その子どもの9~10歳時の骨塩量との関連について大規模集団における検討の結果、有意な関連は認められなかったことが報告された。英国・ブリストル大学のDebbie A Lawlor氏らが、約4,000組の母子について行った前向き調査「エイボン縦断試験」の結果で、Lancet誌オンライン版2013年3月19日号で発表した。これまでの研究で、妊婦の最大70%がビタミンD不足または欠乏していることが明らかとなっており、また小規模研究において妊婦のビタミンD値が子どもの骨塩量を規定することが示唆され、もしそれが真実であれば重大な公衆衛生上の問題になると危惧されていたという。母親の血中25(OH)D濃度によって3群に分類、子どもの骨塩量との関連を分析 研究グループは3,960組の母子(主としてヨーロッパ出身)について縦断的研究を行い、母親の妊娠中の血中25ヒドロキシビタミンD(25(OH)D濃度と、子どもの骨塩量について、その関係を分析した。 母親の血中25(OH)D濃度は、50.00nmol/L超の場合は十分とし、27.50~49.99nmol/Lを不十分、27.50nmol/L未満を欠乏とした。子どもについては、9~10歳時に二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法)にて、頭部を除く全身および脊椎部の骨塩量を測定した。妊娠第3期の測定値を含め、母親の血中25(OH)D濃度と子どもの骨塩量は無関係 被験者のうち全身骨塩量を測定した子どもは3,960人、脊椎部骨塩量を測定したのは3,196人だった。測定時の子どもの平均年齢は9.9歳だった。 母親のうち、血中25(OH)D濃度が十分だったのは2,644人(77%)、不十分だったのは1,096人(28%)、欠乏していたのは220人(6%)だった。 一方で子どもの骨塩量は、母親の血中25(OH)D濃度が十分な群と、不十分・欠乏群との間で有意差は認められなかった。 また子どもの骨塩量は、妊娠第3期の血中25(OH)D濃度との間でも、有意な関連は認められなかった。

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高い尿酸値はパーキンソン病の進行を遅らせる!?-メタ解析の結果から-

 男性において、高い尿酸値がパーキンソン病の進行を遅らせる可能性があることが、中国・浙江大学のChunhong Shen氏らの報告によって示唆された。しかしながら、今後も詳細な調査が必要であると指摘している。The Canadian journal of neurological sciences誌2013年1月号の掲載報告。 尿酸の抗酸化作用が、パーキンソン病の進行を遅らせる可能性がある。その仮定のもと、尿酸値とパーキンソン病のリスクの関連について調査した。 本研究はメタ解析。Pubmed、ISI Web of Science、EMBASEからパーキンソン病のリスクと尿酸値について報告されている文献を検索し、6つの研究を対象とした。対象患者は、計33,185人(男性:20,641人、女性:12,544人)。メタ解析には固定効果モデルまたはランダム効果モデルを用い、さらに性別による影響についても評価した。 結果は以下のとおり。・高い尿酸値を示した患者群では、パーキンソン病の発症リスクが33%減少していることが認められた。(相対リスク[RR]:0.67、 95%信頼区間[CI]:0.50~0.91)・性別の影響をみたサブ解析では、パーキンソン病に対する尿酸の抑制的な作用は、男性において統計的に有意であることが認められた([RR]:0.60、[CI]:0.40~0.90)。しかしながら、女性では有意とは言えなかった。・さらに11,795人において、尿酸値が高ければ高いほどパーキンソン病の発症リスクが減少していることが示された([RR]:0.77、[CI]:0.68~0.88)。・また、高い尿酸値がパーキンソン病の進行を遅らせる可能性があることも示唆された([RR]:0.56、[CI]:0.43~0.72)。

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慢性HCV感染患者、新規ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬の上乗せ効果を確認/NEJM

