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医療従事者の針刺し損傷年間5万件を防ぐ!

 7月16日(火)、大手町サンケイプラザにおいて「医療現場における血液・体液曝露の危機的現状と課題 -医療従事者や患者の感染予防に向けて-」と題して、職業感染制御研究会主催によるメディアセミナーが開催された。 セミナーでは、研究会より木村 哲氏 (東京医療保健大学 学長)と3名の演者が、わが国の医療現場における医療従事者の患者からの血液・体液曝露、ウイルス感染の現状について講演を行った。「針刺し予防の日(8月30日)」を制定 はじめに木村 哲氏が、同会の軌跡を説明し、「現在も医療従事者の血液・体液の曝露や針刺し損傷が年間5万件以上報告され、推計でも20万件近くあるとされる。最近では、在宅医療の普及で患者家族の損傷も報告されている。こうした状況の中で、今後も事故防止、感染リスクの低減に努めるべく、活動の一環として8月30日を『針刺し予防の日』に制定し、今後も事故予防の活動を広く推進していきたい」と今回のセミナーの意義を説明した。適切な器具、教育、システムで防ぐ事故と感染 吉川 徹氏(公益財団法人労働科学研究所 副所長)は、「針刺しによる医療従事者の職業感染と患者への院内感染防止の課題と対策」と題して、針刺し予防と対策の概要について講演を行った。 わが国では年間推計5万件以上の針刺し損傷が発生しており、血液媒介病原体への新規感染の約3分の1が医療関連感染であるという。事例として、ある医療機関の看護師が、採血時の針刺し損傷により患者血液からC型肝炎に感染した例が紹介され、「これは医療現場で生じる労働災害であり、医療機関の安全配慮義務も問題となる」と解説が行われた。 肝炎感染対策では、アメリカの取り組みを例に、予防として手袋・ゴーグル着用での曝露予防の徹底、機器使い捨てのシステム化、安全装置付きの機器の開発・使用、ワクチンの開発など数々の取り組みが行われた結果、医療従事者の感染率が低下したことが報告された。また、アメリカ、EUなどの先進国では、感染予防を法制化し、効果を上げていることが紹介された。 今後の課題としては、厚生労働省の院内感染防止の通達(リキャップ禁止、廃棄容器の適切配置、安全機材の活用)の実効性を上げるためにも、「臨床現場への安全機材の普及を推進し、機材の認知、導入、トレーニングを通じて、針刺し損傷やウイルス感染の撲滅を目指していきたい」と抱負を述べた。インスリン注射はリスクの高い処置 満田年宏氏(公立大学法人横浜市立大学附属病院 感染制御部 部長・准教授)は、「国内外の医療環境における針刺し切創の現状と課題」と題し、臨床現場での具体的な課題について講演を行った。 はじめにB/C型肝炎、HIVの患者動向と国内外での感染状況を説明、医療従事者から患者に感染させる場合もあり、医療従事者の接し方についても今後は配慮が必要と問題を提起した。 次に臨床現場では、安全機材の価格が高価なことや安全機材への認識不足などの理由により安全機能付きの鋭利機材(例.予防接種の針、通常の注射器と針、インスリン注入器の針)がまだ普及しない現状が説明された。また、糖尿病患者は、インスリンや透析など頻回に注射器にさらされることで、肝炎への感染リスクが高いことを指摘。これらを踏まえたうえで、全国集計のデータから看護師が患者にインスリン注射をした時の針刺し損傷報告が1年間に6,675件あったとレポートした。インスリンの注射処置は、リスクの高い処置であり、「医療従事者は、より高いレベルで安全配慮に気を配らなければ、肝炎などに感染するリスクが高くなる」と警鐘を鳴らした。(参考動画: 針刺し防止ビデオ) 最後に、わが国おいても早急にワン・アンド・オンリー(1本の針、注射器、1回の使用)の実現、安全機能付き機材使用時の保険点数化による普及促進を目指し、感染制御ができる体制になることを望みたい、と訴えた。入職(実習)前に接種しておきたいHBワクチン 李 宗子氏(神戸大学医学部附属病院 看護部・感染制御部 感染管理認定看護師)は、「針刺し防止のために求められるもの」と題し、医療現場での事故防止、感染防止の具体的な方策について説明した。 わが国の「エイズ拠点病院」の安全機材導入状況について説明し、安全意識が高いとされるこうした施設においても、安全機材の導入は100%ではなく、全国的にみればまだ安全機材への意識付け、導入が低いことを示唆した。 そして、独自の統計で2004年度と2010年度の100床あたりの針刺し損傷件数の平均値比較では、229件 → 69件と全体的に下がっており、医療機関での啓発活動などが功を奏していることが報告された。また、職種別針刺し発生頻度では(2010年度、n=62)、看護師が実数では一番多いものの職種の構成割合で分析した結果、研修医、医師、看護師、臨床検査技師の順で発生頻度が多いことが説明された。なかでも針刺しが多い原因機材は、使い捨て注射器(針)、縫合針、ペン型インスリン注射針などであることがレポートされた。 次に、針刺し損傷後に問題となる肝炎感染について、「入職時に肝炎ワクチンの接種を行うが、効果の発現までインターバルがあり、そのインターバルの間に不慣れゆえに事故が起こっていて、ワクチンの効果が期待できないでいる。入職前にワクチンを接種するなど、医療機関だけでなく社会全体の取り組みが必要」と問題を提起した。 最後に事故防止への取り組みとして、「入職(実習)前のワクチン接種と安全機材を含む医療機材の普及とトレーニングが必要であるが、実効性を持たせるためにも、1日も早く法令などで整備を行ってもらいたい」と述べ、講演を終えた。職業感染制御研究会について 1994 年に設立。医学・医療関係者の職業感染制御に関心を持つ個人と組織で構成され、針刺し損傷に代表される医療従事者の血液感染をより減少させることを目的に幅広く活動中。詳しくはこちら

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BNP測定と多面的介入により心不全発症予防は可能:地域住民での検討(コメンテーター:中村 元行 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(113)より-

高齢者人口の増加に伴う心不全患者の増加は医学的・社会的問題となっている。地域住民(リアルワ-ルド)を対象として心不全発症を予防できるかは重要な課題である。 本研究はアイルランドで行われたもので、プライマリケア医に通院中の40歳以上の心不全の高リスク群(心血管リスク因子保有者や心血管疾患既往)の約1,300例を対象としている。通常群と介入群に無作為割り付けし、通常群は通常の診療を受け、介入群はBNPを測定し、50pg/mL以上の場合は心エコー検査を実施のうえ、その結果により適切な検査(シンチ、運動負荷、24時間モニタ)と治療(ナースによる薬剤遵守や生活習慣改善指導を含む)を行った。最後に両群とも心エコーを実施し、左室収縮不全や拡張不全の有無を評価した。 約4年間追跡し、第1エンドポントの心不全新規発症または左室機能障害は介入群で半減、第2エンドポイントの複合心血管疾患発症(心房細動、心筋梗塞、脳卒中などの入院)も介入群で同様に半減した。また、BNPが50pg/mL以上であった群(介入群の約42%)はその介入効果はより大きかったとしている。 LimitationとしてBNP 50pg/mLのカットオフ値が適切かどうか、他のヘルスケアシステムを有する諸外国でこの研究結果が成り立つか、どのような介入が重要であるか、費用対効果がどうかなどについては残された問題としている。 しかし、本研究結果はリアルワ-ルドにおける心不全発症高リスク群の選別にBNP値が有用であり、そのような例に対し、多面的介入を行うことにより心不全発症を予防出来ることを示した重要な論文と考える。

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桑島巌 「おかしなことだらけの日本の臨床試験のあり方を問い直す」

.case dl dt{width: 8em; font-weight: bold;}.case dl dd{margin-left: 9em;}.case dl{width: auto;}■最新情報上記「CareNet Live 第4回」は2013年7月10日に放送された内容です。翌日11日に京都府立医科大学は「バルサルタン医師主導臨床研究に係る調査報告」を発表しており、放送後に本テーマを巡る状況が大きく変わっています。これを受けてゲストの桑島巌氏と、ノバルティス社それぞれの見解を掲載しておりますので、上記動画と併せて下記もお読みください。データ改ざんが明らかに―KYOTO HEART Study論文(桑島 巌氏 J-CLEAR理事長 東京都健康長寿医療センター顧問)京都府立医科大学によるバルサルタン医師主導臨床研究に係る調査報告発表に対するノバルティス ファーマの見解(ノバルティスファーマ株式会社のサイトへリンクします)

