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インフルエンザ患者数が今季最多の4万4567人

国立感染症研究所によると、今年第3週(1月14~20日)のインフルエンザ患者数が、今季最多の4万4567人(1機関当たり平均9.35人)になった。都道府県別では、1機関当たりの報告数は三重が22.6人で最多。愛知20.5人、香川18.6人、高知17.4人、など。インフルエンザ流行レベルマップhttp://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/index.html

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地域救急医療システムの有効稼働には救急救命士の力が必要

ST上昇型心筋梗塞に対する、冠動脈カテーテル治療(PCI)実施のガイドラインは90分以内とされている。この基準に関して、よく訓練された救急救命士によって指定されたPCI専門センターに直接患者を搬送したほうが、救急治療部の医師が仲介をして転送した場合よりも達成率が高く、PCI実施のための地域体制構築の重要なポイントであることを、カナダ・オタワ大学心臓学研究所のMichel R. Le May氏らが報告した。NEJM誌2008年1月17日号より。全市的な初回PCIアプローチを開発ST上昇型心筋梗塞を起こした患者に対してまずPCIを行うことは、血流の再灌流のためには血栓溶解療法より優れており、患者の病院搬入からバルーン処置までの時間(door-to-balloon time)は90分以内に行うべきとされている。この目標を達成するためには、地域体制をいかに構築するかにかかっていることからMay氏らは、オタワ市において、ST上昇型心筋梗塞を起こしたすべての患者が初回PCIを専門センターで受けられるよう統合的大都市圏アプローチを開発した。そのポイントとして、door-to-balloon timeが、心電図解釈の訓練を受けた救急救命士によって救急現場から直接送り込まれた場合と、救急治療部の医師から転送された場合に差があるかどうかを検証した。救急救命士による搬入は8割が基準クリア2005年5月1日から2006年4月30日の1年間に、PCI専門施設に対し初回PCIを実施するよう依頼があったST上昇型心筋梗塞の患者は計344例。救急現場から直接搬入された患者が135例、救急治療部から引き継がれた患者が209例で、初回PCIは全体の93.6%に実行された。door-to-balloon timeの中央値は、救急現場から搬入された患者は69分(四分位範囲43~87分)で、病院間の搬送が必要だった患者の123分(同101~153分)より短かった(P

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エタネルセプトは小児・思春期の尋常性乾癬にも有効

わが国では関節リウマチ薬として販売されているエタネルセプトは、成人の尋常性乾癬の重症度を軽減することが示され、欧米では承認されている。本論は、小児・思春期の中等度~重度の尋常性乾癬に対する有効性と安全性について評価した、Etanercept Pediatric Psoriasis Study Groupによるフェーズ3の治験報告。NEJM誌2008年1月17日号に掲載された。4~17歳の乾癬患者211例を48週調査対象は4~17歳の乾癬患者211例。まず二重盲検下で無作為に、プラセボを投与する群と、体重1kg当たりエタネルセプト0.8mg(最高50mg)を投与する群に割り付け、12週にわたり週1回の皮下注射が行われた。続く24週は、非盲検でエタネルセプトを週1回投与。36週目に患者138例を再度無作為にプラセボ群とエタネルセプト群に割り付け、投薬中断と再投与が行われ、計48週にわたる効果が検討された。主要評価項目は、12週時点で乾癬部位の面積と重症度を示す指数PASIが、基線から75%以上改善(PASI 75)していることとし、副次評価項目はPASI 50、PASI 90、医師の総合評価による疾患消失またはほぼ消失、安全性評価とした。有害事象3例4件もすべて後遺症なく回復12週時点でPASI 75を達成したのは、エタネルセプト群が57%だったのに対し、プラセボ群は11%だった(P

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気管支喘息治療薬「シングレア」、アレルギー性鼻炎の適応を追加取得

1月25日、気管支喘息治療薬「シングレア(モンテルカストナトリウム)」は、成人アレルギー性鼻炎の適応症を取得した。すでに発売している「シングレア錠10」は、25日から当該適応で長期処方が可能となっている。また、「シングレア錠5mg」は、薬価収載を受けてから新発売となる。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2008/product_news_0125.html

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統合失調症治療薬「ロナセン」承認

1月25日、大日本住友製薬は統合失調症治療薬「ロナセン」(ブロナンセリン)の製造販売の承認を得た、と発表した。初期症状である幻覚・妄想や意欲低下などを軽減する。体重が増える副作用が少ないのが特徴。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.ds-pharma.co.jp/news/pdf/ne20080125.pdf