 未治療の慢性C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者の治療において、新規ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビルを標準治療であるペグインターフェロンアルファ2a+リバビリン療法に追加すると有効性が改善され、ソホスブビル+リバビリン療法の効果は標準治療に対し非劣性であることが、米国テキサス大学健康科学センターのEric Lawitz氏らの検討で示された。慢性HCV感染患者は世界で約1億7,000万人に及び、年間35万人以上がHCVに起因する肝疾患で死亡しているという。ソホスブビルは、第II相試験で未治療の遺伝子型1、2、3型の慢性HCV感染患者に対する有効性が確認されている。NEJM誌オンライン版2013年4月23日号掲載の報告。遺伝子型別の2つの第3相試験で評価 研究グループは、未治療の慢性C型肝炎患者に対するソホスブビル(SOF)の有用性を評価する2つの第3相試験(FISSION試験、NEUTRINO試験)を実施した。 NEUTRINO試験は、遺伝子型1、4、5、6型のHCV感染患者(98%が1と4型)を対象にSOFとペグインターフェロンアルファ2a(PEG)+リバビリン(RBV)の併用療法(治療期間12週)の評価を行う非盲検単群試験。2012年6月~8月までに米国の56施設から327例(平均年齢52歳、男性64%)が登録された。 FISSION試験は、遺伝子型2、3型のHCV感染患者を対象にSOF+RBV療法(治療期間12週)とPEG+RBV療法(治療期間24週)を比較する非盲検無作為化非劣性試験。2011年12月~2012年5月までに6ヵ国(米国、オーストラリア、ニュージーランド、イタリア、スウェーデン、オランダ)97施設から499例[SOF+RBV群:256例(平均年齢48歳、男性67%)、PEG+RBV群243例(48歳、64%)]が登録された。 両試験とも、主要評価項目は治療終了12週後の持続的なウイルス学的著効(SVR)とした。3剤併用でSVRが90%に、3型には3剤併用が有用な可能性も NEUTRINO試験におけるSOF+PEG+RBV療法の治療終了後12週のSVRは90%(95%信頼区間[CI]:87~93)であった。以前の試験で得られた調整済みSVRは60%であり、今回のほうが有効性が有意に優れた(p<0.001)。 FISSION試験では、SVRは両群ともに67%であった。層別因子で調整後の両群のSVRの絶対差は0.3ポイント(95%CI:-7.5~8.0)で、SOF+RBV群で良好な傾向を認めた。 補足的な解析でSOF+RBV群のPEG+RBV群に対する非劣性が確認された(p<0.001)。SOF+RBV群では、3型のSVRが56%と、2型の97%に比べ不良であった。 治療期間中の重篤な有害事象は、SOF+PEG+RBV群が1%(4例)、SOF+RBV群が3%(7例)、PEG+RBV群は1%(3例)に認められた。有害事象による治療中止率はそれぞれ2%(5例)、1%(3例)、11%(26例)だった。 SOF+RBV群は、PEGを含む群に比べ全般的に有害事象の頻度が低く、とくに疲労感、頭痛、悪心、不眠、貧血が少なく、好中球減少は1例もみられなかった。 著者は、「SOF+PEG+RBV療法による12週の治療は、主に1型と4型から成るHCV感染患者群で90%という高いSVRを示し、2型と3型のHCV感染患者群ではSOF+RBV療法とPEG+RBV療法の非劣性が確認された」とまとめ、「SOF+RBV療法では3型HCV感染患者のSVRが低かったが、これらの患者は治療期間を延長するか、SOF+PEG+RBV療法を行うことでSVRが改善する可能性がある」と指摘している。

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統合失調症治療にベンゾ併用は有用なのか?

 統合失調症治療では、一般的にさまざまな薬理作用を有する薬剤を組み合わせた治療が行われている。ドイツ・ミュンヘン工科大学のMarkus Dold氏らは、抗精神病薬にベンゾジアゼピン系薬剤を追加投与した際の有用性をメタ解析により評価した。European neuropsychopharmacology誌オンライン版2013年4月17日号の報告。 対象は、単剤治療を行っていた統合失調症患者および統合失調症様症状を有する患者。ベンゾジアゼピンによる併用療法群とコントロール群を比較した1週間以上の無作為化比較試験(RCT)を、コクラン統合失調症グループの研究データベース(2011年2月まで)とPubmed/Medline(2012年7月まで)を用い検索した。研究の選択とデータ抽出は少なくとも2名の評価者が独立して行った。主要評価項目は治療反応とし、副次的評価項目はPANSSスコア、不安症状、何らかの理由による治療中止、無効例、有害事象とした。ランダム効果モデルを用いてリスク比(RRs)と95%CI、number-needed-to-treat/harm(NNT/H)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・16件のRCTより、1,045例の対象患者が抽出された。・ベンゾジアゼピン併用療法は、治療反応と有意な関係が認められなかった(6RCT、511例、RR:0.97、95%CI:0.77~1.22)。・ベンゾジアゼピンによる補助療法は、治療中止率の面からはおおむね良好な忍容性を示したが、めまい(3RCT、190例、RR:2.58、95%CI:1.08~6.15)と傾眠(2RCT、118例、RR:3.30、95%CI:1.04~10.40)が認められた。・統合失調症患者に対するベンゾジアゼピン追加投与は、抗精神病薬の有効性向上の根拠となりえなかった。そのため、ベンゾジアゼピンの中長期的な使用は避け、鎮静が必要な急性期患者に対し超短期間の使用にとどめるべきである。関連医療ニュース ・ベンゾジアゼピン系薬物による認知障害、α1GABAA受容体活性が関与の可能性 ・非定型抗精神病薬治療、忍容性の差を検証 ・ベンゾジアゼピン系薬剤の使用で抗精神病薬多剤併用率が上昇?!