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データ改ざんが明らかに —KYOTO HEART Study論文

7月11日、京都府立医科大学は、KYOTO HEART Studyに関する調査結果を発表した。その結果、主要エンドポイントである心血管疾患系複合エンドポイントの発生数においてカルテ記載データと解析に用いられたものとの間に大きな隔たりがあることが確認された。その概要は以下のとおりである。カルテ閲覧が可能であった223例のうち、1)複合エンドポイント発生数は、解析用データでは48件(21.5%)あったのに対し、カルテ上確認できたのは34例(15.2%)であった。すなわち14件が水増しされていた。この14件は、エンドポイントとしてエンドポイント委員会に届けられていない可能性が高い。2)複合エンドポイント発生において、カルテと解析用データで一致しなかった症例は、223例中34例(15.2%)にみられた。そのうちカルテで「なし」となっていたのに、解析用データで「あり」となっていたのが、バルサルタン群4例、対照群(非ARB群)20例と対照群において大幅に水増しされていた。3)逆に、カルテでは「あり」となっていたのに、解析用データでは「なし」となっていたのは、バルサルタン群9例、対照群1例と、バルサルタン群で大幅に減少させていた。このようなバルサルタン群を大幅に有利とする生データと解析用データの操作、人為的な改ざんと断定せざるをえない。我々は、論文で記載されているバルサルタン群の45%という複合エンドポイント発生の抑制を、PROBE法という枠内での問題として論じてきたが、事実はデータの改ざんという、科学的論議とは次元を全く異にする、極めて悪質な行為によって生じた結果であったことに憤りを覚える。今回の問題に関するノバルティス社のコメントは、企業として極めて無責任な印象はぬぐえない。ノバルティス社は、元社員に対する調査委員会の事情聴取を受けさせ、事実関係を明らかにする社会的義務があることを認識すべきである。エンドポイント委員会委員長はエンドポイントの食い違いに関する説明が必要である。また今回の臨床試験成績を医師向け商用雑誌における広告座談会などで頻回に本試験の結果を宣伝してきた日本高血圧学会幹部およびガイドライン委員長は、今回の調査結果を受けて一般医師に対して説明責任がある。今回の事件は、医師、薬剤師のみならず国民を欺いた罪は大きい。またわが国から発信される臨床試験に対する信頼性を大きく失墜させ、日本の臨床論文が海外ジャーナルに採択されにくくなることが懸念される。信頼性回復のための方策を立てることは急務である。

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高齢者のせん妄に対する抗精神病薬のリスクは?

 順天堂大学医学部附属病院練馬病院・先任准教授の八田 耕太郎氏らは、一般病院入院中にせん妄を発症した高齢者を対象に1年間の前向き観察研究を実施し、抗精神病薬による有害事象の発現状況を検討した。その結果、重篤な有害事象の発現頻度は0.2%であり、死亡例もなく、リスクは低いことを報告した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2013年6月25日号の掲載報告。 高齢者のせん妄に対する抗精神病薬のリスクについて注意が喚起されているが、研究グループは、「一般病院においても、リスクが有効性を上回るかどうかは臨床上の疑問である」として、1人以上の常勤精神科医のいる一般病院33施設において1年間の前向き観察研究を行った。対象は、急性身体疾患または手術のため入院中にせん妄を発症し、せん妄に対する治療が行われた患者とした。主要アウトカムは、重篤な有害事象の発現率と種類であった。 主な結果は以下のとおり。・せん妄を発症したのは2,834例であった。・そのうち2,453例が、リスペリドン(34%)、クエチアピン(32%)、非経口ハロペリドール(20%)などの抗精神病薬を投与された。・2,453例中、重篤な有害事象は22例(0.9%)報告された。誤嚥性肺炎が最も多く(17例、0.7%)、次いで心血管イベント(4例、0.2%)、血栓塞栓症(1例、0.0%)の順であった。・転倒による骨折または頭蓋内外傷を認めた患者はいなかった。・抗精神病薬の副作用により死亡した患者はいなかった。・臨床全般印象改善尺度(Clinical Global Impressions-Improvement Scale)の平均スコアは、2.02(SD:1.09)であった。・半数以上の患者(54%)で、せん妄は1週間以内に回復した。・以上より、一般病院でも適切な用量調整と副作用の早期発見が行われれば、高齢者せん妄に対する抗精神病薬のリスクは、介護施設あるいは外来の認知症患者に対する抗精神病薬のリスクに比べて低いと考えられた。ポイントは、抗精神病薬の使用を避けることではなく、リスクをいかに観察するかである。関連医療ニュース 抗精神病薬は“せん妄”の予防に有用か? せん妄の早期発見が可能に せん妄はレビー小体型認知症のサイン?!

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在宅歩行運動療法、PAD患者の身体機能を改善/JAMA

 集団認知行動療法による患者の動機づけに基づく在宅歩行運動療法が、末梢動脈疾患(PAD)患者の身体機能の改善に有用なことが、米国・ノースウェスタン大学フェインバーグ医学校のMary M McDermott氏らが実施したGOALS試験で示された。下肢PAD患者の身体機能障害の治療法はほとんどなく、監視下トレッドミル運動療法はその有効性が確認されているものの、通常は医療保険の対象外であったり、施設へ通う必要があるなどの問題がある。在宅歩行運動療法も有望視されているが、最近の無作為化試験の結果は一貫性がなく、現行のACC/AHA(米国心臓病学会/米国心臓協会)やTASC(Trans-Atlantic. Inter-Society Consensus)の診療ガイドラインはこれを推奨するエビデンスは十分でないとしている。JAMA誌2013年7月3日号掲載の報告。在宅歩行運動療法の効果を無作為化試験で評価 GOALS試験は、PAD患者に対する在宅歩行運動療法プログラムの導入による身体機能の改善効果を評価する無作為化対照比較試験。対象は、いずれか一方の下肢の足関節上腕血圧比(ABI)が0.90以下のPAD患者とし、間欠性跛行の有無は問わなかった。 これらの患者が、在宅歩行運動療法を行う介入群または健康教育のみを行う対照群に無作為に割り付けられた。介入群の患者には、集団認知行動療法(集団サポート、自己調整技法)による在宅歩行運動療法への動機づけが行われた。さらに、週1回90分間の研修(指導員が主導するディスカッション45分、屋内トラック歩行45分)に参加し、週5日以上の屋外歩行運動(1回最長50分まで)を行うよう指導された。 主要アウトカムは、6ヵ月後の6分間歩行試験における歩行能の改善であった。歩行距離が50m以上延長、トレッドミル最長時間は1分延長 2008年7月22日~2012年12月14日までに194例が登録され、介入群に97例(平均年齢69.3歳、男性50.5%)、対照群にも97例(71.0歳、49.5%)が割り付けられた。ベースラインの背景因子は、身体機能が介入群で優れた以外は両群で同等であり、典型的な間欠性跛行症状のない患者が全体の72.2%を占めた。 6分間歩行距離は、介入群がベースラインの357.4mから6ヵ月後には399.8mへ延長したのに対し、対照群は353.3から342.2mへと短縮した(平均差:53.5m、p<0.001)。ベースラインの身体機能などで調整しても、有意差は保持されていた(平均差:45.7m、p<0.001)。 トレッドミル歩行運動の最長時間は介入群が7.91から9.44分へ、対照群は7.56から8.09分へ延長し(平均差:1.01分、p=0.04)、加速度計で測定した7日間身体活動量は介入群が778.0から866.1活動単位へ増加し、対照群は671.6から645.0活動単位へと減少した(平均差:114.7活動単位、p=0.03)。 患者自身による評価を検討する歩行障害質問票(WIQ)の歩行距離スコアは、介入群が35.3から47.4点へ、対照群は33.3から34.4点へ上昇し(平均差:11.1点、p=0.003)、WIQ歩行速度スコアはそれぞれ36.1から47.7点、35.3から36.6点へと増加した(平均差:10.4点、p=0.004)。 著者は、「在宅歩行運動療法プログラムは、間欠性跛行の有無にかかわらずPAD患者の歩行耐久性や身体機能を改善し、患者評価による歩行の耐久性や速度にも好影響をもたらした」と結論し、「これらの知見は、監視下運動療法プログラムへの参加が不可能な、あるいは積極的でない多くのPAD患者にとって意義のあるもの」と指摘している。