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オピオイド鎮痛薬の処方増大と処方格差の実態

1990年代後半に全米で推進された質改善の動きによって起きたことの一つに、オピオイド鎮痛薬の処方増が挙げられている。しかしそれに関して、救急部門において疼痛治療のためのオピオイド処方が増えたのか、またオピオイド処方をめぐる人種・民族間の格差に関する状況は明らかにされていなかった。そこでカリフォルニア大学疫学・バイオ統計学部のMark J. Pletcher氏らが調査を実施。JAMA誌2008年1月2日号で報告した。13年間のNHAMCSの記録を対象に調査は、National Hospital Ambulatory Medical Care Survey(NHAMCS)の13年間(1993~2005年)の記録から、救急部門受診の理由が疼痛治療関連だったもの、および診断コードを参照抽出して行われた。検証されたのは、救急部門におけるオピオイド処方件数は増えたのか、白人患者は他の人種・民族集団よりオピオイドを処方されている傾向は見受けられるか、および2000年以降、人種・民族間の処方格差は縮小しているかについて。白人患者の有意性は変わらず検証された期間の、救急部門への疼痛治療関連の受診は42%(156,729/374,891)。オピオイド処方は、1993年は23%だったが、2005年には37%に増えており(傾向のP

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新規髄膜炎ワクチンMenACWYは乳児にも忍溶性が高い

全米で青少年に推奨される髄膜炎の予防ワクチンは四価複合ワクチン(血清A、C、W、Y)だが、乳児期における免疫原性が十分ではない。この点を改良した新規四価複合ワクチンMenACWYに関して、オックスフォード大学ワクチングループが行った乳児期の免疫原性に関するフェーズ2(無作為化非盲検コントロール試験)の結果が、JAMA誌2008年1月9日号で公表されている。生後2ヵ月の乳児、英国225例、カナダ196例を対象に対象は生後2ヵ月の乳児で、英国225例、カナダ196例。期間は2004年8月~2006年9月の間に行われた。英国の乳児はMenACWYを、2、3、4ヵ月時の計3回接種する群と、2、4ヵ月時の計2回接種群、または単価ワクチン(MenC)を2、4ヵ月時の計2回接種する群の3群に割り付けられた。そして全員12ヵ月時にMenACWY接種を受けている。カナダの乳児はMenACWYを、2、4、6ヵ月時の計3回接種群と、2、4ヵ月時の計2回接種群に割り付けられた。12ヵ月時には、3回接種群の半数はMenACWYを追加接種、残り半数は追加接種をせず、また2回接種群については半数にMenACWYを接種、残り半数には従来型の四価ワクチンを接種する形で治験が行われた。主要評価項目は、ヒト血清殺菌活性(hSBA:human complement serum bactericidal activity)力価が、MenACWYを主要に投与した群、および12ヵ月時に追加接種した群で1:4以上となった乳児の割合とされ、安全性と反応性についても評価が行われた。忍容性高く、免疫原性も十分治験実施計画書適合解析(per-protocol analysis)の結果、英国乳児MenACWY 3回接種群では、hSBA 力価1:4以上に達した割合は、血清A:93%(95%信頼区間:84%~98%)、C:96%(同89%~99%)、W-135:97%(90%~100%)、Y:94%(86%~98%)。事後解析の結果は、血清CとYの価は不変、A:92%(84%~97%)、W-135:97% (91%~99%)だった。カナダ乳児MenACWY 3回接種群では、A:81%(71%~89%)、C:98%(92%~100%)、W-135:99%(93%~100%)、Y:98%(92%~100%)。事後解析の結果は、A:83%(74%~89%)、C:98%(93%~99%)、W-135:99%(94%~100%)、Y:98%(92%~99%)で、3回接種群ではいずれも十分な免疫原性が得られた。2回接種群では、血清C、W-135、Yについては84%以上だったが、血清Aについては60%台。それでもMenACWYを主要にもしくは追加接種された乳児の少なくとも95%は13ヵ月時点で血清C、W-135、YのhSBA力価1:4以上を達成、Aについての達成率は84%であるとの結果が得られている。なお接種後疼痛が観察されたのは、英国ではMenACWY 2回接種群で2%、MenC 2回接種群で4%。38℃以上の発熱が観察されたのは、これら接種群でそれぞれ4%、2%。以上から研究グループは、「MenACWYは乳児に対する忍容性が高く、免疫原性も十分に得られるものだ」と結論付けている。(武藤まき:医療ライター)

30648.