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過去20年間で、メラノーマによる社会的疾患負荷が2倍以上に

 オランダ・エラスムス大学医療センターのC. Holterhues氏らは、1991~2010年のオランダのメラノーマ登録患者のデータを解析した結果、オランダ社会においてメラノーマが重大な疾患負荷となっていることを報告した。疾患負荷は、疾患による健康損失や死亡を表すが、これまで一般集団におけるメラノーマについて十分に研究されていなかったという。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年3月29日号の掲載報告。 研究グループは、1991~2010年の間のオランダがんレジストリ登録者のうちメラノーマ全患者の年齢・性特異的発生率データを入手し、オランダ統計局からメラノーマの特異的死亡率と平均余命のデータを入手した。世界保健機関(WHO)のDISMODソフトウエアを用いてメラノーマの発症期間を算出し、オランダ身体障害度、メラノーマの発生率と死亡率、寿命を用いて、障害生存年数(YLD)と損失生存年数(YLL)を算出した。またYLDとYLLを加味した障害調整生存年数(DALY)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・メラノーマの世界標準発生率は、男女とも20年間で2倍以上増大していた。男性は、1991年の住民10万人当たり7.1人から2010年は17.0人に、女性は同9.4人から19.8人へと増大していた。・メラノーマの社会的負担も急速に増大していた。男性のYLDは4,795(1991~1994年)から1万2,441(2007~2010年)に、女性は同7,513から1万6,544に増大していた。・2007~2010年のメラノーマによる総YLLは男性3万651、女性2万6,244であった。1991~1994年当時の同値はそれぞれ1万7,238、1万6,900であった。・DALYは男性では96%増加し、2万2,033(1991~1994年)から4万3,092(2007~2010年)となっていた。女性では75%の増加で、同2万4,475から4万2,788となっていた。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(90)〕 否定された『減塩パラドックス』―降圧の基本は、やはり減塩。

食塩摂取と高血圧とは、いわば切っても切れない関係にある。 薬剤による降圧療法は日常的に行われているが、各国の高血圧診療ガイドラインでは、薬物療法に先行する生活習慣の改善(life style modification)、なかでも『減塩』の履行・遵守を強く勧めている。高血圧診療における、生活習慣の改善の代名詞が『減塩』であり、日本高血圧学会でも学会をあげて『減塩』に取り組んでいる。たとえば、例年開催される学会のランチは減塩弁当であり、また昨年初めて行われた減塩サミットの共催に名を連ねた。 本論文は、こうした『減塩』の価値を、改めて再確認する内容をSystematic Review・メタ解析の手法を用いて報告している。いまさらとも言われかねない『減塩』の価値を検討し、証明する試みがなされ、BMJに発表された背景には、2011年に相前後してJAMAに発表された2本の論文で、『減塩パラドックス』、すなわち過度の減塩が心血管イベントを増加させる可能性が報告されたことが強く影響している1), 2)。これらの論文では、減塩が心血管イベントの抑制につながらない根拠として、減塩によるレニン・アンジオテンシン系の活性化や、交感神経系の活性化、脂質異常の悪化の可能性があげられている。 これらの論文は、JAMAに掲載されると瞬く間に反論、疑義が寄せられ、議論の的となった3)~11)。反論の中核となった論点は、食塩摂取量の推定方法 (標準的な24時間蓄尿サンプルによる推定ではなく、single urine sampleによる推定に基づいている)、データ採集の方法(数年間の隔たりがあるコホートについて解析をしており、データ採集時期に重大な差がある)であり、誤った手法によって収集されたデータが、誤った結論を導いた可能性が指摘されている。 著者らは、改めて厳格な選定基準のもと選定した研究成果に対して、Systematic Review・メタ解析を行った。その結果は、従来通り『減塩』の有効性を支持するものであり、世界的・公衆衛生学的な取り組みの修正を迫るものではなかった。CKDの評価項目にも採用されているsingle urine sampleによる簡便な評価法は、疾病についての啓蒙や、さまざまなコストの軽減、データ収集の容易さをもたらすメリットがある。しかし、このような簡便さによって、科学的な評価に耐えるデータ収集が損なわれている可能性があることを見過ごしてはいけない。ポストホック解析や、観察研究による問題提起は重要であるが、科学に求められていることは、普遍的な真実の解明であることを忘れてはならないのではないか。参考文献1) Stolarz-Skrzypek K, et al. JAMA. 2011; 305: 1777-1785.2) O'Donnell MJ, et al. JAMA. 2011; 306: 2229-2238.3) Aleksandrova K, et al. JAMA. 2011; 306:1083.4) Bochud M, et al. JAMA. 2011; 306: 1084.5) Cook NR. JAMA. 2011; 306: 1085.6) de Abreu-Silva EO, et al. JAMA. 2011; 306: 1085-1086.7) He FJ, Appel LJ, et al. Kidney Int. 2011; 80: 696-698.8) Labarthe DR, et al. JAMA. 2011; 306: 1084-1085.9) Rebholz CM, et al. JAMA. 2011; 306: 1083-1084.10) Whelton PK. JAMA. 2011; 306: 2262-2264.11) Mann S. JAMA. 2012; 307: 1138-1139.