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医療の一環としてプラセボ治療を行うことに患者は好意的/BMJ

 医療の一環としてプラセボ治療を行うことに対して、多くの患者は好意的な考えを持っていることが、米国・国立衛生研究所(NIH)のSara Chandros Hull氏らによる電話サーベイの結果、報告された。米国では近年、臨床においてプラセボ治療が行われていることが調査によって明らかにされたという(たとえば内科とリウマチ医の調査で半数がプラセボを処方していることが判明したなど)。こうした動向に対しHull氏らは、他国で行われたプラセボ治療についての調査で、患者自身は特定の状況下であればプラセボ治療に寛容であることが示されたという報告を受けて、米国患者のプラセボ治療の使用に対する考え方を調査した。BMJ誌オンライン版2013年7月2日号掲載の報告より。プラセボ治療について、患者1,598人を対象に電話インタビュー 先行研究で、プラセボ治療は、いわゆるプラセボ効果を期待して行われているが、処方内容には差異があることも示されたという。また、プラセボ治療を倫理的に問題とする声があるほか、米国の診療ガイドラインでは、患者が認識していないプラセボ治療は禁じられている。そのような背景を踏まえて研究グループは、米国患者のプラセボ治療の使用に対する考え方を調査した。 調査は、1回の電話サーベイで、カリフォルニア北部の住民で、HMO(健康維持機構)のカイザーパーマネント加入者を対象とした。被験者は、18~75歳で、6ヵ月以内に1回以上、慢性疾患でプライマリ・ケアサービスを受診していた。 1,800人に郵送で案内をしたあと、電話をかけ、1,598人にインタビューができた。そのうち312人からは回答を拒否された。「医師がプラセボ治療を推奨することは受け入れられない」21.9%にとどまる 有効回答率は、全被験者については53.4%(853/1,598人)、電話が通じた人については73.2%(853/1,165人)だった。 大方の回答者(50~84%)は、医師がプラセボ治療を推奨することについて、治療の有効性や安全性、治療目的についての医師の確信レベルにより、また治療の透明性が患者に説明される状況下であれば、容認できると判定していた。 医師がプラセボ治療を推奨することは受け入れられないとした人は、回答者のうち21.9%にとどまった。 回答者は、医師のプラセボ治療の考えについて好意的であり、かつ正直さを評価していた。また、不透明なプラセボ使用は患者と医師との関係性を徐々に蝕んでいく可能性があると確信していた。 著者は、「今回の調査で患者の多くは、プラセボ治療の考えには好意的であると思われ、正直さと透明性を評価していた。このことは、臨床意思決定場面において、医師はプラセボ効果を目的とした治療の妥当性についての意見とその有用性について、患者と十分に話し合うべきであることを示唆している」と結論している。

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妻と死別や離婚した男性、未婚の男性は自殺リスクが高い~国内前向きコホート研究

 婚姻状況(未婚、既婚、死別または離婚)は自殺の予測因子の一つである。東北大学の福地 成氏らは、国内の大規模な集団によるコホートを用いて(宮城県コホート研究)、自殺リスクに対する婚姻状況の影響を男女別に検討した。その結果、妻と死別または離婚した男性や未婚の男性は既婚男性より自殺のリスクが高い一方、女性ではそのような傾向はないことが示唆された。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2013年7月4日号に報告。 宮城県コホート研究は、40~64歳の日本人成人を対象とした前向きコホート研究である。1990年6~8月に宮城県内の14市町村に住む4万7,604人が参加し、婚姻状況を含め、健康に関連するさまざまな生活習慣に関するアンケートを実施した。18年間のフォローアップ中、146人が自殺した。著者らは、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、婚姻状況による自殺死亡率のハザード比と95%信頼区間(95%CI)を、潜在的交絡因子を調整して推計した。 主な結果は以下のとおり。・男性2万671人のうち、フォローアップした34万4,813人年の間に自殺により106人が死亡した。また女性は、2万1,076人のうち、36万5,524人年の間に自殺により40人が死亡した。・男性でのみ、婚姻状況が自殺のリスクと有意に関連していた。男性における多変量調整後のハザード比は、「既婚」に対して「死別もしくは離婚」が2.84(95%CI:1.37~5.90)、「未婚」が1.56(95%CI:0.67~3.64)であった。妻と死別または離婚した男性に自殺リスクの有意な増加が認められた一方、女性にはそのような傾向は認められなかった。

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急性期脳内出血に対する迅速降圧治療(

INTERACT2(Intensive Blood Pressure Reduction in Acute Cerebral Hemorrhage Trial 2)は、脳内出血患者に対する迅速な積極的降圧治療の有効性と安全性を評価することを目的に、多施設共同前向き無作為化非盲検試験として行われた。被験者は、発症6時間以内の脳内出血患者2,839例(平均年齢63.5歳、男性62.9%)で、積極的降圧群(1時間以内の収縮期血圧目標値<140mmHg、1,403例)またはガイドライン推奨群(1時間以内の収縮期血圧目標値<180mmHg、1,436例)に割り付けられた。主要転帰は90日後の死亡と重度身体障害[modified Rankin scale (mRS)で定義されるスコア3~6(死亡)]とされた。 また、両群のmRSの順序尺度解析が行われた。主要転帰が2,794例で判定され、積極的降圧群で719/1,382例(52.0%)、ガイドライン推奨群で785/1,412例(55.6%)となり、積極的降圧群のオッズ比は0.87(95%信頼区間[CI]:0.75~1.01、p=0.06)で有意差はみられなかった。しかし、順序尺度解析では、mRSの低下(機能改善)は積極的降圧群で有意であった(オッズ比:0.87、95%CI:0.77~1.00、p=0.04)。 死亡率は、積極的降圧群11.9%、ガイドライン推奨群12.0%、非致死的重大有害事象の発生は、それぞれ23.3%、23.6%だった。これらの結果から、発症早期の迅速な積極的降圧は、主要転帰を有意に減少させなかったが、機能的転帰の改善をもたらすことが示された。 脳卒中に占める脳内出血の割合が25%を占めるわが国では、INTERACT2の結果は今後の脳卒中治療ガイドラインの改訂に大きな影響を及ぼすと考えられる。現在、急性期の脳内出血に対する迅速降圧治療の有効性に関しては、日本人患者の登録を含むATACH II (Antihypertensive Treatment of Acute Cerebral Hemorrhage) 試験が進行中であり、INTERACT2とともに、その結果が注目される。

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Vol. 1 No. 2 CGM(continuous glucose monitoring)からみた薬物療法