手洗い、マスクは、呼吸器系ウイルス感染の拡大防止に有効

 鳥インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)などのウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に対する社会的な関心が高まっている。Cochrane Vaccines Field所属の研究者である Tom Jefferson氏(イタリア、アレッサンドリア)らは、呼吸器系ウイルスの拡大を防止する物理的介入法の効果に関するエビデンスを系統的にレビューし、パンデミックへの備えとしての手洗いやマスクの着用など簡便で低コストの方法の有用性を明らかにした。BMJ誌2008年1月12日号(オンライン版2007年11月27日号)掲載の報告。呼吸器系ウイルス伝搬の予防法に関する49論文をレビュー データベースの検索により、呼吸器系ウイルス伝搬の予防法[発病者の隔離(isolation)、曝露者の隔離(quarantine)、社会的接触の低減化(social distancing)、防御法、個人的防護、衛生管理]に関する無作為化試験、コホート試験、症例対照試験などの文献を抽出した。 51試験に関する49の論文についてレビューを行った。試験の質は、3つの無作為化試験およびほとんどのクラスター無作為化対照比較試験で低く、観察試験にはばらつきがみられた。低コストの物理的な防御法が有効、優先度を上げるべき もっとも質の高いクラスター無作為化試験では、低年齢の小児を対象とした衛生処置による介入が呼吸器系ウイルスの伝搬を予防することが示唆された。また、6つの症例対照試験のメタ解析により、SARSの拡大の予防には次の6つの物理的対策が高い効果を示した。 1日10回以上の手洗い[オッズ比(OR):0.45、1感染の予防に要する治療例数(NNT):4]、マスクの着用(0.32、6)、微粒子用N95マスクの着用(0.09、3)、手袋の着用(0.43、5)、防護用ガウンの着用(0.23、5)、手洗い・マスク・手袋・ガウンの併用(0.09、3)。 通常の手洗いに抗ウイルス薬、抗菌薬を併用した場合の相加的効果は不明であり、スクリーニングや社会的接触の低減化(学校閉鎖、公共の場への集合禁止)などの総合対策については適切な評価法がないため確固たる結論には至っていない。Jefferson氏は、「呼吸器系ウイルス感染の拡大を防止するには、とくに手洗い、マスク着用などの低コストの物理的な防御法が有効と考えられる」と結論し、「これらの方法はパンデミックへの備えとしてもっと高く評価すべきであり、優先度を上げる必要がある」と指摘している。

30649.

最重症肺炎患児に対するアンピシリン+ゲンタマイシンの有効性を確認

種々のバクテリアによって引き起こされる最重症市中肺炎は死亡率が高く、クロラムフェニコールの注射が標準治療とされるが厳格な検証はなされていない。Rai Asghar氏(パキスタン、ラワルピンディ総合病院)らは、医療資源が乏しい状況において最重症市中肺炎に罹患した生後2~59ヵ月の患児に対しては、アンピシリン+ゲンタマイシンがクロラムフェニコールよりも有効なことを明らかにした。BMJ誌2008年1月12日号(オンライン版1月8日号)掲載の報告。7ヵ国が参加した無作為化試験SPEAR(Severe Pneumonia Evaluation Antimicrobial Research)studyは、生後2~59ヵ月の最重症肺炎患児(WHO判定規準)を対象にクロラムフェニコールとアンピシリン+ゲンタマイシンの有効性を比較する無作為化試験。2000年8月~2004年4月の間にバングラデシュ、エクアドル、インド、メキシコ、パキスタン、イエメン、ザンビアの3次病院に入院した958例が登録され、クロラムフェニコール群に479例が、アンピシリン+ゲンタマイシン群に479例が無作為に割り付けられた。5日、10日、21日目の治療無効率はクロラムフェニコール群で高い主要評価項目である5日目における治療無効率は、クロラムフェニコール群の16%に対しアンピシリン+ゲンタマイシン群は11%と有意に低かった[相対リスク(RR):1.43)]。副次評価項目である10日目(19% vs. 14%、RR:1.37)および21日目(22% vs. 16%、RR:1.34)も、同様にアンピシリン+ゲンタマイシン群で優れていた。110例(11.5%)の血液および肺吸引物から112のバクテリアが単離され、そのうち黄色ブドウ球菌が47ともっとも多く、次いで肺炎球菌が22であった。菌血症はクロラムフェニコール群で21日目の治療無効のリスクを増大させたが(RR:2.09)、アンピシリン+ゲンタマイシン群では増大しなかった(RR:1.12)。同様に、肺炎球菌はクロラムフェニコール群において21日目の治療無効(RR:4.06)および死亡(RR:5.80)のリスクを増大させた。多変量解析では、治療無効の独立の予測因子として低酸素血症、クロラムフェニコール治療、女児、免疫抑制状態が挙げられた。以上により、Asghar氏は「医療資源が乏しい状況では、最重症肺炎患児の治療としてクロラムフェニコールよりもアンピシリン+ゲンタマイシンの効果が優れる」と結論し、「これらの知見は、最重症肺炎の第一選択薬としてクロラムフェニコールを推奨しているWHOガイドラインの改定時に大きな影響を及ぼす可能性がある」と指摘している。(菅野 守:医学ライター)