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アルツハイマー病治療、学歴により疾患への対処に違いあり?

 イタリア・ジェノア大学のSilvia Morbelli氏らは、アルツハイマー病(AD)患者の前駆期(prodromal)における学歴別の脳代謝状態を検討した。その結果、高学歴の患者では神経の温存あるいは代償性の神経ネットワークの存在を背景に、より良好な疾患への対処が望める可能性を示唆した。Journal of Nuclear Medicine誌オンライン版2013年4月16日号の掲載報告。 研究グループは、高学歴の前駆期AD患者における、神経変性の認知予備能(resilience)に基づく代謝を検討することを目的とした。対象は、健忘型軽度認知障害患者(後にADへと移行)64例と、対照90例で、脳18F-FDG PETを施行し、両グループ被験者を低学歴群(対照42例、前駆期AD 36例)と高学歴群(同:48例、28例)に分けた。まず、教育状況をマッチさせた患者および対照において脳代謝を比較し、次に前駆期AD集団の高学歴群と低学歴群の代謝を比較した。また両群の比較により、高い教育状況と関連する代謝の抑制および代償の領域を特定した。さらに、その有意な抑制ならびに代償を示す部位を、関心領域(ROI)法を用いて測定し、脳内部位相関分析を行い代謝の連携(ネットワーク)を調べた。すべての解析は、SPM8[ピークレベル時非補正のp<0.001、クラスターレベル時偽発見率補正(年齢、性別、MMSEスコア、中核症状)のp<0.05]により実施した。 主な結果は以下のとおり。・高学歴前駆期AD患者は、左下側頭回、中側頭回、左中後頭回において、低学歴前駆期AD患者に比べ、重篤な低代謝を認めた(ROI抑制)。・一方で右下側頭回、中側頭回、上前頭回においては、相対的に代謝亢進を認めた(ROI代償)。・代償領域は、主に右背外側前頭前皮質(DLFC)に一致し、高学歴前駆期AD患者においては、両半球のいくつかの皮質領域(前頭側頭皮質、海馬傍回、楔前部)と代謝との間に幅広い相関がみられた。一方で低学歴前駆期AD患者ではみられなかった。・これらの代謝との関連が、生理的ネットワークまたは代替ネットワーク、あるいはこれら2つの組み合わせにおいてもみられるか否かを明らかにするため、高学歴対照(神経温存)においても同様のDLFC代謝連携の解析を行った。・その結果、右DLFCの関連部位は、高学歴前駆期AD患者と一部重複していたが、広範囲には渡らなかった。・以上より、高学歴前駆期AD患者は、神経変性の認知予備能のみならず右DLFCにおいて重要な役割を果たしている代償性の神経ネットワークを背景に、より良好な疾患への対処が望めると考えられた。関連医療ニュース ・認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 ・日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは? ・抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?

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糖尿病は軽度認知障害発症リスクを上昇させる

 高齢者において、糖尿病が軽度認知障害(MCI)発症リスクを上昇させることが米国メイヨークリニックのRosebud O. Roberts氏らの研究によって明らかになった。また、本研究により対象者の性別やMCIサブタイプ、障害領域の数によってその相関の強さが異なることも示された。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2013年4月3日付の報告。 2型糖尿病が、アルツハイマー病に移行する可能性がある健忘型MCIや、血管障害由来の非健忘型MCIの発症リスクを上昇させる可能性があることは知られている。本試験では、高齢者を対象に、2型糖尿病とMCIとの関連について、MCIサブタイプ(健忘型、非健忘型)や、性別による関連も含めて検証した。 この前向き集団研究は、ミネソタ州オルムステッド郡在住の70歳以上の高齢者1,450人を対象に行われた。ベースライン時とその後15ヵ月ごとに、認知機能評価に用いられる神経心理学的検査、神経学的検査、臨床認知症評価法(CDRスケール)を実施し、コンセンサス会議の診断基準によってMCIや認知症の評価を行った。2型糖尿病の既往は、ベースライン時の医療記録から確認した。 主な結果は以下のとおり。・経過観察期間中央値は4年で、1,450人中348人がMCIを発症した。・2型糖尿病とMCI発症に相関がみられた(ハザード比:1.39、95%信頼区間:1.08~1.79)。・2型糖尿病とMCIサブタイプ別による関連をみたところ、健忘型MCI(1.58、1.17~2.15)、複数領域・健忘型MCI(1.58、1.01~2.47)、単一領域・健忘型MCI(1.49、1.09~2.05)、非健忘型MCI(1.37、0.84~2.24)であった。・とくに強い相関がみられたのは、男性の複数領域・健忘型MCI(2.42、1.31~4.48)、男性の複数領域・非健忘型MCI(2.11、0.70~6.33)、女性の単一領域・非健忘型MCI(2.32、1.04~5.20)であった。