西村 理明 氏東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科米国ピッツバーグ大学公衆衛生大学院はじめに糖尿病の治療目標は、糖尿病をできるだけ早期に発見し、かつ血糖値をできる限り正常に近づけ、糖尿病の合併症の発症を阻止すること、さらに合併症がすでにある場合はその進展を止めることである。現在、糖尿病患者における血糖コントロール指標として主にHbA1cと血糖値が用いられている。しかし、HbA1cは基本的に、長期にわたる血糖変動の平均値を反映する指標である1)。従って、日々の細かな血糖変動をあまり反映しない2)。現在、糖尿病患者の血糖変動を把握するための一般的な手段は、血糖自己測定(self monitoring of blood glucose:SMBG)である。しかし、SMBGは測定時点の血糖値を把握することはできるが、あくまでも測定時点における血糖値であり、測定時点の血糖値がはたして上昇傾向にあるか、変化がないのか、下降傾向にあるのかを推測することは困難である。本項では、CGMの原理ならびにわが国で使用可能な機器に触れ、次にCGMから見た各経口血糖降下薬の薬効に触れる。CGM(continuous glucose monitoring)とは1990年代後半に、前述したSMBGが抱える問題を連続測定により解決することを可能にした持続血糖モニター(continuous glucose monitoring:CGM)機器が開発された。CGM機器は、皮下組織に留置したセンサー(専用の穿刺具により挿入する)を用いて、間質液中のグルコース濃度を連続して測定する。測定方法は、センサー中に含まれる酵素であるglucose oxidaseと、皮下組織間質液中のグルコースを連続的に反応させて電気信号に変換することによる。この間質液中のグルコース濃度の測定値と血糖値との間には乖離が生じるため、現時点では、すべての機器でSMBGを1日に1~4回程度行いその値を入力、もしくは利用することによる補正が必須である。この補正を行うことでCGMの測定値は血糖値に近似した値を連続して示すことが可能となる3)。いずれのCGMも、血糖値が上下するときの追随性、特に低血糖からの回復時の追随性が遅れるという問題を抱えている4,5)。厳密にいえば、CGM機器が実際に測定しているのは間質液中のグルコース濃度であり、血糖値ではない。しかし、CGM機器の測定値はSMBGの値に従って補正され血糖値に近似した値を示すことから、便宜上、本項ではCGM機器による測定値も血糖値と呼称する。現在、日本で使用が承認されているCGM機器は、Medtronic社が1999年にアメリカで販売を開始したメドトロニック ミニメド CGMS-Gold (以下CGMS)(図1)である6,7)。CGMSは10秒ごとに測定を行い、5分ごとの平均値を記録する。従って、1日288回の測定値が記録されるため、血糖の日内変動を把握するために十分な情報を得ることができる。本機器は、欧米より実に約10年遅れで日本における使用が正式に認可された。しかしながら、本機器は本体が大きく、防水でないため入浴時等の取り扱いに手間がかかり、穿刺したセンサーと本体をワイヤーで接続するため、装着時の被検者の負担が大きいという問題を抱えていた。最近、この問題を解決する、非常に小型のメドトロニックiPro®2(日本メドトロニック)が日本でも認可され、発売が開始された(図2)8)。本機器は、穿刺したセンサーと500円玉大の記録機器のみで構成されるため、装着時の負担がCGMSと比較し格段に軽減されており、かつ防水である。この機器により、CGMの使い勝手が格段に向上すると思われ、CGM機器の普及促進につながると信じている。図1 メドトロニック ミニメド CGMS-Gold(日本メドトロニック)(文献6,7より)画像を拡大する図2 メドトロニック iPro®2(日本メドトロニック)(文献8より)画像を拡大する薬物療法とCGM1. スルホニル尿素薬スルホニル尿素(SU)薬は、膵臓のβ細胞に存在するSUレセプターに長時間結合することでインスリンを放出する。SU薬は、この作用機序により強力に血糖値を下げ、結果としてHbA1cも低下することにより、わが国における糖尿病診療では今なお多用されている。しかしながら、膵臓からのインスリン分泌能が欧米人と比較して低いことが指摘されている日本人を含むアジア人に対して、SU薬を漫然と投与することは、膵臓のβ細胞の疲弊をもたらす可能性がある。CGMからみたSU薬の問題点は、食後の高血糖を抑制せず、主に夜間と夕食前に血糖値が低下する血糖値の谷を形成してしまうことである。SU薬高用量使用例における、典型的な血糖変動を示す。HbA1c(JDS値)が8.4%のため入院された77歳女性で、入院時グリベンクラミド(商品名:オイグルコン)を1日6.25mg内服(朝2.5mg、昼1.25mg、夕2.5mgの3回内服)されている方である。CGMを施行してみると、朝食後の血糖上昇が制御できず、朝食後には300mg/dLを超える血糖上昇が認められ、朝食後の血糖値のピークから夕食前まで血糖値は低下し、その低下幅は約150 mg/dLにもなること、さらには、夜間には無自覚の低血糖が観察された(本誌p33の図3を参照)9)。本症例は、(1)朝食後の血糖上昇を制御できないこと(2)夕食前に血糖が低下し、食欲が増加して結果として空腹感が増してしまい体重増加につながる可能性があること(3)HbA1cが高くても夜間に低血糖を起こす可能性があることという、SU薬の問題点を示している。2. 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)速効型インスリン分泌促進薬は、内服後短期間のみ膵臓のβ細胞を刺激しインスリンを分泌させる薬剤である。SU薬との薬効の差が顕著にみられた症例を示す。症例は55歳男性で、HbA1c(JDS値)が8%台を推移し、改善を認めないため入院された方である。入院前から内服していたミチグリニド(商品名:グルファスト)10mg 各食直前内服時の血糖変動をCGMにて評価した。その結果、食後の血糖上昇を含めた血糖変動幅はコントロールされているが、夜間ならびに各食前血糖値は200mg/dL前後と高い値を推移していることが判明した。この2日間における具体的な平均血糖値±SDは入院後2日目が210±23mg/dL、入院後3日目が211±27mg/dLである(本誌p33の図4を参照)。本症例では、内服回数を減らすべく、グリメピリド(商品名:アマリール)0.5mg朝1錠の内服に切り替え後2~3日目の血糖変動をCGMで評価している(本誌p33の図4を参照)。両者の血糖変動を比べると、グリメピリド内服時のほうが、ミチグリニド内服時と比較して、180mg/dL未満の部分の幅も180mg/dL以上の部分の幅も増加していることがわかる。180mg/dL未満の部分の増加に貢献している要因(つまり血糖値が改善している部分)に着目すると、ミチグリニド内服時と比較して、グリメピリド内服時には夕食前と夜間の血糖値が低下している。前項で示したSU薬高用量を使用している症例のCGMパターンと同じ時間帯の血糖値が低下している。一方、180mg/dL以上の部分が増加している要因に着目すると、グリメピリド内服時における食後の血糖上昇が、ミチグリニド内服時より顕著になっていることが明らかである。この2日間における、平均血糖値±SDは切り替え2日目が208±49mg/dL、切り替え3日目が202±35mg/dLであり、ミチグリニド内服時よりも平均血糖値が低下しているが、血糖変動幅(SD)は大きくなってしまう(夜間と夕方は血糖が低下するが、食後の血糖値が上昇してしまう)ことが明白である10)。本症例では、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)で肝障害の既往があるため、グリニド薬とビグアナイド薬であるメトホルミン(商品名:メトグルコ)と組み合わせたところ、血糖変動幅は変化しないまま平均血糖値が劇的に低下したため退院となった。3. α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)α-GIは炭水化物を分解する酵素の1つであるα-グルコシダーゼを阻害して炭水化物の吸収を遅らせることにより、食後の血糖上昇を抑制する薬剤である。その効果を示す症例を示す。52歳男性、HbA1c(JDS値)5.7%の方で、入院後にCGMを施行したところ食後の高血糖が著しいため(特に夕食後の血糖上昇のピーク値は300mg/dLに達している)、α-GIであるミグリトール(商品名:セイブル)50mg各食前投与を開始した。処方前3日間の血糖変動を処方直後の3日間の180mg/dLを超える部分の曲線下面積と比較すると、ミグリトール投与後には、180mg/dLを超えている面積が大幅に減少していることがわかる(本誌p34の図5を参照)9)。4. ビグアナイド薬ビグアナイド薬の代表はメトホルミンである。メトホルミンは、欧米のガイドラインにおいては2型糖尿病の薬物療法における第1選択薬とされている。ビグアナイド薬は主に、肝臓での糖新生の抑制、消化管からの糖吸収の抑制、末梢組織でのインスリン抵抗性の改善などの多彩な作用により血糖コントロールを改善する。それでは、メトホルミンの単独投与がどのように血糖変動を改善するのか、その1例を示す(図3)。39歳男性で入院時のBMIは28.8、HbA1c(JDS値)は9.3%であった。メトホルミン内服前の食事療法のみの時における平均血糖値±SDは、230±54mg/dLであった。メトホルミン750mg開始後7日目のCGMをみると、夜間ならびに食後血糖値すべてが改善していることがわかる。この日の平均血糖値±SDは、132±28mg/dLであった。本症例ではメトホルミンの内服により、平均血糖値は約100mg/dL、SDは半分程度にまで改善していた。本症例より、メトホルミンの効果発現は1週間程度でみられること、夜間ならびに食後血糖値も改善することが示されている。メトホルミンの食後血糖上昇抑制作用に関しては、インクレチン分泌作用による可能性が近年示されている11)。図3 2型糖尿病患者におけるメトホルミン投与前後の血糖改善効果(39歳男性)画像を拡大する5. チアゾリジン薬チアゾリジン薬は、インスリン抵抗性の改善を介して血糖コントロールを改善する。わが国で処方可能なチアゾリジン薬はピオグリタゾン(商品名:アクトス)のみであるが、ピオグリタゾンには心血管イベントの2次予防のエビデンスがあるため、インスリン抵抗性の改善ならびに心血管疾患の2次予防目的に頻用されている。ピオグリタゾンが奏効した方の血糖変動を示す(本誌p35の図7を参照)。症例は48歳男性で、すでに45歳時に心筋梗塞を発症している。糖尿病に関しては、2年前から循環器科でピオグリタゾン15mgが処方されていた。しかしながら、HbA1c(JDS値)が7.4%と十分に改善せず、心筋梗塞の再発予防のために入院となった。ピオグリタゾン15mg内服下で測定されたSMBGの値は極めて良好な値を示したため、血糖変動を検証するためにCGMを施行した。すると、食後の血糖上昇は抑制され、血糖変動は70~180mg/dLの範囲をほぼ推移していることが示された。この方のCGM施行中の平均血糖値±SDは145±22mg/dLであった9)。ピオグリタゾン単剤の投与前投与後のデータは、残念ながら持ち合わせていないが、おそらく、メトホルミンと同じような効果が見られると思われる。また、ピオグリタゾンの食後の血糖上昇抑制作用については明確な機序は示されていないが、肝臓のインスリン抵抗性の改善が影響している可能性がある。6. DPP-4阻害薬DPP-4阻害薬は、インスリン分泌を促進するホルモンであるインクレチン(GLP-1、GIP)の分解酵素であるDPP-4の働きを阻害することにより、血中のインクレチン濃度を高め、血糖降下作用を発揮する薬剤である。わが国において最初に販売されたDPP-4阻害薬であるシタグリプチン(商品名:ジャヌビアもしくはグラクティブ)の効果をCGMで観察した症例を示す。2型糖尿病の39歳男性で、入院時のHbA1c(JDS値)は6.8%の方である。食事療法のみの時の血糖変動と、シタグリプチン50mg開始後8日目のCGMデータを比較検討した(本誌p36の図8を参照)。シタグリプチンの内服にて、各食後の血糖上昇が抑制され、夜間の血糖値の推移が食事療法時は上昇傾向であったのが、平坦化していることが一目瞭然である12,13)。おわりに糖尿病患者の血糖変動パターンは極めて多彩である。従って、HbA1c値の低下のみを目指した杓子定規な薬物の選択によって、糖尿病患者の血糖変動を制御し、耐糖能正常者の血糖変動パターンに近づけることは極めて困難であると思われる。CGMからみた、理想的な経口血糖降下薬の組み合わせは、低血糖を起こしにくいα-GI、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬を中心に組み立て、必要であれば、グリニド薬を追加し、SU薬がどうしても必要であれば少量のみ使用するのが望ましいと個人的には考えている。糖尿病症例における血糖変動パターンにはおそらく個人差があり、将来的には糖尿病患者全員にCGMを施行し、このパターンをソフトウェアが解析して、ここで示したような各薬剤のCGMデータを元に最適な薬物療法、さらには薬物の組み合わせが提案され、主治医と患者が相談しながら治療法を選択する、テーラーメイド医療の時代が来ると思われる。文献1)Nathan DM, Kuenen J, Borg R, et al. A1c-Derived Average Glucose Study Group. Translating the A1c assay into estimated average glucose values. Diabetes Care 2008; 31(8): 1473-14782)Del Prato S. In search of normoglycaemia in diabetes: controlling postprandial glucose. Int J Obes Relat Metab Disord 2002; 26 Suppl 3: S9-173)Boyne MS, Silver DM, Kaplan J, et al. Timing of changes in interstitial and venous blood glucose measured with a continuous subcutaneous glucose sensor. Diabetes 2003; 52(11): 2790-27944)Cheyne EH, Cavan DA, Kerr D. Performance of a continuous glucose monitoring system during controlled hypoglycaemia in healthy volunteers. Diabetes Technol Ther. 2002; 4(5): 607-6135)Wolper t H A . Use of continuous glucose monitoring in the detection and prevention of hypoglycemia. J Diabetes Sci Technol 2007; 1(1): 146-1506)http://www.medtronic.com/country/japan/hcp/secure/diabetes/productinfo/cgms-gold.html7)http://www.medtronic.com/newsroom/content/1100187878655.low_resolution.jpg8)http://www.medtronic-diabetes.co.uk/productinformation/ipro-2.html9)西村理明. CGM 持続血糖モニターが切り開く世界 改訂版. 医薬ジャーナル社(東京), 201110)西村理明. CGM を用いた入院中の血糖管理. レジデント 2010; 3(11) : 104-11211)Migoya EM, Bergeron R , Miller JL , et al. Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors administered in combination with metformin result in an additive increase in the plasma concentration of active GLP-1. Clin Pharmacol Ther 2010; 88(6): 801-80812)Sakamoto M. Analysis of 24-hour antihyperglycemic effect in type 2 diabetes mellitus treating with dipeptidyl peptidase-4 (DPP4) inhibitor (sitagliptin) compare to alphaglucosidase inhibitor (voglibose): A case report using continuous glucose monitoring (CGM). Infusystems Asia 2010; 5: 31-3213)西村理明. 持続血糖モニター(CGM)機器とその血糖変動指標. 糖尿病レクチャー 糖尿病診断基準2010; 1(3): 533-539