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花粉症に対するステロイド薬と抗アレルギー薬の併用はどのくらい効くのか

グラクソ・スミスクライン(GSK)は、2007年1-5月にかけて花粉症など季節性アレルギー性鼻炎の患者(約2000人)を対象に行った、鼻噴霧用ステロイド薬「フルナーゼ」(フルチカゾンプロピオン酸エステル)と第2世代抗ヒスタミン薬「ジルテック」(セチリジン塩酸塩)の併用治療における安全性・有効性および日常生活の支障度に関する調査結果を発表した。それによると、鼻症状(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉)のいずれにおいても有意な改善効果が示されました。また、併用療法開始前に「中等症」「重症」「最重症」だった患者の83%が、観察期間終了時(4週間後もしくは併用療法中止時)には「軽症」または「無症状」に改善した。観察期間終了時に「無症状」となった患者は全体の32%に達した。一方、副作用の発現頻度は3.4%で、主な副作用は傾眠だった。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_01/P1000454.html

30651.

今年の花粉は「東高西低」

24日、環境省は今春のスギとヒノキ花粉の飛散量予測(確定版)を発表した。それによると、今年は東高西低の傾向で、東日本では昨年の1.5から3倍の飛散が予想される。来週半ばにも東京都など関東や東海地方の太平洋側で飛び始める可能性がある。一方、西日本は昨年を下回る地点が多くなるという。

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ICU患者に対し、鎮静中断による毎日の自発覚醒法+自発呼吸法が有効

ICUに収容された重症患者に対し機械的人工換気を施行する際は、ほとんどの場合大量の鎮静薬を要するが、これらの併用により多くの合併症が引き起こされるため、鎮静および機械的人工換気の低減に向けさまざまなアプローチが試行されている。Timothy D. Girard氏(アメリカ、バンダービルト大学健康サービス研究センター)らは、鎮静中断による毎日の自発覚醒法(SAT)と自発呼吸法(SBT)の併用が、鎮静とSBTによる通常ケアに比べ患者のアウトカムを改善することを明らかにした。Lancet誌2008年1月12日号掲載の報告。毎日のSAT追加の有効性を評価2003年10月~2006年3月の間に4つの第3次病院に336例が登録され、毎日のSAT後にSBTを施行する介入群(168例)あるいは通常ケアとして鎮静とSBTを行う対照群(168例)に無作為に割り付けられた。対照群は、毎朝SBTの安全性が評価されたのちSBTを施行された。介入群は、毎朝SATの安全性評価ののちSATが施行され、さらにSBTの安全性評価後にSBTが実施された。各評価で不適とされた症例は翌朝に再評価が行われた。SATの成功は、鎮静薬の中断と声かけで患者が4時間以上開眼した場合とした。無人工換気日数が有意に増加、1年死亡率は32%低下主要評価項目である試験期間中(登録日~28日後)の機械的補助なしの呼吸日数(無人工換気日数)は、介入群(14.7日)が対照群(11.6日)に比べて多かった(p=0.02)。副次評価項目であるICU退室までの期間(介入群:9.1日 vs. 対照群12.9日、p=0.01)および退院までの期間(14.9日 vs. 19.2日、p=0.04)の中央値も介入群で優れていた。介入群で自己抜管症例数が多かった(16例 vs. 6例、p=0.03)が、再挿管を要する症例の数は同等であり(5例 vs. 3例、p=0.47)、全体の再挿管率にも差は認めなかった(13.8% vs. 12.5%、p=0.73)。一方、1年死亡率は介入群が対照群よりも32%低く(ハザード比:0.68、p=0.01)、介入群における1例を救命するのに要する治療例数(NNT)は7.4例であった。Girard氏は、「鎮静中断による毎日のSATにSBTを併用する覚醒-呼吸プロトコールは、現行の標準的アプローチに比べ、ICUで機械的人工換気を施行されている患者に良好なアウトカムをもたらすことが示唆される」と結論したうえで、「日常診療においてルーチン化すべき」と主張している。(菅野守:医学ライター)