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全年齢対象の非ホジキンリンパ腫に対するR-CHOP療法、強化療法vs.標準療法/Lancet

 びまん性大細胞型B細胞性非ホジキンリンパ腫に対するR-CHOP療法の全年齢を対象とした強化療法(毎2週投与)について、標準療法(毎3週投与)と比べて有意な改善を示さなかったことが報告された。英国・ロイヤルマーズデンNHS財団トラストのDavid Cunningham氏らが第3相無作為化試験の結果、報告した。これまでに、2004年に60歳以上を対象とした試験でCHOP強化療法(毎2週×6サイクルvs. 毎3週×6サイクル)の全生存の改善が示されていた。ただし、その後日本で行われた強化療法(毎2週×8サイクル)を検証した小規模試験では改善が示されず、またCHOP+エトポシド療法の検討においても全年齢の全生存改善は示されなかった。Lancet誌オンライン版2013年4月22日号掲載より。毎14日投与と毎21日投与を比較 本検討は、新たにびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された未治療の患者における、リツキシマブとシクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン(R-CHOP)療法の全年齢層におけるベネフィットを検討することを目的とした。 対象は、英国内119施設でステージIA~IVと診断された18歳以上の患者とし、R-CHOP毎14日×6サイクル+リツキシマブ毎14日×2サイクルを受ける群(R-CHOP-14)と、R-CHOP毎21日×8サイクルを受ける群(R-CHOP-21)に1対1の割合で無作為に割り付け(マスキングなし)検討した。 主要評価項目は、全生存期間(OS)とした。 R-CHOP-14群は、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、ビンクリスチン2mg、リツキシマブ375mg/m2を1日に、経口プレドニゾロン100mg/m2を1~5日に、これを毎14日×6サイクルし、続いてリツキシマブ375mg/m2/日の毎14日×2サイクルを投与した。 R-CHOP-21群は、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、ビンクリスチン1.4mg(最大2mg)、リツキシマブ375mg/m2を1日に、経口プレドニゾロン40mg/m2を1~5日に、これを毎21日×8サイクル投与した。2年OS達成、R-CHOP-14群82.7%、R-CHOP-21群80.8%で有意差はない 1,080例が、R-CHOP-21群(540例)、R-CHOP-14群(540例)に割り付けられた。 追跡期間中央値46ヵ月(IQR:35~57)において、2年OS達成は、R-CHOP-14群82.7%(95%信頼区間[CI]:79.5~85.9)、R-CHOP-21群80.8%(同:77.5~84.2)で有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.90、95%CI:0.70~1.15、p=0.3763)。2年無増悪生存にも有意差は認められなかった(75.4%vs. 74.8%、HR:0.94、95%CI:0.76~1.17、p=0.5907)。 また両群ともに、国際予後指標高値、予後不良の分子的特性、発生細胞を予測するベネフィットは示されなかった。 グレード3または4の好中球減少症の発現が、R-CHOP-21群で高く(60%vs. 31%)、同群では予定されていなかった遺伝子組換え型顆粒球コロニー刺激因子の投与が行われた。一方、R-CHOP-14群ではグレード3または4の血小板減少症の発現頻度が高かった(9%vs. 5%)。その他に発熱性好中球減少症(11%vs. 5%)、感染(23%vs. 18%)のグレード3または4の有害事象の発現頻度が高かった。 非血液学的有害事象の頻度は、両群で同程度であった。 これらの結果を踏まえて著者は「R-CHOP-14はR-CHOP-21よりも有効ではなく、R-CHOP-21が依然として標準的なファーストライン療法である」と結論している。