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青年期統合失調症の早期寛解にアリピプラゾールは有用か?

 青年期の統合失調症に対するアリピプラゾール(商品名:エビリファイ)の症状改善は、服用開始後早期にみられ、寛解を予測する時期は服用開始3週時点が最も適切であることが、米国・ザッカーヒルサイド病院のChristoph U. Correll氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の事後解析の結果、明らかにされた。Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry誌2013年7月号(オンライン版2013年6月5日号)の掲載報告。 成人の慢性統合失調症において、症状改善の大半は抗精神病薬服用後2、3週に認められ、2週時点で無反応の場合は、その後の無反応が予測される。研究グループは、そのようなデータ(抗精神病薬に対する反応の軌跡と、早期の抗精神病薬効果から最終的なアウトカムが予測されることについて)が、いまだ得られていない青年期の統合失調症について調べることを目的に、6週間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の事後解析を行った。被験者は、13~17歳の統合失調症患者(アリピプラゾール群196例、プラセボ群98例)であった。アリピプラゾール治療により重大症状の改善が服用開始直後の2、3週間で認められるのか、および早期反応(ER:PANSS総スコア改善≧20%)vs.早期無反応(ENR:同改善<20%)の臨床アウトカムの予測について評価した。評価は、服用開始2週時点(ER2/ENR2)と3週時点(ER3/ENR3)について行い、また最終的な反応はPANSS総スコア改善≧40%とした。 主な結果は以下のとおり。・2週時点までに50%近いPANSS総スコア改善の達成が認められた。3週時点までには最大75%のPANSS総スコア改善達成が認められた。・ER2/ER3群は、ENR群よりも、PANSS総スコア、PANSSの陽性・陰性サブスケールスコア、至適な機能的アウトカムの改善が有意に大きかった。・概してER3のほうがER2よりも、アウトカム予測についての感度、特異度、陽性・陰性適中率が良好であった。・6週時点の寛解達成は、ER2群はENR2群よりも8.8倍(95%CI:4.0~19.4)、ER3群はENR3群よりも8.6倍(同:4.5~16.6)有意に多かった(p<0.0001)。有害事象の発生は同程度であった。・以上のように、成人の慢性統合失調症と同様に、早期の青年期統合失調症においても、アリピプラゾール治療開始早期で大半の症状が改善された。また3週時点の改善が、臨床アウトカムを予測するのに最も適切であった。・これらの結果を踏まえて著者は、「試験を延長して実施する必要はあるが、今回の試験の結果は、臨床意思決定に活かしてよいであろう」と結論している。関連医療ニュース アリピプラゾールと気分安定薬の併用、双極性障害患者の体重増加はどの程度? 早期統合失調症、認知機能にGABA作動性抑制が関連 小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は?