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入院を要する新生児疾患を同定する簡便なアルゴリズムを確立

新生児期(生後28日間)の死亡数は全世界で毎年400万人にのぼると推定され、その約75%は生後1週間以内に死亡している。ミレニアム開発目標4(2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の1/3に減少させる)を達成するには、低~中所得国の新生児死亡率を低減する必要がある。Young Infants Clinical Signs Study Groupは、臨床症状や徴候から入院を要する重篤な新生児疾患を検出する簡便なアルゴリズムを開発、Lancet誌2008年1月12日号で報告した。南アジア、南米、アフリカの6ヵ国が参加バングラデシュ、ボリビア、ガーナ、インド、パキスタン、南アフリカの保健医療施設に、疾患を有する2ヵ月未満の幼児が生後0~6日の群と7~59日の群に分けて登録された。トレーニングを受けた保健師が31の症状および徴候を記録し、小児科専門医が個々のケースにつき入院を要する重篤な疾患の評価を行った。個々の症状、徴候の感度、特異度、オッズ比(OR)を算出し、重篤な疾患(黄疸を除く)の予測値を評価するアルゴリズムを確立した。7つの徴候、症状に基づくアルゴリズムの感度は85%、特異度は75%生後0~6日群に3,177例が、生後7~59日群には5,712例が登録された。生後1週間における重篤な疾患を予測する症状、徴候として以下の12の項目が同定された。飲乳困難の既往(OR:10.0)、痙攣の既往(15.4)、虚脱状態(3.5)、刺激時にのみ運動(6.9)、呼吸数60回/分以上(2.7)、うめき声(2.9)、重度の胸部陥凹(8.9)、37.5℃以上の体温(3.4)、35.5℃以下の体温(9.2)、毛細血管再充満時間の延長(10.5)、チアノーゼ(13.7)、四肢の硬直(15.1)。 これらの徴候のうちいずれか1つの発現を求める決定ルールの感度は87%、特異度は74%と高値を示した。おもに個々の徴候、症状の発生率に基づいてアルゴリズムを7つの徴候(飲乳困難の既往、痙攣の既往、刺激時にのみ運動、呼吸数60回/分以上、重度の胸部陥凹、37.5℃以上の体温、35.5℃以下の体温)に絞っても、感度(85%)、特異度(75%)に変化はなかった。また、生後7~59日群においてもこれら7つの徴候は良好な感度(74%)、特異度(79%)を示した。研究グループは、「本アルゴリズムは簡便であり、保健医療施設に運ばれた0~2ヵ月の幼児において入院を要する重篤な疾患を同定する方法として推奨される」と結論し、「定期の家庭訪問時に新生児の疾患をスクリーニングするには、さらなる検討が必要である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

30654.

入院患者心停止への除細動の遅れは日常茶飯事

心肺蘇生法に関する国際ガイドラインでは、院内で心室性不整脈による心停止が起きた場合、2分以内に除細動を行うことを推奨している。しかしこれまで、その現場レベルの実証データは、ほとんど報告されていない。本研究は米国心臓協会(AHA)が、米国内の医療機関の実態について報告したもので、処置の遅れはどれぐらいあるのか、処置の遅れと生存率との関係について報告している。NEJM誌2008年1月3日号より。全米369病院で心停止患者6,789例を調査本研究は、米国心臓協会(AHA)の米国心肺蘇生登録に参加している369の医療機関から、心室細動または無脈性心室頻拍で心停止を起こした患者6,789例を同定して行われた。多変量ロジスティック回帰を用いて除細動の遅れに伴う影響を確かめ、さらに、患者・病院特性の違いを補正したうえで、除細動が2分以上経ってから行われた場合と、生存退院率との関連性を検討している。3割で除細動実施に遅れ心停止から除細動実施までの時間の中央値は1分(四分位範囲:1分未満~3分)だったが、一方で除細動の遅れは全体の30.1 %(2,045例)で起きていた。患者の生存退院率は、除細動が推奨時間以内なら39.3%、遅れた場合は22.2%で、有意な差がみられた(補正オッズ比0.48、95%信頼区間:0.42~0.54、P

30655.