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非定型抗精神病薬治療、忍容性の差を検証

 英国・UCLスクール・オブ・ファーマシーのNoor B. Almandil氏らは、小児と青年期若者の非定型抗精神病薬治療による体重増加とその他の代謝への影響について、システマティックレビューとメタ解析を行った。解析に組み込まれたのは、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾールの3剤であった。Pediatric Drugs誌2013年4月15日号の掲載報告。 本解析では、体重増加への影響を主要目的とし、その他の代謝への影響を副次目的とした。EMBASE、PubMed、BIOSIS、International Pharmaceutical Abstractsなどのデータソース、および特定された試験の参考文献リストも対象として文献の検索を行った。適格としたのは、二重盲検無作為化対照試験であり、小児および若者(18歳以下)における非定型抗精神病薬使用と、代謝への有害作用(体重増加、脂質、グルコース、プロラクチン値異常)との関連を調べた試験とした。有害作用の検討は、主要エンドポイントあるいは副次エンドポイントであるかを問わなかった。 主な結果は以下のとおり。・プラセボと各試験薬を比較した、21試験・被験者2,455例が解析に組み込まれた。リスペリドンとの比較は14試験・1,331例、オランザピンは3試験・276例、アリピプラゾールは4試験・848例であった。・解析の結果、プラセボと比較して、各試験薬の体重増加の平均値は、オランザピン3.45kg(95%CI:2.93~3.98)、リスペリドン1.77kg(同:1.35~2.20)、アリピプラゾール0.94kg(同:0.65~1.24)であった。・その他代謝については、8試験において、リスペリドン治療群におけるプロラクチン値の統計的に有意な上昇が報告されていた。・また、2試験において、オランザピン治療群のグルコース、総コレステロール、プロラクチン値の統計的に有意な上昇が報告されていた。・一方でアリピプラゾール群について、プロラクチン値の統計的に有意な減少が3試験で報告されていた。・脂質、グルコース、プロラクチン値の変化については、メタ解析を行うにはデータが非常に限定的であった。・以上から、3剤とも体重増加との関連が統計学的に有意であること、最も体重増加が大きいのはオランザピンであり、アリピプラゾールはわずかであった。副次アウトカムについては、比較可能な複数試験は特定されたが、データはメタ解析の実施および確定的な結論を導き出すにはあまりにも不十分であった。関連医療ニュース ・薬剤誘発性高プロラクチン血症への対処は? ・第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は・・・ ・第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学

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疼痛性障害に対し、学際的な通所疼痛リハビリテーションプログラムが有効

 米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部シカゴリハビリテーション研究所のChristine M. Gagnon氏らは学際的疼痛リハビリテーションプログラムの効果について検討し、多くの患者で精神的苦痛と疼痛が減少するとともに、就労が可能となったことを示した。Pain Practice誌2013年4月号(オンライン版2012年8月3日)の掲載報告。 本研究の目的は、労災補償請求患者のための学際的な通所疼痛リハビリテーションプログラムの有効性を評価することであった。 対象は101例で、主に慢性腰痛を有していた(75%)。 1日8時間、4週間(月曜から金曜)にわたり、個人およびグループによる段階的なプログラムを進めた。プログラムには、疼痛心理学、理学療法、作業療法、弛緩訓練/バイオフィードバック、有酸素運動、プール療法、職業カウンセリング、患者教育および内科的治療が含まれた。 評価項目は、プログラム完了状況、就労状況、復職状況、ベックうつ病評価尺度(BDI)、状態・特性不安尺度(STAI)、疼痛破局的思考尺度(PCS)、マクギル疼痛質問票視覚的ア評価尺度(MPQ VAS)とした。 主な結果は以下のとおり。・プログラム完了者のほとんど(91%)が就労できる状態になり(80%はフルタイム、11%は徐々に)、約半数(49%)は復職した。・プログラム完了者において、うつ病(p=0.000)、疼痛破局的思考(p=0.033)および疼痛(p=0.000)は有意に減少したが、不安については有意差はなかった(p=0.098)。・プログラム未完了者(早期退所または中止した患者)では、統計学的有意差はないものの、疼痛スコア(MPQ VAS)がプログラム開始前(61.20)に比べ、最終観察時(70.33)のほうが高かった。・退所時または退所後早期の痛みの増加は、オペラント因子が原因である可能性が示唆された。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる

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慢性胃食道逆流症、噴門形成術は薬物治療より長期アウトカムも良好/BMJ