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COPDとCOPD・喘息のオーバーラップはバイオマーカーで鑑別できるのか?

 気管支喘息を合併したCOPD(オーバーラップ症候群)ではCOPD単独の患者と比べて、誘発喀痰中の好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)が高いことが、広島大学・分子内科学の岩本 博志氏らにより報告された。The European respiratory journal誌オンライン版2013年6月21日号の掲載報告。 COPDと気管支喘息のオーバーラップ患者とCOPD単独あるいは気管支喘息単独患者との類似点や相違点を明らかにするため、4つのCOPDの潜在的バイオマーカー[肺サーファクタント蛋白質-A(SP-A)、soluble receptor for advanced glycation end-products(sRAGE)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)]を測定した。SP-AとsRAGEは肺細胞由来のマーカーであり、MPOとNGALは好中球由来の分子である(NGALは呼吸上皮細胞にも観察されうる)。 本研究の対象は非喫煙者(n=26)、喫煙者(n=23)、喘息患者(n=32)、COPD患者(n=39)、オーバーラップ患者(n=14)の134例であった。これらの患者の血清中のSP-AとsRAGE、喀痰中のMPOとNGALを酵素免疫測定法(EIA/ELISA)により測定した。 COPD患者とオーバーラップ患者では気管支喘息患者と比較して、喀痰中のMPOと血清SP-Aは有意に上昇していたが、血清sRAGEは減少していた。また、オーバーラップ患者とCOPD患者の比較において、オーバーラップ患者では喀痰中のNGALのみが上昇しており(p = 0.00016)、これにより両者を鑑別できる可能性があることがわかった。 喀痰中のNGAL上昇は、COPDと喘息のオーバーラップ患者に特有の特徴であり、これは好中球性気道炎症の亢進や気道上皮の傷害を示唆しているものと考えられる。

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【ご案内】レジデントメディカルラリーに挑戦しませんか? 目指せ『King of Residents』!

 今年10月13日(日)、第17回へき地離島救急医療学会主催で『レジデントメディカルラリー』が開催されます。当日の研修医の先生方の参加を募集いたします(受付期間:8月5日まで)。■メディカルラリーとは? 医師、看護師、救急救命士がチームを組み、模擬患者を時間内にどれだけ的確に治療できるか競う競技会です。今回のメディカルラリーは、全国初の研修医だけを対象としたメディカルラリーです。日々の研修で学んだ力を存分に発揮し、目の前の患者を救命する達成感を味わってください。 全国の研修病院から集まった初期研修医たちがライバルです。予選と決勝戦を勝ち抜き、『King of Residents』を目指してください。■レジデントメディカルラリーの内容(予定)<予選>メディカルラリー本選に先立ち、臨床研修において十分な経験が求められる知識や技能を試す予選競技会を行い、予選の結果をもとに本選出場チームを10チーム選抜します。1)メディカルラリー 基本シナリオ  実際の救急現場を想定した模擬診察による診断、治療の的確さを競います。2)救急知識クイズ  医学知識、特に救急関連の知識を競います。3)救急実技タイムレース  救急で必要とされる手技、実技の正確性、スピードを競います。<本選>メディカルラリー本選では、予選を勝ち抜いた10チームが、現実の場面を想定したシナリオと現場設定のもとで模擬患者に対して診療を行い、制限時間内にどれだけ的確な治療ができるかを競います。■募集要項対象:初期臨床研修中の医師(卒後1〜2年目)日程:10月12日(土)19時より、グランドサンピア八戸にて競技説明会(出席必須)・競技ルールの説明、懇親会を行います。・後期研修プレゼンテーションも受付けます。・競技者はグランドサンピア八戸に宿泊して頂きます。10月13日(日) 9時より競技開始!・午前中に予選を行い、成績順に10チームが選抜されます。・午後にかけて、予選を勝ち抜いた10チームが本選ラリーに挑戦!・15時より表彰式を行い、15時20分には解散とします。場所:八戸市立市民病院および周辺人数:臨床研修医3名1チームにて募集(最大40チーム)   参加チームは原則として同一施設の研修医のみとする。   複数施設の混成チームも参加可能だが、本選の表彰対象外とする(得点は発表する)。費用:1名18,000円募集受付期間:2013年7月5日~8月5日詳細・申し込みはこちらから>>> http://irakuza.carenet.com/medicalrally/※ケアネットは、本企画にサイト運営・撮影・編集・配信において支援しています。

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日焼け止めの効果はSPFよりも塗り方?

 モナコのLancaster-Coty社国際研究開発センターのMarc Pissavini氏らは、強い日差しの下で長時間過ごす人について、SPF(紫外線防御指数)15とSPF30の日焼け止め製品(サンスクリーン剤)を皮膚に塗布使用した場合の、サンバーン(sunburn)の頻度と程度を推定するためのシミュレーション研究を行った。その結果、サンバーンのリスクを最小限にしたいのであればSPF15よりもSPF30の製品の使用が薦められることを報告した。Photodermatology, Photoimmunology & Photomedicine誌2013年6月号の掲載報告。 本研究は、日焼け止めユーザーの皮膚表面における、日焼け止め効果の格差を推定するために開発されたシミュレーションモデルを用いて行われた。モデルは、製品の平均適用での塗布の厚さと皮膚表面全体の均一性について、日焼け止めユーザーのin vivo測定のSPFの確率分布を統合して創出した。 主な結果は以下のとおり。・SPF15とSPF30いずれの日焼け止めも、名目上のSPFが、日差しに曝される皮膚全体に行き届いていれば、あらゆる紅斑を十分防止可能であった。・しかし、シミュレーションの結果、統合平均量の皮膚表面全体への塗り方で厚さに差があり、とくにSPF15の日焼け止めユーザーで紅斑を招く可能性があることが示された。・以上を踏まえて著者は、「強い日差しの下で長時間を過ごす人は、SPF15よりもSPF30と表示された日焼け止めを使用することが推奨される」と結論した。・そのうえで、「サンバーンのリスクを最小限にしたいのなら、そして皮膚がんリスクも最小限にしたいと考えているのなら、日焼け止め製品を皮膚に慎重に塗布することが勧められる」とまとめている。

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ネットワーク・メタ解析も従来のメタ解析並みの評価が必要だろう(コメンテーター:折笠 秀樹 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(111)より-

「メタ解析」はご存じの方も多いだろうと思うが、「ネットワーク・メタ解析」とはその中の特殊なタイプである。2002年に総説論文(Lumley T. Stat Med. 2002; 21: 2313-2324.)が出ているので、方法論に関心ある方は一読してみて欲しい。 従来のメタ解析では、治療法Aと治療法P(多くはプラセボ)を比較した論文を検索し、質を評価したうえで、AとPの比較結果を統計的に併合する。このとき、治療法Aと治療法Bを比較したいことがあるだろう。たとえば、降圧剤の中での薬剤間比較である。しかしながら、ガチンコ比較試験(head to head trials)はほとんど存在しない。他方、A対P、B対Pという比較試験はたくさんある。それらの比較試験結果から、AとBを間接的に比較する方法が「ネットワーク・メタ解析」と呼ばれている。 米国のオバマ大統領が2009年に法制化し進展する、有用性比較研究(CER; Comparative Effectiveness Research)において、ネットワーク・メタ解析は目玉の1つかもしれない。今までのエビデンスは、治療法AやBのプラセボに対する効果が主だったが、診療現場で必要なエビデンスとは治療法AとBの比較結果である。従来のメタ解析ではAとBの直接比較試験がなければ実施できなかったが、ネットワーク・メタ解析ではそれがなくても間接的に治療法AとBが比較できる。ソフトウエアも少しずつ整備されつつあり、年間およそ50件もネットワーク・メタ解析論文が発表されるようになった。 本研究はネットワーク・メタ解析論文121件をレビューした結果、方法論的に問題のある論文が多かったというメッセージを与えた。メタ解析論文のチェックリストであるPRISMA声明、あるいはAMSTAR声明に照らし合わせた結果、該当論文の検索過程に不備のある論文が26%、出版バイアスなどバイアス評価に不備のある論文が50%もあり、総じて何らかの重大な不備の見られる論文が72%もあったというショッキングな調査結果であった。こうした傾向は、雑誌の種類や財源に依らないことから、ネットワーク・メタ解析論文では、PRISMA声明に沿っているかどうかの査読が浸透していないのではないかと想像される。 今後は、ネットワーク・メタ解析においても、従来のメタ解析と同様のチェックがなされることを希望するとともに、読者もメタ解析論文はどういった点に注意して読むべきかを熟知すべきと思われる。その意味でPRISMA声明(Liberati A, et al. Ann Intern Med 2009; 151:W65-74.)をぜひ一読されたい。