敗血症に対するヒドロコルチゾン療法は無効

 敗血症性ショックに対するステロイド療法であるヒドロコルチゾン投与(コルチコステロイド治療)の有益性はこれまでも論議されてきたが、CORTICUS研究グループ(Corticosteroid Therapy of Septic Shock)が多施設共同無作為二重盲検プラセボ対照試験の結果、本剤投与は生存率や回復を改善しないと報告した。NEJM誌2008年1月10日号に掲載された。有益性少ないのに幅広く使用 ヒドロコルチゾンは、輸液と昇圧剤による蘇生術後によっても低血圧が続き、コルチコトロピン投与後も血清コルチゾール濃度が適切に上昇しない患者に対してのみ使用可能である。投与による生存への寄与は報告されていないが、敗血症性ショックを起こした患者に広く使われている。 CORTICUS試験は、患者251例をヒドロコルチゾン50mg静脈投与群(6時間ごと5日間投与、その後6日間で漸減)、248例をプラセボ投与群に割り付け行われた。 主要転帰は、28日目時点でのコルチコトロピン試験で無反応だった患者の死亡。死亡率に有意差なく新たな感染症も 全対象499例のうちコルチコトロピン試験に無反応だったのは233例(46.7%、ヒドロコルチゾン群125例、プラセボ群108例)だった。 28日目時点におけるコルチコトロピン無反応だった各群の死亡率は、ヒドロコルチゾン群39.2%、プラセボ群36.1%(P=0.69)であり、反応した各群の死亡率は同28.8%、28.7%(P=1.00)で、反応・無反応とも両群間に有意な差はみられなかった。 また28日目時点でのヒドロコルチゾン群の死亡は251例中86例(34.3%)、プラセボ群では248例中78例(31.5%)で、ヒドロコルチゾン投与による生存率・回復改善のベネフィットは得られなかった(P=0.51)と結論している。 ただし、ヒドロコルチゾン群のほうがショックの回復がプラセボ群に比べ「速やか」ではあった。しかし、新たな敗血症や敗血症性ショックを起こすなど、より多くの重複感染エピソードが発現したとも報告されている。

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テストステロン補充療法がメタボを促進?

男性ホルモンの一種であるテストステロンは、年齢とともに有意に減少することから、テストステロンの補充が老化に対してプラスに働くと考えられている。本論文は、テストステロン濃度が低下した高齢男性に対するテストステロン補充療法の効果に関する臨床試験の報告。運動機能、認知機能、骨密度、体組成、血漿脂質、QOL、安全性が調べられた。JAMA誌2008年1月2日号より。テストステロン160mg/日を60日間投与試験を行ったのはユトレヒト大学医療センター(オランダ)のMarielle H. Emmelot-Vonk氏らの研究グループ。二重盲検無作為化プラセボ対照試験で、テストステロン濃度が13.7nmol/L未満に低下した60~80歳の健常男性237例を対象に、2004年1月から2005年4月にかけて実施した。対象者は、テストステロン(アンドリオール)を1日2回(80mg/回)投与群とプラセボ投与群にランダムに割り付けられ、6ヵ月間投与を受けた。主要評価項目は、運動機能(スタンフォード式健康評価質問票、timed get up and go test、握力、脚伸筋力)、認知機能、骨密度(股関節と腰椎)、体組成、メタボリック危険因子(空腹時血漿脂質、グルコース、インスリン)、QOL(SFH36とQLSMによる)ならびに安全性指標(血清前立腺特異抗原濃度、前立腺体積、国際排尿症状スコア、血清クレアチニン濃度、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ:AST、アラニンアミノトランスフェラーゼ:ALT、γ-グルタミルトランスフェラーゼ:GGT、ヘモグロビン、ヘマトクリット)。身体機能、認知機能、QOLに有意な変化みられず解析対象となった207例のうち、テストステロン投与群はプラセボ投与群と比較して、体脂肪は減少したが除脂肪体重が増大した。しかし、除脂肪体重増によって運動機能や筋力がアップすることはなく、認知機能と骨密度にも変化はみられなかった。インスリン感受性は向上したが、HDLコレステロールは減少。試験終了時には、テストステロン投与群の47.8%、プラセボ投与群の35.5%にメタボリックシンドロームがみられた(P=0.07)。QOLに関しては、ホルモン関連のQOL指標がアップした以外は変化がなかった。前立腺の安全を脅かす因子は検出されていない。これらから研究グループは、テストステロンが低下した高齢男性へのテストステロン補充療法は、除脂肪体重の増加、代謝面の複合的な影響がみられた以外は、身体機能あるいは認知機能への影響は確認できなかったと結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

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抗精神病薬副作用の体重増加や代謝異常に有効なのは?