 慢性胃食道逆流症(GORD)への腹腔鏡下噴門形成術は、薬物治療と比べて長期的な生活の質(QOL)についても改善することが明らかにされた。英国・アバディーン大学のA.M.Grant氏らが行った多施設共同無作為化試験「REFLUX」の結果で、BMJ誌オンライン版2013年4月18日号で発表された。GORD患者に対する腹腔鏡下噴門形成術は、短期的な症状の軽減については、薬物治療よりも良好である可能性が高いことを示すエビデンスは示されていたが、長期的アウトカムについては不明だった。5年後のQOLスコアを比較 研究グループは2001~2004年にかけて、英国内21ヵ所の医療機関においてGORD患者810例について試験を開始した。被験者は、試験開始時点でGORD症状が12ヵ月以上継続しており、無作為化または自己選択により、噴門形成術または薬物治療を受けた。噴門形成術のタイプについては外科医が選択し、また薬物治療については専門医がその最適性について再検討した。両群とも治療管理については担当医の裁量に任され通常プライマリ・ケアで行われた。 5年後に追跡可能だった246例について、噴門形成術と内科的治療によるアウトカムを比較した。 主要アウトカムは、生活の質(QOL)に関する疾患特異的質問票(REFLUX質問票)に対する自己申告に基づく回答のスコアだった。その他にも、健康状態(SF-36、Euro-QOL EQ-5Dによる)の評価、逆流症予防薬の服用、合併症について調べた。5年後QOLは手術群で良好、嚥下障害や嘔吐障害などの有害事象発生率は両群で同等 5年後の評価時に噴門形成術を行っていたのは、手術群に無作為化された患者の63%に当たる112例と、薬物治療群に割り付けられた患者の13%に当たる24例だった。 5年後に回答の得られた被験者のうち、逆流症予防薬を服用していたのは、手術群44%に対し、薬物治療群では82%と2倍近くに上った。 また5年後のREFLUXスコアも、手術群が薬物治療群より有意に高く、平均格差は8.5(95%信頼区間:3.9~13.1、p<0.001)だった。 5年後のSF-36スコアやEQ-5DスコアといったQOL指標についても、手術群が薬物治療群より良好だったが、有意差はなかった。 嚥下障害、鼓腸、嘔吐障害の長期発生率については、いずれも両群で同程度だった。

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CHD、脳卒中患者の健康的な生活習慣の実践状況が明らかに/JAMA

 冠動脈心疾患(CHD)および脳卒中患者における健康的な生活習慣の実践率は世界的に低く、所得が低いほど実践状況も悪くなることが、カナダ・ハミルトンの公衆衛生研究所のKoon Teo氏らが行ったPURE試験で示された。急性冠症候群患者の観察試験では、より健康的な生活習慣を遵守することで再発リスクが低下することが確認されており、禁煙は死亡や心筋梗塞のリスクを低下させ、質のよい食事や定期的な運動は死亡や心筋梗塞後の心血管疾患の再発リスクを低減することが明らかにされている。一方、CHD、脳卒中患者における健康的な生活習慣の世界的な実践状況は、これまでほとんど知られていなかったという。JAMA誌2013年4月17日号掲載の報告。健康的な生活習慣の実践状況を前向きコホート試験で評価 PURE(Prospective Urban Rural Epidemiology)試験は、CHDおよび脳卒中患者における喫煙の回避、健康的な食事の摂取、定期的な運動の実践状況を評価する前向きコホート試験。 2003年1月~2009年12月までに、17ヵ国[高所得(HIC):3ヵ国、中所得上位(UMIC):7ヵ国、中所得下位(LMIC):3ヵ国、低所得(LIC):4ヵ国]の628地域(都市部348地域、地方280地域)から、35~70歳の15万3,996人が登録された。 喫煙状況(喫煙、禁煙、生涯非喫煙)、運動レベル[低:<600MET(metabolic equivalent task、代謝等量)-分/週、中:600~3,000MET-分/週、高:>3,000MET-分/週]、食事[食物摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)で分類、代替健康的摂食指標(Alternative Healthy Eating Index:AHEI)で定義]について評価した。喫煙:約5分の1、高レベルの運動:約3分の1、健康的な食事:約5分の2 7,519人がCHD(発症時期は中央値で5.0年前、平均年齢57.4歳、女性53.7%)または脳卒中(4.0年前、56.8歳、53.1%)の既往歴があると自己申告した。 このうち、喫煙者が18.5%、就業中または余暇時に高レベルの運動を行っている者が35.1%、健康的な食事を摂っている者は39.0%で、14.3%はこれら3つの健康的な生活習慣をまったく実践しておらず、3つとも行っていたのは4.3%のみであった。 喫煙を止めた者の割合は全体では52.5%で、内訳はHICが74.9%、UMICが56.5%、LMICが42.6%、LICは38.1%であった。運動レベルは所得が高い国ほど上昇したが、この傾向に有意な差は認めなかった。 健康的な食事の摂取率はLICが25.8%と最も低く、LMICは43.2%、UMICは45.1%、HICは43.4%であった。 著者は、「さまざまな所得レベルの国のCHD、脳卒中患者における健康的な生活習慣の実践率は低く、所得が低いほど実践状況は悪くなる可能性が示された」と結論し、「世界のどの地域にも適用可能な、簡便かつ効果的で低コストの2次予防戦略の開発が求められる」と指摘している。

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乳児期の重度のアトピーや食物アレルギー、小児期のマラセチア感作リスクと関連