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統合失調症では前頭葉の血流低下による認知障害が起きている:東京大学

 前頭前野は、ワーキングメモリのような基本的な認知機能に関連する。一方で吻側野は、認知機能と現実社会の活動性とを統合する機能を有する。東京大学の小池 進介氏らは、統合失調症患者における、ワーキングメモリタスク中の血流変化を測定し検討した。その結果、統合失調症では前頭葉の血流低下による認知障害が示唆された。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2013年6月3日号の掲載報告。 東京大学の小池 進介氏らは、統合失調症患者と健常対照者について、ワーキングメモリタスク中の血流変化を測定し比較検討した。その結果、両群では対照的な変化がみられ、健常対照者では腹外側前頭前野(VLPFC)の両側性に有意な血流増大がみられたが、統合失調症患者では認められなかった。また、健常対照者では背外側前頭前野(DLPFC)や前頭極皮質(FpC)の血流は有意に低下するが、統合失調症患者の同分野では広範囲に血流増大が認められたことを報告した。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2013年6月3日号の掲載報告。 DLPFCやVLPFCを含む前頭前野は、ワーキングメモリのような基本的な認知機能に関連する。一方でFpCのような吻側野は、認知機能と現実社会の活動性とを統合する機能を有する。機能的MRIによる先行研究において、認知負荷の変化に対するDLPFC活性パターンが、統合失調症患者と健常対照者では、異なることが示されていた。しかし、前頭前野と吻側野との関連について、非限定的条件下における評価はなされていなかったという。 研究グループは、統合失調症患者と健常対象者について、異なる認知負荷を与えるNバック課題ワーキングメモリタスク中の血流変化を、多チャンネル近赤外線分光法(NIRS)を用いて測定し、両群の脳内活性について評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、統合失調症患者26例、健常対照者(年齢、性、プレ発症知能で適合)26例であった。・健常対照者は、両側性VLPFCでは有意なタスク関連の血流増大を示し、DLPFCでは有意なタスク関連の血流低下が示された。認知負荷のタスクがより大きくなるほど、より強いシグナル変化が認められた。・対照的に統合失調症患者は、両側性DLPFCとFpCを含む広範囲の吻側野において血流増大が認められた。しかし、認知負荷増大に関連した血流の低下および増大は、いずれもみられなかった。・今回の多チャンネルNIRS研究の結果、統合失調症患者では認知負荷と関連した血流増大はみられなかったことが示された。すなわち統合失調症では、前頭葉の血流低下による認知障害が示唆された。・また、統合失調症患者では、両側性DLPFCとFpCというより広範な前頭前野における血流増大が認められた。それは前頭葉の血流増大を補完的に図る反応であることが示唆された。関連医療ニュース 早期統合失調症、認知機能にGABA作動性抑制が関連 治療抵抗性の双極性障害、認知機能への影響は? アルツハイマー病の進行抑制に関わる脳内分子を特定

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ネットワークメタ解析は最良治療決定の根拠となるのか?/BMJ

 これまでに発表されたネットワークメタ解析論文の多くでは、系統的レビューに必須とされる方法論関連事項の記述に不足があり、最良の治療法の決定の論拠とするには疑問があることが、フランス・国立保健医学研究所(INSERM)のAida Bafeta氏らの検討で示された。この数年で医療介入の比較研究へのネットワークメタ解析(multiple treatmentsメタ解析、mixed treatment comparisonメタ解析とも呼ばれる)の導入が進んでいる。このメタ解析法では、系統的レビューを行う際の方法論に関する規定を遵守すべきとされるが、解析の方法が複雑なことから、同等の方法論関連リスクを負う標準的なpairwise法による系統的レビューに比べ、これらのリスクの影響をより受けやすい可能性があるという。BMJ誌オンライン版2013年7月1日号掲載の報告。ネットワークメタ解析における系統的レビューの方法論を系統的にレビュー 研究グループは、ネットワークメタ解析における系統的レビューの実施および報告の方法に関する推奨事項の遵守状況を評価するために系統的なレビューを行った。 Cochrane Database of Systematic Reviewsを含む主要な医学文献データベースを検索し、2012年7月12日までに発表された、3つ以上の介入の臨床効果を無作為化対照試験で比較したネットワークメタ解析の論文を選出した。間接比較を含む調整済みのメタ解析は除外した。 系統的レビューにおける一般的特性および主たる方法論関連事項の記載状況を評価し、報告の方法が適切と判定された場合にはその実施方法の質についても検討を行った。 一般的特性には掲載誌名、発表年、著者の国籍、専門領域、資金源、介入のタイプなどが含まれ、方法論関連事項としては「はじめに(introduction)」「方法(methods)」に関する8項目、「結果(results)」に関する4項目、「考察(discussion)」に関する3項目の記述の有無を調査した。高IFの学術誌掲載のネットワークメタ解析論文も例外でない 広範な専門領域を網羅した121編のネットワークメタ解析論文が解析の対象となった。 掲載誌は75誌で、55編(45%)が非専門誌に、66編(55%)は専門誌に掲載された。インパクト・ファクターの高い学術誌に掲載されたのは56編(46%)で、薬物療法による介入を評価した論文は100編(83%)であった。1論文当たりの介入数の中央値は7、対象とされた無作為化対照試験数の中央値は22だった。 88編(73%)のネットワークメタ解析論文が、個々のデータベースの検索方法を記載しておらず、36編(30%)では主要評価項目が明確でなかった。全体として、61編(50%)が個々の試験のバイアスのリスク評価にまったく触れておらず、103編(85%)には出版バイアスの評価法に関する記述がなかった。 87編(72%)が、報告または実施の方法が不適切と判定され(文献検索の報告がない、単一のデータベースを検索しただけで他の情報源に当たっていない、個々の試験のバイアスのリスク評価の記述がない、のいずれかに該当)、この評価には掲載誌のタイプ(非専門誌、専門誌)や資金源(公的、民間)の違いで差はなかった。 Cochrane intervention reviews(version 5.1.0)の方法論に関する評価項目に基づく検討では、実に120編(99%)のネットワークメタ解析論文が報告または実施の方法が不適切とされ、掲載誌タイプ、資金源による差は認めなかった。 著者は、「ネットワークメタ解析の多くは、系統的レビューに必須の方法論関連事項の記述に不足があり、インパクト・ファクターが高い学術誌に掲載された論文も例外ではない」と結論し、「文献の検索が網羅的でなく、バイアスの評価が行われていないネットワークメタ解析論文の結論の信頼性には疑問がある。解析の実施や報告の方法の質の改善を目的とするガイドラインの策定が必要」と指摘している。

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BNPスクリーニング+共同ケア、左室機能障害を予防/JAMA