精神病患者の高脂血症、代謝異常などの共存症発症は、抗精神病薬に共通する副作用の体重増加が関連しているといわれる。中国湖南省にある中南大学湘雅第二医院メンタルヘルス部門のRen-Rong Wu氏らは、抗精神病薬による体重増加や代謝異常に対して、生活習慣への介入単独、+メトホルミン投与もしくはメトホルミン単独投与それぞれの有効性について、同院患者を対象に無作為化試験を実施。JAMA誌2008年1月9日号にて報告した。治療前より体重が10%以上増の統合失調症患者128例を対象試験は2004年10月~2006年12月にかけて、湘雅第二医院の統合失調症を有し、投薬治療前と体重が10%以上増加した成人患者128例を対象に行われた。対象者は無作為に4つの治療群(メトホルミン単独投与群、プラセボ単独投与群、生活習慣介入+メトホルミン投与群、生活習慣介入+プラセボ投与群)のいずれかに割り付けられ、12週間にわたり治療が行われた。メトホルミンの投与量は750mg/日。主要評価項目は、BMI指数、腹囲、インスリン濃度、インスリン抵抗性指数(HOMA-R)。生活習慣介入+メトホルミン、メト単独、生活単独の順で有効対象128例の初期統合失調症患者は全員、精神医学的に比較的安定した状態に改善した。生活習慣介入+メトホルミン投与群は、BMI指数平均1.8(95%信頼区間:1.3~2.3)、インスリン抵抗性指数平均3.6(同2.7~4.5)、腹囲平均2.0cm(同1.5~2.4cm)それぞれ減少した。メトホルミン単独投与群は、1.2(同0.9~1.5)、3.5(同CI、2.7~4.4)、1.3cm(同1.1~1.5cm)。生活習慣介入+プラセボ投与群は、0.5(同0.3~0.8)、1.0(同0.5~1.5)。しかしながらプラセボ単独投与群では平均、1.2(同0.9~1.5)、0.4(同0.1~0.7)、2.2cm(同1.7~2.8cm)ずつの増加がみられた。抗精神病薬による体重増加に対しては生活習慣介入、メトホルミン投与、もしくは両者の組み合わせのいずれもが有効であることが示され、なかでも最も有意に優れていたのは、生活習慣介入+メトホルミン投与であり、メトホルミン単独投与、生活習慣単独介入の順であったと研究者らはまとめている。(武藤まき:医療ライター)

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活動的な両親の子は活動的に育つ?

小児期の身体活動に影響を及ぼす因子が同定されれば、より優れた介入戦略の開発に役立つ可能性がある。しかし、乳幼児期の因子が後年の身体活動にどう影響するかはほとんど知られていない。Calum Mattocks氏(イギリス、ブリストル大学社会医学)らは、5歳までの乳幼児期の因子が後年の11~12歳時の身体活動と相関するか否かについて検討。妊娠中や乳幼児期の両親の身体活動が11~12歳時の身体活動に影響を及ぼすことなどが明らかとなった。BMJ誌2008年1月5日号(オンライン版2007年11月23日号)掲載の報告。イギリスの同時出生コホート研究Avon longitudinal study of parents and children(ALSPAC)は、イギリスで実施されたプロスペクティブな同時出生コホート研究。1991年4月1日~1992年12月31日に出産予定の妊婦14,541人が登録され、14,062人の生児が誕生した。研究グループは、5歳までの乳幼児期の因子が後年の11~12歳時における身体活動と相関するか否かについて検討した。身体活動レベルはcounts per minute(cpm)で評価し、身体活動は11歳時に単軸性アクティグラフ(身体運動記録装置)加速度計を装着してもらい7日間測定することとした。妊娠中の早歩き、水泳が11~12歳時の活動性を高める5,451人の小児から、1日最低10時間の身体活動を少なくとも3日間測定したアクティグラフデータが集められた。回帰係数をカテゴリー変数が“none”のベースラインと比較したところ、「妊娠中の妊婦早歩き」「妊娠中の妊婦水泳」「生後21ヵ月時の両親の身体活動」などが11~12歳時の身体活動に関連していた。Mattocks氏は、「乳幼児期のいくつか因子が後年の11~12歳における身体活動に影響を及ぼすことがわかった」としたうえで、「妊娠中や乳幼児期の両親の身体活動が11~12歳の子どもの身体活動をわずかながら増進させたため、活動的な両親の子どもは活動的に育つ傾向が示唆された。それゆえ、両親が身体活動を増進するよう支援すれば、子どもの活動性が促進される可能性がある」と指摘している。(菅野 守:医学ライター)