 1歳未満の乳児期に重度のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを有すると、小児期にマラセチアに対する感作を有するリスクが高くなっていたことを、フィンランド・タンペレ大学病院のO-M. Kekki氏らが10年間のフォローアップの結果、報告した。マラセチアは、ヒトの皮膚に常在する酵母様真菌だが、アトピー性皮膚炎では疾患の増悪に関与することが知られる。Pediatric Allergy and Immunology誌2013年5月号(オンライン版2013年4月3日号)の掲載報告。 研究グループは、乳児期から食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を有している小児について、10年フォローアップ時でのマラセチアに対する感作の有病率を調べた。 対象は、1歳未満でアトピー性皮膚炎かつ牛乳/小麦アレルギーと診断された乳児187例であった。アトピー性皮膚炎の部位は、初診時の診療記録で評価し、10年フォローアップ時はSCORADで評価した。また、11歳時にImmunoCAPにて、マラセチアに対する特異的IgEを評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験児187例は、24例(13%)が牛乳アレルギーを、71例(38%)が小麦アレルギーを、92例(49%)が牛乳と小麦アレルギーの両方を有していた。アトピー性皮膚炎の重症度の内訳は、軽度が94例(50%)、中等度が57例(30%)、重度が36例(19%)であった。・10年フォローアップ時点で、19例(10%)が継続して牛乳または小麦アレルギー(もしくはその両方)を有していた。アトピー性皮膚炎は147例(79%)が軽度であり、30例(16%)がSCORADスコア0であった。・被験児187例のうち、マラセチア属特異的IgE陽性(≧0.35kU/L)者は27%であった。M. sympodialis特異的IgE陽性者は20%であった。・乳児期のアトピー性皮膚炎の範囲は、10年フォローアップ時にマラセチア特異的IgEを有するより高いリスクと関連していた。・食物アレルギーのリスク比は、マラセチア特異的IgE陽性の場合、3.11(95%CI:2.05~4.72、p<0.001)であった。

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妊娠中の抗うつ薬服用は出生児の自閉症リスク増大と関連/BMJ

 妊娠中の抗うつ薬服用(SSRIと非選択的モノアミン再取り込み阻害薬)は、出生児の自閉症リスク増大と関連していたことを、英国・ブリストル大学のDheeraj Rai氏らによる住民ベースのネスティッドケースコントロール研究の結果、報告した。知的障害との関連はみられなかったという。しかし著者は、今回示された関連性について、妊娠中の重度のうつ病が自閉症リスクを増大する原因なのか、あるいは反映しているのかについてはさらなる研究が必要だとまとめている。また、「自閉症が認められたのは、服用者の1%未満の子どもについてであったことから、妊娠中の抗うつ薬服用が有意にリスクの増大に関与した可能性は低いと思われる」と言及している。BMJ誌オンライン版2013年4月19日号掲載の報告より。出生児59万例を対象にネスティッドケースコントロール研究 本研究は、父親のうつ病歴および母親の妊娠中の抗うつ薬使用と出生児の自閉症との関連を調べることを目的としたものであった。 研究グループは、2001~2007年のスウェーデン、ストックホルム住民の0~17歳児58万9,114例を対象に、自閉症例と年齢・性でマッチさせた対照群を特定しネスティッドケースコントロール研究を行った。症例群は4,429例(知的障害あり1,828例、なし2,601例)、対照群は4万3,277例であった(うち自閉症例1,679例、妊娠中の抗うつ薬使用データがある対照1万6,845例)。 主要評価項目は、知的障害ありなしでみた自閉症診断例とした。 父親のうつ病歴とその他の特性は小児の出生前のレジスターで前向きに記録された。1995年以降に生まれた子どもについては、母親の妊娠中の抗うつ薬使用の記録(出産前の初回面談時に記録)が利用可能であった。妊娠中に抗うつ薬服用、自閉症リスクは3.34倍、ただし発生ケースの割合は0.6%未満 結果、子どもの自閉症リスク増大と、母親のうつ病歴との関連が認められた(補正後オッズ比:1.49、95%信頼区間:1.08~2.08)が、父親のうつ病歴とは関連がみられなかった(同:1.12、0.69~1.82)。 服用薬について得られたデータに基づく解析の結果、この関連は妊娠中に抗うつ薬を服用していたと報告した母親のみに認められ(同:3.34、1.50~7.47、p=0.003)、SSRIか非選択的モノアミン再取り込み阻害薬の種類は問わなかった。 またすべての関連は、知的障害はみられない自閉症のケースで高く、知的障害を伴う自閉症のリスクが増大するというエビデンスはなかった。 因果関係があると仮定しても、妊娠中の抗うつ薬服用における自閉症の発生ケースは0.6%であった。

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