 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)によるスクリーニングプログラムに、プライマリ・ケア医と心血管専門医による共同ケアを組み合わせるアプローチが、高リスク集団における左室機能障害や心不全の予防に有用なことが、アイルランド・セントビンセント医療グループ/セントマイケル病院のMark Ledwidge氏らが行ったSTOP-HF試験で示された。リスク因子への介入を中心とする現在の心不全予防戦略は、期待されたほど効果的ではないとの指摘があるという。一方、初発心不全リスクが最も高い集団の同定には、リスク因子とBNP検査を組み合わせて対象をさらに限定するサーベイランス(targeted surveillance)がより効果的である可能性が示唆されている。JAMA誌2013年7月3日号掲載の報告。高リスク集団における予防効果を無作為化試験で評価 STOP-HF試験は、左室機能障害および心不全の予防における、BNPスクリーニングプログラム+プライマリ・ケア医と専門医の共同ケアの有効性評価を目的とする無作為化試験。40歳以上の心血管リスク因子を持つ集団を対象とし、通常治療群または介入群に無作為に割り付けた。 全参加者が試験開始時にBNP検査を受け、その後は年1回のBNP測定が実施された。通常治療群では、BNP検査の結果を知らされていないプライマリ・ケア医がライフスタイル改善のアドバイスやリスク因子に対する介入を行った。 介入群のうちBNP≧50pg/mLの集団にはプライマリ・ケア医と専門医による共同ケアが施行され、BNP<50pg/mLの集団には通常治療群と同じ治療が行われた。 主要エンドポイントは、無症候性の左室機能不全または初発心不全の複合的な発生率とした。全体およびBNP高値集団の双方で良好な予防効果 2005年1月~2009年12月までに39のプライマリ・ケア施設から1,374人が登録され、通常治療群に677人(平均年齢65.4歳、男性44.3%、BNP≧50pg/mL 235人)、介入群には697人(64.1歳、46.3%、263人)が割り付けられた。フォローアップは2011年12月まで行われた。 全体の主要エンドポイントの発生率は、通常治療群の8.7%(59人)に対し、介入群は5.3%(37人)と有意に良好であった(オッズ比[OR]:0.55、95%信頼区間[CI]:0.37~0.82、p=0.003)。 無症候性左室機能障害のみの発生率も、通常治療群の6.6%(45人)に対し介入群は4.3%(30人)であり、有意な差が認められた(OR:0.57、95%CI:0.37~0.88、p=0.01)。心不全はそれぞれ2.1%(14人)、1.0%(7人)にみられ、介入群で少ない傾向を認めたが有意差はなかった(OR:0.48、95%CI:0.20~1.20、p=0.12)。 主な心血管イベントによる緊急入院の割合は、通常治療群の40.4/1,000人年に対し、介入群は22.3/1,000人年であり、介入による有意な改善効果が認められた(発生率比[IRR]:0.60、95%CI:0.45~0.81、p=0.002)。 BNP≧50pg/mLの集団の解析では、主要エンドポイント(18.7 vs 9.5%、OR:0.44、95%CI:0.26~0.73、p=0.002)、無症候性左室機能障害(13.6 vs 7.6%、OR:0.47、95%CI:0.27~0.83、p=0.01)、主な心血管イベントによる緊急入院(78/1,000人年 vs 40/1,000人年、IRR:0.54、95%CI:0.37~0.77、p=0.002)などが、介入群で有意に良好であった。

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患者自身による「きめ細やかな基礎インスリンの用量調節」がカギ!

 2013年7月9日(火)、サノフィ株式会社による「2型糖尿病の最適な血糖コントロール」をテーマとしたメディアセミナーが開催された。演者の東京医科大学内科学第三講座 主任教授の小田原 雅人氏は、6月21日~25日に米国シカゴで開催された米国糖尿病学会(ADA)年次学術集会において発表されたATLAS(Asian Treat to target Lantus Study)の意義について語り、「血糖コントロールが不十分な患者自身が基礎インスリンの用量調節を行った場合でも、良好な血糖コントロールが得られることが明らかになった」と述べた。インスリン療法の現状 インスリンは固定用量で投与する薬剤ではなく、血糖コントロールや病態に合わせて適切な用量に調節する必要がある。しかし、血糖コントロールが不十分であるにもかかわらず、初期投与量のまま増量していなかったり、専門医が設定した用量のまま漫然と継続していたりすることが多い。 今年、ADA年次学術集会で発表されたATLASは、基礎インスリンの用量調節に関する試験である。本試験はアジア人を対象とした試験ということもあり、今回のエビデンスは、わが国の2型糖尿病患者におけるインスリンの用量調節のあり方について、少なからず影響を与えるものと考えられる。ATLASの概要 ATLASは日本人を含むアジア人552例を対象に、インスリン グラルギンの新規導入時に医師主導もしくは患者主導で用量調節を行った場合の有効性を比較した試験である。両群とも同じアルゴリズムを用いて、空腹時血糖値が110mg/dLとなるようにインスリンの用量調節を行った。試験の結果、血糖値の相対的な低下度は、患者主導群の方が大きかった。また、重症低血糖の発現率は、患者主導群と医師主導群で差を認めなかった。夜間低血糖、症候性低血糖の発現率はいずれも患者主導群で高かったが、患者教育を行うことで対処が可能であった。まとめ 基礎インスリンの適切な用量調節を阻む要因は大きく分けて、「治療目標の認識不足」、「用量調節の指標がないこと」、そして「低血糖への恐れ」の3つであるという。現在は日本糖尿病学会のガイドラインにおいて、国内外における状況やエビデンスをふまえた血糖コントロール目標値が設定されているため、それぞれの患者に合った目標値を目指して治療を行うことが可能である。 また、ATLASの結果から、患者自身が簡易なアルゴリズムを用いて基礎インスリンの用量調節を行っても医師主導の治療に劣らない血糖コントロール効果が得られること、重症低血糖の発現率も差がないことが明らかになった。今後は基礎インスリンの積極的な用量調節を行い、患者のHbA1cをできるだけ健常人に近づけることが、合併症の発症・進展抑制、健常人と変わらない寿命・QOLの確保につながるのではないだろうか。

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募集した質問にエキスパートが答える!骨粗鬆症診療 Q&A (Part.1)

今回、骨粗鬆診療に関連する3つの質問に回答します。「治療薬の使い分け」「薬剤投与は何歳まで?」「ビスホスの休薬期間」。日頃の悩みがこれで解決。治療薬の使い分け法について教えてください。骨粗鬆症治療薬は1)サプリメント的薬剤(活性型ビタミンD3、ビタミンK2など)、2)骨吸収抑制剤(ビスホスホネート製剤、SERM、抗RANKL抗体)、3)骨形成促進剤(テリパラチド)に分類されます。重症な骨粗鬆症にはテリパラチドが使用されますが、その使用期間は約2年という制限があります。骨吸収抑制剤の中でビスホスホネート製剤は大腿骨近位部骨折を抑制するエビデンスがあり、脆弱性骨折の既往があるなど比較的進行した骨粗鬆症患者に使用します。ただし、近年、長期投与患者に顎骨壊死や非定型骨折が発生した事例が報告されているので、長期投与する場合は慎重に使用しなければなりません。SERMは脆弱性骨折の既往のない比較的初期の骨粗鬆症に使いやすい薬剤です。活性型ビタミンD3、ビタミンK2も比較的初期の骨粗鬆症に使用する薬剤となります。また、ビスホスホネート製剤は食道通過遅延障害、SERMは静脈血栓症、ビタミンK2はワルファリン投与中の患者には投与が禁忌であることも忘れずに確認しましょう。薬剤の投与を続けるべき患者さんの年齢について、教えてください。また、80歳以上でも効果はあるのでしょうか?骨粗鬆症で最も重篤な骨折で70歳代後半から多くなる大腿骨近位部骨折患者にも薬物治療をすることで2次骨折(反対側の骨折)を予防できる、生命予後が改善されるという報告があります。骨粗鬆症は高齢になるほど重症化して骨折しやすくなる疾患です。患者さんがお薬を受け入れるならばぜひ、年齢制限なく薬剤の投与を続けていただきたいと思います。最近では、1ヵ月に一度の内服でよいお薬や1ヵ月に一度の点滴剤なども使用できるので、内服が困難な方にも対処できます。ビスホスホネート製剤の休薬期間について教えてください。近年、ビスホスホネート製剤の長期投与で顎骨壊死や非定型骨折が発生した事例が報告され、長期投与に対して否定的なコメントを目にすることがありますが、現時点で長期投与の是非を確定できるエビデンスがないのが現状です。現時点でアレンドロネートの10年継続投与データが最も長期のものですが、それによると5年間で休薬した場合、多くの症例で骨折危険率は上がらなかったが、重症な骨粗鬆症患者では骨折が増加したと報告されています。ビスホスホネート製剤を5年以上継続している患者さんの休薬を考える場合には、顎骨壊死や非定型骨折を危惧するばかりでなく、休薬により骨折が発生するかもしれないという危険性も考え、個々の患者さんの脆弱性骨折の発生状況や骨密度、骨代謝マーカーなどの情報をもとに慎重に判断すべきでしょう。

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