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「EU臨床試験指令」による臨床試験数減少は観察されず:デンマーク

2001年5月、欧州連合(EU)では、臨床試験の透明性やEU内ハーモナイゼーションを目的とする「EU臨床試験指令」が施行され、EU加盟各国では2004年5月までの国内法整備を義務づけられた。このEU臨床試験指令実施前後における臨床試験数の変化をデンマークで検討したところ、「指令」による臨床試験数減少は認められなかったという研究結果が、BMJ誌オンライン版2007年12月6日付に早期掲載(本誌2008年1月5日号収載)された。筆者はデンマーク医薬品局のLouise Berendt氏らである。1993年から2005年まで申請数は減少も2006年は一転Berendt氏らは、1993年から2006年の間にデンマーク医薬品局に申請があった臨床試験記録を調べ、「指令」が国内で施行された2004年前後で、臨床試験数を比較した。その結果、1993年から2004年にかけては、大学・病院、民間企業いずれによる臨床試験数も減少傾向にあり、2005年まで試験数は減少し続けた。しかし2006年にはいずれのタイプの臨床試験も著明な増加が認められた。具体的には2005年には、1993年の147件から86件にまで低下した大学・病院による臨床試験は、2006年には107件が申請され、民間企業による試験の申請も2005年の174件から2006年は229件まで回復した。キーはGCP担当部署の存在「EU臨床試験指令」により制約が増加したにもかかわらずデンマークでは臨床試験が減少していない原因としてBerendt氏らは、大学や主要病院にGCP担当部署が広く存在している点を指摘する。デンマークの大学や大病院にはおよそ2,000のGCP担当チームが存在するが、そのようなシステムがないオーストリアでは「指令」後、臨床試験の著明な減少が認められているためだ。「GCP担当者をいかに効率よく配置できるかが、大学・病院による質の高い臨床研究維持には重要だ」と同氏らは結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

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小児の重症肺炎は高用量経口アモキシシリンにより家庭で治療可能

開発途上国では、毎年、下部気道の急性感染症により5歳以下の小児が200万人以上の死亡している。WHOのガイドラインでは、重症肺炎は非経口抗生物質による病院での治療が推奨されている。パキスタン医科学研究所小児病院のTabish Hazir氏は、重症肺炎小児の治療において、高用量アモキシシリンを用いた家庭での治療の有用性を確認、Lancet誌2008年1月5日号で報告した。肺炎小児2,037例を入院治療と家庭治療に無作為に割り付け本試験はパキスタンの5都市7施設で実施された無作為化試験である。対象は、2005年2月~2006年8月の間に咳、呼吸困難あるいはその両方のために小児科を受診した生後3~59か月の小児2,037例。入院にてアモキシシリン(100mg/kg/日)を48時間静注投与したのち経口薬(シロップ80~90mg/kg/日)を3日間投与する群(入院治療群:1,012例)あるいは家庭で経口アモキシシリン(シロップ80~90mg/kg/日)を5日間投与する群(家庭治療群:1,025例)に無作為に割り付けた。フォローアップは登録後第1、3、6、14日に行い、主要評価項目は第6日までに確認された治療無効(臨床的増悪)とした。両群で効果は同等、WHO勧告は改訂すべきper-protocol解析では、入院治療群の36例および家庭治療群の37例がおもにプロトコール違反あるいはフォローアップ不可を理由に除外された。第6日までの臨床的増悪は、入院治療群の87例(8.6%)に、家庭治療群では77例(7.5%)に認められた(リスク差:1.1%、95%信頼区間:-1.3~3.5)。登録後14日までに5例(0.2%)が死亡した(入院治療群:4例、家庭治療群:1例)。いずれの症例も死亡の前に臨床的増悪が確認されており、抗生物質が変更されていた。治療関連死はみられず、重篤な有害事象も報告されなかった。以上の結果により、Hazir氏は「合併症のない重症肺炎小児の治療において、高用量アモキシシリンを用いた家庭治療は現在の標準治療として推奨されている入院によるアモキシシリン治療と同等の効果を示すことが明らかとなった」と結論し、「重症肺炎の治療に関するWHO勧告は改訂する必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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